説明

紙葉類処理装置

【課題】 本発明は、紙葉類処理装置における紙葉類の搬送路上、特に給紙部及び検査部で飛散する紙葉類の異物を除去するための機構に関するものである。
【解決手段】 一定枚数に積層された紙葉類から1枚ずつ取り出す給紙手段を備えた給紙部と、その給紙部にて取り出した紙葉類の検査を行う光学式センサを備えた検査部を少なくとも有する紙葉類処理装置において、少なくとも一つの圧縮空気噴出手段と、それに対応するように異物吸引手段を備えたことを特徴とする紙葉類処理装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙葉類処理装置における紙葉類の搬送路上、特に給紙部及び検査部で飛散する紙葉類の異物を除去する手段に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、用紙上に複数の同一画像、例えば、4×5面の20面に配置し、印刷された大判模様印刷物を1面ずつに断裁すると、小切20枚の紙葉類となる。これら大量の紙葉類を処理するには、紙葉類処理装置にて検査及び結束処理される。前述の紙葉類処理装置は、供給部、給紙部、検査部、集積部及び排出部から成る。そして、紙葉類は、供給部にて順次給紙部へ供給される。紙葉類処理装置内には、搬送ローラと、その搬送ローラに当接した無端の搬送ベルトが複数個所に配置されている。次に、給紙部にて紙葉類は、搬送ベルトにて上部と下部を挟持され、搬送ローラの回転に伴い紙葉類処理装置内を搬送する。さらに、紙葉類は、給紙部から検査部に搬送され正損判定される。その正損判定にて正紙と判定された紙葉類は、集積部に搬送され所定枚数ごとに結束処理した後、排出部から紙葉類処理装置から排出される。
【0003】
紙葉類処理装置における給紙部及び検査部では、投光部と光透過ガラスを備えた受光部から成る光学式センサが設置されている。給紙部に設置された光学式センサは、紙葉類の搬送間隔不良及び重送等の搬送状態における不良検出を目的としている。検出方法は、投光部から搬送中の紙葉類に照射光を照射し、受光部にて紙葉類を透過した光の強度を読み取る。前述の強度をあらかじめ設定されている設定データと比較することにより、紙葉類の搬送状態における不良検出をしている。
【0004】
一方、紙葉類処理装置における検査部に設置された光学式センサは、紙葉類に印刷された表面画像及び裏面画像等の正損判定を目的としている。前述の正損判定方法は、投光部から搬送中の紙葉類に照射光を照射し、受光部にて紙葉類からの反射光及び透過光を画像として読み取る。その画像を読取画像とし、あらかじめ記憶されている記憶画像と比較することで、紙葉類の正損判定を行っている。
【0005】
ところで、印刷する前の用紙には、パルプ繊維等の紙料、サイズ剤及びてん料等の添加剤が配合されている。そのため、大判模様印刷物を小切れにするための断裁工程後においては、紙葉類の断裁面に異物が付着することがある。なお、用紙中に含まれる微細な紙料、サイズ剤及び添加剤等を意味する紙粉、ゴミ及びインキかす等を総称して以下『異物』という。紙葉類が紙葉類処理装置内を搬送すると、断裁面に付着した異物が飛散する。光学式センサは、投光部及び受光部に異物が付着及び堆積することで、誤検出及び画像の読み取り不良等が発生する。給紙部に設置された光学式センサにおいては、誤検出が原因による紙葉類処理装置のジャム停止が発生している。また、検査部に設置された光学式センサにおいては、投光部及び受光部に付着することで紙葉類に印刷された画像の読み取り不良が発生し、正損判定不良が生じている。このため、従来から紙葉類処理装置には、様々な異物除去手段が備えられている。
【0006】
例えば、特許文献1には、紙葉類の画像を読取る発光部及び受光部とから成る読み取り装置において、発光部及び受光部近傍に、コンプレッサと接続したエアノズルを設置した紙粉除去方法が開示されている。紙粉除去方法としては、紙葉類搬送中に発光部及び受光部にエアノズルから直接圧縮空気を吹き付け、紙粉を吹き飛ばし、飛散させている。
【0007】
また特許文献2には、シートが伸縮するような湾曲手段と、湾曲手段に当接したファーベルトから成る異物吸着ベルトと、異物吸引装置を搬送路上に設けた異物除去装置が開示されている。そのシートが、湾曲手段と異物吸着ベルト間を通過することで湾曲し、異物の一部が浮き上がった状態となり、シートから離脱しやすくなる。この状態で異物吸着ベルトをシート全面に当接させることで、異物をシートから異物吸着ベルトに転移させる。その異物を異物吸着ベルトに付設した異物吸引装置にて吸引し、除去を行っている。
