説明

給電プラグロック装置

【課題】体格の大型化を抑制することができる給電プラグロック装置を提供する。
【解決手段】給電プラグロック装置40は、インレット5に接続した給電プラグの係止爪を、インレット5側のロック機構41のロックバー46によってロック状態にすることで、給電プラグ10をインレット5に抜け止めし、ロックバー46をアンロック状態にすることで給電プラグ10をインレット5から取り外し可能とする。給電プラグロック装置40は、ロックバー46をロック位置及びアンロック位置の少なくとも一方に移動させる際の駆動源となるモータ43と、閾値以上の電流を停動電流としてモータ43に発生させる停動電流発生機構30と、ロックバー46の動作時に停動電流発生機構30によって停動電流が発生したとき、モータ43の駆動を停止するロック機構制御部77bとを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、インレットに接続されてバッテリに充電を行う給電プラグをロックする給電プラグロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両からの排出ガスを少なく抑えることを目的として、各車両メーカでは、モータを駆動とする電気自動車(ハイブリッド車も含む)の開発機運が非常に高くなってきている。電気自動車では、車両の動力源であるバッテリの電力残量が少なくなると、例えば家庭や電気スタンド等においてバッテリに充電を行わなくてはならない。そこで、電気自動車には、ユーザが簡単に扱うことができる充電システムが設けられている(例えば、特許文献1参照)。この充電システムでは、例えば家庭の商用電源に繋がる給電プラグを接続するためのインレット、すなわち受電コネクタが車両に設けられている。ユーザは例えば帰宅したときなどに駐車車両のインレットに給電プラグを接続することで、商用電源により車両のバッテリに充電することができる。
【0003】
そこで、インレットからの給電プラグの不正取り外しを防止するために、給電プラグの許可のない取り外しを不可とする給電プラグロック装置が考案されている。このようなロック装置の例として、モータにより駆動されるロックバーが使用される。このロックバーは、給電プラグの係止爪がインレットの係合部に係合した状態で、ロック位置に位置して係止爪の動きを固定する。このロックバーによるロック状態では、給電プラグをインレットから引き抜くことができなくなる。給電プラグをインレットから取り外すには、ロックバーをアンロック位置に位置させて給電プラグの係止爪の動きを許容する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−161898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のような給電プラグロック装置においては、ロックバーのロック位置とアンロック位置とを検出する必要がある。このため、ロック位置とアンロック位置とに位置検出センサをそれぞれ設けることでロックバーの位置を検出することが考えられる。このような位置検出センサを設けた際には、位置検出センサを設置する基板が必要となり、この基板を配置する空間によって給電プラグロック装置が大型化するおそれがあった。また、インレットは、ガソリン車の給油口と同様に、車両の側面等に設けられることが想定される。車両の側面にインレットが設けられる場合には、外面と室内空間との隙間となるので、設置空間を大きく確保することが難しい実情があった。そこで、限られた空間に設置するために、給電プラグロック装置の大型化を抑制することが求められていた。
【0006】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、体格の大型化を抑制することができる給電プラグロック装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、インレットに接続した給電プラグの係止爪を、当該インレット側のロック機構のロック部材によってロック状態にすることで、前記給電プラグを前記インレットに抜け止めし、前記ロック部材をアンロック状態にすることで前記給電プラグを前記インレットから取り外し可能とする給電プラグロック装置であって、前記ロック部材をロック位置及びアンロック位置の少なくとも一方に移動させる際の駆動源となる駆動手段と、閾値以上の電流を停動電流として前記駆動手段に発生させる停動電流発生手段と、前記ロック部材の動作時に前記停動電流発生手段によって前記停動電流が発生したとき、前記駆動手段の駆動を停止する駆動停止手段と、を備えたことをその要旨としている。
【0008】
同構成によれば、駆動手段によってロック部材が駆動されて、ロック位置又はアンロック位置に移動した際に、停動電流発生手段によって停動電流を発生させることが可能となる。そして、この停動電流発生手段によって発生した停動電流に基づいてロック部材がロック位置又はアンロック位置に位置したことを検出でき、駆動停止手段が駆動手段の駆動を停止する。よって、停動電流発生手段を設けることで、位置検出センサをロック位置とアンロック位置とに設置する必要がなく、位置検出センサを設置するための基板が不要となり、給電プラグロック装置の体格が大型化することを抑制することが可能である。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の給電プラグロック装置において、前記ロック機構は、前記駆動手段の駆動力を回転運動として伝達する伝達部材と、該伝達部材の回転運動を直線運動に変換して前記ロック部材に伝達するストッパ部材とを備え、前記停動電流発生手段は、前記伝達部材と前記ストッパ部とにそれぞれ形成された当接部であって、前記ロック部材が前記ロック位置及びアンロック位置の少なくとも一方に位置した際に、前記伝達部材の当接部と前記ストッパ部材の当接部とが当接することで前記駆動手段の駆動に負荷を与えて、前記停動電流を発生させることをその要旨としている。
【0010】
同構成によれば、ロック部材がロック位置とアンロック位置との少なくとも一方に位置した際に、ロック機構に設けられた伝達部材とストッパ部材とにそれぞれ形成された当接部が当接することで駆動手段に停動電流を発生させる。このため、既存の部材に当接部を形成するだけで停動電流を発生させることができ、別途部材を設ける必要がない。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の給電プラグロック装置において、前記ロック機構は、前記駆動手段の駆動力を回転運動として伝達する伝達部材と、該伝達部材の回転運動を直線運動に変換して前記ロック部材に伝達するストッパ部材とを備え、前記停動電流発生手段は、前記伝達部材と前記駆動手段の駆動軸の支持部とにそれぞれ形成された当接部であって、前記ロック部材が前記ロック位置及びアンロック位置の少なくとも一方に位置した際に、前記伝達部材の当接部と前記支持部の当接部とが当接することで前記駆動手段の駆動に負荷を与えて、前記停動電流を発生させることをその要旨としている。
【0012】
同構成によれば、ロック部材がロック位置とアンロック位置との少なくとも一方に位置した際に、ロック機構に設けられた伝達部材と駆動手段の駆動軸の支持部とにそれぞれ形成された当接部が当接することで駆動手段に停動電流を発生させる。このため、既存の部材に当接部を形成するだけで停動電流を発生させることができ、別途部材を設ける必要がない。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の給電プラグロック装置において、前記ロック機構は、前記駆動手段の駆動力を回転運動として伝達する伝達部材と、該伝達部材の回転運動を直線運動に変換して前記ロック部材に伝達するストッパ部材とを備え、前記停動電流発生手段は、前記伝達部材と前記伝達部材の支承部とにそれぞれ形成された当接部であって、前記ロック部材が前記ロック位置及びアンロック位置の少なくとも一方に位置した際に、前記伝達部材の当接部と前記支承部の当接部とが当接することで前記駆動手段の駆動に負荷を与えて、前記停動電流を発生させることをその要旨としている。
【0014】
