紙葉類の重量測定装置、この重量測定装置を備えた紙葉類処理装置、および紙葉類の重量測定方法
【課題】この発明は、高速で連続して搬送される紙葉類の重量を正確に測定できる紙葉類の重量測定装置、この装置を備えた紙葉類処理装置、および紙葉類の重量測定方法を提供することを課題とする。
【解決手段】重量測定装置10は、搬送路1を介して上流側搬送部12から送り込まれる郵便物Mに連れ回る2組の搬送ローラー対2、3、4、5を備えた搬送ユニット42を有する。搬送ユニット42は、重量センサーによって重量を計測される。また、重量測定装置10は、搬送ユニット42とは別体で、別系統の搬送ベルト54をドライブローラー2、4に押し付けるための押付機構56を有する。郵便物Mの重量を測定する直前まで押付機構56によって搬送ベルト54をドライブローラー2、4に押し付けて回転させておき、重量を測定するときには駆動力の伝達をやめて郵便物Mを自由搬送させる。
【解決手段】重量測定装置10は、搬送路1を介して上流側搬送部12から送り込まれる郵便物Mに連れ回る2組の搬送ローラー対2、3、4、5を備えた搬送ユニット42を有する。搬送ユニット42は、重量センサーによって重量を計測される。また、重量測定装置10は、搬送ユニット42とは別体で、別系統の搬送ベルト54をドライブローラー2、4に押し付けるための押付機構56を有する。郵便物Mの重量を測定する直前まで押付機構56によって搬送ベルト54をドライブローラー2、4に押し付けて回転させておき、重量を測定するときには駆動力の伝達をやめて郵便物Mを自由搬送させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、郵便物などの紙葉類の重量を測定する重量測定装置、この重量測定装置を備えた紙葉類処理装置、および紙葉類の重量測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、郵便物処理機では、搬送中の郵便物の重量を量って、当該郵便物に貼ってある切手などの料額印が適正な金額であるか否かを判断する。搬送中の郵便物の重量を測定する方法として、例えば、搬送路の途中にある搬送装置を郵便物が通過しているときの搬送装置全体の重量を測定する方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−263583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このように郵便物が通過中の搬送装置の重量を測定して当該郵便物の重量を測定する場合、搬送装置だけの重量に対する郵便物の重量の比率が小さいと、当該郵便物の重量を正確に測定することができない。つまり、搬送装置が重くなると、その分、郵便物の重量測定精度が低くなる。一般に、搬送装置は、郵便物を搬送するための機構、すなわち搬送ローラーやモーターを搭載しているため、郵便物と比較してその重量は極めて重い。
【0005】
また、郵便物の搬送中は、搬送装置から当該郵便物に搬送力を与えるため、この搬送力の付与が重量の測定結果に悪影響を及ぼしてしまう。つまり、郵便物に搬送力を与えることで、搬送装置全体に振動が発生したり応力が加わったりして、測定結果が安定しない。特に、郵便物を高速搬送しつつその重量を測定しようとした場合、モーターなどの駆動源から搬送装置に伝わる振動や応力を無くすことは極めて困難である。
【0006】
この発明の目的は、高速で連続して搬送される紙葉類の重量を正確に測定できる重量測定装置、この重量測定装置を備えた紙葉類処理装置、および重量測定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の実施の形態に係る重量測定装置は、測定されるべき紙葉類を搬送する搬送路と、この搬送路の途中に設けられ、搬送される紙葉類に駆動力を与えることなく当該紙葉類に接触して連れ回ることで当該紙葉類の重量を支えつつその回転方向に送る搬送ユニットと、紙葉類の重量を支えて送っている状態の上記搬送ユニットの重量を測定する秤と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、この発明の実施の形態に係る紙葉類処理装置の一例として郵便物選別取り揃え押印装置の概略構造を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1の押印装置の機械検知部に組み込まれたこの発明の第1の実施の形態に係る重量測定装置の要部を示す概略平面図である。
【図3】図3は、図2の重量測定装置を矢印III方向から見た側面図である。
【図4】図4は、図3の搬送ローラー対を線IV-IVで切断した断面図である。
【図5】図5は、図4のドライブローラーを線V-Vで切断した断面図である。
【図6】図6は、図2の重量測定装置の動作を制御する制御系のブロック図である。
【図7】図7は、図2の重量測定装置の動作を説明するための動作説明図である。
【図8】図8は、図7とともに図2の重量測定装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】図9は、図2の重量測定装置に作用する抉り力について説明するための概略平面図である。
【図10】図10は、図9で説明した抉り力を相殺するための構造の一例を示す概略平面図である。
【図11】図11は、この発明の第2の実施の形態に係る重量測定装置の要部を示す概略平面図である。
【図12】図12は、図11の重量測定装置の動作を説明するための動作説明図である。
【図13】図13は、図11の重量測定装置に作用する抉り力について説明するための概略平面図である。
【図14】図14は、図13で説明した抉り力を相殺するための構造の一例を示す概略平面図である。
【図15】図15は、この発明の第3の実施の形態に係る重量測定装置の要部を示す概略平面図である。
【図16】図16は、図15の重量測定装置の動作を説明するための動作説明図である。
【図17】図17は、図15の重量測定装置に作用する抉り力について説明するための概略平面図である。
【図18】図18は、図17で説明した抉り力を相殺するための構造の一例を示す概略平面図である。
【図19】図19は、図11の重量測定装置の変形例を示す概略平面図である。
【図20】図20は、図15の重量測定装置の変形例を示す概略平面図である。
【図21】図21は、この発明の第4の実施の形態に係る重量測定装置の概略平面図である。
【図22】図22は、図21の重量測定装置を線XXII-XXIIに沿って切断した概略断面図である。
【図23】図23は、図21の重量測定装置のドライブローラーを駆動する駆動部について説明するための概略図である。
【図24】図24は、図21の重量測定装置の動作を説明するための動作説明図である。
【図25】図25は、この発明の第5の実施の形態に係る重量測定装置に組み込まれたドライブローラーの駆動源を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1には、この発明の実施の形態に係る紙葉類処理装置の一例として、郵便物選別取り揃え押印装置100(以下、単に押印装置100と称する)の概略ブロック図を示してある。
【0010】
押印装置100は、郵便物M(紙葉類)の搬送方向に沿って、供給部101、機械検知部102、OCRスキャナ部103、ひねり反転部104、スイッチバック部105、押印部106、および区分集積部107を有する。また、押印装置100は、上述した各部を通して郵便物Mを搬送する搬送部108を有する。さらに、押印装置100は、装置に対して種々の操作を指示するとともに、動作モードの切り換え入力や異常表示等をする図示しない操作パネルを有する。
【0011】
供給部101は、例えば、厚さ、搬送方向に沿った長さ、搬送方向と直交する方向に沿った幅、および重量が一定範囲内にある定型の郵便物Mを複数通まとめて受け入れて、1通ずつ取り出して後段の処理部へ供給する。搬送部108は、供給された郵便物Mを後段の処理部102〜107を通して搬送する搬送路1を有する。
【0012】
機械検知部102は、搬送部108によって搬送路1を介して搬送された郵便物Mに含まれる金属、異物、硬物を検知するとともに、郵便物Mの2枚取り(すなわち重送)やショートギャップを検知し、後段の各処理部103〜107で処理不能と判断された郵便物Mを図示しない排除集積部へリジェクトする。なお、この機械検知部102は、搬送されている郵便物Mの重量を測定する後述する重量測定装置10を備えている。
【0013】
機械検知部102では、この他に、重量測定装置10の手前で、郵便物Mの搬送方向に沿った長さや幅を予め検出するとともに、後述するタイミングセンサー62を介して郵便物Mの先端通過および後端通過を検知して、当該郵便物Mの搬送位置に関する情報を前もって取得する。
【0014】
そして、機械検知部102は、当該郵便物Mの長さ、幅、および搬送位置に基づいて後述するように重量測定装置10を動作させて当該郵便物Mの重量を測定し、重量測定装置10を介して異常な重量であることを判断した郵便物Mを図示しない排除集積部へリジェクトする。
【0015】
OCRスキャナ部103は、郵便物Mの表面を光学的に読み取って光電変換し、郵便物M上に記載されている郵便番号や受取人住所などの区分情報を画像として取得する。また、OCRスキャナ部103は、郵便物Mに貼り付けられている切手(料金計器などを含む料額印面)の有無および位置を検出する。供給部101を介して供給される郵便物Mの向き(表裏天地)がばらばらであるため、OCRスキャナ部103は、郵便物Mの両面を読み取るための少なくとも2つのスキャナ部を有する。
【0016】
ひねり反転部104は、郵便物Mの搬送方向に沿って延びた中心軸を中心に郵便物Mを180°ひねりながら搬送するひねり反転パス(図示せず)を有する。つまり、ひねり反転部104では、郵便物Mの搬送方向を変えずに表裏だけを反転する。また、ひねり反転部104は、送り込まれた郵便物Mをひねり反転パスに送り込まずに迂回させるための迂回搬送路(ストレートパス)(図示せず)を有する。
【0017】
スイッチバック部105は、搬送される郵便物Mを受け入れて逆方向に送り出すことにより郵便物Mの搬送方向を逆転させる2つのスイッチバック機構(図示せず)を有する。スイッチバック部105も、上述したひねり反転部104と同様に、2つのスイッチバック機構を迂回させる迂回搬送路(ストレートパス)を有する。
【0018】
押印部106は、搬送される郵便物Mの1方の表面に接触して回転する図示しない押印ハブを有する。押印部106では、この押印ハブを切手の部位に転接させて消印を押印する。本実施の形態では、押印部106に搬送される全ての郵便物Mがひねり反転部104およびスイッチバック部105を通過して表裏および天地が揃えられているため、押印ハブを搬送路1の1側にだけ設けた。
【0019】
区分集積部107は、OCRスキャナ部103で検出した区分情報に応じて各郵便物Mを所定の区分位置へ区分集積する。また、区分集積部107は、上述したスイッチバック装置105内で一時的に滞留して送り出された郵便物Mなどを、押印部106による押印を禁止して、リジェクトする図示しない排除集積部を有する。
【0020】
上記構造の押印装置100は、例えば、上述した重量測定装置10で測定した当該郵便物Mの重量に対し、OCRスキャナ部103で当該郵便物Mから読み取った切手などの料額印が適正な金額であるか否かを判断し、料金不足であることを判断した郵便物Mに押印部106で消印を押印することなくリジェクトする。
【0021】
図2には、搬送路1を介して上述した機械検知部102を通過される郵便物Mの重量を測定する、この発明の第1の実施の形態に係る重量測定装置10の要部概略平面図を示してある。また、図3には、図2の重量測定装置10を図示矢印III方向から見た側面図を示してある。さらに、図4には、図3の上流側の搬送ローラー対2、3の上ローラー2H、3Hを線IV-IVに沿って切断した断面図を示してあり、図5には、図4のドライブローラー2を線V-Vでその回転軸2aに沿って切断した断面図を示してある。
【0022】
以下、これら図2〜図5を参照して、この発明の第1の実施の形態の重量測定装置10の構造について説明する。
本実施の形態の重量測定装置10は、搬送路1を介して比較的高速で連続して搬送される複数通の郵便物Mの重量を、当該郵便物Mの搬送を停止或いは減速させることなく、順次、測定可能であることを特徴としている。なお、本実施の形態では、機械検知部102(すなわち重量測定装置10)を通過する郵便物Mは搬送路1を介して立位で搬送されるものとする。つまり、重量測定装置10を通る郵便物Mの搬送面は、鉛直方向に延びている。
【0023】
図2に示すように、重量測定装置10は、搬送路1を介して供給部101から立位で送り込まれた郵便物Mを挟持して図示矢印T方向に送る2組の搬送ローラー対2、3、4、5を有する。これら2組の搬送ローラー対2、3、4、5は、後述するように、郵便物Mの重量を測定する直前まで、駆動力が与えられて、郵便物Mの搬送速度Vと同じ周速で回転されている。なお、これら2組の搬送ローラー対2、3、4、5は、郵便物Mの重量を測定するとき、一定速度Vで矢印T方向に搬送される当該郵便物Mに接触して連れ回るため、当該郵便物Mに搬送力を与えることはない。
【0024】
しかしながら、一定速度で送り込まれる郵便物Mは、同じ周速で回転する搬送ローラー対2、3、4、5によって送られるとともに、自身の慣性力によって重量測定装置10を通過するため、当該郵便物Mが重量測定装置10を通過した後、当該郵便物Mの搬送速度Vは略維持される。
【0025】
郵便物Mの搬送方向Tに沿って重量測定装置10の上流側には、供給部101から搬送された郵便物Mを搬送速度Vで搬送して重量測定装置10へ送り込む上流側搬送部12が設けられている。また、郵便物Mの搬送方向Tに沿って重量測定装置10の下流側には、重量測定装置10を通過した郵便物Mを受け入れて搬送速度Vで搬送する下流側搬送部14が設けられている。
【0026】
重量測定装置10は、上述したように、通過中の郵便物Mに搬送力を与えないため、重量測定装置10を通過中の郵便物Mは、基本的に、フリーな状態で搬送される。しかし、下流側搬送部14が、上流側搬送部12と同じ搬送速度Vで郵便物Mを搬送するため、重量測定装置10を通過して郵便物Mの搬送速度が僅かに遅くなったとしても、当該郵便物Mの搬送速度は下流側搬送部14によって元の速度Vに復帰される。
【0027】
重量測定装置10と上流側搬送部12との間、および重量測定装置10と下流側搬送部14との間には、それぞれ、一定のギャップが設けられている。これら重量測定装置10の上流側および下流側のギャップは、図2に示すように、2組の搬送ローラー対2、3、4、5によってのみ郵便物Mが挟持された状態を作るために設けられている。また、これら両側のギャップは、郵便物Mの搬送方向Tに沿った長さが図示のものより長い郵便物Mにも対応可能なように、一定の長さを持たされている。
【0028】
郵便物Mの送り方向Tに沿って上流側の搬送ローラー対2、3は、後述する駆動部によって選択的に駆動力が与えられるドライブローラー2、およびこのドライブローラー2に対して搬送路1を挟んで接触して従動回転するドリブンローラー3を含む。また、郵便物Mの送り方向Tに沿って下流側の搬送ローラー対4、5は、後述する駆動部によって選択的に駆動力が与えられるドライブローラー4、およびこのドライブローラー4に対して搬送路1を挟んで接触して従動回転するドリブンローラー5を含む。
