説明

紙幣入出金機

【課題】 機体全体をコンパクト化する。
【解決手段】 入金収納される紙幣のうち所定金種の還流紙幣を取り込んで収納させるとともに該収納した還流紙幣を出金用として一枚ずつ繰り出す還流スタッカ54,55と、入金収納される紙幣のうち還流紙幣以外の紙幣を収納させるとともに、還流スタッカ54,55から出金用として繰り出された還流紙幣のうち出金不可なリジェクト紙幣を収納させる収納スタッカ53とを有し、還流スタッカ54,55は、取込機構84が上部側方に配置され繰出機構90が下部側方に配置されるとともに、さらに繰出機構90により紙幣を繰り出す際に収納紙幣を上方から押圧する状態と取込機構84により紙幣を取り込む際に収納紙幣から上方に離間した状態で取込紙幣をガイドする状態とに揺動するビルプレス部97を有しており、還流スタッカ54,55および収納スタッカ53は一体化され且つ機体11に対し着脱自在とされている。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入金された紙幣を収納するとともに収納された紙幣を必要に応じて出金させる紙幣入出金機に関する。
【0002】
【従来の技術】入金された紙幣を収納するとともに収納された紙幣を必要に応じて出金させる紙幣入出金機として、例えば、特開平6−44438号公報に開示されたもの等がある。この紙幣入出金機は、入金口に投入された紙幣を機体前部に設けられた入金スタッカの上部に一時貯留させるとともに、該一時貯留させた紙幣を入金確定後に入金スタッカの下部に収納させ、さらに、必要に応じて入金スタッカから紙幣を、該入金スタッカの後側に前後方向に配設された金種別のスタッカに分配して収納させるとともに、この収納した紙幣を各スタッカから繰り出して出金紙幣として使用するものである。この紙幣入出金機では、各スタッカにおいて、紙幣を取り込む取込機構と紙幣を繰り出す繰出機構が共に上部に設けられている。そして、取込機構で紙幣を取り込む際には、内部に昇降可能に設けられたエレベータを紙幣の取り込みに応じて下降させる一方、繰出機構で紙幣を繰り出させる際には、エレベータを上昇させて収納紙幣を繰出機構に接触させて繰り出しを行わせるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、金融自由化の流れを受けて、コンビニエンスストア等の店先に紙幣入出金機を設置する動きがあるが、上記のような従来の紙幣入出金機は、全て大型であるため、レイアウト上設置が困難になっている。このため、よりコンパクトな紙幣入出金機が求められている。したがって、本発明の目的は、機体全体をコンパクト化することができる紙幣入出金機を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明の請求項1記載の紙幣入出金機は、入金収納される紙幣のうち所定金種の還流紙幣を取込機構により取り込んで収納させるとともに該収納した還流紙幣を出金用として繰出機構により一枚ずつ繰り出す還流スタッカと、入金収納される紙幣のうち還流紙幣以外の紙幣を収納させるとともに、前記還流スタッカから出金用として繰り出された還流紙幣のうち出金不可なリジェクト紙幣を収納させる収納スタッカと、を有し、前記還流スタッカは、取込機構が上部側方に配置され繰出機構が下部側方に配置されるとともに、さらに繰出機構により紙幣を繰り出す際に収納紙幣を上方から押圧する状態と取込機構により紙幣を取り込む際に収納紙幣から上方に離間した状態で取込紙幣をガイドする状態とに揺動するビルプレス部を有しており、前記還流スタッカおよび収納スタッカは一体化され且つ機体に対し着脱自在とされていることを特徴としている。このように、還流スタッカが、取込機構が上部側方に配置され繰出機構が下部側方に配置された構成とされているため、取込機構および繰出機構を両方上部に設ける場合に比して、内部にエレベータを持たない構造となりエレベータを昇降させる機構等が不要となるとともに、例えば繰出機構による繰り出し時に取込機構の干渉する部材を逃す機構等も不要となる。加えて、繰出機構により紙幣を繰り出す際に収納紙幣を上方から押圧するビルプレス部が必要となるが、該ビルプレス部は、取込機構により紙幣を取り込む際に収納紙幣から上方に離間した状態で取込紙幣をガイドすることになり、言い換えれば、取込紙幣をガイドするために必要だったガイドを繰り出し時に揺動させてビルプレス部として作動させることになる。よって、ビルプレス部を紙幣の集積空間に対し完全に退避させるものに比して、ビルプレス部の移動量が小さくなる。以上により還流スタッカをコンパクトにすることができる。しかも、上記還流スタッカを、入金収納される紙幣のうち還流紙幣以外の紙幣を収納させるとともに還流スタッカから出金用として繰り出された還流紙幣のうち出金不可なリジェクト紙幣を収納させる収納スタッカと一体化し且つ機体に対し着脱自在としているため、機体内の紙幣を回収する際に、一体化されたこれらを機体から取り外せば、還流紙幣と還流紙幣以外の入金収納紙幣とリジェクト紙幣とを一度に回収することができる。
【0005】本発明の請求項2記載の紙幣入出金機は、請求項1記載のものに関して、前記還流スタッカを金種別に複数有しており、これら複数の還流スタッカと収納スタッカとが一体化され且つ機体に対し着脱自在とされていることを特徴としている。これにより、還流スタッカを金種別に複数有する場合にも、上記と同様、すべての還流スタッカをコンパクトにすることができることになる。しかも、上記複数の還流スタッカを収納スタッカと一体化し且つ機体に対し着脱自在としているため、紙幣を回収する際に、一体化されたこれらを機体から取り外せば、複数金種の還流紙幣とリジェクト紙幣とを一度に回収することができる。
【0006】本発明の請求項3記載の紙幣入出金機は、請求項1または2記載のものに関して、前記還流スタッカおよび収納スタッカは、上下方向に配設されていることを特徴としている。上記のようにコンパクト化が図られた還流スタッカが、収納スタッカと上下に配設されているため、収納スタッカと還流スタッカとを機体内で効率良く配置することができる。
【0007】本発明の請求項4記載の紙幣入出金機は、入金口に投入された紙幣を一枚ずつ分離して機体内に繰り出す分離繰出機構と、該分離繰出機構で繰り出された紙幣のうち入金可能な紙幣を取込機構により取り込んで収納させるとともに該収納した紙幣を繰出機構により一枚ずつ繰り出す一時貯留部とを有し、該一時貯留部は、取込機構が上部側方に配置され繰出機構が下部側方に配置されるとともに、さらに繰出機構により紙幣を繰り出す際に収納紙幣を上方から押圧する状態と取込機構により紙幣を取り込む際に収納紙幣から上方に離間した状態で取込紙幣をガイドする状態とに揺動するビルプレス部を有することを特徴としている。これにより、入金口に投入された紙幣を分離繰出機構により一枚ずつ分離して機体内に繰り出すため、オペレータが一枚ずつ分離する必要がなくなる。また、一時貯留部が、取込機構が上部側方に配置され繰出機構が下部側方に配置された構成とされているため、取込機構および繰出機構を両方上部に設ける場合に比して、内部にエレベータを持たない構造となりエレベータを昇降させる機構等が不要となるとともに、例えば繰出機構による繰り出し時に取込機構の干渉する部材を逃す機構等も不要となる。加えて、繰出機構により紙幣を繰り出す際に収納紙幣を上方から押圧するビルプレス部が必要となるが、該ビルプレス部は、取込機構により紙幣を取り込む際に収納紙幣から上方に離間した状態で取込紙幣をガイドすることになり、言い換えれば、取込紙幣をガイドするために必要だったガイドを繰り出し時に揺動させてビルプレス部として作動させることになる。よって、ビルプレス部を紙幣の集積空間に対し完全に退避させるものに比して、ビルプレス部の移動量が小さくなる。以上により一時貯留部をコンパクトにすることができる。
