説明

縦形製袋充填機

【課題】径の異なる製袋筒を装着しても容易に繰り出し部材の位置決めを行える。
【解決手段】フィルムfを製袋筒2に沿って搬送して略筒状に成形して、繰り出し部材7によって繰り出す。繰り出し部材7と回転ストッパ8は基板18に支持する。エアシリンダ26によって一定の力で基板18を押して製袋筒2に回転ストッパ8を当接させる。回転ストッパ8が製袋筒2に当接した状態で繰り出し部材7の搬送ベルト23は製袋筒2から僅かに離間しており、繰り出し部材7のプーリ22,22間のサクションチャンバ24に吸着した搬送ベルト23の吸着面を介して包装筒2を吸着して下方に繰り出す。包装筒2の繰り出しに連動して回転ストッパ8が自由回転して包装筒2に追従する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製袋筒のサイズ変更に合わせて、包材を移動させるための繰り出し部材を包材繰り出し可能位置に設定することを容易に行えるようにした縦形製袋充填機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、縦形製袋充填機ではシート状の包材を製袋筒に沿って搬送して略筒状に成形して包材の両端部を縦シールする。そして、繰り出しベルトによって製袋筒上の包材を両側から挟みつけた状態で繰り出す。次いで、筒状にした包材の底部を横シールして上部開口から製袋筒を通して内容物を充填した後、上部開口を横シールするようにして内容物を充填した密封袋を製造するようにしている。
そして、縦形製袋充填機では、製造する袋の大きさによって製袋筒を異なる径のものに交換する必要がある。異なる径の製袋筒を取付けて、製袋筒上を搬送される包材を繰り出すために繰り出しベルトを、包材を搬送できる位置に移動させて位置決めする必要がある。
このような装置の一例として特許文献1に記載された製袋包装機が提案されている。この製袋包装機は駆動モータのターンバックルに螺合する支持フレームを備え、この支持フレームに平行四辺形リングを介して繰り出しベルトが取付けられている。繰り出しベルトは製袋筒を挟んで両側に水平方向に進退可能に配設されている。そして、駆動モータの回転で支持フレームを介して繰り出しベルトが製袋筒に対して進退し、繰り出しベルトの変位をリミットスイッチによって検出する。この検出信号によって繰り出しベルトを製袋筒に対して若干離間させて繰り出し可能な位置に設置するよう制御することで、製袋筒上の包材と繰り出しベルトとの接触圧を可能な限り少なくするようにしている。
そのため、製袋筒の径の変更に合わせてその都度、繰り出しベルトの水平方向の位置決め調整を行うようにしている。
【特許文献1】特開平10−101008号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の縦形製袋充填機では、平行四辺形リングやプルリミットスイッチや繰り出しベルト位置決め用の駆動モータ等が必要であり、構造や繰り出しベルトの位置決め制御方法等が複雑で煩雑であり、製造コストが高いという不具合があった。
【0004】
本発明は、このような実情に鑑みて、径の異なる製袋筒を選択的に装着しても容易に繰り出し部材の位置決めを行えるようにした縦形製袋充填機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による縦形製袋充填機は、包材を製袋筒に沿って搬送して略筒状に成形して、繰り出し部材によって包材を製袋筒から繰り出すようにした縦形製袋充填機において、繰り出し部材を製袋筒の径に応じて製袋筒方向に一定の力で移動させる開閉移動手段と、繰り出し部材と共に製袋筒方向に移動して包材に当接した位置で繰り出し部材を包材の繰り出し可能位置に位置決めし且つその位置で包材の繰り出しに従って回転する回転ストッパとを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、製袋筒を径の異なるものに交換して、繰り出し部材を繰り出し可能位置に位置決めするために、開閉移動手段によって繰り出し部材と回転ストッパを製袋筒方向に移動させ、回転ストッパが製袋筒上の包材に当接した位置で開閉移動手段による一定の力がバランスして停止し、この位置で繰り出し部材は製袋筒に対して包材の繰り出し可能な位置に配設されることになる。そして、繰り出し部材を作動させて包材を製袋筒から繰り出し移動させると回転ストッパも回転して包材を傷つけることなく送り出す。
【0006】
