結合組織からタンパク質を分離するシステム及び方法
結合組織から筋肉組織を分離する方法及びシステムは、筋肉組織及び結合組織を含む動物組織がストレスに晒され、筋肉タンパク質が結合組織から分離されることによって提供される。分離された筋細繊維タンパク質のスラリーが提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筋肉タンパク質の処理に関する。
【背景技術】
【0002】
(関連出願との相互参照)
本発明は、2005年7月1に出願された米国仮出願番号60/696,071号の出願日の利益を主張し、これらの内容は、全体がここで参照することによって組み込まれる。
【0003】
現在、その機能的及び栄養的特性により、食品としての筋肉タンパク質の使用拡大に関心がある。こうした材料のより優れた使用法として、例えば、脂肪性の遠海魚及び処理された魚、家禽、肉から骨を抜き取った筋肉組織等の現在人への食品としての使用がわずか又ほとんどない低価値原材料は、特に重要になるであろう。加工中におけるタンパク質の機能性の損失及び/又はタンパク質の取扱の困難性から、こうした材料の使用が妨げられてきた。例えば、結合組織からタンパク質を分離する多くの現在の工程は、最初に筋肉タンパク質を溶解した後、結合組織から筋肉タンパク質を分離する。しかしながら、溶解したタンパク質は、空気に晒され、攪拌されたとき、例えば、遠心分離による場合などに、発泡する傾向及び/又は溶解するときに反応又は変性する傾向があるといった好ましくない特性を有する可能性があった。
【発明の開示】
【0004】
本発明は、少なくとも部分的に筋肉タンパク質が、結合組織の強度より低い強度で動物組織から分離できるとの知見に基づくものである。さらに、(1)筋肉組織が水の存在下で結合組織よりも速やかに水和すること、(2)筋肉組織の引張強度が水和作用で弱まること、を見いだした。筋肉組織は、筋肉組織を弱めるため筋肉及び結合組織を含む動物組織を水和させることによる特性を基にして結合組織から分離され、そして、動物組織は、結合組織及び筋肉それ自体の両方から筋肉を引き裂くのに十分な強さの引張応力を有するが、結合組織を引き裂くのを回避するのに十分な弱さを有する低いせん断環境に晒される。このような方法で、筋肉組織は結合組織から引き裂かれ、例えばスクリーンによって、結合組織から容易に分離される小片に縮小される。ここで記述された筋肉組織の弱体化は、自然な筋肉組織のpH環境でスラリーのpHを上げたり、下げたりすることによって速められ、増進される。
【0005】
一形態において、本発明は、結合組織から筋肉タンパク質を分離する方法を特徴とする。スラリーは、水性溶媒中に少なくとも筋肉組織及び結合組織を含む動物組織を入れることによって生成される。スラリーは、その後、低いせん断環境、例えば、スラリーはほとんどせん断応力のない状態に置かれるが、十分な加速が、相当量の結合組織の小片が裂けるレベル以下で、かつ相当量の引き裂きが筋肉組織に発生するレベル以上の引張応力のレベルを提供する。筋肉タンパク質は、その後に結合組織から分離される。
【0006】
実施形態は、1又はそれ以上の下記に記載される特徴を含む。
【0007】
加速は、低いせん断環境で継続的な加速がなされる。スラリーの生成の次で、加速の前に、スラリーは、筋肉組織を部分的に水和するのに十分な一定期間、例えば少なくとも約5分間、比較的平穏な状態におく。スラリーの生成の次で、加速前に、例えば、スラリーのpHを筋肉タンパク質のおおよそ等電点(約5.5)に調整すること、例えば、スラリーの温度を約−1℃に下げることによって、及び/又は、スラリーに気泡を入れることによって、動物組織の脂肪含有量が減少される。水性溶媒は水を使用できる。水性溶媒のpHは、約5.0から9.5の間で使用できる。
【0008】
低いせん断加速度は、狭小部が設けられたパイプにスラリーをポンピングすることによって生成されうる。スラリーは、タンク内に収容され、パイプは、例えば、狭くしたり、バッフル(baffle)又はバルブ(例えばボールバルブ)を用いたりすることによって、パイプの内径の狭小部を介してタンクの外にスラリーを排出し、循環させてタンクに戻すように構成される。
【0009】
スラリーを加速させるステップは、複数回、例えば2、3、4、5、6、又はそれ以上繰り返すことができる。
【0010】
タンパク質は、タンパク質の相当量がスクリーンを通過し、結合組織の相当量がスクリーンの通過を妨げるように構成されたスクリーンを含むリファイナーにスラリーを導入することによって分離される。スクリーンは、例えば、約5mm以下、約0.25から約3.0mmの間、約0.5mmから1.5mmの間又は約0.25mmから0.5mmの間の目を有するメッシュで作製される。リファイナーは、円筒状スクリーン内で、例えば1000RPM以下、約750RPM、500RPM、250RPM、100RPM、又は60RPM以下のスピードで回転するように構成されたパドルを内部に有していてもよい。
【0011】
動物の組織は、魚、貝類、烏賊、家禽、牛肉、羊肉、又は豚肉を含む。
【0012】
スラリーを生成する前に、骨を抜き取った動物組織を作成するために筋肉組織及び結合組織を含む動物組織から骨を除去してもよい。スラリーを生成するステップは、骨を抜き取った動物の組織を少なくとも30分間水性溶媒に浸漬する工程を含むことができる。
【0013】
低いせん断で、高い加速度環境が、結合組織の相当量が裂かれずに、かつ筋肉組織の相当量が裂かれるような引張応力のレベルを提供するためにコントロールされる。せん断は、実質的にすべての筋肉タンパク質の変性を妨げるようにコントロールされる。
【0014】
他の実施形態では、本発明は、タンパク質を処理する方法を特徴とする。筋肉タンパク質は、動物組織から最初に分離され、そして、タンパク質は続いて可溶化される。分離された筋肉タンパク質の少なくとも50%は分離ステップの間では溶解しない状態で残される。
【0015】
実施形態は、1又はそれ以上の下記の特徴を含みうる。
【0016】
実質的に全ての筋肉タンパク質は、分離工程中に溶解しない状態で残すことができる。分離された筋肉タンパク質は、水性溶媒及びタンパク質で構成されるスラリーのpHを分離されたタンパク質の少なくとも75%が溶解する点、例えば約10.5のpHに上げることによって溶解される。
分離された筋肉タンパク質は、水性溶媒及びタンパク質で構成されるスラリーのpHを分離されたタンパク質の少なくとも75%が溶解する点、例えば約2.5及び3.5の間のpHに下げることによって溶解される。
【0017】
さらに別の実施形態では、本発明は、少なくとも水及び不溶解性タンパク質を含み、少なくとも約50%の不溶解性タンパク質は筋細線維フィラメントの形態にあり、液体は、相当量の結合組織を含んでいない液体成分であることを特徴とする。
【0018】
実施形態は、1又はそれ以上の下記の特徴を含みうる。
【0019】
タンパク質は、ミオシン(myosin)を含みうる。少なくとも75%のミオシンは、筋細線維フィラメントの形態であってもよい。成分は、スラリーのタンパク質の量と比較して、結合組織約10重量%以下を含む。成分は、スラリーのタンパク質の量と比較して、結合組織約4重量%以下を含む。
【0020】
他の実施形態では、本発明は、結合組織から筋肉タンパク質を分離するためのシステムを特徴とする。システムは、第1容器、該容器と液体を伝達可能に接続され、狭小部を有する第1パイプ、該パイプを通じて容器から液体をポンピングできるように構成されたポンプ、及び第1容器と液体を伝達できるように接続された分離装置とを含む。
【0021】
システムの実施形態は、1又はそれ以上の下記の特徴を含む。
【0022】
システムは、第2容器、該第2容器及び分離装置と液体で伝達できるように接続され、狭小部を有する第2パイプ、及び第2パイプを通じて第2容器から液体をポンピングできるように形成された第2ポンプを含む。第1パイプは、第1容器の排出口及び第1容器の注入口に連結され、第1容器の出口から第1パイプ及び注入口を通って、第1容器に液体が再循環するように形成される。ポンプは、低いシャーポンプ(shear pump)が使用でき、容積移送式ポンプ(positive displacement pump)、遠心ポンプ(centrifugal pump)、ジェットポンプ、蠕動ポンプ(peristaltic pump)、回転ポンプ、隔膜ポンプ(diaphragm pump)、ベーンポンプ(vane pump)、往復ポンプを使用しうる。狭小部はバッフル又はバルブ、例えばボールバルブを用いうる。分離装置は、リファイナー(refiner)を含む。リファイナーは、例えば、約2mm以下、0.25mm以下の孔を有するスクリーンを含む。リファイナーは、円筒状スクリーン内を回転するように形成されたパドルを含んでも良い。パドルは、第1端部から第2端部まで円筒状のスクリーン内で材料を移動させるために取り付けられる。
【0023】
さらに、他の実施形態では、本発明は、肉のタンパク質の量を増加させる方法を特徴とする。スラリーは、水性の溶媒に筋肉組織を含む動物組織を入れることによって生成される。スラリーは、スラリーをほとんどせん断応力のない状態においた環境で加速されるが、十分な加速によって筋肉組織を小片に縮小させるために相当量の引き裂きが筋肉組織内で発生するレベルより大きい引張応力のレベルを提供する。スラリーは、肉と混ぜ合わされる。
【0024】
実施形態は、1又はそれ以上の下記の特徴を含みうる。
【0025】
スラリーは、スラリーを筋肉組織に注入することによって筋肉組織に混ぜ合わされる。スラリー内の不溶性タンパク質の少なくとも約50%は筋細繊維フィラメントの形態になりうる。動物組織は、さらに、水性溶媒内に入れられる前に細かくされるか又はすり潰される。水性溶媒は、実質的に塩を含まない。
【0026】
ここのシステム及び方法の実施形態は1又はそれ以上の下記の有利な点を含む。
【0027】
新規な方法によれば、タンパク質、主として筋肉タンパク質は、タンパク質の可溶化前に結合組織及び他の組織から分離される。それは、一旦タンパク質が可溶化されるとそのような分離の必要性を排除する。筋肉タンパク質の分離は、現在の方法より効率的である。タンパク質の高い生成量及び/又は結合組織又は他の所望しない組織を低いレベルで抑えられる。分離したタンパク質は、低い発泡性、せん断及び/又は熱におかれ、結果として、従来の技術より、低い変性となる。タンパク質の相当量は、例えば、ミオシンの相当量は、通常の筋細繊維フィラメント形態、すなわち非変性の状態にある。新規の方法は、引張強さ及び/又は水の存在下での水和率が異なる筋肉のタイプによって、互いに分離することを可能にする。
【0028】
ここに使用される、「低せん断環境(low shear environment)」は、引き裂くメカニズム、例えば、刃やプロペラによる摂動がない環境である。低せん断環境は、例えば、ここに記載されるパイプ、円筒状の容器内にある。低せん断加速は、低せん断ポンプ、例えば、ピストンポンプを使用してここに記載された加速されたスラリーによって生成される。熟練者が、低いせん断レベルと高い引張応力が使用される原材料に依存することを十分に理解するであろう。例えば、牛肉組織の低せん断環境は魚肉組織の低せん断環境と比べて異なるせん断レベルを有する。
【0029】
別で定義されることなしに、ここで使用される全ての技術及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同等の意味を有する。ここで記述された方法及び物質と類似又は均等の方法及び物質は、本発明の実施又はテストに使用されうるが、最適な方法及び物質が以下に記述される。ここで記述されたすべての刊行物、特許出願、特許及び他の参照は、それ全体が参照によって組み込まれる。不一致がある場合には、定義を含め、本明細書が優先する。加えて、物質、方法、及び例は、説明のためのみのものであり、限定する意図を有するものではない。
【0030】
本発明の他の特徴、目的及び有利な点は、以下の詳細な記述、図面及び特許請求の範囲から明らかとなるであろう。それぞれの図面の同様の参照番号は同様の要素を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
全体的な方法
【0032】
筋肉組織を含む動物組織は、水性液体に入れられ、結果として、筋肉組織の少なくとも一定量は水和される。動物組織は例えば、引張応力、低せん断環境の引張応力の応力下に置かれる。応力は、結合組織及び筋肉それ自体から筋肉を引き裂くのに十分な強さであるが、結合組織を引き裂くのを回避するのに十分な弱さに選択される。筋肉組織は、結合組織から引き裂かれ、筋肉組織と結合組織との間の小片のサイズの差が分離装置、例えばスクリーンによって結合組織から筋肉組織の分離を可能にするのに十分な大きさとなるまでの小片サイズに縮小される。低せん断環境での応力の適用及び結合組織からの筋肉の分離が以下に詳細に説明される様々な方法及び様々なシステムによって実行される。キーは、可能な限り結合組織をそのままにして、筋肉組織を小片に選択的に縮小させることである。これによって、これらは、大きさに応じて分離されうる。
【0033】
本発明を限定する意図を有するものではなく、説明目的のみのためのものであるが、ここに記述された方法は、一般的にゴムバンドからスパゲッティを分離しようとすることに類似されうる。スパゲッティとゴムバンドの混合物が水の中にあり、スパゲッティが水和する。ゴムバンドは全体的に同様の形態で存在しているときに、この混合物が引張応力を生成するために低いせん断環境で加速されると、スパゲッティは、より小さな小片に分解される。数回のそのような加速サイクルの後、スパゲッティはより小さな小片に分解される。例えば、それらは、肉眼で視認できないほどの小ささにされ、混合物は、比較的影響を受けないゴムバンドとともに、(極めて小さなスパゲッティの断片を含む)シロップのような物質として現れる。その後、この混合物は、スパゲッティの小片が通過するのに十分大きく、ゴムバンドを除外するのには十分に小さな孔を有するスクリーンを通過する。分離されたスパゲッティの小片は、続いて可溶化される。
【0034】
一実施形態に係る方法300が、図1に図示される。結合組織から筋肉組織の分離は、動物組織310及びスラリー312を生成するための容器314の水性液体311、例えば水と混合することによって始まる。動物組織はタンパク質(例えば筋肉タンパク質)、結合組織、及び他の所望しない組織、例えば、小骨、軟骨又は血液を含みうる。いかなる水性溶媒、例えば緩衝用水(buffered water)が、水性液体として使用されうる。水性液体及び動物組織は、ある実施例においては、動物組織1部に少なくとも0.1部の割合で混合される(例えば、動物組織1部に対して少なくとも1部の水、動物組織1部に対して少なくとも1.5部の水、動物組織1部に対して少なくとも2部の水、動物組織1部に対して少なくとも5部の水、動物組織1部に対して少なくとも10部の水、動物組織1部に対して少なくとも25部の水、動物組織1部に対して少なくとも50部の水、動物組織1部に対して少なくとも100部の水)。一般的に、少ない水の量は、より少ない脱水を必要とし、無駄をより少なくする一方で、多い水の量は、組織の早い水和をもたらす。動物組織1部に対して1から5重量部の間の割合が好ましい水和スピードと無駄のレベルを提供する。
【0035】
水性溶媒のpHは、一般的に、もしタンパク質の相当量が溶解するならば、発生するであろう発泡を避けるために選択され、それは、典型的には、約4.2から約9.5の間である(例えば、5.0から8.5の間、5.0から7.5の間、5.5から7.0の間)。ある実施形態では、スラリーが、好ましいpH範囲内に自然にある場合には、それ以上のpHコントロールは必要とされない。スラリーは、非溶解性タンパク質を含み、例えば、筋肉タンパク質、及び非溶解物質、例えば、結合組織、を含み、ある実施形態においては、付加的に溶解性物質、例えば溶解性タンパク質を含んでもよい。
【0036】
ステップ315のスラリー312は、ある実施形態では、筋肉組織の少なくともいくらかの水和が可能な十分な時間の間、比較的平穏にされている(例えば、少なくとも1、2、5、10、20、30、40、50、60、70、80又は90分間)。他の実施形態では、スラリーは、直ちに処理される。すなわち、スラリーは時間を延長して平穏な状態にされない。スラリー312は、ある実施形態では、筋肉組織が水を吸収するのを促進するために攪拌される。水の温度は、筋肉繊維が水を吸収している間、タンパク質フィラメントの分解を妨げるように選択され、例えば、0℃以上が可能である(例えば、約10℃、20℃、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、120℃、又は140℃)。筋肉組織を水和すると、筋肉組織の引張強さは減少し、結果として、筋肉組織の引張強さと結合組織の引張強さの差が増大する結果となる。
【0037】
ステップ316では、スラリー312は、(例えば、狭小部を有するパイプを通じてスラリーをポンピングすること、例えば、オービタルミキサー(orbital mixer)のようなミキサーを用いてスラリーをかき混ぜること、機械的又は超音波によってスラリーを攪拌することによって)、急速にスラリーを加速することによって最小限のせん断を有する引張強さにおかれる(例えば、狭小部を有するパイプを通じてスラリーをポンピングすること、例えば、オービタルミキサー(orbital mixer)のようなミキサーを用いてスラリーをかき混ぜること、機械的又は超音波によってスラリーを攪拌することによって)。結合組織の相当の割合(例えば80%以上)が破損する(例えば、引き裂き)レベル以下で、筋肉組織の相当な割合(例えば80%以上)が破損しなくなる(例えば、引き裂き)レベル以上にするために、引張応力はコントロールされる。低せん断、高い引張応力環境が、例えば、ピストンポンプ等の低せん断ポンプを用いて滑らかな壁を有するパイプを通じてスラリーを加速させることによって発生されうる。熟練者はせん断及び引張応力のレベルは使用された原材料のタイプに応じて調整されることを理解するであろう。
【0038】
目視検査が適用される引張応力の強さが十分であるかどうか決定するために使用される。最初は、肉眼によって観察されたリザーバータンク内のスラリーが、視認できる筋肉の大きな小片を有し、結合組織例えば腱の小さな小片を有する組織を含む。一旦、組織が十分な引張応力下で十分な時間にあると、スラリーの外観は、結合組織の(少なくなった筋肉タンパク質を含む)小さな小片を有する水状又はシロップ状の溶液に変化する。従って、スラリーを引張応力下においた後で、結合組織から筋肉タンパク質を分離する前のスラリーの外観は、適用された引張応力が十分であるかどうかの決定に使用される。
【0039】
加えて、適用された引張応力の強さは、光ファイバー伸縮計及び/又はある一定量の原材料に適用されたエネルギー又は仕事をモニターすることによって測定される。例えば、消費されたエネルギー又はなされた仕事の量は、バルブが閉じられるか、狭小部を設けられたときに、ポンプによって示される付加アンペア数をモニターすることによって測定される。組織を処理するに十分な引張応力のレベルは存在する筋肉のタイプに依存する。例えば、(適用されたエネルギー又は仕事によって測定される)引張応力の量は、魚の筋肉を処理するためのものより、牛肉の筋肉を処理するためのものの方が4倍高くなる。引張応力のレベルは、応力が適用される時間の長さに依存する。例えば、より時間が長ければ長いほど、必要とされる応力レベルは低くなる。熟練者は、引張応力及び/又は特定の適用に必要とされる適用エネルギーを調整することができるであろう。
