説明

組織接着剤組成物およびその方法

本発明は、接着剤組成物のための組成と方法に関する。具体的には、本発明は、タンパク質成分とアルデヒド成分とを含有し、アルデヒド成分は増粘剤をさらに含む、接着剤組成物である組成物に関する。この接着剤組成物は、様々な適用例で、組織に接着するために使用される。この接着剤組成物は、腫瘍などの人体内の位置に印をつけるために使用することができる。いくつかの実施形態において、このタンパク質成分は哺乳動物供給源または組み換え体供給源に由来してもよい。いくつかの実施形態において、このアルデヒド成分は、例えばジアルデヒドまたはポリアルデヒドである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
この出願は、2006年9月20日に出願された、米国仮出願第60/826,242号(これは、その全体が参考として本明細書に援用される)の利益を主張する。
【0002】
本発明は、接着剤組成物のための組成物および方法に関する。具体的には、本発明は、タンパク質成分とアルデヒド成分とを含有し、アルデヒド成分は増粘剤をさらに含む、接着剤組成物である組成物に関する。この接着剤組成物は、様々な適用例で、組織に接着するために使用される。
【背景技術】
【0003】
組織を結合または密封するために、様々な技法が用いられてきた。かかる技法には、縫合糸、ステープル、テープ、および包帯が含まれる。縫合糸は、組織破損を修復するために用いられてきた。しかしながら、縫合は、特に広範囲の損傷がある場合、長い手術時間や手術技能を伴いうる。縫合糸は、組織中に様々なレベルの張力を生じうる。このことにより、組織の一定の部分に応力がかけられたとき、位置特異的な歪曲が生じる可能性がある。緩んだ縫合糸は細菌のすみかとなりえ、感染症および眼内炎の前兆としての局所炎症および組織壊死につながることがある。抜糸は、患者にさらに付加的なストレスを与えうる。
【0004】
組織接着剤は、組織を結合または密封するために用いられる別の技法である。組織接着剤のいくつかの例としては、シアノアクリレート、ゼラチン−ホルムアルデヒド組成物、およびフィブリンベースの糊が挙げられる。シアノアクリレート接着剤は、体内での適用では使用が制限されるが、これはこの接着剤が乾燥した領域を必要とし、また組織に吸収されないためである。組織表面上でのシアノアクリレート接着剤の重合には、発熱性傾向が見られる恐れがあり、有害な組織反応につながる可能性がある。ゼラチン−ホルムアルデヒド組成物は、ホルムアルデヒドが有害物質であることから、有毒である可能性がある。特許文献1(Kowanko)の“Adhesive Composition and Method”、特許文献2(Ollerenshaw等)の“Vascular Coating Composition”、および特許文献3(Ollerenshaw等)の“Vascular Coating Composition”を参照されたい。
【0005】
フィブリン接着剤は、複数のヒトドナーから得ることができる血液製剤(フィブリノゲンおよび補因子)を使用する。フィブリン接着剤は、血餅形成の自然のプロセスを利用して、接着剤またはシーラント組成物を生成する。フィブリン接着剤は、2つの成分からなる。これらの成分のうちの1つは、フィブリノゲンと第13因子などの血液凝固因子との溶液であり、もう1つの成分は、主としてトロンビンとカルシウムイオンとの溶液である。2つの成分は、混ぜ合わせられて人工的な血餅を形成する。したがって、これは患者に疾病を伝播する固有のリスクを与える。さらに、フィブリン接着剤は、低強度であり(通常、50g/cm未満)、また作用するのに比較的時間がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,385,606号明細書
【特許文献2】米国特許第6,849,262号明細書
【特許文献3】米国特許第6,372,229号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記を考慮すると、有効で毒性の低い接着剤組成物を提供するための組成物および方法を有することが望まれるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
要旨
本発明の一態様は、第1の粘度を有するタンパク質成分と、第2の粘度を有するアルデヒド成分とを含み、アルデヒド成分は増粘剤をさらに含む、接着剤組成物に関する。いくつかの実施形態において、タンパク質成分は哺乳動物供給源に由来してもよい。哺乳動物供給源には、例えば、ヒト、ウシ、バイソン、ヒツジ、およびブタが含まれる。別の実施形態において、タンパク質成分は組み換え体供給源に由来してもよい。いくつかの実施形態において、タンパク質成分は血清アルブミンである。いくつかの実施形態において、アルデヒド成分は、例えばジアルデヒドまたはポリアルデヒドである。いくつかの実施形態において、ジアルデヒドはグルタルアルデヒドである。さらに別の実施形態において、タンパク質成分は血清アルブミンであり、アルデヒド成分はグルタルアルデヒドである。タンパク質成分は、15%を超えるタンパク質モノマーを含んでよい。いくつかの実施形態において、増粘剤は、アルデヒド成分の第2の粘度を少なくとも約5%増加させる。増粘剤は、例えば、デキストラン、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、リポソーム類、プロリポソーム(proliposome)類、グリセロール、デンプン、炭水化物類、ポビドン、ポリエチレンオキシド、およびポリビニルアルコールを含む。いくつかの実施形態において、増粘剤は、デキストラン、ポリエチレングリコール、またはカルボキシメチルセルロースである。さらに別の実施形態において、増粘剤はデキストランである。いくつかの実施形態において、増粘剤は、組成物の少なくとも約0.5%を構成してもよい。増粘剤は、組成物のゲル化時間を変更することができる。
【0009】
前述の本発明の態様のいくつかの実施形態は、放射線不透過物質をさらに含む。放射線不透過物質には、例えば、酸化ビスマス(Bi)、酸化亜鉛(ZnO)、硫酸バリウム(BaSO)、酸化ランタン(La)、酸化セリウム(CeO)、酸化テルビウム、酸化イッテルビウム、酸化ネオジム、ジルコニア(ZrO)、ストロンチア(SrO)、酸化スズ(SnO)、放射線不透過ガラス、およびケイ酸塩ガラスが含まれる。放射線不透過ガラスには、例えば、ケイ酸バリウム、シリコ−アルミノバリウム、またはストロンチウムを含有するガラスが含まれる。ケイ酸塩ガラスには、例えば、バリウムまたはストロンチウムを含有するガラスが含まれる。
【0010】
本発明の別の態様は、第1の粘度を有するタンパク質成分と、第2の粘度を有するアルデヒド成分とを含み、組成物はタンパク質濃度約1〜26%を有する、接着剤組成物に関する。いくつかの実施形態において、タンパク質成分は、タンパク質濃度約1〜75%を有してもよい。いくつかの実施形態において、タンパク質成分は血清アルブミンである。いくつかの実施形態において、タンパク質成分とアルデヒド成分とが6:1から1:6までの割合で存在する。さらに別の実施形態において、タンパク質成分とアルデヒド成分とが1:1の割合で存在する。タンパク質成分は、15%を超えるタンパク質モノマーも含んでよい。
【0011】
本発明の別の態様は、第1の粘度を有する血清アルブミン成分と第2の粘度を有するアルデヒド成分との混合物を含み、組成物は血清アルブミン濃度約1〜26%を有する、接着剤組成物に関する。いくつかの実施形態において、血清アルブミン成分はブタに由来する。いくつかの実施形態において、アルデヒド成分はグルタルアルデヒドである。いくつかの実施形態において、アルデヒド組成物は増粘剤をさらに含む。増粘剤には、例えば、デキストラン、ポリエチレングリコール、またはカルボキシメチルセルロースが含まれる。いくつかの実施形態において、アルデヒド成分の第2の粘度は、血清アルブミン成分の第1の粘度に近似する。いくつかの実施形態において、血清アルブミン成分は、血清アルブミン濃度約1〜75%を有する。さらに別の実施形態において、血清アルブミン成分とアルデヒド成分とが6:1から1:6までの割合で存在する。タンパク質成分は、15%を超えるタンパク質モノマーも含んでよい。
【0012】
本発明のまた別の態様は、組織の接着を引き起こす方法に関する。この方法は、接着剤組成物を得るために、第1の粘度を有するタンパク質成分を含む第1の組成物を第2の粘度を有するアルデヒド成分を含む第2の組成物と混合し、増粘剤を用いて第2の組成物の第2の粘度を調整する工程と、接着剤組成物を組織に導入する工程と、接着剤組成物を組織に接着させる工程とを含む。いくつかの実施形態において、タンパク質成分はブタに由来する。いくつかの実施形態において、タンパク質成分は血清アルブミンである。いくつかの実施形態において、アルデヒド成分は、ジアルデヒドまたはポリアルデヒドである。さらに別の実施形態において、アルデヒド成分はグルタルアルデヒドである。いくつかの実施形態において、タンパク質成分は血清アルブミンであり、アルデヒド成分はグルタルアルデヒドである。いくつかの実施形態において、第1の粘度は第2の粘度に近似する。さらに別の実施形態において、第1の粘度は第2の粘度に匹敵する。増粘剤には、例えば、デキストラン、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、リポソーム類、プロリポソーム類、グリセロール、デンプン、炭水化物類、ポビドン、ポリエチレンオキシド、およびポリビニルアルコールが含まれる。いくつかの実施形態において、増粘剤はデキストランである。いくつかの実施形態において、増粘剤は、接着剤組成物の少なくとも約0.5%を構成する。増粘剤は、接着剤組成物のゲル化時間を変更することができる。いくつかの実施形態において、接着剤組成物は、タンパク質濃度約1〜26%を有する。いくつかの実施形態において、タンパク質成分とアルデヒド成分とが最終組成物中に6:1から1:6の割合で存在する。
