説明

組織異方性評価装置及び組織異方性評価方法

【課題】作業性が良好で且つ探触子配置場所が極力制限されることのない組織異方性評価装置及び方法を提供する。
【解決手段】縦波振動子4は直方体形状に形成されており、その上端側が負極性、下端側が正極性になるように磁化されている。そして、上端面と下端面との間に交流電源ACによる所定周波数の交流電圧が印加される。この電圧印加状態は所定周期で繰り返されるので、縦波振動子4には矢印方向に示す引張力及び圧縮力が交互に加わる。したがって、縦波振動子4は、縦波振動(z方向)に加えて、振動方向がそれぞれ0°(x方向)及び90°(y方向)の横波振動を発生する。それ故、粘性が低く作業性の良い縦波用接触媒質を用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動方向が異なる横波超音波のデータを用いて材料の組織異方性についての評価を行う組織異方性評価装置及び組織異方性評価方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
構造材料における組織異方性の存在は、機械的強度や耐食性など種々の特性に影響を及ぼすため、予め組織異方性の大きさを求めておくことが要求される。組織異方性の大きさを求める手法としては、例えば、横波超音波探触子を接触媒質を介して被検査材に接触させた状態で、振動方向が互いに直交する2つの横波超音波を送信し、その2つの横波超音波受信データから演算した各横波音速度に基づき組織異方性の大きさを求める手法(例えば、特許文献1)、あるいは電磁超音波探触子により、接触媒質を用いることなく、上記と同様に、振動方向が互いに直交する2つの横波超音波を送信し、その2つの横波超音波受信データから演算した各横波音速度に基づき組織異方性の大きさを求める手法(例えば、特許文献2)などがある。
【0003】
図6は、特許文献1と同様に、横波超音波探触子を横波用接触媒質を介して被検査材に接触させた状態で、横波超音波の送受信を行う従来装置の説明図であり、(a)は概略ブロック構成図、(b)は(a)のB-B矢視図である。
【0004】
被検査材101の上面に横波用接触媒質102を介して横波超音波用の送受信探触子103が配置されている。この送受信探触子103は横波送信波Sを被検査材101の内部に向けて送信し、横波送信波Sが被検査材101の底面に反射することにより生成した横波受信波Rを受信するようになっている。
【0005】
超音波送受信制御部104は、この送受信探触子103の超音波送受信動作を制御するものであり、送受信探触子103が送信及び受信した横波送信波S及び横波受信波Rの各データを、超音波データ処理装置106の組織異方性評価部105に送出するようになっている。
【0006】
次に、図6の従来装置を用いて行う組織異方性評価のための作業につき説明する。オペレータは、まず、送受信探触子103の先端部に、粘性の高い横波用接触媒質102を塗布し、この先端部を被検査材101の上面に強い力で押し付ける。そして、オペレータは、この押し付けを或る程度以上の時間行い、横波用接触媒質102の厚さが均一になった後に、超音波送受信制御部104の操作釦(図示せず)を操作して、送受信探触子103に横波送信波Sを送信させる。このときの横波超音波の振動方向は、図6(b)に示すような0°方向である。
【0007】
この横波送信波Sは被検査材101の底面で反射して横波受信波Rとなり、送受信探触子103により受信される。超音波送受信制御部104は、送受信探触子103が送信及び受信した横波送信波S及び横波受信波Rの各データを組織異方性評価部105に送出する。組織異方性評価部105は、送られてきたこれら横波送信波S及び横波受信波Rの各データを自己の記憶部に保持しておく。
【0008】
次いでオペレータは、図6(b)の矢印で示す方向に90°だけ送受信探触子103を回転させる。これにより、送受信探触子103が送受信する横波超音波の振動方向は0°方向から90°方向に変更される。この後オペレータは、上記と同様に操作釦を操作して、送受信探触子103に横波送信波Sを送信させる。送受信探触子103、超音波送受信制御部104、及び組織異方性評価部105の以降の動作も上記と同様である。
【0009】
