説明

給電プラグロック装置

【課題】手動操作にてロック状態に切り換わる構造をとるものであっても、装置体格を小さく抑えることができる給電プラグロック装置を提供する。
【解決手段】給電プラグロック装置33に押し操作式のロックボタン41を設け、ロックボタン41が押し操作されたとき、ロックバー44を軸La回りに回転させ、給電プラグをインレットにロック可能とする。ロックバー44がロック位置に回動したとき、ロックバー44に一体取り付けされたロックピース49も回動するため、ロックリンク50が付勢部材52の付勢力によってロック方向に回転し、ロックピース49とケース34との間に入り込む。これにより、ロックバー44のロック位置が保持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両等の物品に接続された給電プラグを物品にロックして、給電プラグの不正取り外しを防止する給電プラグロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題への意識の高まりから、二酸化炭素の排出量の少ない車両として、例えばハイブリッド車や電気自動車等の普及が進んでいる。これら車両は、バッテリの電力でモータを回転させ、モータの駆動力により走行するものである。よって、長距離走行してバッテリの残量が減ると、その度にバッテリを充電しなくてはならない(特許文献1等参照)。
【0003】
ところで、バッテリ充電は、バッテリの構成要素である電池セルで化合物やイオンの電解反応を伴うため、充電時間が相対的に長くかかる現状がある。よって、バッテリ充電中、仮に車両から立ち去ってしまうと、その隙に第三者によって給電プラグを付け替えられるなどして、電力を盗電される可能性も否めない。このため、バッテリ充電可能な車両では、給電プラグを車両に挿し込んだ際、給電プラグが不正に車両から引き抜かれないようにロック装置を搭載することが検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−161898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この種の給電プラグロック装置では、例えば手動操作にてロック状態に切り換える構造のものも想定される。こうすれば、ユーザの意志に応じてロック装置をロック状態に切り換えることが可能となるので、真に必要なときにのみ給電プラグロック装置をロック状態に切り換えることができ、部品の早期劣化を防ぐことができる。しかし、この場合は、給電プラグロック装置をロック状態に切り換える際に操作する操作部が別途必要となるので、装置体格が大型化する懸念があった。
【0006】
本発明の目的は、手動操作にてロック状態に切り換わる構造をとるものであっても、装置体格を小さく抑えることができる給電プラグロック装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記問題点を解決するために、本発明では、インレットに給電プラグが接続されたとき、前記インレット側のロック部材が前記給電プラグに係止することにより、前記給電プラグの不正取り外しを防止する給電プラグロック装置において、操作手段をロック方向に操作する手動操作によって、前記ロック部材が自身の長手方向を軸に回動する動きをとってロック状態をとり、該ロック状態の前記ロック部材が位置保持手段によって位置保持されることにより、当該ロック部材のロック状態を保持するロック機構を備えたことを要旨とする。
【0008】
本発明の構成によれば、手動操作によって給電プラグロック装置をロック状態に切り換える構造をとるので、ユーザが給電プラグをインレットにロックしたいと思うときのみ給電プラグロック装置にロック動作をとらせることが可能となる。よって、給電プラグロック装置に無駄なロック動作をとらせずに済むので、給電プラグロック装置の部品の早期劣化を抑制することが可能となる。
【0009】
また、給電プラグをインレットに固定する際に機能するロック部材を、自身の長手方向を軸として回動する部材とした。ところで、ロック部材がロック位置又はアンロック位置に切り換わるとき、仮にロック部材が位置移動する構造をとった場合は、ロック部材が位置移動する際に通るスペースを給電プラグロック装置に設ける必要があり、その分だけ装置体格が大型化する懸念がある。しかし、本構成であれば、そのようなロック部材の移動スペースを給電プラグロック装置に用意する必要がないので、給電プラグロック装置の体格を小さく抑えることが可能となる。
【0010】
本発明では、前記操作手段は、直線操作式であり、前記ロック部材は、前記操作手段の操作方向に対して交差する方向を軸とする回動が可能であり、前記操作手段の操作力を基にロック方向に回動することにより肉有り部が有効となって、該肉有り部にて前記給電プラグをロックすることを要旨とする。この構成によれば、給電プラグロック装置の構造を、操作手段を直線方向に操作してロック部材を回動させるという簡素な構成にすることが可能となる。
【0011】
本発明では、前記ロック機構のケース内への流体の浸入を抑制する防水手段を備えたことを要旨とする。この構成によれば、防水手段によってケースの防水性が確保されるので、仮にケース内に電装品が収納されていた場合、電装品に水等が付着し難くなる。このため、水付着等を要因とする電装品の故障を生じ難くすることが可能となる。
【0012】
本発明では、前記ロック機構は、ロック状態の該ロック機構を手動操作によってアンロック状態に切り換え可能な手動解除手段を備えたことを要旨とする。この構成によれば、給電プラグロック装置のロック状態が何らかの要因でアンロック状態に解除できない状況となっても、手動解除手段によって給電プラグロック装置をアンロック状態に切り換えることが可能となる。よって、給電プラグをインレットから取り外せず、車両を走行させることができない状況にならずに済む。
【0013】
