説明

経路計画のためのシステムおよび方法

【課題】第2の物体の第2の運動経路に基づいて、経路プランナによって定義された第1の運動経路内の第1の物体の運動をマッピングする。
【解決手段】経路プランナを使用して第1の運動経路を作成し、第1の運動経路内の第1の物体の開始位置を初期化し、第1の運動経路の各セグメントの初期状態の値を決定し、経路プランナに対する現在のサンプル呼出し時間と経路プランナに対する最終サンプル呼出し時間との間の経過時間を計算する。計算された経過時間がサンプル期間よりも大きい又は小さい場合、第2の運動経路における第2の物体の現在の位置は計算された経過時間を利用して決定され、第1のセグメントの開始時間と現在のサンプル呼出し時間との間の複数のセグメントのうちの第1のセグメント内の満了時間が計算され、経路プランナから第1の運動経路を変化させる出力コマンドが生成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載される実施形態は、一般に、経路計画のためのシステムおよび方法に関し、より詳細には、経路プランナによって定義された運動経路内の物体の運動をマッピングするためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の運動制御システムは、モータを作動させて回転させるモータ駆動装置に信号を提供する運動制御装置を含む。フィードバック装置として、パルスエンコーダは、発生する全ての運動の単位毎に離散パルスを作成し、パルスを運動制御装置に送り返す。これは運動イベントと呼ばれる。このような従来の運動制御システムは、一定のサンプル期間のみにわたって運動イベントを蓄積する。したがって、従来の運動イベントは、一定のサンプル期間にわたって発生するものとしてのみ認識される。
【0003】
1つまたは複数の一定のサンプル期間にわたって運動イベントを蓄積するために(例えば、運動システムが1msのサンプル期間にわたってパルスを蓄積している場合)、1ミリ秒(ms)毎など、周期的に経路プランナを動作させる必要があり得る。サンプル期間の経路を計画するのに1ms超を必要とする運動制御システムの追加のタスクによって、経路プランナが計算力不足になり得る。例えば、車内のコンピュータは、全地球測位システム(GPS)とインターフェースしているだけでなく、経路プランナを介して車の経路を生成している場合がある。GPSおよび経路プランナはそれぞれ、運動制御システムが正確に動作するために1ms毎に動作する必要がある時間制約型タスクである。しかし、例えば、GPSがサンプル期間の座標を計算するのに1ms超を必要とする場合、1ms毎に動作させる必要がある経路プランナは、計算力不足になる。したがって、経路プランナは1ms間隔で発生していないサンプル期間について理解していないので、経路プランナは適切に動作することができず、運動制御システムはもはや適切な位置を決定することができないので、プロセスを中止しなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第4554774号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
経路プランナによって定義された運動経路内の物体の運動をマッピングするための方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様では、第2の物体の第2の運動経路に基づいて、経路プランナによって定義された第1の運動経路内の第1の物体の運動をマッピングするための方法が提供される。この方法は、経路プランナを使用して第1の物体のための第1の運動経路を作成するステップと、第1の運動経路内の第1の物体の開始位置を初期化するステップと、経路プランナによって作成された第1の運動経路における複数のセグメントのうちの各セグメントの初期状態の値を決定するステップと、経路プランナに対する現在のサンプル呼出し時間と経路プランナに対する最終サンプル呼出し時間との間の経過時間を計算するステップとを含む。計算された経過時間がサンプル期間よりも大きいかサンプル期間よりも小さい場合、第2の運動経路における第2の物体の現在の位置は計算された経過時間を利用して決定され、第1のセグメントの開始時間と現在のサンプル呼出し時間との間の複数のセグメントのうちの第1のセグメント内の満了時間が計算され、経路プランナから出力コマンドが生成される。生成された出力コマンドを実行すると、第1の運動経路が変化する。
【0007】
