説明

繊維性基材用無溶剤型ポリウレタン樹脂形成性接着剤組成物、該接着剤組成物を用いた積層体及び積層体の製造方法

【課題】繊維性基材への接着剤の浸透性を抑制し、樹脂表皮と繊維性基材との接着性に優れた繊維性基材用の無溶剤型ポリウレタン樹脂形成性接着剤組成物と接着剤組成物を用いた積層体及び積層体の製造方法を提供すること。
【解決手段】ポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)と、比表面積と含有量が規定された親水性ヒュームドシリカ(C)からなる繊維性基材用の無溶剤型ポリウレタン樹脂形成性接着剤組成物をポリウレタン樹脂表皮層又は繊維性基材上に塗布し、ポリウレタン樹脂表皮層と繊維性基材を貼り合わせ硬化させることによって、接着性や耐屈曲性に優れた積層体を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成皮革などの積層体に使用される繊維性基材用の無溶剤型ポリウレタン樹脂形成性接着剤組成物、該接着剤組成物を用いた積層体及び積層体の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタン樹脂の分野は、電子・電気材料、自動車・鉄道車両材料、土木・建築材料、衣料・食品材料、及び医療材料等多岐にわたっている。
このようなポリウレタン樹脂の利用分野のなかには、異種材料との貼り合わせに使用される接着剤がある。これらポリウレタン樹脂接着剤は、接着性能や耐久性などに優れることから、電気・電子、建築、土木、車両、衣料、及び医療材料分野で多く用いられている。
また、ポリウレタン樹脂接着剤は、作業性、加工性、接着性能、及びスジやピンホール等の外観不良を低減させる観点から、接着剤の溶媒として有機溶剤が多用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、近年、有機溶剤の使用は、加工中に揮発性有機化合物(VOC)として外部へ飛散することがあり、これが光化学オキシダントの原因となっている。光化学オキシダントは、光化学スモッグの原因となる物質であり、強力な酸化作用を持つことから、粘膜などへの健康被害を引き起こしたり、農作物などへの影響や温室効果に伴う地球温暖化などへ影響を及ぼしている。そのため、VOCの排出量の制限や規制の対策が講じられている。
また、衣料や医療材料分野に使用されるポリウレタン樹脂接着剤においては、直接人体に触れる機会が多く、残存した溶剤が皮膚アレルギー症状などの健康被害の原因となることが危惧されており、無溶剤化が急務となっていた。
【0004】
更に、衣料などにおいて、合成皮革などに使用される厚手の繊維性基材は空隙を多く持つ素材であることから、有機溶剤を用いた接着剤を使用した場合、有機溶剤が基材に浸透し易く、形成後の合成皮革の内部に有機溶剤が残存する恐れがあった。
この有機溶剤の残存量を低減するために、例えば、生産工程において乾燥時間の延長や乾燥温度を上げるなどの対策が行われてきた。しかしながら、工程時間の延長に伴う作業性の低下や工程設備の大型化に伴う設備投資の増大などの問題を抱えていた。
【0005】
このような背景の中で、これらの課題を解決するために、例えば、使用する樹脂の水系による無溶剤化が検討されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
また、溶媒を使用しない無溶剤化の手法としては、例えば、ポリオールと有機ポリイソシアネートとの二液化や熱可塑性ポリウレタン樹脂を溶融させて使用する方法が検討されている(例えば、特許文献3、及び特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−126562号公報
【特許文献2】特開2008−303250号公報
【特許文献3】特開2009−185260号公報
【特許文献4】特開2010−168692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載されたラミネート用印刷インキ組成物および印刷物並びにラミネート物は、ポリウレタン樹脂と、着色剤と、溶剤と、親水性ヒュームドシリカを含有することで、スジやピンホール等の外観不良を解決できるとされている。
【0009】
しかしながら、ラミネート用印刷インキ組成物は、有機溶剤を含むため、環境に配慮したものではなかった。また、組成物中に溶剤を含まない場合には、高粘度となり塗布性が低下する恐れがあった。
【0010】
特許文献2に記載された無溶剤型水系ポリウレタン樹脂組成物は、エポキシ化合物に不飽和カルボン酸を反応させたポリオールと、芳香族イソシアネートと、脂肪族・脂環族イソシアネートを用いることで、耐水性、耐溶剤性、及び耐アルカリ性に優れるとされている。
【0011】
しかしながら、無溶剤型水系ポリウレタン樹脂組成物は、平均粒径が70〜140nmの範囲で水に分散しているため、繊維性基材に接着剤層を貼り合わせした際に、接着剤が繊維性基材の空隙に浸透してしまい、本来の接着性能を十分に発揮することができない恐れがあった。
【0012】
また、作業面では乾燥に大きなエネルギーや時間を必要とし、実用面では、耐水性や耐加水分解性等が不足する恐れがあった。
更に、樹脂が水分散状態であるために、経時で凝集物の生成や沈降の発生が危惧されていた。
【0013】
また、特許文献3に記載の繊維積層体用表層材形成性組成物では、特定のポリオールとイソシアネートを使用することによって、強度と柔軟性のバランスに優れ、生産時の環境に優しい合成皮革、及び人工皮革が得られるとされている。
【0014】
しかしながら、積層体の形成方法は、基材と樹脂表皮層との接着に接着剤が使用されておらず、樹脂表皮層を一次硬化させた後、基材を貼り合わせ二次硬化させる方法や基材上に樹脂表皮層を塗布した後、硬化させる方法により基材と樹脂表皮層とを接着する手法が取られている。
このため、硬化状態によって接着性能のバラツキが大きくなり、合成皮革や人工皮革の耐久性が低下する恐れがあった。また、直接基材上に塗布した場合、樹脂が基材に染み込み、目的とした膜厚や外観が得られず、意匠性が低下する恐れがあった。
【0015】
また、特許文献4に記載の合成皮革の製造方法では、貼り合わせに使用する基材の圧力を調整することによって接着剤の染み込みを改善し良好な接着性を発現しているとされている。
【0016】
しかしながら、圧力の調整による接着においては、基材の素材や厚さによるバラツキが大きくなり、接着性能の低下の恐れがあった。
【0017】
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものである。
