説明

紫外線抵抗性増強剤

【課題】フィラグリン産生を促進することにより細胞や皮膚の紫外線に対する抵抗性を増強することができる素材の提供。
【解決手段】ヤドリギ、Cranesbill、Shonny Haw、セイヨウハッカ、コエビスグサ、サネブトナツメ及びそれらの抽出物からなる群より選択されるうちの少なくとも1を有効成分とする紫外線抵抗性増強剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線抵抗性増強剤に関する。
【背景技術】
【0002】
顆粒細胞内のケラトヒアリン顆粒には、フィラグリンの前駆物質であるプロフィラグリンが多量に存在し、プロフィラグリンは脱リン酸化とプロテアーゼの作用とを経てフィラグリンに分解される。フィラグリンは角質細胞の細胞質内でケラチン線維を凝集させたのち、角質層上層で分解されて、皮膚角質層の水分保持に重要な役割を果たす物質である天然保湿因子(Natural Moisturizing Factors; NMF)が生成される。
【0003】
プロフィラグリンの分解に関与するプロテアーゼの1つとして、プロスタシン(prostasin)/CAP1/Prss8が知られている。CAP1/Prss8をノックアウトしたマウスが重度の脱水状態に陥ること、当該ノックアウトマウスの皮膚ではプロフィラグリンからのフィラグリンモノマーの生成が障害されていることが報告されている(非特許文献1)。
【0004】
ウロカニン酸は、NMFの1つであり、フィラグリンの分解によって生じたヒスチジン残基から合成される。ウロカニン酸にUV吸収能があること(非特許文献2)、及びフィラグリン発現を抑制した皮膚組織ではウロカニン酸量が低下するとともにUV感受性が上がること(非特許文献3)が報告されている。
フィラグリンやプロスタシンの発現を促進させることによって、ウロカニン酸等の天然保湿因子の産生量を増大させ、皮膚のUV抵抗性を増強させることができる。
【0005】
従来、フィラグリン産生促進剤としては、例えば、カンゾウ抽出物(特許文献1)、天然植物中に含まれるフラバノン配糖体リクイリチン(特許文献2)、ワイルドタイム抽出物、チョウジ抽出物、サルビア抽出物、ローヤルゼリー抽出物、シイタケ抽出物、ジオウ抽出物、カミツレ抽出物、アルニカ抽出物、アロエ抽出物、オウゴン抽出物又はオウバク抽出物(特許文献3)、ベタイン化合物、ポリオール、アスコルビン酸、又はそれらの誘導体、ならびにセイヨウノコギリ、マジョラム、イブキジャコウ、イチヤクソウ、ラベンダー、ハマメリス、オウゴンリキッド、サクラリーフ、イザヨイバラ果実、及びパロアズル(palo azul)、カルクエジャ(carqueja)、マセラミスタ(macelamista)に由来する生薬(特許文献4)、Citrus属植物エキス又は酵母エキス(特許文献5)が知られている。
しかし、これらの物質の紫外線防御機能については報告されていない。
【0006】
フィラグリン合成促進及び紫外線障害緩和機能を有する物質としては、下記式:
【0007】
【化1】

【0008】
(式中、R1およびR2はそれぞれ独立して、炭素数8〜30の飽和または不飽和アルキル基を表し;Yはカチオンを表し;Xは炭素数3〜9のアルキレン基、炭素数3〜9のアルキレンオキシ基、または炭素数3〜9のアルキルアミノ基を表し;R3は糖類残基を表す)で示される糖脂質化合物が知られている(特許文献6)。
【0009】
フィラグリンの産生を促進することにより、ウロカニン酸等の天然保湿因子の産生を介して皮膚の紫外線抵抗性を増強することができる、さらなる物質の開発が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2002−363054号公報
【特許文献2】特開2003−146886号公報
【特許文献3】特開2006−16337号公報
【特許文献4】国際公開公報WO2002/053127
【特許文献5】特開2001−261568号公報
【特許文献6】特開2006−241095号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Leyvraz et al, J Cell Biol, 2005, 170(3):487-496
【非特許文献2】Zenisek et al, Biochim Biophys Acta, 1955, 18(4):589-591
【非特許文献3】Mildner et al, J Invest Dermatol, 2010, 130:2286-2294