別の態様では、連続時間の運動学的な運動方程式を離散時間領域にマッピングするためのシステムが提供される。このシステムは、経路が計画された最初の時間および連続時間の運動学的な運動方程式によってもたらされる不連続性によって定義された経路における複数のセグメントの初期状態を含む経路プランナ情報を格納するためのメモリ領域ならびに処理装置を含む。この処理装置は、第2の物体の第2の運動経路に基づいて、経路プランナを使用して第1の物体のための第1の運動経路を作成し、第1の運動経路内の第1の物体の開始位置を初期化し、経路プランナによって作成された第1の運動経路における複数のセグメントのうちの各セグメントの初期状態の値を決定し、経路プランナに対する現在のサンプル呼出し時間と経路プランナに対する最終サンプル呼出し時間との間の経過時間を計算するようにプログラムされる。計算された経過時間がサンプル期間よりも大きいかサンプル期間よりも小さい場合、第2の運動経路における第2の物体の現在の位置は計算された経過時間を利用して決定され、第1のセグメントの開始時間と現在のサンプル呼出し時間との間の複数のセグメントのうちの第1のセグメント内の満了時間が計算され、経路プランナから出力コマンドが生成される。生成された出力コマンドを実行すると、第1の運動経路が変化する。
【0008】
さらに別の態様では、連続時間の運動学的な運動方程式を離散時間領域にマッピングするための方法を実行するようコンピュータに命令するプログラムを格納するコンピュータ可読媒体が提供される。この命令は、経路プランナを使用して第1の物体のための第1の運動経路を作成するステップと、第1の運動経路内の第1の物体の開始位置を初期化するステップと、経路プランナによって作成された第1の運動経路における複数のセグメントのうちの各セグメントの初期状態の値を決定するステップと、経路プランナに対する現在のサンプル呼出し時間と経路プランナに対する最終サンプル呼出し時間との間の経過時間を計算するステップとを含む。計算された経過時間がサンプル期間よりも大きいかサンプル期間よりも小さい場合、第2の運動経路における第2の物体の現在の位置は計算された経過時間を利用して決定され、第1のセグメントの開始時間と現在のサンプル呼出し時間との間の複数のセグメントのうちの第1のセグメント内の満了時間が計算され、経路プランナから出力コマンドが生成される。生成された出力コマンドを実行すると、第1の運動経路が変化する。
【0009】
添付の図を参照しながら、本開示を以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】少なくとも1つのコンピュータ実行可能構成要素を備えるメモリ領域を有する例示的なコンピューティング装置を示すブロック図である。
【図2】例示的な高速ラベリングシステムの図である。
【図3】経路プランナを用いて運動をマッピングするための例示的な方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
不均一なサンプル期間をサポートするために必要な柔軟性を提供し、さらに、複数のサンプル期間に制約されないユーザ指定の時間に運動が開始することが許容されるように方程式の組における不連続性が発生することを可能にするシステムおよび方法をもたらすために、連続時間の運動学的な運動方程式を離散時間領域にマッピングするためのシステムおよび方法が本明細書に記載される。
【0012】
本明細書に記載される連続時間の運動学的な運動方程式を離散時間領域にマッピングするためのシステムおよび方法は、運動軌道を生成するために運動学的方程式を利用する現行の運動システムおよび方法に比べて多くの利点を提供する。例えば、連続時間の運動学的な運動方程式を離散時間領域にマッピングすることは、一定のサンプル時間を必要とせず、経路プランナがサンプル期間の始めに開始しない運動軌道を計算することを可能にする。したがって、1つの運動セグメントから別の運動セグメントへの移行がサンプル期間の始めに発生する必要がない。そのため、本明細書に記載されるシステムおよび方法は、生成された経路を損なうことなく、不均一なサンプル期間をサポートする。したがって、制御装置は、サンプル期間を飛ばすことによって経路生成に関連する計算負荷を管理し、または必要であれば、不均一な速度で動作することができる。これにより、アプリケーション全体が計算負荷を管理することができ、コストと機能のバランスを取ることができるシステムおよび方法をもたらす。さらに、サンプル期間の始めに開始する必要がない軌道を生成することで、運動が進行している間、ユーザは加速度/速度/位置の関係を正確に制御する。このような制御によって、制御対象の装置が動作している間、制御対象の装置との相互作用の許容差がより狭くなる。
【0013】
本明細書に記載されるシステムおよび方法は運動制御システムの文脈におけるものであるが、当業者であれば、本明細書に記載されるシステムおよび方法が、物体を制御するために情報を直接使用することなく運動を測定するためにも使用され得ることを理解されよう。
【0014】
