説明

縦形製袋充填包装機

【課題】横シール部に内容物を残留させることなく高精度な横シールを行う。
【解決手段】縦形製袋充填包装機の横シーラのヒータブロック9a,9bを支持するヒータブラケット25,29には一対の遮断板15とストッパ44を対向させてプレート43にそれぞれ連結する。遮断板15とストッパ44はヒータブロック9a,9bより突出し、ストッパ44同士が当接した状態で遮断板15の先端面は筒状フィルムf1を挟んで階段状の間隙を形成する。ヒータブロックは、ストッパ44と遮断板15に所定時間遅れて筒状フィルムf1を挟持して横シールする。一対の遮断板15は上面を同一平面に形成し、ストッパ44同士が当接するまで、各遮断板15と対応するヒータブロックとの間隔はコイルスプリングの弾性力により一定に維持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばガセット袋等の角底を有する包装袋を製作するための縦形製袋充填包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、角底を有する包装袋を製造する縦形製袋充填包装機として、例えば下記特許文献1に記載されたものがある。
この縦形製袋充填包装機では、シート状のフィルムを製袋チューブに沿って搬送して略筒状に成形し、縦シーラでフィルムの両端部を縦シールして筒状フィルムを形成する。なお、搬送は、繰り出しベルトによって製袋チューブ上のフィルムを両側から挟みつけた状態で繰り出すことにより行われる。
筒状フィルムは途中から角筒に形成された製袋チューブを通すことで角筒状に形成されると共に、これに先行する角底と底部シール部を有する筒状のフィルムに上部開口から製袋チューブを通して内容物を充填する。
そして、筒状フィルムを間欠移動させて、角底の折り込み形成のためのガセット折り三角ガイド及びガセット折り縦ガイド及びヒータブロック等で後続の筒状フィルムに角底を折り込み形成すると共に、先行する角底を有する筒状フィルムの上部開口を、一対のヒータブロックを有する横シーラで加熱シールして横シール部を形成する。
次いで、横シール部の中間をカッタで切断することで上部シール部と底部シール部とを分離して、先行する内容物を充填封止した角底袋を形成する。これを繰り返すことで内容物を充填した角底袋を順次製造することができる。
そのため、このような縦型製袋充填包装機では、ガセット折り三角ガイド及びガセット折り縦ガイド等とヒータブロックとによってガセット袋である角底袋の角底と底部シール部とを形成していた。
【特許文献1】特開2003−200908号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載された縦形製袋充填包装機では、角底の形成と略同時に一対のヒータブロックを閉鎖させることで筒状フィルムの横シール部を形成していたので、粉粒体等の落下途中の内容物がヒータブロックで挟み込まれて角底袋の横シール部に残留することがあった。このような場合、横シール部に粉粒体が挟み込まれるのでシール強度が低下したりシール品質や美観が劣る等、角底袋の品質を低下させることがあるという問題があった。
【0004】
本発明は、このような実情に鑑みて、粉粒体等の内容物を残留させることなく横シールさせて高品質のガセット角底の包装袋を製作できるようにした縦形製袋充填包装機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による縦形製袋充填包装機は、包材を製袋チューブに沿って搬送しながら略筒状に成形して、筒状の包材を角底を有する包装袋に形成するようにした縦形製袋充填包装機において、筒状の包材をその搬送方向に略直交する方向に挟むように開閉移動して横シールする一対のヒータブロックと、該ヒータブロックの上方に配設されていてヒータブロックの閉移動に連動して閉移動して筒状の包材を挟持する一対の遮断部材と、一対の遮断部材の上方に配置されていて遮断部材に連動して閉移動して筒状の包材に角底を形成する三角ガイドと、一対のヒータブロックの下方に配置され、三角ガイドに連動して閉移動して筒状の包材に角底を形成する縦ガイドと、ヒータブロックと遮断部材を一体または個別に開閉移動させる移動機構とを備えていて、該移動機構によってヒータブロック及び遮断部材を閉移動させて遮断部材が筒状の包材を挟持してから所定時間経過後にヒータブロックによって筒状の包材を横シールさせるようにしたことを特徴とする。
