説明

細菌検出装置及び細菌検出方法

【課題】蛍光観察の画像処理において、複数視野から蛍光する細菌の有無を高速で判定することができる細菌検出装置及び細菌検出方法を提供する。
【解決手段】蛍光標識された細菌の有無を検出する細菌検出装置において、検体に特定の波長の光を照射して得られる光を受光し光情報として出力する光学手段11と、光学手段11の視野を移動させる視野移動手段20と、視野を移動中に露光したままの状態で前記光情報を画像として撮像する撮像手段12と、視野移動手段20が対象の視野から隣接する次の視野まで移動を行う際に撮像手段12が撮影した画像から移動方向を横切る直線または曲線の走査ライン上の輝度情報を抽出して蛍光の有無を判定し、蛍光が含まれる視野の位置を特定する位置特定手段14と、前記蛍光が含まれる視野の画像から前記蛍光標識された細菌を検出する細菌検出手段17を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細菌の蛍光観察に関し、より詳細には、複数の視野から蛍光する細菌が存在する視野を特定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
細菌を分類する方法としては寒天培養法が最も一般的な方法である。これは試料を寒天培地に塗り、所定時間培養して形成したコロニーを、染色又は無染色にて、顕微鏡を用いて観察者が分類する検査方法である。しかしこの寒天培養法は、基本的に手作業で行うため処理が煩わしく、また培養するため細菌の種類を判定までに時間を要する。
【0003】
そこで、培養せずに観察する蛍光観察法がある。これは細菌だけが蛍光するように検体を調整し、その蛍光を落斜蛍光顕微鏡などの光学手段を用いて観察者が観察する検査方法である。また、蛍光する細菌の検出は観察者が手動で行っていたが、近年では自動で行うことが考案されている。通常の自動処理として、撮影した1視野分の画像を全走査し、細菌の検出処理を行い、それを全視野分行う。しかし、全視野に対して細菌の検出処理を行うには処理時間を要する。そこで蛍光する細菌の出現頻度が少ない抗酸菌を高速で検出する方法として、撮影した全視野分の画像において、1視野分の画像に加算する。生成した1視野分の画像に対して抗酸菌の検出処理を行い判定する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−333151号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1の構成では、抗酸菌の有無に関わらず視野中の全画素について走査するため、抗酸菌の検出に処理時間を要する。
【0005】
また、撮影した画像にノイズが無いことが前提であるが、実際にはノイズが存在する。例えば1枚のプレートにつき1000視野観察する場合、1000視野分の画像を1枚の画像に加算するとノイズも1000倍され、抗酸菌が蛍光している部分との輝度値などの差異を検出することが困難になるため、精度良く判定することが出来ない。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、細菌の蛍光観察において複数の視野を観察し、蛍光する細菌の出現頻度が少ない場合に、高速に蛍光する細菌が存在する視野を特定する細菌検出装置及び細菌検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明の細菌検出装置は、蛍光標識された細菌の有無を検出する細菌検出装置において、検体に特定の波長の光を照射して得られる光を受光し、光情報として出力する光学手段と、前記光学手段の視野を移動させる視野移動手段と、視野を移動中に露光したままの状態で前記光情報を画像として撮像する撮像手段と、前記視野移動手段が対象の視野から隣接する次の視野まで移動を行う際に前記撮像手段が撮影した画像から移動方向を横切る直線または曲線の走査ライン上の輝度情報を抽出して蛍光の有無を判定し、蛍光が含まれる視野の位置を特定する位置特定手段と、前記蛍光が含まれる視野の画像から前記蛍光標識された細菌を検出する細菌検出手段を含むことを特徴とするものである。
【0008】
さらに細菌検出装置において、蛍光標識された細菌の有無を検出する細菌検出装置において、検体に特定の波長の光を照射して得られる光を受光し、光情報として出力する光学手段と、前記光学手段の視野を移動させる視野移動手段と、視野を移動中に露光したままの状態で前記光情報を画像として撮像する撮像手段と、前記視野移動手段が1視野より広い範囲の移動を行う際に前記撮像手段が撮影した画像から移動方向を横切る直線または曲線の走査ライン上の輝度情報を抽出して蛍光の有無を判定する範囲特定手段と、前記視野移動手段が1視野分以下の移動を行う際の前記撮像手段が撮影した一視野画像における移動方向を横切る直線または曲線の走査ラインの輝度情報から、蛍光が含まれる視野の位置を特定する位置特定手段と、前記蛍光が含まれる視野の画像から前記蛍光標識された細菌を検出する細菌検出手段を含むことを特徴とするものである。
【0009】
さらに細菌検出装置において、前記位置特定手段において、前記走査ラインの輝度情報の蛍光する特徴がある箇所を基に、蛍光が含まれる視野の移動方向に対する垂直方向の領域を特定することを特徴とするものである。
【0010】
さらに細菌検出装置において、前記位置特定手段において、複数の前記走査ラインの輝度情報の蛍光する特徴と、複数の前記走査ラインの軌跡を示す領域を基に、蛍光が含まれる視野を移動方向に領域を特定することを特徴とするものである。
【0011】