図1は、連続時間の運動学的な運動方程式を離散時間領域にマップするように構成されたコンピューティング装置102のブロック図を示す。コンピューティング装置102は、メモリ領域104、1つまたは複数の処理装置106、1つまたは複数のディスプレイ108、および経路プランナ116を含む。メモリ領域104は、1つまたは複数のコンピュータ可読媒体を含む。コンピューティング装置102の一部として示されているが、コンピュータ可読媒体は、コンピューティング装置102の外部にありながらコンピューティング装置102に(例えば、ネットワークを介して)結合されていてもよい。さらに、コンピュータ可読媒体上に格納されているものとして示されている要素の任意の組合せを別個の媒体上に格納してもよい。
【0015】
メモリ領域104、または任意の適切なコンピュータ可読媒体は、稼働率を計算するためのコンピュータ実行可能構成要素を格納する。例示的な実施形態では、メモリ領域104は、インターフェース構成要素112を含むが、これに限定されない。メモリ領域104はさらに、それだけには限らないが、経路が計画された最初の時間ならびに方程式、例えば、例えば指定された初期状態および最終状態に基づいてコマンド位置、速度および加速度を生成する連続時間の運動学的な運動方程式によってもたらされる不連続性によって定義された経路における複数のセグメントの初期状態を含む経路プランナ情報110を格納する。
【0016】
一実施形態では、経路プランナ116は、経路を、方程式によってもたらされる不連続性によって定義され、メモリ領域104に格納される複数のセグメントに分けることによって、離散時間方程式を連続時間方程式にマップする。特定の実施形態では、インターフェース構成要素112は、経路プランナ116が現在呼び出されているという指示を受け取る。経路プランナ116が呼び出されると、処理装置106は、メモリ領域104に格納された複数のセグメントのうちの各セグメントの初期状態の計算値にアクセスするように構成され得る。例えば、ジャーク制限運動において、切り替え点(例えば、切り替え点は、運動していない物体が運動するように「切り替わる」またはその逆となる点であってもよい)での位置、速度、および/または加速度の計算値にアクセスすることができる。「ジャーク」は、加速度または加速勾配の変化率として定義される。したがって、「ジャーク」は加速度の派生物である。「ジャーク」は、滑らかな開始が必要とされる多くの用途において重要な変数である。「ジャーク」の一例は、エレベータが運動を開始するときおよびエレベータが運動を停止するときのエレベータの「揺れ」である。滑らかな開始および停止が好ましいので、この揺れは望ましくない。一実施形態では、セグメント切り替え点が均一なサンプル期間に制限されないように、セグメント切り替え点が仮想化される。経路プランナ116を用いて制御することができる他のモードは、スナップなどの「ジャーク」の派生物である。さらなるモードは、「クラックル」などの「スナップ」の派生物であってもよく、さらに別のモードは、「ポップ」などの「クラックル」の派生物であり、これらの用語はそれぞれ、当技術分野でよく知られている。これにより、切り替え点がサンプル期間上にあるように、理想的な軌道を変更する必要なしに理想的な軌道(例えば、経路プランナによって最初に計画された軌道)を進むことが可能になる。その結果、運動はより少ない全体時間で完了する。したがって、「仮想コーナ」(例えば、理想的な経路の理想的な終点よりも大きいまたは小さい計算された経路の終点)を移動する能力がある。すなわち、移行時間が離散時間サンプルと重ならない場合、連続時間において運動学的な移行点(例えば、最大の加速度から非最大の加速度への)を有する能力である。例えば、経路プランナ116は、「仮想コーナ」が計算されるとき、サンプル期間よりも速くまたは遅く動作していてもよく、したがって、差を調整するための調節が必要である。
【0017】
一実施形態では、処理装置106は、経路が計画された最初の時間にアクセスし、経路プランナ116に対する現在の呼出しと経路プランナ116が最後に呼び出された時間との間の満了時間を計算し、満了時間を利用して、例えば運動イベントに関連する特定の物体の現在の位置を決定するようにさらに構成される。さらなる実施形態では、現在の位置は、メモリ領域104に格納されたセグメントに関連している。処理装置106は、現在の位置に関連するセグメント内で満了した時間を計算し、現在の位置に関連するセグメント内で満了した計算された時間および現在の位置に関連するセグメントの初期状態を利用して出力コマンド(例えば、位置、速度、加速度およびジャークのうちの1つに対するコマンド)を生成するようにさらに構成される。
【0018】
