説明

継手構造

【課題】簡易な構造により連結部における軸方向の引張力に対応し、セグメント同士の目開きや目違い等への対応を可能とした継手構造を提供する。
【解決手段】一方のセグメント2に埋設された筒状部材である雌部材10に、軸部21とこの軸部21の基端部にフランジ状に形成された基部22とからなり、他方のセグメント3において一部が突出した状態で埋設される雄部材20を挿入嵌合することによりセグメント同士を連結する継手構造1であって、雄部材20は、軸部21の周囲に形成される一般部31とこの一般部31の基端部において内径を拡径することにより形成される拡幅部32とからなるハウジング30に、基部21の端面22aが拡幅部32の底面32aに当接するとともに、基部22の係止面22bと拡幅部32の係止面32bとの間に隙間Sが形成された状態で内装されて、さらに、この隙間Sには弾性部材40が介在されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造体同士を連結する継手構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、セグメント同士の連結は、ボルト継手により行われていた。このボルト継手によるセグメント同士の連結では、弾性ワッシャを使用することにより、地震時や不等沈下等(以下、単に「地震時等」と言う場合がある)に伴い発生するセグメント同士の軸方向のズレ(目開きや目違い等)に対応していた。ところが、ボルト継手は、セグメントとは別にボルト等の輸送が必要となることや、これらのボルト等の管理や締め付けに手間がかかることにより、施工性にかけるという問題点を有していた。
【0003】
一方、ボルトの締め付け作業等の手間を省略して、トンネル施工の高速化を図ることを目的として、ボルトの締め付けの手間を省いたボルトレス継手が多数開発されて、実用化に至っている。このボルトレス継手は、既設のセグメントの後方に新設のセグメントを連結する際に、一方のセグメントから突出するように形成された雄部材を他方のセグメントに形成された雌部材に挿入することで、雄部材と雌部材との摩擦抵抗や圧縮力等により連結するものである。ところが、このボルトレス継手は、地震時等に発生する軸方向の引き抜き力に対して十分に対応したものではなく、セグメントの接合部の目開きや目違い等に対応できないという問題点を有していた。
【0004】
そのため、本出願人は、施工時の手間を省略することを可能とするとともに、セグメント接合部における目開きや目違い等に対応可能な継手構造を開発し、実用化に至っている(特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1に記載の継手構造101は、図7に示すように、一方のセグメント102に形成された筒状部材である雌部材110に、他方のセグメント103の端面から突出するように形成された雄部材120を挿入嵌合するものである。
この雄部材120は、他方のセグメント103に埋設される筒状部材である外筒部材131と、基部が外筒部材131に縁切りされた状態で内装され、挿入部が外筒部材131から突出している筒状部材であるプラグ部材121と、プラグ部材121を長軸方向に貫通しており、プラグ部材121の挿入部及び外筒部材131に定着されている伸長部材122と、この伸長部材122を定着させるために外筒部材131の基部側の端部に設けられた定着部材132と、定着部材132のプラグ部材121と反対側に円筒カバー133を設けることにより空間を形成し、この空間において伸長部材122に固定された弾性部材140と、を有している。プラグ部材121の挿入部は、雌部材110の内部に圧着可能に形成されている。なお、図面において、符号123は、伸長部材122をプラグ部材121の先端及び定着部材132に定着するナットである。また、符号124は、プラグ部材121の内部に充填される充填材である。
【0006】
【特許文献1】特開2004−360445号公報([0029]−[0031]、図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記従来の継手構造101は、地震時等において、セグメントの目開きや目違い等が発生した際に、プラグ部材121の挿入部は雌部材110の内部に固定された状態で、外筒部材131の内部を摺動し、プラグ部材121の端面が定着部材132から離間すると同時に、伸長部材122が伸びて弾性部材140が圧縮される。その後、伸長部材122の復元力と弾性部材140の復元力とにより、セグメントのズレを収縮させることを可能としている。ところが、弾性部材140の配置にともない、定着部材132の背面には空間が形成されるため、雄部材120の雌部材110への挿入時に作用する反力の一部は、プラグ部材121を介して定着部材132により受け持つ。そのため、定着部材132は、この反力に十分耐え得る強度を有している必要があり、部材厚を大きくする必要がある場合があった。また、接合時のズレなどにより、想定外の応力が発生した場合には、定着部材132が変形する可能性があるという問題点を有していた。さらに、継手構造101は、複雑な構成なため、材料費等が比較的高価になる場合があった。
