説明

給脂装置及び鉱石搬送装置

【課題】 給脂が必要な個所へ適正量の脂、例えばグリースを確実に供給できる給脂装置を提供する。
【解決手段】 矢印E方向へ移動する無端チェーン3へ脂を供給するための給脂装置である。この給脂装置は、無端チェーン3といっしょに移動する受脂部13と、脂を吐出するチャック38と、チャック38を受脂部13と等速で移動させるエアシリンダ27及び送りスライダ23と、チャック38と受脂部13とが等速で移動する間にチャック38から脂を吐出させる電磁弁19cと、移動する受脂部13を位置変動しないように受ける受けローラ7とを有する。受脂部13はニップル12を介して外部から脂を受け取ってそれを無端チェーン3の内部のリンクピン9へ導く。受けローラ7は、受脂部13がチャック38から吐出される脂を受け取る間、受脂部13が位置変動することを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脂の供給を必要とする移動物に対して脂を供給するための給脂装置に関する。また、本発明は、その給脂装置を用いて構成される鉱石搬送装置に関する。なお、ここにいう「脂」は、潤滑用のグリースや、燃料用の脂等を含む概念である。
【背景技術】
【0002】
種々の産業機器においては移動する機構部品が含まれることが多い。この移動する機構部品に関しては、適当な周期で潤滑用のグリースを供給する必要がある。また、場合によっては、移動する機構部品に対して燃料用の油を供給する必要もある。例えば、鉱石を搬送するために用いられる各種の鉱石搬送装置、例えばパンフィーダ、エプロンフィーダ等について考えると、そのような鉱石搬送装置は、複数のリンクを連結して無端チェーンを構成し、その無端チェーンを周回移動させることによって鉱石を運搬する。この種の鉱石搬送装置に関しては、例えば、各リンクの連結点に定期的にグリースを供給することが必要である。
【0003】
無端チェーン等といった移動物において脂の供給が必要となる個所、例えばリンクの連結部分、に脂を自動的に供給する装置、すなわち給脂装置は従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。この給脂装置では、ニップル等から成る受脂部を無端チェーンの給脂必要個所に設け、脂を吐出するチャックをニップルと等速で移動させ、必要に応じてチャックをニップル方向へ移動させて当該ニップルに嵌合させ、この嵌合状態が達成されている間にチャックから脂を吐出してその脂をニップル内へ供給し、最終的にリンクの連結部に脂を供給している。
【0004】
【特許文献1】特開平11−125395号公報(第6頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の給脂装置では、給脂が必要な個所へ十分な量の脂を供給することが難しかった。その理由の1つとして、チャックがニップルへ適正に嵌合せず、脂がチャックから垂れ流しされることがあった。また、他の理由として、給脂装置内の稼動部分、例えばエアシリンダに落鉱等といった異物が付着して誤動作を生じることがあった。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みて成されたものであって、給脂必要個所へ適正量の脂を確実に供給できる給脂装置及び鉱石搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る第1の給脂装置は、移動物へ脂を供給するための給脂装置において、前記移動物といっしょに移動すると共に外部から脂を受け取ってそれを前記移動物の内部へ導く受脂手段と、脂を吐出する給脂手段と、前記給脂手段を前記受脂手段と等速で移動させる等速移動手段と、前記給脂手段と前記受脂手段とが等速で移動する間に前記給脂手段から脂を吐出させる吐出制御手段と、前記受脂手段が前記給脂手段から吐出される脂を受け取る間、移動する該受脂手段を位置変動しないように受ける受け手段とを有することを特徴とする。
【0008】
この構成において、「吐出制御装置」は、電磁弁及びそれを制御する制御機器等によって構成できる。制御機器としては、コンピュータや、リレー回路を含むシーケンサや、プログラマブル・コントローラ等を用いることができる。
【0009】
上記構成の給脂装置によれば、受脂手段が給脂手段から吐出される脂を受け取る間、移動する受脂手段が受け手段の働きによって位置変動しないように受けられるので、給脂手段に対する受脂手段の位置に変動が生じることがなくなる。それ故、給脂手段から吐出された脂は正確に受脂手段によって受け取られ、その結果、給脂必要個所へ適正量の脂を確実に供給できる。
【0010】
上記構成の給脂装置において、前記移動物は複数のリンクを連結して成る無端チェーンとすることができる。この場合、前記受脂手段は前記リンクの連結部に設けられことが望ましい。また、このとき、前記受け手段は前記リンクを受ける受けローラであることが望ましい。この場合、受けローラは、リンクを直接に受ける位置に設置しても良いし、あるいは、リンクから少し離れた位置に設置された上で何等かの部材を介在させた状態で間接的にそのリンクを受けるような構成であっても良い。
【0011】
