説明

繊維束を製造するための装置及び方法

本発明は、繊維束、特に中空糸膜束を、特に透析フィルタを製造するために巻き取る巻取装置であって、主軸を中心として回転可能なリールキャリアと、前記リールキャリアに回転可能に支持された少なくとも2つのリールとを備え、前記リールの回転軸は、前記リールキャリアの主軸に対して垂直に立っている巻取装置を含む。同様に、本発明は、その装置に対応する巻取方法を含む。さらに、本発明は、繊維束をフィルムによって包装するための包装装置であって、第1及び第2の側部エレメントと、これらの間に固定され、フィルム及び繊維束を受け入れるための柔軟な溝部とからなり、少なくとも第1側部エレメントを、溝部を横切るように移動させる駆動部が設けられた受入部と、繊維束の周囲にフィルムを折り曲げるために、溝部を横切るように移動する少なくとも1つの折曲機とを備える包装装置、及び、その装置に対応する包装方法を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維束、特に中空糸膜束を、特に透析フィルタ製造用に製造するための装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
このような繊維束の主な使用分野は、透析フィルタ、すなわち、血液透析、血液濾過、、血液透析濾過などの体外血液治療用のフィルタの製造である。従来技術によれば、このようなフィルタのための繊維は、連続的に動作する中空繊維紡績機によって製造される。中空繊維紡績機から連続的に出る中空繊維は、例えばゆっくりと回転するリールホイールに通常はバッチ式で巻き付けられる。前記リールホイールは、周囲に亘って均等に分散配置された巻取マンドレルを備え、これら巻取マンドレルに中空繊維が載る。これにより、中空繊維は、巻取マンドレル間に勝手に張られる。巻取マンドレルの間隔は、2つの巻取マンドレル間に1つ又は2つの中空繊維束が生じるように選択されている。これらの中空繊維束を、プラスチックからなる薄い包装フィルムによって手作業で包装し、手作業で固定する。中空繊維束をこのように固定したら、中空繊維束を、同じく手作業で切断器具により所望の長さに切断する。最後に、中空繊維束を円筒形のフィルタカートリッジに導入し、プラスチックからなる包装フィルムを元のように取り除く。このような製造方法は、例えば特許文献1により知られている。
【0003】
巻取及び包装後に複数の個々の束に切断される長繊維束の製造は、特許文献2により知られている。この方法では、膜繊維を、周囲が、出来上がる中空繊維束の長さの倍数に相当する巻取り輪ないしリールホイールに巻き付ける。所望の数の中空繊維が巻き付けられるやいなや、完成した中空繊維ストランドを一箇所で切断し、線状の中空繊維ストランドとなるように巻取り輪ないしリールホイールから解く。この中空繊維ストランドを、固定テープによってスパイラル状に包装し、その後、所望の長さの個々の束に切断する。準連続的な動作を実現するために、2つの固定した巻取り輪を並行して動作させる。中空繊維は、移動式中空繊維供給部によって、一方又は他方の巻取り輪へ交互に引き渡される。
【0004】
特許文献3により、繊維束を包装する方法が知られている。この方法では、繊維束をフィルム上に載せて、緩んだ状態にスプリングバックするのを許容する曲がったスチールシートに入れる。このスチールシートは、その曲がった状態において円筒形を形成し、よって、繊維束をフィルムで包装する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4276687号明細書
【特許文献2】特開平10−194606号公報
【特許文献3】独国特許出願公開第19806293号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2の方法は、引張力を中空繊維ストランドに作用させる必要があり、中空繊維ストランドの外側の中空繊維と機械のガイド装置との間に摩擦相対運動が生じるという欠点を有している。また、解くときに、中空繊維束の個々の中空繊維の位置も必然的に変化してしまう。なぜなら、個々の包装の周囲は、巻付け時に径方向に膨らむからである。さらに、固定テープによるスパイラル状の包装は、技術的に非常に複雑であり、その結果、前記方法の効率は低い。
【0007】
また、特許文献3に関しては、繊維束に作用する力を簡単には制御できない。なぜなら、その力は、スチールシートの復元力に実質的に依存しているからであり、製造される繊維束の正確性に影響してしまう。
【0008】
したがって、本発明の目的は、完全な自動化と、準連続的製造と、高効率且つ高精度とを有する、繊維束を製造するための装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的は、請求項1及び請求項25にそれぞれ記載の繊維束を巻き取るための巻取装置及び巻取方法によって達成される。本発明の有利な形態は、従属請求項の主題である。
【0010】
繊維束、特に中空糸膜束を、特に透析フィルタを製造するために巻き取る本発明の巻取装置は、主軸を中心として回転可能なリールキャリアと、前記リールキャリアに回転可能に支持された少なくとも2つのリールとを備えている。前記リールの回転軸は、前記リールキャリアの主軸に対して垂直に立っている、すなわち、リールの回転軸の各々は、リールキャリアの主軸に対して直交する面内でそれぞれ延びている。
【0011】
この配置は、中空繊維ストランドを第1リールに巻き取ることができ、その間に、既に巻き取られた繊維束を他方のリールで更に処理することができるという利点がある。第1リールへの巻取りが終了したとき、リールキャリアを更に1段階回転させて、繊維束の巻き付けられた第1リールを更なる処理領域へ回し、その間に、新しい空のリールを巻取り領域へ回す。したがって、紡績機などの繊維ストランドを生成するための装置と、包装装置などの更なる処理装置とを、据え置き式で配置することができ、リールはそれらの領域へそれぞれ巡回し続ける。よって、繊維ストランドを前後に動かす必要はなく、これにより、繊維をより優しく処理することができる。個々のリールは、より一層簡単にアクセス可能であり、これにより、更なる処理が特に簡単になる。繊維束は、包装の際に、リール上に残っていてもよい。よって、繊維ストランドの効率的且つ準連続的な加工が可能になる。
【0012】
リールの回転軸がリールキャリアの主軸に対して垂直に立っていることにより、リールキャリア及びリールの非常に省スペースの構成を使用することができる。この省スペースの構成では、リールを有するリールキャリアの回転のために空けておく領域を小さく保つことができる。これにより、本発明の巻取装置のアクセス可能性は、特に更なる処理工程に対して高くなる。特に、リールキャリアは、リールの直径と実質的に同じ長さでもよく、リールは、リールキャリアに対して側方に配置される。したがって、3つ以上の突起部を有するリールを使用するならば、リールキャリアの対向する側面に2つのリールしか設けることができない。これに対し、2本突起リールを使用する場合には、3本以上のリールを使用することも可能である。いずれにせよ非常に小型の構成が結果として生じ、この小型の構成においては、特に、リールが非常に大きい場合でも、リールキャリアによって動かされるトルクを小さく保つこともできる。
【0013】
少なくとも2つのリールの各々は、両端部にリールヘッドを有するリールバーで構成され、該両リールヘッドが巻取マンドレルを有することが有利である。このような2本突起リールは、特に本発明においては、リールキャリアの回転の間、リールキャリアに対して平行に配置することができ、したがって、最小の所要面積しか有していない、という大きな利点を有している。さらに、このような2本突起リールに巻き取られた繊維束を、直接リール上で更に処理することができる。これにより、引き渡し工程、又は、リールからの繊維束の取り外しを省くことができる。特に、巻き取られた線状の繊維束を直ぐに包装することが可能である。
【0014】
前記両リールヘッドの間隔は、中空糸膜束によって製造される透析フィルタのフィルタ部分の3倍の長さであることが有利である。これにより、切断損失を、本発明によって大幅に低減することができる。切断損失は、従来技術では約10%であり、本発明によってほぼ半減することができる。両リールヘッドの間隔は、中空糸膜束によって製造されるフィルタ部分の長さの少なくとも5倍であることが有利であり、少なくとも10倍であることがより一層有利である。
【0015】
前記リールヘッドは、巻き取られた繊維束を伸張及び/又は圧縮可能なように、前記巻取マンドレルを移動させることが可能な伸張/圧縮装置を有することが有利である。これにより、特に、成形時の伸張と、更なる処理の際の繊維束の引張応力緩和とが可能となる。この引張応力緩和により、繊維束を、その最終的な長さに切断された後に更に収縮しないようにすることが確実にできる。
【0016】
前記伸張/圧縮装置は、前記リールバーが延びる方向に沿って直線移動することが有利である。これにより、巻き取られた繊維束を簡単に圧縮又は伸張することができる。
【0017】
本発明では、2つの前記リールが、前記リールキャリアにおける対向する2つの側面にそれぞれ設けられ、該2つのリールの回転軸が、平行又は同軸状に配置されていることが有利である。
【0018】
例えば、装置の一方の側面において、第1リール上に繊維ストランドを巻き取ることができ、その間に、他方の側面において、第2リール上に既に巻き取られた繊維束を更に処理することができる。巻取りと更なる処理とが終了すれば、新しい繊維束を第2リールへ巻き取りながら第1リールに巻き取られた繊維束を更に処理することができるように、リールキャリアを180°回転させる。わずか2つのリールを使用することで、各リールの優れたアクセス可能性、したがって、特に、極めて簡単な更なる処理が可能となる。
