説明

組合せ式遊技機

【課題】 組合せ式遊技機において、一単位遊技での遊技球発射終了後における誘導図柄の変動による稼働率の低下を抑制する。
【解決手段】 遊技球が図柄作動ゲートを通過することにより、表示領域に表示される識別図柄を変動表示可能な可変表示装置と、停止表示された識別図柄が特定の図柄であった場合に可変入球口を開放させる可変入球装置と、可変入球口に入球した遊技球が所定の領域を通過した場合に特別遊技を発生させる特別遊技状態発生装置と、複数の変動表示態様から特定の変動表示態様を選択する変動表示態様選択手段と、一単位遊技における残存時間を算出する残存時間算出手段とを設ける。変動表示態様選択手段は、特別遊技状態発生装置が作動している際に、残存時間算出手段にて算出された残存時間が短くなるほど、識別図柄の変動時間が短い変動表示態様を選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技盤上に所定数の遊技球を発射することにより1回の単位遊技(ゲーム)を終了させ、ゲーム中に獲得された得点に応じた賞球を遊技者に払い出す組合せ式遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より遊技盤上に所定数(通常15個または16個)の遊技球を発射することにより1回の単位遊技を終了させる組合せ式遊技機(アレンジボール遊技機)が知られている。このような組合せ式遊技機では、遊技球が誘導図柄作動ゲートを通過すると誘導図柄が所定の変動パターンで変動して停止し、停止した誘導図柄が所定の当たり図柄の組合せの場合に可変入球口が開放し、この可変入球口に入球した遊技球が特定の領域を通過すると、誘導増加装置が所定回数の単位遊技だけ作動する特別遊技状態が発生するように構成されている(例えば、特許文献1参照)。また近年、組合せ式遊技機においても液晶を用いた大型の図柄表示装置が用いられるようになり、誘導図柄の変動でリーチ演出等の多彩な演出が行われるようになっている。
【特許文献1】特公平7−4443号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、組合せ式遊技機では、所定数の遊技球を発射終了した際に誘導図柄が変動している場合には、誘導図柄が変動終了するまでは当該単位遊技の結果が得られず、当該単位遊技は終了しない。このため、例えば一単位遊技における最後の遊技球が誘導図柄作動ゲートを通過し、長い変動パターンが選択されると、誘導図柄の変動が終了するまで遊技が進行せず、次の単位遊技が開始されるまでに時間がかかる。この結果、遊技者の待ち時間が多くなり、遊技機の稼働率が低下するという問題が起こる。これは、誘導図柄が変動する確率が高くなる特別遊技中において特に顕著になる。
【0004】
本発明は上記点に鑑み、組合せ式遊技機において、一単位遊技での遊技球発射終了後における誘導図柄の変動による稼働率の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、組合せ式遊技機であって、遊技球が図柄作動ゲートを通過することにより、表示領域に表示される識別図柄を、変動時間が異なる複数の変動表示態様から選択された特定の変動表示態様で変動表示可能な可変表示装置と、可変表示装置で停止表示された識別図柄が特定の図柄であった場合に可変入球口を開放させ、該可変入球口に遊技球が入球した場合、あるいは該可変入球口に遊技球が入球することなく第1の所定回数の単位遊技が終了した場合に、可変入球口を閉鎖させる可変入球装置と、可変入球口に入球した遊技球が所定の領域を通過した場合に、第2の所定回数の単位遊技中だけ作動し、その作動中に可変入球口が開放することとなる確率を増加させる特別遊技を発生させる特別遊技状態発生装置と、複数の変動表示態様から特定の変動表示態様を選択する変動表示態様選択手段と、一単位遊技における残存時間を算出する残存時間算出手段とを備え、変動表示態様選択手段は、特別遊技状態発生装置が作動している際に、残存時間算出手段にて算出された残存時間が短くなるほど、識別図柄の変動時間が短い変動表示態様を選択することを特徴としている。
【0006】
このように、特別遊技中の一単位遊技における残存時間が短くなるに伴って、誘導図柄の変動時間を短くすることで、一単位遊技で規定数すべての遊技球を発射終了した後の誘導図柄変動時間を極力短くすることができる。これにより、特別遊技中の一単位遊技を速やかに終了させ次の単位遊技に移行することができるので、遊技者の待ち時間を短縮することができ、遊技機の稼働率を向上させることができる。
【0007】
また、請求項2に記載の発明では、変動表示態様は、識別図柄の変動表示中に識別図柄の一部を停止表示させ、識別図柄のすべてが停止表示するまで識別図柄が特定の図柄で停止表示する可能性が継続するリーチ表示態様を含んでおり、変動表示態様選択手段は、特別遊技状態発生装置が作動している際に、残存時間算出手段にて算出された残存時間が短くなるほど、リーチ表示態様が選択される確率を低くすることを特徴としている。
【0008】
このように、特別遊技中の一単位遊技における残存時間が短くなるに伴って、リーチ表示態様が選択される確率を低くすることで、一単位遊技で規定数すべての遊技球を発射終了した後の誘導図柄変動時間を極力短くすることができる。これにより、特別遊技中の一単位遊技を速やかに終了させ次の単位遊技に移行することができるので、遊技機の稼働率を向上させることができる。
【0009】
また、請求項3に記載の発明では、変動表示態様選択手段は、特別遊技状態発生装置の作動中における特定の単位遊技のみにおいて、残存時間算出手段にて算出された残存時間が短くなるほど、識別図柄の変動時間が短い変動表示態様を選択するように構成されており、特定の単位遊技において可変入球装置が作動開始した場合に、可変入球口に遊技球が入球することなく特別遊技状態発生装置が作動終了した後に、可変入球装置の作動が継続可能であることを特徴としている。
【0010】
このような構成では、遊技者は特定の単位遊技において図柄作動ゲートを狙って遊技球を発射するので、特定の単位遊技のみにおいて、残存時間が短くなるほど識別図柄の変動時間が短い変動表示態様を選択することで、特定の単位遊技ですべての遊技球を発射終了した後の誘導図柄変動時間を極力短くすることができる。これにより、特定の単位遊技を速やかに終了させ次の単位遊技に移行することができるので、遊技機の稼働率を向上させることができる。
【0011】
また、請求項4に記載の発明のように、残存時間算出手段は、遊技領域への遊技球の発射を検知する発射検知手段と、一単位遊技において発射検知手段にて検知された遊技球数を計数する発射数計数手段とを備え、発射数計数手段にて計数された遊技球数に基づいて一単位遊技における残存時間を算出するように構成できる。
【0012】
また、請求項5に記載の発明のように、残存時間算出手段は、遊技領域へ発射され、入球領域のいずれかに入球した遊技球を検知する入球検知手段と、一単位遊技において入球検知手段にて検知された遊技球数を計数する入球数計数手段とを備え、入球数計数手段にて計数された遊技球数に基づいて一単位遊技における残存時間を算出するように構成できる。
【0013】
また、請求項6に記載の発明のように、図柄作動ゲートを、遊技領域の左側を流下する遊技球と遊技領域の右側を流下する遊技球とが通過可能な位置に配置した場合には、遊技領域の左側を狙って遊技球を発射する左打ちあるいは遊技領域の右側を狙って遊技球を発射する右打ちに関係なく、遊技球が図柄作動ゲートを通過して誘導図柄が変動する可能性がある。このような構成においても、特別遊技中の一単位遊技における残存時間が短くなるに伴って、誘導図柄の変動時間が短くなるようにすることで、特別遊技の進行を促進することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(第1実施例)
以下、本発明の実施形態を示す第1実施例について図面を用いて説明する。本発明の遊技機をアレンジボール遊技機(組合せ式遊技機)に適用した第1実施例を図1〜図28に示す。
【0015】
図1は、本実施例のアレンジボール遊技機(以下、単に遊技機という)1の正面図である。図1に示すように、遊技機1の前面部は、本体枠2、中枠3、前面枠4、上皿部5、下皿部6、施錠装置9、遊技盤20等を備えている。なお、図1では遊技盤20の詳細な図示を省略している。また、中枠3は前面枠4等が前面側に配置されているため、図1においては明示されていない。
【0016】
本体枠2は木製の板状体を略長方形の枠状に組立てたものであり、遊技機1の外枠を構成している。中枠3はプラスチック製であり、本体枠2の内側にはめ込まれて設置されており、外枠2に対して開閉可能に左端で軸支されている。中枠3は、上側2/3程度を占める枠体部と下側1/3程度を占める下板部とから構成されている。枠体部の前面側には遊技盤20と前面枠4とが重なるように設けられており、下板部の前面側には上皿部5と下皿部6が設けられている。
【0017】
下板部には、遊技球を遊技盤20に発射する遊技球発射装置を構成する発射装置ユニット(図示略)、遊技球を発射装置ユニットに供給する球送り装置(図示略)が設けられている。さらに下板部には、図示を省略しているが、発射装置ユニットに供給される遊技球を検知する球送りカウントスイッチ、発射装置ユニットから発射される遊技球を検知する発射球カウントスイッチ、発射装置ユニットから発射された遊技球のうち遊技盤20面に到達しなかった遊技球を検知するファール球検出スイッチが設けられている。さらに、下板部には、遊技状態に応じた効果音等を発生させるスピーカ266(図14参照)が設けられている。なお、本実施例のスピーカ266は、中高音用スピーカ(ツィータ)及び低音用スピーカ(ウーファ)とを含んで構成されている。
【0018】
前面枠4は、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端で開閉可能に支持されている。前面枠4はプラスチック製であり、奥側に配置される遊技盤20の盤面を視認可能にするために、円形状の開口部4aが形成されている。前面枠4の裏面には、開口部4aに対応したガラス板等の透明板を備える略長方形状の透明板枠(図示略)が装着されている。
【0019】
前面枠4には、遊技効果等のためのランプ類として、左LED表示部4b、右LED表示部4c、左上LED表示部4d、右上LED表示部4e、上LED表示部4fが設けられている。左LED表示部4bと右LED表示部4cは、開口部4aの周囲の右側と左側にそれぞれ円弧状に設けられている。左上LED表示部4dは左LED表示部4aの左上方に設けられ、右上LED表示部4eは右LED表示部4cの右上方に設けられている。上LED表示部4fは円形状に形成され、左LED表示部4bの上端部と右LED表示部4cの上端部との間に2個設けられている。これらのLED表示部4b〜4fは、遊技効果を高めるためにゲーム進行に応じて点灯・消灯あるいは点滅する。
【0020】
また、2個の上LED表示部4fの間には、2個の賞球LED表示部4gが設けられている。賞球表示LED表示部4gの上方には、扇形のエラーLED表示部4hが設けられている。本実施例のエラーLED表示部4hは、後述のように複数段階のエラー表示が可能に構成されている。エラーLED表示部4hは、重度のエラー発生の場合は赤色に、軽度のエラー発生の場合はオレンジ色に点灯あるいは点滅する。なお、本実施例では、例えば復旧のために前面枠4を開放して作業を行う必要があったり、あるいは部品を交換したりする必要があるような場合を重度のエラーとし、それ以外の場合を軽度のエラーとしている。
【0021】
上皿部5は、前面枠4の下側に設けられ、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。上皿部5は、球抜きボタンや遊技球の貸球ボタン、返却ボタン等が配設された皿外縁部5aと、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口5bとを備えている。さらに、上皿部5の略中央部には複数の長孔とその上部に多数の小穴が形成された第1音声出力部5cが形成されている。第1音声出力部5cは、スピーカ266のうち中高音用スピーカ(ツィータ)とダクトを介して接続されており、中高音用スピーカからの音声がダクトを介して出力される。上皿部5の裏面には音量スイッチ基板267(図14参照)が設けられている。
【0022】
下皿部6は、上皿部5の下方に設けられている。下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。また、下皿部6の底面には図示しない球抜き穴が設けられている。球抜き穴は通常時には閉鎖しており、下皿部6に貯留された遊技球を排出する際に開放する。
【0023】
