緩衝材被覆ローラ
【課題】ベルトコンベア用の緩衝材被覆ローラの緩衝材を容易にローラから剥離し得て、ローラの容易なリサイクルを達成し得る緩衝材被覆ローラを実現することを目的とする。
【解決手段】緩衝材被覆ローラを、ベルトコンベア用ローラ1の表面に熱収縮性弾性体チューブ2を加熱収縮させて上記表面に緩衝材の被覆層を圧着形成してなり、かつ上記ローラ1の表面に凹凸面3を形成することにより構成する。これにより、ローラ等のリサイクルを推進し、環境維持と資源保護と経済効果に寄与する。
【解決手段】緩衝材被覆ローラを、ベルトコンベア用ローラ1の表面に熱収縮性弾性体チューブ2を加熱収縮させて上記表面に緩衝材の被覆層を圧着形成してなり、かつ上記ローラ1の表面に凹凸面3を形成することにより構成する。これにより、ローラ等のリサイクルを推進し、環境維持と資源保護と経済効果に寄与する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はベルトコンベアの緩衝材被覆ローラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ベルトコンベア用ローラ表面の緩衝と保護のために、従来ゴム被覆層は焼付け法や接着法によりローラに被覆されており(特許文献1)、所定の使用期間経過後に被覆材のリサイクル剥離作業は手作業または強アルカリ液や強酸液で煮沸除去するなどの方法で行われたこともある。しかしこの作業は環境汚染や2次公害を伴う場合があるために行われない場合が多く、使用されていたローラは余寿命に関係なく、まるごと廃棄処分されるのが現状で、資材浪費と環境汚染が問題になっていた。
【0003】
かかる状況にもかかわらず、ベルトコンベア用ローラのリサイクルに関連しては下記の技術的対策が公表されているに過ぎない。その内容は大別して、
1.ウォータージェットで被覆材を除去するもの(特許文献2)
2.運転中に自動的にゴムライニングローラの振動を計測してゴムの剥離状態を診断しフル寿命使用するもの(特許文献3)
3.被覆材に300〜2000kg/cm2の超高圧水を噴射して破壊除去するもの(特許文献4)
【0004】
【特許文献1】特開平11−180533号公報
【特許文献2】特開昭62−113600号公報
【特許文献3】特開平5−248938号公報
【特許文献4】特開平6−246744号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上述べた従来法では、リサイクルを達成するために相当規模の設備投資と操業費を要し、2次的な廃棄物や環境汚染を伴う課題は未解決のまま残されている。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みて、ローラ本体等のリサイクルの容易な緩衝材被覆ローラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため本発明は、
第1に、ベルトコンベア用ローラの表面に熱収縮性弾性体チューブを加熱収縮させて上記表面に上記熱収縮性弾性体による緩衝材被覆層を圧着形成してなる緩衝材被覆ローラにより構成される。
【0008】
第2に、ベルトコンベア用のローラに該ローラ径より小径の弾性体スリーブを拡径して挿入圧着することにより上記ローラ表面に上記弾性体スリーブによる緩衝材被覆層を圧着形成してなる緩衝材被覆ローラであって、上記ローラに上記弾性体スリーブを複数挿入することにより該ローラ表面を被覆してなる緩衝材被覆ローラにより構成される。
【0009】
このように構成すると、焼付け法や接着剤を使用せずにベルトコンベア用ローラを緩衝材により被覆することができ、リサイクルの容易な緩衝材被覆ローラを実現し得る。
【0010】
第3に、上記ローラの表面に凹凸面を形成し、当該ローラの表面に上記弾性体による緩衝材被覆層を圧着形成してなる上記第1又は2記載の緩衝材被覆ローラにより構成される。
【0011】
このように構成すると、緩衝材のローラ表面に対する滑り移動を防止することができる。
【0012】
第4に、上記ローラ表面の軸方向に延びる軸方向突条を所定間隔で複数設けると共に、該ローラ表面の円周方向に上記軸方向突条に交差する円周方向突条を所定間隔で設け、これら軸方向突条及び円周方向突条により上記凹凸面を形成してなる上記第3記載の緩衝材被覆ローラにより構成される。
【0013】
このように構成すると、緩衝材のローラに対する2方向(軸方向及び円周方向)の滑りを防止することができる(図5参照)。
【0014】
第5に、上記軸方向突条及び円周方向突条は、上記被覆層の厚さの10%〜25%の高さで幅3mm〜10mmである上記第4記載の緩衝材被覆ローラにより構成される。
【0015】
このように構成すると、被覆層の滑り移動を十分に阻止することができると共に、緩衝材の被覆層厚さが使用期間内に許容限界以下になることを防止し得る。
【0016】
第6に、上記凹凸面は、所定深さの複数の凹部をローラの軸方向及び円周方向に均等に凹設することにより形成してなる上記第3記載の緩衝材被覆ローラにより構成される。
【0017】
このように構成すると、緩衝材のローラ表面に対する滑り移動を防止することができる(図6、図8(イ)参照)。
【0018】
第7に、凹部は深さ0.2mm〜0.7mm、幅5mm〜10mm、長さが30mm〜100mmであることを特徴とする上記第6記載の緩衝材被覆ローラにより構成される。
【0019】
このように構成すると、ローラの厚みの減少を最小限に留めながら、被覆層の滑り移動を効果的に防止することができる。
【0020】
第8に、上記凹凸面は、ローラ表面を周方向に一周する所定深さの小凹凸を軸方向に所定間隔で設けたものである上記第3記載の緩衝材被覆ローラにより構成される(図7、図8(ロ)参照)。
【0021】
第9に、上記凹凸面はローラ表面全体を粗面加工することにより形成したものである上記第3記載の緩衝材被覆ローラにより構成される(図7(ホ)参照)。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、剥離剤等を使用することなく緩衝材被覆ローラの緩衝材の剥離を容易に行うことができ、これによりリサイクルを推進し、環境維持と資源保護と経済効果に寄与するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の構成を詳細に説明する。図1乃至図7等に本発明に係る第1の実施形態を示す。
【0024】
図1に本発明の緩衝材被覆ローラが用いられるベルトコンベアのリタンローラ1を示す。同図において、1はリタンローラであり、その外周には緩衝材として熱収縮性弾性体チューブ2が被覆されている(図2参照)。上記ベルトコンベアは、例えば製鉄所の原料(石炭、石灰、コークス、鉄鉱石等)を搬送するためのベルトコンベア、コークス工場等で使用されるベルトコンベア等である。尚、以下リタンローラを例に説明するが、本発明の緩衝材被覆ローラはリタンローラに限らず、キャリアローラその他の各種ローラに適用が可能である。
【0025】
上記リタンローラ1は、その両端に突出するローラ軸5,5をコンベア機枠7に立設された左右の支持アングル12,12に軸支されることで水平に軸架されている。尚、同図中、15,15はベルトの調心用のサイドローラ、13はこれらサイドローラ15,15を支持する旋回フレーム、14は当該旋回フレーム13を支持する旋回軸部である。
【0026】
