説明

緊急車両情報通報システム、受信装置および緊急車両情報通報方法

【課題】緊急車両情報通報システムにおいて、一般車両の搭乗者に緊急車両の緊急走行を適切に通報するための技術を提供する。
【解決手段】本発明の緊急車両情報通報システムは、緊急車両に搭載される送信装置と、一般車両に搭載される受信装置を有する。送信装置は、緊急走行時、緊急車両の現在位置を示す情報と、緊急車両の進行方向を示す情報を受信装置に無線送信する。受信装置は、緊急車両の現在位置を示す情報と、緊急車両の進行方向を示す情報と、自車両の現在位置を示す情報と、自車両の進行方向を示す情報に基づいて、緊急車両が接近するか否かを判定し、接近すると判定した場合のみ、緊急車両の接近を自車両の搭乗者に通報する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緊急車両の情報を通知する緊急車両情報通報システムおよび緊急車両情報通報方法に関する。
【背景技術】
【0002】
救急用自動車、消防用自動車、パトロールカー等の緊急車両は、緊急走行時に一定の音量のサイレンを鳴動して走行することが義務付けられている。そのため、一般車両の運転者は、サイレンの音により緊急車両の緊急走行を認識できる。しかしながら、運転者が緊急車両の接近を認識できる距離は、周囲の環境の騒音レベル、風向き、一般車両の遮音性能等によって大きく異なるため、一般車両が迅速かつ円滑に退避できない場合があった。
【0003】
このような問題点を解決するための技術として、例えば特許文献1に、緊急車両の接近を一般車両の運転者に通報する緊急車両接近通報システムが開示されている。
【0004】
特許文献1に開示された緊急車両接近通報システムでは、緊急車両の緊急走行時に、緊急車両に搭載された送信機が、緊急車両が接近している旨を一般車両の運転者に通報するための緊急車両接近情報と位置(現在位置および目的位置)情報を無線信号として道路情報放送設備に設置された緊急車両接近通報装置に送信する。
【0005】
一方、送信機から無線信号を受信した緊急車両接近通報装置は、受信した無線信号を復調し、位置情報から自装置が緊急車両の通過経路にあるか否かを判定し、自装置が緊急車両の通過経路にあると判定すると、緊急車両接近情報を無線信号として近辺を走行する一般車両に搭載された受信機に送信する。そして、緊急車両接近通報装置から無線信号を受信した受信機は、受信した無線信号を復調し、緊急車両接近情報を音声等で運転者に通報する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−15399号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、緊急車両接近情報を送信する緊急車両接近通報装置が設置された道路情報放送設備の近辺を走行する、全ての一般車両の運転者に緊急車両が接近している旨が通報される。そのため、退避の不要な一般車両の運転者にまで緊急車両が接近している旨が通報され、その運転者の運転に対する注意力が削がれてしまうという問題があった。また、この通報によって、退避の不要な一般車両まで減速したり退避したりすることにより交通渋滞が発生するおそれもあった。さらに、車両の退避が不要な状況で緊急車両の接近が何度も通報されると、その通報に対する信頼性が低下するという問題もあった。
【0008】
本発明の目的は、緊急車両情報通報システムにおいて、一般車両の搭乗者に緊急車両の緊急走行を適切に通報するための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の緊急車両情報通報システムは、緊急車両の緊急走行を通報する緊急車両情報通報システムであって、
緊急車両に搭載され、該緊急車両の緊急走行時、該緊急車両の現在位置を示す緊急車両位置情報および該緊急車両の進行方向を示す緊急車両方向情報を含む緊急車両情報を無線送信する送信装置と、
一般車両に搭載され、前記緊急車両情報を受信すると、前記緊急車両位置情報、前記緊急車両方向情報、該一般車両の現在位置を示す一般車両位置情報および該一般車両の進行方向を示す一般車両方向情報に基づいて、前記緊急車両と前記一般車両が接近するか否かを判定し、該緊急車両と該一般車両が接近すると判定した場合のみ、該緊急車両の緊急走行を該一般車両の搭乗者に通報する受信装置と、
を有する。
【0010】
また、上記目的を達成するために、本発明の受信装置は、緊急車両に搭載された送信装置から該緊急車両の緊急走行時に無線送信される、該緊急車両の現在位置を示す緊急車両位置情報および該緊急車両の進行方向を示す緊急車両方向情報を含む緊急車両情報を受信する、一般車両に搭載される受信装置であって、
前記緊急車両情報を受信する無線受信手段と、
前記無線受信手段によって受信された前記緊急車両情報に含まれる前記緊急車両位置情報および前記緊急車両方向情報、ならびに前記一般車両の現在位置を示す一般車両位置情報および該一般車両の進行方向を示す一般車両方向情報に基づいて、前記緊急車両と前記一般車両が接近するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記緊急車両と前記一般車両が接近すると判定された場合のみ、該緊急車両の緊急走行を該一般車両の搭乗者に通報する出力手段と、
を有する。
【0011】
また、上記目的を達成するために、本発明の緊急車両情報通報方法は、緊急車両の緊急走行を通報する緊急車両情報通報システムにおける緊急車両情報通報方法であって、
緊急車両に搭載される送信装置が、該緊急車両の緊急走行時、該緊急車両の現在位置を示す緊急車両位置情報および該緊急車両の進行方向を示す緊急車両方向情報を含む緊急車両情報を無線送信し、