下皿部6の略中央手前側には、球抜き穴を開閉させる排出ノブ6bが設けられている。排出ノブ6bは、下皿部6の周縁部の一部を構成している。排出ノブ6bは、通常時は直立状態であり、上端を回転軸として下端を奥側に押圧することにより回動可能となっている。球抜き穴は排出ノブ6bに連動しており、排出ノブ6bが直立状態のときには球抜き穴は閉鎖しており、排出ノブ6bを奥側に押圧することで球抜き穴は開放する。
【0024】
下皿部6における排出ノブ6bの右側および左側の前面には、第2音声出力部6cが設けられている。第2音声出力部6cは、スピーカ266のうち低音用スピーカ(ウーファ)とダクトを介して接続されており、低音用スピーカからの音声が下方に向かって出力される。下皿部6の左側には灰皿7が設けられている。
【0025】
下皿部6の右端には、遊技者が発射装置ユニットを操作するための発射ハンドル8が設けられている。上述の発射装置ユニットには、発射モータにより往復移動して遊技球を打撃する槌が設けられており、遊技者が発射ハンドル8の回転量を調整することで、槌による遊技球の打撃力(発射力)を調整することができる。
【0026】
発射ハンドル8には、遊技者が触れていることを検出する接触検知手段としてのタッチスイッチ8aが設けられている。発射ハンドル8の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ8bが配置されている。なお、本実施例の発射停止スイッチ8bは、タッチスイッチ回路内に設けられており、タッチスイッチ8aと電気的に直列接続されている。
【0027】
施錠装置9は、中枠3の右端中央に設けられており、前面枠4を閉じた場合にこれを施錠するためのものである。また、遊技機1の左側には、プリペイドカードユニット13(CRユニット)が装着されている。
【0028】
次に、遊技盤20の構成について図2に基づいて説明する。図2は、遊技盤20の盤面を模式的に示した正面図である。遊技盤20は、中枠3の前面側に着脱可能に取り付けられている。
【0029】
図2に示すように、遊技盤20は、外レール22と内レール23により形成される略円形状の遊技領域21が設けられている。遊技領域21には、16連入球口24、誘導図柄作動ゲート29、第2役物誘導装置作動ゲート30、図柄表示装置(可変表示装置)31、第1役物作動口(可変入球口)32、第2役物作動口33、特別遊技装置36等が設けられている。また、遊技領域21には、多数の障害釘(図示略)が設けられている。なお、16連入球口24、誘導図柄作動ゲート29、第2役物誘導装置作動ゲート30、第1役物作動口32、第2役物作動口33におけるそれぞれの内部には、遊技球の入球又は通過を検知する遊技球検知スイッチ(図示略)が設けられている。
【0030】
16連入球口24は、遊技領域21の下方領域に設けられ、16個の入球口が横方向に並んで配置されている。16連入球口24の前面側には、疑似入賞図柄表示部としての16連入球口LED表示部25が設けられている。16連入球口LED表示部25は、後述する図柄表示装置31内に設けられた入賞図柄表示部31c(図3)に対応して点灯するものである。16連入球口24のいずれかの入球口に入球した場合には、その入球口に対応する入賞図柄表示部31cの入賞図柄が入賞表示するとともに16連入球口LED表示部25のLEDが点灯表示する。また、図示していないが、少なくとも3番、5番、11番、13番、15番の各入球口は、障害釘により直接の入球が困難な難入球口とされている。
【0031】
本実施例の遊技機1は、遊技球15個の発射を単位遊技(1ゲーム)として、1ゲーム中に点灯表示した入賞図柄の組合せにより賞態様が決定(得点が成立)し、賞態様に対応する賞遊技価値の付与として賞球の払い出しが行われる。例えば入賞図柄が4個連続して点灯表示された場合には1点が付与され、1点につき規定数(15個)の賞球が払い出される。本発明の賞遊技価値付与装置は、後述の主制御部200を主体として構成される。また、本実施例では、所定の入賞図柄の連続した組合せ(本例では12・13・14・15番、又は13・14・15番・16番)である特別賞態様に対して3点が付与される。ただし、1ゲームにおいて獲得できる遊技球数は、規定数の10倍(150個)が上限となっている。
【0032】
16連入球口24のうち、16番の入賞図柄に対応する入球口24aは得点増加装置作動口としての機能も有しており、入球口24aに入球した場合には、16番の入賞図柄が表示されるとともに得点増加装置が作動する。賞態様増加装置としての得点増加装置は、後述の主制御部200を主体として構成され、当該ゲームにおいて1得点当たりに払い出される賞球数を増加(本例では2倍)させるものである。得点増加装置は、当該ゲームが終了したときに作動を終了する。入球口24aは、16個の入球口が横方向に一列に並んで配置される16連入球口24の右端部に位置し、遊技球が難入球口に比べ比較的入球し易い普通入球口であるので、遊技者は、遊技領域21の右側に設けられた第2役物誘導装置作動ゲート30、第2役物作動口33などを狙って弾発する、いわゆる右打ちを行うことにより、特別遊技状態が発生しているときはもちろんのこと、特別遊技が発生していない通常遊技状態においても、入球口24aに遊技球を容易に入球させることができる。ここで、入球口24aは、複数の入球領域のうち予め定められた所定の入球領域を構成している。
【0033】
遊技領域21の中央部には、任意の図柄を表示可能な画面を有する図柄表示装置31が設けられている。図柄表示装置31の下方には、誘導図柄作動ゲート29が設けられている。このように誘導図柄作動ゲート29が遊技領域21の水平方向における中央付近に設けられているので、遊技領域21の左側を流下する遊技球と遊技領域21の右側を流下する遊技球の双方が、図柄表示装置31の左側あるいは右側を回り込んで、誘導図柄作動ゲート29を通過可能となっている。このため、遊技領域の左側を狙って遊技球を発射する左打ち、あるいは遊技領域の右側を狙って遊技球を発射する右打ちに関係なく、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過する可能性がある。
【0034】
次に、図柄表示装置31を図3に基づいて説明する。図3は、図柄表示装置31の画面構成を示す正面図である。本実施例の図柄表示装置31は、液晶(LCD)にて構成されているが、その他7セグメント表示器やドットマトリクス等を用いて構成することもできる。なお、図柄表示装置31は本発明の可変表示装置の一具体例を示すものである。
【0035】
図3に示すように、図柄表示装置31には、誘導図柄表示部(可変表示手段)31a、31b、入賞図柄表示部(入賞図柄表示手段)31c、残り球表示部31d、賞球数表示部31e等が設けられている。本実施例では、誘導図柄表示部として、本図柄表示部(本図柄表示手段)31aおよび疑似図柄表示部(疑似図柄表示手段)31bを備えている。本図柄表示部31aは本図柄を表示するものであり、図柄表示装置31内の右上に配置されている。本図柄表示部31aは、複数(本例では2つ)の図柄表示領域を備え、それぞれ赤色、青色、緑色の3色で表示可能に構成されており、9通りの本図柄の組合せを表示できる。
【0036】
疑似図柄表示部31bは、図柄表示装置31の中央付近において2/3程度の面積を占めており、複数(本例では3つ)の図柄表示領域を備えている。本図柄表示部31aで停止表示された本図柄が予め定められた当たり図柄(特定の図柄)の組合せである場合には、疑似当たり図柄を表示するとともに、本図柄が当たり図柄以外の組合せである場合には、疑似外れ図柄を表示するようになっている。具体的には、疑似図柄表示部31bの3つの図柄表示領域はそれぞれ「1」〜「9」からなる9通りの図柄を表示可能であり、729通りの疑似図柄の組合せを表示できる。
【0037】
識別図柄としての誘導図柄(本図柄および疑似図柄)は、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過することにより変動開始し、所定時間変動表示した後で停止表示を行う。誘導図柄変動時間の経過後、遊技者が誘導図柄を確認するために誘導図柄停止表示時間が設定されている。誘導図柄変動時間は、例えば本図柄は1.1秒とし、疑似図柄は1.4秒とする。また、当たりの場合および誘導増加装置作動中の場合の誘導図柄停止表示時間は、例えば本図柄、疑似図柄ともに4秒とし、外れの場合の誘導図柄停止表示時間は、例えば本図柄は0.5秒とし、疑似図柄は0.2秒とする。
【0038】
ここで、本図柄の変動時間が疑似図柄の変動時間よりも短く設定されているのは、本図柄の変動中に誘導図柄作動ゲート29を遊技球が通過しても本図柄は変動せず、本図柄の変動停止後に誘導図柄作動ゲート29を遊技球が通過した場合に本図柄が変動するため、遊技者の図柄が変動しない場合における苛立ちを少しでも緩和するためである。すなわち、遊技者は通常、疑似図柄を見ているため、疑似図柄における一つの変動と次の変動との間の変動していない期間(外れの場合の停止表示時間)を短くすることによって遊技者の苛立ち感が緩和できる。なお、当たりの場合には、第1役物作動口32が開放されるため、この限りでない。
【0039】
また、誘導図柄作動ゲート29は、誘導図柄が変動中のときと、第1役物作動口32が開放中(第1役物誘導装置作動中)のときに無効となり、誘導図柄の停止表示が終了したとき(誘導図柄が変動していないとき)と、第1役物作動口32が閉鎖したとき(第1役物誘導装置の作動が終了したとき)に有効となるものである。
【0040】
本図柄表示部31aで停止表示された本図柄が、予め定められた当たり図柄の組合せである場合には、一定時間経過後に第1役物誘導装置(可変入球装置)が作動開始し、遊技領域21に設けられた可変入球口としての第1役物作動口32が、遊技球が入球し易い開放状態となる。本実施例では、本図柄が「赤−赤」の組合せを当たり図柄の組合せとし、それ以外の組合せを外れ図柄の組合せとしている。なお、第1役物誘導装置とは、後述の主制御部200を主体として構成され、第1役物作動口32の状態を変化させるものである。
【0041】
本実施例で用いられる乱数には、当否判定用乱数、図柄表示用乱数等がある。当否判定用乱数は、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過した際に、第1役物誘導装置を作動させるか否かの判定(当否判定)と、当否判定にて当たりと判定されたときに本図柄表示部31aで停止表示される本図柄の当たり図柄を決定するために用いられる。図柄表示用乱数は、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過した際に、疑似図柄表示部31bで停止表示される疑似図柄を決定するために用いられるとともに、当否判定にて外れと判定されたときに本図柄表示部31aで停止表示される本図柄の外れ図柄を決定するために用いられる。
【0042】
具体的には、当否判定用乱数は、予め当否判定用の当たり値が設定されており、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過したタイミングで取得された当否判定用乱数が、当たり値と一致する場合に当たりと判定される。そして、当たりと判定された場合には、本図柄表示部31aで停止表示される本図柄は「赤−赤」の当たり図柄の組合せに決定される。一方、外れと判定された場合には、本図柄表示部31aで停止表示される本図柄は図柄表示用乱数を用いて決定され、具体的には「青−青」、「青−赤」、「青−緑」、「緑−緑」、「緑−赤」、「緑−青」、「赤−青」、「赤−緑」のいずれかに決定される。なお、当りと判定される確率は、約1/150〜1/200に設定されている。
【0043】
疑似図柄表示部31bで停止表示される疑似図柄は、図柄表示用乱数を用いて決定される。具体的には、当否判定にて当たりと判定された場合には、「3・3・3」、「7・7・7」のいずれかの組合せからなる疑似当たり図柄に決定され、当否判定にて外れと判定された場合には、上記疑似当たり図柄以外の組合せからなる疑似外れ図柄に決定される。
【0044】
本実施例では、誘導図柄の疑似図柄を用いてリーチ表示が行われるように構成されている。リーチ表示とは、誘導図柄の変動表示中に、最終停止図柄となる誘導図柄以外の誘導図柄が、大当りとなる特定の図柄の組合せと一致している状態で停止している状態のように、誘導図柄が停止表示される前で大当り可能性が継続している状態において行われる演出表示のことを指す。例えば、左図柄、中図柄、右図柄のように、横方向に3つ配置される表示図柄が、左図柄、右図柄、中図柄の順に停止し、これら表示図柄がすべて同一図柄で揃った場合に大当りとなるものとする。このとき、最終停止図柄である中図柄以外の左図柄及び右図柄が同一図柄で停留している状態をリーチ状態という。
【0045】
図3に示すように、図柄表示装置31内の下方には、入賞図柄表示部31cが設けられている。入賞図柄表示部31cは、上述の16連入球口24に対応するものであり、16個の入賞図柄を備えている。入賞図柄表示部31cでは、16連入球口24のいずれかの入球口に入球した場合に、その入球口に対応する入賞図柄にて入賞表示を行う。なお、遊技球15個がすべて入球した後、遊技者が入賞図柄を確認する入賞図柄確認時間(本例では0.5秒)が設定されている。
