説明

緊急遮断システム

【課題】複数の電流ループを用いることなく緊急遮断弁の確実な位置決を一般的に可能にする緊急遮断システムを提供する。
【解決手段】緊急遮断システムは、緊急遮断弁と、緊急遮断弁の位置決めを決定する信号を搬送する制御回線と、緊急遮断弁の位置決めを実現する制御回線に結合されたソレノイド組立体と、制御回線およびソレノイド組立体に結合されたに中継器とを備えている。ソレノイド弁アクチュエータ32が弁34の位置を気圧式に切り替えるのに失敗した場合、DVC20は、供給導管26からの気圧用供給圧力を、弁組立体16の移行を実現するように導くようになっている。このようにして、緊急遮断システム10は、正常状態で供給導管26を通じて供給される気圧用供給圧力の逃がしの重複的な制御を提供することにより、緊急時に、安全弁40を安全な状態に移行させるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的にプロセス制御システムに関するものであり、さらに詳細にはプロセス制御システムにおいて用いられる緊急遮断システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、産業プロセス制御システムは、装置の故障、停電または他の緊急の場合に遮断弁を安全な状態へ移行させるために緊急遮断システムを組み込んでいる。緊急遮断システムは、安全な状態が遮断弁の状態のデフォルト位置であるように構成されていることが多い。このように、遮断システムまたはそのコンポーネントのうちの1つへの電力を遮断する緊急事態にもかかわらず安全な状態が達成されるようになっている。たとえば、遮断弁が安全な状態に達するために完全な開弁位置または完全な閉弁位置に移動してもよいし、その一方、正常な動作状態では、遮断弁が完全な閉弁位置または完全な開弁位置のまま留まるようになっている。
【0003】
基本的な緊急遮断システムは、遮断コントローラと、この遮断弁を駆動させるためのソレノイド弁とを備えている。ソレノイド弁は、遮断弁を安全な状態へ移行させるための唯一の機構を提供し、試験手順中と同様、正常な状態と安全な状態との間の遮断弁の位置を確認するための唯一の手段が人による観察である。
【0004】
改良型の緊急遮断システムは、遮断コントローラと、ソレノイド弁と、デジタル式弁コントローラ(DVC)の如き弁位置決め装置を備えている。ソレノイド弁は、遮断弁を安全な状態へ移行させるための1つの機構を提供しており、その一方、DVCは、試験手順の間と同様、正常な状態と安全な状態との間の移行の間遮断弁の位置を監視および確認するようになっている。また、DVCは、遮断弁を安全な状態へ移行させるための第二の重複的な機構を提供している。遮断システムの確実性は、(i)遮断弁の試験を実施および監視する機能ならびに(ii)遮断弁を重複的に動作する機能の点において基本的な単一のソレノイドと比較して向上されている。
【0005】
ソレノイドとDVCが設けられたシステムでは、典型的には、遮断コントローラは、二つの別々の電流ループを通じてソレノイド弁とDVCとを制御するようになっている。2の別個の電流ループの重複性により、遮断コントローラ(およびプロセス制御システムの残りの部分)が、ソレノイド弁への第一のループの電力を遮断するもののその他のループを通じてDVCとデジタルで通信することにより、安全な状態への移行を可能とすることができる。残念なことには、その移行を監視する機能は、DVCのための別個のさらなるループを設置、保守および運転の負担および煩雑さを伴うものとなる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの態様によれば、緊急遮断システムは、緊急遮断弁と、緊急遮断弁の位置決めを決定する信号を搬送する制御回線と、緊急遮断弁の位置決めを実現する制御回線に結合されたソレノイド組立体と、制御回線およびソレノイド組立体に結合された中継器とを備えている。中継器は、ソレノイド組立体を制御するための信号に応答するスイッチを有している。
【0007】
一部の実施形態では、緊急遮断システムは、緊急遮断弁の位置決めを監視するためのデジタル式弁コントローラをさらに有している。中継器は、前記デジタル式弁コントローラからの制御回線上の通信をサポートするために前記スイッチの周辺に低インピーダンスACバイパス経路をさらに有している。スイッチが継電器を有していてもよく、また、インピーダンスACバイパス経路が、継電器のコイルの両端に並列に接続されるコンデンサを有してもよい。制御回線における信号がDC電流値のしきい値以下になると、ソレノイド組立体への電流の流れを遮断するために、継電器の接点が開くようになっている。
【0008】
これらおよび他の実施形態では、スイッチが信号に応じて開くことに失敗したときでさえソレノイド組立体が消磁されるよう、スイッチおよびソレノイド組立体が、信号を加える並列負荷として接続されてもよい。
【0009】
本発明の他の態様によれば、緊急遮断システムは、緊急遮断弁と、この緊急遮断弁が第一の状態または第二の状態で保持されるかを決める電流信号を搬送する制御回線とを備えている。ソレノイド組立体が、電流信号に応じて、第一の状態から第二の状態への緊急遮断弁の駆動を制御し、継電器が、電流信号に応じてソレノイド組立体を制御するために制御回線にソレノイド組立体を結合するようになっている。
【0010】
