説明

縦形製袋充填包装機

【課題】製造すべき袋が軽量であっても、横シーラからの袋の排出を確実に行うことができる縦形製袋充填包装機を提供する。
【解決手段】縦形製袋充填包装機は、横シーラ18の下方に強制排出装置24を備えており、強制排出装置24は、回転状態にある一対の排出ローラ32f,32rを含み、これら排出ローラ32f,32rは横シーラ18の開作動時、横シーラ18から垂下された状態にある袋Pの底部シールBを瞬間的に挟持し、底部シールBに下方に向かう引摺り力を加える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は縦形製袋充填包装機に係わり、特に物品の充填量が少なく小形且つ軽量の袋の製造に好適した縦形製袋充填包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
縦形製袋充填包装機は、充填チューブに沿い包材を繰り出す過程にて、先ず、包材を充填チューブの回りに筒状に成形し、この後、横シーラの開閉作動により、筒状包材を所定の長さ毎に横シールを繰り返して横シール域を形成し、そして、横シール域にて筒状包材を切断する。ここでの横シール域の切断は、横シール域を上下に連なる袋の底部シール及び上部シールとしてそれぞれ分断する。
【0003】
また、この種の包装機は横シールの実施間隔にて、充填チューブを通じて筒状包材内に物品を充填し、これにより、横シーラの開作動時、横シーラから個々に物品を充填した袋が連続的に排出される(例えば特許文献1、図3参照)。
より詳しくは、横シーラが開作動するまでの間、袋の上部シールは横シーラにより挟持されているから、その袋は横シーラから一時的に垂下された垂下袋の状態にあり、この後、横シーラの開作動を受けることで、袋は横シーラからその自重により解放され、横シーラの下方に落下、つまり、排出されことになる。
【特許文献1】特開2002-37206号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した包装機の場合、横シーラからの袋の排出にその自重を利用しているから、袋の自重の軽い場合には、たとえ横シーラが開作動しても、袋の上部シールが横シーラを構成する一対のヒータブロックの一方に貼り付いたままになり、袋の排出が不能となる。そして、このような状況が発生すれば、次に、横シーラが閉作動する際には、横シーラに袋が二重に挟み込まれるとになり、包装機の運転停止を招いてしまう。
【0005】
本発明は上述した事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、製造されるべき袋が軽量であっても、横シーラからの袋の排出を円滑且つ確実に行うことができる縦形製袋充填包装機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明の縦形製袋充填包装機は、横シーラの下方にて、前記垂下袋を両側から挟むべく配置された一対の排出ローラと、少なくとも一方の排出ローラを前記垂下袋側の周面が上方から下方に向かうべく回転させる駆動手段と、一対の排出ローラを互いに接離する方向に往復動させ、横シーラの開作動時、排出ローラ間にて前記垂下袋の前記底部シールを瞬間的に挟持させる接離手段とを更に備えている(請求項1)。
【0007】
上述した包装機によれば、横シーラの開作動時、前記垂下袋の底部シールが一対の排出ローラ間により瞬間的に挟持され、この際、一方の排出ローラは他方の排出ローラと協働し、その回転により垂下袋を下方に向けて強制的に引き下ろし、横シーラから解放させる。それ故、垂下袋は横シーラから円滑に且つ確実に解放され、その下方に排出される。
また、一対の排出ローラは垂下袋の底部シールを瞬間的に挟持するだけあるから、横シーラから解放された垂下袋は一対の排出ローラと干渉することなく、これら排出ローラ間を通過して排出される。
【0008】
具体的には、接離手段は、上端に排出ローラをそれぞれ備え、且つ、基端が回動可能に支持された一対の揺動レバーと、各揺動レバーにおける基端の回動軸線と同軸にしてそれぞれ設けられ、互いに噛み合う一対の歯車と、一方の揺動レバーを前記回動軸線回りに揺動させるアクチュエータとを含むことができる(請求項2)。
この場合、一方の揺動レバーがアクチュエータにより回動されると、この回動は一対の歯車を介して他方の揺動レバーを逆向きに回動させ、この結果、一対の排出ローラは互いに接離する方向に連動して往復動する。
【0009】
また、駆動手段は、前記一方の排出ローラを備えた揺動レバーの回動軸線に対して、同軸に設けられた駆動源と、この駆動源の動力を前記一方の排出ローラに伝達する動力伝達経路とを含んでいるのが好ましい(請求項3)。この場合、揺動レバーに駆動源を設ける必要が無いので、接離手段のアクチュエータにかかる負荷は少ない。