一般車両に搭載される受信装置が、前記緊急車両情報を受信すると、前記緊急車両位置情報、前記緊急車両方向情報、該一般車両の現在位置を示す一般車両位置情報および該一般車両の進行方向を示す一般車両方向情報に基づいて、前記緊急車両と前記一般車両が接近するか否かを判定し、該緊急車両と該一般車両が接近すると判定した場合のみ、該緊急車両の緊急走行を該一般車両の搭乗者に通報する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、緊急車両情報通報システムにおいて、一般車両の搭乗者に適切に緊急車両の緊急走行を通報できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施の形態における緊急車両情報通報システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した緊急車両情報通報システムで緊急車両10が緊急走行するときの送信装置100および受信装置200の処理手順を示すシーケンス図である。
【図3】第2の実施の形態における緊急車両情報通報システムの構成を示すブロック図である。
【図4】第3の実施の形態における緊急車両情報通報システムの構成を示すブロック図である。
【図5】図4に示した緊急車両情報通報システムで緊急車両10が緊急走行するときの送信装置100、受信装置200、210、および中継装置300、310の処理手順を示すシーケンス図である。
【図6】第4の実施の形態における緊急車両情報通報システムの構成を示すブロック図である。
【図7】図6に示した緊急車両情報通報システムで緊急車両10が緊急走行するときの送信装置100、受信装置200、中継装置300およびセンタ装置400の処理手順を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に本発明について図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
(第1の実施の形態)
図1は第1の実施の形態における緊急車両情報通報システムの構成を示すブロック図である。
【0016】
図1に示すように、第1の実施の形態における緊急車両情報通報システムは、緊急車両10に搭載される送信装置100と、一般車両20に搭載される受信装置200とを有する。
【0017】
送信装置100は、入力部101、測位部102、制御部103、無線送信部104および音声出力部105を備えている。なお、制御部103は、例えば論理回路等から構成されるLSI(Large Scale Integration)あるいはプログラムにしたがって動作するCPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)等によって実現され、無線送信部104は、例えば論理回路等から構成されるLSIによって実現される。
【0018】
入力部101は、例えばキーボード、マウス、操作パネル等の入力装置であり、搭乗者から緊急車両10が緊急走行を開始したことを示す緊急走行開始情報または緊急走行を終了したことを示す緊急走行終了情報が入力されると、入力された情報を制御部103に出力する。
【0019】
測位部102は、GPS(Global Positioning System)受信機の機能を有し、GPS衛星から送信される電波に基づいて所定時間毎に緊急車両10の現在位置を測位して緊急車両10の現在位置を示す緊急車両位置情報を生成し、さらに、所定時間毎に生成した緊急車両位置情報に基づいて緊急車両10の進行方向を示す緊急車両方向情報を生成する。そして、測位部102は、所定時間毎に生成した緊急車両位置情報と緊急車両方向情報を制御部103に通知する。なお、測位部102は、例えば周知のカーナビゲーション装置が備える、自車両の現在位置や進行方向を測位する測位部によって実現される。
【0020】
制御部103は、入力部101から緊急走行開始情報が入力されると、音声出力部105にサイレンの鳴動を要求するためのサイレン鳴動要求を通知する。さらに、制御部103は、緊急車両10が緊急走行を一般車両の搭乗者に通報するための緊急走行情報を生成し、緊急走行情報、緊急車両位置情報および緊急車両方向情報を含む緊急車両情報を無線送信部104に通知する。なお、制御部103は、緊急走行開始情報が入力された後は、緊急走行終了情報が入力されるまで、測位部102から緊急車両位置情報および緊急車両方向情報を取得する毎に、新たな緊急車両情報を生成して無線送信部104に通知する。
【0021】
無線送信部104は、一般車両20の受信装置200と無線通信する機能を有し、制御部103から受信した緊急車両情報を受信装置200に無線送信する。無線通信のための手段としては、例えば無線LAN(Local Area Network)やDSRC(Dedicated Short Range Communication)等がある。
【0022】
音声出力部105は、サイレンを鳴動させる機能を有する、スピーカ等の音声出力装置であり、制御部103からサイレン鳴動要求を取得すると、サイレンを鳴動させる。
【0023】
受信装置200は、無線受信部201、位置算出部202、判定部203、出力部204を備えている。なお、判定部203は、例えば論理回路等から構成されるLSIあるいはプログラムにしたがって動作するCPUやDSP等によって実現され、無線受信部201は、例えば論理回路等から構成されるLSIによって実現される。
【0024】
無線受信部201は、例えば無線LANやDSRC等により、緊急車両10の送信装置100と無線通信する機能を有し、送信装置100から緊急車両情報を受信すると、受信した緊急車両情報を判定部203に通知する。
【0025】
位置算出部202は、GPS受信機の機能を有し、GPS衛星から送信される電波に基づいて所定時間毎に一般車両20の現在位置を測位して一般車両20の現在位置を示す一般車両位置情報を生成し、さらに、所定時間毎に生成した一般車両位置情報に基づいて一般車両20の進行方向を示す一般車両方向情報を生成する。そして、位置算出部202は、所定時間毎に生成した一般車両位置情報と一般車両方向情報を判定部203に通知する。なお、位置算出部202は、例えば周知のカーナビゲーション装置が備える、自車両の現在位置や進行方向を測位する測位部によって実現される。
