縫製品
【課題】 本発明は、立体編物で構成され端部を縁部カバー材で縫製された縫製品に関するものであって、繰返し洗濯を行っても縁カバー材縫製部の見栄えを損なわない縫製品を提供する。
【解決手段】 表裏二層の編地と該二層の編地を連結する連結糸から構成された立体編物２を１枚、または１枚以上の立体編物２と他素材とを１〜１０枚積層した立体編物を含む集合体の端部の外周を縁部カバー材１にて縫製処理した縫製品であって、該縁部カバー材１を縫製している全ステッチ３の縫製する長さ方向に対して直角方向の縫い幅４が２〜４０ｍｍとした縫製品とする。
【解決手段】 表裏二層の編地と該二層の編地を連結する連結糸から構成された立体編物２を１枚、または１枚以上の立体編物２と他素材とを１〜１０枚積層した立体編物を含む集合体の端部の外周を縁部カバー材１にて縫製処理した縫製品であって、該縁部カバー材１を縫製している全ステッチ３の縫製する長さ方向に対して直角方向の縫い幅４が２〜４０ｍｍとした縫製品とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ベッドマットや座席シート用途に最適な立体編物を含む集合体で構成され、その端部の外周を縁部カバー材にて縫製処理された縫製品に関する。
【背景技術】
【０００２】
立体編物は一般に厚みを有しており、最適サイズにカットすると端面から糸がほぐれてくる場合があった。そのため、端部を縁部カバー材で保護することが知られている。
特許文献１では三層構造立体布である立体編物を含む積層生地の外周を縁部カバー材により縁縫いしたパッドが開示されている。
【０００３】
しかしながら、特許文献１では端部における縁部カバー材の縫製方法については特に開示されていない。実施例には縁部カバー材の縫製部は直線状に縫製されているため、縫製品を繰返し洗濯すると縁カバー材縫製部がパッカリングやバブリング等により見栄えが悪くなるという問題があった。
【特許文献１】実公平０６−０２２２８３号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
本発明の課題は、立体編物で構成され端部を縁部カバー材で縫製された縫製品を、繰返し洗濯しても縁カバー材縫製部の見栄えを損なわず、長期間使用しても縁部カバー材がはずれない縫製品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明者は、縁部カバー材の縫製方法を工夫することにより、上記課題を解決することを見出し、鋭意検討した結果、本発明に到達した。
本願で特許請求される発明は以下のとおりである。
【０００６】
（１）表裏二層の編地と該二層の編地を連結する連結糸から構成された立体編物を１枚、または該１枚以上の立体編物と他素材とを２〜１０枚積層した立体編物を含む集合体の端部の外周を縁部カバー材にて縫製処理した縫製品であって、該縁部カバー材を縫製している全ステッチの縫製する長さ方向に対して直角方向の縫い幅が２〜４０ｍｍであることを特徴とする縫製品。
（２）縁部カバー材が２本以上のステッチで縫製されていることを特徴とする（１）記載の縫製品。
【発明の効果】
【０００７】
本発明の縫製品は、長期間使用して繰り返し洗濯しても、縁カバー材縫製部がパッカリングやバブリング等により見栄えが悪くなることがないという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００８】
本発明に用いる立体編物は、表裏二層の編地と該二層の編地を連結する連結糸により構成されている。立体編物はダブルラッセル編機、ダブル丸編機、横編機等を用いて編成することができる。立体編物のうち、表裏の編地を連結する連結糸は、必ずどちらかの方向に湾曲した状態で編み込まれる。その連結糸に、厚み方向から力を加えると、既に湾曲している状態から更に湾曲し、力を取り除くと元の状態に戻る。この際に生じる連結糸の曲げと回復の挙動が立体編物の反発感のあるクッション性に大きく影響するため、連結糸には曲げ剛性の高いモノフィラメントを用いることが好ましい。従って、立体編物の連結糸は全てモノフィラメントであることが好ましいが、必要に応じて、モノフィラメント以外の繊維を編成時に交編させてもよい。その場合のモノフィラメント以外の繊維は、連結糸における重量混率が５０％以下であることが好ましく、より好ましくは４０％以下である。例えば、マルチフィラメントの仮撚糸を交編すると、圧縮時にモノフィラメントどうしが擦れて発生する耳障りな音を低減できるので好ましい。
【０００９】
本発明の立体編物の連結糸に用いるモノフィラメントは、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリエステル系エラストマー繊維等、任意の素材の繊維を用いることができるが、この内ポリトリメチレンテレフタレート繊維を連結糸に用いると、繰り返し又は長時間圧縮後の回復性が良好となるので好ましい。
【００１０】