【0013】
前述の本発明の態様のいくつかの実施形態は、放射線不透過物質をさらに含む。放射線不透過物質には、例えば、酸化ビスマス(Bi)、酸化亜鉛(ZnO)、硫酸バリウム(BaSO)、酸化ランタン(La)、酸化セリウム(CeO)、酸化テルビウム、酸化イッテルビウム、酸化ネオジム、ジルコニア(ZrO)、ストロンチア(SrO)、酸化スズ(SnO)、放射線不透過ガラス、およびケイ酸塩ガラスが含まれる。放射線不透過ガラスには、例えば、ケイ酸バリウム、シリコ−アルミノバリウム、またはストロンチウムを含有するガラスが含まれる。ケイ酸塩ガラスには、例えば、バリウムまたはストロンチウムを含有するガラスが含まれる。
【0014】
本発明の別の態様は、人体内のある位置に印をつけるための方法に関する。この方法は、第1の粘度を有するタンパク質を含む第1の成分と第2の粘度を有するアルデヒドを含む第2の成分とを提供する工程と、第1の成分を第2の成分と混合して標的組成物を得る工程と、標的組成物をある位置に導入する工程と、標的組成物を用いて、その位置の部位に印をつける工程とを含む。いくつかの実施形態において、標的組成物は触知可能な物質である。いくつかの実施形態において、タンパク質は、ブタ由来の血清アルブミンである。いくつかの実施形態において、アルデヒドはグルタルアルデヒドである。さらに別の実施形態において、第1の成分の第1の粘度、または第2の成分の第2の粘度は、混合工程の前に変更される。
【0015】
本発明のまた別の態様は、接着剤組成物を作製する方法に関する。この方法は、第1の粘度を有する第1のタンパク質成分を提供する工程と、第2の粘度を有する第2のアルデヒド成分を提供する工程と、第1の粘度、第2の粘度、あるいはその両方を調整する工程と、第1の成分を第2の成分と混合して接着剤組成物を得る工程とを含む。いくつかの実施形態において、タンパク質成分は、ブタ由来の血清アルブミンである。いくつかの実施形態において、アルデヒド成分はグルタルアルデヒドである。いくつかの実施形態において、第1の成分の第1の粘度は、第2の成分の第2の粘度に近似する。
【0016】
参照による援用
本明細書において言及される全ての広報および特許出願は、個々の広報または特許出願が具体的かつ個別に参考として援用されることが示されている場合と同様に、参考として本明細書で援用される。
【0017】
本発明の新規の特徴は、添付の特許請求の範囲において詳細に記載されている。本発明の特徴と利点は、本発明の原理が用いられる例示的実施形態が示されている発明を実施するための形態、および添付の図面を参照することによって、より理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本明細書において提供される組成物および方法の実施形態のうちのいくつかを図示するフローチャートである。
【図2A】図2A〜Bは、送達前にタンパク質成分およびアルデヒド成分を保持するためのデュアルチャンバーと、送達カニューレとを備える送達装置を図解している。図2Bは、装置の混合チャンバーおよび送達トロカールを図解している。
【図2B】図2A〜Bは、送達前にタンパク質成分およびアルデヒド成分を保持するためのデュアルチャンバーと、送達カニューレとを備える送達装置を図解している。図2Bは、装置の混合チャンバーおよび送達トロカールを図解している。
【発明を実施するための形態】
【0019】
発明の詳細な説明
本発明のこれらおよびその他の特徴および利点は、以下に記載される発明を実施するための最良の形態を検討する際に理解されるであろう。
【0020】
本発明は、接着剤組成物のための組成物および方法を提供する。具体的には、接着剤組成物は、タンパク質成分とアルデヒド成分とを含み、アルデヒド成分は増粘剤をさらに含む。組成物のあらゆる成分は、重量、重量対重量、重量対容量、または容量対容量によって算定された組成物のパーセンテージとすることができる。また組成物のあらゆる成分は、重量、重量対重量、重量対容量、または容量対容量によって算定されたパーセンテージの成分および/または副成分からさらに構成されてもよい。組成物、成分、または副成分のパーセンテージは、使用者が成分または副成分を混合する前あるいは後に決定することができる。
【0021】
本発明の実施形態のうちのいくつかは、図1に図示されている。本発明が本明細書において明示されていない別の方法も含むことは、理解されるものとする。タンパク質成分を提供することができる。増粘剤をアルデヒド成分に添加し、その後そのアルデヒド成分を提供することができる。このタンパク質成分とアルデヒド成分とを混合して、接着剤組成物を得ることができる。この接着剤組成物は、次に組織に導入することができる。この接着剤組成物を硬化させ、組織に接着させることができる。
【0022】
本発明の適用範囲を限定するものではなく、これらの工程は別の代替順序で実施してもよく、および/または1つ以上の工程を省略してもよい。例えば、増粘剤をアルデヒド成分に添加して、そのアルデヒド成分を提供することができる。その後、タンパク質成分を提供することができる。次にアルデヒド成分とタンパク質成分とを混合して、接着剤組成物を得ることができる。あるいは、タンパク質成分とアルデヒド成分とを組織に直接導入して、組織表面上で接着剤組成物が形成されるようにすることもできる。
【0023】
I.接着剤組成物
A.接着剤組成物中のタンパク質成分
いくつかの実施形態において、本明細書において提供される接着剤組成物中のタンパク質成分は、例えば、ヒト、ウシ(ウシ属)、バイソン(バイソン属)、ヒツジ(ヒツジ属)、ブタ(イノシシ属)、またはその他の脊椎動物などの様々な哺乳動物供給源から得ることができる。あるいは、タンパク質成分は、植物、非動物供給源、細菌(例えば、大腸菌)、酵母菌(例えば、ピキア・パストリスおよびサッカロマイセス・セレビシエ(など)、哺乳動物細胞、昆虫細胞発現ベクター系、トランスジェニック動物などのような組み換え体に由来してもよい。本明細書において提供される接着剤組成物中のタンパク質成分は、ブタ供給源に由来する。ブタ供給源は、ヒトおよびその他の動物に見られる細菌またはウイルスに感染しえない。例えば、ヒトの血液はHIVに感染している可能性があり、ウシの血液は細菌性およびウイルス性の混入物に感染している可能性がある。したがって、ブタ供給源は、接着剤組成物のための安全で毒性のないタンパク質供給源を提供することができる。
【0024】
当業者には理解されるように、上記に定められる属の哺乳動物供給源は、それぞれの属に含まれる全ての亜属および種を含むことができる。例えば、イノシシ属(ブタ)は、イノシシ属に含まれる全ての種を含む。イノシシ属の種の例には、Sus barbatus、Sus bucculentus、Sus cebifrons、Sus celebensis、Sus daelius、Sus heureni、Sus philippensis、Sus salvanius、Sus scrofa、Sus timoriensis、Sus verrucosus、およびSus habeoncosusが含まれるが、これらに限定されない。ウシ属には、bos taurusおよび bos aegyptiacusを含むウシ(bos)亜属、bos frontalisおよびbos javanicusを含むbibos亜属、bos sauveliを含むnovibos亜属、ならびにbos grunniensを含むpoephagus亜属が含まれるが、これらに限定されない。bos taurus種には、bos indicusおよびbos primigeniusが含まれるが、これらに限定されない。ウシ属のその他の種には、bos gaurus laosiensis、bos gaurus gaurus、bos gaurus readei、bos gaurus hubbacki、およびbos gaurus frontalisが含まれる。バイソン属には、bison latifrons、bison antiquus、bison occidentalis、bison priscus、bison bison、bison bison bison、bison bison athabascae、bison bonasus、bison bonasus bonasus、bison bonasus caucasicus、およびbison bonasus hungarorumなどの種が含まれる。
【0025】
本明細書において提供される接着剤組成物中のタンパク質成分は、いずれの哺乳動物供給源の血漿または血清に由来してもよい。血漿または血清からタンパク質成分を取り出す技法の例には、乾燥、蒸発、析出、増幅、分別、熱ショック、逆浸透、ナノ濾過、限外濾過、精密濾過、沈降、遠心分離、電気透析、希釈、pHの調整、保存剤および較正物質の添加、変性剤の添加、試料の脱塩、濃縮、抽出、および精製があるが、これらに限定されない。タンパク質成分は、イオン交換クロマトグラフィ、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)、サイズ排除クロマトグラフィ(SEC)、質量分析法(MS)、金属イオンアフィニティークロマトグラフィ、ゲル濾過、疎水クロマトグラフィ、クロマト分画、吸着クロマトグラフィ、等電点電気泳動などの技法によって調製および/または精製することができる。精製後、タンパク質成分の粘度およびオスモル濃度などの特性をさらに分析してもよい。タンパク質成分を取り出し、精製し、および/または分析するための方法は、当該技術分野で既知であり、本発明の適用範囲に含まれることが理解されるものとする。
【0026】