さらに細菌検出装置において、前記位置特定手段において、前記走査ラインの輝度情報の蛍光する特徴がある箇所と複数の前記走査ラインの輝度情報の蛍光する特徴と、複数の前記走査ラインの軌跡を示す領域を基に、蛍光が含まれる視野の移動方向に対する垂直方向と移動方向に領域を特定することを特徴とするものである。
【0012】
さらに細菌検出装置において、前記位置特定手段において領域を特定した場合、前記細菌検出工程において特定した領域を詳細に撮影した画像から細菌を検出することを特徴とするものである。
【0013】
さらに本発明の細菌検出方法において、検体の蛍光反応の観察において、撮像手段が観察する視野を現在観察している視野から1視野分以下の移動量で移動する間に、露光したまま撮影して一視野画像を取得する露光撮影工程と、前記一視野画像において、視野の移動方向を横切る直線または曲線の走査ラインの輝度情報から、前記撮像手段が観察する視野中で蛍光が含まれる視野の位置を特定する位置特定工程と、前記蛍光が含まれる視野の画像から検体中の蛍光する細菌を検出する細菌検出工程を含むことを特徴とするものである。
【0014】
さらに細菌検出方法において、検体の蛍光反応の観察において、撮像手段が観察する視野を現在観察している視野から1視野より広い範囲を移動している間に、露光したまま撮影して広視野画像を取得する広視野露光撮影工程と、前記広視野画像において、視野の移動方向を横切る直線または曲線の走査ラインの輝度情報から前記広い範囲に蛍光が含まれるか否かを判定する範囲特定工程と、前記蛍光が含まれる範囲において、撮像手段が観察する視野を現在観察している視野から1視野分以下の移動量で移動する間に、露光したまま撮影して一視野画像を取得する露光撮影工程と、前記一視野画像において、視野の移動方向を横切る直線または曲線の走査ラインの輝度情報から、前記撮像手段が観察する視野中で蛍光が含まれる視野の位置を特定する位置特定工程と、前記蛍光が含まれる視野の画像から検体中の蛍光する細菌を検出する細菌検出工程を含むことを特徴とするものである。
【0015】
さらに細菌検出方法において、前記位置特定工程において、前記走査ラインの輝度情報の蛍光する特徴がある箇所を基に、蛍光が含まれる視野の移動方向に対する垂直方向の領域を特定することを特徴とするものである。
【0016】
さらに細菌検出方法において、前記位置特定工程において、複数の前記走査ラインの輝度情報の蛍光する特徴と、複数の前記走査ラインの軌跡を示す領域を基に、蛍光が含まれる視野を移動方向に領域を特定することを特徴とするものである。
【0017】
さらに細菌検出方法において、前記位置特定工程において、前記走査ラインの輝度情報の蛍光する特徴がある箇所と複数の前記走査ラインの輝度情報の蛍光する特徴と、複数の前記走査ラインの軌跡を示す領域を基に、蛍光が含まれる視野の移動方向に対する垂直方向と移動方向に領域を特定することを特徴とするものである。
【0018】
さらに細菌検出方法において、前記位置特定工程において領域を特定した場合、前記細菌検出工程において特定した領域を詳細に撮影した画像から細菌を検出することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明の細菌検出装置及び細菌検出方法によれば、細菌の蛍光観察において複数の視野を観察し、蛍光する細菌の出現頻度が少ない場合に、蛍光する細菌の出現する視野を高速に特定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、本発明の細菌検出装置及び細菌検出方法の実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
【実施例1】
【0021】
図1は、本発明の第1の実施例における細菌検出装置のブロック図を示す。図1において、プレート1は検査する対象物である。光学手段11はプレート1に励起光を照射し、プレート1からの光を撮像手段12へ出力する。
【0022】
撮像手段12は制御手段18から撮影を制御する信号を取得する。撮像手段12は蛍光観察している領域を撮影して画像を生成し、制御手段18へ送信する。露光撮影手段13は1視野分移動している間は露光を行い、撮影するための信号を制御手段18へ送信する。また、位置特定手段14は可能性判定手段15と視野特定手段16を備える。可能性判定手段15は制御手段18から撮影した画像を取得し、蛍光する細菌が存在する可能性を判定し、判定した結果を制御手段18へ送信する。視野特定手段16は制御手段18から走査ラインの情報を取得し、蛍光する細菌が存在する可能性のある視野を特定し、特定した視野の結果を制御手段18へ送信する。細菌検出手段17は制御手段18から特定した視野の画像を取得し、特定した視野の画像から細菌を検出し、細菌の検出結果を制御手段18へ送信する。制御手段18は撮像手段12から撮影した画像と、露光撮影手段13から露光撮影するための信号と、可能性判定手段15から判定した結果と、視野特定手段16から特定した視野の結果と、細菌検出手段17から検出結果を取得する。また、制御手段18は撮像手段12に撮影を制御する信号と、可能性判定手段15に露光撮影した画像と、視野特定手段16に走査ラインの情報と、細菌検出手段17に特定した視野の画像と、移動手段20に移動を制御する信号と、表示手段19に検出結果を送信する。表示手段19は検出結果を取得し、検出結果を表示する。移動手段20は制御手段18から移動を制御する信号を取得し、観察している視野の移動を行う。
【0023】