立体編物の表裏二層の編地に用いる繊維として、特に限定されるものではなく、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリエステル系エラストマー繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリル系繊維、ポリプロピレン系繊維等の合成繊維、綿、麻、ウール等の天然繊維、キュプラレーヨン、ビスコースレーヨン、リヨセル等の再生繊維、その他、任意の繊維を用いることができる。
【００１１】
繊維の断面形状は、丸型、三角、Ｌ型、Ｔ型、Ｙ型、Ｗ型、八葉型、偏平、ドッグボーン型等の多角形型、多葉型、中空型や不定形なものでもよい。繊維の形態も、未加工糸、紡績糸、撚糸、仮撚加工糸、流体噴射加工糸等いずれのものを採用してもよい。
本発明の立体編物は、相対する２列の針床を有するダブルラッセル編機、ダブル丸編機、Ｖベッドを有する横編機等で編成できるが、寸法安定性のよい立体編物を得るには、ダブルラッセル編機を用いるのが好ましい。編機のゲージは９ゲージから２８ゲージまでが好ましく用いられる。
【００１２】
本発明の立体編物における表裏面形状としては特に限定されるものではなく、フラットなものや、畝状に０．５ｍｍ以上の凹凸を有するもの、起毛処理等で立毛されたものであっても構わないが、立体編物の表裏の編地は４角、６角等のメッシュ編地、マーキゼット編地等複数の開口部を有する編地にして軽量性及び通気性を向上させることができる。表面を平坦な組織にして肌触りを良好にすることもできる。表面を起毛することにより肌触りの良好なものが得られる。特に、クッション材等で通気性を向上させ、蒸れ感を抑えるためには表裏の編地の何れか若しくは両面共に複数の開口部を有する編地とする方が好ましい。
【００１３】
本発明の立体編物の厚み及び目付は、目的に応じて任意に設定できる。厚みは２〜３０ｍｍが好ましい。厚みが２ｍｍ未満の場合、圧縮量が少なく、クッション性に劣る場合があり、３０ｍｍを越えると、立体編物の仕上げ加工が難しくなる場合がある。目付は、好ましくは１００〜３０００ｇ／ｍ2、より好ましくは２００〜２０００ｇ／ｍ2である。
本発明の立体編物の表裏編地または連結糸に用いる繊維は、未着色でもよく、着色されていてもよい。
【００１４】
着色方法は、未着色の糸をかせやチーズ状で糸染めする方法（先染め）、紡糸前の原液に顔料、染料等を混ぜて着色する方法（原液着色）、立体編物状で染色したりプリントする方法等によって着色することができるが、立体編物状で染色すると立体形状を維持するのが困難であったり加工性が悪いため、先染めや原液着色が好ましい。
【００１５】
立体編物の仕上げ加工方法としては、生機を精練、染色、ヒートセット等の工程を通して仕上げることができるが、先染め糸や原液着色糸を使用した立体編物や用途として意匠性が要求されない場合は、精練や染色工程を省いて生機をすぐにヒートセットのみで仕上げることも可能である。
また、仕上げセット時には本発明の目的を損なわなければ、通常、繊維加工に用いられている樹脂加工、吸水加工、制電加工、抗菌加工、撥水加工、難燃加工などの仕上げ加工が適用できる。
【００１６】
本発明の縫製品は少なくとも１枚の立体編物で構成されていることが必要である。１枚または１枚以上の立体編物と他素材とを２〜１０枚積層した、立体編物を含む積層集合体で構成してもよい。１０枚以上積層して構成しても製造コストが高くなるだけで特に問題はない。他素材としては、天然綿、合成繊維綿、またはこれらの繊維を複合した綿、ならびにこれらの繊維綿を適宜圧縮した綿やそれらの綿に合成樹脂を施して圧縮回復性を改良した不織布状のものや、発泡ウレタン、発泡ポリエチレン、発泡ポリスチレン等の発泡体のシート状物、及びこれらの発泡体と綿とを組み合わせたシート状物、または、熱可塑性樹脂や熱可塑性弾性樹脂からなる繊維が互いに不規則に交絡し、交絡により接触した接点を形成する厚さが５〜５０ｍｍ程度の立体的構造体とを積層してもよい。
本発明の立体編物で構成された縫製品は外周を縁部カバー材で縫製されていることが必要である。
【００１７】
本発明に用いる縁部カバー材は特に限定されるものではなく、織物、編物、不織布、フィルム等であってもよく、またこれらの積層体であってもよい。織編物については、カレンダー処理による目潰し加工、ウレタンやアクリル樹脂等による樹脂加工、ウレタンやアクリルや塩ビ等のフィルムを片面若しくは両面にラミネートしたものであっても良い。また、形状も細幅にスリットしたもの、ストレートカットしたもの、バイアスカットしたものの何れであっても良い。更に、パイピング用等に市販されている細幅テープやリボンであっても構わない。特に、縁カバー材が端部よりほつれないように予め処理されたものであれば縁カバー材の端部を折り返す必要もなく、縫製部分を薄く仕上げることができるので好ましい。
【００１８】
また、本発明の立体編物に１５ｄｔｅｘ以上のモノフィラメントが使用されている場合、縁カバー材を突き抜けて表面に出てくる場合がある。このような場合、縁カバー材にミシン針（オルガン株式会社製ＴＶ×７＃１９）の突き刺し強度が２〜２０Ｎの範囲であるものを使用することが好ましい。
【００１９】
縁カバー材の縫製は、例えばＪＩS−Ｌ−０１２１の付図３クラス３の細分類に記載されているような方法で行えばよく、縁カバーの表裏から見えるステッチの縫製する長さ方向に対して直角の縫い幅が本発明の範囲となるように針の位置部分を適宜変更すればよい。縁カバー材が端部よりほつれないように予め処理されたものを使用すれば、縫製する部分を折り返さなくても構わない。