次に、本発明に係る第2の給脂装置は、移動物へ脂を供給するための給脂装置において、前記移動物といっしょに移動すると共に外部から脂を受け取ってそれを前記移動物の内部へ導く受脂手段と、脂を吐出する給脂手段と、前記給脂手段を前記受脂手段と等速で移動させる等速移動手段と、前記給脂手段を前記受脂手段から離れる第1位置と前記受脂手段に近接又は嵌合する第2位置との間で往復移動させる給脂部進退手段と、前記給脂手段と前記受脂手段とを前記等速移動手段によって等速で移動させる間に、前記給脂部進退手段によって前記給脂手段を前記第1位置から前記第2位置へ移動させると共に該第2位置において前記給脂手段から脂を吐出させる吐出制御手段とを有し、前記第1位置から前記第2位置までのストロークは200mm以上であることを特徴とする。
【0012】
この構成において、「吐出制御装置」は、電磁弁及びそれを制御する制御機器等によって構成できる。制御機器としては、コンピュータや、リレー回路を含むシーケンサや、プログラマブル・コントローラ等を用いることができる。
【0013】
給脂手段を受脂手段の方向へ移動させた上で両者を嵌合させ、この嵌合状態が維持されている間に脂を給脂手段から受脂手段へ供給するという給脂方法は、特開平11−125395号公報に開示されている。この公報において、給脂手段の移動距離、すなわちストロークについては詳しく述べられていないが、通常は、50mm程度の距離であった。しかしながら、ストロークがこのように小さいと、給脂手段を移動させるための駆動装置、例えばエアシリンダ等が無端チェーン等といった移動物の近くに設置されることになる。そしてその場合には、移動物からの異物、例えば落鉱がエアシリンダ等に付着してしまい、エアシリンダ等の動作が不安定になるおそれがある。こうなると、給脂が正常に行われなくなるおそれがある。
【0014】
これに対し、上記第2の給脂装置によれば、ストロークを200mm以上のように大きく設定したので、エアシリンダ等を移動物から大きく離すことができ、それ故、落鉱等といった異物がそのエアシリンダ等に付着することを防止でき、長期間にわたってエアシリンダ等を正常に稼動させることができる。その結果、給脂必要個所へ適正量の脂を確実に供給できるようになる。
【0015】
上記第2の給脂装置において、前記移動物は、鉱山内に設置される鉱石搬送装置の構成要素である無端チェーンであることが望ましい。鉱山内に設置される鉱石搬送装置では、無端チェーンを用いてエプロンフィーダやパンフィーダが構成され、エプロンやパンの上に鉱石が載せられて搬送される。この場合には、エプロン等から落下する鉱石、すなわち落鉱が給脂装置の各構成部品に付着するおそれが高い。従って、このような環境下で使用される給脂装置として上記第2の給脂装置を用いれば、給脂装置の構成部品に落鉱が付着することを確実に防止できる。
【0016】
次に、上記第2の給脂装置において、前記受脂手段はニップルを有することができる。また、前記給脂手段は、そのニップルに嵌合するチャックと、該チャックを支持するチャック支持部材と、前記チャックに脂を供給するグリースホースとを有することができる。そしてこのような構成を採用する場合、前記グリースホースは前記チャック支持部材に対して固定されることが望ましい。
【0017】
特開平11−125395号公報に開示された給脂装置では、グリースホースは固定されることなく自由な状態になっていた。このため、給脂手段が第1位置と第2位置との間で進退移動、すなわち前進及び後進移動、を繰り返す間にグリースホースの弾性力の作用により、チャックの向きが当初に設定された向きから変化し、そのため、チャックとニップルの嵌合が不十分になるおそれがあった。これに対し、グリースホースをチャック支持部材に対して固定した構成の本発明によれば、給脂手段が進退移動を繰り返す場合でも、チャックの向きは常に当初の設定位置に保持される。このため、チャックとニップルの嵌合を長期間にわたって確実に達成できる。
【0018】
次に、上記第2の給脂装置において、前記等速移動手段は、前記移動物と共に移動する通脂用パイプと、前記給脂手段を支持した状態でスライド移動可能な送りスライダと、該送りスライダ上に設けられたクランプアーム駆動手段と、該クランプアーム駆動手段によって駆動されて前記通脂パイプの移動経路上に臨出できるクランプアームとを有する構成とすることができる。そしてこの場合、前記クランプアーム駆動手段はカバーによって覆われることが望ましい。こうすれば、落鉱等といった異物がクランプアーム駆動手段、例えばエアシリンダに付着することがなくなるので、クランプアームを常に正常に動かすことができる。
【0019】
次に、本発明に係る鉱石搬送装置は、無端チェーンと、該無端チェーンに支持された鉱石載置部材と、前記無端チェーンの給脂必要個所へ脂を供給する給脂装置とを有する。そして、その給脂装置は、以上に記載した各種の構成の給脂装置によって構成されることが望ましい。
【0020】