次にプレート1について詳細に説明する。プレート1は、スライドガラスを用いており、細菌が蛍光するように調整された検体が塗られている。また、必要であれば熱処理などの処理を施す。検体としては例えば人の痰や便などである。なお、プレート1として、シャーレなどの任意のプレート1を採用してもよい。
【0024】
次に光学手段11について図2を用いて詳細に説明する。光学手段11は、蛍光顕微鏡を用いて蛍光観察を行う。図2は蛍光観察において光学手段11の処理の一例を示す説明図である。まず、プレート1に紫外線を含む光源21からの光22を照射するために光源21として水銀ランプなどを使用する。光源21からの光22は、励起フィルタ23を通る。励起フィルタ23は細菌が蛍光するのに必要な波長の光(以下、励起光24)を透過し、不要な光を遮光する。次に、ダイクロイックミラー29にて励起光24を対物レンズ25に導き、対物レンズ25を経由してプレート1に照射される。ダイクロイックミラー29は光源21に対して45度の角度で設置され、特定の波長のみ反射する。照射された励起光24で検体が蛍光し、その蛍光27は対物レンズ25を経由して、吸収フィルタ28を通り、撮像手段12へ蛍光を導く。吸収フィルタ28は蛍光27を透過し、反射した励起光24や外光などの蛍光以外の光26を遮光する。なお、光学手段11として蛍光観察が可能なマイクロメータなど任意の光学手段11を採用してもよい。
【0025】
次に撮像手段12について詳細に説明する。撮像手段12は、モノクロCCDカメラを用いており、光学手段11である蛍光顕微鏡にCマウントで接合している。なお、撮像手段12として、カラーCCDカメラなど任意の撮像手段12を採用してもよい。光学手段11により導かれた検体からの蛍光27を、CCDカメラで撮影し、撮影した画像を制御手段18へ送信する。
【0026】
次に露光撮影手段13について図3と図4を用いて詳細に説明する。図3は一回の撮影における移動の一例を示す説明図である。図3(a)は撮影する領域33が現在の視野31にある状態を示す図である。図3(b)は撮影する領域33が現在の視野31から次の視野32へ1視野分移動した状態を示す図である。
【0027】
図4は露光を行いながら撮影した一視野画像41と走査ライン42の一例を示す説明図である。図4(a)は図3のように現在の視野31から次の視野32へ移動している間、露光を行いながら撮影した一視野画像41と、移動方向に垂直で直線の走査ライン42を示す図である。走査ライン42は、移動方向を横切る直線または曲線に予め定めておく。また、走査ライン42の位置は、撮影した画像の中央の位置にするなど予め定めておく。図4(b)は、図4(a)の上部から下部に向けて1画素ずつ輝度値を順に取得する走査ライン42において、各画素の輝度値を示すグラフである。
【0028】
まず、露光撮影手段13は図3(a)の位置に撮影する領域33がある状態で、撮像手段12が露光を開始する制御信号を制御手段18へ送信する。次に、露光撮影手段13は、現在の視野31から次の視野32へ移動する制御信号を制御手段18へ送信する。図3(b)の位置に撮影する領域33が移動すると、撮像手段12の露光を終了する制御信号を制御手段18へ送信する。撮影した一視野画像41に蛍光する細菌44などの蛍光27が存在する場合、蛍光の軌跡43が線状に撮影される。
【0029】
次に可能性判定手段15について図4(b)を用いて詳細に説明する。まず、可能性判定手段15は制御手段18から撮影した一視野画像41を取得する。次に、可能性判定手段15は撮影した一視野画像41を用いて、走査ライン42の輝度情報から視野中に蛍光する細菌44が存在する可能性を判定する。蛍光する細菌44が存在する可能性を判定する方法として、図4(b)において所定値45以上の輝度値が連続する範囲46が所定範囲内である場合に、蛍光する細菌44が存在する可能性があると判定する。背景領域と蛍光領域の輝度値の間で最適な所定値45を定めておく。最適な値はシステムの構成や撮影条件などにより異なるため、観察者は複数サンプルの画像を基に評価を行い、所定値45を予め定めておく。例えば、複数サンプルの背景領域と蛍光領域の輝度値の平均値をそれぞれ算出し、その中央値を所定値45とする。また、蛍光27の大きさの最小と最大を予め定めておき、その範囲を所定範囲として予め定めておく。最適な値はシステムの構成や撮影条件などにより異なるため、観察者は複数サンプルの画像を基に評価を行い、所定範囲を予め定めておく。例えば、複数サンプルにおいて蛍光27の大きさの最小値と最大値を算出し、その範囲を所定範囲とする。次に、可能性判定手段15は判定した結果を制御手段18へ送信する。
【0030】
次に視野特定手段16について図5を用いて詳細に説明する。図5は視野を特定する一例を示す説明図である。図5(a)は次の視野32に蛍光物体51があることを示す図である。図5(b)は、図3のように左から右へ移動した場合に、走査ライン42の軌跡の領域53を示す図である。図5(c)は走査ライン42の軌跡の領域53を撮影したときの特定された視野の画像54と蛍光物体51を示す図である。
【0031】
視野特定手段16は前述の可能性判定手段15において可能性がある場合、制御手段18から現在の位置31や走査ライン42の位置などの位置情報を取得し、走査ライン42の軌跡の領域53を包含する視野を特定する。
【0032】
