説明

組み込まれた絞りを備えた高圧接続部

【課題】高圧アキュムレータ体の壁にプレス嵌めされた絞りの滑脱をなくし、高圧接続部と、高圧アキュムレータ体の壁に設けられたこの高圧接続部に対応する収容部との間の圧力密な結合部の形成を改善する。
【解決手段】高圧アキュムレータ体24のための高圧接続部32であって、高圧アキュムレータ体の壁12に複数の接続孔18が形成されていて、該高圧アキュムレータ体の内室14は高圧源からのシステム圧によって負荷されており、接続孔18がコンタクト面28へと開口している形式のものにおいて、高圧接続部32が、絞り個所38が形成されている貫通孔36を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧アキュムレータ体のための高圧接続部であって、高圧アキュムレータ体の壁に複数の接続孔が形成されていて、該高圧アキュムレータ体の内室は高圧源からのシステム圧によって負荷されており、接続孔がコンタクト面へと開口している形式のものに関する。
【背景技術】
【0002】
DE202004019820.7号明細書には、ディーゼルエンジンのための燃料噴射装置が記載されている。この燃料噴射装置は複数の分岐管を有している。これらの分岐管は、燃料噴射装置において燃料高圧アキュムレータから燃料を導出するために働く。これらの分岐管にはそれぞれ1つの絞りが設けられており、この絞りは支持エレメントによって形成されている。この支持エレメントは、分岐管の接続ヘッドの圧縮により形成され、支持エレメントの両側で分岐管の内径を狭める位置固定装置によって、接続ヘッドの領域に位置固定されている。絞りエレメントは支持エレメントに、第1の部分孔と第2の部分孔とを備えた貫通孔として形成されている。この場合、支持エレメントは、ほぼ円筒状の周面を有している。
【0003】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第10060785号明細書には、燃料高圧アキュムレータを備えた燃料噴射装置が示されている。燃料高圧アキュムレータには複数の分岐管がねじ固定可能であって、燃料噴射装置における圧力脈動を減じるためのそれぞれ1つの絞りを有している。この絞りはそれぞれ管部材として形成されていて、接続ヘッドに取り付けられた分岐管の端部またはこの端部近くの分岐管の内部に配置されている。高圧アキュムレータ(コモンレール)の絞りエレメントは、高圧アキュムレータ体内側の圧力波の緩衝のために働く。このために例えば、個々の燃料インジェクタまたは高圧アキュムレータに供給する高圧ポンプに通じている高圧アキュムレータ(コモンレール)の接続孔に円筒状の絞り部材が取り付けられる。接続孔内にプレス嵌めされる絞りエレメントは、燃料噴射システムの内側での圧力振動の緩衝を改善するために働き、これにより個々の構成部材の圧力強度を高めることができる。
【0004】
これまで使用されているプレス嵌め絞りとして働く円筒状に形成された支持エレメントでは、支持エレメントの端面の1つが、有利には管状に形成されている燃料高圧アキュムレータの内室に突入している。圧力脈動が存在していることに基づき、高圧アキュムレータ(コモンレール)の内室には、システム圧を越える圧力が生じる。システム圧は、燃料高圧アキュムレータの内室に継続的に圧力、即ちシステム圧p1を負荷する燃料高圧ポンプによりもたらされる。燃料高圧アキュムレータの内室に、システム圧の絶対値を超過するまたは著しく下回る圧力脈動が生じると、これは、燃料高圧アキュムレータ体の内室に突入する支持エレメントの端面に力を加え、この力は、円筒状に形成された支持エレメントを高圧アキュムレータ体の座部から移動させる。圧力脈動の頻度と大きさに応じて、高圧アキュムレータ体の壁にプレス嵌めされる支持エレメントはその座部から外れる。このことは支持エレメントの座部で生じる漏れを生ぜしめ、これにより燃料のための高圧アキュムレータ噴射システムの機能を損なう。
【0005】
先行技術により公知のプレス嵌め絞りは通常、高圧アキュムレータ体の壁にプレス嵌めされて収容されている。原料として使用される高圧アキュムレータ体のための材料における誤差およびプレス嵌め絞りにおける構成部分ジオメトリに関する誤差により、プレス嵌め絞りの位置精度と、高圧アキュムレータ噴射システム(コモンレール)で使用されるような高圧アキュムレータ体の耐用期間にわたるプレス嵌め絞りの位置安定性に関して問題が生じる。この場合特に、高圧アキュムレータ体の壁にプレス嵌めされるプレス絞りは、圧力ピーク時には特に不十分な位置安定性しか得られず、これはプレス嵌め絞りを高圧アキュムレータ体の壁における座部から滑脱させることになる。
