説明

経皮治療システムまたは投与のフィルム様形態のための小児に安全な個別用量包装体

本発明は、はぎとることができる封止端部袋の形態の、経皮治療システムまたは投与のフィルム様形態のための個別用量包装、ならびに、互いの上に配置され、その少なくとも1つの包装材要素が、低い引裂伝播抵抗を有する引裂抵抗を有する包装材料から製造されている2つの包装材要素を含む、それを製造するための材料節約方法であって、包装された品目の周囲に導かれる連続的な封止シームによって接続されて封止端部袋を形成する両方の包装材要素が、封止端部を越えて伸びる封止端部袋の一方の端部においてタブを含むことを特徴とする、前記方法に関する。タブは、実質的に封止端部袋の半分の幅であり、封止端部から外方に向くその端部において封止領域を含み、ここでそれらは互いに接続されており、ここで包装材要素の少なくとも1つは、タブの領域における包装材料を部分的に引き裂くための構造を有し、タブは互いに封止されないようになっており、ここで包装材料を部分的に引き裂くための構造は、包装体の端部と接触していない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経皮治療システムのための、または、容易に開けることができるが、しかしチャイルドレジスタントなフィルムタイプまたはシートタイプの剤形のための、単位用量包装体に関する。
本発明はさらに、本発明の単位用量包装体を製造する方法を含み、前記方法は、材料の効率的な使用によって特徴づけられる。
【背景技術】
【0002】
医薬を、単回投与として仕切って包装して、所望の時点において、1回の投与するべき所定の用量の薬剤を服用し、意図しない複数回投与を防止することができることを確実にしなければならない。さらに、医薬を、それらの生産の後に保管する間、有害な環境的影響から保護して、医薬の品質を維持しなければならない。容器が、それぞれの投与を意図して医薬を取り出すために繰り返し開けられることから、不注意に余分な医薬単位が包装体から取り出される事態が生じ得るため、複数の医薬単位を含む容器は、これらの要件を満たさない。さらに、これらの容器の内容物の全体的な貯蔵安定性は、例えば容器の各々の開放に付随して発生する湿気または酸素による、医薬単位に対する機械的および/または化学的ストレスによって低下する。医薬または薬剤が機械的および/または化学的ストレスに応答する感度が高いほど、安定性に対する悪影響は大きくなる。
【0003】
医薬の包装体における他の必須の観点は、個人を意図的でない自己治療から保護することに関する安全性である。彼らの天性の好奇心のために、小児は特に、包装体を、それらを開ける挑戦として見る、したがって彼らは、彼らに対して危険をもたらす物質を意図せずに露出させ得る。この理由によって、医薬包装体を、それらを意図せずに、特に小児によって開けることができないように構成しなければならない。
【0004】
他方、特に医薬の包装体を含む包装体は、例えば高齢者が、困難なく彼らの医薬を利用することができるように、開けるのが容易でなければならない。小児に安全であるが高齢者に優しい、即ち開けるのが容易な包装体は、包装技術者にとって相互に排他的に見える問題となる。
開けるのが容易であるが、チャイルドレジスタントな包装体を提供するための提案は、従来技術から知られている。
【0005】
公開された出願EP 1 626 010 A1には、製品の周囲を包み、長手方向の側部の、ならびに対向する端部の重複部分において封止し、製品のための空隙を形成するようにした、柔軟なフィルム製の柔軟な包装が開示されている。柔軟なフィルムは、本質的に引裂抵抗を有するが、各々の包装体は、柔軟なフィルムを手によって部分的に引き裂き、包装体を開けることを可能にする、良い位置に、局所的に定められた弱化領域を有する。
【0006】
公開された出願US 2006/0138016 A1は、包装材料ウェブが、包装しようとする品目を受ける役割を果たす少なくとも1つの凹部、および凹部の縁部において封止された、重ねられた封止ウェブを備え、該封止ウェブが、包装材料ウェブに対して外側から圧力を加えた際に、包装された品目がそれを介して押されるのを防止する強度を有する、毒物混入防止包装体に関する。各々の個包装体は、封止ウェブを、包装体の鋭い角で穿孔することができ、したがって包装された品目を取り出すことができるように、包装体の角を内側に折ることができる、弱い2つの平行の線を有する。
【0007】
個々の上記で対処した問題の解決法は、従来技術において記載されている。したがって、公開された出願DE 10 2004 047 445 A1には、健康に危険である製品のための非再密閉形包装が開示されており、それは、重ねて位置する2つの包装材要素を有する;端部において、2つの包装材要素が互いに取り外し可能に連結されている、第1の表面部分;全側部において密閉され、2つの包装材要素の間に形成され、同時に包装された物品を収容する役割を果たす、少なくとも1つの空隙;および前記第1の表面部分の外側に位置するか、またはそれに隣接されており、その端部において、2つの包装材要素が互いに取り外し可能に連結されている、第2の表面部分を有する。2つの包装材要素の少なくとも1つは、第2の表面部分の内側に延び、包装材要素(1つまたは2つ以上)が引き裂かれるのを可能にする少なくとも1つの構造を備えている。
【0008】
公開された出願US 2006/0023976 A1には、1または2以上の用量の医薬を含むための剥離可能な小袋であって、2つの包装材料ウェブが、その縁部において互いに封止されており、封止縁部の領域において、折り重ね線によって交差される引裂促進表面構造を備えている、前記剥離可能な小袋が記載されている。袋の縁部を、折り重ね線に沿って折り曲げて、前記表層構造においてそれを引裂き、したがって袋を開けるのを可能にしなければならない。
【0009】