【００２０】
本発明の立体編物で構成された縫製品の該縁カバー材は、縫製している全ステッチの縫製する長さ方向に対して直角の縫い幅が２〜４０ｍｍであることが必要である。
?ここでいう縫い幅とは、図１、２に例示するように連続的に縫製されたステッチ３の縫製する長さ方向に対して直角方向の縫い幅４である。二本以上の針で縫製されている場合はその両サイドの縫い目間の幅であり、千鳥縫い等のジグザグ縫いの場合は図１のように連続的に縫製された縫い幅の最大幅を示す。
【００２１】
縫い幅を２〜４０ｍｍとすることにより繰返し洗濯後の縁カバー材縫製部分の見栄えをよくすることができる。縫い幅は好ましくは３ｍｍ以上、２０ｍｍ以下、より好ましくは４ｍｍ以上、１０ｍｍ以下である。２ｍｍ未満では繰返し洗濯後の端部縁カバー材縫製部の見栄えが悪くなる。
なお、本発明の縫い幅は必ずしも一定の幅でなくてもよく、本発明の効果が達成できれば部分的に縫い幅が広くなったり、狭くなっても構わない。この場合の縫い幅は最も狭い値で表す。
【００２２】
本発明の縁カバー材の縫製処理方法としては、本発明の縫い幅が得られれば、手縫い、本縫い、千鳥縫い、単環縫い、二重環縫い、扁平縫いの如何なる方法で縫製されてもよく、予め縁カバー材で端部をカバーしながら縫製してもよいし、縁カバー材を自動的に縫製時に供給する装置をミシンに取り付けて行っても構わない。千鳥縫いはジグザグに縫う幅を適宜調整すればよく、例えばＪＩＳ−Ｌ−０１２０の付図３に示す表示記号３０４、３０５、３０８、３１０、３１２、３１３、３２１〜３２７等で行えばよい。また、手縫い、本縫い、単環縫いの場合は、１本針縫製を２回行ってもよいし、予め２本以上の針で一度に縫製できるミシンを使用して縫製しても構わない。更に、二重環縫い、扁平縫いはミシン針の本数が２〜６本を使用し、例えばＪＩＳ−Ｌ−０１２０のクラス３００、４００、６００から適宜選定すればよく、片面飾りや両面飾りの何れであっても構わない。
【００２３】
本発明の縫製品は２本以上のステッチで縁カバー材が縫製されていることが好ましい。この場合、工業的に安定生産することを考慮すると針が２本以上装着されたミシンで縫製することが好ましく、両端の針と針のピッチは２ｍｍ以上が好ましい。このようなミシンを使用すれば縫い幅が縫製長さ方向に揃うため、ステッチの外観がよくなるだけでなく、縫製部に掛かる応力が一定となり、縫製部の強度が増すので好ましい。
【００２４】
縫い糸に関しては特に限定されるものでは無く、市販の縫い糸を使用すればよい。縫い目長さも特に限定するものではないが、通常０．５〜１０ｍｍの範囲で、縫い糸の太さと縫製のしやすさを考慮して適宜選定すれば良い。
【実施例】
【００２５】
本発明を実施例に基づいて説明する。
（１）厚み測定
ＪＩＳ−Ｌ−１０１８の厚みの測定方法に準拠して測定した。
【００２６】
（２）ミシン針の突き刺し強度測定
ミシン針（オルガン株式会社製ＴＶ×７＃１９）を島津オートグラフＡＧ?Ｂ型（（株）島津製作所製）のチャック部に動かないようにチャック部の上下移動方向に平行に取り付け、縁カバー材を直径２０ｍｍのピンがついた円盤状圧縮治具に固定し後、５０ｍｍ／ｍｉｎの速度で突き刺し、貫通時の最大応力を求めた。
尚、測定は表裏それぞれ３回測定し、その平均値を求めた。
【００２７】
（３）繰返し洗濯後の縁カバー材縫製部の外観変化
実施例及び比較例で作成した縫製品をＪＩＳ−Ｌ−０２１７の１０３法に準拠し、洗濯を１０回繰り返した後の縁カバー材縫製部の外観変化を目視判定した。尚、目視判定は繊維関連に従事する１０名で評価し、その平均点で評価した。
【００２８】
「外観変化」
３点：洗濯前に比べて、バブリングやパッカリングが殆ど見られない。
２点：洗濯前に比べて、バブリングやパッカリングがやや見られる。
１点：洗濯前に比べて、バブリングやパッカリングが酷くなっている。
【００２９】
＜立体編物の製造＞
（製造例１）
６枚筬を装備した１８ゲージ、釜間５．６ｍｍのダブルラッシェル機を用い、表側の編地を形成する２枚の筬（Ｌ１、Ｌ２）及び裏側の編地を形成する２枚の筬（Ｌ５、Ｌ６）に１６７デシテックス／４８フィラメントのポリエチレテレフタレートマルチフィラメント糸（旭化成せんい社製）を、連結糸を形成する二枚の筬（Ｌ３、Ｌ４）に２００デシテックスのナイロン６繊維モノフィラメント糸（旭化成せんい社製、モノフィラメント）を、Ｌ１、Ｌ４、Ｌ５ガイドに１イン１アウトの配列で、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ６ガイドに１アウト１インの配列で供給し、打ち込み２０．７コース／２．５４ｃｍで、以下に示す編組織で、表裏メッシュの立体編物を編成した。
【００３０】
得られた立体編物の生機を７０℃で精練後、１８０℃で乾熱ヒートセットして、立体編物表面の編地密度が２７．０コース／２．５４ｃｍ、１３．０ウェール／２．５４ｃｍ、厚みが４．０ｍｍとなるように仕上げた。
（編組織）
Ｌ１：４６４４／４２４４／４６４４／４２４４／４６４４／４２２２／２０２２／２４２２／２０２２／２４２２／２０２２／２４４４／