場合によっては、緊急遮断システムは、制御回線を通じた前記デジタル通信をサポートするために、継電器のコイルに対して並列に接続されるコンデンサをさらに備えている。緊急遮断システムは、デジタル通信が部分ストローク試験中に緊急遮断弁の位置決めを示すデジタル式弁コントローラから送信された情報を含むように制御回線に結合されるデジタル式弁コントローラをさらに備えうる。デジタル式弁コントローラは、緊急遮断弁を第一の状態から第二の状態へ駆動させるうえで重複性を提供するよう、緊急遮断弁の駆動を制御する電流信号に対して応答するよう構成されうる。
【0011】
これに代えてまたはこれに加えて、継電器は、電流信号がしきい値以下になったときに、ソレノイド組立体の電流を遮断するために開く接点を有している。継電器のコイルおよびソレノイド組立体は、電流信号がしきい値以下になったときに接点が開くことに失敗したときでさえソレノイド組立体が消磁されるように、電流信号を加える並列負荷として接続されうる。
【0012】
本発明のさらに他の態様によれば、緊急遮断システムは、緊急遮断弁と、この緊急遮断弁の位置決めを決める信号を搬送する制御回線と、制御回線に結合され緊急遮断弁の位置決めを実現する信号に応答する弁位置決め装置と、制御回線に結合された中継器と、この中継器を通じて制御回線に結合され信号に応じて緊急遮断弁の位置決めを実現するように構成されているソレノイド組立体とを備えている。
【0013】
実施形態によっては、中継器は、継電器と、この継電器のコイルに対して並列に前記制御回線に接続されるコンデンサとを備えている。継電器の接点は、制御回線における信号がDC電流値のしきい値以下になると、ソレノイド組立体への電流の流れを遮断するために開くように構成されうる。継電器のコイルおよびソレノイド組立体は、制御回線内の電流信号がDC電流値のしきい値以下になったときに接点が開くことに失敗したときでさえソレノイド組立体が消磁されるように、信号を加える並列負荷として接続されうる。
【0014】
あるいは、中継器は、ソレノイド組立体と並列に接続される抵抗器を有してもよい。
【0015】
本発明の他の態様によれば、緊急遮断システムは、緊急遮断弁と、緊急遮断弁の位置決めを決めるあるレベルを有するDC信号を搬送する制御回線と、この制御回線に結合されているとともにある電圧が形成されるDC電流に対するインピーダンスを有している負荷と、この電圧に対して応答するようになっているとともにDC電流に応じて緊急遮断弁の位置決めを実現するために制御回線および負荷に結合されたソレノイド組立体とを備えている。
【0016】
ソレノイド組立体は、負荷と並列に接続されうる。これに代えてまたはこれに加えて、緊急遮断システムは、負荷に対して直列に制御回線と結合されるデジタル式弁コントローラをさらに備えている。
【0017】
実施形態によっては、負荷は継電器コイルを有している。あるいは、負荷は抵抗器を有している。
【0018】
場合によっては、負荷は、制御回線に結合されているとともに、緊急遮断弁の位置決めを実現するためにDC電流レベルに応答するようになっている弁位置決め装置を有している。弁位置決め装置は、ソレノイド組立体と直列に接続されてもよいし、またはこれに代えて、ソレノイド組立体と並列に接続されてもよい。
【0019】
本発明についてさらに完全に理解するには、以下の詳細な記載よび添付の図面を参照されるべきである。同様の符号は同様の部品を表している。
【0020】
開示のシステムはさまざまな実施形態を有しうるが、一または複数の特定の実施形態が図面に例示されている(および以下に記載される)。いうまでもなく、本発明の開示は、例示のみを意図したものであり、添付の特許請求の範囲を本明細書に記載および例示されている特定の実施形態に限定することを意図したものではない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の例示の実施形態にかかる緊急遮断システムを示す概略図である。
【図2】本発明の他の例示の実施形態にかかる緊急遮断システムの他の制御セクションを示す概略図である。
【図3】本発明の他の例示の実施形態にかかる緊急遮断システムの他の制御セクションを示す概略図である。
【図4】本発明の他の例示の実施形態にかかる緊急遮断システムの他の制御セクションを示す概略図である。
【図5】本発明の他の例示の実施形態にかかる緊急遮断システムの他の制御セクションを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本明細書には、複数の電流ループを用いることなく緊急遮断弁の確実な位置決を一般的に可能にする緊急遮断システムが開示されている。この目的のために、このシステムの一部の実施形態は、各々が遮断弁を安全な状態に駆動するために用いられる、デジタル式弁コントローラの如き弁位置決め装置およびソレノイド組立体の動作のための中継器またはより一般的には負荷インピーダンスを備えている。一部の実施形態では、ソレノイド組立体は、遮断デバイスの位置決めを実現するための主要な機構となっている。同一の電流ループに沿って配置されるにもかかわらず、デジタル式弁コントローラは、試験機能を備えることおよび安全位置が達成されたことを確認するために遮断弁の位置決めを監視することで、確実性を追加するようになっている。さらに、デジタル式弁コントローラ(または、他の位置決め装置)は、弁制御および気体式駆動に対し重複性を供するために用いられてもよい。これらの手法では、デジタル式弁コントローラは、遮断弁の位置決めを実現するためのバックアップまたは第二の機構として働く。
【0023】