また、回転ストッパは外表面が弾性部材からなることが好ましく、包材に回転ストッパが当接して停止すると繰り出し部材を包材搬送可能な位置に位置決めでき、回転ストッパは外表面が弾性部材からなるために包材に当接しても包材にキズをつけたりしない。
回転ストッパが製袋筒の包材に当接した状態で、繰り出し部材は包材に当接していてもよいし、包材を吸着可能な若干の間隔を有していてもよく、要するに包材の繰り出し可能な位置に設置されればよい。
また、開閉移動手段はエアシリンダであることが好ましい。
エアシリンダによってエア圧を調整することで開閉移動手段による回転ストッパや繰り出し部材の押しつけ力を一定に設定できる。そのため、製袋筒の径の大小にかかわらず回転ストッパが製袋筒の包材に当接する位置での圧力を同等に設定でき過大な負荷はかからない。
【0007】
また、回転ストッパを繰り出し部材と同期して回転させる同期回転部材を備えていてもよい。回転ストッパと繰り出し部材を同期回転させることで製袋筒上の包材をキズつけることなく確実に繰り出し移送できる。
また、同期回転部材として、回転ストッパを繰り出し部材と同期回転させるモータや、繰り出し部材に連動するベルトを備えていてもよい。その際、繰り出し部材と同期して回転させることで包材をキズつけることなく無理なく確実に繰り出しできる。
或いは回転ストッパは回転自在に支持されていてもよい。
また、回転ストッパは包材繰り出し部材と同一の基板に設けられていてもよく、この基板を開閉移動手段で製袋筒方向に一定の力で移動させるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明による縦形製袋充填機によれば、製袋筒を径の異なるものに交換して繰り出し部材を位置決めする際、回転ストッパが製袋筒の包材に当接した位置で繰り出し部材も包材搬送可能な位置に保持されるから、製袋筒の交換に応じた繰り出し部材の位置調整が容易であり構造が簡単である。そのため、サイズの異なる製袋筒への交換が容易にできる。しかも、回転ストッパは包材の繰り出しに従って回転するから包材をキズつけることもない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態による縦形製袋充填機を図1乃至図6により説明する。図1は縦形製袋充填機の概略構成図、図2は製袋筒と繰り出し部材を示す正面図、図3は図2の平面図、図4は図2のA−A線断面図、図5は回転ストッパと製袋筒と繰り出し部材との関係を説明するための拡大図、図6は回転ストッパが製袋筒に当接した状態での包材の繰り出し可能位置を示す要部正面図である。
まず、縦形製袋充填機1について図1により説明する。
図1に示す縦形製袋充填機1は、例えば断面略円形(断面略四角形でもよい)をなす製袋筒である製袋筒2が上下方向に配設されている。製袋筒2の上端には製袋する袋Fの中に充填する内容物を供給するためのホッパが設けられているが、図1では省略されている。ホッパの下方である製袋筒2の上部には製袋ガイド3が取付けられている。製袋筒2の外周面と製袋ガイド3の内周面との間には包材であるフィルムfを通過させる平面視略円筒形の空間が設けられている。
製袋筒2の側方にはシート状のフィルムfを巻回するフィルムロール5が設けられており、このフィルムロール5から繰り出されたフィルムfは製袋ガイド3で折り曲げられて製袋筒2との間の空間を通って円筒状に成形される。なお、製袋ガイド3によってフィルムfは略円筒状の包装筒fとなり、その幅方向両端部の裏面同士が当接させられて合掌シール部6を形成して搬送される。
【0010】
製袋筒2において、製袋ガイド3の下方には製袋筒2の外周面に沿って、略筒状に成形されたフィルムfをエアで吸着して間欠的に下方に搬送するための繰り出し部材7が一対設けられている。一対の繰り出し部材7,7は製袋筒2を挟んで両側に対向して配設され、水平方向に開閉可能とされている。繰り出し部材7,7間には、合掌シール部6を熱溶着(加熱シール)するための縦シーラ9が設けられている。そして、各繰り出し部材7の上方には回転ストッパ8が設けられている。
更に製袋筒2の下側には、袋1の上部と下部を同時に水平方向に熱溶着する横シーラ10が設けられている。横シーラ10は袋Fの底部を熱溶着する下部シーラ10aと袋Fの上部開口を熱溶着する上部シーラ10bとを備え、下部シーラ10aと上部シーラ10bの間には包装筒fを切断するカッタ(図示せず)が配設されている。
【0011】
次に上述した繰り出し部材7と回転ストッパ8を備えた開閉機構12について図2乃至図6により説明する。