同構成によれば、ロック部材がロック位置とアンロック位置との少なくとも一方に位置した際に、ロック機構に設けられた伝達部材と伝達部材の支承部とにそれぞれ形成された当接部が当接することで駆動手段に停動電流を発生させる。このため、既存の部材に当接部を形成するだけで停動電流を発生させることができ、別途部材を設ける必要がない。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の給電プラグロック装置において、前記伝達部材は前記駆動手段に対して近接可能であって、前記ロック部材が前記ロック位置及びアンロック位置の少なくとも一方に位置した際に、前記ロック部材の移動が規制される規制部が設けられ、前記ロック部材が当該規制部によって移動を規制されることで、前記伝達部材が前記駆動手段側へ近接し、前記伝達部材の当接部が前記駆動手段の駆動軸の支持部の当接部に当接することで前記駆動手段の駆動に負荷を与えて、前記停動電流を発生させることをその要旨としている。
【0016】
同構成によれば、ロック部材がロック位置とアンロック位置との少なくとも一方に位置した際に、近接可能に設けられた伝達部材が駆動手段に近接することで、ロック機構に設けられた伝達部材と駆動手段の駆動軸の支持部とにそれぞれ形成された当接部が当接することで駆動手段に停動電流を発生させる。このため、ロック部材がロック位置とアンロック位置との少なくとも一方に確実に位置したときに伝達部材が移動することで停動電流を発生するので、必要なとき以外に停動電流が発生することを抑制可能である。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の給電プラグロック装置において、前記伝達部材は前記駆動手段に対して離間可能であって、前記ロック部材が前記ロック位置及びアンロック位置の少なくとも一方に位置した際に、前記ストッパ部材の移動が規制される規制部が設けられ、前記ストッパ部材が当該規制部によって移動を規制されることで、前記伝達部材が前記駆動手段から離間し、前記伝達部材の当接部が前記支承部の当接部に当接することで前記駆動手段の駆動に負荷を与えて、前記停動電流を発生させることをその要旨としている。
【0018】
同構成によれば、ロック部材がロック位置とアンロック位置との少なくとも一方に位置した際に、離間可能に設けられた伝達部材が駆動手段から離間することで、ロック機構に設けられた伝達部材と伝達部材の支持部とにそれぞれ形成された当接部が当接することで駆動手段に停動電流を発生させる。このため、ロック部材がロック位置とアンロック位置との少なくとも一方に確実に位置したときに伝達部材が移動することで停動電流を発生するので、必要なとき以外に停動電流が発生することを抑制可能である。
【0019】
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の給電プラグロック装置において、前記支持部には、前記駆動手段から離間する側へ付勢する付勢手段が設けられていることをその要旨としている。
【0020】
同構成によれば、駆動手段の駆動軸の支持部に付勢手段が設けられている。このため、伝達部材がロック位置とアンロック位置との少なくとも一方に位置して駆動手段に近接した後に、伝達部材がロック位置とアンロック位置との少なくとも一方から戻る方向へ移動すると、付勢手段によって駆動手段との近接状態から容易に復帰することが可能となる。
【0021】
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の給電プラグロック装置において、前記支承部には、前記駆動手段側へ付勢する付勢手段が設けられていることをその要旨としている。
【0022】
同構成によれば、支承部に付勢手段が設けられている。このため、伝達部材がロック位置とアンロック位置との少なくとも一方に位置して駆動手段から離間した後に、伝達部材がロック位置とアンロック位置との少なくとも一方から戻る方向へ移動すると、付勢手段によって駆動手段との離間状態から容易に復帰することが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、給電プラグロック装置において、体格の大型化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】車両及び充電システムの概略構成を示すブロック図。
【図2】インレットの斜視図。
【図3】給電プラグの概略構成を示す側面断面図。
【図4】ロック状態におけるロック機構の構成を示す斜視図。
【図5】アンロック状態におけるロック機構の構成を示す斜視図。
【図6】給電プラグロック装置の分解斜視図。
【図7】アンロック状態におけるロック機構の構成を示す横断面図。
【図8】ロック状態におけるロック機構の構成を示す横断面図。
【図9】モータ駆動時の駆動時間に対する電流値を示す図。
【図10】アンロック状態における停動電流発生機構の構成を示す斜視図。
【図11】ロック状態の手前におけるロック機構の構成を示す縦断面図。
【図12】ロック状態におけるロック機構の構成を示す縦断面図。
【図13】ロック時のロック制御を示すフローチャート。
【図14】アンロック時のロック制御を示すフローチャート。
【図15】ロック状態における停動電流発生機構の構成を示す斜視図。
【図16】アンロック状態の手前におけるロック機構の構成を示す縦断面図。
【図17】アンロック状態におけるロック機構の構成を示す縦断面図。
【図18】停動電流発生機構の構成を示す斜視図。
【図19】モータ駆動時の駆動時間に対する回転数を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明をプラグインハイブリッド車のインレットに具体化した一実施形態について図1〜図14を参照して説明する。
図1に示されるように、ハイブリッド式の車両1には、エンジンとモータとの駆動力を組み合わせて駆動輪2を駆動するハイブリッドシステム3が備えられている。ハイブリッドシステム3では、車両1は、エンジンの動力のみで駆動輪2を駆動するモード、エンジンの動力で発電を行ってモータで駆動輪2を駆動するモード、エンジン及びモータの双方で駆動輪2を駆動するモード、エンジンを使用せずにモータのみで駆動輪2を駆動するモード等の各種モードから選択される1つのモードで走行可能である。
【0026】
ハイブリッドシステム3には、モータに電力を供給するバッテリ4が接続されている。バッテリ4は、エンジンの動力によって発電された電力を充電することができる。更に、バッテリ4は、車両1の外部電源61、例えば家庭用コンセントを介して供給される夜間電力などでも充電することが可能である。
【0027】
この車両1には、例えば運転者が実際に車両キーを操作しなくてもドアロックの施解錠等の車両動作を行うことが可能な電子キーシステム70が搭載されている。電子キーシステム70では、車両キーとして、そのキーに固有のIDコードを無線通信で発信可能な電子キー80が使用されている。電子キーシステム70では、車両1からIDコード返信要求としてリクエスト信号Srqが発信される。電子キー80は、このリクエスト信号Srqを受信すると、それに応答して、自身のIDコードを含むIDコード信号Sidを狭域無線通信により車両1に返信する。電子キー80のIDコードが車両1のIDコードと一致すると、ドアロックの施解錠が許可又は実行される。
【0028】
電子キーシステム70の詳細を以下に説明する。車両1には、電子キー80との間で狭域無線通信を行う際にID照合を行う照合ECU(Electronic Control Unit)71が設けられている。照合ECU71には、車両1の各ドアに埋設されて車外にLF(Low Frequency)帯の無線信号を発信可能な車外LF発信機72と、車内床下等に埋設されて車内にLF帯の無線信号を発信可能な車内LF発信機73と、車内後方の車体等に埋設されてUHF(Ultra High Frequency)帯の無線信号を受信可能なUHF受信機74とが接続されている。照合ECU71は、固有のキーコードとしてIDコードが記憶されたメモリ71aを備えている。
【0029】
一方、電子キー80には、車両1との間で電子キーシステム70に準じた無線通信を行う通信制御部81が設けられている。通信制御部81は、固有のキーコードとしてIDコードが記憶されたメモリ81aを備えている。通信制御部81には、外部で発信されたLF帯の信号を受信可能なLF受信部82と、通信制御部81の指令に従いUHF帯の信号を発信可能なUHF発信部83とが接続されている。