図7は、送受信探触子103の送受信動作により得られる横波超音波の波形図であり、(a)は振動方向0°の横波超音波、(b)は振動方向90°の横波超音波を示している。図7(a)では、送信波S(0)が送信された後に1回目の受信波R1(0)が受信され、更にその後に2回目の受信波R2(0)が受信されているのが示されている。同様に、図7(b)では、送信波S(90)が送信された後に1回目の受信波R1(90)が受信され、更にその後に2回目の受信波R2(90)が受信されているのが示されている。そして、受信波R1(0)の受信タイミングと受信波R1(90)の受信タイミングとの間にはズレδが生じている。このズレδの大きさは、後述する音速度V(0)と音速度V(90)との比に反映される。
【0010】
送受信探触子103の送受信動作が終了した後、オペレータは超音波データ処理装置106を操作して組織異方性評価部105に評価のための演算を行わせる。
【0011】
すなわち、組織異方性評価部105は、先に自己の記憶部に保持していた横波送信波S及び横波受信波Rの各データを用いて、振動方向0°の横波超音波の音速度V(0)、及び振動方向90°の横波超音波の音速度V(90)を演算する。これらの音速度は、超音波の送信タイミング及び受信タイミングから超音波の伝播時間を求め、超音波の伝播距離(被検査材101の板厚の2倍)をこの伝播時間で除算すればよい。
【0012】
そして、組織異方性評価部105は、これら2つの音速度の比V(0)/V(90)を演算し、この値が1.02を超えていれば組織異方性は許容範囲を超えていると評価する。このような場合、被検査材101が構造材料として用いられているのであれば、交換や補修等の手当てが必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2004−294232号公報
【特許文献2】特開2005−77298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、図6の従来装置では、オペレータが、送受信探触子103の先端部に粘性の高い横波用接触媒質102を塗布した後、この先端部を被検査材101の上面に強い力で或る程度以上の時間押し付けていなければならないため、少なからぬ時間及び労力を強いられて極めて作業性の悪いものとなっている。
【0015】
一方、特許文献2に係る従来装置によれば、接触媒質が不要な電磁超音波探触子を使用しているので、オペレータは上記のような作業性の悪さからは解放される。しかし、この電磁超音波探触子は、接触媒質を用いる超音波探触子に比べて送受信効率が低く感度が悪いために、電磁超音波探触子のサイズを相当程度大形化しなければならない。この大形化のため、電磁超音波探触子を配置することが可能な場所がかなりの程度制限されてしまうという欠点を有していた。
【0016】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、作業性が良好で且つ探触子配置場所が極力制限されることのない組織異方性評価装置及び組織異方性評価方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するための手段として、本発明に係る組織異方性評価装置は、直方体形状の縦波振動子を有し、被検査材に対して縦波超音波及び横波超音波を縦波用接触媒質を介して送信する送信用探触子と、直方体形状の縦波振動子を有し、前記送信用探触子が送信した縦波超音波及び横波超音波の受信波を縦波用接触媒質を介して受信する受信用探触子と、前記送信用探触子の送信動作及び前記受信用探触子の受信動作を制御する超音波送受信制御部と、前記超音波送受信制御部から横波超音波の送受信データを入力し、振動方向が互いに直交する2つの横波受信波のデータを用いて前記被検査材の組織異方性について評価を行う組織異方性評価部と、を備えたことを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係る組織異方性評価方法は、直方体形状の縦波振動子を有する送信用探触子からの縦波超音波及び横波超音波を、縦波用接触媒質を介して被検査材に対して送信する工程と、直方体形状の縦波振動子を有する受信用探触子により、前記送信用探触子が送信した縦波超音波及び横波超音波の受信波を縦波用接触媒質を介して受信する工程と、前記送信用探触子及び前記受信用探触子の横波超音波の送受信データのうち、振動方向が互いに直交する2つの横波受信波のデータを用いて前記被検査材の組織異方性について評価を行う工程と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る組織異方性評価装置及び組織異方性評価方法よれば、縦波振動子の形状を直方体とすることによって、縦波超音波ばかりか横波超音波を発生させることができるので、粘性が低い縦波用接触媒質を用いることが可能になり、作業性を向上させることができ、また、探触子配置場所が極力制限されないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る組織異方性評価装置の説明図であり、(a)は概略ブロック構成図、(b)は(a)のB−B矢視図。