【0046】
図柄表示装置31の左上には、そのゲームにおける発射可能な遊技球の残り数を表示する残り球表示部31dが設けられ、残り球表示部31dの右側には、1ゲーム中で成立した得点が表示される得点表示部31eが設けられている。さらに図示を省略しているが、特別遊技状態が途中で終了(いわゆるパンク)した際に表示されるパンク報知部が設けられている。パンク報知部の表示が消えるタイミングは、次に特別遊技状態が発生したとき、表示後所定ゲーム回数(例えば、3〜4ゲーム)が経過したとき、あるいは、表示後所定時間(例えば、10〜30秒)が経過したときである。
【0047】
さらに図柄表示装置31には、図示を省略しているが、誘導増加装置が作動開始してからのゲーム数(ラウンド数)を示すラウンド数表示部や遊技の進行に応じて任意にメッセージを表示する遊技情報報知部が設けられている。遊技情報報知部には、例えば遊技者の利益に関連する情報および不利益に関連する情報を指示報知する指示報知情報を表示して、ナビゲーションを行うことができる。具体的には、遊技情報報知部では遊技者が狙うべきところ、あるいは狙うべきでないところを指示報知することができる。なお、メッセージを表示する際には、必要に応じて疑似図柄表示部31bを小さく表示するようにしてもよい。
【0048】
上述の第1役物誘導装置は、第1役物誘導装置の作動中に第1役物作動口32に入球があった場合、あるいは第1役物作動口32に遊技球が入球することなく3ゲーム(第1役物誘導装置の作動開始したゲームを含む)が終了した場合に作動を終了し、第1役物作動口32を閉鎖する。
【0049】
図2に示すように、第1役物作動口32は遊技領域21内の上方左側に設けられている。第1役物作動口32は一つの可動片を備えており、この可動片が右側に作動することにより第1役物作動口32が開放して入球し易くなる。
【0050】
第1役物作動口32は、入賞図柄表示部31cにおける4つの入賞図柄を同時に表示させる第1役物を作動させるものである。第1役物作動口32に入球した場合には、第1役物が作動して12・13・15・16番の入賞図柄が点灯表示する。第1役物は、当該ゲームが終了したときに作動を終了する。
【0051】
第2役物誘導装置作動ゲート30は遊技領域21の右上方に設けられており、後述する誘導増加装置が作動すると、第2役物誘導装置作動ゲート30が有効になる。また、第2の可変入球口としての第2役物作動口33は第2役物誘導装置作動ゲート30の下方である遊技領域21内の右側に設けられており、第2役物誘導装置作動ゲート30が有効なとき、すなわち誘導増加装置が作動しているときに遊技球が第2役物誘導装置作動ゲート30を通過し、第2役物誘導装置が作動開始すると、第2役物作動口33が、遊技球が入球し易い開放状態となる。第2役物作動口33は一つの可動片を備え、この可動片が左側に作動することにより第2役物作動口33が開放して入球し易くなる。
【0052】
第2役物誘導装置作動ゲート30は、各単位ゲームにおいて最初に遊技球が通過して第2役物作動口33が開放状態となるまでは有効であるが、第2役物作動口33が一旦開放状態になってから次の単位ゲームが開始されるまでは無効となる。
【0053】
第2役物誘導装置は、第2役物誘導装置の作動中に第2役物作動口33に入球があった場合、あるいは第2役物作動口33に遊技球が入球せずに当該ゲームが終了したときに作動を終了し、第2役物作動口33を閉鎖する。
【0054】
第2役物作動口33は、入賞図柄表示部31cにおける4つの入賞図柄を同時に表示させる第2役物を作動させるものである。第2役物作動口33に入球した場合には、第2役物が作動して11・13・14・15番の入賞図柄が点灯表示する。第2役物は、当該ゲームが終了したときに作動を終了する。
【0055】
上述の第1役物作動口32は、特別遊技装置36への入球を可能とする特定入球口としての機能も有する。特別遊技装置36は、遊技領域21の左側において第1役物作動口32の下方に設けられている。
【0056】
図4は、特別遊技装置36を遊技者側からみた正面図である。本第1実施例の特別遊技装置36は、一体的に形成された略箱形状のケース36aを備えており、上部には第1役物作動口32に入球した遊技球が流下してくる導入通路36bが形成されている。特別遊技装置36の内部には、導入通路36bの下方に振り分け装置37が設けられている。
【0057】
図5は振り分け装置37の斜視図である。振り分け装置37は円盤状の回転体として構成されており、駆動モータ38で駆動されることで回転する。本第1実施例の振り分け装置37は、図4において反時計回りの方向に回転するもので、第1役物作動口32に入球した遊技球を「1/3」の確率で誘導増加装置作動領域43aに振り分けるように構成されている。振り分け装置37はケース36aの内部に設けられているので、遊技者は振り分け装置37を直接目視することはできない。
【0058】
振り分け装置37の外周部には、遊技球が入り込むことができる大きさの3つの凹部37a、37b、37cが形成されている。第1の凹部37aの回転方向後側に第2の凹部37bが位置し、第2の凹部37bの回転方向後側に第3の凹部37cが位置している。第1の凹部37aは、振り分け装置37の背面側(図4における紙面奥側)が閉鎖されており、第2、第3の凹部37b、37cは、振り分け装置37の背面側が開放されている。したがって、第1の凹部37aに収容された遊技球は背面側に排出されないのに対し、第2、第3の凹部37b、37cに収容された遊技球は背面側に排出される。
【0059】
振り分け装置37の下方には、2本の遊技球通路39a、39bが設けられている。第2の遊技球通路39bの上端は、第1の遊技球通路39aより振り分け装置37の軸方向において深く、すなわち図4中の紙面奥側に位置している。第1の遊技球通路39aの上端の入口部は、振り分け装置37の第1の凹部37aに対応し、第2の遊技球通路39bの上端の入口部は、振り分け装置37の第2の凹部37bと第3の凹部37cに対応している。
【0060】
第1役物作動口32に入球した遊技球は、導入通路36bを介して振り分け装置37の最上部に供給され、振り分け装置37が回転して、いずれかの凹部37a、37b、37cが最上部に到達したときにその凹部37a、37b、37cに遊技球が収容される。
【0061】
遊技球が第1の凹部37aに収容された場合には、振り分け装置37が回転して第1の凹部37aが第1の遊技球通路39aの入口部に対応する位置となったときに、第1の凹部37aに収容された遊技球が振り分け装置37の外周面側(図4における紙面水平方向)に排出され、第1の遊技球通路39aの入口部に流入することができる。同様に、遊技球が第2の凹部37bあるいは第3の凹部37cに収容された場合には、振り分け装置37が回転して第2の凹部37bあるいは第3の凹部37cが第2の遊技球通路39bの入口部に対応する位置となったときに、第2の凹部37bあるいは第3の凹部37cに収容された遊技球が振り分け装置37の背面側(図4における紙面奥側)に排出され、第2の遊技球通路39bの入口部に流入することができる。
【0062】
また、各遊技球通路39a、39bには、遊技球を遊技球通路39a、39bの途中で停留させるための遊技球停留部材(ストッパ)40が設けられている。各遊技球通路39a、39bにおける遊技球停留部材40の上流側近傍には、遊技球センサ42a、42bが設けられている。第1の遊技球通路39aにおける遊技球停留部材40の下流側には誘導増加装置作動領域43aが設けられており、第2の遊技球通路39bにおける遊技球停留部材40の下流側には誘導増加装置非作動領域43bが設けられている。
【0063】
図6は遊技球停留部材40の斜視図である。図6に示すように、遊技球停留部材40は、底辺に向かって広がる略台形形状となっており、上端の回転軸40aを中心にして、下端が前後方向に移動可能に構成されている。遊技球停留部材40の背面側には、遊技球停留部材40を作動させるためのソレノイド41が設けられている。
【0064】
図6(a)は、遊技球停留部材40が後方側に位置している状態であり、このとき遊技球は遊技球通路39a、39bを通過可能となっている。図6(b)は、遊技球停留部材40が前方側に位置している状態であり、このとき遊技球は遊技球停留部材40により停留され、遊技球通路39a、39bを通過不能となっている。
【0065】
遊技球停留部材40は通常時、図示しないバネで後方側に引っ張られた状態となっている。そして、ソレノイド41に通電することで、遊技球停留部材40はプランジャアーム41aにより前方側に押される。これにより、遊技球通路39a、39bを通過する遊技球は、遊技球停留部材40で遮られて遊技球通路39a、39bの内部で停留する。そして、ソレノイド41の通電が解除されると、遊技球停留部材40が後方側に移動し、遊技球通路39a、39b内で遊技球停留部材40で停留されていた遊技球が通路内を落下して、誘導増加装置作動領域43aあるいは誘導増加装置非作動領域43bへと導かれていく。
【0066】
第1の遊技球通路39aにおける遊技球停留部材40の下流側には、誘導増加装置作動領域43aへの遊技球の通過を検知する誘導増加装置作動領域スイッチ44aが設けられている。第2の遊技球通路39bにおける遊技球停留部材40の下流側には、誘導増加装置非作動領域43bへの遊技球の通過を検知する誘導増加装置非作動領域スイッチ44bが設けられている。
【0067】
第1役物作動口32に入球した遊技球が、振り分け装置37の第1の凹部37aを通過した後、誘導増加装置作動領域43aを通過した場合、誘導増加装置が作動開始する。誘導増加装置とは、後述の主制御部200を主体として構成され、遊技状態を変化させて遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり状態)を発生させるものである。なお、誘導増加装置は本発明の特別遊技状態発生装置の一具体例を示すものである。
【0068】
誘導増加装置の作動は、作動開始から所定回数の14ゲームが終了した場合、あるいは作動中に新たに遊技球が誘導増加装置作動領域を通過(いわゆるパンク)した場合に終了する。
【0069】
次に、本実施例の遊技機1の裏面構造について図7に基づいて説明する。図7は遊技機1の裏機構盤102の正面図である。
【0070】
図7に示すように、裏機構盤102は中枠3における遊技盤20の反対面に設けられており、一対のヒンジ103により中枠3に開閉可能に取り付けられている。裏機構盤102の左上方部には、タンク球切れ検知スイッチ104を底部に備えた賞球タンク105が設けられている。タンク球切れ検知スイッチ104は、賞球タンク105内に遊技球が存在する場合にはオン出力となり、賞球タンク105内に遊技球が存在しない場合にはオフ出力となる。賞球タンク105には、外部の補給装置から供給される払い出し用の遊技球が貯留されている。賞球タンク105の下方には、賞球タンク105と接続したタンクレール106が設けられている。タンクレール106は、賞球タンク105の底部から遊技球払出装置109の上方まで傾斜して形成されている。賞球タンク105内の遊技球は、賞球タンク105の底部からタンクレール106を流下する。
【0071】
タンクレール106の右側には、球抜きレバー107が設けられている。球抜きレバー107の下流側には、遊技球払出装置109が設けられている。遊技球払出装置109については後述する。また、タンクレール106の下流側であって、遊技球払出装置109の上方には、タンクレール106を流下してきた遊技球の進行方向を変えて遊技球払出装置109に誘導するためのケースレール(遊技球誘導通路)108が設けられている。
【0072】
タンクレール106の下方には、前面側に図柄表示装置31が取り付けられ、背面側に図柄制御基板ケース113、音ランプ制御基板ケース114、ランプインターフェース基板ケース112がそれぞれ取り付けられた裏ケース111が設けられている。裏ケース111の下方には主制御基板ケース115が設けられ、主制御基板ケース115の下方には電源基板ケース116が設けられ、裏機構盤102の右下方部には、払出制御基板ケース118が設けられている。これらの基板ケースには、後述の各種制御基板が格納されている。
【0073】
裏機構盤102の右上方部には、大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、貸球用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた枠用外部端子基板122が設けられている。
【0074】
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置について、図8に基づいて説明する。図8は、電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【0075】