本発明に係る第1の給脂装置を用いれば、給脂手段に対する受脂手段の位置に変動が生じることを防止することにより、給脂必要個所へ適正量の脂を確実に供給できるようにした。また、本発明に係る第2の給脂装置を用いれば、給脂手段の移動行程距離、すなわちストロークを200mm以上のように大きく設定することができ、それ故、その給脂手段を駆動するエアシリンダ等を移動物から大きく離すことができ、それ故、落鉱等といった異物がそのエアシリンダ等に付着することを防止できるようになった。そのため、長期間にわたってエアシリンダ等を正常に稼動させることが可能となり、それ故、給脂必要個所へ適正量の脂を確実に供給できるようになった。これらのように、本発明に係る給脂装置によれば、給脂必要個所へ適正量の脂を確実に供給できるので、これを用いた鉱石搬送装置によれば、鉱石の搬送作業を長期間にわたって正常に維持することができる。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明に係る給脂装置によれば、給脂必要個所へ適正量の脂を確実に供給できる。また、本発明に係る鉱石搬送装置によれば、鉱石の搬送作業を長期間にわたって正常に維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明に係る給脂装置及び鉱石搬送装置を、主に石灰石を採掘する鉱山に設置するエプロンフィーダに適用する場合を例に挙げて説明する。なお、この実施形態は本発明の一例であり、本発明はこの実施形態に限定されないことは、もちろんである。
【0023】
図8は、鉱山に構築された坑内小割室及び1次破砕室の一部分を示している。図8において、山頂切羽で発破されダンプにより立坑に投入され落下した鉱石、例えば石灰石は、矢印Aのように落下して小割室101に到達する。小割室101の底部にはグリズリーバー102が設置されている。このグリズリーバー102は500〜600mmの間隔で並べられた複数のバーによって構成されており、その間隔よりも小さい鉱石、いわゆる粗鉱が小割ポケット103へ落下してそこに貯められる。小割ポケット103の長さは、通常は、数十メートルである。
【0024】
それらの粗鉱は鉱石搬送装置としてのエプロンフィーダ104へ落下してその上に載置される。エプロンフィーダ104はその上に落下した粗鉱を矢印B方向へ搬送して、スクリーン106へ落下させる。スクリーン106は所定の値、例えば120mm以下の大きさの鉱石を矢印Cのように下方へ落下させ、それ以上の大きさの鉱石をジャイレトリクラッシャ107へ供給する。
【0025】
ジャイレトリクラシャ107は、供給された鉱石を所定の値、例えば150mm〜200mm以下に砕いて矢印Dのように下方へ排出する。スクリーン106から矢印Cのように落下した鉱石と、ジャイレトリクラシャ107によって破砕されて矢印Dのように落下する鉱石は、合流して2次破砕室(図示せず)へ送られる。この2次破砕室では、鉱石は所定の値、例えば80mm以下に破砕される。そしてその後、鉱石は、何本かの長距離ベルトコンベヤ(図示せず)に載せられて数十キロメートル離れた海岸選鉱場へ送られる。海岸選鉱場では所定のサイズに破砕・篩い分けられ、船積み等され客先へ届けられる。
【0026】
図2は、エプロンフィーダ104の側面図を示している。また、図1は、図2の矢印G方向からエプロンフィーダ104の側面側の端部の一部分及び当該部分に付設される給脂装置を示している。
【0027】
エプロンフィーダ104は、図2に示すように、駆動スプロケット1と従動スプロケット2との間に掛け渡された、移動物としての無端チェーン3と、その無端チェーン3によって支持されて並ぶ鉱石載置部材としての複数のエプロン4とを有する。符号4aはエプロン4の側部に形成されたスカート板を示している。無端チェーン3は、駆動スプロケット1によって駆動されて矢印E方向へ周回移動する。図8の小割ポケット103から落下した複数の鉱石6は、図2において、無端チェーン3のE方向への移動に従って同じくE方向へ搬送された後、矢印Fで示すように落下して、図8のスクリーン106へ送られる。本実施形態では、無端チェーン3が給脂を必要とする移動物に相当する。
【0028】
無端チェーン3は、複数のリンク8をリンクピン9によって互いに連結することによって無端状に形成されている。そして、各リンクピン9には、図1に示すように、受脂部13が取り付けられている。これらの受脂部13は、無端チェーン3から突出して外部へ延びる通脂用パイプ11と、その通脂用パイプ11の先端に取り付けられたニップル12とによって構成されている。図2において、無端チェーン3の上側走行部の内側部分には受け手段としての複数の受けローラ7が設けられている。これらの受けローラ7は、リンク8が図2の上下方向及び左右方向(すなわち、紙面垂直方向)に振れないように、すなわち位置変動しないように、そのリンク8をガイドする。これらの受けローラ7は、リンク8を直接に受ける構造であっても良いし、あるいは、リンク8に付随する部材、例えばエプロン4をガイドすることによりリンク8を間接的に受ける構造であっても良い。
【0029】
無端チェーン3に関しては、その円滑な動作を維持するために、グリース等といった脂を各リンクピン9に定期的に供給する必要がある。上記の受脂部13は、そのような脂を外部から受け取って各リンクピン9の内部へ送り込む働きを行う。
【0030】