このような確実性および重複性に対応する中継器によって、以下に記載するように、ソレノイド組立体およびデジタル式弁コントローラの両方を同一の制御信号により制御することができる。ただし、場合によっては間接的に制御される場合もある。したがって、当該システムは、単一の対線(single cable pairing)、すなわちプロセス制御ループしか必要としないため、ソレノイド組立体およびデジタル式弁コントローラ用に別々のケーブルを配線するという欠点を有することなく前述の確実性および重複性が提供される。
【0024】
以下に記載するように、一部の実施形態では、中継器は、フェイルセーフまたはフォールトトレランスに、ソレノイド組立体およびデジタル式弁コントローラを単一の対線に結合または接続するようになっている。すなわち、中継器(および、その構成部品またはコンポーネント)のすべての既知の故障モードは、遮断弁が安全な状態に向けて駆動されるようになっている。このため、本明細書では、中継器を安全回路と呼んでもよい。
【0025】
上述の安全回路は、プロセス制御システムにおいて一般的に用いられている標準型の4−20mAのDC電流制御信の枠内で動作するように設計されている。しかしながら、一部の実施形態では、安全回路は、HART、Profibus、Fieldbusなどの如きプロセス制御デジタルプロトコルのうちの任意の一または複数に基づいてデジタル通信に対応するようにも構成されている。
【0026】
緊急に遮断するような場合によく適しているとともに本明細書においてはそれに関連して記載されているが、開示のシステムは、いかなる1つの用途または場面に限定されるものではない。もっと正確にいえば、開示のシステムは、確実な制御または監視から弁の動作が恩恵を受けるとともに、状況を考えた場合に重複的な制御および監視に対応するために多重かつ専用の制御ループを用いることが実用的でないどのような用途に適用されてもよい。このような状況には、たとえば、弁が当該システムの他のコンポーネントから長い距離だけ分離されている場合、または、操作環境が安全ではないまたは弁と制御領域との間の複数のワイヤを用いた接続を維持の助けにならない場合が含まれる。
【0027】
ここで、図面を参照すると、図1に例示の実施形態にかかる緊急遮断システムが示され、その全体が符号10により表されている。この緊急遮断システム10は、符号16でその全体が示されている遮断弁組立体の確実な遮断制御を提供するように協働する、符号12でその全体が表されている気圧セクションと、符号14でその全体が表されている制御セクションとを備えている。一般的にいえば、緊急遮断システム10は、遮断弁組立体16の安全な状態への移転を実現にするための重複的機構を備えている。緊急遮断システム10は、開示されたシステムの一または複数のコンポーネントと通信する一または複数のコントローラまたはオペレータワークステーションを有したプロセス制御システム(図示せず)と一緒にまたはその一部として動作することが可能である。
【0028】
気圧セクション12は、符号22でその全体が表されているソレノイド弁組立体を通じて遮断弁組立体16に連通しているデジタル式弁コントローラ(DVC)20を備えている。このDVC20は、供給導管26から気圧用供給圧力をDVC圧力入力部24で受けるようになっている。DVC圧力出力部28は、出力導管30を通じてソレノイド弁組立体22に気圧用供給圧力を供給するようになっている。ソレノイド組立体22は、供給導管26が結合されているアクチュエータ入力部36で受けた気圧用供給圧力を用いてソレノイド弁34を駆動するソレノイド弁アクチュエータ32を備えている。ソレノイド弁34は、安全弁供給導管38を通じて遮断弁組立体16に気体圧を供給するために、DVC20から出力導管30を通ってくる空気圧に作用するようになっている。ソレノイド弁組立体22は、ASCO弁社(ASCO Valve Inc.)(フォーハム、ニュージャージ州)により製造されているASCOR 3/2−4/2シリーズISピエゾオペレータ弁の如きパイロット操作弁を備えうる。さらに一般的にいえば、ソレノイド組立体22の動作は、以下にきさいするように、圧電変換または電磁変換に基づくものであってもよいし、または、加えられた電圧信号または電流信号に対して適切に応答する他のいかなる機構に基づくものであってもよい。いずれの場合であっても、供給導管26は、気圧セクション12内のデバイスに共通の供給圧力を供給しうるし、または、これらのデバイスの各々に対して専用の供給導管を提供するように個々に配管されてもよい。
【0029】
遮断弁組立体16は、安全弁アクチュエータ42に機械的に結合された安全弁40を備えている。図1の例示の実施形態では、安全弁40は流体用の導管または配管44に沿って配置されている。安全弁40は、十分な気体圧が安全弁アクチュエータ42に加えられたとき導管44を通る矢印Fにより示されている流体の流れを妨げるようになっているエアツゥクローズ式弁であってもよい。具体的にいえば、ソレノイド弁アクチュエータ32が、安全弁供給導管38を通して安全弁アクチュエータ42へ十分な空気圧を送るようにソレノイド弁34を機械的に導くときに、導管44を通る流体の流れが妨げられるようになっている。気体圧を受けると、安全弁アクチュエータ42は、導管44を通る流体の流れを妨げるために安全弁40を閉じる。これは、正常状態では、アクチュエータ42が加圧され弁40が閉じて導管44を通る流体の流れが遮断されるようになっている緊急通気弁の一例である。したがって、安全な状態はでは、アクチュエータ42が通気され弁40の開弁を可能とするため、流体が導管44内を流れることができる。
【0030】