本発明の縦形製袋充填包装機によれば、移動機構によってヒータブロック及び遮断部材を閉移動させ、遮断部材、三角ガイド及び縦ガイドによって筒状の包材に角底を形成すると共に一対の遮断部材で筒状の包材を挟持することで筒状の包材内を内容物がその下流側であるヒータブロック側に流動するのを阻止させることができ、そしてヒータブロックは一対の遮断部材に対して所定時間遅れて筒状の包材を横シールするため、ヒータブロック間の筒状の包材に残る内容物は横シールの前に落下させることができ、その後に一対のヒータブロックで筒状の包材を挟持して横シールさせることで横シール部に内容物が残留することがなく、品質の高いガセット角底の包装袋を形成できる。
【0006】
また、一対の遮断部材は、製袋チューブに対して同じ側に位置するヒータブロックの閉移動方向前方側に突出しており、製袋チューブ側の上面同士が同一平面に形成されていると共に移動機構から弾性部材を介して閉移動させられ、弾性部材は、遮断部材が筒状の包材を挟持する位置に到達する迄は遮断部材とヒータブロックの間隔を一定に維持するようにすることが好ましい。
一対の遮断部材が同一平面状に形成され且つ弾性部材によって遮断部材が筒状の包材を挟持するまでは遮断部材とヒータブロックの間隔が変動しないようにしたから、筒状の包材に形成するガセット角底は水平方向に左右前後対称的でバランスよく正確な形状に形成できる。
また、一対の遮断部材は、それぞれ互いに当接可能なストッパを連結しており、一対のストッパが当接した状態において、一対の遮断部材は筒状の包材を挟む位置にあって該筒状の包材内に空気が流通する若干の間隙が設けられるようにしてもよい。
筒状の包材に角底を形成すると共に横シール部を形成するために遮断部材とヒータブロックを閉移動させると、先にストッパ同士が当接し、この段階で一対の遮断部材は若干の間隙を以て筒状の包材を挟持した状態に保持されるから、所定時間遅れてヒータブロックが筒状の包材を挟んで横シール部を形成する段階で、一対のヒータブロックによって横シールする際に包装袋の容積が減少する分の空気を一対の遮断部材の間隙を通して逃がすことができて、この領域全体で空気を含むことなく加熱シールによる横シールが行える。
【0007】
また、若干の間隙を形成する一対の遮断部材の先端面同士は、水平部を有する階段状に形成されていることが好ましい。
これにより、遮断部材より上流側からわずかな内容物が間隙内に落下しても水平部で溜めることができ、横シール部に落下しない。
また、ヒータブロックには、閉位置に移動した三角ガイドの頂部に近接する位置まで遮断部材側に突出する突出部を設け、遮断部材には突出部と干渉しないように切欠部を形成してもよい。
製造された包装袋において、遮断部材と三角ガイドと縦ガイドで形成される角底とその下流側の底部シール部との間には、製造時に遮断部材が筒状の包材を挟持することによる隙間が形成されるが、突出部で閉位置にある三角ガイドの頂部に近接する位置まで加熱シールすることができるから、包装袋を開いた際や、包装袋を搬送や保管する際等に、角底が変形したり崩れたりすることを抑制できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明による縦形製袋充填包装機によれば、一対のヒータブロック間における筒状の包材内に残る粉粒体等の内容物は、横シールする前に一対の遮断部材で筒状の包材を挟んだ状態で落下させることができ、ヒータブロックで筒状の包材を横シールする際に内容物が残存しないから、横シール部に内容物が残留してシールされることがなく、製作された包装袋の品質が高い。また、筒状の包材に対してヒータブロックの上流側に位置する一対の遮断部材で筒状の包材を挟持するため、その後の内容物の落下を抑制して横シールが行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態による縦形製袋充填包装機を図1乃至図5により説明する。
図1は縦形製袋充填包装機の概略構成図、図2は横シーラ及び遮断板の移動機構を示す平面図、図3は図2のA−A線要部断面図、図4は図3に示す横シーラのヒータブロックで筒状フィルムを横シールした状態の要部説明図、図5は図4のB部拡大図である。
まず、縦形製袋充填包装機1について説明する前に、縦形製袋充填包装機1で製造される包装袋即ち角底袋Fについて図6により説明する。
図6(a)、(b)、(c)はガセット袋である角底袋Fを示すものである。図6において、(a)は同図(b)のC−C線断面図、(b)は角底袋Fの正面図、(c)は側面図である。