本明細書において提供されるタンパク質成分は、精製タンパク質またはタンパク質の混合物を含んでもよい。タンパク質成分は、含有されるモノマー、ダイマー、および/またはポリマータンパク質の混合物を含んでもよい。タンパク質成分は、その他の血漿タンパク質、内毒素、金属イオン、またはアルブミン凝集体をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態において、接着剤組成物中のタンパク質成分は、ダイマータンパク質、ポリマータンパク質、その他の血漿タンパク質、内毒素、金属イオン、アルブミン凝集体、またはいかなる分解物も実質的に含まない。いくつかの実施形態において、タンパク質成分は、実質的にモノマー含有量の高いタンパク質からなる。
【0027】
接着剤組成物のタンパク質成分は、それ自体が成分および/または副成分からさらに構成されてもよい。したがって、タンパク質成分は、混合前または後のいずれかの重量、重量対重量、重量対容量、または容量対容量で示すことができる。
【0028】
いくつかの実施形態において、タンパク質成分は、モノマータンパク質少なくとも約50%、モノマータンパク質少なくとも約55%、モノマータンパク質少なくとも約60%、モノマータンパク質少なくとも約70%、モノマータンパク質少なくとも約80%、モノマータンパク質少なくとも約85%、モノマータンパク質少なくとも約90%、モノマータンパク質少なくとも約95%、モノマータンパク質少なくとも約99%、またはモノマータンパク質少なくとも約99.99%を含む。いくつかの実施形態において、タンパク質成分は、モノマータンパク質少なくとも約50%を含む。さらなる実施形態において、タンパク質成分は、モノマータンパク質少なくとも約90%を含む。
【0029】
タンパク質成分中のタンパク質は、ヒトもしくは動物由来の血清アルブミン、またはオボアルブミンでよい。またタンパク質は、血漿タンパク質約5重量%の再構成溶液またはその他の適切な溶液を含有しうる、Plasma−PlexまたはPlasmanateなどの市販の血漿増量剤であってもよい。いくつかの実施形態において、タンパク質成分中のタンパク質は、ブタ供給源に由来する血清アルブミンである。
【0030】
タンパク質成分は、タンパク質濃度約1〜90%を有してもよい。いくつかの実施形態において、タンパク質成分は、タンパク質濃度約1〜75%を有する。いくつかの実施形態において、タンパク質成分は、タンパク質濃度約5〜75%、タンパク質濃度約10〜75%、タンパク質濃度約20〜75%、タンパク質濃度約30〜75%、タンパク質濃度約40〜75%、タンパク質濃度約50〜75%、またはタンパク質濃度約約60〜75%を有する。
【0031】
本明細書において提供される接着剤組成物は、低いタンパク質濃度を有してもよい。低いタンパク質濃度は、ヒトまたは動物の体内での接着剤組成物の毒性を低下させうる。いくつかの実施形態において、接着剤組成物は、タンパク質濃度少なくとも約1%、タンパク質濃度少なくとも約5%、タンパク質濃度少なくとも約8%、タンパク質濃度少なくとも約10%、タンパク質濃度少なくとも約12%、タンパク質濃度少なくとも約15%、タンパク質濃度少なくとも約18%、タンパク質濃度少なくとも約20%、タンパク質濃度少なくとも約22%、タンパク質濃度少なくとも約24%、タンパク質濃度少なくとも約26%、またはタンパク質濃度少なくとも約30%を有する。いくつかの実施形態において、接着剤組成物は、タンパク質濃度約1〜26%、約5〜20%、または約10〜20%を有する。
【0032】
いくつかの実施形態において、接着剤組成物は、血清アルブミン濃度少なくとも約1%、血清アルブミン濃度少なくとも約5%、血清アルブミン濃度少なくとも約8%、血清アルブミン濃度少なくとも約10%、血清アルブミン濃度少なくとも約12%、血清アルブミン濃度少なくとも約15%、血清アルブミン濃度少なくとも約18%、血清アルブミン濃度少なくとも約20%、血清アルブミン濃度少なくとも約22%、血清アルブミン濃度少なくとも約24%、血清アルブミン濃度少なくとも約26%、または血清アルブミン濃度少なくとも約30%を有する。いくつかの実施形態において、接着剤組成物は、血清アルブミン濃度約1〜26%、約5〜20%、または約10〜20%を有する。
【0033】
B.接着剤組成物中のアルデヒド成分
本明細書において提供される接着剤組成物中のアルデヒド成分は、毒性の低いいかなる生体適合性アルデヒドであってもよい。具体的には、アルデヒド成分は、ジアルデヒド、ポリアルデヒド、またはそれらの混合物を含む。アルデヒドの例には、グリオキサール、コンドロイチン硫酸アルデヒド、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド、およびマレアルデヒドが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、アルデヒド成分はグルタルアルデヒドである。毒性の低いその他の好適なアルデヒドには、例えばデキストランジアルデヒドまたはサッカリドなど、天然の物質に由来する多官能性アルデヒドが含まれる。アルデヒド成分は、過ヨウ素酸塩やオゾンなどを用いた、炭水化物およびその誘導体の酸化的開裂によって得られるアルデヒド生成物であってもよい。アルデヒドは、場合により、熱で前処理してもよい。米国特許出願公開第2004/0081676号(Schankereli)の“Biocompatible phase invertable proteinaceous compositions and methods for making and using the same”を参照されたい。アルデヒド成分の粘度およびオスモル濃度などの特性を分析してもよい。
【0034】
接着剤組成物のアルデヒド成分は、それ自体が成分および/または副成分からさらに構成されてもよい。したがって、アルデヒド成分は、混合前または後のいずれかの重量、重量対重量、重量対容量、または容量対容量で示すことができる。
【0035】
いくつかの実施形態において、アルデヒド成分は、アルデヒド濃度約1〜90%を有する。いくつかの実施形態において、アルデヒド成分は、アルデヒド濃度約1〜75%を有する。いくつかの実施形態において、アルデヒド成分は、アルデヒド濃度約5〜75%、アルデヒド濃度約10〜75%、アルデヒド濃度約20〜75%、アルデヒド濃度約30〜75%、アルデヒド濃度約40〜75%、アルデヒド濃度約約50〜75%、またはアルデヒド濃度約60〜75%を有する。
【0036】
接着剤組成物は、アルデヒド濃度少なくとも約1%、アルデヒド濃度少なくとも約5%、アルデヒド濃度少なくとも約10%、アルデヒド濃度少なくとも約20%、アルデヒド濃度少なくとも約30%、アルデヒド濃度少なくとも約40%、アルデヒド濃度少なくとも約50%、アルデヒド濃度少なくとも約60%、アルデヒド濃度少なくとも約70%、アルデヒド濃度少なくとも約80%、アルデヒド濃度少なくとも約90%、またはアルデヒド濃度少なくとも約99%を有してもよい。いくつかの実施形態において、接着剤組成物は、アルデヒド濃度約1〜30%、約25〜75%、約50〜75%、または約75〜99%を有する。
【0037】
いくつかの実施形態において、接着剤組成物は、グルタルアルデヒド濃度少なくとも約1%、グルタルアルデヒド濃度少なくとも約5%、グルタルアルデヒド濃度少なくとも約8%、グルタルアルデヒド濃度少なくとも約10%、グルタルアルデヒド濃度少なくとも約20%、グルタルアルデヒド濃度少なくとも約30%、グルタルアルデヒド濃度少なくとも約40%、グルタルアルデヒド濃度少なくとも約50%、グルタルアルデヒド濃度少なくとも約60%、グルタルアルデヒド濃度少なくとも約70%、グルタルアルデヒド濃度少なくとも約80%、グルタルアルデヒド濃度少なくとも約90%、またはグルタルアルデヒド濃度少なくとも約99%を有する。いくつかの実施形態において、接着剤組成物は、グルタルアルデヒド濃度約1〜30%、約25〜75%、約50〜75%、または約75〜99%を有する。
【0038】
C.接着剤組成物中の増粘剤または減粘剤
いくつかの実施形態において、本発明の接着剤組成物は増粘剤をさらに含んでもよい。増粘剤の例には、デキストラン、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、リポソーム類、プロリポソーム類、グリセロール、デンプン、炭水化物類、ポビドン、ポリエチレンオキシド、およびポリビニルアルコールが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、増粘剤はデキストランである。
【0039】
増粘剤は、アルデヒド成分をタンパク質成分と混合して接着剤組成物を作製する前に、アルデヒド成分に添加することができる。増粘剤は、アルデヒド成分の粘度を変更し、それによって接着剤組成物のゲル化時間を変更することができる。アルデヒド成分の粘度の変更には、組成物の粘度のあらゆる調節が含まれる。アルデヒド成分のゲル化時間の変更には、組成物のゲル化時間のあらゆる調節が含まれる。例えば、変更には、接着剤組成物のゲル化時間の増加または減少が含まれる。接着剤組成物のゲル化には、流量計または粘度計を用いて測定される粘度の実質的な増加が含まれる。粘度の増加には、流体状態から固体状態またはチキソトロピー状態への移行が含まれる。例えば、増粘剤はアルデヒド成分の粘度を増加させ、それにより接着剤組成物のゲル化時間を減少させることができる。
【0040】