図1において、無端チェーン3の側方(図1の上方)には、矢印Eで示す無端チェーン3の移動方向に沿って、その上流側から順に、受脂部検知センサS1、エアー噴出ノズル14、給脂部ユニット15、そしてクランプユニット16が配設される。図6に示すように、受脂部13を構成する通脂用パイプ11の適所には検知フィラー31、例えば光反射板が設けられている。図1の受脂部検知センサS1は、その検知フィラー31を検知できる反射型センサによって構成される。この受脂センサS1の出力端子は制御装置21の入力端子に接続される。この制御装置21は、例えば、パーソナルコンピュータ、プログラマブル・コントローラ、又はシーケンサ等といった制御機器によって構成される。エアー噴出ノズル14には、エアー供給源としてのエアーコンプレッサ17aから延びるエアー供給管18aが接続され、そのエアー供給管18aに洗浄用電磁弁19aが配設されている。この洗浄用電磁弁19aは制御装置21からの指令に従って作動する。
【0031】
給脂ユニット15及びクランプユニット16は送りユニット20によって矢印H−H’方向へ往復平行移動出来るように支持されている。この送りユニット20は、無端チェーン3の移動方向である矢印E方向に沿って延びるレール22と、そのレール22によってガイドされて矢印H−H’方向へ往復移動する送りスライダ23とを有する。この送りスライダ23は送り用エアシリンダ27によって駆動されて矢印H−H’方向へ往復移動する。
【0032】
送りスライダ22には、図3に示すように、無端チェーンの移動方向である矢印E方向の上流側(すなわち、図3の左側)から順にホーム位置センサS5、給脂位置センサS6、及びリミットセンサS7が設けられる。そして、送りスライダ23にはそれらのセンサS5,S6,S7によって検知される検知要素、例えば磁石25が設けられる。
【0033】
ホーム位置センサS5は送りスライダ23がホーム位置、すなわち図1の左端位置にあることを検知する。また、給脂位置センサS6は給脂部ユニット15内のチャック38が所定の給脂位置に到達したことを検知する。また、リミットセンサS7は送りスライダ23が矢印Eで示す鉱石搬送方向へ最も前進した位置を検知する。
【0034】
上記の給脂位置は図2に符号P0で示すように、受けローラ7が設けられている所に設定される。本実施形態では、受けローラ7が無端チェーン3の上側走行部の略全域にわたって設けられているので、その上側走行部の広い範囲のいずれかの所に給脂位置P0を設定できる。仮に、受けローラ7を設ける領域が狭い領域に限られる場合には、給脂位置P0として設定できる領域も狭くなる。受けローラ7は無端チェーン3のリンク8が図2の上下左右に振れること、従ってリンク8に設けられた受脂部13が上下左右に振れることを防止するように機能する。従って、給脂位置P0を受けローラ7に対応する位置に設定すれば、図1のチャック38から受脂部13への脂の供給を正確に行うことが可能となる。
【0035】
図1において、送り用エアシリンダ27のエアー入力ポートにはエアーコンプレッサ17bから延びるエアー供給管18bが送り用電磁弁19bを介して接続される。この送り用電磁弁19bは制御装置21からの指令に従って作動する。また、エアー供給管18aの一方にはチェック弁付きレギュレータ29が設けられる。
【0036】
チェック弁付きレギュレータ29は、周知の通り、チェック弁が開くときにはエアー圧力をほとんど発生せず、他方、チェック弁が閉じるときには所定のエアー圧力が発生するようになっている。本実施形態では、送りスライダ23が矢印H方向(すなわち、無端チェーン3の移動方向と同じ方向)へ移動するときにはチェック弁が閉じてエアー圧力を発生し、他方、送りスライダ23が矢印H’方向(すなわち、無端チェーン3の移動方向と反対の方向)へ移動するときにはチェック弁が開いてエアー圧力を発生しないように設定されている。この結果、送りスライダ23は、矢印H方向へ外力を受けるときには、非常に軽い押圧力によって移動でき、他方、送り用エアシリンダ27が矢印H’方向へ押圧力を発生するときにはその押圧力によって高速で矢印H’方向へ移動する。
【0037】
図3に示すように、送り用スライダ23の上の左側(すなわち、無端チェーンの移動方向の上流側)にはレール34aが設けられ、このレール34aの上に給脂部ユニット15が設けられている。また、送り用スライダ23の上の右側(すなわち、無端チェーンの移動方向の下流側)にはレール34bが設けられ、このレール34bの上にクランプユニット16が設けられている。レール34a及びレール34bは、いずれも、図3の紙面垂直方向に延びている。
【0038】
給脂部ユニット15は、図1において、上記の送り方向H−H’と直角であるJ−J’方向へレール34aにガイドされて平行移動するスライダ26aと、このスライダ26aを往復移動させる給脂部エアシリンダ39aと、スライダ26aの前端に設けられたブラケット36に固定されたチャック38とを有する。チャック38にはグリースを給送するためのグリースホース46の一端がつなげられ、そのグリースホース46の他端はグリース用電磁弁19cのグリース出力ポートにつなげられている。グリース用電磁弁19cは送りスライダ23の上に固定されており、そのグリース入力ポートにはグリース供給管48を介してグリース供給源47が接続されている。
【0039】
