説明

緩衝具

【課題】携帯性に優れ、必要なときに容易に使用することができる緩衝具を提供する。
【解決手段】帯状体10が延びた状態から巻いた状態に変形可能であることから、例えば手首などの人体の所定の部位に緩衝具100を巻きつけることが可能である。また、帯状体10において、巻いた状態を延びた状態へ変形する外力に抗して巻いた状態を保持する力が働くことから、手首などに緩衝具100を一旦巻きつけておけば、その巻きつけた状態を外力なしに保持することができる。したがって、例えば手首などの人体の部位に緩衝具100を取り付けて容易に持ち運ぶことが可能となり、優れた携帯性を発揮することができる。また、必要なときに簡単に取り外して物と物の緩衝に使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば荷物などを壁に立て掛ける際に壁と荷物との間に挿入して壁に傷が付くことを防止する場合などに用いられる携帯型の緩衝具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
配送業では、トラックへの荷物の積込みや積み下ろし、配送先での荷物の設置などの際に、荷物を地面や床などの平らな場所に一旦置いて作業を行うケースが頻繁に生じる。その際、地面に安定に置くことができない形状の荷物については、一時的に壁などに立て掛けておく必要がある。ところが、重たい荷物や角ばった荷物を直接壁に立て掛けると、壁にへこみや傷がついてしまう可能性がある。これを防ぐため、一般的には、布きれや手袋、新聞紙など、手近にある適当な物を緩衝物として壁と荷物の間に挟んで済ませていることが多い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、荷物を壁に立て掛けようとするときは、通常その荷物から手を放せない状態にある。したがって、上記の方法では、もし手近に適当な緩衝物が無いと、他の人に頼んで緩衝物を探してもらうか、荷物を抱えたまま自分で緩衝物を探すより他なくなるという不利益がある。
また、上記の方法で緩衝物として使用される物(布きれなど)は、本来その用途で使用する物ではないため、緩衝物として使用した結果つぶれたり汚れたりすると、その物を本来の用途で使用できなくなるという不利益がある。更に、不要になったり忘れて放置されたりすると、緩衝物として使用した物がゴミになるという不利益もある。
【0004】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、携帯性に優れ、必要なときに容易に使用することができる緩衝具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る緩衝具は、延びた状態から巻いた状態に変形可能であり、当該巻いた状態を当該延びた状態へ変形する外力に抗して当該巻いた状態を保持する力が働く帯状体と、前記帯状体の少なくとも一部を被覆する緩衝部材とを有する。
【0006】
上記の構成によれば、前記帯状体が前記延びた状態から前記巻いた状態に変形可能であることから、例えば手首などの人体の所定の部位に前記緩衝具を巻きつけることが可能である。また、前記帯状体において、前記巻いた状態を前記延びた状態へ変形する外力に抗して前記巻いた状態を保持する力が働くことから、手首などに前記緩衝具を一旦巻きつけると、その巻きつけた状態が保持される。したがって、前記緩衝具を手首などに巻きつけておき、必要に応じてこれを取り外し、前記緩衝部材を物と物の緩衝に使用することが可能となる。
【0007】
前記帯状体は、例えば、前記延びた状態から前記巻いた状態へ復元する力が働く弾性材料により形成されてよい。
この場合、前記帯状体は、前記延びた状態において、その長手方向と垂直な方向へ湾曲してよい。そして前記帯状体は、この湾曲により前記巻いた状態における内側の面が突き出た状態になると、当該延びた状態を前記巻いた状態へ変形する外力に抗して当該延びた状態を保持する力が働いてよい。
上記の構成によれば、前記帯状体を前記湾曲状態にすることによって、前記帯状体が前記延びた状態に保持されるため、前記巻いた状態に比べて、前記緩衝部材を物と物の間に挟みやすくなる。
【0008】
またこの場合、前記帯状体は、前記巻いた状態において両端部に間隙が生じてよい。
上記の構成によれば、たとえ前記帯状体が前記巻いた状態であっても、前記間隙に手首などを押し込めば、前記帯状体を前記延びた状態へ引っ張ることなく、前記緩衝具を容易に手首などへ取り付けることが可能になる。
【0009】
また前記帯状体は、例えば、折り曲げる外力に抗して元の曲げの状態を保持する力が働く複数の結節部を有してよい。
