縦型充填包装装置
【課題】 カッター機構による包装袋の切断状態を良好に行うことのできる縦型充填包装装置を提供すること。
【解決手段】 縦型充填包装装置において、カッター機構７よりフイルムＦの移送方向上流側にて、横シール機構５の横シール部材５ＢによってヒートシールされたフイルムＦの横シールＦＳ箇所をエアの吹き付けによって冷却するエア噴射ノズル機構８を配設してなることを特徴とするものであり、カッター機構７よりフイルムＦの移送方向上流側にて包装袋Ｐの外面側をエア噴射ノズル機構８によってエアを吹き付けることにより、横シール部材５Ｂによって加熱されてシールされた横シールＦＳ箇所の内面側のシーラント層が冷却され、シール強度が確保されたシール状態にてカッター機構７によって切断されるため、カッター機構７の切断刃７Ａにシーラント層が付着することを未然に防ぐことができ、従来に比べてメンテナンス作業も簡便に行うことができる。
【解決手段】 縦型充填包装装置において、カッター機構７よりフイルムＦの移送方向上流側にて、横シール機構５の横シール部材５ＢによってヒートシールされたフイルムＦの横シールＦＳ箇所をエアの吹き付けによって冷却するエア噴射ノズル機構８を配設してなることを特徴とするものであり、カッター機構７よりフイルムＦの移送方向上流側にて包装袋Ｐの外面側をエア噴射ノズル機構８によってエアを吹き付けることにより、横シール部材５Ｂによって加熱されてシールされた横シールＦＳ箇所の内面側のシーラント層が冷却され、シール強度が確保されたシール状態にてカッター機構７によって切断されるため、カッター機構７の切断刃７Ａにシーラント層が付着することを未然に防ぐことができ、従来に比べてメンテナンス作業も簡便に行うことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、たとえばロール状に巻かれたフイルム原反からフイルムを引き出し移送しながら製袋しつつ、フイルムを縦シールおよび横シールして包装袋を形成し、その包装袋内に内容物を充填するとともに、前記横シール箇所をカッター機構によって切断する縦型充填包装装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来より、たとえば液体や粉体などの内容物を充填して密封シールするために包装袋としては、一般的に合成樹脂製のフイルムが用いられており、たとえばナイロン樹脂フイルムによるベースフイルム層と、低密度ポリエチレン樹脂フイルムによるシーラント層とからなる積層体層によって形成したり、あるいはこれとアルミニウム箔などとを接合した積層体層からなる包装用のフイルムを、縦横に三方シールあるいは四方シールすることによって包装袋を形成している。このような包装袋を得るためにロール状に巻かれたフイルム原反からフイルムを繰り出し案内し三方シールあるいは四方シールして包装する縦型充填包装装置が知られている。このような液状体などの内容物を充填包装してなる縦型充填包装装置にあっては、たとえば、ロール状に巻かれたフイルム原反のフイルムを繰り出し案内されて折返し形成されたフイルム、あるいは２枚重ねのフイルムの両端を対をなす縦シールロール部材によって挟み付けながらフイルムの長手方向に沿って縦シールして筒状に製袋し、筒状のフイルムを送りつつフイルムの底部側および袋口側となる箇所をフイルムの幅方向に沿って対をなす横シールロールの横シール部材によって挟み付けながら横シールするシール機構によって縦横シールした包装袋を連続的に製袋する縦型充填包装装置が知られている。この際、連続して送り出される包装袋を横シール機構の下流側にてカッター機構によって包装袋の横シール部箇所にミシン目を入れたり、全カットして一個ごと包装袋を分離して搬出するようにしている。（たとえば、特許文献１を参照。）
【特許文献１】特開平３−１７６３１７号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
ところで、特許文献１などによる従来の縦型充填包装装置にあっては、縦シール機構と横シール機構によってヒートシールされる包装袋は、順次内容物が充填されながらカッター機構へと繰り出されて横シール機構によってシールされた横シール箇所の略中央部位置がフイルムの幅方向に沿って分断される。この時、横シール箇所は横シール部材によって加熱されているためにフイルムの内面側のシーラント層が充分に冷却されずに接着強度が確保される前にカッター機構による切断刃によって切断されることがある。このため、包装袋の切断時においてカッター機構の切断刃の刃先に充分に冷却されない状態のシーラント層が付着し、これによりカッター機構の切れ味が悪くなり、フイルムの切断が良好に行えなくなることがある。また、この種の縦型充填包装装置においては、高速に包装袋を製造し得るものが望まれており、フイルムの繰り出す速度を高めつつ内容物の充填作動や縦横のシール作動および包装袋を一個ごと切断する工程などの稼働率を高くすることによって包装作業の高速化に向けて対応するようにしているため、このような不具合がさらに助長される結果となりやすいため、メンテナンス作業時において頻繁に切断刃に付着した包装袋のシーラント層などの屑を取り除く必要があった。
【０００４】
そこで本発明の目的とするところは、カッター機構による包装袋の切断状態を良好に行うことのできる縦型充填包装装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明では、請求項１に記載したように、連続的に移送されるフイルムを、対をなす縦シール部材によって挟み付けながらフイルムの長手方向に沿って縦シールする縦シール機構と、この縦シール機構によって縦シールした筒状のフイルム内に内容物を充填する充填機構と、前記筒状のフイルムを送りつつフイルムの底部側および袋口側となる箇所をフイルムの幅方向に沿って対をなす横シール部材によって挟み付けながら所定の間隔にて横シールする横シール機構と、前記横シール箇所の略中央部を切断するカッター機構と、を備えた縦型充填包装装置であって、前記カッター機構より前記フイルムの移送方向上流側にて、前記横シール機構の横シール部材によってヒートシールされた前記フイルムの横シール箇所をエアの吹き付けによって冷却するエア噴射ノズル機構を配設してなることを特徴とする縦型充填包装装置である。
【０００６】
また、請求項２に記載のように、請求項１に記載の縦型充填包装装置において、前記エア噴射ノズル機構は、前記フイルムの横シール箇所の幅方向に沿って設けてなるものである。
【０００７】
また、請求項３に記載のように、請求項１または請求項２に記載の縦型充填包装装置において、前記エア噴射ノズル機構は、少なくとも前記カッター機構による前記フイルムの切断動作前においてエア噴出を行うように設定してなるものである。
【０００８】
