説明

紙製トレイ

【課題】 充分な強度及び外観を維持しつつ、積み重ねても嵩張ることがない。
【解決手段】 紙製トレイ10は、底部12と、この底部12から立ち上がる壁部14を有している。この壁部14は、展開状態において底部から四方に延びる複数の壁部用紙片10aを各々折り曲げて形成され、相互に向かい合う第1の1対の壁部14Aと、この第1の1対の壁部14Aの一部に上方から重って相互に向かい合う第2の1対の壁部14Bとから成る。この壁部14は、壁部用紙片10aを展開状態から外側へ向けて2回折り曲げて形成された縁面部16を頂上に有し、かつ、壁部14は、底部12から外側に向けて傾斜して立ち上がっている。壁部14を組み付けた状態において第1の壁部用紙片10a1の一部と第2の壁部用紙片10a2の一部とを第1及び第2の壁部用紙片10aが展開状態に復元しようとする復元力により相互に係合させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、お寿司等の食品を収納する受け皿状の紙製トレイの改良に関し、特に、充分な組み付け強度を確保しつつ見栄えを維持し、積み重ねても嵩張らない紙製トレイに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、お寿司や弁当等は、一般的に、プラスチック製の桶や重箱等に収納されて、出前されることが一般的であったが、近年においては、空になった桶等を回収する手間と時間を回避するため、届け先で簡易に廃棄処分をすることができるように、紙製の重箱等の紙製の器に収納されて届けられることが多くなってきた。
【0003】
この場合、例えば、お寿司を提供する寿司屋等においては、特に、繁忙期においては、注文に対し迅速に対応することができるように、予め、蓋をしていない状態の受け箱を組み立てた上で、これらの受け箱を積み重ねておくことが行われる。
【0004】
しかし、このような受け箱の壁部(側面部)は、通常、垂直面に設定されていたため、積み重ねの段数が増加するに連れ、高さが嵩張り、不必要にスペースを占拠する問題があった。また、上の段の受け箱は、下の受け箱の上に単に載置されていただけであったため、軽い接触でも段がずれたり、崩れる問題もあった。また、この積み重ねの不安定さを考慮すると、積み重ねる受け箱の段数が制限され、予め充分な個数の受け箱を準備しておくことができない問題があった。
【0005】
この問題を解決するためには、受け箱の壁面を外側に向けて傾斜させて受け皿状の紙製トレイとすることが考えられる(例えば、特許文献1乃至5等参照)。即ち、壁面を傾斜させることで、下の段のトレイの内部に上の段のトレイを収納し、下の段のトレイの壁面により上の段のトレイの底面を支持して積み重ねることにより、積み重ねた段の高さを低く抑えることができる。
【0006】
しかし、従来の壁面を傾斜させた紙製トレイは、壁面に横方向の厚み、即ち、壁面の頂上部に縁面部が存在しないため、壁面の強度が低く、積み重ねの高さが高くなるに連れ下方の紙製トレイの壁面が次第に外に倒れる等して変形したり、その結果、折角組み付けた紙製トレイが破損したり、積み重ねが崩れるおそれがあった。特に、樹脂製等のトレイであればともかく、紙製のトレイの場合には荷重をかけると壁面が変形しやすい点が難点であった。
【0007】
この場合、壁面の頂上に縁面部を設けて壁面を二重構造とすることにより強度を向上することに対応するにしても、壁面が傾斜していると、構造が複雑になるとともに、組み付けが困難になる問題が生じる。特に、壁面の頂上に縁面部を形成する場合には、壁面となる壁面用紙片を展開状態から折り曲げて形成するが、壁面を傾斜させると、素材である段ボール等の紙材が元の平面状の展開状態に復元しようとする弾性力により、隣り合う壁面が一部で相互に離反する方向に(拡散する方向に)変形しようとして、傾斜状態に綻びが生じ、隣り合う壁面間に隙間が生じ易くなると共に、素材である紙材の端面が露出して見栄えや外観に影響を与える等の傾向があった。
【0008】
これらの問題を回避するためには、組み付けにおいて、紙材の一部に切り込みを入れて当該切り込みに他の壁部の一部を挿入等してクロスさせる等複雑な構成とすることが必要となる。しかし、その分、組み付けに際し、当該クロス部分が外部から見えないように組み付けるのには面倒な作業が伴うのみならず、たとえ、壁部の一部をクロスさせても、特に、例えば、大型の紙製トレイとするために強度を高める観点から、素材である紙材の厚みを厚くした場合には、その分、弾性変形により復元しようとする復元力も大きく働くため、組み付け状態を維持することが困難となる問題が生じる。更には、段ボール等の紙材の表面に装飾のための樹脂フィルムをラミネートしたり印刷を施すと、組み付けに際し相互接触する面の摩擦抵抗が小さくなる結果、滑り易くなり、折り曲げによる組み付け状態を維持することが困難となる傾向がより一層顕著に現れる問題をも併発する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平5−254534号公報
【特許文献2】特開平5−254535号公報
【特許文献3】実開平6−71416号公報
【特許文献4】特開2001−80629号公報