例えば、図2に示す高速ラベリングシステム200を参照しながら、経路プランナ、例えば、経路プランナ116を用いて運動をマッピングするための方法を説明する。しかし、本開示に記載されるシステムおよび方法は、決してラベリングシステムに限定されない。本明細書で提供される教示によって導かれる当業者であれば、高速ラベリングシステムの使用は、事実上例示的なものであり、決して本開示の範囲を限定するものではないことが理解されよう。例えば、本明細書に記載されるシステムおよび方法は、空気圧、磁気、または任意の他の運動システムにも適用可能である。一実施形態では、高速ラベリングシステム200は、フィードバック装置またはセンサ204、例えばボトルセンサ、ラベル供給ロール206、テーブルマスタ208、ゴムピンチローラ214を駆動する軸サーボ、網状廃棄物ロール216、ボトル210にラベルを貼り付けるのに適したラベル端部センサ218を含む。テーブルマスタ208は、ボトル210が配置される隙間を含む。したがって、テーブルマスタ208が時計回りの方向に回転すると、各ボトル210はテーブルマスタ208の中心軸の周りでテーブルマスタ208によって設定された速度で回転する。ボトル210が回転することにより、各ボトル210をボトルセンサ204に渡すことができる。ボトル210がテーブルマスタ208によって回転されているのと同時に、ラベル供給ロール206がゴムピンチローラ214を介してラベル212をラベル端部センサ218に供給する。ゴムピンチローラ214は、ラベル212を決定された速度でラベル供給ロール206からラベル端部センサ218へ移動する。ボトル210がボトルセンサ204の前に配置されると、指示がラベル端部センサ218に送られて、ボトルラベルセンサ204に対して配置された1本のボトル214に対応するラベル212を貼り付ける。その後、取り外されたラベル212が最初に貼り付けられていた基材がゴムピンチローラ214を介して網状廃棄物ロール216によって回収される。
【0019】
高速ラベリングシステムは、できるだけ迅速かつ正確にボトルにラベルを配置するように構成される。しかし、前述のように、従来のシステムおよび方法には問題がある。例えば、一定のサンプル期間(例えば、1ms)にわたって運動イベント(例えば、ボトルにラベルを配置する)を蓄積する従来の高速ラベリングシステムでは、経路プランナがサンプル期間毎に動作する必要があり得る。したがって、従来の高速ラベリングシステムが情報(例えば、日付、コード、取扱説明など)をラベルに印刷してから印刷されたラベルをボトルに配置する場合、ラベルの印刷およびボトルに配置される印刷されたラベルのための経路を計画する経路プランナは、高速ラベリングシステムが正確に動作するために、1ms毎に動作する必要があり得る時間制約型タスクを含み得る。ラベルの印刷に1ms超(例えば、2ms)を要する場合、同様に1ms毎に動作する必要がある経路プランナは、十分に速く動作しない。したがって、従来のシステムでは、誤差を補償するためにプロセスを減速させた場合、ラインは動作し続けるが、1秒当たりのラベルを貼られるボトルの数が減少する。したがって、経路プランナは1ms間隔で発生していないサンプル期間について理解していないので、経路プランナが経路の計画を試みることができるようになるには、経路プランナは、この例では、1msで発生する次のサンプル期間まで待機しなければならない。したがって、経路プランナは正確に動作することができず、印刷されたラベルはタイミング良くボトルに配置されない。これと似た状況が従来の運動システムで発生するとき、高速ボトルラベリングシステムは必要なだけ効率的に動作していないので、プロセスを中止する必要があり得る。
【0020】
さらに図3を参照して、次に、経路プランナ116によって定義された運動経路内の物体の運動をマッピングするための方法を図2を参照して説明する。本明細書に記載される方法はボトルラベリングシステムに関するものであるが、本明細書で提供される教示によって導かれる当業者であれば、本明細書に記載される方法が、制御のために直接情報を使用することなく運動を測定するためのシステムを含むが、これに限定されない様々なシステムとともに使用され得ることが理解されよう。302で、第1の物体、例えばラベル212の運動が、経路プランナ116を使用して作成され、これを「理想的な軌道」と呼ぶ。304で、運動経路内の第1の物体の開始位置が初期化される。一実施形態では、ボトル210のうちの1つがボトルセンサ204を通過したとセンサ204が識別すると、開始時間が初期化される。この実施形態では、ボトルセンサ204を通過するボトルは、運動イベントとして定義され得る。306で、経路プランナ116によって作成された運動経路における複数のセグメントのうちの各セグメントの初期状態の値が決定される。各セグメントの初期状態は、例えば、ボトル210の速度、印刷されたラベルが配置される、ボトルセンサ204を通過したボトル210にラベル212が追いつくのに必要な加速度、および1つまたは複数のボトル210の位置のうちの1つまたは複数であり得る。