また、請求項４に記載のように、請求項１または請求項２に記載の縦型充填包装装置において、前記エア噴射ノズル機構は、前記カッター機構による前記フイルムの切断動作時において前記フイルムの横シール箇所の通過タイミングに同期してエア噴出するように設定してなるものである。
【０００９】
また、請求項５に記載のように、請求項１から請求項４に記載の縦型充填包装装置において、前記フイルムの移送に合わせて、前記カッター機構と前記エア噴射ノズル機構とをボックスモーション駆動するように上下動することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【００１０】
本発明による縦型充填包装装置においては、連続的に移送されるフイルムを、対をなす縦シール部材によって挟み付けながらフイルムの長手方向に沿って縦シールする縦シール機構と、この縦シール機構によって縦シールした筒状のフイルム内に内容物を充填する充填機構と、前記筒状のフイルムを送りつつフイルムの底部側および袋口側となる箇所をフイルムの幅方向に沿って対をなす横シール部材によって挟み付けながら所定の間隔にて横シールする横シール機構と、前記横シール箇所の略中央部を切断するカッター機構と、を備えた縦型充填包装装置であって、前記カッター機構より前記フイルムの移送方向上流側にて、前記横シール機構の横シール部材によってヒートシールされた前記フイルムの横シール箇所をエアの吹き付けによって冷却するエア噴射ノズル機構を配設してなることを特徴とするものであり、カッター機構よりフイルムの移送方向上流側にて包装袋の外面側をエア噴射ノズル機構によってエアを吹き付けることにより、横シール部材によって加熱されてシールされた横シール箇所の内面側のシーラント層が冷却され、シール強度が確保されたシール状態にて包装袋が繰り出されるものであり、この結果、カッター機構の切断刃によって横シール箇所を良好に切断することができる。この際、フイルムの内面側のシーラント層が充分に冷却された状態となり、フイルム内面側のシーラント層の接着強度が確保された状態にてカッター機構による切断刃によって切断されるため、カッター機構の切断刃にシーラント層が付着することを未然に防ぐことができ、従来に比べてメンテナンス作業も簡便に行うことができるものであり、初期の目的を達成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１１】
以下、本発明に係る縦型充填包装装置を図面に基づいて説明する。図１から図６は本発明の実施形態を示すものである。
【００１２】
同図において、縦型充填包装装置の全体概要の構成として、包装フイルムＦを巻回したフイルム原反Ｒが縦型充填包装装置の側方に設けられた保持枠１に装着されて支持されており、前記フイルム原反Ｒから引き廻し案内された包装フイルムＦは、所定のテンションが付与されながら一端上方へとフイルム案内機構２を介して縦型充填包装装置の上部側へと繰り出し案内され、フイルム案内機構２により縦型充填包装装置の上部側へと繰り出し案内されたフイルムＦはフイルム折り返し機構３により包装フイルムＦの長手方向に沿って二つ折りに折り返して下方側へと引き出し案内するように構成している。
【００１３】
この第１実施形態においては、この下方へ引き出し搬送される二つ折りのフイルムＦは、縦シール機構４へと案内される。縦シール機構４は、サーボモータからなる駆動手段Ｍ１によって回転可能に設けられ、対向する一対の縦シールロール４Ａの外周に設けられた縦シール部材４Ｂによって、二つ折りに折り返されたフイルムＦが縦方向にヒートシールすることによって縦シールＦＨが形成され、次いで縦シール機構４の下方すなわちフイルムＦの搬送される下流側に配設された横シール機構５によってヒートシールされて横シールＦＳ箇所が形成される。
【００１４】
横シール機構５は、たとえばサーボモータからなる駆動手段Ｍ２によって回転可能に設けられ、対向する一対の横シールロール５Ａの外周の幅方向に沿ってそれぞれ設けられた横シール部材５Ｂによって、横方向に所定の間隔を置いてヒートシールされて包装フイルムＦに横シールＦＳ箇所が形成され、この横シールＦＳ箇所により包装袋Ｐとなる有底筒状に底部が形成され、これにより有底筒状に形成された包装フイルムＦ内に充填機構６の充填ノズル部６Ａからポンプ６Ｂを介して内容物Ｗが充填され、続いて包装フイルムＦを送り出した後に横シール機構５の横シールロール５Ａに設けられた横シール部材５Ｂにより包装フイルムＦの袋口部となる箇所を横ヒートシールし、この横ヒートシールによる横シールＦＳによって内容物Ｗが封止され、次々と連続した状態で内容物Ｗが充填された包装袋Ｐが下方へと連続して搬送されるように構成されている。
【００１５】
また前記充填機構６は、たとえば内容物Ｗを供給するためのポンプ６Ｂが設けられており、このポンプ６Ｂはサーボモータからなる駆動手段Ｍ３の回転作動によって内容物Ｗが充填供給可能に設けられている。
【００１６】
前記横シール機構５の下方側には、上下に連続した状態の内容物Ｗを充填した包装袋Ｐの横シールＦＳ箇所のほぼ中央部を切り離して搬出することのできる全カット用の切断刃７Ａを備えたカッター機構７が配設されている。この実施形態におけるカッター機構７にあっては、切断刃７ＡをフイルムＦに対して接近・離反する方向にサーボモータからなる駆動手段Ｍ４の回転作動によって往復移動することができるように設けられており、この切断刃７Ａの往復移動時（フイルムＦの切断時）においてフイルムＦの両外面側から押さえて保持するための対をなすフイルム押さえ部材７Ｂが配設され、この対をなすフイルム押さえ部材７ＢはフイルムＦを両側から挟持することができるようにサーボモータからなる駆動手段Ｍ５の回転作動に連動して移動可能な状態に設けられている。
【００１７】
なお、フイルムＦの両外面側から抑える位置としては、包装袋Ｐの横シールＦＳ箇所であり、その横シールＦＳ箇所をフイルム抑え部材７Ｂによって挟み付けながら、切断刃７Ａの作動によって横シールＦＳ箇所のほぼ中央部を切断するように設けており、これにより次々と連続した状態で内容物Ｗが充填された包装袋Ｐが一個ごと分離状態にして下方へと連続して搬出されるように設けられている。
【００１８】
また前記カッター機構７と隣接し、かつカッター機構７の上方側には、横シール機構５の横シール部材５ＢによってヒートシールされたフイルムＦの横シールＦＳ箇所をエアの吹き付けによって冷却するエア噴射ノズル機構８が配設されている。この場合、エア噴射ノズル機構８には、フイルムＦの横シールＦＳ箇所の幅方向に沿って複数の噴射ノズル８Ａが設けられており、このエア噴射ノズル機構８にエアを供給するコンプレッサなどからなる気体加圧手段９が設けられるとともに、エア噴射ノズル機構８と気体加圧手段９との間に加圧気体であるエアの供給，遮断を行う電磁弁１０が介在されている。
【００１９】
次に、本発明の縦型充填包装装置における電気的な構成について、図６を主体に用いて説明する。
【００２０】