【図2】本発明の原理についての説明図であり、(a)は縦波振動子に対して或る極性の電圧が印加されている状態、(b)は縦波振動子に対して(a)とは反対の極性の電圧が印加されている状態を示す。
【図3】図1における送信用探触子3及び受信用探触子5の送信波及び受信波を示す波形図であり、(a)は受信用探触子5の位置が0°方向、(b)は受信用探触子5の位置が90°方向の場合を示す。
【図4】本発明の第1の実施形態の変形例の要部構成を示す平面図。
【図5】本発明の第2の実施形態の要部構成を示す平面図。
【図6】従来装置の説明図であり、(a)は概略ブロック構成図、(b)は(a)のB-B矢視図。
【図7】図6の従来装置により得られる横波超音波の波形図であり、(a)は振動方向0°の横波、(b)は振動方向90°の横波を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る組織異方性評価装置の説明図であり、(a)は概略ブロック構成図、(b)は(a)のB−B矢視図である。
【0022】
被検査材1の上面に縦波用接触媒質2を介して、直方体形状の縦波振動子4を有する送信用探触子3と、同じく直方体形状の縦波用振動子6を有する受信用探触子5とが所定距離だけ離間した状態で配置されている。送信用探触子3の縦波振動子4は横波送信波Sを被検査材1の内部に向けて送信し、受信用探触子5の縦波用振動子6は横波送信波Sが被検査材1の底面に反射することにより生成した横波受信波Rを受信するようになっている。
【0023】
送信用探触子3の超音波送信動作は超音波送信制御部7により制御され、受信用探触子5の超音波受信動作は超音波受信制御部8により制御されるようになっている。そして、超音波送信制御部7は送信用探触子3が送信した横波送信波Sのデータを、また、超音波受信制御部8は受信用探触子5が受信した横波受信波Rのデータをそれぞれ超音波データ処理装置10の組織異方性評価部9に送出するようになっている。なお、超音波送信制御部7からのデータに含まれる送信タイミング情報は超音波受信制御部8にも送出され、超音波受信制御部8はこれに基づき受信制御を行うようになっている。
【0024】
送信用探触子3及び受信用探触子5の平面的配置状態は図1(b)に示す通りであり、本実施形態では、受信用探触子5が当初は振動方向0°の位置に配置されている。そして、受信用探触子5は、振動方向0°の位置での受信動作が終了したら次に振動方向90°の位置(2点鎖線で図示)に移動された後、再度受信動作を行うようになっている。
【0025】
図2は、本発明の原理についての説明図であり、(a)は縦波振動子に対して或る極性の電圧が印加されている状態、(b)は縦波振動子に対して(a)とは反対の極性の電圧が印加されている状態を示している。
【0026】
図2(a),(b)に示すように、縦波振動子4は3軸直交座標のx,y,z方向とそれぞれ直交する平面を有する直方体形状に形成されている。これまで説明してきた横波の0°の振動方向及び90°の振動方向とは、それぞれx方向及びy方向のことである。また、z方向が縦波振動方向となる。
【0027】
縦波振動子4は、その上端側が負極性、下端側が正極性になるように磁化されており、上端面と下端面との間に交流電源ACによる所定周波数の交流電圧が印加される。図2(a)の電圧印加状態では、上端側が正、下端側が負となっているので、縦波振動子4にはz方向の引張力が働く。このz方向の引張力により、x方向には圧縮力、y方向には引張力が働く。
【0028】
そして、図2(b)の電圧印加状態では、上端側が負、下端側が正に切り換わっているので、縦波振動子4には今度はz方向の圧縮力が働く。このz方向の圧縮力により、x方向には引張力、y方向には圧縮力が働く。
【0029】