DE 10 2006 041 921 A1には、活性物質を含むフィルムのための包装体であって、当該包装が、後者に解放可能に接続されている担体層および被覆層を含み、それが互いに反対側にあり、ウェブによって互いから分離されており、対になった配置において2つの表面領域を有し、その内部で、被覆層が担体層に接続しておらず、その結果互いに分離しており、全側部において包囲される2つの空間が、前記フィルムを対に受けるために形成される、前記包装が記載されている。前記ウェブ内には、他の表面領域があり、当該他の表面領域において、担体層は被覆層に接続しておらず、その結果全側部において包囲されている中空の空間が形成する。ウェブ内に、少なくとも1つの穿孔線がある。
【0010】
DE 10 2004 047 445 A1、US 2006/0023976 A1およびDE 10 2006 041 921 A1から知られているフィルム包装体において、包装された商品を有害な化学的影響から同時に保護するチャイルドレジスタント包装体を提供する課題は、各々が薄いアルミニウム層を含む、2つのフィルム製であり、袋がヒートシールすることによって製造される、剥離可能な袋を用いることによって解決される。これらのフィルム包装体は、横方向に適用された切れ目を含むが、それは、袋自体の側面を通過しない。その結果、当該袋を、切れ目の中心において90°を超えるある角度にて折り曲げて、引裂ノッチを袋の端部側において作成しなければならない。これによって、把持のための開放補助が露出し、それによって、袋の2つのフィルムを、互いから剥離することができる。
【0011】
フィルムタイプの、またはシートタイプの医薬/剤形を包装することは、フィルムおよびシートが化学物質(湿気、酸素)および機械的応力に影響されるため、特別な挑戦である。所要の保護効果を有する包装体を製造するために、高い機械的耐荷重を有し、ガスおよび湿気がある場合は低い透過性を可能にするに過ぎない、いわゆる「高バリア(high-barrier)フィルム/箔」を、包装材料として利用しなければならない。これらのフィルムの欠点は、それらが高価であることである。さらに、フィルムタイプまたはシートタイプの医薬形態の表面積は、経口用途(錠剤、被覆錠剤、カプセル、トローチ剤など)のための他の医薬形態と比較して、極めて大きい。
【0012】
フィルムタイプまたはシートタイプの剤形のために必要な包装体は、表面積に関連して、剤形自体よりも大きい;さらに、包装材料フィルムが、フィルムタイプまたはシートタイプの剤形の上側および下側を共に被覆しなければならないことを、考慮しなければならない。その結果、表面積に関して、用いなければならない包装材料の量は、包装された製品の材料の2倍より多い。包装体の費用対製品の費用の不利な比率は、個別に包装されたフィルムタイプまたはシートタイプの剤形についてはほぼ回避不能であり、その結果最終製品についての費用は、所望されるよりも高い。
【0013】
個別のフィルムタイプまたはシートタイプの剤形の包装が、医薬に提供される保護に関する要求を満たすが、それは、必要な材料消費が高く、対応する包装体を比較的ゆっくりと製造することができるに過ぎないため、実際問題として実現するのが極めて高価であるという欠点を有する。DE 10 2006 041 921 A1に開示されている対にするアプローチを用いて、製造コストを、機械運転時間および材料消費の低減により低下させることができ、それは真実であるが、このアプローチの欠点は、チャイルドレジスタント包装体が、対のフィルム(フィルムタイプの剤形)を包装する場合にのみ可能であることである。
【0014】
チャイルドレジスタントな密閉を開けて1つの剤形を露出させることによって、他の剤形は尚化学的に不浸透性の方式で包装されたままにするが、包装体はもはやチャイルドレジスタントではない。この理由によって、DE 10 2006 041 921 A1による包装体の使用は、第1の単回投与の摂取と第2の単回投与の摂取との間隔が過度に長くない場合にのみ適切である。
【発明の概要】
【0015】
本発明の目的は、フィルムタイプまたはシートタイプの剤形の形態で存在する単回投与のための、および経皮治療システム(TTS)のための、開けるのが容易であるがチャイルドレジスタントな包装体であって、当該包装体を、既知の包装と比較してより容易に、かつより安全に取り扱うことができ、より低コストにて、および/またはより少量の材料を用いて製造することができる、前記包装体を提供することにあった。
【0016】
この目的は、ピールオープンタイプの側部が封止された袋であって、当該袋が、非対称に配置された把持およびピールオープン補助を有し、低い引裂伝播抵抗を有する封止可能であり、引裂抵抗を有する包装材料を用いて製造される、前記袋の形態の非再密閉形包装体によって解決される。把持補助は、小児の安全装置として、即ち包装体の意図的でない開放に対する予防手段として機能し、包装体を連続的に製造することができ、一方の包装が他方に続き、これに隣接され、したがって原料を節約するように構成されている。
【0017】
本発明の側面を封止した袋の把持および引裂開放補助は、対にした際に表面が相補的な(surface-complementary)タブを形成する。これは、2つの適合する側面を封止した袋のタブを、表面が相補的な方式で補完し、並んで配置して、四角形の表面領域、即ち長方形または正方形の表面領域を形成することができることを意味する。これを、非対称に、かつ偏心させて側面を封止した袋にタブを配置することによって達成することができる。
【0018】
側面を封止した袋を製造するための包装材料は、好ましくはガスおよび湿気に対して低い透過度を有する包装材料である。
【0019】
多層構造を有する包装材料は、包装材料によって果たすべき種々の機能を提供するのに特に適する。個別の層を組み合わせて好ましくは積層体の形態の複合材料を形成したこれらの包装材料において、包装材料の個別の層は、1つまたは2つ以上の機能を果たす。しかし、これらのフィルム/シートまたは箔が、少なくとも包装材料の必要な機能のすべてを果たすことができる場合には、本発明の包装体について、単層構造のフィルム/シートまたは箔もまた、包装材料として用いてもよい。
【0020】