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、フィラグリンやプロスタシン産生を促進することにより、ウロカニン酸等の天然保湿因子の産生を介して細胞や皮膚の紫外線に対する抵抗性を増強することができる、紫外線抵抗性増強剤の提供に関する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、フィラグリンやプロスタシンの産生を促進して細胞や皮膚の紫外線に対する抵抗性を増強することができる素材について検討したところ、ヤドリギ、Cranesbill、Shonny Haw、セイヨウハッカ、コエビスグサ、サネブトナツメ又はそれらの抽出物により当該機能が達成できることを見出した。
【0014】
すなわち、本発明は以下を提供する。
(1)ヤドリギ、Cranesbill、Shonny Haw、セイヨウハッカ、コエビスグサ、サネブトナツメ及びそれらの抽出物からなる群より選択されるうちの少なくとも1を有効成分とする紫外線抵抗性増強剤。
(2)ヤドリギ及び/又はその抽出物を有効成分とする(1)の紫外線抵抗性増強剤。
(3)抽出物が水抽出物、エタノール抽出物、エタノール水溶液抽出物又はヘキサン抽出物である(1)又は(2)の紫外線抵抗性増強剤。
(4)外用剤である(1)〜(3)のいずれか1に記載の紫外線抵抗性増強剤。
(5)細胞の紫外線抵抗性を増強する方法であって、フィラグリン発現能を有する細胞を、ヤドリギ、Cranesbill、Shonny Haw、セイヨウハッカ、コエビスグサ、サネブトナツメ及びそれらの抽出物からなる群より選択されるうちの少なくとも1の存在下で培養する工程を含む方法。
(6)細胞がケラチノサイトである(5)の方法。
(7)細胞をヤドリギ及び/又はその抽出物の存在下で培養する(5)又は(6)の方法。
(8)抽出物が水抽出物、エタノール抽出物、エタノール水溶液抽出物又はヘキサン抽出物である(5)〜(7)のいずれか1に記載の方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、フィラグリンやプロスタシン産生を促進することにより、細胞や皮膚の紫外線に対する抵抗性を増強することができる紫外線抵抗性増強剤が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書において、「非治療的」とは、医療行為、すなわち治療による人体への処置行為を含まない概念である。
【0017】
本明細書において、「改善」とは、疾患、症状又は状態の好転、疾患、症状又は状態の悪化の防止又は遅延、あるいは疾患、症状又は状態の進行の逆転、防止又は遅延をいう。
【0018】
本明細書において、「ヤドリギ」とは、ヤドリギ科ヤドリギ属のViscum albumを指す。「Cranesbill」とは、Spotted Cranesbill又はWild Cranesbillとも称され、フウロソウ科フウロソウ属のGeranium maculatumを指す。「Shonny Haw」とは、スイカズラ科ガマズミ属のViburnum nudumを指し、「セイヨウハッカ」とは、シソ科ハッカ属のMentha piperitaを指す。「コエビスグサ」とは、マメ科カワラケツメイ属のCassia toraを指し、この種子は漢方では決明子(けつめいし)として使用されている。「サネブトナツメ」とは、クロウメモドキ科ナツメ属のZiziphus jujuba Mill. var. spinosa Hu ex H. F. Chouを指し、種子は漢方では酸棗仁(さんそうにん)として使用されている。
【0019】
上記に挙げた植物の抽出物は、特に限定されない限り、当該植物の任意の部位、例えば全草、葉、茎、芽、花、蕾、木質部、樹皮、根、根茎、種子、果実、若しくは樹脂等、又はそれらの組み合わせからの抽出物であればよい。抽出物を得るための好ましい部位は、ヤドリギの場合は葉茎、Cranesbillの場合は根、Shonny Hawの場合は樹皮、セイヨウハッカの場合は葉、コエビスグサの場合は種子、サネブトナツメの場合は種子である。上記に挙げた部位は、そのまま抽出工程に付されてもよく、又は粉砕、切断若しくは乾燥された後に抽出工程に付されてもよい。
【0020】
上記抽出物としては、市販されているものを利用してもよく、又は常法により得られる各種溶剤抽出物、又はその希釈液、その濃縮液、その乾燥末、ペースト若しくはその活性炭処理したものであってもよい。一例として、本発明における抽出物は、上記植物を室温若しくは加温下にて抽出するか、又はソックスレー抽出器等の抽出器具を用いて抽出することにより得ることができる。
【0021】
抽出のための溶剤には、極性溶剤、非極性溶剤のいずれをも使用することができる。溶剤の具体例としては、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等の鎖状及び環状エーテル類;ポリエチレングリコール等のポリエーテル類;スクワラン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の炭化水素類;トルエン等の芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;及び超臨界二酸化炭素;ピリジン類;油脂、ワックス等その他オイル類等の有機溶剤;ならびにこれらの混合物が挙げられる。このうち、水、アルコール類、水−アルコール混合液、プロピレングリコール、ブチレングリコール又はヘキサンを用いるのが好ましく、水、エタノール、エタノール水溶液又はヘキサンを用いるのがより好ましい。