【0019】
本発明の巻取装置は、前記各リールを回転させるための、それぞれ個別に制御される駆動部を備えることが有利である。これにより、前記方法を効果的に自動化することができる。
【0020】
本巻取装置は、前記リールキャリアを、一定の角度範囲、特に180°回転させるための駆動部を備えることが有利である。3つ以上のリールを使用する場合は、前記角度範囲は、360°をリールの数で割ったものにする。
【0021】
前記リールを回転させるための前記駆動部は、前記リールキャリアに配置されていることが有利である。これにより、装置の構成を簡単且つ小型にすることができる。
【0022】
前記リールキャリアは、例えばリールのための駆動部及び制御配線を一体化することが可能なドラムにより形成されることが有利である。
【0023】
前記各リールは、繊維ストランドの始端部及び終端部をしっかりと保持する把持具を有することが有利である。これにより、巻取工程を開始するために、繊維ストランドをリールに固定することができる。これらの把持具は、繊維ストランドの始端部及び終端部における切断損失を少なくするために、巻取マンドレルの近傍に配置されていることが有利である。リールが所定回転量だけ回転した後において繊維ストランドが所定の厚みに達すれば、巻取工程を終了して、繊維ストランドを切断することができるように繊維ストランドの端部を再びリールに固定する。
【0024】
本発明の巻取装置は、前記リールのうちの1つから繊維ストランドを受け取り且つ該繊維ストランドを次のリールへ引き渡す引渡し把持具を備えることが有利である。すなわち、リールの1つへの巻取りが終了したならば、引渡し把持具は、繊維ストランドを受け取り、次のリールが引渡し把持具の領域へ回されて繊維ストランドを受け取ることができるようになるまで、繊維ストランドをしっかりと保持する。これにより、特に、準連続的な作業が可能となる。
【0025】
本発明の巻取装置は、繊維ストランドを切断する切断装置を更に備えていることが有利である。
【0026】
本発明の、繊維束を巻き取る巻取装置は、繊維ストランドを生成するための装置、特に紡績機を更に備えていることが有利である。この装置は、リールに巻き取られる繊維ストランドを提供する。通常、この装置は、中空糸膜繊維を連続的に製造する紡績機のことである。
【0027】
本発明の巻取装置は、繊維ストランドの蓄積及び/又は引張りを行う装置、特にダンサ装置を備えていることが有利である。この装置により、本発明の巻取装置は準連続的に動作することができる。したがって、連続的に提供される繊維ストランドを蓄積する装置に蓄積することによって、リールキャリアの回転などにより新しいリールを紡績機の領域へ回すときに生じる巻付工程の短い休止を介在させることができる。同様に、特に2本突起リールを使用した場合に、巻取速度の変動を吸収することができる。同様に、この装置は、繊維ストランドを均一に引っ張る機能を果たす。ダンサ装置は、繊維ストランドの蓄積及び/又は引張りに特に有利な装置である。
【0028】
このようなダンサ装置におけるダンサローラには、小質量引張装置、特にトルク制御サーボモータが設けられていることが有利である。このことは、重量式引張装置を有するダンサ装置に比べて、ダンサ装置の固有振動数が著しく高くてもよく、それゆえに、振動を大幅に回避することができる、という利点を有する。
【0029】
前記ダンサローラは固定可能であり、例えば、機器の起動時又は巻付装置が動かない故障時などに吸引装置によって繊維ストランドに引張力がかけられた場合には、サーボモータによって移動可能であることがさらに有利である。
【0030】
本発明の巻取装置は、繊維張力測定器を備えていることがさらに有利である。この繊維張力測定器を介して繊維ストランドの繊維張力を測定することができ、このことは、繊維ストランドを引っ張るための装置、特にダンサ装置の調整を特に可能にする。これにより、巻き取られた繊維ストランドに一定の繊維張力を付与することができる。
【0031】
本発明の、繊維束を巻き取る巻取装置は、前記リールに巻き取られた繊維束を更に処理するための装置、特に包装装置を更に備えていることがさらに有利である。これにより、材料の流れを中断しなくても済むように、従来技術のような引渡しプロセスが省かれる。したがって、本発明の巻取装置により、準連続的な動作が可能となる。特に、本発明の2本突起リールは、巻き取られた繊維束の特に簡単な包装も可能にする。なぜなら、アクセス可能性が高くなるからである。したがって、少なくとも2つのリールを有し、リールの回転軸がリールキャリアの主軸に対し垂直に立つ本発明の構造により、ほんの僅かな所要面積で、1つのリールへの巻き付けと、残りのリールで更なる処理とが同時に可能になる。
【0032】
前記リールに巻き取られた繊維束を更に処理するための装置は、該繊維束を受け取るために該リールへ向けて移動可能になされていることが有利である。前記更なる処理のための装置をリールから離すように動かして、リールキャリアの回転のための場所を作る。次に、新しいリールを、更なる処理の領域へ回し、更なる処理のための装置を、リールへ向けて戻すように動かす。よって、包装装置は、リールの回転のためは下向けに動かされて回転半径を空ける一方、繊維束の受け取りのためにリールへ向けて上向けに動かされ得るように、鉛直に移動可能であってもよい。
【0033】
本発明の、繊維束を巻き取る巻取装置は、繊維ストランドを生成するための装置と、前記リールに巻き取られた繊維束を更に処理するための装置とを備え、前記リールは、前記リールキャリアの回転によって、前記ストランドを生成するための装置の領域、及び、前記リールに巻き取られた繊維束を更に処理するための装置の領域へ交互に回され得ることが有利である。これにより、上で既に説明した繊維ストランドの準連続的な加工が可能となる。
【0034】
本発明の、繊維束を巻き取る巻取装置では、前記リールキャリアの主軸は、前記リールキャリアの長手軸に一致している。これにより、特に省スペースな構成が可能となる。なぜなら、リールを、側方からリールキャリアに配置することができ、特に2本突起リールを使用する場合、リールキャリアとリールとからなる全体構成は、リール単独よりもそれほど大きくはならない。
【0035】
本発明の、繊維束を巻き取る巻取装置では、前記リールキャリアの主軸は、水平に配置されていることが有利である。これにより、繊維束を更に処理する場合、2本突起リールをリールキャリアに対して平行に配置することによって、繊維束の特に簡単なアクセス可能性を特に実現することができる。
【0036】
本発明は、繊維束、特に中空糸膜束を、特に透析フィルタを製造するために巻き取る巻取方法を更に含み、この巻取方法は、上述の装置と同じ本発明の利点を有している。この方法では、主軸を中心として回転可能なリールキャリアと、該リールキャリアに回転可能に支持された少なくとも2つのリールとを備え、前記リールの回転軸が、前記リールキャリアの主軸に対して垂直に立っているリール構造を使用する。本発明の巻取方法は、第1リールに繊維束を巻き取る工程と、前記リールキャリアを前記主軸を中心として回転させる工程と、前記第1リールにおける前記繊維束を更に処理すると同時に次のリールに繊維束を巻き取る工程とを含む。この巻取方法により、準連続的な作業が可能となり、この巻取方法は、非常に効率的である。特に、例えば紡績機からの材料の流れを中断する必要がない。リールキャリアの主軸に対して垂直に立っている軸を中心としたリールの回転による繊維ストランドの巻取りも、大きな空き領域を必要としないリールキャリアの回転を可能にしている。これにより、特に、更なる処理工程において、繊維束へのアクセス可能性を高くすることができる。
【0037】
本発明の巻取方法では、リールバーの回転により前記リールに巻き取られた繊維束が前記リールバーに沿って延びるように、繊維ストランドを、前記リールバーの端部に配置された巻取マンドレルの周囲に巻き付けることが有利である。特に、2本突起リールへのこのような巻取りは、リールとリールキャリアとの互いに垂直に立つ回転軸の組み合わせにより、巻き取った繊維束への優れたアクセス可能性を可能にする。
【0038】
本発明の巻取方法では、前記リールに巻き取られた繊維束の長さは、中空糸膜束によって製造される透析フィルタのフィルタ部分の少なくとも3倍の長さであることが有利である。これにより、1つの巻取工程において非常に長い繊維束を製造することができ、次に、この繊維束を、更なる処理において、個々の繊維束部分に切断すると、この繊維束部分が、透析フィルタのフィルタ部分に必要な中空糸膜束に相当する。したがって、非常に多くの個々のフィルタ部分を、1つの工程で製造することができ、切断損失を大幅に低減することもできる。特に、2本突起リールと、相当の長さの線状の束とを使用する場合は、ほんの少しの切断損失しか生じない。巻き取った繊維束の長さは、中空糸膜束によって製造されるフィルタ部分の長さの5倍であることが有利であり、8倍であることが更に有利である。
【0039】
本発明の巻取方法では、前記リールキャリアを前記主軸を中心として回転させることにより、前記次のリールを、先に前記第1リールが位置していた位置に位置させることが有利である。これにより、リールキャリアを一定の角度範囲だけ回転させることで、巻取りの終わったリールを更なる処理のために更なる処理装置の領域へ回し、その間に、空のリールを、新たな巻取りのために、例えば紡績機の領域へ回す。
【0040】
本発明の巻取方法では、前記リールキャリアの主軸は、前記リールキャリアの長手軸に一致し、前記リールの各々は、両端部にリールヘッドを有するリールバーで構成され、該両リールヘッドが巻取マンドレルを有し、前記リールキャリアの回転の前に、前記リールバーを、前記リールキャリアに対して略平行な位置に位置させることが有利である。これにより、特に、リールキャリアを回転させるために空けておく回転半径を最小化することができる。この結果、例えば更なる処理のための装置を、リールの回転半径からほんの少しの距離だけ外側に離せばよい構造となり、これにより、当該巻取方法の効率が著しく向上する。