図8に示すように、電子制御装置は、主制御部(遊技制御部)200と、その主制御部200に接続された副制御部230、260及び280とを含んで構成されている。副制御部は、賞球制御部(払出制御部)230、音ランプ制御部260及び図柄制御部280から構成される。主制御部200は主制御基板200aを備え、副制御部230、260及び280は周辺制御基板として払出制御基板230a、音ランプ制御基板260a及び図柄制御基板280aをそれぞれ備えている。また、払出制御部230には、発射制御部250が接続されており、発射制御部250は発射制御基板250aを備えている。
【0076】
なお、発射制御部250には主制御部200から指令信号が直接送信されることはなく、発射制御に係る指令信号は払出制御部230に送信され、発射制御部250は払出制御部230に送信された指令信号に基づいて制御を行うように構成されている。これは、後述するように発射制御部250はCPUを備えておらず、払出制御部230のCPUによって発射制御部250が行う制御を司るように構成されているからである。
【0077】
主制御部200は、遊技の進行を司るものであり、各副制御部230、260及び280に処理内容を指示する指令信号(コマンドデータ)を送信し、各副制御部230、260及び280は指令信号に基づいて各種制御を行うように構成されている。
【0078】
例えば、主制御部200から払出制御部230には、賞球払出を指示する賞球指示信号、遊技開始許可を指示する遊技開始許可信号、各種発射制御コマンド等のコマンドが送信される。各種発射制御コマンドには、球送り許可・禁止、発射許可・禁止、遊技開始許可等が含まれている。
【0079】
また、主制御部200から音ランプ制御部260には、各種ランプ制御コマンド及び各種音声制御コマンドが送信される。主制御部200から図柄制御部280には、音ランプ制御部260を介して、本図柄の表示を指示する誘導図柄表示制御コマンド、1〜16の入賞図柄の表示を指示する入賞図柄表示コマンド、すべての図柄表示の消灯を指示する入賞図柄消灯コマンド等の各種図柄制御コマンドが送信される。なお、疑似図柄の表示を指示する表示制御コマンドは、音ランプ制御部260から図柄制御部280に送信される。なお、本発明の主制御手段は、主制御部200により構成されている。
【0080】
各制御部200、230、260及び280には、主電源129と接続された電源受電基板128から電源基板127と電源中継基板121とを介して電源が供給されている。また、電源立上げ時には、システムリセット信号が電源基板127および電源中継基板121を介して各制御部200、230、260及び280に送信される。なお、本実施例の遊技機1は、電源断時に主制御部200及び払出制御部230に作動電圧を供給する図示しないバックアップ電源部(図示略)を備えており、電源断時にも主制御部200及び払出制御部230のRAMデータが保持される。
【0081】
図9は、主制御部200の主制御基板200aに設けられたCPU400の構成を示すブロック図である。図9に示すように、CPU400は、CPUコア401、内蔵RAM402(以下、単にRAMともいう)、内蔵ROM403(以下、単にROMともいう)、メモリ制御回路404、クロック発生器405、アドレスデコーダ406、ウォッチドッグタイマ407、カウンタ/タイマ408、パラレル入出力ポート409、リセット/割り込みコントローラ410、外部バスインターフェース411及び出力制御回路412を備えている。
【0082】
CPU400は、ROM403に格納された制御プログラムにより、RAM402をワークエリアとして遊技機1全体の作動制御(遊技の基本進行制御)を司る。また、主制御部200は、CPU400が主体となって、ROM403に格納された当否判定プログラムにより当否判定を行う当否判定手段を構成している。なお、本実施例の主制御部200の制御周期は4msに設定されている。
【0083】
また、RAM402には、遊技機1で用いられる各種乱数の乱数カウンタが設定されている。本実施例で用いられる乱数には、当否判定用乱数、図柄表示用乱数等がある。当否判定用乱数は、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過した際に、役物誘導装置を作動させるか否かの判定(当否判定)に用いられる。予め当否判定用の当たり値が設定されており、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過したタイミングで取得された当否判定用乱数が、当たり値と一致する場合に当たりと判定される。図柄表示用乱数は、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過した際に、図柄表示装置31で停止表示される誘導図柄を決定するために用いられる。
【0084】
さらに、RAM402には、発射装置ユニットに送られた遊技球をカウントするための球送りカウンタと、発射装置ユニットで発射された遊技球をカウントするための発射カウンタと、入球口に入球した遊技球をカウントするための入球カウンタと、第1役物作動口32に入球し、誘導増加装置作動領域43aまたは誘導増加装置非作動領域43bから排出されていない遊技球をカウントする排出球未確認カウンタ等が設定されている。
【0085】
図8に戻り、主制御部200には、盤用外部端子基板201、16連スイッチ中継基板202、誘導図柄作動ゲートスイッチ204、盤面中継基板210及び遊技枠中継基板220が接続されている。
【0086】
盤用外部端子基板201には、図示しない外部の試験装置を接続するための試験信号端子が複数設けられている。これらの試験信号端子は、遊技機用として使用されるものであり、賞球信号、入球口入球信号、得点増加装置に係る入球口入球信号、役物作動口入球信号、特定入球口入球信号、特定領域通過信号、特定領域以外の領域通過信号、誘導増加装置作動領域通過信号、誘導図柄に係るゲート通過信号、役物誘導装置に係るゲート通過信号、役物作動信号、得点増加装置作動信号、役物作動口開放信号、役物誘導装置作動信号、誘導図柄に係るゲート有効信号、役物誘導装置に係るゲート有効信号などの信号を試験装置に送出することができる。
【0087】
16連スイッチ中継基板202には、16連入球口24の各入球口への入球を検知する16連入球口検知スイッチ203が接続され、16連入球口検知スイッチ203からの検知信号が主制御部200に送信される。そして、16連入球口検知スイッチ203からの検知信号により、16番の入賞図柄に対応する16番入球口24a(図2参照)への入球を検知した場合には得点増加装置の作動を開始する。誘導図柄作動ゲートスイッチ204は、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過したことを検出するものである。
【0088】
次に、盤面中継基板210を図10に基づいて説明する。図10は、盤面中継基板210に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。盤面中継基板210は、遊技盤20面に設けられた各種スイッチ等と主制御部200との間で、スイッチ信号等を中継するものである。
【0089】
図10に示すように、盤面中継基板210には、役物作動口スイッチ212a及び212b、誘導増加装置作動領域スイッチ44a、誘導増加装置非作動領域スイッチ44b、各種ソレノイド216、駆動モータ38、第2役物誘導装置作動ゲートスイッチ218が接続されている。
【0090】
役物作動口スイッチ212a及び212bは、第1役物作動口32及び第2役物作動口33の内部にそれぞれ設けられ、遊技球の入球を検知するものである。誘導増加装置作動領域スイッチ44aは、誘導増加装置作動領域43aへの遊技球の通過を検知するものである。
【0091】
誘導増加装置非作動領域スイッチ44bは、誘導増加装置非作動領域43bへの遊技球の通過を検知するものである。また、第2役物誘導装置作動ゲートスイッチ218は、遊技球が第2役物誘導装置作動ゲート30を通過したことを検出するものである。これらの遊技球検知スイッチや位置検知スイッチは、近接スイッチあるいはフォトセンサ等により構成することができる。
【0092】
各種ソレノイド216としては、第1役物作動口32および第2役物作動口33をそれぞれ開閉するもの等があり、開放ソレノイドと閉鎖ソレノイドとから構成されている。
【0093】
次に、遊技枠中継基板220を図11に基づいて説明する。図11は、遊技枠中継基板220に対する信号の入出力を示すブロック図である。遊技枠中継基板220は、主に中枠3に設けられた各種スイッチ等と主制御部200との間で、スイッチ信号等を中継するものである。
【0094】
図11に示すように、枠中継基板220には、発射球カウントスイッチ221、ファール球検出スイッチ222が接続されている。さらに枠中継基板220には、後述の球送り中継基板251を介して球送りカウントスイッチ254が接続されている。
【0095】
発射球カウントスイッチ221は、発射装置ユニットにて発射された遊技球を検知するものである。ファール球検出スイッチ222は、発射装置ユニットから発射された遊技球が遊技領域21に到達しないで、下皿部6に戻ってきた遊技球を検知するものである。球送りカウントスイッチ254は、上皿部5から発射装置ユニットに送られた遊技球をカウントするものである。
【0096】
次に、図8に戻り、払出制御部230について説明する。図8に示すように、払出制御部230には、枠用外部端子基板122、スイッチ中継端子基板231、CR接続基板234、発射制御部250等が接続されている。スイッチ中継端子基板231には、タンク球切れスイッチ232、下皿満タンスイッチ233が接続されている。タンク球切れスイッチ232は、枠用外部端子基板122にも接続されている。
【0097】
タンク球切れスイッチ232は、賞球タンク105内の遊技球が球切れとなったことを検知するものである。タンク球切れスイッチ232の球切れ信号は、枠用外部端子基板122を介して外部の補給装置に送信され、補給装置から賞球タンク105に遊技球が補給される。下受け皿満タンスイッチ233は、下皿部6の下受け皿が満タン状態になったことを検知するものである。なお、払出制御部230の払出制御基板230aは、上記図9で示した主制御基板200aのCPU400と同様の構成を有するCPUを備えている。本実施例の払出制御部230の制御周期は、主制御部200より短い1msに設定されている。
【0098】
払出制御部230を図12に基づいてさらに説明する。図12は、払出制御部230に対する信号の入出力を示すブロック図である。図12に示すように、払出制御部230には、CR接続基板234を介してプリペイドカードユニット13及びCR表示基板235が接続されている。CR表示基板235には、貸球ボタン236と返却ボタン237が接続されている。CR表示基板235は、CRユニット13との間で貸球やカード残り数等の信号を入出力するための基板である。
【0099】
また、払出制御部230には、払出ユニット中継端子板239を介して払出モータ109f及び払出センサ109jが接続され、状態表示LED中継端子板240を介して賞球表示LED基板241及びエラー表示LED基板242が接続されている。払出センサ109jは、遊技球払出装置109で払い出された遊技球数を計数するものである。遊技球払出装置109で払い出される遊技球には、入賞に対して払い出す賞球と、遊技者に貸し出す貸球とが含まれている。
【0100】
賞球表示LED基板241及びエラー表示LED基板242は、それぞれ賞球表示LED表示部4g及びエラーLED表示部4h(図1参照)に対応している。賞球表示LED基板241のLEDは賞球獲得の際に点灯あるいは点滅し、エラーLED基板242のLEDはエラー発生の際に点灯あるいは点滅する。
【0101】
次に、発射制御部250を図13に基づいて説明する。図13は、発射制御部250に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。図13に示すように、発射制御部250には、発射ハンドル8、原点センサ251、発射モータ252、球送り中継端子板253等が接続されている。発射ハンドル8から発射制御部250には、遊技者が発射ハンドル8を所定量以上回動させたかどうかを示す発射スタートスイッチからの発射スタート信号、遊技者が発射ハンドル8に触れているかどうかを示すタッチスイッチ8aからのタッチ信号等が入力する。
【0102】
上述のように、発射停止スイッチ8bはタッチスイッチ8aと直列的に接続されており、発射停止スイッチ8bのオン/オフはタッチ信号として出力される。遊技者がタッチスイッチ8aに触れていて、かつ、発射停止スイッチ8bが押されていない場合に、タッチ信号がオンになる。遊技者がタッチスイッチ8aに触れていないか、あるいは発射停止スイッチ8bを押した場合に、タッチ信号がオフになる。