【0029】
2つのドライブローラー2、4は、搬送路1の図示左側で送り方向Tに沿って互いに離間して配置され、ドリブンローラー3、5は、搬送路1を介して各ドライブローラー2、4に接触して搬送路1の図示右側に対向配置されている。
【0030】
図3に示すように、上述したドライブローラー2、4、およびドリブンローラー3、5は、それぞれ、その回転軸2a、3a、4a、5aに沿って上下に離間した上ローラー2H、3H、4H、5H、および下ローラー2L、3L、4L、5Lを有する。図3では、2つのドリブンローラー3、5のみを代表して図示してある。なお、本実施の形態の上ローラー2H、3H、4H、5H、および下ローラー2L、3L、4L、5Lは、それぞれ、回転軸2a、3a、4a、5aに対してベアリング6(図4、5参照)を介して回転可能に取り付けられている。
【0031】
つまり、各ローラー2、3、4、5の回転軸2a、3a、4a、5aは、それぞれ、その下端がベース7に固定されており、少なくとも片持ち梁状態でベース7によって支持されている。そして、上ローラー2H、3H、4H、5H、および下ローラー2L、3L、4L、5Lは、それぞれ、回転軸2a、3a、4a、5aに対して自由に回転可能となっている。なお、本実施の形態では、ベース7は略水平に延設され、4本の回転軸2a、3a、4a、5aは、郵便物Mの搬送面に沿って略垂直に延設されている。
【0032】
上流側の搬送ローラー対2、3の回転軸2a、3a間の距離は、上ローラー2Hの外周面と上ローラー3Hの外周面が搬送路1上で接触し、且つ下ローラー2Lの外周面と下ローラー3Lの外周面が搬送路1上で接触する距離に設定されている。また、下流側の搬送ローラー対4、5の回転軸4a、5a間の距離は、上ローラー4Hの外周面と上ローラー5Hの外周面が搬送路1上で接触し、且つ下ローラー4Lの外周面と下ローラー5Lの外周面が搬送路1上で接触する距離に設定されている。
【0033】
ここで、図4および図5を参照して、上述したドライブローラー2、4とドリブンローラー3、5の各上下ローラーの構造について、上流側のドライブローラー2の上ローラー2H、および上流側のドリブンローラー3の上ローラー3Hを代表して詳細に説明する。
【0034】
上流側のドライブローラー2の下ローラー2L、および下流側のドライブローラー4の上下ローラー4H、4Lは、ここで説明する上流側のドライブローラー2の上ローラー2Hと同じ構造を有し、上流側のドリブンローラー3の下ローラー3L、および下流側のドリブンローラー5の上下ローラー5H、5Lは、ここで説明する上流側のドリブンローラー3の上ローラー3Hと同じ構造を有する。よって、これら上下ローラー2L、4H、4L、3L、5H、5Lの詳細な説明は省略する。
【0035】
図4および図5に示すように、ドライブローラー2の上ローラー2Hは、回転軸2aに対してベアリング6を介して回転可能に取り付けられている。上ローラー2Hは、ベアリング6の外側に設けられた弾み車22と、この弾み車の外側に設けられたゴム層24と、を有する。この上ローラー2Hは、ゴム層24が僅かに変形可能であるだけで、郵便物Mの衝突によって殆ど変形しない。弾み車22は、上ローラー2Hの慣性モーメントを高くするため、比較的重い銅や鉄などの金属によって形成することが望ましい。
【0036】
また、ドリブンローラー3の上ローラー3Hは、図4に示すように、その回転軸3aに対してベアリング6を介して回転可能に取り付けられている。上ローラー3Hは、ベアリング6の外側に設けられた芯金32と、この芯金32の外側に設けられたスポンジ層34と、このスポンジ層34の外側に設けられたゴム層36と、を有する。この上ローラー3Hは、スポンジ層34が大きく変形可能であるため、郵便物Mの衝突によって大きく変形することができる。
【0037】
すなわち、郵便物Mがドライブローラー2とドリブンローラー3との間に突入すると、ドリブンローラー3の上下ローラー3H、3Lが変形し、郵便物Mの厚さ変化を吸収するように受け入れる。このとき、郵便物Mの厚さが、各ローラーの回転軸方向に異なる場合、回転軸3aに対して互いに独立して回転可能な上ローラー3Hと下ローラー3Lが異なる変形量で変形することで、当該郵便物Mにスキューを生じることを防止することができる。
【0038】
図5に示すように、ドライブローラー2の上下ローラー2H、2Lには、弾み車22が組み込まれている。弾み車22は、その外周部22a近くにその体積が集中する形状に形成され、比較的重い金属(例えば、銅や鉄)により形成され、回転中心に近い部位の肉が削られている。このように、弾み車22を有したドライブローラー2の上下ローラー2H、2Lは、郵便物Mが接触した際に、自身が回り続けようとする慣性力が大きいため、その回転速度が低下する割合が小さい。
【0039】
図3に戻って、重量測定装置10は、ベース7の下面側に取り付けられた重量センサー40を有する。本実施の形態の重量センサー40は、6軸力覚センサーである。この他に、重量センサーとして、3軸力覚センサーを用いることもできる。
【0040】
重量センサー40は、2組の搬送ローラー対2、3、4、5それぞれの回転軸2a、3a、4a、5aを上述したように支持したベース7の重心に配置されている。つまり、この重量センサー40は、2組の搬送ローラー対2、3、4、5、およびベース7を含む搬送ユニット42全体の重量を測定する。
【0041】
すなわち、この重量センサー40は、図2に示すように、搬送された郵便物Mが上流側搬送部12から離れて下流側搬送部14に送り込まれる前の状態で、搬送ユニット42全体の重量を測定する。これにより、重量センサー40は、搬送中の郵便物Mの重量を測定している。つまり、この場合、郵便物Mを搬送していない搬送ユニット42だけの重量を差し引くことで、郵便物Mの重量を算出することができる。
【0042】
本実施の形態では、重量センサー40が重量を測定する搬送ユニット42が、ベース7に上流側の搬送ローラー対2、3、および下流側の搬送ローラー対4、5を取り付けただけの構造であるため、従来の搬送装置と比較して軽量化されている。つまり、この搬送ユニット42には、郵便物Mに搬送力を与えるためのモーターなどの駆動源が搭載されていない。このため、搬送ユニット42の重量に対する郵便物Mの重量の比を小さくすることができ、郵便物Mの重量の測定精度を高めることができる。
【0043】
再び図2に戻って、重量測定装置10は、2組の搬送ローラー対2、3、4、5それぞれのドライブローラー2、4に駆動力を与えるための駆動機構50をさらに有する。駆動機構50は、図2に示すように、例えば、図示の2つのローラー52によって一定速度で走行される別系統の搬送ベルト54、および、この搬送ベルト54を駆動源として当該搬送ベルト54を上述した2つのドライブローラー2、4にそれぞれ押し付ける2つの押付機構56を有する。各押付機構56は、それぞれ、押付ローラー57と、この押付ローラー57を先端に回転自在に取り付けたアーム58と、このアーム58を回転させるモーター59と、を有する。
【0044】
各押付機構56のモーター59を回転させると、アーム58が揺動されて、アーム58の先端に取り付けられた押付ローラー57によって搬送ベルト54がドライブローラー2に押し付けられる。これにより、搬送ベルト54の駆動力が各ドライブローラー2、4に伝達される。
【0045】
本実施の形態では、ドライブローラー2、4は、上下に離間した上ローラー2H、4H、および下ローラー2L、4Lを独立して回転可能に備えているため、これら独立して回転可能な上下ローラーそれぞれに対し、駆動力を与える必要がある。このため、本実施の形態では、各ドライブローラー2、4それぞれに対して2つずつ押付機構56を設け、搬送ベルト54も、上下ローラー2H、2L、4H、4Lに対応して2本ずつ設けた。しかしながら、以下の説明では、説明を分り易くするため、押付機構56は、図示のものだけについて説明する。
【0046】
図6には、上記構造の重量測定装置10の動作を制御する制御系のブロック図を示してある。
重量測定装置10の制御部60には、タイミングセンサー62、重量センサー40、演算部64、および押付機構56のモーター59が接続されている。タイミングセンサー62は、重量測定装置10より郵便物Mの搬送方向上流側に配置され、郵便物Mの先端および後端通過を定位置で検知する。このタイミングセンサー62は、搬送路1を挟んで対向した図示しない発光部および受光部を有する。
【0047】
演算部64は、重量センサー40を介して制御部60が検出した搬送ユニット42の重量に基づいて、搬送ユニット42を通過している郵便物Mの重量を算出する。つまり、演算部64は、予め測定した搬送ユニット42だけの重量を、郵便物Mを搬送中の搬送ユニット42の重量から差し引くことで、当該郵便物Mの重量を算出する。
【0048】
以下、上述した構造を有する重量測定装置10の制御部60による動作について、図7および図8を参照して説明する。図7(a)〜図7(c)には、重量測定装置10の動作を説明するための動作説明図を示してある。また、図8には、図7とともに、この重量測定装置10の動作を説明するためのフローチャートを示してある。
【0049】
重量測定装置10の制御部60は、まず、郵便物Mが重量測定装置10に送り込まれる前の待機状態で、図7(a)に示すように駆動機構50を動作させ、搬送ユニット42の外部から、2つのドライブローラー2、4に駆動力を与え、2組の搬送ローラー対2、3、4、5を一定の周速Vで回転させておく(図8、ステップ1)。つまり、制御部60は、このとき、駆動機構50の各押付機構56のモーター59を付勢して、押付ローラー57を図7(a)の位置に配置し、別系統の搬送ベルト54を2つのドライブローラー2、4の外周面に押し付ける。
【0050】
搬送ベルト54は、機械検知部102内を走行している別系統の搬送ベルトであり、上流側搬送部12や下流側搬送部14の搬送ベルトと同じ速度Vで走行している。このため、図8のステップ1で、速度Vで走行されている搬送ベルト54をその外周面に押し付けられたドライブローラー2、4は、同じ周速Vで回転される。なお、2つのドライブローラー2、4がこのように一定の周速Vで回転すると、それぞれドライブローラーに外周面を接触せしめた2つのドリブンローラー3、5も同じ周速Vで回転する。
【0051】
この後、制御部60は、タイミングセンサー62の出力を監視して、重量測定装置10に次に送り込まれる郵便物Mの搬送方向先端通過および後端通過を検知する。このとき、制御部60は、タイミングセンサー62が暗から明になるまでの時間および当該郵便物Mの搬送速度Vに基づいて当該郵便物Mの搬送方向に沿った長さを検出し、タイミングセンサー62が暗から明になったことに基づいて当該郵便物Mの後端通過を検知する(ステップ2)。
【0052】
制御部60は、ステップ2で当該郵便物Mの搬送方向後端通過を検知した後(ステップ2;YES)、図示しないタイマーをセットして、当該郵便物Mの搬送方向後端が上流側搬送部12を抜けるタイミングを取得する。そして、制御部60は、当該郵便物Mの搬送方向後端が上流側搬送部12を抜けた後、当該郵便物Mの重量測定を適切なタイミングで開始できるように、ドライブローラー2、4に対する駆動力の伝達をやめる(ステップ3)。つまり、このとき、制御部60は、駆動機構50の各押付機構56のモーター59を付勢して、押付ローラー57を図7(b)の位置に配置する。
【0053】
ここで言う適切なタイミングとは、ドライブローラー2、4に対する駆動力の伝達をやめた後、搬送ユニット42に不所望に生じている振動や応力集中が減衰して略無くなるまでの時間経過を指し、より正確な重量測定が可能となるタイミングを言う。なお、この場合、ステップ3で駆動力の伝達をやめるタイミングは、当該郵便物Mの搬送方向後端が上流側搬送部12を抜ける前のタイミングになることもある。
【0054】
この状態で、当該郵便物Mは、自身の慣性力によってフリーな状態で搬送ユニット42を通過される。このとき、搬送ユニット42から当該郵便物Mに搬送力が付与されないので、当該郵便物Mの搬送方向先端が下流側搬送部14に受け渡されるまでの間に、当該郵便物Mの搬送速度は徐々に減速される。しかし、このとき、2組の搬送ローラー対2、3、4、5も自身の慣性力によって一定の周速Vで回転しているため、少なくとも搬送ローラー対から当該郵便物Mの搬送を妨げる力が付与される心配は無い。
【0055】
むしろ、2つのドライブローラー2、4が、弾み車22を備えているため、ドライブローラー2、4の上下ローラー2H、2L、4H、4Lの方が速度低下の割合が低くなることも考えられる。このような場合、搬送速度が低下しようとする郵便物Mに対してドライブローラー2、4から僅かな搬送力が与えられることになり、当該郵便物Mの搬送速度Vが略維持される。
【0056】
いずれにしても、ステップ3で駆動力の伝達をやめた後、制御部60は、上述した適切なタイミングで、搬送ユニット42の重量測定を開始する(ステップ4)。このとき、制御部60は、重量センサー40を介して、当該郵便物Mを搬送中の搬送ユニット42の重量を検出し、演算部64を介して、予め検出しておいた搬送ユニット42だけの重量を差し引いて当該郵便物Mの重量を算出する。
【0057】
当該郵便物Mの重量測定が終了すると(ステップ5;YES)、制御部60は、次の郵便物Mのため、2つのドライブローラー2、4に対する駆動力の伝達を再開する(ステップ6)。つまり、このとき、制御部60は、ステップ1の処理と同様に、駆動機構50の各押付機構56のモーター59を付勢して、押付ローラー57を図7(c)の位置に配置し、搬送ベルト54を2つのドライブローラー2、4の外周面に押し付ける。
【0058】
なお、ステップ6でドライブローラー2、4に対する駆動力の伝達を再開するタイミングは、当該郵便物Mが下流側搬送部14へ完全に受け渡された後のタイミングでなくても良く、当該郵便物Mに対する重量測定が終了していれば少し早いタイミングでも良い。つまり、本実施の形態では、搬送中の郵便物Mの重量を高精度に測定することを目的としているため、重量測定が終了してしまえば、当該郵便物Mに外力が付与されても問題はない。
【0059】
以上、制御部60は、ステップ1からステップ6の処理を、処理対象となる郵便物Mが無くなるまで続け、処理すべき郵便物Mが無くなった時点で(ステップ7;NO)、測定動作を終了する。
【0060】
以上のように、本実施の形態によると、搬送ユニット42がモーターなどの駆動源を搭載していないため、その分、搬送ユニット42を軽量化することができた。また、本実施の形態によると、搬送ユニット42の搬送ローラー対2、3、4、5の回転軸2a、3a、4a、5aをベース7に固設し、且つドリブンローラー3、5の各上下ローラー3H、3L、5H、5Lをスポンジ層を有するゴムローラーにしたため、ドリブンローラーをドライブローラーに押し付けるためのバネなどが不要となり、その分、搬送ユニット42を軽量化することができた。
【0061】