【0022】
上記溶剤は、抽出に用いる植物にあわせて選択することができる。例えば、ヤドリギ抽出物を調製する場合の溶剤としては、エタノール水溶液、エタノール又はヘキサンがさらに好ましいが、他の植物の抽出物を調製する場合の溶剤としては、水又はエタノール水溶液がさらに好ましい。
【0023】
本発明で用いられる抽出物を得るための抽出条件については、使用する溶剤によって異なり特に制限はないが、例えばアルコール類と水との配合割合(容量比)としては、0.001〜100:99.999〜0が好ましく、5〜95:95〜5がより好ましく、20〜80:80〜20がさらに好ましく、30〜70:70〜30がさらにより好ましく、40〜60:60〜40がなお好ましい。エタノール水溶液の場合、エタノール類濃度が40〜60容量%であることが好ましい。
但し、水−アルコール混合液をヤドリギ抽出物の抽出に用いる場合、液中のアルコール濃度は、10容量%以上の範囲であればよく、好ましくは30容量%またはそれより高く、より好ましくは50容量%またはそれより高い。さらに好ましくは50〜95容量%であり、なお好ましくは60〜80容量%である。
【0024】
溶剤の使用量としては、植物(乾燥質量換算)1gに対して1〜100mLが好ましい。抽出条件は、十分な抽出が行える条件であれば特に限定されないが、抽出時間としては、3分間〜30日間が好ましく、60分間〜14日間がより好ましく、抽出温度は、0℃〜溶媒沸点が好ましく、5〜70℃がより好ましい。通常、低温なら長時間、高温なら短時間の抽出を行う。
抽出物を得る抽出手段は、具体的には、固液抽出、液液抽出、浸漬、煎出、浸出、還流抽出、超音波抽出、マイクロ波抽出、攪拌等の手段を用いることができる。
抽出条件の例として、15〜25℃で7日間〜14日間、約70℃で5時間、等が挙げられる。
また、抽出時間を短縮する場合には、攪拌を伴う固液抽出が望ましい。この固液抽出の好適な条件の一例としては、40〜100℃(好ましくは50〜70℃)下、100〜1000rpmで30〜300分間の攪拌が挙げられる。
抽出物の酸化を防止するため、煮沸脱気や窒素ガス等の不活性ガスを通気して溶存酸素を除去しつつ、いわゆる非酸化的雰囲気下で抽出する手段を併用してもよい。
【0025】
後記実施例に示すように、上記植物又はその抽出物は、細胞のフィラグリン遺伝子発現及びプロスタシン遺伝子発現を有意に促進する作用を有する。
フィラグリンの前駆物質であるプロフィラグリンは、プロスタシン等の酵素によって分解されてフィラグリンとなり(Leyvraz et al, J Cell Biol, 2005, 170(3):487-496)、そのフィラグリンが皮膚角質層でさらに分解される時に生じるヒスチジン残基からは、UV吸収能を有し皮膚のUV抵抗性に寄与する物質であるウロカニン酸が合成される(Zenisek et al, Biochim Biophys Acta, 1955, 18(4):589-591;Mildner et al, J Invest Dermatol, 2010, 130:2286-2294)。したがって、上記植物又はその抽出物は、フィラグリン産生又はプロスタシン産生を促進する作用を介して、ウロカニン酸の産生を促進することができるので、細胞及び皮膚の紫外線抵抗性を増強させることができる。また、上記植物又はその抽出物は、当該紫外線抵抗性増強作用を介して、紫外線に起因する皮膚の状態の改善、例えば、しみ、しわ、たるみ等の改善、日焼け防止等に有用である。
【0026】
すなわち、上記植物又はその抽出物は、細胞又は皮膚の紫外線抵抗性増強のために使用することができる。あるいは、上記植物又はその抽出物は、紫外線に起因する皮膚の状態の改善、例えば、しみ、しわ、たるみ等の改善、日焼け防止等のために使用することができる。当該植物又はその抽出物は、いずれか1種類が単独で使用されてもよく、あるいは任意の2種類以上が組み合わせて使用されてもよい。当該使用は、ヒト若しくは非ヒト動物、又はそれらに由来する組織、器官、細胞における使用であり得、また治療的使用であっても非治療的使用であってもよい。
【0027】
従って、一態様として、本発明は、ヤドリギ、Cranesbill、Shonny Haw、セイヨウハッカ、コエビスグサ、サネブトナツメ及びそれらの抽出物からなる群より選択されるうちの少なくとも1を有効成分として含有する紫外線抵抗性増強剤を提供する。別の態様として、本発明は、ヤドリギ、Cranesbill、Shonny Haw、セイヨウハッカ、コエビスグサ、サネブトナツメ及びそれらの抽出物からなる群より選択されるうちの少なくとも1を有効成分として含有する、紫外線に起因する皮膚の状態の改善剤、例えば、しみ、しわ、たるみ等の改善剤、日焼け防止剤等を提供する。