【0030】
照合ECU71は、車両駐車時、車外LF発信機72からリクエスト信号Srqを間欠的に発信させ、車両1の周辺に車外通信エリアを形成して、スマート通信(車外通信)の成立を試みる。また、照合ECU71は、車外照合が成立してドアロックが解錠された後、ドアが開けられて運転者が乗車したことを例えばカーテシスイッチで認識すると、今度は車内LF発信機73からリクエスト信号Srqを発信して車内全域に車内通信エリアを形成して、スマート通信(車内通信)の成立を試みる。
【0031】
照合ECU71は、リクエスト信号Srqに対する応答として電子キー80からIDコード信号Sidを受信すると、ID照合としてスマート照合を実行する。照合ECU71は、車外の電子キー80とスマート照合、即ち車外照合が成立することを確認すると、その時点でリクエスト信号Srqの送信を一旦停止し、所定時間内においてドアロックECU78にドアロックの施解錠を許可する。そして、ドアロックECU78は、ドアハンドル56に設けられるロックセンサ57にユーザが触れるとドアロック装置79によるドアロックの施錠を実行する。また、ドアロックECU78は、ドアハンドル56に設けられるアンロックセンサ58にユーザが触れるとドアロック装置79によるドアロックの解錠を実行する。また、照合ECU71は、車内の電子キー80とスマート照合、即ち車内照合が成立することを確認すると、ハイブリッドシステム3の始動を許可する。
【0032】
プラグインハイブリッド式の車両1は、プラグイン式の充電システム60によってバッテリ4を充電する。充電システム60には、例えば住宅や充電スタンド等に設置され、バッテリ4への充電を行う給電プラグ10が設けられている。この給電プラグ10は、接続ケーブル12を介して、例えば200Vの交流電圧を供給する外部電源61(商用電源)に接続されている。
【0033】
車両1には、同車両1における給電プラグ10の接続先としてインレット5が設けられている。インレット5は、給電プラグ10を挿し込む受電コネクタ20を備え、例えば車体の前方側面にガソリン車の給油口のように搭載されている。コンバータ6は、給電プラグ10から受電コネクタ20を介して送り込まれた交流電圧を直流電圧に変換してバッテリ4に電力を充電する。充電は、ユーザが携帯する車両キーの認証が成立するとともに、インレット5に給電プラグ10が挿し込まれると可能となる。ここで、車両キーの認証は、電子キー80によるIDコードの照合により行われる。なお、車外通信エリアは、車両周囲全域に亘り形成され、しかも、車両1からのキー問い合せ(リクエスト信号Srqの送信)はポーリングとして常時実行されている。このため、インレット5の前でユーザが車両キーを所持して立っても、問題なくID照合が実行される。
【0034】
図2に示されるように、インレット5の中央には、受電コネクタ20が取り付けられている。そして、この受電コネクタ20の挿込口21の内部には、給電プラグ10を受電コネクタ20に電気的に繋ぐ複数の接続端子25が設けられている。接続端子25は、電力の伝送経路となるパワー端子25aや、各種信号の通信経路となる信号端子25b等を備える。受電コネクタ20の外周面上部22には、給電プラグ10の係止爪16の係合先として係合部23が形成されている。
【0035】
図3に示されるように、給電プラグ10の本体11の先端11aには、受電コネクタ20の挿込口21に嵌着される円筒状の嵌着部14が備えられている。嵌着部14の内部には、受電コネクタ20に設けられる接続端子25と電気的に接続される複数の接続端子15が設けられている。接続端子15は、電力の伝送経路となるパワー端子15aや、各種信号の通信経路となる信号端子15b等を備える。
【0036】
この嵌着部14の上部には、給電プラグ10を受電コネクタ20に挿し込んだ際に、この挿し込み状態を保持する係止爪16が設けられている。係止爪16は、受電コネクタ20に係合する状態(同図の実線)をとると、給電プラグ10を受電コネクタ20に保持する状態をとり、係止爪16が嵌着部14から開くように傾動する状態(同図の二点鎖線)をとると、給電プラグ10を受電コネクタ20から取り外すことが可能な状態となる。係止爪16は、付勢ばね17によって通常時において閉じた状態をとり、本体11のグリップ部13の上側の操作部18を押し操作すると、回動軸19を中心軸として開き状態に操作可能となっている。
【0037】
図1に示されるように、車両1には、充電に関わる制御を行う充電ECU75が設けられている。充電ECU75は、車内LAN(Local Area Network)76を介して照合ECU71と通信可能であり、照合ECU71からID照合の成立結果を確認可能である。充電ECU75は、充電開始の条件として、ID照合が成立することと、給電プラグ10が受電コネクタ20に嵌着したこととを確認する。
【0038】
図4〜図8に示されるように、充電システム60に設けられる給電プラグロック装置40には、機構部分としてロック機構(電動ロック機構)41の各種部品を収納するケース42が設けられている。本例の給電プラグロック装置40は、駆動手段としてのモータ43の駆動力によって伝達部材(ギア付きシャフト)44が回転すると、この伝達部材44の回転運動がストッパ45の直線運動に変換される。そして、ストッパ45の直線移動によりロックバー46が移動することで、係合部23に係合した係止爪16に当接するロッキングレバー47の動きを規制して係止爪16をロック状態にする。なお、ロック状態とは、係止爪16が開き状態をとることができない状態をいう。また、モータ43が駆動源に相当し、ストッパ45がストッパ部材に相当する。
【0039】
モータ43の駆動軸には、円柱状の伝達部材44が駆動軸と一体回転可能に遊嵌されている。伝達部材44の外周には、周方向に沿って螺子溝が切られた雄螺子部44aが形成されている。
【0040】
伝達部材44には、ロックバー46に当接してロックバー46をモータ43の軸方向に変位させるストッパ45が螺合されている。ストッパ45の中央部には伝達部材44の軸方向に貫通孔が形成され、同貫通孔に伝達部材44の雄螺子部44aが螺合する雌螺子部45aが形成されている。すなわち、伝達部材44は、自身の雌螺子部45aをストッパ45の雌螺子部45aに螺合することにより、一体に組み付けられている。これにより、伝達部材44がモータ43によって回動されると、伝達部材44の雄螺子部44aがストッパ45の雌螺子部45a内を回動して、ストッパ45が伝達部材44の軸方向へ直線移動する。係合部23に係合した状態の係止爪16の上方には、係止爪16の上面に当接するロッキングレバー47が設けられている。また、ロッキングレバー47は、回動軸49を中心に回動可能であるとともに、レバー付勢ばね49aによって係止爪16側に付勢されている。
【0041】
図5及び図7に示されるように、ロッキングレバー47の上面に形成された凹部47aの上方にロックバー46が位置することでロッキングレバー47の変位が規制されないと、係止爪16の変位も係止されずアンロック状態となる。
【0042】
一方、図4及び図8に示されるように、ロッキングレバー47の上面の凹んでいない非凹部47bの上方にロックバー46が位置することでロッキングレバー47の変位が規制されると、係止爪16の変位も係止されてロック状態となる。ストッパ45は、ロックバー46がロッキングレバー47の凹部47aの上方に位置することで係止爪16の変位を規制しないアンロック位置(非規制位置)と、ロックバー46がロッキングレバー47の非凹部47bの上方に位置することで係止爪16の変位を規制するロック位置(規制位置)との2位置の間を往復動可能である。
【0043】
ストッパ45には、ロッキングレバー47の動きを規制する部品としてロックバー46が嵌装されている。ロックバー46の中央には、ストッパ45の凸部(ストッパ凸部)45bが遊嵌される緩衝孔46aが形成されている。この緩衝孔46aは、挿し込み状態にあるストッパ凸部45bとの間に、伝達部材44の軸方向において隙間を持った状態で形成されている。そして、ストッパ45がアンロック位置からロック位置へ変位すると、ストッパ凸部45bが緩衝孔46aの内壁を押して、ロックバー46がアンロック位置からロック位置へ変位する(図4参照)。
【0044】
