説明

絶縁通信システム

【課題】 簡単な構成で、高精度な絶縁通信を行うことができる絶縁通信システム及び当該絶縁通信システムに適用される送信ユニット並びに受信ユニットを提供する。
【解決手段】 送信ユニット1は、エッジパルス生成回路6で生成された第1パルスと第2パルスとの間にクロック信号生成回路8で生成された複数のクロック信号Clkに対応するパルスが存在する送信パルス信号dを生成する送信パルス信号生成回路5を含む。受信ユニット2は、送信ユニット1から絶縁通信ユニット3を介して受信した送信パルス信号dに基づく受信パルス信号eを、受信パルス信号eのうちの最初のパルスを検出した場合に、第1のレベルLから第2のレベルHへ遷移し、受信パルス信号eのうちの最新のパルスを検出してから予め定められた第1時間Td1内に次のパルスを検出しなかった場合に、第2のレベルHから第1のレベルLへ遷移するような信号Outとして復号するよう構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル入力信号を送信ユニットから当該送信ユニットとは絶縁された受信ユニットへ送信する絶縁通信システム及び当該絶縁通信システムに適用される送信ユニット並びに受信ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
スイッチング電源やモータ駆動装置等のような、パワーデバイス等の高電圧大電流の駆動部とこれを制御(インバータ制御)するための制御装置等の比較的低電圧小電流の制御部とを含む装置においては、高電圧大電流の駆動部で用いられる高い電圧や大きい電流によって制御部が破壊されたり、異常動作することを防止するために、耐圧が異なる駆動部と制御部とが、互いに電気的に絶縁され、両者の間の信号の送受信が絶縁通信によって行われる構成が知られている。このような装置において、制御部と駆動部との間の絶縁通信は、制御部の送信ユニットに入力されたデジタル入力信号をパルス信号に変換して駆動部の受信ユニットへ送信することにより行われる。このような絶縁通信の伝送経路において外乱等により何らかの伝送エラーが生じると、正しい信号を伝送することができない。例えば、デジタル入力信号の立ち上がり及び立ち下がりの検出によりパルスを生成した場合に、受信ユニットにおいて検出されるパルスがデジタル入力信号の立ち上がりであるのか立ち下がりであるのかを正しく認識することができないと、受信ユニットにおいて正しいデジタル入力信号に復号することができない。
【0003】
このような伝送エラーを防止するために、デジタル通信等に一般的に用いられるような誤り訂正のための冗長な信号線やビットの付加を行うことは、構造が複雑になりコストが高くなるとともに、遅延時間や消費電力が増加し、好ましくない。特に、遅延時間が増加することにより、スイッチング周波数を高くすることができなくなるため、装置の性能(例えば、電力変換性能)を大きく低下させてしまう。
【0004】
これに対し、送信信号の立ち上がりに対応するパルスと立ち下がりに対応するパルスとを異なる態様にして送信する構成が知られている(例えば特許文献1及び2参照)。特許文献1においては、立ち上がりに対応するパルスを正のパルスとし、立ち下がりに対応するパルスを負のパルスとしている。また、特許文献2においては、立ち下がりに対応して1つのパルスが生成されるのに対して立ち上がりに対応してパルスが2つ生成される構成となっている。また、立ち上がりに対応するパルスと立ち下がりに対応するパルスとを異なる絶縁通信経路を用いて別個に送信する構成も知られている(例えば特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7075329号公報
【特許文献2】特表2001−513276号公報
【特許文献3】特表2003−523147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のような構成においては送信ユニット及び受信ユニットの各回路の構成が複雑となる。また、特許文献2のような構成においては外乱等の影響により受信ユニットで検出されたパルスの数が変化すると、正しく復号できないため、高精度な信号送信を行うには十分ではない。また、特許文献3のような構成においては、伝送エラーを検出することはできるが、誤り訂正を行うことはできない。さらに、複数の絶縁通信経路が必要となるため、各ユニットの回路構成が複雑になるとともに装置が大型化してしまう。
【0007】
本発明は、以上のような課題を解決すべくなされたものであり、簡単な構成で、高精度な絶縁通信を行うことができる絶縁通信システム及び当該絶縁通信システムに適用される送信ユニット並びに受信ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る絶縁通信システムは、送信ユニットと、当該送信ユニットとは絶縁された受信ユニットと、前記送信ユニットと前記受信ユニットとの間を絶縁しかつ両者間の信号を伝達する絶縁通信ユニットとを含み、第1のレベルと当該第1のレベルとは異なる第2のレベルとの間で状態遷移するデジタル入力信号を前記送信ユニットから前記絶縁通信ユニットを介して前記受信ユニットに送信する絶縁通信システムであって、前記送信ユニットは、前記デジタル入力信号の前記第1