Ｌ２：２０２２／２４２２／２０２２／２４２２／２０２２／２４４４／４６４４／４２４４／４６４４／４２４４／４６４４／４２２２／
Ｌ３：６８６８／６４６４／６８６８／２０２０／６８６８／６４６４／４２４２／４６４６／４２４２／８10８10／４２４２／４６４６／
Ｌ４：４２４２／４６４６／４２４２／８10８10／４２４２／４６４６／６８６８／６４６４／６８６８／２０２０／６８６８／６４６４／
Ｌ５：４４４６／４４４２／４４４６／４４４２／４４４６／４４４２／２２２０／２２２４／２２２０／２２２４／２２２０／２２２４／
Ｌ６：２２２０／２２２４／２２２０／２２２４／２２２０／２２２４／４４４６／４４４２／４４４６／４４４２／４４４６／４４４２／
【００３１】
［実施例１］
製造例１の立体編物を使用して、タテ４０ｃｍ×ヨコ４０ｃｍを１枚裁断し、外周に６０ｍｍにストレートカットしたＰＥＴタフタａをＪＩＳ−Ｌ−０１２０の付図３の３．０５になるようにカバーし、２本針扁平縫いミシン（ヤマトミシン製造株式会社製 ＶＥＵ２５０００ １５６Ｍ−８ 針幅５．６ｍｍで２本針使用に変更）を用いて、ＪＩＳ−Ｌ−０１２０の表示記号３０９となるように縫製し縫製品を得た。（縫製条件：ミシン針１４番（オルガン株式会社製）、縫い糸：ポリエステルスパン３０番、縫い目長さ：２．０ｍｍ）
得られた縫製品の縫い幅は５．６ｍｍであり、繰返し洗濯後の外観変化は２．７点と洗濯による外観変化が無く、縫製部にモノフィラメントの突き出しもないものであった。
尚、ＰＥＴタフタaは以下のものを使用した。
【００３２】
経糸：ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント５６デシテックス／２４フィラメント
緯糸：ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント８４デシテックス／２４フィラメント
組織：タフタ
製織、ヒートセット仕上げ後の密度：タテ１１４本／２．５４ｃｍ、ヨコ８２本／２．５４ｃｍ
ミシン針の突き刺し強度：２．４５Ｎ
【００３３】
［実施例２］
実施例１において縫製をＪＵＫＩ（株）製の本縫いミシン（ＤＤＬ−５５５）を用いて本縫いを縫い幅が３ｍｍとなるように２回行い縫製品を得た。（縫製条件：ミシン針１４番（オルガン株式会社製）、縫い糸：ポリエステルスパン３０番、縫い目長さ：２．０ｍｍ）
得られた縫製品は繰返し洗濯後の外観変化は２．６点と洗濯による外観変化が無く、縫製部にモノフィラメントの突き出しも無い、極めて良好なものであった。
【００３４】
［実施例３］
実施例１において、立体編物を２枚積層、縁カバー材をＰＥＴタフタｂのアクリル樹脂加工品に変更、ミシンを３本針使用で針幅５．６ｍｍに変更した以外は実施例１と同様にして縫製品を得た。
得られた縫製品の縫い幅は５．６ｍｍであり、繰返し洗濯後の外観変化は２．９点と洗濯による外観変化が無く、縫製部にモノフィラメントの突き出しも無い、極めて良好なものであった。
尚、ＰＥＴタフタｂは以下のものを使用した。
【００３５】
経糸、緯糸：ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント仮撚糸１５７デシテックス／４８フィラメント
組織：タフタ
アクリル樹脂加工：アクリル樹脂が生地に対して約１５ｏｍｆ％になるように樹脂含浸し、１６０℃でヒートセットを行った。加工後の密度はタテ７５本／２．５４ｃｍ、ヨコ６１本／２．５４ｃｍ
ミシン針の突き刺し強度：５．４６Ｎ
【００３６】
［比較例１］
実施例２において縫製を１回のシングルステッチとした以外は実施例２と同様にして縫製品を得た。
得られた縫製品は繰返し洗濯後の外観変化は０．９点と洗濯による外観変化が無く、品位に劣るものであった。
【産業上の利用可能性】
【００３７】
本発明の縫製品はベッドパッド、座布団、肩パット、レガーズのクッション材、サポーターのクッション材、保温衣料等のライニング材、ヘルメットの内張り、人体保護パッド等、人体に接触するクッション材、 緩衝材、保型材等の用途に好適に用いることができる。さらには自動車、鉄道車両、航空機、チャイルドシート、ベビーカー等の乗り物座席シート用クッション材及び家具、事務用等の座席シート用クッション材にも用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【００３８】
【図１】千鳥縫い等のジグザグ縫いの場合の縫い幅を示す模式図。
【図２】３本のステッチで縫製した場合の縫い幅を示す模式図。
【符号の説明】
【００３９】
１…縁部カバー材、２…立体編物、３…ステッチ、４…縫い幅。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ベッドマットや座席シート用途に最適な立体編物を含む集合体で構成され、その端部の外周を縁部カバー材にて縫製処理された縫製品に関する。
【背景技術】
【０００２】
立体編物は一般に厚みを有しており、最適サイズにカットすると端面から糸がほぐれてくる場合があった。そのため、端部を縁部カバー材で保護することが知られている。
特許文献１では三層構造立体布である立体編物を含む積層生地の外周を縁部カバー材により縁縫いしたパッドが開示されている。
