説明

組成物および方法

パゾパニブの合成に有用な中間体およびこのような中間体の組成物を生成する方法が記載される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬の製造に有用な組成物およびこのような組成物を調製する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パゾパニブは、血管内皮成長因子受容体(VEGFR)−1、−2、−3、血小板由来因子受容体(PDGFR)−α、−β、サイトカイン受容体(cKit)、インターロイキン−2受容体誘発性T細胞キナーゼ(Itk)、白血球特異的タンパク質チロシンキナーゼ(Lck)、および膜貫通糖タンパク質受容体チロシンキナーゼ(c−Fms)の高度に生物学的に利用可能なマルチチロシンキナーゼ阻害剤である。パゾパニブは、進行性腎細胞癌を有する患者の治療のために米国食品医薬品局(FDA)により最近認可されたので、この同様の適応症に対する他のFDA認可済みのVEGF経路阻害剤、スニチニブ、ベバシズマブ(インターフェロンとの組合せ)、およびソラフェニブ(sorafinib)に加えられる。
【0003】
パゾパニブおよびその中間体が合成され得る方法は、米国特許第7,105,530号明細書および国際特許出願第03/106416号パンフレットに記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7,105,530号明細書
【特許文献2】国際公開第03/106416号パンフレット
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの態様によれば、組成物は、式(X)の化合物:
【化1】

【0006】

と、0.05〜1.0%の式(XI)の化合物:
【化2】

【0007】

とを含んでなる。
【0008】
本発明の別の態様によれば、組成物は、式(X)の化合物:
【化3】

【0009】

と、1.01〜4%の式(XI)の化合物:
【化4】

【0010】

とを含んでなる。
【0011】
本発明の更に別の態様によれば、式(X)の化合物:
【化5】

【0012】

を合成する方法は、溶媒中の2,3−ジメチル−2H−インダゾール−6−アミンおよび2,4−ジクロロピリミジンと、>250μmの粒径分布を有する重炭酸ナトリウムとを混合して、式(X)の化合物を得る工程を含んでなる。
【0013】
本発明の更に別の態様によれば、式(X)の化合物:
【化6】

【0014】

を合成する方法は、溶媒中の2,3−ジメチル−2H−インダゾール−6−アミンおよび2,4−ジクロロピリミジンと、50μm〜150μmの粒径分布を有する重炭酸ナトリウムとを混合して、式(X)の化合物を得る工程を含んでなる。
【0015】
本発明の別の態様によれば、式(X)の化合物:
【化7】

【0016】

を合成する方法は、溶媒中の2,3−ジメチル−2H−インダゾール−6−アミンおよび2,4−ジクロロピリミジンと、180分以下の間、混合物のpHが7未満であることを確保するように選択された塩基とを混合して、式(X)の化合物を得る工程を含んでなる。
【0017】
本発明の更に別の態様によれば、式(X)の化合物:
【化8】

【0018】

を合成する方法は、溶媒中の2,3−ジメチル−2H−インダゾール−6−アミンおよび2,4−ジクロロピリミジンと、混合物のpHが7未満である時間にわたるpHプロファイルの積分が300未満であることを確保するように選択された塩基とを混合して、式(X)の化合物を得る工程を含んでなる。
【0019】
本発明の更に別の態様によれば、組成物は、式(XII)の化合物:
【化9】

【0020】

と、全体の割合の0.05〜1.0%の式(XIII)、(XIV)、および/または(XV)の化合物:
【化10】

【化11】

【化12】

【0021】

とを含んでなる。
【0022】
本発明の別の態様によれば、組成物は、式(XII)の化合物:
【化13】

【0023】

と、全体の割合の1.01〜3%の式(XIII)、(XIV)、および/または(XV)の化合物:
【化14】

【化15】

【化16】

【0024】

とを含んでなる。
【0025】
本発明の更に別の態様によれば、式(XII)の化合物:
【化17】

【0026】

を合成する方法は、有機溶媒およびメチル化剤の溶液中に−(2−クロロ−4−ピリミジニル)−2,3−ジメチル−2−インダゾール−6−アミンおよび>300μmのD99を有する炭酸カリウムを懸濁する工程と、反応混合物を少なくとも8時間、還流までの温度および還流を含む温度で加熱して、式(XII)の化合物を得る工程と、を含んでなる。
【0027】
本発明の更に別の態様によれば、式(XII)の化合物:
【化18】

【0028】

を合成する方法は、有機溶媒およびメチル化剤の溶液中に−(2−クロロ−4−ピリミジニル)−2,3−ジメチル−2−インダゾール−6−アミンおよび<200μmのD99を有する炭酸カリウムを懸濁する工程と、反応混合物を少なくとも4時間、還流までの温度および還流を含む温度で加熱して、式(XII)の化合物を得る工程と、を含む。
【0029】
本発明の別の態様によれば、式(XII)の化合物:
【化19】

【0030】

を合成する方法は、−(2−クロロ−4−ピリミジニル)−2,3−ジメチル−2−インダゾール−6−アミンと、有機溶媒およびメチル化剤の溶液中で−(2−クロロ−4−ピリミジニル)−2,3−ジメチル−2−インダゾール−6−アミンのレベルを2%未満に減少させるのに必要な反応時間が8時間未満であることを確保するように選択された塩基とを混合する工程と、反応混合物を少なくとも4時間、還流までの温度および還流を含む温度で加熱して、式(XII)の化合物を得る工程と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1a】図1aは、異なる速度で加熱した中間体1の合成における2つの反応のUVと温度のプロファイルを示す。
【図1b】図1bは、異なる速度で加熱した中間体1の合成における2つの反応のUVと温度のプロファイルを示す。
【図2a】図2aは、重炭酸ナトリウムの異なる粒径分布で実施した2つの反応のpHおよび温度のプロファイルを示す。
【図2b】図2bは、重炭酸ナトリウムの異なる粒径分布で実施した2つの反応のpHおよび温度のプロファイルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明は、パゾパニブの製造に有用な中間体の合成に関する。パゾパニブは、以下の化学構造を有し、
【化20】