【特許文献5】特開平9−132225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、上記の問題点に鑑み、組み付けが容易でありながら充分な組み付け強度及び外観を維持しつつ、積み重ねても嵩張ることがない紙製トレイを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記の課題を解決するための第1の手段として、底部とこの底部から立ち上がる壁部を有し、この壁部は、展開状態において底部から四方に延びる複数の壁部用紙片を各々折り曲げて組み付けられ、相互に向かい合う第1の1対の壁部と第1の1対の壁部と交差する方向に配置されて相互に向かい合う第2の1対の壁部とから成る紙製トレイにおいて、壁部は、展開状態から底部に対し谷折りにより立ち上げられた状態の壁部用紙片を外側へ向けて2回山折りして折り曲げて形成された縁面部を頂上に有し、かつ、壁部は、底部から外側に向けて傾斜して立ち上がっていることを特徴とする紙製トレイを提供するものである。
【0012】
本発明は、上記の課題を解決するための第2の手段として、上記第1の解決手段において、壁部用紙片は、折り曲げられて第1の1対の壁部となるべき1対の第1の壁部用紙片と、折り曲げられて第2の1対の壁部となるべき1対の第2の壁部用紙片とから成り、壁部を組み付けた状態において第1の壁部用紙片の一部と第2の壁部用紙片の一部とを第1及び第2の壁部用紙片が展開状態に復元しようとする復元力により相互に係合させると共に、一方の壁部用紙片の復元を、折り返しにより復元が制限された他方の壁部用紙片により受け止めて、第1及び第2の壁部用紙片が展開状態に復元しようとして展開することを規制して、壁部の組み付け状態を維持する展開規制手段を有していることを特徴とする紙製トレイを提供するものである。
【0013】
本発明は、上記の課題を解決するための第3の手段として、上記第2の解決手段において、第1及び第2の壁部用紙片は、底部から連続して立ち上がる内壁部となるべき内壁部部分と、この内壁部部分から連続し壁部の頂上に位置する縁面部となるべき縁面部部分と、この縁面部部分から連続し縁面部を挟んで内壁部の外側に配置される外壁部となる外壁部部分とを有し、展開規制手段は、展開状態において第1の壁部用紙片の外壁部部分から更に外側に延びるようにして形成され縁面部へ向けて折り返されて内壁部と外壁部との間に配置される係合用片部と、展開状態において第2の壁部用紙片の外壁部部分から連続して延び、第1の1対の壁部の内壁部と外壁部との間に挿入されて係合用片部に縁面部側から係合する係合爪部とを備えていることを特徴とする紙製トレイを提供するものである。
【0014】
本発明は、上記の課題を解決するための第4の手段として、上記第3の解決手段において、第1の壁部用紙片は、外壁部部分の両端から延びて、壁部の組み付け時において、折り曲げられて第2の1対の壁部の内壁部と外壁部との間に挿入される補強用片部を有していることを特徴とする紙製トレイを提供するものである。
【0015】
本発明は、上記の課題を解決するための第5の手段として、上記第3又は第4のいずれかの解決手段において、第2の壁部用紙片は、外壁部部分の両端から延びて、壁部の組み付け時において、折り返されて第2の1対の壁部の内壁部と外壁部との間に挿入される装飾用片部を有していることを特徴とする紙製トレイを提供するものである。
【0016】
本発明は、上記の課題を解決するための第6の手段として、上記第1乃至第5のいずれかの解決手段において、展開状態において壁部用紙片を相互に連結する連結部を有し、この連結部は、壁部用紙片に接する両端が底部の隅部に向けて傾斜して形成され、壁部用紙片に接する両端の交差角度が90°未満の範囲内に設定され、交差角度の設定により壁部の傾斜角度が調整されていることを特徴とする紙製トレイを提供するものである。
【0017】
本発明は、上記の課題を解決するための第7の手段として、上記第6の解決手段において、連結部は、底部の隅部に接する角を頂点とする略三角形状に形成されていることを特徴とする紙製トレを提供するものである。
【0018】
本発明は、上記の課題を解決するための第8の手段として、上記第1乃至第7のいずれかの解決手段において、段ボールから形成されていることを特徴とする紙製トレイ提供するものである。
【0019】
本発明は、上記の課題を解決するための第9の手段として、上記第1乃至第8のいずれかの解決手段において、少なくとも展開状態において底部の内底面と同一面上の部分が装飾されていることを特徴とする紙製トレイを提供するものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、上記のように、壁部を外側に向けて傾斜させつつ、壁部の頂上に縁面部を設けているため、下側の紙製トレイの内側に上側の紙製トレイの一部を収納しつつ積み重ねることができるため、積み重ねの高さを低減しつつ、上側の紙製トレイを位置決めして保持することができるので、積み重ねた段が容易に崩れることがないと同時に、壁部が二重壁構造となり充分な強度を有するため、下側の紙製トレイの壁部が上側の紙製トレイを確実に支えることができ、積み重ね数が増加しても紙製トレイが変形等して潰れることがない実益がある。