上記リタンローラ1は図2に示すように、熱収縮性弾性体等の緩衝材としての熱収縮性チューブ(熱収縮性弾性体チューブ)2により左右の両端部を含め、その外周の全体が被覆されている。即ち、この緩衝材としては、いわゆる熱収縮性チューブ2を使用し(図3、図4参照)、当該チューブ2の熱収縮作用を利用して上記リタンローラ1の外周面に緩衝材被覆層を形成する。この熱収縮性チューブ2の材質としてはエチレンプロピレンゴム、ポリオレフィン系エラストマー、シリコーンゴム、架橋ポリエチレン等を使用することができる。この熱収縮性チューブ2は上記ローラ1の長さと略同一の長さを有するものを使用して該ローラ1の全面を被覆するように構成しても良いし、ローラ1より短い長さを有するものを使用して該ローラ1の軸方向の一部或は両端部のみを被覆するように構成しても良い。
【0027】
この熱収縮性チューブ2を上記リタンローラ1に被覆するには、図3(イ)に示すように、該リタンローラ1の外径より広い外径を有する熱収縮性チューブ2内にローラ1を挿入し、ローラ軸5を機枠7で軸架し、送風管9によって温風8を上記チューブ2に送風することにより該チューブ2を熱収縮させ、当該ローラ1の表面に熱収縮性チューブ2による緩衝材被覆層を圧着形成する。
【0028】
10は上記ローラ軸5を回転させる駆動手段としての電動機であり、上記温風8の送風時に上記ローラ軸5を一定速度に回動させ、上記温風8をローラ1の長手方向に均等に吹付け可能とする。50は電動機10で上記ローラ軸5を回転させるときに、該ローラ軸5とリタンローラ1を連結固定する固定具である。この固定具50は図3(ロ)に示すように、中心のリング部51と、該リング部51の外周から半径方向に設けられた複数のスプリング54と、リング側の端部がリング部51外周面に固着されたスプリング被覆伸縮管53と、各スプリング54の先端に設けられ上記スプリング54により常時中心軸方向(図3(ロ)矢印方向)に附勢された係合片52とから構成されている。そして、図3(イ)の状態で緩衝材被覆層を形成する際は、上記リング部51を上記ローラ軸5に挿入固定した状態で、各係合片52を上記ローラ1の側面段部1a(図2参照)に係合し(図3(ロ)参照)、上記段部1aと上記ローラ軸5とを上記スプリング54の附勢力で固定する。この固定具50を図3(イ)に示すように上記ローラ1の両側に取り付けることにより、上記ローラ1と上記ローラ軸5を固定し、上記電動機10で上記ローラ1を回転し得るように構成する。
【0029】
上記緩衝材2の被覆層を形成する他の方法としては、図4に示すように、機函11内に熱収縮性チューブ2を各々の外周に包囲した複数のローラ1を配列積重し、送風機9から温風8を機函11内に送風して上記各チューブ2を加熱収縮し、上記機函11内の各ローラ1に熱収縮性チューブ2による緩衝材被覆層を圧着形成する。
【0030】
上記熱収縮性チューブ2をローラ1表面に強固に圧着固定するため、或は熱収縮性チューブ2に対するローラ1の空回りを防止するためには、上記リタンローラ1の表面に凹凸面3を均等パターン或はランダムに形成することが好ましい。
【0031】
凹凸面3としては、図5(イ)(ロ)に示すように上記ローラ1の表面に長手方向(軸方向)に長手方向溶接ビード(軸方向突条)4を周方向の一定間隔で溶接形成すると共に、上記溶接ビード4と交差する円周方向溶接ビード(円周方向突条)4’を、それぞれ軸方向の一定間隔に溶接形成する。この溶接ビード4、4’は図5(ハ)に示すようにローラ表面に溶接4”により固定される。上記溶接ビード4,4’は結果として、図5(イ)(ロ)に示すように、上記長手方向及び円周方向の各溶接ビード4、4’によりローラ1外周面に格子状のビードが形成される。これらの溶接ビード4,4’の高さは、上記緩衝材の被覆層の厚さ(例えば4mm)の10%〜25%(10%以上25%以下)であり、幅は3mm〜10mmとすることが好ましい。
【0032】
上記溶着ビード4,4’の高さを緩衝材被覆厚さの10%以上にした理由は、熱収縮性チューブ2による被覆層のローラ1に対する滑り移動を十分に阻止するためであり、上記ビード4,4’の高さを緩衝材被覆厚さの25%以下にした理由は、熱収縮性チューブ2の被覆層の局部的膨らみが磨耗減厚をもたらし、熱収縮性チューブ2の被覆層厚さが使用期間内に許容限界以下にならないことを考慮したものである。また、上記熱収縮性チューブ2の被覆後において上記ビート4,4’により緩衝材被覆層の表面に凹凸が生じないようにすることが必要である(図12(ロ)参照)。
【0033】
上記溶接ビード4,4’の長さ方向をローラ軸方向および円周方向に一定の間隔をあけて凸部パターンとして溶着する理由は、上記チューブ2による緩衝材被覆層とローラ1との2方向(ローラ軸方向並びにローラ周方向)の滑りを阻止することを配慮したためである。ただし、溶着ビード交差位置における溶着メタルの重なりは避ける必要があり、交差部分においても上記溶接ビード4,4’の高さは他の部分と同様に形成する。
【0034】
また、図6(イ)乃至(ハ)に示すように深さ0.2mm〜0.7mm、幅5mm〜10mm、長さ30mm〜100mmの凹部(グルーブ)3’をローラの表面において、円周方向に均等間隔の位置及びローラ軸方向に均等間隔に複数分布形成し、該表面を凸部3”として凹凸面3とする。この凹凸面3の凹部3’は図8(イ)に示すように、ローラ1の周方向に均等間隔で設けると共に、ローラ1の軸方向に均等間隔で設けることが好ましい。
【0035】
このように凹部3’をローラの周方向及び軸方向に均等間隔に設けるのは、ローラ1自体の板厚減少を最小限にすると共に、熱収縮性チューブ2の熱収縮時に図12(ハ)に示すように上記凹部3’の内部に熱収縮性チューブ2の内面が嵌まり込み、熱収縮後の該チューブ2(緩衝材被覆層)のローラ1に対する滑り移動を阻止するためである。また、凹部3’をローラの軸方向および円周方向に一定の間隔をあけて均等に分布させた理由は、熱収縮後の上記チューブ2(緩衝材被覆層)のローラ1に対する2方向(ローラ軸方向並びにローラ周方向)の滑りを阻止することを配慮したためである。
【0036】
また、上記凹凸面3には図7(イ)(ロ)(ハ)(ニ)に示すように小凹凸3’,3”(凹部3’及び凸部3”)をローラ周方向に同一パターン(均等配置又は同一類形)に形成することもできる。上記図7(イ)乃至(ニ)の小凹凸3’、3”は図8(ロ)に示すように、ローラ1の周方向に凹部3’が一周するように溝状に設けられており、かかる小凹凸3’、3”を軸方向に均等間隔に、或は同一パターンの小凹凸3’、3”を軸方向に均等間隔で配列形成する。
【0037】
或は上記ローラ表面の凹凸面3として、鋳物の鋳放し面のように表面を粗面(微小凹凸面3)とすることもできる(図7(ホ)参照)。この粗面はローラ1表面を例えばショットブラスト加工することにより形成することができる。また、上記図6、図7、図8の凹部3’乃至小凹凸の形成されたローラの場合においても、熱収縮性チューブ2の被覆後において緩衝材被覆層の表面に凹凸が生じないようにすることが重要である。
【0038】
このようにローラ1の表面上に凹凸面3を設け、その上から上記被覆方法により上記熱収縮性チューブ2を被覆し、上記ローラ1表面に上記熱収縮性チューブ2による緩衝材被覆層を形成する。この場合、溶接ビード4,4’のような凸部の場合は、熱収縮性チューブ2の内面が熱収縮時に上記ビード4,4’に沿って密着するように収縮し、ローラ1とチューブ2が互いに固定される(図12(ロ)参照)。また、上記凹部3’の場合は、熱収縮性チューブ2が熱収縮時に上記凹部3’内に埋め込まれる形となり、これによりローラ1とチューブ2が互いに固定される(図12(ハ)参照)。