【0033】

化合物名5−[[4−[(2,3−ジメチル−2H−インダゾール−6−イル)メチルアミノ]−2−ピリミジニル]アミノ]−2−メチルベンゼンスルホンアミドを有する。
【0034】
本願明細書で使用される場合、用語「間」は、他に示されない限り両端点を含む。
【0035】
本願明細書で使用される場合、用語「D10」は、粒子の10%がそれよりも小さいサイズ(ミクロン)で存在していることを意味する。D[v,0.1]。
【0036】
本願明細書で使用される場合、用語「D50」は、粒子の50%がそれよりも小さいサイズ(ミクロン)で存在していることを意味する。D[v,0.5]。
【0037】
本願明細書で使用される場合、用語「D90」は、粒子の90%がそれよりも小さいサイズ(ミクロン)で存在していることを意味する。D[v,0.9]。
【0038】
本願明細書で使用される場合、用語「D99」は、粒子の99%がそれよりも小さいサイズ(ミクロン)で存在していることを意味する。D[v,0.99]。
【0039】
本願明細書で使用される場合、化合物Xを含む組成物中の化合物の割合は、他に特定されない限り、本願明細書において記載されるHPLC法1により決定される場合、%領域として表わす。
【0040】
本願明細書で使用される場合、化合物XIIを含む組成物中の化合物の割合は、他に特定されない限り、本願明細書において記載されるHPLC法3により決定される場合、%領域として表わす。
【0041】
本願明細書で使用される場合、粒径分布は、全ての粒子を保持する最小直径のふるいを意味すると当業者に理解されているふるい分け(sieve cut)法により決定される。例えば、>250μmの粒径分布は、250μmのふるいが、全ての分子を保持する最小直径であることを意味する。
【0042】
本発明の1つの態様によれば、組成物は、式(X)の化合物:
【化21】

【0043】

と、0.05〜1.0%の式(XI)の化合物:
【化22】

【0044】

とを含んでなる。
【0045】
いくつかの実施形態において、式(XI)の化合物の量は、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.10、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.2、0.21、0.22、0.23、0.24、0.25、0.26、0.27、0.28、0.29、0.30、0.31、0.32、0.33、0.34、0.35、0.36、0.37、0.38、0.39、または0.40%の下限と、0.35、0.36、0.37、0.38、0.39、0.40、0.41、0.42、0.43、0.44、0.45、0.46、0.47、0.48、0.49、0.50、0.51、0.52、0.53、0.54、0.55、0.56、0.57、0.58、0.59、0.60、0.61、0.62、0.63、0.64、0.65、0.66、0.67、0.68、0.69、0.70、0.71、0.72、0.73、0.74、0.75、0.76、0.77、0.78、0.79、0.80、0.81、0.82、0.83、0.84、0.85、0.86、0.87、0.88、0.89、0.90、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98、0.99、または1.0%の上限との間である。
【0046】
いくつかの実施形態において、式(X)の化合物の量は、少なくとも98.0、98.1、98.2、98.3、98.4、98.5、98.6、98.7、98.8、98.9、または99.0%である。
【0047】
本発明の別の態様によれば、組成物は、式(X)の化合物:
【化23】

【0048】

と、1.01〜4%の式(XI)の化合物:
【化24】

【0049】

とを含んでなる。
【0050】
いくつかの実施形態において、式(XI)の化合物の量は、1.01、1.02、1.03、1.04、1.05、1.06、1.07、1.08、1.09、1.10、1.11、1.12、1.13、1.14、1.15、1.16、1.17、1.18、1.19、1.20、1.21、1.22、1.23、1.24、1.25、1.26、1.27、1.28、1.29、1.30、1.31、1.32、1.33、1.34、1.35、1.36、1.37、1.38、1.39、または1.40%の下限と、1.20、1.21、1.22、1.23、1.24、1.25、1.26、1.27、1.28、1.29、1.30、1.31、1.32、1.33、1.34、1.35、1.36、1.37、1.38、1.39、1.40、1.50、1.51、1.52、1.53、1.54、1.55、1.56、1.57、1.58、1.59、1.60、1.61、1.62、1.63、1.64、1.65、1.66、1.67、1.68、1.69、1.70、1.71、1.72、1.73、1.74、1.75、1.76、1.77、1.78、1.79、1.80、1.81、1.82、1.83、1.84、1.85、1.86、1.87、1.88、1.89、1.90、1.91、1.92、1.93、1.94、1.95、1.96、1.97、1.98、1.99、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、または4.0%の上限との間である。
【0051】
いくつかの実施形態において、式(X)の化合物の量は、少なくとも96.0、96.1、96.2、96.3、96.4、96.5、96.6、96.7、96.8、96.9、97.0、97.1、97.2、97.3、97.4、97.5、97.6、97.7、97.8、97.9、または98.0%である。
【0052】
本発明の別の態様によれば、式(X)の化合物:
【化25】

【0053】

を合成する方法は、溶媒中の2,3−ジメチル−2H−インダゾール−6−アミンおよび2,4−ジクロロピリミジンと、>250μmの粒径分布を有する重炭酸ナトリウムとを混合して、式(X)の化合物を得る工程を含んでなる。
【0054】
本発明の更に別の態様によれば、式(X)の化合物:
【化26】

【0055】

を合成する方法は、溶媒中の2,3−ジメチル−2H−インダゾール−6−アミンおよび2,4−ジクロロピリミジンと、50μm〜150μmの粒径分布を有する重炭酸ナトリウムとを混合して、式(X)の化合物を得る工程を含む。
【0056】
いくつかの実施形態において、粒径分布は、50、55、60、65、70、75、80、85、90、または95μmの下限と、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、または150μmの上限との間である。
【0057】
本発明の更に別の態様によれば、式(X)の化合物:
【化27】

【0058】

を合成する方法は、溶媒中の2,3−ジメチル−2H−インダゾール−6−アミンおよび2,4−ジクロロピリミジンと、180分間以下の間、混合物のpHが7未満であることを確保するように選択された塩基とを混合して、式(X)の化合物を得る工程を含む。
【0059】
いくつかの実施形態において、塩基は、180、175、170、165、160、155、150、145、140、135、130、125、120、115、または110分以下の間、混合物のpHが7未満であることを確保するように選択される。化学製造方法に関する当業者は、適切な塩基を選択できる。例示的な塩基としては、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸バリウム、重炭酸ナトリウム、およびジ−イソプロピルエチルアミンが挙げられる。
【0060】
本発明の別の態様によれば、式(X)の化合物:
【化28】