この緩衝孔46aとストッパ凸部45bとのロッキングレバー47側の隙間には、付勢ばね48が取り付けられている。この付勢ばね48は、ロックバー46を常にロック側に付勢している。付勢ばね48によってストッパ凸部45bが緩衝孔46aのロッキングレバー47側の内壁に常に当接している。そして、ストッパ45がロック位置からアンロック位置へ変位すると、ストッパ凸部45bが付勢ばね48を介してロックバー46を押して、ロックバー46がロック位置からアンロック位置へ変位する(図5参照)。なお、係止爪16の半嵌合等によってロックバー46がロッキングレバー47に固着等してロック位置からアンロック位置へ移動できないときには、緩衝孔46aと付勢ばね48とによってストッパ45の変位を吸収して、ロックバー46への負荷を緩衝する。
【0045】
本例のロック機構41は、モータ43の通電を通常の電流値よりも高い電流値(停動電流)の有無による停動電流検知制御にて実行する。図9に示されるように、停動電流検知制御は、モータ43に流れる電流を測定し、電流が閾値を超えた時点で、通電時間が所定駆動時間T1に到達していれば、ロック位置又はアンロック位置で停動電流発生と判定し、モータ通電を停止する。一方、電流が閾値を超えた時点で、通電時間が所定駆動時間T1に到達していなければ、異常位置で停動電流発生と判定し、異常を報知してモータ通電を終了する。また、電流が閾値を越えることなく、通電時間が所定駆動時間T2に到達した場合には、異常と判定し、異常を報知してモータ通電を終了する。
【0046】
本実施例のロック機構41には、ロックバー46がロック位置及びアンロック位置に位置した際に、モータ43の駆動に対して負荷を加えることで通常の電流値よりも高い電流値(停動電流)を発生させる停動電流発生機構30が設けられている。本例は、モータ43の通電中に無理にモータ43の回転を止めると、モータ電流が大きくなる原理を利用して、ロックバー46の位置を判定する。停動電流発生機構30は、ロックバー46がロック位置に位置した際と、ロックバー46がアンロック位置に位置した際とに発生するようそれぞれに対応して設けられている。なお、停動電流発生機構30が停動電流発生手段に相当する。
【0047】
図10〜図12に示されるように、停動電流発生機構30の詳細について以下に説明する。ストッパ45のモータ43側の側面には、モータ43の軸方向に突出した第1ロック凸部31が設けられている。また、伝達部材44のモータ43側の雄螺子部44aの端部には、径方向へ突出した第2ロック凸部32が設けられている。なお、第1ロック凸部31と第2ロック凸部32とが当接部に相当する。
【0048】
ストッパ45は、モータ43の正回転の駆動によってロック位置からアンロック位置へ移動されると、伝達部材44の雄螺子部44aのモータ43側の端部に到達する。そして、ストッパ45の第1ロック凸部31が第2ロック凸部32と当接して、伝達部材44の回転が規制される。このとき、モータ43には、通常の電流値よりも高い電流値、すなわち停動電流が発生する。よって、ロックバー46がアンロック位置に到達した際には、第1ロック凸部31と第2ロック凸部32とによって停動電流が発生される。
【0049】
また、伝達部材44のロッキングレバー47側の端部と対向するケース42の内壁には、伝達部材44の先端部を支承する支承部33が設けられている。支承部33は、伝達部材44を回転可能に支承する。モータ43の駆動軸の支持部42aには、モータ43の軸方向へ突出し、第2ロック凸部32と当接する第3ロック凸部34が設けられている。ケース42の内部には、伝達部材44の末端に当接し、伝達部材44をロッキングレバー47側へ付勢する板ばね35が設けられている。この板ばね35は、伝達部材44がモータ43側へ移動した際には押し潰されて伝達部材44の移動を許容する。なお、第3ロック凸部34が当接部に相当する。また、板ばね35が付勢手段に相当する。
【0050】
ロックバー46は、モータ43の逆回転の駆動によってアンロック位置からロック位置へ移動されると、ケース42の内壁に当接して移動が停止される。伝達部材44は、ロックバー46の移動が停止されてストッパ45の螺合による送り出しができなくなると、軸方向においてモータ43の駆動軸に沿って、自身がモータ43に近づく方向へ移動することとなる。このとき、伝達部材44は、板ばね35をモータ43側へ押圧する。そして、伝達部材44の第2ロック凸部32が第3ロック凸部34と当接して、伝達部材44の回転が規制される。このとき、モータ43には、通常の電流値よりも高い電流値、すなわち停動電流が発生する。よって、ロックバー46がロック位置に到達した際には、第2ロック凸部32と第3ロック凸部34とによって停動電流が発生される。
【0051】
図1に示されるように、インレット5には、給電プラグロック装置40のコントロールユニットとしてロックECU77が設けられている。ロックECU77は、車内LAN76に接続され、各種ECUと各種情報のやり取りが可能である。ロックECU77は、インレット5のロック機構41に設けられる挿入検知スイッチ27及びモータ43に接続されている。ロックECU77は、モータ43を通電制御することにより、ロック機構41の動作状態をロック状態又はアンロック状態に切り換える。
【0052】
本実施例の充電システム60は、給電プラグ10が受電コネクタ20に接続されると、車両1のドアロックのロック動作に連動して、給電プラグ10を受電コネクタ20に係止状態とする給電プラグロック装置40のロック動作が行われる。挿入検知スイッチ27は、係止爪16が係合部23に位置しているか否かを監視する。そして、挿入検知スイッチ27は、係止爪16が係合部23に位置したことを検知すると、挿入検知信号を充電ECU75やロックECU77へ出力する。
【0053】
図1に示されるように、ロックECU77には、照合ECU71からID照合の結果及びドアロック操作を取得するドアロック操作取得部77aが設けられている。ドアロック操作取得部77aは、例えば照合ECU71からID照合結果信号(ID照合成立信号、ID照合不成立信号)及びドアロック操作信号(ロック信号、アンロック信号)を定期的に受け取るものでもよいし、或いは照合ECU71に問い合せてID照合結果信号及びドアロック操作信号を定期的に取得するものでもよい。
【0054】
ロックECU77には、ロック機構41の動作を制御するロック機構制御部77bが設けられている。ロック機構制御部77bは、ロック機構41がアンロック状態の際、係止爪16の挿入検知信号を取得しているとともに、照合ECU71から電子キーシステム70の車外のID照合成立信号及びロック信号を取得したことを条件に、モータ43へ逆回転の駆動信号を出力してロック機構41をロック状態に切り換える。つまり、給電プラグ10をインレット5に挿し込んだとき、車外照合が成立するとともに、ドアロック操作があれば、給電プラグロック装置40がロック状態となる。なお、ロック機構制御部77bが駆動停止手段として機能する。
【0055】
また、ロック機構制御部77bは、ID照合(車外照合)が成立するとともに、ドアアンロック操作があることを条件に、受電コネクタ20から給電プラグ10を取り外すことを可能とする。この場合、ロック機構制御部77bは、ロック機構41がロック状態の際、ID照合成立信号及びアンロック信号を取得したことを条件に、モータ43へ正回転の駆動信号を出力してロック機構41をアンロック状態に切り換える。
【0056】
また、ロック機構41をアンロック状態に切り換えてから所定時間(例えば3秒)経過しても給電プラグ10をインレット5から引き抜く操作がない場合には、第3者に勝手に給電プラグ10を取り外されるおそれがある。そこで、ロックECU77は、モータ43へ逆回転の駆動信号を出力してロック機構41をロック状態に切り換える。
【0057】
ロックECU77には、モータ43に流れる電流が閾値以上となること、つまり停動電流発生機構30によって発生した停動電流を検知する停動電流検知部77cが設けられている。停動電流検知部77cは、モータ43が駆動している際に電流値を検出することで、停動電流を検知する。ロックECU77のロック機構制御部77bは、停動電流検知部77cが停動電流を検知すると、モータ43の駆動を停止する。すなわち、ロック機構制御部77bは、ロックバー46をアンロック位置からロック位置に位置させるために、モータ43を逆回転に駆動させ、第1ロック凸部31と第2ロック凸部32とが係合することで、停動電流検知部77cが停動電流を検知すると、モータ43の駆動を停止する。また、ロック機構制御部77bは、ロックバー46をロック位置からアンロック位置に位置させるために、モータ43を正回転に駆動させ、第2ロック凸部32と第3ロック凸部34とが係合することで、停動電流検知部77cが停動電流を検知すると、モータ43の駆動を停止する。なお、停動電流検知部77cが駆動停止手段として機能する。