あるいは、開示されたシステムは、正常な動作状態では弁が開弁にされ流体が流れることができ、緊急時または安全な状態では弁が閉弁にされるようになっているエアーツーオープン式弁を備えて実施されてもよい。それぞれの場合において、安全な状態とは、安全弁アクチュエータ42が圧抜きされた状態に相当する。しかしながら、複数の他の実施形態に関連して以下に記載して示しているように、開示されたシステムは、圧力が放出されるのではなく安全弁アクチュエータ42に加えられるようになっている安全な状態を含んでいてもよい。
【0031】
図1に示している実施形態では、プロセス制御システムおよび緊急遮断システム10の全体が正常状態に保持されているとき(たとえば、緊急状態でもなければ試験をしているわけでもない)、DVC20は、気圧用供給圧力を供給導管26からDVC圧力出力部28を通してソレノイド弁34へ送るようになっている。それと同時に、ソレノイド弁アクチュエータ32は、出力導管30の気体圧を安全弁アクチュエータ42へ導くようにソレノイド弁34の位置決めを行う。このようにして、気体圧は、遮断弁40をエアーツーオープンまたはエアーツークローズの方式に沿った正常状態での動作中、開弁位置または閉弁位置にそれぞれ対応して維持している。
【0032】
緊急の場合には、気体圧の遮断弁組立体16への供給が解除される。具体的にいえば、DVC20は、正常状態でDVC圧力出力部28を通して送られている気体圧をDVC換気口46を通して低圧側に逃がす。したがって、出力導管30内の圧力も逃がされることになる。いずれの場合であっても、ソレノイド弁組立体22は、弁供給導管38をソレノイド弁通気口48に接続して、アクチュエータ42を減圧するようになっている。そのあと、ソレノイド弁34が導管38および導管48を連通させたため導管30がもはやソレノイド弁34に圧力を供給していないので、遮断弁40は、閉弁し、導管44を通る流体の流れを妨げるようになっている(エアーツーオープン式弁の場合の一例)。
【0033】
DVC20の故障によりDVC20がDVC通気口46を通じて気体圧力を逃がすことができなくなった場合、ソレノイド弁アクチュエータ32は、安全供給導管38および安全弁アクチュエータ42をソレノイド弁通気口導管48を通じて通気させてもよい。その一方、ソレノイド弁アクチュエータ32が弁34の位置を気圧式に切り替えるのに失敗した場合、DVC20は、供給導管26からの気圧用供給圧力を、弁組立体16の移行を実現するように導くようになっている。このようにして、緊急遮断システム10は、正常状態で供給導管26を通じて供給される気圧用供給圧力の逃がしの重複的な制御を提供することにより、緊急時に、安全弁40を安全な状態に移行させるようになっている。
【0034】
ここで、図1の例示の実施形態に関連して、制御セクション14が気圧セクション12の動作を制御する方法を記載する。制御セクション14は、遮断コントローラ52からのコマンドをDVC20およびソレノイド組立体22にまで伝達するためのケーブル50(たとえば、家庭配線用のケーブル)を備えている。この実施形態では、制御セクション14は、遮断弁組立体16の位置決めを実現するようにDVC20およびソレノイド組立体22に命じることにより重複的な遮断制御を提供するようになっている。ケーブル50は、遮断コントローラ52とDVC20との間の4−20mADC制御信号およびデジタル通信に対応することができるワイヤまたは回線54、56から構成される2線式制御ループであってもよい。たとえば、このような通信には、DVC20からの弁位置データを遮断コントローラ52まで送信することが含まれうる。このため、DVC20は、遮断弁組立体の動作を監視するために、遮断弁組立体の位置データを回線57を通じて受信するようになっている。また、このように、DVC20は、4−20mAの制御信号への応答に限定されないインテリジェント位置決め装置として機能するようになっている。このようなインテリジェントな監視および制御に適しているコントローラの一つとして、フィッシャ・コントロールズ・インターナショナル・エル・エル・シー(Fisher Controls International LLC)(マーシャルタウン、アイオワ州)から市販されているDVC6000デジタル式弁コントローラが挙げられる。実際のところ、一部の実施形態は、以下に記載するようにどのようなデジタル制御または他の機能にも依存しない。
【0035】
また、制御セクション14は、ケーブル50、ソレノイド組立体22およびDVC20へ結合された中継器または安全回路58をさらに備えている。中継器58は、プロセス制御ループ内でDVC20と直列に接続されていることが一般的であるので、ソレノイド組立体22およびDVC20に対して電力および制御機能を供給すべく、従来型の4−20mADC電流信号用の一または複数の電流路を提供している。さらに詳細にいえば、中継器58は、ソレノイド組立体22をケーブル50および遮断コントローラ52に結合し、また、DVC20と送受信するデジタル信号用の通信路をさらに提供する。このようにして、デジタル通信は、緊急時および試験期間を含む動作全体にわたって利用可能となっている。中継器58が設置されることにより、遮断コントローラ52は、命じられた弁位置を表す制御信号を送信することが可能となり、DVC20から情報またはデータを表すデジタル信号を受信することも可能となる。たとえば、遮断コントローラ52は、DC制御信号のための電流レベル(たとえば、20mA)を維持しながら、部分ストローク試験の如き試験手順を実行するために遮断弁組立体16の位置を変更するようにDVC20に対してデジタルで命じることが可能となる。部分ストローク試験からの試験結果は、緊急遮断システムの確実性を著しく向上させることができる。開示されたシステムにより、部分ストローク位置試験シーケンスを可能とし試験結果の収集および送信を容易にすることにより上記の試験が促進される。
