説明

素管自動引抜きシステム

【課題】簡単な機構により、素管にプラグロッドを正確に案内することができ、かつダイスに対して安定して素管を案内することができる素管引抜きシステムを提供する。
【解決手段】素管供給台2に供給された素管8をバックベンチ6上のプラグロッド5に外挿し、バックベンチ6の素管引抜き位置でダイス3とプラグロッド5前端のプラグ11との間に素管8を通し、該素管を素管引抜き台上のキャリッジ12にチャックさせて素管8を引抜く。このとき、バックベンチ6の前端部に配された左右支持ローラ機構20と、バックベンチ6に前後方向で間隔をおいて配された複数の上下支持ローラ機構19とが、素管外挿時のロッド支持と素管引抜時の素管支持とを兼用し、プラグロッドおよび素管を上下・左右方向から安定支持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、丸管、角管あるいは異形管等の各種素管の引抜き加工を自動的に行う素管自動引抜きシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の素管引抜きシステムは、特許文献1に示すように、プラグロッドを有するバックベンチと、引抜き方向後端部にダイスを固定したキャリッジレールとを直列状に配置し、ダイスとプラグとの間に素管を通し、キャリッジレールを走行するキャリッジに素管の前端をチャックさせて引抜くようになっている。
【0003】
この素管引抜きシステムでは、バックベンチの引抜き方向前方から供給された素管をクランプにより保持して水平移動させることにより、素管の後端をプラグロッドの先端プラグに外挿する。そして、素管外挿後に素管の端部をバックベンチ上の管端保持機構に保持させ、クランプから素管を解放した後、プッシャー装置により素管の前端部を押圧することにより,素管をプラグロッドへ外挿させる。
【0004】
素管の外挿後は、クランプで素管の前端部分を保持させてバックベンチを原位置に復帰させ、バックベンチをダイス側に前進させ、かつクランプをダイス側へ前進させて素管前端部をダイスへ案内し、キャリッジレール上を走行するキャリッジに素管の前端部をチャックさせてダイスから引抜くようにしている。
【特許文献1】特開昭64−31517号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、プラグロッドへ素管を外挿するために、素管の先端を押圧するプッシャー装置のみならず、素管の管端を保持するためにバックベンチを自由走行する走行台および管端保持機構が必要となり、システムが複雑になるといった難点があった。
【0006】
また、管端保持機構は、一対のチャック片を管の内部で押し広げ、その摩擦力で素管の端部を保持するものであるので、大径の素管を対象とする場合には問題ないが、小径(例えば、20mm以下)の素管を対象とする場合には管端保持に無理がある。
【0007】
さらに、特許文献1に示すバックベンチは、素管外挿位置と素管引抜き位置との2箇所で往復移動すると共に、素管の引抜き時には、バックベンチを前進させ、バックベンチに設けられたクランプをダイス側へ前進させて素管前端部をダイスへ案内している。そのため、例えば、長さ3500mm程度の素管を引抜くためのバックベンチとしては、左右方向のみならず、前後方向へも移動する必要があり、その駆動機構が複雑化するといった難点があった。
【0008】
さらにまた、特許文献1においては、素管の引抜き途中でクランプが開放状態であるため、ダイス付近で素管をダイス側に案内する機構が存在せず、素管のダイスへの供給姿勢が不安定となり、引抜き管に偏肉を生じる可能性があった。
【0009】
本発明は、上記に鑑み、簡単な機構により、素管にプラグロッドを正確に案内することができ、かつダイスに対して安定して素管を案内することができる素管自動引抜きシステムの提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は、素管供給台から供給された素管をプラグロッドに外挿し、かつプラグロッドに外挿された素管を素管引抜き台のダイス側に挿入するために、バックベンチが素管外挿位置と素管引抜き位置との間で切替移動自在とされ、素管供給台に供給された素管をバックベンチ上のプラグロッドに外挿し、バックベンチの素管引抜き位置でダイスとプラグロッド前端のプラグとの間に素管を通し、該素管を素管引抜き台上のキャリッジにチャックさせて素管を引抜く素管引抜システムであって、前記バックベンチの前端部に配された左右支持ローラ機構と、バックベンチに前後方向で間隔をおいて配された複数の上下支持ローラ機構とが設けられ、左右支持ローラ機構および上下支持ローラ機構は、素管の外挿時にプラグロッドを支持案内するロッド支持と、素管の引抜時に素管を支持案内する素管支持とを兼用する少なくとも一対の支持ローラを夫々備えていることを特徴としている。
