説明

組織液中のグルコース濃度の決定のための方法および装置

本発明は、微量透析、微量灌注または限外濾過(ゾンデ10)によって得られる試液(42)中のグルコースおよび内生基準物質に対する測定値が検出され(ゾンデ12)、かつ基準物質に対する測定値にしたがってグルコース値が補正される組織液(40)中のグルコース濃度の決定方法および装置に関する。ここでグルコースに対する再検出率がイオン基準物質に対する再検出率との非線形関係から決定され、かつグルコース測定値がそれによって補正され、かつさらに乳酸塩および/またはピルビン酸塩の濃度が別の基準物質として試液中の別の補正のために考慮されることが提案される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微量透析、微量灌注または限外濾過によって身体組織から得た試液中のグルコースおよび内生基準物質に対する測定値が検出され、かつ基準物質に対する測定値にしたがってグルコースに対する測定値が補正される組織液中のグルコース濃度の決定方法に関する。本発明は、さらに対応する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
身体組織は代謝産物が細胞と血管との間で輸送される液体環境中の細胞からなる。特に糖尿病患者のグルコース監視のために浸透過程を介して組織液から内容物質を連続的に採取し、かつ浸出液から組織中のグルコース濃度を決定するためにゾンデを長期間組織中に挿入することができる。これは血中グルコース濃度と密接に相関しており、血液循環に対する侵襲性の介入が不要である。この測定は身体の外部で行うことができ、センサが試液によって作動される。この関連性において、グルコースの再検出を透析液中で較正するためにイオン選択電極によってグルコースと同時にイオン基準値、特にNa+も検出されるイオン基準技術が知られている。この場合、体液中の既知の基準物質の濃度が本質的に不変であることが前提とされる。知られている評価方法は、体内較正器の再検出と試液中のグルコースとの間に厳密な線形関係があることが前提条件である。しかしながら経験的な比較測定はこれを疑わせている。
【発明の開示】
【0003】
上記から出発して本発明の基礎におく課題は、従来の技術において発生する欠点を回避し、かつそれによって実際の身体値がより正確に決定可能かつ検査可能である基準技術を提示することである。
【0004】
この課題の解決のために独立特許請求の範囲に表示された特徴の組合せが提案される。本発明の有利な態様および発展的構成は従属請求項から生じる。
【0005】
本発明は、特殊ゾンデに基づき微量透析、微量灌注または限外濾過で発生するような組織中の局所的効果も輸送抵抗も考慮に入れる思想から出発する。それに応じて第1の発明変形態様にしたがって、乳酸塩および/またはピルビン酸塩の濃度が試液中の基準物質として決定されることが提案される。それによって測定値補正に対する局所的組織反応により限定された効果について逆推論するためにグルコース分解時の特殊代謝経路を考慮に入れることが可能である。
【0006】
好ましくは試液中のピルビン酸塩に対する乳酸塩の濃度比がグルコースに対する測定値の補正のために形成される。有利な態様は、好ましくは10:1および20:1の間で選択された平均的範囲でのピルビン酸塩に対する乳酸塩の濃度比で線形補正が濃度比に応じて実施され、かつ選択された範囲を超えるより高い範囲において好ましくは20:1の濃度比以上からグルコースに対する測定値が定数によって補正されることを考慮する。類似の補正は基準物質として乳酸塩を単独で考慮に入れる場合でも考えられる。
【0007】
本発明のもう1つの態様にしたがって、グルコースに対する再検出率(RGLU)がイオン基準物質に対する再検出率(RREF)との非線形関係から決定され、かつグルコース測定値がそれによって補正されることが提案される。この方法により、主として特殊ゾンデ技術によって、たとえば膜過程によって惹起される効果に対する一種の技術的補正を特殊適合形態で講じることができる。それによってグルコースとイオン基準との間の再検出率の線図中で二等分線として推移する従来の線形関係よりも本質的により正確に補正することができる。これは特に、イオン基準の再検出がより小さい粒子サイズによっておよび/または特に急速な灌注における装入によってグルコースに対するよりも高くなることにある。非線形補償曲線はそれによって二等分線の下方に曲がって推移する。
【0008】
特に好ましい態様にしたがってグルコースに対する再検出率(RGLU)は関係式
1−RREF=(1−RGLUk
にしたがって算出される(式中、kは1つの設定値である)。この場合、値kは組織液と試液との間のグルコースおよび基準物質の移行に対する抵抗の比として好ましくは経験的に決定することができる。さらに基準物質に対する再検出率(RREF)が試液中の基準物質に対する測定値と、組織液中の一定の濃度値とからの比として算出されることが提案される。好ましくはナトリウムが身体固有のイオン基準物質として考慮される。