【0040】
狭小部を有するパイプでは、希望する力を獲得するのに必要とされる流速がパイプの内径及び狭小部の形状に依存する。一般的に、例えば、狭小調整が使用されるとき、狭小した直径部での液体の速さv2は、以下の式によって決定される。
v2=(r12/r22)v1
r1=パイプの内半径
r2=狭小調整された細い端部の内直径
v1=太いパイプ部の液体速度
v2=細いパイプ部の液体速度
【0041】
例えば、分当たり20ガロン(gallons per minutes, GPM)で流れるシステムの場合、初期速度は、3インチの内径のパイプを0.9ft/secとなるであろう。3インチの長さのもので1インチに狭小した狭小部に液体を流した場合、2インチの直線距離では、液体の速度は、8ft/secに増加し、液体は20GPMの流れにおいて記述された狭小部を平均0.09秒費やすことになる。流れの方向の平均加速度は、80ft/sec2となる。加速度は、範囲及び/又は狭小部の長さ及び/又は流速を変更することによってコントロールされうる。注目すべきは、上記計算で示された加速度は、加速度が流れる方向以外の方向に存在するように、制限されることによって引き起こされる平均総加速度の一部である。固体の小片が受ける力の大きさは、制限部の大きさ及び形状又は流速の増加、減少によって変更されうる。例えば、上記に記載されたシステムは、5GPMの流速で流れることによって、少なくとも5ft/sec2の加速度で流れるであろう。代わりに、例えば、504ft/sec2の高い加速度は、50GPMで獲得されるであろう。
【0042】
加速度の上限では、ある実施形態において、スラリーの温度を所望する限度より高いレベルにするであろう。例えば、筋肉タンパク質の変性が発生するより高い温度のレベルになるであろう。ある実施形態では、十分なサイクルの回数を使用することが加速度のより低い限度に必要とされる問題を取り除くであろう。例えば、加速度が5ft/sec2よりも低いものとなるであろう。究極的に、穏やかな加速度は結合組織、例えば、細胞膜の弱い構造を分離するのに必要となるであろう。より高いレベルの加速度は、粗い組織、例えば牛肉を分離するのに必要とされるであろう。熟練者は、加速度レベルが使用される組織の種類及び引張応力が適用される総時間に応じて調整されることを理解するであろう。一実施形態では、すべての加速度が狭小調整の領域で発生しうる。
【0043】
ある実施形態では、冷蔵装置は、発生した熱を除去するため加速領域の下流に載置してもよく、可能性のある変性及び/又は他の熱関連の問題を制限する。勿論、加速度に関連する応力はシステムによって適用される応力のみではない。L字型又は他のパイプの向きの変更にとともに、水路を通過した乱流及び狭小部から結果として得られる乱流の増加の両方の乱流は、適用される応力に影響を与える。一般的に、システムに与えられたエネルギーの総量は、ポンプモーターによって示されたアンペア量の変化、又は流速とともに、狭小部を通過する圧力の低下を直接測定することによって測定又は概算されうる。単位時間当たりのスラリーを運搬する仕事は一定に維持され、バッチ操作の経過は変更されうる。一般的に加速度又は仕事量はアンペア量及び/又は流速及び/又は圧力低下をモニターすること、及びポンプスピード及び/又は狭小部の断面積を調整することによってコントロールできる。ここに記載されたシステムはフレキシブルであり、その操作は、流速、狭小部の大きさ、及び/又は様々な区画でスラリーが費やす時間を調整することによってコントロールできる。
【0044】
例えば、水性溶媒及びスラリーの加速から得られる高い張力と低せん断に晒されている下では、結合組織が実質的に影響を受けないで維持している間、弱い筋肉組織は、より小さい断片に分解されはじめる。さらに、筋肉組織は、結合組織から分解され、2つの構成素材に分離される。そのようなものが、パイプの調整した狭小部を通過するスラリーをポンピングする状況を示す図2A−2Dに図示されている。結合組織202の断片及び筋肉組織204の断片で構成される動物組織の断片200は、パイプ208に配置された狭小調整部210を有するパイプ208を通じてポンピングされている。動物組織の断片200が図2Aで狭小調整部210に近づくと、液体の流速は、増加し始める。流速の増加は、動物組織の断片200の上流側の端部への影響を与える前に、動物組織の断片200の下流側の端部205に影響を与え、液体の流れの方向に沿って下流側の端部205は引かれ、動物組織200は伸長する。
【0045】
流体の変化が十分な力にあるとき、この伸長は、図2Bに示されるように筋肉組織に裂け目212を生じさせ、最終的に、図2Cに図示されるように筋肉組織の断片204は、2つのより小さな筋肉組織の断片204a及び204bに分離される。また、加速力は、筋肉組織の断片204b及び結合組織の断片202の間に裂け目214を生じさせる。それは、最終的に、図2Dに図示されたように結合組織の断片202から引き裂かれ解放された筋肉組織の断片204bとなる。従って、筋肉組織と結合組織の両方を含む、最初の動物組織の断片200は、筋肉組織の2つのより小さな断片(204a及び204b)に分解され、結合組織202の分離された断片となる。それぞれの小さな断片は、大きな断片200よりも大きな表面−体積比率を有し、それは、(水に新たな表面を晒すことによって)さらに水和を促進する。
【0046】
図1を再度参照すると、スラリー312は、その後ステップ318でリザーバータンクに導かれる。リザーバータンクは、ポンプによって送られる同じリザーバータンクであってもよいし、異なるリザーバータンクであってもよい。スラリーはその後さらに水和してもよく、さらに、2回目として、狭小部を有するパイプを通して加速されることによる高い張力と低いせん断力に晒される(ステップ316)。水和と加速ステップ(例えば、ステップ315、316及び318)が、所望される結果が獲得されるのに必要な回数繰り返される。例えば、水和及び加速ステップは1回の実行でも、2回以上であってもよい(例えば、3回以上、4回以上、5回以上、6回以上、7回以上、8回以上、10回以上、15回以上、20回以上)。追加の動物組織及び/又は水性溶媒は、どのステップで追加されてもよい。例えば、水が筋肉組織によって置き換わるように追加されてもよい。特に、水と動物組織の比率が初期は小さく、例えば、0.5部の水に対して1部の動物組織となるようにする。加えて、水和時間及び温度及び加速力の量は一定となるように維持しても、サイクルごとに調整してもよい。筋肉組織の表面積が増加すれば、例えば、続く水和ステップの水和時間は、より短くしてもよい。
【0047】
筋肉組織がより小さな断片に分解すると、上述したように表面積と体積の比率が増加する。この表面積の増加は、さらに、新しい表面を露出することによって筋肉組織の水和を可能にし、さらに筋肉組織を弱くさせ、筋肉組織がより小さい断片又は小片に分解させることができる。
【0048】
スラリー312は、その後、さらに、リザーバー314から不溶性物質、例えば結合組織がスラリーから分離され、分離装置、ここではリファイナー320にポンピングされ、分離された(隔離された)タンパク質スラリー324を残すように、さらなる所望の処理がなされる。所望されるものが得られたとき、筋肉組織がペースト状の濃度になるまで、筋肉組織の小片は(ステップ315、316及び318で)サイズが縮小される。リファイナーはスクリーン、例えば約0.25mmから約2mmの孔を有する円筒状スクリーンを含む。メッシュの大きさは、筋肉組織の小片のペースト状のスラリーが小さなメッシュを通じて容易に通過するように、かつ実質的に結合組織のすべてを排除するように選択される。熟練者は、メッシュのサイズの特定の適用が、適切となるようにすることを理解するであろう。
【0049】
筋肉組織よりも高い引張強さを有し、筋肉組織よりゆっくりした速度で水和し、引張強さを減少する結合組織の断片は、リファイナーの小さなメッシュスクリーンを容易に通過できない十分な大きさを維持しており、パドルによってリファイナーの末端の外に押し出される。従って、結合組織からタンパク質、主として筋肉タンパク質を分離する。ある実施形態では、水和時間、加速力、サイクルの数は筋肉組織を極めて小さなサイズに縮小させるために調整される。それによって、リファイナーは、パドルを使用することなく、結合組織からタンパク質、主として筋肉タンパク質を分離するロータリースクリーン(rotary screen)又はタンジェンシャルスクリーン(tangential screen)に置き換えられる。
【0050】
直列型連続システム
【0051】
結合組織から筋肉組織を分離するシステムの実施形態が図3に示されている。システム10は、一連のリザーバーバータンク12、14及び16を含む。パイプ20及び22はリザーバータンク12からリザーバータンク14に、リザーバータンク14からリザーバータンク16にそれぞれ通じている。パイプ20及び22は、パイプ20及び22を通じて液体をポンピングするため、それぞれポンプ30及び32を有している。ポンプは、例えば、往復ポンプ、回転式ポンプ又は隔膜ポンプのような容積移送式がよく、結合組織から筋肉組織の分離を得るため及び筋肉組織を所望する小片のサイズに分解するために十分な力をパイプを通じた液体の動きに生じさせるシステム(例えば、パイプのライン内又はレザーバータンク内)のいかなる場所に設置されてもよい。従来の、ルーツ(Roots)、ジー・アンド・エイチ(G&H)、及びモノ(Mono Pumps Ltd, Manchester, U.K)で作製されたようなローブタイプ(lobe-type)及びプログレッシブ・キャビティ・フード・ポンプ(progressive cavity food pump)が用いても良い。代わりに、液体の十分な流出を発生させることが可能ないかなる液体ポンプが使用されてもよく、例えば、遠心ポンプ(例えば、渦巻き、軸流及び混成流ポンプ)、ジェットポンプ、蠕動ポンプ、ベーンポンプを含む。代わりに、結合組織とは対照的に、筋肉組織に選択的に構造的欠陥を引き起こすための応力(張力、せん断又は通常)を負荷することができるいかなるポンプ又は他の装置が使用されうる。特に有効なポンプの1つは、シャーポンプ、例えばピストンポンプである。圧力差がポンプの限界に対して無視してよいくらいに及び、例え、近接した圧力限度であっても、過剰なせん断は処理の効率に不利益に働く。いくつかの実施形態では、ポンプのベル吸引(bell suction)がポンプキャビテーション及び合せん断(resultant shear)を防止するために提供される。
【0052】
ある実施形態においては、リザーバータンクは、相対的に影響を受けない状態にスラリーを保持でき又はスラリーがポンピングされる水路としての機能を有するパイプのコイルに置き換えることができる。例えば、システムが載置される予定のスペースが小さいところでは、狭小部がパイプのコイル内に含まれる。
【0053】
パイプを通じてポンピングされた液体が加速状態におかれるように、パイプ20及び22は、それぞれパイプの他の部分よりも直径が短い調整部26を有する。この加速は、張力とせん断応力下にあるパイプの容積による。引張応力の値は、結合組織の相当量が破損(引き裂き)するレベルより低く、筋肉組織の相当量が破損(引き裂き)するより高くなるように選択される。張力とせん断応力の比率は、高い値で選択される。一般的には、応力の適切な値は、水性溶媒での水和の機能及び動物組織の存在時間及び特定動物の筋肉組織の強さによる。例えば、牛肉は、魚より強靱であり、同様の結果を得るためには、一般的に高い応力の値、長い水和時間、及び/又はこれらの両方が必要とされる。従って、スペースが利用可能である場合、組織は、長い時間水和するためにそれをそのままにし、より低い応力を適用することによって実行される。反対に、スペースが、例えば、ファクトリートローラ(factory trawler)上のように高い場合には、水和時間は最小限(例えば、1分)に維持されるか、回避され、適用される応力は、より長い水和時間を通じて獲得されるよりも、筋肉組織により高い力を与えるために高くされる。
【0054】
一般的に、応力とせん断力は、液体の速い加速を得るために形成されたパイプ、例えば狭小部を有するパイプを通じてリザーバータンクの中身をポンピングすることによって得られる。そのような加速は、例えば、液体がポンピングされる断面積を減少させることによって獲得され、結果として、液体の流速を増加させることになる。図4A及び4Bは例示として、バルブ252(図4A)、例えば、ボールバルブ、及びバッフル(図4B)を含む、そのような流速を増加させる結果を得る代替え可能な狭小部の構成を図示する。ある実施形態においては、パイプのL字部、例えば、1つ又はそれ以上の90°又は45°の調整部、又は1つ又はそれ以上のパイプのらせん又はコイルが狭小部として機能しうる。これらは通過する液体に十分な応力を提供できる。実施形態では、1又はそれ以上の幾つかの構成を含む。ある実施形態においては、レザーバータンクからパイプに液体をポンピングすることから得られる加速は結合組織から筋肉を分離する効果を得るの十分であり、追加の構成は必要ない。
【0055】
特に有効な1つのコンビネーションは、容積移送式ポンプとボールバルブによる狭小部である。このようなコンビネーションの有利な点は、(せん断応力からよりはむしろ)引張応力の形態で総応力を集中させるという効果があり、典型的には、筋肉の欠損を選択的に引き起こす点である。他の有利な点は、操作する者が単位時間当たりの供給されるエネルギー及び流速を直接かつ分離してコントロールすることができる。例えば、完全な容積移送式ポンプによって発生された流れに対してボールバルブを部分的に閉じることにより、供給されるエネルギーにのみ影響を与える(増加させる)。一方で、遠心ポンプに対してボールバルブを閉じると、流量が減少し、一定の閉じる範囲では、(流量の変更と粘度のため)単位時間当たりの供給される総エネルギー量が増加する。一定の閉じる量の範囲では、遠心ポンプに対するこうした閉じは消費電力を減少させ、結果として仕事が供給される比率を減少させる。
【0056】
さらに、図3を参照すると、以下により詳細に説明されるが、末端パイプ24は、リザーバータンク16からリファイナー40へ導かれる。この実施形態に示されるように、パイプ24は、パイプ24を通じて液体をポンピングするポンプ34を有し、狭小調整部26を有するが、末端パイプはこうした特徴の1つ又は両方が欠けていてもよい。収集チャンネル50は、リファイナー40のスクリーン42を通じてタンパク質ペーストを集めるためにリファイナー40の下に延長する。流出トレイ56は、スクリーン42を通過しない材料を集め、リファイナーの末端44から除去される。
【0057】
分離装置
【0058】
分離装置が図5に図示されている。分離装置は、導入端部43と末端44を有する円筒状スクリーン42を含むリファイナー40である。一連のパドル46は、中心軸シャフト48からスクリーン42方向に放射状に延長し、円筒状スクリーン42内を回転するように形成されている。パドルは、円筒状スクリーン42の内側に沿って、一般的に長手方向に延長する。リファイナーは動物組織スラリーが導入端部43に導入されると、タンパク質ペーストはスクリーン42のメッシュを通過することができ、一方で大きな結合組織の断片は通過できないように形成される。パドル46は、パドルが円筒状スクリーン42内を回転するように、パドルが円筒状スクリーンの導入端部43から末端部44にスクリーンを通過しない材料を移動させ、排出トレイ56で除去されるようにピッチを有する。リファイナーは1、2、3、4又はそれ以上のパドルを有してもよい。一般的にパドルの数が多ければ多いほど、以下に記述されるように、スラリーの与えられる量を処理するために必要なRPMは低くなる。
【0059】
ある実施形態におけるパドルの回転は、スクリーン42を通じたタンパク質と筋肉の小片の通過を強制するか、又は補助する。パドルによって発生された力の量は、パドルの回転スピード、パドル材料の相対的な堅さ、スクリーンへのパドルの近接性によって決定される。ある実施形態におけるパドルは、約1000RPMより少ない回転スピードで回転される(例えば、約700RPM、500RPM、450RPM、400RPM、350RPM、300RPM、250RPM、200RPM、150RPM、125RPM、100RPM、90RPM、80RPM、70RPM、又は60RPM)。いくつかの実施形態では、パドルの回転スピードで本質的な上限を有しない。例えば、パドルの回転スピードは、約1000RPMより速くてもよい。パドルとスクリーンとの間のギャップ及びスクリーンは約50mmより小さなものがよい(例えば、約40mm以下、30mm以下、20mm以下、10mm以下、5mm以下、2.5mm以下、1mm以下、0.5mm以下、又は一般的な寸法としては小さすぎるもの)。ある実施形態では、約50mmより大きいものを使用してもよい(例えば、60mm、70mm又は80mmより大きいもの)。他の実施形態では、スクリーンとパドルの間に実質的な差を有しない。すなわちパドルは、スクリーンに接している。ある実施形態では、リファイナーは、パドルとスクリーンの間の距離を設定してもよい。ある実施形態では、リファイナーは、ストレートタイプのリファイナーである。ある実施形態では、リファイナーはテーパータイプのリファイナーである。適切なリファイナーは、例えば、カルフォルニア州、コビーナ(Covina, California)のブラウンインターナショナル(Brown International)(例えば、ブラウンモデル202、402)、ワシントン州、ポートエンジェルス(Port Angels Washington)のエフ・ケー・シー リミテッド(FKC Ltd.,)(例えば、エフケーシーモデル350及び450)。また、こうした器具は、ときどきパルパー、ポリッシャー、及び/又はリファイナーとして参照される。一般的に、筋肉組織が小片のサイズに縮小される度合いが小さければ小さいほど、与えられる容量に対して必要なリファイナーは小さくなり、反対に、筋肉組織の小片サイズが大きければ大きいほど、与えられる容量を獲得するのに必要なリファイナーは大きくなる。
【0060】
スクリーンメッシュの孔の大きさは、少なくとも一部では、スクリーンを通過することのできる材料の小片のサイズを決定する。一般的に、スクリーンメッシュの孔は、主要なタンパク質の構成物がスクリーンを通過するように選択され、一方で主要な結合組織は円筒状のスクリーン内に残され、パドルの動きによって除去される。ある実施形態では、スクリーンは、約2mmより小さい孔を有するメッシュに形成される(例えば、約1.75mm以下、約1.5mm以下、約1.25mm以下、約1mm以下、約0.75mm以下、約0.5mm以下、約0.25mm以下、約0.05mm以下である)。ある実施形態においては、2mmより大きい孔を使用してもよい(例えば、約2.5mm以上の孔、約2.75mm以上の孔、約3mm以上の孔、約3.5mm以上の孔、約4mm以上の孔)。例えば、魚を加工するとき、一般的には、スクリーンメッシュの孔の範囲は、約0.25mm〜1.5mmの範囲である。