本発明の目的は、繊維性基材に対する接着剤の浸透性を抑制できることによって繊維性基材と樹脂表皮層との接着性に優れ、且つ合成皮革としての耐久性に優れた繊維性基材用の無溶剤型ポリウレタン樹脂形成性接着剤組成物、該接着剤組成物を用いた積層体及び積層体の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の繊維性基材用無溶剤型ポリウレタン樹脂形成性接着剤組成物は、ポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)と、親水性ヒュームドシリカ(C)からなることを特徴とする。
【0019】
また、ポリイソシアネート(B)が、ポリオールと有機ジイソシアネートとの反応により得られたイソシアネート基末端プレポリマーであることを特徴とする。
【0020】
また、親水性ヒュームドシリカ(C)が、BET法による比表面積が90〜400m/gであることを特徴とする。
【0021】
また、全樹脂量に対し、親水性ヒュームドシリカ(C)の含有量が3〜6%であることを特徴とする。
【0022】
また、ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)が、何れも常温で液状であることを特徴とする。
【0023】
また、繊維性基材と接着剤層と樹脂表皮層の三層から構成される積層体において、接着剤層が繊維性基材用無溶剤型ポリウレタン樹脂形成性接着剤組成物からなり、樹脂表皮層がウレタン樹脂であることを特徴とする。
【0024】
また、繊維性基材が、厚さ0.1〜10mmであり、JIS K7222に規定された見かけ密度が0.05〜0.5g/cmであることを特徴とする。
【0025】
また、繊維性基材が、有機繊維により構成されていることを特徴とする。
【0026】
また、繊維性基材用無溶剤型ポリウレタン樹脂形成性接着剤組成物をポリウレタン樹脂表皮層上に少なくとも10g/m塗布し、繊維性基材を貼り合わせ、硬化させることを特徴とする。
【0027】
また、繊維性基材用無溶剤型ポリウレタン樹脂形成性接着剤組成物を繊維性基材上に少なくとも10g/m塗布し、ポリウレタン樹脂表皮層を貼り合わせ、硬化させることを特徴とする。
【0028】
また、90〜150℃で積層体を熱硬化させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明の繊維性基材用無溶剤型ポリウレタン樹脂形成性接着剤組成物とその接着剤組成物を用いた積層体及び積層体の製造方法によれば、繊維性基材に対する接着剤の浸透性を抑制できることによって、無溶剤でありながら、繊維性基材と樹脂表皮層との接着性に優れ、且つ合成皮革としての耐久性に優れた積層体が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の実施の形態について、以下に説明する。
【0031】
本発明の繊維性基材用無溶剤型ポリウレタン樹脂形成性接着剤組成物は、有機溶剤や水等の溶媒を一切使用しない完全無溶剤型の接着剤組成物であり、ポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)と、親水性ヒュームドシリカ(C)とを配合してなる。
【0032】
本発明に使用されるポリオール(A)としては、特に限定されるものではないが、イソシアネート基の反応基として活性水素基を含有する化合物であり、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、シリコーンポリオール、ヒマシ油系ポリオール、2種類以上のポリオールのエステル交換物、及びポリイソシアネートとウレタン化反応した水酸基末端プレポリマー等が好適に用いられ、これらは1種類又は2種類以上の混合物として使用できる。
【0033】
<ポリエステルポリオール>
ここで、ポリエステルポリオールの具体例としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、グルタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、α−ハイドロムコン酸、β−ハイドロムコン酸、α−ブチル−α−エチルグルタル酸、α,β−ジエチルサクシン酸、マレイン酸、フマル酸等のジカルボン酸またはこれらの無水物等の1種類以上と、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の分子量500以下の低分子ポリオール類の1種類以上との縮重合反応から得られるものを挙げることができる。また、ε−カプロラクトン、アルキル置換ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、アルキル置換δ−バレロラクトン等の環状エステル(いわゆるラクトン)モノマーの開環重合から得られるラクトン系ポリエステルポリオール等を挙げることができる。更に、低分子ポリオールの一部をヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、モノエタノールアミン等の低分子ポリアミンや低分子アミノアルコールに代えて得られるポリエステル−アミドポリオールを使用することもできる。
【0034】
<ポリエーテルポリオール>
ポリエーテルポリオールの具体例としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールA、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオール類、またはエチレンジアミン、プロピレンジアミン、トルエンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、キシリレンジアミン等の低分子ポリアミン類等のような活性水素基を2個以上、好ましくは2〜3個有する化合物を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のようなアルキレンオキサイド類を付加重合させることによって得られるポリエーテルポリオール、或いはメチルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテル類、フェニルグリシジルエーテル等のアリールグリシジルエーテル類、テトラヒドロフラン等の環状エーテルモノマーを開環重合することで得られるポリエーテルポリオールを挙げることができる。
【0035】
<ポリカーボネートポリオール>