アルデヒド成分に添加する増粘剤の量は、接着剤組成物に必要なゲル化時間により異なってもよい。短いゲル化時間を有する急速に固まる接着剤は、組織の出血を止めるため、あるいは組織をその周囲から封鎖するために使用できる。長いゲル化時間を有するゆっくり固まる接着剤では、使用者は接着剤を2つの面に塗布し、それからそれらの組織を近付けて、2つの面を効果的に張り合わせることができる。したがって、より短いゲル化時間(例えば1分未満など)が接着剤組成物に必要な場合は、より多量の増粘剤をアルデヒド成分に添加することができる。あるいは、より長いゲル化時間(例えば数分から数時間)が接着剤組成物に望まれる場合は、より少量の増粘剤をアルデヒド成分に添加することができる。このような増粘剤の濃度の最適化は、当業者の技能の範囲内である。
【0041】
いくつかの実施形態において、アルデヒド成分は、増粘剤少なくとも約0.5%、増粘剤少なくとも約2%、増粘剤少なくとも約5%、増粘剤少なくとも約10%、増粘剤少なくとも約20%、増粘剤少なくとも約30%、増粘剤少なくとも約40%、増粘剤少なくとも約50%、増粘剤少なくとも約60%、増粘剤少なくとも約70%、増粘剤少なくとも約80%、または増粘剤少なくとも約90%を含む。
【0042】
接着剤組成物は、少なくとも約0.5%の増粘剤を含んでもよい。いくつかの実施形態において、接着剤組成物は、増粘剤濃度少なくとも約1%、増粘剤濃度少なくとも約5%、増粘剤濃度少なくとも約10%、増粘剤濃度少なくとも約20%、増粘剤濃度少なくとも約30%、増粘剤濃度少なくとも約40%、増粘剤濃度少なくとも約50%、増粘剤濃度少なくとも約60%、増粘剤濃度少なくとも約70%、増粘剤濃度少なくとも約80%、または増粘剤濃度少なくとも約90%を有する。いくつかの実施形態において、接着剤組成物は、増粘剤濃度少なくとも約0.5%〜10%、少なくとも約0.5%〜25%、または少なくとも約0.5%〜50%を有する。
【0043】
アルデヒド成分に添加する増粘剤の量は、所望のアルデヒド成分の粘度の増加により異なってもよい。いくつかの実施形態において、増粘剤は、アルデヒド成分の粘度がタンパク質成分の粘度に匹敵あるいは近似するように、アルデヒド成分の粘度を増加させる。このようにアルデヒド成分の粘度をタンパク質成分の粘度に匹敵させることにより、接着剤組成物の作製方法におけるこれら2つの成分の混合効率を向上させることができる。
【0044】
いくつかの実施形態において、増粘剤は、アルデヒド成分の粘度を少なくとも約5%増加させる。いくつかの実施形態において、増粘剤は、アルデヒド成分の粘度を少なくとも約8%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%増加させる。
【0045】
減粘剤は、タンパク質成分をアルデヒド成分と混合して接着剤組成物を作製する前に、タンパク質成分に添加することができる。減粘剤は、タンパク質成分の粘度を変更し、それによって接着剤組成物のゲル化時間を変更することができる。例えば、減粘剤はタンパク質成分の粘度を減少させ、それによって接着剤組成物のゲル化時間を増加させることができる。タンパク質成分に添加する減粘剤の量は、接着剤組成物に必要なゲル化時間により異なってもよい。例えば、より長いゲル化時間(例えば数分から数時間)が接着剤組成物に望まれる場合は、より多量の減粘剤をタンパク質成分に添加することができる。あるいは、より短いゲル化時間(例えば1分未満など)が接着剤組成物に必要な場合は、より少量の減粘剤をタンパク質成分に添加することができる。このような減粘剤の濃度の最適化は、当業者の技能の範囲内である。
【0046】
いくつかの実施形態において、タンパク質成分は、減粘剤少なくとも約0.5%、減粘剤少なくとも約2%、減粘剤少なくとも約5%、減粘剤少なくとも約10%、減粘剤少なくとも約20%、減粘剤少なくとも約30%、減粘剤少なくとも約40%、減粘剤少なくとも約50%、減粘剤少なくとも約60%、減粘剤少なくとも約70%、減粘剤少なくとも約80%、または減粘剤少なくとも約90%を含む。
【0047】
接着剤組成物は、少なくとも約0.5%の減粘剤を含んでもよい。いくつかの実施形態において、接着剤組成物は、減粘剤少なくとも約1%、減粘剤少なくとも約5%、減粘剤少なくとも約10%、減粘剤少なくとも約20%、減粘剤少なくとも約30%、減粘剤少なくとも約40%、減粘剤少なくとも約50%、減粘剤少なくとも約60%、減粘剤少なくとも約70%、減粘剤少なくとも約80%、または減粘剤少なくとも約90%を含む。いくつかの実施形態において、接着剤組成物は、減粘剤少なくとも約0.5%〜10%、少なくとも約0.5%〜25%、または少なくとも約0.5%〜50%を含む。
【0048】
タンパク質成分に添加する減粘剤の量は、所望のタンパク質成分の粘度の減少により異なってもよい。いくつかの実施形態において、減粘剤は、タンパク質成分の粘度がアルデヒド質成分の粘度に匹敵あるいは近似するように、タンパク質成分の粘度を減少させる。このようにアルデヒド成分の粘度をタンパク質成分の粘度に匹敵させることにより、接着剤組成物の作製方法におけるこれら2つの成分の混合効率を向上させることができる。
【0049】
いくつかの実施形態において、減粘剤は、タンパク質成分の粘度を少なくとも約5%減少させる。いくつかの実施形態において、減粘剤は、タンパク質成分の粘度を少なくとも約8%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%減少させる。
【0050】
D.接着剤組成物中のその他の添加剤
本明細書において提供される接着剤組成物は、場合によりその他の添加剤も含有してもよい。これらの添加剤は、タンパク質成分またはアルデヒド成分に、これらを混合する前に添加することができる。あるいは、これらの物質は、タンパク質成分とアルデヒド成分との混合後に、接着剤組成物に添加してもよい。本発明の適用範囲を限定するものではないが、添加剤の例のいくつかは下記のとおりである。
【0051】
いくつかの実施形態において、接着剤組成物は、場合により放射線不透過物質を含む。放射線不透過物質の例には、有害でない重金属類、酸化物類、硫酸塩類、セラミック類、およびフッ化物類が含まれ、これには例えば、酸化ビスマス(Bi)、酸化亜鉛(ZnO)、硫酸バリウム(BaSO)、酸化ランタン(La)、酸化セリウム(CeO)、酸化テルビウム、酸化イッテルビウム、酸化ネオジム、ジルコニア(ZrO)、ストロンチア(SrO)、酸化スズ(SnO)、およびケイ酸バリウム、シリコ−アルミノバリウム、またはストロンチウムを含有するガラス類などの放射線不透過性ガラス類、ならびにバリウムまたはストロンチウムを含有するケイ酸塩ガラス類などがあるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、放射線不透過物質は、接着剤組成物の少なくとも約0.001%、少なくとも約0.05%、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.2%、少なくとも約0.5%、少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約5%、少なくとも約8%、または少なくとも約10%を構成する。
【0052】
本明細書において提供される接着剤組成物は、場合によっては添加物を含有してもよく、これには例えば水、緩衝剤、生理食塩液、中性塩、炭水化物、線維、種々の生物材料、湿潤剤、抗生剤、保存剤、色素、キトサン、増粘剤、減粘剤、フィブリノゲン、ポリエチレングリコールなどのポリマー、またはこれらの組み合わせなどであるが、これらに限定されない。ポリマーには、ポリアミド類、ポリエステル類、ポリスチレン類、ポリアクリレート類、ビニルポリマー類(例えば、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、およびポリ塩化ビニル)、ポリカーボネート類、ポリウレタン、ポリジメチルシロキサン類、酢酸セルロース類、ポリメチルメタクリレート類、エチレン酢酸ビニル類、ポリスルフォン類、ニトロセルロース類、および類似のコポリマー類などの合成ポリマーが含まれる。ポリマーには、さらに生体ポリマーも含まれるが、これは天然のものであっても、あるいは発酵などによりin vitroで生成されたものであってもよい。生体ポリマーには、コラーゲン、エラスチン、シルク、ケラチン、ゼラチン、ポリアミノ酸類、ポリサッカリド類(例えば、セルロースおよびデンプン)、およびこれらのコポリマーが含まれるが、これらに限定されない。
【0053】
柔軟剤を接着剤組成物に加えて、硬化時の接着結合剤に柔軟性を与えることもできる。柔軟剤は、天然の組成物であってもよい。好適な柔軟剤には、合成および天然ゴム類、合成ポリマー類、天然の外来生体適合性タンパク質類(外因性(すなわち外来)コラーゲンなど)、グリコサミノグリカン類(GAG)(ヒアルロニンおよびコンドロイチン硫酸など)、および血液成分(フィブリン、フィブリノゲン、アルブミン、およびその他の血液要素)が含まれる。
【0054】
本明細書において提供される接着剤組成物は、場合により塩および/または緩衝剤を含んでもよい。塩の例には、塩化ナトリウムや塩化カリウムなどが含まれるが、これらに限定されない。好適な緩衝剤は、例えば、アンモニウム、リン酸塩、ホウ酸塩、重炭酸塩、炭酸塩、カコジル酸塩、クエン酸塩、およびその他の有機緩衝であるトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)、モルホリノプロパンスルホン酸(MOPS)、およびN−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−N’(2−エタンスルホン酸)(HEPES)などを含んでよい。好適な緩衝剤は、接着剤組成物の所望のpH範囲に基づいて選択することができる。
【0055】