【0011】
上記構成によると、上下支持ローラ機構と左右支持ローラ機構とにより、素管のプラグロッドへの外挿時にプラグロッドを上下・左右方向から支持するので、プラグロッドの撓みを抑えて安定した状態で素管を外挿することができる。また、素管の引抜き時には、素管を上下・左右方向から支持するので、素管を安定した状態でダイスに案内することができる。
【0012】
ここで、ロッド支持と素管支持とを兼用するとは、プラグロッドの支持時にはロッド外径に合わせ、また、素管支持時には素管の外径に合わせて、一対の支持ローラが夫々移動してロッド又は素管を挟み込むことをいう。このロッド又は素管を挟み込みによって安定支持するためには、各支持ローラとしてV字形ローラを使用するのが好ましい。
【0013】
また、本発明においては、プラグロッドの後端を保持して該プラグロッドを前後方向に移動させるプラグセット装置がバックベンチの後端部に設けられ、該プラグセット装置によるプラグロッドの前方移動姿勢で先端プラグがバックベンチから前方へ突出可能とされ、前記左右支持ローラ機構が、バックベンチの前端部で前後方向に移動自在に設けられたことを特徴としている。
【0014】
上記構成によると、プラグセット装置を引抜き方向後端部から前方に進行させ、これに伴ってプラグロッドを支持する左右支持ローラ機構も引抜き方向前端部側に移動させ、バックベンチの前端側に位置する素管供給台に最も近付けることができる。そのため、素管の外挿時には、プラグロッドの撓みを抑えて安定した素管の外挿を行うことができる。しかも、素管の引抜き時には、左右支持ローラ機構をダイスに最も近付けることができるので、素管をダイスに対して安定した状態で案内することができる。
【0015】
また、左右支持ローラ機構は、左右一対の支持ローラを素管の引抜き方向で二列に配列するのが好ましい。これにより、プラグロッドや素管を引抜き方向で長く支持することができ、安定した支持が可能となる。
【0016】
この左右支持ローラ機構は、左右一対のローラ支持板と、各ローラ支持板上で引抜き方向に配列された二個の支持ローラと、前記両支持板を開閉回動自在でかつ平行に開閉させる開閉手段とを備えたことを特徴としている。
【0017】
上記構成によると、二個の支持ローラを支持する支持板を開閉回動自在でかつ平行に開閉させる開閉手段を備えているので、左右の支持ローラはどの位置においても常に平行を保って安定した支持機構を実現することができる。
【0018】
また、素管供給台の後方部に、素管の後端部を掴持可能な一対のクランプ片を有するクランプ装置が設けられ、該クランプ装置は、素管外挿方向で前後方向に移動自在とされると共に、その後方位置でクランプ片間に前記プラグロッドの先端プラグを介在可能とされたことを特徴としている。
【0019】
上記構成によると、素管とプラグとを外挿するときに、素管の管端と先端プラグとをクランプ片間に介在するので、素管をプラグに外挿する作業を安定した状態で行うことができる。
【発明の効果】
【0020】
以上のとおり、本発明によると、左右・上下の支持ローラ機構の支持ローラによりプラグロッドの支持と素管の支持とを兼用するので、簡単な機構により、素管にプラグロッドを正確に案内することができ、かつダイスに対して安定して素管を案内することができ、素管の真直度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態である素管自動引抜きシステムを図面に基づいて説明する。図1(a)〜(e)は本発明の実施形態である素管自動引抜きシステムにおける素管外挿工程から素管の引抜き工程までを示す概略説明図、図2は図1に示すバックベンチの平面図、図3は同じくバックベンチの側面図、図4は左右支持ローラ機構とクランプ装置との位置関係を示す平面図、図5(a)は左右支持ローラ機構の開姿勢を示す平面図、同図(b)は左右支持ローラ機構の閉姿勢を示す平面図、図6は左右支持ローラ機構を素管供給側からみた正面図である。
【0022】
本実施形態の素管自動引抜きシステムは、素管を供給する素管供給台2と、素管供給台2の下方位置に配置され引抜き方向後端部にダイス3を固定した素管引抜き台4と、素管を外挿するプラグロッド5を有するバックベンチ6とを備えている。
【0023】
素管供給台2は、素管が供給されるV字形で複数列(本実施形態では3列)の受台から構成され、素管供給台2には図示しない供給装置により素管8が順次自動的に供給される。素管供給台2の後端部側にはシリンダ9によって前後方向(この方向は外挿方向および引抜き方向と一致するので、以下、外挿方向あるいは引抜き方向ともいう)に往復動可能なクランプ装置10が設けられている。