【0008】本発明の請求項5記載の紙幣入出金機は、請求項1乃至3のいずれか一項記載のものに関して、入金口に一枚ずつ投入された紙幣を機体内に繰り出す非分離繰出機構を有し、前記還流スタッカは、前記非分離繰出機構で一枚ずつ繰り出された紙幣であって入金可能な所定金種の還流紙幣を取込機構により取り込んで収納させるものとされ、前記収納スタッカは、前記非分離繰出機構で繰り出された紙幣であって前記還流紙幣以外の入金可能な紙幣を収納させることを特徴としている。これにより、入金口に一枚ずつ紙幣が投入されると、非分離繰出機構がこれを機体内に繰り出すことになり、非分離繰出機構で一枚ずつ繰り出された紙幣であって入金可能な所定金種の還流紙幣を還流スタッカに取り込んで収納させる一方、還流紙幣以外の入金可能な紙幣を収納スタッカに収納させることになるため、紙幣を一枚ずつに分離する機構と、該機構で繰り出された紙幣を一時貯留する一時貯留部とが不要となる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態の紙幣入出金機を図1〜図5に基づいて説明する。第1の実施の形態の紙幣入出金機は、紙幣を受け入れるとともに受け入れた紙幣を必要に応じて繰り出すいわゆる還流型のもので、具体的には、三金種(千券,五千券,万券)が入金されそのうちの二金種(千券,五千券)を還流紙幣として還流させるものであり、機体11の前面側(図における左側)の上部に入金口12と出金口13とがそれぞれ一つずつ設けられており、出金口13が手前側に、入金口12がその後側に設けられている。
【0010】入金口12には、外部から入金処理しようとする紙幣が集積状態でオペレータにより投入されることになり、入金口12に投入された紙幣は、分離繰出機構15により該紙幣が1枚ずつ分離されて機体11内に繰り出されることになる。ここで、入金口12には、ほぼ水平に沿って機体の後部位置まで延在する搬送路16が接続されており、分離繰出機構15で繰り出された紙幣は、この搬送路16に送られるようになっている。
【0011】分離繰出機構15は、軸線が左右方向に水平配置された状態で設けられ、入金口12に投入された紙幣の最下のものに当接してこれを搬送路16に向け蹴り出す蹴出ローラ18と、軸線が左右方向に水平配置された状態で設けられ、蹴出ローラ18で蹴り出された紙幣を一枚ずつ分離して搬送路16に繰り出す繰出ローラ19および分離ローラ20とを有している。ここで、分離ローラ20は、図示せぬワンウエイクラッチにより、下側部分を前方へ移動させる方向の回転のみが許容され、逆方向の回転が規制されるようになっており、これにより、繰出ローラ19に接触する以外の紙幣の取り込みを規制する。入金口12および出金口13には、これらを開閉させる共用のシャッタ21が設けられている。
【0012】搬送路16は、機体11の後部位置の分岐点23で、上方向に延在した後に機体11における前方向に略水平に延在する搬送路24と、下方向に延在した後に機体11における前方向に略水平に延在する搬送路25とに分岐されており、分岐点23には、搬送路16からの紙幣を搬送路24と搬送路25とに振り分ける振分部26が設けられている。搬送路16の途中には紙幣の金種、真偽、斜め送り、多重送りなどを判別する入金判別部27が設けられている。
【0013】搬送路25は、機体11の中央位置の分岐点29で、そのまま機体11における前方向に延在する搬送路30と、下方向に延在し機体11における後方に若干延出した後に上方向に延在して搬送路25の分岐点23と分岐点29との間に合流する搬送路31とに分岐されており、分岐点29には、搬送路25からの紙幣を搬送路30と搬送路31とに振り分ける振分部32が設けられている。そして、搬送路30には出金口13が接続されている。
【0014】搬送路31における前部の鉛直延在部分である第1搬送路31aの上部位置の分岐点34には、機体11における前方に延出する搬送路35が分岐接続されていて、分岐点34には、上から搬送される第1搬送路31aの紙幣を、そのまま第1搬送路31aで下方に搬送させる状態と、搬送路35で前方に搬送させる状態とに振り分ける振分部36が設けられている。
【0015】搬送路31の第1搬送路31aの分岐点34より下側の分岐点38には、機体11における前方に延出する搬送路39が分岐接続されていて、分岐点38には、上から搬送される第1搬送路31aの紙幣を、そのまま第1搬送路31aで下方に搬送させる状態と、搬送路39で前方に搬送させる状態とに振り分ける振分部40が設けられている。搬送路31の第1搬送路31aの分岐点38より下側の合流点42には、機体11における前方から延出する搬送路43が接続されていて、合流点42では、搬送路43から後方に搬送される紙幣を第1搬送路31aで下方に搬送させる。
【0016】搬送路31の第1搬送路31aの合流点42より下側の分岐点45には、機体11における前方に延出する搬送路46が分岐接続されていて、分岐点45には、上から搬送される第1搬送路31aの紙幣を、そのまま第1搬送路31aで下方に搬送させる状態と、搬送路46で前方に搬送させる状態とに振り分ける振分部47が設けられている。搬送路31の第1搬送路31aの分岐点45より下側の合流点49には、機体11における前方から延出する搬送路50が接続されていて、合流点49では、搬送路50から後方に搬送される紙幣を搬送路31の下部で水平延在する第2搬送路31bで機体11における後方に向け搬送させる。搬送路31における後部の鉛直延在部分である第3搬送路31cには、下から上へ搬送される紙幣の斜め送り、多重送りなどを判別する出金判別部51が設けられている。
【0017】そして、搬送路35,39,43,46,50の前方には、機体11に対し着脱自在の紙幣収納庫52が設けられている。この紙幣収納庫52は、図5に示すように、箱状のもので、持ち運びを行う際にオペレータにより把持される取手52aが上部に設けられている。紙幣収納庫52は、収納スタッカ53と複数具体的には二つの金種別の還流スタッカ54,55とが筐体56内に上下方向に設けられて一体化されたもので、筐体56内の上部に収納スタッカ53が、筐体56内の該収納スタッカ53の下側に還流スタッカ54が、筐体56内の該還流スタッカ54の下側に還流スタッカ55が設けられている。
【0018】この紙幣収納庫52について、機体11の所定の装填位置に装填された状態をもって説明する。紙幣収納庫52内の上部後側には、機体11側の搬送路35に接続される搬送路58が設けられており、収納スタッカ53は、これら搬送路35,58を介して機体11における前方向に向け搬送されてきた紙幣を上部の取込機構59により集積空間60内に取り込んで集積状態で収納させるものである。
【0019】収納スタッカ53は、鉛直状態で左右方向に配置された第1立設板部62と該第1立設板部62の下端から機体11における後方に水平に延出する底板部63と該底板部63の後端から第1立設板部62と略平行に配置された第2立設板部64とを有する収納筐体65を具備している。