本発明では、前記ロック部材は、前記ロック機構のケースのうち前記インレット側に固定されたボディ部に取り付けられていることを要旨とする。この構成によれば、給電プラグロック装置がロック状態のとき、仮に第三者がロック状態を不正に解除しようとしてロック部材にアンロック方向の外力を加えたとしても、この力をボディ部で受けることが可能となる。ところで、ボディ部はインレット側に固定されているため、例えば広い接触面積で強く車体に固定された状態となっている。このため、ロック部材にアンロック方向の不正な外力が加わっても、外力に耐え得る箇所でこの力を受けることが可能となるので、ロックバーに加わった外力でロック機構が破壊されてしまう状況が生じ難くなる。従って、不正アンロックを生じ難くすることが可能となる。
【0014】
本発明では、前記ロック機構は、アンロック動作するときの駆動源となる駆動手段を備え、当該ロック機構は、車両ドアがドアロック動作をとるとき、前記駆動手段を駆動させることにより、前記車両ドアのアンロック動作に連動して、自身のアンロック動作を実行することを要旨とする。この構成によれば、給電プラグロック装置のアンロック動作を、車両ドアのアンロック動作に連動する構成とした。このため、給電プラグロック装置をアンロック状態に切り換えるとき、別途特別な操作が不要となるので、利便性をよくすることが可能となる。
【0015】
本発明では、前記位置保持手段は、前記ロック部材と一体回動するロックピースと、前記ロックピースがアンロック位置にあるとき、当該ロックピースの壁に支持されてアンロック状態をとり、前記ロックピースが前記ロック部材とともにロック方向に回動したとき、前記壁による支持が外れてロック方向に回動し、前記ロックピースの回動を規制することにより該ロックピースをロック状態に保持するロックリンクと、前記ロックリンクをロック方向に付勢する付勢部材と、ロック位置にある前記ロックリンクを前記付勢部材の付勢力に抗してアンロック方向に回転させることにより、前記ロック部材をアンロック状態に切り換える駆動手段とを備えたことを要旨とする。この構成によれば、位置保持手段の構造が簡素な構成で済む。
【0016】
本発明では、前記ロック機構は、ロック状態をとる前記ロックリンクをケース側の支持面に当接させることにより、外部から当該ロック部材に加えられたアンロック方向の外力を当該支持面で受けることにより、前記ロック部材のアンロック方向への回動を抑制して、前記ロック状態の不正解除を抑制する不正解除防止機構を備えたことを要旨とする。この構成によれば、給電プラグロック装置がロック状態のとき、仮に第三者がロック状態を不正に解除しようとしてロック部材にアンロック方向の外力を加えたとしても、この力を不正解除防止機構で受けることが可能となる。このため、ロック部材にアンロック方向の不正な外力が加わっても、この力を不正解除防止機構で受けることが可能となるので、不正アンロックを生じ難くすることが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、手動操作にてロック状態に切り換わる構造をとるものであっても、装置体格を小さく抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】一実施形態の車両の構成図。
【図2】給電プラグ及びインレットの外観を示す斜視図。
【図3】給電プラグの構造及び取り付け態様を示す一部破断側面図。
【図4】給電プラグロック装置の分解斜視図。
【図5】給電プラグロック装置がアンロック状態のときの平面図。
【図6】給電プラグロック装置がロック状態のときの平面図。
【図7】給電プラグロック装置の電気構成を示す回路図。
【図8】給電プラグロック装置がアンロック状態のときの側面図。
【図9】アンロック状態のときのロック機構の側面図。
【図10】アンロック状態のときのロック機構の正面図。
【図11】ロックボタンの操作によりロックピースが回動する様子を示す側面図。
【図12】給電プラグロック装置がロック状態のときの側面図。
【図13】ロック機構がロック動作を開始し始めるときの斜視図。
【図14】ロック機構がロック状態になったときの様子を示し、(a)は斜視図、(b)は正面図。
【図15】給電プラグロック装置がアンロック動作をとるときの回路図。
【図16】ロック機構がアンロック動作を開始し始めるときの様子を示し、(a)が正面図、(b)が斜視図。
【図17】(a)〜(d)は、給電プラグロック装置のロック状態を手動解除するときの動きの過程を示す斜視図及び側面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した給電プラグロック装置の一実施形態を図1〜図17に従って説明する。
図1に示すように、ハイブリッド車(以下、単に車両1と記す)には、車輪を回す動力をエンジン2又はモータ3にて発生させるハイブリッドシステム4が設けられている。ハイブリッドシステム4には、モータ3の電源としてバッテリ5が設けられている。車両1は、エンジン2の動力で発電してモータ3により走行するモード、エンジン2及びモータ3の両方を動力として走行するモード、モータ3のみで走行するモード等の各種モードにより走行する。
【0020】
車両1には、電子キー6との間で無線によりID照合を行って車両1を動作させる電子キーシステム7が搭載されている。本例の電子キーシステム7は、電子キー6からの通信を契機にID照合を行うワイヤレスキーシステムである。
【0021】
この場合、車両1には、電子キー6とのID照合を実行するキー照合装置8と、車両ドアのドアロック施解錠を実行するドアロック装置9とが設けられ、これらが車内バス10によって接続されている。キー照合装置8には、キー照合装置8の動作を統括制御する照合ECU(Electronic Control Unit)11が設けられている。照合ECU11のメモリには、電子キー6のIDコードが登録されている。照合ECU11には、UHF(Ultra High Frequency)帯の電波を受信可能な車両受信機12が接続されている。ドアロック装置9には、ドアロックの施解錠動作を統括制御するドアロックECU13が設けられている。ドアロックECU13には、ドアロックの施解錠を切り換える際の駆動源としてドアロックモータ14が接続されている。