【特許文献1】DE202004019820.7号明細書
【特許文献2】ドイツ連邦共和国特許出願公開第10060785号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の技術的課題は、高圧アキュムレータ体の壁にプレス嵌めされた絞りの滑脱を阻止し、高圧接続部と、高圧アキュムレータ体の壁に設けられたこの高圧接続部に対応する収容部との間の圧力密な結合部の形成を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、本発明によれば、これまで別個の構成部分として場合によっては埃フィルタを前置きして高圧アキュムレータ体の壁にプレス嵌めされていた絞りを、絞り孔として高圧接続部に設けることにより解決される。この高圧接続部は、高圧導管を燃料インジェクタに接続する高圧接続部であっても良く、高圧アキュムレータ体にシステム圧下にある燃料を供給する高圧ポンプに接続される高圧接続部であっても良い。
【発明の効果】
【0008】
高圧アキュムレータ体の壁に設けられた孔にプレス嵌めされるプレス嵌め絞りを使用しないことにより、高圧アキュムレータ体の基体において付加的な半径方向の応力は生じない。さらに、押しのけられた材料により削り屑が形成されることがない。
【0009】
絞り孔の直径に関する絞りジオメトリは、高圧接続部における使用に特に適合するように製造することができる。さらに、高圧接続部の接続ジオメトリは、高圧アキュムレータ体の壁に設けられた凹部を有する孔への材料接続的な接合方法に応じて、または例えば鍛造された高圧アキュムレータ体における付加部における接続円錐に個々に適合される。高圧接続部の接続ジオメトリを、これに対して対応するように形成された高圧アキュムレータ体の壁に設けられた接続ジオメトリに材料接続的に接合するために、例えば摩擦溶接またはコンデンサ放電溶接(KES)のような材料接続的な接合方法が使用される。例えばこれら上記の材料接続的な接合方法のための優先順位に応じて、例えば摩擦溶接法を使用する際の高圧接続部には四角形または六角形を形成することができ、またはコンデンサ放電溶接を材料接続的な接合方法として採用する場合には、高圧接続部の外側周面に肩部を形成することができる。
【0010】
有利には、高圧アキュムレータ体に設けられた対応する収容部との高圧接続部の材料接続的な接続方法の過程で形成されている領域が、作用区域、即ち高圧接続部の「絞り」からできるだけ離れている。ほんの数ミリ秒の溶接時間によっては、高圧接続部への熱の導入は比較的僅かであるので、高圧接続部の材料に形成される絞り孔は全く変形しない。これまで使用されているプレス嵌め絞りでは、高圧アキュムレータ体の壁へのプレス嵌め過程後、または過程中に、プレス嵌め絞りの変形が生じる。これによりもともとの設計横断面は、組み付けられた状態で、プレス嵌め絞りの実際の開口横断面からそれる。このことは本発明より提案される手段により防止することができる。
【0011】
高圧接続部の接続ジオメトリを、例えば上記溶接法、特に摩擦溶接またはコンデンサ放電溶接のような使用される材料接続的な接合方法に応じて最適化するために、高圧接続部の接合領域の内側に円錐状の領域が形成され、この領域に環状の輪郭を形成することができる。高圧アキュムレータ体の対応する収容部との高圧接続部のコンタクト領域に形成された環状の輪郭は、例えば三角形状または菱形状に形成されたプロフィールを有していて良い。さらに、高圧アキュムレータ体の収容部における円錐角度は、高圧接続部の接続側の端部に形成された円錐角度とは異なっていて良い。互いに異なる種々様々に形成されるコンタクト角度により、シール直径は一義的に規定され、製造される。高圧アキュムレータ体に面した端部における円錐状に延びる面取部との代わりに、高圧接続部を湾曲部状または楕円状に形成することもできる。
【0012】
高圧接続部軸線に対してほぼ対称的な構成を有する高圧接続部の円筒状の構成の他に、高圧接続部をアングル状に形成することもできる。これにより、例えば高圧接続部の軸線の延長上に高圧導管を装着することができず、燃料インジェクタへの高圧導管のアングル状の接続、または、高圧アキュムレータにシステム圧を負荷する高圧供給ポンプの接続部へのアングル状の接続が必要とされる場合に、内燃機関のシリンダヘッド領域における極めて狭い構成スペースも考慮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に図面につき本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0014】