一態様として、上記剤は、本質的に上記植物又はその抽出物のうちの少なくとも1から構成される。
【0028】
上記植物又はその抽出物は、細胞若しくは皮膚の紫外線抵抗性増強のため、又は紫外線に起因する皮膚の状態の改善、例えば、しみ、しわ、たるみ等の改善、日焼け防止等のための組成物、医薬、医薬部外品、化粧料等の製造のために使用することができる。当該組成物、医薬、医薬部外品、化粧料等もまた、本発明の範囲内である。
【0029】
上記組成物、医薬、医薬部外品、化粧料等は、ヒト又は非ヒト動物用として製造され、又は使用され得る。上記植物若しくはその抽出物は、当該組成物、医薬、医薬部外品、化粧料等に配合され、細胞若しくは皮膚の紫外線抵抗性増強のため、又は紫外線に起因する皮膚の状態の改善、例えば、しみ、しわ、たるみ等の改善、日焼け防止等のための有効成分であり得る。
【0030】
上記医薬又は医薬部外品は、上記植物若しくはその抽出物を有効成分として含有する。当該医薬又は医薬部外品は、任意の投与形態で投与され得る。投与は経口でも非経口でもよい。経口投与のための剤型としては、例えば、錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤のような固形投薬形態、ならびにエリキシロール、シロップおよび懸濁液のような液体投薬形態が挙げられ、非経口投与のための剤型としては、注射、輸液、局所、外用剤、経皮、経粘膜、経鼻、経腸、吸入、坐剤、ボーラス、貼布剤等が挙げられる。
好ましくは、当該医薬又は医薬部外品は、皮膚外用剤の形態であり得る。
【0031】
上記医薬又は医薬部外品は、上記植物若しくはその抽出物を単独若しくは複数で含有していてもよく、又は薬学的に許容される担体と組み合わせて含有していてもよい。斯かる担体としては、例えば、賦形剤、被膜剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、滑沢剤、希釈剤、浸透圧調整剤、pH調整剤、分散剤、乳化剤、防腐剤、安定剤、酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、保湿剤、増粘剤、滑沢剤、活性増強剤、抗炎症剤、殺菌剤、香料、矯味剤、矯臭剤等が挙げられる。また、当該医薬や医薬部外品は、上記植物又はその抽出物のフィラグリン産生若しくはプロスタシン産生を促進する作用又は細胞若しくは皮膚の紫外線抵抗性増強作用が失われない限り、他の有効成分や薬理成分を含有していてもよい。
【0032】
上記医薬又は医薬部外品は、上記植物若しくはその抽出物から、あるいは必要に応じて上記担体及び/又は他の有効成分や薬理成分を組みあわせて、常法により製造することができる。当該医薬又は医薬部外品における上記植物若しくはその抽出物の含有量は、例えば皮膚外用剤とする場合、当該抽出物の乾燥重量として、0.00001〜20質量%含まれるのが好ましく、0.0001〜10質量%含まれるのがより好ましい。
【0033】
上記化粧料は、上記植物若しくはその抽出物を有効成分として含有する。当該化粧料は、上記植物若しくはその抽出物を単独若しくは複数で含有していてもよく、又は化粧料として許容される担体と組み合わせて含有していてもよい。斯かる担体としては、例えば、賦形剤、被膜剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、滑沢剤、希釈剤、浸透圧調整剤、pH調整剤、分散剤、乳化剤、防腐剤、安定剤、酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、保湿剤、増粘剤、滑沢剤、活性増強剤、抗炎症剤、殺菌剤、香料、矯味剤、矯臭剤等が挙げられる。また、当該化粧料は、上記植物又はその抽出物のフィラグリン産生若しくはプロスタシン産生を促進する作用又は細胞若しくは皮膚の紫外線抵抗性増強作用が失われない限り、他の有効成分や化粧成分、例えば、保湿剤、美白剤、紫外線保護剤、細胞賦活剤、洗浄剤、角質溶解剤、メークアップ成分(例えば、化粧下地、ファンデーション、おしろい、パウダー、チーク、口紅、アイメーク、アイブロウ、マスカラ、その他)等を含有していてもよい。化粧料とする場合の形態としては、クリーム、乳液、ローション、懸濁液、ジェル、パウダー、パック、シート、パッチ、スティック、ケーキ等、化粧料に使用され得る任意の形態が挙げられる。
【0034】
上記化粧料は、上記植物若しくはその抽出物から、あるいは必要に応じて上記担体及び/又は他の有効成分や化粧成分を組みあわせて、常法により製造することができる。当該化粧料における上記植物若しくはその抽出物の含有量は、当該抽出物の乾燥重量として、0.00001〜20質量%とするのが好ましく、0.0001〜10質量%含まれるのがより好ましい。