また、雄部材120の雌部材110への挿入時に作用する反力の一部は、伸長部材122を介して円筒カバー133に集中荷重として作用する。そのため、円筒カバー133またはセグメント103の強度を、この伸長部材122の先端から伝達される集中荷重を踏まえて設定することで、過大となる場合があった。
【0008】
本発明は、前記の問題点を解決するためになされたものであり、簡易な構造により連結部における軸方向の引張力に対応し、セグメント同士の目開きや目違い等への対応を可能とした継手構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、一方のセグメントに埋設された筒状部材である雌部材と、他方のセグメントにおいて一部が突出した状態で埋設される雄部材と、前記他方のセグメントに形成されて、前記雄部材を内装するハウジングと、前記ハウジング内において、該ハウジングと前記雄部材との間に介在される弾性部材と、からなり、前記雄部材の突出部分を前記雌部材に挿入嵌合することにより前記セグメント同士を連結する継手構造であって、前記雄部材は、軸部と該軸部の基端部にフランジ状に形成された基部とからなり、前記ハウジングは、前記軸部の周囲に形成される一般部と、前記一般部の基端部において該一般部の内径を拡径することにより形成される拡幅部とからなり、前記基部の端面が前記拡幅部の底面に当接するとともに、前記基部の前記軸部側の面と前記拡幅部の一般部側内壁面との間に隙間が形成された状態で前記雄部材が前記ハウジングに内装されており、前記弾性部材が該隙間に介在されていることを特徴としている。
【0010】
かかる継手構造は、セグメントに形成されたハウジングの内壁面に基部の端面が当接しているため、押し込み時の反力をセグメント本体により受け持つことを可能としている。そのため、継手構造(ハウジング)を構成する部材として必要以上に高強度な材料を使用する必要がなく、簡易かつ安価に構成することが可能となる。
また、雄部材の基部がフランジ状に形成されていることにより、押し込み時の反力は、拡径(拡大)された基部の面積により分散された状態でセグメント本体に伝達されるため、セグメント本体への負担が小さい。
【0011】
また、基部の軸部側の面とハウジングの拡幅部の一般部側の内壁面との間には隙間が形成されているため、セグメント同士の連結部においてズレ(目開きや目違い等)が発生した際には、基部が拡幅部の一般部側の内壁面に向かって相対移動し、ズレを吸収することが可能なる。そのため、継手構造への負担が小さく、好適である。
【0012】
さらに、基部が相対移動すると、隙間に介在された弾性部材が圧縮される。そして、地震時等において発生したセグメント同士のズレを弾性部材の復元力によって収縮する。したがって、セグメント同士の連結部において、地震時等によってズレが生じることがなく、高品質な連結構造が維持される。ここで、本明細書における弾性部材とは、圧縮変形した後に反発力(復元力)によりセグメント同士のズレを収縮する機能を有する部材をいう。
【0013】
また、本明細書においてセグメントとは、シールド工法やトンネルボーリングマシン(TBM)工法等においてトンネル覆工として使用される部材に限定するものではなく、推進工法における推進管や連続的に配置されるボックスカルバート等、あらゆる連続的に地中に配置されるトンネル覆工部材を含むものとする。
【0014】
また、軸部の外径とは、軸部の断面形状が円形以外の場合は、軸部の断面に対する幅を示すものとし、同様に、ハウジングの内径も、ハウジングの断面形状が円形以外の場合は、その断面に対する幅を示すものとする。この軸部(ハウジング)の断面に対する幅は、定着部材の形状が矩形、多角形であれば対角線長、円形であれば直径、楕円形であれば長辺長に統一するものとする
【0015】
また、請求項2に記載の発明は、一方のセグメントに埋設された筒状部材である雌部材と、他方のセグメントにおいて一部が突出した状態で埋設される雄部材と、前記一方のセグメントに形成されて、前記雌部材を内装するハウジングと、前記ハウジング内において、該ハウジングと前記雌部材との間に介在される弾性部材と、からなり、前記雄部材の突出部分を前記雌部材に挿入嵌合することにより前記セグメント同士を連結する継手構造であって、前記雌部材は、本体部と該本体部の基端部にフランジ状に形成された基部とからなり、前記ハウジングは、前記本体部の周囲に形成される一般部と、前記一般部の基端部において該一般部の内径を拡径することにより形成される拡幅部とからなり、前記基部の端面が前記拡幅部の底面に当接するとともに、前記基部の前記本体部側の面と前記拡幅部の一般部側内壁面との間に隙間が形成された状態で前記雌部材が前記ハウジングに内装されており、前記弾性部材が該隙間に介在されていることを特徴としている。
かかる継手構造により、請求項1に記載の継手構造と同様の効果を得ることが可能である。
【0016】