【0061】
ある実施形態においては、リファイナーは、スクリーンを通じてタンパク質が移動するのを補助する遠心性の力を生成するために、例えば、それ自体が回転する円筒状のスクリーンを含んでも良い。そのようなリファイナーのパドルは、相対的に静止した状態に保持してもよい、例えば、一般的にスクリーンと反対方向に、回転しない又はそれ自体が回転できる。
【0062】
他の実施形態では、分離装置は、フラット又はカーブしたスクリーン、スクリーンの表面を横切って掃くように移動する1又はそれ以上のパドルを含むことができ、結合組織を一掃し、任意で、スクリーンを通じてタンパク質、例えば筋肉タンパク質を通過させるのを補助する。さらに、他の実施形態では、分離装置は、フラット又はカーブしたスクリーンを含んでもよい。例えば、フラット又はカーブしたスクリーンは、水平から角度を有するように設定し、重力がタンパク質の小片をメッシュを通過して落ちるようにする、例えば振動又は揺れで、端から端まで移動させるようにしてもよい。任意にスクリーンの動きは、スクリーン上で、スクリーンの端に集合させ、任意に端から除去するように材料を動かすようにスクリーンの角度と組み合わせてもよい。
【0063】
他の実施形態では、分離装置は、小さな孔を備えたドラムを有するバーダー607(BaaderTM607)のようなベルトタイプの分離器でもよい(現在の最小の基準は、1.3mmであるが、より小さな孔が技術的には可能であり、特注にて利用可能である)。分離装置は、ドラムの外側に適合するように機械加工されたノズルを有するインジェクション装置を備えている。例えば、ノズルは、ドラムに接した超高分子量のプラスチックで作製された要素と接触する。要素は、ドラムのカーブを補足するカーブサイドを有する。ノズルは、分離装置を、スラリーを素早く加速するように構成されたリザーバータンク及び/又はパイプに接続させる。このノズルは、長方形のオリフィス又はドラムの長さより短い幅を有する領域を横切る一連の小さなミシン目を通じてスラリーを供給する。バーダー(商標)の部品番号9100001228を備えたバーダー607(商標)がスラリーをドラムの中心に供給するためのアッセンブリーとしての例である。ドラムの中心にスラリーを供給(さらに分配を生成する)することは、ドラムの端に供給するのに好適である。
リザーバータンク、パイプ、ポンプ及び分離装置は、食物を取り扱うためすべて適切な素材で形成される、例えば、ステンレススチール(例えば、304ステンレススチールタイプ、316ステンレススチールタイプ)、カーボンスチール、アルミニウム、グラス、及び/又はプラスチックを含む。
【0064】
循環式タンクシステム
【0065】
ある実施形態では、複数の水和及び加速ステップは、同様のリザーバータンク、パイプ及びポンプで実行される。図6Aは、そのような循環式リザーバー101を図示し、それは、リザーバータンク100及び注入口104及び排出口106で接続されている循環式パイプ102を含む。狭小調整部108は、再循環パイプ102に配置されていて、パイプ102の残りの部分よりも狭い内径を有する。ポンプ110は、狭小調整部108を含む再循環パイプ102に配置されていて、再循環パイプを通じてタンク100から液体がポンプされ、再循環リザーバータンク100に戻る
ように形成される。排出パイプ120はリザーバータンク100から図示されないリファイナーに通じている。排出パイプ120は、排出パイプ120を通じてリザーバータンク100から液体をポンピングするように操作される。この実施形態では、付加タンク、パイプ、ポンプを必要とすることなく、繰り返し水和したり、動物組織を加速したりすることが可能である、それは、そのようなシステムをセットアップするために必要な資本投資を減少させ、タンパク質の分離を生じさせるのに必要なフロアスペースを減少させる。
【0066】
他方で、図6Bに図示されているように、スラリーは、例えば、パイプ102の狭小部108を通じてスラリーを一部に継続的に力を与える水中ポンプによって、又はスラリーを加速させるポンプによって、タンク100内で加速されうる。例えば、ポンプ110は、タンクの底に配置され、注入口112を通じてポンプ110に入るスラリーを循環させ、タンク100内に含まれ、狭小部108を有するパイプ102に排出口114を通じるポンプを存在させる。パイプはスラリーを排出し、直接タンクに戻す。パイプは例えば、タンクの中央又はタンクのサイドに沿っていてもよい。この実施形態では、スラリーは、タンクに残らず、分離パイプは最終物を分離装置に案内する。
【0067】
このような継続的なシステムでは、小片がタンクに残っている平均時間、例えば水和時間はタンクのボリューム及びポンプの流れに依存する。
【0068】
分離したタンパク質スラリー
【0069】
さらに、図1を参照すると、いくつかの実施形態では、この工程から得られた分離されたタンパク質スラリー324は、水、溶解性タンパク質及び不溶解性タンパク質を含む。不溶解性のタンパク質の相当量は、筋細繊維のフィラメントの形態で存在する(例えば、スラリー内に50%、60%、70%、80%、90%又は95%以上の不溶解繊維が、筋細繊維フィラメント形態で存在する。)
例えば、製品の実質的に全てのミオシンが筋細繊維フィラメントの形態であってもよい(例えば、少なくともミオシン75%、80%、90%又は95%)。分離タンパク質スラリーは、ある実施形態では、比較的に少量の結合組織を含む。例えば、ある実施形態では、タンパク質スラリーは、スラリーのタンパク質量と比較して、結合組織約10重量%以下含む(例えば、スラリーのタンパク質量と比較して、結合組織、10重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%又は1重量%以下)
【0070】
溶解されないタンパク質、例えば不溶解性タンパク質の量は、その技術分野で知られた方法を使用して測定される。例えば、最初の分離、例えば、分離したタンパク質スラリーから不溶解性タンパク質を(例えば、遠心分離機によって)フィルタリング又はペレット化し、続いて、不溶解性タンパク質の定量化、例えば重量を測定することによる。一旦不溶解性タンパク質が分離されると、存在している筋細繊維タンパク質の量は、測定可能である。筋形質タンパク質は、標準的な技術によって不溶解性タンパク質ペレットから抽出される。筋細繊維タンパク質は標準的な技術(例えば、リン酸緩衝液での再懸濁、均質化及び遠心)によって残っている破片から抽出され、そして、例えば重量を測定することによって定量化される。不溶解性タンパク質を除去した後の分離されたタンパク質スラリーに残留する溶解性タンパク質の量は、水性溶媒を例えば蒸発によって除去した後に測定される。定量化は、例えばタンパク質の重量を測定することによって、達成される。
【0071】
動物組織の源
【0072】
分離したタンパク質スラリーから得られる動物組織は、様々な動物性食品源から得ることができる。例えば、魚貝類(海老、蟹、ロブスター、オキアミ、蛤、ムール貝、ホタテ貝、及びザリガニ)、烏賊、鶏肉、牛肉、羊肉、又は豚肉がある。ある実施形態では、動物組織の源は、動物の他の部分が小売りのために除去された後に残っている動物の一部である。例えば、魚をフィレにした後、又は鳥が食肉処理された後の鳥の骨格である。ある場合においては、そのような材料は、人間の食料のためには使用されていない。ある実施形態では、動物組織は、幾つかの処理がなされており、多量の結合組織を含みうる。例えば、結合組織の重量%で70%以上、80%以上、90%以上である。
【0073】
いくつかの実施形態では、動物組織源は、動物のタイプに応じて適切な予備処理ステップに晒される。例えば、魚が処理される場所では、魚は一般的に内臓と頭が除去される。例えば、白魚で存在する、結合組織の大きな小片が皮および筋膜のようなシートで構成させる場合には、約1.3mmから約8mmの孔サイズを有する外部のベルト/ドラム式除骨機又は肉挽き機(例えば、バーダー(BaaderTM)、トヨ(TOYO)、又はビブン(Bibun))が使用される。任意に、魚は、動物組織として利用される切り身又は残存した魚の部分とを有するように、切り身にされる。
【0074】
食物源は、鶏肉、牛肉、羊肉、又は豚肉の場合には、動物は一般的に食肉処理され、皮は任意に取り除かれ、のこりは、細かく砕かれる。小片は、任意に骨が除去され(例えば、機械的に除骨されたり、手作業で骨が抜かれたりされ、任意に、すり潰したり、骨を砕いたり、及び例えば、動物組織の残りから骨をフィルタリングすることによって分離する)、軟骨が除去される。ある実施形態では、小片は、骨と軟骨から筋肉及び結合組織を分離する高圧水を用いて小片を粉砕することによって除骨される。例えば、小片は、スクリーンにおかれ、高圧水をスプレーする多くのノズルを通過させる(例えば、少なくとも250PSI、少なくとも275PSI、少なくとも300PSI、少なくとも325PSI、少なくとも350PSI、少なくとも375PSI、少なくとも400PSI)。スクリーンは、実質的に全ての骨を保持するのに十分な大きさを有する一方で、柔らかい組織の小片を通過するのを可能にする大きさのメッシュを有している。そのような処理は、多くの現在の分離技術の間に実行される粉砕中に発生するであろう骨及び軟骨から血及び他の欲しない物質が放出されるのを防止する。得られた組織は、組織をリザーバータンクに加える前に、任意に粉砕やすり潰し(例えば、グラインダー、Beehive又はPaoli分離器、又はStephan silent cutterのようなサイレントカッターを用いて)を伴い、水和用のリザーバータンクに加えられる
【0075】
分離前工程
【0076】
任意に、動物組織の脂肪分は、水和及び/又はさらなる処理の前に縮小化される。タンパク質に対して脂肪の低い密度、タンパク質の等電点(おおよそ、5.5)又はその近傍でのタンパク質の低い乳化能力のため、処理する前に、リザーバータンクの組織の脂肪を減少させることもできる。例えば、約−1℃又はそれ以下、例えば−28℃といったように凍結温度近くまで、懸濁液を冷やすこと、例えば、約5.5のpH値になるように、タンパク質の等電点近くに懸濁液のpHを減少させること及び/又はパイプ又はグリッドの小さな目打ちを通して小さな空気の泡を懸濁液に通すこと(実施例5参照)で脂肪を除去させることによって、脂肪を減少させる。脂肪除去は、継続的又は一括処理で遂行されうる。
【0077】
分離後工程
【0078】
一旦、例えば、筋肉タンパク質、筋細繊維及び/又は筋形質タンパク質といったタンパク質が結合組織から分離されると、タンパク質に望ましいさらなる処理をしてもよい。ここの記載された分離工程中、実質的にすべての筋肉タンパク質は、非溶解物として残留する。例えば、少なくとも50%の筋肉タンパク質が非溶解物として残る。非溶解タンパク質の量は、例えば、分離されたタンパク質スラリーから溶解性タンパク質をフィルタリング又はペレッティング(例えば遠心分離)することによって、測定される。非溶解タンパク質を除去した後の分離されたタンパク質スラリーに残留している非溶解タンパク質の量は、例えば、蒸発によって水性液体を除去した後に測定されうる。分離後、非溶解タンパク質、例えば筋肉タンパク質は、例えば、米国特許第6,136,959号で記載されているように、水とタンパク質を混ぜ、タンパク質を溶解するためにpHを上げることによって可溶化される。又は、米国特許番号6,136,959号、6,288,216号及び6,451,975号に記載されているように、pHを約3.5以下で可溶化させる。こうした特許は、それら全体の内容が参照することによってここに組み込まれる。いずれにせよ、結合組織がすでに筋肉タンパク質から分離されてしまっているので、タンパク質をフィルタリング、ポンピング、又は遠心分離する必要性はない。タンパク質の分解及び凝固は、1つのタンクで実行され、タンパク質の移動の必要性はない。いくつかの実施形態では、付加的な濾過作用が所望されるが、分離されたタンパク質スラリーはフィルタリングのステップをしなければならないものではない。結果は、より緩やかな処理及びより容易なタンパク質の処理、及び発泡の生成の減少又は除去が可能な場合がある。タンパク質は、魚タンパク質から作成されたペーストを作成するために使用されてもよい。
【0079】
ある実施形態では、分離されたタンパク質スラリーは、脱水される。脱水は、ねじプレスを使用して、上澄み液を排出し、絞り出すことによって、続く1又はそれ以上のスクリーンに物質を通すことによってなされる。脱水は、また水の遠心分離、吹きつけ乾燥、蒸発、又はフリーズドライによっても達成される。
【0080】
ある実施形態では、筋肉組織は、結合組織から分離され、筋肉組織の小片は、例えば、肉製品の保水機能、風合い、及び/又は味覚を向上させるために、処理していない肉製品に直接注入されうる十分な小さいサイズに縮小化される。いくつかの実施形態では、筋肉の小片は、保水能力及び/又はミンチ状の筋肉の風合いをコントロールするためにミンチ状の筋肉と混合される。
【0081】
ある実施形態では、処理された動物組織は、それ自体好ましくない(例えば、骨や軟骨)余分な物質がないか、受容できるそのような物質の量(例えば、低レベルの結合組織)を含む場合、組織は、適切なサイズに挽かれ(例えば、結合組織がいくつかの問題を避けるのに十分な小ささであるサイズ、例えば、結合組織片が注入可能及び/又は最終食肉製品の味及び/又は風合いに悪い影響を与えない程度に十分な小ささ)、さらに組織の小片のサイズを縮小するための水和/加速工程に通される。結果としてできた、水溶性のタンパク質、不溶性のタンパク質、及び任意にいくつかの結合組織を含む液体は、例えば、肉製品に注入することによって、又は、任意に真空環境で、肉製品と混ぜ合わされることによって、肉製品(例えば、処理していない肉製品)と組み合わされる。ある実施形態では、液体は、さらに添加物を添加することなしにそのままの状態で肉製品に付加される。また液体は、例えば、タンパク質の分散及び/又は可溶化を補助するために、塩、緩衝剤、酸及び/又は塩基等を含む任意の添加物を含んでもよい。主要な不溶性タンパク質は、筋細繊維フィラメントの形状に存在しうる(例えば、スラリー内のタンパク質の約50%、60%、70%、80%、90%又は95%以上が筋細繊維フィラメントの形状にある。)。例えば、製品の実質的に全てのミオシンは、筋細繊維フィラメントの形態で存在しうる(例えば、ミオシンの少なくとも75%、80%、90%又は95%)。この工程は、例えば、肉製品のタンパク質量を増加させるために使用される。特別な理論考慮するものではなく、肉製品のタンパク質量を増加させる方法は、追加された液体での筋肉タンパク質の減少した粘度を利用する。この工程は、他の目的、例えば、肉製品の水の含量を増加させるため、及び/又は冷凍又は解凍での肉製品によって失われた水を置き換えるために利用される。例えば、魚は、冷凍工程でその水の含有量の約10%から20%の間で失う可能性がある。そして、魚組織は、その時点で純水を組織に注入して維持することができない。タンパク質の存在は、肉製品によって水の滞留を結果として生ずる。
【0082】
(実施例)
本発明は、下記の実施例によってさらに詳細に記述されるが、特許請求の範囲に記載された発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0083】
内蔵を抜かれ、頭がある魚は、約1/4インチの大きさに切り刻まれ、その後、水1部に対して魚1部の割合で水に混合され、リザーバータンクに入れられる。魚の組織は、少なくとも筋肉組織の一部が水和される時間、5分間水に浸けられる。結果として得られるスラリーは、5ft/secのスピードで、3インチの内径のパイプを通過するように容積移送式ポンプを使用してポンピングされる。パイプは、1インチの内径を有する3インチの長さの狭小調整部を有する。スラリーは、パイプ、狭小調整部を通じてポンピングされてスラリーは加速され、与えられた力によって、スラリー内の魚の組織は小片になり、結合組織から水和に弱い筋肉組織に引き裂かれる。筋肉組織はバラバラにされ、筋肉の小片の粒子サイズに縮小される。パイプは、スラリーを第2リザーバータンクに案内し、さらに5分間養生され、筋肉組織のさらなる水和を促進させる。スラリーは、その後、狭小調整部を通してポンピングされ、他のリザーバータンクに送られる。この工程は、所望の小片サイズ及び/又は小片サイズの分散を獲得するために10回繰り返される。
【0084】
スラリーはその後、0.25mmのスクリーン孔を有するリファイナーに導入される。リファイナーのパドルは60RPMで回転するように設定される。タンパク質及び水はスクリーンを容易に通過され、一方、同等の限度にまで大きさを縮小されていない結合組織は、スクリーンを通過しない。タンパク質及び水は、白色接着剤の濃度を有する分離したタンパク質スラリーを生成するために集められる。
【実施例2】
【0085】
牛胸肉は、1インチの小片に切り刻まれ、1/4インチのプレートのミートグラインダーを通して挽かれる。結果として得られる挽肉はその後、スラリーを形成するために水2部に対して肉1部の割合で水に入れられる。スラリーは、攪拌の間に2分間の水和時間とともに、5分につき1分のインターバルをおいて約1750RPMで(せん断を減少するために)縁が丸い3インチの直径を有する羽根車を有するクイジナート(登録商標)フードプロセッサーで攪拌される。スラリーは、その後、内部の水噴霧で補助しながら、1.5mmの掃引スクリーンで分離される。結合組織は、スクリーンに捕らえられる一方で、水の中に懸濁された分離筋肉タンパク質は、スクリーンの孔を通過する。
【実施例3】
【0086】
頭が落とされ、殻がついているチャイニーズ・ホワイト・シュリンプ(Chinese white shrimp) は、3分間、スティーブンチョッパー(Stephan chopper)で同量の氷とともに切り刻まれる。切り刻まれたシュリンプは、120RPMで、30分間3インチの直径を有する(泡立て器に配置されたいくつかのループを含む)かき混ぜ用のフックと追加された5部の水とともに攪拌される。結果として得られるスラリーは、内部の水噴霧で補助しながら、1.5mmの掃引スクリーンで分離される。殻と結合組織は、スクリーンに捕らえられる一方で、懸濁した筋肉組織は、スクリーンホールを通過する。
【実施例4】
【0087】
鱈の切り身は32°Fに冷却され、1/2インチの小片のキューブ状にカットされる。例えば、(以下に記述される割合で)水と共に混合され、結果として得られるスラリーがペースト状の濃度有する点にまで、鱈の切り身の小片のサイズを縮小させるために、4分間ハイスピードで2つの刃を有するカーブしたナイフのアタッチメントを備えたスティーブンカッター、モデルPCM12で切り刻まれる。
【0088】