図1には高圧接続部が示されていて、この高圧接続部は、鍛造部品として形成された高圧アキュムレータ体に収容されている。
【0015】
高圧アキュムレータ体10は図1に示したように鍛造された構成部品であり、壁12によって仕切られている。一般的に管状の構成部品として形成されている高圧アキュムレータ体10は内室14を有しており、この内室の対称軸線は符号16で示されている。この高圧アキュムレータ体10は球状に構成されていても良い。高圧アキュムレータ体10を介して高圧下にある燃料を供給すべき燃料インジェクタの数に応じて、高圧アキュムレータ体10の壁12に複数の接続孔18が設けられている。
【0016】
図1の実施例では、図示された接続孔18は、鍛造された高圧アキュムレータ体10の壁12に形成されている収容部22に開口している。接続ドーム30は、高圧接続部32が嵌め込まれる面取部28を有している。高圧接続部32は次いで、摩擦溶接法の過程で、またはコンデンサ放電溶接によって材料接続的に収容部22に固定される。
【0017】
高圧接続部32は雄ねじ山34を有しており、この雄ねじ山には、燃料インジェクタへの高圧導管または、鍛造された高圧アキュムレータ体24にシステム圧を負荷する高圧ポンプの供給導管が接続される。高圧接続部32の内部を貫通して貫通孔36が延びており、この貫通孔36は、直径が減少している絞りエレメント38を成す領域を有している。高圧接続部32の周面40には、端面44の領域に接続ジオメトリ42が設けられている。この接続ジオメトリ42は例えば、鍛造された高圧アキュムレータ体24の収容部22の面取部28に対して相補的に形成されていて良い。図1に示されているように、高圧接続部32の接続ジオメトリ42は円錐面46として形成されている。高圧接続部32の周面40にはさらに、力導入領域48が設けられている。鍛造された高圧アキュムレータ体24の収容部22との選択された材料接続的な接合法に応じて、力導入領域48は、4角形または6角形の工具取付部として形成することができ、または特にコンデンサ放電溶接が行われる場合には肩部として形成するこができる。
【0018】
図1.1には、図1に示した鍛造された高圧アキュムレータ体24の変化実施例が示されている。図1.1に示した高圧アキュムレータ体10は、レーザー溶接された高圧アキュムレータ体26である。図1に示した鍛造された高圧アキュムレータ体24との相違点は、レーザー溶接された高圧アキュムレータ体26には、図1に示された接続孔18上方の接続ドーム30が設けられていない点にある。レーザー溶接された高圧アキュムレータ体26の壁12内に接続孔18が延びている。
【0019】
レーザー溶接された高圧アキュムレータ体26の壁12には面取部28が形成されている。この面取部28には図示したように、高圧接続部32の、面取部28に補完的に設けられた接続ジオメトリ42、例えば円錐面46が嵌め込まれている。接続孔18から、レーザー溶接された高圧アキュムレータ体26の内室14への移行部には、レーザー溶接された高圧アキュムレータ体26の運転強度が最適化されるようにエッジ破断部が形成されている。
【0020】
図1に示した高圧接続部32は、比較的高い圧力(>1800bar)に持続的に耐えられるように形成されている。雄ねじ山34は必要に応じて寸法設定することができる。貫通孔36内に形成された絞りエレメント38の直径も、使用目的に応じてその直径に関して最適化することができる。
【0021】
高圧接続部32における絞りエレメント38は接続ジオメトリ42の領域の高圧接続部32の接合個所から離されて位置しているので、従来技術のようなプレス嵌め絞りを備えた手段において生じる絞りエレメント38の変形、特に直径変化は生じない。従来技術により公知のプレス嵌め絞りでは、プレス嵌め過程において、もともと設計されたプレス嵌め絞りの絞り横断面が、プレス嵌め過程で生じる半径方向の力によって変化される。本発明の手段では、高圧接続部32と鍛造された高圧アキュムレータ体24またはレーザー溶接された高圧アキュムレータ体26との材料接続的な結合部が、「絞り」の作用区域から十分に離れている領域がある。約10ミリ秒の溶接時間では、熱は、材料接続的な接合個所、即ち接続ジオメトリ42の領域にしか導入されない。
【0022】