ポリカーボネートポリオールの具体例としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオールの1種類以上と、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のアルキレンカーボネート類、ジフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ジアントリルカーボネート、ジフェナントリルカーボネート、ジインダニルカーボネート、テトラヒドロナフチルカーボネート等のジアリールカーボネート類との脱アルコール反応や脱フェノール反応から得られるものを挙げることができる。
また、ポリカーボネートポリオールとポリエステルポリオールと低分子ポリオールのエステル交換反応により得られたポリオールも好適に用いることができる。
【0036】
<ポリオレフィンポリオール>
ポリオレフィンポリオールの具体例としては、水酸基を2個以上有するポリブタジエン、水素添加ポリブタジエン、ポリイソプレン、水素添加ポリイソプレン等を挙げることができる。
【0037】
<アクリルポリオール>
アクリルポリオールとしては、アクリル酸エステルまたは/及びメタクリル酸エステル〔以下(メタ)アクリル酸エステルという〕と、反応点となりうる少なくとも分子内に1個以上の水酸基を有するアクリル酸ヒドロキシ化合物または/及びメタクリル酸ヒドロキシ化合物〔以下(メタ)アクリル酸ヒドロキシ化合物という〕と、重合開始剤とを熱エネルギーや紫外線または電子線などの光エネルギー等を使用し、アクリルモノマーを共重合したものを挙げることができる。
【0038】
<(メタ)アクリル酸エステル>
ここで(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、炭素数1〜20のアルキルエステルものを挙げることができる。このような(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシルのような(メタ)アクリル酸アルキルエステル;シクロヘキシル(メタ)アクリレートのような(メタ)アクリル酸の脂環属アルコールとのエステル;(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジルのような(メタ)アクリル酸アリールエステルを挙げることができる。このような(メタ)アクリル酸エステルは単独または2種類以上組み合わせのものを挙げることができる。
【0039】
<(メタ)アクリル酸ヒドロキシ化合物>
(メタ)アクリル酸ヒドロキシ化合物の具体例としては、ポリイソシアネート(B)との反応点となりうる少なくとも分子内に1個以上の水酸基を有しており、具体的には、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどのアクリル酸ヒドロキシ化合物が挙げられる。また、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピルメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレートなどのメタクリル酸ヒドロキシ化合物が挙げられる。これらアクリル酸ヒドロキシ化合物または/及びメタクリル酸ヒドロキシ化合物は、単独または2種以上を組み合わせのものを挙げることができる。
【0040】
<シリコーンポリオール>
シリコーンポリオールの具体例としては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどを重合したビニル基含有シリコーン化合物、及び分子中に少なくとも1個の末端水酸基を有する、α,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン、α,ω−ジヒドロキシポリジフェニルシロキサン等のポリシロキサンを挙げることができる。
【0041】
<ヒマシ油系ポリオール>
ヒマシ油系ポリオールの具体例としては、ヒマシ油脂肪酸とポリオールとの反応により得られる線状または分岐状ポリエステルポリオールが挙げられる。また、脱水ヒマシ油、一部分を脱水した部分脱水ヒマシ油、水素を付加させた水添ヒマシ油も使用することができる。
【0042】
また、ポリオール(A)は、1分子中の活性水素基数(平均官能基数)が1.9〜4.0であることが好ましい。活性水素基数が下限値未満の場合には、十分な接着強度が得られず、繊維性基材と樹脂表皮層とで剥離を生じる恐れがある。また、上限値を超える場合には、耐寒屈曲性等の性能が低下する恐れがある。
【0043】
また、ポリオール(A)の数平均分子量は、750〜5000の範囲にあることが好ましい。下限値未満の場合には、ウレタン結合間距離が短くなることで、接着剤の弾性が高くなり、接着性が低下する恐れがある。また、上限値を超える場合は、ポリオールの粘度が著しく高くなり、作業性の低下や混合不良が生じる恐れがある。
【0044】
本発明に使用されるポリイソシアネート(B)としては、有機ジイソシアネート単独でも使用することが可能であるが、臭気、混合性の向上、発熱による樹脂表皮の変形の抑制、水分との反応による発泡の抑制、及び硬化時間の短縮の観点から、ポリオール(A)で挙げられた、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、シリコーンポリオール、ヒマシ油系ポリオール、2種類以上のポリオールのエステル交換物から選ばれる少なくとも1種類のポリオール、と有機ジイソシアネートとの反応によって得られるイソシアネート基末端プレポリマーであることが好ましい。
【0045】
ここで、使用される有機ジイソシアネートとしては、特に限定されるものではなく、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、これらの有機ジイソシアネートを原料として得られるイソシアヌレート基含有ポリイソシアネート、ウレトジオン基含有ポリイソシアネート、ウレトジオン基及びイソシアヌレート基含有ポリイソシアネート、ウレタン基含有ポリイソシアネート、アロファネート基含有ポリイソシアネート、ビュレット基含有ポリイソシアネート、ウレトイミン基含有ポリイソシアネート等を挙げることができ、単独またはまたは2種以上を併用することができる。
【0046】
<芳香族ジイソシアネート>
ここで、芳香族ジイソシアネートの具体例としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート/2,6−トリレンジイソシアネート混合物、キシレン−1,4−ジイソシアネート、キシレン−1,3−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート/4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート混合物、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジフェニルプロパン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネート等を挙げることができる。