サイコロ状の鱈の最初のグループは、1/2部の水と混合され、記述されるようなスラリーを形成する。スラリーは、切り身が吸収され、又他方でスラリーの大部分を維持するポイントで、真空タンブラー内で8部の鱈の切り身と回転混合される。混合後、混合物は、水を容器に入れることができるように設計された板ボール容器、ベックライナー(登録商標)を用いて、魚をスティック状に形成するのに使用されるアルミニウムのc型のフレームである標準16.5魚ブロックフレームに入れられる。これは、約10PSIの圧力下で0°Fにプレートのフリーザーで凍らされる。得られた魚のブロックは、魚とスラリーの結合がなされていないものより高い量のタンパク質を有し、高い回復性を有する魚のブロックを産み出し、解凍時にその形態を保持する。
【0089】
第2のグループは、冷凍下で水を失った最初に冷凍した魚に水を補給するために使用される。この分は、3部の水と混合され、ペースト状にするために縮小化され、凍らされる前の(かつ続いて解凍される)鱈の切り身に10重量%の含有量となるように、すべてマリネするように注入され、そして、凍結/解凍工程によって失われた水分のいくつかを置換し、切り身のタンパク質量を増加させる。
【0090】
第3のグループは、米国特許番号6,136,959号に記述されたアルカリ工程で処理され、得られた分離物は、5%のタンパク質量に調整され、1mmの内径を有する注入針を通じて鱈の切り身を15重量%の含有量に注入される、そして、切り身の水とタンパク質の量を増加させる。
【実施例5】
【0091】
大きな筋肉タンパク質を含まない塊と、著しく脂肪を含んだ100パウンドのティラピアの切り身のくずは、バーダー695ベルト挽き機で5mmの小片の大きさに縮小される。これらは、固形物3%で(氷を含んだ)水と混合され、pHがHClを用いて5.5に減少される。この混合物は、循環タンクでゆっくりと攪拌される、空気が15PSIで4,1/4インチの目打ちを有するパイプを通じてタンクに注入される。大量の脂肪はその後分離され、この脂肪は表面に上がり、その後タンクの中央に移動され、上澄みをすくい取ることで容易に除去される。
【0092】
pHは、その後、8.0まで上昇され、100psiの圧力低下させたボールバルブを通じて50gpmで0.5mmの孔を有するブラウン204リファイナーに案内される。
【0093】
この製品は、米国特許番号6,136,959号に記述されたアルカリ工程で処理され、得られた分離物は、3.5%のタンパク質量に調整され、フマコインジェクター(Fumako injector)を使用して、20重量%の含有量でオヒョウ(Pacific halibut)の切り身に注入される。これらの切り身は、リン酸処理ベースのマリネと比較して少ない調理損失を示し、ティラピアの脂肪の特徴的な風味を感知させない。
【実施例6】
【0094】
鳥胸肉は挽き鶏肉300パウンドを製造する従来からある挽き機で1/4インチプレートを通じて挽かれる。肉は3%の固形物を有するように水と混合される。pHはHClで5.3に調整される。脂肪は、予想されるよりも容易に分離でき、黄色い脂肪球体に凝固され、それはレザーバータンクで容易にすくい取ることができる。スラリーは、30分間ボールバルブの狭小部を横切るように攪拌される。バルブは、480ボルトで、1.2アンペアーのポンプドライブモーターのアンペア数を増加させるために調整される。
【0095】
結合組織の大きな直径を有し、それ自体が編まれてさらに大きな直径のロープ(rope)をそれ自体編まれてロープになる腱の傾向のため、この工程で使用されるブラウンリファイナーのパドルは、スクリーンには比較的大きな15mmのギャップで設定される。大きなギャップを補うためには、リファイナーのRPMは、700RPMまで増加される。この設定は魚に使用される小さなギャップで低いRPMを使用する方法と比較してこの製品の結合組織の量を縮小させるのに優れたものであることが証明された。
【0096】
その他の実施形態
多くの本発明の実施形態が記述されている。それにもかかわらず、本発明の範囲及び概念を逸脱しない範囲で様々な変更が可能であると理解される。例えば、リファイナーは、結合組織からタンパク質を分離する手段として上記に開示されているが、スクリーン、従来のリファイナー、ろ過器、小さな小片から大きな小片を分類するための他の装置、弱い小片から強い小片を分類する他の装置を使用することもできる。
【0097】
他の例として、ポンプは、パイプを通して液体を移動するためのものとして記述されているが、液体は代わりに重力や圧力、例えば、液谷表面上に空気の圧力による効果によってパイプ上を移動させてもよい。結果的に他の実施形態は以下のクレームの範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】図1は、方法の実施形態のフローチャートである。
【図2】図2A−2Dは、方法の実施形態の一連の概略図である。
【図3】図3は、ここに記述されたシステムの実施形態の概略図である。
【図4A】図4Aは、バルブの実施形態の概略図である。
【図4B】図4Bは、バッフルの実施形態の概略図である。
【図5】図5は、リファイナーの実施形態の部分斜視図である。
【図6A】図6Aは、システムの実施形態の一部の平面図である。
【図6B】図6Bは、システムの実施形態の断面透視図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、筋肉タンパク質の処理に関する。
【背景技術】
【0002】
(関連出願との相互参照)
本発明は、2005年7月1に出願された米国仮出願番号60/696,071号の出願日の利益を主張し、これらの内容は、全体がここで参照することによって組み込まれる。
【0003】
現在、その機能的及び栄養的特性により、食品としての筋肉タンパク質の使用拡大に関心がある。こうした材料のより優れた使用法として、例えば、脂肪性の遠海魚及び処理された魚、家禽、肉から骨を抜き取った筋肉組織等の現在人への食品としての使用がわずか又ほとんどない低価値原材料は、特に重要になるであろう。加工中におけるタンパク質の機能性の損失及び/又はタンパク質の取扱の困難性から、こうした材料の使用が妨げられてきた。例えば、結合組織からタンパク質を分離する多くの現在の工程は、最初に筋肉タンパク質を溶解した後、結合組織から筋肉タンパク質を分離する。しかしながら、溶解したタンパク質は、空気に晒され、攪拌されたとき、例えば、遠心分離による場合などに、発泡する傾向及び/又は溶解するときに反応又は変性する傾向があるといった好ましくない特性を有する可能性があった。
【発明の開示】
【0004】
本発明は、少なくとも部分的に筋肉タンパク質が、結合組織の強度より低い強度で動物組織から分離できるとの知見に基づくものである。さらに、(1)筋肉組織が水の存在下で結合組織よりも速やかに水和すること、(2)筋肉組織の引張強度が水和作用で弱まること、を見いだした。筋肉組織は、筋肉組織を弱めるため筋肉及び結合組織を含む動物組織を水和させることによる特性を基にして結合組織から分離され、そして、動物組織は、結合組織及び筋肉それ自体の両方から筋肉を引き裂くのに十分な強さの引張応力を有するが、結合組織を引き裂くのを回避するのに十分な弱さを有する低いせん断環境に晒される。このような方法で、筋肉組織は結合組織から引き裂かれ、例えばスクリーンによって、結合組織から容易に分離される小片に縮小される。ここで記述された筋肉組織の弱体化は、自然な筋肉組織のpH環境でスラリーのpHを上げたり、下げたりすることによって速められ、増進される。
【0005】
一形態において、本発明は、結合組織から筋肉タンパク質を分離する方法を特徴とする。スラリーは、水性溶媒中に少なくとも筋肉組織及び結合組織を含む動物組織を入れることによって生成される。スラリーは、その後、低いせん断環境、例えば、スラリーはほとんどせん断応力のない状態に置かれるが、十分な加速が、相当量の結合組織の小片が裂けるレベル以下で、かつ相当量の引き裂きが筋肉組織に発生するレベル以上の引張応力のレベルを提供する。筋肉タンパク質は、その後に結合組織から分離される。
【0006】
実施形態は、1又はそれ以上の下記に記載される特徴を含む。
【0007】
加速は、低いせん断環境で継続的な加速がなされる。スラリーの生成の次で、加速の前に、スラリーは、筋肉組織を部分的に水和するのに十分な一定期間、例えば少なくとも約5分間、比較的平穏な状態におく。スラリーの生成の次で、加速前に、例えば、スラリーのpHを筋肉タンパク質のおおよそ等電点(約5.5)に調整すること、例えば、スラリーの温度を約−1℃に下げることによって、及び/又は、スラリーに気泡を入れることによって、動物組織の脂肪含有量が減少される。水性溶媒は水を使用できる。水性溶媒のpHは、約5.0から9.5の間で使用できる。
【0008】
低いせん断加速度は、狭小部が設けられたパイプにスラリーをポンピングすることによって生成されうる。スラリーは、タンク内に収容され、パイプは、例えば、狭くしたり、バッフル(baffle)又はバルブ(例えばボールバルブ)を用いたりすることによって、パイプの内径の狭小部を介してタンクの外にスラリーを排出し、循環させてタンクに戻すように構成される。
【0009】
スラリーを加速させるステップは、複数回、例えば2、3、4、5、6、又はそれ以上繰り返すことができる。
【0010】
タンパク質は、タンパク質の相当量がスクリーンを通過し、結合組織の相当量がスクリーンの通過を妨げるように構成されたスクリーンを含むリファイナーにスラリーを導入することによって分離される。スクリーンは、例えば、約5mm以下、約0.25から約3.0mmの間、約0.5mmから1.5mmの間又は約0.25mmから0.5mmの間の目を有するメッシュで作製される。リファイナーは、円筒状スクリーン内で、例えば1000RPM以下、約750RPM、500RPM、250RPM、100RPM、又は60RPM以下のスピードで回転するように構成されたパドルを内部に有していてもよい。
【0011】
動物の組織は、魚、貝類、烏賊、家禽、牛肉、羊肉、又は豚肉を含む。
【0012】
スラリーを生成する前に、骨を抜き取った動物組織を作成するために筋肉組織及び結合組織を含む動物組織から骨を除去してもよい。スラリーを生成するステップは、骨を抜き取った動物の組織を少なくとも30分間水性溶媒に浸漬する工程を含むことができる。
【0013】
低いせん断で、高い加速度環境が、結合組織の相当量が裂かれずに、かつ筋肉組織の相当量が裂かれるような引張応力のレベルを提供するためにコントロールされる。せん断は、実質的にすべての筋肉タンパク質の変性を妨げるようにコントロールされる。
【0014】
他の実施形態では、本発明は、タンパク質を処理する方法を特徴とする。筋肉タンパク質は、動物組織から最初に分離され、そして、タンパク質は続いて可溶化される。分離された筋肉タンパク質の少なくとも50%は分離ステップの間では溶解しない状態で残される。
【0015】
実施形態は、1又はそれ以上の下記の特徴を含みうる。
【0016】
実質的に全ての筋肉タンパク質は、分離工程中に溶解しない状態で残すことができる。分離された筋肉タンパク質は、水性溶媒及びタンパク質で構成されるスラリーのpHを分離されたタンパク質の少なくとも75%が溶解する点、例えば約10.5のpHに上げることによって溶解される。
分離された筋肉タンパク質は、水性溶媒及びタンパク質で構成されるスラリーのpHを分離されたタンパク質の少なくとも75%が溶解する点、例えば約2.5及び3.5の間のpHに下げることによって溶解される。
【0017】
さらに別の実施形態では、本発明は、少なくとも水及び不溶解性タンパク質を含み、少なくとも約50%の不溶解性タンパク質は筋細線維フィラメントの形態にあり、液体は、相当量の結合組織を含んでいない液体成分であることを特徴とする。
【0018】
実施形態は、1又はそれ以上の下記の特徴を含みうる。
【0019】
タンパク質は、ミオシン(myosin)を含みうる。少なくとも75%のミオシンは、筋細線維フィラメントの形態であってもよい。成分は、スラリーのタンパク質の量と比較して、結合組織約10重量%以下を含む。成分は、スラリーのタンパク質の量と比較して、結合組織約4重量%以下を含む。
【0020】
他の実施形態では、本発明は、結合組織から筋肉タンパク質を分離するためのシステムを特徴とする。システムは、第1容器、該容器と液体を伝達可能に接続され、狭小部を有する第1パイプ、該パイプを通じて容器から液体をポンピングできるように構成されたポンプ、及び第1容器と液体を伝達できるように接続された分離装置とを含む。
【0021】
システムの実施形態は、1又はそれ以上の下記の特徴を含む。
【0022】
システムは、第2容器、該第2容器及び分離装置と液体で伝達できるように接続され、狭小部を有する第2パイプ、及び第2パイプを通じて第2容器から液体をポンピングできるように形成された第2ポンプを含む。第1パイプは、第1容器の排出口及び第1容器の注入口に連結され、第1容器の出口から第1パイプ及び注入口を通って、第1容器に液体が再循環するように形成される。ポンプは、低いシャーポンプ(shear pump)が使用でき、容積移送式ポンプ(positive displacement pump)、遠心ポンプ(centrifugal pump)、ジェットポンプ、蠕動ポンプ(peristaltic pump)、回転ポンプ、隔膜ポンプ(diaphragm pump)、ベーンポンプ(vane pump)、往復ポンプを使用しうる。狭小部はバッフル又はバルブ、例えばボールバルブを用いうる。分離装置は、リファイナー(refiner)を含む。リファイナーは、例えば、約2mm以下、0.25mm以下の孔を有するスクリーンを含む。リファイナーは、円筒状スクリーン内を回転するように形成されたパドルを含んでも良い。パドルは、第1端部から第2端部まで円筒状のスクリーン内で材料を移動させるために取り付けられる。
【0023】
さらに、他の実施形態では、本発明は、肉のタンパク質の量を増加させる方法を特徴とする。スラリーは、水性の溶媒に筋肉組織を含む動物組織を入れることによって生成される。スラリーは、スラリーをほとんどせん断応力のない状態においた環境で加速されるが、十分な加速によって筋肉組織を小片に縮小させるために相当量の引き裂きが筋肉組織内で発生するレベルより大きい引張応力のレベルを提供する。スラリーは、肉と混ぜ合わされる。
【0024】
実施形態は、1又はそれ以上の下記の特徴を含みうる。
【0025】
スラリーは、スラリーを筋肉組織に注入することによって筋肉組織に混ぜ合わされる。スラリー内の不溶性タンパク質の少なくとも約50%は筋細繊維フィラメントの形態になりうる。動物組織は、さらに、水性溶媒内に入れられる前に細かくされるか又はすり潰される。水性溶媒は、実質的に塩を含まない。
【0026】
ここのシステム及び方法の実施形態は1又はそれ以上の下記の有利な点を含む。
【0027】
新規な方法によれば、タンパク質、主として筋肉タンパク質は、タンパク質の可溶化前に結合組織及び他の組織から分離される。それは、一旦タンパク質が可溶化されるとそのような分離の必要性を排除する。筋肉タンパク質の分離は、現在の方法より効率的である。タンパク質の高い生成量及び/又は結合組織又は他の所望しない組織を低いレベルで抑えられる。分離したタンパク質は、低い発泡性、せん断及び/又は熱におかれ、結果として、従来の技術より、低い変性となる。タンパク質の相当量は、例えば、ミオシンの相当量は、通常の筋細繊維フィラメント形態、すなわち非変性の状態にある。新規の方法は、引張強さ及び/又は水の存在下での水和率が異なる筋肉のタイプによって、互いに分離することを可能にする。
【0028】
ここに使用される、「低せん断環境(low shear environment)」は、引き裂くメカニズム、例えば、刃やプロペラによる摂動がない環境である。低せん断環境は、例えば、ここに記載されるパイプ、円筒状の容器内にある。低せん断加速は、低せん断ポンプ、例えば、ピストンポンプを使用してここに記載された加速されたスラリーによって生成される。熟練者が、低いせん断レベルと高い引張応力が使用される原材料に依存することを十分に理解するであろう。例えば、牛肉組織の低せん断環境は魚肉組織の低せん断環境と比べて異なるせん断レベルを有する。
【0029】
別で定義されることなしに、ここで使用される全ての技術及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同等の意味を有する。ここで記述された方法及び物質と類似又は均等の方法及び物質は、本発明の実施又はテストに使用されうるが、最適な方法及び物質が以下に記述される。ここで記述されたすべての刊行物、特許出願、特許及び他の参照は、それ全体が参照によって組み込まれる。不一致がある場合には、定義を含め、本明細書が優先する。加えて、物質、方法、及び例は、説明のためのみのものであり、限定する意図を有するものではない。
【0030】
本発明の他の特徴、目的及び有利な点は、以下の詳細な記述、図面及び特許請求の範囲から明らかとなるであろう。それぞれの図面の同様の参照番号は同様の要素を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
全体的な方法
【0032】
筋肉組織を含む動物組織は、水性液体に入れられ、結果として、筋肉組織の少なくとも一定量は水和される。動物組織は例えば、引張応力、低せん断環境の引張応力の応力下に置かれる。応力は、結合組織及び筋肉それ自体から筋肉を引き裂くのに十分な強さであるが、結合組織を引き裂くのを回避するのに十分な弱さに選択される。筋肉組織は、結合組織から引き裂かれ、筋肉組織と結合組織との間の小片のサイズの差が分離装置、例えばスクリーンによって結合組織から筋肉組織の分離を可能にするのに十分な大きさとなるまでの小片サイズに縮小される。低せん断環境での応力の適用及び結合組織からの筋肉の分離が以下に詳細に説明される様々な方法及び様々なシステムによって実行される。キーは、可能な限り結合組織をそのままにして、筋肉組織を小片に選択的に縮小させることである。これによって、これらは、大きさに応じて分離されうる。
【0033】
本発明を限定する意図を有するものではなく、説明目的のみのためのものであるが、ここに記述された方法は、一般的にゴムバンドからスパゲッティを分離しようとすることに類似されうる。スパゲッティとゴムバンドの混合物が水の中にあり、スパゲッティが水和する。ゴムバンドは全体的に同様の形態で存在しているときに、この混合物が引張応力を生成するために低いせん断環境で加速されると、スパゲッティは、より小さな小片に分解される。数回のそのような加速サイクルの後、スパゲッティはより小さな小片に分解される。例えば、それらは、肉眼で視認できないほどの小ささにされ、混合物は、比較的影響を受けないゴムバンドとともに、(極めて小さなスパゲッティの断片を含む)シロップのような物質として現れる。その後、この混合物は、スパゲッティの小片が通過するのに十分大きく、ゴムバンドを除外するのには十分に小さな孔を有するスクリーンを通過する。分離されたスパゲッティの小片は、続いて可溶化される。
【0034】