【0020】取込機構59は、収納筐体65内の集積空間60における上部側方、具体的には第2立設板部64の上側に設けられており、軸線が左右方向に水平配置された状態で設けられるとともに、搬送路58を介して搬送される紙幣を収納筐体65内に略水平状態で前方向に放出させる導入ローラ66および送りローラ67と、導入ローラ66に付設され導入ローラ66および送りローラ67で放出され第1立設板部62に当接された紙幣の後端を下方すなわち底板部63に向け叩き落とす羽根車68とを有している。これにより導入ローラ66および送りローラ67から放出された紙幣は、第1立設板部62で放出先端側が揃えられて順次下から上へその表裏面を上下方向に向けて集積され集積空間60内に収納される。
【0021】集積空間60の上部位置には、機体11における後側を上方に位置させるよう水平に対し若干傾斜され、その後端部の高さを取込機構59の導入ローラ66および送りローラ67の間の紙幣導入位置近傍であってその若干上側に位置させて、導入ローラ66および送りローラ67から放出された紙幣を、水平に対し若干先端が下方に位置するよう案内するガイド70が設けられている。
【0022】紙幣収納庫52の搬送路58の下側には、機体11側の搬送路39に接続される搬送路71が設けられており、該搬送路71の下側には、機体11側の搬送路43に接続される搬送路72が設けられている。還流スタッカ54は、搬送路39,71を介して機体11における前方向に向け搬送されてきた紙幣を上部より内部に取り込んで集積状態で収納させる一方、内部に収納した紙幣を一枚ずつ機体11における後方側に下部より繰り出して、搬送路72,43で搬送させるものである。
【0023】紙幣収納庫52の搬送路72の下側には、機体11側の搬送路46に接続される搬送路73が設けられており、該搬送路73の下側には、機体11側の搬送路50に接続される搬送路74が設けられている。還流スタッカ55は、搬送路46,73を介して機体11における前方向に向け搬送されてきた紙幣を上部より内部に取り込んで集積状態で収納させる一方、内部に収納した紙幣を一枚ずつ機体11における後方側に下部より繰り出して、搬送路74,50で搬送させるものである。
【0024】搬送路24には、該搬送路24を介して機体11における前方向に向け搬送されてきた紙幣を上部より内部に取り込んで収納させるとともに内部に収納した紙幣を一枚ずつ機体11における後方側に下部より繰り出す一時貯留部76が設けられており、該一時貯留部76には、該一時貯留部76から機体11における後方に向いた後にUターンし、該一時貯留部76の下側で機体11における前方側に略水平延在して、一時貯留部76と入金判別部27との間位置で上方に向けられ、その後、入金判別部27の上側で機体11の前方向に水平延在し、最後に入金判別部27と入金口12との間で下方向に延在して、搬送路16の入金判別部27と入金口12との間位置に合流する搬送路77が接続されている。
【0025】ここで、一時貯留部76は、機体11に対し一つのみ設けられており、入金口12に投入され分離繰出機構15で一枚ずつ分離されて繰り出され機体11内で搬送される紙幣を取り込んで収納させるとともに該収納した紙幣を一枚ずつ繰り出すことになる。また、還流スタッカ54は、一時貯留部76から繰り出された紙幣のうち所定の第1金種の還流紙幣(例えば千券)のみを取り込んで収納させるとともに該収納した第1金種の還流紙幣を出金用として一枚ずつ繰り出すことになり、還流スタッカ55は、一時貯留部76から繰り出された紙幣のうち所定の第2金種の還流紙幣(例えば五千券)のみを取り込んで収納させるとともに該収納した第2金種の還流紙幣を出金用として一枚ずつ繰り出すことになる。加えて、収納スタッカ53は、機体11に対し一つのみ設けられており、一時貯留部76から繰り出された紙幣のうち前記所定金種の還流紙幣以外の紙幣(この場合万券)と、還流スタッカ54,55が満杯状態のときの還流紙幣と、出金に適さない損券状態の還流紙幣と、一時貯留部76から紙幣収納庫52に収納する際に入金判別部27でいずれの金種の紙幣であるかを判別できなかった搬送異常紙幣などと、還流スタッカ54,55から出金用として繰り出された還流紙幣のうち出金不可なリジェクト紙幣とを取り込んで収納させることになる。なお、収納スタッカ53は紙幣の機体11内への繰り出しは行わない。
【0026】還流スタッカ54,55および一時貯留部76は全く同一構造のものであり、一時貯留部76は機体11の後部に、還流スタッカ54,55は上述したように機体11の前部の紙幣収納庫52にそれぞれ設けられている。還流スタッカ54,55および一時貯留部76は、それぞれ、鉛直状態で左右方向に配置された立設板部79と該立設板部79の下端から機体11における後方に水平に延出する底板部80とを有する収納筐体81と、底板部80の延出先端側の上方に略鉛直状態で左右方向に配置された別体板部82とを有している。
【0027】一時貯留部76においては搬送路24に接続され、還流スタッカ54においては搬送路71に接続され、還流スタッカ55においては搬送路73に接続される取込機構84は、収納筐体81および別体板部82で画成される集積空間85の機体11における後部かつ上部に設けられるもので、具体的には別体板部82の上側に設けられている。この取込機構84は、軸線が左右方向に水平配置された状態で設けられるとともに、一時貯留部76においては搬送路24、還流スタッカ54においては搬送路71、還流スタッカ55においては搬送路73を介して搬送される紙幣を、収納筐体81内に略水平状態で前方向に放出させる導入ローラ86および送りローラ87と、導入ローラ86に付設され、導入ローラ86および送りローラ87で放出され立設板部79に当接された紙幣の後端を下方すなわち底板部80に向け叩き落とす羽根車88とを有している。
【0028】これにより、一時貯留部76においては搬送路24で搬送され還流スタッカ54においては搬送路71で搬送され還流スタッカ55においては搬送路73で搬送されて、それぞれ導入ローラ86および送りローラ87から放出された紙幣は、立設板部79で放出先端側が揃えられて順次下から上へその表裏面を上下方向に向けて集積空間85内で集積され収納される。
【0029】一時貯留部76においては搬送路77に接続され還流スタッカ54においては搬送路72に接続され還流スタッカ55においては搬送路74に接続される繰出機構90は、集積空間85の下部に設けられるもので、底板部80の下側に、軸線が左右方向に水平配置され底板部80より上側に所定量突出させられた状態で設けられて収納筐体81に収納された状態にある紙幣を載置させる蹴出ローラ91と、底板部80の蹴出ローラ91より後側の下側位置に軸線が左右方向に水平配置された状態で設けられた繰出ローラ92と、該繰出ローラ92の上側に軸線が左右方向に水平配置された状態で設けられた分離ローラ93とを有している。ここで、分離ローラ93は、図示せぬワンウエイクラッチにより、下側部分を前方へ移動させる方向の回転のみが許容され、逆方向の回転が規制されるようになっており、これにより、繰出ローラ92に接触する以外の紙幣の繰り出しを規制する。
【0030】上記により、蹴出ローラ91が集積紙幣の最下のものを繰出ローラ92および分離ローラ93の方向に蹴り出すと、繰出ローラ92および分離ローラ93が蹴り出された紙幣を一枚ずつに分離して繰り出すことになり、その結果、一時貯留部76においては搬送路77に還流スタッカ54においては搬送路72に還流スタッカ55においては搬送路74に、それぞれ紙幣を送り出すことになる。