また、本実施の形態によると、搬送ローラー対2、3、4、5の回転軸2a、3a、4a、5aをベース7に対して片持ち梁状態で固設したため、回転軸の両端を保持するためのフレームなどが不要となり、その分、搬送ユニット42を軽量化することができた。さらに、本実施の形態によると、搬送ローラー対2、3、4、5のドリブンローラー3、5をスポンジ層を有するローラーにしたため、ローラー自体の重量も軽くすることができ、その分、搬送ユニット42を軽量化することができた。
【0062】
本実施の形態のように、搬送ユニット42を軽量化することにより、搬送ユニット42に対する郵便物Mの重量の比を比較的大きくすることができ、郵便物Mの重量測定精度を高めることができる。また、搬送ユニット42を軽量化することで、周波数応答を速くすることができ、高分解能で高い応答速度の重量測定が可能となる。
【0063】
また、本実施の形態によると、搬送ユニット42を通過する郵便物Mの重量を測定する直前に、押付ローラー57を図7(b)に示す位置に退避させて、搬送ローラー対2、3、4、5に駆動力を伝達しないようにした。このため、重量測定中に搬送ユニット42に外力が付与されることがなく、付所望な振動が搬送ユニット42に伝えられて重量測定に悪影響を与えることを防止できた。
【0064】
なお、この場合、郵便物Mは、予め一定の周速Vで回転されている搬送ローラー対2、3、4、5によって支えられて搬送ユニット42を通過する。この際、ドライブローラー2、4が弾み車を備えているため、自身の慣性力で搬送ユニット42を通過する郵便物Mの搬送速度が低下しそうになったとき、速度低下を抑えるように搬送を補助する効果も期待できる。
【0065】
また、本実施の形態によると、搬送ユニット42の搬送ローラー対2、3、4、5を回転させるための駆動源として、元々ある別系統の搬送ベルト54を利用した。このため、搬送ユニット42に専用の駆動源を設ける必要がなく、その分、装置の製造コストを低減することができた。
【0066】
さらに、本実施の形態によると、ドライブローラー2、4に駆動力を付与するため、搬送ベルト54を上下ローラー2H、2L、4H、4Lに弾性的に押し付けるようにした。このため、駆動伝達のための構造を弾性的な接触構造とすることができ、駆動機構50をドライブローラー2、4に離接させる際に搬送ユニット42に大きな振動を生じることがない。つまり、本実施の形態によると、郵便物Mの重量測定時に搬送ユニット42が振動してしまう不具合を抑制することができ、その分、郵便物Mの重量を正確に測定することができ、測定精度を向上させることができる。
【0067】
しかし、本実施の形態のように搬送ユニット42の片側からドライブローラー2、4にだけ搬送ベルト54を押し付けると、図9に示すように、搬送ユニット42を支持した重量センサー40の支軸44に図示矢印F方向の抉り力が作用する。このような抉り力は、駆動機構50の押付機構56を動作させる度に生じ、搬送ユニット42を揺らす力となり得る。
【0068】
しかし、このような抉り力は、本実施の形態のように、重量センサーとして6軸力覚センサーを用いることで測定可能であり、郵便物Mの正確な重量測定を妨げるものではない。しかし、重量センサーとして6軸力覚センサーを用いない場合、このような抉り力が重量測定に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0069】
このため、例えば、図10に示すように、ドリブンローラー3、5側にも2組の押付機構56を設けて、抉り力の発生を防止する方法が考えられる。言い換えると、図10に示すように、重量センサー40の支軸44に対して加えられる外力が相殺されるように複数の押付機構56を配置することで、上述した抉り力の発生を防止することができ、比較的高価な6軸力覚センサーを用いることなく、例えば電磁平衡式秤などを重量センサー40として用いることもできる。
【0070】
この他に、押付機構56によって重量センサー40の支軸44に作用する回転モーメント、押付機構56によって重量センサー40の支軸44に発生するモーメント、押付機構56によって重量センサー40の支軸44に付与される合力など、搬送ユニット42に対して外部から付与される外力の少なくとも1つをゼロに近付けることで、重量測定時における誤差の残留や重量測定装置10への負荷を減らすことができる。これにより、重量測定装置10による郵便物Mの重量測定精度を向上させることができ、より正確な測定が可能となる。
【0071】
次に、この発明の第2の実施の形態に係る重量測定装置10について、図11乃至図14を参照して説明する。本実施の形態の重量測定装置10は、2つのドライブローラー2、4に搬送ベルト54の駆動力を伝達するための駆動機構50が単一の押付機構56を有する以外、上述した第1の実施の形態に係る重量測定装置10と略同じ構造を有する。よって、以下の説明では、上述した第1の実施の形態に係る重量測定装置10と同様に機能する構成要素には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0072】
図11に示すように、本実施の形態の重量測定装置10は、2つのドライブローラー2、4に同時に駆動力を伝える単一の押付機構56を有する。実際には、上下ローラー2H、2L、4H、4Lに対応して、2つの押付機構56があるが、ここでは図示の構成だけ代表して説明する。
【0073】
この押付機構56は、第1の実施の形態と同様のもので、搬送ベルト54をドライブローラー2、4の上下ローラー2H、2L、4H、4Lの外周面に押し付ける押付ローラー57、この押付ローラー57を先端に有するアーム58、およびこのアーム58を揺動させるモーター59を有する。
【0074】
この重量測定装置10は、図12に示すように動作する。つまり、郵便物Mが搬送ユニット42へ送り込まれる前の待機状態で、図12(a)に示す位置に押付機構56が動作され、搬送ベルト54が2つのドライブローラー2、4に同時に押し付けられる。これにより、ドライブローラー2、4が周速Vで回転され、ドリブンローラー3、5も同じ周速で回転される。
【0075】
そして、当該郵便物Mが搬送ユニット42上に乗って重量測定可能な状態になる直前に、図12(b)に示す状態に、押付機構56が動作され、ドライブローラー2、4に対する駆動力の伝達が中止される。この後、搬送ローラー対2、3、4、5は、その慣性力によって回転を続ける。この状態で、当該郵便物Mが自身の慣性力によって搬送され、搬送ユニット42とともに重量が測定される。
【0076】
さらに、当該郵便物Mの重量測定が終了すると、押付機構56が図12(c)に示す状態に動作され、2つのドライブローラー2、4に対して搬送ベルト54の駆動力が再び伝達される。以上の動作は、処理対象の郵便物Mが無くなるまで続けられる。
【0077】
以上のように、本実施の形態においても、搬送ユニット42の外側から駆動力を伝達することができ、上述した第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。また、上述した第1の実施の形態と比較して、押付機構56の数を減らしたため、装置構成を簡略化することができ、装置の製造コストをより安価にすることができた。
【0078】
なお、本実施の形態の装置でも、上述した第1の実施の形態と同様に、搬送ユニット42の片側から駆動力を伝達すべく押付ローラー57を片側から押し付けるため、図13に矢印Fで示す抉り力が搬送ユニット42に作用する。すなわち、この抉り力を相殺するためには、図14に示すように、ドリブンローラー3、5側にも別の押付機構56を配置する方法が考えられる。
【0079】
次に、この発明の第3の実施の形態に係る重量測定装置10について、図15乃至図18を参照して説明する。本実施の形態の重量測定装置10は、2つのドライブローラー2、4それぞれに押付ローラー57を直に押し付けて回転させるようにした。これ以外の構造は、上述した第1の実施の形態に係る重量測定装置10と略同じ構造を有する。よって、以下の説明では、上述した第1の実施の形態に係る重量測定装置10と同様に機能する構成要素には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0080】
図15に示すように、本実施の形態の重量測定装置10は、2つのドライブローラー2、4それぞれに駆動力を伝える2つの駆動機構70を有する。実際には、上下ローラー2H、2L、4H、4Lに対応して、合計4つの駆動機構70があるが、ここでは図示の構成だけ代表して説明する。
【0081】
これら駆動機構70は、それぞれ、押付ローラー57をドライブローラー2、4の上下ローラー2H、2L、4H、4Lの外周面に押し付けるとともに、当該押付ローラー57を回転させる。これにより、ドライブローラー2、4に駆動力が伝達され、ドライブローラー2、4が周速Vで回転され、ドリブンローラー3、5も周速Vで回転される。
【0082】
つまり、各駆動機構70は、押付ローラー57を先端に有するアーム58、およびこのアーム58を揺動させるモーター59を有する。また、各駆動機構70は、それぞれ、押付ローラー57を図示矢印方向に回転させるためのモーター72、およびこのモーター72の回転を押付ローラー57に伝えるためのタイミングベルト74を有する。
【0083】
この重量測定装置10は、図16に示すように動作する。つまり、郵便物Mが搬送ユニット42へ送り込まれる前の待機状態で、図16(a)に示す位置に各駆動機構70が動作され、2つの押付ローラー57がそれぞれ対応する2つのドライブローラー2、4に押し付けられる。2つの押付ローラー57は、ドライブローラー2、4に押し付けられる前に、予め周速Vで回転されている。
【0084】
そして、当該郵便物Mが搬送ユニット42上に乗って重量測定可能な状態になる直前に、アーム58が揺動されて2つの駆動機構70が図16(b)に示す状態に動作され、押付ローラー57がドライブローラー2、4から離間されて、ドライブローラー2、4に対する駆動力の伝達が中止される。この時点で、押付ローラー57の回転は継続されている。
【0085】
駆動力の伝達が中止された後、搬送ローラー対2、3、4、5は、その慣性力によって回転を続ける。この状態で、当該郵便物Mが自身の慣性力によって搬送され、搬送ユニット42とともに重量が測定される。
【0086】
さらに、当該郵便物Mの重量測定が終了すると、再びアーム58が揺動されて各駆動機構70が図16(c)に示す状態に動作され、押付ローラー57がドライブローラー2、4に接触され、2つのドライブローラー2、4に対して駆動力が再び伝達される。以上の動作は、処理対象の郵便物Mが無くなるまで続けられる。
【0087】
以上のように、本実施の形態においても、搬送ユニット42の外側から駆動力を伝達することができ、上述した第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。また、上述した第1の実施の形態と比較して、押付ローラー57をドライブローラー2、4に直接押し付ける装置構成としたため、駆動力の伝達および非伝達の切り換え応答速度を速くでき、郵便物Mの高速処理に対応できる。
【0088】
また、第1の実施の形態と比較して、本実施の形態の構成を採用すると、駆動源として別系統の搬送ベルト54を必要としないため、装置レイアウトの自由度を高めることができ、重量測定装置10の配置場所を自由に決めることができる。
【0089】
なお、本実施の形態の装置でも、上述した第1の実施の形態と同様に、搬送ユニット42の片側から駆動力を伝達すべく押付ローラー57を片側から押し付けるため、図17に矢印Fで示す抉り力が搬送ユニット42に作用する。すなわち、この抉り力を相殺するためには、図18に示すように、ドリブンローラー3、5側にも別の駆動機構70を配置する方法が考えられる。
【0090】
図19には、上述した第2の実施の形態の重量測定装置10の変形例を示してある。この重量測定装置10は、郵便物Mの搬送方向に沿って下流側の搬送ローラー対4、5を入れ換えた構造を有する。つまり、この変形例では、搬送路1の図示左側にドリブンローラー5を配置し、搬送路1の図示右側にドライブローラー4を配置した。
【0091】
また、この重量測定装置10は、搬送方向下流側のドライブローラー4に別系統の搬送ベルト54を押し付けるための別の押付機構56を有する。この押付機構56も、ドライブローラー2に対応した押付機構56と同様に機能し、別の搬送ベルト54をドライブローラー4に押し付ける。
【0092】
この変形例では、2つの押付機構56を動作させてドライブローラー2、4に駆動力を伝達すると、図19に矢印Fで示す回転力が搬送ユニット42に付与される。しかし、この回転力は、搬送ベルト54をドライブローラー2、4に押し付けた瞬間に生じるもので、搬送ベルト54の弾性によって次第に減衰する。また、本実施の形態でも、重量センサー40として6軸力覚センサーを用いたため、このような回転力が生じても重量測定に悪影響を及ぼす心配はない。
【0093】
つまり、この変形例に係る重量測定装置10でも、上述した第2の実施の形態の重量測定装置10と同様の効果を奏することができる。
【0094】
図20には、上述した第3の実施の形態の重量測定装置10の変形例を示してある。この重量測定装置10も、郵便物Mの搬送方向に沿って下流側の搬送ローラー対4、5を入れ換えた構造を有する。つまり、この変形例でも、搬送路1の図示左側にドリブンローラー5を配置し、搬送路1の図示右側にドライブローラー4を配置した。
【0095】
また、この重量測定装置10は、下流側の搬送ローラー対のドライブローラー4に駆動力を伝達するための駆動機構70を搬送ユニット42の図示右側にも配置した。この駆動機構70も、ドライブローラー2に対応した駆動機構70と同様に機能し、ドライブローラー4に駆動力を伝達する。
【0096】
この変形例でも、2つの駆動機構70を動作させてドライブローラー2、4に駆動力を伝達すると、図20に矢印Fで示す回転力が搬送ユニット42に付与される。しかし、本実施の形態では、重量センサー40として6軸力覚センサーを用いたため、このような回転力が生じても重量測定に悪影響を及ぼす心配はない。
【0097】
つまり、この変形例に係る重量測定装置10でも、上述した第3の実施の形態の重量測定装置10と同様の効果を奏することができる。
【0098】
次に、この発明の第4の実施の形態に係る重量測定装置10について、図21乃至図24を参照して説明する。なお、ここでも、上述した各実施の形態と同様に機能する構成要素には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0099】
図21には、本実施の形態の重量測定装置10の平面図を示してある。また、図22には、本実施の形態の重量測定装置10の要部断面図を示してある。また、図23には、本実施の形態の重量測定装置10に組み込まれたドライブローラーの駆動源について説明するための図を示してある。さらに、図24には、本実施の形態の重量測定装置10の動作を説明するための動作説明図を示してある。
【0100】
図21に示すように、本実施の形態の重量測定装置10は、郵便物Mの搬送方向に沿って上流側の搬送ローラー対2、3と、搬送方向下流側の搬送ローラー対4、5と、これら2組の搬送ローラー対2、3、4、5の回転軸2a、3a、4a、5aの一端を回転可能に支持したベース7と、を含む搬送ユニット42を有する。
