説明

緩衝材兼用中栓と該中栓が取り付けられた錠剤用容器

【課題】余剰空間に錠剤が入り込むことのないようにした錠剤容器用の緩衝材兼用の中栓を提供すること。
【解決手段】容器内で収容物5と当接する中央が開口した環状押さえ板11と、環状押さえ板の外周縁に立設され、上方で口部内周壁6に嵌合する周壁12と、環状押さえ板の外周縁より径方向外方に向けて折り線aを介して連設された弾性押さえフラップ13と、環状押さえ板の内周縁に環状押さえ板の上に位置して環状押さえ板から突出して形成された錠剤一時収容部14とからなり、周壁の上端部周縁は径方向外方に延設されてフランジ部15が形成され、錠剤一時収容部は、天板16と天板の周縁近傍から環状押さえ板の内側周縁近傍に向けて略等間隔で垂設される収容部柱17からなり、隣合う収容部柱間は、錠剤5が通過可能に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、錠剤等を収容した容器の上部空間に、錠剤が入り込まないようにした緩衝材を兼ねた中栓に関し、特には錠剤が大量には振り出されず、少量ずつ振り出せるようにした緩衝材兼用中栓と該中栓が取り付けられた特に錠剤用の容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サプリメントや薬などを収容する錠剤用の容器には、流通段階から消費者が使用するまでの段階で錠剤やカプセル剤が割れたり欠けたりしないように、容器上部の余剰空間部分に、例えば、適当に折り畳んでまるめた合成樹脂フィルムを詰めたり、適当な大きさのスポンジの塊などの緩衝材を詰めて錠剤の容器内での移動を防止していた。
【0003】
しかし、合成樹脂フィルムを折り畳んでまるめた詰め物は、折り畳まれたフィルムの間に錠剤等が入り込むことがあり、消費者が開封して容器から この詰め物を取り出す際に、入り込んだ錠剤までが付随して取り出されてしまい、容器の外に錠剤を散乱させてしまうことがある。また、スポンジの塊を使用する場合には、容器内でスポンジの屑が出たりすると薬剤の品質に対する印象を悪くするおそれがあるので好ましくない。
【0004】
これらの問題を解決すべく、専用の緩衝材の目的で入れられる詰め物も開発されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0005】
上記先行技術文献を示す。
【特許文献1】特開2001−315853号公報。
【特許文献2】特開2003−40335号公報。
【0006】
しかしこれらの詰め物においても、詰め物があるために、中栓を工夫して少量の粒数を取り出すような構造を考えても、一度詰め物を取り出し、再度セットし直さなければならず不衛生である。詰め物は使い始めると必要ないので、ゴミとして廃棄しなければならない、等の問題が残る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、錠剤容器の上部余剰空間に錠剤を入り込ませないようにする緩衝材兼用の詰め物に関する以上のような問題を解決するためになされたもので、余剰空間に錠剤が入り込むことのないようにした錠剤容器用の緩衝材兼用中栓と該中栓が取り付けられた錠剤用容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1の発明は、胴部、肩部並びに胴部よりも小径の口部を有する錠剤用容器に口部から嵌入され、容器内に収容された錠剤等の粒状収容物の外部への排出を防止すると共に、容器内で移動することを抑制する緩衝材兼用の中栓であって、容器内で収容物に当接する中央が開口した環状押さえ板と、該環状押さえ板の外周縁に立設され、上方で口部内周壁に嵌合する周壁と、環状押さえ板の外周縁より径方向外方に向けて折り線を介して連設された多数の弾性押さえフラップと、前記環状押さえ板の内周縁に環状押さえ板の開口部分の上に位置して環状押さえ板から突出して形成された錠剤一時収容部とからなり、前記周壁の上端部周縁は、径方向外方に延設されて口部上端縁を覆うフランジ部が形
成され、前記錠剤一時収容部は、天板と天板の周縁近傍から環状押さえ板の内側周縁近傍に向けて略等間隔で垂設される複数本の収容部柱からなり、隣り合う収容部柱と収容部柱の間は錠剤が通過可能に形成されていることを特徴とする、緩衝材兼用中栓である。
【0009】
このように請求項1記載の発明によれば、胴部、肩部並びに胴部よりも小径の口部を有する錠剤用容器に口部から嵌入され、容器内に収容された錠剤等の粒状収容物の外部への排出を防止すると共に、容器内で移動することを抑制する緩衝材兼用の中栓であって、容器内で収容物に当接する中央が開口した環状押さえ板と、該環状押さえ板の外周縁に立設され、上方で口部内周壁に嵌合する周壁と、環状押さえ板の外周縁より径方向外方に向けて折り線を介して連設された多数の弾性押さえフラップと、前記環状押さえ板の内周縁に環状押さえ板の開口部分の上に位置して環状押さえ板から突出して形成された錠剤一時収容部とからなり、前記周壁の上端部周縁は、径方向外方に延設されて口部上端縁を覆うフランジ部が形成され、前記錠剤一時収容部は、天板と天板の周縁近傍から環状押さえ板の内側周縁近傍に向けて略等間隔で垂設される複数本の収容部柱からなり、隣り合う収容部柱と収容部柱の間は錠剤が通過可能に形成されているので、弾性押さえフラップや錠剤押さえ板により錠剤が押さえこまれ、錠剤等の収容物が動かず、口部上部の空間に入りこむことがないし、錠剤が輸送途上などで欠けたりすることがない。また、錠剤一時収容部に入った錠剤は収容部柱の間から口部上部の空間に振り出され、一錠ずつ取り出すことができる。