図2(a),(b)に示した縦波振動子4の電圧印加状態は所定周期で繰り返されるので、縦波振動子4は、縦波振動(z方向)に加えて、振動方向がそれぞれ0°(x方向)及び90°(y方向)の横波振動を発生させることが可能である。
【0030】
これに対し、通常用いられる縦波振動子は円柱形状に形成されている。したがって、横波振動は全周方向にわたって拡散されるので発生することはなく、縦波振動のみが発生するようになっている。但し、実際には、若干の横波振動の発生が認められることもあるが、これは円柱の断面形状が真円ではなくある程度の歪みを有しているためである。つまり、通常用いられる縦波振動子では、横波超音波の発生は好ましくない現象として極力排除されるべき対象と考えられている。
【0031】
本発明は、このように通常用いられる縦波振動子においては排除されるべき横波超音波を、振動子形状を直方体とすることによって積極的に利用しようとするものである。そして、本発明では、このように、縦波振動子により横波超音波を発生させることができるので、粘性が高く作業性の悪い横波用接触媒質を用いる必要がなくなり、粘性が低く作業性の良好な縦波用接触媒質を用いることが可能になる。なお、縦波用接触媒質には、水浸法における「水ギャップ」の水も含まれるものとする。
【0032】
次に、本実施形態に係る装置を用いて行う組織異方性評価のための作業につき説明する。オペレータは、まず、送信用探触子3及び受信用探触子5の各先端部に縦波用接触媒質2を塗布し、これらを被検査材1の上面に配置する。この縦波用接触媒質2は、横波用接触媒質とは異なり粘性が低いものなので、オペレータは従来装置のように先端部を強い力で或る程度以上の時間押し付ける必要はない。
【0033】
次いで、オペレータは、超音波送信制御部7及び超音波受信制御部8の操作釦(図示せず)を操作して、送信用探触子3に送信波Sを送信させると共に、受信用探触子5に受信波R(振動方向0°)を受信させる。超音波送信制御部7及び超音波受信制御部8は、これら送信波S及び受信波Rのデータを超音波データ処理装置10の組織異方性評価部9に送出する。組織異方性評価部9は、送られてきたこれら送信波S及び受信波Rの各データを自己の記憶部に保持しておく。
【0034】
上記のように振動方向0°の横波超音波のデータ収集処理が行われた後、オペレータは、受信用探触子5の位置を、図1(b)に示した振動方向0°の位置から振動方向90°の位置(2点鎖線)に移動させる。そして、再度超音波送信制御部7及び超音波受信制御部8の操作釦(図示せず)を操作して、送信用探触子3に送信波Sを送信させると共に、受信用探触子5に受信波R(振動方向90°)を受信させる。以降の動作は上記と同様である。
【0035】
図3は、送信用探触子3及び受信用探触子5の送信波及び受信波を示す波形図であり、(a)は受信用探触子5の位置が0°方向、(b)は受信用探触子5の位置が90°方向の場合を示している。この図に示されるように、探触子3,5の振動子4,6は直方体形状の縦波用のものを用いていることから、縦波及び横波の双方の受信波が検出されている。
【0036】
そして、受信波R1(0)の受信タイミングと受信波R1(90)の受信タイミングとの間にズレδが生じているのは図7の場合と同様である。また、組織異方性評価部9の評価・演算の内容は、既述した図6における組織異方性評価部105と同様なので重複した説明を省略する。
【0037】
なお、図3(a)と図3(b)とを対比してみれば明らかなように、送信波S及び縦波受信波Aの位置は上下いずれも同一位置である。したがって、(a)の信号を(b)の信号で除算処理すれば横波受信波のみを抽出することができ、演算を容易化することができる。
【0038】
以上のように、図1の構成によれば、送信用探触子及び受信用探触子の振動子に、直方体形状に形成した縦波振動子を用いることとしたので、粘性の高い横波用接触媒質に代えて粘性の低い縦波用接触媒質を用いることができ、作業性を大きく向上させることができる。また、探触子は送信用及び受信用の2つになっているので送受信兼用の探触子に比べれば大きくなっているが、電磁超音波探触子に比べれば充分に小さなものとなっており、探触子配置場所はそれほど制限されることはない。
【0039】
なお、本発明においても従来装置のように、探触子を送受信兼用とすることは考えられるところではあるが、本願の発明者の実験結果によれば、送信位置と受信位置との間をある程度離間させた方が縦波と横波との違いを明確に認識できるので、送信と受信とを別々の探触子とした方が好ましいことが判明している。