主電源スイッチ１１Ａは、縦型充填包装装置の電源をオン／オフするものであり、包装装置の操作パネルに設けられるスイッチ操作群やタッチパネルのスイッチ群などからなる設定手段１１により構成されている。この電源スイッチ１１Ａがオンされることで、マイクロコンピュータやシーケンサ等の制御機器からなる制御手段１２による所定制御に基づいて、縦シール機構４のヒータ（図示せず）や横シール機構５のヒータ（図示せず）などの電装品に電力供給が行われるように構成している。
【００２１】
また主電源スイッチ１１Ａとは別に縦型充填包装装置を運転動作させる運転開始・運転停止スイッチからなる運転操作スイッチ１１Ｂが設定手段１１に設けられ、この運転操作スイッチ１１Ｂがオンされることで、制御手段１２による所定制御に基づいて、充填機構６から駆動手段Ｍ３を介して被包装物Ｗの供給作動を行ったり、縦シール機構４と横シール機構５に設けた縦シールロール４Ａと横シールロール５Ａの各駆動手段Ｍ１，Ｍ２やカッター機構７の切断刃７Ａを往復移動するための駆動手段Ｍ４と、フイルムＦの両外面側から押さえて保持するための対をなすフイルム押さえ部材７Ｂを開閉往復移動するための駆動手段Ｍ５とを電気的に作動させてそれぞれ駆動するように構成するとともに、エア噴射ノズル機構８と気体加圧手段９との間に加圧気体であるエアの供給，遮断を行う電磁弁１０を往復移動可能に構成している。
【００２２】
従って、上記構成からなる本発明の縦型充填包装装置は、フイルム折返し機構２の下流側に配設された縦シール機構４が駆動手段Ｍ１の作動によって回転駆動し、二つ折りに折り返されたフイルムＦの各折返し縁部同志（左右両縁部）が縦シール部材４Ｂによって挟み付けられながら繰り出され、フイルムＦを繰り出しながらフイルムＦの縦方向に沿って縦シールＦＨが施される。次いで横シール機構５が駆動手段Ｍ２の作動によって、対向する一対の横シールロール５Ａの外周の幅方向に沿ってそれぞれ設けられた横シール部材５Ｂにより包装フイルムＦに横シールＦＳ箇所が形成され、これにより有底筒状に形成された包装フイルムＦ内に駆動手段Ｍ３による回転作動に伴い充填機構６の充填ノズル部６Ａからポンプ６Ｂを介して内容物Ｗが充填される。(図１の正面図参照)
【００２３】
続いて包装フイルムＦを所定量送り出された後に同様にして横シール機構５の横シールロール５Ａに設けられた横シール部材５Ｂによって包装フイルムＦの袋口部となる箇所が横ヒートシールされ、この横ヒートシールによる横シールＦＳによって内容物Ｗが封止され、次々と内容物Ｗが充填された包装袋Ｐが連続してカッター機構７側へと移送される。（図２の動作説明図を参照）
【００２４】
カッター機構７側へと移送されてきた包装袋Ｐの横シールＦＳ箇所は、カッター機構７に設けられた対をなすフイルム押さえ部材７Ｂによって挟み付けられて保持され、この保持状態にて切断刃７Ａが作動して横シールＦＳ箇所のほぼ中央部が切断される。すなわち、駆動手段Ｍ５の作動によって対をなすフイルム押さえ部材７Ｂが図３の動作説明図に示すように包装袋Ｐの横シールＦＳ箇所を挟み付けて保持し、次いで駆動手段４の作動によって切断刃７Ａが前進移動しフイルム押さえ部材７Ｂによって保持されている横シールＦＳ箇所のほぼ中央部が切断される。（図４の動作説明図を参照）
【００２５】
この包装袋Ｐの切断時においては、カッター機構７と隣接して配設され、かつカッター機構７よりフイルムＦの移送方向上流側に設けられたエア噴射ノズル機構８の噴射ノズル８Ａによって包装袋Ｐの外面側が包装袋Ｐの幅方向に沿ってエアが吹き付けられ、前工程において加熱されてヒートシールされた横シールＦＳ箇所の内面側のシーラント層が吹き付けられたエアによって事前に冷却されるため、このシーラント層が冷却されることにより横シールＦＳ箇所のシール強度が確保された状態にて包装袋Ｐがカッター機構７による切断刃７Ａによって切断されるため、カッター機構７の切断刃７Ａにシーラント層が付着することを未然に防ぐことができるものであり、従来に比べてメンテナンス作業も簡便に行うことができる。（図２から図４の動作説明図を参照）
【００２６】
また前記包装袋Ｐの切断後において、図５の動作説明図に示すようにカッター機構の切断刃７Ａとフイルム押さえ機構７Ｂとがそれぞれ復帰作動するとともに、この実施形態にあっては、エア噴射ノズル機構８の噴射ノズル８Ａのエア噴出が停止する。次いで、図５に示した作動状態からフイルムＦの繰り出しとともに図２から図４に示すように、縦横シールが順次行われ、新たに製袋される包装袋Ｐの横シールＦＳ箇所がエア噴射ノズル機構８によって冷却され、カッター機構７によって包装袋Ｐが適正な状態にて一個ごと切断されて搬出される。
【００２７】
なお、エア噴射ノズル機構８によるエアの吹き付けタイミングとしては、少なくとも前記カッター機構７によるフイルムＦ（横シールＦＳ箇所）の切断動作前においてエア噴出を行うように設定してなることにより、事前に横シールＦＳ箇所の内面側のシーラント層を冷却することができるものであり、また吹き付けタイミングとしてカッター機構７によるフイルムＦの切断動作時においてフイルムＦの横シールＦＳ箇所の通過タイミングに同期してエア噴出するように設定してなるように制御手段１２による所定制御に基づいて、エアの供給，遮断を行う電磁弁１０を作動するように設定すればよい。
【００２８】
また、図７から図１０に示すように、他の実施形態として、カッター機構７と隣接して配設され、かつカッター機構７よりフイルムＦの移送方向上流側に噴射ノズル８Ａが設けられたエア噴射ノズル機構８を設置して設けて構成されるとともに、図示はしないがカッター機構７とエア噴射ノズル機構８とが図７の破線で示すようにフイルムＦの送り動作に合わせてボックスモーション駆動するように上下動可能に設けられている。
【００２９】
従って、フイルムＦの送りに合わせてカッター機構７とエア噴射ノズル機構８とを上下方向に移動可能に設けることにより、第１実施形態と同様にしてカッター機構７と隣接して配設され、かつカッター機構７よりフイルムＦの移送方向上流側に設けられたエア噴射ノズル機構８の噴射ノズル８Ａによって包装袋Ｐの外面側が包装袋Ｐの幅方向に沿ってエアが吹き付けられ、図７に示すように前工程において加熱されてヒートシールされた横シールＦＳ箇所の内面側のシーラント層が吹き付けられたエアによって事前に冷却することができる。
【００３０】
次いで、図８に示すようにフイルムＦの繰り出しとともに、フイルムＦの上流側では横シール機構５の横シール部材５Ｂによって新たに横シールＦＳが施され、かつエア噴射ノズル機構８によって包装袋Ｐの横シールＦＳ箇所が事前に冷却された箇所をカッター機構７に設けたフイルム押さえ部材８Ｂによって保持しつつフイルムＦの繰り出しに合わせて破線で示した矢印方向（フイルムＦの繰り出し方向）に沿ってエア噴射ノズル機構８とカッター機構７とが移動する。続いて、図９に示すようにエア噴射ノズル機構８とカッター機構７とが矢印破線方向に沿って移動するとともに、カッター機構７に設けた切断刃７Ａの前進作動によってフイルム押さえ部材８Ｂにて押さえられていた横シールＦＳ箇所の中央部が切断され、包装袋Ｐが分離されて搬出される。その後、図１０に示すようにカッター機構の切断刃７Ａとフイルム押さえ機構７Ｂとがそれぞれ復帰作動するとともに、エア噴射ノズル機構８のエアの噴出が停止され、カッター機構７とエア噴射ノズル機構８とが矢印破線方向に沿って上方へと復帰作動する。