【0010】
請求項2の発明は、胴部、肩部並びに胴部よりも小径の口部を有する錠剤用容器に口部から嵌入され、容器内に収容された錠剤等の粒状収容物の外部への排出を防止すると共に、容器内で移動することを抑制する緩衝材兼用の中栓であって、上方で口部内周壁に嵌合する周壁と、周壁の末端縁に折り線を介して連設された多数の弾性押さえフラップと、周壁の略中央に周壁に連設されて径方向内方に向けて形成された環状蓋板と、その内側に環状蓋板の周縁より陥没して形成された錠剤一時収納部とからなり、前記周壁の上端部周縁は、径方向外方に延設されて口部上端縁を覆うフランジ部が形成され、前記錠剤一時収納部は、収容物に当接する錠剤押さえ板と、錠剤押さえ板の周縁近傍から環状蓋板の内側周縁近傍に向けて略等間隔で立設される複数本の収容部柱からなり、隣り合う収容部柱と収容部柱の間は錠剤が通過可能に形成されていることを特徴とする、緩衝材兼用中栓である。
【0011】
このように請求項2記載の発明によれば、胴部、肩部並びに胴部よりも小径の口部を有する錠剤用容器に口部から嵌入され、容器内に収容された錠剤等の粒状収容物の外部への排出を防止すると共に、容器内で移動することを抑制する緩衝材兼用の中栓であって、上方で口部内周壁に嵌合する周壁と、周壁の末端縁に折り線を介して連設された多数の弾性押さえフラップと、周壁の略中央に周壁に連設されて径方向内方に向けて形成された環状蓋板と、その内側に環状蓋板の周縁より陥没して形成された錠剤一時収納部とからなり、前記周壁の上端部周縁は、径方向外方に延設されて口部上端縁を覆うフランジ部が形成され、前記錠剤一時収納部は、収容物に当接する錠剤押さえ板と、錠剤押さえ板の周縁近傍から環状蓋板の内側周縁近傍に向けて略等間隔で立設される複数本の収容部柱からなり、隣り合う収容部柱と収容部柱の間は錠剤が通過可能に形成されているので、弾性押さえフラップや錠剤押さえ板により錠剤が押さえこまれ、錠剤等の収容物が動かず、口部上部の空間に入りこむことがないし、錠剤が輸送途上などで欠けたりすることがない。また、錠剤一時収容部に入った錠剤は収容部柱の間から口部上部の空間に振り出され、一錠ずつ取り出すことができる。
【0012】
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記錠剤一時収容部の上方には、中央に錠剤が通過可能な振り出し孔を有する第2中栓が設けられていることを特徴とする、緩衝剤兼用中栓である。
【0013】
このように請求項3記載の発明によれば、錠剤一時収容部の上方には、中央に錠剤が通過可能な振り出し孔を有する第2中栓が設けられているので、容器から錠剤を無理なく一錠ずつ振り出し取り出すことができる。
【0014】
また、請求項4の発明は、請求項3の発明において、容器内で収容物に当接する中央が開口した環状押さえ板と、該環状押さえ板の外周縁に立設され、上方が口部内周壁に嵌合する周壁と、環状押さえ板の外周縁より径方向外方に向けて折り線を介して連設された弾性押さえフラップと、前記環状押さえ板の内周縁に環状押さえ板の開口部分の上に位置する環状押さえ板から突出して形成された錠剤一時収容部とからなる第1中栓と、下端外周壁に嵌合溝が形成され、口部内周壁に大部分が嵌合する第2周壁と、該第2周壁の下端から径方向内方に向けて設けられる中央が開口した環状第2蓋板と、該環状第2蓋板の内周縁に設けられ、環状第2蓋板と連続する、錠剤一時収容部と略同径の上方に行くにしたがい窄まり先端が振り出し孔を形成する傾斜筒体とからなる第2中栓とで構成され、前記第2周壁の上端部周縁は、径方向外方に延設されて口部上端縁を覆うフランジ部が形成され、前記錠剤一時収納部は、天板と、天板の周縁近傍から環状押さえ板の内側周縁近傍に向けて略等間隔で垂設される複数本の収容部柱からなり、隣り合う収容部柱と収容部柱の間は錠剤が通過可能に形成されていると共に、第1中栓の上に第2中栓を重ねた際、周壁の上端が第2周壁の下端に形成された嵌合溝に嵌合して二つの中栓は一体に形成されることを特徴とする、請求項3記載の緩衝材兼用中栓である。
【0015】
このように請求項4記載の発明によれは、容器内で収容物に当接する中央が開口した環状押さえ板と、該環状押さえ板の外周縁に立設され、上方が口部内周壁に嵌合する周壁と、環状押さえ板の外周縁より径方向外方に向けて折り線を介して連設された弾性押さえフラップと、前記環状押さえ板の内周縁に環状押さえ板の開口部分の上に位置する環状押さえ板から突出して形成された錠剤一時収容部とからなる第1中栓と、下端外周壁に嵌合溝が形成され、口部内周壁に大部分が嵌合する第2周壁と、該第2周壁の下端から径方向内方に向けて設けられる中央が開口した環状第2蓋板と、該環状第2蓋板の内周縁に設けられ、環状第2蓋板と連続する、錠剤一時収容部と略同径の上方に行くにしたがい窄まり先端が振り出し孔を形成する傾斜筒体とからなる第2中栓とで構成され、前記第2周壁の上端部周縁は、径方向外方に延設されて口部上端縁を覆うフランジ部が形成され、前記錠剤一時収納部は、天板と、天板の周縁近傍から環状押さえ板の内側周縁近傍に向けて略等間隔で垂設される複数本の収容部柱からなり、隣り合う収容部柱と収容部柱の間は錠剤が通過可能に形成されていると共に、第1中栓の上に第2中栓を重ねた際、周壁の上端が第2周壁の下端に形成された嵌合溝に嵌合して二つの中栓は一体に形成されるので、収容物である錠剤を一錠ずつ確実に振り出して取り出すことができる。また、容器内で使用中においては、第1中栓と第2中栓は一体的に作用して取り扱いに不自由を感じない。