【0031】還流スタッカ54,55および一時貯留部76は、さらに、ビルプレス部97を有している。ビルプレス部97は、紙幣を繰り出す際には下方に揺動して、蹴り出しを良好にさせるため蹴出ローラ91に押し付けるべく上方から収納紙幣を押圧するとともに、紙幣を受け入れる際には、上方に揺動し収納紙幣から離間して、取込機構84の導入ローラ86および送りローラ87から放出された紙幣を案内するものである。
【0032】ビルプレス部97は、収納筐体81の機体11における前方位置(すなわち取込機構84に対し反対側)において左右方向に水平配置された状態で図示せぬユニットフレームに回転自在に支持された駆動軸98と、該駆動軸98に固定されるとともに、集積空間85内に延出する支持アーム99と、該支持アーム99の延出先端に左右方向に水平配置された揺動軸100を中心に揺動自在に支持されたビルプレス101とを有している。
【0033】ここで、ビルプレス101は、略板状をなしており、略水平延在された状態で前後方向におけるその中間所定位置で前記揺動軸100に吊り下げられるように支持されていて、下側の紙幣を押圧するときに略水平状態で押圧可能となっている。なお、図示は略すが、駆動軸98には、ビルプレス101を下方向に移動させるよう付勢するバネ部材がユニットフレームとの間に設けられている。そして、駆動軸98が図示せぬカム機構で回転駆動されることで、該駆動軸98に固定された支持アーム99が揺動し、ビルプレス101を集積空間85内において昇降させることになる。
【0034】ここで、カム機構の駆動力で駆動軸98を駆動することにより所定の上昇限界位置に位置した状態で、ビルプレス101は、収納された集積紙幣から離間し、かつ、図示せぬバネの付勢力でその機体11における後側を上方に位置させるよう水平に対し若干傾斜され、その後端部の高さを取込機構84の導入ローラ86および送りローラ87の間の紙幣導入位置近傍であってその若干上側に位置させて、導入ローラ86および送りローラ87から放出された紙幣を、水平に対し若干先端が下方に位置するよう案内する。カム機構の駆動軸98に対する駆動力を解除すると、自重および図示せぬバネ部材の付勢力によって、支持アーム99は、可能な限りビルプレス101を下降させて集積紙幣を下方向に押圧することになる。
【0035】以上に述べたことから明らかなように、還流スタッカ54,55および一時貯留部76は、すべて、内部に収納した紙幣を昇降させるエレベータを持たないものであり、しかも集積させた紙幣を一つの集積空間85のみに収納させるものである。
【0036】ここで、還流スタッカ54,55および収納スタッカ53は、筐体56内で上下方向に直列に配設されており、具体的には、互いに機体11の前後方向および左右方向における位置を重ねた状態で上下方向に配置されている。特に同形状の還流スタッカ54,55同士は、筐体56内で、機体11における前後方向および左右方向における位置を完全に一致させている。加えて、一時貯留部76より機体11における前方の搬送路16に、該一時貯留部76に上下方向および左右方向の位置を重ねて、紙幣の判別を行う入金判別部27が設けられている。
【0037】出金口13は、搬送路30を介して機体11における前方向に向け搬送されてきた紙幣を取り込む取込機構103を機体11における後側に有している。取込機構103は、軸線が左右方向に水平配置された状態で設けられるとともに、搬送路30を介して搬送される紙幣を前方向に放出させる導入ローラ104および送りローラ105と、導入ローラ104に付設され、導入ローラ104および送りローラ105で放出された紙幣の後端を出金口13の出金トレイ106に向け叩き落とす羽根車107とを有している。これにより導入ローラ104および送りローラ105から放出された紙幣は、順次出金トレイ106上に集積される。
【0038】なお、機体11の紙幣収納庫52の装填位置には、該紙幣収納庫52が装填されているか取り外されているかを検出する収納庫検知センサ108が設けられている。
【0039】次に、以上のような構成の第1の実施の形態の紙幣入出金機の作動を各処理別に説明する。なお、以下の各処理は、収納庫検知センサ108で紙幣収納庫52の装填が検出されている状態においてのみ実行されるもので、収納庫検知センサ108で紙幣収納庫52の装填が検出されていない状態においては実行が規制される。ここで、収納庫検知センサ108で紙幣収納庫52の装填が検出されていない状態においては、その旨を図示せぬ表示部に表示しアラームを発生させる。
【0040】「入金処理」紙幣入出金機の図示せぬ操作部あるいは図示せぬ上位機の操作部に入金金額と入金処理の実行の操作とが入力されると、入金処理の開始に当って、シャッタ21を開放するとともに、一時貯留部76のビルプレス部97のビルプレス101を所定の上昇限界位置に位置する状態とする。紙幣が入金口12に投入されたことが図示せぬセンサで検出されると、シャッタ21を閉じ、その後、入金口12の分離繰出機構15により搬送路16に対し紙幣を一枚ずつ分離してすべて繰り出させる。すると、紙幣が一枚ずつ搬送路16で搬送され、その途中で入金判別部27により、紙幣の金種、真偽、斜め送り、多重送りなどが判別される(図1の太線参照)。
【0041】そして、入金判別部27で偽、斜め送り、多重送り等のリジェクト紙幣と判別された紙幣を、振分部26,32により搬送路16,25,30で搬送させて、出金口13に送り、該出金口13で取込機構103により出金トレイ106に受け渡させる(図1の太破線参照)。一方、入金判別部27で正常紙幣と判別された紙幣を、振分部26により搬送路16,24で搬送させ、一時貯留部76に送り、該一時貯留部76の取込機構84でその集積空間85に一時貯留させる。このとき、一時貯留部76のビルプレス101が取込機構84により取り込まれる紙幣を案内する(図1の太実線参照)。
【0042】入金口12に投入されたすべての紙幣が一時貯留部76および出金口13のいずれかに収納されると、出金口13に紙幣がある場合には、リジェクト紙幣の取り出しのためシャッタ21を開放させるとともに、出金口13の紙幣の有無に拘わらず、入金判別部27の判別結果から一時貯留部76に収納された入金金額を図示せぬ表示部に表示させて入金処理を終了する。また、この入金処理の終了状態は、以下に示す、「収納処理」、「入金返却処理」が実行されるまでの一時的なもので、出金口13にリジェクトされた紙幣の再度の「入金処理」が可能となっている。
【0043】ここで、シャッタ21を開放させた場合には、出金トレイ106から紙幣が取り出されたことが図示せぬセンサで検出されると、シャッタ21を閉じる。なお、シャッタ21を所定時間開放させても紙幣が取り出されない場合は、アラームを発生させて紙幣が取り出されるまで待機したり、シャッタ21を閉じてアラームを発生させ、取り引きを中止させたりすることが可能である。
【0044】「収納処理」上記入金処理の後、入金金額を了承する操作が図示せぬ操作部の確定ボタンで入力されると、一時貯留部76に収納されていた紙幣を収納する収納処理を実行する。なお、紙幣入出金機の図示せぬ操作部あるいは図示せぬ上位機の操作部に入力された入金金額が入金判別部27の判別結果に基づく入金金額より多い場合には、了承する操作が入力されても収納処理は行わない。
【0045】収納処理の実行時には、一時貯留部76のビルプレス101を下降押圧状態として紙幣を押圧させるとともに還流スタッカ54のビルプレス101および還流スタッカ55のビルプレス101を共に所定の上昇限界位置に位置する状態とする。そして、一時貯留部76の繰出機構90により紙幣をすべて搬送路77に一枚ずつ繰り出させて、搬送路77,16で搬送させる(図2の太線参照)。