【0026】
判定部203は、無線受信部201から緊急車両情報を取得すると、取得した緊急車両情報に含まれる緊急車両位置情報および緊急車両方向情報、ならびに位置算出部202から最も新しく取得した一般車両位置情報および一般車両方向情報に基づいて、緊急車両10と一般車両20が接近するか否かを判定する。
【0027】
例えば、緊急車両10から緊急車両情報を受信しても、一般車両20が緊急車両10の後方を走行している場合、緊急車両10と一般車両20は接近しない可能性が高い。そこで、判定部203は、一般車両20が緊急車両10の現在位置より緊急車両10の進行方向に対して後方に位置する場合、緊急車両10と一般車両20は接近しないと判定すればよい。具体的には、一般車両位置情報で示される位置が緊急車両位置情報で示される位置より緊急車両方向情報で示される方向に対して後方に存在する場合、緊急車両10と一般車両20は接近しないと判定する。一方、それ以外の場合は、緊急車両10と一般車両20は接近すると判定すればよい。
【0028】
そして、判定部203は、緊急車両10と一般車両20が接近すると判定した場合のみ、緊急車両情報、一般車両位置情報および一般車両方向情報を出力部204に通知し、緊急車両10と一般車両20が接近しないと判定した場合には、各情報を破棄する。
【0029】
出力部204は、搭乗者に緊急車両10の緊急走行を通報する機能を有し、地図表示部205、情報表示部206および音声再生部207を備えている。
【0030】
地図表示部205は、一般車両20の現在位置の近辺を示す地図データ上に、緊急車両位置情報、緊急車両方向情報、一般車両位置情報および一般車両方向情報を重畳して表示する。
【0031】
情報表示部206は、緊急走行情報を表示する。例えば、緊急走行情報は、文字、図形等で表示される。
【0032】
音声再生部207は、緊急走行情報を音声に変換して出力する。
【0033】
なお、出力部204は、例えばカーナビゲーション装置が備える出力装置によって実現される。
【0034】
次に図1に示した緊急車両情報通報システムで緊急車両10が緊急走行するときの送信装置100および受信装置200の処理手順について説明する。
【0035】
図2は図1に示した緊急車両情報通報システムで緊急車両10が緊急走行するときの送信装置100および受信装置200の処理手順を示すシーケンス図である。
【0036】
緊急車両10の搭乗者によって、緊急走行開始情報が入力されると(ステップS1)、送信装置100の入力部101は、入力された緊急走行開始情報を制御部103に出力する。
【0037】
入力部101から緊急走行開始情報が入力されると、制御部103は、音声出力部105にサイレン鳴動要求を通知する。そして、制御部103からサイレン鳴動要求を取得すると、音声出力部105は、サイレンを鳴動させる(ステップS2)。
【0038】
一方、制御部103は、所定時間毎に測位部102から緊急車両位置情報および緊急車両方向情報を取得している。そして、入力部101から緊急走行開始情報が入力されると、制御部103は、緊急走行情報を生成し、緊急走行情報、緊急車両位置情報および緊急車両方向情報を含む緊急車両情報を無線送信部104に通知する。制御部103から緊急車両情報を取得すると、無線送信部104は、取得した緊急車両情報を受信装置200の無線受信部201に無線送信する(ステップS3)。
【0039】
送信装置100の無線送信部104から緊急車両情報を受信すると、受信装置200の無線受信部201は、受信した緊急車両情報を判定部203に通知する。
【0040】
一方、判定部203は、所定時間毎に位置算出部202から緊急車両位置情報および緊急車両方向情報を取得している。そして、無線受信部201から緊急車両情報を取得すると、判定部203は、取得した緊急車両情報に含まれる緊急車両位置情報および緊急車両方向情報、ならびに位置算出部202から最も新しく取得した一般車両位置情報および一般車両方向情報に基づいて、緊急車両10と一般車両20が接近するか否かを判定する(ステップS4)。そして、判定部203は、緊急車両10と一般車両20が接近すると判定した場合、緊急車両情報、一般車両位置情報および一般車両方向情報を出力部204に通知し、緊急車両10と一般車両20が接近しないと判定した場合、各情報を破棄する。
【0041】
出力部204が緊急車両情報、一般車両位置情報および一般車両方向情報を取得すると、情報表示部206は、緊急走行情報を文字、図形等で表示し、音声再生部207は、緊急走行情報を音声に変換して出力する(ステップS5)。さらに、地図表示部205は、一般車両20の現在位置の近辺を示す地図データ上に、緊急車両位置情報、緊急車両方向情報、一般車両位置情報および一般車両方向情報を重畳して表示する。
【0042】
その後、送信装置100の制御部103は、所定時間毎に、測位部102から取得した、新たな緊急車両位置情報および緊急車両方向情報を含む緊急車両情報を生成し、無線送信部104を介して受信装置200に無線送信する(ステップS6)。一方、受信装置200は、送信装置100から緊急車両情報を受信する毎に、判定処理(ステップS7)と出力処理(ステップS8)を実施する。
【0043】
以上説明したように、本実施形態によれば、緊急車両に搭載された送信装置は、緊急走行時、緊急車両位置情報および緊急車両方向情報を一般車両に搭載された受信装置に無線送信する。一方、受信装置は、緊急車両位置情報、緊急車両方向情報、一般車両位置情報および一般車両方向情報に基づいて、緊急車両が接近するか否かを判定し、接近すると判定した場合のみ、緊急車両の緊急走行を搭乗者に通報する。
【0044】