【0009】
特に効果的かつ正確な補償は、ナトリウムが測定技術の偏差の補正に対する基準物質として、かつ乳酸塩および/またはピルビン酸塩が生体の組織中の実際のグルコース濃度からの試液中のグルコースに対する測定値の局所的に限定された偏差の補正に対する基準物質として考慮されることによって達成することができる。
【0010】
前記補償は、試液が組織内に有るゾンデを利用して洗浄液による灌注によってまたは低圧の印加によって得られる技術に特に有利に適用することができる。
【0011】
付加的な機能性は、基準物質の測定値の上方および/または下方に設定された閾値の超過時に誤動作が発信されることによって達成される。
【0012】
上記の方法による関連性において説明した長所は、同様にこの方法の実施のための関連する装置で達成され、これを引き合いに出すことができる。それに応じて装置に対し試液中の基準物質としての乳酸塩および/またはピルビン酸塩の濃度の決定のためのセンサユニットが構成されることが考慮されている。
【0013】
その他の変形態様または組合せとして、評価ユニットがグルコースに対する再検出率(RGLU)をイオン基準物質に対する再検出率(RREF)との非線形関係から決定し、かつグルコース測定値をそれによって補正する評価プログラムを有することが提案される。
【0014】
以下、本発明は図面に示した実施例を利用してより詳しく説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1による測定配列は、本質的に試液の採取のための皮下組織内に挿入可能のゾンデ10と、試液中の内容物質の検出のためのセンサ装置12と、センサ信号の処理および測定経過の制御のための評価−および対照ユニット14と、必要であれば測定結果の表示もしくは転送のための出力ユニット16およびインタフェース18とから構成される。ゾンデ10は試液の採取のために自体公知の方法で灌流液を供給され(微量透析、微量灌注)または低圧下に置くことができる(限外濾過)。
【0016】
図2に連続試料採取および測定データ検出のための微量透析システムがより詳しく具示されている。微量透析ゾンデ10は組織20内に有る二重内径膜カテーテル22を有する。これは導管24を介して灌流液28により液体容器26から連続洗浄可能である。灌流液28は、たとえば生理食塩水溶液からなる。透析ゾンデ10の還流管30は蠕動ポンプもしくは回転配量ポンプ32を介して収集容器34に導通される。還流管30の中に貫流中で作動するゾンデ10の測定セル36が体外に配置されている。測定セル36は、たとえば電気化学測定を介して透析液中の求めている分析物、特にグルコースおよび基準物質もしくは対照物質の濃度を検出する。
【0017】
微量透析ゾンデ10の動作方式は図3からより詳しく読み取ることができる。カテーテル22はその遠位端の領域に組織20の中に埋め込まれる透析膜38を有し、その結果、流入路24に流入する灌流液によって半透過膜を通して細胞間組織からの内容物質40と共に搬送される。膜38の多孔率は、この場合、決定される代謝産物、特にグルコース、乳酸塩およびピルビン酸塩がほぼ抵抗なしに灌流液の中に到達できるように指定されており、他方より大きい分子が拘束される。これと異なり微量灌注の場合は膜が省かれ、かつゾンデ内部空間が壁貫通部を介して直接組織に結合される。両者の場合において採取された試液42は、導管24の流出開口部に対して元に戻した還流路30の近位開口部を介して吸引される。
【0018】
しかしながら様々な状況、特に局所的変化および輸送抵抗ならびに灌流率のために透析液もしくは浸出液中のグルコース濃度は組織液のグルコース含量と等しくはならない。この場合に除去対策を講ずるために、センサユニット10は測定を誤らせる効果の補償を実施できるようにするため、内生基準物質もしくは対照物質の付加的な濃度を決定する評価ユニット14と組み合わせて構成されている。この場合、公知のテストを利用してスポット測定によって算出できる毛管血中のグルコース濃度が「黄金標準」とみなされる。
【0019】
一態様は試液中のピルビン酸塩に対する乳酸塩の濃度比を利用するグルコースに対する測定値の補正に関する。この場合の背景は、図4に大幅に簡略化して具示したように、組織細胞中のグルコース処理である。糖分解によってグルコースは再び高いエネルギー収率を有する好気プロセスに使用できるピルビン酸塩に分解され、酸素と共に水と反応し、かつATPを形成する可能な限り多い水素原子が(NADH/H+およびFADH2の形態で)得られる(クエン酸サイクル)。嫌気性条件下に競合する代謝経路でピルビン酸塩が乳酸塩に分解される。このプロセスはより少ないエネルギーを供給し、その結果、そのエネルギー需要をカバーするために細胞が局所的により多くのグルコースを処理しなければならない。以下より詳しく説明する補償方法は、体内の一般的なグルコース濃度がゾンデの環境における局所的濃度よりも大きいことを暗示する例外的場合があるという思想に基づいている。このような局所的な変化は、たとえばゾンデの挿入によってまたはゾンデ移動によって組織中に発生し得る。