【0021】
経路プランナ116は、非標準的な期間を有する経路を計画する能力を有し、したがって、ボトルのラベリングはラベル配置において精度が低くなるおよび/またはラベル速度が理想的な経路に「追いつく」ことを可能にするためにさらなる加速度が必要となる。いずれにしても、不均一なサンプル期間をサポートするのに必要な柔軟性を用いて経路を計画する能力により、1秒当たりのラベルを貼られるボトルの数を維持することができる。
【0022】
例示的な目的で、高速ボトルラベリングシステム200が1.67m/秒のボトル速度(Vb=1.67m/秒)で1分当たり400本のボトル(ボトル1本当たり150ms)を供給すると仮定する。さらに、各ボトルは3mmから10mmのラベル間隔範囲を有し、各ラベルは12mmから450mmの長さ範囲および+/−0.5mm(Derr=+/−0.5mm)のラベル配置誤差を有する。したがって、サンプルによって誘導される時間遅延(td)(例えば、ラベル配置誤差内に留まってラベルがボトルの誤った場所に配置されるのを避けるために、印刷されたラベルの運動が開始するのに必要な最小の時間)を計算するには、以下の方程式を解く:
d=Derr/Vb 方程式(1)
上記の値を使用すると、td=0.5mm/1.67m/秒、すなわちtd=2.994μ秒である。したがって、+/−0.5mmの配置誤差内に留まるために、印刷されたラベルの運動は2.994μ秒毎に開始する。
【0023】
再び図3を参照すると、308で、経路プランナ116に対する現在のサンプル呼出し時間と経路プランナ116に対する最終呼出し時間との間の経過時間が計算される。したがって、印刷されたラベルは150ms毎にボトル210に配置されるべきであり、したがって、センサ204を通過する最終のボトル210に印刷されたラベルを適切に配置することを実現するためには2.994μ秒のサンプルによって誘導される時間遅延が必要であることを経路プランナ116が最初に示した場合、2.994μ秒を超える時間が計算される。経路プランナ116は、経過時間およびセンサ204を通過した最終のボトル210の位置に関するこの情報を利用してセンサ204を通過する最終のボトル210の位置を決定する。310で、計算された経過時間がサンプル期間よりも大きいかサンプル期間よりも小さい場合、運動経路における第2の物体(例えば、ボトル210)の現在の位置の決定は、計算された経過時間を利用して行われる。したがって、ボトルセンサ204を通過したボトル210の現在の位置は、計算された経過時間を利用して決定される。312で、第1のセグメントの開始時間と現在のサンプル呼出し時間との間の第1のセグメント内の満了時間が計算される。経路プランナ116は、満了時間およびセンサ204を通過した最終のボトルの位置に関するこの情報を利用してラベル212の経路、例えば、ラベル212がセンサ204を通過した最終のボトル210に追いつくことを可能にするために必要な速度を決定する。314で、出力コマンド(例えば、印刷されたラベルの計算された速度)が、例えば、第1のセグメント内の計算された満了時間、一実施形態では、第1のセグメントの開始時間を利用して生成される。一実施形態では、例えば、生成された出力コマンドを実行すると、ラベル212の第1の運動経路が変化する。さらなる実施形態では、例えば、生成された出力コマンドを実行すると、ラベル212の新しい運動経路が作成される。したがって、任意の満了時間を考慮して、経路プランナ116によってラベル212に対する新しい経路が計画される。特定の実施形態では、経路プランナ116が新しい経路を計画した後、上記で決定された2.994μ秒の最初のサンプルによって誘導される時間遅延はそれ以降デフォルトとして使用される。代替の実施形態では、経路プランナ116は、高速ラベリングシステム200の現在の状態に基づいて新しいサンプルによって誘導される時間遅延を計算する。
例示的な動作環境
図1におけるコンピューティング装置102などのコンピューティング装置は、1つもしくは複数の処理装置または処理ユニットおよびシステムメモリを有する。コンピューティング装置は通常、少なくとも何らかの形態のコンピュータ可読媒体を有する。揮発性および不揮発性媒体、取外し可能および取外し不可能な媒体の両方を含むコンピュータ可読媒体は、コンピュータによってアクセスすることができる任意の利用可能な媒体であってもよい。例として、限定されないが、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体および通信媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュールまたは他のデータなどの情報を格納するために任意の方法または技術において実装される揮発性および不揮発性、取外し可能および取外し不可能な媒体を含む。