【0047】
<脂肪族ジイソシアネート>
脂肪族イソシアネートの具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、2−メチル−ペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチル−ペンタン−1,5−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリオキシエチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
【0048】
<脂環族ジイソシアネート>
脂環族ジイソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシレンジイソシアネート等を挙げることができる。
【0049】
<芳香脂肪族ジイソシアネート>
芳香脂肪族ジイソシアネートの具体例としては、1,3−または1,4−キシリレンジイソシアネート若しくはその混合物、1,3−または1,4−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼン若しくはその混合物、ω,ω′−ジイソシアナト−1,4−ジエチルベンゼン等を挙げることができる。
【0050】
ポリイソシアネート(B)として使用されるイソシアネート基末端プレポリマーの製造方法としては、最初に、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールから選ばれる少なくとも1種類のポリオール、及び水酸基に対して、イソシアネート基が過剰量になる量の有機ジイソシアネートを仕込み、窒素ガス、若しくは乾燥空気気流下でウレタン化反応進行させる。
【0051】
ここで、「イソシアネート基が過剰量になる量」とは、原料仕込みの際、有機ジイソシアネートのイソシアネート基とポリオールの水酸基のモル比が、イソシアネート基/水酸基(=R)で6〜40になるように仕込むことが好ましく、更に好ましくは、R=7〜30になるように仕込むことが好ましい。下限未満の場合には、目的物よりも分子量の高いポリイソシアネートの生成物量が多くなり、粘度の上昇や加工性の低下を招く恐れがある。上限を超える場合には生産性や収率の低下を招く恐れがある。
【0052】
ウレタン化反応の反応温度は、20〜120℃であり、好ましくは50〜100℃である。また、ウレタン化反応を行う際は、公知のウレタン化触媒を用いることができる。ここで触媒の具体例としては、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート等の有機金属化合物や、トリエチレンジアミンやトリエチルアミン等の有機アミンやその塩を選択して用いる。これらの触媒は、単独または2種以上を併用して用いることができる。
【0053】
ウレタン化反応の反応時間は、触媒の有無、種類により異なるが、一般には10時間以内、好ましくは1〜5時間である。
【0054】
また、ポリイソシアネート(B)の高官能基化やイソシアネート基含有量を向上させるために、上記ウレタン化反応後のイソシアネート基末端プレポリマーやモノオールと有機ジイソシアネートをウレタン化反応させたイソシアネート基末端プレポリマーにアロファネート化触媒を添加し、アロファネート化反応を行ってもよい。
【0055】
ここで、アロファネート化触媒としては、公知の触媒から適宜選択して用いることができ、例えば、カルボン酸の金属塩を用いることができる。
カルボン酸の具体例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、オクチル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、2−エチルヘキサン酸等の飽和脂肪族カルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸等の飽和単環カルボン酸、ビシクロ(4.4.0)デカン−2−カルボン酸等の飽和複環カルボン酸、ナフテン酸等の上述したカルボン酸の混合物、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、大豆油脂肪酸、トール油脂肪酸等の不飽和脂肪族カルボン酸、ジフェニル酢酸等の芳香脂肪族カルボン酸、安息香酸、トルイル酸等の芳香族カルボン酸等のモノカルボン酸類;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、グルタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、α−ハイドロムコン酸、β−ハイドロムコン酸、α−ブチル−α−エチルグルタル酸、α,β−ジエチルサクシン酸、マレイン酸、フマル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等のポリカルボン酸類が挙げられる。
【0056】
また、カルボン酸の金属塩を構成する金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム、バリウム等のアルカリ土類金属、アルミニウム等のホウ素族の金属、スズ、鉛等の炭素族の金属、亜鉛等の亜鉛族の金属、チタン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ジルコニウム等の遷移金属などが挙げられる。
これらのカルボン酸金属塩は、単独でまたは2種以上を併用することができる。尚、アロファネート化触媒の使用量は、イソシアネート基末端プレポリマーに対して0.001〜0.1質量%の範囲で添加することが好ましい。
【0057】
また、ウレタン化反応、又はアロファネート化反応後、必要に応じて、反応混合物中に存在している遊離の未反応の有機ジイソシアネートを、例えば、0.1kPa以下の高真空下、120〜180℃における薄膜蒸留により、1.0質量%以下の残留含有率まで除去することも可能である。
【0058】
このようにして得られたイソシアネート基末端プレポリマーのイソシアネート基含有量は、4〜25質量%である。イソシアネート基含有量が下限値未満の場合には、十分な接着強度が得られず、繊維性基材と樹脂表層との間で剥離を生じる恐れがある。また、イソシアネート基含有量が上限値を超える場合には、水分との反応による貯蔵安定性の低下やポリオールとの混合不良によるダマや凝集物を生成する恐れがある。
【0059】