側面を封止した袋は、2つの包装材要素、即ち、互いの上に存在する第1の包装材要素および第2の包装材要素からなる;その間に、包装された物品、例えば経皮治療システムまたはフィルムタイプの、もしくはシートタイプの剤形が配置されている。包装された物品は、周縁の、および連続的な、即ち2つの包装材要素間の連続した封止シームによって包囲される。
【0021】
本発明の側面を封止した袋の包装材要素のための包装材料は、引裂抵抗を有し、同時に低い引裂伝播抵抗を有する。包装体の引裂抵抗のために、手によって、即ち補助手段、例えばはさみ、ナイフまたは歯を用いずに包装体を引き裂いて開けることは、可能ではない。
【0022】
しかし、既存の引裂を拡張し、引裂の伝播を、所定の弱められた位置において、例えばノッチにおいて達成して、手によるさらなる引裂が補助手段を伴わずに可能であるようにすることができる。
【0023】
包装材料の引裂抵抗は、少なくとも20N、好ましくは少なくとも50Nおよびより好ましくは少なくとも70Nである。好ましくは、包装材料の引裂抵抗は、包装体を形成する相互に連結した包装材要素にて測定して2000Nより低く、より好ましくは150Nより低く、尚より好ましくは100Nより低い。
【0024】
包装材料の引裂伝播抵抗は、過度に低くてはならない。その理由は、これが、包装された商品の十分な保護がもはや保証され得ず、上述の把持補助が包装体を開ける際に引きちぎられる危険性があることを意味するからである。これを、単純な実験によって決定することができる。包装材料の引裂伝播抵抗は、包装体を形成する2つの相互に連結した包装材要素にて測定して、10Nより低く、好ましくは2Nより低く、より好ましくは1.5Nより低く、好ましくは0.5Nより高い。
【0025】
包装材料の引裂抵抗および引裂伝播抵抗を、引裂抵抗試験のための試料ホルダー(タイプNo.00740)(例えばFRANK Pruefgeraete GmbH, D-69488 Birkenauから入手できる)を用いて、既知の引張試験機によって決定することができる。
【0026】
包装材料における引裂伝播を可能にするかまたは容易にするために、引裂抵抗は、引裂伝播抵抗の倍数である。引裂抵抗対引裂伝播抵抗の比率は、2つの相互に連結した包装材要素の引裂抵抗および引裂伝播抵抗に対して、好ましくは2:1〜200:1の範囲内、より好ましくは50:1〜150:1の範囲内にある。
【0027】
上述の特性(引裂抵抗、引裂伝播抵抗)を有する包装材料は、当業者に知られている;それらは、好ましくはフィルムもしくは箔タイプ、プラスチック、金属(例えばアルミニウム)または前述の材料の複合材料製の柔軟な材料である。特に好適な包装材料は、ポリエステルフィルムである。フィルムまたは箔タイプの材料として、単層のフィルムまたは箔および2層の、または多層の積層体を、共に用いてもよい。プラスチック材料として用いるのに適するのは、特に、単独で、または組み合わせて以下の材料である:ポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート)、ポリエチレン(例えばHDPE、LDPE)、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリカーボネート、酢酸セルロース。フィルムまたは箔タイプの材料の厚さは、好ましくは5〜300μm、より好ましくは50〜200μmの範囲内にある。
【0028】
他の好ましいフィルム材料は、Barex(登録商標)(BP Chemicals)というアクリロニトリルおよびブタジエンのコポリマーである。その良好な遮断性および耐薬品性のために、それは、刺激性および/または揮発性の活性剤、例えばニコチンの内容物を有する医薬を包装するのに特に適する。
【0029】
本発明の包装体のための包装材料は、封止可能であって、2つの包装材要素を、好ましくはヒートシールによって、しかしまたすべての他の好適なヒートシール方法またはコールドシール方法、例えば超音波シール、レーザーシール、または当業者に知られている類似のフィルム溶接方法によって、互いに溶接することを可能にしなければならない。
【0030】
好適な封止可能な材料は、製品が外部の環境的要因から保護されるのを確実にするために、湿気および空気に対して化学的に不浸透性でなければならない。同時に、封止の後に、これらの材料によって、2つの包装材要素の接続を、包装体を開けるための低い引裂開放力を加えることによって解くのが可能になることが、必要である。
【0031】
好ましい態様において、包装材料は、製品に面する封止可能な層を有する。そのような封止可能な層は、ポリエチレンをベースとしており、商業的に入手できる。例は、Amcor Flexibles社によって販売されているCore-Peel(登録商標)技術、および包装材料の多くの製造業者、例えばDanapak、Huhtamaki、AlcanまたはKloecknerの各社によって販売されている類似のポリエチレンをベースとする材料である。
【0032】
上述の取り外し可能な接続は、好ましくは封止シームまたは封止エリアによって形成され、そのために剥離可能なフィルムラッカー(剥離ラッカー)またはホットメルト接着剤を、シール媒体として利用してもよい。好適な封止用化合物および封止方法は、当業者に知られており、例えばLDポリエチレンまたはエチレン−酢酸ビニルコポリマーをベースとする封止用化合物である。
【0033】
封止シームまたは封止エリアは、好ましくは0.1mm〜10cmの幅、より好ましくは1mm〜2cmの幅および尚より好ましくは2mm〜8mmの幅を有し、それらは、好ましくは包装材要素の長さまたは幅全体にわたる。特に露出した位置において、封止シームの幅はまた、より大きくてもよい。包装体の開放をさらに妨げるために、封止シームの少なくとも一方は、他方の封止シームよりも大きい幅を有してもよい。
【0034】
容易に分離可能な封止を剥離して開けるための引裂開放力は、1〜50N/15mmの封止シームの幅の範囲内、好ましくは3〜20N/15mmの範囲内にある。これは、封止シームまたは封止エリアが、好ましくは1N/15mm〜50N/15mmの範囲内、好ましくは2N/15mm〜20N/15mmの強度(=封止強度)を有することを意味する。
【0035】