【0021】
また、本発明によれば、上記のように、壁部用紙片は、壁部を組み付けた状態において第1の壁部用紙片の一部と第2の壁部用紙片の一部とを第1及び第2の壁部用紙片が展開状態に復元しようとする復元力により相互に係合させると共に、一方の壁部用紙片の復元を、折り返しにより復元が制限された他方の壁部用紙片により受け止めて、第1及び第2の壁部用紙片が展開状態に復元しようとして展開することを規制して、壁部の組み付け状態を維持する展開規制手段を有し、いわば組み付け状態の解除の原因となる復元力を逆に有効利用しているため、高い復元力が働き、壁部用紙片が展開状態に復元しようとすればする程、むしろ組み付けが強固となるので、特に、素材となる紙材の厚みが厚く、また、当該紙材の表面に装飾が施されている場合であっても、紙製トレイの組み付け状態が容易に解除されることがなく、組み付け強度も向上する実益がある。
【0022】
この場合、本発明によれば、上記のように、展開規制手段は、第1の壁部用紙片に形成され縁面部へ向けて折り返されて内壁部と外壁部との間に配置される係合用片部と、第2の壁部用紙片に形成され第1の1対の壁部の内壁部と外壁部との間に挿入されて第1の壁部用紙片の係合用片部に縁面部側から係合する係合爪部とを備えているため、第1の壁部用紙片は、組み付けられた状態において第1の1対の壁部の内外壁部間において折り返された第1の壁部用紙片の係合用片部が展開状態に復元しようとして内壁部側へ傾斜し内壁部に係止して内外壁部間に留まり復元力による展開(係合用片部の折り返しの解除)が制限される一方、第2の壁部用紙片は、その係合爪部がこの内外壁部間において縁面部に向けて折り返された第1の壁部用紙片の係合用片部により下方への変位が規制されて、展開が抑制されるので、係合爪部を第1の1対の壁部の内外壁間に単に挿入するだけで、組み付け状態の強度を確保することができる実益上がある。
【0023】
また、本発明によれば、上記のように、第1の壁部用紙片は、外壁部部分の両端から延びて、壁部の組み付け時において、折り曲げられて第2の1対の壁部の内壁部と外壁部との間に挿入される補強用片部を、また、第2の壁部用紙片は、外壁部部分の両端から延びて、壁部の組み付け時において、折り返されて第2の1対の壁部の内壁部と外壁部との間に挿入される装飾用片部を有しているため、第1と第2の1対の壁部の境界部において、素材となる紙材の端面、特に、この紙材が段ボールである場合には、コルゲート面が現れることがなく、良好な外観を確保することができる実益がある。
【0024】
本発明によれば、上記のように、壁部用紙片間に、壁部用紙片に接する両端が底部の隅部に向けて傾斜して形成され、壁部用紙片に接する両端の交差角度が90°未満の範囲内に設定された連結部を設けているため、壁部の結合部分の強度を向上させつつ壁部を適切に傾斜させることができる実益がある。
【0025】
この場合に、本発明によれば、上記のように、連結部を、底部の隅部に接する角を頂点とする略三角形状に形成しているため、展開状態からの組み立て時において、連結部を内側へ折り畳んでも、連結部が壁面の頂上、即ち、縁面よりも上方に突出することがなく、、組み付け作業の支障となったり、組み立て後の強度に影響を与えることがなく、壁面を適切に傾斜させつつ壁面の頂上に縁面部を有する強度の高い紙製トレイとすることができる実益がある。
【0026】
本発明によれば、上記のように、紙製トレイを段ボールから形成しているため、ある程度のクッション性を付与することができ、収容物を衝撃から適切に保護することができる一方、展開状態において底部の内底面(上方から見た場合の底部の表面)と同一面上の部分が、例えば、プラスチックフィルムでラミネートする等して装飾されているため、紙製トレイの外観に影響を与えることがなく、紙製トレイの風情や見栄えを維持することができ、顧客の目に触れても違和感を与えることがない上に、届け出先における廃棄にも適した紙製トレイとすることができる実益がある。加えて、壁部を底部側から外側へ向けて折り曲げて形成しつつ、このように底部の内底面を装飾しているため、壁部を内側へ向けて折り曲げて形成する場合と異なり、底部を装飾するために別途底台紙を設置することなく、美観を確保することができる実益もある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の紙製トレイの展開平面図である。
【図2】本発明の紙製トレイの斜視図である。
【図3】本発明の紙製トレイを積み重ねた状態の斜視図である。
【図4】本発明の紙製トレイにおける第1の1対の壁部の断面図である。
【図5】本発明の紙製トレイにおける展開規制手段の拡大図である。
【図6】本発明の紙製トレイの底面図である。