図2乃至図4に示す開閉機構12において、製袋筒2の背面に製袋筒2に略直交する一対の平行なガイドバー13、13が水平に配設され、その両端はそれぞれアングル14、14に固定され、各アングル14は製袋筒2と平行なフレーム部15に固定されている。一対のガイドバー13、13には2つの支持部17、17が設けられ、各支持部17は内側に設けたスライド軸受16、16によってガイドバー13、13に沿って摺動可能とされている。
一対の支持部17,17は製袋筒2の両側に対向して配設されている。各支持部17には例えば平面視略短冊形状をなす基板18がそれぞれ連結されている。各基板18には繰り出し部材7がそれぞれ連結されている。各基板18に設けた繰り出し部材7の上部には繰り出し部材7よりもわずかに製袋筒2側に突出して回転ストッパ8が支持されている。
【0012】
図2において、各繰り出し部材7は一対のプーリ22、22を備えている。一方のプーリ22は軸19を介して基板18の上側に取付けられている。基板18の下側裏面には駆動モータM1が取付けられ、他方のプーリ22が駆動モータM1の軸部に取付けられている。上下方向の一対のプーリ22,22間には搬送ベルト23が巻回されている。駆動モータM1の駆動によって搬送ベルト23が包装筒fを下方に繰り出す方向に周回運動する。またプーリ22、22間にはサクションチャンバ24が設けられている。搬送ベルト23にはその長手方向に所定間隔で吸引用の孔部(図示せず)が貫通して形成されており、サクションチャンバ24の製袋筒2側の開口24aに搬送ベルト23が吸着される。そして、サクションチャンバ24の開口24aに吸着される搬送ベルト23の吸着面23aで製袋筒2上の包装筒fを吸着する。
そのため、図示しない吸引装置に基づいて吸気してサクションチャンバ24を負圧にすることで製袋筒2の外周面に位置する包装筒fを搬送ベルト23の吸着面23aで吸着し、搬送ベルト23の周回運動によって包装筒fを繰り出すことができる。
【0013】
そして図2に示すように、基板18に支持された回転ストッパ8は軸8aを中心に回転自在に支持されている。回転ストッパ8はその外周面8bが繰り出し部材7の搬送ベルト23よりも製袋筒2側に僅かの距離だけ突出している。回転ストッパ8は包装筒fに当接するため、少なくともその外周面8bはフィルムfをキズつけないようにゴムの層等の弾性部材で形成されている。なお、回転ストッパ8は全体がゴム等の弾性部材で形成されていてもよい。
また、各アングル14には開閉移動手段として例えばエアシリンダ26が取付けられ、エアシリンダ26の外筒26aからエア圧によって進退するシリンダロッド26bの先端は基板18に連結されている。
そのため、図2及び図6に示すように、各エアシリンダ26の作動によってシリンダロッド26bが基板18を押すことで繰り出し部材7と回転ストッパ8は製袋筒2方向に移動し、回転ストッパ8が製袋筒2上の包装筒fに当接した状態で停止して保持される。このとき、回転ストッパ8が弾性変形するため、繰り出し部材7は回転ストッパ8(または製袋筒2)と距離S1より小さい若干の間隔S2(例えばS2=1mm程度)を開けて保持される。
【0014】
ここで、エアシリンダ26による押しつけ力について図5に基づいて詳述する。なお、図5において、製袋筒2の右側部分は製袋筒2から離間した回転ストッパ8及び繰り出し部材7を示し、製袋筒2の左側部分は製袋筒2に当接した回転ストッパ8とその位置における繰り出し部材7を示している。
ここで、エアシリンダ26による基板18を押す力は、製袋筒2の外径の相違に関わらず、そのストロークの全領域で一定になるように設定する。即ち、回転ストッパ8が製袋筒2に押されて弾性変形で生じる力(応力)をFr、エアシリンダ26による押す力をFc、回転ストッパ8の弾性係数をk、変形前の回転ストッパ8の外周面8bと搬送ベルト23の吸着面23aとの距離をS1、吸着搬送時の包装筒f、即ち製袋筒2に当接して弾性変形状態の回転ストッパ8の外周面8bと搬送ベルト23の吸着面23aとの距離をS2とすると、次式がなりたつようにエアシリンダ26による押す力Fcやその他の値S1、S2、k等を設定すればよい。
Fr=Fc
Fr=k×(S1−S2)
これによって、エアシリンダ26による押す力と製袋筒2上の包装筒fに当接して弾性変形した回転ストッパ8の反力とがバランスして、その位置に回転ストッパ8及び繰り出し部材7が保持されることになる。この位置で繰り出し部材7のサクションチャンバ24で吸着された搬送ベルト23は包装筒fを吸着し、繰り出し部材7の作動で包装筒fを繰り出しできる。
【0015】