また、ポリイソシアネート(B)の分子量としては、液性、加工性、及び混合性の観点から、数平均分子量が750〜5000の範囲であることが好ましい。下限値未満の場合には、臭気の問題やウレタン結合間距離が短くなるために柔軟性の低下が生じる恐れがある。また、上限値を超える場合は、ポリイソシアネートの粘度が著しく高くなり、作業性の低下や混合不良が生じる恐れがある。
【0060】
また、ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)との配合割合は、特に厳密に限定するものではないが、ポリイソシアネートのイソシアネート基とポリオール中の水酸基のモル比が、R=イソシアネート基/水酸基で0.90〜1.30となるように配合することが好ましい。下限値未満の場合には、十分な接着強度が得られず、繊維性基材と樹脂表層との間で剥離を生じる恐れがある。また、上限値を超える場合は、未反応のイソシアネートが過剰量になり、発泡や膨れの原因になる恐れがある。
【0061】
本発明の親水性ヒュームドシリカ(C)は、繊維性基材への接着剤組成物の浸透性を抑制することを目的として使用される。親水性ヒュームドシリカは、四塩化ケイ素を水素火炎中で燃焼加水分解するドライプロセスや珪酸ソーダと酸により縮合反応させるウェットプロセスによって合成された二酸化ケイ素であり、表面にシラノール基を持つシリカである。本発明においては、付着水による接着剤の発泡や膨れを抑制するために、ドライプロセスによって得られた親水性ヒュームドシリカが用いられる。
【0062】
<親水性ヒュームドシリカ(C)>
ここで親水性ヒュームドシリカの具体例としては、AEROSIL50(日本アエロジル社製、比表面積:50m/g)、AEROSIL90G(日本アエロジル社製、比表面積:90m/g)、AEROSIL130(日本アエロジル社製、比表面積:130m/g)、AEROSIL200(日本アエロジル社製、比表面積:200m/g)、AEROSIL200V(日本アエロジル社製、比表面積:200m/g)、AEROSIL200CF(日本アエロジル社製、比表面積:200m/g)、AEROSIL200FAD(日本アエロジル社製、比表面積:200m/g)、AEROSIL300(日本アエロジル社製、比表面積:300m/g)、AEROSIL300CF(日本アエロジル社製、比表面積:300m/g)、AEROSIL380(日本アエロジル社製、比表面積:380m/g)、AEROSILTT60(日本アエロジル社製、比表面積:200m/g)、ML−367(東海化学工業所社製、比表面積:300m/g)、ML−369(東海化学工業所社製、比表面積:300m/g)、ML−361(東海化学工業所社製、比表面積:300m/g)、ML−367W(東海化学工業所社製、比表面積:300m/g)、ML−369W(東海化学工業所社製、比表面積:300m/g)、ML−386(東海化学工業所社製、比表面積:300m/g)、ML−389(東海化学工業所社製、比表面積:300m/g)、ML−381(東海化学工業所社製、比表面積:300m/g)、ML−386Y(東海化学工業所社製、比表面積:300m/g)、ML−644(東海化学工業所社製、比表面積:600m/g)、ML−836(東海化学工業所社製、比表面積:850m/g)、HDKS13(旭化成社製、比表面積:125m/g)、HDKV15(旭化成社製、比表面積:150m/g)、HDKV15P(旭化成社製、比表面積:150m/g)、HDKN20(旭化成社製、比表面積:200m/g)、HDKN20P(旭化成社製、比表面積:200m/g)、HDKT30(旭化成社製、比表面積:300m/g)、HDKT40(旭化成社製、比表面積:400m/g)などが挙げられる。これらは単独であるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0063】
前述の親水性ヒュームドシリカ(C)が配合された無溶剤型繊維性基材用ポリウレタン樹脂形成性接着剤組成物は、加熱することによって親水性ヒュームドシリカ表面のシラノール基の脱水縮合反応が行われ、接着剤組成中でヒュームドシリカの三次元架橋物を形成する。この反応の進行に伴い接着剤組成物の粘度が上昇し、更に、多孔質の繊維性基材への接着剤の浸透性が抑制されることで、繊維性基材と樹脂表皮層との層間に接着性に優れた接着剤層を形成することができる。
【0064】
この一連の効果に優れた親水性ヒュームドシリカ(C)としては、BET法による比表面積において90〜400m/g範囲であることが好ましい。下限値未満の場合には、繊維性基材への接着剤の浸透性の抑制が不十分になる場合があり、接着性能が低下する恐れがある。また、上限値を超える場合には、混合不良、粘度上昇に伴う加工性の低下を生じる恐れがある。また、一部分に接着剤が塗布されない接着剤抜けなどを生じ、接着性不良を生じる恐れがある。
【0065】
また、親水性ヒュームドシリカ(C)の含有量は、樹脂全量に対して、3〜6%の範囲にあることが好ましい。下限値未満の場合には、繊維性基材への接着剤組成物の浸透性の抑制が不十分になる場合があり、接着性能や耐屈曲性の低下を招く恐れがある。また、上限値を超える場合には、粘度上昇に伴う加工性の低下を生じる恐れがある。また、一部分に接着剤が塗布されない接着剤抜けなどを生じ、接着性不良を生じる恐れがある。
【0066】
また、120℃における粘度と80〜90℃に有する変曲点の粘度の比率が120℃の粘度/変曲点の粘度=1以上であることが好ましい。下限値未満の場合には、親水性ヒュームドシリカの三次元架橋物の生成量が少なく、繊維性基材への接着剤組成物の浸透性の抑制が不十分になる場合がある。
【0067】
また、ポリオール(A)及びポリイソシアネート(B)は、いずれか一方または双方が常温で固体状であってもよい。但し、貯蔵や運搬等の際の取扱性や、接着剤組成物の配合時に加熱溶融処理を不要とする観点からは、ポリオール、及びポリイソシアネートはいずれも常温で液体状であることが好ましい。
【0068】
本発明によって得られた繊維性基材用無溶剤型ポリウレタン樹脂形成性接着剤組成物には、必要に応じて、触媒、反応遅延剤、反応抑制剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、難燃剤、加水分解抑制剤、潤滑剤、可塑剤、充填材、帯電防止剤、分散剤、貯蔵安定剤、抗カビ剤等の添加剤を適宜配合することができる。
【0069】
本発明の無溶剤型ポリウレタン樹脂形成性接着剤組成物を使用した積層体は、繊維性基材と接着剤層と樹脂表皮層の三層から構成される。また、積層様態としては、繊維性基材層上に、無溶剤型ポリウレタン樹脂形成性接着剤組成物を形成し、当該接着剤層上に、樹脂表皮層を形成されたものである。このように接着剤層を形成することによって、耐摩耗性や耐屈曲性等に優れた積層体となる。
【0070】
<繊維性基材>