組成物の機械的特性を修正するために、付加的な添加剤が存在してもよい。添加剤には、例えば、充填剤、軟化剤、および安定剤が含まれる。充填剤の例には、カーボンブラック、酸化物、ケイ酸塩、アクリル樹脂粉末、および種々のセラミック粉末が含まれるが、これらに限定されない。軟化剤の例には、リン酸ジブチル、リン酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブトキシエチル、およびその他のエステルが含まれるが、これらに限定されない。安定剤の例には、トリメチルジヒドロキノン、フェニル−β−ナフチルアミン、p−イソプロポキシジフェニルアミン、ジフェニル−p−フェニレンジアミンなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0056】
II.接着剤組成物作製方法
本発明の別の態様は、タンパク質成分とアルデヒド成分とを混合して接着剤組成物を得ることによって、接着剤組成物を作製する方法に関する。いくつかの実施形態において、アルデヒド成分をタンパク質成分と混合する前に、アルデヒド成分に増粘剤を添加する。あるいは、タンパク質成分をアルデヒド成分と混合する前に、タンパク質成分に減粘剤を添加する。
【0057】
いくつかの実施形態において、タンパク質成分とアルデヒド成分とは、接着剤組成物中に、6:1から1:6までの割合で存在する。いくつかの実施形態において、タンパク質成分とアルデヒド成分とは、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、または1:6の割合で存在する。いくつかの実施形態において、タンパク質成分とアルデヒド成分とは、1:1の割合で存在する。
【0058】
血清アルブミン成分とアルデヒド成分とは、接着剤組成物中に、6:1から1:6までの割合で存在してもよい。いくつかの実施形態において、血清アルブミン成分とアルデヒド成分とは、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、または1:6の割合で存在する。いくつかの実施形態において、血清アルブミン成分とアルデヒド成分とは、1:1の割合で存在する。
【0059】
タンパク質成分、アルデヒド成分、および増粘剤/減粘剤は、バイアルまたはシリンジなどの別個の容器に充填することができる。したがって、タンパク質成分、アルデヒド成分、および増粘剤/減粘剤は、その後、使用直前に本発明に従って混合することができる。いくつかの実施形態において、増粘剤は、アルデヒド成分を容器に充填する前に、アルデヒド成分と混合してもよい。あるいは、タンパク質成分、アルデヒド成分、および増粘剤/減粘剤を混合して接着剤組成物を作製し、その接着剤組成物を容器に充填してもよい。
【0060】
あるいは、タンパク質成分、アルデヒド成分、および増粘剤/減粘剤のそれぞれを別個に好適な添加剤と混合し、その後容器に別個に充填することもできる。また好適な添加剤は、接着剤組成物を容器に充填する前に接着剤組成物に添加してもよい。容器は、無菌状態で充填することができる。また溶液を充填後に滅菌することもできる。
【0061】
タンパク質成分、アルデヒド成分、増粘剤、または減粘剤の溶液は、凍結乾燥することができる。凍結乾燥したタンパク質成分、アルデヒド成分、増粘剤、または減粘剤は、使用直前に水または生理食塩水で再構成することができる。あるいは、接着剤組成物の溶液を凍結乾燥することもできる。凍結乾燥した接着剤組成物は、使用直前に水または生理食塩水で再構成することができる。
【0062】
タンパク質成分、アルデヒド成分、増粘剤、減粘剤、または接着剤組成物は、容器に充填し、酸素を透過しない包装材料に密封することができる。
【0063】
所望の成分を選択すると、使用者は、その成分を混合して所望の組成物を形成する。
【0064】
III.使用方法
本発明の別の態様は、生物の組織、臓器、臓器構成要素、または空洞状構成要素に接着剤組成物が接着するよう、その組織、臓器、臓器構成要素、または空洞状構成要素など、体内の標的位置あるいは選択された位置に接着剤組成物を導入する工程に関する。具体的には、本発明は、タンパク質成分をアルデヒド成分と混合し;増粘剤を用いてアルデヒド成分の粘度を調整し;接着剤組成物を組織に導入し;接着剤組成物を組織に接着させることによって、組織の接着を引き起こすための方法に関する。あるいは、結合される組織の1つ以上の表面上で、タンパク質成分およびアルデヒド成分を反応させる。
【0065】
本発明のいくつかの実施形態において、接着は急速でありえ、10〜20秒など、1分未満で行うことができる。いくつかの実施形態において、接着剤組成物の接着は、1〜10分、10分〜1時間、または1〜5時間で行うことができる。接着剤組成物のゲル化時間は、増粘剤を使用して、アルデヒド成分の粘度を変更することによって最適化することができる。あるいは、ゲル化時間は、減粘剤を使用して、タンパク質成分の粘度を変更することによって最適化することができる。本明細書において提供される接着剤組成物のゲル化時間は、様々なpH値を有する緩衝剤、あるいは様々なイオン強度を有する緩衝剤を用いることによっても最適化することができる。本発明の接着組成物は、約300〜1500g/cmの結合/引裂強度を提供することができる。結合/引裂強度およびゲル化時間は、温度、pH、タンパク質成分の粘度、アルデヒド成分の粘度などの変数によって異なりうる。
【0066】
本発明の接着剤組成物は、天然または合成起源の幅広い基質への強力かつ急速な結合を提供し、広範な適用可能性を提供することができる。したがって、本発明の接着剤組成物は、筋肉、皮膚、結合組織、神経組織、血管および心臓組織、脂肪組織、軟骨、骨などを含む生体組織に結合することができる。接着剤組成物は、対応する死体組織に結合することもできるが、この死体組織は、保存されているか、あるいは化学処理を施されていてもよい。また接着剤組成物は、皮革、ゴム、Dacron(登録商標)、またはTeflon(登録商標)など天然または合成物質にも、また金属にも結合することができる。
【0067】
本明細書において提供される接着剤組成物は、ヒト医学または獣医学を実施する際に、外科用の移植片および装置の付着、創傷閉鎖、外傷修復、止血などに使用することができる。接着剤の医療以外の応用も想定されている。接着剤組成物は、組織を結合するために、縫合糸、ステープル、テープ、および/または包帯の補助として、あるいは代わりとして使用することができる。いくつかの実施形態において、本明細書において提供される接着剤組成物は、術後癒着を防止するために使用することができる。この適用例では、接着剤組成物を体内の臓器または組織の表面上に塗布して層として硬化させ、それにより手術部位が治癒する間、その部位における癒着の形成を防止することができる。本接着剤組成物のさらなる適用例には、縫合線またはステープル線における血液またはその他の流体の漏出を防止もしくは制御するため、また肺系統における空気漏出を防止もしくは制御するための組織の密封が含まれる。別の適用例では、本接着剤組成物を用い、再建手術において、植皮片を付着させ、組織皮弁または遊離皮弁を配置することができる。また別の適用例では、本接着剤組成物を用いて、歯根膜手術において歯肉弁を閉鎖することができる。
【0068】
いくつかの実施形態において、接着剤組成物を用いて、患者の本来の支持組織にプロテーゼを付着させることができる。例えば、心臓代用弁または弁形成リングなどの心臓用のプロテーゼは、本接着剤組成物を用いて、患者の対応する本来の支持組織(弁輪)に固定することができる。プロテーゼの例には、人工心臓、人工心臓弁、弁形成リング、血管および冠動脈および構造ステント、血管移植片または導管、植え込み型血管装置、吻合連結器、リード、ペーシングリード、ガイドワイヤ、永久留置型経皮装置、血管および心血管シャント、創傷治癒のための真皮移植片、外科用パッチ、神経成長支持体、ヒックマンカテーテル、および関節置換プロテーゼなどの骨置換移植片が含まれるが、これらに限定されない。植え込み型血管装置には、例えば、血管移植片および導管、ペースメーカ、弁付きグラフト、ステント、心臓弁、パッチ、および吻合連結器が含まれる。
【0069】
接着剤組成物を用いて、一般外科において出血を止め、神経外科において神経断裂を再建し、形成外科において皮膚および軟骨の移植組織と欠損部を接着し、一般または胸部外科において気胸および/または瘻孔を治療し、また血管および一般外科において血管および腸吻合を支持することができる。本接着剤組成物は、軟骨および骨軟骨骨折の治療、軟骨または骨軟骨材料の移植、離断性骨軟骨炎、関節骨折、半月板損傷、および断裂した靱帯、腱、筋腱接合部、または筋肉の治療、軟骨移植、骨移植、靭帯移植、腱移植、軟骨移植、骨軟骨移植、骨移植、皮膚移植片の固着、神経および血管の移植(修復)、血管移植片の貼り付け、微小血管の血管吻合、ならびに組織表面の結合の処置に使用することができる。さらに、本接着剤組成物は、治癒過程を増進および刺激するために、コラーゲン、ゼラチン、フィブリノゲン、フィブリン、巨大分子、細胞付着タンパク質、成長因子、細胞などの物質も含んでよい。
【0070】
接着剤組成物は、手術室や緊急治療室などの外科環境において使用することができる。医師は、例えば、プロテーゼを埋め込むため、または患者の本来の組織をそれ自体に接着するために接着剤組成物を使用することができる。また接着剤組成物は、製造環境においても使用することができる。製造環境には、医療装置を組み立てる環境を含むことができる。例えば、心臓代用弁では、本接着剤組成物によって、心臓弁尖のうちの1つ以上を支持構造体に連結させることができる。接着剤組成物は、プロテーゼを支持するステントまたは導管などの支持構造体に塗布することができる。
【0071】