【図7】本発明の紙製トレイの他の実施の形態の展開平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明すると、図1乃至図3は、本発明の紙製トレイ10を示し、この紙製トレイ10は、底部12と、この底部12から立ち上がる壁部14とを有している。この壁部14は、図2及び図3に示すように、組み立てたときに、相互に向かい合う第1の1対の壁部14Aと、この第1の1対の壁部14Aと交差する方向に配置されて相互に向かい合う第2の1対の壁部14Bとから成っている。即ち、壁部14は、上方から見た場合に四角形状に組み付けられる。なお、図示の実施の形態では図1から解るように正方形の紙製トレイであるのが示されているが、どちらか一方の1対の壁部14A、14Bの方が他方の壁部よりも長い長方形とすることもできる。
【0029】
(1.展開片)
この紙製トレイ10は、図1に示すように、紙製の展開片10Aを折り曲げて形成される。この紙製の展開片10Aは、図1に示すように、展開状態において底部12から四方に延びる複数の、図示の実施の形態では4つの壁部用紙片10aを有し、壁部14は、図1乃至図3に示すように、この壁部用紙片10aを各々折り曲げて組み付けられる。
【0030】
また、この紙製の展開片10Aは、段ボールを裁断して形成することができる。このように、展開片10A、ひいては、紙製トレイ10を段ボールから形成することにより、紙製トレイ10に、ある程度のクッション性を付与することができ、収容物を衝撃から適切に保護することができると共に、積み重ねた場合の耐重量性(強度)も確保することができる一方、プラスチック製の重箱や桶と異なり運搬等の取扱いが容易な軽量性を付与することができる。この段ボールとしては、強度と折り曲げによる組み立ての際の作業性を考慮して、1mm〜3mm程度の厚みを有するものを使用することが望ましい。
【0031】
また、この紙製の展開片10Aとなる段ボールは、少なくとも少なくとも展開状態において底部12の内底面12a(上方から見た場合の底部12の表面)と同一面上の部分を装飾することが望ましい。具体的には、展開片10Aのうち、組み立てられた紙製トレイ10を上側から見た場合に底面として現れる部分(紙製トレイ10の内部側に位置する底部12の表面)及びそれに同一面上で連続する部分(壁部用紙片10aの表面:即ち、全体として図1の表面側)を装飾することにより、後述するように壁部用紙片10aを外側に向けて折り曲げる本発明の紙製トレイ10においては、外部に現れる底部12の表面並びに壁部14の内壁部14aの表面及び外壁部14bの表面を装飾面とすることができる。
【0032】
このように、紙製トレイ10のうち表面に現れる主な部分を装飾すると、紙製トレイ10の外観に影響を与えることがなく、紙製トレイ10の風情や見栄えを維持することができ、顧客の目に触れても違和感を与えることがない上に、届け出先における廃棄にも適した紙製トレイ10とすることができる。加えて、壁部14を底部12側から外側へ向けて折り曲げて形成しつつ、このように底部12の内底面12aを装飾すると、壁部用紙片10aを壁部14を内側へ向けて折り曲げて形成する場合のように、底部12の表面側(紙製トレイ10内部の底面)は素材がそのまま現れることがないので、底部12を装飾するために別途底台紙を設置することなく、美観を確保することができる。なお、この装飾の方法には、特に限定はなく、印刷等によることもできるが、耐久性や触感及び装飾の多様性、自由性を考慮すると、樹脂製のフィルムシートを段ボールの表面にラミネートすることが好ましい。
【0033】
(2.壁部の組み立て及び縁面部)
また、この展開片10Aのうち、壁部用紙片10aは、図1及び図2に示すように、組み付けられたときに、折り曲げられて第1の1対の壁部14Aとなるべき1対の第1の壁部用紙片10a1と、折り曲げられて第2の1対の壁部14Bとなるべき1対の第2の壁部用紙片10a2とから成っている。
【0034】
これらの第1及び第2の壁部用紙片10aは、いずれも、図1に示すように、底部12から連続して立ち上がる内壁部14aとなるべき内壁部部分14a1と、この内壁部部分14a1から連続し壁部14の頂上に位置する後述の縁面部16となるべき縁面部部分16aと、この縁面部部分16aから連続し縁面部16を挟んで内壁部14aの外側に配置される外壁部14bとなる外壁部部分14b1とを有している。
【0035】
また、これらの壁部用紙片10aは、いずれも、図1に示すように、底部12との境界線(底部12と内壁部部分14a1との間)に第1折り目線11aが形成され、次いで、底部12側から順に内壁部部分14a1と縁面部部分16a1との間に第2折り目線11bが、縁面部部分16a1と外壁部部分14b1との間に第3折り目線11cが形成されている。これらの折り目線11a乃至11cのうち、図1に示す展開状態において、一番内側(底部12側)に位置する第1折り目線11aは、図4に示すように、底部12(紙製トレイ10の中央部)側へ向けて内側に(図1の表面側に)谷折りできるように、裏面側に切り込みが加工されている。従って、壁部用紙片10aは、この第1折り目線を谷折りすることにより、図4に示すように、底部12に対して立ち上げることができる。一方、その他の第2折り目線11c及び第3の折り目線11cは、いずれも、底部12(紙製トレイ10の中央部)側とは反対側へ向けて外側へ向けて山折りできるように薄肉状に加工されている。
【0036】