【0041】
前記巻取りの終わったリールバーを、前記更なる処理工程の間、前記リールキャリアに対して略平行な位置に留めることが有利である。これにより、特に、3つ以上のリールを使用することもできる。さらに、リールに巻き取られた繊維束への優れたアクセス可能性が生じる。
【0042】
本発明の巻取方法では、繊維ストランドを、特に紡績することによって連続的に生成し、前記リールキャリアの回転により前記次のリールを準備する間は、前記繊維ストランドを蓄積装置に一時的に蓄積させることが有利である。これにより、連続紡績機を使用することができ、巻取装置の準連続的な動作が可能となる。空のリールを準備するために必要な期間に製造される繊維ストランドを、蓄積装置に一時的に蓄積する。このような蓄積装置は、ダンサ装置で構成されることが有利である。
【0043】
前記リールを、前記蓄積装置に蓄積された繊維ストランドの長さが所定の長さを下回るまで比較的高い回転速度で動作させ、該下回った後、前記リールを、比較的低い回転速度で動作させることが有利である。比較的低い回転速度は、通常の巻取速度に相当し、その一方で、比較的高い回転速度を使用して、リールを準備する間に蓄積されたストランドを巻き取ることが有利である。
【0044】
本発明の巻取方法では、繊維ストランドを、特に紡績することによって連続的に生成し、前記繊維ストランドの巻取りを、前記リールの変速回転(特にリールの起動又は停止の際の回転)及び/又は略定速回転で行い、前記巻取りの速度変動を、蓄積装置によって吸収することがさらに有利である。
【0045】
特に2本突起リールを使用する場合、巻取速度は、リールの回転速度が一定で、曲線的な鋸波状に相当して不規則に推移するので、連続的に生成された繊維ストランドの蓄積は、この変動を吸収することができる。同様のことが、巻取工程を開始するためにリールを起動する際、及び、巻取工程を終了するためにリールを停止する際にも当てはまる。
【0046】
前記蓄積装置に蓄積された繊維ストランドに関する限界値を上回る又は下回る場合に、前記リールの回転速度を再調整することが有利である。これにより、蓄積装置の蓄積容量を上回ることなく、且つ、連続的な動作が確実に可能になる。これに対し、蓄積装置に蓄積された繊維ストランドの長さに関する上限値及び下限値を上回っていない又は下回っていない場合、リールを一定の回転速度で動作させることができる。したがって、リールの駆動部に対する制御負担を大幅に減らすことができる。
【0047】
本発明の巻取方法では、前記繊維ストランドの張力を、前記蓄積装置を介して設定することが有利である。これにより、繊維束を特に均一にすることができる。
【0048】
前記繊維ストランドの張力を、繊維張力測定器により測定して、必要に応じて再調整することが有利である。この再調整を、同様に蓄積装置によって行うことが有利である。
【0049】
前記繊維ストランドの引張りを、前記蓄積装置のダンサローラ、特にトルク制御サーボモータのような小質量引張装置を介して、特に、滑らかな歯の付いたベルト駆動部との連携によって行うことが更に有利である。これにより、一方では、繊維ストランドの張力を正確に設定することができ、他方では、特に小質量引張力装置によって、蓄積装置の不都合な振動を回避することができる。
【0050】
本発明の、繊維束を巻き取る巻取方法では、繊維ストランドの始端部を前記リールに取り付けてから巻取りを開始し、一定の回転量だけ回転した後に巻取りを終了して、前記繊維ストランドの終端部を前記リールに取り付けることが有利である。これにより、巻取り後においては、固定された繊維束がリールに巻き取られており、更なる処理への準備ができている。
【0051】
本発明の巻取方法では、前記繊維束を前記第1リールに巻き取った後、繊維ストランドを、引渡し把持具によって把持しかつ切断して、前記リールキャリアを回転させた後に前記次のリールへ引き渡すことが更に有利である。これにより、巻取り又は更なる処理の準連続的な動作が可能になる。
【0052】
繊維ストランドの緩んだ端部を、把持具によって把持することが有利である。
【0053】
本発明の巻取方法では、前記繊維束を更に処理するために、前記リールに巻き取られた繊維束の張力を、前記巻取マンドレルの変位によって低減することが更に有利である。これにより、特に、更なる処理後の繊維束の長さがさらに低減しないようにすることが確実にでき、この結果、製造した繊維束の精度が向上する。
【0054】
2本突起リールの前記巻取マンドレルの周囲に巻き付けることによって2分された繊維束を、略円形断面にすることが更に有利である。2本突起リールを使用する場合、巻取マンドレルの大きさの分だけ互いに離れた2つの個別繊維束が存在することになり、これらの繊維束は、平行に並んで延びており、そして、1つの単一の繊維束にまとめられる。そして、前記2分された繊維束は略円形断面にされるので、例えば繊維束の包装のような更なる処理が簡単になり、その処理方法の精度が向上する。
【0055】
本発明の、繊維束を巻き取る巻取方法では、前記繊維束を、前記繊維束の長さに相当する長さのフィルム帯で包装することが更に有利である。特に、更なる処理の際における繊維束への優れたアクセス可能性により、この工程が可能となり、その結果、リールからの繊維束の取り外し、及び、その後に続くスパイラル状の包装を省くことができる。さらに、本発明の巻取方法では、単一のフィルム帯を使用し、このフィルム帯を、繊維束の全長に亘って、リールに巻き取ったままの繊維束の周囲に巻きつける。これにより、特に迅速且つ簡単な包装が可能となり、この包装は、繊維束の全長に亘る均一な作業を保証する。
【0056】
前記繊維束を、前記フィルムで包装することによって圧縮することが有利である。これにより、フィルムによる包装により、繊維束の所望の直径を、自動的に設定することができる。
【0057】
前記繊維束の周囲に巻き付けた前記フィルムを、特に溶着によって固定することが更に有利である。
【0058】
本発明の巻取方法では、前記繊維束を、複数のより小さい束部分に切断することが更に有利である。すなわち、透析フィルタのフィルタ部分のために必要な束部分の倍数である非常に長い繊維束を巻き取るならば、巻き取った繊維束を複数のより小さな束部分に切断することにより、非常に効率的に且つ最小の切断損失でコスト効率良く、一作業工程で複数の束部分を製造することができる。前記巻取マンドレルにおいて180°の方向転換の領域における繊維束の使用できない部分を、クランプ装置を解放した後、吸引装置によって除去する。
【0059】
本発明の巻取方法では、前述した、繊維束を巻き取るための巻取装置の1つを使用することが更に有利である。これにより、特に前述した利点も生じる。
【0060】
さらに、本発明は、請求項48及び66にそれぞれ記載の、繊維束を包装する包装装置及び包装方法を含む。有利な形態は、従属請求項の主題である。
【0061】
繊維束、特に中空糸膜束を、特に透析フィルタを製造するために、フィルムによって包装する包装装置は、第1及び第2の側部エレメントと、前記第1及び第2の側部エレメント間に固定され、前記フィルム及び前記繊維束を受け入れるための柔軟な溝部とからなり、少なくとも前記第1側部エレメントを、前記溝部を横切るように移動させる駆動部が設けられた受入部を備える。さらに、前記繊維束の周囲に前記フィルムを折り曲げるために、前記溝部を横切るように移動する少なくとも1つの折曲機を備える。
【0062】
このような包装装置により、以下のようにすることで、繊維束を簡単に且つ自動的に包装することができる。まず、繊維束をフィルムに載せて柔軟な溝部に入れ、次に、折曲機を溝部の領域へ移動させることによって、フィルムを繊維束の周囲に配置し、その後、フィルムで繊維束を包装し、両側部エレメントを互いに向けて移動させることにより、繊維束を圧縮する。このように、繊維束を迅速に、その全長に亘って、フィルム帯によって包装することができ、同時に、繊維束の充填密度、及び、その直径を、正確に再現可能に設定することができる。特に、普通なら頻繁に生じてしまうずれを、側部エレメントを移動させるための駆動部によって防止することができる。その駆動は、気体、液体、又はモータによって行うことができる。
【0063】
包装しようとする前記繊維束の長さは、中空糸膜束によって製造される透析フィルタのフィルタ部分の少なくとも3倍の長さであることが有利である。これにより、まず、非常に長い繊維束を包装することができ、この繊維束を、その後、複数の部分束に分割する。この結果、特に効率的な処理が可能となる。さらに、包装しようとする繊維束の長さは、中空糸膜束により製造されるフィルタ部分の5倍の長さ、さらには少なくとも10倍の長さであることが有利である。
【0064】
本発明の、繊維束を包装する包装装置は、前記繊維束の周囲に配置された前記フィルムを固定する装置、特に溶着する装置を備えていることが更に有利である。この装置は、フィルムを繊維束に固定せずに、フィルムの互いに折り重なった端部のみを溶着することが有利である。
【0065】
前記包装装置は、前記繊維束を複数の部分に切断する装置を備えていることが更に有利である。これにより、繊維束をフィルムで包装し、場合によっては固定した後、複数の部分に切断することができ、そして、これらの部分が、透析フィルタのフィルタ部分に相当する。溝部及び両側部エレメントは、切断装置が束を分断する場所で途切れている。前記繊維束を切断する装置は、前記繊維束に沿って移動可能な少なくとも1つの切断器具を有することが有利である。
【0066】
