説明

結露吸水シート

【解決課題】ドアや窓等の人目に付きやすい位置に貼着しても外観を損ねることがなく、ドアや窓等を飾る装飾的なものとなる美しい形状の結露の吸水シートを提供する。
【解決手段】結露吸水シート100の端面を超音波処理により凹凸14の装飾を施し、装飾面より下部の片面に両面粘着テープ13を貼設して、窓硝子などに貼設する結露の吸水シートとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸水性シートの端面を超音波処理により装飾を施し、片面に両面粘着テープを貼着して、窓硝子などに貼設する結露の吸水シートに関する。
【背景技術】
【0002】
屋外と屋内の温度差の激しい季節に窓やドアに発生する結露はカビ等の微生物の発生原因となったり、金属製の窓枠を腐蝕させたりする。このような結露は衛生上も悪く、家具の寿命を縮めてしまう原因にもなっている。そこで、発生した結露を吸水するための結露吸水テープが種々開発されている。
【0003】
特許文献1の請求項1には、蒸発発散層、吸水材料および裏面層を有する結露吸水テープにおいて、吸水材料として、エチレンオキシドを主体とする樹脂の架橋多孔体を用いたことを特徴とする結露吸水テープが開示されている。
【0004】
特許文献2の請求項1では、吸水層として、エチレンオキシドを主体とする樹脂シートを架橋したシートを用い、その表面に、開口部を有する表面材を配置して吸水層の一部を露出させたことを特徴とする結露吸水テープが開示されている。
【0005】
特許文献3の請求項1には、蒸発発散層、吸水材料および裏面層を有する結露吸水テープにおいて、蒸発発散層と裏面層とを両側縁部において固着して袋を形成し、その袋内に、吸水材料としてエチレンオキシドを主体とする樹脂の架橋シートを固定することなく存在せしめたことを特徴とする結露吸水テープが開示されている。
【0006】
特許文献4の請求項1には、結露発生面に貼着、剥離を繰り返して行うことが出来る発泡シートの一面に、結露発生面で発生した結露水を吸収する不織布を積層一体化してなることを特徴とする結露水吸収体が開示されている。
【0007】
特許文献5の請求項1には、軟質ポリウレタンフォームよりなる本体部と、該本体部を貼着対象に貼着するための粘着剤層とを備えてなることを特徴とする結露吸収シートが開示されている。
【0008】
特許文献6の請求項1には、不織布とその一方の面に順に積層された透明フィルム及び粘着剤層とから構成された結露水吸収シートであり、該結露水吸収シートの乾燥状態での可視光線透過率が40%以上であることを特徴とする結露水吸収シートが開示されている。
【0009】
上記のように、結露水を吸水するための方法が種々考案されている。しかし、窓等の人目に付きやすい位置に貼着する場合は、装飾的な面も求められるている。窓等に貼着しても外観を損ねることがなく、美しい形状の結露吸水シートの出現が望まれている。
【特許文献1】特開平7−137188号公報
【特許文献2】特開平7−207775号公報
【特許文献3】実開平7−26582号公報
【特許文献4】特開2004−223869号公報
【特許文献5】特開2004−17316号公報
【特許文献6】特開2005−76189号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、ドアや窓等の人目に付きやすい位置に貼着しても外観を損ねることがなく、ドアや窓等を飾る装飾的なものとなる美しい形状の結露の吸水シートを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
窓等に貼着しても外観を損ねることがなく、美しい形状の結露吸水シートを提供するために、鋭意検討を加えた結果、結露吸水シートの端面を超音波処理により装飾を施し、装飾面より下部の片面に両面粘着テープを貼設して、窓硝子などに貼設する結露の吸水シートを提供することに成功した。
【0012】
本発明の特徴は、結露を発生する面に貼着して結露を吸水蒸散させるための結露吸水シートであって、前記結露吸水シートの上端部に超音波により凹凸と柄模様の装飾を施し、前記結露吸水シートの前記装飾模様の下端部より下側の裏面に貼設物体に貼着するための両面テープを貼設したことを特徴とする結露吸水シートである。