【0036】
中継器58を用いることにより、同一の2線式ループ、すなわち制御回線54、56がDC制御信号およびAC(デジタル)制御信号を扱うことが可能となる。このため、制御回線54、56は、DC電流信号上に重畳されたデジタル信号を搬送することが可能である。デジタル信号は、HARTプロトコルの如きいかなる所望の通信プロトコルに準拠してもよい。 以下に記載するように、中継器58の特性により、ソレノイド組立体22へ
のDC電流が故意にまたは他の理由で禁じられている場合であっても、このようなデジタル信号をDC電流信号のレベルに関係なく送信することが可能となる。このように、ソレノイド組立体22もしくは気圧セクション12のコンポーネントまたはそれらの関連する制御セクション14が動作しない場合であっても、遮断弁組立体16が安全な状態にあることを確認するためにDVC20とのデジタル通信に依存することが可能である。さらに一般的にいえば、DVC20と遮断コントローラ52(またはプロセス制御システムの他のコンポーネント)との間のデジタル通信は、遮断弁組立体16の位置または他の様相に関するステータス情報の送信を含みうる。他の様相とは、たとえばアラーム情報、システムDC電流レベル、通信ステータス、または、通信プロトコルが対応しているその他の所望のプロセスもしくはデバイスに関するパラメータもしくは特性のことである。
【0037】
緊急状態または動作試験がない動作中、遮断コントローラ52は、20mAまたはその他の所望のレベルでありうる正常状態を示すレベルでDC電流信号を提供するようになっている。通常、この20mADC電流信号は、ワイヤ54、56と、DVC20と、ソレノイド組立体22と、中継器58とを含むループの中を流れる。以下でさらに記載するように、20mA電流信号は、中継器58で第一のパス60および第二のパス62に分割されるまでこのループを流れる。第二のパス62を流れる電流はソレノイド組立体22を流れ、第一のパス60を流れる電流はソレノイド組立体22に対して平行になっている負荷を流れるようになっている。ソレノイド組立体22が圧電制御素子を含んでいる実施形態では、ソレノイド組立体22が励磁されるか否かはパス60の負荷の前後の電圧によって決まる。ソレノイド組立体22がコイルまたは他の電流駆動式の制御要素を含んでいる他の実施形態では、ソレノイド組立体22が励磁されるか否かは、パス60およびパス62により形成されている電流分割器により決まる。いずれの場合であって、パス60負荷は、(i)パス60および62を通って流れる電流、および、(ii)ソレノイド組立体22の両端に生じる電圧を決めるインピーダンスを有している。
【0038】
図1の実施形態では、中継器58は、継電器接点64と、パス60内の負荷として作用する継電器コイル66とを有した継電器を備えている。また、中継器58は、継電器コイル66に対して並列になっているコンデンサ68をさらに備えている。コンデンサ68は、DVC 20と遮断コントローラ52との間のデジタル通信を支えるための低インピーダンスACバイパス路として機能する。動作時は、ケーブル50(すなわち、回線54および回線56のうちの1つ)の電流レベルが前もって決められたしきい値よりも大きくなると、電流がパス62およびソレノイド組立体22に流れるように継電器コイル66が接点64を閉じるようになっている。ソレノイド組立体22に圧電制御素子を備えている上記の例示の実施形態では、電流がパス60を流れると、ソレノイド組立体を励磁することができる十分な電圧降下が継電器コイル66の前後に生じるようになっている。たとえば、継電器が、約18mAの電流レベルで接点64を閉じるように選択されてもよく、この場合、継電器コイル66の前後で生じる電圧降下は約6ボルトDC以上となる。その場合、ソレノイドを約6ボルトレベルで励磁するように、上記のASCOの圧電式ソレノイドアクチュエータ32が選択されることになる。他の電流駆動に関する実施形態では、2mAで駆動すべくソレノイドを選択してもよいしまたは構成してもよい。いずれの場合であっても、遮断コントローラ52により20mADC制御信号が提供されると、それに従って、中継器58は、ソレノイド組立体22をケーブル50に接続し、駆動するようになっている。
【0039】
緊急状態が発生すると、DC電流制御信号は、20mAレベルからたとえば4mAレベルまで降下する。継電器は、降下ポイント、すなわち、継電器コイル66が接点64を閉じることができなくなる電流値が、約4mAよりも大きいように選択または構成されている。また、降下レベルが約4mAを超えたとき、継電器コイル66の両端の電圧は、ソレノイド組立体22を励磁するために必要な電圧レベルを下回るように、継電器は構成されている。たとえば、ソレノイド組立体22は、約3ボルトDCで消磁されるように選択または構成されている。このように、ソレノイド組立体22は、4mADC制御信号に応答して、リラックスすることにより安全な状態への移行を可能としている。
【0040】
もちろん、本明細書では、電圧、電流および回路の他の詳細事項については、値が本来例示的なものであり、他の実施形態では、異なる回路素子、システムコンポーネントまたは制御信号レベルの使用に応じて修正されうるという理解のもとに提供されている。
【0041】