なお、前記継手構造において、弾性部材として、高弾性の金属、高密度ポリエチレン、硬質ゴムまたはFRP樹脂等を使用すれば、優れた弾性力によりセグメントの接合部に生じるズレ等を収縮するため、好適である。
【0017】
また、前記継手構造において、前記雌部材の内径が、前記軸部材の外径よりもわずかに小さく形成されていれば、雄部材を雌部材により圧着することが可能となり、雄部材の抜け出しが防止されて、好適である。
【0018】
また、前記継手構造において、前記筒状部材の外周面に、緩衝材が巻き付けられていれば、雄部材の雌部材への挿入時の雌部材の膨張を吸収することが可能となり、好適である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の継手構造によれば、簡易な構造により連結部における軸方向の引張力に対応し、セグメント同士のズレへの対応を可能とした継手構造を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、説明において、同一要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。
ここで、図1は、第1の実施の形態に係る継手構造を示す断面図である。また、図2は、第1の実施の形態に係る継手構造の連結前の状態を示す断面図である。また、図3は、第1の実施の形態に係る継手構造において、セグメントに軸方向の引張力が作用した際に状況を示す断面図である。また、図4は、第2の実施の形態を示す断面図である。また、図5は、第3の実施の形態を示す断面図である。さらに、図6は、第4の実施の形態を示す断面図である。
【0021】
<第1の実施の形態>
第1の実施の形態では、図1に示すように、シールドトンネル施工において、2体のセグメント2,3(一方のセグメント2および他方のセグメント3)を連結する際に、本発明に係る継手構造を適用する場合について説明する。なお、本発明に係る継手構造が使用可能なセグメントは、シールドトンネルのセグメントに限定されるものではなく、例えば、TBM(トンネルボーリングマシン)施工におけるセグメントにも使用可能である。
【0022】
継手構造1は、図1に示すように、一方のセグメント2に埋設された筒状部材である雌部材と、他方のセグメント3において一部が突出した状態で埋設される雄部材20と、他方のセグメント3に埋設(形成)されて、雄部材20を摺動可能に内装するハウジング30と、ハウジング30の内部において、ハウジング30と雄部材20との間に介在される弾性部材40と、からなり、雄部材20の突出部分を雌部材10に挿入することにより雌部材10と雄部材20とが嵌合(挿入嵌合)して、一方のセグメント2と他方のセグメント3とを連結している。
【0023】
継手構造1の設置箇所や設置数は、セグメント2,3の断面形状や想定されるトンネルに作用する応力等に応じて適宜設定すればよい。
【0024】
雌部材10は、図1および図2に示すように、一方のセグメント2の端部において、その他方のセグメント3側(図1において左側)が開口するように配置された有底の筒状部材である本体部11を主体として構成されている。雌部材10を構成する材料は限定されるものではないが、摩擦抵抗力と圧縮力とにより、雄部材20を挿入した状態で嵌合(挿入嵌合)することが可能なものであればよい。また、雌部材を構成する筒状部材は必ずしも有底である必要はない。
【0025】
雌部材10は、図1に示すように、本体部11と、本体部11の他方のセグメント3と反対側の端部(図1において右側の端部)にフランジ状に形成された基部12と、から構成されており、一方のセグメント2からの抜け出しが防止されている。また、図2に示すように、本体部11の内径D1は、雄部材20の軸部21の外径D2よりもわずかに小さく形成されている。さらに、本体部11の外周面には、軸部21の挿入部分に対応する箇所に緩衝材13が巻き付けられており、軸部21の挿入に伴い、本体部11の拡幅が可能に構成されている。
なお、緩衝材13を構成する材料は限定されるものではないが、第1の実施の形態では、高密度ポリエチレンまたはFRP樹脂等を使用するものとする。また、雄部材20とより強固に嵌合させることを目的として、本体部11の内周面に凹凸を形成するなど、滑り止め加工を施してもよい。また、雌部材10のセグメント(一方のセグメント2)からの抜け出しの防止を目的として、基部12の形成の代わりに、雌部材10の外周面に凹凸面を形成したり、アンカー部材等を設置してもよい。
【0026】
第1の実施の形態では、雌部材10を、トンネル軸方向と平行をなすように配置するものとするが、雌部材10の配置方向は、セグメント同士(一方のセグメント2と他方のセグメント3)の連結時の押し込み方向に応じて適宜設定すればよいことはいうまでもない。
【0027】
雄部材20は、鋼製部材からなり、軸部21とこの軸部21の基端部(図1において左側端部)にフランジ状に形成された基部22とから構成されている。第1の実施の形態では、雄部材20を、軸部21がトンネル軸方向と平行をなすように配置するものとするが、雄部材20の方向は、セグメント同士(一方のセグメント2と他方のセグメント3)の連結時の押し込み方向に応じて適宜設定すればよいことはいうまでもない。