給脂部エアシリンダ39aのエアー入力ポートにはエアーコンプレッサ17cから延びるエアー供給管18cが給脂部電磁弁19dを介して接続される。この給脂部電磁弁19dは制御装置21からの指令に従って作動する。給脂部レール34aの適所には、チャック38がニップル12に嵌合する位置に達したことを検知するチャッキング検知センサS2及びチャック38が無端チェーン3から離れたことを検知するチャッキング解除検知センサS3が設けられる。なお、スライダ26aはエアシリンダ39aを覆うカバー部材としも機能する。このようにカバー部材として機能するスライダ26aは、落鉱その他の異物がエアシリンダ39aに付着するのを防止する。
【0040】
次に、クランプユニット16は、レール34bにガイドされて上記の送り方向H−H’と直角であるJ−J’方向へ平行移動するスライダ26bと、このスライダ26bを往復移動させるエアシリンダ39bと、スライダ26bの前端に固定されたクランプ装置24とを有する。
【0041】
クランプ部エアシリンダ39bのエアー入力ポートにはエアーコンプレッサ17dから延びるエアー供給管18dがクランプ部電磁弁19eを介して接続される。このクランプ部電磁弁19eは制御装置21からの指令に従って作動する。クランプ部レール34bの適所には、クランプ装置24が所定のクランプ位置まで前進したことを検知するクランプ台検知センサS8及びクランプ装置24が無端チェーン3から離れたことを検知するクランプ台解除センサS9が設けられる。なお、スライダ26bはエアシリンダ39bを覆うカバー部材としも機能する。このようにカバー部材として機能するスライダ26bは、落鉱その他の異物がエアシリンダ39bに付着するのを防止する。
【0042】
次に、クランプ装置24は、その先端にクランプアーム32を備え、そのエアー入力ポートにはエアーコンプレッサ17eから延びるエアー供給管18eがアーム用電磁弁19fを介して接続される。このアーム用電磁弁19fは制御装置21からの指令に従って作動する。クランプアーム32は、電磁弁19fによるエアー供給路の切り替えに従って、図4に示す垂直位置とそれに直角な水平位置との間で略90°の角度範囲で旋回移動する。図1に示すクランプアーム32は水平位置にある状態を示している。図4から明らかなように、垂直位置にあるクランプアーム32は通脂用パイプ11に係合、すなわち、ぶつかることができ、水平位置にあるクランプアーム32は通脂用パイプに係合しない。
【0043】
なお、クランプ装置24の本体部分、すなわちエアシリンダが内蔵される部分にはカバー部材28が設けられる。このカバー部材28の働きにより、クランプ装置24に落鉱その他の異物が付着することを防止できる。また、クランプ装置24はその内部にクランプ検知センサS4を有する。このクランプ検知センサS4は、クランプアーム32が垂直位置及び水平位置のそれぞれにあることを検知する。
【0044】
以下、上記構成より成る鉱石搬送装置に関してその動作を説明する。
図2において、駆動スプロケット1が作動して無端チェーン3の上側走行部が矢印E方向へ移動すると、チェーン3上の各エプロン4が同じく矢印E方向へ移動する。このエプロン4の移動により、そのエプロン4上に載せられた鉱石6が矢印E方向へ搬送される。このような鉱石運搬作業が行われる間、各リンク8を連結するリンクピン9に取り付けられた受脂部13も同じく矢印E方向へ移動する。各受脂部13が移動するとき、図1において、受脂部検知センサS1は、次々に到来する受脂部13の検知フィラー31を検知して、図7のタイミングチャートに示すように、一定周期のパルス信号P1を出力する。
【0045】
このパルス信号P1を受け取った図1の制御装置21は、そのパルス信号P1が出力されるごとにエアー噴射ノズル14から所定時間、例えば1秒程度の時間だけエアーを噴射する。このエアー噴射により、ノズル14に順々に到来する全ての受脂部13のニップル12が洗浄される。具体的には、ニップル12の先端に付着したゴミやグリースをエアーで吹き飛ばす。
【0046】
図7において、受脂部検知センサS1が4箇所目の受脂部13を検知すると(タイミングT1)、図1のクランプ部電磁弁19eが作動してクランプ部エアシリンダ39bが作動してクランプ部スライダ26bが受脂部13へ向かって平行移動を開始する。その後、タイミングT2でクランプ台検知センサS8がON状態になると、クランプ部スライダ26bの平行移動が停止する。この状態で、図4に示すように、クランプ装置24が受脂部13の移動経路の下方位置まで前進移動する。
【0047】
一方、タイミングT1で、図1のアーム電磁弁19fが作動して、クランプ装置24にエアーが供給され、クランプアーム32が水平位置から垂直位置へと旋回移動する。これにより、図4に示すように、クランプアーム32が受脂部13の通脂用パイプ11の移動経路上に臨出する。クランプアーム32が垂直位置にあることはクランプ検知センサS4によって検知される。その後、適宜のタイミングT3で図4に示すように、移動して来た受脂部13の通脂用パイプ11がクランプアーム32に係合、すなわちぶつかると、送りスライダ23が図1の矢印H方向へ無端チェーン3の移動に追従して移動する。タイミングT3で送りスライダ23が追従移動を開始すると、送りスライダ23がホーム位置から離れ、このことがホーム位置センサS5によって検知される。