【0035】
また本発明は、細胞のフィラグリン産生を促進する方法を提供する。当該方法は、フィラグリン産生能を有し且つフィラグリン産生を促進させたい細胞に、ヤドリギ、Cranesbill、Shonny Haw、セイヨウハッカ、コエビスグサ、サネブトナツメ及びそれらの抽出物からなる群より選択されるうちの少なくとも1を添加する工程を含む。
また本発明は、細胞のプロスタシン産生を促進する方法を提供する。当該方法は、プロスタシン産生能を有し且つプロスタシン産生を促進させたい細胞に、ヤドリギ、Cranesbill、Shonny Haw、セイヨウハッカ、コエビスグサ、サネブトナツメ及びそれらの抽出物からなる群より選択されるうちの少なくとも1を添加する工程を含む。
【0036】
本発明においてフィラグリン産生又はプロスタシン産生を促進する「細胞」は、天然又は遺伝子工学的に改変されたフィラグリン発現能又はプロスタシン発現能を有する細胞であれば特に限定されない。好ましくは、細胞としては、上皮系由来細胞が挙げられ、より好ましくはケラチノサイトが挙げられる。
あるいは、当該「細胞」は、上記で挙げた細胞の細胞片または細胞分画物であってもよく、あるいは上記で挙げた細胞を含む組織又は上記で挙げた細胞に由来する培養物であってもよい。細胞が細胞培養物の場合、好ましくは、当該細胞は、上記植物又はそれらの抽出物の存在下で培養される。
添加される上記植物又はその抽出物の濃度は、細胞が細胞培養物の場合、培養物中での最終濃度として、当該抽出物の乾燥重量換算で、0.0001〜2%(w/v)であり、好ましくは0.0003〜0.5%(w/v)であり、より好ましくは0.0005〜0.1%(w/v)である。
【0037】
また本発明は、細胞の紫外線抵抗性を増強する方法を提供する。当該方法は、フィラグリン又はプロスタシン産生能を有し且つ紫外線抵抗性を増強させたい細胞に、ヤドリギ、Cranesbill、Shonny Haw、セイヨウハッカ、コエビスグサ、サネブトナツメ及びそれらの抽出物からなる群より選択されるうちの少なくとも1を添加する工程を含む。好ましくは、当該細胞は、上記植物又はそれらの抽出物の存在下で培養される。
当該細胞の例、及び当該細胞に添加される上記植物又はその抽出物の濃度は、上述のフィラグリン産生又はプロスタシン産生を促進する方法の場合と同様である。
【0038】
また本発明において、ヤドリギ、Cranesbill、Shonny Haw、セイヨウハッカ、コエビスグサ、サネブトナツメ及びそれらの抽出物からなる群より選択されるうちの少なくとも1は、皮膚の紫外線抵抗性を増強するため、フィラグリン産生促進のため、プロスタシン産生促進のため、又は紫外線に起因する皮膚の状態の改善、例えば、しみ、しわ、たるみ等の改善、日焼け防止等のために、それらを必要とする対象に有効量で投与され得る。
一態様において、当該投与は、健康増進又は美容目的により非治療的に行われる。
好ましくは、当該投与は皮膚への局所投与である。
投与の対象としては、皮膚の紫外線抵抗性の増強を必要とする動物が挙げられる。あるいは、投与の対象としては、紫外線に起因する皮膚の状態の改善、例えば、しみ、しわ、たるみ等の改善、日焼け防止等を所望する動物が挙げられる。動物は、好ましくはヒト又は非ヒト哺乳動物であり、より好ましくはヒトである。
【0039】
好ましい投与量は、対象の種、体重、性別、年齢、状態又はその他の要因に従って変動し得る。投与の用量、経路、間隔、及び摂取の量や間隔は、当業者によって適宜決定され得る。例えば、ヒトの皮膚に局所投与する場合、投与量は、上記植物の抽出物の乾燥重量換算で、成人(60kg)1人当たり、0.001〜1000mg/日とすることが好ましく、0.01〜100mg/日がより好ましい。
【実施例】
【0040】
以下、実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。
【0041】
製造例 植物抽出物の調製
【0042】
(製造例1)ヤドリギ10%エタノール水溶液抽出物の調製
ヤドリギの葉茎(新和物産株式会社製)10gを細切し、10%エタノール水溶液100mLを加え、室温・静置条件下で7日間抽出を行った。その後、濾過して、ヤドリギ抽出物63mLを得た。得られた抽出物について、蒸発残分を算出したところ、蒸発残分は0.88%(w/v)であった。これを濃縮乾固させた後、10%エタノール水溶液で1.0%(w/v)(エキス固形分)抽出物を調製した。
<蒸発残分の算出>
ヤドリギ抽出物1mlを105℃で6時間乾燥させたところ(乾燥機:DRY Thermo Unit DTU-1C(TAITEC CORPORATION社製)使用)、乾燥物8.80mgが得られた。この抽出物の蒸発残分を、8.80/1000×100=0.88%(w/v)と算出した。なお、下記の製造例においても、各抽出物の蒸発残分は同様にして算出されたものである。