【0022】
電子キー6には、キー側の通信動作を管理するキー制御部15が設けられている。キー制御部15のメモリには、電子キー6のIDコードが登録されている。また、電子キー6には、車両1を遠隔操作する際に操作する複数の操作ボタン16が設けられている。操作ボタン16には、ドアロックを施錠する際に操作する施錠ボタンや、ドアロックを解錠する際に操作する解錠ボタン等がある。
【0023】
操作ボタン16が操作されると、電子キー6からUHF帯の電波によりワイヤレス信号Sidが送信される。ワイヤレス信号Sidには、IDコードと、操作された操作ボタン16に応じた機能コードとが含まれている。照合ECU11は、ワイヤレス信号Sidを車両受信機12で受信すると、ワイヤレス信号Sid内のIDコードにてID照合を実行する。照合ECU11は、ID照合の成立を確認すると、ワイヤレス信号Sid内の機能コードに応じた動作を車両1に実行させる。
【0024】
例えば、ドアロックが解錠状態のとき、電子キー6からワイヤレス信号Sidとしてドアロック要求信号を受信すると、ID照合成立を条件にドアロックモータ14が例えば正転され、ドア側の係止部材(図示略)が車体に係止される。よって、ドアロックが施錠状態となる。一方、ドアロックが施錠状態のとき、電子キー6からワイヤレス信号Sidとしてドアアンロック要求信号を受信すると、ID照合成立を条件にドアロックモータ14が例えば逆転され、係止部材が車体から外される。よって、ドアロックが解錠状態となる。
【0025】
車両1には、外部電源にてバッテリ5を充電する充電システム17が設けられている。充電システム17は、例えば街の一角に設置された充電スタンドや住宅の商用電源などを充電設備18として、充電設備18の充電ケーブル18aの先端に設けられた給電プラグ19を車両1に接続して、バッテリ5を充電する。
【0026】
図1及び図2に示すように、車体20の左前側壁には、給電プラグ19の接続箇所として受電コネクタ21が設けられている。受電コネクタ21は、横開き式のリッド22によって収納室23が開閉される。受電コネクタ21には、電気接続端子(パワー端子、制御端子)を有するインレット24が設けられている。インレット24には、給電プラグ19が完挿されたことを検出するプラグ接続検出センサ25が設けられている。また、インレット24には、インレット24の電気接続端子を開閉するゴム製の蓋26が横開き可能に取り付けられている。
【0027】
図2及び図3に示すように、給電プラグ19は、充電システム17の電源側であって、インレット24に接続される電気接続端子が設けられている。給電プラグ19のプラグ本体19aには、接続時の抜け止めとしてロックアーム27が揺動可能に取り付けられている。ロックアーム27は、長手方向中央を回動軸28として上下方向に揺動する。ロックアーム27は、先端の爪部29と根元の操作部30とがプラグ本体19aの外部に露出されている。ロックアーム27において操作部30寄りの位置には、ロックアーム27を閉じ側に常時付勢する付勢部材31が設けられている。
【0028】
給電プラグ19を受電コネクタ21に接続する際には、給電プラグ19を受電コネクタ21へ挿入方向(図3の−Y軸方向)に真っ直ぐ挿し込む。このとき、爪部29がインレット24の突部32に当接すると、ロックアーム27は斜面32aに案内されて突部32を上る。そして、給電プラグ19がインレット24に完挿されると、付勢部材31の付勢力によってロックアーム27が閉じ側に揺動する。このため、爪部29が突部32に引っ掛かって、給電プラグ19がインレット24に抜け止めされる。
【0029】
ハイブリッドシステム4は、インレット24に給電プラグ19が完挿されたことをプラグ接続検出センサ25により検出すると、給電プラグ19に充電開始要求を出力する。給電プラグ19は、ハイブリッドシステム4から充電開始要求を入力すると、受電コネクタ21に電流を流して、バッテリ5を充電する。ハイブリッドシステム4は、バッテリ5が満充電されたことを確認すると、充電終了要求を給電プラグ19に出力する。給電プラグ19は、ハイブリッドシステム4から充電終了要求を入力すると、受電コネクタ21への電流供給を停止し、充電を終了する。
【0030】
給電プラグ19をインレット24から取り外す際には、操作部30を押してロックアーム27を開き側に揺動させ、突部32から離間させる。そして、この状態で給電プラグ19をインレット24から真っ直ぐ引き抜くことで、車両1から取り外す。
【0031】
図4〜図6に示すように、受電コネクタ21には、インレット24に接続された給電プラグ19の不正な取り外しを防止する給電プラグロック装置33が設けられている。本例の給電プラグロック装置33は、手動操作によってアンロック状態からロック状態に切り換わり、そのロック状態が機械的な構造により保持される。また、ロック状態となった給電プラグロック装置33は、例えばドアロックのアンロック動作に連動してアンロック状態に切り換わる。
【0032】
給電プラグロック装置33には、平たい箱形状を呈するケース34が設けられている。ケース34は、給電プラグロック装置33の部品群を収納する有底箱状のロックボディ35と、ロックボディ35の開口を閉じる略板状のリッド36とからなる。ロックボディ35及びリッド36は、複数の係止ピン37によって固定されている。係止ピン37は、例えばネジが使用されている。ケース34の正面には、給電プラグ19をインレット24に接続/取り外す際にロックアーム27が通る凹部38が形成されている。ケース34は、ロックボディ35が複数の係止部材(図示略)によってインレット24に固定された取り付け状態をとる。なお、ロックボディ35がボディ部に相当する。
【0033】
ロックボディ35とリッド36との間には、ケース34の内部の気密性を確保する環状のシール部材39が設けられている。シール部材39は、例えばOリングが使用されている。なお、シール部材39が防水手段を構成する。
【0034】