【0013】
結露吸水シートの上端部に超音波によって凹凸を着設する。該凹凸は、一定の間隔を有する凹凸であって、凹凸の形状は尖っていても丸くてもよく、大きさ、形状は特に限定されないが、美的感覚を覚える形状が望ましい。更に、凹凸形状の下に花模様などの柄を形成することもできる。結露吸水シートの上端部に設けた凹凸形状は美観のみでなく、凹凸形状にすることによって、吸水した結露水が蒸散する効果を有している。窓等に貼着するための両面貼着テープは、模様の下部から数mm〜数cm空けて結露吸水シートの片面に貼設する。模様の面には両面テープが架からないようにすることが望ましい。
【0014】
本発明の別の特徴は、結露を吸水する吸水シートがポリエステルフィルムであることを特徴する結露吸水シートである。
【0015】
本発明の別の特徴は、結露を吸水する吸水シートがポリウレタンフォームであることを特徴する結露吸水シートである。
【0016】
本発明の別の特徴は、結露を吸水する吸水シートが抗菌剤又は/及び抗カビ剤で処理が施されている吸水シートであることを特徴する結露吸水ートである。結露を吸水する吸水シートに抗菌剤、抗カビ剤で処理を施すことによって、細菌やカビが増殖しにくく、細菌やカビの繁殖による異臭や着色を防ぎ衛生的で美しい結露吸水シートを提供すると共に、結露吸水シートの使用期間を延ばし、経済的である。
【発明の効果】
【0017】
結露吸水シートの上部に凹凸形状を設け、その下に花模様などの柄を形成して貼着部分を美しく見せる効果を有している。また、結露吸水シートの上端部は、この部分がガラスに密着していないので、吸水した水が蒸散しやすく、凹凸を設けているので吸水した結露水が蒸散効率が高くなる効果を有している。さらに、吸水シートに抗菌、抗カビ処理を施すことによって、雑菌の繁殖やカビの繁殖によるシミや異臭の発生を抑制して、衛生的な結露吸水シートを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
窓等に貼着しても外観を損ねることがなく、美しい形状の結露吸水シートを提供するために、鋭意検討を加えた結果、結露吸水シートの端面を超音波処理により装飾を施し、装飾面より下部の片面に両面粘着テープを貼着して、窓硝子などに貼設する結露の吸水性シートを創成した。以下に図面を用いて本発明の結露吸水シートについて詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。本発明の結露吸水シートに使用するシートは、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、ナイロン等の不織布を使用することができるが、これらに限定されず、超音波処理により辺縁に装飾を施せる材質であれば、特に限定されるものではない。
【0019】
図1は、窓ガラス11に、本発明の結露吸水シート100を貼設した部分斜視図を示している。本発明の結露吸水シート100は、超音波により結露吸水シート100の上端部に凹凸部14を設け、さらにその下側に柄模様15を装飾し、柄模様15の下の裏面に両面テープ13が貼設されており、両面テープの保護シール(図示せず)を剥がして窓ガラス11に貼着する。凹凸部14と柄模様15の裏面には両面テープ13が貼着されていないので、結露は窓ガラス11と吸水シートの上端部の凹凸部14の間から下に流れて結露吸水シート100に吸水される。したがって、吸水シート12に吸水された水は、昼間に外気温の上昇に伴って凹凸部14から蒸散する。
【0020】
図2は、窓ガラス11に結露吸水シート100を貼設した部分斜視図を示している。図2は、超音波により結露吸水シートの上端部の凹凸部14に近接して柄模様15を描いた例を示している。結露吸水シート100の上下の幅が狭い結露吸水シートを作成する場合に有効である。
【0021】
図3は、窓ガラス11に結露吸水シート100を貼設した部分斜視図を示している。図3に示す吸水シート12の上端部の凹凸部14は吸水シート12の上端部に大きな凹凸部14を形成し、それに近接して大きな柄模様15を描出している。左右の幅が長い結露吸水シート100を作成して、大きな窓等に貼設する場合に有効である。