これにより、退避の必要な一般車両の運転者には周囲の環境等の影響を受けることなく緊急車両の接近が通報されるので、一般車両の迅速かつ円滑な退避が可能となる。一方、退避の不要な一般車両の運転者には緊急車両の接近が通報されないので、その通報によってその運転者の運転に対する注意力が削がれることはない。また、退避の不要な一般車両の減速や退避による交通渋滞の発生も抑止できる。従って、緊急車両情報通報システムは、一般車両の搭乗者に緊急車両の緊急走行を適切に通報できる。
【0045】
また、本実施形態の送信装置は、GPS衛星から送信される電波に基づいて緊急車両位置情報および緊急車両方向情報を生成し、受信装置は、GPS衛星から送信される電波に基づいて一般車両位置情報および一般車両方向情報を生成する。これにより、緊急車両や一般車両の搭乗者は、各車両の現在位置や進行方向を各装置に入力する必要がなく、緊急車両情報通報システムは利便性を向上できる。
【0046】
また、本実施形態の受信装置は、一般車両が緊急車両の現在位置より緊急車両の進行方向に対して後方に位置する場合、緊急車両と一般車両は接近しないと判定し、緊急車両の緊急走行をその一般車両の搭乗者に通報しない。これにより、緊急車両の後方を走行している一般車両の搭乗者への緊急車両の緊急走行の通報を抑止できる。
【0047】
また、本実施形態の受信装置は、送信装置から緊急車両情報を受信すると、一般車両の現在位置の近辺を示す地図データ上に、緊急車両位置情報、緊急車両方向情報を重畳して表示させる。これにより、搭乗者は緊急車両の現在位置と進行方向を認識でき、緊急車両の接近に対してより適切に対応できるので、緊急車両情報通報システムは利便性を向上できる。
【0048】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、緊急車両位置情報、緊急車両方向情報、一般車両位置情報および一般車両方向情報に基づいて緊急車両10と一般車両20が接近するか否かを判定する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。第2の実施の形態では、さらに、緊急車両10の目的地までの走行経路を示す情報に基づいて緊急車両10と一般車両20が接近するか否かを判定する例について説明する。
【0049】
図3は第2の実施の形態における緊急車両情報通報システムの構成を示すブロック図である。
【0050】
図3に示すように、第2の実施の形態における緊急車両情報通報システムは、第1の実施の形態の緊急車両情報通報システムの構成に加えて、送信装置100に画像表示部106を有する。
【0051】
本実施形態の制御部103は、画像表示部106に地図データを表示させて、緊急車両10の搭乗者に緊急車両10の目的地を示す目的地情報の入力を促し、入力された目的地情報を、入力部101を介して取得する。そして、制御部103は、目的地情報と緊急車両位置情報に基づいて緊急車両10の目的地までの走行経路を示す緊急車両経路情報を生成し、生成した緊急車両経路情報を画像表示部106に通知する。
【0052】
一方、画像表示部106は、制御部103からの指示に従って、地図データを表示し、制御部103から緊急車両経路情報を取得すると、取得した緊急車両経路情報を地図データ上に重畳して表示する。なお、画像表示部106は、例えばカーナビゲーション装置が備える出力装置によって実現される。
【0053】
また、制御部103は、入力部101から緊急走行開始情報が入力されると、緊急走行情報、緊急車両位置情報および緊急車両方向情報に加えて緊急車両経路情報を含む緊急車両情報を、無線送信部104を介して受信装置200に無線送信する。
【0054】
一方、受信装置200の判定部203は、無線受信部201を介して、緊急車両経路情報を含む緊急車両情報を受信すると、緊急車両位置情報、緊急車両方向情報、一般車両位置情報および一般車両方向情報に加えて緊急車両経路情報に基づいて、緊急車両10と一般車両20が接近するか否かを判定する。
【0055】
例えば、一般車両20が緊急車両10の走行経路から離れる方向へ走行している場合、一般車両20と緊急車両10は接近しない可能性が高い。そこで、判定部203は、一般車両20の進行方向が緊急車両10の走行経路から離れる方向である場合、緊急車両10と一般車両20は接近しないと判定すればよい。その場合、例えば、一般車両位置情報で示される位置から一般車両方向情報で示される方向に向かう直線が、緊急車両経路情報で示される走行経路と交差しない場合に、緊急車両10と一般車両20は接近しないと判定する。なお、この判定条件と第1の実施の形態で示した判定条件とを適宜組み合わせて判定してもよい。
【0056】
そして、判定部203は、緊急車両10と一般車両20が接近すると判定した場合のみ、緊急車両情報、一般車両位置情報および一般車両方向情報を出力部204に通知し、緊急車両10と一般車両20が接近しないと判定した場合には、各情報を破棄する。
【0057】
なお、地図表示部205は、一般車両20の現在位置の近辺を示す地図データ上に、緊急車両位置情報、緊急車両方向情報、一般車両位置情報および一般車両方向情報に加えて緊急車両経路情報を重畳して表示する。
【0058】
なお、送信装置100は、目的地情報が入力されていない場合、第1の実施の形態と同様に、緊急走行情報、緊急車両位置情報および緊急車両方向情報のみを含む緊急車両情報を無線送信する。この場合、受信装置200は、緊急車両位置情報、緊急車両方向情報、一般車両位置情報および一般車両方向情報に基づいて緊急車両10と一般車両20が接近するか否かを判定する。
【0059】
以上説明したように、本実施形態によれば、一般車両に搭載された受信装置は、緊急車両位置情報、緊急車両方向情報、一般車両位置情報および一般車両方向情報に加えて緊急車両経路情報に基づいて、緊急車両が接近するか否かを判定する。これにより、緊急車両が方向を変更する場合や、緊急車両の走行する道路がカーブしている場合でも、受信装置は精度よく緊急車両の接近を判定できる。
