説明

紙幣処理装置

【課題】筐体の内部から入出金部の紙幣集積領域に紙幣が送られる際にこの紙幣が紙幣集積領域から飛び出てしまうことを防止し、このことにより紙幣処理装置の筐体の内部で紙幣が飛散してしまうことを防止することができる紙幣処理装置を提供する。
【解決手段】紙幣処理装置10は、筐体12の内部に設けられ当該筐体12の開口12aを介して筐体12の外部からアクセス可能となっており、紙幣が集積される紙幣集積領域を有する入出金部20であって、紙幣集積領域に集積された紙幣を筐体12の内部に繰り出すとともに筐体12の内部から送られた紙幣が紙幣集積領域に集積される入出金部20と、筐体12に設けられ、当該筐体12の開口12aの開閉を行う外部シャッター14と、入出金部20に設けられ、紙幣集積領域へのアクセスを選択的に規制する内部シャッター60と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙幣の入出金処理を行う紙幣処理装置に関し、とりわけ、紙幣処理装置の筐体の内部で紙幣が飛散してしまうことを防止することができる紙幣処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、紙幣の入出金処理を行う紙幣処理装置として様々なタイプのものが知られている。例えば、特許文献1には、紙幣の入金処理を行う際に筐体の外部から紙幣が投入される入金口と、紙幣の出金処理を行う際に筐体の内部に収納された紙幣が送られて取り出されるような出金口とが一体となった紙幣処理装置が開示されている。より具体的には、特許文献1で開示されるような紙幣処理装置においては、当該紙幣処理装置の内部に、紙幣入出口が設けられた枠体を有する入出金紙幣集積装置が設置されており、入出金紙幣集積装置の紙幣入出口が、押圧板および受け板により入金口と出金口とに仕切られるようになっている。
【0003】
また、特許文献1で開示されるような紙幣処理装置において、その筐体には紙幣入出口にアクセスするための開口が設けられており、この開口にはシャッターが設けられている。そして、入金紙幣の投入時や出金紙幣の取り出し時にはこのシャッターを開き、それ以外の場合にはシャッターを閉じるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3634211号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されるような従来の紙幣処理装置においては、その筐体にシャッターが設けられているものの、紙幣入出口が設けられた入出金紙幣集積装置にはシャッターが設けられていないため、筐体の内部から搬送部により紙幣入出口における出金口に紙幣が送られる際にこの紙幣が出金口から飛び出てしまい、紙幣処理装置の筐体の内部で紙幣が飛散してしまうおそれがある。また、紙幣処理装置の筐体に設けられたシャッターが開いた際には、紙幣入出口における入金口および出金口の両方にアクセス可能となるため、入金紙幣の投入時に、誤って出金口に紙幣をセットしてしまうおそれがある。
【0006】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、紙幣処理装置の筐体に外部シャッター設けるとともに、紙幣が集積される紙幣集積領域を有する入出金部に内部シャッターを設けることにより、筐体の内部から入出金部の紙幣集積領域に紙幣が送られる際にこの紙幣が紙幣集積領域から飛び出てしまうことを防止し、このことにより紙幣処理装置の筐体の内部で紙幣が飛散してしまうことを防止することができる紙幣処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、開口を有する筐体と、前記筐体の内部に設けられ当該筐体の開口を介して前記筐体の外部からアクセス可能となっており、紙幣が集積される紙幣集積領域を有する入出金部であって、前記紙幣集積領域に集積された紙幣を前記筐体の内部に繰り出すとともに前記筐体の内部から送られた紙幣が前記紙幣集積領域に集積される入出金部と、前記筐体に設けられ、当該筐体の開口の開閉を行う外部シャッターと、前記入出金部に設けられ、前記紙幣集積領域へのアクセスを選択的に規制する内部シャッターと、を備えたことを特徴とする紙幣処理装置である。
【0008】
このような紙幣処理装置によれば、筐体の開口の開閉を行う外部シャッターに加えて、紙幣が集積される紙幣集積領域を有する入出金部に内部シャッターを設けることにより、筐体の内部から入出金部の紙幣集積領域に紙幣が送られる際にこの紙幣が紙幣集積領域から飛び出てしまうことを防止し、このことにより紙幣処理装置の筐体の内部で紙幣が飛散してしまうことを防止することができる。
【0009】
本発明の紙幣処理装置においては、前記入出金部は、前記紙幣集積領域を入金領域と出金領域とに仕切る仕切り機構を有し、前記内部シャッターは、少なくとも前記筐体の内部から前記出金領域に紙幣が送られる期間において前記出金領域を閉止するようになっていてもよい。
【0010】
この際に、前記入出金部の前記入金領域に集積された紙幣が前記筐体の内部に繰り出される際に、前記入出金部から前記筐体の内部に繰り出された紙幣のうち正常な紙幣ではないと識別されたリジェクト紙幣が前記出金領域に送られるようになっており、このような入金処理が行われる間において前記内部シャッターが前記出金領域を閉止するようになっていてもよい。
【0011】
また、前記筐体の内部に収納された紙幣が前記出金領域に送られて集積される際に、前記入出金部から前記筐体の内部に紙幣が繰り出されるときよりも前記出金領域を大きくすることができるようになっており、このような出金処理が行われる間において前記内部シャッターが前記大きくなった出金領域を閉止するようになっていてもよい。
【0012】
この場合、前記内部シャッターは、前記出金領域を開く開口位置と、前記筐体の内部に収納された紙幣が前記出金領域に送られて集積される際に前記出金領域を閉止する第1の閉止位置と、前記入金領域から前記筐体の内部に紙幣が繰り出される際に前記出金領域を閉止する第2の閉止位置との間で移動可能となっていてもよい。
【0013】
本発明の紙幣処理装置においては、入出金部は、前記紙幣集積領域を上方に形成する載置台を有し、前記仕切り機構は、前記載置台の一方の端部側で前記紙幣集積領域における前記入金領域を形成する第1の札押さえ部材と、前記載置台の他方の端部側で前記紙幣集積領域における前記出金領域を形成する第2の札押さえ部材とを有し、前記第1の札押さえ部材は、前記入金領域の幅の大きさを変更可能なように前記載置台上で移動可能となっており、前記第2の札押さえ部材は、前記出金領域の幅の大きさを変更可能なように前記載置台上で移動可能となっていてもよい。
【0014】
この際に、前記入出金部は、前記第1の札押さえ部材と前記第2の札押さえ部材とを互いに接近する方向に付勢する付勢部材と、前記第1の札押さえ部材を移動させる駆動機構と、前記第2の札押さえ部材の移動を選択的に規制する規制部材とを有していてもよい。
【0015】
また、前記入出金部は、前記入金領域に集積された紙幣を下方に蹴り出すためのキッカローラと、前記キッカローラを回転可能なように支持する支持部材とを有し、前記支持部材は前記第1の札押さえ部材と連動して移動するようになっていてもよい。
【0016】
また、前記入出金部は、前記入金領域に集積された紙幣が前記筐体の内部に繰り出される際に当該紙幣を案内するための繰り出しガイドを有し、前記繰り出しガイドは前記第1の札押さえ部材と連動して移動するようになっていてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の紙幣処理装置によれば、筐体の内部から入出金部の紙幣集積領域に紙幣が送られる際にこの紙幣が紙幣集積領域から飛び出てしまうことを防止し、このことにより紙幣処理装置の筐体の内部で紙幣が飛散してしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態による紙幣処理装置の概略的な構成を示す概略構成図である。
【図2】図1に示す紙幣処理装置における入出金部の構成を示す構成図である。
【図3】図1に示す紙幣処理装置における入出金部の構成を示す構成図である。
【図4】図1に示す紙幣処理装置における入出金部の構成を示す構成図である。
【図5】図1に示す紙幣処理装置における入出金部の構成を示す構成図である。
【図6】図1に示す紙幣処理装置における入出金部の構成を示す構成図である。
【図7】図1に示す紙幣処理装置における入出金部の構成を示す構成図である。
【図8】図2等に示す入出金部の仕切り機構の構成の詳細を示す構成図である。
【図9】図2等に示す入出金部の紙幣繰出機構における繰り出しガイドおよびゲートレバーの構成の詳細を示す構成図である。
【図10】図2等に示す入出金部の紙幣繰出機構における繰り出しガイドおよびキッカローラの構成の詳細を示す構成図である。
【図11】図2等に示す入出金部の紙幣繰出機構におけるゲートレバー、ゲートレバー動作リンクおよび入金側札押さえ部材の構成の詳細を示す構成図である。
【図12】図2等に示す入出金部における、入金側札押さえ部材を駆動する駆動機構の構成の詳細を示す構成図である。
【図13】図2等に示す入出金部の紙幣取り込み機構の構成の詳細を示す構成図である。
【図14】図2等に示す入出金部の紙幣取り込み機構における集積レバーの構成の詳細を示す構成図である。
【図15】図2等に示す入出金部の紙幣取り込み機構における分岐部材の構成の詳細を示す構成図である。
【図16】図1に示す紙幣処理装置における外部シャッターおよび内部シャッターの動作を示す説明図である。
【図17】図2等に示す紙幣処理装置の入出金部を上方から見たときの載置台(可動ガイド)の概略的な構成を示す上面図である。
【図18】図17に示す入出金部の可動ガイドの駆動部等の構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の一の実施の形態について説明する。図1乃至図16は、本実施の形態に係る紙幣処理装置を示す図である。より詳細には、図1は、本実施の形態による紙幣処理装置の概略的な構成を示す概略構成図であり、図2乃至図15は、図1に示す紙幣処理装置における入出金部の構成の詳細を示す図である。また、図16は、図1に示す紙幣処理装置における外部シャッターおよび内部シャッターの動作を示す説明図である。
【0020】
図1に示すように、本実施の形態の紙幣処理装置10は略直方体形状の筐体12を有しており、筐体12の内部には、入金カセット80、入金一時保留部82および3つの出金カセット84、86、88がそれぞれ設けられている。また、紙幣処理装置10の筐体12の内部には搬送部70が設けられており、搬送部70により筐体12内で紙幣が1枚ずつ搬送されるようになっている。また、筐体12の内部には3つの出金トレイ90、92、94が設けられている。また、図1に示すように、紙幣処理装置10の筐体12の前面側(図1における左側)には、筐体12の外部から内部に紙幣を投入したり筐体12の内部から外部に紙幣を投出したりするための入出金部20が設けられている。