【0101】
本実施の形態では、上流側の搬送ローラー対2、3のうち、ドリブンローラー3を搬送路1の図示左側に配置し、ドライブローラー2を搬送路1の図示右側に配置した。また、下流側の搬送ローラー対4、5のうち、ドライブローラー4を搬送路1の図示左側に配置し、ドリブンローラー5を搬送路1の図示右側に配置した。
【0102】
図22に示すように、2つのドライブローラー2、4は、それぞれ、上ローラー2H、4H、および下ローラー2L、4Lを有する。本実施の形態では、これら上下ローラー2H、2L、4H、4Lは、回転軸2a、4aにそれぞれ回転不能に固設されている。つまり、本実施の形態では、上下ローラー2H、2L、4H、4Lと回転軸2a、4aとの間には、ベアリング6が設けられていない。言い換えると、2つのドライブローラー2、4は、その回転軸2a、4aを回転することで回転される。
【0103】
そして、各ドライブローラー2、4の回転軸2a、4aの基端部は、ベース7を貫通して下方に延びている。さらに、各回転軸2a、4aの基端部には、それぞれ、ドライブローラー2、4を回転させるための駆動源80が設けられている。なお、各回転軸2a、4aとベース7との間には、それぞれ、ベアリング82が設けられている。このベアリング82は、ドライブローラー2、4の重量を支えるとともにドライブローラー2、4を回転可能に支持するスラスト軸受である。
【0104】
図23に示すように、本実施の形態の駆動源80は、例えば気流を受けて回転軸2aを回転させる複数枚の羽根84、これら複数枚の羽根84を非接触で回転可能に収容するとともに、その周方向に気流を発生させるためのチャンバー86、および図示しないポンプなどの気流発生装置88を有する。複数枚の羽根84は、矩形板状であり、回転軸2aから放射状に突設されている。チャンバー86は、複数枚の羽根84を非接触で収容しているため、搬送ユニット42とは別体である。
【0105】
チャンバー86の流入口86aを介してチャンバー86内に空気が送り込まれると、チャンバー86内でその周方向に沿った気流が発生する。チャンバー86内を流れた空気は、排出口86bを介して排出される。この気流により、複数枚の羽根84が押されて、回転軸2aが回転する。気流発生装置88は、制御部60に接続され、チャンバー86内に送り込む空気の量をコントロールすることで、ドライブローラー2の回転速度をコントロールする。なお、ここでは、ドライブローラー2の駆動源80についてのみ図示したが、ドライブローラー4にも同じ駆動源80が取り付けられている。なお、羽根84を回転させる流体は、空気に限らず、水や油であっても良い。
【0106】
上記構造の重量測定装置10は、図24に示すように動作する。
まず、郵便物Mが重量測定装置10に送り込まれる前の待機状態(図24(a)の状態)で、制御部60は、気流発生装置88を動作させて、2つのドライブローラー2、4を周速Vで回転させておく。本実施の形態の駆動源80は、気流によって複数枚の羽根84を押して回転軸2a、4aを回転させるため、ドライブローラー2、4に駆動力を付与している状態でも、回転軸2a、4aに振動が伝わることは殆ど無い。
【0107】
この後、制御部60は、タイミングセンサー62の出力信号に基づいて、重量測定装置10に次に送り込まれる郵便物Mの搬送方向後端が上流側搬送部12を抜けるタイミングを取得して、上述した適切なタイミングでドライブローラー2、4に対する駆動力の伝達を中止する。この状態で、各ドライブローラー2、4は、それぞれ自由回転する。なお、ドライブローラー2、4の上下ローラー2H、2L、4H、4Lが、それぞれ、弾み車22を有するため、駆動力の伝達を中止しても、ドライブローラー2、4は回転を続けようとする。
【0108】
この状態で、搬送速度Vで搬送ユニット42へ送り込まれた当該郵便物Mは、搬送ローラー対2、3、4、5から搬送力を付与されることなく、自身の慣性力によって搬送ユニット42を通過する。このとき、制御部60は、重量センサー40を介して搬送ユニット42の重量を測定し、搬送ユニット42を通過中の郵便物Mの重量を演算部64で算出する。この状態を図24(b)に示す。
【0109】
重量測定の後、制御部60は、図24(c)に示すように、2つのドライブローラー2、4に再び駆動力を付与し、ドライブローラー2、4を周速Vで回転させる。上述したように、本実施の形態では郵便物Mの重量を測定することが目的であるため、郵便物Mの重量測定が終了してしまえば駆動力を伝達しても問題はない。
【0110】
以上のように、本実施の形態によると、上述した各実施の形態と同様に、ドライブローラー2、4に対して搬送ユニット42の外側から駆動力を与えることができるため、郵便物Mの搬送を妨げることなく当該郵便物Mの重量を正確に測定できる。
【0111】
また、本実施の形態によると、ドライブローラー2、4の回転軸2a、4aに取り付けた羽根84に気流を作用させて駆動力を伝達するようにしたため、駆動力を付与している状態でもドライブローラー2、4に対して振動が伝わることが殆ど無い。このため、上述した動作説明では、当該郵便物Mの重量を測定するときに駆動力の伝達を中止したが、駆動力を付与した状態のまま重量測定をしても問題は無い。
【0112】
図25には、この発明の第5の実施の形態に係る重量測定装置10に組み込まれたドライブローラー2の駆動源90の概略図を示してある。この駆動源90は、ドライブローラー2、4それぞれの回転軸2a、4aに設けられるものであるが、ここではドライブローラー2に設けた駆動源90についてのみ代表して説明する。また、ここでは、上述した第4の実施の形態と同様に機能する構成要素には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0113】
本実施の形態の駆動源90は、ベース7を貫通して延びた回転軸2aの基端部に固設された磁石92、この磁石の外側を非接触で囲むように設けられたコイル94、およびこのコイル94に通電するための給電装置96を有する。または、回転軸2aにコイルを取り付けてその外側に磁石を設けても良い。
【0114】
制御部60は、給電装置96を制御してコイル94に流す電流量をコントロールして、回転軸2aの回転速度、すなわちドライブローラー2の周速をコントロールする。つまり、制御部60は、コイル94に流す電流をコントロールして、ドライブローラー2を周速Vで回転させる。
【0115】
なお、本実施の形態では、ドライブローラー2の回転軸2aに、上述したベアリング82の他に、図22に示すベアリング98を設けた。このベアリング98は、回転軸2aに図示上方から重量が加わったとき、その重量を支えないように力を逃がす構造を有する。具体的には、回転軸2a側の円筒体98aの外周に形成した溝の図示上端側が開いており、この円筒体98aが図示下方に移動しようとした際に、溝が球体98bを拘束しないようになっている。逆に、円筒体98aが図示上方に移動しようとした場合には、円筒体98aの溝が球体によって係止されて回転軸2aの移動が止められる。
【0116】
上記構造の重量測定装置10も、図24に示すように動作する。
まず、郵便物Mが重量測定装置10に送り込まれる前の待機状態(図24(a)の状態)で、制御部60は、給電装置96を制御してコイル94に電流を流し、2つのドライブローラー2、4を周速Vで回転させておく。本実施の形態の駆動源90は、電磁力によって回転軸2a、4aを回転させるため、ドライブローラー2、4に駆動力を付与している状態でも、回転軸2a、4aに振動が伝わることは殆ど無い。
【0117】
この後、制御部60は、タイミングセンサー62の出力信号に基づいて、重量測定装置10に次に送り込まれる郵便物Mの搬送方向後端が上流側搬送部12を抜けるタイミングを取得して、上述した適切なタイミングでドライブローラー2、4に対する駆動力の伝達を中止する。つまり、このとき、制御部60は、給電装置96を制御してコイル94への給電をやめる。
【0118】
この状態で、各ドライブローラー2、4は、それぞれ自由回転する。なお、ドライブローラー2、4の上下ローラー2H、2L、4H、4Lが、それぞれ、弾み車22を有するため、駆動力の伝達を中止しても、ドライブローラー2、4は自身の慣性力により回転を続けようとする。
【0119】
この状態で、搬送速度Vで搬送ユニット42へ送り込まれた当該郵便物Mは、搬送ローラー対2、3、4、5から搬送力を付与されることなく、自身の慣性力によって搬送ユニット42を通過する。このとき、制御部60は、重量センサー40を介して搬送ユニット42の重量を測定し、搬送ユニット42を通過中の郵便物Mの重量を演算部64で算出する。この状態を図24(b)に示す。
【0120】
重量測定の後、制御部60は、図24(c)に示すように、2つのドライブローラー2、4に再び駆動力を付与し、ドライブローラー2、4を周速Vで回転させる。上述したように、本実施の形態では郵便物Mの重量を測定することが目的であるため、郵便物Mの重量測定が終了してしまえば駆動力を伝達しても問題はない。
【0121】
以上のように、本実施の形態においても、上述した各実施の形態と同様に、ドライブローラー2、4に対して搬送ユニット42の外側から駆動力を与えることができるため、郵便物Mの搬送を妨げることなく当該郵便物Mの重量を正確に測定できる。
【0122】
また、本実施の形態によると、ドライブローラー2、4の回転軸2a、4aに取り付けた磁石92に電磁力を作用させて駆動力を伝達するようにしたため、駆動力を付与している状態でもドライブローラー2、4に対して振動が伝わることが殆ど無い。このため、上述した動作説明では、当該郵便物Mの重量を測定するときに駆動力の伝達を中止したが、駆動力を付与した状態のまま重量測定をしても問題は無い。
【0123】
なお、この発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、上述した実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせても良い。
【0124】
例えば、上述した実施の形態では、ドライブローラー2、4に弾み車22を組み込んだ場合について説明したが、これに限らず、ドリブンローラー3、5に弾み車22を組み込んでも良く、或いは全てのローラーに弾み車22を組み込んでも良い。
【0125】
また、上述した実施の形態では、紙葉類として郵便物Mの重量を測定する場合について説明したが、重量測定対象となる紙葉類はこれに限るものではない。
【0126】
また、上述した実施の形態では、2組の搬送ローラー対2、3、4、5を備えた搬送ユニット42について説明したが、これに限らず、搬送ユニット42は、少なくとも1組の搬送ローラー対を備えていれば良い。また、搬送ユニット42のベース7は発明に必須の構成要件ではなく、搬送ローラー対2、3、4、5も搬送ベルトなど別の構成に置き換えても良い。
【符号の説明】
【0127】
1…搬送路、2、4…ドライブローラー、3、5…ドリブンローラー、2a、3a、4a、5a…回転軸、2H、3H、4H、5H…上ローラー、2L、3L、4L、5L…下ローラー、6…ベアリング、7…ベース、10…重量測定装置、12…上流側搬送部、14…下流側搬送部、22…弾み車、24、36…ゴム層、34…スポンジ層、50…駆動機構、54…搬送ベルト、56…押付機構、60…制御部。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、郵便物などの紙葉類の重量を測定する重量測定装置、この重量測定装置を備えた紙葉類処理装置、および紙葉類の重量測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、郵便物処理機では、搬送中の郵便物の重量を量って、当該郵便物に貼ってある切手などの料額印が適正な金額であるか否かを判断する。搬送中の郵便物の重量を測定する方法として、例えば、搬送路の途中にある搬送装置を郵便物が通過しているときの搬送装置全体の重量を測定する方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−263583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このように郵便物が通過中の搬送装置の重量を測定して当該郵便物の重量を測定する場合、搬送装置だけの重量に対する郵便物の重量の比率が小さいと、当該郵便物の重量を正確に測定することができない。つまり、搬送装置が重くなると、その分、郵便物の重量測定精度が低くなる。一般に、搬送装置は、郵便物を搬送するための機構、すなわち搬送ローラーやモーターを搭載しているため、郵便物と比較してその重量は極めて重い。
【0005】
また、郵便物の搬送中は、搬送装置から当該郵便物に搬送力を与えるため、この搬送力の付与が重量の測定結果に悪影響を及ぼしてしまう。つまり、郵便物に搬送力を与えることで、搬送装置全体に振動が発生したり応力が加わったりして、測定結果が安定しない。特に、郵便物を高速搬送しつつその重量を測定しようとした場合、モーターなどの駆動源から搬送装置に伝わる振動や応力を無くすことは極めて困難である。
【0006】
この発明の目的は、高速で連続して搬送される紙葉類の重量を正確に測定できる重量測定装置、この重量測定装置を備えた紙葉類処理装置、および重量測定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の実施の形態に係る重量測定装置は、測定されるべき紙葉類を搬送する搬送路と、この搬送路の途中に設けられ、搬送される紙葉類に駆動力を与えることなく当該紙葉類に接触して連れ回ることで当該紙葉類の重量を支えつつその回転方向に送る搬送ユニットと、紙葉類の重量を支えて送っている状態の上記搬送ユニットの重量を測定する秤と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、この発明の実施の形態に係る紙葉類処理装置の一例として郵便物選別取り揃え押印装置の概略構造を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1の押印装置の機械検知部に組み込まれたこの発明の第1の実施の形態に係る重量測定装置の要部を示す概略平面図である。
【図3】図3は、図2の重量測定装置を矢印III方向から見た側面図である。
【図4】図4は、図3の搬送ローラー対を線IV-IVで切断した断面図である。
【図5】図5は、図4のドライブローラーを線V-Vで切断した断面図である。
【図6】図6は、図2の重量測定装置の動作を制御する制御系のブロック図である。
【図7】図7は、図2の重量測定装置の動作を説明するための動作説明図である。
【図8】図8は、図7とともに図2の重量測定装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】図9は、図2の重量測定装置に作用する抉り力について説明するための概略平面図である。
【図10】図10は、図9で説明した抉り力を相殺するための構造の一例を示す概略平面図である。
【図11】図11は、この発明の第2の実施の形態に係る重量測定装置の要部を示す概略平面図である。