従って、壁部14は、これらの壁部用紙面10aを、図4に示すように、図1に示す展開状態から第1折り目線11aを谷折りして折り曲げて底部12に対し立ち上げた後、第2折り目線11b及び第3折り目線11cを外側へ向けて2回山折りして折り曲げることにより、形成することができる。このように、壁部14の形成は、第1乃至第3の折り目線11a乃至11cに沿って、壁部用紙片10aを折り曲げるだけであるため、使用現場においても、簡易に行うことができる。
【0037】
また、この場合、特に、壁部用紙片10aを、第2折り目線11bと第3折り目線11cとで外側へ向けて2回山折りして折り曲げることにより、これらの第2折り目線11bと第3折り目線11cとの間に、図2乃至図4に示すように、縁面部16が形成される。即ち、壁部14は、図2乃至図4に示すように、縁面部16を頂上に有する。このため、壁部14は二重壁構造となり充分な強度を有する。
【0038】
(3.壁部の傾斜)
また、この壁部用紙片10aを折り曲げて形成される壁部14は、図2乃至図4に示すように、底部12から外側に向けて傾斜して立ち上がっている。具体的には、壁部用紙片10aは、図1に示すように、いずれも、第1の折目線11aと第2の折目線11bとの間の部分の両端面が、第1の折目線11aよりも外側へ向けて傾斜して形成され、縁面部16を形成する第2折り目線11b及び第3折り目線11cは、第1折り目線11aよりも、長く形成されている。従って、各壁部用紙片10aは、第1折り目線11aを折り曲げて壁部用紙片10aを立ち上げた場合に、垂直状態となる前に、隣り合う壁部用紙片10aに隣接することになり、これにより、底部12から外側へ向けて傾斜した状態で立ち上げることができる。
【0039】
一方、壁部用紙片10aは、図1に示すように、いずれも、第3折り目線11cと第4折り目線11dとの間の部分の両端面が壁部用紙片10aの先端(第4折り目線11d側)に近づくに連れ、狭まるように傾斜して形成され、第4折り目線11dは、第3折り目線11cよりも、短く形成されている。この場合、その傾斜角度は、第1の折目線11aと第2の折目線11bとの間の両端面の傾斜と同じ角度に設定する。従って、縁面部16を形成するように、第3折り目線11cを折り曲げた場合、図2及び図3に示すように、隣り合う壁部14の立ち上げに支障を与えることなく、図4に示すように、壁部14の内壁部14aとほぼ平行に外壁部14bを円滑に折り返すことができる。これにより、図2乃至図4に示すように、壁部14を、底部12から外側へ向けて傾斜して立ち上げることができる。
【0040】
このため、本発明では、壁部14を外側に向けて形成しつつ、壁部14の頂上に縁面部16を設けているため、特に図3に示すように、下側の紙製トレイ10の内側に上側の紙製トレイ10の一部を収納しつつ積み重ねることができ、積み重ねの高さを低減しつつ、上側の紙製トレイ10を位置決めして保持することができるので、積み重ねた段が容易に崩れることがないと同時に、壁部14が上述したように二重壁構造となり充分な強度を有するため、下側の紙製トレイ10の壁部14が上側の紙製トレイ10を確実に支えることができ、積み重ね数が増加しても紙製トレイ10が変形等して潰れることがない。
【0041】
(4.連結部)
なお、展開片10Aは、図1に示すように、展開状態において壁部用紙片10aを相互に連結する連結部18を有している。この連結部18は、壁部用紙片10aを立ち上げた場合に、中央で谷折りされて第2の1対の壁部14Bに沿うようにして第2の1対の壁部の内壁部14aと外壁部14bとの間に内側へ折り畳まれ、これにより、壁部14同士の結合部分において、素材となる段ボールの端面が外部に露出しないように目隠しすると共に、特に荷重により影響を受けて変形や破壊し易い壁部14同士の結合を強化する役割を有する。
【0042】
また、この連結部18は、図1に示すように、壁部用紙片10aに接する両端が底部12の隅部に向けて傾斜して形成されている。このため、連結部18の壁部用紙片10aに接する両端は、図1に示すように、底部12の隅部において交差することになるが、この壁部用紙片10aに接する両端の交差角度θ(図1参照)が90°未満の範囲内に設定される。これにより、壁部14を適切に傾斜させることができる。また、この場合、この交差角度θ(図1参照)の設定により壁部14の傾斜角度を調整することができる。
【0043】
また、この連結部18は、図1に示すように、底部12の隅部に接する角を頂点とする略三角形状に形成されている。即ち、連結部18のうち、底部12の隅部とは反対側の端面を、図1に示すように、隣り合う両側の第2の折目線11b同士を結んだ線より大幅に突出しないように形成する。これにより、展開状態からの組み立て時において、連結部18を内側へ折り畳んでも、連結部18が壁面14の頂上、即ち、縁面部16よりも上方に突出することがなく、連結部18が、組み付け作業の支障となったり、組み立て後の強度に影響を与えることがなく、壁面14を適切に傾斜させつつ壁面14の頂上に縁面部16を有する強度の高い紙製トレイ10とすることができる。
【0044】
(5.壁部の組み付け)