【0046】この搬送路16による搬送中に入金判別部27で再度判別が行われ、出金紙幣として使用する所定の第1金種の還流紙幣(この場合千券)を振分部26,32,36,40により搬送路25,31a,39,71で搬送させて、還流スタッカ54の取込機構84で該還流スタッカ54の集積空間85に収納させる(図2の太実線参照)。一方、出金紙幣として使用する所定の第2金種の還流紙幣(この場合五千券)を振分部26,32,36,40,47により搬送路25,31a,46,73で搬送させて、還流スタッカ55の取込機構84で該還流スタッカ55の集積空間85に収納させる(図2の太実線参照)。
【0047】加えて、所定の第1金種および第2金種の還流紙幣以外の紙幣(この場合万券)は、振分部26,32,36により搬送路25,31a,35,58で搬送させて収納スタッカ53にその取込機構59で収納させる(図2の太破線参照)。なお、このとき、還流スタッカ54および還流スタッカ55の少なくともいずれか一方が満杯の状態にあることが図示せぬセンサで検出されると、還流紙幣もそれ以外の紙幣と同様のルートで収納スタッカ53に収納させる。また、還流紙幣であっても、出金紙幣に適さない損券状態の還流紙幣についても収納スタッカ37に収納させるとともに、入金判別部27で斜め送りあるいは多重送りと判別された紙幣も、同様のルートで収納スタッカ53に収納させる。
【0048】このようにして一時貯留部76にあった紙幣がすべて還流スタッカ54、還流スタッカ55および収納スタッカ53のいずれかに収納されると、収納処理を終了する。なお、還流スタッカ54に紙幣が取り込まれる際に、還流スタッカ54のビルプレス101が取込機構84により取り込まれる紙幣を案内することになり、還流スタッカ55に紙幣が取り込まれる際に、還流スタッカ55のビルプレス101が取込機構84により取り込まれる紙幣を案内することになる。
【0049】「入金返却処理」上記入金処理の後、入金判別部27の判別結果から入金金額を図示せぬ表示部に表示させた後、入金を了承しないキャンセル操作が図示せぬ操作部のキャンセルボタンに入力されると、一時貯留部76に収納されていた紙幣をすべて排出させる。すなわち、一時貯留部76のビルプレス101を下降押圧状態として紙幣を押圧させるとともに、一時貯留部76の繰出機構90により紙幣を搬送路77に一枚ずつ繰り出させ該搬送路77で搬送させて、振分部26,32により搬送路16,25,30でさらに搬送させて、取込機構103により出金口13の出金トレイ106に受け渡させる(図3の太線参照)。
【0050】このようにして一時貯留部76にあった紙幣がすべて出金トレイ106に受け渡されると、紙幣の取り出しのためシャッタ21を開放させる。そして、出金トレイ106から紙幣が取り出されたことが図示せぬセンサで検出されると、シャッタ21を閉じて入金返却処理を終了する。なお、シャッタ21を所定時間開放させても紙幣が取り出されない場合は、アラームを発生させて紙幣が取り出されるまで待機したり、シャッタ21を閉じてアラームを発生させ、取り引きを中止させたりすることが可能である。
【0051】「出金処理」紙幣入出金機の図示せぬ操作部あるいは図示せぬ上位機の操作部に入力された入金金額が、入金処理時における入金判別部27の判別結果に基づく入金金額より少ない場合には、収納処理の後、必要に応じて差額を出金させる出金処理を行う。まず、出金処理の開始に当って還流スタッカ54のビルプレス101および還流スタッカ55のビルプレス101を下降押圧状態とする。そして、必要に応じて還流スタッカ54の繰出機構90により搬送路72に対し第1金種の紙幣を一枚ずつ分離して繰り出させる。すると、紙幣が一枚ずつ搬送路72,43から搬送路31a,31b,31cの順に搬送され、その途中で出金判別部51により、斜め送り、多重送りなどが判別される(図4の太線参照)。
【0052】そして、出金判別部51で、斜め送り、多重送り等のリジェクト紙幣と判別された紙幣を、振分部32,36により搬送路25,31a,35,58で搬送させて収納スタッカ53に収納させる(図4の太破線参照)。一方、出金判別部51で正常と判別された紙幣を、振分部32により搬送路25,30で搬送させて出金口13に送り該出金口13で取込機構103により出金トレイ106に受け渡させる(図4の太実線参照)。
【0053】出金処理で出金させるべき第1金種のすべての紙幣を繰り出させると、還流スタッカ54による紙幣の繰り出しを停止させ、必要に応じて還流スタッカ55の繰出機構90により搬送路74に対し第2金種の紙幣を一枚ずつ分離して繰り出させる。すると、紙幣が一枚ずつ搬送路74,50から搬送路31b,31cの順に搬送され、その途中で出金判別部51により、斜め送り、多重送りなどが判別される。
【0054】そして、出金判別部51で、斜め送り、多重送り等のリジェクト紙幣と判別された紙幣を振分部32,36により搬送路25,31a,35,58で搬送させて収納スタッカ53に収納させる(図4の太破線参照)。一方、出金判別部51で正常と判別された紙幣を振分部32により搬送路25,30で搬送させて出金口13に送り該出金口13で取込機構103により出金トレイ106に受け渡させる(図4の太実線参照)。
【0055】出金処理で出金させるべきすべての紙幣が繰り出させると、還流スタッカ55による紙幣の繰り出しを停止させ、これら紙幣がすべて出金トレイ106に受け渡される後のタイミングで紙幣の取り出しのためシャッタ21を開放させる。そして、出金トレイ106から紙幣が取り出されたことが図示せぬセンサで検出されると、シャッタ21を閉じて入金返却処理を終了する。なお、シャッタ21を所定時間開放させても紙幣が取り出されない場合は、アラームを発生させて紙幣が取り出されるまで待機したり、シャッタ21を閉じてアラームを発生させ、取り引きを中止させたりすることが可能である。
【0056】そして、上記各処理がいずれも実行されていない状態においては、機体11内の紙幣はすべて収納スタッカ53および還流スタッカ54,55に収納されていることになる。したがって、この状態において、機体11から紙幣収納庫52を取り出すことにより、機体11内のすべての紙幣を回収することができる。
【0057】以上に述べた第1の実施の形態の紙幣入出金機によれば、還流紙幣を収納させる還流スタッカ54,55が共に、取込機構84が上部側方に配置され繰出機構90が下部側方に配置された構成とされているため、取込機構84および繰出機構90を両方上部に設ける場合に比して、内部にエレベータを持たない構造となりエレベータを昇降させる機構等が不要となるとともに、例えば繰出機構90による繰り出し時に取込機構84の干渉する部材を逃す機構等も不要となる。加えて、繰出機構90により紙幣を繰り出す際に収納紙幣を上方から押圧するビルプレス部97が必要となるが、該ビルプレス部97は、取込機構84により紙幣を取り込む際に収納紙幣から上方に離間した状態で取込紙幣をガイドすることになり、言い換えれば、取込紙幣をガイドするために必要だったガイドを繰り出し時に揺動させてビルプレス部97として作動させることになる。よって、ビルプレス部97を紙幣の集積空間85に対し完全に退避させるものに比して、ビルプレス部97の移動量が小さくなる。
【0058】以上により還流スタッカ54,55をコンパクトにできる。しかも、コンパクト化が図られた還流スタッカ54,55が、収納スタッカ53とともに上下方向に直列に配設されているため、収納スタッカ53と還流スタッカ54,55とを機体内で効率良く配置することができる。さらに、一時貯留部76も還流スタッカ54,55と同じ構成であり、コンパクトにできる。したがって、機体11の全体をコンパクト化することができる。