【００３１】
この包装袋Ｐの切断動作の際、包装袋Ｐの横シールＦＳ箇所のシーラント層が事前に冷却されることにより横シールＦＳ箇所のシール強度が確保された状態にて包装袋Ｐがカッター機構７による切断刃７Ａによって切断されるため前述した実施形態とほぼ同様にして、カッター機構７の切断刃７Ａにシーラント層が付着することを未然に防ぐことができる。加えてフイルムＦの繰り出しに合わせてボックスモーション駆動（カッター機構７とエア噴射ノズル機構８との上下動移動）を採用することによって縦型充填包装装置の稼働率を高めながら包装袋Ｐの包装作業を行うことができるという効果がある。すなわち、エア噴射ノズル機構８によって事前に横シールＦＳ箇所を冷却する工程と、カッター機構７による横シールＦＳ箇所の切断工程とをフイルムＦの繰り出し速度に合わせて下側に移動しつつ行うことによってフイルムＦの送りを停止することなく順次包装袋Ｐを製造することができ、これにより包装袋Ｐの包装作業の生産効率を高めることが可能となる。
【００３２】
なお本発明に係る縦型充填包装装置においては、縦シール機構４と横シール機構５とによって四方シールによる包装袋Ｐを形成していたが、縦シール機構４の縦シール部材５Ｂを包装袋ＰのフイルムＦの重ね合わせ部である一方側に設置してヒートシールする三方シールタイプにおいても同様な効果を得ることができるものであり、また本発明の実施形態では、カッター機構７の駆動手段として前後動する往復動作によるカッター機構を採用していたが、一方を固定刃とし、他方を回転刃とした回転機構からなるカッター機構においても適用できるものであり、またカッター機構よりフイルムＦの繰り出し方向上流側にエアの吹き付けによって横シールＦＳ箇所を冷却するエア噴射ノズル機構８を上下に多列にて配設することにより更なる冷却効果を高めることができるものである。
【００３３】
またエア噴射ノズル機構８から供給するエアとして、熱交換機によって冷やされたエアを供給するようにしてもよいものであり、またエア噴射ノズル機構８によるエア噴出タイミングとして、カッター機構７によるフイルムＦの切断動作時においてフイルムの横シール箇所の通過タイミングに同期してエア噴出するように設定したり、またエア噴出する時間などもフイルムＦの材質や厚み、フイルムＦの送りスピードやシール部箇所の加熱温度などの仕様条件に合わせて制御手段１２を介して調整可能に設けるようにすればよいものである。
【００３４】
また、各実施形態にあっては、縦型充填包装装置を運転動作させる運転開始・運転停止スイッチからなる運転操作スイッチ１１Ｂがオンされることによってエア噴射ノズル機構８と気体加圧手段９との間に加圧気体であるエアの供給，遮断を行う電磁弁１０を開放作動するように構成していたが、場合によっては縦型充填包装装置の電源をオン／オフする主電源スイッチ１１Ａのオン動作することで常にエア噴射ノズル機構８を作動するように構成してもよいものである。
【００３５】
また、エア噴射ノズル機構８としては、包装袋Ｐの大きさやフイルムＦの材質あるいは充填される内容物Ｗの量やフイルムＦの送り速度などの包装仕様条件に合わせてエア噴射ノズル機構８の配置やエアの噴出の向きや噴射ノズル８Ａの数や形状などを適宜設定するように構成すればよいものである。
【図面の簡単な説明】
【００３６】
【図１】本発明の実施形態の縦型充填包装装置を示す全体概要正面図である。
【図２】図２は、縦型充填包装装置におけるエア噴射ノズル機構の作動状態を主体に示した動作説明側面図である。
【図３】図３は、図２のエア噴射ノズル機構とカッター機構との作動状態を示した動作説明図である。
【図４】図４は、図３のエア噴射ノズル機構とカッター機構とのさらなる作動状態を示した動作説明図である。
【図５】図５は、図４のエア噴射ノズル機構とカッター機構との復帰作動状態を示した動作説明図である。
【図６】図６は、本発明の実施形態の電気的構成を示すブロック図である。
【図７】図５は、本発明の他の実施形態であるエア噴射ノズル機構とカッター機構と作動状態を主体に示した要部の動作説明側面図である。
【図８】図８は、図７の作動状態を示した動作説明図である。
【図９】図９は、図８のさらなる作動状態を示した動作説明図である。
【図１０】図１０は、図９のエア噴射ノズル機構とカッター機構との復帰作動状態を示した動作説明図である。
【符号の説明】
【００３７】
１ 保持枠
２ フイルム案内機構
３ フイルム折返し機構
４ 縦シール機構
４Ａ 縦シールロール
４Ｂ 縦シール部材
５ 横シール機構
５Ａ 横シールロール
５Ｂ 横シール部材
６ 充填機構
６Ａ 充填ノズル部
６Ｂ ポンプ
７ カッター機構
７Ａ 切断刃
７Ｂ フイルム抑え部材
８ エア噴射ノズル機構
８Ａ 噴射ノズル
９ 気体加圧手段（コンプレッサ）
１０ 電磁弁
１１ 設定手段
１１Ａ 主電源スイッチ
１１Ｂ 運転操作スイッチ
１２ 制御手段
Ｆ フイルム
ＦＨ 縦シール
ＦＳ 横シール
Ｐ 包装袋
Ｒ フイルム原反
Ｗ 内容物
【技術分野】
【０００１】
本発明は、たとえばロール状に巻かれたフイルム原反からフイルムを引き出し移送しながら製袋しつつ、フイルムを縦シールおよび横シールして包装袋を形成し、その包装袋内に内容物を充填するとともに、前記横シール箇所をカッター機構によって切断する縦型充填包装装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来より、たとえば液体や粉体などの内容物を充填して密封シールするために包装袋としては、一般的に合成樹脂製のフイルムが用いられており、たとえばナイロン樹脂フイルムによるベースフイルム層と、低密度ポリエチレン樹脂フイルムによるシーラント層とからなる積層体層によって形成したり、あるいはこれとアルミニウム箔などとを接合した積層体層からなる包装用のフイルムを、縦横に三方シールあるいは四方シールすることによって包装袋を形成している。このような包装袋を得るためにロール状に巻かれたフイルム原反からフイルムを繰り出し案内し三方シールあるいは四方シールして包装する縦型充填包装装置が知られている。このような液状体などの内容物を充填包装してなる縦型充填包装装置にあっては、たとえば、ロール状に巻かれたフイルム原反のフイルムを繰り出し案内されて折返し形成されたフイルム、あるいは２枚重ねのフイルムの両端を対をなす縦シールロール部材によって挟み付けながらフイルムの長手方向に沿って縦シールして筒状に製袋し、筒状のフイルムを送りつつフイルムの底部側および袋口側となる箇所をフイルムの幅方向に沿って対をなす横シールロールの横シール部材によって挟み付けながら横シールするシール機構によって縦横シールした包装袋を連続的に製袋する縦型充填包装装置が知られている。この際、連続して送り出される包装袋を横シール機構の下流側にてカッター機構によって包装袋の横シール部箇所にミシン目を入れたり、全カットして一個ごと包装袋を分離して搬出するようにしている。（たとえば、特許文献１を参照。）