ケース34の内部には、給電プラグロック装置33の機構部分としてロック機構40が設けられている。この場合、ロックボディ35の正面には、ロック機構40を手動操作によってロック状態に切り換える際に操作する略円柱状のロックボタン41が、装置奥行き方向(図4のY軸方向)に直線往復動可能に取り付けられている。ロックボタン41は、ロックボディ35に形成されたボタン収納部42に摺動可能に挿入されているとともに、手前側の一部分がロックボディ35の外部に露出されている。ロックボタン41の先端とロックボディ35の内壁との間には、ロックボタン41を手前側に常時付勢する付勢部材43が介装されている。付勢部材43は、例えばコイルばねが使用されている。なお、ロックボタン41が操作手段に相当し、装置奥行き方向Yがロックボタン41の操作方向に相当する。
【0035】
ロックボタン41には、ロックアーム27の開き操作を規制する略円柱状のロックバー44が回動可能に連結されている。ロックバー44は、長手方向が装置幅方向(図4のX軸)を向くよう横向きに配置され、ロックボディ35に設けられたロックバー収納部45において周方向に回動可能に収納されている。ロックバー44は、側壁に突設された掛止突部44aが、ロックボタン41に設けられた長孔41aに係止されている。このため、ロックバー44の装置奥行き方向Yの直線運動が、ロックバー44の軸La回りの回転運動に変換される。なお、ロックバー44がロック部材に相当する。
【0036】
ロックバー44の外面には、断面三角形状を呈する肉取り部46が形成されている。このため、ロックバー44は、肉有り部47がロックアーム27の上にくる回転位置をとるとき、ロックアーム27をインレット24に固定し、肉取り部46がロックアーム27の上にくる回動位置をとるとき、ロックアーム27の揺動を許容する。
【0037】
ロックバー44とロックバー収納部45と間には、ケース34の内部の気密性を確保する環状のシール部材48が介装されている。シール部材48は、例えばリップシールが使用されている。なお、シール部材48が防水手段を構成する。
【0038】
ロックバー44の端部には、略扇状を呈するロックピース49が、ロックバー44と一体回動可能に取り付け固定されている。ロックピース49は、ロックバー44の軸Laに対して直交する方向に立設されている。ロックピース49は、自身に形成されたD字状の取付溝49aに、ロックバー44の端面の係止突44bを係止することにより、ロックバー44に一体組み付けされている。ロックボタン41が押し操作されて奥側に移動する動きをとるとき、ロックピース49はロックバー44とともにロック方向(図4の矢印K1方向)に回転し、ロックボタン41が手前側に移動する動きをとるとき、ロックピース49はロックバー44とともにアンロック方向(図4の矢印S1方向)に回転する。なお、ロックピース49が位置保持手段を構成する。
【0039】
ケース34の内部には、ロックピース49と協同してロックバー44をロック位置に保持するロックリンク50が、装置奥行き方向Yに延びるピン部材51によって回動可能に取り付けられている。ロックリンク50は、ピン部材51の軸Lb回りに回動可能であり、ロックピース49の回動方向に交差する方向に回動する。ロックリンク50には、ロックリンク50をロック方向に常時付勢する付勢部材52が設けられている。このため、ロックリンク50は、付勢部材52の付勢力によってロック方向(図4の矢印K2方向)に回動し、付勢部材52の付勢力に抗してアンロック方向(図4の矢印S2方向)に回動する。付勢部材52は、例えばトーションばねが使用されている。なお、ロックリンク50及び付勢部材52が位置保持手段を構成する。
【0040】
ロックリンク50の側部には、付勢部材43の付勢力によるロックピース49のアンロック方向の回動を規制する規制部53が設けられている。規制部53は、ロックピース49がロック方向に回動したとき、ロックピース49による支えが外れてロックリンク50が付勢部材52の付勢力にてロック方向に回転すると、ロックピース49及びケース34の間に入り込んで、ロックバー44のロック状態を維持する。
【0041】
ロックリンク50において規制部53の反対側の側部には、ロックリンク50の回転方向に沿って歯が並ぶギヤ部54が設けられている。ギヤ部54には、ロック状態のロックバー44をアンロック状態に戻す際の駆動源として給電プラグロックモータ55が接続されている。給電プラグロックモータ55は、モータ軸の先端にギヤ部56を有し、これがロックリンク50のギヤ部54と噛合する。給電プラグロックモータ55は、モータ軸が装置奥行き方向Yに沿う向きにて配置されている。給電プラグロックモータ55は、例えばDCモータが使用され、ハーネス57を介して車両1の電源+Bに接続されている。給電プラグロックモータ55が回転したとき、ロックリンク50は給電プラグロックモータ55と逆方向に回転する。なお、給電プラグロックモータ55が位置保持手段及び駆動手段を構成する。
【0042】
ケース34には、例えば夜間等にインレット24の周囲を照明する照明部58が設けられ、照明部58の基板59がケース34の内部に収納されている。基板59には、照明部58の光源60として例えばLEDが実装されている。基板59は、ハーネス61を介して車両1の電源+Bに接続されるとともに、複数の係止ピン62によってケース34に取り付け固定されている。
【0043】
ロックボディ35には、光源60からの照射光を調光するレンズ63が取り付けられている。レンズ63は、複数の係止ピン64によってロックボディ35に取り付け固定されている。ロックボディ35とレンズ63との間には、ケース34の内部の気密性を確保するシール部材65が介装されている。シール部材65は、例えばリップシールが使用されている。なお、シール部材65が防水手段を構成する。
【0044】
給電プラグロック装置33には、ロック状態となった給電プラグロック装置33を手動操作(押込み操作)によって強制解除する際に操作するロックリリース部70が設けられている。ロックリリース部70は、例えば途中で段を有する板状の形状を呈するとともに、装置奥行き方向Yに直線往復動可能にケース34に取り付けられている。ロックリリース部70の根元には、例えば車両1のトランク内に露出するノブ部71が設けられている。よって、ロックリリース部70は、トランクを開けてトランク内からのみ操作することが可能である。なお、ロックリリース部70が手動解除手段を構成する。