【0059】しかも、上記還流スタッカ54,55を、還流スタッカ54,55から出金用として繰り出された還流紙幣のうち出金不可なリジェクト紙幣と還流紙幣以外の紙幣とを収納させる収納スタッカ53と一体化し且つ機体11に対し着脱自在としているため、機体11内の紙幣を回収する際に、これら収納スタッカ53および還流スタッカ54,55が一体化された紙幣収納庫52を機体11から取り外せば、複数金種の還流紙幣と還流紙幣以外の紙幣とリジェクト紙幣とを(すなわち機体11内のすべての紙幣を)一度に回収することができる。したがって、機体11内の紙幣の回収を容易に行うことができる。また、紙幣収納庫52を機体11の所定位置に装填すれば、一度に収納スタッカ53および還流スタッカ54,55を機体11の各所定位置に間違いなく装填することができる。したがって、紙幣回収後の復帰を容易かつ確実に行うことができる。
【0060】加えて、入金口12に投入された紙幣を分離繰出機構15により一枚ずつ分離して機体11内に繰り出すため、オペレータが一枚ずつ分離する必要がなくなる。したがって、入金処理時の処理時間を短縮することができる。
【0061】次に、本発明の第2の実施の形態の紙幣入出金機を図6および図7を参照して以下に第1の実施の形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1の実施の形態と同様の部分には同一の符号を付しその説明は略す。
【0062】第2の実施の形態の紙幣入出金機においては、入金口12には、基本的に1枚のみの紙幣が投入可能とされており、該入金口12には、入金口12に投入された紙幣を一枚ずつに分離することなく機体11内に繰り出す非分離繰出機構111が設けられている。すなわち、この入金口12では、オペレータにより一枚ずつ投入された紙幣を機体11内に繰り出すようになっている。非分離繰出機構111は、軸線が左右方向に水平配置された状態で設けられ、入金口12に投入された紙幣を搬送路16に繰り出す繰出ローラ112および送りローラ113とを有している。また、入金口12には、シャッタは設けられておらず、出金口13にのみ、これを開閉させるシャッタ114が設けられている。さらに、一時貯留部76が設けられておらず、これに関係する搬送路24、振分部26および搬送路77も設けられていない。
【0063】加えて、還流スタッカ54は、非分離繰出機構111から繰り出された紙幣のうち、一枚ずつで搬送される紙幣であって所定の第1金種の還流紙幣(例えば千券)のみを取り込んで収納させるとともに該収納した第1金種の還流紙幣を出金(返却)用として一枚ずつ繰り出すことになり、還流スタッカ55は、非分離繰出機構111から繰り出された紙幣のうち、一枚ずつで搬送される紙幣であって所定の第2金種の還流紙幣(例えば万券)のみを取り込んで収納させるとともに該収納した第2金種の還流紙幣を出金(返却)用として一枚ずつ繰り出すことになる。加えて、収納スタッカ53は、機体11に対し一つのみ設けられており、非分離繰出機構111から繰り出された紙幣のうち、一枚ずつで搬送される紙幣であって、所定の第1金種または第2金種の還流紙幣以外の紙幣(この場合、五千券)と、所定の第1金種または第2金種の還流紙幣であるが出金(返却)用に適さない損券状態の紙幣、または、還流スタッカ54,55が満杯のときの還流紙幣と、還流スタッカ54,55から出金用として繰り出された還流紙幣のうち出金不可なリジェクト紙幣を取り込んで収納させることになる。なお、収納スタッカ53は紙幣の機体11内への繰り出しは行わない。
【0064】次に、以上のような構成の第2の実施の形態の紙幣入出金機の作動を各処理別に説明する。なお、第1の実施の形態と同様、以下の各処理は、収納庫検知センサ108で紙幣収納庫52の装填が検出されている状態においてのみ実行されるもので、収納庫検知センサ108で紙幣収納庫52の装填が検出されていない状態においては実行が規制される。ここで、収納庫検知センサ108で紙幣収納庫52の装填が検出されていない状態においては、その旨を図示せぬ表示部に表示しアラームを発生させる。
【0065】「入金収納処理」紙幣入出金機の図示せぬ操作部あるいは図示せぬ上位機の操作部に入金金額と入金収納処理の実行の操作とが入力されると、入金収納処理の開始に当って、両還流スタッカ54,55のビルプレス部97のビルプレス101を共に所定の上昇限界位置に位置する状態とする。オペレータにより一枚ずつ紙幣が入金口12に投入されると、該紙幣を図示せぬセンサで検出し入金口12の非分離繰出機構111により搬送路16に対し紙幣を繰り出させる。すると、紙幣が一枚ずつ搬送路16で搬送され、その途中で入金判別部27により、紙幣の金種、真偽、斜め送り、多重送りなどが判別される(図6の太線参照)。
【0066】そして、入金判別部27で偽、斜め送り、多重送りなどのリジェクト紙幣と判別された紙幣を、振分部32により搬送路16,25,30で搬送させて、出金口13に送り、該出金口13で取込機構103により出金トレイ106に受け渡させる(図6の太破線参照)。一方、入金判別部27で正常かつ収納可能な紙幣と判別された紙幣のうち、出金(返却)紙幣として使用する所定の第1金種の還流紙幣(この場合千券)を振分部32,36,40により搬送路25,31a,39,71で搬送させて、還流スタッカ54の取込機構84で該還流スタッカ54の集積空間85に収納させる。また、出金(返却)紙幣として使用する所定の第2金種の還流紙幣(この場合万券)を振分部32,36,40,47により搬送路25,31a,46,73で搬送させて、還流スタッカ55の取込機構84で該還流スタッカ55の集積空間85に収納させる。
【0067】なお、このとき、還流スタッカ54および還流スタッカ55の少なくともいずれか一方が満杯の状態にあることが図示せぬセンサで検出されると、還流紙幣を、振分部32,36により搬送路25,31a,35,58で搬送させて、収納スタッカ53の取込機構59で該収納スタッカ53の集積空間60に収納させる(図1の太一点鎖線参照)。また、入金判別部27で、所定の第1金種または第2金種の還流紙幣ではないが、正常且つ収納可能な紙幣と判別された紙幣(この場合、五千券)と、還流紙幣ではあるが、出金(返却)用としては不適な損券状態の還流紙幣についても、振分部32,36により搬送路25,31a,35,58で搬送させて、収納スタッカ53の取込機構59で該収納スタッカ53の集積空間60に収納させる(図1の太一点鎖線参照)。ここで出金口13に紙幣が放出されると、リジェクト紙幣の取り出しのためシャッタ114を開放させる。また、入金判別部27の判別結果から収納スタッカ53,還流スタッカ54,55に収納された入金金額を、入金判別部27の判別毎に書き換えるようにして図示せぬ表示部に表示させる。そして、入金金額を了承する操作が図示せぬ操作部の確定ボタンで入力されると、紙幣入出金機の図示せぬ操作部あるいは図示せぬ上位機の操作部に入力された入金金額が入金判別部27の判別結果に基づく入金金額以下であった場合には、入金収納処理を終了させる。なお、紙幣入出金機の図示せぬ操作部あるいは図示せぬ上位機の操作部に入力された入金金額が入金判別部27の判別結果に基づく入金金額より多い場合には、了承する操作が入力されても入金収納処理は終了しない。