のレベルから前記第2のレベルへの遷移を検出して対応する第1パルスを生成し、前記デジタル入力信号の前記第2のレベルから前記第1のレベルへの遷移を検出して対応する第2パルスを生成するエッジパルス生成回路と、前記デジタル入力信号が前記第2のレベルである間、予め定められた周期のクロック信号に対応するパルスを生成し、前記エッジパルス生成回路で生成された前記第1パルス及び前記第2パルスと足し合わせることにより、前記エッジパルス生成回路で生成された前記第1パルスと前記第2パルスとの間に複数の前記クロック信号に対応するパルスが存在する送信パルス信号を生成する送信パルス信号生成回路とを含み、前記受信ユニットは、前記送信ユニットから前記絶縁通信ユニットを介して受信した送信パルス信号に基づく受信パルス信号を、前記受信パルス信号のうちの最初のパルスを検出した場合に、前記第1のレベルから前記第2のレベルへ遷移し、前記受信パルス信号のうちの最新のパルスを検出してから予め定められた第1時間内に次のパルスを検出しなかった場合に、前記第2のレベルから前記第1のレベルへ遷移するような信号として復号するよう構成されている。
【0009】
上記構成の絶縁通信システムによれば、送信ユニットがデジタル入力信号における第1のレベルと第2のレベルとの間の遷移(立ち上がり又は立ち下がり)を検出することによりパルスを生成するとともに、デジタル入力信号において第2のレベルが保持されている間に検出されたクロック信号に基づいてパルスを生成することにより、デジタル入力信号が第2のレベルにある間において継続的な複数のパルスを有する送信パルス信号が生成される。このような送信パルス信号が送信ユニットから絶縁通信ユニットを介して受信ユニットに送信されることにより、受信ユニットは、送信パルス信号に基づく受信パルス信号のパルスが検出されてから第1時間内に次のパルスが検出されるか否かに応じて、デジタル入力信号において第2のレベルが継続しているか否かを判別する。すなわち、受信パルス信号のうちの最新のパルスを検出してから第1時間内に次のパルスが検出される間は第2のレベルが保持されるようにデジタル入力信号に対応するパルスが出力信号として復号される。これにより、仮に送信された送信パルス信号のうちいずれかのパルスが外乱等の影響により受信ユニットで検出されなかったり、送信パルス信号には存在しないパルスが受信ユニットで検出されたりしても、受信ユニットにおいて複合されるべきデジタル入力信号が何れのレベルにあるのかを容易に判定することができるため、受信ユニットにおいてデジタル入力信号を高精度に復号することができる。従って、簡単な構成で、高精度な絶縁通信を行うことができる。
【0010】
前記受信ユニットは、前記受信パルス信号を、前記受信パルス信号のうちの最初のパルスを検出したときから予め定められた第2時間後に前記第1のレベルから前記第2のレベルへ遷移するような信号として復号するよう構成されてもよい。これによれば、第1のレベルから第2のレベルへの遷移を復号する際に時間の遅延を生じさせることにより、第2のレベルから第1のレベルへの遷移を復号する際に生じる第1時間分の信号の遅延によって第2のレベルとなっている期間が絶縁通信前のデジタル入力信号より長くなることを防止することができ、デジタル入力信号をより高精度に復号することができる。
【0011】
ここで、前記第2時間は、前記第1時間と等しい時間であってもよい。第1時間が第2時間と等しくなることにより、デジタル入力信号において第2のレベルとなっている期間を絶縁通信の前後で略変化しないようにすることができる。
【0012】
また、前記受信ユニットは、前記受信パルス信号のパルスが入力されると前記第1時間の幅を有するパルスを出力する信号保持回路を含み、前記クロック信号の周期は、前記第1時間より短いように構成されてもよい。これにより、パルス間隔が第1時間内となる継続した送信パルス信号に基づく受信パルス信号のパルスを受信ユニットが検出し続けている限り、その期間の幅を有する信号が得られるため、仮に受信ユニットで検出される受信パルス信号にパルスの欠けが生じても、デジタル入力信号における第2のレベルを容易且つ高精度に復号化することができる。
【0013】
また、本発明に係る送信ユニットは、第1のレベルと当該第1のレベルとは異なる第2のレベルとの間で状態遷移するデジタル入力信号を、送信ユニットと受信ユニットとの間を絶縁しかつ両者間の信号を伝達する絶縁通信ユニットを介して、当該送信ユニットから当該受信ユニットへ送信する絶縁通信システムに適用される送信ユニットであって、前記デジタル入力信号の前記第1のレベルから前記第2のレベルへの遷移を検出して対応する第1パルスを生成し、前記デジタル入力信号の前記第2のレベルから前記第1のレベルへの遷移を検出して対応する第2パルスを生成するエッジパルス生成回路と、前記デジタル入力信号が前記第2のレベルである間、予め定められた周期のクロック信号に対応するパルスを生成することにより、前記エッジパルス生成回路で生成された前記第1パルスと前記第2パルスとの間に複数の前記クロック信号に対応するパルスが存在する送信パルス信号を生成する送信パルス信号生成回路とを含むものである。
【0014】