【0045】
また、ロックリリース部70には、ノブ部71が押込み操作された際に、ロックリンク50を付勢部材52の付勢力に抗してアンロック方向(図4の矢印S2方向)に強制回動させる斜面状のリンク押上部72と、ロックピース49をアンロック方向に強制回動させるピース押込部73とが設けられている。リンク押上部72は、ロックリリース部70が押し操作されたとき、斜面がロックリンク50の被押込部74を上から押すことにより、ロックリンク50をアンロック方向に回動させる。被押込部74は、ロックリンク50においてピン部材51を中心に規制部53の反対側に位置する突部分である。ピース押込部73は、ロックリリース部70が押し操作されたとき、ロックピース49の当て面75を押すことにより、ロックピース49をアンロック方向に回動させる。なお、被押込部74及び当て面75が手動解除手段を構成する。
【0046】
ケース34の内面とロックリリース部70との間には、押込み操作されたロックリリース部70を元の初期位置に復帰させる付勢部材76が介装されている。付勢部材76は、例えばコイルばねが使用されている。
【0047】
図5及び図6に示すように、ケース34とロックリンク50との間には、給電プラグロック装置33が外力によって不正にロック解除されてしまうことを防止する不正解除防止機構77が設けられている。これは、給電プラグロック装置33がロック状態のとき、例えば第三者等がドライバー等でロックバー44を無理にアンロック側に押し込み、ロックバー44を強制的にアンロック方向に回転させてしまうことも想定されるからである。こうなると、給電プラグロック装置33が不正にアンロックされてしまうため、本例の不正解除防止機構77を設けて対処する。
【0048】
本例の不正解除防止機構77は、板状を呈するロックリンク50の外表面78を、ケース34の内壁の支持面79に広い範囲にて当接させる構造をとっている。本例の場合、ロックバー44を不正回転させたときにロックピース49に発生する応力の力向きFと、外表面78及び支持面79の接触面の面方向(図5のX−Z平面方向)とは、互いに直交する向きをとっている。これにより、給電プラグロック装置33の不正アンロックに対する耐性が確保されている。
【0049】
図7に示すように、ドアロックECU13には、ドアアンロック動作時にオンされるアンロック側リレー80と、ドアロック時にオンされるロック側リレー81とが接続され、これらリレー80,81の間にドアロックモータ14が接続されている。ドアロックECU13は、車両1が電子キー6からドアロック要求信号を受信したとき、アンロック側リレー80をオフ、ロック側リレー81をオンして、ドアロックモータ14を正転させる。一方、ドアロックECU13は、車両1が電子キー6からドアアンロック要求信号を受信したとき、アンロック側リレー80をオン、ロック側リレー81をオフして、ドアロックモータ14を逆転させる。
【0050】
給電プラグロックモータ55は、ドアロックモータ14のモータ回路からハーネスを引き延ばすことにより、ドアロックモータ14に並列接続されている。給電プラグロックモータ55のハーネス上には、給電プラグロック装置33がロック状態にあることを検出するプラグロック検出部82が接続されている。プラグロック検出部82は、例えばマイクロスイッチからなり、ロックボタン41の操作にてロック機構40がロック状態となると機械的にオンする。給電プラグロックモータ55とプラグロック検出部82との間には、逆電流防止用のダイオード83が接続されている。
【0051】
ドアロックがロック動作をとる際、ドアロックモータ14には、ロック側リレー81からアンロック側リレー80に電流(図7の電流Ia)が流れる。このため、ドアロックモータ14のアンロック側端子14aの電圧が低電位となるので、プラグロック検出部82がオン/オフのどちらをとっていても、給電プラグロックモータ55には電流が流れず、給電プラグロックモータ55は動作しない。なお、アンロック側端子14aは、ドアロックモータ14の+端子及び−端子のうち、ドアロックモータ14がアンロック動作をとるときに高電位となる側の端子のことを言う。
【0052】
一方、ドアロックがアンロック動作をとる際、ドアロックモータ14には、アンロック側リレー80からロック側リレー81に電流(図7の電流Ib)が流れる。このため、アンロック側端子14aの電圧が高電位となるので、プラグロック検出部82がオンとなっていれば、給電プラグロックモータ55に電流が流れ、給電プラグロック装置33がアンロック動作をとる。
【0053】
次に、本例の給電プラグロック装置33の動作を、図8〜図17を用いて説明する。
まず、図8〜図10に、アンロック状態の給電プラグロック装置33を示す。このとき、図8に示すように、ロックボタン41は、付勢部材43の付勢力によってケース34から飛び出した初期位置にある。また、ロックバー44は、肉取り部46が突部32に向く回転位置(アンロック位置)をとり、肉取り部46が有効となっている。つまり、給電プラグロック装置33がアンロック状態をとる。よって、ロックアーム27が揺動操作可能であり、給電プラグ19をインレット24に自由に接続/取り外し可能である。
【0054】
また、図9に示すように、ロックバー44がアンロック位置をとるとき、ロックピース49は、ケース34の内壁面34aに当接したアンロック位置をとっている。このとき、図10に示すように、ロックリンク50は、規制部53がロックピース49の壁面49bにより支持されて、ロック方向に回転することが規制されている。これにより、給電プラグロック装置33のアンロック状態が保持されている。なお、壁面49bが壁に相当する。
【0055】