視野を特定する方法の一例を説明する。まず、図3のように移動した場合を考える。図5(a)の位置に蛍光物体51があるとすると、図4(a)のように撮影した一視野画像41が撮影される。走査ライン42は図4(a)のように移動方向に垂直で直線とし、画像の中央の位置と定める。撮影する領域33を次の視野32の位置から、走査ライン42の軌跡の領域53を包含する位置へ移動する。例えば、次の視野32の左端から現在の視野31における走査ライン42の位置52まで、移動方向とは逆方向に次の視野32から現在の視野31へ戻す。この状態で撮影すると図5(c)のような特定された視野の画像54が撮影される。特定された視野の画像54に蛍光物体51が存在すると特定する。視野特定手段16は特定した結果を制御手段18に送信する。
【0033】
次に細菌検出手段17について詳細に説明する。細菌検出手段17は制御手段18から特定された視野の画像54において、輝度情報などを基に細菌があるか否かの判定を行う。例えば、各画素における輝度値が所定値45以上である連結した画素の面積が、細菌の大きさの範囲内であるか否かを判定する。細菌の大きさの範囲はシステムの構成や撮影条件などにより異なるため、観察者は複数サンプルの画像を基に評価を行い、細菌の大きさの範囲を予め定めておく。また、細菌検出手段17は細菌検出した結果を制御手段18へ送信する。
【0034】
次に制御手段18について図6を用いて詳細に説明する。まず、撮影する領域33の全視野中での移動について図6を用いて説明する。図6は露光撮影を全視野61終了するまでに、撮影する領域33が全視野61を移動していく様子の一例を示す図である。図6(a)は露光撮影を全視野61終了するまでに、撮影する領域33が全視野61を移動していく様子の一例を示す図である。図6(b)は図6(a)において、両端に走査対象ではない領域62を用意しておき、撮影する領域33が全視野61を移動していく際に、走査ライン42の軌跡の領域53が全視野61の領域を含む一例を示す図である。
【0035】
制御手段18は以下のように全視野61の走査を制御する。全視野61の走査において、たとえば図6(a)のように開始位置が全視野61において左上の1行目にあるとすると、左端から右端へ1視野分ずつ移動して撮影する。右端へ移動し1行目が終了すると、2行目の左端へ移動し、2行目についても同様の作業を行う。最終行について終了すると処理を終了する。走査ライン42が移動方向に垂直で直線の観察領域の中央に位置しているとすると、全視野61の移動において左端と右端の1視野の半分の領域について、走査ライン42の軌跡の領域53に含まれないので、両端の領域については走査できていない。そのため走査ライン42の軌跡の領域53が全視野61の領域を含むようにする。たとえば、図6(b)のように予め全視野61の両端に走査対象ではない領域62を用意しておき、走査ライン42の軌跡の領域53が全視野61の領域を含むようにする。
【0036】
また、制御手段18は以下の情報を制御し、処理を行う。制御手段18は撮像手段12から撮影した画像と、露光撮影手段13から露光撮影するための信号と、可能性判定手段15から判定した結果と、視野特定手段16から特定した視野の結果と、細菌検出手段17から検出結果を取得し、制御手段18は撮像手段12に撮影を制御する信号と、可能性判定手段15に露光撮影した画像と、視野特定手段16に走査ライン42の情報と、細菌検出手段17に特定した視野の画像と、移動手段20に移動を制御する信号を送信する。また、制御手段18は全視野61の走査が終了すると検出結果を表示手段19へ送信する。
【0037】
表示手段19としては、例えばCRTモニタを用いる。なお、表示手段19として、タッチパネルなど任意の表示手段19を採用してもよい。
【0038】
移動手段20としては、例えば顕微鏡用の自動XYステージを用いる。また、自動XYステージは光学手段11の蛍光顕微鏡のステージとして取り付ける。その後、自動XYステージにプレート1を設置する。なお、今回はプレート1を移動することで視野の移動を行っているが、例えば、撮像手段12を移動することで視野の移動を実現してもよい。
【0039】
上記のように構成された細菌検出装置の動作の一例について図7を参照して説明する。図7は、細菌検出方法における各ステップの一例を示すフローチャートである。
【0040】
まず、ステップS1において、視野を開始位置に移動するなどの初期設定を行う。次に、ステップS2の露光撮影工程において、露光撮影手段13は1視野分移動している間は露光を行い、撮影するための制御信号を制御手段18へ送信する。制御手段18は露光撮影手段13から露光撮影するための制御信号を取得し、撮像手段12に露光を開始する制御信号を送信する。また、光学手段11はプレート1を蛍光観察し、観察している蛍光27を撮像手段12へ出力する。撮像手段12は観察している蛍光27を光学手段11から取得し、制御手段18から露光を開始する制御信号を取得し、露光を開始する。続いて制御手段18は移動手段20に移動を制御する信号を送信する。移動手段20は移動を制御する信号を制御手段18から取得し、1視野分移動する。続いて制御手段18は撮像手段12に露光を終了する制御信号を送信する。撮像手段12は制御手段18から露光を終了する制御信号を取得し、露光を終了し、撮影した一視野画像41を制御手段18へ送信する。
【0041】
次に、ステップS3の走査ライン42の輝度情報取得において、制御手段18は撮影した一視野画像41を撮像手段12から取得し、可能性判定手段15へ送信する。可能性判定手段15は撮影した一視野画像41を制御手段18から取得し、例えば、撮影した一視野画像41において上部から下部に向けて1画素ずつ輝度値を取得する。
【0042】