上記構成の送信ユニットによれば、デジタル入力信号における第1のレベルと第2のレベルとの間の遷移(立ち上がり又は立ち下がり)が検出されることによりパルスが生成されるとともに、デジタル入力信号において第2のレベルが保持されている間に検出されたクロック信号に基づいてパルスが生成されるため、デジタル入力信号が第2のレベルにある間において継続的な複数のパルスを有する送信パルス信号が生成される。そして、このような送信パルス信号が送信ユニットから絶縁通信ユニットを介して受信ユニットに送信される。これにより、仮に送信された送信パルス信号のうちのいずれかのパルスが外乱等の影響により受信ユニットで検出されなかったり、送信パルス信号には存在しないパルスが受信ユニットで検出されたりしても、受信ユニットにおいて複合されるべきデジタル入力信号が何れのレベルにあるのかを容易に判定することができるため、受信ユニットにおいてデジタル入力信号を高精度に復号することができる。従って、簡単な構成で、高精度な絶縁通信を行うことができる。
【0015】
また、本発明に係る受信ユニットは、第1のレベルと当該第1のレベルとは異なる第2のレベルとの間で状態遷移するデジタル入力信号を、送信ユニットと受信ユニットとの間を絶縁しかつ両者間の信号を伝達する絶縁通信ユニットを介して、当該送信ユニットから当該受信ユニットへ送信する絶縁通信システムに適用される受信ユニットであって、前記送信ユニットから前記絶縁通信ユニットを介して送信された送信パルス信号に基づく受信パルス信号を受信し、前記受信パルス信号を、前記受信パルス信号のうちの最初のパルスを検出した場合に、前記第1のレベルから前記第2のレベルへ遷移し、前記受信パルス信号のうちの最新のパルスを検出してから予め定められた第1時間内に次のパルスを検出しなかった場合に、前記第2のレベルから前記第1のレベルへ遷移するような信号として復号するよう構成されている。
【0016】
上記構成の受信ユニットによれば、送信パルス信号に基づく受信パルス信号のパルスが検出されてから第1時間内に次のパルスが検出されるか否かに応じて、デジタル入力信号において第2のレベルが継続しているか否かが判別される。すなわち、最新のパルスを検出してから第1時間内に次のパルスが検出される間は第2のレベルが保持されるようにデジタル入力信号に対応するパルスが出力信号として復号される。これにより、仮に送信された送信パルス信号のうちのいずれかのパルスが外乱等の影響により受信ユニットで検出されなかったり、送信パルス信号には存在しないパルスが受信ユニットで検出されたりしても、受信ユニットにおいて複合されるべきデジタル入力信号が何れのレベルにあるのかを容易に判定することができるため、受信ユニットにおいてデジタル入力信号を高精度に復号することができる。従って、簡単な構成で、高精度な絶縁通信を行うことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明は以上に説明したように構成され、簡単な構成で、高精度な絶縁通信を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は本発明の第1実施形態における絶縁通信システムの概略構成を示す回路図である。
【図2】図2は図1に示される絶縁通信システムの各部における信号波形を示すグラフである。
【図3】図3は本発明の第2実施形態における絶縁通信システムの概略構成を示す回路図である。
【図4】図4は図3に示される絶縁通信システムの各部における信号波形を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
【0020】
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態における絶縁通信システムについて説明する。図1は本発明の第1実施形態における絶縁通信システムの概略構成を示す回路図である。また、図2は図1に示される絶縁通信システムの各部における信号波形を示すグラフである。
【0021】
図1に示されるように、本実施形態における絶縁通信システムは、送信ユニット1と、当該送信ユニット1とは絶縁された受信ユニット2と、送信ユニット1と受信ユニット2との間を絶縁し且つ両者間の信号を伝達する絶縁通信ユニット3とを含んでいる。絶縁通信ユニット3は、送信ユニット1が接続された送信部11と受信ユニット2が接続された受信部12とを有し、送信部11と受信部12とが絶縁通信可能に構成されている。具体的には、送信部11及び受信部12のそれぞれに相互誘導可能にコイルが設けられている。各コイルはそれぞれ接地されており、送信部11の接地と受信部12の接地とは、互いに異なる接地電圧に設定され得る。
【0022】
なお、本実施形態においては、絶縁通信ユニット3として、相互誘導コイルを用いた構成を例示しているが、これに限られず、パルスを送受信可能な他の構成、例えばフォトカプラを用いた構成やキャパシタを用いた構成も適用可能である。
【0023】
送信ユニット1には、図2に示すように、第1のレベル(例えばLレベル)と当該第1のレベルとは異なる第2のレベル(例えばLレベルより高い電圧のHレベル)との間で状態遷移するデジタル入力信号Inが入力される。なお、デジタル入力信号Inの周波数は、数kHz〜数百Hzが想定される。送信ユニット1は、デジタル入力信号Inを絶縁通信ユニット3を介して受信ユニット2へ送信する。このため、送信ユニット1は、デジタル入力信号Inを絶縁通信ユニット3において伝送可能なパルス信号に変換するエンコード回路4を有している。