【0068】ここで、シャッタ114を開放させた場合には、出金トレイ106から紙幣が取り出されたことが図示せぬセンサで検出されると、シャッタ114を閉じる。なお、シャッタ114を所定時間開放させても紙幣が取り出されない場合は、アラームを発生させて紙幣が取り出されるまで待機したり、シャッタ114を閉じてアラームを発生させ、取り引きを中止させたりすることが可能である。
【0069】「入金返却処理」上記入金収納処理の後、入金判別部27の判別結果から入金金額を図示せぬ表示部に表示させた後、入金を了承しないキャンセル操作が図示せぬ操作部のキャンセルボタンに入力されると、今回の入金収納処理で機体11内に収納させた紙幣と同額の紙幣を返却させる。すなわち、まず、還流スタッカ54のビルプレス101および還流スタッカ55のビルプレス101を下降押圧状態とする。そして、必要に応じて還流スタッカ54の繰出機構90により搬送路72に対し第1金種の紙幣を一枚ずつ分離して繰り出させる。すると、紙幣が一枚ずつ搬送路72,43から搬送路31a,31b,31cの順に搬送され、その途中で出金判別部51により、斜め送り、多重送りなどが判別される(図7の太線参照)。
【0070】そして、出金判別部51で、斜め送り、多重送り等のリジェクト紙幣と判別された紙幣を、振分部32,36により搬送路25,31a,35,58で搬送させて収納スタッカ53に収納させる(図7の太破線参照)。一方、出金判別部51で正常と判別された紙幣を、振分部32により搬送路25,30で搬送させて出金口13に送り該出金口13で取込機構103により出金トレイ106に受け渡させる(図7の太実線参照)。
【0071】入金返却処理で出金させるべき第1金種のすべての紙幣を繰り出させると、還流スタッカ54による紙幣の繰り出しを停止させ、必要に応じて還流スタッカ55の繰出機構90により搬送路74に対し第2金種の紙幣を一枚ずつ分離して繰り出させる。すると、紙幣が一枚ずつ搬送路74,50から搬送路31a,31b,31cの順に搬送され、その途中で出金判別部51により、斜め送り、多重送りなどが判別される。
【0072】そして、出金判別部51で、斜め送り、多重送り等のリジェクト紙幣と判別された紙幣を振分部32,36により搬送路25,31a,35,58で搬送させて収納スタッカ53に収納させる(図7の太破線参照)。一方、出金判別部51で正常と判別された紙幣を振分部32により搬送路25,30で搬送させて出金口13に送り該出金口13で取込機構103により出金トレイ106に受け渡させる(図7の太実線参照)。
【0073】入金返却処理で出金させるべきすべての紙幣を繰り出させると、還流スタッカ55の紙幣の繰り出しを停止させ、これら紙幣がすべて出金トレイ106に受け渡される後のタイミングで紙幣の取り出しのためシャッタ114を開放させる。そして、出金トレイ106から紙幣が取り出されたことが図示せぬセンサで検出されると、シャッタ114を閉じて入金返却処理を終了する。なお、シャッタ114を所定時間開放させても紙幣が取り出されない場合は、アラームを発生させて紙幣が取り出されるまで待機したり、シャッタ114を閉じてアラームを発生させ、取り引きを中止させたりすることが可能である。
【0074】「出金処理」紙幣入出金機の図示せぬ操作部あるいは図示せぬ上位機の操作部に入力された入金金額が、入金収納処理時における入金判別部27の判別結果に基づく入金金額より少ない場合には、入金収納処理の後、必要に応じて差額を出金させる出金処理を行う。まず、出金処理の開始に当って還流スタッカ54のビルプレス101を下降押圧状態とする。そして、必要に応じて還流スタッカ54の繰出機構90により搬送路72に対し第1金種の紙幣を一枚ずつ分離して繰り出させる。すると、紙幣が一枚ずつ搬送路72,43から搬送路31a,31b,31cの順に搬送され、その途中で出金判別部51により、斜め送り、多重送りなどが判別される(図7の太線参照)。
【0075】そして、出金判別部51で、斜め送り、多重送り等のリジェクト紙幣と判別された紙幣を、振分部32,36により搬送路25,31a,35,58で搬送させて収納スタッカ53に収納させる(図7の太破線参照)。一方、出金判別部51で正常と判別された紙幣を、振分部32により搬送路25,30で搬送させて出金口13に送り該出金口13で取込機構103により出金トレイ106に受け渡させる(図7の太実線参照)。
【0076】出金処理で出金させるべき第1金種のすべての紙幣を繰り出せると、還流スタッカ54による紙幣の繰り出しを停止させ、これら紙幣がすべて出金トレイ106に受け渡される後のタイミングで紙幣の取り出しのためシャッタ114を開放させる。そして、出金トレイ106から紙幣が取り出されたことが図示せぬセンサで検出されると、シャッタ114を閉じて出金処理を終了する。なお、シャッタ114を所定時間開放させても紙幣が取り出されない場合は、アラームを発生させて紙幣が取り出されるまで待機したり、シャッタ114を閉じてアラームを発生させ、取り引きを中止させたりすることが可能である。
【0077】そして、上記各処理がいずれも実行されていない状態においては、機体11内の紙幣はすべて収納スタッカ53および還流スタッカ54,55に収納されていることになる。したがって、この状態において、機体11から紙幣収納庫を取り出すことにより、機体11内のすべての紙幣を回収することができる。なお、第2の実施の形態において、還流スタッカをさらに一つ追加することにより、すべての金種の紙幣(千券、五千券および万券)を入金させて収納させることができることになり、出金用として使用し得るすべての金種の紙幣(千券および五千券)を出金用として使用することができることになる。この場合も、追加の還流スタッカを含んで収納スタッカ53および還流スタッカ54,55が直列をなすように紙幣収納庫52内に上下方向に配設すればよい。
【0078】以上に述べた第2の実施の形態の紙幣入出金機によれば、入金口12に一枚ずつ紙幣が投入されると、非分離繰出機構111がこれを機体11内に繰り出すことになり、非分離繰出機構111で一枚ずつ繰り出された紙幣であって所定金種の還流紙幣を還流スタッカ54,55に取り込んで収納させる一方、非分離繰出機構111で繰り出された紙幣のうち還流紙幣以外の紙幣を出金口13に返却させることになるため、紙幣を一枚ずつに分離する機構と、該機構で繰り出された紙幣を一時貯留する一時貯留部とが不要となる。したがって、機体全体をさらにコンパクト化することができる上に、コストを低減することができる。
【0079】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の請求項1記載の紙幣入出金機によれば、還流スタッカが、取込機構が上部側方に配置され繰出機構が下部側方に配置された構成とされているため、取込機構および繰出機構を両方上部に設ける場合に比して、内部にエレベータを持たない構造となりエレベータを昇降させる機構等が不要となるとともに、例えば繰出機構による繰り出し時に取込機構の干渉する部材を逃す機構等も不要となる。加えて、繰出機構により紙幣を繰り出す際に収納紙幣を上方から押圧するビルプレス部が必要となるが、該ビルプレス部は、取込機構により紙幣を取り込む際に収納紙幣から上方に離間した状態で取込紙幣をガイドすることになり、言い換えれば、取込紙幣をガイドするために必要だったガイドを繰り出し時に揺動させてビルプレス部として作動させることになる。よって、ビルプレス部を紙幣の集積空間に対し完全に退避させるものに比して、ビルプレス部の移動量が小さくなる。以上により還流スタッカをコンパクトにすることができる。したがって、機体全体をコンパクト化することができる。しかも、上記還流スタッカを、入金収納される紙幣のうち還流紙幣以外の紙幣を収納させるとともに還流スタッカから出金用として繰り出された還流紙幣のうち出金不可なリジェクト紙幣を収納させる収納スタッカと一体化し且つ機体に対し着脱自在としているため、機体内の紙幣を回収する際に、一体化されたこれらを機体から取り外せば、還流紙幣と還流紙幣以外の入金収納紙幣とリジェクト紙幣とを一度に回収することができる。したがって、機体内の紙幣の回収を容易に行うことができる。