【０００３】
しかしながら、特許文献１では端部における縁部カバー材の縫製方法については特に開示されていない。実施例には縁部カバー材の縫製部は直線状に縫製されているため、縫製品を繰返し洗濯すると縁カバー材縫製部がパッカリングやバブリング等により見栄えが悪くなるという問題があった。
【特許文献１】実公平０６−０２２２８３号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
本発明の課題は、立体編物で構成され端部を縁部カバー材で縫製された縫製品を、繰返し洗濯しても縁カバー材縫製部の見栄えを損なわず、長期間使用しても縁部カバー材がはずれない縫製品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明者は、縁部カバー材の縫製方法を工夫することにより、上記課題を解決することを見出し、鋭意検討した結果、本発明に到達した。
本願で特許請求される発明は以下のとおりである。
【０００６】
（１）表裏二層の編地と該二層の編地を連結する連結糸から構成された立体編物を１枚、または該１枚以上の立体編物と他素材とを２〜１０枚積層した立体編物を含む集合体の端部の外周を縁部カバー材にて縫製処理した縫製品であって、該縁部カバー材を縫製している全ステッチの縫製する長さ方向に対して直角方向の縫い幅が２〜４０ｍｍであることを特徴とする縫製品。
（２）縁部カバー材が２本以上のステッチで縫製されていることを特徴とする（１）記載の縫製品。
【発明の効果】
【０００７】
本発明の縫製品は、長期間使用して繰り返し洗濯しても、縁カバー材縫製部がパッカリングやバブリング等により見栄えが悪くなることがないという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００８】
本発明に用いる立体編物は、表裏二層の編地と該二層の編地を連結する連結糸により構成されている。立体編物はダブルラッセル編機、ダブル丸編機、横編機等を用いて編成することができる。立体編物のうち、表裏の編地を連結する連結糸は、必ずどちらかの方向に湾曲した状態で編み込まれる。その連結糸に、厚み方向から力を加えると、既に湾曲している状態から更に湾曲し、力を取り除くと元の状態に戻る。この際に生じる連結糸の曲げと回復の挙動が立体編物の反発感のあるクッション性に大きく影響するため、連結糸には曲げ剛性の高いモノフィラメントを用いることが好ましい。従って、立体編物の連結糸は全てモノフィラメントであることが好ましいが、必要に応じて、モノフィラメント以外の繊維を編成時に交編させてもよい。その場合のモノフィラメント以外の繊維は、連結糸における重量混率が５０％以下であることが好ましく、より好ましくは４０％以下である。例えば、マルチフィラメントの仮撚糸を交編すると、圧縮時にモノフィラメントどうしが擦れて発生する耳障りな音を低減できるので好ましい。
【０００９】
本発明の立体編物の連結糸に用いるモノフィラメントは、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリエステル系エラストマー繊維等、任意の素材の繊維を用いることができるが、この内ポリトリメチレンテレフタレート繊維を連結糸に用いると、繰り返し又は長時間圧縮後の回復性が良好となるので好ましい。
【００１０】
立体編物の表裏二層の編地に用いる繊維として、特に限定されるものではなく、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリエステル系エラストマー繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリル系繊維、ポリプロピレン系繊維等の合成繊維、綿、麻、ウール等の天然繊維、キュプラレーヨン、ビスコースレーヨン、リヨセル等の再生繊維、その他、任意の繊維を用いることができる。
【００１１】
繊維の断面形状は、丸型、三角、Ｌ型、Ｔ型、Ｙ型、Ｗ型、八葉型、偏平、ドッグボーン型等の多角形型、多葉型、中空型や不定形なものでもよい。繊維の形態も、未加工糸、紡績糸、撚糸、仮撚加工糸、流体噴射加工糸等いずれのものを採用してもよい。
本発明の立体編物は、相対する２列の針床を有するダブルラッセル編機、ダブル丸編機、Ｖベッドを有する横編機等で編成できるが、寸法安定性のよい立体編物を得るには、ダブルラッセル編機を用いるのが好ましい。編機のゲージは９ゲージから２８ゲージまでが好ましく用いられる。
【００１２】
本発明の立体編物における表裏面形状としては特に限定されるものではなく、フラットなものや、畝状に０．５ｍｍ以上の凹凸を有するもの、起毛処理等で立毛されたものであっても構わないが、立体編物の表裏の編地は４角、６角等のメッシュ編地、マーキゼット編地等複数の開口部を有する編地にして軽量性及び通気性を向上させることができる。表面を平坦な組織にして肌触りを良好にすることもできる。表面を起毛することにより肌触りの良好なものが得られる。特に、クッション材等で通気性を向上させ、蒸れ感を抑えるためには表裏の編地の何れか若しくは両面共に複数の開口部を有する編地とする方が好ましい。
【００１３】