さらに別の態様では、本発明は、ヒトまたは動物の体内のある位置に印をつける方法を提供する。この方法は、本接着剤組成物を人体内のその位置の部位に提供し、それによってその位置に印をつけることによる。例えば、本接着剤組成物を用いて、悪性、良性、またはその他の病変の組織/生検部位に印をつけることができる。典型的には、医師は、病状を診断および治療するために、病変、疑わしい部位、臓器などから、病理学検査および分析のための組織標本またはサンプルを採取する。組織サンプルは、検査または典型的な開腹(開胸)手術処置の最中に採取することができる。組織サンプルは、生検または手術処置において、経皮的にまたは内視鏡的に採取することができる。悪性、良性、またはその他の病変の場合は、組織サンプル採取後、病理学検査および試験の結果をまとめ、手術または生検の前に適切な医療処置を決定するのに数日から数週間かかることがある。医師、外科医、または臨床医にとって、次の療法を実施するために病変部位を再び見つけるのは困難である可能性がある。必要とされる治療を行なうために、サンプルを採取した部位は、正確に示されなければならない。
【0072】
本接着剤組成物は、病変部位の組織に接着することによって、ヒトまたは動物の体内の病変部位に印をつける。接着剤組成物は、重合して触知可能な物質になる。本接着剤組成物は、組織に接着し、その後その場で重合するため、病変部位から離れない。医師、外科医、または臨床医は、その後、その領域に触れる、すなわち触診することによって、病変部位を見つけることができる。重合した物質は、病変自体とは違って触ることで感知できるため、医師、外科医、または臨床医が見つけることができる。医師が触診によって病変を見つけると、付随する組織損傷を最小限に抑えながら、病変の外科的切除を実施することができる。重合した接着剤組成物は、加水分解によりゆっくりと組織に吸収されうる。
【0073】
本発明の接着剤組成物は、多数の異なる方法で組織に塗布することができる。例えば、タンパク質成分とアルデヒド成分とを混合してから、通常の塗布器を用いて塗布することができる。あるいは、これら2つの成分を混合してから、噴霧剤として塗布してもよい。
【0074】
いくつかの実施形態において、接着剤は、図2A〜Bに示す送達装置を用いて塗布することができる(米国特許出願第2006/0025815号、McGurk等“Lung Device With Sealing Features”)。図2Aは、装置900の接着剤送達部分を図解している。装置900の近位端902は、デュアルチャンバー904送達筐体901を特色としている。接着剤送達筐体は、送達する接着剤組成物のタンパク質成分とアルデヒド成分とを分けるために、少なくとも2つのチャンバー906、906’に分けられる。したがって、各チャンバーは、接着剤組成物の成分を含むことができる。接着剤組成物の成分は、装置900の別々の通路を下って送達することができる。プランジャ908は、送達筐体の各チャンバーを下って成分を前進させるために備えられる。タンパク質成分およびアルデヒド成分は、詰まりが生じた場合に攪拌チャンバー920を簡単に交換できるよう、別々の密封先端部910、910’を通って前進させられる。
【0075】
接着剤送達筐体901は、工程の最中の交換を容易にするために、攪拌チャンバー920から簡単に分離することができる。攪拌チャンバー920は、接着剤送達筐体の少なくとも2つのポートからタンパク質成分およびアルデヒド成分を受け取る。混合要素またはバッフル922は、成分が攪拌チャンバー920を下って前進する間に成分を混合するために備えられる。混合チャンバーは、混合チャンバーが装置に接続されるときに、先端部と相互作用してそのシールを破壊する突起を有してもよい。
【0076】
攪拌チャンバー920の遠位端は、攪拌チャンバー920の遠位端の側部に位置する空気抜き穴926を通して、空気が攪拌チャンバー920から逃げられるようにする多孔質プラグフィルタ924を特色とする。好適なフィルタには、GenProbeから入手可能なマイクロフィルタが含まれる。フィルタ特性は、空気はフィルタを通って接着剤の軸に対して横方向に分散できるが、接着剤はフィルタを通って軸方向に推進されるようにするものである。図2Bは、プランジャ950を有する別の送達装置を図解している。このプランジャ950は、チャンバーを通して接着剤952を前進させるが、空気953は多孔質プラグフィルタ924を通して前進させられ、接着剤がカニューレを通して標的組織に送達される前に、空気抜き穴926を通して出て行くことができる
操作において、使用者が送達装置の先端部を患者の標的位置に送達し、使用者が混合機能を作用させて(例えば、プランジャを押すことによって)成分の混合を開始し、それから組成物(すなわち、混合された成分)が、標的位置に送達される。
【実施例】
【0077】
A.肺シーラント
(実施例1)
アルブミン40%、およびキトサン0.5%、および熱処理されたグルタルアルデヒド7.5%とデキストラン20%とを含有する架橋剤溶液を含むシーラント組成物を調製した。シーラントを作製するために従った方法は、上記に記載のとおりである。麻酔ブタの肺を露出し、収縮させた。この工程の後、肺上葉の一部を横切開し、混合先端部付きデュアルチャンバーシリンジからシーラントを塗布することによって収縮した肺の切断部位を密封し、その後再膨張させた。肺は、水中に沈めて漏出を評価した。肺の空気漏出についての評価は、いかなる漏出の存在も示さず、シーラントの有効性が示された。組成物は、肺の密封に成功し、シーラントの有効性が示された。
【0078】
(実施例2)
アルブミン30%、およびキトサン0.2%、および熱処理されたグルタルアルデヒド7.5%とデキストラン20%とを含有する架橋剤溶液を含むシーラントを調製した。シーラントを作製するために従った方法は、上記に記載のとおりである。麻酔ブタの肺を露出し、収縮させた。この工程の後、肺上葉の一部を横切開し、混合先端部付きデュアルチャンバーシリンジからシーラントを塗布することによって収縮した肺の切断部位を密封し、その後再膨張させた。肺は、水中に沈めて漏出を評価した。肺の空気漏出についての評価は、いかなる漏出の存在も示さず、シーラントの有効性が示された。組成物は、肺の密封に成功し、シーラントの有効性が示された。
【0079】
(実施例3)
アルブミン38%、およびキトサン0.2%、および熱処理されたグルタルアルデヒド4.4%とデキストラン20%とを含有する架橋剤溶液を含むシーラントを調製した。シーラントを作製するために従った方法は、上記に記載のとおりである。麻酔ブタの肺を露出し、収縮させた。この工程の後、肺上葉の一部を横切開し、混合先端部付きデュアルチャンバーシリンジからシーラントを塗布することによって収縮した肺の切断部位を密封し、その後再膨張させた。肺は、水中に沈めて漏出を評価した。肺の空気漏出についての評価は、いかなる漏出の存在も示さず、シーラントの有効性が示された。組成物は、肺の密封に成功し、シーラントの有効性が示された。
【0080】
B.胸膜接着剤
(実施例1)
アルブミン45%、および熱処理されたグルタルアルデヒド7.5%とカルボキシメチルセルロース3%とを含有する架橋剤溶液を含むシーラント組成物を調製した。シーラントを作製するために従った方法は、上記に記載のとおりである。麻酔ブタの肺の臓側胸膜面を露出した。麻酔ブタの肺の臓側胸膜面を露出した。次に肺を膨張させて陽圧を確保し、生理学的条件にした。次に、送達カテーテルを用いてシーラントをその胸膜面前部に塗布した。20秒後、壁側胸膜を含む胸壁の部分を臓側胸膜前部の上に直接置いた。次にシーラントを1分間固まらせた。その後、胸壁(壁側胸膜)のみを持ち上げることにより、2つの胸膜面の接着を評価した。2つの胸膜面が付着したままであれば、接着剤は有効であると判断した。2つの胸膜面は、この組成物の使用によって接着された。
【0081】
(実施例2)
アルブミン40%、およびキトサン0.2%、および熱処理されたグルタルアルデヒド4%とデキストラン20%とを含有する架橋剤溶液を含むシーラント組成物を調製した。シーラントを作製するために従った方法は、上記に記載のとおりである。麻酔ブタの肺の臓側胸膜面を露出した。次に肺を膨張させて陽圧を確保し、生理学的条件にした。次に、送達カテーテルを用いてシーラントをその胸膜面前部に塗布した。20秒後、壁側胸膜を含む胸壁の部分を臓側胸膜前部の上に直接置いた。次にシーラントを1分間固まらせた。その後、胸壁(壁側胸膜)のみを持ち上げることにより、2つの胸膜面の接着を評価した。2つの胸膜面が付着したままであれば、接着剤は有効であると判断した。2つの胸膜面は、この組成物の使用によって接着された。
【0082】
(実施例3)
アルブミン38%、およびキトサン0.2%、および熱処理されたグルタルアルデヒド7.5%とデキストラン20%とを含有する架橋剤溶液を含むシーラント組成物を調製した。シーラントを作製するために従った方法は、上記に記載のとおりである。麻酔ブタの肺の臓側胸膜面を露出した。次に肺を膨張させて陽圧を確保し、生理学的条件にした。次に、送達カテーテルを用いてシーラントをその胸膜面前部に塗布した。20秒後、壁側胸膜を含む胸壁の部分を臓側胸膜前部の上に直接置いた。次にシーラントを1分間固まらせた。その後、胸壁(壁側胸膜)のみを持ち上げることにより、2つの胸膜面の接着を評価した。2つの胸膜面が付着したままであれば、接着剤は有効であると判断した。2つの胸膜面は、この組成物の使用によって接着された。
【0083】
C.血管シーラント
(実施例1)
アルブミン40%、およびキトサン1.0%、および熱処理されたグルタルアルデヒド3.5%とグリセロール20%とを含有する架橋剤溶液を含むシーラント組成物を調製した。抗凝固処置をした麻酔ウサギの動脈を露出した。左側動脈をカテーテルで穿刺した。カテーテル除去後、シーラントを用いて孔を塞いだ。代わって、右側動脈を横切開し、縫合糸を用いて吻合を形成した。臍テープを手術部位近位の血管に部分的に巻き付けて、血流を一時的に減少させた。次に、混合先端部付きデュアルチャンバーシリンジを用いて、穿刺部位にシーラントを塗布した。2分後、圧力を解放して、頸動脈の完全な収縮期/拡張期血圧に修復部を暴露した。創傷部位からの漏出の存在は認められなかった。また、シーラントは実験モデル右側の部分的に漏出している吻合部位にも塗布した。2分後、漏出の停止が認められた。