上記の構成によれば、前記緩衝具を手首などから取り外すために前記延びた状態に変形すれば、前記結節部において元の曲げの状態を保持する力が働くため、前記帯状体はその延びた状態に保持される。前記緩衝具を再び手首などに取り付ける際には、その延びた状態から前記巻いた状態へ前記帯状体を再び変形させればよい。したがって、前記帯状体が自ら前記巻いた状態へ復元力する場合に比べて、手首などへの巻付けが容易になる。
【0010】
好適に、前記緩衝具は、前記延びた状態にある前記帯状体を収容可能な帯状の袋を有してよい。そして、前記袋の少なくとも一部が前記緩衝部材を構成してよい。
上記の構成によれば、前記帯状体に前記緩衝部材を直接貼り付ける場合に比べて、前記緩衝部材の交換が容易になる。
【0011】
例えば、前記袋は、前記帯状体の出し入れが可能な大きさの穴を開閉するファスナを有してよい。
あるいは、前記袋は、その長手方向に沿って設けられた切れ目であって、前記袋の内面の一部と外面の一部とが重なり合って形成された切れ目を有してよい。
上記の構成によれば、前記袋を破いたりすることなく前記帯状体を前記袋に出し入れすることが可能になり、前記緩衝部材の交換が更に容易になる。
【0012】
また、前記袋は、前記帯状体を収容する主部と、前記主部の端部から延長する帯状の副部とを含んでよい。
上記の構成によれば、前記緩衝部材として使用可能な前記袋の長さを任意に延長することが可能になる。
【0013】
この場合、前記緩衝具は、前記副部の末端部に設けられた第1接着部と、前記帯状体が前記巻いた状態にあるとき前記第1接着部と当接しうる前記主部若しくは前記副部の外面に設けられた第2接着部とを有してよく、前記第1接着部と前記第2接着部は取り外し自在に接着してよい。
上記の構成によれば、前記副部を前記主部とともに手首などに巻きつけておき、前記第1接着部と前記第2接着部とを接着することによって前記副部の末端部を固定することが可能になるため、前記緩衝具を携帯しやすくなる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、例えば手首などの人体の部位に取り付けて持ち運ぶことが可能であり、また、必要なときに簡単に取り外して物と物の緩衝に使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1,図2は、本発明の実施形態に係る緩衝具100の構成の一例を示す図である。図1は手首に巻いた状態を示し、図2は延びた状態を示す。
【0016】
図2に示すように、本実施形態に係る緩衝具100は、帯状体10と、これを収容する帯状の袋20を有する。なお図2の例では、袋20の内部に収容される帯状体10を図解する都合上、袋20の一部を切り欠いた状態にして内部を露出させているが、本来は袋20によって帯状体10の全体が覆われている。
【0017】
[帯状体10]
帯状体10は、延びた状態から巻いた状態に変形可能であり、巻いた状態を延びた状態へ変形させる外力が加わると、これに抗して巻いた状態を保持しようとする力(形状保持力)が働くように構成されている。
【0018】
図3は、帯状体10の第1の構成例を示す図である。
図3の例において、帯状体10は、例えば金属や樹脂などの弾性を有する材料で形成される。外力を加えない状態では、図3(A)に示すように巻いた状態となり、これに外力を加えて図3(B)に示すような延びた状態に変形すると、図3(A)の巻いた状態に戻ろうとする復元力が働く。
【0019】
したがって、例えば緩衝具100を手首に装着する場合には、帯状体10を引っ張って図3(B)に示すような延びた状態とし、この状態で手首を緩衝具100の内側(巻いた状態における内側)にあてて引っ張る力を弱めて、帯状体10を巻いた状態へ自然に復元させればよい。したがって、ユーザは、緩衝具100を手首に取り付ける際、例えば腕時計のようにベルトの穴を通すなどの面倒な操作を行う必要がなく、単に引っ張って巻きつけるだけ良いので、緩衝具10の装着を非常に簡単に行うことができる。
【0020】
また、一旦緩衝具100を手首に装着すると、帯状体100には巻いた状態を保持しようとする力が働くため、ユーザは緩衝具100が手首から落ちないように他方の手で押さえる必要はない。すなわち、緩衝具100が自ら手首に巻きついた状態となるため、ユーザは他方の手を自由に使うことができ、緩衝具100を容易に持ち運ぶことができる。
【0021】
図4は、図3に示す帯状体の一変形例を示す図である。
図4(A)に示すように、帯状体10は、その延びた状態において、長手方向と垂直な方向へ湾曲するように形成してよい。すなわち、帯状体10は、巻いた状態において内側となる面が、延びた状態において湾曲して突き出た状態となるように形成してよい。