【0021】
以下、紙幣処理装置10の各構成要素について詳述する。
【0022】
筐体12における入出金部20の近傍の箇所には開口12aが設けられており、操作者はこの開口12aを介して筐体12の外部から入出金部20にアクセス可能となっている。また、筐体12の開口12aには外部シャッター14が設けられており、この外部シャッター14は開口12aの開閉を行うようになっている。このような外部シャッター14の開閉動作の詳細については後述する。また、入出金部20には、紙幣が集積される紙幣集積領域を有しており、この紙幣集積領域は仕切り機構40により入金領域24と出金領域26とに仕切られるようになっている。そして、入出金部20は、入金領域24に集積された紙幣を後述する紙幣繰出機構30により筐体12の内部に繰り出して搬送部70に送るとともに、筐体12の内部から搬送部70により送られた紙幣が出金領域26に集積されるようになっている。このような入出金部20の構成の詳細については後述する。
【0023】
図1に示すように、筐体12の内部において、入金カセット80、入金一時保留部82および3つの出金カセット84、86、88が紙幣処理装置10の前後方向(図1における左右方向)に一列に並ぶよう配置されている。これらの入金カセット80、入金一時保留部82および出金カセット84、86、88はそれぞれ搬送部70に接続されている。入金カセット80、入金一時保留部82および出金カセット84、86、88には紙幣がそれぞれ積層状態で集積されるようになっている。また、入金カセット80、入金一時保留部82および出金カセット84、86、88にはそれぞれ紙幣繰出機構が設けられており、収納された紙幣を紙幣繰出機構により1枚ずつ搬送部70に繰り出すことができるようになっている。
【0024】
入金カセット80は、紙幣処理装置10に入金された紙幣を収納するようになっている。また、この入金カセット80は、操作者が紙幣処理装置10に紙幣を補充する際にも用いられるようになっている。より詳細には、紙幣処理装置10の外部で予め入金カセット80に十分な量の紙幣を収納しておき、このような紙幣が収納された入金カセット80を筐体12の内部に装填することにより、紙幣処理装置10に紙幣を補充することができるようになっている。また、入金一時保留部82には、入出金部20により筐体12の内部に繰り出され後述する識別部72により識別された紙幣を一時的に保留するようになっている。また、各出金カセット84、86、88には、出金用の紙幣が金種別に収納されるようになっている。
【0025】
また、図1に示すように、筐体12の内部において、3つの出金トレイ90、92、94が上下方向に一列に並ぶよう配置されている。これらの出金トレイ90、92、94はそれぞれ搬送部70に接続されている。各出金トレイ90、92、94には紙幣がそれぞれ積層状態で集積されるようになっている。また、各出金トレイ90、92、94にはそれぞれ紙幣繰出機構が設けられており、収納された紙幣を紙幣繰出機構により搬送部70に繰り出すことができるようになっている。これらの出金トレイ90、92、94は、例えば二千円札を収納するために用いられたり、あるいは予備カセットとして用いられたりするようになっている。
【0026】
また、搬送部70には識別部72が設けられており、この識別部72は搬送部70により搬送される紙幣の金種、真偽、正損等の識別を行うようになっている。より詳細には、識別部72は、入出金部20により筐体12の内部に繰り出された紙幣の識別を行ったり、入金カセット80、入金一時保留部82または出金カセット84、86、88から搬送部70に繰り出された紙幣の識別を行ったりするようになっている。
【0027】
また、搬送部70には装填リジェクト部74が設けられている。この装填リジェクト部74は、紙幣処理装置10に紙幣の補充を行う際に識別部72により正常な紙幣ではないと識別された紙幣(リジェクト紙幣)が搬送部70から送られて集積されるようになっている。また、搬送部70には出金リジェクト部76が設けられている。この出金リジェクト部76は、紙幣処理装置10からの紙幣の出金を行う際に識別部72により正常な紙幣ではないと識別された紙幣(リジェクト紙幣)が搬送部70から送られて集積されるようになっている。
【0028】
次に、入出金部20の構成の詳細について図2を用いて説明する。
【0029】
前述のように、入出金部20において、紙幣が集積される紙幣集積領域が載置台22上に形成されている。より詳細には、図2に示すように、紙幣集積領域は、仕切り機構40により入金領域24と出金領域26とに仕切られている。入金領域24には、紙幣処理装置10の筐体12の内部に投入されるべき紙幣が筐体12の外部から操作者によって集積されるようになっている。一方、出金領域26には、筐体12の内部から入出金部20に送られた紙幣が集積されるようになっている。また、入出金部20において、入金領域24に紙幣が存在するか否かの検出を行う検出センサ23が設けられている。
【0030】
入出金部20における入金領域24側には、当該入金領域24に集積された紙幣を筐体12の内部に繰り出すための紙幣繰出機構30が設けられている。紙幣繰出機構30は、入金領域24に集積された紙幣のうち図2における最も右側にある紙幣を下方に蹴り出すキッカローラ31と、キッカローラ31により下方に蹴り出された紙幣を筐体12の内部に繰り出して搬送部70に送る繰り出しローラ32と、繰り出しローラ32と当接するよう設けられ、当該繰り出しローラ32との間でニップ部Nを形成する対向ローラ33とを有している。また、紙幣繰出機構30には、繰り出しローラ32の軸と同軸上にある軸34aを中心として揺動する繰り出しガイド34が設けられている。また、紙幣繰出機構30には、ゲートレバー35およびゲートレバー動作リンク36が設けられている。ゲートレバー35およびゲートレバー動作リンク36は軸37を中心として一体的に揺動するようになっている。これらの繰り出しガイド34、ゲートレバー35およびゲートレバー動作リンク36の構成の詳細については後述する。
【0031】
入出金部20において載置台22上に形成された紙幣集積領域を入金領域24と出金領域26とに仕切る仕切り機構40は、入金領域24側に配置された入金側札押さえ部材41と、出金領域26側に配置された出金側札押さえ部材42とを有している。これらの入金側札押さえ部材41および出金側札押さえ部材42は、互いに独立して載置台22上を図2における左右方向に移動することができるようになっている。このことにより、入金側札押さえ部材41は、入金領域24の幅の大きさを変更可能なように移動可能となっており、出金側札押さえ部材42は、出金領域26の幅の大きさを変更可能なように移動可能となっている。
【0032】
また、図2に示すように、入出金部20における出金領域26側には、筐体12の内部から出金領域26に紙幣を送ってこの出金領域26に集積させるとともに、出金領域26に集積された紙幣を筐体12の内部に取り込むための紙幣取り込み機構50が設けられている。紙幣取り込み機構50は、軸51aを中心として揺動可能な集積レバー51と、集積レバー51と対向するよう設けられ、図2における時計回りの方向に回転可能な繰り出しローラ52と、繰り出しローラ52の下方に設けられ、図2における時計回りの方向および反時計回りの方向の両方向に回転可能な取り込みローラ53とを有している。
【0033】
また、図2に示すように、入出金部20には、入金領域24および出金領域26からなる紙幣集積領域へのアクセスを選択的に規制する内部シャッター60が設けられている。この内部シャッター60は、図2における左右方向に移動自在となっている。また、入出金部20において紙幣集積領域の上方には、内部シャッター60の先端部60aの検出を行うための3つの検出センサ61、62、63が設けられている。これらの検出センサ61、62、63は、図2における左右方向に沿って一列に並ぶよう設けられている。内部シャッター60は、この内部シャッター60の先端部60aが第1の検出センサ61の検出部61aに検出される第1の位置(図5等参照)、内部シャッター60の先端部60aが第2の検出センサ62の検出部62aに検出される第2の位置(図2等参照)、および内部シャッター60の先端部60aが第3の検出センサ63の検出部63aに検出される第3の位置(開口位置。図4等参照)の間で移動するようになっている。ここで、内部シャッター60が第1の位置または第2の位置に位置するときには、出金領域26が内部シャッター60により閉止されるようになる。一方、内部シャッター60が第3の位置に位置するときには、出金領域26は開かれた状態となる。より詳細には、後述のように、筐体12の内部に収納された紙幣が出金領域26に送られて集積される際に、出金側札押さえ部材42が図6等に示すように右方向に移動することにより、入出金部20から筐体12の内部に紙幣が繰り出されるときよりも出金領域26を大きくすることができるようになっているが、このような出金処理が行われる間において内部シャッターが第2の位置から第1の位置に移動することにより、この大きくなった出金領域26を閉止するようになっている。
【0034】
次に、入出金部20の仕切り機構40の構成の詳細について図8を用いて説明する。前述のように、仕切り機構40は、入金領域24側に配置された入金側札押さえ部材41と、出金領域26側に配置された出金側札押さえ部材42とを有しているが、これらの入金側札押さえ部材41および出金側札押さえ部材42は引張バネ43により接続されている。より詳細には、入金側札押さえ部材41には支持部材41aが取り付けられており、この支持部材41aには略円筒形状の受け部材41bが設けられている。また、仕切り機構40には、略水平方向に延びるスライド軸45が設けられており、このスライド軸45は受け部材41bの中空部分を貫通するようになっている。そして、受け部材41bがスライド軸45に沿って移動することにより、入金側札押さえ部材41は図8における左右方向に移動するようになっている。また、入金側札押さえ部材41には、引張バネ43の一端が取り付けられた引張バネ支持部材41cが設けられている。
【0035】
また、出金側札押さえ部材42には支持部材42aが取り付けられており、この支持部材42aには略円筒形状の受け部材42bが設けられている。また、スライド軸45は受け部材42bの中空部分を貫通するようになっている。そして、受け部材42bがスライド軸45に沿って移動することにより、出金側札押さえ部材42は図8における左右方向に移動するようになっている。また、出金側札押さえ部材42には、引張バネ43の他端が取り付けられる引張バネ支持部材42cが取り付けられている。また、支持部材42aの下端部には、後述する規制部材44の係合部材44aに選択的に係合される被係合部材42dが設けられている。