ここで繊維性基材としては、有機繊維により構成されていれば特に限定されるものではないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ナイロン6、ナイロン66、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、セルロース、ポリ乳酸、綿、ウールから選ばれる少なくとも1種類を主成分とする有機繊維を挙げることができる。また、強度や不燃性の効果を付与するために、必要に応じ、ガラスウールなどの無機繊維や炭素繊維を併用することも可能である。
更には、これらの繊維性基材への接着性を上げることを目的として、繊維性基材表面をコロナ放電処理、フレーム処理、紫外線照射処理、プライマー処理、及びオゾン処理等の処理を施したものを使用することもできる。
【0071】
また、繊維性基材の性状としては、厚さが0.1〜10mmであり、JIS K7222に規定された見かけ密度が0.05〜0.5g/cmであることが好ましい。下限値未満の場合には、接着剤組成物の浸透性が高くなり接着性の低下を招く恐れがある。また、上限値を超える場合には耐屈曲性の低下を招く恐れがある。
【0072】
また、本発明の繊維性基材用無溶剤型ポリウレタン樹脂形成性接着剤組成物を使用した積層体の製造方法としては、(1)離型性支持体に樹脂表皮層を形成し、更に樹脂表皮層上に接着剤組成物を塗布し、繊維性基材と貼り合わせ後、加熱硬化する製造方法や、(2)繊維性基材上に接着剤組成物を塗布し、接着剤組成物上に予め離型性支持体に形成していた樹脂表皮層を貼り合わせる製造方法が挙げられる。
【0073】
ここで、積層体を熱硬化させる温度としては90〜150℃であることが好ましい。下限値未満の場合には、親水性ヒュームドシリカ(C)表面に存在するシラノール基の脱水縮合反応が十分に起こりづらく、浸透性の抑制効果が得られないため、接着性の低下を招く恐れがある。また、上限値を超える場合、積層体の熱劣化を生じ耐久性が低下する恐れがある。
【0074】
前述における樹脂表皮層としては、溶剤系や無溶剤系、または一液や二液系に関わらずウレタン樹脂が使用される。ウレタン樹脂の具体例としては、ポリカーボネート系ウレタン樹脂、ポリエステル系ウレタン樹脂、ポリエーテル系ウレタン樹脂、フッ素系ウレタン樹脂、シリコーン系ウレタン樹脂、ヒマシ油系ウレタン樹脂、オレフィン系ウレタン樹脂等が挙げられる。これらは単独であるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。中でもVOC、耐摩耗性、及び耐久性の観点から無溶剤系のポリカーボネート系ウレタン樹脂が好適に使用される。
【0075】
また、本発明のポリウレタン樹脂形成性接着剤組成物は、樹脂表皮層または繊維性基材上に少なくとも10g/m塗布される。下限値未満の場合には、接着性が低下する恐れがある。
【0076】
また、本発明の無溶剤型ポリウレタン樹脂形成性接着剤組成物を塗布する方法としては、ナイフ塗布、ワイヤーバー塗布、ドクターブレード塗布、リバースロール塗布、カレンダー塗布等の公知技術の方法により、接着剤組成物を形成することができる。
【0077】
本発明の繊維性基材用無溶剤型ポリウレタン樹脂形成性接着剤組成物を用いて製造された積層体は、接着性、耐磨耗性、耐屈曲性に優れているため、合成皮革として車両用、衣料用、靴用、鞄用、袋物用等に有用である。
【実施例】
【0078】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0079】
<ポリオール(A)の合成>
<合成例1>
攪拌機、温度計、加熱装置、蒸留塔を備えた容量2リットルの四つ口フラスコに、3−メチル−1,5−ペンタンジオールを519g、ジエチルカーボネートを481g、触媒としてテトラ−n−ブトキシチタンを0.01g仕込み、これらを撹拌しながら窒素ガスバブリングし、留出開始温度から徐々に温度を昇温した。また、130℃で留出が止まった時点で副生したエタノールの生成量は、累積で理論留出量の83%であった。次に、反応温度160℃で、1.3kPaまで徐々に減圧を行い、1.3kPaの減圧度で分子末端エチル基が0.1KOHmg/g以下になるまで反応を行い、常温液状のポリオール1を得た。
得られたポリオール1は、JIS K1557に準じた方法により測定した水酸基価が56.3KOHmg/g、エチル基価が0.02KOHmg/g、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による数平均分子量が1990、25℃における粘度が4300mPa・sであった。
【0080】
<GPC:分子量の測定>
・測定器:「HLC−8120」(東ソー社製)
・カラム:「TSKguardcolumn HXL−L」(東ソー社製)
粒径=6μm、サイズ=6mmID×30cm×4本
・キャリア:テトラヒドロフラン(THF)
・検出器:視差屈折
・サンプル:0.1%THF溶液
・検量線:ポリスチレン
【0081】
<水酸基価の測定>
・測定器:「HV−12D」(ニチユ・テクノ社製)
・フタル化剤(組成比):無水フタル酸/イミダゾール/ピリジン=100/16/600
・中和剤:1mol/l水酸化ナトリウム水溶液
【0082】
<合成例2>
攪拌機、温度計、冷却管、および酸素ガス導入管を備えた容量2リットルの四つ口フラスコに、ポリエーテルポリオール(サンニックスPP−1000、数平均分子量:1000、三洋化成社製)を756g、1,4−ブタンジオールを68g、2,4−トリレンジイソシアネートを176g仕込み、これらを撹拌しながら窒素ガスバブリングし、80℃で5時間ウレタン化反応を行い、常温液状のポリオール2を得た。
得られたポリオール2は、水酸基含有量をJIS K1557に準じた方法により測定した水酸基価が56.1KOHmg/g、GPCによる数平均分子量が2050、25℃における粘度が23400mPa・sであった。
【0083】
<ポリイソシアネート(B)の合成>
<合成例3>
攪拌機、温度計、冷却管、および酸素ガス導入管を備えた容量2リットルの四つ口フラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネートを700g、数平均分子量650のポリテトラメチレングリコール(PTG−650、数平均分子量:650、保土谷化学工業社製)を300g仕込み、これらを撹拌しながら窒素ガスバブリングし、80℃で4時間ウレタン化反応を行った。
この反応液を140℃×0.04kPaで薄膜蒸留を行い、未反応のHDIを取り除くことによってイソシアネート基末端プレポリマーのポリイソシアネート1を得た。
得られたポリイソシアネート1は、NCO含有量が8.0質量%、25℃における粘度が1050mPa・sであった。また、未反応のHDIは、GPCにより測定したところ、0.1質量%であった。