【0080】本発明の請求項2記載の紙幣入出金機によれば、還流スタッカを金種別に複数有する場合にも、上記と同様、すべての還流スタッカをコンパクトにすることができることになる。しかも、上記複数の還流スタッカを収納スタッカと一体化し且つ機体に対し着脱自在としているため、紙幣を回収する際に、一体化されたこれらを機体から取り外せば、複数金種の還流紙幣とリジェクト紙幣とを一度に回収することができる。したがって、機体内の紙幣の回収をさらに容易に行うことができる。
【0081】本発明の請求項3記載の紙幣入出金機によれば、上記のようにコンパクト化が図られた還流スタッカが、収納スタッカと上下に配設されているため、収納スタッカと還流スタッカとを機体内で効率良く配置することができる。したがって、機体全体をさらにコンパクト化することができる。
【0082】本発明の請求項4記載の紙幣入出金機によれば、入金口に投入された紙幣を分離繰出機構により一枚ずつ分離して機体内に繰り出すため、オペレータが一枚ずつ分離する必要がなくなる。したがって、入金処理時の処理時間を短縮することができる。また、一時貯留部が、取込機構が上部側方に配置され繰出機構が下部側方に配置された構成とされているため、取込機構および繰出機構を両方上部に設ける場合に比して、内部にエレベータを持たない構造となりエレベータを昇降させる機構等が不要となるとともに、例えば繰出機構による繰り出し時に取込機構の干渉する部材を逃す機構等も不要となる。加えて、繰出機構により紙幣を繰り出す際に収納紙幣を上方から押圧するビルプレス部が必要となるが、該ビルプレス部は、取込機構により紙幣を取り込む際に収納紙幣から上方に離間した状態で取込紙幣をガイドすることになり、言い換えれば、取込紙幣をガイドするために必要だったガイドを繰り出し時に揺動させてビルプレス部として作動させることになる。よって、ビルプレス部を紙幣の集積空間に対し完全に退避させるものに比して、ビルプレス部の移動量が小さくなる。以上により一時貯留部をコンパクトにすることができる。したがって、機体全体をさらにコンパクト化することができる。
【0083】本発明の請求項5記載の紙幣入出金機によれば、入金口に一枚ずつ紙幣が投入されると、非分離繰出機構がこれを機体内に繰り出すことになり、非分離繰出機構で一枚ずつ繰り出された紙幣であって入金可能な所定金種の還流紙幣を還流スタッカに取り込んで収納させる一方、還流紙幣以外の入金可能な紙幣を収納スタッカに収納させることになるため、紙幣を一枚ずつに分離する機構と、該機構で繰り出された紙幣を一時貯留する一時貯留部とが不要となる。したがって、機体全体をさらにコンパクト化することができる上に、コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態の紙幣入出金機を概略的に示す側断面図であって、入金処理のルートを太線で示すものである。
【図2】 本発明の第1の実施の形態の紙幣入出金機を概略的に示す側断面図であって、収納処理のルートを太線で示すものである。
【図3】 本発明の第1の実施の形態の紙幣入出金機を概略的に示す側断面図であって、入金返却処理のルートを太線で示すものである。
【図4】 本発明の第1の実施の形態の紙幣入出金機を概略的に示す側断面図であって、出金処理のルートを太線で示すものである。
【図5】 本発明の第1の実施の形態の紙幣入出金機の紙幣収納庫を概略的に示す斜視図である。
【図6】 本発明の第2の実施の形態の紙幣入出金機を概略的に示す側断面図であって、入金収納処理のルートを太線で示すものである。
【図7】 本発明の第2の実施の形態の紙幣入出金機を概略的に示す側断面図であって、入金返却処理および出金処理のルートを太線で示すものである。
【符号の説明】
11 機体
15 分離繰出機構
53 収納スタッカ
54,55 還流スタッカ
76 一時貯留部
84 取込機構
90 繰出機構
97 ビルプレス部
111 非分離繰出機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】 入金収納される紙幣のうち所定金種の還流紙幣を取込機構により取り込んで収納させるとともに該収納した還流紙幣を出金用として繰出機構により一枚ずつ繰り出す還流スタッカと、入金収納される紙幣のうち還流紙幣以外の紙幣を収納させるとともに、前記還流スタッカから出金用として繰り出された還流紙幣のうち出金不可なリジェクト紙幣を収納させる収納スタッカと、を有し、前記還流スタッカは、取込機構が上部側方に配置され繰出機構が下部側方に配置されるとともに、さらに繰出機構により紙幣を繰り出す際に収納紙幣を上方から押圧する状態と取込機構により紙幣を取り込む際に収納紙幣から上方に離間した状態で取込紙幣をガイドする状態とに揺動するビルプレス部を有しており、前記還流スタッカおよび収納スタッカは一体化され且つ機体に対し着脱自在とされていることを特徴とする紙幣入出金機。
【請求項2】 前記還流スタッカを金種別に複数有しており、これら複数の還流スタッカと収納スタッカとが一体化され且つ機体に対し着脱自在とされていることを特徴とする請求項1記載の紙幣入出金機。
【請求項3】 前記還流スタッカおよび収納スタッカは、上下方向に配設されていることを特徴とする請求項1または2記載の紙幣入出金機。
【請求項4】 入金口に投入された紙幣を一枚ずつ分離して機体内に繰り出す分離繰出機構と、該分離繰出機構で繰り出された紙幣のうち入金可能な紙幣を取込機構により取り込んで収納させるとともに該収納した紙幣を繰出機構により一枚ずつ繰り出す一時貯留部とを有し、該一時貯留部は、取込機構が上部側方に配置され繰出機構が下部側方に配置されるとともに、さらに繰出機構により紙幣を繰り出す際に収納紙幣を上方から押圧する状態と取込機構により紙幣を取り込む際に収納紙幣から上方に離間した状態で取込紙幣をガイドする状態とに揺動するビルプレス部を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の紙幣入出金機。
【請求項5】 入金口に一枚ずつ投入された紙幣を機体内に繰り出す非分離繰出機構を有し、前記還流スタッカは、前記非分離繰出機構で一枚ずつ繰り出された紙幣であって入金可能な所定金種の還流紙幣を取込機構により取り込んで収納させるものとされ、前記収納スタッカは、前記非分離繰出機構で繰り出された紙幣であって前記還流紙幣以外の入金可能な紙幣を収納させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の紙幣入出金機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2000−3468(P2000−3468A)
【公開日】平成12年1月7日(2000.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−167408
【出願日】平成10年6月15日(1998.6.15)
【出願人】(000116079)ローレルバンクマシン株式会社 (82)
【Fターム(参考)】