1つの好ましい態様において、包装材料は、ガスおよび湿気に対して不透過性であるかまたはほとんど不透過性ではなく、即ちそれは、ガスおよび湿気についての低い透過度を有する。好ましくは、包装材料は、アルミニウム含有フィルムの形態の高バリア層を含む。しかし、包装材料はまた、すべての他の高バリアフィルムを含んでいてもよい。Honeywell社から商標名Aclar(登録商標)の下で商業的に入手できる、ポリクロロフルオロエチレン(PCTFE)製のフィルム、Ticona社によって商標Topas(登録商標)の下で販売されている、環状オレフィンコポリマー(COC)製のフィルム、およびセラミックSiOまたはAlOコーティングを有するポリエチレンテレフタレートフィルムを、ここで例として述べる。
【0036】
2つの包装材要素は、同一であるかまたは異なる材料製であり得る。好ましくは、2つの包装材要素の少なくとも1つは、透明な材料(例えば透明なプラスチックフィルム)からなる。
【0037】
本発明はさらに、一方の包装材要素または両方の包装材要素が同一の着色を有する態様を含む;これらの着色の各々は、透明な、または不透明な着色であり得る。例えば、2つの包装材要素の1つは、紙(または板紙)のプラスチックとの複合材料(例えばポリエチレンで被覆された、またはポリエチレンテレフタレートで被覆された紙)製であり得、第2の包装材要素は、透明な、無色の、または着色されたプラスチックフィルム製であり得る。空気、光および水蒸気に対する透過性を低下させるために、担体層または/および被覆層の少なくとも1つの表面が金属で被覆されている(例えばアルミニウムで被覆されている)場合が、有利である。
【0038】
1つの特定の態様において、側部が封止された袋の包装材要素の少なくとも1つは、延伸された材料、即ち一軸延伸された材料を含む包装材料である。一軸延伸材料を用いる場合には、低い引裂抵抗は、把持タブに対して横に向く。小児に安全なデバイスを分離するための引裂の方向が、より弱い引裂伝播抵抗の方向にある場合には、小児に安全なデバイスを分離することを、それによって容易にすることができる。
【0039】
特に好ましい包装材料の例は、一軸延伸ポリプロピレン(厚さ50μm〜70μm)、アルミニウム(厚さ9μm〜20μm)およびポリエチレン(厚さ20μm〜100μm)の複合材料である。
【0040】
本発明の側部が封止された袋の独特の特徴は、2つの包装材要素の各々におけるタブの構成にあり、当該タブは、把持補助としての役割を果たし、2つの包装材要素を別個に捕らえるのを可能にし、それを伴わずに、包装体を開けることは、成功し得ない。その理由は、包装材料の引裂抵抗がこれを防止するからである。
【0041】
この把持補助は、表面が相補的なタブである。これは、2つの適合する側部が封止された袋のタブを表面が相補的な方式で補完し、並べて配置して、四角形の表面領域を形成することができることを意味する。
【0042】
本発明の包装体を、以下で図面を参照して説明する。前記図面は、本発明を例示する役割を果たすに過ぎないが、いかなる方法においても、本発明をその中に示されているものに限定しない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は、本発明の単位用量包装体の好ましい態様を平面図で示す。
【0044】
【図2】図2Aは、本発明の単位用量包装体の好ましい態様の、開く前の前方端部を示す。図2Bは、図2Aの単位用量包装体の領域を示し、タブの上方の右の角は、図2Aに示す線A−A’に沿って折られており、包装材料の部分的な引裂のための構造によって、当該包装材料が線B−B’に沿ってさらに引き裂かれるのが可能であるようになっている。
【0045】
図2Cは、図2Aの単位用量包装体の領域を示し、タブは、図2Aに示す線B−B’に沿って、包装材料の部分的な引裂を可能にする構造において部分的に引き裂かれている。図2Dは、小児に安全なデバイスが引きちぎられ、したがって把持補助としての役割を果たす包装材要素の2つのタブが露出した後の、図2Aの単位用量包装体の領域を示す。
【0046】
【図3】図3Aは、従来技術から知られている、包装体を開けるのに必要である分離力を例示し、前記包装体は、側部が封止された袋の幅全体にわたる把持補助を備えている。図3Bは、従来技術から知られている、包装体を開けるのに必要である分離力を例示し、ここで把持補助に向けられる封止シームは、V形状で構成される。図3Cは、側部が封止された袋の半分の幅にわたる非対称の把持補助を有する、本発明の包装体を開けるのに必要な分離力を例示する。
【0047】
【図4】図4は、ウェブ材料からのその連続的生産の間の本発明の単位用量包装体の配置の草案である。
【図5】図5A〜5Dは、表面が相補的なタブの種々の態様を例示する。
【図6】図6は、2つの単位用量包装体の対の配置において観察される点対称の原理を例示する1対の包装体を示す。
【0048】
本発明の包装(1)は、2つの包装材要素(11、12)で製造されている側部が封止された袋であり、互いの上にあるように配置されており、その1つの包装材要素は被覆層を形成し、他方の包装要素は支持体を形成し、その間に、包装された製品(5)、好ましくは経皮治療システムまたはフィルムタイプもしくはシートタイプの剤形が配置されている。2つの包装材要素は、包装された品目(5)が周縁を、連続的に封止縁部(3)によって包囲されているように、互いに封止されている。このように、包装された品目を含む、全側部において閉鎖された区画(4)が形成される。
【0049】
側部が封止された袋(1)は、前方端部(8)、後方端部(9)および2つの好ましくは平行の横端部(10、10’)を有する。
重ねて配置されており、封止縁部(3)によって相互に接続されている、2つの包装材要素(11、12)の各々の1つは、以下において前方端部として言及する封止縁部の当該側部に、前記前方端部に位置する封止縁部(3)を越えて非対称に突出する縁部のタブ(2)を有する。
【0050】