延びた状態において図4(A)に示すように湾曲すると、帯状体10には、延びた状態を巻いた状態へ変形しようとする外力に抗して、延びた状態を保持しようとする力が働く。一旦この延びた状態になれば、ユーザが緩衝具100を引っ張り続けなくても、緩衝具100は自ら延びた状態を保持する。
【0022】
したがって、緩衝具100を図4(A)に示すように延びた状態に保持させれば、緩衝具100を物と物の間に挟む作業を片手でも容易行うことが可能になる。例えば一方の手で荷物を押さえながら他方の手で緩衝具100を荷物と壁の間に挟む場合、巻いた状態(図4(B))に比べて延びた状態(図4(A))のほうが挟み込む作業を容易に行うことができる。
【0023】
なお、帯状体10は、巻いた状態においてその両端部に間隙が生じるように形成してもよい。すなわち、巻いた状態において巻き数が1周未満であり、若干力を加えて押し込めば手首などが通るような隙間が生じるように、帯状体10の長さと巾を設定してもよい。
このように、巻いた状態で両端部に隙間が生じていれば、その間隙に手首などを押し込むことによって、帯状体10をわざわざ両手で引っ張って延ばさずとも、緩衝具100を手首などへ容易に取り付けることが可能になる。
【0024】
図5は、帯状体10の第2の構成例を示す図である。
図5の例において、帯状体10は、それぞれ折り曲げることが可能な複数の結節部(12−1〜12−8)を備えている。
すなわち、帯状体10は、例えば樹脂や金属などで形成される板状の被連結部材11−1,…,11−9と、これらを直列に連結する結節部12−1,…,12−8とを有する。
【0025】
結節部12−n(nは1〜8の整数を示す)は、被連結部材11−n及び11−(n+1)を折り曲げ可能に連結するが、折り曲げる外力が加わった場合、その外力に抗して元の曲げの状態を保持する力が働くように構成されている。例えば、折り曲げる際、樹脂などの弾性部材を変形させたり、摩擦力が働いたりするように構成されている。
このように、帯状体10の結節部12−1〜12−8において、折り曲げる外力に抗して元の曲げの状態を保持する力が働くことから、緩衝具100を手首などから取り外すために延びた状態に変形すると、帯状体10はその延びた状態のままに保持される。したがって、緩衝具100を再び手首などに取り付ける際には、その延びた状態から巻いた状態へ帯状体10を曲げて変形させればよく、緩衝具100を取り外すと直ちに巻いた状態へ戻ってしまう図3の例に比べて、手首などへの巻付けが更に容易になる。
以上が、帯状体10の説明である。
【0026】
[袋20]
袋20は、図2に示すように帯状の形態を有しており、延びた状態にある帯状体10をその内部に収容することが可能である。袋20は、例えばタオル生地などの緩衝性を有する材料によって形成されており、その少なくとも一部が緩衝部材として使用可能である。例えば、袋20の全体をタオル生地で形成してもよいし、合成繊維や木綿などの布を袋状に形成して、その一部に緩衝部材としてのタオル生地やスポンジ、ウレタン・ゴムなどを貼り付けてもよい。あるいは、外面と内面をそれぞれ独立の布によって形成し、両者の間に綿やスポンジなどを詰めてもよい。
このように、帯状体10を袋20に収容すれば、帯状体10に緩衝部材を直接貼り付ける場合に比べて簡単に緩衝部材を交換することができる。
【0027】
なお、この袋20には、帯状体10を出し入れするための穴を設けてもよい。図6,図7は、その例を示す。
【0028】
図6は、袋20に帯状体10を出し入れするための切れ目を設ける例を示す。
図6(A)の例に示す袋20は、その長手方向に沿って切れ目21が設けられている。図6(B)は、図6(A)における点線A−A’にそって緩衝具100を切断した際の断面を示しており、この図に示すように、袋20の内面の一部と外面の一部とが重なり合って切れ目が形成されている。この構造によれば、切れ目21において袋20の内面と外面とが重なり合っているため、袋20の内部に収容された帯状体10が容易に外部へ出てしまうことを防止できる。
【0029】
図7は、袋20の端部にファスナ22を設ける例を示す。図7(A)はファスナ22が閉じた状態を示し、図7(B)はファスナ22が開いた状態を示す。
図7(B)に示すようにファスナ22を開けると、帯状体20を容易に取り出せる程度の適度な大きさの穴が開く。
【0030】
図6,図7に示すような穴を袋20に設けることによって、袋20を破いたりすることなく帯状体10を出し入れすることが可能になる。これにより、袋20の洗濯や交換が容易になる。
【0031】
次に、上述した緩衝具100の使用例について、図8を参照して説明する。
図8は、例えば運送業などにおいて荷物の持ち運びを行う作業者が、手首に取り付けた緩衝具100を使用する例を示す図である。