更に、本発明の紙製トレイ10においては、図1及び図4、図5に示すように、壁部用紙片10aは、図1及び図4、図5に示すように、壁部14を組み付けた状態において第1の壁部用紙片10a1の一部と第2の壁部用紙片10a2の一部とを第1及び第2の壁部用紙片10a1、10a2が展開状態に復元しようとする復元力により相互に係合させると共に、一方の壁部用紙片10aの復元を、折り返しにより復元が制限された他方の壁部用紙片10aにより受け止めて、第1及び第2の壁部用紙片10a1、10a2が展開状態に復元しようとして展開することを規制して、壁部14の組み付け状態を維持する展開規制手段20を有している。
【0045】
より具体的には、図示の実施の形態では、この展開規制手段20は、図1及び図4、図5に示すように、図1に示す展開状態において第1の壁部用紙片10a1の外壁部部分14a2から更に外側に延びるようにして形成され縁面部16へ向けて折り返されて第1の1対の壁部14の内壁部14aと外壁部14bとの間に配置される係合用片部22と、同じく図1に示す展開状態において第2の壁部用紙片10a2の外壁部部分14a1から連続して延び、第1の1対の壁部14Aの内壁部14aと外壁部14bとの間に挿入されて係合用片部22に縁面部16側から係合する係合爪部24とを備えている。
【0046】
この場合、まず、第1の壁部用紙片10a1に形成された係合用片部22は、図1及び図4に示すように、第1の壁部用紙片10a1の外壁部部分14b1と係合用片部22との間に形成された第4折り目線11dにより山折りすることができるように形成されている。従って、壁部14の組み付けに際し、図4及び図5に示すように、この係合用片部22を有する第1の壁部用紙片10a1を第4折り目線11dで折り返すことにより、係合用片部22を、内壁部14aと外壁部14bとの間に挿入することができる。
【0047】
この場合、この係合用片部22は、特に図4に示すように、外壁部14との間でV字状になるように折り返されていると共に展開状態に復元しようとする復元力により内壁部14a側へ傾倒する。しかし、一方で、傾倒しても内壁部14aに係止されて、それ以上は展開できず内外壁部14a、14b間に留まり復元力による展開(係合用片部22の折り返しの解除)が制限される。従って、壁部14を組み付けた後において、この係合用片部22に縁面部16側から負荷が加わっても、無理な力でない限り、容易には展開することがなく、当該負荷を受け止めることができる。
【0048】
なお、この係合用片部22は、図1及び図4、図5に示すように、内外壁部14a、14b間に折り返された場合に、縁面部16との間に係合爪部24が入り込めるスペースが形成されるように、内外壁部14a、14bよりも低い高さ、具体的には、内外壁部14a、14bの約半分程度の高さに設定することが望ましい。また、この係合用片部22は、係合爪部24との係合のため、内壁部14a側へ傾斜させることが必要な箇所を除いては、より具体的には、壁部14の両端ではなく、中央部付近においては、外壁部14bに接着させて、より強度を高めることもできる。
【0049】
一方、第2の壁部用紙片10a2は、図示の実施の形態では、図1に示すように、第2の壁部用紙片10a2の外壁部部分14b1から第4折り目線dを挟んで更に延長された延長片部26と、この延長片部26の両端から延びる挿入片部28とを有し、第2の壁部用紙片10a2の係合爪部24は、これらの挿入片部28に連続して形成されている。この場合、延長片部26は、第2の壁部用紙片10a2を第4折り目線11dにて山折りすることにより、図5及び図6に示すように、底部12の裏面に回り、挿入片部28及び係合爪部24を、第1の1対の壁部14Aの内外壁部14a、14b間に挿入することができる位置に配置させることができる。従って、挿入片部28を第1の1対の壁部14Aの内外壁部14a、14b間に挿入することができるように山折りした状態で、延長片部26を底部12の裏面側へ折り曲げるだけで、係合爪部24を有する挿入片部28を第1の1対の壁部14Aの内外壁部14a、14b間に挿入して、壁部14全体を組み付けることができる。
【0050】
また、係合爪部24は、図1に示す展開状態における挿入片部28の外端側(挿入片部28を、第1の1対の壁部14Aの内外壁部14a、14b間に挿入した状態で、係合用片部22よりも縁面部16側に位置する部分)において、底部12とは反対側の方向へ向けて延びるようにして形成される。このため、特に図4に示すように、挿入片部28を、第1の1対の壁部14Aの内外壁部14a、14b間に挿入した状態で、第1の1対の壁部14Aの係合用片部22に縁面部16側(上方)から係合することができる。
【0051】
この場合、特に、山折りされて第1の1対の壁部14Aの内外壁部14a、14b間に挿入された挿入片部28は、図4に示すように、係合片部22とは反対に、外壁部14a側へ復元しようと変位する。従って、図4に示すように、係合爪部24を有する挿入片部28を、第1の1対の壁部14Aの内外壁部14a、14b間に差し込むだけで、第2の壁部用紙片10a2の復元力により、無理なく自動的に、係合用片部22と係合爪部24とが交差し、第1及び第2の壁部用紙片10a1、10a2の端面同士を係合させることができる。なお、この場合、係合爪部24の係合用片部22に対する係合をより確実なものとするために、図1に示すように、係合爪部24を挿入片部28に対して谷折りすることができる第5折り目線11eを形成し、この第5折り目線を折り曲げることにより、図4に示すように、係合爪部24を外壁部14a側へ傾倒させることもできる。