【0036】
図8に示すように、入金側札押さえ部材41および出金側札押さえ部材42が引張バネ43により接続されていることにより、入金側札押さえ部材41および出金側札押さえ部材42は、引張バネ43による引っ張り力によって、それぞれ互いに接近する方向に付勢させられるようになっている。ここで、入金側札押さえ部材41および出金側札押さえ部材42に対してこれらの部材41、42を図8における左右方向に引き離すような力が加えられていない場合には、図8(a)および図8(b)に示すように入金側札押さえ部材41および出金側札押さえ部材42は当接した状態となる。一方、入金側札押さえ部材41または出金側札押さえ部材42に対してこれらの部材41、42を図8における左右方向に引き離すような力が加えられた場合には、図8(c)に示すように入金側札押さえ部材41および出金側札押さえ部材42は離間する。
【0037】
入金側札押さえ部材41には、この入金側札押さえ部材41を駆動する駆動機構46(図12参照)が設けられている。この駆動機構46の構成の詳細については後述する。駆動機構46により、入金側札押さえ部材41を図8における左右両方向に移動させることができるようになっている。また、仕切り機構40には、出金側札押さえ部材42の移動を選択的に規制する規制部材44が設けられている。規制部材44は、例えばソレノイド44dから構成されている。より具体的には、ソレノイド44dの先端部分44cには揺動部材44bが設けられており、この揺動部材44bはソレノイド44dの先端部分44cを揺動端とし、軸44eを中心として揺動するようになっている。そして、この揺動部材44bには、出金側札押さえ部材42に設けられた被係合部材42dに選択的に係合する係合部材44aが設けられている。そして、ソレノイド44dは、係合部材44aが、出金側札押さえ部材42が図8における右方に移動したときに被係合部材42dと係合する係合位置(図8(c)参照)と、出金側札押さえ部材42が図8における右方に移動したときに被係合部材42dに係合しない非係合位置(図8(a)(b)参照)との間で移動するよう、揺動部材44bを揺動させるようになっている。
【0038】
図8(a)(b)に示すように、ソレノイド44dにより係合部材44aが非係合位置に位置されたときには、駆動機構46が入金側札押さえ部材41を右方に移動させたときに、出金側札押さえ部材42は入金側札押さえ部材41と連動して右方に移動し、被係合部材42dは係合部材44aを通り過ぎることにより入金側札押さえ部材41および出金側札押さえ部材42は当接したままの状態となる。一方、図8(c)に示すように、ソレノイド44dにより係合部材44aが係合位置に位置されたときには、駆動機構46が入金側札押さえ部材41を右方に移動させたときに、係合部材44aが出金側札押さえ部材42の被係合部材42dに係合することにより、出金側札押さえ部材42は右方に移動しなくなるので、入金側札押さえ部材41および出金側札押さえ部材42は互いに離間するようになる。
【0039】
次に、入出金部20の紙幣繰出機構30の構成の詳細について図9乃至図11を用いて説明する。
【0040】
まず、繰り出しガイド34とゲートレバー35の連動について図9を用いて説明する。前述のように、繰り出しガイド34は、繰り出しローラ32の軸と同軸上にある軸34aを中心として揺動するようになっている。また、ゲートレバー35は軸37を中心として揺動するようになっている。また、ゲートレバー35にはピン部材35aが設けられており、繰り出しガイド34には、ピン部材35aが貫通するような長穴34bが設けられている。そして、ゲートレバー35が軸37を中心として揺動したときに、ピン部材35aが長穴34b内で案内されることにより、繰り出しガイド34も軸34aを中心として揺動する。図9(a)は、繰り出しガイド34の先端およびゲートレバー35の先端がそれぞれ入金側札押さえ部材41側に向かって突出するような進出位置にあるときの状態を示し、図9(b)は、繰り出しガイド34の先端およびゲートレバー35の先端がそれぞれ進出位置から入金側札押さえ部材41とは反対側に退避したような退避位置にあるときの状態を示す。繰り出しガイド34およびゲートレバー35が図9(a)に示すような進出位置にあるときに、ゲートレバー35が軸37を中心として図9における反時計回りの方向に移動すると、繰り出しガイド34も軸34aを中心として図9における時計回りの方向に移動する。このことにより、繰り出しガイド34およびゲートレバー35は図9(b)に示すような退避位置に到達する。
【0041】
次に、繰り出しガイド34とキッカローラ31の連動について図10を用いて説明する。前述のように、繰り出しガイド34は軸34aを中心として揺動するようになっている。また、キッカローラ31には支持部材38が設けられており、この支持部材38によりキッカローラ31が回転可能なように支持されるようになっている。そして、キッカローラ31を支持する支持部材38は繰り出しガイド34に取り付けられている。このため、繰り出しガイド34および支持部材38は軸34aを中心として一体的に揺動するようになっている。このことにより、繰り出しガイド34が図10(a)に示すような進出位置にあるときに、この繰り出しガイド34が軸34aを中心として図10における時計回りの方向に移動すると、支持部材38も軸34aを中心として図10における時計回りの方向に移動し、この支持部材38に支持されたキッカローラ31は、図10(a)に示すような進出位置から、図10(b)に示すように入金側札押さえ部材41とは反対側に退避するようになる。
【0042】
次に、ゲートレバー35、ゲートレバー動作リンク36および入金側札押さえ部材41の連動について図11を用いて説明する。前述のように、ゲートレバー35およびゲートレバー動作リンク36は軸37を中心として一体的に揺動するようになっている。また、ゲートレバー動作リンク36の先端にはローラ36aが回転自在に設けられており、入金側札押さえ部材41が図2における右方に移動したときに、この入金側札押さえ部材41に設けられた支持部材41aにゲートレバー動作リンク36のローラ36aが接触するようになっている。より詳細には、図11(a)に示すようにゲートレバー35の先端およびゲートレバー動作リンク36の先端がそれぞれ入金側札押さえ部材41側に向かって突出するような進出位置にあるときに、入金側札押さえ部材41が図2における右方に移動すると、この入金側札押さえ部材41に設けられた支持部材41aにゲートレバー動作リンク36のローラ36aが接触し、ゲートレバー動作リンク36は軸37を中心として図11における反時計回りの方向に回転する。この際に、図11(b)に示すように支持部材41aの外縁に沿ってローラ36aが下方に移動し、このローラ36aは支持部材41aの下方において当該支持部材41aの下縁に沿って案内されるようになる。また、ゲートレバー動作リンク36が軸37を中心として図11における反時計回りの方向に回転することにより、ゲートレバー35もゲートレバー動作リンク36と連動して回転し、ゲートレバー35およびゲートレバー動作リンク36は図11(b)に示すような退避位置に到達する。そして、ゲートレバー35が進出位置から退避位置に移動することにより、繰り出しガイド34およびキッカローラ31も入金側札押さえ部材41から遠ざかるよう退避するようになる(図9(b)および図10(b)参照)。
【0043】
次に、入金側札押さえ部材41を駆動する駆動機構46の構成の詳細について図12を用いて説明する。前述のように、駆動機構46により、入金側札押さえ部材41を図2における左右両方向に移動させることができるようになっている。このような駆動機構46は、モータ46aと、循環ベルト46eとを有しており、モータ46aにより循環ベルト46eを図12における時計回りおよび反時計回りの両方向に循環移動させることができるようになっている。より詳細には、モータ46aにはギヤ46bが取り付けられており、このギヤ46bはギヤ46cと噛み合うようになっている。また、循環ベルト46eが張架されるプーリ46dにもギヤ46hが設けられており、このギヤ46hはギヤ46cと噛み合うようになっている。このことにより、図12(a)に示すようにモータ46aがギヤ46bを時計回りの方向に回転させると、プーリ46dが時計回りの方向に回転することにより、循環ベルト46eが時計回りの方向に循環移動するようになる。一方、図12(b)に示すようにモータ46aがギヤ46bを反時計回りの方向に回転させると、プーリ46dが反時計回りの方向に回転することにより、循環ベルト46eが反時計回りの方向に循環移動するようになる。なお、プーリ46dとギヤ46hとの間にはトルクリミッタ46iが設けられており、一定のトルクを超える力がギヤ46hからプーリ46dに与えられる場合にはトルクリミッタ46iによりギヤ46hの回転に対してプーリ46dが滑るようになり、ギヤ46hが回転してもプーリ46dが回転しないようになる。
【0044】
入金側札押さえ部材41に設けられた支持部材41aは循環ベルト46eに取り付けられている。このため、循環ベルト46eが図12における時計回りまたは反時計回りの方向に循環移動すると、入金側札押さえ部材41も図12における右方または左方に移動するようになる。一方、出金側札押さえ部材42は循環ベルト46eには接続されていない。このため、循環ベルト46eが図12における時計回りまたは反時計回りの方向に循環移動しても、出金側札押さえ部材42は直接的には循環ベルト46eと連動しない。しかしながら、前述のように、入金側札押さえ部材41および出金側札押さえ部材42は引張バネ43により接続されているため、規制部材44が出金側札押さえ部材42の移動を規制しない場合には、入金側札押さえ部材41および出金側札押さえ部材42は連動して移動するようになる。
【0045】
また、図12に示すように、プーリ46fが循環ベルト46eに張架されており、このプーリ46fはトルクリミッタ46gを介してゲートレバー35およびゲートレバー動作リンク36の軸37に接続されている。このため、図12(a)に示すように循環ベルト46eが時計回りの方向に循環移動すると、プーリ46fおよびトルクリミッタ46gを介して軸37も時計回りの方向に回転し、ゲートレバー動作リンク36は図12(a)に示すようにその下端(ローラ36a)が入金側札押さえ部材41に向かって突出するような進出位置に位置するようになる。なお、ゲートレバー動作リンク36が図12(a)に示すような進出位置に位置すると、トルクリミッタ46gによりプーリ46fの回転に対して軸37が滑るようになり、軸37はこれ以上回転しなくなる。このようにして、循環ベルト46eが循環移動し続けても、ゲートレバー動作リンク36は図12(a)に示すような進出位置に固定されるようになる。