図6に示す角底袋Fは、角底101が四角形平面形状であり、その中央の底部シール部102はシール後に角底101に折り曲げられる。角底101の各辺から上方に向けて延びる同一幅の対向する正面103、縦シール部106を有する裏面103′と角底101から上端に向けて次第に幅が狭くなる側面104、104とで形成されている。
各側面104の上部は正面103、裏面103′の内側に折り込まれ、正面103、裏面103′の上端の開口部が扁平に重ねられてシールされて上部シール部105を構成する。
【0010】
次に、縦形製袋充填包装機1について図1により説明する。
図1に示す縦形製袋充填包装機1は、例えば断面略円形(断面略四角形でもよい)をなす製袋チューブ2が上下方向に配設され、その下端側には断面四角形の角筒成形部2aが形成されている。製袋チューブ2の上端には製袋する包装袋としての角底袋Fの中に充填する粉粒体等の内容物を供給するための図示しないホッパが設けられている。ホッパの下方には製袋ガイド3が取付けられている。製袋チューブ2の外周面と製袋ガイド3の内周面との間にはフィルムf(包材)を通過させる平面視略円形の空間が設けられている。
ここで、角筒成形部2aは下端の四角形開口を形成する四辺から上方向(ホッパ方向)に延びて頂部を形成する略三角形状の4つの平面部2bとで形成され、製袋チューブ2の下端から上方に向けて角筒から円筒に形状が変化している。
【0011】
製袋チューブ2の側方にシート状のフィルムfを巻回するフィルムリール4が設けられており、このフィルムリール4から繰り出されたフィルムfは製袋ガイド3で折り曲げられて製袋チューブ2との間の空間を通って円筒状に成形され、製袋チューブ2の下端に設けた角筒成形部2aによって略角筒状に折られて更に下方に送られることになる。なお、製袋ガイド3によってフィルムfは略円筒状に形成されて筒状フィルムf1となり、その幅方向両端部が製袋チューブ2上に折り重ねられて縦シール部106を形成して搬送される。
製袋チューブ2において、製袋ガイド3の下方には製袋チューブ2の外周面に沿って、略筒状に成形されて搬送されるフィルムfを製袋チューブ2の外周面にエアで吸着して下方に繰り出し搬送するための繰り出しベルト6が一対設けられている。一対の繰り出しベルト6,6間には、縦シール部106を加熱シールするための縦シーラ7が設けられている。
更に製袋チューブ2下端の角筒成形部2a下側には、二つの角底袋Fの上部と下部を同時に包材搬送方向に直交する方向すなわち水平方向にシールする横シーラ8が設けられている。横シーラ8は水平方向に開閉移動可能な一対のヒータブロック9a,9bで構成されている。各ヒータブロック9a,9bには横シール部を先行する角底袋Fの上部シール部と後続する次の角底袋Fの底部シール部に切断するカッタ10(図4参照)が設けられている。なお、開閉移動とは筒状フィルムf1を挟み込む方向の移動を閉移動といい、筒状フィルムf1から離間する方向の移動を開移動という。
【0012】
横シーラ8の上側と下側には製造される角底袋Fの角底を形成するための折り込み部材11が設けられている。折り込み部材11はフィルムfの搬送方向に見て横シーラ8の上流側に設けられた一対のガセット折り三角ガイド(以下、単に三角ガイドという)12、12と、横シーラ8の下流側に設けられた一対のガセット折り縦ガイド(以下、単に縦ガイドという)13、13とを有している。
一対の三角ガイド12、12は例えば三角形板状で横シーラ8の開閉方向に直交し且つ水平方向に開閉移動可能に構成され、縦ガイド13も略L字形板状で横シーラ8の開閉方向に直交し且つ水平方向に開閉移動可能に構成されている。
横シーラ8と三角ガイド12との間には角底袋Fの角底の下側を折り込むための一対の遮断板15、15からなる遮断部材16が設けられ、一対の遮断板15、15は横シーラ8のヒータブロック9a、9bの開閉方向と同じ方向に同様に水平方向に開閉移動することになる。一対の遮断板15、15は例えば平板状に形成され、少なくとも互いに上面が同一平面状をなすように形成されている。
【0013】
次に縦形製袋充填包装機1による角底袋Fの製造装置について図2乃至図4により説明する。
図2及び図3において、横シーラ8は製袋チューブ2における角筒成形部2aの下側で、角筒成形部2aから繰り出される角筒状に形成された筒状フィルムf1に直交する水平面内に筒状フィルムf1を挟んで両側にヒータブロック9a、9bが開閉可能に配設されている。各ヒータブロック9a、9bは公知の移動機構20により製袋チューブ2を挟んで開閉移動するヒータブラケット25、29に支持されて、開閉移動する。