【0022】
図4は、窓ガラス11に結露吸水シート100を貼設した部分斜視図を示している。超音波により結露吸水シート100の上端部に凹凸部14を設け、下端部に小さな柄模様15を施した結露吸水シート100の例を示している。
【0023】
図5は、窓ガラス11に結露吸水シート100を貼設した部分斜視図を示している。超音波により、結露吸水シートの上端部に凹凸部14を設け、下端部に小さな柄模様15を施した結露吸水シート100の例を示す。下端部に施す柄模様15は大きすぎると、下端部に結露が溜まるので余り大きな柄模様は不適当である。
【0024】
図6は、テーブルの上に置いたり、花瓶の下に敷いたりする吸水シート12の上面図を示している。吸水シート12の周囲を超音波によって処理すると解れることもなく、見栄えのよい吸水シート12を提供することができる。
【0025】
図7は、シートに不織布を合体させた吸水シートの断面図を示す。前記の吸水シートにさらに不織布を重ねて吸水性を高めると共に、弾力性を高めて衝撃も吸水できるようにしたものである。
【0026】
図8は、上下に不織布を用い、間に吸湿フェルトを挟んだ吸水シートの分解斜視図を示す。不織布の間に吸湿フェルトを挟んだり、シリカゲル等の吸湿材、活性炭等の防臭剤等を入れて、図6に示すような縁取りをすると、布団等の間に入れて防湿、防臭用品として使用することもできる。
【0027】
上記の結露吸水シート100、あるいはテーブル等に敷く吸水シートには適宜抗菌、防かび(抗カビ)処理を施すことによって、細菌の繁殖、カビの発生を防止することができる。結露吸水シートに用いる吸水シート、あるいはテーブル等に敷く吸水シートに施す抗菌剤、防かび(抗カビ)剤は通常カーテンや家具類に使用される銀系等の無機系の抗菌剤、防かび(抗カビ)剤、あるいはイミダゾール系、チアゾール系、ピリジン系等の有機系の抗菌剤、防かび(抗カビ)剤のいずれでも良いが、長期間に亘って効果を発揮し、人体に影響を及ぼさないものが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】窓ガラスに結露吸水シートを貼設した部分斜視図を示す。
【図2】窓ガラスに結露吸水シートを貼設した部分斜視図を示す。
【図3】窓ガラスに結露吸水シートを貼設した部分斜視図を示す。
【図4】窓ガラスに結露吸水シートを貼設した部分斜視図を示す。
【図5】窓ガラスに結露吸水シートを貼設した部分斜視図を示す。
【図6】吸水シートの上面図を示す。
【図7】吸水シートの断面図を示す。
【図8】吸水シートの分解斜視図を示す。
【符号の説明】
【0029】
100:結露吸水シート
11:ガラス
12:吸水シート
13:両面テープ
14:凹凸部
15:柄部
16:不織布
17:フェルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
結露を発生する面に貼着して結露を吸水蒸散させるための結露吸水シートであって、前記結露吸水シートの上端部に超音波により凹凸と柄模様の装飾を施し、前記結露吸水シートの前記装飾模様の下端部より下側の裏面に貼設物体に貼着するための両面テープを貼設したことを特徴とする結露吸水シート。
【請求項2】
結露を吸水する吸水シートがポリエステルフィルムであることを特徴する請求項1に記載の結露吸水シート。
【請求項3】
結露を吸水する吸水シートがポリウレタンフォームであることを特徴する請求項1に記載の結露吸水シート。
【請求項4】
結露を吸水する吸水シートが抗菌剤又は/及び抗カビ剤で処理が施されている吸水シートであることを特徴する請求項1〜3のいずれかに記載の結露吸水ート。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−126875(P2010−126875A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−298987(P2008−298987)
【出願日】平成20年11月25日(2008.11.25)
【出願人】(503205872)兼山印刷株式会社 (4)
【Fターム(参考)】