【図12】図12は、図11の重量測定装置の動作を説明するための動作説明図である。
【図13】図13は、図11の重量測定装置に作用する抉り力について説明するための概略平面図である。
【図14】図14は、図13で説明した抉り力を相殺するための構造の一例を示す概略平面図である。
【図15】図15は、この発明の第3の実施の形態に係る重量測定装置の要部を示す概略平面図である。
【図16】図16は、図15の重量測定装置の動作を説明するための動作説明図である。
【図17】図17は、図15の重量測定装置に作用する抉り力について説明するための概略平面図である。
【図18】図18は、図17で説明した抉り力を相殺するための構造の一例を示す概略平面図である。
【図19】図19は、図11の重量測定装置の変形例を示す概略平面図である。
【図20】図20は、図15の重量測定装置の変形例を示す概略平面図である。
【図21】図21は、この発明の第4の実施の形態に係る重量測定装置の概略平面図である。
【図22】図22は、図21の重量測定装置を線XXII-XXIIに沿って切断した概略断面図である。
【図23】図23は、図21の重量測定装置のドライブローラーを駆動する駆動部について説明するための概略図である。
【図24】図24は、図21の重量測定装置の動作を説明するための動作説明図である。
【図25】図25は、この発明の第5の実施の形態に係る重量測定装置に組み込まれたドライブローラーの駆動源を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1には、この発明の実施の形態に係る紙葉類処理装置の一例として、郵便物選別取り揃え押印装置100(以下、単に押印装置100と称する)の概略ブロック図を示してある。
【0010】
押印装置100は、郵便物M(紙葉類)の搬送方向に沿って、供給部101、機械検知部102、OCRスキャナ部103、ひねり反転部104、スイッチバック部105、押印部106、および区分集積部107を有する。また、押印装置100は、上述した各部を通して郵便物Mを搬送する搬送部108を有する。さらに、押印装置100は、装置に対して種々の操作を指示するとともに、動作モードの切り換え入力や異常表示等をする図示しない操作パネルを有する。
【0011】
供給部101は、例えば、厚さ、搬送方向に沿った長さ、搬送方向と直交する方向に沿った幅、および重量が一定範囲内にある定型の郵便物Mを複数通まとめて受け入れて、1通ずつ取り出して後段の処理部へ供給する。搬送部108は、供給された郵便物Mを後段の処理部102〜107を通して搬送する搬送路1を有する。
【0012】
機械検知部102は、搬送部108によって搬送路1を介して搬送された郵便物Mに含まれる金属、異物、硬物を検知するとともに、郵便物Mの2枚取り(すなわち重送)やショートギャップを検知し、後段の各処理部103〜107で処理不能と判断された郵便物Mを図示しない排除集積部へリジェクトする。なお、この機械検知部102は、搬送されている郵便物Mの重量を測定する後述する重量測定装置10を備えている。
【0013】
機械検知部102では、この他に、重量測定装置10の手前で、郵便物Mの搬送方向に沿った長さや幅を予め検出するとともに、後述するタイミングセンサー62を介して郵便物Mの先端通過および後端通過を検知して、当該郵便物Mの搬送位置に関する情報を前もって取得する。
【0014】
そして、機械検知部102は、当該郵便物Mの長さ、幅、および搬送位置に基づいて後述するように重量測定装置10を動作させて当該郵便物Mの重量を測定し、重量測定装置10を介して異常な重量であることを判断した郵便物Mを図示しない排除集積部へリジェクトする。
【0015】
OCRスキャナ部103は、郵便物Mの表面を光学的に読み取って光電変換し、郵便物M上に記載されている郵便番号や受取人住所などの区分情報を画像として取得する。また、OCRスキャナ部103は、郵便物Mに貼り付けられている切手(料金計器などを含む料額印面)の有無および位置を検出する。供給部101を介して供給される郵便物Mの向き(表裏天地)がばらばらであるため、OCRスキャナ部103は、郵便物Mの両面を読み取るための少なくとも2つのスキャナ部を有する。
【0016】
ひねり反転部104は、郵便物Mの搬送方向に沿って延びた中心軸を中心に郵便物Mを180°ひねりながら搬送するひねり反転パス(図示せず)を有する。つまり、ひねり反転部104では、郵便物Mの搬送方向を変えずに表裏だけを反転する。また、ひねり反転部104は、送り込まれた郵便物Mをひねり反転パスに送り込まずに迂回させるための迂回搬送路(ストレートパス)(図示せず)を有する。
【0017】
スイッチバック部105は、搬送される郵便物Mを受け入れて逆方向に送り出すことにより郵便物Mの搬送方向を逆転させる2つのスイッチバック機構(図示せず)を有する。スイッチバック部105も、上述したひねり反転部104と同様に、2つのスイッチバック機構を迂回させる迂回搬送路(ストレートパス)を有する。
【0018】
押印部106は、搬送される郵便物Mの1方の表面に接触して回転する図示しない押印ハブを有する。押印部106では、この押印ハブを切手の部位に転接させて消印を押印する。本実施の形態では、押印部106に搬送される全ての郵便物Mがひねり反転部104およびスイッチバック部105を通過して表裏および天地が揃えられているため、押印ハブを搬送路1の1側にだけ設けた。
【0019】
区分集積部107は、OCRスキャナ部103で検出した区分情報に応じて各郵便物Mを所定の区分位置へ区分集積する。また、区分集積部107は、上述したスイッチバック装置105内で一時的に滞留して送り出された郵便物Mなどを、押印部106による押印を禁止して、リジェクトする図示しない排除集積部を有する。
【0020】
上記構造の押印装置100は、例えば、上述した重量測定装置10で測定した当該郵便物Mの重量に対し、OCRスキャナ部103で当該郵便物Mから読み取った切手などの料額印が適正な金額であるか否かを判断し、料金不足であることを判断した郵便物Mに押印部106で消印を押印することなくリジェクトする。
【0021】
図2には、搬送路1を介して上述した機械検知部102を通過される郵便物Mの重量を測定する、この発明の第1の実施の形態に係る重量測定装置10の要部概略平面図を示してある。また、図3には、図2の重量測定装置10を図示矢印III方向から見た側面図を示してある。さらに、図4には、図3の上流側の搬送ローラー対2、3の上ローラー2H、3Hを線IV-IVに沿って切断した断面図を示してあり、図5には、図4のドライブローラー2を線V-Vでその回転軸2aに沿って切断した断面図を示してある。
【0022】
以下、これら図2〜図5を参照して、この発明の第1の実施の形態の重量測定装置10の構造について説明する。
本実施の形態の重量測定装置10は、搬送路1を介して比較的高速で連続して搬送される複数通の郵便物Mの重量を、当該郵便物Mの搬送を停止或いは減速させることなく、順次、測定可能であることを特徴としている。なお、本実施の形態では、機械検知部102(すなわち重量測定装置10)を通過する郵便物Mは搬送路1を介して立位で搬送されるものとする。つまり、重量測定装置10を通る郵便物Mの搬送面は、鉛直方向に延びている。
【0023】
図2に示すように、重量測定装置10は、搬送路1を介して供給部101から立位で送り込まれた郵便物Mを挟持して図示矢印T方向に送る2組の搬送ローラー対2、3、4、5を有する。これら2組の搬送ローラー対2、3、4、5は、後述するように、郵便物Mの重量を測定する直前まで、駆動力が与えられて、郵便物Mの搬送速度Vと同じ周速で回転されている。なお、これら2組の搬送ローラー対2、3、4、5は、郵便物Mの重量を測定するとき、一定速度Vで矢印T方向に搬送される当該郵便物Mに接触して連れ回るため、当該郵便物Mに搬送力を与えることはない。
【0024】
しかしながら、一定速度で送り込まれる郵便物Mは、同じ周速で回転する搬送ローラー対2、3、4、5によって送られるとともに、自身の慣性力によって重量測定装置10を通過するため、当該郵便物Mが重量測定装置10を通過した後、当該郵便物Mの搬送速度Vは略維持される。
【0025】
郵便物Mの搬送方向Tに沿って重量測定装置10の上流側には、供給部101から搬送された郵便物Mを搬送速度Vで搬送して重量測定装置10へ送り込む上流側搬送部12が設けられている。また、郵便物Mの搬送方向Tに沿って重量測定装置10の下流側には、重量測定装置10を通過した郵便物Mを受け入れて搬送速度Vで搬送する下流側搬送部14が設けられている。
【0026】
重量測定装置10は、上述したように、通過中の郵便物Mに搬送力を与えないため、重量測定装置10を通過中の郵便物Mは、基本的に、フリーな状態で搬送される。しかし、下流側搬送部14が、上流側搬送部12と同じ搬送速度Vで郵便物Mを搬送するため、重量測定装置10を通過して郵便物Mの搬送速度が僅かに遅くなったとしても、当該郵便物Mの搬送速度は下流側搬送部14によって元の速度Vに復帰される。
【0027】
重量測定装置10と上流側搬送部12との間、および重量測定装置10と下流側搬送部14との間には、それぞれ、一定のギャップが設けられている。これら重量測定装置10の上流側および下流側のギャップは、図2に示すように、2組の搬送ローラー対2、3、4、5によってのみ郵便物Mが挟持された状態を作るために設けられている。また、これら両側のギャップは、郵便物Mの搬送方向Tに沿った長さが図示のものより長い郵便物Mにも対応可能なように、一定の長さを持たされている。
【0028】
郵便物Mの送り方向Tに沿って上流側の搬送ローラー対2、3は、後述する駆動部によって選択的に駆動力が与えられるドライブローラー2、およびこのドライブローラー2に対して搬送路1を挟んで接触して従動回転するドリブンローラー3を含む。また、郵便物Mの送り方向Tに沿って下流側の搬送ローラー対4、5は、後述する駆動部によって選択的に駆動力が与えられるドライブローラー4、およびこのドライブローラー4に対して搬送路1を挟んで接触して従動回転するドリブンローラー5を含む。
【0029】
2つのドライブローラー2、4は、搬送路1の図示左側で送り方向Tに沿って互いに離間して配置され、ドリブンローラー3、5は、搬送路1を介して各ドライブローラー2、4に接触して搬送路1の図示右側に対向配置されている。
【0030】
図3に示すように、上述したドライブローラー2、4、およびドリブンローラー3、5は、それぞれ、その回転軸2a、3a、4a、5aに沿って上下に離間した上ローラー2H、3H、4H、5H、および下ローラー2L、3L、4L、5Lを有する。図3では、2つのドリブンローラー3、5のみを代表して図示してある。なお、本実施の形態の上ローラー2H、3H、4H、5H、および下ローラー2L、3L、4L、5Lは、それぞれ、回転軸2a、3a、4a、5aに対してベアリング6(図4、5参照)を介して回転可能に取り付けられている。
【0031】
つまり、各ローラー2、3、4、5の回転軸2a、3a、4a、5aは、それぞれ、その下端がベース7に固定されており、少なくとも片持ち梁状態でベース7によって支持されている。そして、上ローラー2H、3H、4H、5H、および下ローラー2L、3L、4L、5Lは、それぞれ、回転軸2a、3a、4a、5aに対して自由に回転可能となっている。なお、本実施の形態では、ベース7は略水平に延設され、4本の回転軸2a、3a、4a、5aは、郵便物Mの搬送面に沿って略垂直に延設されている。
【0032】
上流側の搬送ローラー対2、3の回転軸2a、3a間の距離は、上ローラー2Hの外周面と上ローラー3Hの外周面が搬送路1上で接触し、且つ下ローラー2Lの外周面と下ローラー3Lの外周面が搬送路1上で接触する距離に設定されている。また、下流側の搬送ローラー対4、5の回転軸4a、5a間の距離は、上ローラー4Hの外周面と上ローラー5Hの外周面が搬送路1上で接触し、且つ下ローラー4Lの外周面と下ローラー5Lの外周面が搬送路1上で接触する距離に設定されている。
【0033】
ここで、図4および図5を参照して、上述したドライブローラー2、4とドリブンローラー3、5の各上下ローラーの構造について、上流側のドライブローラー2の上ローラー2H、および上流側のドリブンローラー3の上ローラー3Hを代表して詳細に説明する。
【0034】
上流側のドライブローラー2の下ローラー2L、および下流側のドライブローラー4の上下ローラー4H、4Lは、ここで説明する上流側のドライブローラー2の上ローラー2Hと同じ構造を有し、上流側のドリブンローラー3の下ローラー3L、および下流側のドリブンローラー5の上下ローラー5H、5Lは、ここで説明する上流側のドリブンローラー3の上ローラー3Hと同じ構造を有する。よって、これら上下ローラー2L、4H、4L、3L、5H、5Lの詳細な説明は省略する。
【0035】
図4および図5に示すように、ドライブローラー2の上ローラー2Hは、回転軸2aに対してベアリング6を介して回転可能に取り付けられている。上ローラー2Hは、ベアリング6の外側に設けられた弾み車22と、この弾み車の外側に設けられたゴム層24と、を有する。この上ローラー2Hは、ゴム層24が僅かに変形可能であるだけで、郵便物Mの衝突によって殆ど変形しない。弾み車22は、上ローラー2Hの慣性モーメントを高くするため、比較的重い銅や鉄などの金属によって形成することが望ましい。
【0036】
また、ドリブンローラー3の上ローラー3Hは、図4に示すように、その回転軸3aに対してベアリング6を介して回転可能に取り付けられている。上ローラー3Hは、ベアリング6の外側に設けられた芯金32と、この芯金32の外側に設けられたスポンジ層34と、このスポンジ層34の外側に設けられたゴム層36と、を有する。この上ローラー3Hは、スポンジ層34が大きく変形可能であるため、郵便物Mの衝突によって大きく変形することができる。
【0037】
すなわち、郵便物Mがドライブローラー2とドリブンローラー3との間に突入すると、ドリブンローラー3の上下ローラー3H、3Lが変形し、郵便物Mの厚さ変化を吸収するように受け入れる。このとき、郵便物Mの厚さが、各ローラーの回転軸方向に異なる場合、回転軸3aに対して互いに独立して回転可能な上ローラー3Hと下ローラー3Lが異なる変形量で変形することで、当該郵便物Mにスキューを生じることを防止することができる。
【0038】
図5に示すように、ドライブローラー2の上下ローラー2H、2Lには、弾み車22が組み込まれている。弾み車22は、その外周部22a近くにその体積が集中する形状に形成され、比較的重い金属(例えば、銅や鉄)により形成され、回転中心に近い部位の肉が削られている。このように、弾み車22を有したドライブローラー2の上下ローラー2H、2Lは、郵便物Mが接触した際に、自身が回り続けようとする慣性力が大きいため、その回転速度が低下する割合が小さい。
【0039】
図3に戻って、重量測定装置10は、ベース7の下面側に取り付けられた重量センサー40を有する。本実施の形態の重量センサー40は、6軸力覚センサーである。この他に、重量センサーとして、3軸力覚センサーを用いることもできる。
【0040】
重量センサー40は、2組の搬送ローラー対2、3、4、5それぞれの回転軸2a、3a、4a、5aを上述したように支持したベース7の重心に配置されている。つまり、この重量センサー40は、2組の搬送ローラー対2、3、4、5、およびベース7を含む搬送ユニット42全体の重量を測定する。