ここで、雄部材20を構成する材料や構造は限定されないことはいうまでもなく、例えば、鋼製の中空部材の内部にコンクリートを充填することにより構成してもよい。
【0028】
軸部21は、断面円形の棒状に形成されており、基部22は、軸部21を構成する棒状部材の基端部を拡径することにより形成されており、この基部22の幅(外径)は、ハウジング30の一般部31の内径よりも大きい。なお、基部22の形成方法は限定されるものではなく、例えば、軸部の端部を熱して軟化させた状態で軸方向に圧縮力を加えることにより拡径する方法や、軸部21よりも大きな幅を有した板状部材を溶接等により一体に接合することにより行ってもよい。また、雄部材20を構成する部材は鋼製の棒状部材に限定されるものではなく、例えば、円筒状部材により構成してもよい。さらに、軸部21の断面形状が円形に限定されないことはいうまでもなく、例えば、四角形やその他の多角形に形成されていてもよい。また、雌部材10との嵌合性を高めることを目的として、軸部21の外周面に凹凸が形成するなどの、滑り止め加工を施していてもよい。さらに、基部22の形状も、ハウジング30の拡幅部32に係止可能な係止面22bが形成されていれば限定されるものではなく、円形、矩形、十字状に形成されているなど、適宜設定すればよい。
【0029】
軸部21は、図2に示すように、その略中央から先端側が、他方のセグメント3から突出しており、略中央から基端部側が、ハウジング30に内装(収容)されている。そして、軸部21の外径(幅)D2は、雌部材10の内径(幅)D1よりもわずかに大きく形成されている。なお、軸部21の外径D2と雌部材10の内径D1との関係は、地震時等において継手構造1に作用する引き抜き力により抜け出す事がないように、外径D2が内径D1と同等以上となるように適宜設定すればよい。つまり、本体部11と軸部21との摩擦抵抗力が、軸部21と一般部31との摩擦抵抗力および弾性部材40の圧縮抵抗力の合計よりも大きくなるように設定されていればよい。
【0030】
基部22は、その端面22aが拡幅部32の底面32aに当接するとともに、係止面(軸部側の面)22bと拡幅部32の係止面32b(一般部側内壁面)との間に隙間Sが形成された状態で、ハウジング30の拡幅部32に内装(収容)されている。
【0031】
ハウジング30は、図1に示すように、軸部21の外径と同程度の内径の筒状部材からなる一般部31と、一般部31の基端部(図1における左側端部)において一般部31の内径を拡径するように形成された箱状部材からなる拡幅部32と、を一体に接合することにより構成されている。そして、この一般部31と拡幅部32を、他方のセグメント3に、他方のセグメント3の端面において一般部31が開口するように、埋設することでハウジング30が形成されている。
【0032】
ハウジング30(一般部31および拡幅部32)は、雄部材20との間に摩擦抵抗が少なく雄部材20を摺動可能に内装する。また、ハウジング30の周囲はコンクリートにより固められるため、ハウジング30を構成する材料そのものに強度が要求されるものではない。
なお、第1の実施の形態では、一般部31と拡幅部32とを、別部材により構成するものとしたが、一部材に加工を施すことにより構成してもよいことはいうまでもない。また、ハウジング30を構成する材料は限定されるものではなく、適宜、公知の材料から選定して使用すればよい。また、ハウジング30のセグメント(他方のセグメント3)からの抜け出しの防止を目的として、ハウジング30の外周面に凹凸面を形成したり、アンカー部材等を設置してもよい。
【0033】
ハウジング30は、図1に示すように、雄部材20の基部22の端面22aが、拡幅部32の底面32aに当接するとともに、基部22の係止面22bと拡幅部の係止面32bとの間に隙間Sが形成されるように、雄部材20を内装(収容)している。
【0034】
弾性部材40は、雄部材20の係止面22bとハウジング30の係止面32bとの間に形成された隙間Sに介在される高弾性の部材であって、銅等の金属、高密度ポリエチレン、硬質ゴムまたはFRP樹脂等により構成されている。
第1の実施の形態では、リング状の弾性部材40に雄部材20の軸部21を挿通させることで、係止面22bの表面に配置した後、雄部材20をハウジング30に内装させることにより、弾性部材40を隙間Sに配置する。なお、弾性部材40は、地震時等において生じるセグメント2,3同士の目開きにより圧縮変形した後、その復元力(反発力)によりセグメント2,3同士の目開きを収縮させることが可能な材料であれば、その材質や形状は限定されるものではない。
【0035】
弾性部材40は、その強度および弾性部材40の形状と隙間Sの形状との関係により形成される空隙と、想定されるL2地震時の引き抜き力とに相関を持たせることにより強度と形状(厚みや外径等)を設定する。