【0061】

を合成する方法は、溶媒中の2,3−ジメチル−2H−インダゾール−6−アミンおよび2,4−ジクロロピリミジンと、混合物のpHが7未満である時間にわたるpHプロファイルの積分が300未満であることを確保するように選択された塩基とを混合して、式(X)の化合物を得る工程を含む。
【0062】
いくつかの実施形態において、塩基は、混合物のpHが7未満である時間にわたるpHプロファイルの積分が300、275、250、225、200、175、150、125、100、または75未満であることを確保するように選択される。化学製造方法に関する当業者は、適切な塩基を選択できる。例示的な塩基としては、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸バリウム、重炭酸ナトリウム、およびジ−イソプロピルエチルアミンが挙げられる。
【0063】
化合物(X)を合成する方法の上述の態様による実施形態において、溶媒は、エタノールである。他の実施形態において、溶媒は、工業用メチレーテッド・スピリット(IMSは95%のエタノール、4.5%のメタノール、および0.5%の水の混合物)である。更に他の実施形態において、溶媒は、トルエン、DMF、アセトニトリル、THF、酢酸イソプロピル、1−プロパノール、エタノール、および2−エトキシエタノールからなる群から選択される。当業者は、適切なプロトン溶媒が使用され得ることを理解するだろう。
【0064】
化合物(X)を合成する方法の上述の態様による実施形態において、混合する工程は室温で実施される。当業者は、安全な反応条件を提供する他の温度が使用されてもよいことを理解するだろう。いくつかの実施形態において、得られた反応混合物は攪拌され、6、8、10またはそれ以上の時間、還流で加熱される。他の実施形態において、得られた反応混合物は攪拌され、20、24、28、32、36、40、44、48またはそれ以上の時間、≧45℃で加熱される。いくつかの実施形態において、スラリーは、45〜55℃まで冷却される。当業者は、他の温度でも処理できることを理解するだろう。次いで、55から70℃の間の温度を維持するために水が加えられる。次いで、反応混合物は、45分間から1.5時間、その温度で攪拌される。保持時間は、生成物が結晶化するのに十分な時間であることを確保するように提供され、当業者は、他の保持時間でも処理できることを理解するだろう。次いで反応混合物は5〜10℃まで冷却される。当業者は、例えば25または50℃などの種々の温度でも処理できることを理解するだろう。混合物は、45分間から1.5時間攪拌される。保持時間は、生成物が結晶化するのに十分な時間であることを確保するように提供され、当業者は、他の保持時間でも処理できることを理解するだろう。生成物は、濾過により単離され、濾過ケーキは水(2×8.25L)および酢酸エチル(1×4.95L)で洗浄される。湿潤ケーキは、式(X)の化合物を得るために、60℃にて真空下で乾燥される。
【0065】
本発明の更に別の態様によれば、組成物は、式(XII)の化合物:
【化29】

【0066】

と、全体の割合の0.05〜3.0%の式(XIII)、(XIV)、および/または(XV)の化合物:
【化30】

【化31】

【化32】

【0067】

とを含んでなる。
【0068】
本発明のこの態様によるいくつかの実施形態において、式(XIII)、(XIV)、および/または(XV)の化合物の全量は、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.10、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.2、0.21、0.22、0.23、0.24、0.25、0.26、0.27、0.28、0.29、0.30、0.31、0.32、0.33、0.34、0.35、0.36、0.37、0.38、0.39、0.40、0.41、0.42、0.43、0.44、0.45、0.46、0.47、0.48、0.49、0.50、0.51、0.52、0.53、0.54、0.55、0.56、0.57、0.58、0.59、0.60、0.61、0.62、0.63、0.64、0.65、0.66、0.67、0.68、0.69、0.70、0.71、0.72、0.73、0.74、0.75、0.76、0.77、0.78、0.79、0.80、0.81、0.82、0.83、0.84、0.85、0.86、0.87、0.88、0.89、0.90、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98、0.99、1.0、1.01、1.02、1.03、1.04、1.05、1.06、1.07、1.08、1.09、1.10、1.11、1.12、1.13、1.14、1.15、1.16、1.17、1.18、1.19、1.20、1.21、1.22、1.23、1.24、1.25、1.26、1.27、1.28、1.29、1.30、1.31、1.32、1.33、1.34、1.35、1.36、1.37、1.38、1.39、または1.40%の下限と、0.70、0.71、0.72、0.73、0.74、0.75、0.76、0.77、0.78、0.79、0.80、0.81、0.82、0.83、0.84、0.85、0.86、0.87、0.88、0.89、0.90、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98、0.99、1.0、1.01、1.02、1.03、1.04、1.05、1.06、1.07、1.08、1.09、1.10、1.11、1.12、1.13、1.14、1.15、1.16、1.17、1.18、1.19、1.20、1.21、1.22、1.23、1.24、1.25、1.26、1.27、1.28、1.29、1.30、1.31、1.32、1.33、1.34、1.35、1.36、1.37、1.38、1.39、1.40、1.50、1.51、1.52、1.53、1.54、1.55、1.56、1.57、1.58、1.59、1.60、1.61、1.62、1.63、1.64、1.65、1.66、1.67、1.68、1.69、1.70、1.71、1.72、1.73、1.74、1.75、1.76、1.77、1.78、1.79、1.80、1.81、1.82、1.83、1.84、1.85、1.86、1.87、1.88、1.89、1.90、1.91、1.92、1.93、1.94、1.95、1.96、1.97、1.98、1.99、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、または3.0%の上限との間である。
【0069】
本発明のこの態様によるいくつかの実施形態において、式(XIII)の化合物の量は、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.10、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.2、0.21、0.22、0.23、0.24、0.25、0.26、0.27、0.28、0.29、0.30、0.31、0.32、0.33、0.34、0.35、0.36、0.37、0.38、0.39、または0.40%の下限と、0.35、0.36、0.37、0.38、0.39、0.40、0.41、0.42、0.43、0.44、0.45、0.46、0.47、0.48、0.49、0.50、0.51、0.52、0.53、0.54、0.55、0.56、0.57、0.58、0.59、0.60、0.61、0.62、0.63、0.64、0.65、0.66、0.67、0.68、0.69、0.70、0.71、0.72、0.73、0.74、0.75、0.76、0.77、0.78、0.79、0.80、0.81、0.82、0.83、0.84、0.85、0.86、0.87、0.88、0.89、0.90、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98、0.99、または1.0%の上限との間である。
【0070】
本発明のこの態様によるいくつかの実施形態において、式(XIV)の化合物の量は、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.10、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.2、0.21、0.22、0.23、0.24、0.25、0.26、0.27、0.28、0.29、0.30、0.31、0.32、0.33、0.34、0.35、0.36、0.37、0.38、0.39、または0.40%の下限と、0.35、0.36、0.37、0.38、0.39、0.40、0.41、0.42、0.43、0.44、0.45、0.46、0.47、0.48、0.49、0.50、0.51、0.52、0.53、0.54、0.55、0.56、0.57、0.58、0.59、0.60、0.61、0.62、0.63、0.64、0.65、0.66、0.67、0.68、0.69、0.70、0.71、0.72、0.73、0.74、0.75、0.76、0.77、0.78、0.79、0.80、0.81、0.82、0.83、0.84、0.85、0.86、0.87、0.88、0.89、0.90、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98、0.99、または1.0%の上限との間である。
【0071】
本発明のこの態様によるいくつかの実施形態において、式(XV)の化合物の量は、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.10、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.2、0.21、0.22、0.23、0.24、0.25、0.26、0.27、0.28、0.29、0.30、0.31、0.32、0.33、0.34、0.35、0.36、0.37、0.38、0.39、または0.40%の下限と、0.35、0.36、0.37、0.38、0.39、0.40、0.41、0.42、0.43、0.44、0.45、0.46、0.47、0.48、0.49、0.50、0.51、0.52、0.53、0.54、0.55、0.56、0.57、0.58、0.59、0.60、0.61、0.62、0.63、0.64、0.65、0.66、0.67、0.68、0.69、0.70、0.71、0.72、0.73、0.74、0.75、0.76、0.77、0.78、0.79、0.80、0.81、0.82、0.83、0.84、0.85、0.86、0.87、0.88、0.89、0.90、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98、0.99、または1.0%の上限との間である。
【0072】
本発明のこの態様によるいくつかの実施形態において、式(XII)の化合物の量は、少なくとも98.0、98.1、98.2、98.3、98.4、98.5、98.6、98.7、98.8、98.9、または99.0%である。
【0073】
本発明の更に別の態様によれば、式(XII)の化合物を合成する方法は、
【化33】