【0052】
このようにして、係合爪部24を係合用片部22に縁面部16側から係合させた場合、係合爪部24を有する第2の壁部用紙片10a2は、その復元力により、係合爪部24が下方に変位しようとしても(延長片部26が展開しようとしても)、上述したように、係合用片部22により、その復元が規制される。一方、第1の壁部用紙片10a1も、上述したように、第1の1対の壁部14Aの内外壁部14a、14b間に留まって復元が制限されるため、第1及び第2のどちらの壁部14A、14Bも、組み付け状態が維持される。特に、第1及び第2のいずれの壁部14も、山折りされた各部が復元しようとする復元力は、最終的には、図4の矢印A(図4参照)に示すように、紙製トレイ10の中央側へ変位しようとする力として作用し、いわば2対の相対向する壁部14を中央に向けて収斂するように指向させるため、4つの壁部14が相互に係合して当該復元力を受け止め、本発明の構成によれば、復元力の作用によって、正に、復元自体が最終的には規制される。
【0053】
このように、展開規制手段20は、いわば組み付け状態の解除の原因となる復元力を逆に有効利用して組み付け状態を維持しているため、高い復元力が働き、壁部用紙片10aが展開状態に復元しようとすればする程、むしろ組み付けが強固となるので、特に、素材となる紙材の厚みが厚く、また、当該紙材の表面に装飾が施されている場合であっても、紙製トレイ10の組み付け状態が容易に解除されることがなく、組み付け強度も向上する。のみならず、上述したように、係合爪部24を第1の1対の壁部14Aの内外壁14a、14b間に単に挿入するだけで、当該組み付け状態の強度を確保することができる点で有益である。
【0054】
(6.組み立て方法)
次に、本発明の紙製トレイ10の組み立て方法について説明すると、まず、図1に示す展開状態から、第1の壁部用紙片10a1を折り曲げて、縁面部16を形成しつつ第1の1対の壁部14aを組み立てる。この場合、係合用紙片22を折り返して、内外壁部14a、14b間に挿入する。また、第1の壁部用紙片10a1は、図1に示すように、外壁部14b1部分の両端から延びるようにして形成された補強用片部30を有し、壁部14の組み付け時において、この補強用片部30を山折りして折り曲げて、次に組み立てられる第2の1対の壁部14Bの内壁部14aと外壁部14bとの間に挿入する。これにより、壁部14の強度が向上すると共に、第1と第2の1対の壁部14A、14Bの境界部において、素材となる紙材の端面、特に、この紙材が段ボールである場合には、コルゲート面が現れることがなく、良好な外観を確保することができる。
【0055】
次いで、連結部18を内側へ折り曲げつつ、第2の壁部用紙片10a2を立ち上げ、折り畳まれた連結部18及び補強用片部30を第2の1対の壁部14Bの縁面部16により上方から覆うように、第2の1対の壁部用紙片10a2を内側へ向けて折り曲げて縁面部16を形成しつつ組み立てる。この場合、図7に示すように、第2の壁部用紙片10a2に、外壁部14b部分の両端から延びて、壁部14の組み付け時において、折り返されて第2の1対の壁部14Bの内壁部14aと外壁部14bとの間に挿入される装飾用片部32を形成すると、同様に、第1と第2の1対の壁部14A、14Bの境界部において、素材となる紙材の端面、特に、この紙材が段ボールである場合には、コルゲート面が現れることがなく、良好な外観を確保することができる。なお、この装飾用片部32は、必要に応じて設ければ足り、図1に示すように、必ずしも形成することを要しない。
【0056】
最後に、第2の1対の壁部14Bの挿入片部28を折り曲げた状態で、延長片部26を底部12の裏面側へ折り曲げて、挿入片部28及び係合爪部24を、第1の1対の壁部14Aの内外壁部14a、14b間に挿入し、係合爪部24を係合用片部22に係合させて、組み付け状態を固定する。
【0057】
(7.使用方法)
また、このようにして組み立てられた紙製トレイ10は、内部に寿司やピザ等の食材を収納した上で、図示しない両端が折り曲げられた蓋等を被せて出前等の用に供することができるが、特に、その前に、予め組み立てた後に、図2に示すように、下側の紙製トレイ10の内部に上側の紙製トレイ10の格納し、下側の紙製トレイ10の壁部14により、上側の紙製トレイ10を支持することにより、積み重ねることができ、この場合、特に、壁部14の傾斜角度にもよるが、同じ高さ(第1折り目線11aから第2折り目線11bまでの距離)を有する壁面を垂直に立ち上げた紙製箱を積み上げた場合と比べて、約25%程度、積み上げの高さを低減させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、例えば、紙製重箱や紙製弁当箱等の食品用の紙製箱に使用することができるほか、特に、紙製の容体であれば、その用途を問わず、広く適用することができる。
【符号の説明】
【0059】
10 紙製トレイ
10A 展開片
10a 壁部用紙片
10a1 第1の壁部用紙片
10a2 第2の壁部用紙片