【0036】
第1の実施の形態に係る継手構造1に利用したセグメント2,3の連結は、図2に示すように、既設のセグメント(一方のセグメント)2に埋設された雌部材10の開口部から、新設するセグメント(他方のセグメント)3に突出した状態で埋設された雄部材20の突出部分を挿入することにより行う。なお、図面における符号50は、止水材である。
【0037】
この時、雌部材10の内径D1は、雄部材20(軸部21)の外径よりもわずかに小さく形成されているため、雄部材20は、雌部材10を押し広げながら挿入される。なお、雌部材10の周囲には、雄部材20に対応する箇所に緩衝材13が巻きつけられているため、雄部材20の挿入に伴う拡幅により、セグメント2に損傷が生じることがない。
【0038】
第1の実施の形態に係る継手構造1は、雌部材10の内径が、雄部材20(軸部21)の外径よりもわずかに小さく形成されているため、雄部材20を雌部材10に挿入することにより、強固に嵌合して、セグメント同士が目開きすることにより雄部材20が雌部材10から抜け出すことがない。
【0039】
そして、地震時等において、トンネル軸方向の引張力が作用すると、セグメント2,3に目開きが生じる。この時、雄部材20は、雌部材10と強固に嵌合しているため、雌部材10に収容された軸部21が引き抜かれる(他方のセグメント3方向にずれる)ことない。一方、軸部21のハウジング30に摺動可能に収容された部分は、図3に示すように、弾性部材40が圧縮されるとともに、基部22の端面22aと拡幅部32の底面32aとの間に隙間が形成された状態となる。
【0040】
この時、弾性部材40は、予め想定されるL2地震時の引き抜き力と相関を持たせてその形状と強度が設定されているため、一定量以上は変形せずに、弾性変形範囲内で変形する。
【0041】
図3に示すように、地震時の引き抜き力に対応した後、弾性部材40の反発力により、目開きMを収縮させる。
【0042】
第1の実施の形態に係る継手構造1によれば、雄部材20の端面22aが、他方のセグメント3に埋設されたハウジング30の底面32aに当接した状態で雄部材20が配置されているため、雌部材10への雄部材20の挿入嵌合時に生じる反力を、他方のセグメント3により受け持つことが可能となる。このため、ハウジング30の部材として高強度のものを使用する必要がなく、安価に構成することが可能である。つまり、応力は、他方のセグメント3に伝達されるため、ハウジング30は、強度が要求されることなく、雄部材20を摺動可能に内装するものであればよい。
【0043】
また、ハウジング30(拡幅部32)は、雄部材20の基部22を係止可能に形成されているため、雄部材20が抜け出すことがなく、セグメント2,3同士の連結を好適に行うことができる。
【0044】
<第2の実施の形態>
次に、図4を参照して、第2の実施の形態について、説明する。
第2の実施の形態に係る継手構造1’は、図4に示すように、弾性部材40として、バネ部材を使用する。
【0045】
バネ部材(弾性部材40)を構成する材料は限定されるものではないが、第2の実施の形態では、図4に示すように、皿ばね41を使用する。この皿ばね41は、雄部材20’の基部22’と、ハウジング30の反力板33との間に形成された空間に配置されている。
【0046】
第2の実施の形態に係る雄部材20’は、軸部21’が、円筒状の鋼管であるキャップ部材21aと、キャップ部材21aの内部に充填されている無収縮製のモルタル21bと、から構成されている。また、雄部材20’の基部22’は、キャップ部材21aの基端部に一体に固定されたワッシャにより構成されている。基部22’は、キャップ部材21aの外径よりも大きな外径(幅)を有しており、軸部21’の基端部にフランジ状に形成されている。なお、キャップ部材21aと基部22’との固定方法は限定されるものではなく、例えば、摩擦圧接や溶接など、適宜公知の手段により行えばよい。この他の雄部材20’の構成は、前記実施の形態で示した雄部材20の内容と同様なため、詳細な説明は省略する。また、基部22’はワッシャに限定されるものではなく、鋼板など、適宜公知の材料が適用可能である。
【0047】
第2の実施の形態に係るハウジング30は、塩化ビニルパイプやポリエチレンフォーム等により構成された一般部31と、一般部31の基端部(図4における左側端部)において一般部31の内径を拡径するように形成された箱状部材からなる拡幅部32と、を一体に接合することにより構成されている。拡幅部32は、断面視が雌部材側(図4における右側端部)が開口するコの字型の薄肉鋼板からなる箱部材34と、雄部材20’の軸部21’を挿通しつつ箱部材34の開口部を遮蔽するように形成された反力板33とから構成されている。この他のハウジング30の構成は、前記実施の形態で示したハウジング30の内容と同様なため、詳細な説明は省略する。なお、反力板33を構成する材料や部材厚等は、皿ばね41により作用する応力に対して十分な耐力を有したものであれば限定されるものではないが、第2の実施の形態では、鋼板により構成するものとする。