例えば、コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、CD−ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)もしくは他の光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶装置、または所望の情報を格納するために使用することができ、コンピュータ/コンピューティング装置によってアクセスすることができる任意の他の媒体を含む。通信媒体は通常、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または搬送波もしくは他の伝送機構などの変調データ信号内の他のデータを包含し、任意の情報伝達媒体を含む。当業者は、信号内の情報を符号化するようにその特性の1つまたは複数が設定されているまたは変更されている変調データ信号に精通している。有線ネットワークまたは直接有線接続などの有線媒体、ならびに音響、RF、赤外線、および他の無線媒体などの無線媒体は、通信媒体の例である。上記のいずれの組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲に含まれる。
【0024】
システムメモリは、取外し可能および/または取外し不可能な、揮発性および/または不揮発性メモリの形態のコンピュータ記憶媒体を含む。コンピューティング装置は、リモートコンピュータなどの1つまたは複数のリモートコンピュータへの論理接続を使用して、ネットワーク環境で動作することができる。
【0025】
例示的なコンピューティングシステム環境に関連して説明したが、本開示の実施形態は、多数の他の汎用または専用コンピューティングシステム環境または構成を用いて動作可能である。コンピューティングシステム環境は、本開示の任意の態様の使用または機能の範囲に関して任意の限定を示唆することを意図するものではない。さらに、コンピューティングシステム環境は、例示的なオペレーティング環境において例示された構成要素の任意の1つまたは組合せに関する任意の依存または要件を有するものとして解釈されるべきではない。本開示の態様とともに使用するのに適し得る周知のコンピューティングシステム、環境、および/または構成の例として、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、手持ち型またはラップトップ型装置、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースのシステム、セットトップボックス、プログラム可能な家電、携帯電話、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、上記のシステムまたは装置のいずれかを含む分散コンピューティング環境などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
本開示の実施形態は、1つまたは複数のコンピュータまたは他の装置によって実行されるプログラムモジュールなどのコンピュータ実行可能命令の一般的な文脈で説明され得る。コンピュータ実行可能命令は、1つまたは複数のコンピュータ実行可能構成要素またはモジュールに編成され得る。一般に、プログラムモジュールは、ルーチン、プログラム、オブジェクト、構成要素、および特定のタスクを実行するまたは特定の抽象データ型を実施するデータ構造を含むが、これらに限定されない。本開示の態様は、任意の数および編成のこのような構成要素またはモジュールを用いて実施され得る。例えば、本開示の態様は、図に例示され本明細書に記載される特定のコンピュータ実行可能命令または特定の構成要素もしくはモジュールに限定されない。本開示の他の実施形態は、本明細書に例示され記載されるものとは異なる、多かれ少なかれ機能を有するコンピュータ実行可能命令または構成要素を含み得る。本開示の態様はまた、通信ネットワークを介して接続されたリモートの処理装置によってタスクが実行される分散コンピューティング環境で実施され得る。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュールは、メモリ記憶装置を含むローカルおよびリモート両方のコンピュータ記憶媒体に配置され得る。
【0027】
動作の際、コンピューティング装置は、1つまたは複数のコンピュータ可読媒体上に格納された1つまたは複数のコンピュータ実行可能構成要素に包含されるコンピュータ実行可能命令を実行して、本明細書に記載されおよび/または例示される本開示の態様を実施する。
【0028】