【0084】
(実施例2)
アルブミン38%、およびキトサン0.2%、および熱処理されたグルタルアルデヒド7.0%とポビドン6%とを含有する架橋剤溶液を含むシーラントを調製した。抗凝固処置をした麻酔ウサギの動脈を露出した。左側動脈をカテーテルで穿刺した。カテーテル除去後、シーラントを用いて孔を塞いだ。代わって、右側動脈を横切開し、縫合糸を用いて吻合を形成した。臍テープを手術部位近位の血管に部分的に巻き付けて、血流を一時的に減少させた。次に、混合先端部付きデュアルチャンバーシリンジを用いて、穿刺部位にシーラントを塗布した。2分後、圧力を解放して、頸動脈の完全な収縮期/拡張期血圧に修復部を暴露した。創傷部位からの漏出の存在は認められなかった。また、シーラントは実験モデル右側の部分的に漏出している吻合部位にも塗布した。2分後、漏出の停止が認められた。
【0085】
(実施例3)
アルブミン35%、およびキトサン1.0%、および熱処理されたグルタルアルデヒド4.4%とデキストラン20%とを含有する架橋剤溶液を含むシーラントを調製した。抗凝固処置をした麻酔ウサギの動脈を露出した。左側動脈をカテーテルで穿刺した。カテーテル除去後、シーラントを用いて孔を塞いだ。代わって、右側動脈を横切開し、縫合糸を用いて吻合を形成した。臍テープを手術部位近位の血管に部分的に巻き付けて、血流を一時的に減少させた。次に、混合先端部付きデュアルチャンバーシリンジを用いて、穿刺部位にシーラントを塗布した。2分後、圧力を解放して、頸動脈の完全な収縮期/拡張期血圧に修復部を暴露した。創傷部位からの漏出の存在は認められなかった。また、シーラントは実験モデル右側の部分的に漏出している吻合部位にも塗布した。2分後、漏出の停止が認められた。
【0086】
D.硬膜シーラント
(実施例1)
アルブミン40%、およびポリエチレングリコール5%、および熱処理されたグルタルアルデヒド7.5%を含有する架橋剤溶液を含むシーラント組成物を調製した。シーラントを作製するために従った方法は、上記に記載のとおりである。開頭後、露出したウシモデルの硬膜を切開した。硬膜の切開により、組織の収縮が生じた。収縮した組織は、切開された両端部が対向するように一時的な縫合糸を用いて再度合わせた。混合先端部付きデュアルチャンバーシリンジを用いて切開創上にシーラントを塗布し、縫合糸支持を解放した。切開創の対向する端部は互いに揃ったままであり、3種のシーラント組成物の全ては、硬膜の収縮力に抵抗するのに十分な引っ張り強さを示した。頭部を下げて縫合糸に付加的な応力をかけ、その部位でシーラントが両端部を合わせて保持することに失敗するかを観察した。失敗は認められなかった。
【0087】
(実施例2)
アルブミン38%、およびヒアルロン酸0.2%、および熱処理されたグルタルアルデヒド4.4%とデキストラン20%とを含有する架橋剤溶液を含むシーラント組成物を調製した。シーラントを作製するために従った方法は、上記に記載のとおりである。開頭後、露出したウシモデルの硬膜を切開した。硬膜の切開により、組織の収縮が生じた。収縮した組織は、切開された両端部が対向するように一時的な縫合糸を用いて再度合わせた。混合先端部付きデュアルチャンバーシリンジを用いて切開創上にシーラントを塗布し、縫合糸支持を解放した。切開創の対向する端部は互いに揃ったままであり、3種のシーラント組成物の全ては、硬膜の収縮力に抵抗するのに十分な引っ張り強さを示した。頭部を下げて縫合糸に付加的な応力をかけ、その部位でシーラントが両端部を合わせて保持することに失敗するかを観察した。失敗は認められなかった。
【0088】
(実施例3)
アルブミン35%、およびヒアルロン酸1.0%、および熱処理されたグルタルアルデヒド4.4%とデキストラン15%とを含有する架橋剤溶液を含むシーラント組成物を調製した。シーラントを作製するために従った方法は、上記に記載のとおりである。開頭後、露出したウシモデルの硬膜を切開した。硬膜の切開により、組織の収縮が生じた。収縮した組織は、切開された両端部が対向するように一時的な縫合糸を用いて再度合わせた。混合先端部付きデュアルチャンバーシリンジを用いて切開創上にシーラントを塗布し、縫合糸支持を解放した。切開創の対向する端部は互いに揃ったままであり、3種のシーラント組成物の全ては、硬膜の収縮力に抵抗するのに十分な引っ張り強さを示した。頭部を下げて縫合糸に付加的な応力をかけ、その部位でシーラントが両端部を合わせて保持することに失敗するかを観察した。失敗は認められなかった。
【0089】
E.組織/生検部位マーカー
組織/生検部位マーカーとして使用するための接着剤組成物を2つの溶液を用いて調製する。これら2つの溶液は、止血剤であるキトサンを含む、精製ブタ血清アルブミン(PSA)のタンパク質溶液(溶液「A」);および賦形剤(増粘剤として)であるデキストランを含む、処理されたグルタルアルデヒド(PGA)の溶液(溶液「B」)である。装置は、滅菌され、使用できる状態で、単一のTyvek−ポリエチレン製ピールパウチに包装された充填済みシリンジの形で提供され、1.5mLまでの接着剤組成物を提供する。
【0090】
各溶液(およそ1.0mL)は、デュアルオープンキャップで先端部が密封され、「ピストン」ストッパーシールで各チャンバーの末端が密封されたデュアルチャンバーシリンジの別々のチャンバーに充填される。充填されて密封されたそれぞれのデュアルチャンバーシリンジは、別個に提供される通気調整装置(Vent Adjustment Device、VAD)混合先端部、デュアルロッドプランジャとともに、密封された単一のTyvek−ポリエチレンピールパウチに包装されるが、これは放射線で最終的に滅菌される。
【0091】
「ピストン」ストッパーシールは、各チャンバーの末端に挿入されて、「ピストン」ストッパーシールと係合するように前進させられる、デュアルロッドプランジャの末端を収容するように設計されている。
【0092】
VAD混合先端部は、デュアルチャンバーシリンジの先端部に付着される(キャップの代わりに)ように設計され、(1)その通気機能によって、混合先端部のハブと混合要素部分からデッドスペースの空気を機械的にパージし、(2)2つの溶液の1:1混合物を確保する助けをし、(3)2つの溶液が分注されるときにそれらを混合する。
【0093】
接着剤組成物は、デュアルチャンバーシリンジ先端部のキャップを除去し(ねじって外す);空気抜きVAD混合先端部を取り付け(ねじってはめる);プランジャのデュアルロッド端をデュアルチャンバーシリンジの末端に挿入し、前進させて「ピストン」ストッパーシールの裏側に接触させることによって使用できるようになる。場合によっては、VAD混合先端部の末端に針を付着してもよい。例えば、針は、<21ゲージ(>0.76mm ID)の標準ルアーロックハブを有する、市販の標準注射針、生検針、または誘導針などでよい。針は、21〜18Gの標準または操縦可能なSeeker Biopsy Needleであってもよい。
【0094】
デュアルチャンバーシリンジが組み立てられると、所望の量の接着剤組成物が組織/手術位置に送達されるまで、プランジャの末端に円滑で連続的な圧力を印加することによって、溶液が混合されて投与される。
【0095】
接着剤組成物は、混合/投与後10〜50秒以内に重合して固体になる。重合中、接着剤組成物中の処理されたグルタルアルデヒドも組織部位に架橋して、確実にマーカーが配置部位に残るようにする。重合したマーカーは、加水分解によりゆっくり吸収されうる。
【0096】
本明細書において、本発明の好ましい実施形態を提示し、説明してきたが、かかる実施形態が例示の目的でのみ提供されていることは、当業者には明らかであろう。本発明から逸脱することなく、当業者は、多数の変形形態、変更形態、および代替形態を思い付くであろう。本発明を実施する際に、本明細書に記載される本発明の実施形態の種々の代替形態を用いることができることは理解されるべきである。添付の特許請求の範囲は本発明の適用範囲を定義するものであり、またこれらの請求項の範囲に含まれる方法および構造物、ならびにそれらの相当物はその適用範囲に含まれるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の粘度を有するタンパク質成分と、第2の粘度を有するアルデヒド成分とを含み、該アルデヒド成分は増粘剤をさらに含む、接着剤組成物。
【請求項2】