【0074】

有機溶媒およびメチル化剤の溶液中に−(2−クロロ−4−ピリミジニル)−2,3−ジメチル−2−インダゾール−6−アミンおよび>300μmのD99を有する炭酸カリウムを懸濁する工程を含んでなる。反応混合物は、式(XII)の化合物を得るために、少なくとも8時間、還流までの温度および還流を含む温度で加熱される。
【0075】
本発明のこの態様によるいくつかの実施形態において、D99は、>350μmである。他の実施形態において、D99は、>400μmである。更に他の実施形態において、D99は、>450μmである。更に他の実施形態において、D99は、>500μmである。
【0076】
本発明のこの態様によるいくつかの実施形態において、加熱は、少なくとも8、9、または10時間である。
【0077】
本発明の更に別の態様によれば、式(XII)の化合物:
【化34】

【0078】

を合成する方法は、有機溶媒およびメチル化剤の溶液中に−(2−クロロ−4−ピリミジニル)−2,3−ジメチル−2−インダゾール−6−アミンおよび<200μmのD99を有する炭酸カリウムを懸濁する工程と、反応混合物を少なくとも4時間、還流までの温度および還流を含む温度で加熱して、式(XII)の化合物を得る工程と、を含む。
【0079】
本発明のこの態様によるいくつかの実施形態において、D99は、<200μmである。他の実施形態において、D99は、<150μmである。更に他の実施形態において、D99は、<125μmである。更に他の実施形態において、D99は、<100μmである。他の実施形態において、D99は、<90μmである。
【0080】
本発明のこの態様によるいくつかの実施形態において、加熱は、少なくとも4、5、または6時間である。
【0081】
本発明の別の態様において、式(XII)の化合物:
【化35】

【0082】

を合成する方法は、−(2−クロロ−4−ピリミジニル)−2,3−ジメチル−2−インダゾール−6−アミンと、有機溶媒およびメチル化剤の溶液中で−(2−クロロ−4−ピリミジニル)−2,3−ジメチル−2−インダゾール−6−アミンのレベルを2%w/w未満に減少させるのに必要な反応時間が8時間未満であることを確保するように選択された塩基とを混合する工程と、反応混合物を少なくとも4時間、還流までの温度および還流を含む温度で加熱して、式(XII)の化合物を得る工程と、を含む。
【0083】
いくつかの実施形態において、塩基は、−(2−クロロ−4−ピリミジニル)−2,3−ジメチル−2−インダゾール−6−アミンのレベルを0.2%w/w未満に減少させるのに必要な反応時間が8時間未満であることを確保するように選択される。他の実施形態において、塩基は、−(2−クロロ−4−ピリミジニル)−2,3−ジメチル−2−インダゾール−6−アミンのレベルを0.2%w/w未満に減少させるのに必要な反応時間が7時間未満であることを確保するように選択される。適切な塩基としては、CsCO、KCO、およびヒンダード官能基を有さない長直鎖第3級アミン塩基(例えば、トリブチルアミン、およびトリエチルアミン)が挙げられる。
【0084】
いくつかの実施形態において、加熱は、少なくとも5時間である。他の実施形態において、加熱は、少なくとも6時間である。
【0085】
化合物(XII)を合成する方法の上述の態様による実施形態において、限定されないが、ジメチルホルムアミド(DMF)、および高沸点非プロトン溶媒、例えば、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、およびジメチルスルホキシド(DMSO)を含む、種々の有機溶媒が使用されてもよい。トルエンおよび1−ブチロニトリルは、十分に作用しない2つの溶媒である。
【0086】
化合物(XII)を合成する方法の上述の態様による実施形態において、種々のメチル化剤、例えばジメチルカーボネート(DMC)、N−メチルピロリドン、およびジメチルスルホキシドが、種々の他の組合せ(例えば、CHI/CsCOおよびTEA/DMC)として使用されてもよい。硫酸ジメチルおよびホルムアルデヒド/ギ酸は、この反応では作用しない。いくつかの実施形態において、1、2、または3から2、3、4、または5当量の炭酸カリウムが使用される。いくつかの実施形態において、メチル化剤が過度に使用される。他の実施形態において、2、3、または4から4、5、6、もしくは7当量のメチル化剤が使用される。当量は、化合物Xに対して決定される。
【0087】
化合物(XII)を合成する方法の上述の態様による実施形態において、窒素雰囲気が使用されてもよいが、これは必須ではない。
【0088】
化合物(XII)を合成する方法の上述の態様による実施形態において、反応混合物は、100℃から還流の温度で加熱される。
【0089】
化合物(XII)を合成する方法の上述の態様による実施形態において、反応混合物は、105℃未満に冷却される。いくつかの実施形態において、反応混合物は、55〜70℃に冷却される。水は、二相混合物を形成するために、混合物にゆっくりと入れられる。二相混合物は、4時間未満攪拌される。いくつかの実施形態において、二相混合物は、1時間攪拌される。次いで相が抽出のために静置される。下の水相は除去されて捨てられる。いくつかの実施形態において、水が、55〜70℃の間の反応温度を維持する有機層に約1時間にわたって(他の時間が使用されてもよい)、有機層に入れられる。添加後、混合物はゆっくりと冷却される。いくつかの実施形態において、混合物は、5〜10℃にゆっくりと冷却されるが、他の温度(例えば25℃)が使用されてもよい。懸濁液は2時間攪拌される。いくつかの実施形態において、懸濁液は、5〜10℃で攪拌されるが、他の温度(例えば25℃)が使用されてもよい。生成物は濾過により単離され、次いで、濾過ケーキは水で洗浄され、その後、冷たい1:1の工業用メチレーテッド・スピリット:水で洗浄される。湿潤ケーキは、式(XII)の化合物を得るために、55〜60℃にて真空下で乾燥される。
【0090】
以下の実施例は例示のみを意図しており、本発明の範囲を何ら限定することを意図するものではない。
【実施例】
【0091】
本願明細書で使用される場合、これらの方法、スキームおよび実施例において使用される記号および条件は、現代の科学文献、例えば、the Journal of the American Chemical Societyまたはthe Journal of Biological Chemistryに使用されているものと一致する。
【0092】
標準的な1文字略語または3文字略語は、一般的に、他に示されない限り、L立体配置であると仮定されるアミノ酸残基を示すために用いられる。他に示されない限り、全ての出発物質は、商業的な供給業者から得て、更に精製することなく使用した。具体的には、以下の略語が実施例においておよび本願明細書全体を通して使用され得る。
【0093】
g(グラム); mg(ミリグラム);
L(リットル); mL(ミリリットル);
μL(マイクロリットル); psi(毎平方インチ当りポンド);
M(モーラー); mM(ミリモーラー);
N(規定度); Kg(キログラム);
i.v.(静脈内); Hz(ヘルツ);
MHz(メガヘルツ); mol(モル);
mmol(ミリモル); RT(室温);
min(分); h(時間);
mp(融点); TLC(薄層クロマトグラフィー);
(保持時間); RP(逆相);
DCM(ジクロロメタン); DCE(ジクロロエタン);
DMF(−ジメチルホルムアミド) HOAc(酢酸);
TMSE(2−(トリメチルシリル)エチル); TMS(トリメチルシリル);
TIPS(トリイソプロピルシリル); TBS(−ブチルジメチルシリル);
HPLC(高圧液体クロマトグラフィー);
THF(テトラヒドロフラン); DMSO(ジメチルスルホキシド);
EtOAc(酢酸エチル); DME(1,2−ジメトキシエタン);
EDTA エチレンジアミン四酢酸
FBS ウシ胎仔血清
IMDM イスコフ改変ダルベッコ培地
PBS リン酸緩衝生理食塩水
RPMI ロズウェルパーク癌研究所(Roswell Park Memorial Institute)
RIPAバッファ
RT 室温
150mMのNaCl、50mMのTris−HCl、pH7.5、0.25%(w/v)−デオキシコレート、1%のNP−40、5mMのオルトバナジウム酸ナトリウム、2mMのフッ化ナトリウム、およびプロテアーゼ阻害剤のカクテル。
【0094】
他に示されない限り、全ての温度は℃(セ氏温度)で表す。全ての反応は、他に示されない限り、室温にて不活性雰囲気下で行った。
【0095】
以下の実施例は、式(I)の化合物の合成に有用な中間体の合成、ならびに式(I)の化合物およびその塩酸塩と一水和物一塩酸塩の合成を記載する。
中間体1
(N−(2−クロロ−4−ピリミジニル)−2,3−ジメチル−2H−インダゾール−6−アミン)(中間体1)の合成
【化36】

