説明

結像光学系の調整方法及びそれを用いた画像読取装置

【課題】回転非対称レンズを用いた結像光学系において回転非対称レンズが副走査方向へずれた場合でもずれを効果的に調整し、画像情報を高精度に読み取ることができる結像光学系を得る。
【解決手段】原稿台2に載置した原稿1を照明するための光束を放射する光源手段からの光束を反射させる複数のミラー4a〜4eと、回転非対称な光学面を有する複数枚のミラーで反射された光束で該原稿の画像情報を結像させる結像光学系5と、該結像光学系で結像された光学像を電気信号に変換する複数の読取画素を主走査方向に配列した光電変換素子、をキャリッジ7内に収納したユニットを用いた画像読取装置に用いられる該結像光学系の副走査方向の取り付け角度および取り付け位置を調整手段によって調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は原稿台に載置した原稿の画像情報を読み取る画像読取装置に用いられる結像光学系の調整方法に関する。特にアナモフィックレンズ等の回転非対称形状レンズを有する結像光学系の光学性能を十分に発揮して高精度な画像読取りが行なえる例えばイメージスキャナー、複写機、そしてファクシミリ等の画像読取装置に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来より原稿台に載置した原稿の画像情報を読み取る装置として、イメージスキャナーやデジタル複写機等の画像読取装置が知られている。このうち画像読取用の結像光学系や読取手段等を1つの筺体(キャリッジ)に収納した一体型走査光学ユニット(キャリッジ一体型ユニット)を用いたフラットベッドイメージスキャナーが知られている。
【0003】
この画像読取装置では照明光源から放射された光束で直接あるいは反射笠を介して原稿台に載置した原稿を照明する。そして原稿からの反射光束を複数の反射ミラーを介してキャリッジ内部でその光束の光路を折り曲げている。そして結像光学系によりCCDやCMOS等の読取画素を主走査方向に配列したリニアイメージセンサー(以下「CCD」と称す。)面上に原稿の画像情報を結像させている。そしてキャリッジを副走査モーターにより副走査方向に移動させることにより原稿の画像情報を読み取っている。そして読取られた画像情報はインターフェイスを通じて外部機器であるパーソナルコンピューターなどに送られる。
【0004】
近年このような構成において画像読取装置の小型化が要望されている。小型化を図るにはキャリッジの小型化が重要になってくる。キャリッジを小型化するには、例えば反射ミラーの枚数を増やしたり、あるいは一枚の反射ミラーで複数回反射させて光路長を確保する方法等がある。この他、近年、結像光学系内に少なくとも一面が光軸に対して回転非対称な形状より成るアナモフィックレンズを導入した画像読取装置が提案されている(特許文献1参照)。この画像読取装置では結像光学系を広画角化して物像間距離を縮め、光路長自体を短くして装置全体の小型化を図っている。
【0005】
このように結像光学系にアナモフィックレンズを用いれば、像面彎曲収差を効果的に低減することができ、良好なるコントラストの画像情報を得ることができる。しかしながら、回転非対称形状のアナモフィックレンズを有する結像光学系では、結像領域も回転非対称な領域となる。特に、広画角化を図った結像光学系では読み取り範囲が広い主走査領域の結像性能を優先している。
【0006】
このために、主走査領域では、広い範囲にわたり高い解像力を有する。これに対して副走査方向では収差の悪化により解像力が低下し、高い解像力を有する範囲が狭い。この他キャリッジ一体型の画像読取装置では、構成部品数が多いことと、キャリッジの材料が製作上の要因から樹脂モールド成形で作成される場合が多い。一般に成形精度はバラツキが大きいための各パーツの位置精度を高く維持することが難しい。例えばミラーなどの構成部品の位置が副走査断面内でずれてしまうと、副走査方向の解像力が悪化してくる。これに対し、ミラーの副走査方向への角度調整や、結像光学系と読取手段を一体で調整し、解像力の低下を軽減する調整方法が提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000-171705号公報