【0058】
次に、給電プラグ10でバッテリ4に充電を行うときにとる動作と、給電プラグロック装置40の働きとについて図2、図7、図8、図13、図14を参照して説明する。
まず、図2に示されるように、給電プラグ10で車両1のバッテリ4に充電する際には、インレット5のリッド8を開けるとともに、内蓋9を開ける。
【0059】
続いて、図7に示されるように、給電プラグ10を受電コネクタ20に挿し込む際には、係止爪16が係合部23に入り込むように位置を合わせ、その状態のまま給電プラグ10を受電コネクタ20の軸方向に沿って奥に挿し込む。このとき、係止爪16の上面がロッキングレバー47に接触する。そして、係止爪16は、ロッキングレバー47を上方へ持ち上げることで、係止爪16が係合部23に挿入可能となる。また、挿入検知スイッチ27は、係止爪16の挿入を検知して、挿入検知信号をロックECU77へ出力する。
【0060】
そして、図8に示されるように、給電プラグ10が受電コネクタ20の奥まで挿し込まれると、給電プラグ10の接続端子15と受電コネクタ20の接続端子25とが接続される。このとき、係止爪16の上面は、ロッキングレバー47に接触している。給電プラグ10の接続端子15とインレット5の接続端子25とが接続されると、ロックECU77は、信号端子25bを介して接続信号を取得して、給電プラグ10とインレット5とが接続されたことを認識する。
【0061】
図13に示されるように、ロックECU77は、給電プラグ10が受電コネクタ20に接続されたことを確認すると、ドアロック操作があるか否かを判断する(ステップS1)。すなわち、ドアロック操作取得部77aがドアロックECU78からID照合成立信号及びドアロック信号があるか否かを確認する。そして、ロックECU77は、ID照合が成立しない又はドアロック操作がない場合(ステップS1:NO)には、ID照合が成立するとともにドアロック操作があるまで、すなわちドアロック操作取得部77aがID照合成立信号及びドアロック信号を取得するまで待機する。
【0062】
一方、ロックECU77は、ID照合が成立するとともにドアロック操作があった場合(ステップS1:YES)には、モータ43の逆回転への駆動を開始する(ステップS2)。すなわち、ロック機構制御部77bは、ロック機構41のモータ43へ逆回転の駆動信号を出力して、ロックバー46をロック位置へ移動させる(図4参照)。そして、停動電流検知部77cは、モータ43の電流値の検出を開始する。
【0063】
ロックECU77は、停動電流を検知したか否かを判断する(ステップS3)。すなわち、停動電流検知部77cが停動電流を検出したか否かを確認する。そして、ロックECU77は、停動電流を検知しない(ステップS3:NO)場合には、モータ43の駆動開始から所定駆動時間T2経過したか否かを判断する(ステップS6)。すなわち、ロックバー46がアンロック位置からロック位置に移動する時間に相当する時間を越えた所定駆動時間T2を経過しても停動電流を検知しない場合には、故障が考えられる。そこで、ロックECU77は、モータ43の駆動を開始してから所定駆動時間T2が経過した場合(ステップS6:YES)には、異常を報知する(ステップS7)。すなわち、ロックECU77は、車両1のハザード等を点滅させることで、異常を報知する。そして、モータ43の駆動を停止し(ステップS5)、処理を終了する。
【0064】
一方、ロックECU77は、モータ43の駆動を開始してから所定駆動時間T2が経過していない場合(ステップS6:NO)には、ステップS3に戻る。
通常であれば、ロック機構41は、モータ43が逆回転に駆動したことで、伝達部材44に螺合したストッパ45がモータ43から離間する側へ移動され、このストッパ45の移動に伴ってロックバー46がロック位置に移動する。そして、ロックバー46がケース42の内壁に当接して移動が止まることで、ストッパ45の移動も止まり、伝達部材44がモータ43側へ移動する。そして、伝達部材44の第2ロック凸部32と支持部42aの第3ロック凸部34とが係合し、伝達部材44の回転が規制され、モータ43に停動電流が発生する(図12参照)。停動電流検知部77cが停動電流を検知する。
【0065】
ロックECU77は、停動電流を検知する(ステップS3:YES)と、モータ43の駆動開始から所定時間T1経過したか否かを判断する(ステップS4)。すなわち、ロックバー46がアンロック位置からロック位置に移動する時間に相当する所定駆動時間T1を経過しても停動電流を検知しない場合には、故障が考えられる。そこで、ロックECU77は、モータ43の駆動を開始してから所定駆動時間T1が経過していない場合(ステップS4:NO)には、異常を報知する(ステップS7)。すなわち、ロックECU77は、車両1のハザード等を点滅させることで、異常を報知する。そして、モータ43の駆動を停止し(ステップS5)、処理を終了する。
【0066】
よって、係止爪16の変位がロッキングレバー47に規制されるので、係止爪16の引き抜きが規制されたロック状態となる。このロック状態において給電プラグ10からインレット5に電流が流し込まれ、バッテリ4の充電が開始される。
【0067】
一方、例えばロック動作中に係止爪16が開き操作されたり、係止爪16がインレット5の係合部23に半嵌合していたりすると、ロックバー46がロック位置に移動する途中で係止爪16の側壁に衝突して、ロックバー46が途中停止してしまうことがある。このとき、ステップS4で通電時間が所定駆動時間T1に到達していないと判定される(ステップS4:NO)。この場合、ストッパ45の移動が規制されるので、伝達部材44がモータ43側へ移動する。そして、第2ロック凸部32と第3ロック凸部34とが当接して、停動電流が所定時間T1よりも短い通電時間で検出される。
【0068】
係止爪16がロック状態である際、例えば第三者等が給電プラグ10をインレット5から取り外そうとしたとする。このとき、係止爪16を係合部23の外部へ抜き出そうとしても、係止爪16はロッキングレバー47によって当接されるので、抜出が規制される。これにより、給電プラグ10を無理に引き抜こうとしても、給電プラグ10をインレット5から取り外すことができない。
【0069】
図14に示されるように、ロックECU77は、給電プラグ10が受電コネクタ20に接続された状態において、ドアアンロック操作があるか否かを判断する(ステップS11)。すなわち、ドアロック操作取得部77aがドアロックECU78からID照合成立信号及びドアアンロック信号があるか否かを確認する。そして、ロックECU77は、ID照合が成立しない又はドアアンロック操作がない場合(ステップS11:NO)には、ID照合が成立するとともにドアアンロック操作があるまで、すなわちドアロック操作取得部77aがID照合成立信号及びドアアンロック信号を取得するまで待機する。
【0070】
一方、ロックECU77は、ID照合が成立するとともにドアアンロック操作があった場合(ステップS11:YES)には、モータ43の正回転への駆動を開始する(ステップS12)。すなわち、ロック機構制御部77bは、ロック機構41のモータ43へ正回転の駆動信号を出力して、ロックバー46をアンロック位置へ移動させる(図5参照)。そして、停動電流検知部77cは、モータ43の電流値の検出を開始する。
【0071】
ロックECU77は、停動電流を検知したか否かを判断する(ステップS13)。すなわち、停動電流検知部77cが停動電流を検出したか否かを確認する。そして、ロックECU77は、停動電流を検知しない(ステップS13:YES)場合には、モータ43の駆動開始から所定駆動時間T2経過したか否かを判断する(ステップS16)。すなわち、ロックバー46がロック位置からアンロック位置に移動する時間に相当する所定駆動時間T2を経過しても停動電流を検知しない場合には、故障が考えられる。そこで、ロックECU77は、モータ43の駆動を開始してから所定駆動時間T2が経過した場合(ステップS16:YES)には、異常を報知する(ステップS17)。すなわち、ロックECU77は、車両1のハザード等を点滅させることで、異常を報知する。そして、モータ43の駆動を停止し(ステップS15)、処理を終了する。