次に、ステップS4の蛍光の特徴を調べる工程で、制御手段18は可能性判定手段15が蛍光の特徴があるか否か判定した結果を可能性判定手段15から取得する。判定した結果、撮影した一視野画像41に蛍光する細菌44が存在する可能性がある場合は、制御手段18は可能性を判定した結果を可能性判定手段15から取得し、ステップS5へ遷移する。また、可能性がない場合はステップS7へ遷移する。
【0043】
次に、ステップS5は視野特定工程であり、制御手段18は可能性を判定した結果の走査ライン42の情報を視野特定手段16へ送信する。視野特定手段16は走査ライン42の情報を制御手段18から取得し、視野を特定した結果を制御手段18へ送信する。制御手段18は視野を特定した結果を視野特定手段16から取得する。制御手段18は視野を特定した結果から特定した視野へ移動するための制御信号を移動手段20へ送信する。移動手段20は特定した視野へ移動するための制御信号を制御信号18から取得し、特定した視野へ移動する。続いて制御手段18は特定した視野を撮影するための制御信号を撮像手段12へ送信する。撮像手段12は特定した視野を撮影するための制御信号を制御手段18から取得し、特定された視野を撮影する。また、撮像手段12は特定された視野の画像54を制御手段18へ送信する。
【0044】
次に、ステップS6は細菌検出工程であり、制御手段18は特定された視野の画像54を撮像手段12から取得し、特定された視野の画像54を細菌検出手段17へ送信する。細菌検出手段17は特定された視野の画像54を制御手段18から取得し、蛍光する細菌44の検出結果を制御手段18へ送信する。制御手段18は検出結果を取得する。
【0045】
次に、ステップS7において、判定を行う全視野61について終了した場合、制御手段18はステップS8において結果を表示手段19へ出力し、処理を終了する。一方、次の視野32があれば、ステップS2に戻り、ステップS3〜S6を繰り返す。
【0046】
以上のように、本実施例1において1視野分移動している間は露光を行い撮影し、撮影した一視野画像41から蛍光する細菌44が存在する可能性を判定する。また、可能性がある視野を特定し、特定された視野の画像54に細菌が含まれるか否かを判定する。1視野に蛍光する細菌44の出現頻度が少ない場合に、1視野分を一部の走査で判定を行えるので、高速に細菌の蛍光27を判定することができる。
【0047】
また、本実施例1の図7のステップS5である視野特定工程において、特定された視野の画像54で移動方向に領域を絞る方法として以下の方法がある。図8は特定された視野の画像54において、図4(b)で所定値45以上の輝度値が連続する範囲46を包含する範囲82内の移動方向の領域を、蛍光物体51が存在する可能性のある領域81として絞り込むことを示す説明図である。細菌検出における対象とする領域を図8のように絞ることで、処理時間を短縮することができる。
【0048】
また、本実施例1の制御手段18のステップS5である視野特定工程において、特定された視野の画像54で移動方向に対して垂直方向に領域を絞る方法として以下の方法がある。図9は特定された視野の画像54で移動方向に対して垂直方向に領域を絞る方法を示す説明図である。図9(a)は露光しながら撮影した一視野画像41に対して走査ライン42を左端と中央に2本取得することを示す図である。図9(b)は走査ライン42aが1視野分移動する移動するときに描く走査ライン42aの軌跡の領域53aと走査ライン42bが1視野分移動する移動するときに描く走査ライン42bの軌跡の領域53bを示す説明図である。図9(c)は、例えば、走査ライン42aに蛍光する特徴がなく、走査ライン42bに蛍光する特徴がある場合、走査ライン42bの軌跡の領域53bから走査ライン42aの軌跡の領域53aが重なる部分を除いた蛍光物体51が存在する可能性のある領域91として絞り込むことを示す説明図である。細菌検出における対象とする領域を図9(c)のように絞ることで、処理時間を短縮することができる。
【0049】
また、本実施例1の図7のステップS5である視野特定工程において、特定された視野の画像54で移動方向と移動方向に対して垂直方向に領域の両方向に領域を絞る方法として以下の方法がある。図10は図8のように移動方向に領域を絞り、さらに図9のように移動方向に対して垂直方向に領域を絞った蛍光物体51が存在する可能性のある領域101を示す説明図である。細菌検出における対象とする領域を図10のように絞ることで、さらに処理時間を短縮することができる。
【0050】
また、本実施例1では、細菌検出手段17で特定された視野の画像54を用いて細菌の検出を行っているが、前述の方法で蛍光する細菌44が存在する領域を特定された視野から絞り、光学手段11により、例えば、倍率を上げて蛍光物体51が存在する可能性のある領域101を撮影し、その詳細に蛍光物体51が存在する可能性のある領域101を撮影した画像を用いて細菌の検出を行うことで、精度良く細菌の検出を行うことができる。
【0051】
また、本実施例1では、撮像手段12としてモノクロCCDで撮影しているが、RGBなどカラーで撮影可能な撮像手段12を用いて撮影した画像では、例えば蛍光する細菌44に特定の色情報が無いなどの特徴がある場合、走査ライン42において蛍光の特徴を算出する際に、特定の色情報が無いなどの条件を追加することにより蛍光の特徴を精度良く検出することができる。
【実施例2】
【0052】
実施例1との相違点のみ図11を用いて説明する。図11は図1において、広視野露光撮影手段111は全視野61の内の1行を移動している間は露光を行い、撮影するための信号を制御手段18へ送信する。範囲特定手段112は制御手段18から走査ライン42の情報を取得し、蛍光する細菌44が存在する可能性のある範囲を特定し、特定した範囲の結果を制御手段18へ送信する。制御手段18は広視野露光撮影手段111から広視野を露光撮影するための信号と、範囲特定手段112から特定した範囲の結果をさらに取得する。また、制御手段18は範囲特定手段112に走査ライン42の情報をさらに送信する。