【特許文献2】特開2005-101739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献2に開示されている画像読取装置の調整方法ではミラーの副走査断面内における角度を調整している。この方法ではキャリッジが小型化して、ミラーの副走査方向の幅が狭くなると、反射部材のため角度調整の敏感度が非常に高くなる傾向となり調整が難しくなる。また、結像光学系は、鏡筒内の回転対称のレンズと鏡筒外側に配置される回転非対称のレンズで構成されている。このため、鏡筒と回転非対称のレンズとの間にガタ成分があると、鏡筒内の回転対称レンズに対し、回転非対称のレンズが副走査方向にずれてしまうことがある。このとき結像光学系と読取手段を一体にして調整を行う方法では、結像光学系内で発生する副走査方向のずれによるコントラストの悪化分を調整するのが難しくなる。
【0009】
本発明は、回転非対称レンズを用いた結像光学系において回転非対称レンズが副走査方向へずれた場合でもずれを効果的に調整し、画像情報を高精度に読み取ることができる結像光学系の調整方法及びそれを用いた画像読取装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の結像光学系の調整方法は、原稿台に載置した原稿を照明するための光束を放射する光源手段と、該光源手段からの光束により照明された原稿からの光束を反射させる複数のミラーと、光軸に対して回転非対称な光学面を有する光学素子を含み該複数枚のミラーで反射された光束で該原稿の画像情報を結像させる結像光学系と、該結像光学系で結像された光学像を電気信号に変換する複数の読取画素を主走査方向に配列した光電変換素子、をキャリッジ内に収納した一体型走査光学系ユニットを副走査方向へ移動させて該原稿の画像情報を読み取る画像読取装置に用いられる該結像光学系の調整方法において、該調整方法では該結像光学系の副走査方向の取り付け角度および取り付け位置のうち少なくとも一方を調整手段によって調整する調整工程を用いていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、回転非対称レンズを用いた結像光学系において回転非対称レンズが副走査方向へずれた場合でもずれを効果的に調整し、画像情報を高精度に読み取ることができる結像光学系の調整方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例1の画像読取装置の要部概略図
【図2】図1の結像光学系の要部概略図
【図3】(A)、(B)調整前の画像読取装置の要部概略図とコントラスト特性図
【図4】本発明の実施例1の調整後の画像読取装置の要部概略図とコントラスト特性図
【図5】本発明の実施例1の調整工程のフローチャート図
【図6】本発明に係る調整方法の実施例1の要部概略図
【図7】本発明の実施例1に係る結像光学系と読取手段の要部概略図
【図8】本発明の実施例2の画像読取装置の調整方法を示す要部概略図
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る結像光学系を有する画像読取装置は、原稿台2に載置した原稿1を照明するための光束を放射する光源手段3とを有する。そして光源手段3からの光束により照明された原稿1からの光束を反射させる複数のミラー4a〜4dと、光軸に対して回転非対称な光学面を有する光学素子5dを含み複数枚のミラーで反射された光束で、原稿1の画像情報を結像させる結像光学系5を有する。更に、結像光学系5で結像された光学像を電気信号に変換する複数の読取画素を主走査方向に配列した光電変換素子(読取手段)6を有する。これらの各部材はキャリッジ内に収納されて一体型走査光学系7を構成している。そして一体型走査光学系ユニット7を副走査方向へ移動させて原稿1の画像情報を読み取っている。
【0014】
図1は本発明の結像光学系の調整方法の実施例1を適用したイメージスキャナーや複写機等の画像読取装置の要部概略図である。図中、2は原稿台ガラスであり、その面上に画像読取用の原稿1が載置されている。7はキャリッジ(一体型走査光学ユニット)であり、後述する照明系(光源手段)3、複数の反射ミラー4a,4b,4c,4d,4e、結像光学系5、そして読取手段(光電変換素子)6等を一体的に収納している。キャリッジ7はモーター等の副走査機構8により副走査方向(矢印B方向)へ駆動され、原稿1の画像情報を2次元的に読取っている。照明系3は、例えばキセノン管やハロゲンランプやLEDアレイ等より成っている。尚、照明系3にはアルミ蒸着板などの反射板を組み合わせて用いてもよい。4a,4b,4c,4d,4eは各々順に第1、第2、第3、第4、第5の反射ミラーであり、原稿1からの光束の光路をキャリッジ7内部で折り曲げている。
【0015】