【0103】
原点センサ251は、発射モータ252の回転軸が所定の原点位置(原点角度)にあるかどうかを検知するものである。発射モータ252は、発射位置に送り込まれた遊技球を遊技領域21に打ち込むための槌10aを稼働させるものであり、遊技者が発射ハンドル8を操作することにより作動する。本実施例では、発射モータ252の駆動パルス信号の周波数を固定値とし、発射モータ252の回転周期、すなわち1回転に要する時間を固定値(本例では500ms)としている。
【0104】
球送り中継端子板253には、上皿部5に貯留された遊技球を1個ずつ発射装置ユニットの発射位置に送り込むための球送りソレノイド12a、球送りカウントスイッチ254が接続されている。上述のように、球送りカウントスイッチ254からの信号は遊技枠中継基板220を介して主制御部200に送信される。
【0105】
上記原点センサ251の信号は、発射制御部250を介して、払出制御部230に送信される。払出制御部230は、原点センサ251にて原点が検出された場合に、上記球送り許可信号を所定期間(本例では60ms)だけ許可状態(L出力)にするように構成されている。なお、本発明の副制御手段は払出制御部230と発射制御部250とを含んで構成されている。
【0106】
次に、音ランプ制御部260を図14に基づいて説明する。図14は、音ランプ制御部260に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。音ランプ制御部260に設けられた音ランプ制御基板260aには、CPU、ROM、RAM、入出力ポート等を有する演算回路構成要素(図示略)とサウンドジェネレータ(図示略)が設けられており、入出力ポートにおいて主制御部200に接続されている。
【0107】
図14に示すように、音ランプ制御部260には、ランプインタフェース基板261を介して、各種盤面LED基板263、各種遊技枠部LED基板264等が接続されている。ランプインターフェース基板261は、各種ランプ類の駆動回路が設けられており、音ランプ制御基板260aから独立した別基板として構成されている。
【0108】
盤面LED基板263および遊技枠LED基板264には、遊技効果LED基板等が接続されている。これらのランプ類はゲームの進行に対応して点灯・消灯又は点滅し、遊技効果を高めている。
【0109】
さらに、音ランプ制御部260にはアンプ基板265が接続されている。アンプ基板265にはスピーカ266および音量スイッチ基板267が接続されている。スピーカ266からは、遊技の進行に対応して各種サウンド、音声等が出力される。音量スイッチ基板267は、図示しない音量スイッチの操作に従ってスピーカ266の出力音量の設定を行うものである。また、音ランプ制御基板260には、モード切替スイッチ268が設けられている。モード切替スイッチ268はディップスイッチとして構成されており、電源投入時に遊技場従業員が操作する。モード切替スイッチ268により、図柄表示装置31における背景や出現するキャラクタの変更等を行うことができる。
【0110】
次に、図柄制御部280を図15に基づいて説明する。図15は、図柄制御部280に接続された各種遊技装置を示すブロック図である。図柄制御部280に設けられた図柄制御基板280aには、CPU、RAM、ROM、入出力ポート、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)等を有する演算回路構成要素(図示略)が設けられ、入出力ポートにおいて主制御部200に接続されている。
【0111】
図15に示すように、図柄制御部280には、図柄表示装置31を作動させる図柄表示装置基板281が接続されている。図柄制御部280は、CPUがROMに格納された制御プログラムに従ってRAMをワークエリアとして図柄表示装置31の表示制御を行う。また、図柄制御部280には、図示しない外部の試験装置を接続するための図示しない試験信号端子が複数設けられている。これらの試験信号端子は、入賞図柄用あるいは誘導図柄用として使用されるものであり、入賞図柄信号、図柄変動中信号、あるいは図柄確定信号などの信号を試験装置に送出することができる。
【0112】
次に、図柄表示装置31で変動表示される誘導図柄の変動パターン(変動表示態様)を図16に基づいて説明する。本実施例では、図16に示す3種類の変動表示態様テーブルA、B、Cが用意されている。各変動表示態様テーブルA、B、Cは、それぞれ識別図柄の変動パターンを複数含んでいる。これらの変動表示態様テーブルA、B、Cは、主制御基板200aのメモリ(例えば内蔵ROM403)に格納されている。本実施例では、変動表示態様テーブルA、B、Cの変動パターンは、本図柄の変動パターンを示している。
【0113】
各変動表示態様テーブルA、B、Cに含まれる変動パターンは、それぞれ誘導図柄の変動時間が異なっている。変動表示態様テーブルAには、識別図柄の変動時間が長い変動パターンが含まれており、変動表示態様テーブルCには、識別図柄の変動時間が短い変動パターンが含まれており、変動表示態様テーブルBには、識別図柄の変動時間が中間的な変動パターンが含まれている。換言すれば、各変動表示態様テーブルA、B、Cに含まれる変動パターンの誘導図柄変動時間の平均値は、変動表示態様テーブルAが最も長く、変動表示態様テーブルCが最も短く、変動表示態様テーブルBがこれらの中間となっている。
【0114】
また、各変動表示態様テーブルA、B、Cに含まれる複数の変動パターンには、上述のリーチ表示に対応するリーチパターンが含まれている。このリーチパターンが選択された場合には、疑似図柄でリーチ表示が行われる。各変動表示態様テーブルA、B、Cは、それぞれリーチ発生確率が異なっている。ここで「リーチ発生確率」とは、各変動表示態様テーブルA、B、Cに含まれる複数の変動パターンの中からリーチパターンが選択される確率である。本実施例のリーチ発生確率は、変動表示態様テーブルAが最も高く、変動表示態様テーブルCが最も低く、変動表示態様テーブルCはこれらの中間となっている。
【0115】
次に、誘導図柄の変動表示態様の選択方法について説明する。誘導図柄(本図柄)の変動表示態様の選択は、上述の3つの変動表示態様テーブルA、B、Cの中から選択された特定の変動表示態様テーブルを用いて行われる。本実施例では、誘導増加装置が作動していない通常遊技状態と、誘導増加装置が作動している特別遊技状態とで、変動表示態様テーブルA、B、Cの選択方法を異ならせている。
【0116】
誘導増加装置が作動していない通常遊技状態においては、複数の変動表示態様テーブルA、B、Cから所定の変動表示態様テーブルを選択するための変動表示態様テーブル用乱数を用いて変動表示態様テーブルA、B、Cの選択が行われる。
【0117】
一方、誘導増加装置が作動している特別遊技状態においては、当該ゲームの残存時間に基づいて変動表示態様テーブルの選択を行うように構成されている。すなわち、当該ゲームの残存時間が長い場合には、変動表示態様テーブルAが選択され、当該ゲームの残存時間が短くなった場合には、変動表示態様テーブルAより変動時間が短くリーチ発生確率が低い変動表示態様テーブルBが選択され、当該ゲームの残存時間がさらに短くなった場合には、変動表示態様テーブルBより変動時間が短くリーチ発生確率が低い変動表示態様テーブルCが選択される。
【0118】
本実施例では、主制御部200は、発射球カウントスイッチ221により当該ゲームにおける遊技球の発射数をカウントし、当該ゲームにおいて発射された遊技球数に基づいて当該ゲームにおける残存時間を算出するように構成されている。1球を発射するのが500msなので15球を発射するのに7500msが必要となる。単位遊技と単位遊技とのインターバル等に1500msかかるとし、9000ms=9秒が一単位遊技時間となる。このため、主制御部200は、誘導増加装置が作動中であると判定した場合には、残存時間が7.5秒以上9秒未満の場合は変動パターンテーブルAを選択し、残存時間が5秒以上7.5秒未満の場合は変動パターンテーブルBを選択し、残存時間が5秒未満の場合は変動パターンテーブルCを選択する。ここでは、残存時間を前述のように決め、変動表示態様テーブルA、B、Cを変更するように構成したが、残存時間は任意に設定することができる。なお、主制御部200が本発明の変動表示態様選択手段、残存時間算出手段、発射数計数手段に相当し、発射球カウントスイッチ221が本発明の発射検知手段に相当している。
【0119】
主制御部200は、上述のように変動表示態様テーブルを選択した後、その変動表示態様テーブルから選択した本図柄の変動パターンに対応する変動表示態様コマンドを音ランプ制御部260を介して図柄制御部280に送信する。音ランプ制御部260では、主制御部200から受け取った本図柄の変動表示態様コマンドに対応する疑似図柄の変動パターンを選択して図柄制御部280に送信する。
【0120】
次に、遊技確認時間を図17に基づいて説明する。本実施例の遊技機1では、ゲームとゲームとの間に遊技確認時間(本例では16ms)が設けられている。図17は主制御部200から外部検査装置に出力される遊技中信号の出力タイミングチャートであり、(a)は電源投入時、(b)は遊技中を示している。
【0121】
電源投入時には、図17(a)に示すように、電源投入から遊技の結果が得られるまで、主制御部200から外部の検査装置に遊技中であることを示す遊技中信号が試験信号端子から出力される。次回のゲーム以降は、図17(b)に示すように、遊技確認時間終了後から次のゲームの遊技の結果が得られるまで遊技中信号が出力される。この遊技中信号が出力されていない時間が遊技確認時間となる。この遊技確認時間により、外部検査装置側で1ゲームの開始及び終了を明確に把握することが可能となる。
【0122】
また、遊技確認時間は、前のゲームにおける15個の遊技球すべてが複数の入球口(例えば、16連入球口24、第1役物作動口32、第2役物作動口33、誘導増加装置作動領域43a、誘導増加装置非作動領域43b)へ入球・通過した後、後述の2秒間(一定時間)のインターバル時間の経過後または/および前述の0.5秒の入賞図柄確認時間の経過後において、遊技の結果が得られた際に設定される。このため、15個の遊技球の上記各入球口等への入球・通過以外に遊技機1に備えられた各遊技装置(例えば、遊技球払出装置109、役物誘導装置、誘導増加装置等)の作動・非作動状況をも明確化して1ゲームの区切りを完全に明確化できる。
【0123】
また、本実施例の遊技機1では、1ゲームにおいて遊技球15個のすべての発射が行われた後、次のゲームに進む前に所定のインターバル時間(例えば2秒)が設けられている。主制御部200は、発射球カウントスイッチ221により15個すべての遊技球が発射されたことを検出すると、インターバル機能を開始する。主制御部200は、インターバル機能の開始により払出制御部230に発射禁止コマンドを送信する。これにより、払出制御部230から発射制御部250への発射許可信号がオフとなり、発射制御部250は発射モータ252の動作を禁止する。この結果、インターバル機能作動中は発射装置ユニットが停止する。インターバル機能は作動を開始してから2秒後に停止し、インターバル時間が終了する。
【0124】
次に、本実施例の遊技機1の作動を図18〜図28のフローチャートに基づいて説明する。図18は、主制御部200のROMに格納されたプログラムに基づいてCPU400が実行するメインジョブの一例を示している。図18に示すメインジョブは、電源投入処理S100を実行した後、遊技開始処理S200、ゲーム管理処理S300、入賞図柄処理S400、役物処理S500、得点増加装置処理S600、誘導増加装置処理S700、誘導図柄および役物誘導装置処理S800の各ステップが、タイマリセットされる毎に繰り返し実行される。なお、本実施例では、リセット周期は4msに設定されている。
【0125】
電源投入処理S100を図19のフローチャートに基づいて説明する。この電源投入処理は、電源投入時と電源断発生後の復電時に行われるものである。まず、電源投入時に必要な各種設定を行う(S101)。具体的には、スタックポインタをRAMの所定アドレスに設定し、割り込みモードの設定を行い、RAMのアクセスを許可する。
【0126】
次に、RAMクリアスイッチが押されている場合、あるいは、RAMにバックアップフラグ(電源断の発生情報)が設定されていない場合には、電源投入時と判定してRAM初期化処理を行い、その後リターンする(S102、S103、S104)。RAM初期化処理としては、CPU周辺の内蔵デバイスの初期設定を行い、RAMの全領域を0クリアし、通常遊技中の初期値を設定し、割り込みを許可する。また、ゲーム開始フラグを設定する。
【0127】