【0020】
図5は提案された補償曲線と組み合わせた測定線図を示す。試液中のピルビン酸塩に対する乳酸塩の比について平行に測定された試液および血液に対するグルコース値の偏差もしくは差異がプロットされている。この補償の目的は、血中の値に対する偏差を最小限にすることである。このために、乳酸塩/ピルビン酸塩の濃度比が10:1および20:1の間で線形補正が実施され(曲線区間44)、かつ濃度比20:1以上からグルコースに対する測定値が定数によって補正される(曲線区間46)ように評価ユニット内で補正計算が実施される。この定数は図5から直接区間46の横座標値の量によって生じる。
【0021】
図6は基準物質として乳酸塩を単独で考慮に入れた場合の提案された補償曲線との組合せによる測定線図を示す。試液中の乳酸塩含量について平行に測定された試液および血液のグルコース値の偏差もしくは差異がプロットされている。血液中の値に対する偏差を最小限にするために、リットルあたり1.3および2.5ミリモルの間の乳酸塩含量で線形補正が実施され、他方この選択された平均範囲を超えるより高い乳酸塩含量の値でグルコースの測定値が定数によって補正される。この定数は図6から再びより高い領域の補償直線の横座標値の量によって生じる。
【0022】
限外濾過の場合、膜ゾンデ10への灌流液の供給なしに吸引ポンプまたは吸引シリンジを利用して低圧が印加され、それによって間質組織液が吸引管に到達し、かつセンサ12へ輸送される。カテーテルの半透過膜は、小さい分子が液体によって通過分散し、それによって組織液から分離された試液を生成することのみを可能にする。この場合もグルコース濃度の局所的変化を生じ、かつ試液中の乳酸塩/ピルビン酸塩測定を利用して補正できる組織中の損傷に限定された反応が生じ得る。
【0023】
図7は限外濾過を利用して得た測定値を示し、再びピルビン酸塩に対する乳酸塩の比について血中の比較測定に対する検出された試液中のグルコース値の差異が縦座標としてプロットされている。点線の補正曲線48は図5について上述した補償に相当する。実線50にしたがって、たとえば10:1および30:1の間の乳酸塩/ピルビン酸塩の濃度範囲での線形補正のみが実施されることも可能であり、この補償曲線の勾配は測定値への適合によって得られた。
【0024】
本発明のもう1つの態様にしたがって、試液中のグルコース値のほかに組織内で非常に一定に保持されたイオン、特にNa+イオンに対する測定値も内生イオン基準物質として検出される。この場合、組織液中のNa+がグルコース処理に関係なく広範囲に一定にとどまり、かつそれによって試液中のグルコースおよびナトリウムイオンの同時測定時に試料採取時の輸送−もしくは流れ抵抗への逆推論をすることができることを前提としている。再検出率としてこの関連性において組織液および試液中の各物質の濃度比が定義される。イオン基準補正のために評価ユニット14はグルコースに対する再検出率RGLUをイオン基準物質(Na+)に対する再検出率RREFとの非線形関係から決定し、かつそれによってグルコース測定値を補正する評価ルーチン部52を有する。
【0025】
特に評価プログラム52は次の関係式
1−RREF=(1−RGLUk (1)
(式中、kは1つの設定値である)からグルコースに対する再検出率RGLUを算出する。
【0026】
基準物質に対する再検出率RREFは試液中の基準物質に対する測定値と、組織液中の既知の一定の濃度値とからの比として算出される。
【0027】
式(1)の基礎は再検出もしくはリカバリーの非線形モデルを提供する:
Recovery=1−exp[−1/Q・Wges] (2)
式中、Qは灌注の流れ速度を表し、かつWgesは透析液、膜および組織の輸送抵抗の関数としての全抵抗を表す。
【0028】
式(2)からまず次式が続く:
1/ln(1−Recovery)=−QWges (3)
すなわち、対数変換は流れ速度の線形依存性をもたらす。
【0029】
ここで、ある特定の透析膜に対するグルコースおよびナトリウムの全抵抗比を表す係数kが求められている:
ges(Glucose)=kWges(Natrium)
この係数kはインビボ研究およびインビトロ−データを利用して割り算を利用する式(3)から評価することができる。
【0030】
係数kは抵抗の関数、つまり実質的に流速、膜および間質性質の関数である。
k=Wges(Glu)/Wges(Na)=ln(1−Recovery(Na))/ln(1−Recovery(Glu))
【0031】
インビボ研究は、膜および生理学的環境の影響(浸透性効果によって決定)もモデル化可能であり、かつリカバリーの付加的な補正を可能にすることを示している。
【0032】