結像光学系5は、原稿1の画像情報に基づく光束を読取手段6面上に結像させている。結像光学系5には、図2に示すように鏡筒5cの内部(鏡筒内)に配置されている回転対称の光学面より成るレンズ5aと回転非対称の光学面を含んだアナモフィックレンズ(回転非対称レンズ)5bによって構成されている。読取手段6は、3つのラインセンサ(CCDもしくはCMOS)を互いに1次元方向(主走査方向)(紙面垂直方向)に平行となるように配置した、所謂モノリシックな3ラインセンサより成っている。3つのラインセンサ面上には各々の色光(赤色(R)、緑色(G)、青色(B))に基づく不図示の色フィルターが各々設けられている。この3つのラインセンサで順次原稿1上の異なる色情報(R,G,B)を読み取っている。
【0016】
本実施例において照明系3から放射された光束は直接あるいは反射笠(不図示)を介して原稿1を主走査方向に長い照明域で照明する。そして、原稿1からの反射光を順次第1、第2、第3、第4、第5の反射ミラー4a,4b,4c,4d,4eを介してキャリッジ7内部でその光束の光路を折り曲げ結像光学系5によりラインセンサ面上に原稿1の画像情報を結像させている。そしてキャリッジ7を副走査機構8により副走査方向(矢印B方向)に移動させることにより、原稿1の画像情報を2次元的に読取っている。そして読取られた画像情報はインターフェイス101を通じて外部機器であるパーソナルコンピューター(パソコン)102やプリンターなどに送られる。
【0017】
[実施例1]
図3(A)、(B)は本実施例の結像光学系の調整方法の調整前の要部概略図と読取手段6面上のコントラスト特性図である。図3(A)、(B)においては図1と同様に原稿1上の画像情報を読取手段6上に結像している。図3(A)はこのとき各構成部品が所定の位置に取り付けられている理想的な場合の読取り光路である。
【0018】
このときの光路の中心(光軸La上の光線)Lpは読取手段6の中心6aに正しく結像され、画像読取用の解像力は高くなる。しかし、図2に示すように結像光学系5のアナモフィックレンズ(回転非対称のレンズ)5bは、鏡筒5cの光軸方向で外側に配置されている。この為に鏡筒5cとの間に光軸Laと垂直方向(副走査方向)に嵌合ガタが生ずる場合がある。図3(B)は嵌合ガタがあったとき、副走査方向にアナモフィックレンズ5bがズレたときの説明図である。このとき副走査方向における結像性能は、45度方向の非点収差が悪化し、読取り光路の中心Lpはラインセンサ6面の中心6a上には結像せず、この結果、画像読取の解像力は低下してくる。
【0019】
そこで本実施例1では結像光学系5の副走査方向の取り付け角度を調整することによって、読取り光路が図4で示すように、アナモフィックレンズ5bの光線通過位置をずらしている。そして45度方向の非点収差の悪化分を補正することにより、読み取り光路の中心Lpがラインセンサ6面上の中心6aに結像するようにしている。これにより良好なる画像読み取りを行っている。
【0020】
次に本実施例における結像光学系5の調整方法の工程について説明する。本実施例の調整方法では、結像光学系5の副走査方向の取り付け角度および取り付け位置のうち少なくとも一方を調整手段によって調整する調整工程を用いている。調整手段による調整工程は、光電変換素子6を副走査方向の複数の位置へ移動させ、光電変換素子6で得られる複数の位置での原稿の画像情報のコントラスト値を参照する参照工程を有する。そして複数の位置で取得したコントラスト値から最良参照値を選択し、光電変換素子6の副走査方向へのシフト量を算出する算出工程1を有する。更に光電変換素子6のシフト量から結像光学系5の副走査方向の調整角度もしくは調整シフト量の少なくとも一方を算出する算出工程2と、調整角度もしくは調整シフト量に応じて結像光学系5の姿勢を調整する姿勢調整工程とを有している。
【0021】
図5は本実施例の結像光学系の調整方法のフローチャートである。本実施例では原稿台2に載せたコントラストの像を読取手段6上に結像し、チャートの像のコントラストを検出している。まず、コントラストチャートを原稿台ガラス2に配置し、結像光学系5にてラインセンサ6上の第1の読み取り位置(副走査断面での光軸中心)6−1にて結像させチャート像のコントラストを読み取る。
【0022】