【0096】

手順1a
11Lの工業用メチレーテッド・スピリット(IMSは95%のエタノール、4.5%のメタノール、および0.5%の水の混合物である)中の2,3−ジメチル−2H−インダゾール−6−アミン(出発物質1(SM1))(Dottikon Exclusive Synthesis AG,SwitzerlandおよびDivi’s Laboratories Limited,Indiaから市販されている)(1.1kg、6.8mol、1.0当量)、および2,4−ジクロロピリミジン(出発物質2(SM2))(Suven Life Sciences Limited,IndiaおよびPiramal Healthcare Limited,Indiaからの市販されている)(1.22kg、8.1mol、1.2当量)の溶液に、重炭酸ナトリウム(>250μmのふるいをかけた、Spectrum(Gardena,Californiaに位置する)から市販されている)(1.26kg、15.0mol、2.2当量)を室温にて入れる。溶液を攪拌し、8時間、加熱還流する。スラリーを50℃に冷却し、水(5.5L)を加えて、55℃から70℃の間の温度を維持する。次いで反応物を1時間その温度で攪拌し、次いで反応混合物を5〜10℃に冷却し、1時間攪拌する。生成物を濾過により単離し、濾過ケーキを水(2×8.25L)および酢酸エチル(1×4.95L)で洗浄する。湿潤ケーキを60℃にて真空下で乾燥させて、以下に記載した方法を用いるHPLCによって、生成物である、>97.60%の中間体1(IM1)、および1.08%の不純物1を得る。
【化37】

【0097】

HPLC法1
【表1】

【0098】

特定されたクロマトグラフィー条件下の例示的な相対保持時間(RRT)は、以下のとおりである。
【表2】

【0099】

手順1b
11Lの工業用メチレーテッド・スピリット(IMSは95%のエタノール、4.5%のメタノール、および0.5%の水の混合物である)中の2,3−ジメチル−2H−インダゾール−6−アミン(出発物質1(SM1))(Dottikon Exclusive Synthesis AG,SwitzerlandおよびDivi’s Laboratories Limited,Indiaからの市販されている)(1.1kg、6.8mol、1.0当量)、ならびに2,4−ジクロロピリミジン(出発物質2(SM2))(Suven Life Sciences Limited,IndiaおよびPiramal Healthcare Limited,Indiaから市販されている)(1.22kg、8.1.mol、1.2当量)の溶液に、重炭酸ナトリウム(>70〜105μmのふるいをかけた、Glaxo Wellcome Manufacturing,Jurong,Singaporeからの市販されている)(1.26kg、15.0mol、2.2当量)を室温にて入れる。溶液を攪拌し、8時間加熱還流する。スラリーを50℃に冷却し、水(5.5L)を加えて、55から70℃の間の温度を維持する。次いで反応物を1時間その温度で攪拌し、次いで反応混合物を5〜10℃に冷却し、1時間攪拌する。生成物を濾過により単離し、濾過ケーキを水(2×8.25L)および酢酸エチル(1×4.95L)で洗浄する。湿潤ケーキを60℃にて真空下で乾燥させて、上述の手順1aに記載した方法を用いてHPLCによって、生成物である、>99.00%の中間体1(IM1)および0.19%の不純物1を得る。
【0100】
手順1aおよび手順1bと同様の手順の反応プロファイルを、オフラインHPLCサンプルを用いてHPLC法2で実施して、反応進行中の不純物1を追跡した。実験的反応のオフラインHPLC測定に加えて、種々のプロセス分析技術計器(IR、UV、pH)を使用した。
【0101】
HPLC法2
【表3】