【0046】
一方、図12(b)に示すように循環ベルト46eが反時計回りの方向に循環移動すると、プーリ46fおよびトルクリミッタ46gを介して軸37も反時計回りの方向に回転し、ゲートレバー動作リンク36は図12(b)に示すようにその下端(ローラ36a)が入金側札押さえ部材41から退避するような退避位置に位置するようになる。この際に、ゲートレバー動作リンク36は軸37からほぼ真下に向かって延びるような位置となる。なお、ゲートレバー動作リンク36が図12(b)に示すような退避位置に位置すると、トルクリミッタ46gによりプーリ46fの回転に対して軸37が滑るようになり、軸37はこれ以上回転しなくなる。このようにして、循環ベルト46eが循環移動し続けても、ゲートレバー動作リンク36は図12(b)に示すような退避位置に固定されるようになる。
【0047】
次に、紙幣取り込み機構50の構成の詳細について図13乃至図15を用いて説明する。なお、図13(a)は、筐体12の内部から出金領域26に紙幣を送るときの紙幣取り込み機構50の各構成要素の状態を示し、図13(b)は、出金領域26に集積された紙幣を繰り出しローラ52および取り込みローラ53により下方に繰り出して後述する紙幣取り込み部57内に取り込むときの紙幣取り込み機構50の各構成要素の状態を示している。
【0048】
前述のように、紙幣取り込み機構50は、紙幣集積領域における出金領域26側に配置されており、軸51aを中心として揺動可能な集積レバー51と、集積レバー51と対向するよう設けられ、図13における時計回りの方向に回転可能な繰り出しローラ52と、繰り出しローラ52の下方に設けられ、図13における時計回りの方向および反時計回りの方向の両方向に回転可能な取り込みローラ53とを有している。なお、繰り出しローラ52は、図13における時計回りの方向に加えて反時計回りの方向にも回転可能となっていてもよい。また、紙幣取り込み機構50において、取り込みローラ53に当接するよう対向ローラ59が設置されており、取り込みローラ53と対向ローラ59との間でニップ部Nが形成されるようになっている。この対向ローラ59には、放射状に延びる複数のゴム板を有する紙幣整列部材59aが同軸で取り付けられている。この紙幣整列部材59aは、紙幣処理装置10の筐体12の内部から出金領域26に紙幣が送られたときにこの紙幣の後端部をゴム板で叩くことにより出金領域26に集積される紙幣の整列を行うようになっている。
【0049】
集積レバー51の軸51aにはねじりバネが設けられており、集積レバー51に何ら力が加えられていないときには、集積レバー51は図13(a)に示すような定位置に位置するようになっている。このような定位置において、集積レバー51はその上端が下端よりも出金側札押さえ部材42側に接近するような傾斜位置を取るようになっている。また、例えば出金領域26に集積された紙幣や出金側札押さえ部材42により集積レバー51に対して左方向に力が加えられた場合には、この集積レバー51は軸51aを中心として反時計回りの方向に回転し、図13(b)に示すように集積レバー51は起き上がるようになる。この集積レバー51は、真上に延びるような位置(図14(d)参照)に達すると、これ以上軸51aを中心として反時計回りの方向に回転しなくなる。
【0050】
また、取り込みローラ53および対向ローラ59の下方には一対の案内ローラ53a、53bが設けられており、この一対の案内ローラ53a、53bに搬送部70(図1参照)が接続されている。このようにして、搬送部70から一対の案内ローラ53a、53bに送られた紙幣は、取り込みローラ53と対向ローラ59との間のニップ部Nに更に送られ、取り込みローラ53が図13における反時計回りの方向に回転することによりニップ部Nから出金領域26に紙幣が送られるようになる。
【0051】
また、紙幣取り込み機構50には、上下方向に延びるよう設けられ、仕切り機構40の出金側札押さえ部材42との間に出金領域26を形成する案内部材55が設けられている。また、紙幣取り込み機構50において、繰り出しローラ52を回転自在に支持する支持部材54が設けられており、この支持部材54には引張バネ56の一端56aが取り付けられている。引張バネ56の他端56bはその位置が固定されている。
【0052】
また、紙幣取り込み機構50において、取り込みローラ53の近傍には分岐部材58が設けられている。この分岐部材58は、取り込みローラ53の下方に設けられた軸58aを中心として揺動するようになっている。分岐部材58の軸58aにはねじりバネが設けられており、このねじりバネにより分岐部材58には軸58aを中心として反時計回りの方向に力が付勢されるようになっている。分岐部材58に何ら力が加えられていないときには、この分岐部材58は図13(a)に示すような位置に位置するようになっている。また、分岐部材58の近傍には紙幣取り込み部57が設けられている。この紙幣取り込み部57内には、複数の紙幣が収納されるスペースが形成されている。そして、出金領域26に集積された紙幣が繰り出しローラ52および取り込みローラ53によりこの出金領域26から繰り出されて下方に送られるときに、分岐部材58は図13(b)に示す位置に移動し、紙幣取り込み部57に紙幣が収納されるようになっている。分岐部材58の構成の詳細について図15を用いて説明する。図15に示すように、分岐部材58の上端には鉤状部58bが形成されている。このような鉤状部58bが分岐部材58の上端に形成されていることにより、分岐部材58が図13(a)に示すような位置に位置しているときに、紙幣取り込み部57内に収納された紙幣を出金領域26に送ることが鉤状部58bにより規制され、紙幣取り込み部57から出金領域26に紙幣が逆流したり、紙幣取り込み部57内に収納された紙幣が出金領域26から悪意ある操作者等により取り出されて盗まれたりすることを防止することができるようになる。
【0053】
また、図2および図14に示すように、集積レバー51の下端には2つの被検出部材51b、51cが設けられており、集積レバー51の下方には、これらの被検出部材51b、51cを検出するための2つの検出センサ65、66がそれぞれ設けられている。ここで、検出センサ65、66にはそれぞれ検出部65a、66aが設けられており、これらの検出部65a、66aが集積レバー51の被検出部材51b、51cをそれぞれ検出するようになっている。図14(a)に示すように、集積レバー51に何ら力が加えられておらず、この集積レバー51が定位置にあるときには、第1の検出センサ65の検出部65aは集積レバー51の第1の被検出部材51bを検出せず、また、第2の検出センサ66の検出部66aは集積レバー51の第2の被検出部材51cを検出しない。そして、筐体12の内部から出金領域26に大量の紙幣が送られ、定位置にある集積レバー51に対してこれらの紙幣により左方向の力が加えられると、集積レバー51が軸51aを中心として図14における反時計回りの方向に回転し、図14(b)に示すように第1の検出センサ65の検出部65aが集積レバー51の第1の被検出部材51bを検出する。図14(b)に示すような、第1の検出センサ65の検出部65aが集積レバー51の第1の被検出部材51bを検出したときの集積レバー51の位置を紙幣フル位置とする。集積レバー51が紙幣フル位置に達すると、後述するように出金側札押さえ部材42が図13における右方向に移動し、出金領域26が大きくなる。出金側札押さえ部材42が右方向に移動すると、出金領域26に集積された紙幣も出金側札押さえ部材42の移動に合わせて右方向に移動し、集積レバー51に加えられる左方向の力が弱くなるので、集積レバー51は図14(b)に示すような紙幣フル位置から、軸51aに設けられたねじりバネの力により当該軸51aを中心として時計回りの方向に移動する。
【0054】
また、出金領域26に集積された紙幣を紙幣取り込み部57内に取り込む際には、図13(b)に示すように出金側札押さえ部材42が集積レバー51を左方向に押圧し、集積レバー51は図14(c)に示すような紙幣取り込み位置に達する。このときに、第1の検出センサ65の検出部65aが集積レバー51の第1の被検出部材51bを検出するとともに、第2の検出センサ66の検出部66aが集積レバー51の第2の被検出部材51cを検出する。また、集積レバー51が紙幣取り込み位置にあるときに、集積レバー51は繰り出しローラ52よりも出金側札押さえ部材42から遠ざかるようになる。このことにより、出金側札押さえ部材42と集積レバー51との間にある紙幣を集積レバー51に邪魔されることなく繰り出しローラ52により確実に下方に繰り出すことができるようになる。
【0055】
図14(c)に示すような紙幣取り込み位置から集積レバー51が更に左方向に押圧されると、集積レバー51は図14(d)に示すような終端位置に位置するようになる。このような終端位置において、集積レバー51は真上に延びるような状態となる。また、前述のように、集積レバー51が図14(d)に示すような終端位置に達すると、軸51aを中心として集積レバー51をこれ以上反時計回りの方向に移動させることができないようになっている。このように、集積レバー51は、図14(a)に示すような定位置と、図14(d)に示すような終端位置との間で揺動するようになっている。
【0056】
次に、筐体12の内部から出金領域26に紙幣を送るときの動作について図13(a)を用いて簡単に説明する。図13(a)に示すように、筐体12の内部から出金領域26に紙幣を送るときには、集積レバー51は定位置にあり、また、分岐部材58は上下方向に延びるような位置にある。また、筐体12の内部から出金領域26に紙幣を送るときには、取り込みローラ53は図13(a)における反時計回りの方向に回転する。なお、このときに、繰り出しローラ52も図13(a)における反時計回りの方向に回転するようになっていてもよい。そして、紙幣処理装置10の搬送部70(図1参照)から一対の案内ローラ53a、53bを介して取り込みローラ53と対向ローラ59との間のニップ部Nに紙幣が送られると、この紙幣は取り込みローラ53により更に上方に送られ、最終的に出金領域26に集積される。より詳細には、取り込みローラ53により上方に送られた紙幣は、集積レバー51と出金側札押さえ部材42との間の領域に集積される。また、この際に、紙幣整列部材59aにより、出金領域26に集積される紙幣が整列される。
【0057】