【0024】
なお、本実施形態では、供給される素管8が、例えば素管長さ3m程度で20mm以下(好ましくは10mm〜20mm程度)の小径の素管を対象としているが、本発明では、これに限定されるものではなく、素管径、素管長および同時に引抜く引抜き本数などは適宜選択することができる。
【0025】
クランプ装置10は、図3に示すように、各素管の後端部を挟持できるように素管の外挿中心を挟んで左右両側に開閉自在な一対のクランプ片10aを備えており、該クランプ片10aの前後方向長さは、クランプ装置10の後方位置でクランプ片10a間に後述する先端プラグ11を介在可能な長さに設定されている。また、クランプ片10aの後端側には、プラグロッド5を受ける支持ローラ10bが設けられている。
【0026】
また、素管供給台2の前端側には、モータやシリンダ等の駆動機構によって前後方向に移動するプッシャー装置40が設けられる。このプッシャー装置40には、押圧片40aが設けられ、素管8の外挿時に、素管供給台2に供給された素管8の前端を後方のバックベンチ側へ押圧できるようになっている。
【0027】
素管引抜き台4は、素管供給台2の下方に平行に配列されており、その引抜き方向後端部にはダイス3が固定されている。また、素管引抜き台4上には素管を把持して引抜き方向に走行するキャリッジ12が設けられている。
【0028】
バックベンチ6は、プラグロッド5に素管8を外挿する上側の素管外挿位置Aと、ダイス3とプラグ8との間に素管8を通して素管8を引抜く下側の素管引抜き位置Bとの間で上下方向で切替昇降自在とされる。バックベンチ6の昇降機構15は、基台6aと昇降台6bとの間の介在されたパンタグラフ17と、該パンタグラフ機構17を開閉する昇降シリンダ16とから構成される。
【0029】
バックベンチ6の昇降台6bには、引抜方向に間隔をおいて配された複数の上下支持ローラ機構19と、バックベンチ6の前端部に配された左右支持ローラ機構20と、引抜き方向後端部に配置され、プラグロッド5の後端を保持してプラグロッド5を前後方向に進退させるプラグセット装置21とが設けられている。
【0030】
上下支持ローラ機構19は、アーム19aによって開閉回動自在に支持された上下一対のローラ19b、19cを備え、両ローラの閉姿勢で、素管8が素管外挿レベル又は素管引抜きレベルに合致するようになっている。ローラ19b、19cの開閉はシリンダ22および同期ギヤ19dによってアーム19aを開閉回動することにより行われる。プラグロッド5および素管8を、その外挿中心や引抜き中心に沿って案内しやすいように、支持ローラ19b,19cは、その軸方向中間位置に凹状のV溝が形成されたV字形のローラを使用するのが好ましい。さらに、上下支持ローラ機構19間には、プラグロッド5および素管8を、その外挿中心や引抜き中心に沿って案内するために、V字状の受台19fが設けられている。
【0031】
左右支持ローラ機構20は、素管8のプラグロッド5への外挿時にプラグロッド5の先端を左右方向から挟持させるロッド支持と、素管8の引抜時にダイス3に接近した位置で素管8を左右方向から挟持案内する素管支持とを兼用するローラ機構である。
【0032】
また、左右支持ローラ機構20は、図1に示すように、シリンダ23によってバックベンチ6の前端部よりも前側に突出するよう、例えば300mm〜500mm程度の往復幅で前後方向に往復動自在とされ、ロッド支持時には、素管供給台2側のクランプ片10aに接近してプラグロッド5の前端を挟持案内し、また、素管支持時には、素管引抜き台4側のダイス3に接近して素管8を挟持案内できるようになっている。
【0033】
さらに、左右支持ローラ機構20は、図5に示すように、左右一対のローラ支持板24a、24bと、各ローラ支持板上で前後方向に配列された二個の支持ローラ25a〜25dと、前記両支持板を開閉自在でかつ平行に開閉させる開閉手段26とを備えている。
【0034】
支持ローラ25a〜25dは、プラグロッド5および素管8を、その外挿中心や引抜き中心に沿って案内しやすいように、その軸方向中間位置に凹状のV溝が形成されたV字形のローラを使用するのが好ましい。また、支持ローラ25a〜25dは、板状のローラ支持板24a、24bの両端に回転自在に軸支される。また、ローラ支持板24a、24bは、その中間位置で開閉手段26のアーム29a、29bに連結軸34周りに回動自在に連結されている。
【0035】