【0102】

特定されたクロマトグラフィー条件下の例示的な相対保持時間(RRT)は、以下のとおりである。
【表4】

【0103】

図2aおよび図2bは、手順1aおよび手順1bと同様の手順の間のpHプロファイルを示す。HClが主反応の副産物であるため、リアクターを加熱するとpHが急速に降下し、このプロファイルにより、加熱の間、反応が進行していることが示されることに留意されたい。加熱中の反応の更なる証拠として、図1aおよび図1bは、2つの異なる加熱速度についての温度プロファイルと重ね合わされたUVを示す;反応の開始速度に顕著な相違があることに留意されたい。注記:図1aおよび図1bにおいて、2,3−ジメチル−2H−インダゾール−6−アミンの曲線は、□およびそれに対応する線によって示され、2,4−ジクロロピリミジンの曲線は、およびそれに対応する線によって示され、化合物Xの曲線は、○およびそれに対応する線によって示される。平面曲線は温度を示す。
【0104】
図2aおよび図2bに示すように、pHは両方の場合において水平になり、最終的に塩基性型まで増加するが、微細な重炭酸塩(PSD 70〜105μm)については、酸性領域の時間および「深さ」は、より小さい。これは、塩基の粒径分布が、反応の酸性副産物の溶解および更なる消費に影響を与えることを示している。これはまた、pHが反応進行をモニターするための良好な手段であることを示している。図2aおよび図2bにおいて、網掛け部分を有する曲線は、pHレベルを示し、一方、他の曲線は温度を示していることに留意されたい。
【0105】
pHプロファイルの変化に加えて、オフロードされた中間体1の純度に顕著な相違が見られた。以下の表1に示すように、酸性反応になればなるほど、より多くの不純物1が生成物中に存在する。また、酸性条件(図2aおよび図2bにおける網掛け領域)の時間にわたるpHプロファイルの積分値が高ければ高いほど、より多くの不純物1が生成物中に存在する。
【0106】
表1
純度結果
【表5】

【0107】

中間体2
N−(2−クロロ−4−ピリミジニル)−N,2,3−トリメチル−2H−インダゾール−6−アミン(中間体2)および擬似ダイマー(不純物2)の合成
【化38】

【0108】

手順2a
−(2−クロロ−4−ピリミジニル)−2,3−ジメチル−2−インダゾール−6−アミン(IM1)(1.31kg、4.78mol、1当量)、および>300μmの以下に記載するD99を有する炭酸カリウム(1.96kg、14.3mol、3当量)(Armand Products Company,Princeton,New Jerseyから市販されている)を、ジメチルホルムアミド(4.3L)および炭酸ジメチル(2.2L)の溶液に、窒素雰囲気下で懸濁する。反応混合物を加熱還流し(>110℃)、10〜12時間攪拌する。反応混合物を55〜70℃に冷却し、廃水(waster)をゆっくりと混合物にいれる(2.6L)。二相混合物を1時間攪拌し、次いで層を抽出のために静置させる。下の水層を除去して捨てる。水を55〜70℃の間の反応温度を維持する有機層に約1時間にわたって入れる(13.1L)。添加後、混合物を5〜10℃にゆっくりと冷却し、懸濁液を2時間5〜10℃で攪拌する。生成物を濾過により単離し、次いで濾過ケーキを水(2×5.9L)で洗浄し、その後、冷たい1:1の工業用メチレーテッド・スピリット:水(1×2.6L)で洗浄する。湿潤ケーキを、55〜60℃にて真空下で乾燥させて、HPLCおよび/またはLC/MSで決定する場合、生成物である、>98%の中間体2(IM2)および<2%の混合不純物2〜4を得る。
【0109】
HPLC法3
【表6】

【0110】

特定されたクロマトグラフィー条件下の例示的な相対保持時間(RRT)は、以下のとおりである。
【表7】

【化39】

【化40】

【化41】

【0111】

手順2b
−(2−クロロ−4−ピリミジニル)−2,3−ジメチル−2−インダゾール−6−アミン(中間体1)(1.31kg、4.78mol、1当量)、および<100μmの以下に示すD99を有する炭酸カリウム(1.96kg、14.3mol、3当量)(Albemarle,Baton Rouge,Louisianaから市販されている)を、ジメチルホルムアミド(4.3L)および炭酸ジメチル(2.2L)の溶液に、窒素雰囲気下で懸濁する。反応混合物を加熱還流し(>110℃)、6〜7時間攪拌する。反応混合物を55〜70℃に冷却し、廃水をゆっくりと混合物に入れる(2.6L)。二相混合物を1時間攪拌し、次いで層を抽出のために静置させる。下の水層を除去して捨てる。水を55〜70℃の間の反応温度を維持する有機層に約1時間にわたって入れる(13.1L)。添加後、混合物を5〜10℃にゆっくりと冷却し、懸濁液を2時間5〜10℃で攪拌する。生成物を濾過により単離し、次いで濾過ケーキを水(2×5.9L)、その後、冷たい1:1の工業用メチレーテッド・スピリット:水(1×2.6L)で洗浄する。湿潤ケーキを、55〜60℃にて真空下で乾燥させて、HPLCおよび/またはLC/MSで決定する場合、生成物である、>98%の中間体2(IM2)および<2%の混合不純物2〜4を得る。
【0112】
表2
炭酸カリウム粒径分布分析(Sympatec)
【表8】

【0113】

中間体3
5−({4−[(2,3−ジメチル−2H−インダゾール−6−イル)(メチル)アミノ]−2−ピリミジニル}アミノ)−2−メチルベンゼンスルホンアミド塩酸塩(中間体3)の合成
【化42】

【0114】

N−(2−クロロ−4−ピリミジニル)−N,2,3−トリメチル−2H−インダゾール−6−アミン(中間体2)(1.66kg、5.8mol、1.0当量)および5−アミノ−2−メチルベンゼンスルホンアミド(出発物質3(SM3))(Asymchem Laboratories(Fuxin)Co.,Ltd,PR ChinaおよびSumitomo Seika Chemicals Co.Ltd,Japanから市販されている)(1.19kg、6.4mol、1.1当量)を、19.9Lのメタノールに懸濁する。混合物を加熱還流し、完全な溶解が観察されるまで攪拌する。この段階において、混合物を1,4−ジオキサン(30.0mL、0.116mol、0.02当量)中の4MのHClに60〜65℃の間で入れる。混合物を12時間還流にて攪拌する。IM2の量がHPLCにより0.05%w/w以下である場合に反応が完了したとみなす。混合物を20〜25℃に冷却し、1時間攪拌する。生成物を濾過により単離し、濾過ケーキをアセトニトリル(2×5.8L)で洗浄する。湿潤ケーキを50〜60℃にて真空下で乾燥させて、中間体3を得る。
【0115】
中間体4および最終生成物
【化43】