図1に示した高圧接続部32は、図1に示したような鍛造された高圧アキュムレータ体24にも、図1.1に示したようなレーザー溶接された高圧アキュムレータ体26にも、材料接続的に固定することができる。接続孔18の長さはできるだけ短く形成されるのが望ましい。これにより接続孔18と内室14との間の交差領域を良好にバリ取りすることができ、このことは高圧アキュムレータ体10,24,26の運転強度に良好な影響を与える。
【0023】
図2には、高圧接続部32の断面図が示されている。
【0024】
高圧接続部32を貫通して貫通孔36が延びており、該貫通孔は、減じられた内径を有した絞りエレメント38を成す区分を有している。高圧接続部32の周囲40には、端面44の領域に、円錐面46として形成されている接続ジオメトリ42が設けられている。図2の高圧接続部32と図1の鍛造された高圧アキュムレータ体24もしくは図1.1のレーザー溶接された高圧アキュムレータ体26との間の材料接続的な接合個所は、貫通孔36の内側の絞りエレメント38から離れて位置している。従って、高圧接続部32の接続ジオメトリ42の領域で材料接続的な結合部を形成する際の熱導入、これにより生じる熱的な変形、即ち、絞りエレメント38の絞り横断面の変化は危険なものではない。
【0025】
図2.1〜図2.4には、高圧接続部32の端面の領域に接続ジオメトリ42を構成することができる種々様々な実施例が示されている。
【0026】
図2.1には、接続ジオメトリ42の領域に環状の輪郭50が形成されていることが示されている。図2.1の実施例では、高圧接続部32に接続ジオメトリ42の領域で形成された環状の輪郭50が、三角形状の断面を有するように形成された環状の溝を有している。環状の輪郭50の三角形状は、図2.1では符号52で示されている。環状の輪郭50の領域には、高圧接続部32の接続ジオメトリ42と、図1の鍛造された高圧アキュムレータ体24または図1.1のレーザー溶接された高圧アキュムレータ体26の面取部28との間の、摩擦溶接またはコンデンサ放電溶接により、アキュムレータ体24,26と高圧接続部32との間に材料接続的な結合部が形成されている。この結合部は同時に、アキュムレータ体24,26と高圧接続部32との間のシール機能も担っている。
【0027】
図2.2には、高圧接続部32における環状の輪郭の変化実施例が示されている。
【0028】
図2.2には、環状の輪郭50が図2.2の変化実施例では菱形54に形成されていることが示されている。図2の高圧接続部32の端面44の領域における接続ジオメトリ42の配置は、接続ジオメトリ42の構成の別の可能性を提供する。菱形54は高圧接続部32の固体材料から、突っ切り溝またはギャップにより分離されていて、摩擦溶接またはコンデンサ放電溶接の過程で特に良好に、鍛造された高圧アキュムレータ体24もしくはレーザー溶接された高圧アキュムレータ体26の補完的に形成された面取部28に材料接続的に結合することができる。
【0029】
図2.3には、高圧接続部32と高圧アキュムレータ体との間のコンタクトジオメトリの形状の別の変化実施例が示されている。
【0030】
図2.3には、高圧接続部32が、高圧接続部32の端面44に関して所定の円錐角度を有している接続ジオメトリ42を有していることが示されている。この円錐角度は符号58によって示されている。これに対して、例えば鍛造された高圧アキュムレータ体の接続ドーム30の面取部28は水平に関して第2のコンタクト角度60をなして形成されている。第1のコンタクト角度58と第2のコンタクト角度60とは同じではなく互いに異なっているので、高圧接続部32と、鍛造された高圧アキュムレータ体24もしくはレーザー溶接された高圧アキュムレータ体26の面取部28との間の材料接続的なシールされた接続部のより簡単な構成を形成することができる。第1のコンタクト角度58と第2のコンタクト角度60とは有利には5°〜85°の角度範囲で構成される。これは必要な所要スペースに関して有利である。
【0031】
図2.4には、高圧接続部32と高圧アキュムレータ体との間のコンタクト面の構成の別の変化実施例が示されている。
【0032】
図2、図2.1、図2.2、図2.3に示した実施例とは異なり、高圧接続部32における接続ジオメトリ42は湾曲部64としても形成することができる。湾曲部64は半球状に形成されているかまたはオリーブ形状又は楕円形状に延びていて良い。高圧接続部32の湾曲部64の外側輪郭の領域では、高圧接続部32は、鍛造された高圧アキュムレータ体24またはレーザー溶接された高圧アキュムレータ体26に形成された面取部28に材料接続的に結合されている。図2.4によれば、高圧アキュムレータ体24.26の壁12に設けられた接続孔18が面取部28の領域に移行しており、面取部28に材料接続的に固定された高圧接続部32によって受容されることがわかる。