【0014】
また、図2乃至図4に示すように、一方のヒータブロック9aをヒータブラケット25の上部中央には支持ブロック37が固定され、支持ブロック37に設けた一対の貫通孔にはスライドブッシュ38がそれぞれ貫挿されている。各スライドブッシュ38には棒状の軸部材39が挿入されており、支持ブロック37を挟んで軸部材39の後端と前方途中部分にはカラー40a、40bがそれぞれ固定されている。後端のカラー40aは軸部材39の抜け止めであり、前方側のカラー40bと支持ブロック37との間には弾性部材として例えばコイルスプリング41が介装されている。
一対の軸部材39、39の先端にはヒータブロック9aと略平行なプレート43が取り付けられ、その両端にはストッパ44,44が連結されている。これらストッパ44,44の間には上述した一方の遮断板15が設けられている。
このような構成を備えた遮断板支持構造45Aと対称な遮断板支持構造45Bが他方のヒータブロック9bを支持するヒータブラケット29に設けられ、他方の遮断板支持構造45bでも一方の遮断板支持構造45aと同一部材に同一の符号を用いて説明を省略する。
【0015】
ここで、図3に示すように、各ストッパ44、44はヒータブロック9a、9bよりも前方に突出して配設され、各遮断板15、15はヒータブロック9a、9bよりも前方に突出しているが、階段状をなす先端面がストッパ44,44よりわずかに後退した位置にある。しかも、各遮断板15、15の先端面は対向するストッパ44,44同士が当接した状態で、図5に示すように階段状をなす若干の間隙sが形成され、間隙s内をエアが流通可能である。
また、遮断板支持構造45A,45Bにおいて、移動機構20の作動によりヒータブラケット25、29が互いに接近する方向に移動すると、ストッパ44,44が図3に実線で示す後退位置(開位置)から二点鎖線で示す互いに当接する位置に至るまで、コイルスプリング41の付勢力により軸部材39は支持ブロック37に対して相対移動しないように設定される。そのため、ストッパ44、44が当接するまでは遮断板15とヒータブロック9a(9b)の間隔は同一に制御されて閉移動する。
そして、ストッパ44,44が当接した状態で、更に移動機構20が作動すると、支持ブロック37,37がヒータブラケット25,29と一体に接近する方向に移動するため、軸部材39、39はコイルスプリング41をその付勢力に抗して圧縮して支持ブロック37の後方に移動することになる。
【0016】
本実施の形態による縦形製袋充填包装機1は上述の構成を有しており、次にその作用を説明する。
先ず、図1において、フィルムリール4から繰り出しベルト6により繰り出されたフィルムfを製袋チューブ2と製袋ガイド3との間に挿入して円筒状に成形し、縦シーラ7で合わせ目の縦シール部106を縦シールする。円筒状となった筒状フィルムf1は更に製袋チューブ2上を間欠的に降下し、角筒成形部2aに到達することで角筒状に成形され、更に下流へ移送される。この状態で、底部シール部102が形成され且つ上部開口が連続状態にある筒状フィルムf1内に、製袋チューブ2を通して内容物を充填する。
そして、筒状フィルムf1から形成すべき前後2つの角底袋Fの底部と上部開口を同時に横シールすると共に角底袋Fの角底を形成する。
即ち、角底袋Fの角底の成形に際して、図2に示すガセット折り機構32におけるシリンダ34、34により、横シーラ8の上下に位置するガセット折り三角ガイド12、12とガセット折り縦ガイド13、13を互いに間隔を狭める閉移動させて、カムローラ35をカム26に当接させる。
【0017】
横シーラ8の一対のヒータブロック9a,9bを図2に示す開状態から当接する方向に閉移動させて互いに当接する閉状態にする。即ち図2及び図3において、移動機構20を駆動させると、ヒータブラケット25が押されて摺動し、ヒータブロック9aが筒状フィルムf1方向に移動する。これと同時に、ヒータブラケット29を移動させ、ヒータブロック9bも筒状フィルムf1方向に移動する。
ヒータブラケット25と一体にカム26も移動するため、ガセット折り機構32のカム26に当接するカムローラ35も連動し、一対の三角ガイド12,12及び縦ガイド13,13が連動して角筒状に成形された筒状フィルムf1の対向する2つの側面104、104に当接して両側から内側へ略V字状に押し込む。
【0018】