【0060】
また、本実施形態の受信装置は、一般車両の進行方向が緊急車両の走行経路から離れる方向である場合、緊急車両と一般車両は接近しないと判定し、緊急車両の緊急走行をその一般車両の搭乗者に通報しない。これにより、緊急車両の走行経路から離れる方向へ走行している一般車両の搭乗者への緊急車両の緊急走行の通報を抑止できる。
【0061】
また、本実施形態の受信装置は、一般車両の現在位置の近辺を示す地図データ上に、緊急車両位置情報、緊急車両方向情報、一般車両位置情報および一般車両方向情報に加えて緊急車両経路情報を重畳して表示させる。これにより、搭乗者は緊急車両の現在位置と走行経路を認識でき、緊急車両の接近に対してより適切に対応できるので、緊急車両情報通報システムは利便性を向上できる。
【0062】
また、本実施形態の受信装置は、送信装置に目的地情報が入力されていない場合は、緊急車両位置情報、緊急車両方向情報、一般車両位置情報および一般車両方向情報に基づいて、緊急車両が接近するか否かを判定する。これにより、送信装置に目的地情報が入力されていない場合でも、受信装置は緊急車両の接近を判定できる。
【0063】
(第3の実施の形態)
第1の実施の形態および第2の実施の形態では、緊急車両に搭載された送信装置から一般車両に搭載された受信装置に直接、緊急車両情報を送信する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。第3の実施の形態では、中継装置を備えた無線設備を道路上に設置し、送信装置がその中継装置を介して受信装置に緊急車両情報を送信する例について説明する。
【0064】
図4は第3の実施の形態における緊急車両情報通報システムの構成を示すブロック図である。
【0065】
図4に示すように、第3の実施の形態における緊急車両情報通報システムは、緊急車両10に搭載される送信装置100と、一般車両20、21にそれぞれ搭載される受信装置200、210と、道路上に設置された無線設備30、31内に配置される中継装置300、310とを有する。中継装置300と中継装置310は、ネットワーク500を介して接続される。
【0066】
送信装置100の構成は、第1の実施の形態の送信装置または第2の実施の形態の送信装置の構成と同じである。ただし、送信装置100の無線送信部104は、中継装置300と無線通信する機能を有し、制御部103から取得した緊急車両情報を中継装置300に無線送信する。
【0067】
受信装置200の構成は、第1の実施の形態の受信装置の構成と同じである。ただし、受信装置200の無線受信部201は、中継装置300と無線通信する機能を有し、中継装置300から緊急車両情報を受信すると、受信した緊急車両情報を判定部203に通知する。また、受信装置210の構成は、受信装置200の構成と同じである。
【0068】
中継装置300、310の構成および動作はそれぞれ同じであるため、以下、代表して中継装置300の構成および動作について説明する。
【0069】
中継装置300は、無線通信部301、処理部302、有線通信部303を備えている。なお、処理部302は、例えば論理回路等から構成されるLSIあるいはプログラムにしたがって動作するCPUやDSP等によって実現され、無線通信部301および有線通信部303は、例えば論理回路等から構成されるLSIによって実現される。また、中継装置300には、運用者によって、自装置の位置情報と、自装置の周辺の地図情報と、自装置の近辺に位置する中継装置のIP(Internet Protocol)アドレス等のアドレス情報が予め登録されている。
【0070】
無線通信部301は、例えば無線LANやDSRC等により、緊急車両10の送信装置100ならびに一般車両20の受信装置200とそれぞれ無線通信する機能を有し、送信装置100の無線送信部104から緊急車両情報を受信すると、受信した緊急車両情報を処理部302に通知する。
【0071】
処理部302は、無線通信部301から緊急車両情報を取得すると、取得した緊急車両情報に含まれる緊急車両位置情報、緊急車両方向情報および緊急車両経路情報、ならびに予め登録された自装置の位置情報および地図情報に基づいて、緊急車両10が中継装置300に接近するか否かを判定する。
【0072】
例えば、処理部302は、中継装置300の設置された道路または中継装置300の設置された道路と交差する道路が緊急車両10の走行経路に含まれ、緊急車両10の現在位置と中継装置300の間の距離が所定値以下である場合、緊急車両10が中継装置300に接近すると判定する。また、例えば、緊急車両情報に緊急車両経路情報が含まれないときは、緊急車両10が中継装置300の設置された道路上を中継装置300の方向に向かって走行し、緊急車両10の現在位置と中継装置300の間の距離が所定値以下である場合、または、緊急車両10が中継装置300の設置された道路と交差する道路上をその交差点の方向に向かって走行し、緊急車両10の現在位置と中継装置300の間の距離が所定値以下である場合に、緊急車両10が中継装置300に接近すると判定する。
【0073】
そして、処理部302は、緊急車両10が中継装置300に接近すると判定した場合のみ、緊急車両情報を、無線通信部301を介して、その無線通信範囲内を走行している一般車両の受信装置に無線送信する。
【0074】
また、処理部302は、無線通信部301から緊急車両情報を取得すると、取得した緊急車両情報を、有線通信部303を介して、予めアドレス情報が登録された自装置以外の中継装置に転送する。
【0075】
有線通信部303は、ネットワーク500を介して自装置以外の中継装置と通信する機能を有する。
【0076】
次に図4に示した緊急車両情報通報システムで緊急車両10が緊急走行するときの送信装置100、受信装置200、210、および中継装置300、310の処理手順について説明する。
【0077】