本実施形態による縦形製袋充填機1は上述の構成を有しており、次に袋Fの製造方法について説明する。
図1において、縦形製袋充填機1は製造すべき袋Fの大きさに応じて予め製袋筒2を所要の径のものを取付けておく。そして、フィルムリール5から繰り出された帯状のフィルムfはダンサロール等を介して縦形製袋充填機1に向けて供給される。縦形製袋充填機1では、フィルムfは製袋筒2と製袋ガイド3との間に挿入され、製袋筒2回りに略円筒形状の包装筒fに成形される。
ここで、製袋処理の最初の段階では繰り出し部材7,7は開放状態にある。図2乃至図4に示すように、開閉機構12において一対のエアシリンダ26,26を作動させ、各基板18を製袋筒2方向に一定の力で押動させる。各基板18は一対のガイドバー13,13に沿って製袋筒2方向に水平移動する。そして、各基板18の上方に設けられた回転ストッパ8が製袋筒2上の包装筒f上に当接し、更にエアシリンダ26の一定の力で押されることで回転ストッパ8が弾性変形する。回転ストッパ8の弾性変形による反発力Fcとエアシリンダ26による一定の押す力Frがバランスした状態で基板18は停止し、製袋筒2と略平行に保持される(図6参照)。
【0016】
この状態で基板18に支持された繰り出し部材7は搬送ベルト23の吸着面23aと回転ストッパ8の外周面8bとの距離がS2(例えばS2=1mm)になる。そして、各繰り出し部材7において、各サクションチャンバ24によって包装筒fをその両側で吸着して、搬送ベルト23、23がプーリ22,22間を周回運動することで、包装筒fを所定距離繰り出す。各繰り出し部材7によって包装筒fが製袋筒2に沿って繰り出されると回転ストッパ8は従動回転するため、フィルムfにキズなどをつけるおそれはない。
なお、繰り出し部材7において、包装筒fを製袋筒2に沿って間欠的に下方に繰り出す際に、両側の回転ストッパ8、8は包装筒fに常時当接した状態に保持され、繰り出し部材7,7は製袋筒2から若干離間した包装筒fの繰り出し可能位置に保持される。
【0017】
次に、包装筒fの停止時に、開放状態にある縦シーラ9が包装筒fの合掌した両端を挟み込んで加熱溶着してシールする。そして縦シーラ9は開放させられる。
次に、繰り出し部材7,7で包装筒fは更に製袋筒2の下方に送られ、横シーラ10によって横シールされる。即ち、開放状態にある横シーラ10は包装筒fを挟持して閉鎖させる。そして熱溶着することで、内容物を充填した下側の包装筒fの上部開口と次の包装筒fの底部をそれぞれ加熱シールする。
次に図示しないカッタで包装筒fの横シール部を中央で切断する。これによって、図1に示すように先行する袋Fは分断されて製造が終了し、後続の底部シールした包装筒fには内部に挿入されている製袋筒2を通して内容物が充填される。更に繰り出し部材7、7で包装筒fを繰り下げて、縦シーラ9と横シーラ10で順次、上述のように包装筒fの合掌シール部6,上部開口のシール部と底部のシール部を形成する。
このような作業を繰り返すことで袋Fが順次製造される。
【0018】
なお、次に製造する袋Fの大きさを変更するために製袋筒2を交換する場合には、開閉機構12を開放状態にして、新たに縦形製袋充填機1に設置した異なる径の製袋筒2に対してフィルムfを供給して包装筒fに成形した状態で、開閉機構12を作動して一対のエアシリンダ26、26によって基板18、18を製袋筒2方向に水平移動させて回転ストッパ8,8を包装筒fに当接させる。これによって、繰り出し部材7,7を包装筒fの繰り出し可能位置に保持することができる。
そして、包装筒fを両側の繰り出し部材7,7で吸着して繰り出し作動させればよい。
【0019】
上述のように本実施形態による縦形製袋充填機1は、製袋筒2を径の異なるものに交換した場合でも開閉機構12のエアシリンダ26,26によって基板18を介して回転ストッパ8、8を製袋筒2の包装筒fに押し当てるまで一定の力で押すだけで繰り出し部材7,7を包装筒fの吸着繰り出し可能位置に保持できるから、繰り出し部材7、7の位置設定が容易であり、構造も簡単でコストが低廉になるという利点がある。
【0020】
次に本発明の他の実施形態について説明するが、上述の実施形態と同一または同様の部分、部材には同一の符号を用いて説明を省略する。
図7は本発明の第二の実施形態による縦形製袋充填機1の開閉移動手段30を示す図5と同様な状態の部分正面拡大図である。図において、回転ストッパ8の駆動プーリ31と繰り出し部材7の上方のプーリ22に同軸配置された中継プーリ32との間には無端状の周回ベルト33が巻回されている。