更に、駆動手段は、動力伝達経路から分岐され、駆動源の動力を他方の排出ローラに伝達し、前記他方の排出ローラを回転させる分岐動力伝達経路を更に含むことができる(請求項4)。この場合、一対の排出ローラは共通の駆動源により回転され、垂下袋に両側から引き下ろし力を加える。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の縦形製袋充填包装機は、横シーラの開作動時、一対の排出ローラが垂下袋の底部シールを瞬間的に挟持し、垂下袋に対して強制的な引き下ろし力を加えるから、たとえ垂下袋の自重が軽くても、垂下袋は横シーラから確実に解放され、垂下袋の排出を円滑に行うことができる。この結果、包装機の運転停止を引き起こすようなトラブルが発生することはなく、包装機の安定した稼働が保証される。
【0011】
また、一対の排出ローラは垂下袋の底部シールを瞬間的に挟持するだけであるから、垂下袋内の物品が排出ローラ間への挟み込みにより押し潰れてしまうこともなく、袋の製品品質に悪影響が及ぶこともない。
請求項2の包装機は、単一のアクチュエータにより一対の排出ローラを連動して接離させるので、その構成が簡単になるばかりでなく、横シーラの開作動時に対し、一対の排出ローラによる垂下袋の挟持タイミングを容易に合わせることができる。
【0012】
請求項3の包装機は、アクチュエータにかかる負荷が少ないので、アクチュエータに小形のものを使用でき、また、アクチュエータの耐久性も向上する。
請求項4の包装機は、単一の駆動源により一対の排出ローラが連動して回転するから、これら排出ローラは垂下袋の底部シールを両側から強制的に引き下ろすことになり、袋の排出時、袋の姿勢がばらつくこともない。この結果、後段の袋の箱詰め作業等が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、一実施例の縦形製袋充填包装機を概略的に示す。
図1の包装機は充填チューブ10を備え、充填チューブ10は鉛直方向に延びている。充填チューブ10の上端部にはフォーマ12が取付けられており、フォーマ12に向けて包材としてのフィルムウエブWが導かれている。フィルムウエブWはウエブロールRから供給され、複数の案内ローラを経てフォーマ12を通過する。この際、フォーマ12はフィルムウエブWを充填チューブ10の回りに円筒状に成形し、そして、フィルムウエブWの両側縁は側縁ガイド(図示しない)により所定の形態にて互い重ね合わされる。なお、図1では、フィルムウエブWにおける両側縁の重ね合わせが合掌貼りの形態で示されている。
【0014】
フォーマ12の下方には一対のウエブフィーダ14が充填チューブ10を挟むように、その左右に配置されている。なお、図1には一方のウエブフィーダ14のみを示す。これらウエブフィーダ14は充填チューブ10の直径方向に離間し、充填チューブ10に沿って走行する無端状のサクションベルトを有する。各ウエブフィーダ14はそのサクションベルトに筒状のフィルムウエブWを吸着し、そして、サクションベルトの走行に伴い、筒状のフィルムウエブWを充填チューブ10に沿い下方に向けて間欠的に繰り出す。
【0015】
また、充填チューブ10の近傍には縦シーラ16が配置され、縦シーラ16は充填チューブ10の周方向でみて左右のウエブフィーダ14の間、即ち、充填チューブ10の前側に位置付けられ、充填チューブ10に沿って延びている。縦シーラ16は開閉可能な左右一対のヒータブロックを有しており、これらヒータブロック間をフィルムウエブWの両側縁が通過する際、縦シーラ16はその両側縁を互いにヒートシール、つまり、縦シールする。従って、この時点で、フィルムウエブWは完全な筒状、即ち、フィンシールを有するフィルム筒Fに成形される。
【0016】
一方、充填チューブ10の下方には横シーラ18が配置され、横シーラ18もまた縦シーラ16と同様に一対のヒータブロック20f,20rを有する。これらヒータブロック20f,20rは充填チューブ10の前後に配置され、開閉機構(図示しない)により水平面内にて互いに接離する前後方向に往復動可能となっている。従って、横シーラ18は、充填チューブ10から垂下されるフィルム筒Fの垂下経路をフィルム筒Fの間欠繰出しに応じて間欠的に開閉可能となっている。
【0017】
より詳しくは、フィルム筒Fの繰出し後に、横シーラ18は閉作動され、そのヒータブロック20f,20r間にフィルム筒Fを挟み込む。この際、ヒータブロック20f,20rはフィルム筒Fをヒートシール、つまり、横シールし、フィルム筒Fに横シール域を形成する。
