説明

繊維構造体及びその製造方法

繊維構造体、特にフェイシャル・ティッシュ、トイレット・ティッシュ、及びペーパータオル、及びナプキン製品中に組み込まれる繊維構造体であって、約0.4mm〜約1.2mmの長さと約3.0mg/100m〜約7.5mg/100mの繊維粗度とを有する繊維を含み、ここでこの繊維構造体が、約3.5より大きく約15までのリント値を示す繊維構造体、並びにこうした繊維構造体の製造方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維構造体、特にフェイシャル・ティッシュ、トイレット・ティッシュ、ペーパータオル、及びナプキン製品中に組み込まれる繊維構造体に関し、これは約0.4mm〜約1.2mmの長さと約3.0mg/100m〜約7.5mg/100mの繊維粗度とを有する繊維を含み、ここで繊維構造体は、約3.5より大きく約15までのリント値を示す。
【背景技術】
【0002】
典型的には、衛生ティッシュ製品に用いられる繊維構造体は、二つ以上の繊維完成紙料を含有する。こうした繊維構造体は、典型的には、相対的に長い繊維、即ち約2mmを超える加重平均長さの繊維長を有する繊維から構成される一つの完成紙料を含有する。この完成紙料は、補強又は強度の生成として意図される。次に、繊維構造体は、少なくとも一つの相対的に短い繊維完成紙料、即ち約1mm未満の繊維長を有する短繊維完成紙料を更に含む。短繊維は相対的に非結合であるため、柔軟性を改善する。非結合繊維は、ビロードのような滑らかさを構造体に付与する遊離末端部を可能にする。こうしたビロードのような構造体の開示については、本明細書に参考として組み込まれる米国特許第4,300,981号(カールステンス(Carstens))を参照のこと。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
短繊維の使用は、許容される最小平均繊維長について、並びに総完成紙料の部分の短繊維完成紙料であり得る割合についての両方について制限されることは、当業者には周知である。これは、使用する繊維が短ければ短いほど、一般的にはティッシュペーパー構造体がリントを放出する傾向を増加させるという周知の事実による。幾らかの量のリントの程度であれば受け入れることができるが、過剰のリントは、製造において大きな問題(ほこりの生成)となる可能性がある。製品のユーザーはまた、リントが家庭内のほこりの集積の原因であり、使用後に身体に貼り付くティッシュ片を残すとして、否定的に捉える可能性がある。
【0004】
リントに関するこの問題は、ティッシュペーパー製品がいわゆる通気乾燥(「TAD」)抄紙方法により製造される場合には大きくなる。これは、ティッシュペーパーウェブをヤンキードライヤーの表面に対して押し付ける場合に、ほぐれたリントをつなぎ止めるプロセスが強化されるためである。この押し付けは、幾つかのTAD方法においては、従来の非TAD方法に典型的である領域の100%全体の押し付けから、表面の50%未満まで、より好ましくは40%未満にまで変化する。こうした限定された押し付けに付随するリントの減少は、驚くほど良好であるが、従来のウェブ製造と比較すれば、必然的に悪くなる。更に幾つかのTAD方法では、ヤンキードライヤーは完全に排除され、これは明らかに強度生成のこの手段をすっかり排除する。
【0005】
現在の技術は、抄紙方法に用いられる短繊維完成紙料を、約0.75mmより大きくなるように制限している。
【0006】
発明者は、約3.5より大きいリント値を有する繊維性ティッシュ構造体において、驚くほど短い繊維長、即ち約0.4mm〜約1.2mmの繊維が製造に使用でき、こうしたティッシュペーパー構造体の使用は、リント値の著しい増加なしに柔軟性の効果を提供することを今や見出した。
【0007】
約0.4mm〜約1.2mmの長さと約3.0mg/100m〜約7.5mg/100mの繊維粗度とを有する短繊維を含む繊維構造体であって、ここでこの繊維構造体が約3.5より大きいリント値を有する繊維構造体を教示する先行技術はない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、約3.5より大きいリント値を示す繊維構造体を提供する。