【0048】
送りスライダ23がホーム位置から離れたことをホーム位置センサS5が検知すると(タイミングT3)、送り用電磁弁19bが作動してチェック弁付きレギュレータ29を通して送り用エアシリンダ27にエアーが供給され、送りスライダ23が矢印H方向へエアー力によって移動を開始する。このときの移動は、送りスライダ23を無端チェーン3の移動とは無関係に移動させるためのものではなく、送りスライダ23の追従移動を補助するためのものである。つまり、この補助動作により、送りスライダ23は無端チェーン3に従って滑らかに追従移動する。
【0049】
その後、タイミングT4が到来すると、送りスライダ23のチャック38、すなわち給脂実行点が所定の給脂位置に到達し、このことが給脂位置センサS6によって検知される。そしてこれに基づいて、給脂部電磁弁19dが作動して給脂部エアシリンダ39aにエアーが供給され、給脂部スライダ26aが図5の矢印J方句へ前進移動を開始する。その後、タイミングT5で図1のチャッキング検知センサS2がON状態になると、給脂部スライダ26aと共に前進移動したチャック38がニップル12に嵌合する。
【0050】
このT5のタイミング又はT5よりも少し遅れたタイミングで、図1のグリース用電磁弁19cがON状態になりグリース供給源47から送られたグリースがグリースホース46を通ってチャック38へ送られ、そのグリースがチャック38から吐出される。吐出されたグリースは受脂部13のニップル12及びパイプ11を通ってリンクピン9へ送られて、所望の潤滑機能を発揮する。チャック38からグリースを吐出する時間は、現場の必要に応じて適宜に設定されるが、本実施形態では1秒間とする。つまり、タイミングT5でグリース注入が開始された後、1秒後にグリース用電磁弁19cがOFF状態になってグリースの供給が停止する。
【0051】
グリースの供給が停止したタイミングT6又はその少し後に給脂部電磁弁19dが作動して給脂部エアシリンダ39aの復動入力ポートにエアーが供給され、給脂部スライダ26aが矢印J’方向へ後退移動を開始する。そして、チャッキング解除検知センサS3がON状態になったタイミングT7で、給脂部電磁弁19dが作動してエアーの供給が停止され、給脂部スライダ26aの後退移動が停止して、その給脂部スライダ26aが退避位置に停止する。
【0052】
タイミングT7で給脂部エアシリンダ39aが後退位置まで移動したとき、アーム用電磁弁19fが作動してクランプ装置24の復動入力ポートにエアーが供給され、クランプアーム32が係合位置である垂直位置から非係合位置である水平位置へ向けて旋回移動を開始する。このクランプアーム32がタイミングT8で水平位置に達すると、クランプ検知センサS4がそのことを検知し、これに基づいてアーム用電磁弁19fが作動してエアー供給が停止されてクランプアーム32が水平位置に停止する。
【0053】
また、タイミングT8でクランプ部電磁弁19eが作動してクランプ部エアシリンダ39bの復動入力ポートにエアーが供給され、クランプ部スライダ26bが後退移動を開始する。その後、タイミングT9でクランプ台解除センサS9がON状態となると、クランプ部電磁弁19eが作動してエアーの供給が停止され、クランプ部スライダ26bが後退位置に停止する。
【0054】
タイミングT8においてクランプアーム32が水平位置へ移動すると、そのクランプアーム32と受脂部13のパイプ11との係合が外れるので、送りスライダ23の無端チェーン3に対する追従動作は解除される。しかしながら、送りスライダ23は慣性及び送り用エアシリンダ27による補助力によって往動を続ける。この往動する送りスライダ23によってリミットセンサS7がON状態になると(タイミングT10)、送り用電磁弁19bが作動して送り用エアシリンダ27の復動入力ポートにエアーが供給され、送りスライダ23が無端チェーン3の進行方向と逆方向である矢印H’方向へ復動を開始する。そして、復動する送りスライダ23が図1の左端位置であるホーム位置まで移動すると、ホーム位置センサS5がそれを検知し(タイミングT11)、これに基づいて送り用電磁弁19bが作動してエアーの供給が停止され、送りスライダ23がホーム位置に停止する。以上により、本実施形態に係る給脂装置による1回の給脂動作が終了する。この給脂動作は、必要に応じて複数回、自動的に繰り返して行うことができる。
【0055】
以上のように、本実施形態の給脂装置によれば、図2の給脂位置P0において図1の受脂部13のニップル12がチャック38から吐出されるグリースを受け取る間、リンク8と共に移動する受脂部13が図2の受けローラ7の働きによって位置変動しないように受けられる。そのため、チャック38に対する受脂部13の位置に変動が生じることがなくなり、チャック38から吐出されたグリースは正確に受脂部13によって受け取られる。その結果、給脂必要個所であるリンクピン9へ適正量の脂を確実に供給できるようになった。なお、受けローラ7は受脂部13の位置変動を抑えることが主要な役目であり、これが達成されるのであれば、受けローラ7はリンク8を直接に受ける構造であっても良いし、あるいは、リンク8から離れた位置でリンク8を間接的に受ける構造であっても良い。