従って、上述したフィルム筒の間欠繰出し及び横シーラ18による横シールが繰り返されると、充填チューブ10から垂下されるフィルム筒Fの部位には、フィルム筒Fの繰出し長さに相当する間隔毎に横シール域が形成され、これら横シール域はフィルム筒Fの垂下部位を互いに連なった上下の袋に形成する。
【0018】
一方、上述した横シール域の形成後、横シーラ18は、例えばヒータブロック20rからヒータブロック20fに向けて切断刃(図示しない)を突出させ、切断刃により横シール域を切断する。ここでの切断は横シール域を上下に分割し、これにより、横シール域が上下に連なる袋の底部シール及び上部シールとなる。
それ故、横シール域の切断後、横シーラ18が開作動されて始めて、横シーラ18よりも下側にある袋Pは横シーラ18から解放されることで下方に落下し、そして、排出シュート22を介して排出される。従って、横シーラ18が開作動する直前では、前記下側の袋Pは横シーラ18から一時的に垂下された状態の垂下袋となる。
【0019】
また、横シーラ18が開作動している間、つまり、横シールの実施間隔の間にて、フィルム筒F内には充填チューブ10を通じて物品が充填され、充填された物品はフィルム筒F内にて、その底部シール上に堆積する。このため、図1中には図示されていないが、充填チューブ10の上端はホッパを介して物品投入機に接続されている。
図2は、図1の包装機により製造される袋Pを示す。袋Pはその上下及び中央に上部シールU、底部シールB及び前述したフィンシール(縦シール)Sを有し、上部シールU及び底部シールBは横シール域を切断することで得られる。
【0020】
また、図2から明らかなように、上部シールUの上縁はその一端部が略U字形の切欠により開口部Kとして形成され、更に、開口部KはノッチNを有する。従って、開口部KはノッチNから切り裂かれることで開かれ、この開口部Kを通じて袋P内の物品を取出すことができる。なお、開口部K及びノッチNを形成する切断刃もまた、横シーラ18内に組み込まれている。
【0021】
図1に示されるように、横シーラ18の下方には袋Pの強制排出装置24が配置されており、この強制排出装置24について図3〜図5を参照しながら以下に説明する。
図3に示されるように、強制排出装置24は前後一対の揺動レバー26f,26rを備えている。これら揺動レバー26f,26rは横シーラ18の下方にて、横シーラ18の開閉方向、つまり、充填チューブ10の前後方向に並んで配置され、上下方向に延びている。
【0022】
具体的には、各揺動レバー26は門形形状をなし、横シーラ18の開閉方向と交差する水平方向に離間した左右一対のアーム28,28と、これらアーム28の上端部を相互に接続するクロスプレート30からなる。
揺動レバー26f,26rの上端には排出ローラ32f,32rがそれぞれ設けられ、これら排出ローラ32f,32rは対応するアーム28,28間に亘って延び、その両端から突出するローラ軸34,34が軸受を介してアーム28,28に回転自在に支持されている。
【0023】
一方、図4から明らかなように、各揺動レバー26の下端、即ち、左右のアーム28の下端は軸受を介して枢軸36,36に回転自在に支持され、これら枢軸36,36は水平なレバーサポート38に取付けられている。レバーサポート38は一対の揺動レバー26側に向けて開くコ字形をなし、揺動レバー26の左右外側に配置された一対のサイドビーム40,40と、これらサイドビーム40,40を互い接続するクロスビーム42とからなる。クロスビーム42はブラケット44に対し、左右の調整ねじ46を介して高さ調整可能に取付けられており、そして、ブラケット44は包装機のフレーム48に支持されている。
【0024】
更に、各枢軸36には歯車50f,50rがそれぞれ取付けられており、これら歯車50は、対応するアーム28とサイドビーム40との間に位置付けられ、そのアーム28に固定した状態で互いに噛み合っている。
一方、図3から明らかなように揺動レバー26r側のアーム28とレバーサポート38とはアクチュエータとしてのエアシリンダ52により互いに連結されている。具体的には、エアシリンダ52はそのピストンロッド52pの先端がアーム28に回動自在に連結され、そのシリンダ部52cの基端がブラケット54に回動自在に支持されている。なお、ブラケット54はサイドビーム40の延長部に取付けられている。
【0025】
エアシリンダ52が伸縮されたとき、アーム28、即ち、揺動レバー26rはその枢軸36を中心として往復回動し、そして、この回動力が歯車50f,50rの噛み合いにより揺動レバー26fに伝達される結果、揺動レバー26fは揺動レバー26rとは逆向きに往復回動する。即ち、エアシリンダ52の伸縮は一対の排出ローラ32f,32rを互いに接離する方向に往復動、つまり、開閉させ、エアシリンダ52、歯車50f,50r及び揺動レバー26f,26rは一対の排出ローラ32f,32rのための接離手段を構成する。