図11に示すように、給電プラグ19をインレット24に接続した後、アンロック状態の給電プラグロック装置33をロック状態にするには、初期位置にあるロックボタン41を押し操作する。このとき、ロックボタン41は、付勢部材43の付勢力に抗して、ケース34の奥に当たるまで押し操作される。ロックボタン41の押し操作時、ロックバー44及びロックピース49は、ロックボタン41の押し操作とともに、ロック方向(同図の矢印K1方向)に一体回動する。
【0056】
図11に示すように、ロックピース49がケース34の内壁面34bに当接するまでロックボタン41を押し込むと、ロックバー44は略60度回転した状態となる。このとき、図12に示すように、ロックバー44は、肉有り部47が有効となる。よって、突部32に係止したロックアーム27は、ロックバー44によって上方が位置規制された状態となり、揺動が不可となる。つまり、給電プラグロック装置33は、給電プラグ19をインレット24に固定したロック状態となる。
【0057】
また、図13に示すように、ロックピース49がロック位置まで目一杯回転すると、ロックリンク50は、ロックピース49の壁面49bに支えられた状態から開放される。このため、ロックリンク50は、付勢部材52の付勢力により、ロック方向(同図の矢印K2方向)に回動する。
【0058】
そして、図14(a),(b)に示すように、ロックリンク50が約45度回転して、規制部53がケース34の内壁面34cに当接すると、規制部53(ロックリンク50)がロックピース49とケース34との間に入り込んだ状態となる。これにより、ロックピース49の回転が不可となるため、給電プラグロック装置33のロック状態が維持される。なお、ロックバー44がロック位置をとったとき、プラグロック検出部82が機械的にオンする。
【0059】
続いて、給電プラグロック装置33がロック状態のとき、ドアロックのアンロック動作が実行されると、ドアのアンロック動作に連動して給電プラグロック装置33もアンロック動作をとる。このときは、図15に示すように、ドアロックモータ14に電流Ib(アンロック電流)が流れることにより、アンロック側端子14aの電圧が高電位をとり、かつプラグロック検出部82がオンをとるので、電流Ibの一部が給電プラグロックモータ55にも流れ、給電プラグロックモータ55が回転する。
【0060】
図16(a)に示すように、給電プラグロックモータ55が回転すると、モータ回転力がギヤ部54,56によりロックリンク50に伝達されて、ロックリンク50が付勢部材52の付勢力に抗して、アンロック方向(同図の矢印S2方向)に回転をし始める。このとき、ロックリンク50は、ケース34の内壁面34dに当接するまで回転する。
【0061】
そして、図16(b)に示すように、ロックリンク50がアンロック方向に目一杯回転すると、ロックピース49は、ロックリンク50にて位置規制された状態から開放される。このため、ロックピース49は、付勢部材43の付勢力によってアンロック方向(図図の矢印S1方向)に回転をし始め、ケース34の内壁面34aに当接するまで回転する。そして、ロックピース49のアンロック方向への回転に伴って、ロックバー44がアンロック位置に回転するとともに、ロックボタン41が初期位置に復帰する。これにより、給電プラグロック装置33がアンロック状態に復帰する。
【0062】
ここで、給電プラグロック装置33のロック状態が何らかの要因で解除できないときには、ロックリリース部70を操作することにより、給電プラグロック装置33のロック状態を手動解除する。なお、ロックリリース部70のノブ部71は、車両1のトランク内に配置されているので、給電プラグロック装置33のロック手動解除は、電子キー6を所持してドアロックを解錠できる正規ユーザのみが実行可能である。
【0063】
図17(a)に示すように、給電プラグロック装置33のロック状態を手動解除するときは、ロックリリース部70のノブ部71を押し操作する。図17(b)に示すように、ロックリリース部70を押し操作する過程では、ロックリリース部70の先端のリンク押上部72が、ロックリンク50の被押込部74を下に押す動きをとる。被押込部74がリンク押上部72によって押し込まれると、ロックリンク50にアンロック方向の力が加わり、ロックリンク50が付勢部材52の付勢力に抗して、アンロック方向に回転をし始める。
【0064】
図17(c)に示すように、ロックリリース部70を更に押し込むと、今度はロックリリース部70のピース押込部73がロックピース49の当て面75に当接する。そして、更にロックリリース部70を奥に押すと、ロックリリース部70はロックピース49を押しながら直線移動する。
【0065】
このとき、図17(d)に示すように、ロックピース49は、ロックリリース部70に押されながら、アンロック方向に回動する。ロックピース49がアンロック方向い回転する際、ロックバー44もアンロック方向に回動し、ロックボタン41も初期位置に復帰する。よって、給電プラグロック装置33を手動によりロック状態からアンロック状態に切り換えることが可能となる。
【0066】
以上により、本例においては、給電プラグロック装置33のロック動作を、ロックボタン41による手動操作式としたので、ユーザが真に必要なときのみ給電プラグロック装置33にロック動作をとらせることが可能となる。ところで、仮に給電プラグロック装置33のロック動作を車両ドアのドアロック連動とした場合、給電プラグ19がインレット24に接続されていないときでも、ドアロック動作が実行されると、その度に給電プラグロック装置33がロック動作を実行してしまい、部品の早期劣化に繋がる。しかし、本例は、ロックボタン41が操作されたときのみ給電プラグロック装置33がロック動作をとるので、給電プラグロック装置33に無駄なロック動作を実行させずに済み、部品の早期劣化を抑制することが可能となる。
【0067】
また、仮に給電プラグロック装置33のロックバー44がロック位置又はアンロック位置の2位置の間を位置移動(例えば直線移動)してロック/アンロックが切り換わる場合、ロックバーが位置移動するときに通るスペースを給電プラグロック装置33に設ける必要がある。よって、この場合は、ロックバーの移動スペースを設ける分だけ、給電プラグロック装置33の体格が大型化する懸念がある。
【0068】