【0048】
また、第2の実施の形態に係る雌部材10の構成に関する事項は、前記実施の形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
【0049】
以上、第2の実施の形態に係る継手構造1’によっても、前記実施形態で示した作用効果と同様の作用効果を得ることが可能である。
【0050】
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態では、図5に示すように、2体のセグメント2,3(一方のセグメント2および他方のセグメント3)を連結する継手構造1について説明する。
【0051】
継手構造1は、図5に示すように、一方のセグメント2に埋設された筒状部材である雌部材10と、他方のセグメント3において一部が突出した状態で埋設される雄部材20と、一方のセグメント2に埋設(形成)されて、雌部材10を摺動可能に内装するハウジング30と、からなり、雄部材20の突出部分を雌部材10に挿入し、雌部材10に雄部材20を嵌合(挿入嵌合)することで、一方のセグメント2と他方のセグメント3とを連結している。なお、ハウジング30の内部において、ハウジング30と雌部材10との間には、弾性部材40が介在されている。
【0052】
継手構造1の設置箇所や設置数は、セグメント2,3の断面形状や想定されるトンネルに作用する応力等に応じて適宜設定すればよい。
【0053】
雌部材10は、図5に示すように、本体部11と、本体部11の他方のセグメント3と反対側の端部(図5において右側の端部)に形成された基部12と、から構成されている。本体部11は、一方のセグメント2の端部において、その他方のセグメント3側(図5において左側)が開口するように配置された有底の筒状部材からなる。雌部材10を構成する材料は限定されるものではないが、摩擦抵抗力と圧縮力とにより、雄部材20を挿入した状態で嵌合(挿入嵌合)することが可能なものであればよい。
【0054】
第3の実施の形態では、雌部材10を、トンネル軸方向と平行をなすように配置するものとするが、雌部材10の配置方向は、セグメント同士(一方のセグメント2と他方のセグメント3)の連結時の押し込み方向に応じて適宜設定すればよいことはいうまでもない。
【0055】
本体部11(雌部材10)を構成する筒状部材の内径は、雄部材20の軸部21の外径よりもわずかに小さく形成されている。基部12は、本体部11を構成する筒状部材の外径よりも大きな幅(外径)に形成されており、この基部12の幅(外径)は、ハウジング30の一般部31の内径よりも大きい。
なお、軸部21の外径D2と雌部材10の内径D1との関係は、地震時等において継手構造1に作用する引き抜き力により抜け出す事がないように、外径D2が内径D1と同等以上となるように、適宜設定すればよい。つまり、本体部11と軸部21との摩擦抵抗力が、軸部21と一般部31との摩擦抵抗力および弾性部材40の圧縮抵抗力の合計よりも大きくなるように設定されていればよい。
【0056】
基部12は、その端面12aが拡幅部32の底面32aに当接するとともに、係止面(軸部側の面)12bと拡幅部32の係止面32b(一般部側内壁面)との間に隙間Sが形成された状態で、ハウジング30の拡幅部32に内装(収容)されている。
【0057】
雄部材20は、鋼製部材からなり、軸部21とこの軸部21の基端部(図5において左側端部)にフランジ状に形成された基部22とから構成されている。雄部材20は、図5に示すように、その略中央から先端側が、他方のセグメント3から突出した状態で他方のセグメント3に埋設されている。
【0058】
基部22の形状は、雄部材20の抜け出しを防止することが可能であれば、限定されるものではない。また、雄部材20のセグメント(他方のセグメント3)からの抜け出しの防止を目的として、フランジ(基部22)の形成の代わりに、雄部材20の外周面に凹凸面を形成したり、アンカー部材等を設置してもよい。
【0059】
その他、雄部材20の構成に関する事項は、第1の実施の形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
【0060】
ハウジング30は、図5に示すように、雌部材10の本体部11の外径と同程度の内径の筒状部材からなる一般部31と、一般部31の基端部(図1における左側端部)において一般部31の内径を拡径するように形成された箱状部材からなる拡幅部32と、を一体に接合することにより構成されている。そして、この一般部31と拡幅部32を、一方のセグメント2の端面において一般部31が開口するように、一方のセグメント2に埋設することでハウジング30が形成されている。
【0061】
ハウジング30(一般部31および拡幅部32)は、雌部材10との間に摩擦抵抗が少なく雌部材10を摺動可能に内装する。また、ハウジング30の周囲はコンクリートにより固められるため、ハウジング30を構成する材料そのものに強度が要求されるものではない。
【0062】