一実施形態に係る方法300が、図1に図示される。結合組織から筋肉組織の分離は、動物組織310及びスラリー312を生成するための容器314の水性液体311、例えば水と混合することによって始まる。動物組織はタンパク質(例えば筋肉タンパク質)、結合組織、及び他の所望しない組織、例えば、小骨、軟骨又は血液を含みうる。いかなる水性溶媒、例えば緩衝用水(buffered water)が、水性液体として使用されうる。水性液体及び動物組織は、ある実施例においては、動物組織1部に少なくとも0.1部の割合で混合される(例えば、動物組織1部に対して少なくとも1部の水、動物組織1部に対して少なくとも1.5部の水、動物組織1部に対して少なくとも2部の水、動物組織1部に対して少なくとも5部の水、動物組織1部に対して少なくとも10部の水、動物組織1部に対して少なくとも25部の水、動物組織1部に対して少なくとも50部の水、動物組織1部に対して少なくとも100部の水)。一般的に、少ない水の量は、より少ない脱水を必要とし、無駄をより少なくする一方で、多い水の量は、組織の早い水和をもたらす。動物組織1部に対して1から5重量部の間の割合が好ましい水和スピードと無駄のレベルを提供する。
【0035】
水性溶媒のpHは、一般的に、もしタンパク質の相当量が溶解するならば、発生するであろう発泡を避けるために選択され、それは、典型的には、約4.2から約9.5の間である(例えば、5.0から8.5の間、5.0から7.5の間、5.5から7.0の間)。ある実施形態では、スラリーが、好ましいpH範囲内に自然にある場合には、それ以上のpHコントロールは必要とされない。スラリーは、非溶解性タンパク質を含み、例えば、筋肉タンパク質、及び非溶解物質、例えば、結合組織、を含み、ある実施形態においては、付加的に溶解性物質、例えば溶解性タンパク質を含んでもよい。
【0036】
ステップ315のスラリー312は、ある実施形態では、筋肉組織の少なくともいくらかの水和が可能な十分な時間の間、比較的平穏にされている(例えば、少なくとも1、2、5、10、20、30、40、50、60、70、80又は90分間)。他の実施形態では、スラリーは、直ちに処理される。すなわち、スラリーは時間を延長して平穏な状態にされない。スラリー312は、ある実施形態では、筋肉組織が水を吸収するのを促進するために攪拌される。水の温度は、筋肉繊維が水を吸収している間、タンパク質フィラメントの分解を妨げるように選択され、例えば、0℃以上が可能である(例えば、約10℃、20℃、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、120℃、又は140℃)。筋肉組織を水和すると、筋肉組織の引張強さは減少し、結果として、筋肉組織の引張強さと結合組織の引張強さの差が増大する結果となる。
【0037】
ステップ316では、スラリー312は、(例えば、狭小部を有するパイプを通じてスラリーをポンピングすること、例えば、オービタルミキサー(orbital mixer)のようなミキサーを用いてスラリーをかき混ぜること、機械的又は超音波によってスラリーを攪拌することによって)、急速にスラリーを加速することによって最小限のせん断を有する引張強さにおかれる(例えば、狭小部を有するパイプを通じてスラリーをポンピングすること、例えば、オービタルミキサー(orbital mixer)のようなミキサーを用いてスラリーをかき混ぜること、機械的又は超音波によってスラリーを攪拌することによって)。結合組織の相当の割合(例えば80%以上)が破損する(例えば、引き裂き)レベル以下で、筋肉組織の相当な割合(例えば80%以上)が破損しなくなる(例えば、引き裂き)レベル以上にするために、引張応力はコントロールされる。低せん断、高い引張応力環境が、例えば、ピストンポンプ等の低せん断ポンプを用いて滑らかな壁を有するパイプを通じてスラリーを加速させることによって発生されうる。熟練者はせん断及び引張応力のレベルは使用された原材料のタイプに応じて調整されることを理解するであろう。
【0038】
目視検査が適用される引張応力の強さが十分であるかどうか決定するために使用される。最初は、肉眼によって観察されたリザーバータンク内のスラリーが、視認できる筋肉の大きな小片を有し、結合組織例えば腱の小さな小片を有する組織を含む。一旦、組織が十分な引張応力下で十分な時間にあると、スラリーの外観は、結合組織の(少なくなった筋肉タンパク質を含む)小さな小片を有する水状又はシロップ状の溶液に変化する。従って、スラリーを引張応力下においた後で、結合組織から筋肉タンパク質を分離する前のスラリーの外観は、適用された引張応力が十分であるかどうかの決定に使用される。
【0039】
加えて、適用された引張応力の強さは、光ファイバー伸縮計及び/又はある一定量の原材料に適用されたエネルギー又は仕事をモニターすることによって測定される。例えば、消費されたエネルギー又はなされた仕事の量は、バルブが閉じられるか、狭小部を設けられたときに、ポンプによって示される付加アンペア数をモニターすることによって測定される。組織を処理するに十分な引張応力のレベルは存在する筋肉のタイプに依存する。例えば、(適用されたエネルギー又は仕事によって測定される)引張応力の量は、魚の筋肉を処理するためのものより、牛肉の筋肉を処理するためのものの方が4倍高くなる。引張応力のレベルは、応力が適用される時間の長さに依存する。例えば、より時間が長ければ長いほど、必要とされる応力レベルは低くなる。熟練者は、引張応力及び/又は特定の適用に必要とされる適用エネルギーを調整することができるであろう。
【0040】
狭小部を有するパイプでは、希望する力を獲得するのに必要とされる流速がパイプの内径及び狭小部の形状に依存する。一般的に、例えば、狭小調整が使用されるとき、狭小した直径部での液体の速さv2は、以下の式によって決定される。
v2=(r12/r22)v1
r1=パイプの内半径
r2=狭小調整された細い端部の内直径
v1=太いパイプ部の液体速度
v2=細いパイプ部の液体速度
【0041】
例えば、分当たり20ガロン(gallons per minutes, GPM)で流れるシステムの場合、初期速度は、3インチの内径のパイプを0.9ft/secとなるであろう。3インチの長さのもので1インチに狭小した狭小部に液体を流した場合、2インチの直線距離では、液体の速度は、8ft/secに増加し、液体は20GPMの流れにおいて記述された狭小部を平均0.09秒費やすことになる。流れの方向の平均加速度は、80ft/sec2となる。加速度は、範囲及び/又は狭小部の長さ及び/又は流速を変更することによってコントロールされうる。注目すべきは、上記計算で示された加速度は、加速度が流れる方向以外の方向に存在するように、制限されることによって引き起こされる平均総加速度の一部である。固体の小片が受ける力の大きさは、制限部の大きさ及び形状又は流速の増加、減少によって変更されうる。例えば、上記に記載されたシステムは、5GPMの流速で流れることによって、少なくとも5ft/sec2の加速度で流れるであろう。代わりに、例えば、504ft/sec2の高い加速度は、50GPMで獲得されるであろう。
【0042】
加速度の上限では、ある実施形態において、スラリーの温度を所望する限度より高いレベルにするであろう。例えば、筋肉タンパク質の変性が発生するより高い温度のレベルになるであろう。ある実施形態では、十分なサイクルの回数を使用することが加速度のより低い限度に必要とされる問題を取り除くであろう。例えば、加速度が5ft/sec2よりも低いものとなるであろう。究極的に、穏やかな加速度は結合組織、例えば、細胞膜の弱い構造を分離するのに必要となるであろう。より高いレベルの加速度は、粗い組織、例えば牛肉を分離するのに必要とされるであろう。熟練者は、加速度レベルが使用される組織の種類及び引張応力が適用される総時間に応じて調整されることを理解するであろう。一実施形態では、すべての加速度が狭小調整の領域で発生しうる。
【0043】
ある実施形態では、冷蔵装置は、発生した熱を除去するため加速領域の下流に載置してもよく、可能性のある変性及び/又は他の熱関連の問題を制限する。勿論、加速度に関連する応力はシステムによって適用される応力のみではない。L字型又は他のパイプの向きの変更にとともに、水路を通過した乱流及び狭小部から結果として得られる乱流の増加の両方の乱流は、適用される応力に影響を与える。一般的に、システムに与えられたエネルギーの総量は、ポンプモーターによって示されたアンペア量の変化、又は流速とともに、狭小部を通過する圧力の低下を直接測定することによって測定又は概算されうる。単位時間当たりのスラリーを運搬する仕事は一定に維持され、バッチ操作の経過は変更されうる。一般的に加速度又は仕事量はアンペア量及び/又は流速及び/又は圧力低下をモニターすること、及びポンプスピード及び/又は狭小部の断面積を調整することによってコントロールできる。ここに記載されたシステムはフレキシブルであり、その操作は、流速、狭小部の大きさ、及び/又は様々な区画でスラリーが費やす時間を調整することによってコントロールできる。
【0044】
例えば、水性溶媒及びスラリーの加速から得られる高い張力と低せん断に晒されている下では、結合組織が実質的に影響を受けないで維持している間、弱い筋肉組織は、より小さい断片に分解されはじめる。さらに、筋肉組織は、結合組織から分解され、2つの構成素材に分離される。そのようなものが、パイプの調整した狭小部を通過するスラリーをポンピングする状況を示す図2A−2Dに図示されている。結合組織202の断片及び筋肉組織204の断片で構成される動物組織の断片200は、パイプ208に配置された狭小調整部210を有するパイプ208を通じてポンピングされている。動物組織の断片200が図2Aで狭小調整部210に近づくと、液体の流速は、増加し始める。流速の増加は、動物組織の断片200の上流側の端部への影響を与える前に、動物組織の断片200の下流側の端部205に影響を与え、液体の流れの方向に沿って下流側の端部205は引かれ、動物組織200は伸長する。
【0045】
流体の変化が十分な力にあるとき、この伸長は、図2Bに示されるように筋肉組織に裂け目212を生じさせ、最終的に、図2Cに図示されるように筋肉組織の断片204は、2つのより小さな筋肉組織の断片204a及び204bに分離される。また、加速力は、筋肉組織の断片204b及び結合組織の断片202の間に裂け目214を生じさせる。それは、最終的に、図2Dに図示されたように結合組織の断片202から引き裂かれ解放された筋肉組織の断片204bとなる。従って、筋肉組織と結合組織の両方を含む、最初の動物組織の断片200は、筋肉組織の2つのより小さな断片(204a及び204b)に分解され、結合組織202の分離された断片となる。それぞれの小さな断片は、大きな断片200よりも大きな表面−体積比率を有し、それは、(水に新たな表面を晒すことによって)さらに水和を促進する。
【0046】
図1を再度参照すると、スラリー312は、その後ステップ318でリザーバータンクに導かれる。リザーバータンクは、ポンプによって送られる同じリザーバータンクであってもよいし、異なるリザーバータンクであってもよい。スラリーはその後さらに水和してもよく、さらに、2回目として、狭小部を有するパイプを通して加速されることによる高い張力と低いせん断力に晒される(ステップ316)。水和と加速ステップ(例えば、ステップ315、316及び318)が、所望される結果が獲得されるのに必要な回数繰り返される。例えば、水和及び加速ステップは1回の実行でも、2回以上であってもよい(例えば、3回以上、4回以上、5回以上、6回以上、7回以上、8回以上、10回以上、15回以上、20回以上)。追加の動物組織及び/又は水性溶媒は、どのステップで追加されてもよい。例えば、水が筋肉組織によって置き換わるように追加されてもよい。特に、水と動物組織の比率が初期は小さく、例えば、0.5部の水に対して1部の動物組織となるようにする。加えて、水和時間及び温度及び加速力の量は一定となるように維持しても、サイクルごとに調整してもよい。筋肉組織の表面積が増加すれば、例えば、続く水和ステップの水和時間は、より短くしてもよい。
【0047】
筋肉組織がより小さな断片に分解すると、上述したように表面積と体積の比率が増加する。この表面積の増加は、さらに、新しい表面を露出することによって筋肉組織の水和を可能にし、さらに筋肉組織を弱くさせ、筋肉組織がより小さい断片又は小片に分解させることができる。
【0048】
スラリー312は、その後、さらに、リザーバー314から不溶性物質、例えば結合組織がスラリーから分離され、分離装置、ここではリファイナー320にポンピングされ、分離された(隔離された)タンパク質スラリー324を残すように、さらなる所望の処理がなされる。所望されるものが得られたとき、筋肉組織がペースト状の濃度になるまで、筋肉組織の小片は(ステップ315、316及び318で)サイズが縮小される。リファイナーはスクリーン、例えば約0.25mmから約2mmの孔を有する円筒状スクリーンを含む。メッシュの大きさは、筋肉組織の小片のペースト状のスラリーが小さなメッシュを通じて容易に通過するように、かつ実質的に結合組織のすべてを排除するように選択される。熟練者は、メッシュのサイズの特定の適用が、適切となるようにすることを理解するであろう。
【0049】
筋肉組織よりも高い引張強さを有し、筋肉組織よりゆっくりした速度で水和し、引張強さを減少する結合組織の断片は、リファイナーの小さなメッシュスクリーンを容易に通過できない十分な大きさを維持しており、パドルによってリファイナーの末端の外に押し出される。従って、結合組織からタンパク質、主として筋肉タンパク質を分離する。ある実施形態では、水和時間、加速力、サイクルの数は筋肉組織を極めて小さなサイズに縮小させるために調整される。それによって、リファイナーは、パドルを使用することなく、結合組織からタンパク質、主として筋肉タンパク質を分離するロータリースクリーン(rotary screen)又はタンジェンシャルスクリーン(tangential screen)に置き換えられる。
【0050】
直列型連続システム
【0051】
結合組織から筋肉組織を分離するシステムの実施形態が図3に示されている。システム10は、一連のリザーバーバータンク12、14及び16を含む。パイプ20及び22はリザーバータンク12からリザーバータンク14に、リザーバータンク14からリザーバータンク16にそれぞれ通じている。パイプ20及び22は、パイプ20及び22を通じて液体をポンピングするため、それぞれポンプ30及び32を有している。ポンプは、例えば、往復ポンプ、回転式ポンプ又は隔膜ポンプのような容積移送式がよく、結合組織から筋肉組織の分離を得るため及び筋肉組織を所望する小片のサイズに分解するために十分な力をパイプを通じた液体の動きに生じさせるシステム(例えば、パイプのライン内又はレザーバータンク内)のいかなる場所に設置されてもよい。従来の、ルーツ(Roots)、ジー・アンド・エイチ(G&H)、及びモノ(Mono Pumps Ltd, Manchester, U.K)で作製されたようなローブタイプ(lobe-type)及びプログレッシブ・キャビティ・フード・ポンプ(progressive cavity food pump)が用いても良い。代わりに、液体の十分な流出を発生させることが可能ないかなる液体ポンプが使用されてもよく、例えば、遠心ポンプ(例えば、渦巻き、軸流及び混成流ポンプ)、ジェットポンプ、蠕動ポンプ、ベーンポンプを含む。代わりに、結合組織とは対照的に、筋肉組織に選択的に構造的欠陥を引き起こすための応力(張力、せん断又は通常)を負荷することができるいかなるポンプ又は他の装置が使用されうる。特に有効なポンプの1つは、シャーポンプ、例えばピストンポンプである。圧力差がポンプの限界に対して無視してよいくらいに及び、例え、近接した圧力限度であっても、過剰なせん断は処理の効率に不利益に働く。いくつかの実施形態では、ポンプのベル吸引(bell suction)がポンプキャビテーション及び合せん断(resultant shear)を防止するために提供される。
【0052】
ある実施形態においては、リザーバータンクは、相対的に影響を受けない状態にスラリーを保持でき又はスラリーがポンピングされる水路としての機能を有するパイプのコイルに置き換えることができる。例えば、システムが載置される予定のスペースが小さいところでは、狭小部がパイプのコイル内に含まれる。
【0053】
パイプを通じてポンピングされた液体が加速状態におかれるように、パイプ20及び22は、それぞれパイプの他の部分よりも直径が短い調整部26を有する。この加速は、張力とせん断応力下にあるパイプの容積による。引張応力の値は、結合組織の相当量が破損(引き裂き)するレベルより低く、筋肉組織の相当量が破損(引き裂き)するより高くなるように選択される。張力とせん断応力の比率は、高い値で選択される。一般的には、応力の適切な値は、水性溶媒での水和の機能及び動物組織の存在時間及び特定動物の筋肉組織の強さによる。例えば、牛肉は、魚より強靱であり、同様の結果を得るためには、一般的に高い応力の値、長い水和時間、及び/又はこれらの両方が必要とされる。従って、スペースが利用可能である場合、組織は、長い時間水和するためにそれをそのままにし、より低い応力を適用することによって実行される。反対に、スペースが、例えば、ファクトリートローラ(factory trawler)上のように高い場合には、水和時間は最小限(例えば、1分)に維持されるか、回避され、適用される応力は、より長い水和時間を通じて獲得されるよりも、筋肉組織により高い力を与えるために高くされる。
【0054】
一般的に、応力とせん断力は、液体の速い加速を得るために形成されたパイプ、例えば狭小部を有するパイプを通じてリザーバータンクの中身をポンピングすることによって得られる。そのような加速は、例えば、液体がポンピングされる断面積を減少させることによって獲得され、結果として、液体の流速を増加させることになる。図4A及び4Bは例示として、バルブ252(図4A)、例えば、ボールバルブ、及びバッフル(図4B)を含む、そのような流速を増加させる結果を得る代替え可能な狭小部の構成を図示する。ある実施形態においては、パイプのL字部、例えば、1つ又はそれ以上の90°又は45°の調整部、又は1つ又はそれ以上のパイプのらせん又はコイルが狭小部として機能しうる。これらは通過する液体に十分な応力を提供できる。実施形態では、1又はそれ以上の幾つかの構成を含む。ある実施形態においては、レザーバータンクからパイプに液体をポンピングすることから得られる加速は結合組織から筋肉を分離する効果を得るの十分であり、追加の構成は必要ない。
【0055】
特に有効な1つのコンビネーションは、容積移送式ポンプとボールバルブによる狭小部である。このようなコンビネーションの有利な点は、(せん断応力からよりはむしろ)引張応力の形態で総応力を集中させるという効果があり、典型的には、筋肉の欠損を選択的に引き起こす点である。他の有利な点は、操作する者が単位時間当たりの供給されるエネルギー及び流速を直接かつ分離してコントロールすることができる。例えば、完全な容積移送式ポンプによって発生された流れに対してボールバルブを部分的に閉じることにより、供給されるエネルギーにのみ影響を与える(増加させる)。一方で、遠心ポンプに対してボールバルブを閉じると、流量が減少し、一定の閉じる範囲では、(流量の変更と粘度のため)単位時間当たりの供給される総エネルギー量が増加する。一定の閉じる量の範囲では、遠心ポンプに対するこうした閉じは消費電力を減少させ、結果として仕事が供給される比率を減少させる。