【0043】
(製造例2)ヤドリギ20%エタノール水溶液抽出物の調製
製造例1と同様の条件で20%エタノール水溶液を使用して抽出を行った。その後、濾過して、ヤドリギ抽出物51mLを得た。得られた抽出物について、蒸発残分を算出したところ、蒸発残分は1.00%(w/v)であった。
【0044】
(製造例3)ヤドリギ30%エタノール水溶液抽出物の調製
製造例1と同様の条件で30%エタノール水溶液を使用して抽出を行った。その後、濾過して、ヤドリギ抽出物47mLを得た。得られた抽出物について、蒸発残分を算出したところ、蒸発残分は1.08%(w/v)であった。これを30%エタノール水溶液で1.08倍希釈し、1.0%(w/v)(エキス固形分)抽出物を調製した。
【0045】
(製造例4)ヤドリギ40%エタノール水溶液抽出物の調製
製造例1と同様の条件で40%エタノール水溶液を使用して抽出を行った。その後、濾過して、ヤドリギ抽出物46mLを得た。得られた抽出物について、蒸発残分を算出したところ、蒸発残分は1.22%(w/v)であった。これを40%エタノール水溶液で1.22倍希釈し、1.0%(w/v)(エキス固形分)抽出物を調製した。
【0046】
(製造例5)ヤドリギ50%エタノール水溶液抽出物の調製
製造例1と同様の条件で50%エタノール水溶液を使用して抽出を行った。その後、濾過して、ヤドリギ抽出物50mLを得た。得られた抽出物について、蒸発残分を算出したところ、蒸発残分は1.08%(w/v)であった。これを50%エタノール水溶液で1.08倍希釈し、1.0%(w/v)(エキス固形分)抽出物を調製した。
【0047】
(製造例6)ヤドリギ60%エタノール水溶液抽出物の調製
製造例1と同様の条件で60%エタノール水溶液を使用して抽出を行った。その後、濾過して、ヤドリギ抽出物56mLを得た。得られた抽出物について、蒸発残分を算出したところ、蒸発残分は1.17%(w/v)であった。これを60%エタノール水溶液で1.17倍希釈し、1.0%(w/v)(エキス固形分)抽出物を調製した。
【0048】
(製造例7)ヤドリギ70%エタノール水溶液抽出物の調製
製造例1と同様の条件で70%エタノール水溶液を使用して抽出を行った。その後、濾過して、ヤドリギ抽出物55mLを得た。得られた抽出物について、蒸発残分を算出したところ、蒸発残分は0.90%(w/v)であった。これを濃縮乾固させた後、70%エタノール水溶液で1.0%(w/v)(エキス固形分)抽出物を調製した。
【0049】
(製造例8)ヤドリギ80%エタノール水溶液抽出物の調製
製造例1と同様の条件で80%エタノール水溶液を使用して抽出を行った。その後、濾過して、ヤドリギ抽出物54mLを得た。得られた抽出物について、蒸発残分を算出したところ、蒸発残分は0.80%(w/v)であった。これを濃縮乾固させた後、80%エタノール水溶液で1.0%(w/v)(エキス固形分)抽出物を調製した。
【0050】
(製造例9)ヤドリギ90%エタノール水溶液抽出物の調製
製造例1と同様の条件で90%エタノール水溶液を使用して抽出を行った。その後、濾過して、ヤドリギ抽出物54mLを得た。得られた抽出物について、蒸発残分を算出したところ、蒸発残分は0.69%(w/v)であった。これを濃縮乾固させた後、90%エタノール水溶液で1.0%(w/v)(エキス固形分)抽出物を調製した。
【0051】
(製造例10)ヤドリギ95%エタノール水溶液抽出物の調製
ヤドリギの葉茎(新和物産株式会社製)40gを細切し、95%エタノール水溶液400mLを加え、室温・静置条件下で43日間抽出を行った。その後、濾過して、ヤドリギ抽出物354mLを得た。得られた抽出物について、蒸発残分を算出したところ、蒸発残分は0.84%(w/v)であった。これを濃縮乾固させた後、95%エタノール水溶液で1.0%(w/v)(エキス固形分)抽出物を調製した。
【0052】
(製造例11)ヤドリギヘキサン抽出物の調製
ヤドリギの葉茎(新和物産株式会社製)40g細切し、ヘキサン400mLを加え、室温・静置条件下で43日間抽出を行った。その後、濾過して、ヤドリギ抽出物340mLを得た。得られた抽出物について、蒸発残分を算出したところ、蒸発残分は0.69%(w/v)であった。これを濃縮乾固させた後、99.5%エタノール水溶液で1.0%(w/v)(エキス固形分)抽出物を調製した。
【0053】
(製造例12)Cranesbill水抽出物の調製
Cranesbillの根(American botanicals社製)40gを細切し、水400mLを加え、70℃、5時間の条件で抽出を行った。その後、濾過して、Cranesbill抽出物347mLを得た。得られた抽出物について、下記の方法で蒸発残分を算出したところ、蒸発残分は1.18%(w/v)であった。これを濃縮乾固させた後、10%エタノール水溶液で希釈し、1.0%(w/v)(エキス固形分)抽出物を調製した。