一方、RAMにバックアップフラグが設定されている場合には電源断復帰時と判断し、電源断時に保護したRAMの内容からチェックサムを算出して(S105)、電源断時に作成、保存したチェックサムの内容と比較する(S106)。これらのチェックサムが一致しない場合にはRAMの内容が壊れていると判定し、上記S104のRAM初期化処理を行う。RAMの内容が正常にバックアップされている場合には、以下の復電時の処理を行う。
【0128】
まず、電源断直前のスタックポインタを復帰し、バックアップフラグをクリアする。次に、電源断時の遊技状態に復帰させるための復帰設定を行い、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、レジスタを電源断直前の状態に戻す。その後、電源断直前のプログラム実行位置に戻ってプログラムを再開する。
【0129】
次に、遊技開始処理S200を図20のフローチャートに基づいて説明する。まず、主制御部200に接続されているRAMクリアスイッチ以外のすべてのスイッチを読み込み(S201)、各々のスイッチ状態を判定して検出情報を保存する(S202)。
【0130】
次に、当否判定用乱数、図柄表示用乱数等の各種乱数の更新を行う(S203)。具体的には、上述のRAMに設定された乱数カウンタの値を、初期値(例えば0)から所定値(例えば255)の間で1ずつ加算する。乱数カウンタの値が所定値を超える場合には初期値に戻る。
【0131】
次に、S204〜S212の賞球制御を行う。まず、16連入球口スイッチ203により16連入球口24の各入球口をチェックし、遊技球が16連入球口24に入球して入賞となる組合せが得られた場合には、該当する得点情報をRAMに保存する(S204、S205)。次に、ケースレール球切れスイッチ108および下受け皿満タンスイッチ224により、球切れまたは満タン状態を判定する(S206)。
【0132】
球切れ又は満タン状態で賞球停止状態でない場合には、払出制御部230に払出不可指定コマンドを送信する(S207、S208)。球切れまたは満タン状態でなく賞球停止状態の場合には、払出制御部230に払出可指定コマンドを送信する(S209、S210)。保存した得点情報がある場合には、払出制御部230に得点に応じた賞球コマンドを送信する(S211、S212)。
【0133】
次に、ゲーム管理処理S300を図21のフローチャートに基づいて説明する。まず、ゲーム開始フラグによりゲーム開始時か否かを判定する(S301)。この結果、ゲーム開始時であれば、ゲーム開始時の設定を行い(S302)、リターンする。ゲーム開始時の設定として、ゲームの開始に必要な各種のフラグやタイマに対して確認、設定あるいはクリア等の処理を行う。
【0134】
一方、ゲーム開始時でない場合には、まず、球送りカウントスイッチ254により球送りの監視を行う(S303)。球送りカウントスイッチ254がオンの場合には、球送りカウンタを1加算する。球送りカウンタが15以上になった場合には、払出制御部230に球送り禁止コマンドを送信し、球送りを終了する。
【0135】
次に、発射球カウントスイッチ222により発射球の監視を行う(S304)。発射球カウントスイッチ222がオンの場合には、発射カウンタを1加算する。発射カウンタが15以上になった場合には、払出制御部230に発射禁止コマンドを送信し、15個発射完了とする。
【0136】
次に、ファール球検出スイッチ223によりファール球の監視を行う(S305)。具体的には、ファール球検出スイッチ223がオンの場合には、球送りカウンタおよび発射カウンタを1減算する。
【0137】
次に、複数の入球口スイッチ(16連入球口スイッチ203、役物作動口スイッチ212a、212b)により、複数の入球口(16連入球口24、役物作動口32、33)における入球の監視を行う(S306)。複数の入球口スイッチ203、212a、212bにより、複数の入球口24、32、33のいずれかへの入球を検知した場合には入球カウンタを1加算し、入球カウンタが15以上となった場合には15個入球完了とする。
【0138】
次に、S307〜S314のゲーム終了チェック処理を行う。まず、遊技の結果が得られたか否か、すなわち1ゲームが終了したか否かを判定する。遊技の結果は、以下のすべての要件を満たしている場合に得られる。
【0139】
すなわち、発射カウンタにより遊技球15個発射と判定され(S307)、インターバル時間が経過したと判定され(S308)、入球カウンタにより遊技球15個がすべて入球したと判定され(S309)、入賞図柄確認時間が経過したと判定され(S310)、誘導図柄表示部31a、31bの作動が終了したと判定され(S311)、第1役物作動口32に入球した遊技球が誘導増加装置作動領域43aまたは誘導増加装置非作動領域43bを通過したと判定され(S312)、獲得遊技球(賞球)の払出が完了したと判定された(S313)場合に遊技の結果が得られたと判定できる。
【0140】
この結果、遊技の結果が得られた、すなわち1ゲームが終了したと判定された場合には、ゲーム終了処理としてゲーム終了フラグを1にして、リターンする(S314)。上記要件のいずれかを満たさないと判定された場合には、そのままリターンする。なお、ゲーム終了フラグが1に設定されると遊技の結果が得られ、図15で示した遊技中信号が16msの間オフとなる。したがって、遊技確認時間が設定され、その時間の経過後、次のゲームが開始可能となる。
【0141】
次に、入賞図柄処理S400を図22のフローチャートに基づいて説明する。まず、ゲーム終了フラグにより遊技の結果が得られたか否か判定する(S401)。この結果、遊技の結果が得られたと判定された場合には、遊技終了時の設定として、図柄制御部280に入賞図柄消灯コマンドを送信し、音ランプ制御部260にLED消灯コマンドを送信する(S401、S402)。その後リターンする。これにより、入賞図柄表示部31cの入賞図柄を表す花火の導火線の火が消される。
【0142】
一方、遊技の結果が得られていないと判定された場合には、遊技中であるか否か判定し(S403)、入球カウンタにより15個入球完了したか否か判定し(S404)、16連入球口スイッチ203により16連入球口24の各入球口に入球があったか否か判定する(S405)。この結果、遊技中であって15個入球完了する前に入球口に入球があった場合には、図柄制御部280に各入球口に対応した入賞図柄表示コマンドを送信し、音ランプ制御部260にLED表示コマンドを送信し、リターンする(S406)。それ以外の場合はそのままリターンする。これにより、入賞図柄表示部31cの入賞図柄を表す花火の導火線に火がつく。
【0143】
次に、役物遊技処理S500を図23のフローチャートに基づいて説明する。まず、遊技中か否か判定する(S501)。この結果、遊技中でない場合にはそのままリターンする。一方、遊技中である場合には、S502〜S507の第1役物処理を行う。まず、第1役物が作動中であるか否か判定する(S502)。
【0144】
この結果、第1役物が作動中でないと判定された場合には、第1役物作動処理を行う(S503、S504、S505)。具体的には、入球カウンタにより遊技球が15個入球完了したか否か判定し、役物作動口スイッチ212aにより第1役物作動口32に入球があったか否かを判定する。この結果、遊技球が15個入球完了していない状態で、第1役物作動口32に入球があった場合には、第1役物の作動を開始し、後述の第2役物処理に移る。それ以外の場合には、そのまま第2役物処理に移る。第1役物の作動により、12・13・15・16番の入賞図柄が点灯表示される。
【0145】
一方、第1役物が作動中と判定された場合には、第1役物作動終了処理を行う(S506、S507)。具体的には、ゲーム終了フラグにより遊技の結果が得られたか否か判定する。この結果、遊技の結果が得られたと判定された場合には、第1役物の作動を終了して第2役物処理に移る。一方、遊技の結果が得られていないと判定された場合には、そのまま第2役物処理に移る。
【0146】
次に、S508〜S513の第2役物処理を行う。まず、第2役物が作動中であるか否か判定する(S508)。
【0147】
この結果、第2役物が作動中でないと判定された場合には、第2役物作動処理を行う(S509、S510、S511)。具体的には、入球カウンタにより遊技球が15個入球完了したか否か判定し、役物作動口スイッチ212bにより第2役物作動口33に入球があったか否かを判定する。この結果、遊技球が15個入球していない状態で、第2役物作動口33に入球があったと判定された場合には、第2役物の作動を開始して、リターンする。それ以外の場合には、そのままリターンする。第2役物の作動により、11・13・14・15番の入賞図柄が点灯表示される。
【0148】
一方、第2役物が作動中と判定された場合には、第2役物作動終了処理を行う(S512、S513)。具体的には、ゲーム終了フラグにより遊技の結果が得られたか否かを判定し、遊技の結果が得られたと判定された場合には、第2役物の作動を終了してリターンする。一方、遊技の結果が得られていない場合には、そのままリターンする。
【0149】
次に、得点増加装置処理S600を図24のフローチャートに基づいて説明する。まず、遊技中か否か判定し、遊技中でないと判定された場合には、そのままリターンする(S601)。一方、遊技中と判定された場合には、得点増加装置が作動中か否か判定する(S602)。
【0150】
この結果、得点増加装置が作動中でないと判定された場合には、得点増加装置作動処理を行う(S603〜S605)。具体的には、入球カウンタにより遊技球が15個入球完了したか否か判定し、16連入球口検知スイッチ203により16番の入賞図柄に対応する16番入球口(得点増加装置作動口)24aに入球があったか否かを判定する。この結果、遊技球が15個入球していない状態で、16番入球口24aに入球したと判定された場合には、得点増加装置の作動を開始し、リターンする。それ以外の場合にはそのままリターンする。
【0151】
一方、得点増加装置が作動中であると判定された場合には、得点増加装置作動終了処理を行う(S606、S607)。具体的には、ゲーム終了フラグにより遊技の結果が得られたか否か判定し、遊技の結果が得られたと判定された場合(ゲームが終了した場合)には、得点作動装置の作動を終了してリターンする。一方、遊技の結果が得られていないと判定された場合には、そのままリターンする。
【0152】
次に、誘導増加装置処理S700を図25のフローチャートに基づいて説明する。まず、遊技中か否かを判定する(S701)。この結果、遊技中でないと判定された場合には、そのままリターンする。
【0153】
一方、遊技中と判定された場合には、誘導増加装置が作動しているか否かを判定する(S703)。この結果、誘導増加装置が作動していないと判定された場合には、作動領域スイッチ44aにより遊技球が誘導増加装置作動領域43aを通過したか否かを判定する(S705)。この結果、遊技球が誘導増加装置作動領域43aを通過したと判定された場合には、誘導増加装置を作動させリターンし(S706)、通過していないと判定された場合は、そのままリターンする。
【0154】
誘導増加装置の作動により、第2役物誘導装置作動ゲート30が有効になる。そして、特別遊技状態の発生中に第2役物誘導装置作動ゲート30を遊技球が通過すると、第2役物作動口33が開放する。さらに、第1役物作動口32が開放する確率を増加させる。具体的には、第1役物作動口32が開放する確率を「1/1」に増加させる。
【0155】
上記S703にて誘導増加装置が作動中と判定された場合には、誘導増加装置作動終了処理を行う。具体的には、作動領域スイッチ44aにより遊技球が誘導増加装置作動領域43aを通過したか否か判定し(S707)、誘導増加装置の作動開始から14ゲーム(14ラウンド)終了したか否か判定する(S708)。この結果、遊技球が誘導増加装置作動領域43aを通過した場合、あるいは誘導増加装置の作動開始から14ゲーム終了した場合には、誘導増加装置の作動を停止し(S710)、リターンする。それ以外の場合には、そのままリターンする。誘導増加装置の停止により特別遊技状態が終了し、第2役物誘導装置作動ゲート30が無効となる。
【0156】
ここで、特別遊技状態が途中で消滅(いわゆるパンク)した場合(S707がYES)、図柄表示部31のパンク報知部を表示させる(S709)。パンクしたことについて遊技者が遊技場従業員に不満を訴えた場合、遊技場従業員は、パンク報知部が表示していることを確認することにより、特別遊技状態中に遊技球が誘導増加装置作動領域43aを通過してパンクしたことを、遊技者に対して説明することができる。従って、パンクしたことに起因する遊技者と遊技場従業員とのトラブルを防止し、遊技の健全性を高めることができる。
【0157】
次に、誘導図柄および役物誘導装置処理S800を図26(a)、図26(b)のフローチャートに基づいて説明する。まず、第1役物誘導装置が作動しているか否か判定する(S801)。この結果、第1役物誘導装置が作動中であると判定された場合には、後述のS816〜S818で示す役物誘導装置終了処理を行う(S801)。一方、第1役物誘導装置が作動中でないと判定された場合には、誘導図柄が変動中か否か判定する(S802)。