次にラインセンサ6を第2の読み取り位置(光軸Laよりも副走査断面で上側(一方側))6−2へ移動させ、同様にチャート像コントラストを読み取る。次にラインセンサ6を第3の読み取り位置(光軸Laよりも副走査断面で下側(他方側))6−3へ移動させ、同様にチャート像コントラストを読み取る。この結果、図6に示すようなそれぞれ読取り光路La1、La2、La3およびそのときのチャート像のコントラスト値を参照する(参照ステップ)(ステップ1)。但し、本実施例では、読取位置を3箇所としたが、それに限定するものでなく、副走査断面においてラインセンサ6を副走査断面での光軸La中心ではさんだ上下の少なくとも3箇所あれば、それ以上複数の位置で行ってもよい。
【0023】
複数の読取位置で取得したコントラスト値から最良のコントラスト値(MAXコントラスト値)を選択し(参照ステップ)、最良コントラスト値Maxが出力されるラインセンサ6の光軸La中心からの副走査シフト量を算出する(算出工程1)(ステップ2)。この算出工程1によって、ラインセンサ6が副走査方向のどの位置にいるとき、最良のコントラスト値が得られるか確認することができる。
【0024】
次に、ラインセンサ6の移動量から結像光学系5の副走査方向の調整角度もしくは調整シフト量を演算手段103又はパソコン102等で算出する(算出工程2)(ステップ3)。このときラインセンサ6の駆動のみで調整する方法は、投影倍率やピント調整等のラインセンサ6にて調整すべき事項があるため、それらの調整と共に行う事が非常に困難になってくる。このため、本実施例の調整方法では敏感度の低い結像光学系5のみで行い、取り付け角度及び取り付け位置を調整する事(姿勢調整工程)で、調整の簡易化を図っている。また、調整角度およびシフト量は、ラインセンサ6が副走査方向の複数の位置に移動した量と、結像光学系5とラインセンサ6間の距離より簡単に導き出す事ができる。そして、調整角度もしくは調整シフト量の算出結果に応じて結像光学系5の姿勢を調整する(姿勢調整工程)(ステップ4)。
【0025】
一例として、結像光学系5が角度調整となった場合には、図7に示すように、光軸La方向から見て結像光学系5の鏡筒5cの手前側もしくは奥側にスペーサー部材(調整手段)11を入れることによって調整する。スペーサー部材11の厚みは、チャート像のコントラストの測定位置に応じて複数用意されており、適応させている。また、シフト量の場合には、鏡筒5cの手前側/奥側の両方にスペーサー部材(調整手段)11を入れることで行う。
【0026】
本実施例において、鏡筒5cとアナモフィックレンズ5bとの副走査方向の嵌合ガタの発生量が30μmである場合、この嵌合ガタを補正する為には0.3mm〜0.5mmのスペーサー部材11にて結像光学系6を傾かせれば良い。以上のような手順にて結像光学系6の副走査方向の取り付け角度および取り付け位置を調整(傾き調整やシフト調整)することが出来る。
【0027】
[実施例2]
図8は本発明の結像光学系の調整方法の実施例2を用いた画像読取装置の要部概略図である。同図において図3〜図7について示した要素と同一要素には同符番を付している。図8において21は結像光学系6を有する別部材ユニットである。本実施例は実施例1と比べて、図8に示すように結像光学系5が一体型走査光学系ユニット7との嵌合部を有する別部材ユニット21で一体化され、一体型走査光学系ユニット7に取り付けられている点が異なっている。
【0028】
図8において、結像光学系5は上部2箇所に嵌合部22を設けた別部材ユニット21の内部にバネ、ビス及び接着剤にて取り付けられている。取り付けられた別部材ユニット21は、一体型走査光学系ユニット7と嵌合部及びビスにて取り付けられる構成となっている。結像光学系5の調整方法の各工程は、実施例1と同一である。
【0029】
本実施例において角度調整の場合には、図8に示すように、別部材ユニット21の2箇所の嵌合部22のうちいずれか一方にスペーサー部材(調整手段)11を介してビス締めし、取り付けることで調整する。スペーサー部材11の厚みは、コントラスト測定位置の値に応じて複数用意して適応させている。また、シフト量を調整する場合には、2箇所の嵌合部22の両方へスペーサー部材11をいれて、取り付けることで調整する。
【0030】
本実施例においても、鏡筒5cとアナモフィックレンズ5bとの嵌合ガタとして副走査方向へ30μm発生したとする。この場合、嵌合ガタを補正する為には0.3mm〜0.5mm厚のスペーサー部材11にて別部材ユニット21を一体型走査光学系ユニット7に対して傾かせる事で補正することができる。各実施例によれば以上のような手順にて結像光学系5の副走査方向の取り付け角度および取り付け位置を調整することが出来る。その他、本発明の結像光学系の調整方法は、上記各実施例に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での種々変更が可能である。