【0041】
すなわち、この重量センサー40は、図2に示すように、搬送された郵便物Mが上流側搬送部12から離れて下流側搬送部14に送り込まれる前の状態で、搬送ユニット42全体の重量を測定する。これにより、重量センサー40は、搬送中の郵便物Mの重量を測定している。つまり、この場合、郵便物Mを搬送していない搬送ユニット42だけの重量を差し引くことで、郵便物Mの重量を算出することができる。
【0042】
本実施の形態では、重量センサー40が重量を測定する搬送ユニット42が、ベース7に上流側の搬送ローラー対2、3、および下流側の搬送ローラー対4、5を取り付けただけの構造であるため、従来の搬送装置と比較して軽量化されている。つまり、この搬送ユニット42には、郵便物Mに搬送力を与えるためのモーターなどの駆動源が搭載されていない。このため、搬送ユニット42の重量に対する郵便物Mの重量の比を小さくすることができ、郵便物Mの重量の測定精度を高めることができる。
【0043】
再び図2に戻って、重量測定装置10は、2組の搬送ローラー対2、3、4、5それぞれのドライブローラー2、4に駆動力を与えるための駆動機構50をさらに有する。駆動機構50は、図2に示すように、例えば、図示の2つのローラー52によって一定速度で走行される別系統の搬送ベルト54、および、この搬送ベルト54を駆動源として当該搬送ベルト54を上述した2つのドライブローラー2、4にそれぞれ押し付ける2つの押付機構56を有する。各押付機構56は、それぞれ、押付ローラー57と、この押付ローラー57を先端に回転自在に取り付けたアーム58と、このアーム58を回転させるモーター59と、を有する。
【0044】
各押付機構56のモーター59を回転させると、アーム58が揺動されて、アーム58の先端に取り付けられた押付ローラー57によって搬送ベルト54がドライブローラー2に押し付けられる。これにより、搬送ベルト54の駆動力が各ドライブローラー2、4に伝達される。
【0045】
本実施の形態では、ドライブローラー2、4は、上下に離間した上ローラー2H、4H、および下ローラー2L、4Lを独立して回転可能に備えているため、これら独立して回転可能な上下ローラーそれぞれに対し、駆動力を与える必要がある。このため、本実施の形態では、各ドライブローラー2、4それぞれに対して2つずつ押付機構56を設け、搬送ベルト54も、上下ローラー2H、2L、4H、4Lに対応して2本ずつ設けた。しかしながら、以下の説明では、説明を分り易くするため、押付機構56は、図示のものだけについて説明する。
【0046】
図6には、上記構造の重量測定装置10の動作を制御する制御系のブロック図を示してある。
重量測定装置10の制御部60には、タイミングセンサー62、重量センサー40、演算部64、および押付機構56のモーター59が接続されている。タイミングセンサー62は、重量測定装置10より郵便物Mの搬送方向上流側に配置され、郵便物Mの先端および後端通過を定位置で検知する。このタイミングセンサー62は、搬送路1を挟んで対向した図示しない発光部および受光部を有する。
【0047】
演算部64は、重量センサー40を介して制御部60が検出した搬送ユニット42の重量に基づいて、搬送ユニット42を通過している郵便物Mの重量を算出する。つまり、演算部64は、予め測定した搬送ユニット42だけの重量を、郵便物Mを搬送中の搬送ユニット42の重量から差し引くことで、当該郵便物Mの重量を算出する。
【0048】
以下、上述した構造を有する重量測定装置10の制御部60による動作について、図7および図8を参照して説明する。図7(a)〜図7(c)には、重量測定装置10の動作を説明するための動作説明図を示してある。また、図8には、図7とともに、この重量測定装置10の動作を説明するためのフローチャートを示してある。
【0049】
重量測定装置10の制御部60は、まず、郵便物Mが重量測定装置10に送り込まれる前の待機状態で、図7(a)に示すように駆動機構50を動作させ、搬送ユニット42の外部から、2つのドライブローラー2、4に駆動力を与え、2組の搬送ローラー対2、3、4、5を一定の周速Vで回転させておく(図8、ステップ1)。つまり、制御部60は、このとき、駆動機構50の各押付機構56のモーター59を付勢して、押付ローラー57を図7(a)の位置に配置し、別系統の搬送ベルト54を2つのドライブローラー2、4の外周面に押し付ける。
【0050】
搬送ベルト54は、機械検知部102内を走行している別系統の搬送ベルトであり、上流側搬送部12や下流側搬送部14の搬送ベルトと同じ速度Vで走行している。このため、図8のステップ1で、速度Vで走行されている搬送ベルト54をその外周面に押し付けられたドライブローラー2、4は、同じ周速Vで回転される。なお、2つのドライブローラー2、4がこのように一定の周速Vで回転すると、それぞれドライブローラーに外周面を接触せしめた2つのドリブンローラー3、5も同じ周速Vで回転する。
【0051】
この後、制御部60は、タイミングセンサー62の出力を監視して、重量測定装置10に次に送り込まれる郵便物Mの搬送方向先端通過および後端通過を検知する。このとき、制御部60は、タイミングセンサー62が暗から明になるまでの時間および当該郵便物Mの搬送速度Vに基づいて当該郵便物Mの搬送方向に沿った長さを検出し、タイミングセンサー62が暗から明になったことに基づいて当該郵便物Mの後端通過を検知する(ステップ2)。
【0052】
制御部60は、ステップ2で当該郵便物Mの搬送方向後端通過を検知した後(ステップ2;YES)、図示しないタイマーをセットして、当該郵便物Mの搬送方向後端が上流側搬送部12を抜けるタイミングを取得する。そして、制御部60は、当該郵便物Mの搬送方向後端が上流側搬送部12を抜けた後、当該郵便物Mの重量測定を適切なタイミングで開始できるように、ドライブローラー2、4に対する駆動力の伝達をやめる(ステップ3)。つまり、このとき、制御部60は、駆動機構50の各押付機構56のモーター59を付勢して、押付ローラー57を図7(b)の位置に配置する。
【0053】
ここで言う適切なタイミングとは、ドライブローラー2、4に対する駆動力の伝達をやめた後、搬送ユニット42に不所望に生じている振動や応力集中が減衰して略無くなるまでの時間経過を指し、より正確な重量測定が可能となるタイミングを言う。なお、この場合、ステップ3で駆動力の伝達をやめるタイミングは、当該郵便物Mの搬送方向後端が上流側搬送部12を抜ける前のタイミングになることもある。
【0054】
この状態で、当該郵便物Mは、自身の慣性力によってフリーな状態で搬送ユニット42を通過される。このとき、搬送ユニット42から当該郵便物Mに搬送力が付与されないので、当該郵便物Mの搬送方向先端が下流側搬送部14に受け渡されるまでの間に、当該郵便物Mの搬送速度は徐々に減速される。しかし、このとき、2組の搬送ローラー対2、3、4、5も自身の慣性力によって一定の周速Vで回転しているため、少なくとも搬送ローラー対から当該郵便物Mの搬送を妨げる力が付与される心配は無い。
【0055】
むしろ、2つのドライブローラー2、4が、弾み車22を備えているため、ドライブローラー2、4の上下ローラー2H、2L、4H、4Lの方が速度低下の割合が低くなることも考えられる。このような場合、搬送速度が低下しようとする郵便物Mに対してドライブローラー2、4から僅かな搬送力が与えられることになり、当該郵便物Mの搬送速度Vが略維持される。
【0056】
いずれにしても、ステップ3で駆動力の伝達をやめた後、制御部60は、上述した適切なタイミングで、搬送ユニット42の重量測定を開始する(ステップ4)。このとき、制御部60は、重量センサー40を介して、当該郵便物Mを搬送中の搬送ユニット42の重量を検出し、演算部64を介して、予め検出しておいた搬送ユニット42だけの重量を差し引いて当該郵便物Mの重量を算出する。
【0057】
当該郵便物Mの重量測定が終了すると(ステップ5;YES)、制御部60は、次の郵便物Mのため、2つのドライブローラー2、4に対する駆動力の伝達を再開する(ステップ6)。つまり、このとき、制御部60は、ステップ1の処理と同様に、駆動機構50の各押付機構56のモーター59を付勢して、押付ローラー57を図7(c)の位置に配置し、搬送ベルト54を2つのドライブローラー2、4の外周面に押し付ける。
【0058】
なお、ステップ6でドライブローラー2、4に対する駆動力の伝達を再開するタイミングは、当該郵便物Mが下流側搬送部14へ完全に受け渡された後のタイミングでなくても良く、当該郵便物Mに対する重量測定が終了していれば少し早いタイミングでも良い。つまり、本実施の形態では、搬送中の郵便物Mの重量を高精度に測定することを目的としているため、重量測定が終了してしまえば、当該郵便物Mに外力が付与されても問題はない。
【0059】
以上、制御部60は、ステップ1からステップ6の処理を、処理対象となる郵便物Mが無くなるまで続け、処理すべき郵便物Mが無くなった時点で(ステップ7;NO)、測定動作を終了する。
【0060】
以上のように、本実施の形態によると、搬送ユニット42がモーターなどの駆動源を搭載していないため、その分、搬送ユニット42を軽量化することができた。また、本実施の形態によると、搬送ユニット42の搬送ローラー対2、3、4、5の回転軸2a、3a、4a、5aをベース7に固設し、且つドリブンローラー3、5の各上下ローラー3H、3L、5H、5Lをスポンジ層を有するゴムローラーにしたため、ドリブンローラーをドライブローラーに押し付けるためのバネなどが不要となり、その分、搬送ユニット42を軽量化することができた。
【0061】
また、本実施の形態によると、搬送ローラー対2、3、4、5の回転軸2a、3a、4a、5aをベース7に対して片持ち梁状態で固設したため、回転軸の両端を保持するためのフレームなどが不要となり、その分、搬送ユニット42を軽量化することができた。さらに、本実施の形態によると、搬送ローラー対2、3、4、5のドリブンローラー3、5をスポンジ層を有するローラーにしたため、ローラー自体の重量も軽くすることができ、その分、搬送ユニット42を軽量化することができた。
【0062】
本実施の形態のように、搬送ユニット42を軽量化することにより、搬送ユニット42に対する郵便物Mの重量の比を比較的大きくすることができ、郵便物Mの重量測定精度を高めることができる。また、搬送ユニット42を軽量化することで、周波数応答を速くすることができ、高分解能で高い応答速度の重量測定が可能となる。
【0063】
また、本実施の形態によると、搬送ユニット42を通過する郵便物Mの重量を測定する直前に、押付ローラー57を図7(b)に示す位置に退避させて、搬送ローラー対2、3、4、5に駆動力を伝達しないようにした。このため、重量測定中に搬送ユニット42に外力が付与されることがなく、付所望な振動が搬送ユニット42に伝えられて重量測定に悪影響を与えることを防止できた。
【0064】
なお、この場合、郵便物Mは、予め一定の周速Vで回転されている搬送ローラー対2、3、4、5によって支えられて搬送ユニット42を通過する。この際、ドライブローラー2、4が弾み車を備えているため、自身の慣性力で搬送ユニット42を通過する郵便物Mの搬送速度が低下しそうになったとき、速度低下を抑えるように搬送を補助する効果も期待できる。
【0065】
また、本実施の形態によると、搬送ユニット42の搬送ローラー対2、3、4、5を回転させるための駆動源として、元々ある別系統の搬送ベルト54を利用した。このため、搬送ユニット42に専用の駆動源を設ける必要がなく、その分、装置の製造コストを低減することができた。
【0066】
さらに、本実施の形態によると、ドライブローラー2、4に駆動力を付与するため、搬送ベルト54を上下ローラー2H、2L、4H、4Lに弾性的に押し付けるようにした。このため、駆動伝達のための構造を弾性的な接触構造とすることができ、駆動機構50をドライブローラー2、4に離接させる際に搬送ユニット42に大きな振動を生じることがない。つまり、本実施の形態によると、郵便物Mの重量測定時に搬送ユニット42が振動してしまう不具合を抑制することができ、その分、郵便物Mの重量を正確に測定することができ、測定精度を向上させることができる。
【0067】
しかし、本実施の形態のように搬送ユニット42の片側からドライブローラー2、4にだけ搬送ベルト54を押し付けると、図9に示すように、搬送ユニット42を支持した重量センサー40の支軸44に図示矢印F方向の抉り力が作用する。このような抉り力は、駆動機構50の押付機構56を動作させる度に生じ、搬送ユニット42を揺らす力となり得る。
【0068】
しかし、このような抉り力は、本実施の形態のように、重量センサーとして6軸力覚センサーを用いることで測定可能であり、郵便物Mの正確な重量測定を妨げるものではない。しかし、重量センサーとして6軸力覚センサーを用いない場合、このような抉り力が重量測定に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0069】
このため、例えば、図10に示すように、ドリブンローラー3、5側にも2組の押付機構56を設けて、抉り力の発生を防止する方法が考えられる。言い換えると、図10に示すように、重量センサー40の支軸44に対して加えられる外力が相殺されるように複数の押付機構56を配置することで、上述した抉り力の発生を防止することができ、比較的高価な6軸力覚センサーを用いることなく、例えば電磁平衡式秤などを重量センサー40として用いることもできる。
【0070】
この他に、押付機構56によって重量センサー40の支軸44に作用する回転モーメント、押付機構56によって重量センサー40の支軸44に発生するモーメント、押付機構56によって重量センサー40の支軸44に付与される合力など、搬送ユニット42に対して外部から付与される外力の少なくとも1つをゼロに近付けることで、重量測定時における誤差の残留や重量測定装置10への負荷を減らすことができる。これにより、重量測定装置10による郵便物Mの重量測定精度を向上させることができ、より正確な測定が可能となる。
【0071】
次に、この発明の第2の実施の形態に係る重量測定装置10について、図11乃至図14を参照して説明する。本実施の形態の重量測定装置10は、2つのドライブローラー2、4に搬送ベルト54の駆動力を伝達するための駆動機構50が単一の押付機構56を有する以外、上述した第1の実施の形態に係る重量測定装置10と略同じ構造を有する。よって、以下の説明では、上述した第1の実施の形態に係る重量測定装置10と同様に機能する構成要素には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0072】
図11に示すように、本実施の形態の重量測定装置10は、2つのドライブローラー2、4に同時に駆動力を伝える単一の押付機構56を有する。実際には、上下ローラー2H、2L、4H、4Lに対応して、2つの押付機構56があるが、ここでは図示の構成だけ代表して説明する。
【0073】