【0056】
また、本実施形態の給脂装置では、図1の給脂部スライダ26aのストローク、すなわち給脂部エアシリンダ39aのストロークを200mm以上に設定する。また、クランプ部スライダ26bのストローク、すなわちクランプ部エアシリンダ39bのストロークも200mm以上に設定する。特開平11−125395号公報に開示された従来の給脂装置では給脂部スライダ26aに相当する部分のストロークは50mm程度であった。この従来のストローク値から比較すると、本実施形態における給脂部スライダ26a及びクランプ部スライダ26bのストロークは非常に大きく設定されている。このようにこれらのスライダのストロークを大きく設定するということは、その分だけ給脂部エアシリンダ39a及びクランプ部エアシリンダ39bを無端チェーン3から離して設置できるということである。
【0057】
本実施形態のように無端チェーン3によって鉱石を搬送する場合には、落鉱によって無端チェーン3の周囲が非常に汚れるおそれがある。このような状況に対し、本実施形態のようにエアシリンダ39a,39bを無端チェーン3から遠く離して設置しておけば、落鉱等といった異物がそれらのエアシリンダ39a,39bに付着することを防止でき、それらのエアシリンダを長期間にわたって正常に稼動させることができる。それ故、給脂必要個所であるリンクピン9へ適正量の脂を常に確実に供給できる。
【0058】
なお、給脂部スライダ26a及びクランプ部スライダ26bは、それぞれ、給脂部エアシリンダ39a及びクランプ部エアシリンダ39bの上部を覆うカバー部材としても機能している。これらのカバー部材は落鉱等といった異物がそれらのエアシリンダ39a,39bに付着することを、より一層確実に防止する。
【0059】
次に、本実施形態の給脂装置では、図1において、チャック38、グリースホース46、電磁弁19c等によって給脂手段が構成されている。また、チャック38は給脂部スライダ26aと一体であるブラケット36によって支持されている。また、給脂部スライダ26aの上には支持部材37,37が設けられ、これらの支持部材37によってグリースホース46が固定状態に保持されている。
【0060】
さらに、グリースホース46は、長くて柔らかいもの、例えばブリヂストン社製のKF04で長さが1,000mmのものを使用した。従来の給脂装置で用いられていたホースは短くて比較的硬いもの、例えばヨコハマゴム社製のAJ700で長さが500mmのものであったので、本実施形態で用いたグリースホースはかなり長くて柔らかいものである。
【0061】
以上のように、本実施形態では、グリーンホース46として長くて柔らかいものを使用し、さらに、このグリーンホース46を給脂部スライダ26aに固定したので、給脂作業を行うに際して給脂部スライダ26aを多数回、往復前後進移動させても、グリーンホース46からチャック8へ無用な外力が加わることがなくなり、チャック38の向きを長期間にわたって当初の設置状態のままで保持できるようになった。その結果、チャック38とニップル12との嵌合を長期間にわたって正常に確保できるようになった。
【0062】
次に、本実施形態の給脂装置では、図1において、クランプ装置24の本体部分、すなわちクランプアーム32を除いた部分、の略全体をカバー部材28によって覆うようにした。これにより、落鉱等といった異物がクランプアーム32を駆動するための手段、例えばエアシリンダに付着することがなくなり、クランプアームを長期間にわたって正常に動かすことができるようになった。
【0063】
(その他の実施形態)
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。
【0064】
例えば、上記の実施形態では、鉱山設備内の小割ポケット103の次の位置に配設されるエプロンフィーダに本発明の給脂装置及び鉱石搬送装置を適用したが、本発明はエプロンフィーダ以外の鉱石搬送装置、例えばパンフィーダ等にも適用できる。また、本発明は鉱山設備内の小割ポケット103の次段以外の位置に設置される鉱石搬送装置にも適用できる。
【0065】
また、本発明に係る給脂装置は、鉱石搬送装置以外の、給脂が必要である任意の機械構造に対しても適用できる。また、上記実施形態では脂としてグリースを取り扱う場合を例示したが、脂としては燃料、潤滑油等も取り扱うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明に係る給脂装置は、機械構造に対してグリース等といった脂を定期的に供給する際に好適に用いられる。また、本発明に係る鉱石搬送装置は、石灰石等といった鉱石の採掘現場で鉱石を搬送する際に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明に係る給脂装置の一実施形態を示す平面図である。
【図2】本発明に係る鉱石搬送装置の一実施形態を示す側面断面図である。
【図3】図1に示す装置の要部の正面構造を示す図である。
【図4】図1に示す装置の他の要部の側面構造を示す図である。
【図5】図4と同じ部分であって異なる動作タイミングにおける状態を示す図である。
【図6】図1に示す装置のさらに他の要部を示す斜視図である。