図1に示した実施形態の1つの利点は、継電器の既知の故障モードはすべて、ソレノイド組立体22を消磁することにより遮断弁組立体16に安全な状態に入らせるという意味において、中継器58が、フォールトトレラントまたはフェイルセーフに動作するということにある。継電器の1つの故障モードとしては、ケーブル50の電流信号が約4mAにまで落ちたときに接点64が閉じられたままとどまる、すなわち、開かないでいるということが挙げられる。この故障モードでは、制御回線54または同等の回線70を流れる4mADC電流は、ソレノイド組立体22を励磁するための十分な電圧が継電器コイル66の両端に生じない。換言すれば、ソレノイド組立体22は、継電器コイル66およびソレノイド組立体22が並列負荷として接続されるので接点64が開かないときでさえリラックス状態にある。
【0042】
他の発生しうる故障モードでは、継電器コイル66が正常状態での動作中に開く場合がある。この場合、パス60に電流が流れず、継電器接点64が開くことになるため、回線72の中をソレノイド組立体22に向かって電流が流れず、ソレノイド組立体22がリラックスすることになる。したがって、この故障モードに入ると、遮断弁組立体16が安全な状態に移行することになる。それとは反対に、継電器コイル66がショートすると、ソレノイド組立体22の両端の電圧がゼロになり、従って先の場合と同様に、ソレノイド組立体22がリラックスすることになる。これらの故障モードの各々の場合、遮断弁組立体16が安全な状態に移行することになる。
【0043】
また、中継器58の外側の緊急遮断システム10の故障もシステム10を安全な状態に移行させる。たとえば、ケーブル50が破壊された場合には、パス60を流れる電流がゼロになり、継電器接点64が開くことになる。このように、ソレノイド組立体22は、システム10の他の部分から切断され、消磁される。
【0044】
図2〜図5には、開示された緊急遮断システムの他の実施形態が示されている。分かり易いように、各図には、制御セクションの必要な部分しか示されていない。一般的にいえば、これらの他の実施形態は、制御回線に結合される負荷を備えている。この負荷は、制御回線を流れるDC電流に対してインピーダンスを有し、ソレノイド組立体22に印加される電圧を発生させる。このように、図2〜図5の実施形態は、図1の例示的な実施形態のように、ソレノイド組立体22をDVC20の如き他の位置決め装置と同一の制御回線に接続することを可能とする。
【0045】
ここで図2を参照すると、他の緊急遮断システムのうちの参照符号100で全体が示されている制御セクションは、DVC20と、ソレノイド組立体22とを備えている。これらは、たとえば図1に示されている配置を含むいかなる適切なニューマチック配置(pneumatic arrangement)に構成されてもよい。また、制御セクション100は、4−20mA電流制御信号を搬送する制御回線54、56へソレノイド組立体22を結合させる中継器102をさらに備えている。図1の実施形態と同様に、中継器102により提供されるインピーダンスは、一般的に、プロセス制御ループ内でDVC20に対して直列に接続されている。しかしながら、この場合、中継器102は、図1に示されている継電器の如きスイッチ装置を備えていない。もっと正確にいえば、中継器102は、抵抗器104と、コンデンサ106とを備えている。これらの各々はソレノイド組立体22に対して並列に接続されている。動作時には、抵抗器104とソレノイド組立体22とからなる並列負荷が、協働してソレノイド組立体22が励磁されるときを決める。このように、図1および図2の実施形態は、ソレノイド組立体22の作動および制御のためにこれと平行に接続された負荷またはインピーダンスを有しているという意味において類似している。この場合、ある電圧を発生させるDC電流に対するインピーダンスを生じるように抵抗器104が選択される。そして、ソレノイド組立体22は、抵抗器104の両端の電圧に応答し、緊急遮断弁組立体16(図1)の位置決めを実現する。
【0046】
DVC20は、弁位置を監視することが重要でないまたは核心とは関係ないような場合には、非インテリジェントな位置決め装置と取り替えられてもよい。したがって、コンデンサ68、106が必要でない場合もある。そのような他の実施形態は、図1および図2に示されているシステムのどおりの確実性の程度を提供しない場合がある。それにもかかわらず、DVC20を交換する位置決め装置は、遮断弁組立体16(図1)の位置決めを実現するために重複的な機構を提供する。
【0047】
図3には、緊急遮断システムのうちの符号110によりその全体が示されている制御セクションがソレノイド組立体22を制御回線54、56のうちの1つに結合する中継器112を有している開示のシステムの他の実施形態がさらに示されている。図2に示されている実施形態とは対照的に、中継器112は、DVC20とのデジタル通信をサポートするコンデンサを有していない。しかしながら、中継器112は、DVC20と遮断コントローラ52との間のデジタル通信信号の減衰を最小限に抑えるように選択される抵抗器114を有している。また、この抵抗は、図1および図2の実施形態に関して先に記載されたように、ソレノイド組立体22の制御をサポートするようにも選択される。それらの場合のように、抵抗器114は、制御回線54、56に流れるDC電流に対してある電圧が形成される負荷インピーダンスを提供している。そして、この電圧は、ソレノイド組立体22に印加され、ソレノイド組立体22がDC電流レベルに従って緊急遮断弁組立体16(図1)の位置決めを実現する。上述のように、たとえば意図する目的が弁位置の監視よりも駆動の重複性に向けられている場合、DVC20は非インテリジェント位置決め装置に取り替えられてもよい。