【0054】
(製造例13)Cranesbill 10%エタノール水溶液抽出物の調製
Cranesbillの根(American botanicals社製)7gを細切し、10%エタノール水溶液70mLを加え、室温・静置条件下で7日間抽出を行った。その後、濾過して、Cranesbill抽出物57mLを得た。得られた抽出物について、蒸発残分を算出したところ、蒸発残分は2.05%(w/v)であった。これを10%エタノール水溶液で2.05倍希釈し、1.0%(w/v)(エキス固形分)抽出物を調製した。
【0055】
(製造例14)Cranesbill 20%エタノール水溶液抽出物の調製
製造例13と同様の条件において20%エタノール水溶液を使用して抽出を行った。その後、濾過して、Cranesbill抽出物56mLを得た。得られた抽出物について、蒸発残分を算出したところ、蒸発残分は2.31%(w/v)であった。これを20%エタノール水溶液で2.31倍希釈し、1.0%(w/v)(エキス固形分)抽出物を調製した。
【0056】
(製造例15)Cranesbill 30%エタノール水溶液抽出物の調製
製造例13と同様の条件において30%エタノール水溶液を使用して抽出を行った。その後、濾過して、Cranesbill抽出物57mLを得た。得られた抽出物について、蒸発残分を算出したところ、蒸発残分は2.60%(w/v)であった。これを30%エタノール水溶液で2.60倍希釈し、1.0%(w/v)(エキス固形分)抽出物を調製した。
【0057】
(製造例16)Cranesbill 40%エタノール水溶液抽出物の調製
製造例13と同様の条件において40%エタノール水溶液を使用して抽出を行った。その後、濾過して、Cranesbill抽出物55mLを得た。得られた抽出物について、蒸発残分を算出したところ、蒸発残分は2.66%(w/v)であった。これを40%エタノール水溶液で2.66倍希釈し、1.0%(w/v)(エキス固形分)抽出物を調製した。
【0058】
(製造例17)Cranesbill 50%エタノール水溶液抽出物の調製
Cranesbillの根(American botanicals社製)40gを細切し、50%エタノール水溶液400mLを加え、室温・静置条件下で17日間抽出を行った。その後、濾過して、Cranesbill抽出物309mLを得た。得られた抽出物について、蒸発残分を算出したところ、蒸発残分は2.88%(w/v)であった。これを50%エタノール水溶液で2.88倍希釈し、1.0%(w/v)(エキス固形分)抽出物を調製した。
【0059】
(製造例18)Cranesbill 60%エタノール水溶液抽出物の調製
製造例13と同様の条件において60%エタノール水溶液を使用して抽出を行った。その後、濾過して、Cranesbill抽出物58mLを得た。得られた抽出物について、蒸発残分を算出したところ、蒸発残分は2.51%(w/v)であった。これを60%エタノール水溶液で2.51倍希釈し、1.0%(w/v)(エキス固形分)抽出物を調製した。
【0060】
(製造例19)Shonny Haw 50%エタノール水溶液抽出物の調製
Shonny Hawの樹皮(American botanicals社製)40gを細切し、50%エタノール水溶液400mLを加え、室温・静置条件下で19日間抽出を行った。その後、濾過して、Shonny Haw抽出物319mLを得た。得られた抽出物について、蒸発残分を算出したところ、蒸発残分は1.69%(w/v)であった。これを50%エタノール水溶液で1.69倍希釈し、1.0%(w/v)(エキス固形分)抽出物を調製した。
【0061】
(製造例20)セイヨウハッカ50%エタノール水溶液抽出物の調製
セイヨウハッカの葉(新和物産株式会社製)40gを細切し、50%エタノール水溶液400mLを加え、室温・静置条件下で15日間抽出を行った。その後、濾過して、セイヨウハッカ抽出物277mLを得た。得られた抽出物について、蒸発残分を算出したところ、蒸発残分は2.07%(w/v)であった。これを50%エタノール水溶液で2.07倍希釈し、1.0%(w/v)(エキス固形分)抽出物を調製した。
【0062】
(製造例21)コエビスグサ水抽出物の調製
コエビスグサの種子(新和物産株式会社製)40gを細切し、水400mLを加え、70℃、5時間の条件で抽出を行った。その後、濾過して、コエビスグサ抽出物264mLを得た。得られた抽出物について、蒸発残分を算出したところ、蒸発残分は1.43%(w/v)であった。これを濃縮乾固させた後、10%エタノール水溶液で希釈し、1.0%(w/v)(エキス固形分)抽出物を調製した。
【0063】
(製造例22)コエビスグサ50%エタノール水溶液抽出物の調製