【0116】

5−({4−[(2,3−ジメチル−2H−インダゾール−6−イル)(メチル)アミノ]−2−ピリミジニル}アミノ)−2−メチルベンゼンスルホンアミド塩酸塩一水和物および5−({4−[(2,3−ジメチル−2H−インダゾール−6−イル)(メチル)アミノ]−2−ピリミジニル}アミノ)−2−メチルベンゼンスルホンアミド塩酸塩形態1の合成
中間体3(IM3)(1.4kg、2.95mol、1.0当量)を、6.1Lのアセトニトリル/水に懸濁し、1.6/1混合物を70℃以上で溶解する。透明溶液を高温で濾過し、濾過の間にわたって55℃以上の温度を維持する。反応器およびラインを7.35Lのアセトニトリルで20〜60℃にてリンスする。濾過溶液を、溶解するまで約1℃/分から68〜73℃にて加熱する。透明溶液を0.5〜1.5℃/分にて43〜47℃に冷却する。溶液を一水和物の核生成のために43〜47℃にて90分間保持する。一水和物のスラリーを、0.5℃/分未満にて−5から+5℃に冷却する。懸濁液を36時間までの間、その温度(−5から+5℃)に保持する。生成物を、温度が0℃に設定されたジャケットを有するフィルター乾燥器を使用して単離する。スラリーを濾過の前に少なくとも30分間静置させる。母液を1〜2bargの窒素圧を用いて除去する。ケーキを5.6Lの事前に混合したアセトニトリル水溶液(75容量%のアセトニトリル)で0〜5℃にて洗浄する(0〜5℃に冷却するまで反応器中にリンスを保持する)。洗浄物を、濾過の前に、1〜2bargの窒素圧で30分間ケーキ上に保持する。ケーキを、25℃にてフィルター乾燥したジャケットを用いて、1〜2bargの窒素圧で脱液し、ケーキを必要に応じて平滑化する。ケーキの脱液後、ジャケットの温度をフィルター乾燥器上で65℃まで増加させ、ケーキを攪拌しながら中間体4(IM4)を真空乾燥する。真空を解除し、ケーキ温度が>55℃に達成するまで、攪拌を続けながらジャケット温度を>75℃まで増加させる。別個の容器に8.4Lのアセトニトリル水溶液(3容量%の水)を入れ、溶液を>70℃に加熱する。ミクロン化した最終生成物種晶(28.0g、2.5%w/w)を入れて、変換溶液を形成する。種晶を加えた高温のアセトニトリル水溶液をフィルター乾燥器に移し、XRPD検査により、一水和物が存在せずかつスペクトルが形態1(無水物)のスペクトルに一致することが示されるまで、攪拌を続ける。XRPDにより、完全な形態1の変換が示された後、変換溶液を1〜2bargの窒素圧を用いて濾過する。ケーキを1〜2bargの窒素圧を用いて65℃にてジャケットで脱液し、必要に応じて平滑化する。60℃にてジャケットに真空を適用し、乾燥減量(LOD)が<0.5%になるまで内容物を攪拌して、最終生成物を得る。
【0117】
本発明の特定の実施形態を本願明細書において詳細に例示および記載したが、本発明はこれらに限定されない。上述の詳細な説明は、本発明の例示として提供されるものであり、本発明を限定すると決して解釈されるべきではない。改変は当業者にとって自明であり、本発明の精神から逸脱しない全ての改変は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(X)の化合物:
【化1】

と、0.05〜1.0%の式(XI)の化合物:
【化2】

とを含んでなる、組成物。
【請求項2】
0.1〜0.75%の式(XI)の化合物を含んでなる、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
0.1〜0.5%の式(XI)の化合物を含んでなる、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
0.15〜0.35%の式(XI)の化合物を含んでなる、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
少なくとも98.0%の式(X)の化合物:
【化3】

と、0.05〜1.0%の式(XI)の化合物:
【化4】

とを含んでなる、組成物。
【請求項6】
0.1〜0.75%の式(XI)の化合物を含んでなる、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
0.1〜0.5%の式(XI)の化合物を含んでなる、請求項5に記載の組成物。
【請求項8】
0.15〜0.35%の式(XI)の化合物を含んでなる、請求項5に記載の組成物。
【請求項9】
少なくとも98.5%の式(X)の化合物を含んでなる、請求項5〜8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
少なくとも99.0%の式(X)の化合物を含んでなる、請求項5〜8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
式(X)の化合物:
【化5】

と、1.01〜4%の式(XI)の化合物:
【化6】

とを含んでなる、組成物。
【請求項12】
1.01〜2%の式(XI)の化合物を含んでなる、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
1.01〜1.5%の式(XI)の化合物を含んでなる、請求項11に記載の組成物。
【請求項14】
1.01〜1.2%の式(XI)の化合物を含んでなる、請求項11に記載の組成物。
【請求項15】
少なくとも96.0%の式(X)の化合物:
【化7】

と、1.01〜3.0%の式(XI)の化合物:
【化8】

とを含んでなる、組成物。
【請求項16】
1.01〜2%の式(XI)の化合物を含んでなる、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
1.01〜1.5%の式(XI)の化合物を含んでなる、請求項15に記載の組成物。
【請求項18】
1.01〜1.2%の式(XI)の化合物を含んでなる、請求項15に記載の組成物。
【請求項19】
少なくとも97.0%の式(X)の化合物を含んでなる、請求項15〜18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
式(X)の化合物:
【化9】

を合成する方法であって、前記方法は、
溶媒中の2,3−ジメチル−2H−インダゾール−6−アミンおよび2,4−ジクロロピリミジンと、>250μmの粒径分布を有する重炭酸ナトリウムとを混合して、式(X)の化合物を得る工程を含んでなる、方法。
【請求項21】
前記溶媒はエタノールである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記溶媒は、工業用メチレーテッド・スピリットである、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
式(X)の化合物:
【化10】

を合成する方法であって、前記方法は、
溶媒中の2,3−ジメチル−2H−インダゾール−6−アミンおよび2,4−ジクロロピリミジンと、50μm〜150μmの粒径分布を有する重炭酸ナトリウムとを混合して、式(X)の化合物を得る工程を含んでなる、方法。
【請求項24】
前記溶媒はエタノールである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記溶媒は、工業用メチレーテッド・スピリットである、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記粒径分布は、60μm〜130μmである、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記粒径分布は、70μm〜110μmである、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
式(X)の化合物:
【化11】