【0039】
上述のように形成された緩衝材被覆ローラを図1に示すようなベルトコンベア用のリタンローラに使用した場合、熱収縮性チューブ2による緩衝材被覆層とローラ1とは強固に圧着しているため、ベルトコンベア用のリタンローラとして支障なく使用することができる。
【0040】
また、上記ローラ1の表面に溶接ビード4,4’或は凹部3’のような凹凸面3を形成した場合は、熱収縮性チューブ2による緩衝材のローラ1に対する滑り移動を防止し得て、ベルトコンベア用のリタンローラとして支障なく使用することができる。
【0041】
このような緩衝材被覆ローラは、熱収縮性チューブ2による緩衝材とローラ1との間に接着剤を使用していないため、緩衝材の寿命が到来した場合は、熱収縮性チューブによる緩衝材のみをカッター等で切除することにより、剥離剤等の薬品を何ら使用することなく当該緩衝材をローラ1から容易に除去することが可能となる。よって、ローラ1の再利用を行うことができるし、使用済の緩衝材も容易に再利用することができる。
【0042】
次に、本発明の第2の実施形態を図9、図10等により説明する。
【0043】
この実施形態では、ベルトコンベア用のリタンローラ1の緩衝材として、上記実施形態(図2)の熱収縮性弾性体チューブ2に代えて、複数個の円筒状のゴムスリーブ(弾性体スリーブ)20を用いたものである。
【0044】
このゴムスリーブ20は、リタンローラ1に装着する前はリタンローラ1の外形よりも小径の円筒形状をなすものであり、その長さは例えば150mm程度であり、例えば長さが600mm程度のローラであれば、4つのスリーブ20をローラ1に隙間なく連続的に装着することで、当該ローラ表面全体を被覆することができる(図10(ロ)参照)。このゴムスリーブ20のローラ装着前の外形寸法は、例えば、厚さが10mm〜30mm、内径が70mm〜200mm、長さは50mm〜200mmであり、装着するローラの外径、長さに応じて各種の大きさのものを使用することができる。また、ゴムスリーブの材質は、例えばNR(天然ゴム)とSBR(スチレンブタジエンゴム)から構成される弾性材料を使用する。
【0045】
このゴムスリーブ20を上記ローラ1に装着するには、当該ゴムスリーブ20をゴムの弾性を利用してローラ1の外形よりも広く拡径し、その状態のスリーブ20内に上記ローラ1を挿入し、その後上記スリーブの拡径を解除する。このようにすると、上記ゴムスリーブ20は当該スリーブ20の弾性収縮力により上記ローラ1の表面に圧着し、当該ゴムスリーブ20による緩衝材被覆層を上記ローラ表面に圧着形成することができる。また、当該ゴムスリーブ20の長さを大きく形成する(例えば長さ150mm〜300mm程度)ことにより、上記ローラ表面に対する当該ゴムスリーブ20の収縮による圧着力の作用面積を広くとり、これにより接着剤を用いることなく当該ゴムスリーブ20とローラ1とを強固に固定して、上記ローラ1表面に上記スリーブ20による緩衝材の被覆層を形成することができる。
【0046】
このゴムスリーブ20の上記ローラ1に対する滑り移動を確実に防止するには、図11に示すようにローラ1の表面にローラ軸方向の溶接ビード40を溶接により固着し、これに対応して上記ゴムスリーブ20の内面には長さ方向に上記溶接ビード40に対応する凹部20aを凹設し(図12(イ))、当該ゴムスリーブ20を上記ローラ1に装着する際に、上記凹部20a内に上記溶接ビード40が嵌合するように両者の位置を合わせを行う(図12(イ)参照)。これにより、上記緩衝材2としてのゴムスリーブ20の上記ローラ1に対する滑り移動を防止することができ、また上記ビード40によって緩衝材2の表面に凹凸が生じることを避けることができる。この溶接ビード40は、図11に示すようにローラ1の外周面に180度の角度差をもって2ヶ所に設けることが好ましい。
【0047】
また、緩衝材の滑り防止に関しては、上記第1の実施形態における図5(イ)乃至(ハ)に示す溶接ビード4,4’、図6(イ)乃至(ハ)及び図8(イ)に示す凹凸面3における凹部3’、図7(イ)乃至(ニ)及び図8(ロ)における小凹凸3’、3”、図7(ホ)における粗面による凹凸面3をローラ1表面に設け、そのようなローラ1に上記ゴムスリーブ20を装着しても良い。この場合、上記第1の実施形態と同様に、ゴムスリーブ20による緩衝材の2方向(ローラ軸方向及びローラ周方向)の滑り移動或は空回りを効果的に防止することができる。尚、この場合も上記ゴムスリーブ20の内面にはローラ1の凹凸面3に対応する凹部(例えば凹部20a)を形成することが好ましい。
【0048】
上述のように構成された第2の実施形態における緩衝材被覆ローラを図1に示すようなベルトコンベア用のリタンローラに使用した場合、ゴムスリーブ20による緩衝材とローラ1とは強固に圧着しているため、ベルトコンベア用のリタンローラとして支障なく使用することができる。
【0049】
また、上記ローラ1の表面に溶接ビード40或は凹凸面3を形成した場合は、ゴムスリーブ20による緩衝材のローラ1に対する滑り移動を防止し得て、コンベア用のリタンローラとして支障なく使用することができる。
【0050】
このようなゴムスリーブ20による緩衝材被覆ローラは、ゴムスリーブ20による緩衝材とローラ1との間に接着剤を使用していないため、緩衝材の寿命が到来した場合は、ゴムスリーブ20による緩衝材のみをカッター等で切除することにより、剥離剤等の薬品を何ら使用することなく当該緩衝材をローラ1から容易に除去することが可能となる。よって、上記第1の実施形態と同様に、ローラ1の再利用を行うことができるし、使用済の緩衝材も容易に再利用することが可能となる。
【実施例1】
【0051】
表面にビード又は凹凸面の何も形成されない幅2300mmベルトコンベア用リタンローラ1(外径165.2mm、長さ615mm)を熱収縮性チューブ2(熱収縮前の外径200mm)(西日本電線株式会社製の商品名「ニシチューブ(登録商標)」、品名「NPM200−140−4」)内に挿入し、図3に示すように支軸5によって該ローラ1を機枠7に軸架し、温風8(130〜160℃、好ましくは140℃)を約10〜20分間(好ましくは15分間)送風管9によって吹付けることによって上記チューブ2を熱収縮させ、上記ローラ1の表面に圧着し、緩衝材の被覆層(厚さ約4mm)を形成した。
【0052】
上記吹付けに際しては、支軸5に上記固定具50を装着し、支軸5とローラ1を固定した上で、支軸5を電動機10によって一定速度に回動させ、かつローラ1の長手方向に均等に吹付けた。
【実施例2】
【0053】
図6、図7(イ)乃至(ホ)に示す凹凸面3が表面に形成された幅2300mmベルトコンベア用リタンローラ1(外径165.2mm、長さ615mm)を熱収縮性チューブ2(熱収縮前の外径200mm)(西日本電線株式会社製の商品名「ニシチューブ(登録商標)」、品名「NPM200−140−4」)内に挿入し、図3に示すように支軸5によって該ローラ1を機枠7に軸架し、温風8(130〜160℃、好ましくは140℃)を約10〜20分間(好ましくは15分間)送風管9によって吹付けることによって上記チューブ2を熱収縮させ、上記ローラ1の表面に圧着し、緩衝材の被覆層(厚さ約4mm)を形成した。
【0054】
尚、凹部3’(図6)としては、深さ0.7mm、幅8mm、長さ30mmのものを、等間隔にローラ円周方向4箇所、軸方向5箇所(合計20箇所)をローラ表面にグラインダーで加工した。