本発明の立体編物の厚み及び目付は、目的に応じて任意に設定できる。厚みは２〜３０ｍｍが好ましい。厚みが２ｍｍ未満の場合、圧縮量が少なく、クッション性に劣る場合があり、３０ｍｍを越えると、立体編物の仕上げ加工が難しくなる場合がある。目付は、好ましくは１００〜３０００ｇ／ｍ2、より好ましくは２００〜２０００ｇ／ｍ2である。
本発明の立体編物の表裏編地または連結糸に用いる繊維は、未着色でもよく、着色されていてもよい。
【００１４】
着色方法は、未着色の糸をかせやチーズ状で糸染めする方法（先染め）、紡糸前の原液に顔料、染料等を混ぜて着色する方法（原液着色）、立体編物状で染色したりプリントする方法等によって着色することができるが、立体編物状で染色すると立体形状を維持するのが困難であったり加工性が悪いため、先染めや原液着色が好ましい。
【００１５】
立体編物の仕上げ加工方法としては、生機を精練、染色、ヒートセット等の工程を通して仕上げることができるが、先染め糸や原液着色糸を使用した立体編物や用途として意匠性が要求されない場合は、精練や染色工程を省いて生機をすぐにヒートセットのみで仕上げることも可能である。
また、仕上げセット時には本発明の目的を損なわなければ、通常、繊維加工に用いられている樹脂加工、吸水加工、制電加工、抗菌加工、撥水加工、難燃加工などの仕上げ加工が適用できる。
【００１６】
本発明の縫製品は少なくとも１枚の立体編物で構成されていることが必要である。１枚または１枚以上の立体編物と他素材とを２〜１０枚積層した、立体編物を含む積層集合体で構成してもよい。１０枚以上積層して構成しても製造コストが高くなるだけで特に問題はない。他素材としては、天然綿、合成繊維綿、またはこれらの繊維を複合した綿、ならびにこれらの繊維綿を適宜圧縮した綿やそれらの綿に合成樹脂を施して圧縮回復性を改良した不織布状のものや、発泡ウレタン、発泡ポリエチレン、発泡ポリスチレン等の発泡体のシート状物、及びこれらの発泡体と綿とを組み合わせたシート状物、または、熱可塑性樹脂や熱可塑性弾性樹脂からなる繊維が互いに不規則に交絡し、交絡により接触した接点を形成する厚さが５〜５０ｍｍ程度の立体的構造体とを積層してもよい。
本発明の立体編物で構成された縫製品は外周を縁部カバー材で縫製されていることが必要である。
【００１７】
本発明に用いる縁部カバー材は特に限定されるものではなく、織物、編物、不織布、フィルム等であってもよく、またこれらの積層体であってもよい。織編物については、カレンダー処理による目潰し加工、ウレタンやアクリル樹脂等による樹脂加工、ウレタンやアクリルや塩ビ等のフィルムを片面若しくは両面にラミネートしたものであっても良い。また、形状も細幅にスリットしたもの、ストレートカットしたもの、バイアスカットしたものの何れであっても良い。更に、パイピング用等に市販されている細幅テープやリボンであっても構わない。特に、縁カバー材が端部よりほつれないように予め処理されたものであれば縁カバー材の端部を折り返す必要もなく、縫製部分を薄く仕上げることができるので好ましい。
【００１８】
また、本発明の立体編物に１５ｄｔｅｘ以上のモノフィラメントが使用されている場合、縁カバー材を突き抜けて表面に出てくる場合がある。このような場合、縁カバー材にミシン針（オルガン株式会社製ＴＶ×７＃１９）の突き刺し強度が２〜２０Ｎの範囲であるものを使用することが好ましい。
【００１９】
縁カバー材の縫製は、例えばＪＩS−Ｌ−０１２１の付図３クラス３の細分類に記載されているような方法で行えばよく、縁カバーの表裏から見えるステッチの縫製する長さ方向に対して直角の縫い幅が本発明の範囲となるように針の位置部分を適宜変更すればよい。縁カバー材が端部よりほつれないように予め処理されたものを使用すれば、縫製する部分を折り返さなくても構わない。
【００２０】
本発明の立体編物で構成された縫製品の該縁カバー材は、縫製している全ステッチの縫製する長さ方向に対して直角の縫い幅が２〜４０ｍｍであることが必要である。
?ここでいう縫い幅とは、図１、２に例示するように連続的に縫製されたステッチ３の縫製する長さ方向に対して直角方向の縫い幅４である。二本以上の針で縫製されている場合はその両サイドの縫い目間の幅であり、千鳥縫い等のジグザグ縫いの場合は図１のように連続的に縫製された縫い幅の最大幅を示す。
【００２１】
縫い幅を２〜４０ｍｍとすることにより繰返し洗濯後の縁カバー材縫製部分の見栄えをよくすることができる。縫い幅は好ましくは３ｍｍ以上、２０ｍｍ以下、より好ましくは４ｍｍ以上、１０ｍｍ以下である。２ｍｍ未満では繰返し洗濯後の端部縁カバー材縫製部の見栄えが悪くなる。
なお、本発明の縫い幅は必ずしも一定の幅でなくてもよく、本発明の効果が達成できれば部分的に縫い幅が広くなったり、狭くなっても構わない。この場合の縫い幅は最も狭い値で表す。
【００２２】