別段の指定がない限り、本明細書に例示され記載される本開示の実施形態における操作の実行または実施の順序は重要ではない。すなわち、操作は、別段の指定がない限り、任意の順序で実施することができ、本開示の実施形態は、追加のまたは本明細書に開示される操作よりも少ない操作を含み得る。例えば、別の操作の前に、別の操作と同時に、または別の操作の後に特定の操作を実行することまたは実施することは、本開示の態様の範囲内であることが企図される。
【0029】
本開示またはその実施形態の態様の要素を提起するとき、冠詞「a」、「an」、「the」および「said」は、1つまたは複数の要素があることを意味することが意図される。用語「備える(comprising)」、「含む(including)」および「有する(having)」は、包含的であり、列挙された要素以外の追加の要素があり得ることを意味することが意図される。
【0030】
本書は、例を使用して最良の形態を含む特許請求される主題を開示し、また当業者が、任意の装置またはシステムを作製および使用し、任意の組み込まれた方法を実行することを含めて、特許請求される主題を実施することを可能にする。本開示の特許可能な範囲は特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到する他の例を含み得る。このような他の例は、特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を有する場合、または特許請求の範囲の文言とのごくわずかな相違を有する同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲の範囲内にあることが意図される。
【符号の説明】
【0031】
102 コンピューティング装置
104 メモリ領域
106 処理装置
108 ディスプレイ
110 経路プランナ情報
112 インターフェース構成要素
116 経路プランナ
200 高速ラベリングシステム、高速ボトルラベリングシステム
204 フィードバック装置、センサ、ボトルセンサ
206 ラベル供給ロール
208 テーブルマスタ
210 ボトル
212 ラベル
214 ゴムピンチローラ
216 網状廃棄物ロール
218 ラベル端部センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2の物体の第2の運動経路に基づいて、経路プランナによって定義された第1の運動経路内の第1の物体の運動をマッピングするための方法であって、
前記経路プランナを使用して前記第1の物体のための前記第1の運動経路を作成するステップと、
前記第1の運動経路内の前記第1の物体の開始位置を初期化するステップと、
前記経路プランナによって作成された前記第1の運動経路における複数のセグメントのうちの各セグメントの初期状態の値を決定するステップと、
前記経路プランナに対する現在のサンプル呼出し時間と前記経路プランナに対する最終サンプル呼出し時間との間の経過時間を計算するステップと、
前記計算された経過時間がサンプル期間よりも大きいかサンプル期間よりも小さい場合、前記計算された経過時間を利用して前記第2の運動経路における前記第2の物体の現在の位置を決定するステップと、
第1のセグメントの開始時間と前記現在のサンプル呼出し時間との間の前記複数のセグメントのうちの前記第1のセグメント内の満了時間を計算するステップと、
前記経路プランナから出力コマンドを生成するステップであって、前記生成された出力コマンドを実行すると前記第1の運動経路が変化する、ステップとを含む方法。
【請求項2】
前記初期状態が、ジャーク制限運動、切り替え点での位置の計算値、速度、および加速度値のうちの1つを含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記満了時間が、各セグメントに対する初期設定時間を経過した時間である請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記開始時間が、前記経路プランナによって設定される請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記出力コマンドが、位置、速度、加速度、およびジャークのうちの1つに対するコマンドを含む請求項1記載の方法。
【請求項6】
連続時間の運動学的な運動方程式を離散時間領域にマッピングするためのシステムであって、
第1の運動経路が計画された最初の時間および前記第1の運動経路における複数のセグメントのうちの各セグメントの初期状態を含む経路プランナ情報を格納するためのメモリ領域であって、前記複数のセグメントが前記連続時間の運動学的な運動方程式によってもたらされる不連続性によって定義される、メモリ領域と、