【0016】
また、請求項5の発明は、請求項3の発明において、上方が口部内周壁に当接する周壁と、周壁の末端縁に径方向外方に向けて折り線を介して連設された弾性押さえフラップと、周壁の略中央に周壁に連設されて径方向内方に向けて形成された環状蓋板と、その内側に環状蓋板の周縁より陥没して形成された錠剤一時収納部とからなる第1中栓と、前記周壁の略上方で環状蓋板に重ねて環状蓋板の上方に径方向に延設される環状第2蓋板と、該環状第2蓋板の内側周縁に、環状第2蓋板に連続して立設される錠剤一時収容部の開口径と同径で、上方に行くにしたがい窄まり、先端が錠剤径より大きい振り出し孔を有する傾斜筒体と、環状第2蓋板の外周縁より周壁の上端部を嵌合する嵌合溝を介して上方に向けて立設され、周壁と同口径で口部内周縁に当接される第2周壁とからなる第2中栓とで構成され、前記第2周壁の上端部周縁は、径方向外方に延設されて口部上端縁を覆うフランジ部が形成され、前記錠剤一時収納部は、収容物に当接する錠剤押さえ板と、錠剤押さえ板の周縁近傍から環状蓋板の内側周縁近傍に向けて略等間隔で立設される複数本の収容部柱からなり、隣り合う収容部柱と収容部柱の間は錠剤が通過可能に形成されていると共に、第1中栓の上に第2中栓を重ねた際、周壁の上端が第2周壁の下端に形成された嵌合溝に嵌合して二つの中栓は一体に形成されることを特徴とする、緩衝材兼用中栓である。
【0017】
このように請求項5記載の発明によれば、上方が口部内周壁に当接する周壁と、周壁の末端縁に径方向外方に向けて折り線を介して連設された弾性押さえフラップと、周壁の略中央に周壁に連設されて径方向内方に向けて形成された環状蓋板と、その内側に環状蓋板の周縁より陥没して形成された錠剤一時収納部とからなる第1中栓と、前記周壁の略上方で環状蓋板に重ねて環状蓋板の上方に径方向に延設される環状第2蓋板と、該環状第2蓋板の内側周縁に、環状第2蓋板に連続して立設される錠剤一時収容部の開口径と同径で、上方に行くにしたがい窄まり、先端が錠剤径より大きい振り出し孔を有する傾斜筒体と、環状第2蓋板の外周縁より周壁の上端部を嵌合する嵌合溝を介して上方に向けて立設され、周壁と同口径で口部内周縁に当接される第2周壁とからなる第2中栓とで構成され、前記第2周壁の上端部周縁は、径方向外方に延設されて口部上端縁を覆うフランジ部が形成され、前記錠剤一時収納部は、収容物に当接する錠剤押さえ板と、錠剤押さえ板の周縁近傍から環状蓋板の内側周縁近傍に向けて略等間隔で立設される複数本の収容部柱からなり、隣り合う収容部柱と収容部柱の間は錠剤が通過可能に形成されていると共に、第1中栓の上に第2中栓を重ねた際、周壁の上端が第2周壁の下端に形成された嵌合溝に嵌合して二つの中栓は一体に形成されるので、収容物である錠剤を一錠ずつ確実に振り出して取り出すことができる。また、容器内で使用中においては、第1中栓と第2中栓は一体的に作用して取り扱いに不自由を感じない。
【0018】
また、請求項6の発明は、口部内周壁に当接される中栓周壁と、中栓周壁の先端縁から内方に向けて径方向に設けられた中央が開口された環状蓋板と、環状蓋板の内周縁に環状蓋板の開口部分を塞ぐ、環状蓋板から突出して形成された錠剤一時収容部と、環状蓋板の下側に中栓周壁より内側に若干の距離を隔てて垂設されたインナー封止リングとからなる第1中栓と、外側周壁と内側周壁とが相対向するようにして外側周壁と底周壁と内側周壁とが順次連続して形成された断面形状が略U字状の環状枠体と、該環状枠体の外側周壁の下端から折れ線を介して径方向に外方に向けて形成された弾性押さえフラップとからなる第2中栓とで構成され、前記第2中栓の外側周壁の先端部分内側は、第1中栓のインナー封止リング外側に嵌合され、第2中栓の内側周壁先端部分は、第1中栓の環状蓋板の内側端縁に密着して第1中栓と第2中栓とは一体に形成されてなり、前記中栓周壁の上端部周縁は、径方向外方に延設されて口部上端縁を覆うフランジ部が形成され、前記錠剤一時収容部は、天板と天板の周縁近傍から環状蓋板の内側周縁近傍に向けて略等間隔で垂設される複数本の収容部柱からなり、隣り合う収容部柱と収容部柱の間は錠剤が通過可能に形成されていることを特徴とする、緩衝材兼用中栓である。
【0019】