【0026】
ここで、一対の排出ローラ32f,32rが図3に示す閉位置にあるとき、横シーラ18の切断位置から排出ローラ32f,32rまでの離間距離は袋Pの長さよりも僅かに短く、これにより、横シーラ18から垂下袋Pが垂下されているとき、この垂下袋Pの底部シールBを一対の排出ローラ32f,32r間にて挟持することができる。
なお、図3から明らかなように、前述した排出シュート22は、前述したブラケット44にステー56及びブラケット58を介して取付けられており、その上端は図4に示されるように閉位置にある一対の排出ローラ32f,32rの直下に位置付けられ、これら排出ローラ32f,32rに向けて拡開している。
【0027】
一方、図5から明らかなように、各揺動レバー26のアーム28側において、それらの枢軸36はレバーサポート38のサイドビーム40に軸受を介して回転自在に支持され、一方の枢軸36は駆動源としての電動モータ60の出力軸に連結されている。なお、図4に示されるように、電動モータ60は取付け台62を介してフレーム48に支持されている。
【0028】
枢軸36,36には、対応するアーム28を挟んで歯車64f,64r及びプーリ66f,66rがそれぞれ取付けられており、歯車64f,64rは互いに噛み合った状態にある。
また、図4から明らかなように各排出ローラ32において、プーリ66f,66r側のローラ軸34にはプーリ68f,68rがそれぞれ取付けられており、そして、対応するプーリ66f,68f間及びプーリ66r,68r間には無端状の丸ベルト70f,70rがそれぞれ掛け回されている。
【0029】
電動モータ60の駆動中、駆動モータ60の回転動力は前記一方の枢軸36からプーリ66r、そして、丸ベルト70rを介してプーリ68rに伝達される結果、排出ローラ32rは一方向に回転する。ここで、排出ローラ32rの回転方向は、図3でみて反時計方向、つまり、排出ローラ32fと対面する側の周面が上方から下方に向かうべく設定されている。
【0030】
一方、駆動モータ60の回転動力は歯車64f,64rの噛み合いにより、他方の枢軸36にも伝達される結果、排出ローラ32fは排出ローラ32rと連動して回転し、その回転方向は排出ローラ32rとは逆向きである。
ここで、上述した電動モータ60は、一対の排出ローラ32f,32rを回転させるための共通の駆動源であり、そして、プーリ66r,68r及び丸ベルト70rは排出ローラ32rに回転動力を伝達する駆動手段の動力伝達経路を構成し、そして、歯車64f,64r、プーリ66f,68f及び丸ベルト70fは排出ローラ32fに回転動力を伝達する分岐動力伝達経路を構成する。
【0031】
上述した強制排出装置24は以下の如く作動する。
横シーラ18による横シールが実施されているとき、一対の排出ローラ32f,32rは共に回転状態にあり、そして、互いに離間した休止位置に待機している。この後、横シーラ18が開作動する直前又はその開作動と同時に、エアシリンダ52の迅速な伸縮動作を受け、一対の排出ローラ32f,32rは互いに接離し、横シーラ18から垂下されている垂下袋Pの底部シールBを瞬間的に挟持する。
【0032】
この際、一対の排出ローラ32f,32rは共に回転しているので、これら排出ローラ32の回転は底部シールBに下方に向かう引摺り力を加える。それ故、横シーラ18の開作動を受け、垂下袋Pが横シーラ18から解放される際には、たとえ垂下袋Pの自重が軽く、その上部シールUが横シーラ18におけるヒータブロック20f,20rの何れかに貼り付いていても、この貼り付きは上述の引摺り力により強制的に解除されることになる。この結果、垂下袋Pは横シーラ18から確実に落下し、排出シュート22を通じて円滑に排出されるので、包装機の安定した運転を保証することができる。
【0033】
なお、フィルム筒Fの底部シールBが横シーラ18に貼り付いていても、フィルム筒Fは充填チューブ10を包み込み、充填チューブ10に拘束された状態にあるから、底部シールBの貼り付きは横シーラ18の開作動に伴い、横シーラ18から強制的に解除される。
上述したように一対の排出ローラ32f,32rは垂下袋Pの底部シールBを瞬間的に挟持するだけであるから、垂下袋Pの落下の際、排出ローラ32f,32rが垂下袋Pを破損したり、また、その内部の物品を挟み込みにより押し潰してしまうこともなく、袋Pの品質低下を引き起こすこともない。
【0034】
また、一対の排出ローラ32f,32rは共に回転しているから、これら排出ローラ32は垂下袋Pの底部シールBにその両側から均等に引摺り力を加えることができる。それ故、垂下袋Pの落下姿勢、つまり、その排出姿勢にばらつきが発生することもなく、後段での袋Pの箱詰め作業もまた容易に行うことができる。