図8(A)に示すように、荷物400が比較的縦長の場合、これを床に置いてしまうと人の通行を妨げたり作業の邪魔になるため、作業者200は壁300に荷物400を立て掛けようとする。そのとき、作業者200は、一方の手で荷物400を押さえつつ、その手首に取り付けられた緩衝具100を他方の手で取り外し、荷物400と壁300との間に挟む(図8(B))。この際、作業者200は、誰かの助けを借りることなく、片手で容易に緩衝具100を挟み込むことができる。
【0032】
以上説明したように、本実施形態に係る緩衝具100によれば、帯状体10が延びた状態から巻いた状態に変形可能であることから、例えば手首などの人体の所定の部位に緩衝具100を巻きつけることが可能である。また、帯状体10において、巻いた状態を延びた状態へ変形する外力に抗して巻いた状態を保持する力が働くことから、手首などに緩衝具100を一旦巻きつけておけば、その巻きつけた状態を外力なしに保持することができる。
したがって、例えば手首などの人体の部位に緩衝具100を取り付けて容易に持ち運ぶことが可能となり、優れた携帯性を発揮することができる。また、必要なときに簡単に取り外して物と物の緩衝に使用することができるため、例えば配送業などにおいて緩衝部材を頻繁に使用する作業者に対して、従来にない利便性を提供することができる。
【0033】
次に、本実施形態の変形例について説明する。
【0034】
図9は、本実施形態に係る緩衝具100の一変形例を示す図である。
図9に示す緩衝具100において、袋20は、2つの部分を備えている。すなわち、上述した帯状体10を収容する主部20−1と、その主部20−1の端部から延長する帯状の副部20−2とを備えている。
主部20−1は、例えば先に説明したようにタオル生地や布などによって形成されており、図6,図7に示すような帯状体10の取り出し口を備えている。
副部20−2は、例えば図9(A)に示すように主部20−1の端部と連続的につながっており、主部20−1と同じ材質のタオル生地や布などによって形成される。この場合、主部20−1と副部20−2は、例えば同一の袋の途中部分を縫い付けて左右に分離することにより形成することが可能である。
【0035】
副部20−2は、緩衝部材としての機能を備えていてもよく、その場合には、内部にスポンジや綿、ウレタン・ゴムなどを充填してもよい。
また、副部20−2をタオル生地などの柔らかい繊維によって形成すれば、これをハンカチやタオルの代わりとして、作業者が汗を拭う際などに使用することも可能である。
【0036】
副部20−2は、図9の例に示すように主部20−1と一体に形成してもよいし、主部20−1と独立に形成してもよい。後者の場合、主部20−1と副部20−2とを取り外し自在にするため、両者の接続部分にボタンやフックなどの取付け具を設けてもよい。副部20−2を取り外し自在とすれば、例えばこれをハンカチ代わりに使用する場合において、主部20−1とは独立に交換して洗濯することができるため、衛生面において使い勝手が向上する。また、ユーザの服装や嗜好に合わせて色やデザインが異なる副部20−2を容易に付け替えることができるため、装飾性を高めることができる。
【0037】
また副部20−2は、図9(B)に示すように、巻いた状態にある主部20−1の外側へ更に巻きつけることが可能である。そして、このように主部20−1と副部20−2を巻いた状態において、副部20−2の末端部に設けられた接着部23と、主部20−1の外面(副部20−2を1周以上巻ける場合には副部20−2の外面でもよい)に設けられた接着部24とを当接させることにより、接着部23と接着部24とが接着し、副部20−2の末端部を固定することが可能である。
接着部23,24は、取付け・取り外しを繰り返し行うことが可能であり、例えばマジックテープ(登録商標)などによって構成される。
このように、主部20−1を手首などに巻いた状態において、副部20−2の末端部を固定することができるため、副部20−2が邪魔にならなくなり、緩衝具100を携帯しやすくなる。
【0038】
なお、図9に示す緩衝具100は、先に説明したように、巻いた状態において両端部に間隙が生じるように帯状体10が形成されている。そのため、間隙に手首などを押し込むことによって、帯状体10を両手で引張っることなく、手首などへ容易に緩衝具100を嵌めることができる。
【0039】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の形態のみに限定されるものではなく、種々のバリエーションを含んでいる。
【0040】