【0008】
【特許文献1】特開2000−76515号
【特許文献2】特開2005−263381号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に開示されている紙粉除去方法では、エアノズルからの圧縮空気により発光部及び受光部から吹き飛ばし、飛散させた紙粉の回収手段がない。そのため、紙粉は、紙葉類処理装置内から除去されず再度装置駆動中に飛散し、発光部及び受光部に再付着することで、紙葉類の画像の読み取り不良を引き起こすおそれがある。
【0010】
また、特許文献2に開示されている異物除去装置では、異物吸着ベルトをシート全面に当接させ、除去している。そのため、シート上の画像が異物吸着ベルトに転写しやすい。さらに、異物除去装置を連続的に稼動することにより、画像が転写した異物吸着ベルトからシートに逆転写することで、表裏に汚れが発生するおそれがある。また、異物吸着ベルトにおけるシートとの当接部は、汚れ及び磨耗も激しくなる。
【0011】
本発明は、上記課題の解決を目的とするものであり、具体的には紙葉類処理装置に、圧縮空気噴出手段と、それに対応して異物吸引手段を備えることによって、紙葉類に付着した異物、特に紙粉を確実に除去すると共に、光学式センサに異物が付着することを起因とする誤検出及び画像の読取不良を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述の目的を達成するために、請求項1の発明は、一定枚数に積層された紙葉類から1枚ずつ取り出す給紙手段を備えた給紙部と、給紙部にて取り出した紙葉類の検査を行う光学式センサを備えた検査部を少なくとも有する紙葉類処理装置であって、少なくとも一つの圧縮空気噴出手段と、それに対応して異物吸引手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項2の発明は、請求項1記載の紙葉類処理装置において、検査部における光学式センサ近傍に、少なくとも一つの圧縮空気噴出手段と、それに対応して異物吸引手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項3の発明は、請求項1記載の紙葉類処理装置において、給紙部における給紙手段近傍に、少なくとも一つの圧縮空気噴出手段と、それに対応して異物吸引手段を備えたことを特徴とする。
【0015】
さらに、請求項4の発明は、請求項1記載の紙葉類処理装置において、検査部手前における給紙部に、少なくとも一つの圧縮空気噴出手段と、それに対応した異物吸引手段から成るエアーカーテン装置を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
紙葉類処理装置における紙葉類の搬送路上において、紙葉類に付着した異物を吸引除去することで、光学式センサの誤検出及び画像の読み取り不良を低減できる。
【0017】
また、異物除去能力が大幅に向上することで、紙葉類処理装置内の清掃を行う際における作業負担と清掃時間を短縮及び軽減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明にかかわる紙葉類処理装置に、圧縮空気噴出手段と異物吸引手段を設けた一実施形態を示す側面図である。図2は、本発明にかかわる紙葉類処理装置における給紙部に、圧縮空気噴出手段、異物吸引手段及びエアーカーテン装置を設けた一実施形態を示す側面図である。図3は、本発明にかかわる紙葉類処理装置の給紙部に設けた吸引ノズル斜視図である。図4は、本発明に係わる紙葉類処理装置の給紙部及び検査部に備えた光学式センサ近傍に設けた異物吸引手段及び圧縮空気噴出手段側面図である。
【0019】