【0056】
さらに、図3を参照すると、以下により詳細に説明されるが、末端パイプ24は、リザーバータンク16からリファイナー40へ導かれる。この実施形態に示されるように、パイプ24は、パイプ24を通じて液体をポンピングするポンプ34を有し、狭小調整部26を有するが、末端パイプはこうした特徴の1つ又は両方が欠けていてもよい。収集チャンネル50は、リファイナー40のスクリーン42を通じてタンパク質ペーストを集めるためにリファイナー40の下に延長する。流出トレイ56は、スクリーン42を通過しない材料を集め、リファイナーの末端44から除去される。
【0057】
分離装置
【0058】
分離装置が図5に図示されている。分離装置は、導入端部43と末端44を有する円筒状スクリーン42を含むリファイナー40である。一連のパドル46は、中心軸シャフト48からスクリーン42方向に放射状に延長し、円筒状スクリーン42内を回転するように形成されている。パドルは、円筒状スクリーン42の内側に沿って、一般的に長手方向に延長する。リファイナーは動物組織スラリーが導入端部43に導入されると、タンパク質ペーストはスクリーン42のメッシュを通過することができ、一方で大きな結合組織の断片は通過できないように形成される。パドル46は、パドルが円筒状スクリーン42内を回転するように、パドルが円筒状スクリーンの導入端部43から末端部44にスクリーンを通過しない材料を移動させ、排出トレイ56で除去されるようにピッチを有する。リファイナーは1、2、3、4又はそれ以上のパドルを有してもよい。一般的にパドルの数が多ければ多いほど、以下に記述されるように、スラリーの与えられる量を処理するために必要なRPMは低くなる。
【0059】
ある実施形態におけるパドルの回転は、スクリーン42を通じたタンパク質と筋肉の小片の通過を強制するか、又は補助する。パドルによって発生された力の量は、パドルの回転スピード、パドル材料の相対的な堅さ、スクリーンへのパドルの近接性によって決定される。ある実施形態におけるパドルは、約1000RPMより少ない回転スピードで回転される(例えば、約700RPM、500RPM、450RPM、400RPM、350RPM、300RPM、250RPM、200RPM、150RPM、125RPM、100RPM、90RPM、80RPM、70RPM、又は60RPM)。いくつかの実施形態では、パドルの回転スピードで本質的な上限を有しない。例えば、パドルの回転スピードは、約1000RPMより速くてもよい。パドルとスクリーンとの間のギャップ及びスクリーンは約50mmより小さなものがよい(例えば、約40mm以下、30mm以下、20mm以下、10mm以下、5mm以下、2.5mm以下、1mm以下、0.5mm以下、又は一般的な寸法としては小さすぎるもの)。ある実施形態では、約50mmより大きいものを使用してもよい(例えば、60mm、70mm又は80mmより大きいもの)。他の実施形態では、スクリーンとパドルの間に実質的な差を有しない。すなわちパドルは、スクリーンに接している。ある実施形態では、リファイナーは、パドルとスクリーンの間の距離を設定してもよい。ある実施形態では、リファイナーは、ストレートタイプのリファイナーである。ある実施形態では、リファイナーはテーパータイプのリファイナーである。適切なリファイナーは、例えば、カルフォルニア州、コビーナ(Covina, California)のブラウンインターナショナル(Brown International)(例えば、ブラウンモデル202、402)、ワシントン州、ポートエンジェルス(Port Angels Washington)のエフ・ケー・シー リミテッド(FKC Ltd.,)(例えば、エフケーシーモデル350及び450)。また、こうした器具は、ときどきパルパー、ポリッシャー、及び/又はリファイナーとして参照される。一般的に、筋肉組織が小片のサイズに縮小される度合いが小さければ小さいほど、与えられる容量に対して必要なリファイナーは小さくなり、反対に、筋肉組織の小片サイズが大きければ大きいほど、与えられる容量を獲得するのに必要なリファイナーは大きくなる。
【0060】
スクリーンメッシュの孔の大きさは、少なくとも一部では、スクリーンを通過することのできる材料の小片のサイズを決定する。一般的に、スクリーンメッシュの孔は、主要なタンパク質の構成物がスクリーンを通過するように選択され、一方で主要な結合組織は円筒状のスクリーン内に残され、パドルの動きによって除去される。ある実施形態では、スクリーンは、約2mmより小さい孔を有するメッシュに形成される(例えば、約1.75mm以下、約1.5mm以下、約1.25mm以下、約1mm以下、約0.75mm以下、約0.5mm以下、約0.25mm以下、約0.05mm以下である)。ある実施形態においては、2mmより大きい孔を使用してもよい(例えば、約2.5mm以上の孔、約2.75mm以上の孔、約3mm以上の孔、約3.5mm以上の孔、約4mm以上の孔)。例えば、魚を加工するとき、一般的には、スクリーンメッシュの孔の範囲は、約0.25mm〜1.5mmの範囲である。
【0061】
ある実施形態においては、リファイナーは、スクリーンを通じてタンパク質が移動するのを補助する遠心性の力を生成するために、例えば、それ自体が回転する円筒状のスクリーンを含んでも良い。そのようなリファイナーのパドルは、相対的に静止した状態に保持してもよい、例えば、一般的にスクリーンと反対方向に、回転しない又はそれ自体が回転できる。
【0062】
他の実施形態では、分離装置は、フラット又はカーブしたスクリーン、スクリーンの表面を横切って掃くように移動する1又はそれ以上のパドルを含むことができ、結合組織を一掃し、任意で、スクリーンを通じてタンパク質、例えば筋肉タンパク質を通過させるのを補助する。さらに、他の実施形態では、分離装置は、フラット又はカーブしたスクリーンを含んでもよい。例えば、フラット又はカーブしたスクリーンは、水平から角度を有するように設定し、重力がタンパク質の小片をメッシュを通過して落ちるようにする、例えば振動又は揺れで、端から端まで移動させるようにしてもよい。任意にスクリーンの動きは、スクリーン上で、スクリーンの端に集合させ、任意に端から除去するように材料を動かすようにスクリーンの角度と組み合わせてもよい。
【0063】
他の実施形態では、分離装置は、小さな孔を備えたドラムを有するバーダー607(BaaderTM607)のようなベルトタイプの分離器でもよい(現在の最小の基準は、1.3mmであるが、より小さな孔が技術的には可能であり、特注にて利用可能である)。分離装置は、ドラムの外側に適合するように機械加工されたノズルを有するインジェクション装置を備えている。例えば、ノズルは、ドラムに接した超高分子量のプラスチックで作製された要素と接触する。要素は、ドラムのカーブを補足するカーブサイドを有する。ノズルは、分離装置を、スラリーを素早く加速するように構成されたリザーバータンク及び/又はパイプに接続させる。このノズルは、長方形のオリフィス又はドラムの長さより短い幅を有する領域を横切る一連の小さなミシン目を通じてスラリーを供給する。バーダー(商標)の部品番号9100001228を備えたバーダー607(商標)がスラリーをドラムの中心に供給するためのアッセンブリーとしての例である。ドラムの中心にスラリーを供給(さらに分配を生成する)することは、ドラムの端に供給するのに好適である。
リザーバータンク、パイプ、ポンプ及び分離装置は、食物を取り扱うためすべて適切な素材で形成される、例えば、ステンレススチール(例えば、304ステンレススチールタイプ、316ステンレススチールタイプ)、カーボンスチール、アルミニウム、グラス、及び/又はプラスチックを含む。
【0064】
循環式タンクシステム
【0065】
ある実施形態では、複数の水和及び加速ステップは、同様のリザーバータンク、パイプ及びポンプで実行される。図6Aは、そのような循環式リザーバー101を図示し、それは、リザーバータンク100及び注入口104及び排出口106で接続されている循環式パイプ102を含む。狭小調整部108は、再循環パイプ102に配置されていて、パイプ102の残りの部分よりも狭い内径を有する。ポンプ110は、狭小調整部108を含む再循環パイプ102に配置されていて、再循環パイプを通じてタンク100から液体がポンプされ、再循環リザーバータンク100に戻る
ように形成される。排出パイプ120はリザーバータンク100から図示されないリファイナーに通じている。排出パイプ120は、排出パイプ120を通じてリザーバータンク100から液体をポンピングするように操作される。この実施形態では、付加タンク、パイプ、ポンプを必要とすることなく、繰り返し水和したり、動物組織を加速したりすることが可能である、それは、そのようなシステムをセットアップするために必要な資本投資を減少させ、タンパク質の分離を生じさせるのに必要なフロアスペースを減少させる。
【0066】
他方で、図6Bに図示されているように、スラリーは、例えば、パイプ102の狭小部108を通じてスラリーを一部に継続的に力を与える水中ポンプによって、又はスラリーを加速させるポンプによって、タンク100内で加速されうる。例えば、ポンプ110は、タンクの底に配置され、注入口112を通じてポンプ110に入るスラリーを循環させ、タンク100内に含まれ、狭小部108を有するパイプ102に排出口114を通じるポンプを存在させる。パイプはスラリーを排出し、直接タンクに戻す。パイプは例えば、タンクの中央又はタンクのサイドに沿っていてもよい。この実施形態では、スラリーは、タンクに残らず、分離パイプは最終物を分離装置に案内する。
【0067】
このような継続的なシステムでは、小片がタンクに残っている平均時間、例えば水和時間はタンクのボリューム及びポンプの流れに依存する。
【0068】
分離したタンパク質スラリー
【0069】
さらに、図1を参照すると、いくつかの実施形態では、この工程から得られた分離されたタンパク質スラリー324は、水、溶解性タンパク質及び不溶解性タンパク質を含む。不溶解性のタンパク質の相当量は、筋細繊維のフィラメントの形態で存在する(例えば、スラリー内に50%、60%、70%、80%、90%又は95%以上の不溶解繊維が、筋細繊維フィラメント形態で存在する。)
例えば、製品の実質的に全てのミオシンが筋細繊維フィラメントの形態であってもよい(例えば、少なくともミオシン75%、80%、90%又は95%)。分離タンパク質スラリーは、ある実施形態では、比較的に少量の結合組織を含む。例えば、ある実施形態では、タンパク質スラリーは、スラリーのタンパク質量と比較して、結合組織約10重量%以下含む(例えば、スラリーのタンパク質量と比較して、結合組織、10重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%又は1重量%以下)
【0070】
溶解されないタンパク質、例えば不溶解性タンパク質の量は、その技術分野で知られた方法を使用して測定される。例えば、最初の分離、例えば、分離したタンパク質スラリーから不溶解性タンパク質を(例えば、遠心分離機によって)フィルタリング又はペレット化し、続いて、不溶解性タンパク質の定量化、例えば重量を測定することによる。一旦不溶解性タンパク質が分離されると、存在している筋細繊維タンパク質の量は、測定可能である。筋形質タンパク質は、標準的な技術によって不溶解性タンパク質ペレットから抽出される。筋細繊維タンパク質は標準的な技術(例えば、リン酸緩衝液での再懸濁、均質化及び遠心)によって残っている破片から抽出され、そして、例えば重量を測定することによって定量化される。不溶解性タンパク質を除去した後の分離されたタンパク質スラリーに残留する溶解性タンパク質の量は、水性溶媒を例えば蒸発によって除去した後に測定される。定量化は、例えばタンパク質の重量を測定することによって、達成される。
【0071】
動物組織の源
【0072】
分離したタンパク質スラリーから得られる動物組織は、様々な動物性食品源から得ることができる。例えば、魚貝類(海老、蟹、ロブスター、オキアミ、蛤、ムール貝、ホタテ貝、及びザリガニ)、烏賊、鶏肉、牛肉、羊肉、又は豚肉がある。ある実施形態では、動物組織の源は、動物の他の部分が小売りのために除去された後に残っている動物の一部である。例えば、魚をフィレにした後、又は鳥が食肉処理された後の鳥の骨格である。ある場合においては、そのような材料は、人間の食料のためには使用されていない。ある実施形態では、動物組織は、幾つかの処理がなされており、多量の結合組織を含みうる。例えば、結合組織の重量%で70%以上、80%以上、90%以上である。
【0073】
いくつかの実施形態では、動物組織源は、動物のタイプに応じて適切な予備処理ステップに晒される。例えば、魚が処理される場所では、魚は一般的に内臓と頭が除去される。例えば、白魚で存在する、結合組織の大きな小片が皮および筋膜のようなシートで構成させる場合には、約1.3mmから約8mmの孔サイズを有する外部のベルト/ドラム式除骨機又は肉挽き機(例えば、バーダー(BaaderTM)、トヨ(TOYO)、又はビブン(Bibun))が使用される。任意に、魚は、動物組織として利用される切り身又は残存した魚の部分とを有するように、切り身にされる。
【0074】
食物源は、鶏肉、牛肉、羊肉、又は豚肉の場合には、動物は一般的に食肉処理され、皮は任意に取り除かれ、のこりは、細かく砕かれる。小片は、任意に骨が除去され(例えば、機械的に除骨されたり、手作業で骨が抜かれたりされ、任意に、すり潰したり、骨を砕いたり、及び例えば、動物組織の残りから骨をフィルタリングすることによって分離する)、軟骨が除去される。ある実施形態では、小片は、骨と軟骨から筋肉及び結合組織を分離する高圧水を用いて小片を粉砕することによって除骨される。例えば、小片は、スクリーンにおかれ、高圧水をスプレーする多くのノズルを通過させる(例えば、少なくとも250PSI、少なくとも275PSI、少なくとも300PSI、少なくとも325PSI、少なくとも350PSI、少なくとも375PSI、少なくとも400PSI)。スクリーンは、実質的に全ての骨を保持するのに十分な大きさを有する一方で、柔らかい組織の小片を通過するのを可能にする大きさのメッシュを有している。そのような処理は、多くの現在の分離技術の間に実行される粉砕中に発生するであろう骨及び軟骨から血及び他の欲しない物質が放出されるのを防止する。得られた組織は、組織をリザーバータンクに加える前に、任意に粉砕やすり潰し(例えば、グラインダー、Beehive又はPaoli分離器、又はStephan silent cutterのようなサイレントカッターを用いて)を伴い、水和用のリザーバータンクに加えられる
【0075】
分離前工程
【0076】
任意に、動物組織の脂肪分は、水和及び/又はさらなる処理の前に縮小化される。タンパク質に対して脂肪の低い密度、タンパク質の等電点(おおよそ、5.5)又はその近傍でのタンパク質の低い乳化能力のため、処理する前に、リザーバータンクの組織の脂肪を減少させることもできる。例えば、約−1℃又はそれ以下、例えば−28℃といったように凍結温度近くまで、懸濁液を冷やすこと、例えば、約5.5のpH値になるように、タンパク質の等電点近くに懸濁液のpHを減少させること及び/又はパイプ又はグリッドの小さな目打ちを通して小さな空気の泡を懸濁液に通すこと(実施例5参照)で脂肪を除去させることによって、脂肪を減少させる。脂肪除去は、継続的又は一括処理で遂行されうる。
【0077】
分離後工程
【0078】
一旦、例えば、筋肉タンパク質、筋細繊維及び/又は筋形質タンパク質といったタンパク質が結合組織から分離されると、タンパク質に望ましいさらなる処理をしてもよい。ここの記載された分離工程中、実質的にすべての筋肉タンパク質は、非溶解物として残留する。例えば、少なくとも50%の筋肉タンパク質が非溶解物として残る。非溶解タンパク質の量は、例えば、分離されたタンパク質スラリーから溶解性タンパク質をフィルタリング又はペレッティング(例えば遠心分離)することによって、測定される。非溶解タンパク質を除去した後の分離されたタンパク質スラリーに残留している非溶解タンパク質の量は、例えば、蒸発によって水性液体を除去した後に測定されうる。分離後、非溶解タンパク質、例えば筋肉タンパク質は、例えば、米国特許第6,136,959号で記載されているように、水とタンパク質を混ぜ、タンパク質を溶解するためにpHを上げることによって可溶化される。又は、米国特許番号6,136,959号、6,288,216号及び6,451,975号に記載されているように、pHを約3.5以下で可溶化させる。こうした特許は、それら全体の内容が参照することによってここに組み込まれる。いずれにせよ、結合組織がすでに筋肉タンパク質から分離されてしまっているので、タンパク質をフィルタリング、ポンピング、又は遠心分離する必要性はない。タンパク質の分解及び凝固は、1つのタンクで実行され、タンパク質の移動の必要性はない。いくつかの実施形態では、付加的な濾過作用が所望されるが、分離されたタンパク質スラリーはフィルタリングのステップをしなければならないものではない。結果は、より緩やかな処理及びより容易なタンパク質の処理、及び発泡の生成の減少又は除去が可能な場合がある。タンパク質は、魚タンパク質から作成されたペーストを作成するために使用されてもよい。
【0079】
ある実施形態では、分離されたタンパク質スラリーは、脱水される。脱水は、ねじプレスを使用して、上澄み液を排出し、絞り出すことによって、続く1又はそれ以上のスクリーンに物質を通すことによってなされる。脱水は、また水の遠心分離、吹きつけ乾燥、蒸発、又はフリーズドライによっても達成される。
【0080】
ある実施形態では、筋肉組織は、結合組織から分離され、筋肉組織の小片は、例えば、肉製品の保水機能、風合い、及び/又は味覚を向上させるために、処理していない肉製品に直接注入されうる十分な小さいサイズに縮小化される。いくつかの実施形態では、筋肉の小片は、保水能力及び/又はミンチ状の筋肉の風合いをコントロールするためにミンチ状の筋肉と混合される。
【0081】
ある実施形態では、処理された動物組織は、それ自体好ましくない(例えば、骨や軟骨)余分な物質がないか、受容できるそのような物質の量(例えば、低レベルの結合組織)を含む場合、組織は、適切なサイズに挽かれ(例えば、結合組織がいくつかの問題を避けるのに十分な小ささであるサイズ、例えば、結合組織片が注入可能及び/又は最終食肉製品の味及び/又は風合いに悪い影響を与えない程度に十分な小ささ)、さらに組織の小片のサイズを縮小するための水和/加速工程に通される。結果としてできた、水溶性のタンパク質、不溶性のタンパク質、及び任意にいくつかの結合組織を含む液体は、例えば、肉製品に注入することによって、又は、任意に真空環境で、肉製品と混ぜ合わされることによって、肉製品(例えば、処理していない肉製品)と組み合わされる。ある実施形態では、液体は、さらに添加物を添加することなしにそのままの状態で肉製品に付加される。また液体は、例えば、タンパク質の分散及び/又は可溶化を補助するために、塩、緩衝剤、酸及び/又は塩基等を含む任意の添加物を含んでもよい。主要な不溶性タンパク質は、筋細繊維フィラメントの形状に存在しうる(例えば、スラリー内のタンパク質の約50%、60%、70%、80%、90%又は95%以上が筋細繊維フィラメントの形状にある。)。例えば、製品の実質的に全てのミオシンは、筋細繊維フィラメントの形態で存在しうる(例えば、ミオシンの少なくとも75%、80%、90%又は95%)。この工程は、例えば、肉製品のタンパク質量を増加させるために使用される。特別な理論考慮するものではなく、肉製品のタンパク質量を増加させる方法は、追加された液体での筋肉タンパク質の減少した粘度を利用する。この工程は、他の目的、例えば、肉製品の水の含量を増加させるため、及び/又は冷凍又は解凍での肉製品によって失われた水を置き換えるために利用される。例えば、魚は、冷凍工程でその水の含有量の約10%から20%の間で失う可能性がある。そして、魚組織は、その時点で純水を組織に注入して維持することができない。タンパク質の存在は、肉製品によって水の滞留を結果として生ずる。