この押付機構56は、第1の実施の形態と同様のもので、搬送ベルト54をドライブローラー2、4の上下ローラー2H、2L、4H、4Lの外周面に押し付ける押付ローラー57、この押付ローラー57を先端に有するアーム58、およびこのアーム58を揺動させるモーター59を有する。
【0074】
この重量測定装置10は、図12に示すように動作する。つまり、郵便物Mが搬送ユニット42へ送り込まれる前の待機状態で、図12(a)に示す位置に押付機構56が動作され、搬送ベルト54が2つのドライブローラー2、4に同時に押し付けられる。これにより、ドライブローラー2、4が周速Vで回転され、ドリブンローラー3、5も同じ周速で回転される。
【0075】
そして、当該郵便物Mが搬送ユニット42上に乗って重量測定可能な状態になる直前に、図12(b)に示す状態に、押付機構56が動作され、ドライブローラー2、4に対する駆動力の伝達が中止される。この後、搬送ローラー対2、3、4、5は、その慣性力によって回転を続ける。この状態で、当該郵便物Mが自身の慣性力によって搬送され、搬送ユニット42とともに重量が測定される。
【0076】
さらに、当該郵便物Mの重量測定が終了すると、押付機構56が図12(c)に示す状態に動作され、2つのドライブローラー2、4に対して搬送ベルト54の駆動力が再び伝達される。以上の動作は、処理対象の郵便物Mが無くなるまで続けられる。
【0077】
以上のように、本実施の形態においても、搬送ユニット42の外側から駆動力を伝達することができ、上述した第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。また、上述した第1の実施の形態と比較して、押付機構56の数を減らしたため、装置構成を簡略化することができ、装置の製造コストをより安価にすることができた。
【0078】
なお、本実施の形態の装置でも、上述した第1の実施の形態と同様に、搬送ユニット42の片側から駆動力を伝達すべく押付ローラー57を片側から押し付けるため、図13に矢印Fで示す抉り力が搬送ユニット42に作用する。すなわち、この抉り力を相殺するためには、図14に示すように、ドリブンローラー3、5側にも別の押付機構56を配置する方法が考えられる。
【0079】
次に、この発明の第3の実施の形態に係る重量測定装置10について、図15乃至図18を参照して説明する。本実施の形態の重量測定装置10は、2つのドライブローラー2、4それぞれに押付ローラー57を直に押し付けて回転させるようにした。これ以外の構造は、上述した第1の実施の形態に係る重量測定装置10と略同じ構造を有する。よって、以下の説明では、上述した第1の実施の形態に係る重量測定装置10と同様に機能する構成要素には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0080】
図15に示すように、本実施の形態の重量測定装置10は、2つのドライブローラー2、4それぞれに駆動力を伝える2つの駆動機構70を有する。実際には、上下ローラー2H、2L、4H、4Lに対応して、合計4つの駆動機構70があるが、ここでは図示の構成だけ代表して説明する。
【0081】
これら駆動機構70は、それぞれ、押付ローラー57をドライブローラー2、4の上下ローラー2H、2L、4H、4Lの外周面に押し付けるとともに、当該押付ローラー57を回転させる。これにより、ドライブローラー2、4に駆動力が伝達され、ドライブローラー2、4が周速Vで回転され、ドリブンローラー3、5も周速Vで回転される。
【0082】
つまり、各駆動機構70は、押付ローラー57を先端に有するアーム58、およびこのアーム58を揺動させるモーター59を有する。また、各駆動機構70は、それぞれ、押付ローラー57を図示矢印方向に回転させるためのモーター72、およびこのモーター72の回転を押付ローラー57に伝えるためのタイミングベルト74を有する。
【0083】
この重量測定装置10は、図16に示すように動作する。つまり、郵便物Mが搬送ユニット42へ送り込まれる前の待機状態で、図16(a)に示す位置に各駆動機構70が動作され、2つの押付ローラー57がそれぞれ対応する2つのドライブローラー2、4に押し付けられる。2つの押付ローラー57は、ドライブローラー2、4に押し付けられる前に、予め周速Vで回転されている。
【0084】
そして、当該郵便物Mが搬送ユニット42上に乗って重量測定可能な状態になる直前に、アーム58が揺動されて2つの駆動機構70が図16(b)に示す状態に動作され、押付ローラー57がドライブローラー2、4から離間されて、ドライブローラー2、4に対する駆動力の伝達が中止される。この時点で、押付ローラー57の回転は継続されている。
【0085】
駆動力の伝達が中止された後、搬送ローラー対2、3、4、5は、その慣性力によって回転を続ける。この状態で、当該郵便物Mが自身の慣性力によって搬送され、搬送ユニット42とともに重量が測定される。
【0086】
さらに、当該郵便物Mの重量測定が終了すると、再びアーム58が揺動されて各駆動機構70が図16(c)に示す状態に動作され、押付ローラー57がドライブローラー2、4に接触され、2つのドライブローラー2、4に対して駆動力が再び伝達される。以上の動作は、処理対象の郵便物Mが無くなるまで続けられる。
【0087】
以上のように、本実施の形態においても、搬送ユニット42の外側から駆動力を伝達することができ、上述した第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。また、上述した第1の実施の形態と比較して、押付ローラー57をドライブローラー2、4に直接押し付ける装置構成としたため、駆動力の伝達および非伝達の切り換え応答速度を速くでき、郵便物Mの高速処理に対応できる。
【0088】
また、第1の実施の形態と比較して、本実施の形態の構成を採用すると、駆動源として別系統の搬送ベルト54を必要としないため、装置レイアウトの自由度を高めることができ、重量測定装置10の配置場所を自由に決めることができる。
【0089】
なお、本実施の形態の装置でも、上述した第1の実施の形態と同様に、搬送ユニット42の片側から駆動力を伝達すべく押付ローラー57を片側から押し付けるため、図17に矢印Fで示す抉り力が搬送ユニット42に作用する。すなわち、この抉り力を相殺するためには、図18に示すように、ドリブンローラー3、5側にも別の駆動機構70を配置する方法が考えられる。
【0090】
図19には、上述した第2の実施の形態の重量測定装置10の変形例を示してある。この重量測定装置10は、郵便物Mの搬送方向に沿って下流側の搬送ローラー対4、5を入れ換えた構造を有する。つまり、この変形例では、搬送路1の図示左側にドリブンローラー5を配置し、搬送路1の図示右側にドライブローラー4を配置した。
【0091】
また、この重量測定装置10は、搬送方向下流側のドライブローラー4に別系統の搬送ベルト54を押し付けるための別の押付機構56を有する。この押付機構56も、ドライブローラー2に対応した押付機構56と同様に機能し、別の搬送ベルト54をドライブローラー4に押し付ける。
【0092】
この変形例では、2つの押付機構56を動作させてドライブローラー2、4に駆動力を伝達すると、図19に矢印Fで示す回転力が搬送ユニット42に付与される。しかし、この回転力は、搬送ベルト54をドライブローラー2、4に押し付けた瞬間に生じるもので、搬送ベルト54の弾性によって次第に減衰する。また、本実施の形態でも、重量センサー40として6軸力覚センサーを用いたため、このような回転力が生じても重量測定に悪影響を及ぼす心配はない。
【0093】
つまり、この変形例に係る重量測定装置10でも、上述した第2の実施の形態の重量測定装置10と同様の効果を奏することができる。
【0094】
図20には、上述した第3の実施の形態の重量測定装置10の変形例を示してある。この重量測定装置10も、郵便物Mの搬送方向に沿って下流側の搬送ローラー対4、5を入れ換えた構造を有する。つまり、この変形例でも、搬送路1の図示左側にドリブンローラー5を配置し、搬送路1の図示右側にドライブローラー4を配置した。
【0095】
また、この重量測定装置10は、下流側の搬送ローラー対のドライブローラー4に駆動力を伝達するための駆動機構70を搬送ユニット42の図示右側にも配置した。この駆動機構70も、ドライブローラー2に対応した駆動機構70と同様に機能し、ドライブローラー4に駆動力を伝達する。
【0096】
この変形例でも、2つの駆動機構70を動作させてドライブローラー2、4に駆動力を伝達すると、図20に矢印Fで示す回転力が搬送ユニット42に付与される。しかし、本実施の形態では、重量センサー40として6軸力覚センサーを用いたため、このような回転力が生じても重量測定に悪影響を及ぼす心配はない。
【0097】
つまり、この変形例に係る重量測定装置10でも、上述した第3の実施の形態の重量測定装置10と同様の効果を奏することができる。
【0098】
次に、この発明の第4の実施の形態に係る重量測定装置10について、図21乃至図24を参照して説明する。なお、ここでも、上述した各実施の形態と同様に機能する構成要素には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0099】
図21には、本実施の形態の重量測定装置10の平面図を示してある。また、図22には、本実施の形態の重量測定装置10の要部断面図を示してある。また、図23には、本実施の形態の重量測定装置10に組み込まれたドライブローラーの駆動源について説明するための図を示してある。さらに、図24には、本実施の形態の重量測定装置10の動作を説明するための動作説明図を示してある。
【0100】
図21に示すように、本実施の形態の重量測定装置10は、郵便物Mの搬送方向に沿って上流側の搬送ローラー対2、3と、搬送方向下流側の搬送ローラー対4、5と、これら2組の搬送ローラー対2、3、4、5の回転軸2a、3a、4a、5aの一端を回転可能に支持したベース7と、を含む搬送ユニット42を有する。
【0101】
本実施の形態では、上流側の搬送ローラー対2、3のうち、ドリブンローラー3を搬送路1の図示左側に配置し、ドライブローラー2を搬送路1の図示右側に配置した。また、下流側の搬送ローラー対4、5のうち、ドライブローラー4を搬送路1の図示左側に配置し、ドリブンローラー5を搬送路1の図示右側に配置した。
【0102】
図22に示すように、2つのドライブローラー2、4は、それぞれ、上ローラー2H、4H、および下ローラー2L、4Lを有する。本実施の形態では、これら上下ローラー2H、2L、4H、4Lは、回転軸2a、4aにそれぞれ回転不能に固設されている。つまり、本実施の形態では、上下ローラー2H、2L、4H、4Lと回転軸2a、4aとの間には、ベアリング6が設けられていない。言い換えると、2つのドライブローラー2、4は、その回転軸2a、4aを回転することで回転される。
【0103】
そして、各ドライブローラー2、4の回転軸2a、4aの基端部は、ベース7を貫通して下方に延びている。さらに、各回転軸2a、4aの基端部には、それぞれ、ドライブローラー2、4を回転させるための駆動源80が設けられている。なお、各回転軸2a、4aとベース7との間には、それぞれ、ベアリング82が設けられている。このベアリング82は、ドライブローラー2、4の重量を支えるとともにドライブローラー2、4を回転可能に支持するスラスト軸受である。
【0104】
図23に示すように、本実施の形態の駆動源80は、例えば気流を受けて回転軸2aを回転させる複数枚の羽根84、これら複数枚の羽根84を非接触で回転可能に収容するとともに、その周方向に気流を発生させるためのチャンバー86、および図示しないポンプなどの気流発生装置88を有する。複数枚の羽根84は、矩形板状であり、回転軸2aから放射状に突設されている。チャンバー86は、複数枚の羽根84を非接触で収容しているため、搬送ユニット42とは別体である。
【0105】
チャンバー86の流入口86aを介してチャンバー86内に空気が送り込まれると、チャンバー86内でその周方向に沿った気流が発生する。チャンバー86内を流れた空気は、排出口86bを介して排出される。この気流により、複数枚の羽根84が押されて、回転軸2aが回転する。気流発生装置88は、制御部60に接続され、チャンバー86内に送り込む空気の量をコントロールすることで、ドライブローラー2の回転速度をコントロールする。なお、ここでは、ドライブローラー2の駆動源80についてのみ図示したが、ドライブローラー4にも同じ駆動源80が取り付けられている。なお、羽根84を回転させる流体は、空気に限らず、水や油であっても良い。
【0106】
上記構造の重量測定装置10は、図24に示すように動作する。
まず、郵便物Mが重量測定装置10に送り込まれる前の待機状態(図24(a)の状態)で、制御部60は、気流発生装置88を動作させて、2つのドライブローラー2、4を周速Vで回転させておく。本実施の形態の駆動源80は、気流によって複数枚の羽根84を押して回転軸2a、4aを回転させるため、ドライブローラー2、4に駆動力を付与している状態でも、回転軸2a、4aに振動が伝わることは殆ど無い。
【0107】
この後、制御部60は、タイミングセンサー62の出力信号に基づいて、重量測定装置10に次に送り込まれる郵便物Mの搬送方向後端が上流側搬送部12を抜けるタイミングを取得して、上述した適切なタイミングでドライブローラー2、4に対する駆動力の伝達を中止する。この状態で、各ドライブローラー2、4は、それぞれ自由回転する。なお、ドライブローラー2、4の上下ローラー2H、2L、4H、4Lが、それぞれ、弾み車22を有するため、駆動力の伝達を中止しても、ドライブローラー2、4は回転を続けようとする。
【0108】
この状態で、搬送速度Vで搬送ユニット42へ送り込まれた当該郵便物Mは、搬送ローラー対2、3、4、5から搬送力を付与されることなく、自身の慣性力によって搬送ユニット42を通過する。このとき、制御部60は、重量センサー40を介して搬送ユニット42の重量を測定し、搬送ユニット42を通過中の郵便物Mの重量を演算部64で算出する。この状態を図24(b)に示す。
【0109】
重量測定の後、制御部60は、図24(c)に示すように、2つのドライブローラー2、4に再び駆動力を付与し、ドライブローラー2、4を周速Vで回転させる。上述したように、本実施の形態では郵便物Mの重量を測定することが目的であるため、郵便物Mの重量測定が終了してしまえば駆動力を伝達しても問題はない。
【0110】
以上のように、本実施の形態によると、上述した各実施の形態と同様に、ドライブローラー2、4に対して搬送ユニット42の外側から駆動力を与えることができるため、郵便物Mの搬送を妨げることなく当該郵便物Mの重量を正確に測定できる。
【0111】
また、本実施の形態によると、ドライブローラー2、4の回転軸2a、4aに取り付けた羽根84に気流を作用させて駆動力を伝達するようにしたため、駆動力を付与している状態でもドライブローラー2、4に対して振動が伝わることが殆ど無い。このため、上述した動作説明では、当該郵便物Mの重量を測定するときに駆動力の伝達を中止したが、駆動力を付与した状態のまま重量測定をしても問題は無い。
【0112】