そして、ヒータブラケット25,29が接近する方向に移動すると、これと一体に横シーラ8の一対のヒータブロック9a、9bが閉移動して互いに接近すると共にヒータブラケット25,29を介して各遮断板支持構造45A、45Bも閉移動してストッパ44,44及び遮断板15、15が互いに接近する。
このとき、対向する一対のストッパ44、44はコイルスプリング41、41の高い付勢力で軸部材39,39が各支持ブロック37,37に対して相対移動することなく所定間隔に保持される。
そして、遮断板15、15と三角ガイド12及び縦ガイド13とが連動して閉移動することで、角筒状の筒状フィルムf1の正面103,裏面103′と側面104,104が押し込まれ、三角ガイド12、12の下側に筒状フィルムf1を押し込んで折り込む。図3で二点鎖線で示すように、ストッパ44、44が互いに当接すると、遮断板15、15は先端面の間に図5に示すような若干の階段状の間隙sを形成して停止する。
【0019】
このとき、ヒータブロック9a、9bはストッパ44,44よりも後退した位置に設けられているため、筒状フィルムf1の横シーラ8で加熱シールする領域は閉じられておらず、遮断板15、15より下方に位置する筒状フィルムf1内の内容物は妨げられることなく落下する。一方、遮断板15、15間の間隙sで挟持された筒状フィルムf1は階段状の間隙sの水平部s1にわずかな内容物が堆積され、下方に落下しない。
その後、更にヒータブラケット25,29が接近する方向に移動すると、支持ブロック37,37が更に接近する方向に移動するが、当接状態にあるストッパ44,44のために軸部材39,39及びカラー40a、40a、40b、40bは停止状態に保持される。そのために、コイルスプリング41,41をその付勢力に抗して圧縮させ、軸部材39,39、カラー40a、40aがスライドブッシュ38,38を通して支持ブロック37,37の後方、即ちストッパ44と反対側に相対移動させられる。
【0020】
これと同時にヒータブロック9a,9bが筒状フィルムf1の横シール部を挟んで互いに押圧して加熱シールする(図4、図5参照)。このとき、筒状フィルムf1の横シール部では、内容物は既に下方に落下しており、その上方の内容物は遮断板15,15で留められ、間隙s内では水平部s1に留まるため、筒状フィルムf1の横シール部に容物が滞留していることはなく全領域に亘って高精度な加熱シールが行える。
しかも、筒状フィルムf1をヒータブロック9a,9bで押圧するため、筒状フィルムf1内の容積が減少する。容積の減少に伴い空気は遮断板15,15の間隙s内を通過して上方の筒状フィルムf1内に逃げるために横シール部に空気が滞留することが防止され、シール強度が高く高精度な横シールを行える。また、横シール部下側の上部開口をシールされる角底袋Fが過大に膨張することを抑制できる。
その後、筒状フィルムf1の横シール部はカッタ10により、前後の角底袋Fの上部シール部105と底部シール部102とに分断される。そして、先行する内容物を充填・封止した角底袋Fが製造されて落下する
【0021】
横シーラ8による底部シール部102のシールが終了すると、ヒータブラケット25,29を離間方向に移動させ、ヒータブロック9a,9bと遮断板15,15とストッパ44,44を離間する方向に開移動させる。これと同時に、カム26の戻り移動によりカム35を連動させることで、三角ガイド12,12と縦ガイド13,13が離間する方向に開移動する。
このようにして角底袋Fの製造工程の1サイクルが終了する。
【0022】
上述のように本実施の形態によれば、筒状フィルムf1の横シールに際し、ヒータブロック9a,9b間の内容物は横シールの前に落下するため、角底袋Fの上部シール部105と次の角底袋Fの底部シール部102に内容物が挟み込まれることはなく、製造されるガセット角底袋Fの品質が高い。
しかも、遮断板15,15が筒状フィルムf1を挟持する位置に到達する前段階では、ストッパ機構45の軸部材39,39に設けたコイルスプリング41、41によって互いに連結されたヒータブロック9a,9bと遮断板15,15との間隔が変化しないように保持できるため、筒状フィルムf1の角底を形成する際に各遮断板15,15の相対位置が筒状フィルムf1の剛性に関わらず一定に維持され、角底が均等にバランスよく製作できる。