【0072】
一方、ロックECU77は、モータ43の駆動を開始してから所定駆動時間T2が経過していない場合(ステップS16:NO)には、ステップS13に戻る。
通常であれば、ロック機構41は、モータ43が正回転に駆動したことで、伝達部材44に螺合したストッパ45がモータ43側へ移動され、このストッパ45の移動に伴ってロックバー46がアンロック位置に移動する。そして、ストッパ45が伝達部材44の末端側へ移動したことで、ストッパ45の第1ロック凸部31と伝達部材44の第2ロック凸部32とが係合し、伝達部材44の回転が規制され、モータ43に停動電流が発生する(図10参照)。停動電流検知部77cが停動電流を検知する。
【0073】
ロックECU77は、停動電流を検知する(ステップS13:YES)と、モータ43の駆動開始から所定駆動時間T1経過したか否かを判断する(ステップS14)。すなわち、ロックバー46がロック位置からアンロック位置に移動する時間に相当する所定駆動時間T1を経過しても停動電流を検知しない場合には、故障が考えられる。そこで、ロックECU77は、モータ43の駆動を開始してから所定駆動時間T1が経過していない場合(ステップS14:NO)には、異常を報知する(ステップS17)。すなわち、ロックECU77は、車両1のハザード等を点滅させることで、異常を報知する。そして、モータ43の駆動を停止し(ステップS15)、処理を終了する。
【0074】
そして、給電プラグ10の引き抜き操作を行うと、給電プラグ10は受電コネクタ20から取り出すことができる。このとき、給電プラグ10の操作部18を押して係止爪16を持ち上げることにより係合部23との係合を解除して係止爪16が係合部23の外側へ引き出される(図7参照)。これにより、給電プラグ10をインレット5から取り外すことができる。
【0075】
給電プラグロック装置40がアンロック状態となってから所定時間内に、給電プラグ10が受電コネクタ20から取り外されない場合には、給電プラグロック装置40がロック状態となる。
【0076】
さて、本実施形態では、ロックバー46がロック位置及びアンロック位置に位置した際に、モータ43に停動電流を発生させる停動電流発生機構30を設けた。すなわち、ロックバー46がアンロック位置に位置した際には、ストッパ45に設けた第1ロック凸部31と伝達部材44に設けた第2ロック凸部32とが係合することでモータ43に停動電流が発生する。また、ロックバー46がロック位置に位置した際には、伝達部材44に設けた第2ロック凸部32とモータ43の駆動軸の支持部42aに設けた第3ロック凸部34とが係合することでモータ43に停動電流が発生する。このため、ロックバー46がロック位置及びアンロック位置に位置していることを検出することができ、給電プラグロック装置40にロックバー46の位置を検出する位置検出センサを設ける必要がない。よって、位置検出センサを設置するための基板が不要となり、給電プラグロック装置の体格が大型化することを抑制することができる。
【0077】
また、従来のロック機構であれば、モータ43の駆動がロック位置やアンロック位置を越えて駆動されると、伝達部材44の雄螺子部44aとストッパ45の雌螺子部45aとが噛み込んで固着するおそれがあった。しかしながら、本実施例のロック機構41は、停動電流発生機構30によって、ロック位置及びアンロック位置において、伝達部材44の回動が停止されるので、固着することを防止することができる。
【0078】
以上、説明した実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)モータ43によってロックバー46が駆動されて、ロック位置又はアンロック位置に移動した際に、停動電流発生機構30によって停動電流を発生させることが可能となる。そして、この停動電流発生機構30によって発生した停動電流に基づいてロックバー46がロック位置又はアンロック位置に位置したことを検出でき、駆動停止手段がモータ43の駆動を停止する。よって、停動電流発生機構30を設けることで、位置検出センサをロック位置とアンロック位置とに設置する必要がなく、位置検出センサを設置するための基板が不要となり、給電プラグロック装置40の体格が大型化することを抑制することが可能である。
【0079】
(2)ロックバー46がアンロック位置に位置した際に、ロック機構41に設けられた伝達部材44の第1ロック凸部31とストッパ45の第2ロック凸部32とが当接することでモータ43に停動電流を発生させる。このため、既存の伝達部材44とストッパ45とに第1ロック凸部31と第2ロック凸部32とを形成するだけで停動電流を発生させることができ、別途部材を設ける必要がない。
【0080】
(3)ロックバー46がロック位置に位置した際に、ロック機構41に設けられた伝達部材44の第2ロック凸部32とケース42の内壁の第3ロック凸部34とが当接することでモータ43に停動電流を発生させる。このため、既存の伝達部材44とモータ43の駆動軸の支持部42aとに第2ロック凸部32と第3ロック凸部34とを形成するだけで停動電流を発生させることができ、別途部材を設ける必要がない。
【0081】
(4)ロックバー46がロック位置に位置した際に、移動可能に設けられた伝達部材44がモータ43に近接することで、ロック機構41に設けられた伝達部材44とモータ43の駆動軸の支持部42aとにそれぞれ形成された当接部が当接することでモータ43に停動電流を発生させる。このため、ロックバー46がロック位置に確実に位置したときに伝達部材44が移動することで停動電流を発生するので、必要なとき以外に停動電流が発生することを抑制できる。
【0082】
(5)モータ43の駆動軸の支持部42aに板ばね35が設けられている。このため、伝達部材44がモータ43に近接した後に、伝達部材44がロック位置からアンロック位置へ移動すると、板ばね35によってモータ43との近接状態から容易に復帰することができる。
【0083】
(6)停動電流発生機構30が設けられていないロック機構においては、伝達部材44がモータ43によって、ロック位置とアンロック位置との間から逸脱して過度に駆動された場合には、伝達部材44の雄螺子部44aとストッパ45の雌螺子部45aとが噛み込んで固着するおそれがあった。しかしながら、ロック機構41は、停動電流発生機構30によって、ロック位置及びアンロック位置において、伝達部材44の回動が停止されるので、固着することを防止することができる。
【0084】
(第2の実施形態)
以下、本発明をプラグインハイブリッド車のインレットに具体化した第2の実施形態について、図15〜図17を参照して説明する。この実施形態の停動電流発生機構30は、伝達部材44のモータ43側に当接部が設けられ、この当接部がストッパ45のモータ43側の当接部、又はケース42のモータ側に設けられた当接部に当接する点が上記第1の実施形態と異なっている。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。なお、この実施形態の充電システムは、図1に示す第1の実施形態の充電システムと同様の構成を備えている。
【0085】
図15〜図17に示されるように、停動電流発生機構30の詳細について以下に説明する。ストッパ45のロッキングレバー47側の側面には、モータ43の軸方向に突出した第4ロック凸部36が設けられている。また、伝達部材44のロッキングレバー47側の雄螺子部44aの端部には、径方向へ突出した第5ロック凸部37が設けられている。なお、第4ロック凸部36と第5ロック凸部37とが当接部に相当する。
【0086】
ストッパ45は、モータ43の逆回転の駆動によってアンロック位置からロック位置へ移動されると、伝達部材44の雄螺子部44aのロッキングレバー47側の端部に到達する。そして、ストッパ45の第4ロック凸部36が第5ロック凸部37と当接して、伝達部材44の回転が規制される。このとき、モータ43には、通常の電流値よりも高い電流値、すなわち停動電流が発生する。よって、ロックバー46がロック位置に到達した際には、第4ロック凸部36と第5ロック凸部37とによって停動電流が発生される。