【0053】
次に広視野露光撮影手段111について図12を用いて詳細に説明する。図12は全視野61中で左端に撮影する領域33があり、右端へ移動している間は露光を行い撮影することを示す説明図である。
【0054】
まず、広視野露光撮影手段111は全視野61中で左端にある状態で露光を開始する制御信号を制御手段18へ送信する。次に、広視野露光撮影手段111は、撮影する領域33が全視野61中で左端から右端へ移動する制御信号を制御手段18へ送信する。全視野61中で右端の位置に撮影する領域33が移動すると、撮像手段12の露光を終了する制御信号を制御手段18へ送信する。つまり、露光撮影手段13が1視野分移動している間は露光を行いながら撮影するのに対し、広視野露光撮影手段111は図12のように、全視野61中で左端から右端への1行分移動している間は露光を行いながら撮影する。この時実施例1と同様に両端の領域を含むように、図6(b)に示したものと同様の走査対象でない領域を設けるようにしても良い。
【0055】
次に範囲特定手段112について図4(b)を用いて詳細に説明する。まず、範囲特定手段112は制御手段18から撮影した広視野画像を取得する。次に、範囲特定手段112は撮影した広視野画像を用いて、走査ライン42の輝度情報から視野中に蛍光する細菌44が存在する可能性を判定する。蛍光する細菌44が存在する可能性を判定する方法として、図4(b)において所定値45以上の輝度値が連続する範囲46が所定範囲内である場合に、蛍光する細菌44が存在する可能性があると判定する。次に、範囲特定手段112は判定した結果を制御手段18へ送信する。
【0056】
上記のように構成された細菌検出装置の動作の一例について図13を参照して説明する。図13は、細菌検出方法における各ステップの一例を示すフローチャートである。
【0057】
まず、ステップS21において、視野を開始位置に移動するなどの初期設定を行う。次に、ステップS22の広視野露光撮影工程において、広視野露光撮影手段111は1行分移動している間は露光を行い、撮影するための制御信号を制御手段18へ送信する。制御手段18は広視野露光撮影手段111から露光撮影するための制御信号を取得し、撮像手段12に露光を開始する制御信号を送信する。また、光学手段11はプレート1を蛍光観察し、観察している蛍光27を撮像手段12へ出力する。撮像手段12は観察している蛍光27を光学手段11から取得し、制御手段18から露光を開始する制御信号を取得し、露光を開始する。続いて制御手段18は移動手段20に移動を制御する信号を送信する。移動手段20は移動を制御する信号を制御手段18から取得し、1行分移動する。続いて制御手段18は撮像手段12に露光を終了する制御信号を送信する。撮像手段12は制御手段18から露光を終了する制御信号を取得し、露光を終了し、撮影した広視野画像を制御手段18へ送信する。また、制御手段18は撮影した広視野画像を撮像手段12から取得する。
【0058】
次に、ステップS23の走査ライン42の輝度情報取得において、制御手段18は範囲特定手段112へ撮影した広視野画像を送信する。範囲特定手段112は撮影した広視野画像を制御手段18から取得し、例えば、撮影した一視野画像41において上部から下部に向けて1画素ずつ輝度値を取得する。
【0059】
次に、ステップS24の蛍光の特徴を調べる工程で、範囲特定手段112は撮影した広視野画像に蛍光物体51が含まれる可能性を判定する。また、可能性を判定した結果を制御手段18へ送信する。制御手段18は可能性を判定した結果より、可能性がある場合は移動した行の開始位置へ移動するための制御信号を移動手段20へ送信する。移動手段20は行の開始位置へ移動するための制御信号を制御手段18から取得し、右端にある撮影する領域33の位置を左端に移動し、ステップS25へ遷移する。可能性がない場合は、ステップS31へ遷移する。
【0060】
次に、ステップS25の露光撮影工程において、露光撮影手段13は1視野分移動している間は露光を行い、撮影するための制御信号を制御手段18へ送信する。制御手段18は露光撮影手段13から露光撮影するための制御信号を取得し、撮像手段12に露光を開始する制御信号を送信する。また、光学手段11はプレート1を蛍光観察し、観察している蛍光27を撮像手段12へ出力する。撮像手段12は観察している蛍光27を光学手段11から取得し、制御手段18から露光を開始する制御信号を取得し、露光を開始する。続いて制御手段18は移動手段20に移動を制御する信号を送信する。移動手段20は移動を制御する信号を制御手段18から取得し、1視野分移動する。続いて制御手段18は撮像手段12に露光を終了する制御信号を送信する。撮像手段12は制御手段18から露光を終了する制御信号を取得し、露光を終了し、撮影した一視野画像41を制御手段18へ送信する。
【0061】
次に、ステップS26の走査ライン42の輝度情報取得において、制御手段18は撮影した一視野画像41を撮像手段12から取得し、可能性判定手段15へ送信する。可能性判定手段15は撮影した一視野画像41を制御手段18から取得し、例えば、撮影した一視野画像41において上部から下部に向けて1画素ずつ輝度値を取得する。
【0062】