しかし、本例においては、ロックバー44の円柱状の部材とし、その長手方向に延びる軸La回りに回動させることにより、ロック機構40のロック又はアンロックが切り換わる構造とした。よって、本例のロックバー44は、自位置にて軸La回りに回動する部材となるので、前述したようなロックバーが移動するための移動スペースを給電プラグロック装置33に設ける必要がない。従って、給電プラグロック装置33の体格を小さく抑えることが可能となる。
【0069】
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)給電プラグロック装置33のロック動作を手動操作式とし、ロックバー44を円柱状として軸La回りに回動する部材とすることで、ロック機構40のロック/アンロックが切り換わるようにした。このため、給電プラグロック装置33の部品の早期劣化を抑制でき、給電プラグロック装置33の体格を小さく抑えることができる。
【0070】
(2)ロックボタン41を押し操作式(プッシュ式)としたので、給電プラグロック装置33の構造を、ロックボタン41の押し操作にてロックバー44を回動させるという簡素な構成で済ますことができる。
【0071】
(3)給電プラグロック装置33に、ケース34の防水性を確保するシール部材39,48,65を設けた。よって、ケース34の内部に水(流体)などが浸入し難くなるので、ケース34内の給電プラグロックモータ55や基板59に、水等の付着を要因とする故障を生じ難くすることができる。
【0072】
(4)給電プラグロック装置33に、ロック状態を手動操作により解除可能なロックリリース部70を設けた。よって、給電プラグロック装置33がロック状態のとき、何らかの要因で給電プラグロックモータ55が動かずロックが解除できない状況になっても、ロックリリース部70を操作することによって、ロック状態を解除することができる。また、ロックリリース部70のノブ部71はトランク内に配置されているので、電子キー6を所持した正規ユーザのみがドアロック解除にてランクを開けることでロックリリース部70を操作できる。よって、不正な手動解除操作も防止することができる。
【0073】
(5)インレット24に取り付け固定されたロックボディ35に、ロックバー44を取り付けた。このため、仮に第三者が給電プラグロック装置33のロック状態を不正に解除しようとしてロックバー44にアンロック方向の外力を加えたとしても、この力(不正解除の外力)を、インレット24に強固に固定されたロックボディ35で受けることができる。よって、ロックバー44に不正解除の外力が加わっても、この外力によってロックバー44を支点にケース34が破壊されずに済むので、不正アンロックを生じ難くすることができる。
【0074】
(6)給電プラグロック装置33のアンロック動作を、車両ドアのアンロック動作に連動するようにした。このため、給電プラグロック装置33をアンロック状態に切り換えるとき、別途特別な操作が不要となるので、利便性をよくすることができる。
【0075】
(7)ロックリンク50の外表面78をケース34の支持面79に広範囲で当接させることにより、給電プラグロック装置33に不正解除防止機構77を設けた。このため、仮に第三者が給電プラグロック装置33のロック状態を不正に解除しようとしてロックバー44にアンロック方向の外力を加えたとしても、この力(不正解除の外力)を支持面79で受けることが可能となるので、不正アンロックを生じ難くすることができる。
【0076】
(8)ロックボタン41、ロックピース49、ロックリンク50が動作したとき、これらはケース34の内壁に当接して動きが止まる(位置決めされる)構造となっている。よって、各部材の位置を監視するセンサ等が必要ないので、装置構造を簡素にすることができる。
【0077】
なお、実施形態はこれまでに述べた構成に限らず、以下の態様に変更してもよい。
・バッテリ5の充電開始条件は、適宜変更可能である。例えば、プラグ接続検出センサ25がインレット24への給電プラグ19の挿し込みを検出し、かつ電子キー6とID照合が成立することを充電開始条件としてもよい。
【0078】
・給電プラグロック装置33のロック手動解除は、押し操作に限定されず、例えば引き操作としてもよい。また、手動解除手段は、ロックリリース部70を操作することでロック状態を解除する構造に限定されない。例えば、ワイヤー等でロックピース49やロックリンク50を直にアンロック方向に回動させるものでもよい。
【0079】
・プラグロック検出部82は、スイッチ類(マイクロスイッチ)に限定されず、例えばセンサを使用してもよい。
・給電プラグロックモータ55の電気回路は、例えばアンロック側端子14aにプラグロック検出部82を介してスイッチ手段(トランジスタ、リレー等)接続し、このスイッチ手段のオン/オフを、アンロック側端子14aの電圧(電流)により切り換えることで、給電プラグロックモータ55の動作を制御するものでもよい。
【0080】
・給電プラグロック装置33にICを設け、このICが、給電プラグロック装置33がロック状態をとることと、車両ドアがアンロック動作をとることとを確認したとき、給電プラグロックモータ55にアンロック動作の電流を流すようにしてもよい。
【0081】
・バッテリ5の充電停止は、車両内のスイッチを切ることで行ってもよい。
・不正解除防止機構77は、外部から不正解除操作力をケース34の広い面で受けることができる構造であれば、どのような構造を採用してもよい。
【0082】
・給電プラグロック装置33のアンロック動作は、ドアロック連動とすることに限定されず、例えば手動操作式としてもよい。
・電子キーシステム7は、ワイヤレスキーシステムに限定されない。例えば、車両1からの通信を契機にID照合を行うキー操作フリーシステムや、通信にNFC(Near Field Communication)等の近距離通信を用いる近距離無線認証システムとしてもよい。
【0083】
・ワイヤレスキーシステムは、パワースライドドア開閉システムでもよい。
・1つの操作ボタン16が操作される度に、ドアロックの施錠と解除とが交互に実行されるシステムでもよい。