図5は図4に示した緊急車両情報通報システムで緊急車両10が緊急走行するときの送信装置100、受信装置200、210、および中継装置300、310の処理手順を示すシーケンス図である。
【0078】
なお、図5に示したシーケンス図では、中継装置300には、自装置の近辺に位置する中継装置として中継装置310のアドレス情報が予め登録され、中継装置300の無線通信範囲内を一般車両20が走行し、中継装置310の無線通信範囲内を一般車両21が走行しているものとして説明する。
【0079】
ステップS21〜S23の処理は、図2に示したシーケンス図のステップS1〜S3の処理と同様であるため、説明を省略する。ただし、ステップS23で、送信装置100の無線送信部104は、緊急車両情報を中継装置300の無線通信部301に無線送信する。
【0080】
送信装置100の無線送信部104から緊急車両情報を受信すると、中継装置300の無線通信部301は、受信した緊急車両情報を処理部302に通知する。
【0081】
無線通信部301から緊急車両情報を取得すると、処理部302は、取得した緊急車両情報を、有線通信部303を介して、中継装置310に転送する(ステップS24)。
【0082】
また、処理部302は、緊急車両位置情報および緊急車両方向情報(あるいは緊急車両経路情報)、ならびに予め登録された自装置の位置情報および地図情報に基づいて、緊急車両10が中継装置300に接近するか否かを判定する(ステップS25)。そして、緊急車両10が中継装置300に接近すると判定すると、緊急車両情報を、無線通信部301を介して一般車両20の受信装置200に無線送信する(ステップS26)。
【0083】
中継装置300の無線通信部301から緊急車両情報を受信すると、受信装置200の無線受信部201は、受信した緊急車両情報を判定部203に通知する。なお、ステップS27、S28の処理は、図2に示したシーケンス図のステップS4、S5の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0084】
一方、中継装置300の有線通信部303から緊急車両情報を受信した中継装置310の有線通信部313は、受信した緊急車両情報を処理部312に通知する。
【0085】
有線通信部313から緊急車両情報を取得すると、処理部312は、緊急車両位置情報、緊急車両方向情報(あるいは緊急車両経路情報)、自装置の位置情報および自装置の周辺の地図情報に基づいて、緊急車両10が中継装置310に接近するか否かを判定する(ステップS29)。そして、緊急車両10が中継装置310に接近すると判定すると、緊急車両情報を、無線通信部311を介して一般車両21の受信装置210に無線送信する(ステップS30)。
【0086】
中継装置310の無線通信部311から緊急車両情報を受信すると、受信装置210の無線部は、受信した緊急車両情報を自装置の制御部に通知する。なお、ステップS31、S32の処理は、図2に示したシーケンス図のステップS4、S5の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0087】
その後、送信装置100の制御部103は、所定時間毎に、測位部102から取得した、新たな緊急車両位置情報および緊急車両方向情報を含む緊急車両情報を生成し、無線送信部104を介して中継装置300に無線送信する。これにより、所定時間毎に、ステップS23〜S32の処理が実施される。
【0088】
以上説明したように、本実施形態によれば、中継装置が、緊急車両位置情報および緊急車両経路情報に基づいて緊急車両が自装置に接近するか否かを判定し、緊急車両が自装置に接近すると判定した場合のみ、受信装置に緊急車両情報を無線送信する。これにより、中継装置が送信装置から送信された緊急車両情報を中継するため、広範囲に存在する一般車両に対して緊急車両の緊急走行を通報できる。また、緊急車両が接近しているエリアを走行している一般車両に搭載された受信装置に対してのみ緊急車両の緊急走行が通報されるため、各受信装置の判定処理の負荷を軽減できる。
【0089】
(第4の実施の形態)
第3の実施の形態では、中継装置を備えた無線設備を道路上に設置し、その中継装置を介して緊急車両に搭載された送信装置が一般車両に搭載された受信装置に緊急車両情報を無線送信する例について説明した。第4の実施の形態では、さらにセンタ装置を介して送信装置が受信装置に緊急車両情報を無線送信する例について説明する。
【0090】
図6は第4の実施の形態における緊急車両情報通報システムの構成を示すブロック図である。
【0091】
図6に示すように、第4の実施の形態における緊急車両情報通報システムは、緊急車両10に搭載される送信装置100と、一般車両20に搭載される受信装置200と、道路上に設置された無線設備30内に配置される中継装置300と、センタ装置400を有する。中継装置300とセンタ装置400は、ネットワーク500を介して接続される。
【0092】
送信装置100の構成は、第1の実施の形態の送信装置または第2の実施の形態の送信装置の構成と同じである。ただし、送信装置100の無線送信部104は、センタ装置400と無線通信する機能を有し、制御部103から受信した緊急車両情報をセンタ装置400に無線送信する。なお、緊急車両10の近くにセンタ装置400が存在しないこともあるため、無線通信のための手段としては、例えば長距離通信が可能な警察無線、消防無線、携帯電話で用いられる無線通信手段等が用いられる。
【0093】
受信装置200の構成は、第3の実施の形態の受信装置の構成と同じである。
【0094】
中継装置300の構成は、第3の実施の形態の中継装置の構成と同じである。ただし、中継装置300の有線通信部303は、ネットワーク500を介してセンタ装置400と通信する機能を有する。
【0095】