開閉手段26は、素管8の外挿中心を挟んでその左右両側に配置され互いに噛合う同期ギヤ28a、28bと、該同期ギヤの軸中心と各支持板24a、24bの中間位置に互いに回動自在に連結された主アーム29aおよび従アーム29bと、主アームの延設部に連結され主アーム29aを回動させる開閉シリンダ30と、ローラ支持板24a、24bの回動中心よりも前側で両支持板24a、24bを互いに接近する方向に付勢するよう連結される付勢手段としての引張りコイルバネ31と、各ローラ支持板24a、24bの回動中心よりも後側でローラ支持板24a、24bに形成された円弧状の案内孔33と、この案内孔33に嵌合するようアーム29a、29bに設けられたピン32とを備えている。
【0036】
そして、案内孔33にピン32が嵌合することによって、支持板24a,24bの回動範囲が規制され、2列のローラが常に平行に開閉するよう設定される。
【0037】
プラグセット装置21は、図2および図3に示すように、プラグロッド5の後端を保持し、バックベンチ6に沿って前後方向に移動する保持片36と、該保持片36を移動させるシリンダ37とから構成される。保持片36は、図2の実線と2点鎖線で示す範囲で前後方向に往復動する。
【0038】
上記構成において、素管8の引抜きは以下のように行われる。まず、素管8をプラグロッド5に外挿する。素管8をプラグロッド5に自動的に外挿するには、図1(a)に示すように、バックベンチ6を昇降装置15により上昇させて素管外挿位置Aに設定し、左右支持ローラ機構20及びプラグセット装置21を前進させてプラグロッド5を素管供給台2側に近付ける。
【0039】
このとき、左右支持ローラ機構20および上下支持ローラ機構19は、共に閉姿勢としてプラグロッド5を支持案内できるようにする。一方、素管供給台2側では、供給装置により供給された素管8の後端部をクランプ装置10で把持する。このとき、後述するように、供給される素管8の管端をクランプ片10aに残すように素管を素管供給台2に供給する。
【0040】
そして、図1(b)に示すように、クランプ装置10をシリンダ9により後退させ、プラグロッド先端のプラグ11に挿入する。このとき、クランプ装置10では、素管8の管端を掴む際に、管端をクランプ片10a内に残すようにし、プラグ11をクランプ片10a内に案内するようにしている。そのため、クランプ片10a内でプラグロッド5および素管8が共にガイドされたまま挿入されることになり、確実に素管8をプラグロッド5に挿入することができる。また、素管8の管端をクランプ片10a内に残すようにして掴持するため、多数本引抜き時であっても、素管長さのバラツキに左右されることなくプラグ11に外挿することができる。
【0041】
次に、図1(c)に示すように、素管8の後端をプッシャー装置40により後方へ押圧し、素管8をプラグロッド5に外挿する。このとき、プラグセット装置21の後退に伴って左右支持ローラ機構20も後退させる。また、素管8の外挿がスムーズに行われるように、上下支持ローラ機構19および左右支持ローラ機構20を開放するか、あるいは素管8をスムーズに案内するために素管8の外径に合わせて閉姿勢をとるようにする。
【0042】
素管8の外挿が終了したならば、次に、図1(d)に示すように、バックベンチ6を素管引抜き位置Bまで下降させる。そして、図1(e)に示すように、左右支持ローラ機構20および上下支持ローラ機構19によって上下左右から素管8を挟持したまま、プラグセット装置21および左右支持ローラ機構20を前進させ、左右支持ローラ機構20を引抜きダイス3に近付ける。そして、素管8の先付部をダイス3を通してキャリッジ12に把持させ、キャリッジ12により素管の先端を掴んで引抜き方向に走行すれば、素管8の引抜きが行なわれる。このとき、左右支持ローラ機構20は、ダイス3に可及的に接近するため、ダイス3への素管8の案内がスムーズに行われ、安定した引抜き加工を自動的に行うことができる。
【0043】
素管8の引抜き加工が完了したならば、図1(a)の状態に戻して、素管供給台2に供給された素管8の外挿・引抜き作業を繰り返して行う。
【0044】
このように、本実施形態では、簡単な機構の上下支持ローラ機構19および左右支持ローラ機構20により、素管8のプラグロッド5への外挿時には、プラグロッド6を上下・左右方向から挟持して、プラグロッド5の撓みを抑え、安定した状態で素管8を外挿することができ、また、素管8の引抜き時にも素管8を上下・左右方向から安定した状態で支持案内することができる。
【0045】
また、左右支持ローラ機構20は、素管の引抜時にはダイス3に接近した位置で素管8を支持案内するので、安定した状態で素管8をダイスに案内することができる。
【0046】
さらに、連続して引抜き方向や外挿方向に移動するプラグロッドや素管に対して、ロッドの支持あるいは素管の支持は、回転する支持ローラ機構により連続的に行われるので、クランプ機構による断続的な把持動作とは異なり、スムーズな案内を行うことができる。しかも、ロッドや素管の外側から支持ローラにより挟持案内する方式であるため、ロッド径や素管の外径の大小にかかわらず採用することができる。