次に、ステップS27の蛍光の特徴を調べる工程で、制御手段18は可能性判定手段15が蛍光の特徴があるか否か判定した結果を可能性判定手段15から取得する。判定した結果、撮影した一視野画像41に蛍光する細菌44が存在する可能性がある場合は、制御手段18は可能性を判定した結果を可能性判定手段15から取得し、ステップS28へ遷移する。また、可能性がない場合はステップS30へ遷移する。
【0063】
次に、ステップS28は視野特定工程であり、制御手段18は可能性を判定した結果の走査ライン42の情報を視野特定手段16へ送信する。視野特定手段16は走査ライン42の情報を制御手段18から取得し、視野を特定した結果を制御手段18へ送信する。制御手段18は視野を特定した結果を視野特定手段16から取得する。制御手段18は視野を特定した結果から特定した視野へ移動するための制御信号を移動手段20へ送信する。移動手段20は特定した視野へ移動するための制御信号を制御手段18から取得し、特定した視野へ移動する。続いて制御手段18は特定した視野を撮影するための制御信号を撮像手段12へ送信する。撮像手段12は特定した視野を撮影するための制御信号を制御手段18から取得し、特定された視野を撮影する。また、撮像手段12は特定された視野の画像54を制御手段18へ送信する。
【0064】
次に、ステップS6は細菌検出工程であり、制御手段18は特定された視野の画像54を撮像手段12から取得し、特定された視野の画像54を細菌検出手段17へ送信する。細菌検出手段17は特定された視野の画像54を制御手段18から取得し、蛍光する細菌44の検出結果を制御手段18へ送信する。制御手段18は検出結果を取得する。
【0065】
次に、ステップS30において、判定を行う1行について終了した場合、制御手段18はステップS31へ遷移する。一方、次の視野32があれば、ステップS25に戻り、ステップS26〜S29を繰り返す。
【0066】
次に、ステップS31において、判定を行う全視野61について終了した場合、制御手段18はステップS32において結果を表示手段19へ出力し、処理を終了する。一方、次の行があれば、制御手段18は次の行へ移動するための制御信号を移動手段20へ送信する。また、移動手段20は次の行へ移動するための制御信号を取得し、次の行へ移動する。その後、ステップS22に戻り、ステップS23〜S30を繰り返す。
【0067】
以上のように、本実施例2において1行分移動している間は露光を行い撮影し、撮影した広視野画像から蛍光する細菌44が存在する可能性を判定する。また、可能性がある行に対して、1視野分移動している間は露光を行い撮影し、撮影した一視野画像41から蛍光する細菌44が存在する可能性を判定する。また、可能性がある視野を特定し、特定された視野の画像54に細菌が含まれるか否かを判定する。1行に蛍光する細菌44の出現頻度が少ない場合に、1行分を一部の走査で判定を行うことで本実施例1に比べてさらに高速に細菌の蛍光27を判定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明にかかる細菌検出装置及び細菌検出方法は、移動している間は露光して発光物体を撮影し、撮影した画像の特徴から一部を走査することで移動した領域に発光物体が存在する可能性を判定する機能を有し、画像認識技術等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施例1における細菌検出装置のブロック図
【図2】本発明の実施例1及び2の光学手段11における蛍光観察の説明図
【図3】本発明の実施例1及び2の露光撮影における移動の一例を示す説明図
【図4】本発明の実施例1及び2の露光撮影で撮影した画像の一例を示す説明図
【図5】本発明の実施例1及び2の視野を特定する一例を示す説明図
【図6】本発明の実施例1及び2の撮影領域が全視野の移動の一例を示す説明図
【図7】本発明の実施例1における細菌検出方法のフローチャート
【図8】本発明の実施例1及び2の特定した視野で領域を絞る一例を示す説明図
【図9】本発明の実施例1及び2の特定した視野で領域を絞る一例を示す説明図
【図10】本発明の実施例1及び2の特定した視野で領域を絞る一例を示す説明図
【図11】本発明の実施例2における細菌検出装置のブロック図
【図12】本発明の実施例2の広視野露光撮影における移動の一例を示す説明図
【図13】本発明の実施例2における細菌検出方法のフローチャート
【符号の説明】
【0070】
1 プレート
11 光学手段
12 撮像手段
13 露光撮影手段
14 位置特定手段
15 可能性判定手段
16 視野特定手段
17 細菌検出手段
18 制御手段
19 表示手段
20 移動手段
21 光源
22 光源21からの光
23 励起フィルタ
24 励起光
25 対物レンズ
26 蛍光以外の光
27 蛍光
28 吸収フィルタ
29 ダイクロイックミラー
31 現在の視野
32 次の視野
33 撮影する領域
41 一視野画像
42 走査ライン
43 蛍光の軌跡
44 蛍光する細菌
45 所定値
46 連続する範囲
51 蛍光物体
52 次の視野32の左端から現在の視野31における走査ライン42の位置
53 走査ライン42の軌跡の領域
54 特定された視野の画像
61 全視野
62 走査対象ではない領域
81 蛍光物体51が存在する可能性のある領域
82 範囲
91 蛍光物体51が存在する可能性のある領域
101 蛍光物体51が存在する可能性のある領域
111 広視野露光撮影手段
112 範囲特定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛍光標識された細菌の有無を検出する細菌検出装置において、