センタ装置400は、無線部401、選定部402、有線部403を備えている。なお、選定部402は、例えば論理回路等から構成されるLSIあるいはプログラムにしたがって動作するCPUやDSP等によって実現され、無線部401および有線部403は、例えば論理回路等から構成されるLSIによって実現される。また、センタ装置400には、運用者によって、緊急車両情報通報システムが有する中継装置の位置情報およびアドレス情報ならびにセンタ装置400が管理するエリアの地図情報が予め登録されている。
【0096】
無線部401は、例えば警察無線、消防無線、携帯電話で用いられる無線通信手段等により、緊急車両10の送信装置100と無線通信する機能を有し、送信装置100の無線送信部104から緊急車両情報を受信すると、受信した緊急車両情報を選定部402に通知する。
【0097】
選定部402は、無線部401から緊急車両情報を取得すると、取得した緊急車両情報に含まれる緊急車両位置情報、緊急車両方向情報および緊急車両経路情報、ならびに予め登録された中継装置の位置情報および地図情報に基づいて、緊急車両10が接近する中継装置を選定する。
【0098】
例えば、選定部402は、緊急車両10の走行経路に含まれる道路または緊急車両10の走行経路に含まれる道路と交差する道路に設置され、緊急車両10の現在位置との間の距離が所定値以下である中継装置を緊急車両10が接近する中継装置として選定する。また、例えば、緊急車両情報に緊急車両経路情報が含まれないときは、緊急車両10が走行している道路上の緊急車両10の進行方向側に設置され、緊急車両10の現在位置との間の距離が所定値以下である中継装置、または、緊急車両10が走行している道路と緊急車両10の進行方向側で交差する道路上に設置され、緊急車両10の現在位置との間の距離が所定値以下である中継装置を緊急車両10が接近する中継装置として選定する。
【0099】
緊急車両10が接近する中継装置を選定すると、選定部402は、緊急車両情報を、有線部403を介して、選定した中継装置に転送する。
【0100】
有線部403は、ネットワーク500を介して緊急車両情報通報システムが有する中継装置と通信する機能を有する。
【0101】
次に図6に示した緊急車両情報通報システムで緊急車両10が緊急走行するときの送信装置100、受信装置200、中継装置300およびセンタ装置400の処理手順について説明する。
【0102】
図7は図6に示した緊急車両情報通報システムで緊急車両10が緊急走行するときの送信装置100、受信装置200、中継装置300およびセンタ装置400の処理手順を示すシーケンス図である。
【0103】
なお、図7に示したシーケンス図では、緊急車両10が中継装置300に接近し、中継装置300の無線通信範囲内を一般車両20が走行しているものとして説明する。
【0104】
ステップS41〜S43の処理は、図2に示したシーケンス図のステップS1〜S3の処理と同様であるため、説明を省略する。ただし、ステップS43で、送信装置100の無線送信部104は、緊急車両情報をセンタ装置400の無線部401に無線送信する。
【0105】
送信装置100の無線送信部104から緊急車両情報を受信すると、センタ装置400の無線部401は、受信した緊急車両情報を選定部402に通知する。
【0106】
無線部401から緊急車両情報を取得すると、選定部402は、緊急車両位置情報および緊急車両方向情報(あるいは緊急車両経路情報)、ならびに予め登録された中継装置の位置情報および地図情報に基づいて、緊急車両10が接近する中継装置を選定する(ステップS44)。そして、緊急車両10が接近する中継装置として、中継装置300を選定すると、選定部402は、緊急車両情報を、有線部403を介して、中継装置300に転送する(ステップS45)。
【0107】
センタ装置400の有線部403から緊急車両情報を受信すると、中継装置300の有線通信部303は、受信した緊急車両情報を処理部302に通知する。そして、処理部302は、取得した緊急車両情報を、無線通信部301を介して受信装置200に無線送信する(ステップS46)。
【0108】
中継装置300の無線通信部301から緊急車両情報を受信すると、受信装置200の無線受信部201は、受信した緊急車両情報を判定部203に通知する。なお、ステップS47〜S48の処理は、図2に示したシーケンス図のステップS4〜S5の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0109】
その後、送信装置100の制御部103は、所定時間毎に、測位部102から取得した、新たな緊急車両位置情報および緊急車両方向情報を含む緊急車両情報を生成し、無線送信部104を介してセンタ装置400に無線送信する。これにより、所定時間毎に、ステップS43〜S48の処理が実施される。
【0110】
以上説明したように、本実施形態によれば、センタ装置が緊急車両位置情報および緊急車両経路情報に基づいて、緊急車両が接近する中継装置を選定し、選定した中継装置に緊急車両情報を無線送信する。これにより、より広範囲に存在する一般車両に対して緊急車両の緊急走行を通報できる。
【符号の説明】
【0111】
10 緊急車両
20、21 一般車両
100 送信装置
101 入力部
102 測位部
103 制御部
104 無線送信部
105 音声出力部
106 画像表示部
200、210 受信装置
201 無線受信部
202 位置算出部
203 判定部
204 出力部
205 地図表示部
206 情報表示部
207 音声再生部
30、31 無線設備
300、310 中継装置
301、311 無線通信部
302、312 処理部
303、313 有線通信部
400 センタ装置
401 無線部
402 選定部
403 有線部
500 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
緊急車両の緊急走行を通報する緊急車両情報通報システムであって、