【0082】
(実施例)
本発明は、下記の実施例によってさらに詳細に記述されるが、特許請求の範囲に記載された発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0083】
内蔵を抜かれ、頭がある魚は、約1/4インチの大きさに切り刻まれ、その後、水1部に対して魚1部の割合で水に混合され、リザーバータンクに入れられる。魚の組織は、少なくとも筋肉組織の一部が水和される時間、5分間水に浸けられる。結果として得られるスラリーは、5ft/secのスピードで、3インチの内径のパイプを通過するように容積移送式ポンプを使用してポンピングされる。パイプは、1インチの内径を有する3インチの長さの狭小調整部を有する。スラリーは、パイプ、狭小調整部を通じてポンピングされてスラリーは加速され、与えられた力によって、スラリー内の魚の組織は小片になり、結合組織から水和に弱い筋肉組織に引き裂かれる。筋肉組織はバラバラにされ、筋肉の小片の粒子サイズに縮小される。パイプは、スラリーを第2リザーバータンクに案内し、さらに5分間養生され、筋肉組織のさらなる水和を促進させる。スラリーは、その後、狭小調整部を通してポンピングされ、他のリザーバータンクに送られる。この工程は、所望の小片サイズ及び/又は小片サイズの分散を獲得するために10回繰り返される。
【0084】
スラリーはその後、0.25mmのスクリーン孔を有するリファイナーに導入される。リファイナーのパドルは60RPMで回転するように設定される。タンパク質及び水はスクリーンを容易に通過され、一方、同等の限度にまで大きさを縮小されていない結合組織は、スクリーンを通過しない。タンパク質及び水は、白色接着剤の濃度を有する分離したタンパク質スラリーを生成するために集められる。
【実施例2】
【0085】
牛胸肉は、1インチの小片に切り刻まれ、1/4インチのプレートのミートグラインダーを通して挽かれる。結果として得られる挽肉はその後、スラリーを形成するために水2部に対して肉1部の割合で水に入れられる。スラリーは、攪拌の間に2分間の水和時間とともに、5分につき1分のインターバルをおいて約1750RPMで(せん断を減少するために)縁が丸い3インチの直径を有する羽根車を有するクイジナート(登録商標)フードプロセッサーで攪拌される。スラリーは、その後、内部の水噴霧で補助しながら、1.5mmの掃引スクリーンで分離される。結合組織は、スクリーンに捕らえられる一方で、水の中に懸濁された分離筋肉タンパク質は、スクリーンの孔を通過する。
【実施例3】
【0086】
頭が落とされ、殻がついているチャイニーズ・ホワイト・シュリンプ(Chinese white shrimp) は、3分間、スティーブンチョッパー(Stephan chopper)で同量の氷とともに切り刻まれる。切り刻まれたシュリンプは、120RPMで、30分間3インチの直径を有する(泡立て器に配置されたいくつかのループを含む)かき混ぜ用のフックと追加された5部の水とともに攪拌される。結果として得られるスラリーは、内部の水噴霧で補助しながら、1.5mmの掃引スクリーンで分離される。殻と結合組織は、スクリーンに捕らえられる一方で、懸濁した筋肉組織は、スクリーンホールを通過する。
【実施例4】
【0087】
鱈の切り身は32°Fに冷却され、1/2インチの小片のキューブ状にカットされる。例えば、(以下に記述される割合で)水と共に混合され、結果として得られるスラリーがペースト状の濃度有する点にまで、鱈の切り身の小片のサイズを縮小させるために、4分間ハイスピードで2つの刃を有するカーブしたナイフのアタッチメントを備えたスティーブンカッター、モデルPCM12で切り刻まれる。
【0088】
サイコロ状の鱈の最初のグループは、1/2部の水と混合され、記述されるようなスラリーを形成する。スラリーは、切り身が吸収され、又他方でスラリーの大部分を維持するポイントで、真空タンブラー内で8部の鱈の切り身と回転混合される。混合後、混合物は、水を容器に入れることができるように設計された板ボール容器、ベックライナー(登録商標)を用いて、魚をスティック状に形成するのに使用されるアルミニウムのc型のフレームである標準16.5魚ブロックフレームに入れられる。これは、約10PSIの圧力下で0°Fにプレートのフリーザーで凍らされる。得られた魚のブロックは、魚とスラリーの結合がなされていないものより高い量のタンパク質を有し、高い回復性を有する魚のブロックを産み出し、解凍時にその形態を保持する。
【0089】
第2のグループは、冷凍下で水を失った最初に冷凍した魚に水を補給するために使用される。この分は、3部の水と混合され、ペースト状にするために縮小化され、凍らされる前の(かつ続いて解凍される)鱈の切り身に10重量%の含有量となるように、すべてマリネするように注入され、そして、凍結/解凍工程によって失われた水分のいくつかを置換し、切り身のタンパク質量を増加させる。
【0090】
第3のグループは、米国特許番号6,136,959号に記述されたアルカリ工程で処理され、得られた分離物は、5%のタンパク質量に調整され、1mmの内径を有する注入針を通じて鱈の切り身を15重量%の含有量に注入される、そして、切り身の水とタンパク質の量を増加させる。
【実施例5】
【0091】
大きな筋肉タンパク質を含まない塊と、著しく脂肪を含んだ100パウンドのティラピアの切り身のくずは、バーダー695ベルト挽き機で5mmの小片の大きさに縮小される。これらは、固形物3%で(氷を含んだ)水と混合され、pHがHClを用いて5.5に減少される。この混合物は、循環タンクでゆっくりと攪拌される、空気が15PSIで4,1/4インチの目打ちを有するパイプを通じてタンクに注入される。大量の脂肪はその後分離され、この脂肪は表面に上がり、その後タンクの中央に移動され、上澄みをすくい取ることで容易に除去される。
【0092】
pHは、その後、8.0まで上昇され、100psiの圧力低下させたボールバルブを通じて50gpmで0.5mmの孔を有するブラウン204リファイナーに案内される。
【0093】
この製品は、米国特許番号6,136,959号に記述されたアルカリ工程で処理され、得られた分離物は、3.5%のタンパク質量に調整され、フマコインジェクター(Fumako injector)を使用して、20重量%の含有量でオヒョウ(Pacific halibut)の切り身に注入される。これらの切り身は、リン酸処理ベースのマリネと比較して少ない調理損失を示し、ティラピアの脂肪の特徴的な風味を感知させない。
【実施例6】
【0094】
鳥胸肉は挽き鶏肉300パウンドを製造する従来からある挽き機で1/4インチプレートを通じて挽かれる。肉は3%の固形物を有するように水と混合される。pHはHClで5.3に調整される。脂肪は、予想されるよりも容易に分離でき、黄色い脂肪球体に凝固され、それはレザーバータンクで容易にすくい取ることができる。スラリーは、30分間ボールバルブの狭小部を横切るように攪拌される。バルブは、480ボルトで、1.2アンペアーのポンプドライブモーターのアンペア数を増加させるために調整される。
【0095】
結合組織の大きな直径を有し、それ自体が編まれてさらに大きな直径のロープ(rope)をそれ自体編まれてロープになる腱の傾向のため、この工程で使用されるブラウンリファイナーのパドルは、スクリーンには比較的大きな15mmのギャップで設定される。大きなギャップを補うためには、リファイナーのRPMは、700RPMまで増加される。この設定は魚に使用される小さなギャップで低いRPMを使用する方法と比較してこの製品の結合組織の量を縮小させるのに優れたものであることが証明された。
【0096】
その他の実施形態
多くの本発明の実施形態が記述されている。それにもかかわらず、本発明の範囲及び概念を逸脱しない範囲で様々な変更が可能であると理解される。例えば、リファイナーは、結合組織からタンパク質を分離する手段として上記に開示されているが、スクリーン、従来のリファイナー、ろ過器、小さな小片から大きな小片を分類するための他の装置、弱い小片から強い小片を分類する他の装置を使用することもできる。
【0097】
他の例として、ポンプは、パイプを通して液体を移動するためのものとして記述されているが、液体は代わりに重力や圧力、例えば、液谷表面上に空気の圧力による効果によってパイプ上を移動させてもよい。結果的に他の実施形態は以下のクレームの範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】図1は、方法の実施形態のフローチャートである。
【図2】図2A−2Dは、方法の実施形態の一連の概略図である。
【図3】図3は、ここに記述されたシステムの実施形態の概略図である。
【図4A】図4Aは、バルブの実施形態の概略図である。
【図4B】図4Bは、バッフルの実施形態の概略図である。
【図5】図5は、リファイナーの実施形態の部分斜視図である。
【図6A】図6Aは、システムの実施形態の一部の平面図である。
【図6B】図6Bは、システムの実施形態の断面透視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
結合組織から筋肉タンパク質を分離する方法であって、以下のステップからなることを特徴とする方法
(a)水性溶媒に筋肉組織及び結合組織で構成された動物組織を入れることによってスラリーを生成する。
(b)せん断環境でスラリーを加速する。
(c)結合組織から筋肉タンパク質を分離する。
【請求項2】
ステップ(b)は、低せん断環境でスラリーを連続して加速するステップからなることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
ステップ(a)及び(b)との間に、筋肉組織を水和させるのに十分な時間待機するステップを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
時間は、少なくとも1分であることを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項5】
ステップ(a)及び(b)の間に、動物組織の脂肪分を減少させるステップを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
脂肪分を減少させるステップは、スラリーのpHを筋肉タンパク質の等電点付近に調整するステップを含むことを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項7】
pHは約5.5であることを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項8】
脂肪分を減少させるステップは、スラリーの温度を低下させるものであることを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項9】
脂肪分を減少させるステップは、気泡をスラリーに送ることであることを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項10】
水性溶媒は水であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項11】
スラリーは、狭小部を通じてスラリーをポンピングすることによって生成されたせん断環境で加速されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項12】
スラリーは、タンク内に収容され、パイプは、スラリーを、タンクから排出し、狭小部を通り、タンクに戻るように循環するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項13】
狭小部は、パイプの内径を縮小して構成されていることを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項14】
狭小部は、バッフルで構成されていることを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項15】
狭小部は、バルブで構成されていることを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項16】
バルブは、ボールバルブであることを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項17】
方法は、ステップ(a)〜(b)を少なくとも5回繰り返すものであることを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項18】
さらに、少なくとも5回ステップ(b)を繰り返すものであることを特徴とする方法。
【請求項19】
水性溶媒のpHは、5.0〜9.5の間であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項20】
タンパク質は、スラリーを、タンパク質の相当量がスクリーンを通過でき、結合組織の相当量がスクリーンを通過することを防止するよう構成されたスクリーンで構成されたリファイナーに案内することによって分離されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項21】
スクリーンは、5mmより小さい開口を有するメッシュで構成されていることを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項22】
スクリーンは、0.05mmから0.5mmの間の開口を有するメッシュで構成されていることを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項23】
スクリーンは0.05mmより大きい開口を有するメッシュで構成されていることを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項24】
リファイナーは、円筒状スクリーン内で回転するよう構成されたパドルを備えていることを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項25】
パドルは、60RPMから1000RPMの間のスピードで回転することを特徴とする請求項24記載の方法。
【請求項26】
動物組織は、魚、貝、烏賊、家禽、牛、羊、豚の組織で構成されていることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項27】
動物組織は、魚組織であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項28】
ステップ(a)の前に、除骨化された動物組織を形成するため、筋肉組織と結合組織を含む動物組織から骨を取り除くこと工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項29】
ステップ(a)に、少なくとも30分間、除骨化された動物組織を水性溶媒に浸漬する工程を含むことを特徴とする請求項28記載の方法。
【請求項30】
せん断加速は、結合組織の相当量の小片は、引き裂かれず、筋肉組織の相当量の小片が引き裂かれるように、コントロールされていることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項31】
せん断は、実質的に全部の筋肉タンパク質の変性を妨げるようにコントロールされていることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項32】
タンパク質を処理する方法であって、
(a)動物組織から筋肉組織を分離するステップと
(b)続くタンパク質を可溶化するステップとからなり、
少なくとも50%の分離した筋肉タンパク質はステップ(a)中で溶解されずに残存していることを特徴とする方法。
【請求項33】
実質的にすべての筋肉タンパク質は、ステップ(a)中に溶解されずに残存していることを特徴とする請求項32記載の方法。
【請求項34】
分離された筋肉タンパク質は、水性溶媒及びタンパク質で構成されたスラリーのpHを、分離されたタンパク質の少なくとも75%が溶解する点に上げることによって可溶化されることを特徴とする請求項32記載の方法。
【請求項35】
スラリーのpHは少なくとも10.5に上げられていることを特徴とする請求項34記載の方法。
【請求項36】
分離された筋肉タンパク質は、水性溶媒及びタンパク質で構成されたスラリーのpHを分離されたタンパク質の少なくとも75%が溶解する点に下げることによって可溶化されることを特徴とする請求項32記載の方法。
【請求項37】
スラリーのpHは少なくとも2.5から3.5の間に低下されていることを特徴とする請求項36記載の方法。
【請求項38】
液体成分は、水と不溶解性タンパク質を含み、不溶解性タンパク質の少なくとも50%は筋細繊維の形態であり、液体は、実質的に結合組織を含まないことを特徴とする液体
【請求項39】
タンパク質は、ミオシンと少なくとも75%が筋細フィラメントの形態である請求項38記載の成分。
【請求項40】
成分は、スラリー内のタンパク質の量と比較して、結合組織10重量%以下であることを特徴とする請求項38記載の成分。
【請求項41】
成分は、スラリー内のタンパク質の量と比較して、結合組織4重量%以下であることを特徴とする請求項38記載の成分。
【請求項42】
第1リザーバーと
リザーバーと液体が伝達可能に接続され、狭小部を有する第1パイプと、
パイプを通じてリザーバーから液体をポンピングするように構成されたポンプと、
第1リザーバーと液体で伝達可能に接続された分離装置と、
を備えた結合組織から筋肉タンパク質を分離するためのシステム。
【請求項43】
さらに、第2リザーバーと、第2リザーバー及び分離装置と液体で伝達可能に接続され、狭小部を有する第2パイプと、第2パイプを通じて第2リザーバーから液体をポンプするように構成された第2ポンプを備えたことを特徴とする請求項42記載のシステム。
【請求項44】
第1パイプは、第1リザーバーの排出口及び第2リザーバーの注入口で接続され、第1パイプを通じて第1リザーバーの排出口から通過させた液体を再循環させ、注入口を通して第1リザーバーに戻すことを特徴とする請求項42記載のシステム。
【請求項45】
第1パイプ及びポンプは、リザーバー内にあることを特徴とする請求項42記載のシステム。