【図7】図1に示す装置によって実行される動作の流れを示すタイミングチャートである。
【図8】本発明に係る鉱石搬送装置の使用例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0068】
1.駆動スプロケット、 2.従動スプロケット、 3.無端チェーン(移動物)、
4.エプロン(鉱石載置部材)、 4a.スカート板、 6.鉱石、
7.受けローラ(受け手段)、 8.リンク、 9.リンクピン、
11.通脂用パイプ(受脂手段)、 12.ニップル(受脂手段)、
13.受脂部(受脂手段)、 14.エアー噴出ノズル、 15.給脂部ユニット、
16.クランプユニット、
17a,17b,17c,17d,17e.エアーコンプレッサ(エアー供給源)
18a,18b,18c,18d,18e.エアー供給管、
19a.洗浄用電磁弁、 19b.送り用電磁弁、 19c.グリース用電磁弁、
19d.給脂部電磁弁、 19e.クランプ部電磁弁、 19f.アーム用電磁弁、
20.送りユニット、 22.レール、 23.送りスライダ、 24.クランプ装置、
26a.給脂部スライダ、 26b.クランプ部スライダ、
27.送り用エアシリンダ、 28.カバー部材、
29.チェック弁付きレギュレータ、 31.検知フィラー、 32.クランプアーム、
34a,34b.レール、 37.支持部材、 38.チャック(給脂手段)、
39a.給脂部エアシリンダ、 39b.クランプ部エアシリンダ、
46.グリースホース、 47.グリース供給源、 48.グリース供給管、
101.小割室、 102.グリズリーバー、 103.小割ポケット、
104.エプロンフィーダ(鉱石搬送装置)、 106.スクリーン、
P0.給脂位置、 P1.パルス信号、
S1,S2,S3,S4,S5,S6,S7,S8,S9.センサ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動物へ脂を供給するための給脂装置において、
前記移動物といっしょに移動すると共に外部から脂を受け取ってそれを前記移動物の内部へ導く受脂手段と、
脂を吐出する給脂手段と、
前記給脂手段を前記受脂手段と等速で移動させる等速移動手段と、
前記給脂手段と前記受脂手段とが等速で移動する間に前記給脂手段から脂を吐出させる吐出制御手段と、
前記受脂手段が前記給脂手段から吐出される脂を受け取る間、移動する該受脂手段を位置変動しないように受ける受け手段と
を有することを特徴とする給脂装置。
【請求項2】
前記移動物は複数のリンクを連結して成る無端チェーンであり、
前記受脂手段は前記リンクの連結部に設けられ、
前記受け手段は前記リンクを受ける受けローラである
ことを特徴とする給脂装置。
【請求項3】
移動物へ脂を供給するための給脂装置において、
前記移動物といっしょに移動すると共に外部から脂を受け取ってそれを前記移動物の内部へ導く受脂手段と、
脂を吐出する給脂手段と、
前記給脂手段を前記受脂手段と等速で移動させる等速移動手段と、
前記給脂手段を、前記受脂手段から離れる第1位置と、前記受脂手段に近接又は嵌合する第2位置との間で往復移動させる給脂部進退手段と、
前記給脂手段と前記受脂手段とを前記等速移動手段によって等速で移動させる間に、前記給脂部進退手段によって前記給脂手段を前記第1位置から前記第2位置へ移動させると共に該第2位置において前記給脂手段から脂を吐出させる吐出制御手段と、
を有し、
前記第1位置から前記第2位置までのストロークは200mm以上であることを特徴とする給脂装置。
【請求項4】
請求項3において、前記移動物は、鉱山内に設置される鉱石搬送装置の構成要素である無端チェーンであることを特徴とする給脂装置。
【請求項5】
請求項3又は請求項4において、
前記受脂手段はニップルを有し、
前記給脂手段は、
前記ニップルに嵌合するチャックと、該チャックを支持するチャック支持部材と、前記チャックに脂を供給するグリースホースとを有し、
前記グリースホースは前記チャック支持部材に対して固定される
ことを特徴とする給脂装置。
【請求項6】
請求項3において、前記等速移動手段は、
前記移動物と共に移動する通脂用パイプと、
前記給脂手段を支持した状態でスライド移動可能な送りスライダと、
該送りスライダ上に設けられたクランプアーム駆動手段と、
該クランプアーム駆動手段によって駆動されて前記通脂用パイプの移動経路上に臨出できるクランプアームと、
を有し、
前記クランプアーム駆動手段はカバーによって覆われることを特徴とする給脂装置。
【請求項7】
無端チェーンと、該無端チェーンに支持された鉱石載置部材と、前記無端搬送チェーンの給脂必要個所へ脂を供給する給脂装置とを有し、
該給脂装置は請求項1から請求項6のいずれかに記載した給脂装置であることを特徴とする鉱石搬送装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−38130(P2006−38130A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−220018(P2004−220018)
【出願日】平成16年7月28日(2004.7.28)
【出願人】(000227250)日鉄鉱業株式会社 (82)
【Fターム(参考)】