【0040】
図4は、上述した第1の実施形態の変形例の要部構成を示す平面図である。この変形例では、送信用探触子3及び受信用探触子5をホルダ部材11で固定することにより一つの組立体として構成している。
【0041】
図1(b)の構成の場合、オペレータは、振動方向0°の横波超音波のデータ収集処理が終了した後、受信用探触子5の位置を振動方向90°の位置に配置変更する場合に、送信用探触子3と受信用探触子5との間の距離が変わらないように離間距離を正確に測定する必要がある。しかし、このような場合、図4の構成によれば両探触子間の離間距離は固定されているので、送信用探触子3を中心として組立体を90°回転させるだけでよい。したがって、オペレータは、振動方向0°の横波超音波のデータ収集処理の終了後に、速やかに振動方向90°の横波超音波のデータ収集処理を開始することができる。
【0042】
図5は、本発明の第2の実施形態の要部構成を示す平面図である。この実施形態では、縦波用振動子6Aを有する第1の受信用探触子5Aを振動方向0°の位置に配設すると共に、縦波用振動子6Bを有する第2の受信用探触子5Bを振動方向90°の位置に配設しておき、これらを送信用探触子3と一緒にホルダ部材12で固定することにより1つの組立体として構成している。
【0043】
この図5の構成によれば、図4の構成のように組立体を回転させる必要もなく、しかも、振動方向0°の横波超音波のデータ収集と振動方向90°の横波超音波のデータ収集とを同時に行うことができるので、作業性を大幅に向上させることが可能になる。
【符号の説明】
【0044】
1:被検査材
2:縦波用接触媒質
3:送信用探触子
4:縦波振動子
5:受信用探触子
6:縦波用振動子
7:超音波送信制御部
8:超音波受信制御部
9:組織異方性評価部
10:超音波データ処理装置
11,12:ホルダ部材
S:送信波
R:受信波

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直方体形状の縦波振動子を有し、被検査材に対して縦波超音波及び横波超音波を縦波用接触媒質を介して送信する送信用探触子と、
直方体形状の縦波振動子を有し、前記送信用探触子が送信した縦波超音波及び横波超音波の受信波を縦波用接触媒質を介して受信する受信用探触子と、
前記送信用探触子の送信動作及び前記受信用探触子の受信動作を制御する超音波送受信制御部と、
前記超音波送受信制御部から横波超音波の送受信データを入力し、振動方向が互いに直交する2つの横波受信波のデータを用いて前記被検査材の組織異方性について評価を行う組織異方性評価部と、
を備えたことを特徴とする組織異方性評価装置。
【請求項2】
前記受信用探触子は、最初に前記送信用探触子からの振動方向0°又は90°のうちのいずれか一方の横波超音波の受信波を受信する位置に配置され、その後に他方の横波超音波の受信波を受信する位置に配置されるものである、
ことを特徴とする請求項1記載の組織異方性評価装置。
【請求項3】
前記受信用探触子は、前記送信用探触子からの振動方向0°及び90°の横波超音波の受信波をそれぞれ受信する第1及び第2の受信用探触子により構成されるものである、
ことを特徴とする請求項1記載の組織異方性評価装置。
【請求項4】
直方体形状の縦波振動子を有する送信用探触子からの縦波超音波及び横波超音波を、縦波用接触媒質を介して被検査材に対して送信する工程と、
直方体形状の縦波振動子を有する受信用探触子により、前記送信用探触子が送信した縦波超音波及び横波超音波の受信波を縦波用接触媒質を介して受信する工程と、
前記送信用探触子及び前記受信用探触子の横波超音波の送受信データのうち、振動方向が互いに直交する2つの横波受信波のデータを用いて前記被検査材の組織異方性について評価を行う工程と、
を備えたことを特徴とする組織異方性評価方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−175337(P2010−175337A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−17015(P2009−17015)
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】