を合成する方法であって、前記方法は、
溶媒中の2,3−ジメチル−2H−インダゾール−6−アミンおよび2,4−ジクロロピリミジンと、180分以下の間、混合物のpHが7未満であることを確保するように選択された塩基とを混合して、式(X)の化合物を得る工程を含んでなる、方法。
【請求項29】
前記塩基は、150分以下の間、前記混合物のpHが7未満であることを確保するように選択される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記塩基は、125分以下の間、前記混合物のpHが7未満であることを確保するように選択される、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記塩基は、110分以下の間、前記混合物のpHが7未満であることを確保するように選択される、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
式(X)の化合物:
【化12】

を合成する方法であって、前記方法は、
溶媒中の2,3−ジメチル−2H−インダゾール−6−アミンおよび2,4−ジクロロピリミジンと、混合物のpHが7未満である時間にわたるpHプロファイルの積分が300未満であることを確保するように選択された塩基とを混合して、式(X)の化合物を得る工程を含んでなる、方法。
【請求項33】
前記塩基は、前記混合物のpHが7未満である時間にわたるpHプロファイルの積分が250未満であることを確保するように選択される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記塩基は、前記混合物のpHが7未満である時間にわたるpHプロファイルの積分が200未満であることを確保するように選択される、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記塩基は、前記混合物のpHが7未満である時間にわたるpHプロファイルの積分が150未満であることを確保するように選択される、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
前記塩基は、前記混合物のpHが7未満である時間にわたるpHプロファイルの積分が100未満であることを確保するように選択される、請求項32に記載の方法。
【請求項37】
前記塩基は、前記混合物のpHが7未満である時間にわたるpHプロファイルの積分が75未満であることを確保するように選択される、請求項32に記載の方法。
【請求項38】
式(XII)の化合物:
【化13】

と、全体の割合の0.05〜3.0%の式(XIII)、(XIV)、および/または(XV)の化合物:
【化14】

【化15】

【化16】

とを含んでなる、組成物。
【請求項39】
全体の割合の0.1〜0.75%の式(XIII)、(XIV)、および/または(XV)の化合物を含んでなる、請求項38に記載の組成物。
【請求項40】
全体の割合の0.1〜0.5%の式(XIII)、(XIV)、および/または(XV)の化合物を含んでなる、請求項38に記載の組成物。
【請求項41】
少なくとも98%の式(XII)の化合物:
【化17】

と、全体の割合の0.05〜2.0%の式(XIII)、(XIV)、および/または(XV)の化合物:
【化18】

【化19】

【化20】

とを含んでなる、組成物。
【請求項42】
全体の割合の0.1〜0.75%の式(XIII)、(XIV)、および/または(XV)の化合物を含んでなる、請求項41に記載の組成物。
【請求項43】
全体の割合の0.1〜0.5%の式(XIII)、(XIV)、および/または(XV)の化合物を含んでなる、請求項41に記載の組成物。
【請求項44】
少なくとも98.5%の式(XII)の化合物を含んでなる、請求項41〜43のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項45】
少なくとも99.0%の式(XII)の化合物を含んでなる、請求項41〜43のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項46】
式(XII)の化合物:
【化21】

を合成する方法であって、前記方法は、
有機溶媒およびメチル化剤の溶液中にN−(2−クロロ−4−ピリミジニル)−2,3−ジメチル−2H−インダゾール−6−アミンおよび>300μmのD99を有する炭酸カリウムを懸濁する工程と、
反応混合物を少なくとも8時間、還流までの温度および還流を含む温度で加熱して、式(XII)の化合物を得る工程と、を含んでなる、方法。
【請求項47】
D99が>350μmである、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
D99が>400μmである、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
D99が>450μmである、請求項46に記載の方法。
【請求項50】
D99が>500μmである、請求項46に記載の方法。
【請求項51】
前記加熱は少なくとも9時間である、請求項46〜50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記加熱は少なくとも10時間である、請求項46〜50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
式(XII)の化合物:
【化22】

を合成する方法であって、前記方法は、
有機溶媒およびメチル化剤の溶液中にN−(2−クロロ−4−ピリミジニル)−2,3−ジメチル−2H−インダゾール−6−アミンおよび<200μmのD99を有する炭酸カリウムを懸濁する工程と、
反応混合物を少なくとも4時間、還流までの温度および還流を含む温度で加熱して、式(XII)の化合物を得る工程と、を含んでなる方法。
【請求項54】
D99が<150μmである、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
D99が<125μmである、請求項53に記載の方法。
【請求項56】
D99が<100μmである、請求項53に記載の方法。
【請求項57】
D99が<90μmである、請求項53に記載の方法。
【請求項58】
前記加熱は少なくとも5時間である、請求項53〜57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記加熱は少なくとも6時間である、請求項53〜57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
式(XII)の化合物:
【化23】

を合成する方法であって、前記方法は、
N−(2−クロロ−4−ピリミジニル)−2,3−ジメチル−2H−インダゾール−6−アミンと、有機溶媒およびメチル化剤の溶液中でN−(2−クロロ−4−ピリミジニル)−2,3−ジメチル−2H−インダゾール−6−アミンのレベルを2%未満に減少させるのに必要な反応時間が8時間未満であることを確保するように選択された塩基とを混合する工程と、
反応混合物を少なくとも4時間、還流までの温度および還流を含む温度で加熱して、式(XII)の化合物を得る工程と、を含んでなる方法。
【請求項61】
前記塩基は、N−(2−クロロ−4−ピリミジニル)−2,3−ジメチル−2H−インダゾール−6−アミンのレベルを1%未満に減少させるのに必要な反応時間が8時間未満であることを確保するように選択される、請求項60に記載に方法。
【請求項62】
前記塩基は、N−(2−クロロ−4−ピリミジニル)−2,3−ジメチル−2H−インダゾール−6−アミンのレベルを1%未満に減少させるのに必要な反応時間が7時間未満であることを確保するように選択される、請求項60に記載の方法。
【請求項63】
前記加熱は少なくとも5時間である、請求項60〜62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
前記加熱は少なくとも6時間である、請求項60〜62のいずれか一項に記載の方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【公表番号】特表2013−508396(P2013−508396A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535366(P2012−535366)
【出願日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際出願番号】PCT/US2010/053540
【国際公開番号】WO2011/050159
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(512010797)グラクソ ウェルカム マニュファクチュアリング ピーティーイー リミテッド (2)
【Fターム(参考)】