【0084】
<合成例4>
攪拌機、温度計、冷却管、および酸素ガス導入管を備えた容量2リットルの四つ口フラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネートを966g、イソプロピルアルコールを34g、仕込み、これらを撹拌しながら窒素ガスバブリングし、80℃でウレタン化反応を2時間行った。その後、オクチル酸ジルコニール(第一稀元素化学工業社製、オクチル酸ジルコニウム)を0.05g添加し、110℃でアロファネート化反応を2時間行った。NCO含有量が43.4質量%に達した後、JP−508(城北化学工業社製、酸性リン酸エステル)を0.06g添加し、停止反応を行い、反応液を室温に冷却した。
この反応液を140℃×0.04kPaで薄膜蒸留をすることで未反応のHDIを取り除くことによってアロファネート基含有イソシアネートのポリイソシアネート2を得た。
得られたポリイソシアネート2は、NCO含有量が21.2質量%、25℃における粘度が410mPa・s、GPCにより測定したところ、未反応のHDIは0.1質量%であった。
【0085】
<繊維性基材用無溶剤型ポリウレタン樹脂形成性接着剤組成物の配合>
配合量は、表1〜表3に示すように、ポリオール(A)と、親水性ヒュームドシリカ(C)を配合し、スリーワンモータで撹拌速度300rpm×10min行った。その後、硬化反応を促進する触媒と、反応遅延剤と、ポリイソシアネート(B)をR(イソシアネート基/水酸基のモル比)=1になるように配合し、繊維性基材用無溶剤型ポリウレタン樹脂形成性接着剤組成物を得た。
【0086】
<ウレタン樹脂表皮層用樹脂の配合>
ポリオール(A)で得られたポリオール1と、ルチル型酸化チタン(製品名:CR−90、石原産業社製)を樹脂全量に対して2質量%配合し、スリーワンモータで撹拌速度300rpm×10min行った。その後、硬化反応を促進する触媒(ジオクチル錫ジラウレート:DOTDL)と、ポリイソシアネート(B)で得られたポリイソシアネート1をR(イソシアネート基/水酸基のモル比)=1になるように配合し、ウレタン樹脂表皮層用樹脂液を得た。
【0087】
<積層体の作製>
以下の二種類の製造方法で積層体を作製した。
<製造方法1>
第1工程:調整したウレタン樹脂表皮層用樹脂液をポリエチレンラミネートされた剥離紙上に流し、バーコーターにて厚さ100μmになるように塗布。その後、120℃×10min硬化させウレタン樹脂表皮層を形成。
第2工程:第1工程で得られたウレタン樹脂表皮層の上に繊維性基材用無溶剤型ポリウレタン樹脂形成性接着剤組成物をバーコーターにて任意の厚さになるように塗布。その後、繊維性基材を貼り合わせ、2kgの圧着ローラーで圧着し、任意の温度で硬化させ積層体を作製。
<製造方法2>
第1工程:調整したウレタン樹脂表皮層用樹脂液をポリエチレンラミネートされた剥離紙上に流し、バーコーターにて厚さ100μmになるように塗布。その後、120℃×10min硬化させウレタン樹脂表皮層を形成。
第2工程:繊維性基材上に繊維性基材用無溶剤型ポリウレタン樹脂形成性接着剤組成物をバーコーターにて任意の厚さになるように塗布。その後、第1工程で得られたウレタン樹脂表皮層を貼り合わせ、2kgの圧着ローラーで圧着し、任意の温度で硬化させ積層体を作製。
【0088】
実施例1〜実施例20、及び比較例1〜比較例4の接着剤組成物の配合処方(単位はポリオール(A)及びポリイソシアネート(B)を100重量部の場合の配合重量部である。)と諸特性を表1〜表3に示す。また、実施例1、実施例8〜実施例10、及び比較例1〜比較例4に使用されるポリオール(A)と親水性ヒュームドシリカ等の添加剤を配合した混合液の粘度−温度曲線をそれぞれ図1、及び図2に示す。
【0089】

【表1】

【0090】

【表2】

【0091】

【表3】

【0092】
表1〜表3に用いられる原料の略記号は以下の通り。
・ポリオール1:ポリカーボネートポリオール、数平均分子量:1990、水酸基価:56.3KOHmg/g、エチル基価:0.02KOHmg/g
・ポリオール2:水酸基末端ウレタンプレポリマー(PP−1000/1,4−BG/TDI)、数平均分子量:2050、水酸基価:56.1KOHmg/g
・ポリオール3:アクリル樹脂、東亞合成社製、製品名:UH−2023、数平均分子量:2040、水酸基価:110.0KOHmg/g
・ポリイソシアネート1:ウレタン基含有イソシアネート(HDI/PTMG)、NCO含有量:8.0質量%
・ポリイソシアネート2:アロファネート基含有イソシアネート(HDI/IPA)、NCO含有量:21.2質量%
・ポリイソシアネート3:ポリメリックMDI、二核体量:40質量%、NCO含有量:31.1質量%
・AEROSIL50:親水性ヒュームドシリカ、日本アエロジル社製、比表面積:50m/g
・AEROSIL200:親水性ヒュームドシリカ、日本アエロジル社製、比表面積:200m/g
・ML−644:親水性ヒュームドシリカ、東海化学工業所社製、比表面積:600m/g
・AEROSILR812S:疎水性ヒュームドシリカ、日本アエロジル社製、比表面積:220m/g
・CR−90:ルチル型酸化チタン、石原産業社製、平均粒子径:0.25μm
・ゼオラムA−3:合成ゼオライト、東ソー社製、平均粒径:14μm
・繊維性基材1:ナイロン6繊維、厚さ:1.0mm、見かけ密度:0.320g/cm
・繊維性基材2:ポリエステル繊維、厚さ:1.0mm、見かけ密度:0.112g/cm
・繊維性基材3:ポリエステル繊維、厚さ:1.4mm、見かけ密度:0.072g/cm
・DOTDL:ジオクチル錫ジラウレート
・JP−508:酸性リン酸エステル(城北化学工業社製)
【0093】
表1〜表3に示すように、実施例1〜実施例20に使用されるポリオール(A)と親水性ヒュームドシリカを配合した混合液は、経時における添加剤の沈降が見られず貯蔵安定性に優れ、繊維性基材用無溶剤型ポリウレタン樹脂形成性接着剤組成物を用いた積層体は、接着性、耐摩耗性、及び耐屈曲性に優れている。
これに対して、比較例1、及び比較例2の接着剤組成物、及び該接着剤組成物を用いた積層体は、剥離状態が繊維性基材と樹脂表皮層の界面剥離であり、耐屈曲性試験において一部樹脂表皮の浮きが見られるものであった。また、比較例3、及び比較例4の酸化チタン、及び合成ゼオライトを配合した混合液は、経時により添加剤の沈降が見られ貯蔵安定性に劣るものであり、ポリウレタン樹脂形成性接着剤組成物を用いた積層体は、積層体の接着性、耐摩耗性、及び耐屈曲性に劣るものであった。
【0094】
図1、及び図2に示すように、実施例1、実施例8〜実施例10に使用されるポリオール(A)と親水性ヒュームドシリカを配合した混合液の粘度−温度曲線は、80〜90℃付近に変曲点を有し、この付近より脱水縮合反応を生じるため、温度上昇とともに粘度が上昇していることが分かる。