2つの包装材要素のタブ(2)は、側部が封止された袋の実質的に半分の幅である。その一方の半分において前方封止縁部(3)によって形成されており、その他方の半分においてタブ(2)によって形成される、本発明の単位用量包装体の前方端部(8)は、Sの形状に、またはS字状に、角を有して、斜めにまたは対角線上に伸びていてもよい。
【0051】
タブを、表面相補的であるように構成し、その結果適合する側部が封止された袋の2つのタブを、対にすることによって並んで補完し、配置して、四角形の表面領域を形成するようにすることができる。
【0052】
2つの包装材要素の重ねられたタブは、封止縁部(3)から外方に向くその端部において、当該領域においてタブの幅全体にわたる小片中で互いに封止されている。この封止領域(6)は、本発明の包装体のチャイルドレジスタントなデバイスの必須の構成要素を構成する。
【0053】
包装体のチャイルドレジスタント品質を、包装体を引き裂いて開けるのに必要な把持補助として機能するタブを、小児に安全なデバイスを越えることによってのみ露出させることができるという事実によって達成する。この安全デバイスは、タブを形成する包装材要素の2つの領域が、それらを封止領域(6)中に封止するために、互いに容易に分離することができないことにある。包装材料の引裂抵抗のために、チャイルドレジスタントデバイスを引きちぎる、即ち封止領域(6)を手によって取り外すことは、可能ではない。
【0054】
把持補助の露出を、タブを線A−A’に沿って折った後に後部の封止(6)を引きちぎることによって行い、前記線A−A’は、包装材料を部分的に引き裂くための構造(7)を通して、2つの包装材要素が互いに封止されないタブの領域中の2つの包装材要素の少なくとも1つ中に伸びる。ここで、低い引裂伝播抵抗は、封止(6)を引き離すことができずに耐えるようになる。
【0055】
包装材料を部分的に引き裂くための構造(7)を、2つのタブが互いに封止されないタブの領域中に配置する。包装材料を部分的に引き裂くための構造は、縁部と接触しておらず、包装材要素の端部と接触していない。
【0056】
包装材料を部分的に引き裂くための構造によって、構造が包装体の輪郭と縁部で接触する場合に、初期引裂抵抗を越えることが可能になる。その次にのみ、包装材料の比較的低い引裂伝播抵抗によって、包装材料を線B−B’に沿って用具を用いずに引き裂いて、小児に安全なデバイスとしての役割を果たす封止領域(6)を引きちぎることが、可能である。
【0057】
包装材料を部分的に引き裂くための構造を、切れ目によって、しかしまた局所的に脆弱にすることによって、例えばEP 1 626 010 A1に記載されているように例えば照射に曝露することによって、一方向に形成することができる。部分的に引き裂くための構造を、2つの包装材要素を、好ましくは封止縁部(3)よりも封止領域(6)に近い位置にて互いに溶接しないタブの領域に提供して、封止領域(6)を引き離した後に、把持補助の大きさが尚十分であるようにする。
【0058】
包装材料を部分的に引き裂くための構造のこの配置を通して、即ち封止縁部の領域中でも側部が封止された袋内でもなく、包装体の耐性は妨げられない。
本発明において、部分的に引き裂くための構造は、包装と縁部で接触してはならず、したがって前記構造を通る線に沿って、例えば線A−A’(図2A)に沿ってタブを折る場合にのみ、構造は輪郭の縁部を切断し、当該輪郭は、折りたたみを行うことによって形成された(図2B)。
【0059】
包装材要素(1または2以上)を部分的に引き裂くことを可能にする構造として適する好ましい構造は、以下のものである:直線切れ目、ギザギザ状の切れ目、波状の切れ目、穿孔、特に連続して配置された点の穿孔および/または切れ目、材料の凹部、打抜き、特に矢タイプの、三角形の、またはダイヤモンド形状の打抜きおよび所定の破断点。
【0060】
包装材要素(1または2以上)を部分的に引き裂くことを可能にする前記構造は、2つの包装材要素の1つ中に、または両方の包装材要素中に存在してもよく、後者に述べた態様が好ましい。この後者の場合において、包装材料を部分的に引き裂くための構造を、好ましくは、それらが同様であるかまたは類似するように両方の包装材要素中に構成し、好ましくは互いに適合するように配置させる。
【0061】
高い引裂抵抗および周縁において内側に伸びるノッチの回避のために、通常の使用によっては、初期の部分的な引裂は可能にならない。長手方向の軸の弱められた点において折りたたむことによって、部分的に引き裂くことを達成し、把持補助の溶接した領域を分離することが、可能である。両方の包装材要素の把持補助を、そうして捕らえることができ、引裂を、角を介して行うことができる。角を介して引き裂いて開くことによって、平均的剥離力と比較して極めて高い剥離力の最大値についての必要性が、回避される。
【0062】
包装体の開放を、一般的には、2つの包装材要素が包装材料を部分的に引き裂くための構造を通る線に沿って折り曲げられ(図2A)、したがって前記構造が包装体の輪郭の境界に接触し、当該輪郭が、折りたたみを行う(図2B)ことによって形成されているように行う。低い引裂伝播抵抗のために、チャイルドレジスタントデバイス(6)を、次に最初に部分的に引き裂き(図2C)、その後引きちぎることができる。その結果、2つの包装材要素のタブは、別個に利用可能となり(図2D)、ここで2つの包装材要素間の封止縁部を引き裂いて開き、したがって包装された製品を利用可能にするための把持補助としての役割を果たす。
【0063】
包装材料および小児に安全なデバイスの設計の本発明の組み合わせによって、包装体を、その開放が4つのステップの順序づけられた順序によってのみ可能であるように構成することが、可能である:
(i)包装体を、線に沿って折るかまたは折り曲げ、それによって弱くなった構造を部分的に引裂きのためにアクセス可能にすること;
(ii)包装体を、このときに縁部に位置する弱くなった構造において部分的に引き裂き、さらに前記構造に沿って引き裂くこと、
(iii)包装材要素のこのときに露出されたタブを、把持補助(引裂タブ)として把持すること、および
(iv)包装材要素間の封止縁部を引き離し、解くこと。
【0064】