このように請求項6記載の発明によれば、口部内周壁に当接される中栓周壁と、中栓周壁の先端縁から内方に向けて径方向に設けられた中央が開口された環状蓋板と、環状蓋板の内周縁に環状蓋板の開口部分を塞ぐ、環状蓋板から突出して形成された錠剤一時収容部と、環状蓋板の下側に中栓周壁より内側に若干の距離を隔てて垂設されたインナー封止リングとからなる第1中栓と、外側周壁と内側周壁とが相対向するようにして外側周壁と底周壁と内側周壁とが順次連続して形成された断面形状が略U字状の環状枠体と、該環状枠体の外側周壁の下端から折れ線を介して径方向に外方に向けて形成された弾性押さえフラップとからなる第2中栓とで構成され、前記第2中栓の外側周壁の先端部分内側は、第1中栓のインナー封止リング外側に嵌合され、第2中栓の内側周壁先端部分は、第1中栓の環状蓋板の内側端縁に密着して第1中栓と第2中栓とは一体に形成されてなり、前記中栓周壁の上端部周縁は、径方向外方に延設されて口部上端縁を覆うフランジ部が形成され、前記錠剤一時収容部は、天板と天板の周縁近傍から環状蓋板の内側周縁近傍に向けて略等間隔で垂設される複数本の収容部柱からなり、隣り合う収容部柱と収容部柱の間は錠剤が通過可能に形成されているので、環状枠体から錠剤一時収容部を経て、収容部柱と収容部柱の間から錠剤等の収容物を一錠ずつ振り出すことができる。
【0020】
また、請求項7の発明は、請求項6の発明において、前記第2中栓の内側周壁先端部分は、前記第1中栓の環状蓋板の下側で略中間部分に密着して形成されていることを特徴とする、緩衝剤兼用中栓である。
【0021】
このように請求項7記載の発明によれば、第2中栓の内側周壁先端部分は、第1中栓の環状蓋板の下側で略中間部分に密着して形成されているので、内側周壁の上側に内側周壁と錠剤一時収容部の収容部柱との間に環状蓋板の出っ張りが生じることになり、それが錠剤を振り出す際には、錠剤が環状蓋板に一旦あたってから錠剤一時収容部に異動するようになりワンクッションおいて振り出されるので、より確実に一錠ずつ振り出すことができる。
【0022】
また、請求項8の発明は、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の緩衝材兼用中栓が取り付けられた容器である。
【発明の効果】
【0023】
このように本発明の緩衝剤兼用中栓を用いることにより、使用時に従来のように指を容器の中に入れて、フィルムやスポンジのような緩衝材をつまみ出す必要がないので、錠剤等の収容物が緩衝材と一緒に飛び出したりすることがなく、衛生的である。高齢者を含め誰もが取り扱う際に、間違って大量に振り出してしまうことがなく少量、適量取り出せ安心、安全である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明を一実施形態に基づいて以下に詳細に説明する。
本発明の緩衝材兼用中栓(10)は、例えば、図7に示すように、胴部(2)、肩部(3)並びに胴部よりも小径の口部(4)を有する錠剤用容器(1)に口部(4)から嵌入され、容器内に収容された錠剤等の粒状収容物(5)の外部への排出を防止すると共に、容器内で移動することを抑制する緩衝材兼用の中栓であり、一般的には、ポリエチレン、ポリプロピレン等の剛性を有する熱可塑性樹脂を射出成形して作製するものである。
【0025】
この緩衝材兼用中栓(10)は、一つの部材から構成されるもの〜第1、第2の実施形態(例えば、図1、図2参照)と、二つの部材から構成されるもの〜第3、第4、第5、第6の実施形態(例えば、図3〜図6参照)とがある。順次説明する。
【0026】
図1は本発明の緩衝材兼用中栓(10)の第1の実施の形態を模式的に示した説明図である。
第1の実施の形態の緩衝材兼用中栓(10)は、例えば図1に示すように、容器内で収容物(5)に当接する中央が開口した環状押さえ板(11)と、該環状押さえ板(11)の外周縁に立設され、上方で口部内周壁(6)に嵌合する周壁(12)と、環状押さえ板(11)の外周縁より径方向外方に向けて折り線(a)を介して連設された多数の弾性押さえフラップ(13、13、…)と、環状押さえ板(11)の内周縁に環状押さえ板の開口部分(18)の上に位置して環状押さえ板から突出して形成された錠剤一時収容部(14)とからなるものである。
【0027】
緩衝材兼用中栓(10)は錠剤用容器の口部(4)に嵌入することから、環状押さえ板(11)の口径は、錠剤用容器の口部(4)の口径より若干短く設定しておくことはいうまでもない。
【0028】
周壁(12)の上端部周縁は、径方向外方に延設されて口部上端縁を覆うフランジ部(15)が形成されている。
【0029】
錠剤一時収容部(14)は、天板(16)と天板の周縁近傍から環状押さえ板(11)の内側周縁近傍に向けて略等間隔で垂設される複数本の収容部柱(17、17、…)からなり、隣り合う収容部柱(17)と収容部柱(17)の間は収容物(5)である、例えば錠剤が通過可能に形成されている。
【0030】
この緩衝材兼用中栓(10)を錠剤用容器(1)の口部(4)に嵌入する方法は以下の通りである。すなわち、全ての弾性押さえフラップ(13、13、…)を折り線(a)で折り曲げた状態で緩衝材兼用中栓(10)を錠剤用容器(1)の口部(4)に嵌入する。フランジ部(15)が口部(4)の上端縁を完全に覆って密封状態となる。弾性押さえフラップは、弾性があるので、折り線(a)を介して周壁側から図1(b)に示すように環状押さえ板(11)と平行な状態まで戻り、収容物(5)である、例えば、錠剤を押さえる状態になって、錠剤が移動することを抑制する。
このようなことから、弾性押さえフラップ(13)の長さは、錠剤用容器に密封された際、広げた状態で錠剤用容器の胴部(2)に限りなく接近する長さとすることが望ましい。
【0031】