【特許文献１】特開平３−１７６３１７号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
ところで、特許文献１などによる従来の縦型充填包装装置にあっては、縦シール機構と横シール機構によってヒートシールされる包装袋は、順次内容物が充填されながらカッター機構へと繰り出されて横シール機構によってシールされた横シール箇所の略中央部位置がフイルムの幅方向に沿って分断される。この時、横シール箇所は横シール部材によって加熱されているためにフイルムの内面側のシーラント層が充分に冷却されずに接着強度が確保される前にカッター機構による切断刃によって切断されることがある。このため、包装袋の切断時においてカッター機構の切断刃の刃先に充分に冷却されない状態のシーラント層が付着し、これによりカッター機構の切れ味が悪くなり、フイルムの切断が良好に行えなくなることがある。また、この種の縦型充填包装装置においては、高速に包装袋を製造し得るものが望まれており、フイルムの繰り出す速度を高めつつ内容物の充填作動や縦横のシール作動および包装袋を一個ごと切断する工程などの稼働率を高くすることによって包装作業の高速化に向けて対応するようにしているため、このような不具合がさらに助長される結果となりやすいため、メンテナンス作業時において頻繁に切断刃に付着した包装袋のシーラント層などの屑を取り除く必要があった。
【０００４】
そこで本発明の目的とするところは、カッター機構による包装袋の切断状態を良好に行うことのできる縦型充填包装装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明では、請求項１に記載したように、連続的に移送されるフイルムを、対をなす縦シール部材によって挟み付けながらフイルムの長手方向に沿って縦シールする縦シール機構と、この縦シール機構によって縦シールした筒状のフイルム内に内容物を充填する充填機構と、前記筒状のフイルムを送りつつフイルムの底部側および袋口側となる箇所をフイルムの幅方向に沿って対をなす横シール部材によって挟み付けながら所定の間隔にて横シールする横シール機構と、前記横シール箇所の略中央部を切断するカッター機構と、を備えた縦型充填包装装置であって、前記カッター機構より前記フイルムの移送方向上流側にて、前記横シール機構の横シール部材によってヒートシールされた前記フイルムの横シール箇所をエアの吹き付けによって冷却するエア噴射ノズル機構を配設してなることを特徴とする縦型充填包装装置である。
【０００６】
また、請求項２に記載のように、請求項１に記載の縦型充填包装装置において、前記エア噴射ノズル機構は、前記フイルムの横シール箇所の幅方向に沿って設けてなるものである。
【０００７】
また、請求項３に記載のように、請求項１または請求項２に記載の縦型充填包装装置において、前記エア噴射ノズル機構は、少なくとも前記カッター機構による前記フイルムの切断動作前においてエア噴出を行うように設定してなるものである。
【０００８】
また、請求項４に記載のように、請求項１または請求項２に記載の縦型充填包装装置において、前記エア噴射ノズル機構は、前記カッター機構による前記フイルムの切断動作時において前記フイルムの横シール箇所の通過タイミングに同期してエア噴出するように設定してなるものである。
【０００９】
また、請求項５に記載のように、請求項１から請求項４に記載の縦型充填包装装置において、前記フイルムの移送に合わせて、前記カッター機構と前記エア噴射ノズル機構とをボックスモーション駆動するように上下動することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【００１０】
本発明による縦型充填包装装置においては、連続的に移送されるフイルムを、対をなす縦シール部材によって挟み付けながらフイルムの長手方向に沿って縦シールする縦シール機構と、この縦シール機構によって縦シールした筒状のフイルム内に内容物を充填する充填機構と、前記筒状のフイルムを送りつつフイルムの底部側および袋口側となる箇所をフイルムの幅方向に沿って対をなす横シール部材によって挟み付けながら所定の間隔にて横シールする横シール機構と、前記横シール箇所の略中央部を切断するカッター機構と、を備えた縦型充填包装装置であって、前記カッター機構より前記フイルムの移送方向上流側にて、前記横シール機構の横シール部材によってヒートシールされた前記フイルムの横シール箇所をエアの吹き付けによって冷却するエア噴射ノズル機構を配設してなることを特徴とするものであり、カッター機構よりフイルムの移送方向上流側にて包装袋の外面側をエア噴射ノズル機構によってエアを吹き付けることにより、横シール部材によって加熱されてシールされた横シール箇所の内面側のシーラント層が冷却され、シール強度が確保されたシール状態にて包装袋が繰り出されるものであり、この結果、カッター機構の切断刃によって横シール箇所を良好に切断することができる。この際、フイルムの内面側のシーラント層が充分に冷却された状態となり、フイルム内面側のシーラント層の接着強度が確保された状態にてカッター機構による切断刃によって切断されるため、カッター機構の切断刃にシーラント層が付着することを未然に防ぐことができ、従来に比べてメンテナンス作業も簡便に行うことができるものであり、初期の目的を達成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１１】
以下、本発明に係る縦型充填包装装置を図面に基づいて説明する。図１から図６は本発明の実施形態を示すものである。
【００１２】
同図において、縦型充填包装装置の全体概要の構成として、包装フイルムＦを巻回したフイルム原反Ｒが縦型充填包装装置の側方に設けられた保持枠１に装着されて支持されており、前記フイルム原反Ｒから引き廻し案内された包装フイルムＦは、所定のテンションが付与されながら一端上方へとフイルム案内機構２を介して縦型充填包装装置の上部側へと繰り出し案内され、フイルム案内機構２により縦型充填包装装置の上部側へと繰り出し案内されたフイルムＦはフイルム折り返し機構３により包装フイルムＦの長手方向に沿って二つ折りに折り返して下方側へと引き出し案内するように構成している。
【００１３】