【0055】
上記吹付けに際しては、支軸5に上記固定具50を装着し、支軸5とローラ1を固定した上で、支軸5を電動機10によって一定速度に回動させ、かつローラ1の長手方向に均等に吹付けた。
【実施例3】
【0056】
図5の溶接ビード4,4’が表面に形成された幅1200mmベルトコンベア用リタンローラ1(外径139.8mm、長さ1300mm)を熱収縮性チューブ2(熱収縮前の外径160mm)(西日本電線株式会社製の商品名「ニシチューブ(登録商標)」、品名「NPM160−100−4」)内に挿入した2本と、図5の溶接ビード4,4’が表面に形成された幅1800mmベルトコンベア用リタンローラ1(外径165.2mm、長さ2000mm)を熱収縮性チューブ2(熱収縮前の外径180mm)(西日本電線株式会社製の商品名「ニシチューブ(登録商標)」、品名「NPM180−100−4」)内に挿入した3本を、図4に示す機函11に同図に示すように収納配置し、温風8(120℃〜150℃、好ましくは130℃)を約40〜60分間(好ましくは50分間)送風管9によって吹付けることによって上記チューブ2を熱収縮させ、上記各ローラ1の表面に圧着し、緩衝材の被覆層(厚さ約4mm)を形成した。
【実施例4】
【0057】
上記実施例1〜3の熱収縮性チューブに代えて、各ローラより小径のゴムスリーブ(長さ150mm)を用い、該ゴムスリーブの複数個を各ローラに上記方法により装着してローラ表面全体にゴムスリーブによる緩衝材被覆層(厚さ約15mm)を形成した。
【0058】
上記熱収縮性チューブによる実施例1により形成された緩衝材被覆ローラ及びゴムスリーブによる実施例4により形成された緩衝材被覆ローラ(凹凸面3の形成されていないローラを使用)をベルトコンベアのキャリア又はリタンローラとして用い実機による試験を行った。その結果、ローラ1の回転状況及び磨耗状況は比較的良好であり、ローラ1と緩衝材との密着性に問題はなく剥離、ずれ移動等の不具合はほとんど認められなかった。
【0059】
熱収縮性チューブにより緩衝材被覆層を形成した実施例2,3により形成された緩衝材被覆ローラ、ゴムスリーブによる実施例4により形成された緩衝材被覆ローラ(図5(イ)(ロ)、図6(イ)(ロ)(ハ)、図7(イ)乃至(ホ)、図8(イ)(ロ)、図11に示す凹凸面3の形成されたローラを使用)を各々ベルトコンベアのキャリア又はリタンローラとして用い実機による試験を行った。その結果、何れも該ローラ1の回転状況及び磨耗状況は良好であり、ローラ1とローラ表面(凹凸面3)との密着性に問題はなく剥離、空転、ずれ移動等の不具合は認められなかった。以上から、ローラ1と緩衝材とのずれや空転を防止するには、ローラ1の表面に凹凸面3を形成することがより効果的であることがわかった。
【0060】
上記実施例1〜4のローラ1の緩衝材はカッターでローラ1の表面から容易に剥離し得て上記緩衝材とローラ1の鋼材との分別を容易に行い、ローラ1本体並びに緩衝材をリサイクルすることができた。
【0061】
以上のように本発明の緩衝材被覆ローラによると、所定の使用期限が到来した場合には熱収縮性チューブ2又はゴムスリーブ20による緩衝材をカッター等でカットすることにより、ローラ本体から容易に分離することができる。この際、ローラ1と緩衝材は接着剤で接着されていないため、緩衝材の剥離が極めて容易である。また緩衝材の剥離後のローラ1本体は再利用が可能となり、かつ接着剤も使用しておらず、剥離材も不要であるため緩衝材自体も再利用が可能となる。即ち、本発明に係る緩衝材はケミカル接着でないために、リサイクル時の剥離に大規模な設備投資も強酸・強アルカリ等の薬品も操業費も不要で、エネルギー消費も大気汚染も作業環境への影響も僅少である。
【0062】
また、ローラ1に熱収縮性チューブ2を取り付ける際、熱収縮性弾性体を熱収縮させるためには従来のゴム焼付け法よりも10%レベルの低い熱エネルギーしか必要とせず、緩衝材被覆ローラの製造コストをも大幅に低減し得る。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】ベルトコンベア用のリタンローラの正面図である。
【図2】上記ローラの一部縦断面図である。
【図3】(イ)は本発明の緩衝材被覆ローラ加熱状態の正面図、(ロ)は固定具によりローラ軸とローラを固定した状態を示すローラの側面図である。
【図4】機函内で複数の上記ローラ加熱状態の正面図である。
【図5】(イ)は溶接ビードによるローラ表面凹凸を示す一部切欠正面図、(ロ)は(イ)図の右側面図、(ハ)は溶接ビードを示すローラの一部横断面図である。
【図6】(イ)はローラ表面の凹部を示す正面図、(ロ)は(イ)図A−A線による凹部の横断面図、(ハ)は(イ)図B−B線による縦断面図である。
【図7】(イ)(ロ)(ハ)(ニ)(ホ)はそれぞれローラ表面に形成した凹凸部の縦断面図である。
【図8】(イ)はローラ表面に形成した凹部の側面図、(ロ)はローラ表面に形成した小凹凸の側面図である。
【図9】リタンローラの第2の実施形態を示す一部縦断面図である。
【図10】(イ)(ロ)は何れもゴムスリーブによる緩衝材を被覆したリタンローラの側面図である。
【図11】同上リタンローラの斜視図である。
【図12】(イ)(ロ)は溶接ビードを施したリタンローラの一部横断面図、(ハ)は凹部を施したリタンローラの一部横断面図である。
【符号の説明】
【0064】
1 ベルトコンベア用ローラ
2 熱収縮性弾性体チューブ
3 凹凸面
3’ 凹部
4,4’,40 溶接ビード
20 ゴムスリーブ
【技術分野】
【0001】
本発明はベルトコンベアの緩衝材被覆ローラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ベルトコンベア用ローラ表面の緩衝と保護のために、従来ゴム被覆層は焼付け法や接着法によりローラに被覆されており(特許文献1)、所定の使用期間経過後に被覆材のリサイクル剥離作業は手作業または強アルカリ液や強酸液で煮沸除去するなどの方法で行われたこともある。しかしこの作業は環境汚染や2次公害を伴う場合があるために行われない場合が多く、使用されていたローラは余寿命に関係なく、まるごと廃棄処分されるのが現状で、資材浪費と環境汚染が問題になっていた。
【0003】
かかる状況にもかかわらず、ベルトコンベア用ローラのリサイクルに関連しては下記の技術的対策が公表されているに過ぎない。その内容は大別して、
1.ウォータージェットで被覆材を除去するもの(特許文献2)
2.運転中に自動的にゴムライニングローラの振動を計測してゴムの剥離状態を診断しフル寿命使用するもの(特許文献3)
3.被覆材に300〜2000kg/cm2の超高圧水を噴射して破壊除去するもの(特許文献4)
【0004】
【特許文献1】特開平11−180533号公報
【特許文献2】特開昭62−113600号公報
【特許文献3】特開平5−248938号公報
【特許文献4】特開平6−246744号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上述べた従来法では、リサイクルを達成するために相当規模の設備投資と操業費を要し、2次的な廃棄物や環境汚染を伴う課題は未解決のまま残されている。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みて、ローラ本体等のリサイクルの容易な緩衝材被覆ローラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため本発明は、