【0024】
エンコード回路4には、図1に示すように、デジタル入力信号Inの第1のレベルから第2のレベルへの遷移(本実施形態では、LレベルからHレベルへの立ち上がりを意味する。以下、第1遷移ともいう)を検出して対応する第1パルスを生成し、デジタル入力信号Inの第2のレベルから第1のレベルへの遷移(本実施形態では、HレベルからLレベルへの立ち下がりを意味する。以下、第2遷移ともいう)を検出して対応する第2パルスを生成する(図2における信号aを生成する)エッジパルス生成回路6が設けられている。エッジパルス生成回路6は、デジタル入力信号Inの状態遷移に応じたパルスが生成される限りどのような回路構成を有していてもよい。
【0025】
さらに、エンコード回路4には、予め定められた周期のクロック信号Clkを生成するクロック信号生成回路8が設けられている。クロック信号生成回路8は例えば所定の周期で振動する信号を出力する発振回路等により構成される。クロック信号生成回路8で生成されるクロック信号Clkの周期は特に限定されないが、デジタル入力信号Inにおいて想定される周波数より高い周波数を有している。好ましくは、クロック信号Clkは、デジタル入力信号Inの周波数の3〜10倍程度の周波数を有している。なお、本実施形態においてはクロック信号生成回路8がエンコード回路4内に設けられた構成について説明しているがこれに限られず、外部のコンピュータ等で生成されたクロック信号Clkをエンコード回路4に入力する構成としてもよい。
【0026】
また、エンコード回路4には、デジタル入力信号Inが第2のレベルである間、クロック信号生成回路8で生成されたクロック信号Clkに対応するパルスを生成し、エッジパルス生成回路6で生成された第1パルス及び第2パルスと足し合わせることにより、エッジパルス生成回路6で生成された第1パルスと第2パルスとの間に複数のクロック信号Clkに対応するパルスが存在する送信パルス信号を生成する送信パルス信号生成回路5が設けられている。
【0027】
具体的には、送信パルス信号生成回路5には、デジタル入力信号Inが第2のレベルである間のクロック信号Clkを取り出す(図2における信号bを生成する)クロック信号取り出し回路9と、クロック信号取り出し回路9で取り出されたクロック信号Clkに対応するクロックパルスを生成する(図2における信号cを生成する)クロックパルス生成回路7と、エッジパルス生成回路6で生成された第1及び第2パルスとクロックパルス生成回路7で生成されたクロックパルスとを足し合わせる(図2における信号dを生成する)足し合わせ回路10とが設けられている。
【0028】
本実施形態において、クロック信号取り出し回路9は、クロック信号生成回路8で生成されたクロック信号Clkとデジタル入力信号Inがそれぞれ入力されるAND回路で構成されている。また、クロックパルス生成回路7は、AND回路9の出力に基づいてクロック信号ClkのLレベルからHレベルへの状態遷移を検出することによりクロック信号Clkに対応するクロックパルスを生成するよう構成されている。また、足し合わせ回路10は、エッジパルス生成回路6の出力(第1パルス及び第2パルス)とクロックパルス生成回路7の出力(クロックパルス)とがそれぞれ入力されるOR回路で構成されている。
【0029】
上記構成により、図2に示すように、送信ユニット1がデジタル入力信号Inにおける第1のレベルLと第2のレベルHとの間の遷移(立ち上がり又は立ち下がり)を検出することによりパルスを生成するとともに、デジタル入力信号Inにおいて第2のレベルHが保持されている間に検出されたクロック信号Clkに基づいてクロックパルスを生成することにより、デジタル入力信号Inが第2のレベルHにある間において継続的な複数のパルスを有する送信パルス信号dが生成される。そして、このような送信パルス信号dが送信ユニット1から絶縁通信ユニット3を介して受信ユニット2に送信される。
【0030】
受信ユニット2は、送信ユニット1から絶縁通信ユニット3を介して受信した送信パルス信号dに基づく受信パルス信号eのパルスを復号するデコード回路13Aを含んでいる。デコード回路13Aは、受信パルス信号eのうちの最初のパルスを検出した場合に、第1のレベルLから第2のレベルHへ遷移(第1遷移)し、受信パルス信号eのうちの最新のパルスを検出してから予め定められた第1時間Td1内に次のパルスを検出しなかった場合に、第2のレベルHから第1のレベルLへ遷移(第2遷移)するような信号fとして復号するよう構成されている。
【0031】
より詳しくは、デコード回路13Aは、受信パルス信号eのパルスが入力されると第1時間Td1の幅を有するパルスを出力する信号保持回路19を含んでいる。具体的には、信号保持回路19には、パルスを検出した場合に第1のレベルLとは異なる(第1のレベルLより電圧の高い)第2のレベルHである出力信号を出力する第1ラッチ回路14が設けられている。また、信号保持回路19には、第1ラッチ回路14の出力信号fが第2のレベルHとなることにより充電が開始され、充電開始から第1時間Td1経過後に充電電圧V1がしきい値電圧Vth1となる第1時間設定回路15が設けられている。さらに、信号保持回路19には、第1時間設定回路15における充電電圧V1がしきい値電圧V1を超えた場合に、第1ラッチ回路14をリセットし、第1ラッチ回路14の出力信号fを第1のレベルLに遷移させる第1スイッチング回路16が設けられている。