収容物(5)である、例えば、錠剤を錠剤用容器(1)から振り出して取り出すには、図示してないが、キャップを開栓後、容器を持ち上げ、軽く振ることにより、収容物(5)である、例えば、錠剤は、錠剤一時収容部(14)に何錠かが入り、そのうちの一錠が収容部柱(17)と収容部柱(17)の間の空間から振り出され、外界に飛び出す。同じ動作を繰り返すことにより一錠ずつ必要量の錠剤を取り出すことができる。
【0032】
図2は本発明の緩衝材兼用中栓の第2の実施の形態を模式的に示した説明図である。
第2の実施の形態の緩衝材兼用中栓(20)は、例えば図2に示すように、上方で口部内周壁(6)に嵌合する周壁(22)と、周壁の末端縁に折り線(a)を介して連設された多数の弾性押さえフラップ(23、23、…)と、周壁の略中央に周壁に連設されて径方向内方に向けて形成された環状蓋板(21)と、その内側に環状蓋板の周縁より陥没して形成された錠剤一時収納部(24)とからなるものである。
【0033】
第1の実施の形態と同様に、緩衝材兼用中栓(20)は錠剤用容器の口部(4)に嵌入することから、環状蓋板(21)の口径は、錠剤用容器の口部(4)の口径より若干短く設定しておくことはいうまでもない。
【0034】
周壁(22)の上端部周縁は、径方向外方に延設されて口部上端縁を覆うフランジ部(25)が形成されている。
【0035】
錠剤一時収納部(24)は、収容物(5)に当接する錠剤押さえ板(26)と、錠剤押さえ板の周縁近傍から環状蓋板(21)の内側周縁近傍に向けて略等間隔で立設される複数本の収容部柱(27、27、…)からなり、隣り合う収容部柱(27)と収容部柱(27)の間は収容物(5)である、例えば、錠剤が通過可能に形成されている。
【0036】
この緩衝材兼用中栓(20)を錠剤用容器(1)の口部(4)に嵌入する方法は以下の通りである。すなわち、全ての弾性押さえフラップ(23、23、…)を折り線(a)で折り曲げた状態で緩衝材兼用中栓(20)を錠剤用容器(1)の口部(4)に嵌入する。フランジ部(25)が口部(4)の上端縁を完全に覆って密封状態となる。弾性押さえフラップは、弾性があるので、折り線(a)を介して周壁側から図2(b)に示すように錠剤押さえ板(26)と平行な状態まで戻り、収容物(5)である、例えば、錠剤を押さえる状態になって、錠剤が移動することを抑制する。
このようなことから、弾性押さえフラップ(23)の長さは、錠剤用容器に密封された際、広げた状態で錠剤用容器の胴部(2)に限りなく接近する長さとすることが望ましい。
【0037】
収容物(5)である、例えば、錠剤を錠剤用容器(1)から振り出して取り出すには、図示してないが、キャップを開栓後、容器を斜めに持ち上げ、軽く振ることにより、収容物(5)である錠剤は、収容部柱(27)と収容部柱(27)の間の空間から錠剤一時収容部(24)に入り、錠剤一時収納部の上部の開口部分から外に振り出される。同じ動作を繰り返すことにより一錠ずつ必要量の錠剤を取り出すことができる。
【0038】
図3は本発明の緩衝材兼用中栓(30)の第3の実施の形態を模式的に示した説明図である。
第3の実施の形態の緩衝材兼用中栓(30)は、例えば図3に示すように、容器内で収容物(5)に当接する中央が開口した環状押さえ板(11)と、該環状押さえ板の外周縁に立設され、上方が口部内周壁(6)に嵌合する周壁(12)と、環状押さえ板(11)の外周縁より径方向外方に向けて折り線(a)を介して連設された弾性押さえフラップ(13)と、環状押さえ板(11)の内周縁に環状押さえ板の開口部分(18)の上に位置する環状押さえ板から突出して形成された錠剤一時収容部(14)とからなる第1中栓(10a)と、下端外周壁に嵌合溝(36)が形成され、錠剤用容器(1)の口部内周壁(6)に大部分が嵌合する第2周壁(34)と、該第2周壁の下端から径方向内方に向けて設けられる中央が開口した環状第2蓋板(31)と、環状第2蓋板の内周縁に設けられ、環状第2蓋板(31)と連続する、錠剤一時収容部と略同径の上方に行くにしたがい窄まり先端が振り出し孔(33)を形成する傾斜筒体(32)とからなる第2中栓(10b)とで構成される。
【0039】
第2周壁(34)の上端部周縁は、径方向外方に延設されて口部上端縁を覆うフランジ部(35)が形成されている。
【0040】
錠剤一時収納部(14)は、天板(16)と、天板の周縁近傍から環状押さえ板(11)の内側周縁近傍に向けて略等間隔で垂設される複数本の収容部柱(17、17、…)からなり、隣り合う収容部柱(17)と収容部柱(17)の間は錠剤(5)が通過可能に形成されている。
【0041】
また、第1中栓(10a)の上に第2中栓(10b)を重ねた際、周壁(12)の上端が第2周壁(34)の下端に形成された嵌合溝(36)に嵌合して二つの中栓は一体に形成される。
【0042】
この緩衝材兼用中栓(30)を錠剤用容器(10)の口部(4)に嵌入する方法は第1及び第2の実施形態の場合と同様なので省略する。
【0043】
収容物(5)である錠剤を錠剤用容器(1)から振り出して取り出すには、図示してないが、キャップを開栓後、容器を斜めにして持ち上げ、軽く振ることにより、収容物(5)である錠剤は、錠剤一時収容部(14)の収容部柱(17)と収容部柱(17)の間の空間から振り出され、第1中栓(10a)と第2中栓(10b)の間の空間に飛び出す。飛び出した錠剤は傾斜筒体(32)を通って振り出し孔(33)から外界に振り出される。同じ動作を繰り返すことにより一錠ずつ必要量の錠剤を取り出すことができる。