この取り扱いによって、顕著な困難が小児、特に幼少の小児にもたらされるが、成人によっては、いかなる困難をも伴わずに、かつ用具を用いずに行うことができる。特に好ましい態様において、単位用量包装体は、DIN EN 14375に従って、および/またはASTM D3475-03aによってチャイルドレジスタントである。
【0065】
用具を用いずに包装体を開ける唯一の可能性は、2つの包装材要素の封止を引いて開くことにある。把持補助の存在および十分な大きさによって、このようにするための必要な前提条件が構成される。
【0066】
タブは、少なくとも5mm、好ましくは少なくとも10mmおよびより好ましくは少なくとも15mmの長さでなければならない。タブの長さは、好ましくは30mmを超えず、より好ましくはそれは25mmを超えない。
【0067】
タブの幅は、実質的に包装体の全幅の0.5倍、好ましくは少なくとも5mmに達する。特に好ましい態様において、タブの幅は、少なくとも10mm、尚より好ましくは少なくとも15mmである。特に好ましい態様において、タブの幅は、50mmを超えず、さらにより好ましい態様において、それは30mmを超えない。
【0068】
高バリアの包装材料(例えばアルミニウムを含む)を用いた同様に可能な態様において、本発明の格別な特徴は、標識、例えばバッチ番号を、レーザー標識付けまたは打抜きによって、把持タブの領域において包装上に適用することができることにある。格別な技術的利点は、製品の耐性のために、レーザーがバリア層に穴をあける場合であっても、またはアルミニウムバリアが打抜きによって破壊される場合であっても、袋自体における包装体の耐性は、レーザーでの標識付けによって、または打抜きによって危機にさらされ得ないことにある。
【0069】
タブの偏心の位置は、ピールオープンプロセスの開始を、角の1つを介して強化する(図3C)。その結果、ピールオープンプロセスの全体の進行(Y)の間に、側部が封止された袋を剥離させて開くのに必要な分離力(X)は、把持補助の中心の位置調整の場合におけるよりも小さく、それによって、図3Aの慣用の包装体におけるように、封止は90°の下で剥離されて開かれる。
【0070】
図3Aに示す既知の包装体を剥離させて開ける際に、先ず、封止シームを、前側にてその幅全体にわたって剥離して開ける必要がある。これには、外に封止シームを側の領域において剥離して開けるのに必要であるよりも顕著に高い分離力が必要である(図3A)。
対照的に、本発明の把持補助の位置によって、側部が封止された袋が、少なくとも最初に、より容易に、およびそれによってより均一に引いて開けるのが可能になる。
【0071】
側部が封止された袋をV形状の封止シーム(図3B)を提供することによって剥離させて開けるのに必要な分離力を低減することは、従来技術から知られている。この技術の現状と比較して、本発明の設計(図3C)によって、同一の機能を提供しながら所要の包装材料を顕著に低減することが可能になる。
【0072】
本発明の側部が封止された袋の把持補助および引裂開放補助は、対にした際に表面が相補的なタブである。これは、2つの適合する側部が封止された袋のタブを補完し、それらを表面が相補的な方式で並んで配置して、四角形の表面領域を形成することが可能であることを意味する(図5A〜5D、図6)。これを、タブを側部が封止された袋上に非対称的に、かつ偏心させて配置することによって達成することができる。
【0073】
図5A〜5Dは、表面相補的なタブの種々の態様を示し、それを、例えば包装材料ウェブを互いに封止しない表面区域におけるS形状の、またはS字状(図5Aおよび5B)、角を有する(図5C)または斜めの、もしくは対角線上の(図5D)切れ目によって形成することができる。
【0074】
本発明はまた、経皮治療システムまたはフィルム形状の剤形のための単位用量包装体を製造する方法に関する。この方法は、材料の消費が既知の方法と比較して特に低いことを特徴とする。タブの表面相補的な設計のために、単位用量包装体を、ウェブ形状の包装材料から、いかなる無駄な包装材料をも生じずに製造することができる。その結果、本発明の単位用量包装体を、包装材料の損失を伴わずに製造することができる。図4は、包装材料ウェブからの単位用量包装体の無駄のない製造を例示し、ここで複数の対の包装体(500)が、各々それらのタブの領域において結合されている2つの単位用量包装体からなる。
【0075】
上記の場合において、1対の包装体の2つの単位用量包装体は、それらのタブを介して点対称方式で結合されている。図6は、2つの単位用量包装体のこの点対称配置を、交点が対称の中心を示す点線C−C’ およびD−D’で視覚化する。
【0076】
本発明の方法は、以下のステップを含む:
・第1の包装材料ウェブを提供すること;
・第2の包装材料ウェブを提供すること;
・包装しようとする物品を2つの包装材料ウェブの1つの上に配置すること;
・包装材料ウェブを互いの上に配置し、それらをつないで、包装しようとする各々の物品について、全側部において閉鎖された、包装しようとする物品を受けるための区画を形成し、2つの包装材要素が、前記区画の縁部(単数または複数)において取り外し可能に相互接続されるようにし、ウェブの方向において互いに続く2つの単位用量包装体が、互いに面する封止縁部が互いに直接近接するように同時に対に配置され、2つの包装材料ウェブが互いに封止されていない表面区域は、1対の2つの連続した単位用量包装体間に残ること;
【0077】
・2つの構造を、2つの包装材料ウェブの少なくとも1つにおいて、包装材料を部分的に引き裂くために適用し、前記構造は、表面区域内の対向する長手方向の端部にて適用され、ここで2つの包装材料ウェブは、互いに封止されていないこと;ならびに
・包装体の連続的な対を、包装材料ウェブのウェブ方向に対して横に通る線に沿って切断をすることによって分離し、1対の包装体の2つの単位用量包装体を、相互に連結した包装材料ウェブの一方の長手方向の半分において、1対の包装体の単位用量包装体の前方封止縁部の領域中を通り、相互に連結した包装材料ウェブの他方の長手方向の半分において、包装体の前記対の他方の単位用量包装体の前方封止縁部の領域中を通り、したがって表面相補的なタブを形成するように、線に沿って切断をすることによって仕切って分離することによって、1対の包装体の単位用量包装体を分離すること。