図25には、この発明の第5の実施の形態に係る重量測定装置10に組み込まれたドライブローラー2の駆動源90の概略図を示してある。この駆動源90は、ドライブローラー2、4それぞれの回転軸2a、4aに設けられるものであるが、ここではドライブローラー2に設けた駆動源90についてのみ代表して説明する。また、ここでは、上述した第4の実施の形態と同様に機能する構成要素には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0113】
本実施の形態の駆動源90は、ベース7を貫通して延びた回転軸2aの基端部に固設された磁石92、この磁石の外側を非接触で囲むように設けられたコイル94、およびこのコイル94に通電するための給電装置96を有する。または、回転軸2aにコイルを取り付けてその外側に磁石を設けても良い。
【0114】
制御部60は、給電装置96を制御してコイル94に流す電流量をコントロールして、回転軸2aの回転速度、すなわちドライブローラー2の周速をコントロールする。つまり、制御部60は、コイル94に流す電流をコントロールして、ドライブローラー2を周速Vで回転させる。
【0115】
なお、本実施の形態では、ドライブローラー2の回転軸2aに、上述したベアリング82の他に、図22に示すベアリング98を設けた。このベアリング98は、回転軸2aに図示上方から重量が加わったとき、その重量を支えないように力を逃がす構造を有する。具体的には、回転軸2a側の円筒体98aの外周に形成した溝の図示上端側が開いており、この円筒体98aが図示下方に移動しようとした際に、溝が球体98bを拘束しないようになっている。逆に、円筒体98aが図示上方に移動しようとした場合には、円筒体98aの溝が球体によって係止されて回転軸2aの移動が止められる。
【0116】
上記構造の重量測定装置10も、図24に示すように動作する。
まず、郵便物Mが重量測定装置10に送り込まれる前の待機状態(図24(a)の状態)で、制御部60は、給電装置96を制御してコイル94に電流を流し、2つのドライブローラー2、4を周速Vで回転させておく。本実施の形態の駆動源90は、電磁力によって回転軸2a、4aを回転させるため、ドライブローラー2、4に駆動力を付与している状態でも、回転軸2a、4aに振動が伝わることは殆ど無い。
【0117】
この後、制御部60は、タイミングセンサー62の出力信号に基づいて、重量測定装置10に次に送り込まれる郵便物Mの搬送方向後端が上流側搬送部12を抜けるタイミングを取得して、上述した適切なタイミングでドライブローラー2、4に対する駆動力の伝達を中止する。つまり、このとき、制御部60は、給電装置96を制御してコイル94への給電をやめる。
【0118】
この状態で、各ドライブローラー2、4は、それぞれ自由回転する。なお、ドライブローラー2、4の上下ローラー2H、2L、4H、4Lが、それぞれ、弾み車22を有するため、駆動力の伝達を中止しても、ドライブローラー2、4は自身の慣性力により回転を続けようとする。
【0119】
この状態で、搬送速度Vで搬送ユニット42へ送り込まれた当該郵便物Mは、搬送ローラー対2、3、4、5から搬送力を付与されることなく、自身の慣性力によって搬送ユニット42を通過する。このとき、制御部60は、重量センサー40を介して搬送ユニット42の重量を測定し、搬送ユニット42を通過中の郵便物Mの重量を演算部64で算出する。この状態を図24(b)に示す。
【0120】
重量測定の後、制御部60は、図24(c)に示すように、2つのドライブローラー2、4に再び駆動力を付与し、ドライブローラー2、4を周速Vで回転させる。上述したように、本実施の形態では郵便物Mの重量を測定することが目的であるため、郵便物Mの重量測定が終了してしまえば駆動力を伝達しても問題はない。
【0121】
以上のように、本実施の形態においても、上述した各実施の形態と同様に、ドライブローラー2、4に対して搬送ユニット42の外側から駆動力を与えることができるため、郵便物Mの搬送を妨げることなく当該郵便物Mの重量を正確に測定できる。
【0122】
また、本実施の形態によると、ドライブローラー2、4の回転軸2a、4aに取り付けた磁石92に電磁力を作用させて駆動力を伝達するようにしたため、駆動力を付与している状態でもドライブローラー2、4に対して振動が伝わることが殆ど無い。このため、上述した動作説明では、当該郵便物Mの重量を測定するときに駆動力の伝達を中止したが、駆動力を付与した状態のまま重量測定をしても問題は無い。
【0123】
なお、この発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、上述した実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせても良い。
【0124】
例えば、上述した実施の形態では、ドライブローラー2、4に弾み車22を組み込んだ場合について説明したが、これに限らず、ドリブンローラー3、5に弾み車22を組み込んでも良く、或いは全てのローラーに弾み車22を組み込んでも良い。
【0125】
また、上述した実施の形態では、紙葉類として郵便物Mの重量を測定する場合について説明したが、重量測定対象となる紙葉類はこれに限るものではない。
【0126】
また、上述した実施の形態では、2組の搬送ローラー対2、3、4、5を備えた搬送ユニット42について説明したが、これに限らず、搬送ユニット42は、少なくとも1組の搬送ローラー対を備えていれば良い。また、搬送ユニット42のベース7は発明に必須の構成要件ではなく、搬送ローラー対2、3、4、5も搬送ベルトなど別の構成に置き換えても良い。
【符号の説明】
【0127】
1…搬送路、2、4…ドライブローラー、3、5…ドリブンローラー、2a、3a、4a、5a…回転軸、2H、3H、4H、5H…上ローラー、2L、3L、4L、5L…下ローラー、6…ベアリング、7…ベース、10…重量測定装置、12…上流側搬送部、14…下流側搬送部、22…弾み車、24、36…ゴム層、34…スポンジ層、50…駆動機構、54…搬送ベルト、56…押付機構、60…制御部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定されるべき紙葉類を搬送する搬送路と、
この搬送路の途中に設けられ、搬送される紙葉類に駆動力を与えることなく当該紙葉類に接触して連れ回ることで当該紙葉類の重量を支えつつその回転方向に送る搬送ユニットと、
紙葉類の重量を支えて送っている状態の上記搬送ユニットの重量を測定する秤と、
を有する重量測定装置。
【請求項2】
上記搬送ユニットに紙葉類が送り込まれる前に、当該紙葉類の搬送速度と同じ速度で上記搬送ユニットを予め回転させるように、上記搬送ユニットに駆動力を与える、上記搬送ユニットと別体に設けられた駆動源をさらに有する請求項1に記載の紙葉類の重量測定装置。
【請求項3】
上記秤が上記搬送ユニットの重量を測定していないとき、当該搬送ユニットに駆動力を与えるように、上記駆動源を当該搬送ユニットに接続する制御部をさらに有する請求項2に記載の紙葉類の重量測定装置。
【請求項4】
上記搬送ユニットに駆動力を伝える際に当該搬送ユニットに作用する応力を相殺する位置に上記駆動源を配置した請求項3に記載の紙葉類の重量測定装置。
【請求項5】
上記搬送ユニットに駆動力を与える、上記搬送ユニットと非接触状態に設けられた駆動源をさらに有する請求項1に記載の紙葉類の重量測定装置。
【請求項6】
上記駆動源は、流体の力を利用して上記搬送ユニットに駆動力を与える請求項5に記載の紙葉類の重量測定装置。
【請求項7】
上記駆動源は、電磁力を作用させて上記搬送ユニットに駆動力を与える請求項5に記載の紙葉類の重量測定装置。
【請求項8】
上記搬送ユニットは、紙葉類を挟持してその送り方向に連れ回る少なくとも1組の搬送ローラー対を有し、この搬送ローラー対の少なくとも一方が弾み車を備えている請求項1に記載の紙葉類の重量測定装置。
【請求項9】
紙葉類を一定速度で搬送する搬送路と、
この搬送路を介して搬送された紙葉類の重量を測定する重量測定装置と、
この重量測定装置で測定された重量に基づいて当該紙葉類を処理する処理部と、を有し、
上記重量測定装置は、
上記搬送路を介して搬送される紙葉類に接触して連れ回ることで当該紙葉類の重量を支えつつその回転方向に送る搬送ユニットと、
紙葉類の重量を支えて送っている状態の上記搬送ユニットの重量を測定する秤と、
を有する紙葉類処理装置。
【請求項10】
上記搬送ユニットに紙葉類が送り込まれる前に、当該紙葉類の搬送速度と同じ速度で上記搬送ユニットを予め回転させるように、上記搬送ユニットに駆動力を与える、上記搬送ユニットと別体に設けられた駆動源をさらに有する請求項9に記載の紙葉類処理装置。
【請求項11】
上記秤が上記搬送ユニットの重量を測定していないとき、当該搬送ユニットに駆動力を与えるように、上記駆動源を当該搬送ユニットに接続する制御部をさらに有する請求項10に記載の紙葉類処理装置。
【請求項12】
上記搬送ユニットに駆動力を伝える際に当該搬送ユニットに作用する応力を相殺する位置に上記駆動源を配置した請求項11に記載の紙葉類処理装置。
【請求項13】
上記搬送ユニットに駆動力を与える、上記搬送ユニットと非接触状態に設けられた駆動源をさらに有する請求項9に記載の紙葉類処理装置。
【請求項14】
上記駆動源は、流体の力を利用して上記搬送ユニットに駆動力を与える請求項13に記載の紙葉類処理装置。
【請求項15】
上記駆動源は、電磁力を作用させて上記搬送ユニットに駆動力を与える請求項13に記載の紙葉類処理装置。
【請求項16】
上記搬送ユニットは、紙葉類を挟持してその送り方向に連れ回る少なくとも1組の搬送ローラー対を有し、この搬送ローラー対の少なくとも一方が弾み車を備えている請求項9に記載の紙葉類処理装置。
【請求項17】
紙葉類が送り込まれる前に、搬送ローラー対に駆動力を与えて、当該紙葉類の搬送速度と同じ周速で当該搬送ローラー対を予め回転させておき、
上記搬送ローラー対によって支持された状態の当該紙葉類の重量を測定する前に、上記搬送ローラー対に対する駆動力の付与をやめて、
上記駆動力が付与されていない搬送ローラー対によって支持された状態の当該紙葉類の重量を当該搬送ローラー対の重量とともに測定する紙葉類の重量測定方法。
【請求項18】
上記紙葉類の重量を量った後、次の紙葉類の重量を測定するため、上記駆動力を上記搬送ローラー対に再び付与して、当該搬送ローラー対を紙葉類の搬送速度と同じ周速にする請求項17に記載の紙葉類の重量測定方法。
【請求項1】
測定されるべき紙葉類を搬送する搬送路と、
この搬送路の途中に設けられ、搬送される紙葉類に駆動力を与えることなく当該紙葉類に接触して連れ回ることで当該紙葉類の重量を支えつつその回転方向に送る搬送ユニットと、
紙葉類の重量を支えて送っている状態の上記搬送ユニットの重量を測定する秤と、
を有する重量測定装置。
【請求項2】
上記搬送ユニットに紙葉類が送り込まれる前に、当該紙葉類の搬送速度と同じ速度で上記搬送ユニットを予め回転させるように、上記搬送ユニットに駆動力を与える、上記搬送ユニットと別体に設けられた駆動源をさらに有する請求項1に記載の紙葉類の重量測定装置。
【請求項3】
上記秤が上記搬送ユニットの重量を測定していないとき、当該搬送ユニットに駆動力を与えるように、上記駆動源を当該搬送ユニットに接続する制御部をさらに有する請求項2に記載の紙葉類の重量測定装置。
【請求項4】
上記搬送ユニットに駆動力を伝える際に当該搬送ユニットに作用する応力を相殺する位置に上記駆動源を配置した請求項3に記載の紙葉類の重量測定装置。
【請求項5】
上記搬送ユニットに駆動力を与える、上記搬送ユニットと非接触状態に設けられた駆動源をさらに有する請求項1に記載の紙葉類の重量測定装置。
【請求項6】
上記駆動源は、流体の力を利用して上記搬送ユニットに駆動力を与える請求項5に記載の紙葉類の重量測定装置。
【請求項7】
上記駆動源は、電磁力を作用させて上記搬送ユニットに駆動力を与える請求項5に記載の紙葉類の重量測定装置。
【請求項8】
上記搬送ユニットは、紙葉類を挟持してその送り方向に連れ回る少なくとも1組の搬送ローラー対を有し、この搬送ローラー対の少なくとも一方が弾み車を備えている請求項1に記載の紙葉類の重量測定装置。
【請求項9】
紙葉類を一定速度で搬送する搬送路と、
この搬送路を介して搬送された紙葉類の重量を測定する重量測定装置と、
この重量測定装置で測定された重量に基づいて当該紙葉類を処理する処理部と、を有し、
上記重量測定装置は、
上記搬送路を介して搬送される紙葉類に接触して連れ回ることで当該紙葉類の重量を支えつつその回転方向に送る搬送ユニットと、
紙葉類の重量を支えて送っている状態の上記搬送ユニットの重量を測定する秤と、
を有する紙葉類処理装置。
【請求項10】
上記搬送ユニットに紙葉類が送り込まれる前に、当該紙葉類の搬送速度と同じ速度で上記搬送ユニットを予め回転させるように、上記搬送ユニットに駆動力を与える、上記搬送ユニットと別体に設けられた駆動源をさらに有する請求項9に記載の紙葉類処理装置。
【請求項11】
上記秤が上記搬送ユニットの重量を測定していないとき、当該搬送ユニットに駆動力を与えるように、上記駆動源を当該搬送ユニットに接続する制御部をさらに有する請求項10に記載の紙葉類処理装置。
【請求項12】
上記搬送ユニットに駆動力を伝える際に当該搬送ユニットに作用する応力を相殺する位置に上記駆動源を配置した請求項11に記載の紙葉類処理装置。
【請求項13】
上記搬送ユニットに駆動力を与える、上記搬送ユニットと非接触状態に設けられた駆動源をさらに有する請求項9に記載の紙葉類処理装置。
【請求項14】
上記駆動源は、流体の力を利用して上記搬送ユニットに駆動力を与える請求項13に記載の紙葉類処理装置。
【請求項15】
上記駆動源は、電磁力を作用させて上記搬送ユニットに駆動力を与える請求項13に記載の紙葉類処理装置。
【請求項16】
上記搬送ユニットは、紙葉類を挟持してその送り方向に連れ回る少なくとも1組の搬送ローラー対を有し、この搬送ローラー対の少なくとも一方が弾み車を備えている請求項9に記載の紙葉類処理装置。
【請求項17】
紙葉類が送り込まれる前に、搬送ローラー対に駆動力を与えて、当該紙葉類の搬送速度と同じ周速で当該搬送ローラー対を予め回転させておき、
上記搬送ローラー対によって支持された状態の当該紙葉類の重量を測定する前に、上記搬送ローラー対に対する駆動力の付与をやめて、
上記駆動力が付与されていない搬送ローラー対によって支持された状態の当該紙葉類の重量を当該搬送ローラー対の重量とともに測定する紙葉類の重量測定方法。
【請求項18】
上記紙葉類の重量を量った後、次の紙葉類の重量を測定するため、上記駆動力を上記搬送ローラー対に再び付与して、当該搬送ローラー対を紙葉類の搬送速度と同じ周速にする請求項17に記載の紙葉類の重量測定方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2011−247697(P2011−247697A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−119758(P2010−119758)
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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