第1に、ベルトコンベア用ローラの表面に熱収縮性弾性体チューブを加熱収縮させて上記表面に上記熱収縮性弾性体による緩衝材被覆層を圧着形成してなる緩衝材被覆ローラにより構成される。
【0008】
第2に、ベルトコンベア用のローラに該ローラ径より小径の弾性体スリーブを拡径して挿入圧着することにより上記ローラ表面に上記弾性体スリーブによる緩衝材被覆層を圧着形成してなる緩衝材被覆ローラであって、上記ローラに上記弾性体スリーブを複数挿入することにより該ローラ表面を被覆してなる緩衝材被覆ローラにより構成される。
【0009】
このように構成すると、焼付け法や接着剤を使用せずにベルトコンベア用ローラを緩衝材により被覆することができ、リサイクルの容易な緩衝材被覆ローラを実現し得る。
【0010】
第3に、上記ローラの表面に凹凸面を形成し、当該ローラの表面に上記弾性体による緩衝材被覆層を圧着形成してなる上記第1又は2記載の緩衝材被覆ローラにより構成される。
【0011】
このように構成すると、緩衝材のローラ表面に対する滑り移動を防止することができる。
【0012】
第4に、上記ローラ表面の軸方向に延びる軸方向突条を所定間隔で複数設けると共に、該ローラ表面の円周方向に上記軸方向突条に交差する円周方向突条を所定間隔で設け、これら軸方向突条及び円周方向突条により上記凹凸面を形成してなる上記第3記載の緩衝材被覆ローラにより構成される。
【0013】
このように構成すると、緩衝材のローラに対する2方向(軸方向及び円周方向)の滑りを防止することができる(図5参照)。
【0014】
第5に、上記軸方向突条及び円周方向突条は、上記被覆層の厚さの10%〜25%の高さで幅3mm〜10mmである上記第4記載の緩衝材被覆ローラにより構成される。
【0015】
このように構成すると、被覆層の滑り移動を十分に阻止することができると共に、緩衝材の被覆層厚さが使用期間内に許容限界以下になることを防止し得る。
【0016】
第6に、上記凹凸面は、所定深さの複数の凹部をローラの軸方向及び円周方向に均等に凹設することにより形成してなる上記第3記載の緩衝材被覆ローラにより構成される。
【0017】
このように構成すると、緩衝材のローラ表面に対する滑り移動を防止することができる(図6、図8(イ)参照)。
【0018】
第7に、凹部は深さ0.2mm〜0.7mm、幅5mm〜10mm、長さが30mm〜100mmであることを特徴とする上記第6記載の緩衝材被覆ローラにより構成される。
【0019】
このように構成すると、ローラの厚みの減少を最小限に留めながら、被覆層の滑り移動を効果的に防止することができる。
【0020】
第8に、上記凹凸面は、ローラ表面を周方向に一周する所定深さの小凹凸を軸方向に所定間隔で設けたものである上記第3記載の緩衝材被覆ローラにより構成される(図7、図8(ロ)参照)。
【0021】
第9に、上記凹凸面はローラ表面全体を粗面加工することにより形成したものである上記第3記載の緩衝材被覆ローラにより構成される(図7(ホ)参照)。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、剥離剤等を使用することなく緩衝材被覆ローラの緩衝材の剥離を容易に行うことができ、これによりリサイクルを推進し、環境維持と資源保護と経済効果に寄与するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の構成を詳細に説明する。図1乃至図7等に本発明に係る第1の実施形態を示す。
【0024】
図1に本発明の緩衝材被覆ローラが用いられるベルトコンベアのリタンローラ1を示す。同図において、1はリタンローラであり、その外周には緩衝材として熱収縮性弾性体チューブ2が被覆されている(図2参照)。上記ベルトコンベアは、例えば製鉄所の原料(石炭、石灰、コークス、鉄鉱石等)を搬送するためのベルトコンベア、コークス工場等で使用されるベルトコンベア等である。尚、以下リタンローラを例に説明するが、本発明の緩衝材被覆ローラはリタンローラに限らず、キャリアローラその他の各種ローラに適用が可能である。
【0025】
上記リタンローラ1は、その両端に突出するローラ軸5,5をコンベア機枠7に立設された左右の支持アングル12,12に軸支されることで水平に軸架されている。尚、同図中、15,15はベルトの調心用のサイドローラ、13はこれらサイドローラ15,15を支持する旋回フレーム、14は当該旋回フレーム13を支持する旋回軸部である。
【0026】
上記リタンローラ1は図2に示すように、熱収縮性弾性体等の緩衝材としての熱収縮性チューブ(熱収縮性弾性体チューブ)2により左右の両端部を含め、その外周の全体が被覆されている。即ち、この緩衝材としては、いわゆる熱収縮性チューブ2を使用し(図3、図4参照)、当該チューブ2の熱収縮作用を利用して上記リタンローラ1の外周面に緩衝材被覆層を形成する。この熱収縮性チューブ2の材質としてはエチレンプロピレンゴム、ポリオレフィン系エラストマー、シリコーンゴム、架橋ポリエチレン等を使用することができる。この熱収縮性チューブ2は上記ローラ1の長さと略同一の長さを有するものを使用して該ローラ1の全面を被覆するように構成しても良いし、ローラ1より短い長さを有するものを使用して該ローラ1の軸方向の一部或は両端部のみを被覆するように構成しても良い。
【0027】
この熱収縮性チューブ2を上記リタンローラ1に被覆するには、図3(イ)に示すように、該リタンローラ1の外径より広い外径を有する熱収縮性チューブ2内にローラ1を挿入し、ローラ軸5を機枠7で軸架し、送風管9によって温風8を上記チューブ2に送風することにより該チューブ2を熱収縮させ、当該ローラ1の表面に熱収縮性チューブ2による緩衝材被覆層を圧着形成する。
【0028】
10は上記ローラ軸5を回転させる駆動手段としての電動機であり、上記温風8の送風時に上記ローラ軸5を一定速度に回動させ、上記温風8をローラ1の長手方向に均等に吹付け可能とする。50は電動機10で上記ローラ軸5を回転させるときに、該ローラ軸5とリタンローラ1を連結固定する固定具である。この固定具50は図3(ロ)に示すように、中心のリング部51と、該リング部51の外周から半径方向に設けられた複数のスプリング54と、リング側の端部がリング部51外周面に固着されたスプリング被覆伸縮管53と、各スプリング54の先端に設けられ上記スプリング54により常時中心軸方向(図3(ロ)矢印方向)に附勢された係合片52とから構成されている。そして、図3(イ)の状態で緩衝材被覆層を形成する際は、上記リング部51を上記ローラ軸5に挿入固定した状態で、各係合片52を上記ローラ1の側面段部1a(図2参照)に係合し(図3(ロ)参照)、上記段部1aと上記ローラ軸5とを上記スプリング54の附勢力で固定する。この固定具50を図3(イ)に示すように上記ローラ1の両側に取り付けることにより、上記ローラ1と上記ローラ軸5を固定し、上記電動機10で上記ローラ1を回転し得るように構成する。
【0029】
上記緩衝材2の被覆層を形成する他の方法としては、図4に示すように、機函11内に熱収縮性チューブ2を各々の外周に包囲した複数のローラ1を配列積重し、送風機9から温風8を機函11内に送風して上記各チューブ2を加熱収縮し、上記機函11内の各ローラ1に熱収縮性チューブ2による緩衝材被覆層を圧着形成する。
【0030】