【0078】
上記で示した方法のステップの順序は、強制的ではない;例えば、包装材料を部分的に引き裂くための構造を、上記のステップの1番目または2番目の後にすでに製造していてもよい。用語「切断」は、当業者に知られているプラスチックフィルムを切断するすべての方法を包含し、これには、打抜きが含まれる。
【0079】
包装材要素間の剥離可能な接続を、好ましくは、50℃〜200℃、特に50℃〜90℃の範囲内の温度にて、「ホットメルト」を用いてヒートシールすることによって製造する。しかし、2つの包装材料ウェブ間の剥離可能な接続をまた、他のヒートシールまたはコールドシール方法、例えば超音波シール、レーザーシールなどによって製造してもよい。
【0080】
本発明の包装体を、2つの隣接した単位用量包装体の好適な補完的な形状を選択することによって、材料の低い消費を伴って製造することができる(エッシャーの形態の方式で)。本発明のタブの設計について、タブの幅は、単位用量包装体の幅の本質的に半分であり、1つの包装が、その垂直軸の周囲に、即ち単位用量包装体の、およびしたがって包装材料ウェブの表面平面に対して横に通じる軸に関して180°回転した位置に配置されている場合には、2つの連続した単位用量包装体のタブを、包装材料ウェブの1つの、および同一の区域から作製することができる。このようにして対称の中心の周囲に配置されている2つの単位用量包装体は、1対の包装体を形成し、ここでそれらの前方端部と互いに隣接する単位用量包装体を、単一の切断によって損失を伴わずに分離して、それらの表面積および形状に関して同一である2つの同一の単一の包装体を得ることができる(図4)。
【0081】
このようにして、把持補助が包装体の全幅に沿って伸びる必要がなく、機械の運転方向において近接した2つの包装が、把持補助の前進部(advance)のために必要な1つの前進部の長さを共有するため、包装材料を、効率的な方式で用いる。把持補助のために必要な材料は、それによって半分になる。しかし、単位用量包装体は、それらの相補的な設計のために同一である。材料の同一の消費において、把持補助の可能な長さおよびそれによって袋を引き裂いて開ける際の力を加える可能性を、本発明の補完的であり、対にした配置を伴わずに製造した単位用量包装体における把持補助の長さの2倍とすることができる。
【0082】
包装体を、ウェブ材料から連続的生産において回転封止機械において、効率的に製造することができる。設定によって的確に実現することができる1つの封止は、1対の側部が封止された袋(500)を封止し、前記対を形成する2つの単一の包装(100、200)は、把持補助の領域において連結されており、製造プロセスにおける後方の点にて互いから分離されている。本発明の把持補助を、Sの形状に、またはS字状に、角を有して、斜めにもしくは対角線上に、2つの包装材料ウェブが互いに封止されない表面区域を通って通じる線に沿って切断をすることによって製造してもよい。
【0083】
したがって、切断を、対を形成する2つの単位用量包装体間の自由空間内で、対の1つの単位用量包装体の把持補助の遠位末端における溶接が、前記対の他方の単位用量包装体の封止縁部に位置し、逆もまた同様であるようにして、行う。その結果、切断の位置に関する許容差は、比較的広い範囲内で、チャイルドレジスタントな閉鎖に対して重要でない(本例において、位置の約1〜2mmの許容差)。
【0084】
ウェブ材料からの連続的製造において、2つの単位用量包装体の前記の対のいくつかは、1対を次の対から、ウェブの方向に対して横に、線(9)に沿って伸びる切断を行うことによって分離することができるようにして、互いに続く。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピールオープンタイプの側部が封止された袋の形態であり、重ねて配置され、その少なくとも1つが、低い引裂伝播抵抗を有する引裂耐性包装材料からなる2つの包装材要素を含む、経皮治療システムのための、またはフィルムタイプもしくはシートタイプの剤形のための単位用量包装体であって、包装された物品の周囲に伸びる連続的な封止シームによって互いに連結され、その結果側部が封止された袋を形成する2つの包装材要素が、前記側部が封止された袋の一方の端部においてタブを有し、当該タブが、封止縁部を越えて突出しており、ここで前記タブが、側部が封止された袋の本質的に半分の幅であり、その端部において、封止縁部から外方に向いており、それらが互いに連結された封止領域を有し、またここで包装材要素の少なくとも1つは、包装材料を部分的に引き裂くための構造を、タブの領域において有し、ここで前記タブが互いに封止されておらず、包装材料を部分的に引き裂くための前記構造は、包装体の端部と接触していないことを特徴とする、前記単位用量包装体。
【請求項2】
2つの適合する側部が封止された袋のタブを補完し、表面が相補的な方式で並んで配置して、四角形の表面領域を形成することができることを特徴とする、請求項1に記載の単位用量包装体。
【請求項3】
タブを、側部が封止された袋上に非対称に、かつ偏心させて配置することを特徴とする、請求項1または2に記載の単位用量包装体。
【請求項4】
包装材料の引裂抵抗が、単位用量包装体を形成する2つの相互に連結した包装材要素にて測定して20N〜2000N、好ましくは50N〜150Nおよびより好ましくは70N〜100Nであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の単位用量包装体。
【請求項5】
引裂伝播抵抗が、単位用量包装体を形成する2つの相互に連結した包装材要素にて測定して10Nより低く、好ましくは2Nより低く、より好ましくは1.5Nより低いことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の単位用量包装体。
【請求項6】