【0032】
本実施形態において、第1ラッチ回路14は、リセット端子Rを有するDフリップフロップ回路が用いられる。Dフリップフロップ回路の入力端子Dには、Hレベルが常時入力され、クロック入力端子Cには、絶縁通信ユニット3が接続され、送信ユニット1から送信された送信パルス信号dに基づく受信パルス信号eのパルスが入力される。出力端子Qには、第1時間設定回路15が接続されている。リセット端子Rには、第1スイッチング回路16が接続されている。本実施形態においては出力端子Qから出力される出力信号fが受信ユニット2の出力信号Outとなる。
【0033】
本実施形態において、第1スイッチング回路16は、FET等のスイッチング素子で構成されている。FETの主端子の何れか一方(例えばドレイン端子)には、第1ラッチ回路14のリセット端子Rが接続され、FETの主端子の何れか他方(例えばソース端子)は、接地されている。また、FETの制御端子(ゲート端子)には、絶縁通信ユニット3が接続され、送信ユニット1からのパルスが入力される。また、第1時間設定回路15は、一端が第1ラッチ回路14の出力端子Qに接続された抵抗17と当該抵抗17に直列に接続されたキャパシタ18とを備えている。キャパシタ18の一端は、第1スイッチング回路16の主端子の一方(第1ラッチ回路14のリセット端子R)に接続され、他端は、接地されている。第1時間設定回路15の充電電圧は、キャパシタ18の電圧V1であり、第1ラッチ回路14のリセット端子の電圧となる。
【0034】
第1時間設定回路15において、第1時間Td1は、抵抗17とキャパシタ18との時定数により設定される。第1時間Td1は、送信ユニット1のクロック信号生成回路8で生成されるクロック信号Clkの周期より長いように構成される。すなわち、クロック信号生成回路8で生成されるクロック信号Clkの周期は、第1時間Td1より短いように構成される。具体的には例えば第1時間Td1がクロック信号Clkの周期の2倍以上の長さを有する(すなわち第1時間Td1の間にクロック信号Clkに対応するパルスが少なくとも1以上生じ得る)ようにクロック信号Clk又は第1時間設定回路15の時定数が設定される。ここで、キャパシタ18を第1時間Td1だけ充電したときの充電電圧V1が第1ラッチ回路14のリセット端子Rの電圧レベルがLレベルからHレベルへと遷移する電圧Vth1となるように、抵抗17とキャパシタ18との時定数が設定されている。
【0035】
なお、受信ユニット2が受信した受信パルス信号eのうちの最初のパルスとは、デジタル入力信号Inにおける第1のレベルLから第2のレベルHへの第1遷移(立ち上がり)に対応する第1パルス(言い換えると、デジタル入力信号Inの周期毎に生成される送信パルス信号dの最初のパルス)を意味するものであり、受信パルス信号eのうちの最新のパルスとは、デコード回路13Aで検出される受信パルス信号eの各パルスを意味する。
【0036】
このような構成において、受信ユニット2は、受信パルス信号eのパルスが検出されてから第1時間Td1内に次のパルスが検出されるか否かに応じて、デジタル入力信号Inにおいて第2のレベルHが継続しているか否かを判別する。すなわち、最新のパルスを検出してから第1時間Td1内に次のパルスが検出される間は第2のレベルHが保持されるようにデジタル入力信号Inに対応するパルスが出力信号Outとして復号される。
【0037】
より詳しく説明すると、送信ユニット1から送信パルス信号dが送信されることにより、受信ユニット2が当該送信パルス信号dに基づく受信パルス信号eを受信する。受信ユニット2が受信パルス信号eの最初のパルスを検出すると、第1スイッチング回路16がONされることにより、第1ラッチ回路14のリセット端子Rが接地されてLレベルとなり、リセットが解除されるとともに、第1ラッチ回路14のクロック入力端子Cに第2のレベルHが入力されるため、第1ラッチ回路14の出力端子Qは、第2のレベルHを出力する(すなわち、第1遷移が復号される)。第1ラッチ回路14の出力端子QがHレベルとなることにより、第1時間設定回路15のキャパシタ18への充電が開始される。
【0038】
キャパシタ18への充電開始後、第1時間Td1が経過するまでに新たなパルスを受信ユニット2が受信した場合、再び第1スイッチング回路16がONされるため、第1ラッチ回路14の出力端子QがHレベルを保持した状態で第1時間設定回路15のキャパシタ18が放電され、充電時間がリセットされる(充電電圧V1が接地電圧となる)。一方、充電開始後、第1時間Td1が経過するまでに新たなパルスを受信ユニット2が受信しなかった場合、第1時間設定回路15の充電電圧V1がしきい値電圧Vth1となる。このとき、第1ラッチ回路14のリセット端子の電圧レベルがHレベルとなるため、第1ラッチ回路14がリセットされ、第1ラッチ回路14の出力端子Qが第1のレベルLを出力する(すなわち、第2遷移が復号される)。
【0039】