上記熱収縮性チューブ2をローラ1表面に強固に圧着固定するため、或は熱収縮性チューブ2に対するローラ1の空回りを防止するためには、上記リタンローラ1の表面に凹凸面3を均等パターン或はランダムに形成することが好ましい。
【0031】
凹凸面3としては、図5(イ)(ロ)に示すように上記ローラ1の表面に長手方向(軸方向)に長手方向溶接ビード(軸方向突条)4を周方向の一定間隔で溶接形成すると共に、上記溶接ビード4と交差する円周方向溶接ビード(円周方向突条)4’を、それぞれ軸方向の一定間隔に溶接形成する。この溶接ビード4、4’は図5(ハ)に示すようにローラ表面に溶接4”により固定される。上記溶接ビード4,4’は結果として、図5(イ)(ロ)に示すように、上記長手方向及び円周方向の各溶接ビード4、4’によりローラ1外周面に格子状のビードが形成される。これらの溶接ビード4,4’の高さは、上記緩衝材の被覆層の厚さ(例えば4mm)の10%〜25%(10%以上25%以下)であり、幅は3mm〜10mmとすることが好ましい。
【0032】
上記溶着ビード4,4’の高さを緩衝材被覆厚さの10%以上にした理由は、熱収縮性チューブ2による被覆層のローラ1に対する滑り移動を十分に阻止するためであり、上記ビード4,4’の高さを緩衝材被覆厚さの25%以下にした理由は、熱収縮性チューブ2の被覆層の局部的膨らみが磨耗減厚をもたらし、熱収縮性チューブ2の被覆層厚さが使用期間内に許容限界以下にならないことを考慮したものである。また、上記熱収縮性チューブ2の被覆後において上記ビート4,4’により緩衝材被覆層の表面に凹凸が生じないようにすることが必要である(図12(ロ)参照)。
【0033】
上記溶接ビード4,4’の長さ方向をローラ軸方向および円周方向に一定の間隔をあけて凸部パターンとして溶着する理由は、上記チューブ2による緩衝材被覆層とローラ1との2方向(ローラ軸方向並びにローラ周方向)の滑りを阻止することを配慮したためである。ただし、溶着ビード交差位置における溶着メタルの重なりは避ける必要があり、交差部分においても上記溶接ビード4,4’の高さは他の部分と同様に形成する。
【0034】
また、図6(イ)乃至(ハ)に示すように深さ0.2mm〜0.7mm、幅5mm〜10mm、長さ30mm〜100mmの凹部(グルーブ)3’をローラの表面において、円周方向に均等間隔の位置及びローラ軸方向に均等間隔に複数分布形成し、該表面を凸部3”として凹凸面3とする。この凹凸面3の凹部3’は図8(イ)に示すように、ローラ1の周方向に均等間隔で設けると共に、ローラ1の軸方向に均等間隔で設けることが好ましい。
【0035】
このように凹部3’をローラの周方向及び軸方向に均等間隔に設けるのは、ローラ1自体の板厚減少を最小限にすると共に、熱収縮性チューブ2の熱収縮時に図12(ハ)に示すように上記凹部3’の内部に熱収縮性チューブ2の内面が嵌まり込み、熱収縮後の該チューブ2(緩衝材被覆層)のローラ1に対する滑り移動を阻止するためである。また、凹部3’をローラの軸方向および円周方向に一定の間隔をあけて均等に分布させた理由は、熱収縮後の上記チューブ2(緩衝材被覆層)のローラ1に対する2方向(ローラ軸方向並びにローラ周方向)の滑りを阻止することを配慮したためである。
【0036】
また、上記凹凸面3には図7(イ)(ロ)(ハ)(ニ)に示すように小凹凸3’,3”(凹部3’及び凸部3”)をローラ周方向に同一パターン(均等配置又は同一類形)に形成することもできる。上記図7(イ)乃至(ニ)の小凹凸3’、3”は図8(ロ)に示すように、ローラ1の周方向に凹部3’が一周するように溝状に設けられており、かかる小凹凸3’、3”を軸方向に均等間隔に、或は同一パターンの小凹凸3’、3”を軸方向に均等間隔で配列形成する。
【0037】
或は上記ローラ表面の凹凸面3として、鋳物の鋳放し面のように表面を粗面(微小凹凸面3)とすることもできる(図7(ホ)参照)。この粗面はローラ1表面を例えばショットブラスト加工することにより形成することができる。また、上記図6、図7、図8の凹部3’乃至小凹凸の形成されたローラの場合においても、熱収縮性チューブ2の被覆後において緩衝材被覆層の表面に凹凸が生じないようにすることが重要である。
【0038】
このようにローラ1の表面上に凹凸面3を設け、その上から上記被覆方法により上記熱収縮性チューブ2を被覆し、上記ローラ1表面に上記熱収縮性チューブ2による緩衝材被覆層を形成する。この場合、溶接ビード4,4’のような凸部の場合は、熱収縮性チューブ2の内面が熱収縮時に上記ビード4,4’に沿って密着するように収縮し、ローラ1とチューブ2が互いに固定される(図12(ロ)参照)。また、上記凹部3’の場合は、熱収縮性チューブ2が熱収縮時に上記凹部3’内に埋め込まれる形となり、これによりローラ1とチューブ2が互いに固定される(図12(ハ)参照)。
【0039】
上述のように形成された緩衝材被覆ローラを図1に示すようなベルトコンベア用のリタンローラに使用した場合、熱収縮性チューブ2による緩衝材被覆層とローラ1とは強固に圧着しているため、ベルトコンベア用のリタンローラとして支障なく使用することができる。
【0040】
また、上記ローラ1の表面に溶接ビード4,4’或は凹部3’のような凹凸面3を形成した場合は、熱収縮性チューブ2による緩衝材のローラ1に対する滑り移動を防止し得て、ベルトコンベア用のリタンローラとして支障なく使用することができる。
【0041】
このような緩衝材被覆ローラは、熱収縮性チューブ2による緩衝材とローラ1との間に接着剤を使用していないため、緩衝材の寿命が到来した場合は、熱収縮性チューブによる緩衝材のみをカッター等で切除することにより、剥離剤等の薬品を何ら使用することなく当該緩衝材をローラ1から容易に除去することが可能となる。よって、ローラ1の再利用を行うことができるし、使用済の緩衝材も容易に再利用することができる。
【0042】
次に、本発明の第2の実施形態を図9、図10等により説明する。
【0043】
この実施形態では、ベルトコンベア用のリタンローラ1の緩衝材として、上記実施形態(図2)の熱収縮性弾性体チューブ2に代えて、複数個の円筒状のゴムスリーブ(弾性体スリーブ)20を用いたものである。
【0044】
このゴムスリーブ20は、リタンローラ1に装着する前はリタンローラ1の外形よりも小径の円筒形状をなすものであり、その長さは例えば150mm程度であり、例えば長さが600mm程度のローラであれば、4つのスリーブ20をローラ1に隙間なく連続的に装着することで、当該ローラ表面全体を被覆することができる(図10(ロ)参照)。このゴムスリーブ20のローラ装着前の外形寸法は、例えば、厚さが10mm〜30mm、内径が70mm〜200mm、長さは50mm〜200mmであり、装着するローラの外径、長さに応じて各種の大きさのものを使用することができる。また、ゴムスリーブの材質は、例えばNR(天然ゴム)とSBR(スチレンブタジエンゴム)から構成される弾性材料を使用する。
【0045】
このゴムスリーブ20を上記ローラ1に装着するには、当該ゴムスリーブ20をゴムの弾性を利用してローラ1の外形よりも広く拡径し、その状態のスリーブ20内に上記ローラ1を挿入し、その後上記スリーブの拡径を解除する。このようにすると、上記ゴムスリーブ20は当該スリーブ20の弾性収縮力により上記ローラ1の表面に圧着し、当該ゴムスリーブ20による緩衝材被覆層を上記ローラ表面に圧着形成することができる。また、当該ゴムスリーブ20の長さを大きく形成する(例えば長さ150mm〜300mm程度)ことにより、上記ローラ表面に対する当該ゴムスリーブ20の収縮による圧着力の作用面積を広くとり、これにより接着剤を用いることなく当該ゴムスリーブ20とローラ1とを強固に固定して、上記ローラ1表面に上記スリーブ20による緩衝材の被覆層を形成することができる。