そのため、回転ストッパ8を製袋筒2上の包装筒fに押しつけた状態で、繰り出し部材7を駆動モータM1で作動させ、搬送ベルト23を作動させてその吸着面23aで包装筒fを吸着して繰り出す。駆動モータM1の駆動によって繰り出し部材7の上下方向のプーリ22、22を回転させ、回転ストッパ8に近接したプーリ22の回転に連動して中継プーリ32、周回ベルト33、駆動プーリ31を介して回転ストッパ8を連動回転させることになる。
この場合、繰り出し部材7による包装筒fの繰り出し速度と同一速度で回転ストッパ8を回転させるように駆動プーリ31、中継プーリ32の外径を設定しておくことで、包装筒fの繰り出し速度と同速度で回転ストッパ8を回転できるため、包装筒fにキズ等を生じない。
【0021】
次に図8は本発明の第三の実施形態による縦形製袋充填機1の開閉機構35を示すものであり、図において、回転ストッパ8は直接または図示しない減速機構を介して駆動モータM2の出力軸36に連結されている。
そのため、繰り出し部材7における搬送ベルト23の周回速度に一致するように駆動モータM2を駆動させて回転ストッパ8を回転させる。回転ストッパ8の外周面の周回速度を繰り出し部材7による包装筒fの繰り出し速度と等速に制御する。
上述した第二、第三の実施形態による縦形製袋充填機1も第一の実施形態による縦形製袋充填機1と同一の作用効果を奏する。
【0022】
なお、上述の各実施形態では、繰り出し部材として繰り出し部材7を用いたが、これに代えて繰り出しローラ等を用いてもよい。
また、開閉機構12を閉鎖作動させて回転ストッパ8を製袋筒2の包装筒fに当接させた際、繰り出し部材7は搬送ベルト23が製袋筒2から距離S2だけ離間するように設定したが、搬送ベルト23を製袋筒2(の包装筒f)に当接するように設定してもよい。
また、開閉移動手段としてエアシリンダ26に代えてモータ等を採用してもよい。
また、第二、第三の実施形態におけるプーリ31、32、周回ベルト33や駆動モータM2等は同期回転部材を構成する。同期回転部材はプーリ31、32や周回ベルト33に代えてギヤやチェーン等を採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第一の実施形態による縦形製袋充填機の概略構成図である。
【図2】図1の縦形製袋充填機における回転ストッパと繰り出し部材を有する開閉機構を示す正面図である。
【図3】図2に示す開閉機構の平面図である。
【図4】図2に示す開閉機構のA−A線断面図である。
【図5】製袋筒に対する回転ストッパ及び繰り出し部材の関係を説明するための部分拡大正面図である。
【図6】繰り出し部材が包装筒を繰り出し可能状態を示す図である。
【図7】本発明の第二の実施形態の開閉機構を示すもので、図5と同様な拡大図である。
【図8】本発明の第三の実施形態の開閉機構を示す平面図である。
【符号の説明】
【0024】
1 縦形製袋充填機
2 製袋筒
7 繰り出し部材
8 回転ストッパ
12 開閉機構
18 基板
23 搬送ベルト
26 エアシリンダ(開閉移動手段)
33 周回ベルト
M1、M2 駆動モータ
f フィルム、包装筒(包材)
F 袋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包材を製袋筒に沿って搬送して略筒状に成形して、繰り出し部材によって包材を繰り出すようにした縦形製袋充填機において、
前記繰り出し部材を製袋筒の径に応じて製袋筒方向に一定の力で移動させる開閉移動手段と、
前記繰り出し部材と共に製袋筒方向に移動して包材に当接した位置で前記繰り出し部材を包材の繰り出し可能位置に位置決めし且つその位置で包材の繰り出しに従って回転する回転ストッパと
を備えた縦形製袋充填機
【請求項2】
前記回転ストッパは外表面が弾性部材からなる請求項1に記載の縦形製袋充填機。
【請求項3】
前記開閉移動手段はエアシリンダである請求項1または2に記載の縦形製袋充填機。
【請求項4】
前記回転ストッパを繰り出し部材と同期して回転させる同期回転部材を備えている請求項1乃至3のいずれかに記載の縦形製袋充填機。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−37427(P2008−37427A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−209648(P2006−209648)
【出願日】平成18年8月1日(2006.8.1)
【出願人】(000151461)株式会社東京自働機械製作所 (106)
【Fターム(参考)】