このような構成を有することにより、パルス間隔が第1時間Td1内となる継続したパルスを受信ユニット2が検出し続けている限り、その期間の幅を有する信号f(すなわち、出力信号Out)が得られる。従って、仮に受信ユニット2で検出される送信パルス信号dに基づく受信パルス信号eにパルスの欠けが生じても、デジタル入力信号Inにおける第2のレベルHを容易且つ高精度に復号化することができる。
【0040】
例えば、図2に示されるように、受信ユニット2が受信した受信パルス信号eにおいて、パルスの欠け(図2において破線で囲まれた部分)が生じた場合であっても、第1時間Td1以内にその次のパルスが検出できれば、第1ラッチ回路14の出力端子Qは第2のレベルHが保持される。従って、誤りを生じることなく復号化することができる。これにより、伝送エラーによりシステムが故障することを防止することができ、システムの安全性を高めることができる。
【0041】
なお、デジタル入力信号Inに対して復号された出力信号Outは、第2のレベルHが第1時間Td1だけ長い信号となるが、受信ユニット2に接続される装置(例えば駆動装置等)におけるスイッチング回路等の出力信号Outに基づく切り替えタイミングに第1時間Td1分の時間的なマージンを設けることにより適正な制御を行うことができる。
【0042】
以上のように、仮に送信された送信パルス信号dのうちいずれかのパルスが外乱等の影響により受信ユニット2で検出されなかったり、送信されたパルス信号には存在しないパルスが受信ユニット2で検出されたりしても、受信ユニット2において複合されるべきデジタル入力信号Inが何れのレベルにあるのかを容易に判定することができるため、受信ユニット2においてデジタル入力信号Inを出力信号Outとして高精度に復号することができる。従って、簡単な構成で、高精度な絶縁通信を行うことができる。
【0043】
<第2実施形態>
続いて、本発明の第2実施形態における絶縁通信システムについて説明する。図3は本発明の第2実施形態における絶縁通信システムの概略構成を示す回路図である。また、図4は図3に示される絶縁通信システムの各部における信号波形を示すグラフである。本実施形態において第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0044】
図3及び図4に示されるように、本実施形態における絶縁通信システムが第1実施形態と異なる点は、受信ユニット2が、受信した受信パルス信号eを、受信パルス信号eのうちの最初のパルスを検出したときから予め定められた第2時間Td2後に第1のレベルLから第2のレベルHへ遷移(第1遷移)するような信号として復号するよう構成されることである。
【0045】
具体的には、図3に示されるように、デコード回路13Bが、信号保持回路19に加えて、信号保持回路19の出力信号fの第1のレベルLから第2のレベルHへの遷移を第2時間Td2だけ遅延させる第1遷移遅延回路20を含んでいる。第1遷移遅延回路20には、信号保持回路19の出力信号が第2のレベルとなることにより充電が開始され、充電開始から第2時間Td2経過後に充電電圧V2がしきい値電圧Vth2となる第2時間設定回路21が設けられている。また、第1遷移遅延回路20には、第2時間設定回路21における充電電圧V2がしきい値電圧V2を超えた場合に、第1のレベルLとは異なる(第1のレベルLより電圧の高い)第2のレベルHである出力信号gを出力する第2ラッチ回路22が設けられている。さらに、第1遷移遅延回路20には、第2ラッチ回路22の出力信号g及び第1ラッチ回路14の出力信号fがともに第2のレベルHのときにのみ出力信号Outを第2のレベルHとする出力回路23と、出力信号Outが第2のレベルHとなることにより第2時間設定回路21を放電させる第2スイッチング回路24と、第1ラッチ回路14の出力信号fが第1のレベルLとなることにより第2ラッチ回路22をリセットし、第2ラッチ回路22の出力信号gを第1のレベルLに遷移させるリセット回路25とが設けられている。
【0046】
本実施形態において、第2時間設定回路21は、一端が第1ラッチ回路14の出力端子Qに接続された抵抗26と一端が当該抵抗26に直列に接続されたキャパシタ27とを備えている。キャパシタ27の他端は、接地されている。
【0047】
本実施形態において、第2ラッチ回路22は、リセット端子Rを有するDフリップフロップ回路が用いられる。Dフリップフロップ回路の入力端子Dには、Hレベルが常時入力され、クロック入力端子Cには、第2時間設定回路21のキャパシタ27の一端が接続される。出力端子Qは、出力回路23の入力に接続されている。リセット端子Rには、リセット回路25が接続されている。第2時間設定回路21の充電電圧V2は、キャパシタ27の電圧V2であり、第2ラッチ回路22のクロック入力端子Cの電圧となる。
【0048】
また、出力回路23は、第1ラッチ回路14の出力信号fと第2ラッチ回路22の出力信号gとがそれぞれ入力されるAND回路で構成され、その出力が受信ユニット2の出力信号Outとなる。また、リセット回路25は、第1ラッチ回路14の出力信号fを反転させるインバータであり、出力が第2ラッチ回路22のリセット端子Rに入力される。
【0049】