この第１実施形態においては、この下方へ引き出し搬送される二つ折りのフイルムＦは、縦シール機構４へと案内される。縦シール機構４は、サーボモータからなる駆動手段Ｍ１によって回転可能に設けられ、対向する一対の縦シールロール４Ａの外周に設けられた縦シール部材４Ｂによって、二つ折りに折り返されたフイルムＦが縦方向にヒートシールすることによって縦シールＦＨが形成され、次いで縦シール機構４の下方すなわちフイルムＦの搬送される下流側に配設された横シール機構５によってヒートシールされて横シールＦＳ箇所が形成される。
【００１４】
横シール機構５は、たとえばサーボモータからなる駆動手段Ｍ２によって回転可能に設けられ、対向する一対の横シールロール５Ａの外周の幅方向に沿ってそれぞれ設けられた横シール部材５Ｂによって、横方向に所定の間隔を置いてヒートシールされて包装フイルムＦに横シールＦＳ箇所が形成され、この横シールＦＳ箇所により包装袋Ｐとなる有底筒状に底部が形成され、これにより有底筒状に形成された包装フイルムＦ内に充填機構６の充填ノズル部６Ａからポンプ６Ｂを介して内容物Ｗが充填され、続いて包装フイルムＦを送り出した後に横シール機構５の横シールロール５Ａに設けられた横シール部材５Ｂにより包装フイルムＦの袋口部となる箇所を横ヒートシールし、この横ヒートシールによる横シールＦＳによって内容物Ｗが封止され、次々と連続した状態で内容物Ｗが充填された包装袋Ｐが下方へと連続して搬送されるように構成されている。
【００１５】
また前記充填機構６は、たとえば内容物Ｗを供給するためのポンプ６Ｂが設けられており、このポンプ６Ｂはサーボモータからなる駆動手段Ｍ３の回転作動によって内容物Ｗが充填供給可能に設けられている。
【００１６】
前記横シール機構５の下方側には、上下に連続した状態の内容物Ｗを充填した包装袋Ｐの横シールＦＳ箇所のほぼ中央部を切り離して搬出することのできる全カット用の切断刃７Ａを備えたカッター機構７が配設されている。この実施形態におけるカッター機構７にあっては、切断刃７ＡをフイルムＦに対して接近・離反する方向にサーボモータからなる駆動手段Ｍ４の回転作動によって往復移動することができるように設けられており、この切断刃７Ａの往復移動時（フイルムＦの切断時）においてフイルムＦの両外面側から押さえて保持するための対をなすフイルム押さえ部材７Ｂが配設され、この対をなすフイルム押さえ部材７ＢはフイルムＦを両側から挟持することができるようにサーボモータからなる駆動手段Ｍ５の回転作動に連動して移動可能な状態に設けられている。
【００１７】
なお、フイルムＦの両外面側から抑える位置としては、包装袋Ｐの横シールＦＳ箇所であり、その横シールＦＳ箇所をフイルム抑え部材７Ｂによって挟み付けながら、切断刃７Ａの作動によって横シールＦＳ箇所のほぼ中央部を切断するように設けており、これにより次々と連続した状態で内容物Ｗが充填された包装袋Ｐが一個ごと分離状態にして下方へと連続して搬出されるように設けられている。
【００１８】
また前記カッター機構７と隣接し、かつカッター機構７の上方側には、横シール機構５の横シール部材５ＢによってヒートシールされたフイルムＦの横シールＦＳ箇所をエアの吹き付けによって冷却するエア噴射ノズル機構８が配設されている。この場合、エア噴射ノズル機構８には、フイルムＦの横シールＦＳ箇所の幅方向に沿って複数の噴射ノズル８Ａが設けられており、このエア噴射ノズル機構８にエアを供給するコンプレッサなどからなる気体加圧手段９が設けられるとともに、エア噴射ノズル機構８と気体加圧手段９との間に加圧気体であるエアの供給，遮断を行う電磁弁１０が介在されている。
【００１９】
次に、本発明の縦型充填包装装置における電気的な構成について、図６を主体に用いて説明する。
【００２０】
主電源スイッチ１１Ａは、縦型充填包装装置の電源をオン／オフするものであり、包装装置の操作パネルに設けられるスイッチ操作群やタッチパネルのスイッチ群などからなる設定手段１１により構成されている。この電源スイッチ１１Ａがオンされることで、マイクロコンピュータやシーケンサ等の制御機器からなる制御手段１２による所定制御に基づいて、縦シール機構４のヒータ（図示せず）や横シール機構５のヒータ（図示せず）などの電装品に電力供給が行われるように構成している。
【００２１】
また主電源スイッチ１１Ａとは別に縦型充填包装装置を運転動作させる運転開始・運転停止スイッチからなる運転操作スイッチ１１Ｂが設定手段１１に設けられ、この運転操作スイッチ１１Ｂがオンされることで、制御手段１２による所定制御に基づいて、充填機構６から駆動手段Ｍ３を介して被包装物Ｗの供給作動を行ったり、縦シール機構４と横シール機構５に設けた縦シールロール４Ａと横シールロール５Ａの各駆動手段Ｍ１，Ｍ２やカッター機構７の切断刃７Ａを往復移動するための駆動手段Ｍ４と、フイルムＦの両外面側から押さえて保持するための対をなすフイルム押さえ部材７Ｂを開閉往復移動するための駆動手段Ｍ５とを電気的に作動させてそれぞれ駆動するように構成するとともに、エア噴射ノズル機構８と気体加圧手段９との間に加圧気体であるエアの供給，遮断を行う電磁弁１０を往復移動可能に構成している。
【００２２】
従って、上記構成からなる本発明の縦型充填包装装置は、フイルム折返し機構２の下流側に配設された縦シール機構４が駆動手段Ｍ１の作動によって回転駆動し、二つ折りに折り返されたフイルムＦの各折返し縁部同志（左右両縁部）が縦シール部材４Ｂによって挟み付けられながら繰り出され、フイルムＦを繰り出しながらフイルムＦの縦方向に沿って縦シールＦＨが施される。次いで横シール機構５が駆動手段Ｍ２の作動によって、対向する一対の横シールロール５Ａの外周の幅方向に沿ってそれぞれ設けられた横シール部材５Ｂにより包装フイルムＦに横シールＦＳ箇所が形成され、これにより有底筒状に形成された包装フイルムＦ内に駆動手段Ｍ３による回転作動に伴い充填機構６の充填ノズル部６Ａからポンプ６Ｂを介して内容物Ｗが充填される。(図１の正面図参照)
【００２３】
続いて包装フイルムＦを所定量送り出された後に同様にして横シール機構５の横シールロール５Ａに設けられた横シール部材５Ｂによって包装フイルムＦの袋口部となる箇所が横ヒートシールされ、この横ヒートシールによる横シールＦＳによって内容物Ｗが封止され、次々と内容物Ｗが充填された包装袋Ｐが連続してカッター機構７側へと移送される。（図２の動作説明図を参照）
【００２４】
カッター機構７側へと移送されてきた包装袋Ｐの横シールＦＳ箇所は、カッター機構７に設けられた対をなすフイルム押さえ部材７Ｂによって挟み付けられて保持され、この保持状態にて切断刃７Ａが作動して横シールＦＳ箇所のほぼ中央部が切断される。すなわち、駆動手段Ｍ５の作動によって対をなすフイルム押さえ部材７Ｂが図３の動作説明図に示すように包装袋Ｐの横シールＦＳ箇所を挟み付けて保持し、次いで駆動手段４の作動によって切断刃７Ａが前進移動しフイルム押さえ部材７Ｂによって保持されている横シールＦＳ箇所のほぼ中央部が切断される。（図４の動作説明図を参照）