【0044】
図4は本発明の緩衝材兼用中栓(40)の第4の実施の形態を模式的に示した説明図である。
第4の実施の形態の緩衝材兼用中栓(40)は、例えば図4に示すように、上方が口部内周壁(6)に当接する周壁(22)と、周壁の末端縁に径方向外方に向けて折り線(a)
を介して連設された弾性押さえフラップ(23)と、周壁の略中央に周壁に連設されて径方向内方に向けて形成された環状蓋板(21)と、その内側に環状蓋板の周縁より陥没して形成された錠剤一時収納部(24)とからなる第1中栓(20a)と、周壁(22)の略上方で環状蓋板(21)に重ねて環状蓋板の上方に径方向に延設される環状第2蓋板(41)と、環状第2蓋板の内側周縁に、環状第2蓋板に連続して立設される錠剤一時収容部(24)の開口径と同径で、上方に行くにしたがい窄まり、先端が錠剤径より大きい振り出し孔(43)を有する傾斜筒体(42)と、環状第2蓋板(41)の外周縁より周壁の上端部を嵌合する嵌合溝(46)を介して上方に向けて立設され、周壁と同口径で口部内周縁に当接される第2周壁(44)とからなる第2中栓(20b)とで構成されている。
【0045】
第2周壁(44)の上端部周縁は、径方向外方に延設されて口部上端縁を覆うフランジ部(45)が形成されている。
【0046】
錠剤一時収納部(24)は、収容物(5)に当接する錠剤押さえ板(26)と、錠剤押さえ板の周縁近傍から環状蓋板(21)の内側周縁近傍に向けて略等間隔で立設される複数本の収容部柱(27、27、…)からなり、隣り合う収容部柱(27)と収容部柱(27)の間は収容物(5)である錠剤が通過可能に形成されている。
【0047】
また、第1中栓(20a)の上に第2中栓(20b)を重ねた際、周壁(22)の上端が第2周壁(44)の下端に形成された嵌合溝(46)に嵌合して二つの中栓は一体に形成される。
【0048】
この緩衝材兼用中栓(40)を錠剤用容器(10)の口部(4)に嵌入する方法はこれまでに記した他の実施形態の場合と同様なので省略する。
【0049】
収容物(5)である錠剤を錠剤用容器(1)から振り出して取り出すには、図示してないが、キャップを開栓後、容器を斜めにして持ち上げ、軽く振ることにより、錠剤(5)は、容器内から錠剤一時収容部(24)の収容部柱(27)と収容部柱(27)の間から錠剤一時収容部(24)に一錠が移動して、移動した一錠の錠剤は、引き続き傾斜筒体(42)に移動して振り出し孔(43)から外界に振り出される。同じ動作を繰り返すことにより一錠ずつ必要量の錠剤を取り出すことができる。
【0050】
図5は本発明の緩衝材兼用中栓(50)の第5の実施の形態を模式的に示した説明図である。
第5の実施の形態の緩衝材兼用中栓(50)は、例えば図5に示すように、口部内周壁(6)に当接される中栓周壁(52)と、中栓周壁の先端縁から内方に向けて径方向に設けられた中央が開口された環状蓋板(51)と、環状蓋板の内周縁に環状蓋板の開口部分(58)を塞ぐ、環状蓋板から突出して形成された錠剤一時収容部(54)と、環状蓋板(51)の下側に中栓周壁(52)より内側に若干の距離を隔てて垂設されたインナー封止リング(59)とからなる第1中栓(50a)と、外側周壁(61)と内側周壁(63)とが相対向するようにして外側周壁(61)と底周壁(62)と内側周壁(63)とが順次連続して形成された断面形状が略U字状の環状枠体(64)と、該環状枠体の外側周壁の下端から折れ線(a)を介して径方向に外方に向けて形成された弾性押さえフラップ(65)とからなる第2中栓(60a)とで構成されている。
【0051】
第2中栓(60a)の外側周壁(61)の先端部分内側は、第1中栓のインナー封止リング(59)外側に嵌合され、第2中栓(60a)の内側周壁先端部分(63a)は、第1中栓の環状蓋板(51)の内側端縁に密着して第1中栓(50a)と第2中栓(60a)とは一体に形成されている。
【0052】
また、中栓周壁(52)の上端部周縁は、径方向外方に延設されて口部上端縁を覆うフランジ部(55)が形成されている。
【0053】
錠剤一時収容部(54)は、天板(56)と天板の周縁近傍から環状蓋板(51)の内側周縁近傍に向けて略等間隔で垂設される複数本の収容部柱(57、57、…)からなり、隣り合う収容部柱(57)と収容部柱(57)の間は錠剤(5)が通過可能に形成されているものである。
【0054】
この緩衝材兼用中栓(50)を錠剤用容器(10)の口部(4)に嵌入する方法はこれまでに記した他の実施形態の場合と同様なので省略する。
【0055】
収容物(5)である錠剤を錠剤用容器(1)から振り出して取り出すには、図示してないが、キャップを開栓後、容器を斜めにして持ち上げ、軽く振ることにより、錠剤(5)は、容器内から環状枠体(64)の中を通って環状蓋板の開口部分(58)から錠剤一時収容部(54)に入り、錠剤一時収容部(54)の収容部柱(57)と収容部柱(57)の間から外界に振り出される。同じ動作を繰り返すことにより一錠ずつ必要量の錠剤を取り出すことができる。
【0056】
図6は本発明の緩衝材兼用中栓の第6の実施の形態を模式的に示した説明図である。