繊維束を包装するための前記包装装置の前記溝部は、切欠部を有し、この切欠部を通して、前記折曲機を移動させることが可能であることが有利である。これにより、折曲機を、その領域において溝部の上端よりも下側へ動かすことができ、これにより、フィルムを特に効果的に折り曲げることができる。また、溝部は、切欠部を有し、この切欠部による前記折曲機の固定を行うことが可能であることが有利である。これにより、繊維束又は繊維束部分を解くために溝部が元のように開く前に、両側部エレメントの移動によって圧縮された繊維束を、まず、フィルムの固定によってその形状を確定させることができる。
【0067】
本発明では、前記柔軟な溝部が曲がって円筒を形成するように、前記溝部に面する前記第1側部エレメントの先端を、前記溝部に面する前記第2側部エレメントの先端を通過するように移動させることが可能であることが有利である。この点に関して、第1側部エレメントを更に移動させることにより、円筒のサイズを変更可能であることが有利であるこれにより、繊維束を圧縮することができ、その間に、繊維束は、同時にフィルムによって包装される。この点に関して、繊維束についての異なる直径を設定可能であることが有利である。
【0068】
本発明の第1変形例において、前記柔軟な溝部は、該溝部における前記第1側部エレメントに面する長手側部に切欠部を有し且つ該溝部における他方の長手側部で前記第2側部エレメントに固定される構成、及び/又は、該溝部における前記第2側部エレメントに面する長手側部に切欠部を有し且つ該溝部における他方の長手側部で前記第1側部エレメントに固定される構成、を備える。これにより、柔軟な溝部が円筒を形成するように、第2側部エレメントの先端部を、柔軟な溝部の他方の側部の切欠部を通して押すことができる。
【0069】
この点に関し、前記両側部エレメントのうちの少なくとも1つは、突出部及び切欠部を備え、前記柔軟な溝部は、前記突出部に固定され、前記側部エレメントの切欠部は、前記溝部における該切欠部と同じ側の長手側部の切欠部と繋がっていることが有利である。これにより、側部エレメントの突出部は、柔軟な溝部によって形成される円筒の直径を設定することができるように、突出部に固定された柔軟な溝部の長手側部の一部と共に、柔軟な溝部の他方の側部の切欠部に突入してそれを貫通する。
【0070】
この目的のために、前記側部エレメントの突出部は、前記側部エレメントの移動に際して、前記溝部における該突出部とは反対側の長手側部に設けられた前記切欠部を通って移動することが有利である。
【0071】
この場合、前記両側部エレメントが、突出部及び切欠部を備えることが有利である。これにより、柔軟な溝部を特に安定して設計することができる。
【0072】
前記柔軟な溝部は、使用される前記フィルムに対して低摩擦係数の材料で構成されることが有利である。なぜなら、前述した、本発明の、繊維束を包装する包装装置の第1変形例では、更に圧縮しようとする繊維束にフィルムが、滑らかに接触して、柔軟な溝部において滑るからである。
【0073】
前記柔軟な溝部は、スチールシート又はスチールフィルムで構成されることが有利である。これにより、一方では非常に安定した柔軟な溝部が可能となり、この柔軟な溝部は、他方では、必要とされるフィルムとの低い摩擦係数を有している。
【0074】
第2変形例では、前記柔軟な溝部が固定されている前記両側部エレメントのうちの1つの側部エレメントの端部は、ナイフエッジとして形成されていることが有利である。これにより、他方の側部エレメントの対応する端部を、前記ナイフエッジの上側へ移動させて、繊維束上に配置されたフィルムの端部を、ナイフエッジに接する他方のフィルム端部の下側へ押すことができる。この形態は、柔軟な溝部がほんの少しの孔部しか有せず且つフィルムをほぼどこにでも置くことができるという利点を有している。
【0075】
前記ナイフエッジの上面と前記他方の側部エレメントの端部の下面との間の間隔は、前記柔軟な溝部の直径に比べて小さいことが有利である。これにより、特に、圧縮された繊維束が非円形になることはなくなる。
【0076】
前記柔軟な溝部は、使用される前記フィルムに対する摩擦係数が、該フィルム同士の摩擦係数よりも高い材料で構成されることが有利である。これにより、フィルムは、摩擦によって柔軟な溝部上を滑らず、フィルムが柔軟な溝部の動きと共に移動するようになる。この結果、ナイフエッジに接するフィルム端部を、繊維束の周囲に既に配置されたフィルム自由端部の上側へ押すことができる。
【0077】
前記柔軟な溝部は、織布、特に、薄い織布及び/又はゴム引きした織布で構成されることが有利である。これにより、フィルムに対する特に高い摩擦係数が達成される。
【0078】
前記織布は、前記両側部エレメントの連続する端部に取り付けられていて、該両側部エレメント間で弛んでいることが有利である。この場合、この弛んだ織布が柔軟な溝部を形成する。繊維束の直径を、包装布の弛み、又は、当該包装装置の移動距離によって設定することができる。
【0079】
本発明は、繊維束、特に中空糸膜束を、特に透析フィルタを製造するために、フィルムによって包装する包装方法を含み、この包装方法では、第1工程において、前記繊維束を、フィルム上に載せた状態で、第1及び第2の側部エレメントと該第1及び第2の側部エレメント間に固定された柔軟な溝部とからなる受入部に入れ、次に、前記フィルムの、固定されていないフリー状態の長手側部を、前記溝部を横切るように移動可能な折曲機によって、前記繊維束の周囲に配置し、その後、前記両側部エレメントを、該両側部エレメントのうちの少なくとも1つを移動させる駆動部を制御することによって、互いに接近させる。
【0080】
この包装方法により、繊維束をフィルムで自動的に包装することができ、移動可能な折曲機は、フィルムの簡単な折り曲げと、両側部エレメントの制御された移動と、繊維束の正確な圧縮とを可能にする。したがって、優れた精度で繊維束を簡単に且つ効率的に製造することができる。
【0081】
前記繊維束を、前記両側部エレメントの前記移動によって圧縮することが有利である。繊維束の直径を様々に設定できる点で有利である。
【0082】
前記フィルムを、折り曲げた後に固定し、特にそれ自体に溶着することが更に有利である。また、前記繊維束を、複数の繊維束部分に切断することが更に有利である。
【0083】
包装しようとする繊維束の長さは、中空糸膜束によって製造される透析フィルタのフィルタ部分の少なくとも3倍の長さであることが有利であり、少なくとも5倍の長さであることが更に有利であり、少なくとも10倍であることがより一層有利である。これにより、単一の作業プロセスで多数の繊維束部分を製造することができる。
【0084】
前記柔軟な溝部が曲がって円筒を形成するように、前記溝部に面する前記第1側部エレメントの先端を、前記溝部に面する前記第2側部エレメントの先端を通過するように移動させることが有利である。これにより、繊維束を特に簡単に圧縮して包装することができる。
【0085】
この包装方法の第1形態では、前記フィルムの両長手側部がフリー状態にあり、該フィルムの両長手側部を、折曲機によって、互いに重なり合うように前記繊維束上に連続的に配置する。この目的のために、溝部の両側に、溝部に対してそれぞれ直交するように移動可能な折曲機が設けられている。つまり、この方法では、まず、繊維束を完全に包装し、その後、側部エレメントを動かすことにより圧縮する。
【0086】
前記両側部エレメントのうちの少なくとも1つは、先端を形成する突出部を備え、前記突出部は、前記溝部が円筒を形成するように、前記溝部における該突出部とは反対側の長手側部に設けられた、対応する切欠部を通って移動するものであることが有利である。
【0087】
前記フィルムを、前記柔軟な溝部の表面に沿って滑らせることが有利である。これにより、フィルムにしわを寄せることなく繊維束を、設定された直径に圧縮することができる。
【0088】
この包装方法の第2形態では、前記フィルムの第1長手側部を、一方の側部エレメントの、ナイフエッジとして形成された端部によって、他方の側部エレメントの端部の下側へ押す。これにより、フリー状態の側部だけが、折曲機によって繊維束上へ折り曲げられるとともに、他方の側部は、依然としてナイフエッジに接し、該ナイフエッジによって動かされる。
【0089】
前記ナイフエッジに接する前記第1長手側部を、前記繊維束上に位置する前記フリー状態の長手側部上へ押すことが有利である。これにより、繊維束が、包装と同時に圧縮される。
【0090】
この目的のために、前記フィルムを、前記柔軟な溝部との摩擦によって、該溝部に沿って移動させることが有利である。フィルムと柔軟な溝部との間の摩擦は、フィルム同士の摩擦よりも大きいので、しっかりと保持された端部が自由端部上を滑り且つ繊維束がしわの無い状態で包装されるように側部エレメントを動かすことによって、フィルムを連動して移動させることができる。
【0091】
本発明の、繊維束を包装する包装方法を、前述した、繊維束を包装するための包装装置と共に使用することが有利である。これにより、包装装置の場合と同様の利点が得られる。
【0092】
さらに、本発明は、繊維束、特に中空糸膜束を、特に透析フィルタを製造するために仕上げる仕上装置であって、本発明の、繊維束を巻き取る巻取装置の1つと、本発明の、繊維束を包装する包装装置の1つとの組合せからなる仕上装置を含む。特に、本発明の、繊維束を巻き取る巻取装置では、リールの回転軸がリールキャリアの主軸に対して垂直に立っているので、リールキャリアを回転する、つまり、巻取り場所と包装場所との間でリールを交代するために、非常に小さな領域しか空けておく必要はなく、その結果、繊維束を包装する包装装置を、リールキャリアに隣接し且つリールキャリアに対して平行に配置して、該包装装置を、繊維束を柔軟な溝部へ入れるために鉛直に移動しさえすればよい。
【0093】