また、一対の遮断板15,15の上面は同一平面となるように形成されているため角底を前後左右方向において対称的で正確に形成できる。しかも、ストッパ44,44が当接して遮断板15,15が閉位置に保持された際、その先端面間に階段状の微細な間隙sが形成されているため、時間差をおいてヒータブロック9a,9bを閉鎖したときの筒状フィルムf1(角底袋F)の領域から間隙sを通して空気を逃がすことができる。
【0023】
次に本発明の実施形態の他の実施形態について図7乃至図10により説明するが、上述の実施形態と同一または同様の部品、部材については同一の符号を用いてその説明を省略する。
図6に示す角底袋Fにおいて、上述の縦形製袋充填包装機1には筒状フィルムf1(角底袋F)に入り込む三角ガイド12と横シーラ8による底部シール部102との間には遮断板15が位置するために、製造された角底袋Fには三角ガイド12が進入して折り込む角底101の三角部107と横シーラ8によって加熱シールされる底部シール部102との間には、距離d2のズレが発生する。そのため、角底袋Fの運搬時や上部シール部105を開いた際に底部シール部102と三角部107との間が開いてしまうことがあり、角底101の正確な形状を維持できないことがある。
本発明の第二実施形態による縦形製袋充填包装機1では、このような欠点を更に改良すべく、図7及び図8に示すように、各ヒータブロック9a,9bの上面に例えば断面三角をなす突出部47を2つ形成した。突出部47は各ヒータブロック9a,9bの当接面の一部を構成し、突出部47は図9に示す角底袋Fの三角部107の頂部近傍に位置するように形成する。
しかも、各ヒータブロック9a,9bが開閉移動する際に、その上側に位置する各遮断板15に突出部47が干渉しないように各遮断板15に、各ヒータブロック9a,9bの開閉移動方向に沿う切欠48が形成されている(図2参照)。
なお、突出部47は両側の三角部107の頂部近傍に位置すればよいので、2つ配設する構成に代えて連なった一つの突出部47で構成してもよい。
【0024】
そのため、本第二実施形態による縦形製袋充填包装機1によって第一実施形態と同様の作用で製造された角底袋Fは図9に示すようになる。図9において、角底袋Fの底部シール部102には突出部47で形成される突出シール部102aが形成され、三角部107の頂部近傍に延びてシールしている。そのため、角底101の三角部107と突出シール部102aとの距離d1は上述の距離d2より小さくなる。
従って、角底袋Fの運搬時や上部シール部105を開いた際等に、突出シール部102aによって底部シール部102と三角部107との間が開くことを抑制でき、角底101の正確な形状の変形を抑制できる。
【0025】
次に本発明の変形例について説明する。
従来の縦形製袋充填包装機では、横シーラで横シール部を加熱シールして、カッタで上部シール部105と底部シール部102に切断した後、底部シール部102は倒し板によって角底101に折り曲げるようにしていた。
変形例による縦形製袋充填包装機1では、上述の構成に代えて、図10に示すように、一対の遮断板15、15を個別の駆動源によって開閉移動できるようにしたものである。即ち、横シールを終了して一方の遮断板15が後退して開移動すると共に、他方の遮断板15を一方の遮断板15の方向に移動させることで他方の遮断板15が底部シール部102を角底101に折り曲げるようにしたものである。
【0026】
なお、上述の実施形態による縦形製袋充填包装機1では、一対の遮断板15,15をヒータブロック9a,9bと一体に移動するようにしたが、ヒータブロック9a,9bとは別個に移動機構を設けて独立に開閉移動させるようにしてもよい。これによって、ストッパ44やコイルスプリング41等を設けなくても、角底を形成する際に閉移動する各遮断板15,15の相対位置が筒状フィルムf1の剛性に関わらず一定の間隙sを形成して維持され、バランスの良い角底袋Fを形成できる。
また、一対の遮断板15,15が間隙sを形成しながら筒状フィルムf1を挟持して内容物の落下を抑制した後に、ヒータブロック9a,9bで横シールを行うことができるから横シール部に内容物が残留しない。
また、一対の遮断板15,15の先端面の間隙sの形状は必ずしも図5に示すように階段状でなくてもよい。例えば、両先端面を斜めにして傾斜面状の間隙sを形成してもよい。この場合、ストッパ44、44を当接させた時点で、遮断板15,15の間隙sから若干内容物が落下することがあるが、ヒータブロック9a,9bが当接して加熱シールする領域に残留する内容物はほとんどないから、高精度な横シール部を形成できることは同様である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第一の実施形態による縦形製袋充填包装機の概略構成図である。