【００２５】
この包装袋Ｐの切断時においては、カッター機構７と隣接して配設され、かつカッター機構７よりフイルムＦの移送方向上流側に設けられたエア噴射ノズル機構８の噴射ノズル８Ａによって包装袋Ｐの外面側が包装袋Ｐの幅方向に沿ってエアが吹き付けられ、前工程において加熱されてヒートシールされた横シールＦＳ箇所の内面側のシーラント層が吹き付けられたエアによって事前に冷却されるため、このシーラント層が冷却されることにより横シールＦＳ箇所のシール強度が確保された状態にて包装袋Ｐがカッター機構７による切断刃７Ａによって切断されるため、カッター機構７の切断刃７Ａにシーラント層が付着することを未然に防ぐことができるものであり、従来に比べてメンテナンス作業も簡便に行うことができる。（図２から図４の動作説明図を参照）
【００２６】
また前記包装袋Ｐの切断後において、図５の動作説明図に示すようにカッター機構の切断刃７Ａとフイルム押さえ機構７Ｂとがそれぞれ復帰作動するとともに、この実施形態にあっては、エア噴射ノズル機構８の噴射ノズル８Ａのエア噴出が停止する。次いで、図５に示した作動状態からフイルムＦの繰り出しとともに図２から図４に示すように、縦横シールが順次行われ、新たに製袋される包装袋Ｐの横シールＦＳ箇所がエア噴射ノズル機構８によって冷却され、カッター機構７によって包装袋Ｐが適正な状態にて一個ごと切断されて搬出される。
【００２７】
なお、エア噴射ノズル機構８によるエアの吹き付けタイミングとしては、少なくとも前記カッター機構７によるフイルムＦ（横シールＦＳ箇所）の切断動作前においてエア噴出を行うように設定してなることにより、事前に横シールＦＳ箇所の内面側のシーラント層を冷却することができるものであり、また吹き付けタイミングとしてカッター機構７によるフイルムＦの切断動作時においてフイルムＦの横シールＦＳ箇所の通過タイミングに同期してエア噴出するように設定してなるように制御手段１２による所定制御に基づいて、エアの供給，遮断を行う電磁弁１０を作動するように設定すればよい。
【００２８】
また、図７から図１０に示すように、他の実施形態として、カッター機構７と隣接して配設され、かつカッター機構７よりフイルムＦの移送方向上流側に噴射ノズル８Ａが設けられたエア噴射ノズル機構８を設置して設けて構成されるとともに、図示はしないがカッター機構７とエア噴射ノズル機構８とが図７の破線で示すようにフイルムＦの送り動作に合わせてボックスモーション駆動するように上下動可能に設けられている。
【００２９】
従って、フイルムＦの送りに合わせてカッター機構７とエア噴射ノズル機構８とを上下方向に移動可能に設けることにより、第１実施形態と同様にしてカッター機構７と隣接して配設され、かつカッター機構７よりフイルムＦの移送方向上流側に設けられたエア噴射ノズル機構８の噴射ノズル８Ａによって包装袋Ｐの外面側が包装袋Ｐの幅方向に沿ってエアが吹き付けられ、図７に示すように前工程において加熱されてヒートシールされた横シールＦＳ箇所の内面側のシーラント層が吹き付けられたエアによって事前に冷却することができる。
【００３０】
次いで、図８に示すようにフイルムＦの繰り出しとともに、フイルムＦの上流側では横シール機構５の横シール部材５Ｂによって新たに横シールＦＳが施され、かつエア噴射ノズル機構８によって包装袋Ｐの横シールＦＳ箇所が事前に冷却された箇所をカッター機構７に設けたフイルム押さえ部材８Ｂによって保持しつつフイルムＦの繰り出しに合わせて破線で示した矢印方向（フイルムＦの繰り出し方向）に沿ってエア噴射ノズル機構８とカッター機構７とが移動する。続いて、図９に示すようにエア噴射ノズル機構８とカッター機構７とが矢印破線方向に沿って移動するとともに、カッター機構７に設けた切断刃７Ａの前進作動によってフイルム押さえ部材８Ｂにて押さえられていた横シールＦＳ箇所の中央部が切断され、包装袋Ｐが分離されて搬出される。その後、図１０に示すようにカッター機構の切断刃７Ａとフイルム押さえ機構７Ｂとがそれぞれ復帰作動するとともに、エア噴射ノズル機構８のエアの噴出が停止され、カッター機構７とエア噴射ノズル機構８とが矢印破線方向に沿って上方へと復帰作動する。
【００３１】
この包装袋Ｐの切断動作の際、包装袋Ｐの横シールＦＳ箇所のシーラント層が事前に冷却されることにより横シールＦＳ箇所のシール強度が確保された状態にて包装袋Ｐがカッター機構７による切断刃７Ａによって切断されるため前述した実施形態とほぼ同様にして、カッター機構７の切断刃７Ａにシーラント層が付着することを未然に防ぐことができる。加えてフイルムＦの繰り出しに合わせてボックスモーション駆動（カッター機構７とエア噴射ノズル機構８との上下動移動）を採用することによって縦型充填包装装置の稼働率を高めながら包装袋Ｐの包装作業を行うことができるという効果がある。すなわち、エア噴射ノズル機構８によって事前に横シールＦＳ箇所を冷却する工程と、カッター機構７による横シールＦＳ箇所の切断工程とをフイルムＦの繰り出し速度に合わせて下側に移動しつつ行うことによってフイルムＦの送りを停止することなく順次包装袋Ｐを製造することができ、これにより包装袋Ｐの包装作業の生産効率を高めることが可能となる。
【００３２】
なお本発明に係る縦型充填包装装置においては、縦シール機構４と横シール機構５とによって四方シールによる包装袋Ｐを形成していたが、縦シール機構４の縦シール部材５Ｂを包装袋ＰのフイルムＦの重ね合わせ部である一方側に設置してヒートシールする三方シールタイプにおいても同様な効果を得ることができるものであり、また本発明の実施形態では、カッター機構７の駆動手段として前後動する往復動作によるカッター機構を採用していたが、一方を固定刃とし、他方を回転刃とした回転機構からなるカッター機構においても適用できるものであり、またカッター機構よりフイルムＦの繰り出し方向上流側にエアの吹き付けによって横シールＦＳ箇所を冷却するエア噴射ノズル機構８を上下に多列にて配設することにより更なる冷却効果を高めることができるものである。
【００３３】
またエア噴射ノズル機構８から供給するエアとして、熱交換機によって冷やされたエアを供給するようにしてもよいものであり、またエア噴射ノズル機構８によるエア噴出タイミングとして、カッター機構７によるフイルムＦの切断動作時においてフイルムの横シール箇所の通過タイミングに同期してエア噴出するように設定したり、またエア噴出する時間などもフイルムＦの材質や厚み、フイルムＦの送りスピードやシール部箇所の加熱温度などの仕様条件に合わせて制御手段１２を介して調整可能に設けるようにすればよいものである。
【００３４】