【請求項46】
ポンプは、シャーポンプ、ピストンポンプ、容積移送式ポンプ、遠心ポンプ、ジェットポンプ、蠕動ポンプ、回転ポンプ、隔膜ポンプ、ベーンポンプ、往復ポンプの群から選択された1のポンプからなることを特徴とする請求項42記載のシステム。
【請求項47】
狭小部は、パイプの内径を縮小させてなることを特徴とする請求項42記載のシステム。
【請求項48】
狭小部は、バッフルからなることを特徴とする請求項42記載のシステム。
【請求項49】
狭小部は、バルブからなることを特徴とする請求項42記載のシステム。
【請求項50】
バルブはボールバルブであることを特徴とする請求項49記載のシステム。
【請求項51】
分離装置は、リファイナーからなることを特徴とする請求項42記載のシステム。
【請求項52】
リファイナーは、2mmより小さい開口を有するスクリーンで構成されることを特徴とする請求項51記載のシステム。
【請求項53】
スクリーンは、0.05mmより大きい開口を有することを特徴とする請求項52記載のシステム。
【請求項54】
リファイナーは、円筒状スクリーン内で回転するように構成されたパドルを備えたことを特徴とする請求項51記載のシステム。
【請求項55】
パドルは、第1端部から第2端部まで円筒状スクリーン内の材料を移動させるように備えられていることを特徴とする請求項54記載のシステム。
【請求項56】
タンパク質を肉又は魚に付加する方法であって、以下のステップからなる方法。
(a)水性溶媒に筋肉組織を含む動物組織を入れることによってスラリーを生成する。
(b)筋肉組織の小片の大きさを縮小させるためにせん断環境でスラリーを加速する。
(c)肉又は魚とスラリーを混合する。
【請求項57】
スラリーは、スラリーを筋肉組織に注入することによって筋肉組織と混合されることを特徴とする請求項56記載の方法。
【請求項58】
実質的にすべての筋肉タンパク質は、ステップ(a)中に不溶解で残存しており、少なくとも50%の不溶解性タンパク質スラリーが筋細繊維フィラメントの形態であることを特徴とする請求項56記載の方法。
【請求項59】
さらに動物組織を水性溶媒に入れる前に動物組織を切り刻むことを特徴とする請求項56記載の方法。
【請求項60】
水性溶媒は実質的に塩を含まないことを特徴とする請求項56記載の方法。
【請求項61】
動物と水性溶媒の比率は、0.1:1〜100:1であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項62】
さらに、分離筋肉タンパク質を脱水するステップを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項63】
タンパク質を肉又は魚に付加する方法であって、以下のステップからなる方法。
(a)水性溶媒に筋肉組織及び結合組織を含む動物組織を入れることによってスラリーを生成する。
(b)筋肉組織の小片を縮小させるためにせん断環境でスラリーを加速する。
(c)スラリーを肉や魚と混合する。
【請求項64】
スラリーは、スラリーを肉製品に注入することによって、又は肉製品とともにスラリーを回転させることによって、筋肉組織と混合されることを特徴とする請求項62記載の方法。
【請求項65】
スラリーは、さらに塩、緩衝剤、酸、及び塩基からなる群から選択された1又は2以上の添加物を含むことを特徴とする請求項62記載の方法。
【請求項66】
スラリーは、ミキサーでスラリーを攪拌することによって生成されたせん断環境で加速されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項67】
ミキサーは、オービタルミキサーであることを特徴とする請求項66記載の方法。
【請求項68】
スラリーは、機械的又は超音波によってスラリーを攪拌することによって生成されるせん断環境で加速されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項69】
スラリーは、シャーポンプによって生成されるせん断環境で加速されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項70】
タンパク質は、回転又はタンジェンシャルスクリーンによって分離されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項1】
結合組織から筋肉タンパク質を分離する方法であって、以下のステップからなることを特徴とする方法
(a)水性溶媒に筋肉組織及び結合組織で構成された動物組織を入れることによってスラリーを生成する。
(b)せん断環境でスラリーを加速する。
(c)結合組織から筋肉タンパク質を分離する。
【請求項2】
ステップ(b)は、低せん断環境でスラリーを連続して加速するステップからなることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
ステップ(a)及び(b)との間に、筋肉組織を水和させるのに十分な時間待機するステップを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
時間は、少なくとも1分であることを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項5】
ステップ(a)及び(b)の間に、動物組織の脂肪分を減少させるステップを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
脂肪分を減少させるステップは、スラリーのpHを筋肉タンパク質の等電点付近に調整するステップを含むことを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項7】
pHは約5.5であることを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項8】
脂肪分を減少させるステップは、スラリーの温度を低下させるものであることを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項9】
脂肪分を減少させるステップは、気泡をスラリーに送ることであることを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項10】
水性溶媒は水であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項11】
スラリーは、狭小部を通じてスラリーをポンピングすることによって生成されたせん断環境で加速されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項12】
スラリーは、タンク内に収容され、パイプは、スラリーを、タンクから排出し、狭小部を通り、タンクに戻るように循環するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項13】
狭小部は、パイプの内径を縮小して構成されていることを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項14】
狭小部は、バッフルで構成されていることを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項15】
狭小部は、バルブで構成されていることを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項16】
バルブは、ボールバルブであることを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項17】
方法は、ステップ(a)〜(b)を少なくとも5回繰り返すものであることを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項18】
さらに、少なくとも5回ステップ(b)を繰り返すものであることを特徴とする方法。
【請求項19】
水性溶媒のpHは、5.0〜9.5の間であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項20】
タンパク質は、スラリーを、タンパク質の相当量がスクリーンを通過でき、結合組織の相当量がスクリーンを通過することを防止するよう構成されたスクリーンで構成されたリファイナーに案内することによって分離されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項21】
スクリーンは、5mmより小さい開口を有するメッシュで構成されていることを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項22】
スクリーンは、0.05mmから0.5mmの間の開口を有するメッシュで構成されていることを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項23】
スクリーンは0.05mmより大きい開口を有するメッシュで構成されていることを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項24】
リファイナーは、円筒状スクリーン内で回転するよう構成されたパドルを備えていることを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項25】
パドルは、60RPMから1000RPMの間のスピードで回転することを特徴とする請求項24記載の方法。
【請求項26】
動物組織は、魚、貝、烏賊、家禽、牛、羊、豚の組織で構成されていることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項27】
動物組織は、魚組織であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項28】
ステップ(a)の前に、除骨化された動物組織を形成するため、筋肉組織と結合組織を含む動物組織から骨を取り除くこと工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項29】
ステップ(a)に、少なくとも30分間、除骨化された動物組織を水性溶媒に浸漬する工程を含むことを特徴とする請求項28記載の方法。
【請求項30】
せん断加速は、結合組織の相当量の小片は、引き裂かれず、筋肉組織の相当量の小片が引き裂かれるように、コントロールされていることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項31】
せん断は、実質的に全部の筋肉タンパク質の変性を妨げるようにコントロールされていることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項32】
タンパク質を処理する方法であって、
(a)動物組織から筋肉組織を分離するステップと
(b)続くタンパク質を可溶化するステップとからなり、
少なくとも50%の分離した筋肉タンパク質はステップ(a)中で溶解されずに残存していることを特徴とする方法。
【請求項33】
実質的にすべての筋肉タンパク質は、ステップ(a)中に溶解されずに残存していることを特徴とする請求項32記載の方法。
【請求項34】
分離された筋肉タンパク質は、水性溶媒及びタンパク質で構成されたスラリーのpHを、分離されたタンパク質の少なくとも75%が溶解する点に上げることによって可溶化されることを特徴とする請求項32記載の方法。
【請求項35】
スラリーのpHは少なくとも10.5に上げられていることを特徴とする請求項34記載の方法。
【請求項36】
分離された筋肉タンパク質は、水性溶媒及びタンパク質で構成されたスラリーのpHを分離されたタンパク質の少なくとも75%が溶解する点に下げることによって可溶化されることを特徴とする請求項32記載の方法。
【請求項37】
スラリーのpHは少なくとも2.5から3.5の間に低下されていることを特徴とする請求項36記載の方法。
【請求項38】
液体成分は、水と不溶解性タンパク質を含み、不溶解性タンパク質の少なくとも50%は筋細繊維の形態であり、液体は、実質的に結合組織を含まないことを特徴とする液体
【請求項39】
タンパク質は、ミオシンと少なくとも75%が筋細フィラメントの形態である請求項38記載の成分。
【請求項40】
成分は、スラリー内のタンパク質の量と比較して、結合組織10重量%以下であることを特徴とする請求項38記載の成分。
【請求項41】
成分は、スラリー内のタンパク質の量と比較して、結合組織4重量%以下であることを特徴とする請求項38記載の成分。
【請求項42】
第1リザーバーと
リザーバーと液体が伝達可能に接続され、狭小部を有する第1パイプと、
パイプを通じてリザーバーから液体をポンピングするように構成されたポンプと、
第1リザーバーと液体で伝達可能に接続された分離装置と、
を備えた結合組織から筋肉タンパク質を分離するためのシステム。
【請求項43】
さらに、第2リザーバーと、第2リザーバー及び分離装置と液体で伝達可能に接続され、狭小部を有する第2パイプと、第2パイプを通じて第2リザーバーから液体をポンプするように構成された第2ポンプを備えたことを特徴とする請求項42記載のシステム。
【請求項44】
第1パイプは、第1リザーバーの排出口及び第2リザーバーの注入口で接続され、第1パイプを通じて第1リザーバーの排出口から通過させた液体を再循環させ、注入口を通して第1リザーバーに戻すことを特徴とする請求項42記載のシステム。
【請求項45】
第1パイプ及びポンプは、リザーバー内にあることを特徴とする請求項42記載のシステム。
【請求項46】
ポンプは、シャーポンプ、ピストンポンプ、容積移送式ポンプ、遠心ポンプ、ジェットポンプ、蠕動ポンプ、回転ポンプ、隔膜ポンプ、ベーンポンプ、往復ポンプの群から選択された1のポンプからなることを特徴とする請求項42記載のシステム。
【請求項47】
狭小部は、パイプの内径を縮小させてなることを特徴とする請求項42記載のシステム。
【請求項48】
狭小部は、バッフルからなることを特徴とする請求項42記載のシステム。
【請求項49】
狭小部は、バルブからなることを特徴とする請求項42記載のシステム。
【請求項50】
バルブはボールバルブであることを特徴とする請求項49記載のシステム。
【請求項51】
分離装置は、リファイナーからなることを特徴とする請求項42記載のシステム。
【請求項52】
リファイナーは、2mmより小さい開口を有するスクリーンで構成されることを特徴とする請求項51記載のシステム。
【請求項53】
スクリーンは、0.05mmより大きい開口を有することを特徴とする請求項52記載のシステム。
【請求項54】
リファイナーは、円筒状スクリーン内で回転するように構成されたパドルを備えたことを特徴とする請求項51記載のシステム。
【請求項55】
パドルは、第1端部から第2端部まで円筒状スクリーン内の材料を移動させるように備えられていることを特徴とする請求項54記載のシステム。
【請求項56】
タンパク質を肉又は魚に付加する方法であって、以下のステップからなる方法。
(a)水性溶媒に筋肉組織を含む動物組織を入れることによってスラリーを生成する。
(b)筋肉組織の小片の大きさを縮小させるためにせん断環境でスラリーを加速する。
(c)肉又は魚とスラリーを混合する。
【請求項57】
スラリーは、スラリーを筋肉組織に注入することによって筋肉組織と混合されることを特徴とする請求項56記載の方法。
【請求項58】
実質的にすべての筋肉タンパク質は、ステップ(a)中に不溶解で残存しており、少なくとも50%の不溶解性タンパク質スラリーが筋細繊維フィラメントの形態であることを特徴とする請求項56記載の方法。
【請求項59】
さらに動物組織を水性溶媒に入れる前に動物組織を切り刻むことを特徴とする請求項56記載の方法。
【請求項60】
水性溶媒は実質的に塩を含まないことを特徴とする請求項56記載の方法。
【請求項61】
動物と水性溶媒の比率は、0.1:1〜100:1であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項62】
さらに、分離筋肉タンパク質を脱水するステップを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項63】
タンパク質を肉又は魚に付加する方法であって、以下のステップからなる方法。
(a)水性溶媒に筋肉組織及び結合組織を含む動物組織を入れることによってスラリーを生成する。
(b)筋肉組織の小片を縮小させるためにせん断環境でスラリーを加速する。
(c)スラリーを肉や魚と混合する。
【請求項64】
スラリーは、スラリーを肉製品に注入することによって、又は肉製品とともにスラリーを回転させることによって、筋肉組織と混合されることを特徴とする請求項62記載の方法。
【請求項65】
スラリーは、さらに塩、緩衝剤、酸、及び塩基からなる群から選択された1又は2以上の添加物を含むことを特徴とする請求項62記載の方法。
【請求項66】
スラリーは、ミキサーでスラリーを攪拌することによって生成されたせん断環境で加速されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項67】
ミキサーは、オービタルミキサーであることを特徴とする請求項66記載の方法。
【請求項68】
スラリーは、機械的又は超音波によってスラリーを攪拌することによって生成されるせん断環境で加速されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項69】
スラリーは、シャーポンプによって生成されるせん断環境で加速されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項70】
タンパク質は、回転又はタンジェンシャルスクリーンによって分離されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【公表番号】特表2008−544761(P2008−544761A)
【公表日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−520273(P2008−520273)
【出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【国際出願番号】PCT/US2006/025020
【国際公開番号】WO2007/046891
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(508004672)エムピーエフ,インク. (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【国際出願番号】PCT/US2006/025020
【国際公開番号】WO2007/046891
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(508004672)エムピーエフ,インク. (1)
【Fターム(参考)】
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