kが知られているとき、リカバリー(グルコース)とリカバリー(ナトリウム)との間の関連性は式(2)から以下のように導くことができる:
1−Recovery(Na)=exp[−1/QWges(Na)]
=exp[−k/QWges(Glu)]
=exp[−1/QWges(Glu)]k
=[1−Recovery(Glu)]k (1)
【0033】
図8はNa+再獲得率についてのグルコース再獲得率の測定値を含む線図を示す。さらに再獲得率の比例関係(曲線54)および式(1)による補償曲線56が線図に示されている。比例もしくは線形の推移54が測定値によって確証されず、他方、補償曲線56が完全に二等分線の下方に正に曲がって推移し、それによって経験的測定を適切に記述することが明らかに識別される。
【0034】
したがって補償曲線56により再獲得の変動は、変化するNa+再獲得から出発してグルコースに対する値もそれに対応して補正されることによって補償することができる。様々な流れ速度を考慮に入れるため、補償曲線56は付加的な係数によって圧縮することができ、その結果、高いスループットに基づき100%の再獲得を達成できないことが考慮される。
【0035】
目的に応じてNa+は測定技術の偏差の補正に対する基準物質として、かつ乳酸塩/ピルビン酸塩は組織中の実際のグルコース濃度からの試液中のグルコースに対する測定値の局所的に限定された偏差の補正に対する基準物質として考慮される。
【0036】
機能性のもう1つの改善は、信号発生器による基準物質に対する測定値の閾値の超過時に測定配列の誤作動が発信されることによって達成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】グルコース決定のための測定配列のブロック図である。
【図2】測定配列としての微量透析システムの模式図である。
【図3】部分拡大図による図2にしたがった微量透析システムのゾンデである。
【図4】身体細胞内のグルコース処理の大幅に簡素化した反応概略図である。
【図5】乳酸塩/ピルビン酸塩補償曲線による微量透析検査の経験的測定データである。
【図6】乳酸塩/ピルビン酸塩補償曲線による微量透析検査の経験的測定データである。
【図7】限外濾過による検査のための図5に相当する測定線図である。
【図8】算出された補償曲線による微量透析を利用するグルコース−およびナトリウム再採取の測定線図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微量透析、微量灌注または限外濾過によって身体組織(20)から得られる試液(42)中のグルコースおよび内生基準物質に対する測定値が検出され、かつ基準物質に対する測定値にしたがってグルコースに対する測定値が補正される組織液(40)中のグルコース濃度の決定方法であって、乳酸塩および/またはピルビン酸塩の濃度が試液(42)中の基準物質として決定されることを特徴とする方法。
【請求項2】
試液(42)中のピルビン酸塩に対する乳酸塩の濃度比がグルコースに対する測定値の補正のために構成されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
好ましくは10:1および20:1の間で選択された範囲(44)におけるピルビン酸塩に対する乳酸塩の濃度比で線形補正が濃度比に応じて実施され、かつより高い範囲(46)において好ましくは濃度比20:1以上からグルコースに対する測定値が定数によって補正されることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
試液(42)中の乳酸塩がグルコースに対する測定値の補正のための基準物質として考慮され、選択された範囲における乳酸塩含量で線形補正が実施され、かつ乳酸塩含量のより高い範囲においてグルコースに対する測定値が定数によって補正されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
微量透析、微量灌注または身体組織(20)の限外濾過によって得られた試液(42)中のグルコースおよび内生基準物質に対する測定値が検出され、かつ基準物質に対する測定値にしたがってグルコースに対する測定値が補正される組織液(40)中のグルコース濃度の決定方法であって、グルコースに対する再検出率(RGLU)がイオン基準物質に対する再検出率(RREF)との非線形関係から決定され、かつグルコース測定値がそれによって補正されることを特徴とする方法。
【請求項6】
グルコースに対する再検出率(RGLU)が関係式
1−RREF=(1−RGLUk
(式中、kは1つの設定値である)にしたがって算出されることを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項7】
値kが組織液および試液(40、42)の間のグルコースおよび基準物質の移行に対する抵抗の比として好ましくは経験的に決定されることを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項8】