また、各実施形態にあっては、縦型充填包装装置を運転動作させる運転開始・運転停止スイッチからなる運転操作スイッチ１１Ｂがオンされることによってエア噴射ノズル機構８と気体加圧手段９との間に加圧気体であるエアの供給，遮断を行う電磁弁１０を開放作動するように構成していたが、場合によっては縦型充填包装装置の電源をオン／オフする主電源スイッチ１１Ａのオン動作することで常にエア噴射ノズル機構８を作動するように構成してもよいものである。
【００３５】
また、エア噴射ノズル機構８としては、包装袋Ｐの大きさやフイルムＦの材質あるいは充填される内容物Ｗの量やフイルムＦの送り速度などの包装仕様条件に合わせてエア噴射ノズル機構８の配置やエアの噴出の向きや噴射ノズル８Ａの数や形状などを適宜設定するように構成すればよいものである。
【図面の簡単な説明】
【００３６】
【図１】本発明の実施形態の縦型充填包装装置を示す全体概要正面図である。
【図２】図２は、縦型充填包装装置におけるエア噴射ノズル機構の作動状態を主体に示した動作説明側面図である。
【図３】図３は、図２のエア噴射ノズル機構とカッター機構との作動状態を示した動作説明図である。
【図４】図４は、図３のエア噴射ノズル機構とカッター機構とのさらなる作動状態を示した動作説明図である。
【図５】図５は、図４のエア噴射ノズル機構とカッター機構との復帰作動状態を示した動作説明図である。
【図６】図６は、本発明の実施形態の電気的構成を示すブロック図である。
【図７】図５は、本発明の他の実施形態であるエア噴射ノズル機構とカッター機構と作動状態を主体に示した要部の動作説明側面図である。
【図８】図８は、図７の作動状態を示した動作説明図である。
【図９】図９は、図８のさらなる作動状態を示した動作説明図である。
【図１０】図１０は、図９のエア噴射ノズル機構とカッター機構との復帰作動状態を示した動作説明図である。
【符号の説明】
【００３７】
１ 保持枠
２ フイルム案内機構
３ フイルム折返し機構
４ 縦シール機構
４Ａ 縦シールロール
４Ｂ 縦シール部材
５ 横シール機構
５Ａ 横シールロール
５Ｂ 横シール部材
６ 充填機構
６Ａ 充填ノズル部
６Ｂ ポンプ
７ カッター機構
７Ａ 切断刃
７Ｂ フイルム抑え部材
８ エア噴射ノズル機構
８Ａ 噴射ノズル
９ 気体加圧手段（コンプレッサ）
１０ 電磁弁
１１ 設定手段
１１Ａ 主電源スイッチ
１１Ｂ 運転操作スイッチ
１２ 制御手段
Ｆ フイルム
ＦＨ 縦シール
ＦＳ 横シール
Ｐ 包装袋
Ｒ フイルム原反
Ｗ 内容物
【特許請求の範囲】
【請求項１】
連続的に移送されるフイルムを、対をなす縦シール部材によって挟み付けながらフイルムの長手方向に沿って縦シールする縦シール機構と、この縦シール機構によって縦シールした筒状のフイルム内に内容物を充填する充填機構と、前記筒状のフイルムを送りつつフイルムの底部側および袋口側となる箇所をフイルムの幅方向に沿って対をなす横シール部材によって挟み付けながら所定の間隔にて横シールする横シール機構と、前記横シール箇所の略中央部を切断するカッター機構と、を備えた縦型充填包装装置であって、前記カッター機構より前記フイルムの移送方向上流側にて、前記横シール機構の横シール部材によってヒートシールされた前記フイルムの横シール箇所をエアの吹き付けによって冷却するエア噴射ノズル機構を配設してなることを特徴とする縦型充填包装装置。
【請求項２】
前記エア噴射ノズル機構は、前記フイルムの横シール箇所の幅方向に沿って設けてなることを特徴とする請求項１に記載の縦型充填包装装置。
【請求項３】
前記エア噴射ノズル機構は、少なくとも前記カッター機構による前記フイルムの切断動作前においてエア噴出を行うように設定してなることを特徴とする請求項１または請求項２に記載の縦型充填包装装置。
【請求項４】
前記エア噴射ノズル機構は、前記カッター機構による前記フイルムの切断動作時において前記フイルムの横シール箇所の通過タイミングに同期してエア噴出するように設定してなることを特徴とする請求項１または請求項２に記載の縦型充填包装装置。
【請求項５】
前記フイルムの移送に合わせて、前記カッター機構と前記エア噴射ノズル機構とをボックスモーション駆動するように上下動することを特徴とする請求項１から請求項４に記載の縦型充填包装装置。
【請求項１】
連続的に移送されるフイルムを、対をなす縦シール部材によって挟み付けながらフイルムの長手方向に沿って縦シールする縦シール機構と、この縦シール機構によって縦シールした筒状のフイルム内に内容物を充填する充填機構と、前記筒状のフイルムを送りつつフイルムの底部側および袋口側となる箇所をフイルムの幅方向に沿って対をなす横シール部材によって挟み付けながら所定の間隔にて横シールする横シール機構と、前記横シール箇所の略中央部を切断するカッター機構と、を備えた縦型充填包装装置であって、前記カッター機構より前記フイルムの移送方向上流側にて、前記横シール機構の横シール部材によってヒートシールされた前記フイルムの横シール箇所をエアの吹き付けによって冷却するエア噴射ノズル機構を配設してなることを特徴とする縦型充填包装装置。
【請求項２】
前記エア噴射ノズル機構は、前記フイルムの横シール箇所の幅方向に沿って設けてなることを特徴とする請求項１に記載の縦型充填包装装置。
【請求項３】
前記エア噴射ノズル機構は、少なくとも前記カッター機構による前記フイルムの切断動作前においてエア噴出を行うように設定してなることを特徴とする請求項１または請求項２に記載の縦型充填包装装置。
【請求項４】
前記エア噴射ノズル機構は、前記カッター機構による前記フイルムの切断動作時において前記フイルムの横シール箇所の通過タイミングに同期してエア噴出するように設定してなることを特徴とする請求項１または請求項２に記載の縦型充填包装装置。
【請求項５】
前記フイルムの移送に合わせて、前記カッター機構と前記エア噴射ノズル機構とをボックスモーション駆動するように上下動することを特徴とする請求項１から請求項４に記載の縦型充填包装装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【公開番号】特開２００６−２８２１８２（Ｐ２００６−２８２１８２Ａ）
【公開日】平成１８年１０月１９日（２００６．１０．１９）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−１００８９５（Ｐ２００５−１００８９５）
【出願日】平成１７年３月３１日（２００５．３．３１）
【出願人】（０００２３１５１２）日本精機株式会社 (1,561)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年１０月１９日（２００６．１０．１９）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年３月３１日（２００５．３．３１）
【出願人】（０００２３１５１２）日本精機株式会社 (1,561)
【Ｆターム（参考）】
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