特に有利な点は、2本突起リールを使用する場合、このようなリールに巻き取られた繊維束は、非常に簡単にアクセス可能だという点である。この場合、2つの個別のストランドからなる繊維束を、まず1つの単一の繊維束に押しまとめ、次に、フィルムで包装することが有利である。長い繊維束を個々のより短い繊維束部分に切断すると同時に、これまで繊維束が張られていた巻取マンドレルから繊維束を外すことができる。
【0094】
さらに、本発明は、繊維束、特に中空糸膜束を、特に透析フィルタを製造するために仕上げる仕上装置に対応する仕上方法であって、繊維束を巻き取る前記巻取方法の1つと、繊維束を包装する前記包装方法の1つとの組み合せからなる仕上方法を含む。これにより、前述した利点が同様に生じる。
【0095】
前記繊維束を前記リールに張った状態で、該繊維束をフィルムで包装するのが特に有利である。これにより、個々の繊維ストランドは、互いの繊維ストランドに対して移動不可能であり、また、繊維束は、包装の間中、正しい形を維持する。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の、繊維束を巻き取る巻取装置の一実施形態の側面図である。
【図2】本発明の、繊維束を巻き取る巻取装置の前記実施形態の平面図である。
【図3】本発明の、繊維束を包装する包装装置の第1実施形態の斜視図である。
【図4】本発明の、繊維束を包装する包装装置の前記第1実施形態の他の斜視図である。
【図5】本発明の、繊維束を包装する包装装置の前記第1実施形態において使用される包装金属シートの斜視図である。
【図6】本発明の、繊維束を包装する包装装置の前記第1実施形態の側面図である。
【図7】本発明の、繊維束を包装する包装装置の前記第1実施形態に基づいて包装された繊維束の断面図である。
【図8】本発明の、繊維束を包装する包装装置の第2実施形態の第1側面図である。
【図9】本発明の、繊維束を包装する包装装置の前記第2実施形態の他の側面図である。
【図10】(a)〜(c)は、本発明の、繊維束を包装する包装装置の前記第2実施形態に基づく繊維束の包装についての3つの工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0097】
次に、本発明を、実施形態及び図面を参照してより詳細に説明する。
【0098】
従来技術に基づく繊維紡績機は、多数の個々の中空繊維、例えば768本の個々の繊維を同時に生成する。紡績機の個々の繊維は、1つの共通のストランドとしてまとめて巻取装置へ供給される。巻取装置は、ストランドから中空繊維束を生成し、中空繊維束は、さらなる作業工程において仕上げられる。この仕上げとは、包装フィルムによる束の包装、束の周りに巻かれた包装フィルムの固定、及び、包装された束の必要な長さへの切断のことと解釈される。この仕上げプロセスにおける包装フィルムは、補助手段であって、繊維束の形状を保持し、繊維束部分をフィルタカートリッジへ確実に導入できるようにする、という目的を有している。フィルタカートリッジへの導入後は、包装フィルムは引き出され、繊維束部分はカートリッジの内部で広がる。
【0099】
本発明は、中空糸膜束部分を自動的に製造し且つ仕上げるために束仕上げを一体化した新規の巻取装置に関するものである。本発明の主題は、中空糸膜束を新規の束仕上げ装置へ自動的に引き渡すことを含む巻取装置及び巻取方法である。中空繊維は、従来技術に基づく繊維紡績機で製造されて、新規の巻取装置のダンサ装置へ引き渡される。
【0100】
図1及び図2に示す本発明の実施形態は、複数のリール7を示す。これらリール7の回転軸は、リールキャリア10の主軸に対して垂直に立っている。すなわち、リール7の回転軸とリールキャリア10の主軸とは、リールキャリア10の主軸に対して垂直に立つ面が存在し且つ該面内でリール7の回転軸が延びるように、互いに配置されている。ここでは、リールキャリアの主軸とリールの回転軸との間隔は、リールの回転半径よりも小さくてよく、その結果、構造は特に小型になる。リールキャリアの回転後に後続のリールが先のリールと同じ位置になるように、複数のリールの回転軸は、1つの共通の面内で更に延びる。さらに、複数のリールの回転軸は、リールキャリアの主軸に対して同じ間隔を有している。図1及び図2に示す実施形態では、この間隔がゼロであり、そのために複数のリール7の回転軸はリールキャリア10の主軸と交差している。
【0101】
この点に関して図1及び図2に示す実施形態は、リールキャリアとして機能するドラム10を示す。ドラム10は、主軸を中心として回転可能に支持されている。対向配置された2本のリールバー7は、ドラム10に回転可能に支持され、2本のリールバー7の同軸状の回転軸は、ドラム10の主軸に対して垂直に立っている。互いに遠く離れて設けられている巻取マンドレル8は、リールバー7の回転時に、追従する繊維ストランド5が巻取マンドレル8に巻き付けられるように、リールバー7の両端部に配置されている。
【0102】
巻取工程の開始時に、繊維ストランドの始端部は、2本のリールバー7のうちの1つに、好ましくは2つの巻取マンドレル8のうちの1つに、把持具(「スタートクランプ」)によって強固に保持される。巻取後、繊維ストランドは、別の把持具(「エンドクランプ」)によって2つの巻取マンドレル8のうちの1つに固定され、その後、切断される。このとき、ストランド5の自由端部、つまり次の束の始端部は、引渡し把持具14によって保持されている。続いて、引渡し把持具14は、ストランド5を、さらなるリールバー7又はそのスタートクランプへ引き渡す。繊維ストランドの切断は、前記把持具に一体化された切断装置によって行うことができる。
【0103】
少なくとも2本のリールバー7は、回転軸を中心として回転可能なドラム10に支持され、リール7の回転軸は、ドラム10の回転軸に対して垂直に立っている。これにより、1つのリールバーへ準連続的に巻き取りながら、巻取りの終わっている第2リールバーは、その繊維束を自動的に仕上げへ引き渡すことが可能である。特に、巻き取られた繊維束の長さは、仕上がりの束部分の長さよりも大幅に長いので、紡績プロセスと中空繊維束仕上げとをこのように準連続的につなげることができる。この巻取りによって、繊細な中空繊維を非常に優しく処理することができる。
【0104】
本発明によれば、巻取マンドレル8間に巻き取られた束から、複数の繊維束部分を、1つの作業工程において同時に仕上げることができる。従来技術の引き渡しプロセスは省かれる。リールバー7は、数メートルの長さを有していてもよい。
【0105】
新規の巻取装置は、仕上がりの束部分の長さよりも非常に長い(例えば、数メートルの長さの)束20を製造する。束20は、その全長のまま仕上げへ引き渡され、その全長に亘って、ローラにより自動的に供給される包装フィルム25によって包装される。包装フィルム25は、例えば溶着によって自動的に固定され、その後、束は、長さが約200乃至300mmの束部分に自動的に分割される。包装装置は、移動可能な包装台に一体化されており、束20を受け取るために、例えば下方又は側方からリールバー7へ向けて移動され得る。束20は、フィルム25で包装することによって、断面がほぼ円形になる。
【0106】
紡績機の繊維出力部での紡績速度は、約0.4乃至0.5m/sである。リールバー7は、1回転するのに平均14秒かかる。ダンサ1を用いて蓄積された繊維が、包装プロセスの開始時に最初に巻かれるので、リールバーの回転速度は可変である。
【0107】
巻取装置は、(平均的なフィルタサイズFX60の場合)平均9秒毎に、包装されて切断された束部分を1個生産する。切断された束部分の包装装置からの取り出しと、コンベヤベルトへの引き渡しとは、吸引レールによって行われる。この目的のために、包装台は、吸引レールに対して垂直に移動する。吸引レールは、束部分をコンベヤベルトへ引き渡す。コンベヤベルトによって、機械から更なる処理への転送が行われる。
【0108】
1対の巻取マンドレルが、紡績機から供給される繊維ストランドを巻き取っている間に、巻取りが既に完了したストランドを、ドラムにおいて反対の場所に設けられた別のリールバーで、更に処理する、すなわち、フィルムで包装し、溶着し、切断することができる。ドラムにおける3対以上の巻取マンドレル、例えば、ドラムの周囲における4対の巻取マンドレルも考えられる。その場合、例えば、巻取工程を1対の巻取マンドレルで行い、その間に、フィルムによって包装し、溶着し、切断するなどの更なる仕上げ工程を、他の3対の巻取マンドレルで同時に行うことができる。しかし、ドラムをその都度180°回せばよいように、巻取マンドレルを2対だけ設けることが好ましい。
【0109】
上述のように、各巻取マンドレル8には、新規のストランドの始端部を巻取マンドレルに強固に取り付けるために、クランプ装置(スタートクランプ)が備えられている。この目的のために、回転可能なクランプフープ(締め付け輪)が、巻取マンドレルへ向かって移動し、繊維ストランドの始端部を巻取マンドレルに押し付ける。始端部クランプフープには、巻取り中に繊維が巻かれる。さらに、巻き取ったストランドの終端部を固定するための同様のクランプ装置(エンドクランプ)が備えられている。
【0110】
2つの巻取マンドレル8は、リールバー7に沿って直線移動可能なリールヘッドに搭載されている。これにより、巻き取った繊維束20の引張及び圧縮装置が構成される。この引張及び圧縮装置は、巻取り時には通常位置とされ、成形時には引張位置とされ、包装時には、繊維束の最終的な長さに相当する圧縮位置とされる。
【0111】
繊維ストランド5は、リールバー7が一回転する間に、大きく変化する速度で、すなわち、リール7の2つの死点位置においては短期間静止状態になり、それらの間では非対称な正弦曲線の推移で最大値まで上昇する速度で、最後のプーリ3を介して引っ張られる。この速度変動を、垂直軸4上を振動するダンサローラ1が吸収する。ダンサローラの動きの振幅が、上限値又は下限値を超えたとき、リールバーの回転速度が、一定の慣性値に戻るまでゆっくりと再調整される。ダンサローラの振動のレベルは、鉛直軸4の上部領域にあることが好ましい。これにより、リール7がいっぱいになって繊維ストランド5が次に続く空のリールへ引き渡される際に、ダンサローラは、依然として、バッファとしての十分な容量を有する。