ハウジング30は、図5に示すように、雌部材10の基部12の端面12aが、拡幅部32の底面32aに当接するとともに、基部12の係止面12bと拡幅部の係止面32bとの間に隙間Sが形成されるように、雌部材10を内装(収容)している。
【0063】
弾性部材40は、雌部材10の係止面12bとハウジング30の係止面32bとの間に形成された隙間Sに介在される高弾性の部材であって、銅等の金属、高密度ポリエチレン、硬質ゴムまたはFRP樹脂等により構成されている。
この他の弾性部材40に関する事項は、第1の実施の形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
【0064】
第3の実施の形態に係る継手構造1は、雌部材10(本体部11)の内径が、雄部材20(軸部21)の外径よりもわずかに小さく形成されているため、雄部材20を雌部材10に挿入することにより、強固に嵌合して、セグメント同士が目開きすることにより雄部材20が雌部材10から抜け出すことがない。
【0065】
そして、地震動や不等沈下等によって発生した、トンネル軸方向の引張力によってセグメント2,3に目開きが生じると、ハウジング30に摺動可能に収容された雌部材10は、弾性部材40を圧縮しつつ、他方のセグメント3側に摺動移動し、基部12の端面12aと拡幅部32の底面32aとの間に隙間が形成された状態となる。この時、雌部材10の本体部11は、一方のセグメント2から一部が突出した状態となる。一方、雄部材20は、雌部材10と強固に嵌合しているため、雌部材10に収容された軸部21が引き抜かれる(他方のセグメント3方向にずれる)ことない。
【0066】
この時、弾性部材40は、予め想定されるL2地震時の引き抜き力と相関を持たせてその形状と強度が設定されているため、一定量以上は変形せずに、弾性変形範囲内で変形する。
【0067】
地震時の引き抜き力に対応した後、弾性部材40の反発力により、目開きMを収縮させる(図3参照)。
【0068】
第3の実施の形態に係る継手構造1によれば、雌部材10の端面12aが、一方のセグメント2に埋設されたハウジング30の底面32aに当接した状態で雌部材10が配置されているため、雌部材10への雄部材20の挿入嵌合時に生じる反力を、一方のセグメント2により受け持つことが可能となる。このため、ハウジング30の部材として高強度のものを使用する必要がなく、安価に構成することが可能である。つまり、応力は、一方のセグメント2に伝達されるため、ハウジング30は、強度が要求されることなく、雌部材10を摺動可能に内装するものであればよい。
【0069】
また、ハウジング30(拡幅部32)は、雌部材10の基部12を係止可能に形成されているため、雌部材10が抜け出すことがなく、セグメント2,3同士の連結を好適に行うことができる。
【0070】
<第4の実施の形態>
次に、図6を参照して、第4の実施の形態について、説明する。
第4の実施の形態に係る継手構造1’は、図6に示すように、第3の実施の形態で示した継手構造1について、弾性部材40として、バネ部材を使用するものである。
【0071】
バネ部材(弾性部材40)を構成する材料は限定されるものではないが、第4の実施の形態では、図6に示すように、皿ばね41を使用する。この皿ばね41は、雌部材10’の基部12’と、ハウジング30の反力板33との間に形成された空間に配置されている。
【0072】
第4の実施の形態に係るハウジング30は、塩化ビニルパイプやポリエチレンフォーム等により構成された一般部31と、一般部31の基端部(図4における右側端部)において一般部31の内径を拡径するように形成された箱状部材からなる拡幅部32と、を一体に接合することにより構成されている。拡幅部32は、断面視が雄部材側(図6における左側端部)が開口するコの字型の薄肉鋼板からなる箱部材34と、雌部材10’の本体部11’を挿通しつつ箱部材34の開口部を遮蔽するように形成された反力板33とから構成されている。この他のハウジング30の構成は、第3の実施の形態で示したハウジング30の内容と同様なため、詳細な説明は省略する。なお、反力板33を構成する材料や部材厚等は、皿ばね41により作用する応力に対して十分な耐力を有したものであれば限定されるものではないが、第4の実施の形態では、鋼板により構成するものとする。
【0073】
また、第4の実施の形態に係る雄部材20の構成に関する事項は、第2の実施の形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
【0074】
以上、第4の実施の形態に係る継手構造1’によっても、第3の実施の形態で示した作用効果と同様の作用効果を得ることが可能である。
【0075】
以上、本発明について、好適な実施形態について説明したが、本発明は前記の実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、シールドトンネルで用いるセグメント同士の接合に本発明に係る継手構造を適用する場合について説明したが、本発明の継手構造の使用箇所はこれに限定されるものではなく、推進トンネルの推進管やボックスカルバート等の連結において使用してもよい。