本発明の縁カバー材の縫製処理方法としては、本発明の縫い幅が得られれば、手縫い、本縫い、千鳥縫い、単環縫い、二重環縫い、扁平縫いの如何なる方法で縫製されてもよく、予め縁カバー材で端部をカバーしながら縫製してもよいし、縁カバー材を自動的に縫製時に供給する装置をミシンに取り付けて行っても構わない。千鳥縫いはジグザグに縫う幅を適宜調整すればよく、例えばＪＩＳ−Ｌ−０１２０の付図３に示す表示記号３０４、３０５、３０８、３１０、３１２、３１３、３２１〜３２７等で行えばよい。また、手縫い、本縫い、単環縫いの場合は、１本針縫製を２回行ってもよいし、予め２本以上の針で一度に縫製できるミシンを使用して縫製しても構わない。更に、二重環縫い、扁平縫いはミシン針の本数が２〜６本を使用し、例えばＪＩＳ−Ｌ−０１２０のクラス３００、４００、６００から適宜選定すればよく、片面飾りや両面飾りの何れであっても構わない。
【００２３】
本発明の縫製品は２本以上のステッチで縁カバー材が縫製されていることが好ましい。この場合、工業的に安定生産することを考慮すると針が２本以上装着されたミシンで縫製することが好ましく、両端の針と針のピッチは２ｍｍ以上が好ましい。このようなミシンを使用すれば縫い幅が縫製長さ方向に揃うため、ステッチの外観がよくなるだけでなく、縫製部に掛かる応力が一定となり、縫製部の強度が増すので好ましい。
【００２４】
縫い糸に関しては特に限定されるものでは無く、市販の縫い糸を使用すればよい。縫い目長さも特に限定するものではないが、通常０．５〜１０ｍｍの範囲で、縫い糸の太さと縫製のしやすさを考慮して適宜選定すれば良い。
【実施例】
【００２５】
本発明を実施例に基づいて説明する。
（１）厚み測定
ＪＩＳ−Ｌ−１０１８の厚みの測定方法に準拠して測定した。
【００２６】
（２）ミシン針の突き刺し強度測定
ミシン針（オルガン株式会社製ＴＶ×７＃１９）を島津オートグラフＡＧ?Ｂ型（（株）島津製作所製）のチャック部に動かないようにチャック部の上下移動方向に平行に取り付け、縁カバー材を直径２０ｍｍのピンがついた円盤状圧縮治具に固定し後、５０ｍｍ／ｍｉｎの速度で突き刺し、貫通時の最大応力を求めた。
尚、測定は表裏それぞれ３回測定し、その平均値を求めた。
【００２７】
（３）繰返し洗濯後の縁カバー材縫製部の外観変化
実施例及び比較例で作成した縫製品をＪＩＳ−Ｌ−０２１７の１０３法に準拠し、洗濯を１０回繰り返した後の縁カバー材縫製部の外観変化を目視判定した。尚、目視判定は繊維関連に従事する１０名で評価し、その平均点で評価した。
【００２８】
「外観変化」
３点：洗濯前に比べて、バブリングやパッカリングが殆ど見られない。
２点：洗濯前に比べて、バブリングやパッカリングがやや見られる。
１点：洗濯前に比べて、バブリングやパッカリングが酷くなっている。
【００２９】
＜立体編物の製造＞
（製造例１）
６枚筬を装備した１８ゲージ、釜間５．６ｍｍのダブルラッシェル機を用い、表側の編地を形成する２枚の筬（Ｌ１、Ｌ２）及び裏側の編地を形成する２枚の筬（Ｌ５、Ｌ６）に１６７デシテックス／４８フィラメントのポリエチレテレフタレートマルチフィラメント糸（旭化成せんい社製）を、連結糸を形成する二枚の筬（Ｌ３、Ｌ４）に２００デシテックスのナイロン６繊維モノフィラメント糸（旭化成せんい社製、モノフィラメント）を、Ｌ１、Ｌ４、Ｌ５ガイドに１イン１アウトの配列で、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ６ガイドに１アウト１インの配列で供給し、打ち込み２０．７コース／２．５４ｃｍで、以下に示す編組織で、表裏メッシュの立体編物を編成した。
【００３０】
得られた立体編物の生機を７０℃で精練後、１８０℃で乾熱ヒートセットして、立体編物表面の編地密度が２７．０コース／２．５４ｃｍ、１３．０ウェール／２．５４ｃｍ、厚みが４．０ｍｍとなるように仕上げた。
（編組織）
Ｌ１：４６４４／４２４４／４６４４／４２４４／４６４４／４２２２／２０２２／２４２２／２０２２／２４２２／２０２２／２４４４／
Ｌ２：２０２２／２４２２／２０２２／２４２２／２０２２／２４４４／４６４４／４２４４／４６４４／４２４４／４６４４／４２２２／
Ｌ３：６８６８／６４６４／６８６８／２０２０／６８６８／６４６４／４２４２／４６４６／４２４２／８10８10／４２４２／４６４６／
Ｌ４：４２４２／４６４６／４２４２／８10８10／４２４２／４６４６／６８６８／６４６４／６８６８／２０２０／６８６８／６４６４／
Ｌ５：４４４６／４４４２／４４４６／４４４２／４４４６／４４４２／２２２０／２２２４／２２２０／２２２４／２２２０／２２２４／
Ｌ６：２２２０／２２２４／２２２０／２２２４／２２２０／２２２４／４４４６／４４４２／４４４６／４４４２／４４４６／４４４２／
【００３１】
［実施例１］
製造例１の立体編物を使用して、タテ４０ｃｍ×ヨコ４０ｃｍを１枚裁断し、外周に６０ｍｍにストレートカットしたＰＥＴタフタａをＪＩＳ−Ｌ−０１２０の付図３の３．０５になるようにカバーし、２本針扁平縫いミシン（ヤマトミシン製造株式会社製 ＶＥＵ２５０００ １５６Ｍ−８ 針幅５．６ｍｍで２本針使用に変更）を用いて、ＪＩＳ−Ｌ−０１２０の表示記号３０９となるように縫製し縫製品を得た。（縫製条件：ミシン針１４番（オルガン株式会社製）、縫い糸：ポリエステルスパン３０番、縫い目長さ：２．０ｍｍ）
得られた縫製品の縫い幅は５．６ｍｍであり、繰返し洗濯後の外観変化は２．７点と洗濯による外観変化が無く、縫製部にモノフィラメントの突き出しもないものであった。
尚、ＰＥＴタフタaは以下のものを使用した。
【００３２】