次に、出金領域26に集積された紙幣を繰り出しローラ52および取り込みローラ53により下方に繰り出して紙幣取り込み部57内に取り込むときの動作について図13(b)を用いて簡単に説明する。図13(b)に示すように、出金領域26に集積された紙幣を紙幣取り込み部57内に取り込むときには、出金側札押さえ部材42が案内部材55側に向かって移動し、この出金側札押さえ部材42が集積レバー51を左方向に押圧することにより、集積レバー51は図14(c)に示すような紙幣取り込み位置に位置するようになる。また、分岐部材58は図13(a)に示すような位置から軸58aを中心として時計回りの方向に回転し、出金領域26から紙幣取り込み部57内まで紙幣を案内するような位置となる(図13(b)参照)。また、出金領域26に集積された紙幣を紙幣取り込み部57内に取り込むときには、繰り出しローラ52および取り込みローラ53は図13(b)における時計回りの方向に回転する。このようにして、出金領域26に集積された紙幣は繰り出しローラ52により1枚ずつ下方に送られ、取り込みローラ53により1枚ずつ紙幣取り込み部57内に取り込まれる。
【0058】
また、図1に示すように、紙幣処理装置10の筐体12内には、当該紙幣処理装置10の各構成要素の制御を行う制御部16が設けられている。制御部16により、紙幣処理装置10において紙幣の入金処理や出金処理等を行う際に紙幣処理装置10の各構成要素の制御が行われるようになっている。
【0059】
次に、上述のような構成からなる紙幣処理装置10の動作について以下に説明する。以下に示すような紙幣処理装置10の動作は、制御部16が紙幣処理装置10の各構成要素の制御を行うことにより行われる。
【0060】
まず、紙幣処理装置10における紙幣の入金処理について説明する。紙幣処理装置10において、何ら処理が行われないときには、図16(a)に示すように、外部シャッター14は、入出金部20の上方に位置する筐体12の開口12aを閉止している。また、内部シャッター60は、その先端部60aが第2の検出センサ62の検出部62aに検出されるような第2の位置に位置している。そして、操作者が筐体12に設けられたカードリーダ(図示せず)にIDカードを差し込み、筐体12に設けられたタッチパネル等(図示せず)の指示部により制御部16に対して入金処理の指令を与えると、図16(b)に示すように、外部シャッター14が、入出金部20の上方に位置する筐体12の開口12aを開く。このことにより、操作者は入出金部20にアクセスすることができるようになる。しかしながら、内部シャッター60は第2の位置に位置したままとなる。このため、図2および図16(b)に示すように、入出金部20の紙幣集積領域における出金領域26には操作者はアクセスすることができず、入金領域24のみに操作者はアクセスすることができるようになる。このことにより、入金紙幣の投入時に、操作者が誤って出金領域26に紙幣をセットしてしまうことを防止することができる。
【0061】
図16(b)に示すような入金待機時において、図2に示すように、紙幣繰出機構30のゲートレバー35およびゲートレバー動作リンク36は、それぞれの先端が入金側札押さえ部材41側に向かって突出するような進出位置にある。また、紙幣繰出機構30の繰り出しガイド34も、その先端が入金側札押さえ部材41側に向かって突出するような進出位置にある。また、紙幣繰出機構30の支持部材38に支持されたキッカローラ31も、入金側札押さえ部材41側に向かって突出するような進出位置にある。このため、操作者が入金紙幣を入金領域24に投入する際に、図2に示すように紙幣はゲートレバー35および入金側札押さえ部材41の間に集積されるようになる。このように、紙幣繰出機構30のキッカローラ31、繰り出しガイド34およびゲートレバー35が入金側札押さえ部材41側に向かって突出することにより、入金領域24を狭くすることで半折れ紙幣や曲がった紙幣等も立位状態で保持することができるようになり、紙幣の横倒れ等のトラブルを防止することができる。また、入金領域24が狭くなるので、少数枚(例えば10枚程度)の紙幣を入金領域24にセットする場合でも、これらの少数枚の紙幣が倒れてしまうことを防止することができる。また、ゲートレバー35を傾斜させることにより、入金紙幣に挟まれたクリップ等の異物が繰り出しローラ32付近へ落下してしまうことを防止することができる。また、入金紙幣が入金領域24に大量に投入された場合には、繰り出しガイド34およびゲートレバー35が進出位置から揺動し、このような揺動を例えばゲートレバー35に設けられた検出センサ(図示せず)により検出することによって、制御部16において入金紙幣が大量に投入されたと判断することができるようになる。
【0062】
そして、図2に示すように操作者が入金領域24に入金紙幣を投入し、筐体12に設けられたタッチパネル等により制御部16に対して処理開始の指令を与えると、図16(c)に示すように、外部シャッター14が、入出金部20の上方に位置する筐体12の開口12aを閉止する。このことにより、操作者は入出金部20にアクセスすることができないようになる。そして、図12(a)に示すように、駆動機構46のモータ46aがギヤ46bを時計回りの方向に回転させ、プーリ46dが時計回りの方向に回転することにより、循環ベルト46eが時計回りの方向に循環移動する。このことにより、入金側札押さえ部材41がキッカローラ31に向かって右方に移動する。また、この際に、図8(c)に示すように、ソレノイド44dは、係合部材44aを、出金側札押さえ部材42が図8における右方に移動したときに被係合部材42dに係合する係合位置に位置させるようになっている。このため、駆動機構46が入金側札押さえ部材41を右方に移動させたときに、係合部材44aが出金側札押さえ部材42の被係合部材42dに係合することにより、出金側札押さえ部材42は右方に移動しなくなるので、入金側札押さえ部材41および出金側札押さえ部材42は互いに離間するようになる(図3参照)。
【0063】
また、入金側札押さえ部材41がキッカローラ31に向かって右方に移動すると、図11(a)に示すように、この入金側札押さえ部材41の支持部材41aにゲートレバー動作リンク36のローラ36aが接触し、ゲートレバー動作リンク36は軸37を中心として図11における反時計回りの方向に回転する。この際に、図11(b)に示すように支持部材41aの外縁に沿ってローラ36aが下方に移動し、このローラ36aは支持部材41aの下方において当該支持部材41aの下縁に沿って案内されるようになる。また、ゲートレバー動作リンク36が軸37を中心として図3および図11における反時計回りの方向に回転することにより、ゲートレバー35もゲートレバー動作リンク36と連動して回転し、ゲートレバー35およびゲートレバー動作リンク36は図3および図11(b)に示すような退避位置に到達する。そして、ゲートレバー35が進出位置から退避位置に移動することにより、繰り出しガイド34およびキッカローラ31も入金側札押さえ部材41から遠ざかるよう退避するようになる。
【0064】
また、操作者により制御部16に対して処理開始の指令が与えられると、キッカローラ31および繰り出しローラ32は図3における反時計回りの方向に回転する。このようにして、入金領域24にある紙幣は、入金側札押さえ部材41により右方に押圧されながら、キッカローラ31により1枚ずつ下方に蹴り出され、蹴り出された紙幣は繰り出しローラ32により1枚ずつ筐体12内に繰り出されて搬送部70に送られる。
【0065】
入出金部20から紙幣繰出機構30により搬送部70に送られた紙幣は、識別部72によりその金種、真偽、正損等の識別が行われる。そして、識別部72により正常な紙幣であると識別された紙幣は、搬送部70により入金一時保留部82に送られ、この入金一時保留部82で一時的に保留される。入金一時保留部82に一時的に保留された紙幣は、入出金部20から筐体12の内部に紙幣が全て繰り出された後、操作者が入金確定の指令を制御部16に与えることにより、入金カセット80に送られる。
【0066】
また、識別部72により正常な紙幣ではないと識別された紙幣や、識別部72により識別することができなかった紙幣は、入金リジェクト紙幣として搬送部70により入出金部20の出金領域26に送られる。より詳細には、搬送部70により入金リジェクト紙幣を入出金部20の出金領域26に送るときには、図13(a)に示すように、集積レバー51は定位置にあり、また、分岐部材58は上下方向に延びるような位置にある。また、入金リジェクト紙幣を出金領域26に紙幣を送るときには、取り込みローラ53は図13(a)における反時計回りの方向に回転する。なお、このときに、繰り出しローラ52も図13(a)における反時計回りの方向に回転するようになっていてもよい。そして、搬送部70から一対の案内ローラ53a、53bを介して取り込みローラ53と対向ローラ59との間のニップ部Nに入金リジェクト紙幣が送られると、この紙幣は取り込みローラ53により更に上方に送られ、最終的に出金領域26に集積される。より詳細には、取り込みローラ53により上方に送られた紙幣は、集積レバー51と出金側札押さえ部材42との間の領域に集積される(図3参照)。
【0067】
そして、入金領域24にある紙幣が紙幣繰出機構30により全て筐体12の内部に繰り出され、入金一時保留部82または入出金部20の出金領域26に送られると、図16(d)に示すように、外部シャッター14は、入出金部20の上方に位置する筐体12の開口12aを開く。また、内部シャッター60は、その先端部60aが第3の検出センサ63の検出部63aに検出されるような第3の位置に移動する。内部シャッター60が第3の位置に移動することにより、操作者は出金領域26にアクセスすることができるようになる。
【0068】
また、図12(b)に示すように、駆動機構46のモータ46aがギヤ46bを反時計回りの方向に回転させ、プーリ46dが反時計回りの方向に回転することにより、循環ベルト46eが反時計回りの方向に循環移動する。このことにより、入金側札押さえ部材41がキッカローラ31から遠ざかるよう左方に移動する。また、循環ベルト46eが図12(b)における反時計回りの方向に循環移動すると、プーリ46fおよびトルクリミッタ46gを介して軸37も反時計回りの方向に回転し、ゲートレバー動作リンク36は図12(b)に示すようにその下端(ローラ36a)が入金側札押さえ部材41から退避するような退避位置に位置するようになる。この際に、ゲートレバー動作リンク36は軸37からほぼ真下に向かって延びるような位置となる。そして、入金側札押さえ部材41が出金側札押さえ部材42に当接すると、駆動機構46のモータ46aがギヤ46bを時計回りの方向にわずかに回転させる。このことにより、図12(a)に示すように循環ベルト46eが時計回りの方向に循環移動し、プーリ46fおよびトルクリミッタ46gを介して軸37も時計回りの方向に回転し、ゲートレバー動作リンク36は図12(a)に示すようにその下端(ローラ36a)が入金側札押さえ部材41に向かって突出するような進出位置に位置するようになる(図4参照)。