【0158】
この結果、誘導図柄が変動中であると判定された場合は、後述のS809で示す変動時間経過判定処理に移る。一方、誘導図柄が変動中でないと判定された場合には、誘導図柄の停止表示時間中であるか否かを判定する(S803)。
【0159】
この結果、誘導図柄の停止表示時間中であると判定された場合には、後述のS811で示す停止表示時間経過判定処理に移る。一方、誘導図柄の停止表示時間中でないと判定された場合には、誘導図柄作動ゲートスイッチ204により遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過したか否かを判定する(S804)。
【0160】
この結果、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過していないと判定された場合はそのままリターンする。一方、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過したと判定された場合は誘導図柄当否判定を行う(S805)。
【0161】
ここで、誘導図柄当否判定処理を図27のフローチャートに基づいて説明する。なお、ここでの当否判定処理は、本図柄に係る当否判定処理である。まず、当否判定用乱数の値が予め設定された当たり値に該当するか否かを判定する(S8051)。当否判定用乱数は、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過したタイミングで乱数カウンタより取得される。
【0162】
この結果、当否判定用乱数の値が当たりであると判定された場合には、当たりのときに図柄表示装置31に表示される当たり停止図柄を設定し(S8052)、当たり予定フラグをセットする(S8056)。一方、当否判定用乱数の値が当たりでないと判定された場合には、外れのときに図柄表示装置31に表示される外れ図柄を設定する(S8053)。そして、誘導増加装置が作動中か否かを判定する(S8054)。
【0163】
その結果、誘導増加装置が作動中であると判定された場合には、当たり予定フラグをセットする(S8056)。一方、誘導増加装置が作動中でないと判定された場合には、そのままリターンする。なお、図柄表示装置31に表示される当たり図柄および外れ図柄は、図柄表示用乱数を用いて決定される。
【0164】
なお、当たり予定フラグがセットされた場合には、後述のS813の処理にて第1役物誘導装置が作動して、第1役物作動口32が開放することとなるが、本実施例では、当否判定用乱数値が当たりでない場合で(S8051:NO)、外れ停止図柄が設定された場合(S8053)であっても、誘導増加装置が作動中(特別遊技状態発生中)であれば、当たり予定フラグをセットするものとしている。つまり、誘導増加装置作動中に遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過した場合は、誘導図柄の当否判定の結果に関係なく第1役物誘導装置が作動して、第1役物作動口32が開放されることとなる。
【0165】
次に図26(a)に戻り、誘導図柄表示部31a、31bに表示される誘導図柄の変動時間設定及び変動パターンの設定を行い(S806)、図柄制御部280に所定の図柄制御コマンドを送信し、誘導図柄の変動を開始する(S807)。なお、本実施例では、誘導図柄変動時間は本図柄を1.1秒とし、疑似図柄を1.4秒としている。
【0166】
次に、誘導図柄変動時間が経過したか否かの判定を行う(S808)。この結果、誘導図柄変動時間が経過していないと判定された場合にはそのままリターンする。一方、誘導図柄変動時間が経過していると判定された場合には、誘導図柄を停止させ(S809)、誘導図柄停止表示時間(本例では0.5秒)を設定する(S810)。
【0167】
次に、誘導図柄停止表示時間が経過したか否かの判定を行う(S811)。この結果、誘導図柄停止表示時間が経過していないと判定された場合には、そのままリターンする。一方、誘導図柄停止表示時間が経過していると判定された場合には、当たり予定フラグがセットされているか否かを判定する(S812)。
【0168】
この結果、当たり予定フラグがセットされていないと判定された場合には、そのままリターンする。一方、当たり予定フラグがセットされていると判定された場合には、第1役物誘導装置の作動を開始する(S813)。
【0169】
次に、上記S801で第1役物誘導装置が作動中と判定された場合には、役物誘導装置終了処理を行う(S816、S817、S818)。具体的には、第1役物作動口32に入球したか否かを判定し、遊技の結果が3回得られたか否かを判定する。この結果、第1役物作動口32に入球したか、あるいは遊技の結果が3回得られたと判定された場合には、第1役物誘導装置の作動を停止する。これにより、第1役物作動口32が閉鎖する。一方、いずれかの条件を満たさない場合には、そのままリターンする。
【0170】
次に、電源断発生処理S900を図28のフローチャートに基づいて説明する。この電源断発生処理は、停電等によって電源断が発生してノンマスカブル割り込みが発生した場合に行われる。
【0171】
まず、使用レジスタをRAMに退避し、スタックポインタの値を保存する(S901、S902)。次に、遊技球払出装置109の賞球残数を確認するために、払出センサ109jの監視を所定時間(本例では84ms)行い、第1役物作動口32および第2役物作動口33の役物作動口スイッチ212aおよび212bを通過する遊技球の監視を所定時間(本例では84ms)行う(S903、S904)。次に、チェックサムを算出して保存し、バックアップフラグをセットする(S905、S906)。次に、RAMへのアクセスを禁止し、システムリセットが発生するまで無限ループ処理を行う(S907)。RAMデータは、図示しないバックアップ電源部により補償される。システムリセットが発生した場合には、上記電源投入処理S100に移る。
【0172】
以上のように、誘導図柄の変動表示態様テーブルを選択する際に、当該単位遊技における残存時間が短くなるに伴って、誘導図柄の変動時間が短い変動表示態様テーブルを選択することで、当該単位遊技ですべての遊技球を発射終了した後の誘導図柄変動時間を極力短くすることができる。これにより、当該単位遊技を速やかに終了させ次の単位遊技に移行することができるので、遊技者の待ち時間を短縮することができ、遊技機の稼働率を向上させることができる。また、遊技者に遊技が円滑に進行している印象を与えることができるので、遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
【0173】
特に誘導増加装置作動中においては、当否判定において高確率で当りとなるので、誘導図柄の変動表示でリーチパターンが発生する確率が高い。このため誘導増加装置作動中は、当該単位遊技における残存時間が短くなるに伴って誘導図柄の変動時間が短くなるようすることが特に有効である。
【0174】
また、本実施例のように誘導図柄作動ゲート29が遊技領域21の中央付近に設けられ、遊技領域21の左側と右側のそれぞれを流下する遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過可能な構成では、遊技領域21の左側を狙う左打ちあるいは遊技領域21の右側を狙う右打ちに関係なく、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過して誘導図柄が変動する可能性がある。このような構成においても、当該単位遊技における残存時間が短くなるに伴って、誘導図柄の変動時間が短くなるようにすることで、遊技の進行を促進することができる。
【0175】
また、単位遊技における残存時間が短くなるにつれてリーチ発生確率を低くすることは、逆に単位遊技における残存時間が短くなってからリーチパターンが発生した場合には、当否判定が当りである確率が高い。このため、単位遊技における残存時間が短くなってからのリーチ信頼度を向上させることができる。
【0176】
(第2実施例)
次に、本発明の第2実施例について図29に基づいて説明する。本第2実施例は、上記第1実施例に比較して誘導図柄作動ゲートの構成が異なるものである。上記第1実施例と同様の部分は同一の符号を付して説明を省略する。
【0177】
図29は、図柄表示装置31および誘導図柄作動ゲート29の構成を示している。図29に示すように、本第2実施例では、誘導図柄作動ゲート29には、右側に向かって開閉可能な可動片26が設けられている。可動片26は、ソレノイド216(図10参照)によって、誘導図柄作動ゲート29の右側から入球困難な直立状態と、誘導図柄作動ゲート29の右側から入球容易な開放状態とを切り替えるように作動する。可動片26は、通常遊技状態において直立状態となり、後述する誘導増加装置の作動中(特別遊技状態)における所定段階になると開放状態となる。なお、「所定段階」とは、誘導増加装置が作動開始してから13ゲーム目になったときで、かつ、第1役物作動口32が閉鎖しているときである。
【0178】
このように可動片26を作動させることで、遊技領域21の左側を流下する遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過する確率aと、遊技領域21の右側を流下する遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過する確率bとを変更することができる。なお、遊技領域21の左側とは、図2に示した遊技領域21の中心から左側の領域を指し、遊技領域21の右側とは、図2に示した遊技領域21の中心から右側の領域を指す。
【0179】
通常遊技状態時には、可動片26は直立状態となっており、遊技領域21の右側(図柄表示装置31の右側)を流下する遊技球より、遊技領域21の左側(図柄表示装置31の左側)を流下する遊技球の方が、誘導図柄作動ゲート29を通過しやすくなっている。具体的には、遊技領域21の左側を流下する遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過する確率をa、遊技領域21の右側を流下する遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過する確率をbとした場合、それぞれの通過確率がa≧bの関係を満たすようになっている。
【0180】
なお、本実施例では、誘導図柄作動ゲート29の周辺に配置される障害釘により、可動片26が直立状態にあるときには、遊技領域21の右側を流下する遊技球が誘導図柄作動ゲート29を全く通過しないようにし、確率b=0としている。これにより、誘導増加装置が作動開始してから12ゲーム目が終了するまでは、第1役物誘導装置が作動しないようにすることができる。
【0181】
一方、誘導増加装置が作動開始してから12ゲーム目が終了したときで、かつ、第1役物作動口32が閉鎖している場合には、13ゲーム目の開始と同時に可動片26は開放状態となる。これにより、遊技領域21の右側を流下する遊技球が、誘導図柄作動ゲート29を通過する確率bは高くなる。
【0182】
誘導増加装置作動中は、遊技領域21の右側に設けられた第2役物誘導装置作動ゲート30、第2役物作動口33などを狙って弾発する右打ちを行うことが遊技者にとって有利となるため、遊技者は誘導増加装置作動中、右打ちを行うことが通常である。そして、誘導増加装置が作動開始してから12ゲーム目が終了し、かつ、第1役物作動口32が閉鎖している場合に、13ゲーム目の開始と同時に可動片26を開放状態として確率bを高くすることで、遊技者は右打ちをしていれば容易に第1役物作動口32を開放させることができる。これにより、第1役物作動口32が開放した状態で誘導増加装置を作動終了させることができるので、誘導増加装置作動終了後の最初のゲームで第1役物作動口32に遊技球を入球させて、その遊技球が誘導増加装置作動領域43aを通過すれば、誘導増加装置が再び作動開始する連荘状態とすることができる。
【0183】
また、上記第1実施例では、特別遊技状態のすべてのゲームで、当該ゲームの残存時間に基づいて変動表示態様テーブルA、B、C(図16参照)の選択を行うように構成したが、本第2実施例では、特別遊技状態中の特定のゲーム(本例では13ゲーム目)のみにおいて、当該ゲームの残存時間に基づいて変動表示態様テーブルA、B、Cの選択を行うように構成されている。
【0184】
本実施例の構成では、誘導増加装置作動中における特定のゲーム(13ゲーム目)で、遊技球が誘導図柄作動ゲート29を通過する確率が高くなるので、誘導図柄が変動する確率が高くなる。これに対し、誘導増加装置作動中における特定のゲーム(13ゲーム目)のみにおいて、当該単位遊技における残存時間が短くなるに伴って、誘導図柄の変動時間が短くなるようにすることで、遊技の進行を効果的に促進することができる。