基準物質に対する再検出率(RREF)が試液(42)中の基準物質に対する測定値と、組織液(40)中の一定の濃度値とからの比として算出されることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
ナトリウム(Na+)が身体固有のイオン基準物質として考慮されることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
ナトリウム(Na+)が測定技術の偏差の補正に対する基準物質として、かつ乳酸塩および/またはピルビン酸塩が生体の組織中の実際のグルコース濃度からの試液中のグルコースに対する測定値の局所的に限定された偏差の補正に対する基準物質として考慮されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
試液(42)が組織内に有るゾンデ(10;22)を利用して洗浄液による灌注によってまたは低圧の印加によって得られることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
基準物質に対する測定値の上方および/または下方に設定された閾値の超過時に誤動作が発信されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
測定値がエクスビボで検出されることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
微量透析、微量灌注または限外濾過によって身体組織(20)から得られる試液(42)中のグルコースおよび内生基準物質に対する測定値の検出のためのセンサユニット(10)と、基準物質に対する測定値にしたがってグルコースに対する測定値の補正のための評価ユニット(14)とを有する、組織液(40)中のグルコース濃度の決定のための装置であって、試液(42)中の基準物質としての乳酸塩および/またはピルビン酸塩の濃度の決定のためのセンサユニット(10)が構成されていることを特徴とする装置。
【請求項15】
グルコースに対する測定値の補正のために、試液(42)中のピルビン酸塩に対する乳酸塩の濃度比の計算のための評価ユニット(14)が構成されることを特徴とする請求項14記載の装置。
【請求項16】
評価ユニット(14)が選択された範囲(44)におけるピルビン酸塩に対する乳酸塩の濃度比でまたは乳酸塩含量で濃度比に応じて線形補正を実施し、さらにグルコースに対する測定値を定数によって補正することを特徴とする請求項15記載の装置。
【請求項17】
微量透析、微量灌注または限外濾過によって身体組織(20)から得た試液(42)中のグルコースおよび内生基準物質に対する測定値の検出のためのセンサユニットと、基準物質に対する測定値にしたがってグルコースに対する測定値の補正のための評価ユニット(14)とを有する組織液(40)中のグルコース濃度の決定のための装置であって、評価ユニット(14)がグルコースに対する再検出率(RGLU)をイオン基準物質に対する再検出率(RREF)との非線形関係から決定し、かつグルコース測定値とそれによって補正する評価プログラム(52)を有することを特徴とする装置。
【請求項18】
評価プログラム(52)がグルコースに対する再検出率(RGLU)を関係式
1−RREF=(1−RGLUk
(式中、kは1つの設定値である)にしたがって算出することを特徴とする請求項17記載の装置。
【請求項19】
評価プログラム(52)が基準物質に対する再検出率(RREF)を試液(42)中の基準物質に対する測定値と、組織液(40)中の一定の濃度値とからの比として算出することを特徴とする請求項17または18記載の装置。
【請求項20】
基準物質に対する測定値の上方および/または下方に設定された閾値の超過時に信号発生器(58)によって誤作動が発信されることを特徴とする請求項17〜19のいずれか1項に記載の装置。
【請求項21】
身体固有のイオン基準物質がナトリウム(Na+)であることを特徴とする請求項17〜20のいずれか1項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−541028(P2008−541028A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−509379(P2008−509379)
【出願日】平成18年5月4日(2006.5.4)
【国際出願番号】PCT/EP2006/004179
【国際公開番号】WO2006/119914
【国際公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(501205108)エフ ホフマン−ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト (285)
【Fターム(参考)】