【0112】
従来技術に基づいて、必要な引張力を重さGでダンサローラ1にかける場合、弾性の繊維ストランドと共に、不都合な状況下で固有振動数に近付くバネ質量系が生じる。したがって、出来る限り小質量の引張装置、例えば滑らかな歯の付いたベルト駆動部と連携したトルク制御サーボモータ16が目的に適っている。この場合、ダンサローラ1は、前記固有振動数が著しく高くなることと共鳴振動とが回避されるように、特に軽く形成されていてもよい。サーボモータは、一定のトルクを供給する。このトルクは、場合によっては、さらなる繊維張力測定器の出力信号に応じて再調整されてもよい。さらに、ダンサローラ1は、巻取工程の開始及び終了時に目的に適うような決められた位置へ、引張力調整されずに移動してもよい。
【0113】
巻取りは、以下の工程で行われる。
【0114】
<スタートアップ前の開始位置>
生産プラントから搬送された繊維ストランド5は、ダンサローラシステム(1,2,3)上を走行し、その後、最後のプーリ3とリールバー7との間に、吸引管13によって放出される。この場合、ダンサローラ1は決められた高さ位置にある、つまり、引張力をもたらさない。
【0115】
<巻取工程の開始>
引渡し把持具14は、吸引管13の上側でストランド5を把持し、クランプ位置の直後でストランド5を切断する。同時に、ダンサローラ1は、運転モード「引張力」に切り替わる。
【0116】
ストランドの切断された端部を吸引しつつ、後続のストランドの始端部を、引渡し把持具によって、次のリール7の巻取マンドレル8へ誘導する。この巻取マンドレル8において、前記後続のストランドの始端部がスタートクランプへ引き渡される。
【0117】
この引渡工程の間に、後から搬送されてきたストランドを、前記ダンサ装置に一時的に蓄積する。
【0118】
<巻取り>
まず、リールバーは、通常の生産速度に相当する速度よりも高い回転速度で回転し始める。この場合、振動ダンサローラは、所望の高さ位置に達するまで徐々に上へ向かって移動する。次に、巻取回転速度を、平均的なストランド速度になるように下げて、上述の振幅監視によって調整する。
【0119】
所望の回転数に達したときに、リールバーを、決められた位置で停止し、ストランドの終端部をエンドクランプによって固定する。このとき、後から搬送されてくるストランドは、同じくダンサローラ装置に蓄積される。
【0120】
<引き渡し>
次に、引渡し把持具14は、停止したストランド5を切断し、ストランドがフルに巻かれたリールを有するドラム10が180°回転されるまで、自由端部となった端部を強固に保持し、次に、その端部を、新規の空のリールのスタートクランプへ引き渡し、以下同様に続く。
【0121】
故障時又は巻取作業終了時に、引渡し把持具14は、ストランドを、吸引管13へ再び引き渡すことができる。
【0122】
本発明の巻取装置では、以下の利点が生じる。
【0123】
a)切断損失の低減。従来技術によれば、切断損失は、生産される繊維量の10%未満(平均的なフィルタサイズFX60では約8%)である。本発明の装置によれば、この損失を、ほぼ半分にすることができると予想される。
【0124】
b)自動化されたフィルム包装装置の実現への簡単なアクセス可能性。従来技術によれば、束を包装装置へ引き渡すための空間はかなり制限される。新規の装置では束が長いので、束は簡単にアクセス可能である。これにより、自動化が簡単になる。
【0125】
c)一部又は全てが自動化された包装装置をオンラインで紡績機により操作するという可能性による簡単な取り扱い。新規の包装装置は、巻取装置に一体化されている。これにより、例えば巻取りの終わったリールホイールを空のリールホイールと交換することや、別個の装置を用いて束を手作業で仕上げることなどといった、材料の流れを中断する従来技術の引渡しプロセスが省かれる。全体として、新規の装置により、準連続的な作業が可能となる。
【0126】
さらに、本発明の包装装置の第1実施形態を、図3〜図7を参照して説明する。これにより、繊維に自動的にフィルムを巻くことが可能である。自動化により、再現可能な品質を有する繊維束の形状的な特性が改善される。したがって、後続のプロセスでの取り扱いを改善することができかつ確実にすることができる。一体化された包装金属シート30を有する包装装置によって、繊維ストランド20にフィルム25を包装することができ、続いて、繊維ストランド20を、例えば特定の充填密度となるように決められた直径に圧縮することができる。次に、後続のプロセスにおいて、このフィルム25を(接着、溶着などによって)固定し、ストランド20から複数の束を切り出す。
【0127】
本発明は、薄いステンレススチールフィルム30に基礎を置くものであり、したがって、以下ではこのステンレススチールフィルム30を包装金属シートと称する。図5に詳細に示す包装金属シート30は、相対向する両長手側部に設けられた指状部31と、その間に設けられた切欠部32とを備え、一方の長手側部における指状部は、反対側の長手側部における切欠部に対向するように配置されている。包装金属シート30は、駆動部により突き出すことが可能な両側部エレメント35に、指状部31を介して接続点33にて接続されている。
【0128】
包装フィルム(ここでは青色のPEフィルム)を、包装金属シート30によって形成された溝部に引き込んで、2つの折曲機40,41によって、該包装フィルムを、繊維ストランドの周りに、繊維ストランドの全長に亘って、包装フィルムの2つの長手端部が重なるように配置する。両折曲機は、それぞれ、複数の突起部(櫛歯)又は指状部で構成されていてもよい。折曲機が長い場合、多数の突起部又は指状部が備えられていることが有利である。これら突起部又は指状部は、柔軟な溝部における対応する切欠部及び両側部エレメント35を通過し、これにより、繊維ストランドの周囲に包装フィルムを配置することができる。そして、前記溝部は、両側部エレメント35の移動によって連動して動いて、図7に示すように、包装金属シート30が、繊維ストランド20と共に包装フィルム25を完全に取り巻く。包装金属シート30には指形の切欠部32があるので、所望の最終的直径又は特定の充填密度に達するまで、当該装置を作動させることができる。束直径は、ここでは、包装金属シートの取り巻き円周に直接関係している。フィルム25(PE)は、前記溝部の移動の間に、包装金属シート30上を滑る必要がある。選択した材料に共通の摩擦係数は、圧縮度の上昇に伴って摩擦が増大しても滑ることができるように選択する必要がある。
【0129】
さらに、図6から分かるように、包装装置は、包装フィルムを固定するために真空吸引装置が一体化され且つ包装フィルムの制御不能な外向きの回転を防止するように形を付与するガイド支持シェル45を更に備える。
【0130】
図8〜図10に示す第2実施形態の本発明の包装装置は、2つのレール55,57に固定され、これらレール間で弛んでいる薄い包装布50を有している。この包装布50は、膜布と呼ばれるゴム引き織布である。ここでは、レール55,57を、包装布によって形成されている溝部を連動して動かすことができるように、駆動部によって移動させることができる。レール55は、ナイフエッジ56を備え、包装布は、このナイフエッジ56に、例えば接着によって固定されている。反対側のレール57は、クランプ装置58を備え、クランプ装置58を介して包装布が固定されており、クランプ装置58によって、溝部の深さを設定することができる。
【0131】
巻付け開始時に、包装フィルム25(ここでは青色のPEフィルム)を、当該包装装置において弛んでいる膜布50上に配置する。包装フィルムを、その端部26が、ナイフエッジ56を有するレール55に接するように位置付ける。繊維ストランド20を溝部に入れた後、当該包装装置を作動させる。この作動中に、折曲機40は、包装フィルムの自由端部27を繊維ストランドの周囲に配置する。このとき、包装布が固定されている保持レール55,57を、包装フィルムの自由端部27が、ナイフエッジ56に接している反対側の端部26の下へ入るように移動させる必要がある。この目的のために、右側(包装フィルムの自由端部27がある側)の保持レールは、ナイフエッジがある側の上へ近付くように移動する。この点に達すれば、所望の最終的な直径又は特定の充填密度に達するまで当該包装装置を作動させてもよい。束直径は、包装布50の設定された弛みと移動距離とに直接的に関係している。この包装原理の機能にとって決定的なのは、包装布50と包装フィルム25との間に必要な摩擦である。
【0132】
したがって、図10(a)〜図10(c)に示すように、包装フィルムの右手側端部27は、包装布と包装フィルムとの間に生じる摩擦により、繊維ストランドと包装フィルム25の他方の端部26との間へ押し込まれる。このための条件は、包装布50と包装フィルム25との間の摩擦係数が、包装フィルムと包装フィルムとの間における圧縮度の上昇に連れて大きくなる摩擦係数よりも常に大きいということである。
【0133】
第1実施形態の「包装金属シート」形態に対する第2実施形態の「包装布」方法の特徴は、
1)包装フィルムの自由端部27が、繊維ストランドとナイフエッジに接している固定された端部26との間に挿入されて、さらなる圧縮の際に、繊維と該包装フィルムの内面との間において滑る。これに対し、包装金属シートでは、包装フィルムの自由端部が、包装金属シートと該包装フィルムの外面との間において滑る。
【0134】
2)その結果、「包装布」方法では、フィルムと布との間の高い摩擦が必要であり、「包装金属シート」方法では、フィルムと金属シートとの間に低い摩擦が必要である。
【0135】