【0084】
・操作手段は、押し操作式に限定されず、例えば回転式としてもよい。
・交差は、直交のみに限らず、直交から所定量ずれた交わりも広く含む。
・ロック機構40は、手動操作によってロック状態に切り換えられ、かつロック状態が保持されれば、どのような構造を採用してもよい。
【0085】
・ロック機構40は、ロックバー44が給電プラグ19の孔に挿し込まれてロック状態をとるものでもよい。
・ロックバー44の形状は、円柱形状に限定されず、例えば直方体形状としてもよい。
【0086】
・ロック部材は、自身のみがロックアーム27の上方に位置してロック状態をとるロックバー44に限定されず、例えば複数部品から構成されていてもよい。例えば、ロックバー44は、例えば所定部材を介してロックアーム27の揺動操作を規制するものでもよい。
【0087】
・駆動手段は、モータに限定されず、例えばソレノイドを使用してもよい。
・操作手段、位置保持手段及び防水手段は、実施形態に述べた構造に限らず、給電プラグロック装置33の構造や形状の変更に応じて、他のものに適宜変更可能である。
【0088】
・車両1は、ハイブリッド車に限定されず、例えばモータのみで走行する電気自動車でもよい。
・給電プラグロック装置33は、車両1に適用されることに限らず、他の装置や機器に応用してもよい。
【符号の説明】
【0089】
19…給電プラグ、24…インレット、33…給電プラグロック装置、34…ケース、35…ボディ部としてのロックボディ、39,48,65…防水手段を構成するシール部材、40…ロック機構、41…操作手段としてのロックボタン、44…ロック部材としてのロックバー、47…肉有り部、49…位置保持手段を構成するロックピース、49b…壁としての壁面、50…位置保持手段を構成するロックリンク、52…位置保持手段を構成する付勢部材、55…位置保持手段及び駆動手段を構成する給電プラグロックモータ、70…手動解除手段を構成するロックリリース部、74…手動解除手段を構成する被押込部、75…手動解除手段を構成する当て面、77…不正解除防止機構、79…支持面、La…軸。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インレットに給電プラグが接続されたとき、前記インレット側のロック部材が前記給電プラグに係止することにより、前記給電プラグの不正取り外しを防止する給電プラグロック装置において、
操作手段をロック方向に操作する手動操作によって、前記ロック部材が自身の長手方向を軸に回動する動きをとってロック状態をとり、該ロック状態の前記ロック部材が位置保持手段によって位置保持されることにより、当該ロック部材のロック状態を保持するロック機構を備えた
ことを特徴とする給電プラグロック装置。
【請求項2】
前記操作手段は、直線操作式であり、
前記ロック部材は、前記操作手段の操作方向に対して交差する方向を軸とする回動が可能であり、前記操作手段の操作力を基にロック方向に回動することにより肉有り部が有効となって、該肉有り部にて前記給電プラグをロックする
ことを特徴とする請求項1に記載の給電プラグロック装置。
【請求項3】
前記ロック機構のケース内への流体の浸入を抑制する防水手段を備えた
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の給電プラグロック装置。
【請求項4】
前記ロック機構は、ロック状態の該ロック機構を手動操作によってアンロック状態に切り換え可能な手動解除手段を備えた
ことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の給電プラグロック装置。
【請求項5】
前記ロック部材は、前記ロック機構のケースのうち前記インレット側に固定されたボディ部に取り付けられている
ことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の給電プラグロック装置。
【請求項6】
前記ロック機構は、アンロック動作するときの駆動源となる駆動手段を備え、
当該ロック機構は、車両ドアがドアロック動作をとるとき、前記駆動手段を駆動させることにより、前記車両ドアのアンロック動作に連動して、自身のアンロック動作を実行する
ことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の給電プラグロック装置。
【請求項7】
前記位置保持手段は、
前記ロック部材と一体回動するロックピースと、
前記ロックピースがアンロック位置にあるとき、当該ロックピースの壁に支持されてアンロック状態をとり、前記ロックピースが前記ロック部材とともにロック方向に回動したとき、前記壁による支持が外れてロック方向に回動し、前記ロックピースの回動を規制することにより該ロックピースをロック状態に保持するロックリンクと、
前記ロックリンクをロック方向に付勢する付勢部材と、
ロック位置にある前記ロックリンクを前記付勢部材の付勢力に抗してアンロック方向に回転させることにより、前記ロック部材をアンロック状態に切り換える駆動手段と
を備えたことを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか一項に記載の給電プラグロック装置。
【請求項8】
前記ロック機構は、
ロック状態をとる前記ロックリンクをケース側の支持面に当接させることにより、外部から当該ロック部材に加えられたアンロック方向の外力を当該支持面で受けることにより、前記ロック部材のアンロック方向への回動を抑制して、前記ロック状態の不正解除を抑制する不正解除防止機構を備えた
ことを特徴とする請求項7に記載の給電プラグロック装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−199012(P2012−199012A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61093(P2011−61093)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】