前記タンパク質成分は哺乳動物供給源に由来する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記哺乳動物供給源は、ヒト、ウシ、バイソン、ヒツジ、およびブタからなる群より選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記タンパク質成分は組み換え体供給源に由来する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記タンパク質成分は血清アルブミンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記タンパク質成分は、15%を超えるタンパク質モノマーを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記アルデヒド成分は、ジアルデヒドまたはポリアルデヒドである、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記ジアルデヒドはグルタルアルデヒドである、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記タンパク質成分は血清アルブミンであり、前記アルデヒド成分はグルタルアルデヒドである、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記増粘剤は、前記アルデヒド成分の第2の粘度を少なくとも約5%増加させる、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記増粘剤は、デキストラン、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、リポソーム類、プロリポソーム類、グリセロール、デンプン、炭水化物類、ポビドン、ポリエチレンオキシド、およびポリビニルアルコールからなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記増粘剤はデキストランである、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記増粘剤は、前記組成物の少なくとも約0.5%を構成する、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記増粘剤は、前記組成物のゲル化時間を変更する、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記組成物は、放射線不透過物質をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
前記放射線不透過物質は、酸化ビスマス(Bi)、酸化亜鉛(ZnO)、硫酸バリウム(BaSO)、酸化ランタン(La)、酸化セリウム(CeO)、酸化テルビウム、酸化イッテルビウム、酸化ネオジム、ジルコニア(ZrO)、ストロンチア(SrO)、酸化スズ(SnO)、放射線不透過ガラス、およびケイ酸塩ガラスからなる群より選択される、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
第1の粘度を有するタンパク質成分と、第2の粘度を有するアルデヒド成分とを含む接着剤組成物であって、タンパク質濃度約1〜26%を有する、接着剤組成物。
【請求項18】
前記タンパク質成分は、15%を超えるタンパク質モノマーを含む、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記タンパク質成分は、タンパク質濃度約1〜75%を有する、請求項17に記載の組成物。
【請求項20】
前記組成物は、タンパク質濃度1〜75%を有する、請求項17に記載の組成物。
【請求項21】
前記タンパク質成分と前記アルデヒド成分とが6:1から1:6までの割合で存在する、請求項17に記載の組成物。
【請求項22】
前記タンパク質成分と前記アルデヒド成分とが1:1の割合で存在する、請求項17に記載の組成物。
【請求項23】
第1の粘度を有する血清アルブミン成分と、第2の粘度を有するアルデヒド成分との混合物を含む接着剤組成物であって、約1〜26%の該血清アルブミンの濃度を有する接着剤組成物。
【請求項24】
前記タンパク質成分は、15%を超えるタンパク質モノマーを含む、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
前記血清アルブミン成分はブタに由来する、請求項23に記載の組成物。
【請求項26】
前記アルデヒド成分はグルタルアルデヒドである、請求項23に記載の組成物。
【請求項27】
前記アルデヒド組成物は増粘剤をさらに含む、請求項23に記載の組成物。
【請求項28】
前記増粘剤は、デキストラン、ポリエチレングリコール、またはカルボキシメチルセルロースである、請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
前記アルデヒド成分の第2の粘度は、前記血清アルブミン成分の第1の粘度に近似する、請求項23に記載の組成物。
【請求項30】
前記血清アルブミン成分は、血清アルブミン濃度約1〜75%を有する、請求項23に記載の組成物。
【請求項31】
前記血清アルブミン成分および前記アルデヒド成分は、6:1から1:6の割合で存在する、請求項23に記載の組成物。
【請求項32】
組織の接着を引き起こすための方法であって、
(i)接着剤組成物を得るために、第1の粘度を有するタンパク質成分を含む第1の組成物を第2の粘度を有するアルデヒド成分を含む第2の組成物と混合し、増粘剤を用いて該第2の組成物の第2の粘度を調整する工程と、
(ii)該接着剤組成物を組織に導入する工程と、
(iii)該接着剤組成物を該組織に接着させる工程と、
を含む、方法。
【請求項33】
前記タンパク質成分は、15%を超えるタンパク質モノマーを含む、請求項32に記載の組成物。
【請求項34】
前記タンパク質成分はブタに由来する、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記タンパク質成分は血清アルブミンである、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
前記アルデヒド成分は、ジアルデヒドまたはポリアルデヒドである、請求項32に記載の方法。
【請求項37】
前記アルデヒド成分はグルタルアルデヒドである、請求項32に記載の方法。
【請求項38】
前記タンパク質成分は血清アルブミンであり、前記アルデヒド成分はグルタルアルデヒドである、請求項32に記載の方法。
【請求項39】
前記第1の粘度は前記第2の粘度に近似する、請求項32に記載の方法。
【請求項40】
前記第1の粘度は前記第2の粘度に匹敵する、請求項32に記載の方法。
【請求項41】
前記増粘剤は、デキストラン、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、リポソーム類、プロリポソーム類、グリセロール、デンプン、炭水化物類、ポビドン、ポリエチレンオキシド、およびポリビニルアルコールからなる群より選択される、請求項32に記載の方法。
【請求項42】
前記増粘剤はデキストランである、請求項32に記載の方法。
【請求項43】
前記増粘剤は、前記接着剤組成物の少なくとも約0.5%を構成する、請求項32に記載の方法。
【請求項44】
前記増粘剤は、前記接着剤組成物のゲル化時間を変更する、請求項32に記載の方法。
【請求項45】
前記タンパク質成分は、前記組成物の約5〜75%である、請求項32に記載の方法。
【請求項46】
前記タンパク質成分および前記アルデヒド成分は、前記最終組成物中に6:1から1:6の割合で存在する、請求項32に記載の方法。
【請求項47】
前記組成物は、放射線不透過物質をさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項48】
前記放射線不透過物質は、酸化ビスマス(Bi)、酸化亜鉛(ZnO)、硫酸バリウム(BaSO)、酸化ランタン(La)、酸化セリウム(CeO)、酸化テルビウム、酸化イッテルビウム、酸化ネオジム、ジルコニア(ZrO)、ストロンチア(SrO)、酸化スズ(SnO)、放射線不透過ガラス、およびケイ酸塩ガラスからなる群より選択される、請求項47に記載の組成物。
【請求項49】
人体内のある位置に印をつけるための方法であって、
(i)第1の粘度を有するタンパク質を含む第1の成分と、第2の粘度を有するアルデヒドを含む第2の成分とを提供する工程と、
(ii)該第1の成分を該第2の成分と混合して、標的組成物を得る工程と、
(iii)該標的組成物をある位置に導入する工程と、
(iv)該標的組成物を用いて、該位置の部位に印をつける工程と、
を含む方法。
【請求項50】
前記標的組成物は触知可能な物質である、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記タンパク質はブタ由来の血清アルブミンである、請求項49に記載の方法。
【請求項52】
前記アルデヒドはグルタルアルデヒドである、請求項49に記載の方法。
【請求項53】
前記第1の成分の第1の粘度または前記第2の成分の第2の粘度は、前記混合工程の前に変更される、請求項49に記載の方法。
【請求項54】
接着剤組成物を作製する方法であって、
(i)第1の粘度を有する第1のタンパク質成分を提供する工程と、
(ii)第2の粘度を有する第2のアルデヒド成分を提供する工程と、
(iii)該第1の粘度、該第2の粘度、あるいはその両方を調整する工程と、
(iv)該第1の成分を該第2の成分と混合して、接着剤組成物を得る工程と、
を含む、方法。
【請求項55】
前記タンパク質成分は、15%を超えるタンパク質モノマーを含む、請求項54に記載の組成物。
【請求項56】
前記タンパク質成分は、ブタ由来の血清アルブミンである、請求項54に記載の方法。
【請求項57】
前記アルデヒド成分はグルタルアルデヒドである、請求項54に記載の方法。
【請求項58】
前記第1の成分の第1の粘度は、前記第2の成分の前記第2の粘度に近似する、請求項54に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【公表番号】特表2010−504410(P2010−504410A)
【公表日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−529372(P2009−529372)
【出願日】平成19年9月19日(2007.9.19)
【国際出願番号】PCT/US2007/078932
【国際公開番号】WO2008/036763
【国際公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(509042703)ヌームアールエックス, インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】