緊急車両に搭載され、該緊急車両の緊急走行時、該緊急車両の現在位置を示す緊急車両位置情報および該緊急車両の進行方向を示す緊急車両方向情報を含む緊急車両情報を無線送信する送信装置と、
一般車両に搭載され、前記緊急車両情報を受信すると、前記緊急車両位置情報、前記緊急車両方向情報、該一般車両の現在位置を示す一般車両位置情報および該一般車両の進行方向を示す一般車両方向情報に基づいて、前記緊急車両と前記一般車両が接近するか否かを判定し、該緊急車両と該一般車両が接近すると判定した場合のみ、該緊急車両の緊急走行を該一般車両の搭乗者に通報する受信装置と、
を有する緊急車両情報通報システム。
【請求項2】
請求項1に記載の緊急車両情報通報システムにおいて、
前記送信装置は、GPS衛星から送信される電波の受信機能を備え、該電波に基づいて前記緊急車両位置情報および前記緊急車両方向情報を生成し、
前記受信装置は、GPS衛星から送信される電波の受信機能を備え、該電波に基づいて前記一般車両位置情報および前記一般車両方向情報を生成することを特徴とする緊急車両情報通報システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の緊急車両情報通報システムにおいて、
前記送信装置は、該緊急車両の目的地を示す目的地情報が入力されると、該目的地情報および前記緊急車両位置情報に基づいて該緊急車両の目的地までの走行経路を示す緊急車両経路情報を生成し、該緊急車両の緊急走行時、該緊急車両経路情報をさらに含む緊急車両情報を無線送信し、
前記受信装置は、前記緊急車両情報を受信すると、前記緊急車両位置情報、前記緊急車両方向情報、前記一般車両位置情報および前記一般車両方向情報に加えて前記緊急車両経路情報に基づいて、前記緊急車両と前記一般車両が接近するか否かを判定することを特徴とする緊急車両情報通報システム。
【請求項4】
請求項3に記載の緊急車両情報通報システムにおいて、
前記送信装置から前記緊急車両情報を受信すると、前記緊急車両位置情報、前記緊急車両方向情報および前記緊急車両経路情報ならびに予め設定された自装置の位置情報に基づいて、該緊急車両が自装置に接近するか否かを判定し、該緊急車両が自装置に接近すると判定した場合のみ、前記受信装置に前記緊急車両情報を無線送信する中継装置をさらに有し、
前記送信装置は、前記緊急車両情報を前記中継装置に無線送信することを特徴とする緊急車両情報通報システム。
【請求項5】
請求項3に記載の緊急車両情報通報システムにおいて、
前記受信装置と無線通信可能な複数の中継装置と、
前記送信装置から前記緊急車両情報を受信すると、前記緊急車両位置情報、前記緊急車両方向情報および前記緊急車両経路情報ならびに予め設定された各中継装置の位置情報に基づいて、該緊急車両が接近する中継装置を選定し、選定した中継装置に前記緊急車両情報を転送するセンタ装置と、
をさらに有し、
前記送信装置は、前記緊急車両情報を前記センタ装置に無線送信し、
前記中継装置は、前記センタ装置から前記緊急車両情報を受信すると、前記受信装置に前記緊急車両情報を無線送信することを特徴とする緊急車両情報通報システム。
【請求項6】
請求項3から5のいずれか1項に記載の緊急車両情報通報システムにおいて、
前記受信装置は、前記一般車両が前記緊急車両の現在位置より前記緊急車両の進行方向に対して後方に位置する場合、該緊急車両と該一般車両は接近しないと判定し、該緊急車両の緊急走行を該一般車両の搭乗者に通報しないことを特徴とする緊急車両情報通報システム。
【請求項7】
請求項3から6のいずれか1項に記載の緊急車両情報通報システムにおいて、
前記受信装置は、前記一般車両の進行方向が前記緊急車両の前記走行経路から離れる方向である場合、該緊急車両と該一般車両は接近しないと判定し、該緊急車両の緊急走行を該一般車両の搭乗者に通報しないことを特徴とする緊急車両情報通報システム。
【請求項8】
緊急車両に搭載された送信装置から該緊急車両の緊急走行時に無線送信される、該緊急車両の現在位置を示す緊急車両位置情報および該緊急車両の進行方向を示す緊急車両方向情報を含む緊急車両情報を受信する、一般車両に搭載される受信装置であって、
前記緊急車両情報を受信する無線受信手段と、
前記無線受信手段によって受信された前記緊急車両情報に含まれる前記緊急車両位置情報および前記緊急車両方向情報、ならびに前記一般車両の現在位置を示す一般車両位置情報および該一般車両の進行方向を示す一般車両方向情報に基づいて、前記緊急車両と前記一般車両が接近するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記緊急車両と前記一般車両が接近すると判定された場合のみ、該緊急車両の緊急走行を該一般車両の搭乗者に通報する出力手段と、
を有する受信装置。
【請求項9】
緊急車両の緊急走行を通報する緊急車両情報通報システムにおける緊急車両情報通報方法であって、
緊急車両に搭載される送信装置が、該緊急車両の緊急走行時、該緊急車両の現在位置を示す緊急車両位置情報および該緊急車両の進行方向を示す緊急車両方向情報を含む緊急車両情報を無線送信し、
一般車両に搭載される受信装置が、前記緊急車両情報を受信すると、前記緊急車両位置情報、前記緊急車両方向情報、該一般車両の現在位置を示す一般車両位置情報および該一般車両の進行方向を示す一般車両方向情報に基づいて、前記緊急車両と前記一般車両が接近するか否かを判定し、該緊急車両と該一般車両が接近すると判定した場合のみ、該緊急車両の緊急走行を該一般車両の搭乗者に通報する、
緊急車両情報通報方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−150630(P2011−150630A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−13003(P2010−13003)
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】