【0087】
また、伝達部材44のロッキングレバー47側の端部と対向するケース42の内壁には、伝達部材44の先端部を支承する支承部33が設けられている。支承部33は、伝達部材44を回転可能に支承する。支承部33のモータ43側には、モータ43の軸方向へ突出した第6ロック凸部38が設けられている。支承部33の内部には、伝達部材44の先端に当接し、伝達部材44をモータ43側へ付勢する板ばね35が設けられている。この板ばね35は、伝達部材44がモータ43から離間する側へ移動した際には押し潰されて伝達部材44の移動を許容する。なお、第6ロック凸部38が当接部に相当する。また、板ばね35が付勢手段に相当する。
【0088】
ストッパ45は、モータ43の正回転の駆動によってロック位置からアンロック位置へ移動されると、ケース42の内部に形成された規制部39に当接して移動が停止される。伝達部材44は、ストッパ45の螺合による送り出しができなくなると、軸方向においてモータ43の駆動軸から外れて、自身がモータ43から離間する方向へ移動することとなる。このとき、伝達部材44は、板ばね35をモータ43から離間する側へ押圧する。そして、伝達部材44の第5ロック凸部37が支承部33の第6ロック凸部38と当接して、伝達部材44の回転が規制される。このとき、モータ43には、通常の電流値よりも高い電流値、すなわち停動電流が発生する。よって、ロックバー46がアンロック位置に到達した際には、第5ロック凸部37と第6ロック凸部38とによって停動電流が発生される。
【0089】
図1に示されるように、ロック機構制御部77bは、ロックバー46をアンロック位置からロック位置に位置させるために、モータ43を逆回転に駆動させ、第4ロック凸部36と第5ロック凸部37とが係合することで、停動電流検知部77cが停動電流を検知すると、モータ43の駆動を停止する。また、ロック機構制御部77bは、ロックバー46をロック位置からアンロック位置に位置させるために、モータ43を正回転に駆動させ、第5ロック凸部37と第6ロック凸部38とが係合することで、停動電流検知部77cが停動電流を検知すると、モータ43の駆動を停止する。
【0090】
さて、本実施形態では、ロックバー46がロック位置及びアンロック位置に位置した際に、モータ43に停動電流を発生させる停動電流発生機構30を設けた。すなわち、ロックバー46がロック位置に位置した際には、ストッパ45に設けた第4ロック凸部36と伝達部材44に設けた第5ロック凸部37とが係合することでモータ43に停動電流が発生する。また、ロックバー46がアンロック位置に位置した際には、伝達部材44に設けた第5ロック凸部37と支承部33に設けた第6ロック凸部38とが係合することでモータ43に停動電流が発生する。このため、ロックバー46がロック位置及びアンロック位置に位置していることを検出することができ、給電プラグロック装置40にロックバー46の位置を検出する位置検出センサを設ける必要がない。よって、位置検出センサを設置するための基板が不要となり、給電プラグロック装置の体格が大型化することを抑制することができる。
【0091】
以上、説明した実施形態によれば、第1の実施形態の(1)、(5)、及び(6)の効果に加え、以下の効果を奏することができる。
(7)ロックバー46がロック位置に位置した際に、ロック機構41に設けられた伝達部材44の第4ロック凸部36とストッパ45の第5ロック凸部37とが当接することでモータ43に停動電流を発生させる。このため、既存の伝達部材44とストッパ45とに第4ロック凸部36と第5ロック凸部37とを形成するだけで停動電流を発生させることができ、別途部材を設ける必要がない。
【0092】
(8)ロックバー46がアンロック位置に位置した際に、ロック機構41に設けられた伝達部材44の第5ロック凸部37と伝達部材44の支承部33の第6ロック凸部38とが当接することでモータ43に停動電流を発生させる。このため、既存の伝達部材44とストッパ45とに第5ロック凸部37と第6ロック凸部38とを形成するだけで停動電流を発生させることができ、別途部材を設ける必要がない。
【0093】
(9)ロックバー46がロック位置に位置した際に、離間可能に設けられた伝達部材44がモータ43から離間することで、ロック機構41に設けられた伝達部材44と伝達部材44の支承部33とにそれぞれ形成された当接部が当接することでモータ43に停動電流を発生させる。このため、ロックバー46がアンロック位置に確実に位置したときに伝達部材44が移動することで停動電流を発生するので、必要なとき以外に停動電流が発生することを抑制できる。
【0094】
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
・上記実施形態では、停動電流を発生させる停動電流発生機構30として、ロック位置では第1ロック凸部31と第2ロック凸部32とが当接し、アンロック位置では第2ロック凸部32と第3ロック凸部34とが当接し、第2ロック凸部32を両方で利用した。しかしながら、ロック位置とアンロック位置とのそれぞれにおいて1組ずつ停動電流を発生させる部材を設けてもよい。
【0095】
・上記第1の実施形態では、伝達部材44のモータ43側において、伝達部材44の第1ロック凸部31とストッパ45の第2ロック凸部32とを当接させ、伝達部材44のモータ43と離間する側において、支承部33の第3ロック凸部34とストッパ45の第2ロック凸部32とを当接させた。しかしながら、図18に示されるように、伝達部材44とストッパ45との軸方向におけるモータ43側に第4ロック凸部36と第5ロック凸部37とをそれぞれ設けることで、モータ43側においても伝達部材44の第4ロック凸部36とストッパ45の第5ロック凸部37とを当接させて停動電流を発生させてもよい。
【0096】
・上記実施形態では、停動電流発生機構30によって発生した停動電流によってモータ43の駆動を制御したが、停動電流検知制御に加えて、電流検知制御(電流検知方式)によってモータ43の駆動を制御してもよい。すなわち、図19に示されるように、電流検知制御は、モータ43に流れる電流を測定し、電流測定値からモータ回転数を推測し、このモータ回転数によってロックバー46の距離を積算する。そして、電流が閾値を継続して超えた時点で、ロックバー46の移動距離が最小必要距離に到達していれば、正常位置で停動電流発生と判定し、モータ通電を停止する。一方、電流が閾値を継続して超えた時点で、ロックバー46の移動距離が最小必要距離に到達していなければ、異常位置で停動電流発生と判定し、規定時間通電した後、モータ通電を終了する。
【0097】
・上記実施形態では、板ばね35を設けたが省略してもよい。
・上記実施形態において、ロック機構41のロックバー46の移動方向は任意に設定可能である。
【0098】
・上記実施形態において、ロック機構41は、モータ43に駆動されたロックバー46がロッキングレバー47に係合することで給電プラグ10の係止爪16を係止したが、ロックバー46が直接係止爪16を係止してもよい。
【0099】
・上記実施形態では、給電プラグロック装置40のロック動作時には、ID照合の成立及びドアロック操作を条件としたが、ID照合の成立及びドアロック操作の有無に関わらず、インレット5に給電プラグ10が接続されたことに基づいて給電プラグロック装置40をロック動作させてもよい。
【0100】
・上記実施形態では、ロック機構41がアンロック状態になってから所定時間の間に給電プラグ10の引き抜き操作がないとロック機構41をロック状態とした。しかしながら、アンロック状態であることを音等で報知して、自動でロック状態に戻らない構成を採用してもよい。
【0101】
・上記実施形態では、ID照合として車外照合に基づいてロック機構41を動作させたが、ID照合として車内照合に基づいてロック機構41を動作させてもよい。また、車外照合と車内照合とのいずれも採用してもよい。
【0102】
・上記実施形態において、電子キーシステム70は、例えばIDコードの発信元としてトランスポンダを使用するイモビライザーシステムを採用してもよい。