【0048】
図4および図5には、ソレノイド組立体22の駆動するための電圧または電流を決める制御回線54、56に結合された負荷が、重複的な駆動機構を提供している位置決め装置自体である開示のシステムさらに2つの他の実施形態が示されている。とくに、図4および図5は、それぞれ対応して他の制御セクション120および122を呈示しており、その各々は位置決め装置124を備えている。2つの他の実施形態では、位置決め装置124は、直列にまたは並列にソレノイド組立体22に結合されている。それぞれの場合、制御回線54、56のDC電流制御信号のレベルが変わるに従って、位置決め装置124の両端の電圧降下が変わるようになっている。したがって、ソレノイド組立体22は、変化する電圧信号および/または電流信号を受け、そして、この変化する電圧信号および/または電流信号が、緊急遮断弁組立体16(図1)の位置決めを実現する動作を決めるようになっている。位置決め装置124は、実効インピーダンスの両端の電圧降下が4mA電流レベルと20mA電流レベルとの間で十分に変わりそれに応じてソレノイド組立体22の動作を変えるように、選択および/または構成されてもよい。そして、ソレノイド組立体22は、位置決め装置124により呈示される電圧レベル(または電流レベル)に従って選択および/または構成されてもよい。
【0049】
場合によっては、位置決め装置124はデジタル式弁コントローラ(DVC)である場合もある。デジタル通信をサポートするために、ソレノイド組立体22は、DVCと遮断コントローラ52(図1)との間のデジタル通信信号がソレノイド組立体22により減衰されすぎないようにまたは他の方法で悪影響を与えられないように構成される。
【0050】
上記の実施形態のうちのいずれかに関連して、開示のシステムは、ソレノイド弁アクチュエータ32およびDVC20が安全弁組立体16の駆動を制御することを可能とする他のまたは追加の気体式のおよび機械的な部品を備えてもよいしまたは組み入れてもよい。また、場合によっては、開示のシステムは、一または複数のさらなる遮断弁の駆動を制御してもよい。
【0051】
上述のように、開示されたシステムの他の実施形態は、安全な状態への移行が圧力が安全弁アクチュエータに加えられること(逃がすのではなく)を含むように構成された気圧セクションを備えうる。このために、ソレノイド組立体は、消磁のとき空気圧力を加えるように(逃がすのではなく)構成されてもよい。したがって、20mADC制御信号を安全な状態と対応づけし4mADC制御信号を正常状態と対応づけすることが必要ということではないが有益なこともある。したがって、DVCが設けられる実施形態では、DVCは、4mAの制御信号に応答して空気圧力を加えるように構成されうる。異なるニューマチック配置およびDC電流レベルにもかかわらず、これらの実施形態のソレノイド組立体およびDVCは、同一の電流ループ(すなわち、同一のワイヤペアまたはケーブル)を通じて制御されてもよい。このため、単純な抵抗または他のインピーダンスを有する中継器は、リレーが設けられ、異なる電流レベルの制御信号が与えられる実施形態に比べて確実性が高くなる。いずれの場合であっても、ソレノイド組立体は、DVCに対して直列に接続されたインピーダンスの両端の電圧を通じて制御される。
【0052】
開示の遮断システムおよびプロセス制御システムの他のコンポーネントの動作に関する緊急遮断のための試験手順のさらなる詳細事項は、「緊急遮断システム」の表題が付された米国特許第6、186、167号に記載されており、その全開示内容は、本明細書において参照することによりここに援用されるものとする。
【0053】
本発明が特定の例示の実施形態に関して記載されているが、これらは例示のみを意図したものであり、本発明を制限するものではない。当業者にとって明らかなように、本発明の技術思想および範囲を逸脱することなく、本発明に対して変更、追加および/または削除を加えてもよい。
【0054】
以上のように、先の記載は、理解を明確にするためのみに与えられている。当業者にとって、本発明の範囲内の変更は明らかであるので、不必要な制限を解釈すべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
緊急遮断弁と、
前記緊急遮断弁の位置決めを決定する信号を搬送する制御回線と、
前記緊急遮断弁の位置決めを実現するために前記制御回線に結合されたソレノイド組立体と、
前記制御回線および前記ソレノイド組立体に結合され、該ソレノイド組立体を制御するために前記信号に応答するスイッチを有している中継器と
を備えてなる、緊急遮断システム。
【請求項2】
前記緊急遮断弁の位置決めを監視するためにデジタル式弁コントローラをさらに備えてなる、請求項1記載の緊急遮断システム
【請求項3】
前記中継器が、前記デジタル式弁コントローラからの制御回線上の通信をサポートするために前記スイッチの周辺に低インピーダンスACバイパス経路をさらに有してなる、請求項2記載の緊急遮断システム。
【請求項4】
前記スイッチが継電器を有し、前記低インピーダンスACバイパス経路が、前記継電器のコイルの両端に並列に接続されるコンデンサを有してなる、請求項3記載の緊急遮断システム。
【請求項5】
前記制御回線における前記信号が、DC電流値のしきい値以下になると、前記ソレノイド組立体への電流の流れを遮断するために、前記継電器の接点が開くように構成されてなる、請求項4記載の緊急遮断システム。