【0046】
このゴムスリーブ20の上記ローラ1に対する滑り移動を確実に防止するには、図11に示すようにローラ1の表面にローラ軸方向の溶接ビード40を溶接により固着し、これに対応して上記ゴムスリーブ20の内面には長さ方向に上記溶接ビード40に対応する凹部20aを凹設し(図12(イ))、当該ゴムスリーブ20を上記ローラ1に装着する際に、上記凹部20a内に上記溶接ビード40が嵌合するように両者の位置を合わせを行う(図12(イ)参照)。これにより、上記緩衝材2としてのゴムスリーブ20の上記ローラ1に対する滑り移動を防止することができ、また上記ビード40によって緩衝材2の表面に凹凸が生じることを避けることができる。この溶接ビード40は、図11に示すようにローラ1の外周面に180度の角度差をもって2ヶ所に設けることが好ましい。
【0047】
また、緩衝材の滑り防止に関しては、上記第1の実施形態における図5(イ)乃至(ハ)に示す溶接ビード4,4’、図6(イ)乃至(ハ)及び図8(イ)に示す凹凸面3における凹部3’、図7(イ)乃至(ニ)及び図8(ロ)における小凹凸3’、3”、図7(ホ)における粗面による凹凸面3をローラ1表面に設け、そのようなローラ1に上記ゴムスリーブ20を装着しても良い。この場合、上記第1の実施形態と同様に、ゴムスリーブ20による緩衝材の2方向(ローラ軸方向及びローラ周方向)の滑り移動或は空回りを効果的に防止することができる。尚、この場合も上記ゴムスリーブ20の内面にはローラ1の凹凸面3に対応する凹部(例えば凹部20a)を形成することが好ましい。
【0048】
上述のように構成された第2の実施形態における緩衝材被覆ローラを図1に示すようなベルトコンベア用のリタンローラに使用した場合、ゴムスリーブ20による緩衝材とローラ1とは強固に圧着しているため、ベルトコンベア用のリタンローラとして支障なく使用することができる。
【0049】
また、上記ローラ1の表面に溶接ビード40或は凹凸面3を形成した場合は、ゴムスリーブ20による緩衝材のローラ1に対する滑り移動を防止し得て、コンベア用のリタンローラとして支障なく使用することができる。
【0050】
このようなゴムスリーブ20による緩衝材被覆ローラは、ゴムスリーブ20による緩衝材とローラ1との間に接着剤を使用していないため、緩衝材の寿命が到来した場合は、ゴムスリーブ20による緩衝材のみをカッター等で切除することにより、剥離剤等の薬品を何ら使用することなく当該緩衝材をローラ1から容易に除去することが可能となる。よって、上記第1の実施形態と同様に、ローラ1の再利用を行うことができるし、使用済の緩衝材も容易に再利用することが可能となる。
【実施例1】
【0051】
表面にビード又は凹凸面の何も形成されない幅2300mmベルトコンベア用リタンローラ1(外径165.2mm、長さ615mm)を熱収縮性チューブ2(熱収縮前の外径200mm)(西日本電線株式会社製の商品名「ニシチューブ(登録商標)」、品名「NPM200−140−4」)内に挿入し、図3に示すように支軸5によって該ローラ1を機枠7に軸架し、温風8(130〜160℃、好ましくは140℃)を約10〜20分間(好ましくは15分間)送風管9によって吹付けることによって上記チューブ2を熱収縮させ、上記ローラ1の表面に圧着し、緩衝材の被覆層(厚さ約4mm)を形成した。
【0052】
上記吹付けに際しては、支軸5に上記固定具50を装着し、支軸5とローラ1を固定した上で、支軸5を電動機10によって一定速度に回動させ、かつローラ1の長手方向に均等に吹付けた。
【実施例2】
【0053】
図6、図7(イ)乃至(ホ)に示す凹凸面3が表面に形成された幅2300mmベルトコンベア用リタンローラ1(外径165.2mm、長さ615mm)を熱収縮性チューブ2(熱収縮前の外径200mm)(西日本電線株式会社製の商品名「ニシチューブ(登録商標)」、品名「NPM200−140−4」)内に挿入し、図3に示すように支軸5によって該ローラ1を機枠7に軸架し、温風8(130〜160℃、好ましくは140℃)を約10〜20分間(好ましくは15分間)送風管9によって吹付けることによって上記チューブ2を熱収縮させ、上記ローラ1の表面に圧着し、緩衝材の被覆層(厚さ約4mm)を形成した。
【0054】
尚、凹部3’(図6)としては、深さ0.7mm、幅8mm、長さ30mmのものを、等間隔にローラ円周方向4箇所、軸方向5箇所(合計20箇所)をローラ表面にグラインダーで加工した。
【0055】
上記吹付けに際しては、支軸5に上記固定具50を装着し、支軸5とローラ1を固定した上で、支軸5を電動機10によって一定速度に回動させ、かつローラ1の長手方向に均等に吹付けた。
【実施例3】
【0056】
図5の溶接ビード4,4’が表面に形成された幅1200mmベルトコンベア用リタンローラ1(外径139.8mm、長さ1300mm)を熱収縮性チューブ2(熱収縮前の外径160mm)(西日本電線株式会社製の商品名「ニシチューブ(登録商標)」、品名「NPM160−100−4」)内に挿入した2本と、図5の溶接ビード4,4’が表面に形成された幅1800mmベルトコンベア用リタンローラ1(外径165.2mm、長さ2000mm)を熱収縮性チューブ2(熱収縮前の外径180mm)(西日本電線株式会社製の商品名「ニシチューブ(登録商標)」、品名「NPM180−100−4」)内に挿入した3本を、図4に示す機函11に同図に示すように収納配置し、温風8(120℃〜150℃、好ましくは130℃)を約40〜60分間(好ましくは50分間)送風管9によって吹付けることによって上記チューブ2を熱収縮させ、上記各ローラ1の表面に圧着し、緩衝材の被覆層(厚さ約4mm)を形成した。
【実施例4】
【0057】
上記実施例1〜3の熱収縮性チューブに代えて、各ローラより小径のゴムスリーブ(長さ150mm)を用い、該ゴムスリーブの複数個を各ローラに上記方法により装着してローラ表面全体にゴムスリーブによる緩衝材被覆層(厚さ約15mm)を形成した。
【0058】
上記熱収縮性チューブによる実施例1により形成された緩衝材被覆ローラ及びゴムスリーブによる実施例4により形成された緩衝材被覆ローラ(凹凸面3の形成されていないローラを使用)をベルトコンベアのキャリア又はリタンローラとして用い実機による試験を行った。その結果、ローラ1の回転状況及び磨耗状況は比較的良好であり、ローラ1と緩衝材との密着性に問題はなく剥離、ずれ移動等の不具合はほとんど認められなかった。
【0059】
熱収縮性チューブにより緩衝材被覆層を形成した実施例2,3により形成された緩衝材被覆ローラ、ゴムスリーブによる実施例4により形成された緩衝材被覆ローラ(図5(イ)(ロ)、図6(イ)(ロ)(ハ)、図7(イ)乃至(ホ)、図8(イ)(ロ)、図11に示す凹凸面3の形成されたローラを使用)を各々ベルトコンベアのキャリア又はリタンローラとして用い実機による試験を行った。その結果、何れも該ローラ1の回転状況及び磨耗状況は良好であり、ローラ1とローラ表面(凹凸面3)との密着性に問題はなく剥離、空転、ずれ移動等の不具合は認められなかった。以上から、ローラ1と緩衝材とのずれや空転を防止するには、ローラ1の表面に凹凸面3を形成することがより効果的であることがわかった。
【0060】