【0185】
(第3実施例)
次に、本発明の第3実施例について図30に基づいて説明する。本第3実施例は、上記各実施例に比較して誘導図柄作動ゲート29の位置が異なるものである。上記各実施例と同様の部分は同一の符号を付して説明を省略する。
【0186】
図30は、本第3実施例の遊技盤20の盤面構成を示している。図30に示すように、誘導図柄作動ゲート29は遊技領域21の左側、具体的には図柄表示装置31の左上に設けられている。
【0187】
本第3実施例においても、上記第2実施例と同様、特別遊技状態中の特定のゲーム(本例では13ゲーム目)のみにおいて、当該ゲームの残存時間に基づいて変動表示態様テーブルA、B、C(図16参照)の選択を行うように構成されている。
【0188】
上述のように誘導増加装置作動中は、遊技領域21の右側に設けられた第2役物誘導装置作動ゲート30、第2役物作動口33などを狙って弾発する右打ちを行うことが遊技者にとって有利となる。一方、本実施例の構成では、誘導増加装置作動中における特定のゲーム(13ゲーム目)で左打ちを行うことが遊技者にとって有利となる。
【0189】
すなわち、誘導増加装置作動中における13ゲーム目で左打ちを行い、遊技領域21の左側に設けられた誘導図柄作動ゲート29に遊技球を通過させることで、第1役物作動口32が開放した状態で誘導増加装置を作動終了させることができ、誘導増加装置作動終了後の最初のゲームで第1役物作動口32に遊技球を入球させて、その遊技球が誘導増加装置作動領域43aを通過すれば、誘導増加装置が再び作動開始する連荘状態とすることができる。
【0190】
したがって、本実施例の構成においても、誘導増加装置作動中における特定のゲーム(13ゲーム目)のみにおいて、当該単位遊技における残存時間が短くなるに伴って、誘導図柄の変動時間が短くなるようにすることで、遊技の進行を効果的に促進することができる。
【0191】
(他の実施形態)
なお、上記実施例において本発明を組合せ式遊技機に適用した場合、遊技球15個の発射を単位遊技としたが、本発明は遊技球16個の発射を単位遊技とする組合せ式遊技機にも適用可能である。
【0192】
また、上記各実施例では、誘導増加装置作動中に、当該ゲームの残存時間に基づいて変動表示態様テーブルA、B、Cの選択を行うように構成したが、これに限らず、誘導増加装置が作動していない通常遊技状態においても当該ゲームの残存時間に基づいて変動表示態様テーブルA、B、Cの選択を行うように構成してもよい。
【0193】
また、上記各実施例では、当該単位遊技における遊技球の発射数に基づいて当該単位遊技の残存時間を算出するように構成したが、これに限らず、遊技領域21に設けられた遊技球が入球可能な入球領域(16連入球口24、第1役物作動口32、第2役物作動口33)に入球した遊技球の数をカウントし、この入球数に基づいて当該単位遊技の残存時間を算出するように構成してもよい。
【0194】
具体的には、主制御部200が、入球検知スイッチ(16連入球口スイッチ203、役物作動口スイッチ212a、212b)により当該ゲームにおける遊技球の入球数をカウントし、当該ゲームにおいていずれかの入球領域24、32、33に入球した遊技球数に基づいて当該ゲームにおける残存時間を算出する。
【0195】
遊技球が発射してから入球領域に入球するまでには時間がかかるため、入球領域に1球も入球していない場合には残存時間を7.5秒以上9秒未満とし、入球領域への入球が1球以上5球未満の場合には残存時間を5秒以上7.5秒未満とし、入球領域への入球が5球以上の場合には残存時間を5秒未満と算出してもよい。この場合、主制御部200が本発明の入球数計数手段に相当し、16連入球口スイッチ203、役物作動口スイッチ212a、212bが本発明の入球検知手段に相当している。
【0196】
上記の残存時間算出手段は、遊技領域21における誘導図柄作動ゲート29の位置によって使い分ければよい。具体的には、遊技領域21を中央付近を境にして上下に区画した場合に、誘導図柄作動ゲート29が遊技領域21の上側領域に位置している場合には(例えば第3実施例)、当該単位遊技における遊技球の発射球数に基づいて残存時間を算出し、誘導図柄作動ゲート29が遊技領域21の下側領域に位置している場合には(例えば第1、第2実施例)、当該単位遊技における遊技球の入球数に基づいて残存時間を算出するように構成すればよい。
【0197】
すなわち、誘導図柄作動ゲート29が遊技領域21の上側領域にある場合は、誘導図柄作動ゲート29が遊技球の発射位置に近いので、当該単位遊技の残存時間を当該単位遊技における遊技球の発射球数から算出することで、当該単位遊技の残存時間を的確に算出できると考えられる。一方、誘導図柄作動ゲート29が遊技領域21の下側領域にある場合には、誘導図柄作動ゲート29が入球領域(16連入球口24)に近いので、当該単位遊技の残存時間を当該単位遊技における遊技球の入球球数から算出することで、当該単位遊技の残存時間を的確に算出できると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0198】
【図1】上記各実施例による組合せ式遊技機を示す正面図である。
【図2】上記第1実施例の遊技盤の概略構成を示す正面図である。
【図3】上記各実施例の図柄表示装置を示す正面図である。
【図4】上記第1実施例の特別遊技装置の概略構成を示す斜視図である。
【図5】上記各実施例の振り分け装置装置の概略構成を示す斜視図である。
【図6】上記各実施例の遊技球停留部材の概略構成を示す斜視図である。
【図7】上記各実施例の組合せ式遊技機を示す背面図である。
【図8】上記各実施例の電子制御装置の構成を示すブロック図である。
【図9】上記各実施例の主制御部のCPUの構成を示すブロック図である。
【図10】上記各実施例の盤面中継基板に接続される各種遊技装置を示すブロック図である。
【図11】上記各実施例の遊技枠中継基板に接続される各種遊技装置を示すブロック図である。
【図12】上記各実施例の払出制御基板に接続される各種遊技装置を示すブロック図である。
【図13】上記各実施例の発射制御基板に接続される各種遊技装置を示すブロック図である。
【図14】上記各実施例の音ランプ制御基板に接続される各種遊技装置を示すブロック図である。
【図15】上記各実施例の図柄制御基板に接続される各種遊技装置を示すブロック図である。
【図16】上記各実施例の誘導図柄の変動パターンを示す図表である。
【図17】上記各実施例の主制御部から外部検査装置に出力される信号のタイミングチャートであって、(a)は電源投入時であり、(b)は遊技中である。
【図18】上記各実施例の主制御部のメインジョブを示すフロー図である。
【図19】上記各実施例の電源投入処理を示すフロー図である。
【図20】上記各実施例の遊技開始処理を示すフロー図である。
【図21】上記各実施例のゲーム管理処理を示すフロー図である。
【図22】上記各実施例の入賞図柄処理を示すフロー図である。
【図23】上記各実施例の役物遊技処理を示すフロー図である。
【図24】上記各実施例の得点増加装置処理を示すフロー図である。
【図25】上記各実施例の誘導増加装置処理を示すフロー図である。
【図26(a)】上記各実施例の誘導図柄および役物誘導装置処理を示すフロー図である。
【図26(b)】上記各実施例の誘導図柄および役物誘導装置処理を示すフロー図である。
【図27】上記各実施例の誘導図柄当否判定処理を示すフロー図である。
【図28】上記各実施例の電源断発生処理を示すフロー図である。
【図29】上記第2実施例の遊技盤の図柄表示装置および誘導図柄作動ゲートを示す正面図である。
【図30】上記第3実施例の遊技盤の概略構成を示す正面図である。
【符号の説明】
【0199】
1…遊技機、20…遊技盤、21…遊技領域、24…16連入球口(入球領域)、29…誘導図柄作動ゲート、31…図柄表示装置(可変表示装置)、32…第1役物作動口(可変入球口、入球領域)、33…第2役物作動口(入球領域)、200…主制御部(可変入球装置、特別遊技発生装置、変動表示態様選択手段、残存時間算出手段、発射数計数手段、入球数計数手段)、203…16連入球口スイッチ(入球検知手段)、212a、212b…役物作動口スイッチ(入球検知手段)、221…発射球カウントスイッチ(発射検知手段)、230…払出制御部、250…発射制御部、260…音ランプ制御部、280…図柄制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が入球可能な複数の入球領域と、前記入球領域への遊技球の入球に関連する入賞図柄を表示する入賞図柄表示手段とを備え、遊技盤上の遊技領域に所定数の遊技球を発射して一単位遊技を行い、この一単位遊技中に前記入賞図柄表示手段にて表示された入賞図柄の組合せに基づいて賞態様を決定し、賞遊技価値付与装置により前記賞態様に対応する賞遊技価値を付与する組合せ式遊技機であって、
遊技球が図柄作動ゲートを通過することにより、表示領域に表示される識別図柄を、変動時間が異なる複数の変動表示態様から選択された特定の変動表示態様で変動表示可能な可変表示装置と、
前記可変表示装置で停止表示された識別図柄が特定の図柄であった場合に可変入球口を開放させ、該可変入球口に遊技球が入球した場合、あるいは該可変入球口に遊技球が入球することなく第1の所定回数の単位遊技が終了した場合に、前記可変入球口を閉鎖させる可変入球装置と、
前記可変入球口に入球した遊技球が所定の領域を通過した場合に、第2の所定回数の単位遊技中だけ作動し、その作動中に前記可変入球口が開放することとなる確率を増加させる特別遊技を発生させる特別遊技状態発生装置と、
前記複数の変動表示態様から特定の変動表示態様を選択する変動表示態様選択手段と、
一単位遊技における残存時間を算出する残存時間算出手段とを備え、
前記変動表示態様選択手段は、前記特別遊技状態発生装置が作動している際に、前記残存時間算出手段にて算出された残存時間が短くなるほど、識別図柄の変動時間が短い変動表示態様を選択することを特徴とする組合せ式遊技機。
【請求項2】
前記変動表示態様は、前記識別図柄の変動表示中に前記識別図柄の一部を停止表示させ、前記識別図柄のすべてが停止表示するまで前記識別図柄が前記特定の図柄で停止表示する可能性が継続するリーチ表示態様を含んでおり、
前記変動表示態様選択手段は、前記特別遊技状態発生装置が作動している際に、前記残存時間算出手段にて算出された残存時間が短くなるほど、前記リーチ表示態様が選択される確率を低くすることを特徴とする請求項1に記載の組合せ式遊技機。
【請求項3】
前記変動表示態様選択手段は、前記特別遊技状態発生装置の作動中における特定の単位遊技のみにおいて、前記残存時間算出手段にて算出された残存時間が短くなるほど、識別図柄の変動時間が短い変動表示態様を選択するように構成されており、
前記特定の単位遊技において前記可変入球装置が作動開始した場合に、前記可変入球口に遊技球が入球することなく前記特別遊技状態発生装置が作動終了した後に、前記可変入球装置の作動が継続可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の組合せ式遊技機。
【請求項4】
前記残存時間算出手段は、前記遊技領域への遊技球の発射を検知する発射検知手段と、一単位遊技において前記発射検知手段にて検知された遊技球数を計数する発射数計数手段とを備え、前記発射数計数手段にて計数された遊技球数に基づいて一単位遊技における残存時間を算出することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の組合せ式遊技機。
【請求項5】
前記残存時間算出手段は、前記遊技領域へ発射され、前記入球領域のいずれかに入球した遊技球を検知する入球検知手段と、一単位遊技において前記入球検知手段にて検知された遊技球数を計数する入球数計数手段とを備え、前記入球数計数手段にて計数された遊技球数に基づいて一単位遊技における残存時間を算出することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の組合せ式遊技機。
【請求項6】
前記図柄作動ゲートは、前記遊技領域の左側を流下する遊技球と前記遊技領域の右側を流下する遊技球とが通過可能な位置に配置されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の組合せ式遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26(a)】
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【図26(b)】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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