・上記実施形態では、車両1からリクエスト信号Srqを発信して電子キー80がIDコード信号Sidを返信してID照合を行うスマート照合を採用したが、電子キー80のボタンを操作することで車両1のドアロックの施解錠を行うワイヤレス通信によるID照合を採用してもよい。
【0103】
・上記実施形態において、電子キーシステム70で使用する電波の周波数は、必ずしもLFやUHFに限定されず、これら以外の周波数が使用可能である。また、車両1から電子キー80に電波発信するときの周波数と、電子キー80から車両1に電波を返すときの周波数とは、必ずしも異なるものに限定されず、これらを同じ周波数としてもよい。
【0104】
・上記実施形態において、ユーザ認証は、必ずしも電子キー80を使用したキー認証に限定されず、例えば生体認証等の他の認証を応用してもよい。
・上記実施形態において、接続ケーブル12に充電の開始・停止を操作する充電オンオフスイッチを設けてもよい。
【0105】
・上記実施形態において、駆動手段としてモータ43を用いたが、モータ43に代えてソレノイドを用いてもよい。
・上記実施形態では、プラグインハイブリッド式の車両1のインレット5に適用したが、プラグインハイブリッド式の車両に限らず、電気自動車のインレット等に適用してもよい。
【0106】
・上記実施形態において、ロックECU77と照合ECU71とを繋ぐバスは、専用のCANやLIN等であってもよい。
・上記実施形態において、本例の給電プラグロック装置40の搭載先は、必ずしも車両1のみに適用されることに限らず、充電式バッテリを持つ装置や機器であれば、その採用先は特に限定されない。
【0107】
次に、上記実施形態から把握できる技術的思想をその効果と共に記載する。
(イ)請求項1〜8のいずれか一項に記載の給電プラグロック装置において、前記駆動停止手段は、前記駆動手段を駆動する電流から前記ロック部材の移動距離を検出し、前記停動電流に加えて、前記ロック位置と前記アンロック位置との間の距離を検出した際に、前記駆動手段の駆動を停止することを特徴とする給電プラグロック装置。
【0108】
同構成によれば、ロック位置及びアンロック位置の少なくとも一方における停動電流に加えて、電流から検出した移動距離がロック部材の移動距離と一致した際に、駆動手段を停止する。このため、停動電流と移動距離とによる判定となるので、正確にロック部材の位置判定を行い、駆動手段の駆動を停止することが可能となる。
【符号の説明】
【0109】
1…車両、4…バッテリ、5…インレット、10…給電プラグ、16…係止爪、20…受電コネクタ、21…挿込口、23…係合部、30…停動電流発生手段としての停動電流発生機構、31…当接部としての第1ロック凸部、32…当接部としての第2ロック凸部、33…支承部、34…当接部としての第3ロック凸部、35…付勢手段としての板ばね、40…給電プラグロック装置、41…ロック機構、42…ケース、42a…支持部、43…モータ、44…伝達部材、45…ストッパ、46…ロック部材としてのロックバー、47…ロックキングレバー、47a…凹部、47b…非凹部、48…付勢ばね、49…回動軸、49a…レバー付勢ばね、60…充電システム、70…電子キーシステム、71…照合ECU、75…充電ECU、77…ロックECU、77a…ドアロック操作取得部、77b…駆動停止手段としてのロック機構制御部、77c…停動電流検知部、78…ドアロックECU、79…ドアロック装置、80…電子キー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インレットに接続した給電プラグの係止爪を、当該インレット側のロック機構のロック部材によってロック状態にすることで、前記給電プラグを前記インレットに抜け止めし、前記ロック部材をアンロック状態にすることで前記給電プラグを前記インレットから取り外し可能とする給電プラグロック装置であって、
前記ロック部材をロック位置及びアンロック位置の少なくとも一方に移動させる際の駆動源となる駆動手段と、
閾値以上の電流を停動電流として前記駆動手段に発生させる停動電流発生手段と、
前記ロック部材の動作時に前記停動電流発生手段によって前記停動電流が発生したとき、前記駆動手段の駆動を停止する駆動停止手段と、を備えた
ことを特徴とする給電プラグロック装置。
【請求項2】
請求項1に記載の給電プラグロック装置において、
前記ロック機構は、前記駆動手段の駆動力を回転運動として伝達する伝達部材と、該伝達部材の回転運動を直線運動に変換して前記ロック部材に伝達するストッパ部材とを備え、
前記停動電流発生手段は、前記伝達部材と前記ストッパ部とにそれぞれ形成された当接部であって、
前記ロック部材が前記ロック位置及びアンロック位置の少なくとも一方に位置した際に、前記伝達部材の当接部と前記ストッパ部材の当接部とが当接することで前記駆動手段の駆動に負荷を与えて、前記停動電流を発生させる
ことを特徴とする給電プラグロック装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の給電プラグロック装置において、
前記ロック機構は、前記駆動手段の駆動力を回転運動として伝達する伝達部材と、該伝達部材の回転運動を直線運動に変換して前記ロック部材に伝達するストッパ部材とを備え、
前記停動電流発生手段は、前記伝達部材と前記駆動手段の駆動軸の支持部とにそれぞれ形成された当接部であって、
前記ロック部材が前記ロック位置及びアンロック位置の少なくとも一方に位置した際に、前記伝達部材の当接部と前記支持部の当接部とが当接することで前記駆動手段の駆動に負荷を与えて、前記停動電流を発生させる
ことを特徴とする給電プラグロック装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の給電プラグロック装置において、
前記ロック機構は、前記駆動手段の駆動力を回転運動として伝達する伝達部材と、該伝達部材の回転運動を直線運動に変換して前記ロック部材に伝達するストッパ部材とを備え、
前記停動電流発生手段は、前記伝達部材と前記伝達部材の支承部とにそれぞれ形成された当接部であって、
前記ロック部材が前記ロック位置及びアンロック位置の少なくとも一方に位置した際に、前記伝達部材の当接部と前記支承部の当接部とが当接することで前記駆動手段の駆動に負荷を与えて、前記停動電流を発生させる
ことを特徴とする給電プラグロック装置。
【請求項5】
請求項3に記載の給電プラグロック装置において、
前記伝達部材は前記駆動手段に対して近接可能であって、
前記ロック部材が前記ロック位置及びアンロック位置の少なくとも一方に位置した際に、前記ロック部材の移動が規制される規制部が設けられ、前記ロック部材が当該規制部によって移動を規制されることで、前記伝達部材が前記駆動手段側へ近接し、前記伝達部材の当接部が前記駆動手段の駆動軸の支持部の当接部に当接することで前記駆動手段の駆動に負荷を与えて、前記停動電流を発生させる
ことを特徴とする給電プラグロック装置。
【請求項6】
請求項4に記載の給電プラグロック装置において、
前記伝達部材は前記駆動手段に対して離間可能であって、
前記ロック部材が前記ロック位置及びアンロック位置の少なくとも一方に位置した際に、前記ストッパ部材の移動が規制される規制部が設けられ、前記ストッパ部材が当該規制部によって移動を規制されることで、前記伝達部材が前記駆動手段から離間し、前記伝達部材の当接部が前記支承部の当接部に当接することで前記駆動手段の駆動に負荷を与えて、前記停動電流を発生させる
ことを特徴とする給電プラグロック装置。
【請求項7】
請求項5に記載の給電プラグロック装置において、
前記支持部には、前記駆動手段から離間する側へ付勢する付勢手段が設けられている
ことを特徴とする給電プラグロック装置。
【請求項8】
請求項6に記載の給電プラグロック装置において、
前記支承部には、前記駆動手段側へ付勢する付勢手段が設けられている
ことを特徴とする給電プラグロック装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−226911(P2012−226911A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−92199(P2011−92199)
【出願日】平成23年4月18日(2011.4.18)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】