第2の物体の第2の運動経路に基づいて、前記経路プランナを使用して第1の物体のための前記第1の運動経路を作成し、
前記第1の運動経路内の前記第1の物体の開始位置を初期化し、
前記経路プランナによって作成された各セグメントの初期状態の値を決定し、
前記経路プランナに対する現在のサンプル呼出し時間と前記経路プランナに対する最終サンプル呼出し時間との間の経過時間を計算し、
前記計算された経過時間がサンプル期間よりも大きいかサンプル期間よりも小さい場合、前記計算された経過時間を利用して前記第2の運動経路における前記第2の物体の現在の位置を決定し、
第1のセグメントの開始時間と前記現在のサンプル呼出し時間との間の前記複数のセグメントのうちの前記第1のセグメント内の満了時間を計算し、
前記経路プランナから出力コマンドを生成して、前記生成された出力コマンドを実行すると前記第1の運動経路が変化するようにプログラムされた処理装置とを備えるシステム。
【請求項7】
前記処理装置が、前記メモリ領域に格納された各セグメントの初期状態の計算値にアクセスするようにさらにプログラムされる請求項6記載のシステム。
【請求項8】
前記処理装置が、前記経路が計画された前記最初の時間にアクセスするようにさらにプログラムされる請求項6記載のシステム。
【請求項9】
前記初期状態が、ジャーク制限運動、位置の計算値、速度の計算値、および加速度値のうちの1つである請求項6記載のシステム。
【請求項10】
前記第1のセグメント内の前記満了時間が、前記第1のセグメントに対する初期設定時間を経過した時間である請求項6記載のシステム。
【請求項11】
前記初期設定時間が、前記経路プランナによって設定される請求項10記載のシステム。
【請求項12】
前記出力コマンドが、位置、速度、加速度、およびジャークのうちの1つに対するコマンドである請求項6記載のシステム。
【請求項13】
連続時間の運動学的な運動方程式を離散時間領域にマッピングするための方法を実行するようコンピュータに命令するプログラムを格納するコンピュータ可読媒体であって、命令が、
経路プランナを使用して第1の物体のための第1の運動経路を作成するステップと、
前記第1の運動経路内の前記第1の物体の開始位置を初期化するステップと、
前記経路プランナによって作成された前記第1の運動経路における複数のセグメントのうちの各セグメントの初期状態の値を決定するステップと、
前記経路プランナに対する現在のサンプル呼出し時間と前記経路プランナに対する最終サンプル呼出し時間との間の経過時間を計算するステップと、
前記計算された経過時間がサンプル期間よりも大きいかサンプル期間よりも小さい場合、前記計算された経過時間を利用して前記第2の運動経路における前記第2の物体の現在の位置を決定するステップと、
第1のセグメントの開始時間と前記現在のサンプル呼出し時間との間の前記複数のセグメントのうちの前記第1のセグメント内の満了時間を計算するステップと、
前記経路プランナから出力コマンドを生成するステップであって、前記生成された出力コマンドを実行すると前記第1の運動経路が変化する、ステップとを含むコンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記初期状態が、ジャーク制限運動、切り替え点での位置の計算値、速度、および加速度値のうちの1つである請求項13記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記複数のセグメント内で満了した時間が、各セグメントに対する初期設定時間を経過した時間である請求項13記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項16】
各セグメントに対する前記初期設定時間が、前記経路プランナによって設定される請求項15記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記出力コマンドが、位置、速度、加速度、およびジャークのうちの1つに対するコマンドを含む請求項13記載のコンピュータ可読媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−516443(P2012−516443A)
【公表日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−547992(P2011−547992)
【出願日】平成22年1月5日(2010.1.5)
【国際出願番号】PCT/US2010/020123
【国際公開番号】WO2010/088009
【国際公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(503445320)ジーイー・インテリジェント・プラットフォームズ・インコーポレイテッド (15)
【Fターム(参考)】