【0031】
以上のように各実施例によれば、光軸に対して回転非対称な光学面を有する結像光学系内で副走査方向へ回転非対称の光学面がずれた場合でも、敏感度の低い結像光学系自身を調整することができる。このため、精度良く調整することができ、画像情報を高精度に読み取ることができる画像読取装置が得られる。
【符号の説明】
【0032】
1 原稿 2 原稿台ガラス 3照明系 4 反射ミラー
5 結像光学系 6 読取手段(ラインセンサー) 7 キャリッジ
8 副走査機構 11 スペーサー部材(調整手段)
21 結像光学系取付用物部材ユニット 22 嵌合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿台に載置した原稿を照明するための光束を放射する光源手段と、
該光源手段からの光束により照明された原稿からの光束を反射させる複数のミラーと、
光軸に対して回転非対称な光学面を有する光学素子を含み該複数枚のミラーで反射された光束で該原稿の画像情報を結像させる結像光学系と、
該結像光学系で結像された光学像を電気信号に変換する複数の読取画素を主走査方向に配列した光電変換素子、
をキャリッジ内に収納した一体型走査光学系ユニットを副走査方向へ移動させて該原稿の画像情報を読み取る画像読取装置に用いられる該結像光学系の調整方法において、
該調整方法では該結像光学系の副走査方向の取り付け角度および取り付け位置のうち少なくとも一方を調整手段によって調整する調整工程を用いていることを特徴とする結像光学系の調整方法。
【請求項2】
前記調整手段による調整工程は、
前記光電変換素子を副走査方向の複数の位置へ移動させ、該光電変換素子で得られる複数の位置での原稿の画像情報のコントラスト値を参照する参照工程と
前記複数の位置で取得したコントラスト値から最良参照値を選択し、該光電変換素子の副走査方向へのシフト量を算出する算出工程1と、
該光電変換素子のシフト量から前記結像光学系の副走査方向の調整角度もしくは調整シフト量の少なくとも一方を算出する算出工程2と、
前記調整角度もしくは調整シフト量に応じて該結像光学系の姿勢を調整する姿勢調整工程と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の結像光学系の調整方法。
【請求項3】
前記光電変換素子を副走査方向の複数の位置へ移動させ、該光電変換素子で得られる複数の位置での原稿の画像情報のコントラスト値を参照する参照工程は、
副走査断面において光軸中心、光軸中心の一方側及び他方側の少なくとも3箇所へ光電変換素子を移動させることを特徴とする請求項1又は2に記載の結像光学系の調整方法。
【請求項4】
前記結像光学系は、
鏡筒内に配置される回転対称のレンズと鏡筒の光軸方向の外側に配置される回転非対称のレンズを有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の結像光学系の調整方法。
【請求項5】
前記結像光学系は、
前記一体型走査光学系ユニットに、調整手段を有する別部材ユニットを介して取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の結像光学系の調整方法。
【請求項6】
前記結像光学系の副走査方向の調整角度もしくは調整シフト量に応じて該結像光学系の姿勢を調整する姿勢調整工程は、
前記結像光学系をスペーサー部材によって傾き調整およびシフト調整することにより行うことを特徴とする請求項2に記載の結像光学系の調整方法。
【請求項7】
前記結像光学系の副走査方向の
前記調整角度もしくは調整シフト量に応じて結像光学系の姿勢を調整する姿勢調整工程は、
前記結像光学系が取り付けられる、調整手段を有する別部材ユニットをスペーサー部材によって傾き調整およびシフト調整することによって行うことを特徴とする請求項2に記載の結像光学系の調整方法。
【請求項8】
前記請求項1乃至7のいずれか1項に記載の結像光学系の調整方法を用いて
調整されたことを特徴とする画像読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−244134(P2011−244134A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−113170(P2010−113170)
【出願日】平成22年5月17日(2010.5.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】