図1は、紙葉類処理装置(D)に圧縮空気噴出手段と異物吸引手段を設けた一実施形態を示す側面図である。紙葉類処理装置(D)は、供給部(1)、給紙部(2)、検査部(3)、集積部(4)及び排出部(図示せず)より構成されている。まず、供給部(1)において、一定枚数に積層した紙葉類束(P1)をセットし、給紙部(2)へと順次供給する。給紙部(2)に供給された紙葉類束(P1)は、所定の位置まで搬送された後、紙葉類(P)を1枚ずつ給紙手段により取り出す。取り出した紙葉類(P)は、搬送ベルト(b)に上部及び下部を挟持され、紙葉類処理装置(D)内を図示した矢印方向に搬送され、光学式センサ(15)にて紙葉類(P)の搬送間隔不良及び重送等の搬送状態における不良検出を行う。光学式センサ(15)にて適正と判断された紙葉類(P)は、検査部(3)へ搬送される。搬送された紙葉類(P)は、検査部(3)に設置された光学式センサ(16)にて、紙葉類(P)の表面画像及び裏面画像等の正損判定を行い、正紙と判定された紙葉類(P)は、集積部(4)へと搬送される。集積部(4)にて一定枚数に積層された紙葉類(P)は、結束手段にてあらかじめ設定された所定枚数ごとに結束処理される。結束処理された紙葉類(P)は、排出部(図示せず)より紙葉類処理装置(D)から排出される。
【0020】
図2は、紙葉類処理装置(D)における給紙部(2)に、圧縮空気噴出手段、異物吸引手段及びエアーカーテン装置を設けた一実施形態を示す側面図である。給紙部(2)における圧縮空気噴出手段は、エアー噴出ノズル(7)とし、異物吸引手段は、吸引ノズル(5、6、8、9)とする。供給部(1)から供給された紙葉類束(P1)から、給紙部(2)の給紙手段である給紙ロータ(10)に,順次1枚ずつ紙葉類(P)を取り出す。取り出された紙葉類(P)は、搬送ベルト(b)に上部と下部を挟持され、複数個配置された搬送ローラ(d)の回転に伴い紙葉類処理装置(D)内を搬送する。給紙ロータ(10)近傍に、集塵機(図示せず)と接続した吸引ノズル(5、6)を設ける。前述の集塵機を動作させることで、吸引ノズル(5、6)の開口部から、搬送する紙葉類(P)表面を吸引し、異物を除去する。吸引ノズル(5、6)を通過した紙葉類(P)は、光学式センサ(15)近傍の搬送路へと搬送される。
【0021】
光学式センサ(15)近傍に、コンプレッサ(図示せず)と接続したエアー噴出ノズル(7)と、集塵機(図示せず)に接続した吸引ノズル(8)を設ける。前述のコンプレッサを動作させることで、エアー噴出ノズル(7)の開口部から、光透過ガラス(15c)に圧縮空気を吹き付ける。圧縮空気により浮上した異物を、集塵機の動作により吸引ノズル(8)の開口部から吸引し、除去する。光学式センサ(15)にて、紙葉類(P)の搬送間隔不良及び重送等の搬送状態における不良検出が行われ、適正と判断された紙葉類(P)は、搬送路湾曲部に搬送される。搬送路湾曲部おいて、集塵機(図示せず)に接続した吸引ノズル(9)を設ける。紙葉類(P)は、搬送路湾曲部を通過することで、しごかれ、異物が落下しやすくなる。この状態で集塵機を動作させることで、吸引ノズル(9)の開口部から効率的に異物を吸引し、除去する。
【0022】
図3は、紙葉類処理装置(D)の給紙部(2)に設けた吸引ノズル(5、6、9)斜視図である。吸引ノズル(5、6、9)における吸引風量は、仮に、紙葉類(P)の大きさを長辺方向160mm、短辺方向76mmとし、吸引ノズル(5、6、9)における開口部の面積(S)を24cm及び平均風速を5.2m/sとした場合、0.6〜1m/minの範囲内とすることが好ましい。L1は76〜80mm、L2は5〜30mmの範囲内で、それぞれ適宜設定すればよい。また、吸引ノズル(5、6、9)と集塵機(図示せず)を接続する部材の径Rは30mm程度とすることが好ましい。なお、吸引ノズルの開口部の大きさ及び吸引ノズルと集塵機を接続する部材の経Rについての詳細な説明は、後述する。
【0023】
吸引ノズル(5、6、9)における開口部と、その開口部近傍の搬送路を通過する紙葉類(P)表面との間隔は、30mm程度とする。開口部は搬送路の下部にあればよい。
【0024】
吸引ノズル(9)近傍を通過した紙葉類(P)は、圧縮空気噴出手段と、それに対応して異物吸引手段とから成るエアーカーテン装置(13)近傍を通過し、検査部(3)へと搬送される。エアーカーテン装置(13)における圧縮空気噴出手段はエアー噴出ノズル(11)とし、異物吸引手段は吸引ノズル(12)とする。エアー噴出ノズル(11)はコンプレッサ(図示せず)に、吸引ノズル(12)は集塵機(図示せず)に、それぞれ接続されている。
【0025】