また、第2スイッチング回路24は、FET等のスイッチング素子で構成されている。FETの主端子の何れか一方(例えばドレイン端子)には、第2時間設定回路21のキャパシタ27の一端(第2ラッチ回路22のクロック入力端子C)が接続され、FETの主端子の何れか他方(例えばソース端子)は、接地されている。また、FETの制御端子(ゲート端子)は、出力回路23の出力側に接続され、出力信号Outが入力される。
【0050】
第2時間設定回路21において、第2時間Td2は、抵抗26とキャパシタ27との時定数により設定される。ここで、キャパシタ27を第2時間Td2だけ充電したときの充電電圧V2が第2ラッチ回路22のクロック入力端子Cの電圧レベルがLレベルからHレベルへと遷移する電圧Vth2となるように、抵抗26とキャパシタ27との時定数が設定されている。
【0051】
このような構成において、送信ユニット1から送信パルス信号dが送信されることにより、受信ユニット2が当該送信パルスdに基づく受信パルス信号eを受信する。受信ユニット2が受信した受信パルス信号eの最初のパルスを検出すると、第1実施形態と同様に、第1ラッチ回路14の出力端子Qは、第2のレベルHを出力する。第1ラッチ回路14の出力端子QがHレベルとなることにより、第1時間設定回路15のキャパシタ18への充電が開始されるとともに、第2時間設定回路21のキャパシタ27への充電も開始される。また、リセット回路25により第2ラッチ回路22のリセット端子Rの電圧レベルがLレベルとなるため、第2ラッチ回路22のリセットが解除され、第2ラッチ回路22がクロック入力端子Cの入力待ち状態となる。このとき、第2ラッチ回路22の出力端子Qからの出力信号gは第1のレベルLであるため、第1ラッチ回路14の出力端子Qからの出力信号fが第2のレベルHとなっても出力回路23の出力は第1のレベルLを保持する。
【0052】
キャパシタ27への充電開始後、第2時間Td2が経過すると、第2時間設定回路21の充電電圧V2がしきい値電圧Vth2となり、第2ラッチ回路22のクロック入力端子CがHレベルとなる。これにより、第2ラッチ回路22の出力端子Qの出力信号gが第2のレベルHとなる(出力回路23に入力される信号が両方とも第2のレベルHとなる)ため、出力回路23の出力信号Outも第2のレベルHとなる(すなわち第1遷移が復号される)。このとき、第2スイッチング回路24がONされるため、第2時間設定回路21のキャパシタ27が放電され、充電時間がリセットされる(充電電圧V2が接地電圧となる)。
【0053】
その後、第1実施形態と同様に、第1ラッチ回路の出力端子Qが第2のレベルHから第1のレベルLへ遷移すると、出力回路23の出力信号Outも第1のレベルLへ遷移(第2遷移)する。このとき、第2リセット回路25により第2ラッチ回路22のリセット端子RがHレベルとなるため、第2リセット回路25がリセットされ、第2ラッチ回路22の出力端子Qが第1のレベルLを出力する。
【0054】
以上のような構成によれば、図4に示すように、第1のレベルLから第2のレベルHへの第1遷移を復号する際に時間の遅延を生じさせることにより、信号保持回路19において第2のレベルHから第1のレベルLへの第2遷移を復号する際に生じる第1時間Td1分の信号の遅延によって復号された出力信号Outの第2のレベルHとなっている期間が絶縁通信前のデジタル入力信号Inより長くなることを防止することができ、デジタル入力信号Inを出力信号Outとしてより高精度に復号することができる。
【0055】
ここで、第2時間Td2が第1時間Td1と等しい時間となるように、第2時間設定回路21の抵抗26及びキャパシタ27の時定数が設定されてもよい。
【0056】
この場合、第1時間Td1が第2時間Td2と等しくなることにより、デジタル入力信号Inにおいて第2のレベルHとなっている期間を復号後の出力信号Outにおいても略変化しないようにすることができる。
【0057】
このように、デジタル入力信号Inの第1遷移に対して出力信号Outを第2時間Td2だけ遅延させて復号させることにより、受信ユニット2に接続される装置(例えば駆動装置等)におけるスイッチング回路等の出力信号Outに基づく切り替えタイミングに設けられた時間的なマージンをより少なくすることができ、より迅速な制御を行うことができる。
【0058】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更、修正が可能である。
【0059】
例えば、複数の上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせることとしてもよい。また、第1のレベルが第2のレベルより高い電圧(すなわち、第1のレベルがHレベル且つ第2のレベルがLレベル)としてもよい。さらに、上記実施形態においてはデジタル入力信号Inの第1のレベルLが出力信号Outの第1のレベルLに対応し、デジタル入力信号Inの第2のレベルHが出力信号Outの第2のレベルHに対応して復号される構成について説明したが、デジタル入力信号Inの第1のレベルLに出力信号Outの第2のレベルHが対応し、デジタル入力信号Inの第2のレベルHに出力信号Outの第1のレベルLが対応して復号されるように各回路が構成されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明の絶縁通信システム、送信ユニット及び受信ユニットは、簡単な構成で、高精度な絶縁通信を行うために有用である。