3)包装布の前記配置により、束又は包装フィルムを包装布によって全面的に(全長及び全周囲に亘って)取り巻くことができ、溶着又は接着結合によって包装フィルムを固定するための切欠部しか開いていない。これに対し、包装金属シートでは、包装金属シートの両側の側部同士が重なり合うための比較的大きな切欠部が必要である。
【0136】
従来技術では、ホイールに巻き取った繊維ストランドを手作業で包装し、このとき、不精確さが生じていたのに対し、金属フィルム又は包装布を用いることによって以下の改善を行える。
【0137】
・包装プロセス全体を自動化することができる。
【0138】
・自動化された包装プロセスにおいて、束の製造に際しての束直径に関する反復精度を非常に高くすることができる。
【0139】
・「不均一」包装、すなわち束の長さに亘る不均一な束直径を無くすことができる。
【0140】
・ストランド全体をフィルム帯で一回で包装することができる。
【0141】
・束の改善された形状的な特性により、フィルタ筐体へのより確実な成形などの後続プロセスにおける取り扱い性をより好適にできる。
【0142】
・包装金属シート又は包装布によって、様々な直径の束を包装することができる。各直径への適合は、2つの方法によって行われる。1つ目は、当該包装装置の移動距離によって、2つ目は、包装金属シートの弛みによって行われる。
【0143】
包装のためにスチールシートを使用する場合とは異なり、溝部の動きを両側部エレメント35又はレール55,57を介して直接制御可能であるので、圧縮を制御して、最終結果物をより均一にすることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維束、特に中空糸膜束を、特に透析フィルタを製造するために巻き取る巻取装置であって、
主軸を中心として回転可能なリールキャリアと、
前記リールキャリアに回転可能に支持された少なくとも2つのリールとを備え、
前記リールの回転軸は、前記リールキャリアの主軸に対して垂直に立っている、巻取装置。
【請求項2】
請求項1記載の巻取装置において、
前記少なくとも2つのリールの各々は、両端部にリールヘッドを有するリールバーで構成され、該両リールヘッドが巻取マンドレルを有する、巻取装置。
【請求項3】
請求項2記載の巻取装置において、
前記両リールヘッドの間隔は、中空糸膜束によって製造される透析フィルタのフィルタ部分の少なくとも3倍の長さである、巻取装置。
【請求項4】
請求項2記載の巻取装置において、
前記リールヘッドは、巻き取られた繊維束を伸張又は圧縮可能なように、前記巻取マンドレルを移動させることが可能な伸張/圧縮装置を有する、巻取装置。
【請求項5】
請求項4記載の巻取装置において、
前記伸張/圧縮装置は、前記巻取マンドレルを、前記リールバーが延びる方向に沿って直線移動させるものである、巻取装置。
【請求項6】
請求項1記載の巻取装置において、
2つの前記リールが、前記リールキャリアにおける対向する2つの側面にそれぞれ設けられ、該2つのリールの回転軸が、平行又は同軸状に配置されている、巻取装置。
【請求項7】
請求項1記載の巻取装置において、
前記各リールを回転させるための、それぞれ個別に制御される駆動部を備える、巻取装置。
【請求項8】
請求項1記載の巻取装置において、
前記リールキャリアを、一定の角度範囲、特に180°回転させるための駆動部を備える、巻取装置。
【請求項9】
請求項7記載の巻取装置において、
前記リールを回転させるための前記駆動部は、前記リールキャリアに配置されている、巻取装置。
【請求項10】
請求項1記載の巻取装置において、
前記リールキャリアは、ドラムにより形成される、巻取装置。
【請求項11】
請求項1記載の巻取装置において、
前記各リールは、繊維ストランドの始端部及び終端部を保持する把持具を有する、巻取装置。
【請求項12】
請求項1記載の巻取装置において、
前記リールのうちの1つから繊維ストランドを受け取り且つ該繊維ストランドを次のリールへ引き渡す引渡し把持具を備える、巻取装置。
【請求項13】
請求項1記載の巻取装置において、
繊維ストランドを切断する切断装置を備える、巻取装置。
【請求項14】
請求項1記載の巻取装置において、
繊維ストランドの自由端部を吸引する吸引装置を備える、巻取装置。
【請求項15】
請求項1記載の巻取装置において、
繊維ストランドを生成するための装置、特に紡績機を備える、巻取装置。
【請求項16】
請求項1記載の巻取装置において、
繊維ストランドの蓄積及び/又は引張りを行う装置、特にダンサ装置を備える、巻取装置。
【請求項17】
請求項16記載の巻取装置において、
小質量引張装置、特にトルク制御サーボモータが設けられたダンサローラを備える、巻取装置。
【請求項18】
請求項16記載の巻取装置において、
固定可能なダンサローラを備える、巻取装置。
【請求項19】
請求項1記載の巻取装置において、
繊維張力測定器を備える、巻取装置。
【請求項20】
請求項1記載の巻取装置において、
前記リールに巻き取られた繊維束を更に処理するための装置、特に、該繊維束を包装フィルムによって包装する装置を更に備える、巻取装置。
【請求項21】
請求項20記載の巻取装置において、
前記リールに巻き取られた繊維束を更に処理するための装置は、該繊維束を受け取るために該リールへ向けて移動可能になされている、巻取装置。
【請求項22】
請求項1記載の巻取装置において、
繊維ストランドを生成するための装置と、
前記リールに巻き取られた繊維束を更に処理するための装置とを備え、
前記リールは、前記リールキャリアの回転によって、前記ストランドを生成するための装置の領域、及び、前記リールに巻き取られた繊維束を更に処理するための装置の領域へ交互に回され得る、巻取装置。
【請求項23】
請求項1記載の巻取装置において、
前記リールキャリアの主軸は、前記リールキャリアの長手軸に一致している、巻取装置。
【請求項24】
請求項23記載の巻取装置において、
前記リールキャリアの主軸は、水平に配置されている、巻取装置。
【請求項25】
主軸を中心として回転可能なリールキャリアと、該リールキャリアに回転可能に支持された少なくとも2つのリールとを備え、前記リールの回転軸が、前記リールキャリアの主軸に対して垂直に立っているリール構造において、繊維束、特に中空糸膜束を、特に透析フィルタを製造するために巻き取る巻取方法であって、
第1リールに繊維束を巻き取る工程と、
前記リールキャリアを前記主軸を中心として回転させる工程と、
前記第1リールにおける前記繊維束を更に処理すると同時に次のリールに繊維束を巻き取る工程とを含む、巻取方法。
【請求項26】
請求項25記載の巻取方法において、
リールバーの回転により前記リールに巻き取られた繊維束が前記リールバーに沿って延びるように、繊維ストランドを、前記リールバーの端部に配置された巻取マンドレルの周囲に巻き付ける、巻取方法。
【請求項27】
請求項26記載の巻取方法において、
前記繊維束の長さは、中空糸膜束によって製造される透析フィルタのフィルタ部分の少なくとも3倍の長さである、巻取方法。
【請求項28】
請求項25記載の巻取方法において、
前記リールキャリアを前記主軸を中心として回転させることにより、前記次のリールを、先に前記第1リールが位置していた位置に位置させる、巻取方法。
【請求項29】
請求項25記載の巻取方法において、
前記リールキャリアの主軸は、前記リールキャリアの長手軸に一致し、
前記リールの各々は、両端部にリールヘッドを有するリールバーで構成され、該両リールヘッドが巻取マンドレルを有し、
前記リールキャリアの回転の前に、前記リールバーを、前記リールキャリアに対して略平行な位置に位置させる、巻取方法。
【請求項30】
請求項25記載の巻取方法において、
前記リールバーを、前記更なる処理工程の間、前記リールキャリアに対して略平行な位置に留める、巻取方法。
【請求項31】
請求項25記載の巻取方法において、
繊維ストランドを、特に紡績することによって連続的に生成し、
前記リールキャリアの回転により前記次のリールを準備する間は、前記繊維ストランドを蓄積装置に一時的に蓄積させる、巻取方法。
【請求項32】
請求項31記載の巻取方法において、
前記リールを、前記蓄積装置に蓄積された繊維ストランドの長さが所定の長さを下回るまで動作させ、該下回った後、前記リールを、それまでよりも低い回転速度で動作させる、巻取方法。
【請求項33】
請求項25記載の巻取方法において、
繊維ストランドを、特に紡績することによって連続的に生成し、
前記繊維ストランドの巻取りを、前記リールの変速回転及び/又は略定速回転で行い、
前記巻取りの速度変動を、蓄積装置によって吸収する、巻取方法。
【請求項34】
請求項33記載の巻取方法において、
前記蓄積装置に蓄積された繊維ストランドに関する限界値を上回る又は下回る場合に、前記リールの回転速度を再調整する、巻取方法。
【請求項35】
請求項31〜34のいずれか1つに記載の巻取方法において、
前記繊維ストランドの張力を、前記蓄積装置を介して設定する、巻取方法。
【請求項36】
請求項35記載の巻取方法において、
前記繊維ストランドの張力を、繊維張力測定器により測定して、必要に応じて再調整する、巻取方法。
【請求項37】
請求項31〜36のいずれか1つに記載の巻取方法において、
前記繊維ストランドの引張りを、前記蓄積装置のダンサローラ、特にトルク制御サーボモータのような小質量引張装置を介して、特に、滑らかな歯の付いたベルト駆動部との連携によって行う、巻取方法。
【請求項38】
請求項25記載の巻取方法において、
繊維ストランドの始端部を前記リールに取り付けてから巻取りを開始し、一定の回転量だけ回転した後に巻取りを終了して、前記繊維ストランドの終端部を前記リールに取り付ける、巻取方法。
【請求項39】
請求項25記載の巻取方法において、
前記繊維束を前記第1リールに巻き取った後、繊維ストランドを、引渡し把持具によって把持しかつ切断して、前記リールキャリアを回転させた後に前記次のリールへ引き渡す、巻取方法。