エアー噴出ノズル(11)は、開口部からイオン化空気を噴出し、紙葉類(P)と付着した異物との間に発生した静電気を除電する。除電した異物は、紙葉類(P)から落下しやすくなり、効率的に除去することができる。また、エアー噴出ノズル(11)と対向する位置に吸引ノズル(12)を設けたことで、異物の検査部(3)への侵入及び紙葉類処理装置(D)内を飛散することなく、吸引除去することができる。紙葉類(P)は、エアーカーテン装置(13)近傍の搬送路を通過後、検査部(3)へと搬送される。
【0026】
図4は、紙葉類処理装置(D)の給紙部(2)及び検査部(3)に備えた光学式センサ(15、16)近傍に設けた異物吸引手段及び圧縮空気噴出手段側面図である。光学式センサ(15、16)近傍に設けた異物吸引手段は、吸引ノズル(8、14)とし、圧縮空気噴出手段はエアー噴出ノズル(7、17)とする。光学式センサ(15、16)は、投光部(15a、16a)と光透過ガラス(15c、16c)で保護された受光部(15b、16b)から成る。投光部(15a、16a)と受光部(15b、16b)は、紙葉類(P)の搬送路を介し対向する位置に設ける。光学式センサ(15、16)近傍に、集塵機(図示せず)に接続された吸引ノズル(8、14)及びコンプレッサ(図示せず)に接続されたエアー噴出ノズル(7、17)を設ける。エアー噴出ノズル(7、17)から、圧縮空気を異物が付着した光透過ガラス(15c、16c)の表面に噴出する。圧縮空気により浮上した異物を、吸引ノズル(8、14)における開口部から吸引し、除去することで、受光部(15b、16b)の誤検出及び画像の読み取り不良を防ぐ。エアー噴出ノズル(7、17)及び吸引ノズル(8、14)は、紙葉類処理装置(D)稼動中連続的に稼動する。
【0027】
ところで、紙葉類処理装置(D)においては、紙葉類(P)が供給部(1)において紙葉類束(P1)として供給され、紙葉類束(P1)すべてを供給し、排出部に搬送した後、新たな紙葉類束(P1)が供給部(1)から供給され始めるまでに処理準備時間が発生する。その処理準備時間を本発明におけるインターバル時間とし、吸引ノズル(8、14)及びエアー噴出ノズル(7、17)は、インターバル時間において動作させてもよい。インターバル時間における吸引ノズル(8、14)及びエアー噴出ノズル(7、17)の動作時間は、1〜5sまでの間でそれぞれ適宜設定すればよい。
【0028】
吸引ノズル(8、14)における吸引風量及びエアー噴出ノズル(7、17)における噴出風量は、紙葉類(P)の搬送不良を引き起こさない範囲において、異物を除去できる程度に適宜設定することができる。仮に、紙葉類(P)の大きさを長辺方向160mm、短辺方向76mmとし、吸引ノズル(8、14)及びエアー噴出ノズル(7、17)における開口部の面積を、それぞれ24cmとした場合、吸引ノズル(8、14)においては、平均風速を7.4m/sとした場合は、0.7〜0.8m/minとすることが好ましい。また、エアー噴出ノズル(7、17)においては、平均風速を1.0m/sとした場合は、0.1〜0.3m/minとすることが好ましい。
【0029】
吸引ノズル(8、14)における吸引風量が0.8m/minより多い場合又はエアー噴出ノズル(7、17)における噴出風量が0.3m/minより多い場合は、搬送中の紙葉類(P)及び紙葉類(P)を挟持している搬送ベルト(b)が吸引風流で波打ち、それに伴い紙葉類(P)の搬送不良を引き起こすことがあり、好ましくない。紙葉類(P)が搬送不良状態となることで、紙葉類(P)に印刷された画像及び紙葉類(P)の搬送間隔不良及び重送等を光学式センサ(15、16)が読み取る際に、誤検出及び読み取り不良を引き起こすことがある。また、吸引ノズル(8、14)における吸引風量が0.7m/minより少ない場合又はエアー噴出ノズル(7、17)における噴出風量が0.1m/minより少ない場合は、光透過ガラス(15c、16c)表面から十分に紙粉除去を行えないことがあり、好ましくない。
【0030】
また、吸引ノズル(8、14)及びエアー噴出ノズル(7、17)における開口部は、搬送される紙葉類(P)に対して、搬送方向に垂直となる面の長さとほぼ同等又はそれ以上とし、紙葉類全面が開口部上を通過できる程度の大きさとすれば良く、具体的な大きさは、紙葉類により異なるため、異物を除去できる程度に適宜設定することができる。仮に、紙葉類(P)の大きさを長辺方向160mm、短辺方向76mmとし、搬送方向を長辺方向とすると、搬送方向に対して垂直となる面が短辺方向76mmとなるため、開口部は、図3に示すように、長辺方向L1を76〜80mm及び短辺方向L2を5〜30mmとすることができる。なお、この場合の開口部の短辺方向L2の長さは、特に限定されるものではく、また、開口部の形状についても、異物を除去できる形状であれば良く、前述のように長方形に限らず、正方形、円形又は楕円形と適宜設定すれば良い。