上記実施例1〜4のローラ1の緩衝材はカッターでローラ1の表面から容易に剥離し得て上記緩衝材とローラ1の鋼材との分別を容易に行い、ローラ1本体並びに緩衝材をリサイクルすることができた。
【0061】
以上のように本発明の緩衝材被覆ローラによると、所定の使用期限が到来した場合には熱収縮性チューブ2又はゴムスリーブ20による緩衝材をカッター等でカットすることにより、ローラ本体から容易に分離することができる。この際、ローラ1と緩衝材は接着剤で接着されていないため、緩衝材の剥離が極めて容易である。また緩衝材の剥離後のローラ1本体は再利用が可能となり、かつ接着剤も使用しておらず、剥離材も不要であるため緩衝材自体も再利用が可能となる。即ち、本発明に係る緩衝材はケミカル接着でないために、リサイクル時の剥離に大規模な設備投資も強酸・強アルカリ等の薬品も操業費も不要で、エネルギー消費も大気汚染も作業環境への影響も僅少である。
【0062】
また、ローラ1に熱収縮性チューブ2を取り付ける際、熱収縮性弾性体を熱収縮させるためには従来のゴム焼付け法よりも10%レベルの低い熱エネルギーしか必要とせず、緩衝材被覆ローラの製造コストをも大幅に低減し得る。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】ベルトコンベア用のリタンローラの正面図である。
【図2】上記ローラの一部縦断面図である。
【図3】(イ)は本発明の緩衝材被覆ローラ加熱状態の正面図、(ロ)は固定具によりローラ軸とローラを固定した状態を示すローラの側面図である。
【図4】機函内で複数の上記ローラ加熱状態の正面図である。
【図5】(イ)は溶接ビードによるローラ表面凹凸を示す一部切欠正面図、(ロ)は(イ)図の右側面図、(ハ)は溶接ビードを示すローラの一部横断面図である。
【図6】(イ)はローラ表面の凹部を示す正面図、(ロ)は(イ)図A−A線による凹部の横断面図、(ハ)は(イ)図B−B線による縦断面図である。
【図7】(イ)(ロ)(ハ)(ニ)(ホ)はそれぞれローラ表面に形成した凹凸部の縦断面図である。
【図8】(イ)はローラ表面に形成した凹部の側面図、(ロ)はローラ表面に形成した小凹凸の側面図である。
【図9】リタンローラの第2の実施形態を示す一部縦断面図である。
【図10】(イ)(ロ)は何れもゴムスリーブによる緩衝材を被覆したリタンローラの側面図である。
【図11】同上リタンローラの斜視図である。
【図12】(イ)(ロ)は溶接ビードを施したリタンローラの一部横断面図、(ハ)は凹部を施したリタンローラの一部横断面図である。
【符号の説明】
【0064】
1 ベルトコンベア用ローラ
2 熱収縮性弾性体チューブ
3 凹凸面
3’ 凹部
4,4’,40 溶接ビード
20 ゴムスリーブ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルトコンベア用ローラの表面に熱収縮性弾性体チューブを加熱収縮させて上記表面に上記熱収縮性弾性体による緩衝材被覆層を圧着形成してなる緩衝材被覆ローラ。
【請求項2】
ベルトコンベア用のローラに該ローラ径より小径の弾性体スリーブを拡径して挿入圧着することにより上記ローラ表面に上記弾性体スリーブによる緩衝材被覆層を圧着形成してなる緩衝材被覆ローラであって、
上記ローラに上記弾性体スリーブを複数挿入することにより該ローラ表面を被覆してなる緩衝材被覆ローラ。
【請求項3】
上記ローラの表面に凹凸面を形成し、当該ローラの表面に上記弾性体による緩衝材被覆層を圧着形成してなる請求項1又は2記載の緩衝材被覆ローラ。
【請求項4】
上記ローラ表面の軸方向に延びる軸方向突条を所定間隔で複数設けると共に、該ローラ表面の円周方向に上記軸方向突条に交差する円周方向突条を所定間隔で設け、これら軸方向突条及び円周方向突条により上記凹凸面を形成してなる請求項3記載の緩衝材被覆ローラ。
【請求項5】
上記軸方向突条及び円周方向突条は、上記被覆層の厚さの10%〜25%の高さで幅3mm〜10mmである請求項4記載の緩衝材被覆ローラ。
【請求項6】
上記凹凸面は、所定深さの複数の凹部をローラの軸方向及び円周方向に均等に凹設することにより形成してなる請求項3記載の緩衝材被覆ローラ。
【請求項7】
凹部は深さ0.2mm〜0.7mm、幅5mm〜10mm、長さが30mm〜100mmであることを特徴とする請求項6記載の緩衝材被覆ローラ。
【請求項8】
上記凹凸面は、ローラ表面を周方向に一周する所定深さの小凹凸を軸方向に所定間隔で設けたものである請求項3記載の緩衝材被覆ローラ。
【請求項9】
上記凹凸面はローラ表面全体を粗面加工することにより形成したものである請求項3記載の緩衝材被覆ローラ。
【請求項1】
ベルトコンベア用ローラの表面に熱収縮性弾性体チューブを加熱収縮させて上記表面に上記熱収縮性弾性体による緩衝材被覆層を圧着形成してなる緩衝材被覆ローラ。
【請求項2】
ベルトコンベア用のローラに該ローラ径より小径の弾性体スリーブを拡径して挿入圧着することにより上記ローラ表面に上記弾性体スリーブによる緩衝材被覆層を圧着形成してなる緩衝材被覆ローラであって、
上記ローラに上記弾性体スリーブを複数挿入することにより該ローラ表面を被覆してなる緩衝材被覆ローラ。
【請求項3】
上記ローラの表面に凹凸面を形成し、当該ローラの表面に上記弾性体による緩衝材被覆層を圧着形成してなる請求項1又は2記載の緩衝材被覆ローラ。
【請求項4】
上記ローラ表面の軸方向に延びる軸方向突条を所定間隔で複数設けると共に、該ローラ表面の円周方向に上記軸方向突条に交差する円周方向突条を所定間隔で設け、これら軸方向突条及び円周方向突条により上記凹凸面を形成してなる請求項3記載の緩衝材被覆ローラ。
【請求項5】
上記軸方向突条及び円周方向突条は、上記被覆層の厚さの10%〜25%の高さで幅3mm〜10mmである請求項4記載の緩衝材被覆ローラ。
【請求項6】
上記凹凸面は、所定深さの複数の凹部をローラの軸方向及び円周方向に均等に凹設することにより形成してなる請求項3記載の緩衝材被覆ローラ。
【請求項7】
凹部は深さ0.2mm〜0.7mm、幅5mm〜10mm、長さが30mm〜100mmであることを特徴とする請求項6記載の緩衝材被覆ローラ。
【請求項8】
上記凹凸面は、ローラ表面を周方向に一周する所定深さの小凹凸を軸方向に所定間隔で設けたものである請求項3記載の緩衝材被覆ローラ。
【請求項9】
上記凹凸面はローラ表面全体を粗面加工することにより形成したものである請求項3記載の緩衝材被覆ローラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−176640(P2007−176640A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−376060(P2005−376060)
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【出願人】(000156961)関西熱化学株式会社 (117)
【出願人】(595115710)岡部機械工業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【出願人】(000156961)関西熱化学株式会社 (117)
【出願人】(595115710)岡部機械工業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
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