単位用量包装体を形成する2つの相互に連結した包装材要素の引裂抵抗および引裂伝播抵抗に関し、引裂抵抗対引裂伝播抵抗の比率が、2:1〜200:1の範囲内、より好ましくは50:1〜150:1の範囲内にあることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の単位用量包装体。
【請求項7】
2つの相互に連結された包装要素を剥離して開けるための引裂開放力が、1〜50N/15mmの封止シームの幅の範囲内、好ましくは3〜20N/15mmの封止シームの幅の範囲内にあることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の包装。
【請求項8】
包装材料を部分的に引き裂くための構造が、直線切れ目、ギザギザ状の切れ目、波状の切れ目、穿孔、特に連続的に配置した穴または切れ目、材料凹部、打抜き、特に矢の形状、三角形およびダイヤモンド形状の打抜き、ならびに所定の破断点からなる構造の群から選択されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の包装。
【請求項9】
包装材要素の少なくとも一方、好ましくは両方の包装材要素が、単層または多層のフィルムまたはシートから形成されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の包装。
【請求項10】
中に包装される物品が、用具を用いない場合には小児に利用可能ではなく、特に、DIN EN 14375および/またはASTM D3475−03aによってチャイルドレジスタントであることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の包装。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の単位用量包装体の製造方法であって、以下のステップ:
・第1の包装材料ウェブを提供すること;
・第2の包装材料ウェブを提供すること;
・包装しようとする物品を2つの包装材料ウェブの1つの上に配置すること;
・包装材料ウェブを互いの上に配置し、それらをつないで、包装しようとする各々の製品について、全側部において閉鎖された、包装しようとする物品を受けるための区画を形成し、2つの包装材要素が、前記区画の縁部(単数または複数)において取り外し可能に相互接続されるようにし、ウェブの方向において互いに続く2つの単位用量包装体が、互いに面する封止縁部が互いに直接隣接するように同時に対に配置され、2つの包装材料ウェブが互いに封止されていない表面区域は、1対の2つの連続した単位用量包装体間に残ること;
・2つの構造を、2つの包装材料ウェブの少なくとも1つにおいて、包装材料を部分的に引き裂くために適用し、前記構造は、表面区域内の対向する長手方向の端部にて適用され、ここで2つの包装材料ウェブは、互いに封止されていないこと;ならびに
・包装体の連続的な対を、包装材料ウェブのウェブ方向に対して横に通る線に沿って切断をすることによって分離し、1対の包装体の2つの単位用量包装体を、相互に連結した包装材料ウェブの一方の長手方向の半分において、1対の包装体の単位用量包装体の前方封止縁部の領域中を通り、相互に連結した包装材料ウェブの他方の長手方向の半分において、包装体の前記対の他方の単位用量包装体の前方封止縁部の領域中を通り、したがって表面相補的なタブを形成するように、線に沿って切断をすることによって仕切って分離することによって、1対の包装体の単位用量包装体を分離すること
を含む、前記方法。
【請求項12】
1対の包装体を形成する2つの単位用量包装体を分離するための切断が、2つの包装材料ウェブが互いに封止されない表面区域を通って、S形状に、またはS字状に、角を有して、斜めに、または対角線上に伸びることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
包装材料ウェブを、封止シームまたは封止エリアによって、特に封止ラッカーを用いることによって相互接続することを特徴とする、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
両方の包装材料ウェブに、包装材料ウェブが互いに封止されないその区域において、包装材料を部分的に引き裂くための少なくとも1つの構造を提供し、前記構造(1または2以上)が、好ましくは同様であるかまたは類似するように構成されており、好ましくは互いに適合するように配置されていることを特徴とする、請求項11〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
包装材料を部分的に引き裂くための構造(1または2以上)が、直線切れ目、ギザギザ状の切れ目、波状の切れ目、穿孔、特に連続的に配置した穴または切れ目、材料凹部、打抜き、特に矢の形状、三角形およびダイヤモンド形状の打抜き、ならびに所定の破断点からなる構造の群から選択されることを特徴とする、請求項11〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
各々の単位用量包装体について、単位用量包装体の前方端部から、側部において包装材料を部分的に引き裂くための構造が位置する、単位用量包装体の当該長手方向の端部に伸び、前記構造と交差する折り曲げ線または曲げ線を適用することを特徴とする、請求項11〜16のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−501699(P2012−501699A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−525457(P2011−525457)
【出願日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【国際出願番号】PCT/EP2009/006349
【国際公開番号】WO2010/025899
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(300005035)エルテーエス ローマン テラピー−ジステーメ アーゲー (128)
【Fターム(参考)】