【0031】
吸引ノズル(8、14)と集塵機(図示せず)及びエアー噴出ノズル(7、17)とコンプレッサ(図示せず)を接続する部材の径は、本実施の形態では、それぞれ30mm程度とし、吸引ノズル(8、14)及びエアー噴出ノズル(7、17)における開口部と光透過ガラス(15c、16c)表面との間隔も30mmとしたが、いずれも特に限定されるものではない。
【0032】
検査部(3)の光学式センサ(16)において損紙と判定された紙葉類(P)は、集積部(4)にて異常紙葉類集積箇所(図示せず)に搬送されて集積される。これに対し、正紙と判定された紙葉類(P)は、集積部(4)にて所定枚数ごとに結束処理をした後、排出部(図示せず)により紙葉類処理装置(D)から排出される。
【0033】
なお、紙葉類(P)に付着した異物の量は、用紙に配合する紙料、添加剤等の種類と添加量及び使用するインキ等により異なるため、必ずしもこの範囲に吸引ノズル(5、6、8、9、14)エアーカーテン装置(13)、エアー噴出ノズル(7、17)の動作時間、吸引風量及び設置箇所は限定されるものではない。また、前述の実施形態における吸引ノズル(5、6、8、9、14)、エアー噴出ノズル(7、17)、及びエアーカーテン装置(13)は、複数台及び複数箇所に設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明にかかわる紙葉類処理装置に圧縮空気噴出手段及び異物吸引手段を設けた一実施形態を示す側面図。
【図2】本発明にかかわる紙葉類処理装置の給紙部に、圧縮空気噴出手段、異物吸引手段及びエアーカーテン装置を設けた一実施形態を示す側面図。
【図3】本発明にかかわる紙葉類処理装置の給紙部に設けた吸引ノズル斜視図。
【図4】本発明にかかわる紙葉類処理装置の給紙部及び検査部に備えた光学式センサ近傍に設けた異物吸引手段及び圧縮空気噴出手段側面図。
【符号の説明】
【0035】
1 供給部
2 給紙部
3 検査部
4 集積部
5、6、8、9、12、14 吸引ノズル
10 給紙ロータ
7、11、17 エアー噴出ノズル
13 エアーカーテン装置
15、16 光学式センサ
15a、16a 投光部
15b、16b 受光部
15c、16c 光透過ガラス
D 紙葉類処理装置
d 搬送ローラ
b 搬送ベルト
P1 紙葉類束
P 紙葉類

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定枚数に積層された紙葉類から1枚ずつ取り出す給紙手段を備えた給紙部と、前記給紙部にて取り出した紙葉類の検査を行う光学式センサを備えた検査部を少なくとも有する紙葉類処理装置において、
少なくとも一つの圧縮空気噴出手段と、それに対応するように異物吸引手段を備えたことを特徴とする紙葉類処理装置。
【請求項2】
前記検査部における光学式センサ近傍に、少なくとも一つの圧縮空気噴出手段と、それに対応するように異物吸引手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の紙葉類処理装置。
【請求項3】
前記給紙部における給紙手段近傍に、少なくとも一つの圧縮空気噴出手段と、それに対応するように異物吸引手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の紙葉類処理装置。
【請求項4】
前記検査部手前における前記給紙部に、少なくとも一つの圧縮空気噴出手段と、それに対応するように異物吸引手段から成るエアーカーテン装置を備えたことを特徴とする請求項1、2又は3記載の紙葉類処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−290789(P2008−290789A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−135053(P2007−135053)
【出願日】平成19年5月22日(2007.5.22)
【出願人】(303017679)独立行政法人 国立印刷局 (471)
【Fターム(参考)】