これに対して、比較例1〜比較例4は変曲点を持たず、温度の上昇とともに粘度が低下するものであった。
【0095】
(1)評価試験1:
<貯蔵安定性試験>
ポリオール(A)と親水性ヒュームドシリカ等の添加剤を配合した混合液を25℃×7日間放置後、目視により添加剤の沈降の有無を確認した。
【0096】
<評価基準>
・添加剤の沈降がある:不合格(評価:×)
・添加剤の沈降がない:合格(評価:○)
【0097】
(2)評価試験2:
<耐摩耗性>
JIS L1096に準じ、テーバー摩耗試験機(安田精機製作所社製)により、荷重1kg、円板回転速度60rpm×500回転、磨耗輪H−22を使用し、磨耗性を測定した。
【0098】
<評価基準>
・等級1:貫通孔を生じたもの(不合格、評価:×)
・等級2:樹脂表皮層を越えて繊維性基材の一部が破壊されたもの(不合格、評価:×)
・等級3:樹脂表皮層の大部分が消滅したもの(不合格、評価:×)
・等級4:樹脂表皮層の一部が消滅したもの(合格、評価:△)
・等級5:外観の変化が認められないもの(合格、評価:○)
【0099】
(3)評価試験3:
<接着力・剥離状態>
日本ケミカルシューズ工業組合作成「ケミカルシューズ試験方法」に準じ、繊維性基材と樹脂表皮層の接着力、及び剥離状態を測定した。
【0100】
<試験片の作製及び評価方法>
作製した積層体から幅25mm、長さ150mmの短冊状片を2本切り出し、一本の短冊状片を長さ方向の一端から100mmまでR(イソシアネート基/水酸基のモル比)=1に配合したポリオール1とポリイソシアネート1を評価用接着剤として樹脂表皮層上に塗布し、残りの短冊状片の樹脂表皮層側と貼り合わせた。2kgのハンドローラーで接着剤層に気泡が入らないように圧着し、40℃×24時間放置して試験片とした。
試験片を予め20mm剥離し、テンシロンUTA−500(オリエンテック社製)引張試験機のつかみ具に両片をはさみ、剥離速度50mm/minで接着力と剥離状態を評価した。
【0101】
<評価基準>
・繊維性基材と樹脂表皮層間で界面剥離する:不合格(評価:×)
・繊維性基材と樹脂表皮層間での界面剥離と繊維性基材の破壊とが混在している:合格(評価:△)
・繊維性基材の破壊を生じる:合格(評価:○)
【0102】
(4)評価試験4:
<耐屈曲性>
JIS K6505に準じ、フレキシオメーター(安田精機製作所社製)により、温度25℃、屈曲回数30000回行い耐屈曲性を測定した。
【0103】
<評価基準>
・等級1:部分的に切断を生じたもの(不合格、評価:×)
・等級2:樹脂表皮層を越えて繊維性基材の一部に亀裂を生じたもの(不合格、評価:×)
・等級3:樹脂表皮層を越えて繊維性基材との界面に達する亀裂及び樹脂表皮層の大部分の浮きを生じたもの(不合格、評価:×)
・等級4:僅かに樹脂表皮層の浮きを生じたもの(合格、評価:△)
・等級5:変化が認められないもの(合格、評価:○)
【0104】
(5)評価試験5:
<増粘性>
ポリオール(A)と親水性ヒュームドシリカ等の添加剤を配合した混合液をJIS K7117−1に準じ、アルミニウム製サンプルパンに約13g採取し、ブルックフィールド粘度計(ブルックフィールド社製)により、回転速度5rpm条件下における80〜90℃における変曲点と120℃の粘度を測定し、120℃の粘度/変曲点の粘度の比率を算出した。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】ポリオール(A)と親水性ヒュームドシリカとの混合液の粘度−温度曲線
【図2】ポリオール(A)と添加剤との混合液の粘度−温度曲線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)と、親水性ヒュームドシリカ(C)からなることを特徴とする繊維性基材用無溶剤型ポリウレタン樹脂形成性接着剤組成物。
【請求項2】
ポリイソシアネート(B)が、ポリオールと有機ジイソシアネートとの反応により得られたイソシアネート基末端プレポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の繊維性基材用無溶剤型ポリウレタン樹脂形成性接着剤組成物。
【請求項3】
親水性ヒュームドシリカ(C)が、BET法による比表面積が90〜400m/gであることを特徴とする請求項1に記載の繊維性基材用無溶剤型ポリウレタン樹脂形成性接着剤組成物。
【請求項4】
全樹脂量に対し、親水性ヒュームドシリカ(C)の含有量が3〜6%であることを特徴とする請求項1に記載の繊維性基材用無溶剤型ポリウレタン樹脂形成性接着剤組成物。
【請求項5】
ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)が、何れも常温で液状であることを特徴とする請求項1に記載の繊維性基材用無溶剤型ポリウレタン樹脂形成性接着剤組成物。
【請求項6】
繊維性基材と接着剤層と樹脂表皮層の三層から構成される積層体において、接着剤層が請求項1〜5のいずれかに記載の繊維性基材用無溶剤型ポリウレタン樹脂形成性接着剤組成物からなり、樹脂表皮層がウレタン樹脂であることを特徴とする積層体。
【請求項7】
繊維性基材が、厚さ0.1〜10mmであり、JIS K7222に規定された見かけ密度が0.05〜0.5g/cmであることを特徴とする請求項6に記載の積層体。
【請求項8】
繊維性基材が、有機繊維により構成されていることを特徴とする請求項6に記載の積層体。
【請求項9】
請求項1〜5のいずれかに記載の繊維性基材用無溶剤型ポリウレタン樹脂形成性接着剤組成物をポリウレタン樹脂表皮層上に少なくとも10g/m塗布し、繊維性基材を貼り合わせ、硬化させることを特徴とする積層体の製造方法。
【請求項10】
請求項1〜5のいずれかに記載の繊維性基材用無溶剤型ポリウレタン樹脂形成性接着剤組成物を繊維性基材上に少なくとも10g/m塗布し、ポリウレタン樹脂表皮層を貼り合わせ、硬化させることを特徴とする積層体の製造方法。
【請求項11】
90〜150℃で積層体を熱硬化させることを特徴とする請求項9、及び請求項10に記載の積層体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−144655(P2012−144655A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−4705(P2011−4705)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(000230135)日本ポリウレタン工業株式会社 (222)
【Fターム(参考)】