【符号の説明】
【0061】
1 送信ユニット
2 受信ユニット
3 絶縁通信ユニット
4 エンコード回路
5 送信パルス信号生成回路
6 エッジパルス生成回路
7 クロックパルス生成回路
8 クロック信号生成回路
9 クロック信号取り出し回路
10 足し合わせ回路
11 絶縁通信ユニットの送信部
12 絶縁通信ユニットの受信部
13A,13B デコード回路
14 第1ラッチ回路
15 第1時間設定回路
16 第1スイッチング回路
17 第1時間設定回路の抵抗
18 第1時間設定回路のキャパシタ
19 信号保持回路
20 第1遷移遅延回路
21 第2時間設定回路
22 第2ラッチ回路
23 出力回路
24 第2スイッチング回路
25 リセット回路
26 第2時間設定回路の抵抗
27 第2時間設定回路のキャパシタ
Clk クロック信号
In デジタル入力信号
Out 出力信号
Td1 第1時間
Td2 第2時間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信ユニットと、当該送信ユニットとは絶縁された受信ユニットと、前記送信ユニットと前記受信ユニットとの間を絶縁し且つ両者間の信号を伝達する絶縁通信ユニットとを含み、第1のレベルと当該第1のレベルとは異なる第2のレベルとの間で状態遷移するデジタル入力信号を前記送信ユニットから前記絶縁通信ユニットを介して前記受信ユニットに送信する絶縁通信システムであって、
前記送信ユニットは、
前記デジタル入力信号の前記第1のレベルから前記第2のレベルへの遷移を検出して対応する第1パルスを生成し、前記デジタル入力信号の前記第2のレベルから前記第1のレベルへの遷移を検出して対応する第2パルスを生成するエッジパルス生成回路と、
前記デジタル入力信号が前記第2のレベルである間、予め定められた周期のクロック信号に対応するパルスを生成し、前記エッジパルス生成回路で生成された前記第1パルス及び前記第2パルスと足し合わせることにより、前記エッジパルス生成回路で生成された前記第1パルスと前記第2パルスとの間に複数の前記クロック信号に対応するパルスが存在する送信パルス信号を生成する送信パルス信号生成回路とを含み、
前記受信ユニットは、前記送信ユニットから前記絶縁通信ユニットを介して受信した送信パルス信号に基づく受信パルス信号を、前記受信パルス信号のうちの最初のパルスを検出した場合に、前記第1のレベルから前記第2のレベルへ遷移し、前記受信パルス信号のうちの最新のパルスを検出してから予め定められた第1時間内に次のパルスを検出しなかった場合に、前記第2のレベルから前記第1のレベルへ遷移するような信号として復号する、絶縁通信システム。
【請求項2】
前記受信ユニットは、前記受信パルス信号を、前記受信パルス信号のうちの最初のパルスを検出したときから予め定められた第2時間後に前記第1のレベルから前記第2のレベルへ遷移するような信号として復号する、請求項1に記載の絶縁通信システム。
【請求項3】
前記第2時間は、前記第1時間と等しい時間である、請求項2に記載の絶縁通信システム。
【請求項4】
前記受信ユニットは、前記受信パルス信号のパルスが入力されると前記第1時間の幅を有するパルスを出力する信号保持回路を含み、前記クロック信号の周期は、前記第1時間より短いように構成される、請求項1に記載の絶縁通信システム。
【請求項5】
第1のレベルと当該第1のレベルとは異なる第2のレベルとの間で状態遷移するデジタル入力信号を、送信ユニットと受信ユニットとの間を絶縁し且つ両者間の信号を伝達する絶縁通信ユニットを介して、前記送信ユニットから前記受信ユニットへ送信する絶縁通信システムに適用される送信ユニットであって、
前記デジタル入力信号の前記第1のレベルから前記第2のレベルへの遷移を検出して対応する第1パルスを生成し、前記デジタル入力信号の前記第2のレベルから前記第1のレベルへの遷移を検出して対応する第2パルスを生成するエッジパルス生成回路と、
前記デジタル入力信号が前記第2のレベルである間、予め定められた周期のクロック信号に対応するパルスを生成することにより、前記エッジパルス生成回路で生成された前記第1パルスと前記第2パルスとの間に複数の前記クロック信号に対応するパルスが存在する送信パルス信号を生成する送信パルス信号生成回路とを含む、送信ユニット。
【請求項6】
第1のレベルと当該第1のレベルとは異なる第2のレベルとの間で状態遷移するデジタル入力信号を、送信ユニットと受信ユニットとの間を絶縁し且つ両者間の信号を伝達する絶縁通信ユニットを介して送信する絶縁通信システムに適用される受信ユニットであって、
前記送信ユニットが送信した送信パルス信号に基づく受信パルス信号を前記絶縁通信ユニットを介して受信し、前記受信パルス信号を、前記受信パルス信号のうちの最初のパルスを検出した場合に、前記第1のレベルから前記第2のレベルへ遷移し、前記受信パルス信号のうちの最新のパルスを検出してから予め定められた第1時間内に次のパルスを検出しなかった場合に、前記第2のレベルから前記第1のレベルへ遷移するような信号として復号する、受信ユニット。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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