第6の実施の形態の緩衝材兼用中栓(60)は、例えば図6に示すように、第5の実施の形態において、第2中栓(60a)の内側周壁先端部分(63a)が、第1中栓(50a)の環状蓋板(51)の下側で略中間部分に密着して形成されているものである。
【0057】
このように内側周壁の先端部分(63a)の環状蓋板(51)の下側に密着させる個所を環状蓋板(51)の内側周縁より外方に移動させたことにより、錠剤を振り出す際、錠剤がストレートに環状枠体(64)の中を通って錠剤一時収容部(54)の収容部柱(57)と収容部柱(57)の間から外に振り出されるのではなく、一旦環状蓋板の開口部分(58)近傍の環状蓋板(51)にあたってから錠剤一時収容部(54)に移動するようになり、ワンクッションおいてから振り出されるので、より確実に一錠ずつ振り出すことができる。
【0058】
第5及び第6の実施の形態の緩衝材兼用中栓においては、第1中栓(50a)の凹んでいる個所に、例えば、乾燥剤等を収容することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の緩衝材兼用中栓の第1の実施の形態の一例を示す、(a)は平面説明図であり、(b)は(a)のA−A’線断面説明図であり、(c)は錠剤一時収容部の斜視説明図である。
【図2】本発明の緩衝材兼用中栓の第2の実施の形態の一例を示す、(a)は平面説明図であり、(b)は(a)のA−A’線断面説明図であり、(c)は錠剤一時収容部の斜視説明図である。
【図3】本発明の緩衝材兼用中栓の第3の実施の形態の一例を示す、(a)は平面説明図であり、(b)は(a)のA−A’線断面説明図である。
【図4】本発明の緩衝材兼用中栓の第4の実施の形態の一例を示す、(a)は平面説明図であり、(b)は(a)のA−A’線断面説明図である。
【図5】本発明の緩衝材兼用中栓の第5の実施の形態の一例を示す、(a)は平面説明図であり、(b)は(a)のA−A’線断面説明図であり、(c)は錠剤一時収容部の斜視説明図である。
【図6】本発明の緩衝材兼用中栓の第6の実施の形態の一例を示す、断面説明図である。
【図7】本発明の緩衝材兼用中栓を錠剤用容器に取り付けた状態の一実施例を示す、断面説明図である。
【符号の説明】
【0060】
1‥‥錠剤用容器
2‥‥胴部
3‥‥肩部
4‥‥口部
5‥‥収容物、錠剤
6‥‥口部内周壁
10‥‥緩衝材兼用中栓
10a‥第1中栓
10b‥第2中栓
11‥‥環状押さえ板
12‥‥周壁
13‥‥弾性押さえフラップ
14‥‥錠剤一時収容部
15‥‥フランジ部
16‥‥天板
17‥‥収容部柱
18‥‥環状押さえ板の開口部分
20‥‥緩衝材兼用中栓
20a‥第1中栓
20b‥第2中栓
21‥‥環状蓋板
22‥‥周壁
23‥‥弾性押さえフラップ
24‥‥錠剤一時収容部
25‥‥フランジ部
26‥‥錠剤押さえ板
27‥‥収容部柱
30‥‥緩衝材兼用中栓
31‥‥環状第2蓋板
32‥‥傾斜筒体
33‥‥振り出し孔
34‥‥第2周壁
35‥‥フランジ部
36‥‥嵌合溝
40‥‥緩衝材兼用中栓
41‥‥環状第2蓋板
42‥‥傾斜筒体
43‥‥振り出し孔
44‥‥第2周壁
45‥‥フランジ部
46‥‥嵌合溝
50‥‥緩衝材兼用中栓
50a‥第1中栓
51‥‥環状蓋板
52‥‥中栓周壁
54‥‥錠剤一時収容部
55‥‥フランジ部
56‥‥天板
57‥‥収容部柱
58‥‥環状蓋板の開口部分
59‥‥インナー封止リング
60‥‥緩衝材兼用中栓
60a‥第2中栓
61‥‥外側周壁
62‥‥中栓周壁
63‥‥内側周壁
63a‥内側周壁の先端部分
64‥‥環状枠体
65‥‥弾性押さえフラップ
a‥‥折れ線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴部、肩部並びに胴部よりも小径の口部を有する錠剤用容器に口部から嵌入され、容器内に収容された錠剤等の粒状収容物の外部への排出を防止すると共に、容器内で移動することを抑制する緩衝材兼用の中栓であって、
容器内で収容物に当接する中央が開口した環状押さえ板と、該環状押さえ板の外周縁に立設され、上方で口部内周壁に嵌合する周壁と、環状押さえ板の外周縁より径方向外方に向けて折り線を介して連設された多数の弾性押さえフラップと、前記環状押さえ板の内周縁に環状押さえ板の開口部分の上に位置して環状押さえ板から突出して形成された錠剤一時収容部とからなり、
前記周壁の上端部周縁は、径方向外方に延設されて口部上端縁を覆うフランジ部が形成され、
前記錠剤一時収容部は、天板と天板の周縁近傍から環状押さえ板の内側周縁近傍に向けて略等間隔で垂設される複数本の収容部柱からなり、隣り合う収容部柱と収容部柱の間は錠剤が通過可能に形成されていることを特徴とする、緩衝材兼用中栓。
【請求項2】
胴部、肩部並びに胴部よりも小径の口部を有する錠剤用容器に口部から嵌入され、容器内に収容された錠剤等の粒状収容物の外部への排出を防止すると共に、容器内で移動することを抑制する緩衝材兼用の中栓であって、
上方で口部内周壁に嵌合する周壁と、周壁の末端縁に折り線を介して連設された多数の弾性押さえフラップと、周壁の略中央に周壁に連設されて径方向内方に向けて形成された環状蓋板と、その内側に環状蓋板の周縁より陥没して形成された錠剤一時収納部とからなり、