【図2】本実施形態による縦形製袋充填包装機の横シーラ及び遮断板の移動機構を示す平面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】図3に示す横シーラ及び遮断板の移動機構の要部拡大断面図である。
【図5】図4のB部拡大図である。
【図6】第一実施形態による縦形製袋充填包装機で得られた角底袋を示すもので、(a)は(b)のC−C線断面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図7】第二実施形態による縦形製袋充填包装機における一方のヒータブロックの部分正面図である。
【図8】一対のヒータブロックで筒状フィルムを横シールする状態を示す要部側面図である。
【図9】第二実施形態によるヒータブロックで得られた底部シール部を示す説明図である。
【図10】本発明の変形例による底部シール部を折り返す工程を示す遮断板の作動説明図である。
【符号の説明】
【0028】
1 縦形製袋充填包装機
2 製袋チューブ
8 横シーラ
9a、9b ヒータブロック
11 折り込み部材
12 三角ガイド
13 縦ガイド
15 遮断板
16 遮断部材
20 移動機構
25、29 ヒータブラケット
32 ガセット折り機構
38 スライドブッシュ
39 軸部材
41 コイルスプリング
44 ストッパ
47 突出部
48 切欠
s 間隙
f フィルム(包材)
f1 筒状フィルム
F 角底袋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包材を製袋チューブに沿って搬送しながら略筒状に成形して、筒状の包材を角底を有する包装袋に形成するようにした縦形製袋充填包装機において、
前記筒状の包材をその搬送方向に略直交する方向に挟むように開閉移動して横シールする一対のヒータブロックと、
該ヒータブロックの上方に配設されていて前記ヒータブロックの閉移動に連動して閉移動して前記筒状の包材を挟持する一対の遮断部材と、
該一対の遮断部材の上方に配置されていて該遮断部材に連動して閉移動して筒状の包材に角底を形成する三角ガイドと、
前記一対のヒータブロックの下方に配置され、前記三角ガイドに連動して閉移動して筒状の包材に角底を形成する縦ガイドと、
前記ヒータブロックと遮断部材を一体または個別に開閉移動させる移動機構とを備えていて、
該移動機構によって前記ヒータブロック及び遮断部材を閉移動させて該遮断部材が筒状の包材を挟持してから所定時間経過後に前記ヒータブロックによって筒状の包材を前記横シールさせるようにしたことを特徴とする縦形製袋充填包装機。
【請求項2】
前記一対の遮断部材は、前記製袋チューブに対して同じ側に位置する前記ヒータブロックの閉移動方向前方側に突出しており、製袋チューブ側の上面同士が同一平面に形成されていると共に前記移動機構から弾性部材を介して閉移動させられ、
前記弾性部材は、前記遮断部材が筒状の包材を挟持する位置に到達する迄は前記遮断部材と前記ヒータブロックの間隔を一定に維持するようにした請求項1に記載の縦形製袋充填包装機。
【請求項3】
前記一対の遮断部材は、それぞれ互いに当接可能なストッパを連結しており、
該一対のストッパが当接した状態において、前記一対の遮断部材は筒状の包材を挟む位置にあって該筒状の包材内に空気が流通する若干の間隙が設けられるようにした請求項1または2に記載の縦形製袋充填包装機。
【請求項4】
前記若干の間隙を形成する一対の遮断部材の先端面同士は、水平部を有する階段状に形成されている請求項3に記載の縦形製袋充填包装機。
【請求項5】
前記ヒータブロックには、閉位置に移動した前記三角ガイドの頂部に近接する位置まで前記遮断部材側に突出する突出部を設け、前記遮断部材には前記突出部と干渉しないように切欠部を形成している請求項1乃至4のいずれかに記載の縦形製袋充填包装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−196661(P2009−196661A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−38949(P2008−38949)
【出願日】平成20年2月20日(2008.2.20)
【出願人】(000151461)株式会社東京自働機械製作所 (106)
【Fターム(参考)】