上述の実施形態では、袋20の中に帯状体10を収容し、袋20の一部(若しくは全部)を緩衝部材として使用する例が挙げられているが、本発明はこれに限定されない。例えば、帯状体10の表面の一部(若しくは全部)にスポンジやウレタン・ゴムなどの緩衝部材を直接貼り付けてもよい。
【0041】
上述の実施形態では、緩衝具100を手首に取り付ける例を挙げているが、これに限らず、例えば頭部や首、肩、腰、足など、人体の任意の部位に取り付けて使用することも可能である。
【0042】
また、緩衝具100を手首などに巻いたとき、人体との接触面に汗などが溜まることを防ぐため、袋20の内側の面(人体に接触する面)は、汗を吸いやすい合成繊維などの素材で形成してもよい。また、袋20の一部に目の粗い部分を設けて、発汗による汗の蒸発を促進するようにしてもよい。
【0043】
緩衝具100の色は任意であるが、例えば夜間の作業の安全を確保するため、袋20の外面に夜光性の塗料などを塗布してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0044】
例えば配送業において、荷物を壁に立て掛ける際の荷物と壁との緩衝に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施形態に係る緩衝具の構成の一例を示す図であり、手首に巻いた状態を示す。
【図2】本発明の実施形態に係る緩衝具の構成の一例を示す図であり、延ばした状態を示す。
【図3】帯状体の第1の構成例を示す図である。
【図4】図3に示す帯状体の一変形例を示す図である。
【図5】帯状体の第2の構成例を示す図である。
【図6】袋に帯状体を出し入れするための切れ目を設ける例を示す図である。
【図7】袋の端部にファスナを設ける例を示す図である。
【図8】緩衝具の一使用例を示す図である。
【図9】本実施形態に係る緩衝具の一変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
100…緩衝具、10…帯状体、11−1〜11−9…被連結部材、12−1〜12−8…結節部、20…袋、21…袋に設けられた切れ目、22…ファスナ、23,24…接着部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
延びた状態から巻いた状態に変形可能であり、当該巻いた状態を当該延びた状態へ変形する外力に抗して当該巻いた状態を保持する力が働く帯状体と、
前記帯状体の少なくとも一部を被覆する緩衝部材と
を有する緩衝具。
【請求項2】
前記帯状体は、前記延びた状態から前記巻いた状態へ復元する力が働く弾性材料により形成される、
請求項1に記載の緩衝具。
【請求項3】
前記帯状体は、前記延びた状態において、その長手方向と垂直な方向へ湾曲し、当該湾曲によって前記巻いた状態における内側の面が突き出た状態になると、当該延びた状態を前記巻いた状態へ変形する外力に抗して当該延びた状態を保持する力が働く、
請求項2に記載の緩衝具。
【請求項4】
前記帯状体は、前記巻いた状態において両端部に間隙が生じる、
請求項2又は3に記載の緩衝具。
【請求項5】
前記帯状体は、折り曲げる外力に抗して元の曲げの状態を保持する力が働く複数の結節部を有する、
請求項1に記載の緩衝具。
【請求項6】
前記延びた状態にある前記帯状体を収容可能な帯状の袋を有し、
前記袋の少なくとも一部が前記緩衝部材を構成する、
請求項1乃至5の何れか一に記載の緩衝具。
【請求項7】
前記袋は、前記帯状体の出し入れが可能な大きさの穴を開閉するファスナを有する、
請求項6に記載の緩衝具。
【請求項8】
前記袋は、その長手方向に沿って設けられた切れ目であって、前記袋の内面の一部と外面の一部とが重なり合って形成された切れ目を有する、
請求項6に記載の緩衝具。
【請求項9】
前記袋は、
前記帯状体を収容する帯状の主部と、
前記主部の一方の端部から延長する帯状の副部と
を含む、
請求項1乃至8の何れか一に記載の緩衝具。
【請求項10】
前記副部の末端部に設けられた第1接着部と、
前記帯状体が前記巻いた状態にあるとき、前記第1接着部と当接しうる前記主部若しくは前記副部の外面に設けられた第2接着部と
を有し、
前記第1接着部と前記第2接着部は取り外し自在に接着する、
請求項9に記載の緩衝具。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−101635(P2008−101635A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−282283(P2006−282283)
【出願日】平成18年10月17日(2006.10.17)
【出願人】(506348651)株式会社イーストアップ (1)
【Fターム(参考)】