経糸：ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント５６デシテックス／２４フィラメント
緯糸：ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント８４デシテックス／２４フィラメント
組織：タフタ
製織、ヒートセット仕上げ後の密度：タテ１１４本／２．５４ｃｍ、ヨコ８２本／２．５４ｃｍ
ミシン針の突き刺し強度：２．４５Ｎ
【００３３】
［実施例２］
実施例１において縫製をＪＵＫＩ（株）製の本縫いミシン（ＤＤＬ−５５５）を用いて本縫いを縫い幅が３ｍｍとなるように２回行い縫製品を得た。（縫製条件：ミシン針１４番（オルガン株式会社製）、縫い糸：ポリエステルスパン３０番、縫い目長さ：２．０ｍｍ）
得られた縫製品は繰返し洗濯後の外観変化は２．６点と洗濯による外観変化が無く、縫製部にモノフィラメントの突き出しも無い、極めて良好なものであった。
【００３４】
［実施例３］
実施例１において、立体編物を２枚積層、縁カバー材をＰＥＴタフタｂのアクリル樹脂加工品に変更、ミシンを３本針使用で針幅５．６ｍｍに変更した以外は実施例１と同様にして縫製品を得た。
得られた縫製品の縫い幅は５．６ｍｍであり、繰返し洗濯後の外観変化は２．９点と洗濯による外観変化が無く、縫製部にモノフィラメントの突き出しも無い、極めて良好なものであった。
尚、ＰＥＴタフタｂは以下のものを使用した。
【００３５】
経糸、緯糸：ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント仮撚糸１５７デシテックス／４８フィラメント
組織：タフタ
アクリル樹脂加工：アクリル樹脂が生地に対して約１５ｏｍｆ％になるように樹脂含浸し、１６０℃でヒートセットを行った。加工後の密度はタテ７５本／２．５４ｃｍ、ヨコ６１本／２．５４ｃｍ
ミシン針の突き刺し強度：５．４６Ｎ
【００３６】
［比較例１］
実施例２において縫製を１回のシングルステッチとした以外は実施例２と同様にして縫製品を得た。
得られた縫製品は繰返し洗濯後の外観変化は０．９点と洗濯による外観変化が無く、品位に劣るものであった。
【産業上の利用可能性】
【００３７】
本発明の縫製品はベッドパッド、座布団、肩パット、レガーズのクッション材、サポーターのクッション材、保温衣料等のライニング材、ヘルメットの内張り、人体保護パッド等、人体に接触するクッション材、 緩衝材、保型材等の用途に好適に用いることができる。さらには自動車、鉄道車両、航空機、チャイルドシート、ベビーカー等の乗り物座席シート用クッション材及び家具、事務用等の座席シート用クッション材にも用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【００３８】
【図１】千鳥縫い等のジグザグ縫いの場合の縫い幅を示す模式図。
【図２】３本のステッチで縫製した場合の縫い幅を示す模式図。
【符号の説明】
【００３９】
１…縁部カバー材、２…立体編物、３…ステッチ、４…縫い幅。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
表裏二層の編地と該二層の編地を連結する連結糸から構成された立体編物を１枚、または該１枚以上の立体編物と他素材とを２〜１０枚積層した立体編物を含む集合体の端部の外周を縁部カバー材にて縫製処理した縫製品であって、該縁部カバー材を縫製している全ステッチの縫製する長さ方向に対して直角方向の縫い幅が２〜４０ｍｍであることを特徴とする縫製品。
【請求項２】
縁部カバー材が２本以上のステッチで縫製されていることを特徴とする請求項１記載の縫製品。
【請求項１】
表裏二層の編地と該二層の編地を連結する連結糸から構成された立体編物を１枚、または該１枚以上の立体編物と他素材とを２〜１０枚積層した立体編物を含む集合体の端部の外周を縁部カバー材にて縫製処理した縫製品であって、該縁部カバー材を縫製している全ステッチの縫製する長さ方向に対して直角方向の縫い幅が２〜４０ｍｍであることを特徴とする縫製品。
【請求項２】
縁部カバー材が２本以上のステッチで縫製されていることを特徴とする請求項１記載の縫製品。
【図１】
【図２】
【図２】
【公開番号】特開２００６−２０００６８（Ｐ２００６−２０００６８Ａ）
【公開日】平成１８年８月３日（２００６．８．３）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−１２８６４（Ｐ２００５−１２８６４）
【出願日】平成１７年１月２０日（２００５．１．２０）
【出願人】（３０３０４６３０３）旭化成せんい株式会社 (548)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年８月３日（２００６．８．３）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年１月２０日（２００５．１．２０）
【出願人】（３０３０４６３０３）旭化成せんい株式会社 (548)
【Ｆターム（参考）】
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