検体に特定の波長の光を照射して得られる光を受光し、光情報として出力する光学手段と、
前記光学手段の視野を移動させる視野移動手段と、
視野を移動中に露光したままの状態で前記光情報を画像として撮像する撮像手段と、
前記視野移動手段が対象の視野から隣接する次の視野まで移動を行う際に前記撮像手段が撮影した画像から移動方向を横切る直線または曲線の走査ライン上の輝度情報を抽出して蛍光の有無を判定し、蛍光が含まれる視野の位置を特定する位置特定手段と、
前記蛍光が含まれる視野の画像から前記蛍光標識された細菌を検出する細菌検出手段を含む、
ことを特徴とする細菌検出装置。
【請求項2】
蛍光標識された細菌の有無を検出する細菌検出装置において、
検体に特定の波長の光を照射して得られる光を受光し、光情報として出力する光学手段と、
前記光学手段の視野を移動させる視野移動手段と、
視野を移動中に露光したままの状態で前記光情報を画像として撮像する撮像手段と、
前記視野移動手段が1視野より広い範囲の移動を行う際に前記撮像手段が撮影した画像から移動方向を横切る直線または曲線の走査ライン上の輝度情報を抽出して蛍光の有無を判定する範囲特定手段と、
前記視野移動手段が1視野分以下の移動を行う際の前記撮像手段が撮影した一視野画像における移動方向を横切る直線または曲線の走査ラインの輝度情報から、蛍光が含まれる視野の位置を特定する位置特定手段と、
前記蛍光が含まれる視野の画像から前記蛍光標識された細菌を検出する細菌検出手段を含む、
ことを特徴とする細菌検出装置。
【請求項3】
前記位置特定手段において、前記走査ラインの輝度情報の蛍光する特徴がある箇所を基に、蛍光が含まれる視野の移動方向に対する垂直方向の領域を特定することを特徴とする請求項1及び2記載の細菌検出装置。
【請求項4】
前記位置特定手段において、複数の前記走査ラインの輝度情報の蛍光する特徴と、複数の前記走査ラインの軌跡を示す領域を基に、蛍光が含まれる視野を移動方向に領域を特定することを特徴とする請求項1及び2記載の細菌検出装置。
【請求項5】
前記位置特定手段において、前記走査ラインの輝度情報の蛍光する特徴がある箇所と複数の前記走査ラインの輝度情報の蛍光する特徴と、複数の前記走査ラインの軌跡を示す領域を基に、蛍光が含まれる視野の移動方向に対する垂直方向と移動方向に領域を特定することを特徴とする請求項1及び2記載の細菌検出装置。
【請求項6】
前記位置特定手段において領域を特定した場合、前記細菌検出工程において特定した領域を詳細に撮影した画像から細菌を検出することを特徴とする請求項1及び2記載の細菌検出装置。
【請求項7】
検体の蛍光反応の観察において、撮像手段が観察する視野を現在観察している視野から1視野分以下の移動量で移動する間に、露光したまま撮影して一視野画像を取得する露光撮影工程と、
前記一視野画像において、視野の移動方向を横切る直線または曲線の走査ラインの輝度情報から、前記撮像手段が観察する視野中で蛍光が含まれる視野の位置を特定する位置特定工程と、
前記蛍光が含まれる視野の画像から検体中の蛍光する細菌を検出する細菌検出工程を含む、
ことを特徴とする細菌検出方法。
【請求項8】
検体の蛍光反応の観察において、撮像手段が観察する視野を現在観察している視野から1視野より広い範囲を移動している間に、露光したまま撮影して広視野画像を取得する広視野露光撮影工程と、
前記広視野画像において、視野の移動方向を横切る直線または曲線の走査ラインの輝度情報から前記広い範囲に蛍光が含まれるか否かを判定する範囲特定工程と、
前記蛍光が含まれる範囲において、撮像手段が観察する視野を現在観察している視野から1視野分以下の移動量で移動する間に、露光したまま撮影して一視野画像を取得する露光撮影工程と、
前記一視野画像において、視野の移動方向を横切る直線または曲線の走査ラインの輝度情報から、前記撮像手段が観察する視野中で蛍光が含まれる視野の位置を特定する位置特定工程と、
前記蛍光が含まれる視野の画像から検体中の蛍光する細菌を検出する細菌検出工程を含む、
ことを特徴とする細菌検出方法。
【請求項9】
前記位置特定工程において、前記走査ラインの輝度情報の蛍光する特徴がある箇所を基に、蛍光が含まれる視野の移動方向に対する垂直方向の領域を特定することを特徴とする請求項7及び8記載の細菌検出方法。
【請求項10】
前記位置特定工程において、複数の前記走査ラインの輝度情報の蛍光する特徴と、複数の前記走査ラインの軌跡を示す領域を基に、蛍光が含まれる視野を移動方向に領域を特定することを特徴とする請求項7及び8記載の細菌検出方法。
【請求項11】
前記位置特定工程において、前記走査ラインの輝度情報の蛍光する特徴がある箇所と複数の前記走査ラインの輝度情報の蛍光する特徴と、複数の前記走査ラインの軌跡を示す領域を基に、蛍光が含まれる視野の移動方向に対する垂直方向と移動方向に領域を特定することを特徴とする請求項7及び8記載の細菌検出方法。
【請求項12】
前記位置特定工程において領域を特定した場合、前記細菌検出工程において特定した領域を詳細に撮影した画像から細菌を検出することを特徴とする請求項7及び8記載の細菌検出方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2008−185518(P2008−185518A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−20848(P2007−20848)
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】