【0069】
そして、図4および図16(d)に示すように、外部シャッター14が筐体12の開口12aを開いているとともに、内部シャッター60が出金領域26を開いている状態で、操作者は出金領域26から入金リジェクト紙幣を抜き取る。このようにして、紙幣処理装置10における紙幣の入金処理が終了する。
【0070】
次に、紙幣処理装置10における紙幣の出金処理について説明する。操作者が筐体12に設けられたカードリーダ(図示せず)にIDカードを差し込み、筐体12に設けられたタッチパネル等(図示せず)の指示部により制御部16に対して出金処理の指令を与えると、図16(e)に示すように、外部シャッター14が、入出金部20の上方に位置する筐体12の開口12aを閉止する。また、内部シャッター60は、その先端部60aが第1の検出センサ61の検出部61aに検出されるような第1の位置に移動する。内部シャッター60が第1の位置に移動することにより、出金領域26が内部シャッター60により閉止される。
【0071】
そして、各出金カセット84、86、88から搬送部70に紙幣が1枚ずつ繰り出され、搬送部70に繰り出された紙幣は識別部72により識別が行われる。そして、識別部72により正常な紙幣であると識別された紙幣は、搬送部70により入出金部20の出金領域26に送られる。一方、識別部72により例えば搬送異常であると識別された紙幣等の出金リジェクト紙幣は、搬送部70により出金リジェクト部76に送られて集積される。
【0072】
出金処理が行われる際に、図13(a)に示すように、集積レバー51は図14(a)に示すような定位置に位置しており、また、分岐部材58は上下方向に延びるような位置にある。また、搬送部70から出金領域26に紙幣を送るときには、取り込みローラ53は図13(a)における反時計回りの方向に回転する。なお、このときに、繰り出しローラ52も図13(a)における反時計回りの方向に回転するようになっていてもよい。そして、紙幣処理装置10の搬送部70から一対の案内ローラ53a、53bを介して取り込みローラ53と対向ローラ59との間のニップ部Nに紙幣が送られると、この紙幣は取り込みローラ53により更に上方に送られ、最終的に出金領域26に集積される。より詳細には、取り込みローラ53により上方に送られた紙幣は、集積レバー51と出金側札押さえ部材42との間の領域に集積される。また、この際に、紙幣整列部材59aにより、出金領域26に集積される紙幣が整列される。
【0073】
搬送部70から出金領域26に順次紙幣が送られ、出金領域26に集積される紙幣の量が増加すると、図6に示すように、出金領域26に集積された紙幣が集積レバー51を左方向に押圧する。そして、図14(b)に示すように、第1の検出センサ65の検出部65aが集積レバー51の第1の被検出部材51bを検出すると、集積レバー51が紙幣フル位置に移動したことが第1の検出センサ65により検出される。集積レバー51が紙幣フル位置に移動したことが検出されると、図12(a)に示すように、駆動機構46のモータ46aがギヤ46bを時計回りの方向に回転させ、プーリ46dが時計回りの方向に回転することにより、循環ベルト46eが時計回りの方向に循環移動する。このことにより、入金側札押さえ部材41がキッカローラ31に向かって右方に移動する。また、この際に、図8(a)(b)に示すように、ソレノイド44dは、係合部材44aを、出金側札押さえ部材42が図8における右方に移動したときに被係合部材42dに係合しない非係合位置に位置させるようになっている。このため、駆動機構46が入金側札押さえ部材41を右方に移動させたときに、引張バネ43によって出金側札押さえ部材42は入金側札押さえ部材41と連動して右方に移動し、被係合部材42dが係合部材44aを通り過ぎることにより入金側札押さえ部材41および出金側札押さえ部材42は当接したままの状態となる(図6参照)。このように、集積レバー51が紙幣フル位置に達すると、出金側札押さえ部材42が図6における右方向に移動し、出金領域26が大きくなる。そして、出金側札押さえ部材42が右方向に移動することにより、出金領域26に集積された紙幣も出金側札押さえ部材42の移動に合わせて右方向に移動し、集積レバー51を左方向に押圧する力が弱くなるのでこの集積レバー51は図14(b)に示すような紙幣フル位置から軸51aを中心として時計回りの方向に移動する。このように、紙幣処理装置10による紙幣の出金処理において、出金領域26に集積される紙幣の量が増加すると、それに合わせて出金領域26の幅を大きくすることができる。
【0074】
そして、所定の量または金額の紙幣が出金領域26に送られると、図7に示すように、内部シャッター60は、その先端部60aが第3の検出センサ63の検出部63aに検出されるような第3の位置に移動する。また、外部シャッター14は、入出金部20の上方に位置する筐体12の開口12aを開く。外部シャッター14が筐体12の開口12aを開き、内部シャッター60が出金領域26を開くことにより、操作者は出金領域26にアクセスすることができるようになる。このようにして、操作者は出金領域26から出金紙幣を取り出す。
【0075】
一方、出金カセット84、86、88において、出金される紙幣が出金途中でエンプティとなった場合には、すなわち出金される特定の金種の紙幣が出金カセット84、86、88から全て出金されてしまい、この金種の紙幣が不足した場合には、紙幣処理装置10における処理が中断されて休止状態となる。この場合には、出金領域26に集積された紙幣が繰り出しローラ52および取り込みローラ53により下方に繰り出されて紙幣取り込み部57内に取り込まれるようになる。このときに、図16(f)に示すように、外部シャッター14は、入出金部20の上方に位置する筐体12の開口12aを閉止している。また、内部シャッター60は、その先端部60aが第1の検出センサ61の検出部61aに検出されるような第1の位置に位置している。内部シャッター60が第1の位置に位置していることにより、出金領域26が内部シャッター60により閉止される。
【0076】
より詳細には、出金領域26に集積された紙幣を紙幣取り込み部57内に取り込む際には、出金側札押さえ部材42が案内部材55側に向かって移動し、図13(b)に示すようにこの出金側札押さえ部材42が集積レバー51を左方向に押圧することにより、集積レバー51は図14(c)に示すような紙幣取り込み位置に達する。集積レバー51が紙幣取り込み位置に達したときに、第1の検出センサ65の検出部65aにより集積レバー51の第1の被検出部材51bが検出されるとともに、第2の検出センサ66の検出部66aにより集積レバー51の第2の被検出部材51cが検出される。また、分岐部材58は図13(a)に示すような位置から軸58aを中心として時計回りの方向に回転し、出金領域26から紙幣取り込み部57内まで紙幣を案内するような位置(図13(b)参照)となる。また、出金領域26に集積された紙幣を紙幣取り込み部57内に取り込むときには、繰り出しローラ52および取り込みローラ53は図13(b)における時計回りの方向に回転する。このようにして、出金領域26に集積された紙幣は繰り出しローラ52により1枚ずつ下方に送られ、取り込みローラ53により1枚ずつ紙幣取り込み部57内に取り込まれる。
【0077】
その後、分岐部材58は、軸58aに設けられたねじりバネによって図13(a)に示す位置に戻る。ここで、図15に示すように、分岐部材58の上端に鉤状部58bが形成されていることにより、分岐部材58が図13(a)に示すような位置に位置しているときに、紙幣取り込み部57内に収納された紙幣を出金領域26に送ることが鉤状部58bにより規制される。このため、紙幣取り込み部57から出金領域26に紙幣が逆流したり、紙幣取り込み部57内に収納された紙幣が出金領域26から悪意ある操作者等により取り出されて盗まれたりすることを防止することができるようになる。
【0078】
次に、紙幣処理装置10における紙幣の両替処理について説明する。操作者が筐体12に設けられたカードリーダ(図示せず)にIDカードを差し込み、筐体12に設けられたタッチパネル等(図示せず)の指示部により制御部16に対して両替処理の指令を与えると、図16(b)に示すように、外部シャッター14が、入出金部20の上方に位置する筐体12の開口12aを開く。このことにより、操作者は入金領域24に紙幣を投入することができるようになる。なお、内部シャッター60は第2の位置に位置したままとなり、この内部シャッター60は出金領域26を閉止している。
【0079】
そして、操作者が入金領域24に紙幣を投入し、筐体12に設けられたタッチパネル等により制御部16に対して処理開始の指令を与えると、入金領域24に集積された紙幣が紙幣繰出機構30により1枚ずつ筐体12内に繰り出されて搬送部70により搬送される。この際に、筐体12内に繰り出された紙幣は識別部72により識別が行われる。識別部72により正常な紙幣であると識別された紙幣は入金一時保留部82に送られ、この入金一時保留部82で一時的に保留される。一方、識別部72により正常な紙幣ではないと識別された紙幣や、識別部72により識別することができなかった紙幣は、入金リジェクト紙幣として搬送部70により入出金部20の出金領域26に送られる。そして、入金領域24にある紙幣が紙幣繰出機構30により全て筐体12の内部に繰り出され、入金一時保留部82または入出金部20の出金領域26に送られると、図16(d)に示すように、外部シャッター14は、入出金部20の上方に位置する筐体12の開口12aを開く。また、内部シャッター60は、その先端部60aが第3の検出センサ63の検出部63aに検出されるような第3の位置に移動する。内部シャッター60が第3の位置に移動することにより、出金領域26が開かれた状態となり、操作者は出金領域26から入金リジェクト紙幣を取り出すことができるようになる。
【0080】
出金領域26から入金リジェクト紙幣が取り出されると、図16(e)に示すように、外部シャッター14が、入出金部20の上方に位置する筐体12の開口12aを閉止する。また、内部シャッター60は、その先端部60aが第1の検出センサ61の検出部61aに検出されるような第1の位置に移動する。内部シャッター60が第1の位置に移動することにより、出金領域26が内部シャッター60により閉止される。そして、出金カセット84、86、88から搬送部70に両替用の紙幣が1枚ずつ繰り出され、搬送部70に繰り出された紙幣は識別部72により識別が行われる。そして、識別部72により正常な紙幣であると識別された紙幣は、搬送部70により入出金部20の出金領域26に送られる。一方、識別部72により例えば搬送異常であると識別された紙幣等の出金リジェクト紙幣は、搬送部70により出金リジェクト部76に送られて集積される。