コエビスグサの種子(新和物産株式会社製)40gを細切し、50%エタノール水溶液400mLを加え、室温・静置条件下で43日間抽出を行った。その後、濾過して、コエビスグサ抽出物343mLを得た。得られた抽出物について、蒸発残分を算出したところ、蒸発残分は0.64%(w/v)であった。これを濃縮乾固後、50%エタノール水溶液で希釈し、1.0%(w/v)(エキス固形分)抽出物を調製した。
【0064】
(製造例23) サネブトナツメ50%エタノール水溶液抽出物の調製
サネブトナツメの種子(新和物産株式会社製)40gを細切し、50%エタノール水溶液400mLを加え、室温・静置条件下で21日間抽出を行った。その後、濾過して、サネブトナツメ抽出物312mLを得た。得られた抽出物について、蒸発残分を算出したところ、蒸発残分は0.95%(w/v)であった。これを濃縮乾固させた後、10%エタノール水溶液で希釈し、1.0%(w/v)(エキス固形分)抽出物を調製した。
【0065】
実施例1 フィラグリン産生に対する植物抽出物の効果
ヒト正常表皮細胞(NHEK)はEpiLife(登録商標)(Kuraboより購入)を用い、37℃、5%CO2条件下で培養した。細胞を6穴プレートに1×104個/cm2で播種し、24時間培養後、培地を血清無添加培地に交換するとともに、製造例に従って調製した表1に記載の植物抽出物を、最終濃度0.1%(v/v)(最終エキス分濃度0.001w/v%)となるように培地に添加した。48時間培養後、細胞からRNeasy(登録商標)Mini Kit (QIAGEN) を用いてtotal RNAを抽出した。total RNAの濃度を測定し、一定量のtotal RNAを用いて逆転写反応を行った。逆転写反応にはHigh capacity RNA-to-cDNA Kit (Applied Biosystems)を用いた。
得られたcDNAから、Real−time−PCRにより、フィラグリン遺伝子発現の定量を行った。定量は、Taqman(登録商標)Probe (Applied Biosystems)を用い、PRISM 7500 (Applied Biosystems)で検出定量した。50μlの反応系にて、増幅条件は95℃、15秒の変性反応、60℃、1分のアニーリング、伸長反応にて行った。それぞれの遺伝子発現量はRPLP0発現量により補正し、エキス無添加(溶媒のみ)コントロールにおけるフィラグリンの発現量を1とした場合の相対値として示した。結果を表1に示す。
【0066】
【表1】

【0067】
実施例2 フィラグリン産生に対する植物抽出物の効果
製造例13〜18に従って調製したCranesbill抽出物を用いて実施例1と同様の手順でフィラグリン遺伝子発現の定量を行った。使用した植物抽出物及びフィラグリン発現量を表2に示す。
【0068】
【表2】

【0069】
実施例3 フィラグリン産生に対する植物抽出物の効果
製造例1〜9に従って調製したヤドリギ抽出物を用いて実施例1と同様の手順でフィラグリン遺伝子発現の定量を行った。使用した植物抽出物及びフィラグリン発現量を表3に示す。
【0070】
【表3】

【0071】
実施例4 プロスタシン産生に対する植物抽出物の効果
実施例1と同様の手順でプロスタシン遺伝子発現の定量を行った。使用した植物抽出物及びプロスタシン発現量を表4に示す。
【0072】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヤドリギ、Cranesbill、Shonny Haw、セイヨウハッカ、コエビスグサ、サネブトナツメ及びそれらの抽出物からなる群より選択されるうちの少なくとも1を有効成分とする紫外線抵抗性増強剤。
【請求項2】
ヤドリギ及び/又はその抽出物を有効成分とする請求項1記載の紫外線抵抗性増強剤。
【請求項3】
抽出物が水抽出物、エタノール抽出物、エタノール水溶液抽出物又はヘキサン抽出物である請求項1又は2記載の紫外線抵抗性増強剤。
【請求項4】
外用剤である請求項1〜3のいずれか1項記載の紫外線抵抗性増強剤。
【請求項5】
細胞の紫外線抵抗性を増強する方法であって、フィラグリン発現能を有する細胞を、ヤドリギ、Cranesbill、Shonny Haw、セイヨウハッカ、コエビスグサ、サネブトナツメ及びそれらの抽出物からなる群より選択されるうちの少なくとも1の存在下で培養する工程を含む方法。
【請求項6】
細胞がケラチノサイトである請求項5記載の方法。
【請求項7】
細胞をヤドリギ及び/又はその抽出物の存在下で培養する請求項5又は6記載の方法。
【請求項8】
抽出物が水抽出物、エタノール抽出物、エタノール水溶液抽出物又はヘキサン抽出物である請求項5〜7のいずれか1項記載の方法。

【公開番号】特開2012−236801(P2012−236801A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107819(P2011−107819)
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】