【0076】
また、前記実施形態では、ハウジングが雄部材または雌部材を摺動可能に内装するものとしたが、ハウジングの一般部と雄部材の軸部または雌部材の本体部との間に隙間が形成されていてもよいことはいうまでもない。
【0077】
また、前記実施形態では、既設のセグメントに雌部材、新設のセグメントに雄部材を形成する場合について説明したが、既設のセグメントに雄部材、新設のセグメントに雌部材が形成されていてもよい。
【0078】
また、前記実施形態では、部材(一般部および拡幅部)をセグメント(他方のセグメント)に埋設することによりハウジングを形成するものとしたが、直接セグメントに加工を施すことにより雄部材または雌部材を収容するハウジングを形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】第1の実施の形態に係る継手構造を示す断面図である。
【図2】第1の実施の形態に係る継手構造の連結前の状態を示す断面図である。
【図3】第1の実施の形態に係る継手構造において、セグメントに軸方向の引張力が作用した際に状況を示す断面図である。
【図4】第2の実施の形態に係る継手構造を示す断面図である。
【図5】第3の実施の形態に係る継手構造を示す断面図である。
【図6】第4の実施の形態に係る継手構造を示す断面図である。
【図7】従来の継手構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0080】
1 継手構造
2 一方のセグメント
3 他方のセグメント
10 雌部材
11 本体部
12 基部
13 緩衝材
20 雄部材
21 軸部
22 基部
30 ハウジング
31 一般部
32 拡幅部
40 弾性部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方のセグメントに埋設された筒状部材である雌部材と、
他方のセグメントにおいて一部が突出した状態で埋設される雄部材と、
前記他方のセグメントに形成されて、前記雄部材を内装するハウジングと、
前記ハウジング内において、該ハウジングと前記雄部材との間に介在される弾性部材と、からなり、
前記雄部材の突出部分を前記雌部材に挿入嵌合することにより前記セグメント同士を連結する継手構造であって、
前記雄部材は、軸部と該軸部の基端部にフランジ状に形成された基部とからなり、
前記ハウジングは、前記軸部の周囲に形成される一般部と、前記一般部の基端部において該一般部の内径を拡径することにより形成される拡幅部とからなり、
前記基部の端面が前記拡幅部の底面に当接するとともに、前記基部の前記軸部側の面と前記拡幅部の一般部側内壁面との間に隙間が形成された状態で前記雄部材が前記ハウジングに内装されており、前記弾性部材が該隙間に介在されていることを特徴とする、継手構造。
【請求項2】
一方のセグメントに埋設された筒状部材である雌部材と、
他方のセグメントにおいて一部が突出した状態で埋設される雄部材と、
前記一方のセグメントに形成されて、前記雌部材を内装するハウジングと、
前記ハウジング内において、該ハウジングと前記雌部材との間に介在される弾性部材と、からなり、
前記雄部材の突出部分を前記雌部材に挿入嵌合することにより前記セグメント同士を連結する継手構造であって、
前記雌部材は、本体部と該本体部の基端部にフランジ状に形成された基部とからなり、
前記ハウジングは、前記本体部の周囲に形成される一般部と、前記一般部の基端部において該一般部の内径を拡径することにより形成される拡幅部とからなり、
前記基部の端面が前記拡幅部の底面に当接するとともに、前記基部の前記本体部側の面と前記拡幅部の一般部側内壁面との間に隙間が形成された状態で前記雌部材が前記ハウジングに内装されており、前記弾性部材が該隙間に介在されていることを特徴とする、継手構造。
【請求項3】
前記弾性部材が、高弾性の金属、硬質ゴム、高密度ポリエチレンまたはFRP樹脂等により構成されていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の継手構造。
【請求項4】
前記雌部材の内径が、前記軸部材の外径よりもわずかに小さいことを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の継手構造。
【請求項5】
前記筒状部材の外周面に、緩衝材が巻き付けられていることを特徴とする、請求項4に記載の継手構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2008−82067(P2008−82067A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−264763(P2006−264763)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(000206211)大成建設株式会社 (1,602)
【Fターム(参考)】