【0081】
そして、入出金部20から入金一時保留部82に送られた紙幣の金額と同じ金額分の紙幣が出金カセット84、86、88から出金領域26に送られると、図7に示すように、内部シャッター60は、その先端部60aが第3の検出センサ63の検出部63aに検出されるような第3の位置に移動する。また、外部シャッター14は、入出金部20の上方に位置する筐体12の開口12aを開く。外部シャッター14が筐体12の開口12aを開き、内部シャッター60が出金領域を開くことにより、操作者は出金領域26にアクセスすることができるようになる。このようにして、操作者は出金領域26から両替された紙幣を取り出す。
【0082】
一方、出金カセット84、86、88において、両替用の紙幣が出金途中でエンプティとなった場合には、すなわち両替用の特定の金種の紙幣が出金カセット84、86、88から全て出金されてしまい、この金種の紙幣が不足した場合には、紙幣処理装置10における処理が中断されて休止状態となる。この場合には、出金領域26に集積された紙幣が繰り出しローラ52および取り込みローラ53により下方に繰り出されて紙幣取り込み部57内に取り込まれるようになる。出金領域26に集積された紙幣が全て紙幣取り込み部57内に取り込まれると、分岐部材58は、軸58aに設けられたねじりバネによって図13(a)に示す位置に戻る。このため、紙幣取り込み部57から出金領域26に紙幣が逆流したり、紙幣取り込み部57内に収納された紙幣が出金領域26から悪意ある操作者等により取り出されて盗まれたりすることを防止することができるようになる。その後、入金一時保留部82に一時的に保留された紙幣が1枚ずつ搬送部70に繰り出され、この搬送部70により紙幣が全て出金領域26に送られる。より具体的には、出金領域26に集積された紙幣を全て紙幣取り込み部57内に取り込むような取り込み処理が行われた後、図13(b)に示すような位置にある出金側札押さえ部材42を案内部材55から離間する方向に(すなわち、右方向に)移動させるとともに取り込みローラ53を払い出し方向(図13等における反時計回りの方向)に回転させ、入金一時保留部82から搬送部70により入出金部20に紙幣を送る返却処理を行う。このようにして、両替処理において上述のようなトラブルが生じた場合には、両替されるべき紙幣が操作者に戻されるようになる。
【0083】
以上のように本実施の形態の紙幣処理装置10によれば、入出金部20において、紙幣集積領域に集積された紙幣を筐体12の内部に繰り出すとともに筐体12の内部から送られた紙幣が紙幣集積領域に集積されるようになっている。また、筐体12には、当該筐体12の開口12aの開閉を行う外部シャッター14が設けられており、しかも、入出金部20には、紙幣集積領域へのアクセスを選択的に規制する内部シャッター60が設けられている。このように、筐体12の開口12aの開閉を行う外部シャッター14に加えて、紙幣が集積される紙幣集積領域を有する入出金部20に内部シャッター60を設けることにより、筐体12の内部から入出金部20の紙幣集積領域に紙幣が送られる際にこの紙幣が紙幣集積領域から飛び出てしまうことを防止し、このことにより紙幣処理装置10の筐体12の内部で紙幣が飛散してしまうことを防止することができる。
【0084】
また、本実施の形態の紙幣処理装置10においては、入出金部20は、紙幣集積領域を入金領域24と出金領域26とに仕切る仕切り機構40を有し、内部シャッター60は、少なくとも筐体12の内部から出金領域26に紙幣が送られる期間において(具体的には入金処理の際に入金リジェクト紙幣が出金領域26に送られたり出金処理や両替処理の際に出金紙幣が出金領域26に送られたりする期間において)、出金領域26を閉止するようになっている。このことにより、紙幣処理装置10の筐体12に設けられた外部シャッター14が開いたときに、入金紙幣を入金領域24に投入する際に誤って出金領域26に紙幣をセットしてしまうことを防止することができる。
【0085】
また、本実施の形態の紙幣処理装置10では、筐体12の内部に収納された紙幣が出金領域26に送られて集積される際に、出金側札押さえ部材42が図6等に示すように右方向に移動することにより、入出金部20から筐体12の内部に紙幣が繰り出されるときよりも出金領域26を大きくすることができるようになっている。そして、このような出金処理が行われる間において、内部シャッター60は、図2に示すような第2の位置から図5および図6に示すような第1の位置に移動することにより、大きくなった出金領域26を閉止するようになっている。
【0086】
この際に、内部シャッター60は、出金領域26を開く開口位置(図16の(d)参照)と、入金領域24から筐体12の内部に紙幣が繰り出される際に出金領域26を閉止する第1の閉止位置(図16の(a)参照)と、筐体12の内部に収納された紙幣が出金領域26に送られて集積される際に出金領域26を閉止する第2の閉止位置(図16(e))とからなる3つの位置の間で移動可能となっている。
【0087】
また、入出金部20は、紙幣集積領域を上方に形成する載置台22を有し、仕切り機構40は、載置台22の一方の端部(右端)側で紙幣集積領域における入金領域24を形成する入金側札押さえ部材41(第1の札押さえ部材)と、載置台22の他方の端部(左端)側で紙幣集積領域における出金領域26を形成する出金側札押さえ部材42(第2の札押さえ部材)とを有しており、入金側札押さえ部材41は、入金領域24の幅の大きさ(入金側札押さえ部材41と載置台22の一方の端部(右側)との距離)を変更可能なように載置台22上で移動可能となっており、出金側札押さえ部材42は、出金領域26の幅の大きさ(出金側札押さえ部材42と載置台22の他方の端部(左側)との距離)を変更可能なように載置台22上で移動可能となっている。このことにより、紙幣処理装置10に入金される紙幣の量や、紙幣処理装置10から出金される紙幣の量に応じて、入金領域24や出金領域26の大きさを容易に変更することができるようになる。
【0088】
また、入出金部20は、入金側札押さえ部材41と出金側札押さえ部材42とを互いに接近する方向に付勢する引張バネ43(付勢部材)と、入金側札押さえ部材41を移動させる駆動機構46と、出金側札押さえ部材42の移動を選択的に規制する規制部材44とを有している。このことにより、規制部材44により出金側札押さえ部材42の移動を規制した場合には、駆動機構46により入金側札押さえ部材41のみを移動させることができるようになり、一方、規制部材44により出金側札押さえ部材42の移動を規制しなかった場合には、駆動機構46により入金側札押さえ部材41および出金側札押さえ部材42を互いに当接した状態で一体的に移動させることができるようになる。
【0089】
また、入出金部20は、入金領域24に集積された紙幣を下方に蹴り出すためのキッカローラ31と、キッカローラ31を回転可能なように支持する支持部材38とを有し、支持部材38は入金側札押さえ部材41と連動して移動するようになっている。また、入出金部20は、入金領域24に集積された紙幣が筐体12の内部に繰り出される際に当該紙幣を案内するための繰り出しガイド34を有し、この繰り出しガイド34は入金側札押さえ部材41と連動して移動するようになっている。このように、キッカローラ31の支持部材38や繰り出しガイド34を入金側札押さえ部材41と連動して移動させるようになっている場合には、これらの支持部材38や繰り出しガイド34用の駆動源を別途設ける必要がなくなり、装置をコンパクトなものとすることができるとともに紙幣処理装置10の製造費用を低減することができるようになる。
【0090】
なお、本実施の形態による紙幣処理装置10は、上記の態様に限定されるものではなく、様々の変更を加えることができる。
【0091】
例えば、載置台22の構成について、図17および図18に示すような構成のものとすることができる。図17は、図2等に示す紙幣処理装置10の入出金部20を上方から見たときの載置台22(可動ガイド22a)の概略的な構成を示す上面図であり、図18は、図17に示す入出金部20の可動ガイド22aの駆動部等の構成を示す側面図である。
【0092】
図17に示すように、紙幣集積領域における入金領域24を上方に形成する載置台22は、例えば平行に延びる一対の可動ガイド22aから形成されている。すなわち、入金領域24において、一対の可動ガイド22aにそれぞれ跨るよう、紙幣Pが入金側札押さえ部材41とキッカローラ31との間で集積されるようになっている。このような一対の可動ガイド22aは、図2における上下方向に往復移動することができるようになっている。このように、一対の可動ガイド22aが上下方向に往復移動することにより、この一対の可動ガイド22aを跨るよう集積された紙幣の間にクリップ等の異物が混じっている場合には、この異物を自重によって可動ガイド22aから下方に落下させることにより回収することができる。また、本実施の形態においては、一対の可動ガイド22aを図2における上下方向に往復移動させるときに、一対の可動ガイド22aを非同期で上下方向に往復移動させることができるようになっている。このことにより、一対の可動ガイド22aを跨るよう集積された紙幣は、その右側部分および左側部分がそれぞれ異なるタイミングで上下方向に動くようになり、一対の可動ガイド22a上の紙幣は絶えず上下方向にアンバランスに揺動するようになるので、紙幣間の異物をより確実に可動ガイド22aから下方に落下させることができるようになる。
【0093】
次に、このような可動ガイド22aの駆動部27の構成について図18を用いて説明する。図18に示すように、駆動部27は、モータ27aと、このモータ27aに取り付けられたギヤ27bと、ギヤ27bに噛み合うギヤ27cと、ギヤ27cに噛み合うギヤ27dと、ギヤ27dに設けられたカム27eとを有している。モータ27aは、ギヤ27bを正逆両方向に回転させることができるようになっている。また、一対の可動ガイド22aのうち一方の可動ガイド22aの下端にはローラ22bが設けられており、このローラ22bはカム27e上で当該カム27eの回転に合わせて上下移動するようになっている。なお、ギヤ27dとカム27eとはワンウェイクラッチにより連結されている。また、ギヤ27cにはプーリが同軸で取り付けられており、このプーリには駆動ベルト27fが張架されている。また、駆動部27にはギヤ27gが設けられており、このギヤ27gにも、駆動ベルト27fが張架されたプーリが同軸で取り付けられている。ギヤ27gにはギヤ27hが噛み合うようになっており、このギヤ27hにはカム27iが設けられている。そして、一対の可動ガイド22aのうち他方の可動ガイド22aの下端にはローラ22cが設けられており、このローラ22cはカム27i上で当該カム27iの回転に合わせて上下移動するようになっている。なお、ギヤ27hとカム27iとはワンウェイクラッチにより連結されている。