【請求項40】
請求項25記載の巻取方法において、
繊維ストランドの自由端部を、吸引装置を介して吸引する、巻取方法。
【請求項41】
請求項26記載の巻取方法において、
前記繊維束を更に処理するために、前記繊維束の張力を、前記巻取マンドレルの変位によって低減する、巻取方法。
【請求項42】
請求項26記載の巻取方法において、
前記巻取マンドレルの周囲に巻き付けることによって2分された前記繊維束を、略円形断面にする、巻取方法。
【請求項43】
請求項25記載の巻取方法において、
前記繊維束を、前記更なる処理において、前記繊維束の長さに相当する長さのフィルム帯で包装する、巻取方法。
【請求項44】
請求項43記載の巻取方法において、
前記繊維束を、前記フィルムで包装することによって圧縮する、巻取方法。
【請求項45】
請求項43記載の巻取方法において、
前記繊維束の周囲に巻き付けた前記フィルムを、特に溶着によって固定する、巻取方法。
【請求項46】
請求項25記載の巻取方法において、
前記繊維束を、前記更なる処理において、複数のより小さい束部分に切断する、巻取方法。
【請求項47】
請求項25記載の巻取方法において、
請求項1〜24のいずれか1つに記載の巻取装置を使用する、巻取方法。
【請求項48】
繊維束、特に中空糸膜束を、特に透析フィルタを製造するために、フィルムによって包装する包装装置であって、
第1及び第2の側部エレメントと、前記第1及び第2の側部エレメント間に固定され、前記フィルム及び前記繊維束を受け入れるための柔軟な溝部とからなり、少なくとも前記第1側部エレメントを、前記溝部を横切るように移動させる駆動部が設けられた受入部と、
前記繊維束の周囲に前記フィルムを折り曲げるために、前記溝部を横切るように移動する少なくとも1つの折曲機とを備える、包装装置。
【請求項49】
請求項48記載の包装装置において、
包装しようとする前記繊維束の長さは、中空糸膜束によって製造される透析フィルタのフィルタ部分の少なくとも3倍の長さである、包装装置。
【請求項50】
請求項48記載の包装装置において、
前記繊維束の周囲に配置された前記フィルムを固定する装置、特に溶着する装置を備える、包装装置。
【請求項51】
請求項48記載の包装装置において、
前記繊維束を複数の部分に切断する装置を備える、包装装置。
【請求項52】
請求項51記載の包装装置において、
前記繊維束を切断する装置は、前記繊維束に沿って移動可能な少なくとも1つの切断器具を有する、包装装置。
【請求項53】
請求項48記載の包装装置において、
前記溝部は、切欠部を有し、
前記切欠部を通る前記折曲機の移動及び/又は前記切欠部による前記折曲機の固定を行うことが可能である、包装装置。
【請求項54】
請求項48記載の包装装置において、
前記柔軟な溝部が曲がって円筒を形成するように、前記溝部に面する前記第1側部エレメントの先端を、前記溝部に面する前記第2側部エレメントの先端を通過するように移動させることが可能である、包装装置。
【請求項55】
請求項48記載の包装装置において、
前記柔軟な溝部は、該溝部における前記第1側部エレメントに面する長手側部に切欠部を有し且つ該溝部における他方の長手側部で前記第2側部エレメントに固定される構成、及び/又は、該溝部における前記第2側部エレメントに面する長手側部に切欠部を有し且つ該溝部における他方の長手側部で前記第1側部エレメントに固定される構成、を備える、包装装置。
【請求項56】
請求項55記載の包装装置において、
前記両側部エレメントのうちの少なくとも1つは、突出部及び切欠部を備え、
前記柔軟な溝部は、前記突出部に固定され、
前記側部エレメントの切欠部は、前記溝部における該切欠部と同じ側の長手側部の切欠部と繋がっている、包装装置。
【請求項57】
請求項56記載の包装装置において、
前記側部エレメントの突出部は、前記側部エレメントの移動に際して、前記溝部における該突出部とは反対側の長手側部に設けられた前記切欠部を通って移動する、包装装置。
【請求項58】
請求項56記載の包装装置において、
前記両側部エレメントが、突出部及び切欠部を備える、包装装置。
【請求項59】
請求項55記載の包装装置において、
前記柔軟な溝部は、前記フィルムに対して低摩擦係数の材料で構成される、包装装置。
【請求項60】
請求項55記載の包装装置において、
前記柔軟な溝部は、スチールシート又はスチールフィルムで構成される、包装装置。
【請求項61】
請求項48記載の包装装置において、
前記柔軟な溝部が固定されている前記両側部エレメントのうちの1つの側部エレメントの端部は、ナイフエッジとして形成され、
他方の側部エレメントの対応する端部を、前記ナイフエッジの上側へ移動させることが可能である、包装装置。
【請求項62】
請求項61記載の包装装置において、
前記ナイフエッジの上面と前記他方の側部エレメントの端部の下面との間の間隔は、前記柔軟な溝部の直径に比べて小さい、包装装置。
【請求項63】
請求項61記載の包装装置において、
前記柔軟な溝部は、前記フィルムに対する摩擦係数が、該フィルム同士の摩擦係数よりも高い材料で構成される、包装装置。
【請求項64】
請求項61記載の包装装置において、
前記柔軟な溝部は、織布、特に、薄い織布及び/又はゴム引きした織布で構成される、包装装置。
【請求項65】
請求項64記載の包装装置において、
前記織布は、前記両側部エレメントの端部に取り付けられていて、該両側部エレメント間で弛んでいる、包装装置。
【請求項66】
繊維束、特に中空糸膜束を、特に透析フィルタを製造するために、フィルムによって包装する包装方法であって、
前記繊維束を、フィルム上に載せた状態で、第1及び第2の側部エレメントと該第1及び第2の側部エレメント間に固定された柔軟な溝部とからなる受入部に入れ、
次に、前記フィルムの、固定されていないフリー状態の長手側部を、前記溝部を横切るように移動可能な折曲機によって、前記繊維束の周囲に配置するとともに、
前記両側部エレメントを、該両側部エレメントのうちの少なくとも1つを移動させる駆動部を制御することによって、互いに接近させる、包装方法。
【請求項67】
請求項66記載の包装方法において、
前記繊維束を、前記両側部エレメントの互いの接近によって圧縮する、包装方法。
【請求項68】
請求項66記載の包装方法において、
前記フィルムを固定し、特にそれ自体に溶着する、包装方法。
【請求項69】
請求項66記載の包装方法において、
前記繊維束を、複数の繊維束部分に切断する、包装方法。
【請求項70】
請求項66記載の包装方法において、
前記柔軟な溝部が曲がって円筒を形成するように、前記溝部に面する前記第1側部エレメントの先端を、前記溝部に面する前記第2側部エレメントの先端を通過するように移動させる、包装方法。
【請求項71】
請求項66記載の包装方法において、
前記フィルムの両長手側部がフリー状態にあり、該フィルムの両長手側部を、折曲機によって、互いに重なり合うように前記繊維束上に連続的に配置する、包装方法。
【請求項72】
請求項71記載の包装方法において、
前記両側部エレメントのうちの少なくとも1つは、先端を形成する突出部を備え、
前記突出部は、前記溝部が円筒を形成するように、前記溝部における該突出部とは反対側の長手側部に設けられた、対応する切欠部を通って移動するものである、包装方法。
【請求項73】
請求項71記載の包装方法において、
前記フィルムを、前記柔軟な溝部の表面に沿って滑らせる、包装方法。
【請求項74】
請求項66記載の包装方法において、
前記フィルムの第1長手側部を、一方の側部エレメントの、ナイフエッジとして形成された端部から他方の側部エレメント端部の下側へ押す、包装方法。
【請求項75】
請求項74記載の包装方法において、
前記第1長手側部を、前記繊維束上に位置する前記フリー状態の長手側部上へ押す、包装方法。
【請求項76】
請求項74記載の包装方法において、
前記フィルムを、前記柔軟な溝部との摩擦によって、該溝部に沿って移動させる、維束包装方法。
【請求項77】
請求項66〜76のいずれか1つに記載の包装方法において、
請求項48〜65のいずれか1つに記載の包装装置を使用する、包装方法。
【請求項78】
繊維束、特に中空糸膜束を、特に透析フィルタを製造するために仕上げる仕上装置であって、
請求項1〜24のいずれか1つに記載の巻取装置と、
請求項48〜65のいずれか1つに記載の包装装置とを組み合わせてなる、仕上装置。
【請求項79】
繊維束、特に中空糸膜束を、特に透析フィルタを製造するために仕上げる仕上方法であって、
請求項25〜47のいずれか1つに記載の巻取方法と、
請求項66〜77のいずれか1つに記載の包装方法とを組み合わせてなる、仕上方法。
【請求項80】
請求項79記載の仕上方法において、
前記繊維束を前記リールに張った状態で、該繊維束をフィルムで包装する、仕上方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2010−511446(P2010−511446A)
【公表日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−539639(P2009−539639)
【出願日】平成19年11月27日(2007.11.27)
【国際出願番号】PCT/EP2007/010296
【国際公開番号】WO2008/067934
【国際公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(599117152)フレゼニウス メディカル ケアー ドイチュラント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (50)
【氏名又は名称原語表記】Fresenius Medical Care Deutschland GmbH
【Fターム(参考)】