【0033】
図3は、高圧接続部のアングル状の構成が示されている。
【0034】
自動車のエンジンルームにおける特に狭い構成空間条件では、図1及び図2に示した高圧接続部32をアングル状の高圧接続部66として形成することもできる。これにより、アングル状の高圧接続部66に接続すべき、燃料インジェクタへと延びる、鍛造された高圧アキュムレータ体24またはレーザー溶接された高圧アキュムレータ体26にシステム圧を供給する高圧導管を側方から外側へ案内することができる、または高圧導管を側方に接続することができる。図3に示されているように、アングル状の高圧接続部66は90°の角度を有しており、例えば鍛造された高圧アキュムレータ体24の接続ドーム30に関して、第1の向き72または180°旋回された第2の向き74で材料接続的に固定されている。勿論、アングル状の高圧接続部66を、図3に示した90°の角度68とは異なる角度68で形成することができるように設計することもできる。これにより、第1の向き72と第2の向き74との間で、自己着火式の内燃機関の構成スペース特性に合わせて設計することのできる種々様々な接続角度が生じる。このことは、アングル状の高圧接続部66のアングル状の部分は、貫通孔70に関して種々様々な角度で方向付けることができ、アングル状の高圧接続部66の種々様々な接続ジオメトリを形成することができることを意味する。従って例えば図3で90°の角度68は、120°、135°、180°またはそれ以上であっても良い。アングル状の高圧接続部66は接続ドーム60に関して180°回転されて材料接続的に固定されても良い。図1及び2の高圧接続部32の変化実施例と同様に、また、図2.1〜図24に示した接続ジオメトリ42の変化実施例と同様に、これらの実施例はアングル状の高圧接続部66に転用することができ、高圧接続部66はその接続ジオメトリ42で、鍛造された高圧アキュムレータ体24またはレーザー溶接された高圧アキュムレータ体26の壁12に設けられた貫通孔18の上方の面取部28もしくは凹部に、摩擦溶接の過程でまたはコンデンサ放電溶接の過程で固定することができる。
【0035】
本発明により提案された、絞りエレメント38を高圧接続部32もしくは66に設けるという手段により付加的に、高圧アキュムレータ体24もしくは26の壁12における半径方向の応力が回避され、プレス嵌め絞りを使用する際に押しのけられる材料に基づく切り屑の発生が回避される。内部に形成された絞りエレメント38を有する貫通孔36を相応に形成することにより付加的に、縁部の領域における良好な移行部、ひいては接続孔18における減じられた応力が得られる。さらには製造技術的な観点で、鍛造された高圧アキュムレータ体24でもレーザー溶接された高圧アキュムレータ体26でも良好にバリ取りすることができる。摩擦溶接またはコンデンサ放電溶接の過程で上記の高圧接続部32,66が、鍛造された高圧アキュムレータ体24または図1.1に示したレーザー溶接された高圧アキュムレータ体26に接合されるならば、高い炭素含量(0.25%以上)を有する鋼または表面硬化された構成部分を使用することができる。高い炭素含量(0.25%以上)を有する鋼または表面硬化された構成部分を使用することにより、締め付けトルクひいては、鍛造された高圧アキュムレータ体24もしくはレーザー溶接された高圧アキュムレータ体26の内室を負荷することができるシステム圧に関して圧力レベルを高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】鍛造構成部品として形成された高圧アキュムレータ体に組み付けるための本発明による高圧接続部を示す図である。
【図1.1】レーザー溶接構成部品として形成された高圧アキュムレータ体に組み付けるための本発明による高圧接続部を示す選択的な実施例の図である。
【図2】高圧接続部を示した図である。
【図2.1】高圧接続部に形成された環状の輪郭の第1実施例を示す図である。
【図2.2】高圧接続部に形成された環状の輪郭の第2実施例を示す図である。
【図2.3】高圧接続部に形成されたコンタクト面と、このコンタクト面とは異なるコンタクト角度で高圧アキュムレータに形成された受容部とを示す図である。
【図2.4】高圧接続部に形成されたボール状のコンタクトジオメトリを示す図である。
【図3】高圧アキュムレータ体の受容部に接続するためのアングル状に延びる高圧接続部を示す図である。
【符号の説明】
【0037】