【0094】
カム27eおよびカム27iは同じ形状のものが用いられるようになっている。これらのカム27eおよびカム27iの形状は、当該カム27e、27iが図18における反時計回りの方向に回転したときに、ローラ22b、22cが上昇するときには滑らかに上昇し、ローラ22b、22cが下降するときには一気に下降するような形状となっている。
【0095】
また、一対の可動ガイド22aの下方には異物搬送循環ベルト28が設けられている。この異物搬送循環ベルト28は略水平方向に延びるよう設置されており、当該異物搬送循環ベルト28が張架される一のプーリ28aにはギヤ28bが接続されている。そして、このギヤ28bは駆動部27のギヤ27bと噛み合うようになっている。
【0096】
また、異物搬送循環ベルト28の一端にはシュート29aが下方に延びるよう設けられており、このシュート29aの下方にはトレイ29が設けられている。ここで、異物搬送循環ベルト28上に異物が存在し、この異物搬送循環ベルト28が図18における反時計回りの方向に循環移動した場合には、異物搬送循環ベルト28上の異物はシュート29aを介してトレイ29に送られるようになっている。
【0097】
次に、図18に示すような駆動部27による一対の可動ガイド22aの駆動方法について説明する。まず、駆動部27のモータ27aがギヤ27bを図18における反時計回りの方向に回転させる。このことにより、ギヤ27c、ギヤ27dを介してカム27eが図18における反時計回りの方向に回転し、このカム27eに乗せられたローラ22bはカム27eの形状に合わせて上下方向に移動する。また、ギヤ27bが図18における反時計回りの方向に回転すると、ギヤ27c、駆動ベルト27f、ギヤ27g、ギヤ27hを介してカム27iが図18における反時計回りの方向に回転し、このカム27iに乗せられたローラ22cはカム27iの形状に合わせて上下方向に移動する。このようにして、一対の可動ガイド22aはそれぞれ互いに独立して上下方向に往復移動する。さらに、ギヤ27bに対するギヤ27dのギヤ比と、ギヤ27bに対するギヤ27hのギヤ比とを異ならせるようにすることにより、カム27eおよびカム27iの回転速度が互いに異なるようになる。このことにより、一対の可動ガイド22aは非同期で上下方向に往復移動するようになる。このようにして、一対の可動ガイド22aに跨るよう集積された紙幣間の異物が落下して異物搬送循環ベルト28上に載せられるようになる。
【0098】
そして、駆動部27のモータ27aがギヤ27bを図18における反時計回りの方向に一定時間回転させると、次に、このモータ27aがギヤ27bを図18における時計回りの方向に回転させる。このことにより、ギヤ28bを介してプーリ28aが図18における反時計回りの方向に回転し、異物搬送循環ベルト28も図18における反時計回りの方向に循環移動するようになる。このことにより、異物搬送循環ベルト28上の異物はシュート29aを介してトレイ29に送られる。なお、モータ27aがギヤ27bを図18における時計回りの方向に回転させると、ギヤ27dおよびギヤ27hも図18における時計回りの方向に回転するが、ギヤ27dとカム27eとの間にワンウェイクラッチが設けられているとともに、ギヤ27hとカム27iとの間にもワンウェイクラッチが設けられているので、カム27e、27iの突起部分がローラ22b、22cに当接しこれらのカム27e、27iがこれ以上回転することができなくなることにより、カム27e、27iは所定の回転位置で停止するようになる。
【0099】
入出金部20において、載置台22が一対の可動ガイド22aから構成されており、これらの可動ガイド22aが上下方向に往復移動することができるようになっているので、紙幣を入金領域24にセットしたときに紙幣間の異物を確実に落下させて回収することができるようになる。このことにより、紙幣繰出機構30等に異物が送られてしまうことを防止することができる。
【符号の説明】
【0100】
10 紙幣処理装置
12 筐体
12a 開口
14 外部シャッター
16 制御部
20 入出金部
22 載置台
22a 可動ガイド
22b、22c ローラ
23 検出センサ
24 入金領域
26 出金領域
27 駆動部
27a モータ
27b ギヤ
27c ギヤ
27d ギヤ
27e カム
27f 駆動ベルト
27g ギヤ
27h ギヤ
27i カム
28 異物搬送循環ベルト
28a プーリ
28b ギヤ
29 トレイ
29a シュート
30 紙幣繰出機構
31 キッカローラ
32 繰り出しローラ
33 対向ローラ
34 繰り出しガイド
34a 軸
34b 長穴
35 ゲートレバー
35a ピン部材
36 ゲートレバー動作リンク
36a ローラ
37 軸
38 支持部材
40 仕切り機構
41 入金側札押さえ部材
41a 支持部材
41b 受け部材
41c 引張バネ支持部材
42 出金側札押さえ部材
42a 支持部材
42b 受け部材
42c 引張バネ支持部材
42d 被係合部材
43 引張バネ
44 規制部材
44a 係合部材
44b 揺動部材
44c 先端部分
44d ソレノイド
44e 軸
45 スライド軸
46 駆動機構
46a モータ
46b ギヤ
46c ギヤ
46d プーリ
46e 循環ベルト
46f プーリ
46g トルクリミッタ
46h ギヤ
46i トルクリミッタ
50 紙幣取り込み機構
51 集積レバー
51a 軸
51b 第1の被検出部材
51c 第2の被検出部材
52 繰り出しローラ
53 取り込みローラ
53a、53b 案内ローラ
54 支持部材
55 案内部材
56 引張バネ
56a 一端
56b 他端
57 紙幣取り込み部
58 分岐部材
58a 軸
58b 鉤状部
59 対向ローラ
59a 紙幣整列部材
60 内部シャッター
60a 先端部
61 第1の検出センサ
61a 検出部
62 第2の検出センサ
62a 検出部
63 第3の検出センサ
63a 検出部
65 第1の検出センサ
65a 検出部
66 第2の検出センサ
66a 検出部
70 搬送部
72 識別部
74 装填リジェクト部
76 出金リジェクト部
80 入金カセット
82 入金一時保留部
84、86、88 出金カセット
90、92、94 出金トレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有する筐体と、
前記筐体の内部に設けられ当該筐体の開口を介して前記筐体の外部からアクセス可能となっており、紙幣が集積される紙幣集積領域を有する入出金部であって、前記紙幣集積領域に集積された紙幣を前記筐体の内部に繰り出すとともに前記筐体の内部から送られた紙幣が前記紙幣集積領域に集積される入出金部と、
前記筐体に設けられ、当該筐体の開口の開閉を行う外部シャッターと、
前記入出金部に設けられ、前記紙幣集積領域へのアクセスを選択的に規制する内部シャッターと、
を備えたことを特徴とする紙幣処理装置。
【請求項2】
前記入出金部は、前記紙幣集積領域を入金領域と出金領域とに仕切る仕切り機構を有し、
前記内部シャッターは、少なくとも前記筐体の内部から前記出金領域に紙幣が送られる期間において前記出金領域を閉止するようになっていることを特徴とする請求項1記載の紙幣処理装置。
【請求項3】
前記入出金部の前記入金領域に集積された紙幣が前記筐体の内部に繰り出される際に、前記入出金部から前記筐体の内部に繰り出された紙幣のうち正常な紙幣ではないと識別されたリジェクト紙幣が前記出金領域に送られるようになっており、このような入金処理が行われる間において前記内部シャッターが前記出金領域を閉止するようになっていることを特徴とする請求項2記載の紙幣処理装置。
【請求項4】
前記筐体の内部に収納された紙幣が前記出金領域に送られて集積される際に、前記入出金部から前記筐体の内部に紙幣が繰り出されるときよりも前記出金領域を大きくすることができるようになっており、このような出金処理が行われる間において前記内部シャッターが前記大きくなった出金領域を閉止するようになっていることを特徴とする請求項2記載の紙幣処理装置。
【請求項5】
前記内部シャッターは、前記出金領域を開く開口位置と、前記筐体の内部に収納された紙幣が前記出金領域に送られて集積される際に前記出金領域を閉止する第1の閉止位置と、前記入金領域から前記筐体の内部に紙幣が繰り出される際に前記出金領域を閉止する第2の閉止位置との間で移動可能となっていることを特徴とする請求項4記載の紙幣処理装置。
【請求項6】
入出金部は、前記紙幣集積領域を上方に形成する載置台を有し、
前記仕切り機構は、前記載置台の一方の端部側で前記紙幣集積領域における前記入金領域を形成する第1の札押さえ部材と、前記載置台の他方の端部側で前記紙幣集積領域における前記出金領域を形成する第2の札押さえ部材とを有し、
前記第1の札押さえ部材は、前記入金領域の幅の大きさを変更可能なように前記載置台上で移動可能となっており、
前記第2の札押さえ部材は、前記出金領域の幅の大きさを変更可能なように前記載置台上で移動可能となっていることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか一項に記載の紙幣処理装置。
【請求項7】
前記入出金部は、前記第1の札押さえ部材と前記第2の札押さえ部材とを互いに接近する方向に付勢する付勢部材と、前記第1の札押さえ部材を移動させる駆動機構と、前記第2の札押さえ部材の移動を選択的に規制する規制部材とを有することを特徴とする請求項6記載の紙幣処理装置。
【請求項8】
前記入出金部は、前記入金領域に集積された紙幣を下方に蹴り出すためのキッカローラと、前記キッカローラを回転可能なように支持する支持部材とを有し、前記支持部材は前記第1の札押さえ部材と連動して移動するようになっていることを特徴とする請求項6または7記載の紙幣処理装置。
【請求項9】
前記入出金部は、前記入金領域に集積された紙幣が前記筐体の内部に繰り出される際に当該紙幣を案内するための繰り出しガイドを有し、前記繰り出しガイドは前記第1の札押さえ部材と連動して移動するようになっていることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一項に記載の紙幣処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−98874(P2012−98874A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−245406(P2010−245406)
【出願日】平成22年11月1日(2010.11.1)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】