更に、一対の排出ローラ32f,32rを回転させる電動モータ60は、揺動レバー26f,26rに取付けられていないので、これら揺動レバー26の接離は少ない力で可能となる。それ故、エアシリンダ52に小形且つ安価なものを使用できるから省エネ化に貢献し、また、底部シールBに対する一対の排出ローラ32f,32rの挟持力もまた小さく抑えることができるので、排出ローラ32の消耗を低減し、その耐久性の向上を図ることができる。
【0035】
本発明は上述の一実施例に制約されるものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、一対の排出ローラ32f,32rはその一方が回転されていればよく、必ずしも共に回転される必要はないし、更には、垂下袋Pの底部シールBを挟持する時のみに、その少なくとも一方が回転されるものであってもよい。
また、一実施例では一対の排出ローラ32f,32rを接離させるのに揺動レバー26f,26rやエアシリンダ52を使用しているが、これらに代えて、他の接離機構を使用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】一実施例の縦形製袋充填包装機を示した概略図である。
【図2】図1の包装機により製造される袋を具体的に示した図である。
【図3】図1の包装機に組み込まれた強制排出装置を示す側面図である。
【図4】図3の強制排出装置を一部破断して示した正面図である。
【図5】図3の強制排出装置を一部破断して示した平面図である。
【符号の説明】
【0037】
10 充填チューブ
16 縦シーラ
18 横シーラ
20f,20r ヒータブロック
24 強制排出装置
26f,26r 揺動レバー
32f,32r 排出ローラ
50f,50r 歯車
52 エアシリンダ(アクチュエータ)
60 電動モータ(駆動源)
66f,66r プーリ(動力伝達経路)
68f,68r プーリ(動力伝達経路)
70f,70r 丸ベルト(動力伝達経路)
B 底部シール(横シール域)
F フィルム筒
P 垂下袋
S フィンシール
U 上部シール(横シール域)
W フィルムウエブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填チューブに沿って包材を繰り出しながら、前記充填チューブの回りに前記包材を筒状に成形し、
前記充填チューブの下方に配置された横シーラの開閉作動により、前記筒状包材に対し、成形すべき袋の長さに相当する間隔毎に横シールを繰り返して横シール域を形成するとともに、前記横シール域にて切断して前記横シール域を上下に連なる袋の底部シール及び上部シールとしてそれぞれ分断し、
一方、前記横シールの実施間隔にて前記充填チューブを通じて前記筒状包材内に物品を充填し、これにより、前記横シーラの開作動直前にあっては物品が充填した袋を垂下袋として前記横シーラから垂下させる縦形製袋充填包装機において、
前記横シーラの下方にて、前記垂下袋を両側から挟むべく配置された一対の排出ローラと、
少なくとも一方の前記排出ローラを前記垂下袋側の周面が上方から下方に向かうべく回転させる駆動手段と、
前記一対の排出ローラを互いに接離する方向に往復動させ、前記横シーラの開作動時、前記排出ローラ間にて前記垂下袋の前記底部シールを瞬間的に挟持させる接離手段と
を具備したことを特徴とする縦形製袋充填包装機。
【請求項2】
前記接離手段は、
上端に前記排出ローラをそれぞれ備え、且つ、基端が回動可能に支持された一対の揺動レバーと、
前記各揺動レバーにおける前記基端の回動軸線と同軸にしてそれぞれ設けられ、互いに噛み合う一対の歯車と、
一方の前記揺動レバーを前記回動軸線回りに揺動させるアクチュエータと
を含むことを特徴とする請求項1に記載の縦形製袋充填包装機。
【請求項3】
前記駆動手段は、
前記一方の排出ローラを備えた揺動レバーの前記回動軸線に対して、同軸に設けられた駆動源と、
前記駆動源の動力を前記一方の排出ローラに伝達する動力伝達経路と
を含むことを特徴とする請求項2に記載の縦形製袋充填包装機。
【請求項4】
前記駆動手段は、
前記動力伝達経路から分岐され、前記駆動源の動力を他方の排出ローラに伝達し、前記他方の排出ローラを回転させる分岐動力伝達経路を更に含むことを特徴とする請求項3に記載の縦形製袋充填包装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−131339(P2007−131339A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−327509(P2005−327509)
【出願日】平成17年11月11日(2005.11.11)
【出願人】(000151461)株式会社東京自働機械製作所 (106)
【Fターム(参考)】