10 高圧アキュムレータ体、 12 壁、 14 内室、 16 対称軸線、 18 接続孔、 22 収容部、 24 鍛造された高圧アキュムレータ体、 26 レーザー溶接された高圧アキュムレータ体、 28 面取部、 30 接続ドーム、 32 高圧接続部、 34 雄ねじ山、 36 貫通孔、 38 絞りエレメント、 40 周面、 42 接続ジオメトリ、 44 端面、 46 円錐面、 48 力導入領域、 50 環状の輪郭、 52 三角形状の輪郭、 54 菱形状の輪郭、 58 第1のコンタクト角度、 60 第2のコンタクト角度、 64 湾曲部、 66 アングル状の高圧接続部、 68 角度、 70 孔区分、 72 第1の向き、 74 第2の向き

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧アキュムレータ体(24,26)のための高圧接続部(32,66)であって、高圧アキュムレータ体の壁(12)に複数の接続孔(18)が形成されていて、該高圧アキュムレータ体の内室(14)は高圧源からのシステム圧によって負荷されており、接続孔(18)がコンタクト面(28)へと開口している形式のものにおいて、
高圧接続部(32,66)が、絞り個所(38)が形成されている貫通孔(36)を有していることを特徴とする、高圧アキュムレータ体のための高圧接続部。
【請求項2】
高圧接続部(32,66)の周面(40)には、端面(44)に面した端部に所定の接続ジオメトリ(42)が形成されている、請求項1記載の高圧接続部。
【請求項3】
高圧接続部(32,66)の周面(40)には、肩部状または工具取付部として形成された力導入領域(48)が延びている、請求項1記載の高圧接続部。
【請求項4】
絞り個所(38)が、貫通孔(36)における横断面減少部として形成されている、請求項1記載の高圧接続部。
【請求項5】
接続ジオメトリ(42)が円錐面(46)として形成されている、請求項2記載の高圧接続部。
【請求項6】
接続ジオメトリ(42)が環状の輪郭(50)を有しており、該環状の輪郭は三角形状(50)または菱形状(54)に形成されている、請求項2記載の高圧接続部。
【請求項7】
接続ジオメトリ(42)が、高圧接続部(32,66)の周面(40)における湾曲部(64)として形成されている、請求項2記載の高圧接続部。
【請求項8】
高圧接続部(32,66)の周面(40)における接続ジオメトリ(42)が端面(44)に関して第1のコンタクト角度(58)を成して延びていて、この第1のコンタクト角度(58)は、高圧アキュムレータ体(24,26)の接続孔(18)の領域におけるコンタクト面(28)における第2のコンタクト角度(60)とは異なっている、請求項2記載の高圧接続部。
【請求項9】
高圧接続部がアングル状の高圧接続部(66)として形成されていて、該アングル状の高圧接続部では、絞り個所(38)を有した貫通孔(36)が、接続孔(18)に整合する孔区分(70)に対して90°〜270°の角度(68)を成して延びている、請求項1記載の高圧接続部。
【請求項10】
高圧接続部(66)が、高圧アキュムレータ体(24,26)のコンタクト面(28)に関して、0°〜360°の任意の位置(72,74)において方向付けられて材料接続的に固定されている、請求項9記載の高圧接続部。

【図1】
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【図1.1】
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【図2】
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【図2.1】
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【図2.2】
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【図2.3】
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【図2.4】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−309320(P2007−309320A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−129508(P2007−129508)
【出願日】平成19年5月15日(2007.5.15)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】