【請求項6】
前記スイッチおよび前記ソレノイド組立体は、前記スイッチが前記信号に応じて開くことに失敗したときでさえ前記ソレノイド組立体が消磁されるように、前記信号を加える並列負荷として接続されてなる、請求項1記載の緊急遮断システム。
【請求項7】
緊急遮断弁と、
前記緊急遮断弁が第一の状態または第二の状態で保持されるかを決定する電流信号を搬送する制御回線と、
前記電流信号に応じて、前記第一の状態から前記第二の状態へ前記緊急遮断弁の駆動を制御するソレノイド組立体と、
前記電流信号に応じて前記ソレノイド組立体を制御するために前記制御回線に前記ソレノイド組立体を結合する継電器と
を備えてなる、緊急遮断システム。
【請求項8】
前記制御回線を通じた前記デジタル通信をサポートするために前記継電器のコイルに対して並列に接続されるコンデンサをさらに備えてなる、請求項7記載の緊急遮断システム。
【請求項9】
前記デジタル通信が部分ストローク試験中に前記緊急遮断弁の位置決めを示す前記デジタル式弁コントローラから送信された情報を含むように前記制御回線に結合されるデジタル式弁コントローラをさらに備えてなる、請求項8記載の緊急遮断システム。
【請求項10】
前記デジタル式弁コントローラが、前記第一の状態から前記第二の状態へ前記緊急遮断弁を駆動させるうえで重複性を提供するよう前記緊急遮断弁の駆動を制御するように前記電流信号に対して応答するように構成されてなる、請求項9記載の緊急遮断システム。
【請求項11】
前記継電器は、前記電流信号がしきい値以下になったときに、前記ソレノイド組立体の電流を遮断するために開く接点を有してなる、請求項7記載の緊急遮断システム。
【請求項12】
前記継電器のコイルおよび前記ソレノイド組立体は、前記電流信号が前記しきい値以下になったときの前記接点が開くことに失敗したときでさえ前記ソレノイド組立体が消磁されるように、前記電流信号を加える並列負荷として接続されてなる、請求項11記載の緊急遮断システム。
【請求項13】
緊急遮断弁と、
前記緊急遮断弁の位置決めを決定する信号を搬送する制御回線と、
前記制御回線に結合され、前記緊急遮断弁の位置決めを実現するために前記信号に応答する弁位置決め装置と、
前記制御回線に結合された中継器と、
前記中継器を通じて前記制御回線に接続され、前記信号に従って前記緊急遮断弁の位置決めを実現するように構成されたソレノイド組立体と
を備えてなる、緊急遮断システム。
【請求項14】
前記中継器が、継電器と、該継電器のコイルに対して並列に前記制御回線に接続されるコンデンサとを備えてなる、請求項13記載の緊急遮断システム。
【請求項15】
前記制御回線のおける前記信号が、DC電流値のしきい値以下になると、前記ソレノイド組立体への電流の流れを遮断するために、前記継電器の接点が開くように構成されてなる、請求項14記載の緊急遮断システム。
【請求項16】
前記継電器のコイルおよび前記ソレノイド組立体は、前記制御回線内の前記電流信号が前記DC電流値のしきい値以下になったときに前記接点が開くことに失敗したときでさえ前記ソレノイド組立体が消磁されるように、前記信号を加える並列負荷として接続されてなる、請求項15記載の緊急遮断システム。
【請求項17】
前記中継器が、前記ソレノイド組立体に並列に接続される抵抗器を備えてなる、請求項13記載の緊急遮断システム。
【請求項18】
緊急遮断弁と、
前記緊急遮断弁の位置決めを決定するレベルを有するDC電流を搬送する制御回線と、
前記制御回線に結合され、電圧を生じる前記DC電流に対するインピーダンスを有する負荷と、
前記電圧応答し、前記DC電流レベルに従って前記緊急遮断弁の位置決めを実現するために前記制御回線および前記負荷に結合されているソレノイド組立体と
を備えてなる、緊急遮断システム。
【請求項19】
前記ソレノイド組立体が前記負荷に並列に接続されてなる、請求項18記載の緊急遮断システム。
【請求項20】
前記制御回線において前記負荷に対して直列に接続されたデジタル式弁コントローラをさらに備えてなる、請求項18記載の緊急遮断システム
【請求項21】
前記負荷が継電器コイルを有してなる、請求項18記載の緊急遮断システム。
【請求項22】
前記負荷が抵抗器を有してなる、請求項18記載の緊急遮断システム。
【請求項23】
前記負荷が、前記制御回線に結合されているとともに、前記緊急遮断弁の位置決めを実現するために前記DC電流レベルに応答する弁位置決め装置を有してなる、請求項18記載の緊急遮断システム。
【請求項24】
前記弁位置決め装置が、前記ソレノイド組立体と直列に接続されてなる、請求項23記載の緊急遮断システム。
【請求項25】
前記弁位置決め装置が、前記ソレノイド組立体と並列に接続されてなる、請求項23記載の緊急遮断システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−99134(P2012−99134A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−412(P2012−412)
【出願日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【分割の表示】特願2008−522806(P2008−522806)の分割
【原出願日】平成18年7月10日(2006.7.10)
【出願人】(591055436)フィッシャー コントロールズ インターナショナル リミテッド ライアビリティー カンパニー (183)
【Fターム(参考)】