前記周壁の上端部周縁は、径方向外方に延設されて口部上端縁を覆うフランジ部が形成され、
前記錠剤一時収納部は、収容物に当接する錠剤押さえ板と、錠剤押さえ板の周縁近傍から環状蓋板の内側周縁近傍に向けて略等間隔で立設される複数本の収容部柱からなり、隣り合う収容部柱と収容部柱の間は錠剤が通過可能に形成されていることを特徴とする、緩衝材兼用中栓。
【請求項3】
前記錠剤一時収容部の上方には、中央に錠剤が通過可能な振り出し孔を有する第2中栓が設けられていることを特徴とする、請求項1又は2記載の緩衝材兼用中栓。
【請求項4】
容器内で収容物に当接する中央が開口した環状押さえ板と、該環状押さえ板の外周縁に立設され、上方が口部内周壁に嵌合する周壁と、環状押さえ板の外周縁より径方向外方に向けて折り線を介して連設された弾性押さえフラップと、前記環状押さえ板の内周縁に環状押さえ板の開口部分の上に位置する環状押さえ板から突出して形成された錠剤一時収容部とからなる第1中栓と、
下端外周壁に嵌合溝が形成され、口部内周壁に大部分が嵌合する第2周壁と、該第2周壁の下端から径方向内方に向けて設けられる中央が開口した環状第2蓋板と、該環状第2蓋板の内周縁に設けられ、環状第2蓋板と連続する、錠剤一時収容部と略同径の上方に行くにしたがい窄まり先端が振り出し孔を形成する傾斜筒体とからなる第2中栓とで構成され、
前記第2周壁の上端部周縁は、径方向外方に延設されて口部上端縁を覆うフランジ部が形成され、
前記錠剤一時収納部は、天板と、天板の周縁近傍から環状押さえ板の内側周縁近傍に向けて略等間隔で垂設される複数本の収容部柱からなり、隣り合う収容部柱と収容部柱の間は錠剤が通過可能に形成されていると共に、
第1中栓の上に第2中栓を重ねた際、周壁の上端が第2周壁の下端に形成された嵌合溝に嵌合して二つの中栓は一体に形成されることを特徴とする、請求項3記載の緩衝材兼用中
栓。
【請求項5】
上方が口部内周壁に当接する周壁と、周壁の末端縁に径方向外方に向けて折り線を介して連設された弾性押さえフラップと、周壁の略中央に周壁に連設されて径方向内方に向けて形成された環状蓋板と、その内側に環状蓋板の周縁より陥没して形成された錠剤一時収納部とからなる第1中栓と、
前記周壁の略上方で環状蓋板に重ねて環状蓋板の上方に径方向に延設される環状第2蓋板と、該環状第2蓋板の内側周縁に、環状第2蓋板に連続して立設される錠剤一時収容部の開口径と同径で、上方に行くにしたがい窄まり、先端が錠剤径より大きい振り出し孔を有する傾斜筒体と、環状第2蓋板の外周縁より周壁の上端部を嵌合する嵌合溝を介して上方に向けて立設され、周壁と同口径で口部内周縁に当接される第2周壁とからなる第2中栓とで構成され、
前記第2周壁の上端部周縁は、径方向外方に延設されて口部上端縁を覆うフランジ部が形成され、
前記錠剤一時収納部は、収容物に当接する錠剤押さえ板と、錠剤押さえ板の周縁近傍から環状蓋板の内側周縁近傍に向けて略等間隔で立設される複数本の収容部柱からなり、隣り合う収容部柱と収容部柱の間は錠剤が通過可能に形成されていると共に、
第1中栓の上に第2中栓を重ねた際、周壁の上端が第2周壁の下端に形成された嵌合溝に嵌合して二つの中栓は一体に形成されることを特徴とする、請求項3記載の緩衝材兼用中栓。
【請求項6】
口部内周壁に当接される中栓周壁と、中栓周壁の先端縁から内方に向けて径方向に設けられた中央が開口された環状蓋板と、環状蓋板の内周縁に環状蓋板の開口部分を塞ぐ、環状蓋板から突出して形成された錠剤一時収容部と、環状蓋板の下側に中栓周壁より内側に若干の距離を隔てて垂設されたインナー封止リングとからなる第1中栓と、
外側周壁と内側周壁とが相対向するようにして外側周壁と底周壁と内側周壁とが順次連続して形成された断面形状が略U字状の環状枠体と、該環状枠体の外側周壁の下端から折れ線を介して径方向に外方に向けて形成された弾性押さえフラップとからなる第2中栓とで構成され、
前記第2中栓の外側周壁の先端部分内側は、第1中栓のインナー封止リング外側に嵌合され、第2中栓の内側周壁先端部分は、第1中栓の環状蓋板の内側端縁に密着して第1中栓と第2中栓とは一体に形成されてなり、
前記中栓周壁の上端部周縁は、径方向外方に延設されて口部上端縁を覆うフランジ部が形成され、
前記錠剤一時収容部は、天板と天板の周縁近傍から環状蓋板の内側周縁近傍に向けて略等間隔で垂設される複数本の収容部柱からなり、隣り合う収容部柱と収容部柱の間は錠剤が通過可能に形成されていることを特徴とする、緩衝材兼用中栓。
【請求項7】
前記第2中栓の内側周壁先端部分は、前記第1中栓の環状蓋板の下側で略中間部分に密着して形成されていることを特徴とする、請求項6記載の緩衝材兼用中栓。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の緩衝材兼用中栓が取り付けられた容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−62067(P2009−62067A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−231282(P2007−231282)
【出願日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】