【0047】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で多くの修正・変更を加えることができるのは勿論である。例えば、上記実施形態では、素管外挿位置と素管引抜き位置とを上下方向に設定したが、これを左右方向に設定してもよい。つまり、バックベンチを昇降させるのではなく、左右方向に往復移動させて、左右方向で素管外挿位置と素管引抜き位置とを設定してもよい。また、左右支持ローラ機構の支持ローラは前後方向で二列に設定したが、三列以上に設定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】(a)〜(e)は本発明の実施形態である素管引抜きシステムにおける素管外挿工程から素管の引抜き工程までを示す概略説明図
【図2】素管引抜きシステムのバックベンチを示す平面図
【図3】同じくバックベンチの側面図
【図4】左右支持ローラ機構とクランプ装置との位置関係を示す平面図
【図5】(a)は左右支持ローラ機構の開姿勢を示す平面図、同図(b)は左右支持ローラ機構の閉姿勢を示す平面図
【図6】左右支持ローラ機構を素管供給側からみた正面図
【符号の説明】
【0049】
2 素管供給台
3 ダイス
4 素管引抜き台
5 プラグロッド
6 バックベンチ
8 素管
9 シリンダ
10 クランプ装置
10a クランプ片
10b 支持ローラ
40 プッシャー装置
40a 押圧片
11 プラグ
12 キャリッジ
15 昇降装置
16 シリンダ
17 パンタグラフ
18 昇降台
19 上下支持ローラ機構
21 プラグセット装置
23 シリンダ
24a、24b ローラ支持板
25a〜25d 支持ローラ
28a,28b 同期ギヤ
29a 主アーム
29b 従アーム
30 開閉シリンダ
31 引張りコイルバネ
36 保持片
37 シリンダ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
素管供給台から供給された素管をプラグロッドに外挿し、かつプラグロッドに外挿された素管を素管引抜き台のダイス側に挿入するために、バックベンチが素管外挿位置と素管引抜き位置との間で切替移動自在とされ、素管供給台に供給された素管をバックベンチ上のプラグロッドに外挿し、バックベンチの素管引抜き位置でダイスとプラグロッド前端のプラグとの間に素管を通し、該素管を素管引抜き台上のキャリッジにチャックさせて素管を引抜く素管自動引抜システムであって、
前記バックベンチの前端部に配された左右支持ローラ機構と、バックベンチに前後方向で間隔をおいて配された複数の上下支持ローラ機構とが設けられ、左右支持ローラ機構および上下支持ローラ機構は、素管の外挿時にプラグロッドを支持案内するロッド支持と、素管の引抜時に素管を支持案内する素管支持とを兼用する少なくとも一対の支持ローラを夫々備えていることを特徴とする素管自動引抜きシステム。
【請求項2】
プラグロッドの後端を保持して該プラグロッドを前後方向に移動させるプラグセット装置がバックベンチの後端部に設けられ、該プラグセット装置によるプラグロッドの前方移動姿勢で先端プラグがバックベンチから前方へ突出可能とされ、前記左右支持ローラ機構が、バックベンチの前端部で前後方向に移動自在に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の素管自動引抜きシステム。
【請求項3】
前記左右支持ローラ機構は、左右一対の支持ローラが素管の引抜き方向で二列に配列されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の素管自動引抜きシステム。
【請求項4】
前記左右支持ローラ機構は、左右一対のローラ支持板と、各ローラ支持板上で引抜き方向に配列された二個の支持ローラと、前記両支持板を開閉回動自在でかつ平行に開閉させる開閉手段とを備えたことを特徴とする請求項3に記載の素管自動引抜きシステム。
【請求項5】
前記素管供給台の後方部に、素管の後端部を掴持可能な一対のクランプ片を有するクランプ装置が設けられ、該クランプ装置は、素管外挿方向で前後方向に移動自在とされると共に、その後方位置でクランプ片間に前記プラグロッドの先端プラグを介在可能とされたことを特徴とする請求項1に記載の素管自動引抜きシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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