11a〜11e 第1乃至第5の折り目線
12 底部
12a 内底面
14 壁部
14A 第1の壁部
14B 第2の壁部
14a 内壁部
14a1 壁部用紙片の内壁部部分
14b 外壁部
14b1 壁部用紙片の外壁部部分
16 縁面部
16a 壁部用紙片の縁面部部分
18 連結部
20 展開規制手段
22 係合用片部
24 係合爪部
26 延長片部
28 挿入片部
30 補強用片部
32 装飾用片部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部と前記底部から立ち上がる壁部を有し、前記壁部は、展開状態において前記底部から四方に延びる複数の壁部用紙片を各々折り曲げて組み付けられ、相互に向かい合う第1の1対の壁部と前記第1の1対の壁部と交差する方向に配置されて相互に向かい合う第2の1対の壁部とから成る紙製トレイにおいて、前記壁部は、前記展開状態から前記底部に対し谷折りにより立ち上げられた状態の前記壁部用紙片を外側へ向けて2回山折りして折り曲げて形成された縁面部を頂上に有し、かつ、前記壁部は、前記底部から外側に向けて傾斜して立ち上がっていることを特徴とする紙製トレイ。
【請求項2】
請求項1に記載された紙製トレイであって、前記壁部用紙片は、折り曲げられて前記第1の1対の壁部となるべき1対の第1の壁部用紙片と、折り曲げられて前記第2の1対の壁部となるべき1対の第2の壁部用紙片とから成り、前記壁部を組み付けた状態において前記第1の壁部用紙片の一部と前記第2の壁部用紙片の一部とを前記第1及び第2の壁部用紙片が前記展開状態に復元しようとする復元力により相互に係合させると共に、一方の壁部用紙片の復元を、折り返しにより復元が制限された他方の壁部用紙片により受け止めて、前記第1及び第2の壁部用紙片が前記展開状態に復元しようとして展開することを規制して、前記壁部の組み付け状態を維持する展開規制手段を有していることを特徴とする紙製トレイ。
【請求項3】
請求項2に記載された紙製トレイであって、前記第1及び第2の壁部用紙片は、前記底部から連続して立ち上がる内壁部となるべき内壁部部分と、前記内壁部部分から連続し前記壁部の頂上に位置する前記縁面部となるべき縁面部部分と、前記縁面部部分から連続し前記縁面部を挟んで前記内壁部の外側に配置される外壁部となる外壁部部分とを有し、前記展開規制手段は、前記展開状態において前記第1の壁部用紙片の前記外壁部部分から更に外側に延びるようにして形成され前記縁面部へ向けて折り返されて前記第1の1対の壁部の前記内壁部と前記外壁部との間に配置される係合用片部と、前記展開状態において前記第2の壁部用紙片の前記外壁部部分から連続して延び、前記第1の1対の壁部の前記内壁部と前記外壁部との間に挿入されて前記係合用片部に前記縁面部側から係合する係合爪部とを備えていることを特徴とする紙製トレイ。
【請求項4】
請求項3に記載された紙製トレイであって、前記第1の壁部用紙片は、前記外壁部部分の両端から延びて、前記壁部の組み付け時において、折り曲げられて前記第2の1対の壁部の前記内壁部と前記外壁部との間に挿入される補強用片部を有していることを特徴とする紙製トレイ。
【請求項5】
請求項3又は請求項4のいずれかに記載された紙製トレイであって、前記第2の壁部用紙片は、前記外壁部部分の両端から延びて、前記壁部の組み付け時において、折り返されて前記第2の1対の壁部の前記内壁部と前記外壁部との間に挿入される装飾用片部を有していることを特徴とする紙製トレイ。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載された紙製トレイであって、展開状態において前記壁部用紙片を相互に連結する連結部を有し、前記連結部は、前記壁部用紙片に接する両端が前記底部の隅部に向けて傾斜して形成され、前記壁部用紙片に接する両端の交差角度が90°未満の範囲内に設定され、前記交差角度の設定により前記壁部の傾斜角度が調整されていることを特徴とする紙製トレイ。
【請求項7】
請求項6に記載された紙製トレイであって、前記連結部は、前記底部の隅部に接する角を頂点とする略三角形状に形成されていることを特徴とする紙製トレイ。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれかに記載された紙製トレイであって、段ボールから形成されていることを特徴とする紙製トレイ。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれかに記載された紙製トレイであって、少なくとも前記展開状態において前記底部の内底面と同一面上の部分が装飾されていることを特徴とする紙製トレイ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−162289(P2012−162289A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−23094(P2011−23094)
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【出願人】(506070578)株式会社大成パック (2)
【Fターム(参考)】