【0009】
本発明の一つの態様では、約0.4mm〜約1.2mmの長さと約3.0mg/100m〜約7.5mg/100mの繊維粗度とを有する短繊維を含む短繊維完成紙料を含む繊維構造体であって、ここでこの繊維構造体が約3.5より大きく約15までのリント値を有する繊維構造体が提供される。
【0010】
本発明の別の態様では、本発明による繊維構造体を含む紙製品が提供される。
【0011】
本発明の更に別の態様では、本発明による繊維構造体を含む衛生ティッシュ製品が提供され、ここで衛生ティッシュ製品は、フェイシャル・ティッシュ製品、トイレット・ティッシュ製品、ナプキン、ペーパータオル製品、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0012】
本発明の更に別の態様では、
a.約0.4mm〜約1.2mmの長さと約3.0mg/100m〜約7.5mg/100mの繊維粗度とを有する柔軟な繊維を短繊維完成紙料を形成するために水を混合することにより短繊維を含む短繊維完成紙料を含む繊維完成紙料を調製する工程と、
b.繊維完成紙料を小孔のある形成用表面上に沈積して、初期繊維ウェブを形成する工程と、
c.初期ウェブを乾燥する工程と、を含む繊維構造体の製造方法が提供される。
本発明の更に別の態様では、
a.第二の繊維より大きい柔軟性値を示す第一の繊維を識別する工程と、ここで第一の繊維を含む繊維構造体が、第二の繊維を含む繊維構造体と等しいか又はそれより小さいリント値を有する工程と、
b.第一の繊維を繊維構造体中に組み込んで、柔軟な繊維構造体を形成する工程と、を含む柔軟な繊維構造体の製造方法が提供される。
【0013】
本発明のなお更に別の態様では、
a.第一の繊維構造体中に存在する総繊維の少なくとも10重量%の水準で第一の繊維構造体中に組み込まれる場合に、第一の柔軟性値及び第一のリント値を示す第一の繊維を識別する工程と、
b.第一の繊維が第一の繊維構造体中に組み込まれるのと同じ水準で第二の繊維構造体中に組み込まれる場合に、第一の柔軟性値より小さい第二の柔軟性値と第一のリント値より大きい第二のリント値をを示す第二の繊維を識別する工程と、
c.第一の繊維を繊維構造体中に組み込んで、柔軟な繊維構造体を形成する工程と、
d.任意選択的に、柔軟な繊維構造体を紙製品中に組み込む工程と、を含む柔軟な繊維構造体の製造方法が提供される。
【0014】
本発明のなお更に別の態様では、本発明による方法により製造される柔軟な繊維構造体が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本明細書で使用する時、「繊維」は、その見かけの幅より非常に大きい見かけの長さを有する、即ち長さ対直径の比が少なくとも約10である、細長い微粒子を意味する。より具体的には、本明細書で使用する時、「繊維」は抄紙用繊維を指す。本発明は、抄紙用繊維、例えば、合成繊維、又は他のいずれかの好適な繊維、及びそれらの組み合わせのような様々な繊維の使用を考察している。本発明で有用な抄紙用繊維には、木材パルプ繊維として一般的に既知のセルロース繊維が挙げられる。利用可能な木材パルプには、クラフトパルプ、亜硫酸塩パルプ、及び硫酸塩パルプなどの化学パルプ、並びに例えば、砕木パルプ、サーモメカニカルパルプ、及び化学的に改質したサーモメカニカルパルプを包含するメカニカルパルプが挙げられる。しかしながら、化学パルプから作製されたティッシュシートには触知できる優れた柔軟性が付与されることから、それらが好ましい場合がある。落葉樹(以下、「広葉樹材」とも呼ばれる)及び針葉樹(以下、「針葉樹材」とも呼ばれる)の両方に由来するパルプを使用してもよい。広葉樹材の繊維及び針葉樹材の繊維は混合することができ、あるいは層状ウェブを提供するために層状に沈積することができる。米国特許第4,300,981号及び同第3,994,771号が、広葉樹材及び針葉樹材の繊維の層化を開示する目的で、本明細書に組み込まれる。また本発明に適用可能であるのはリサイクル紙から得られる繊維であり、これは、上記分類のいずれか又はすべて、並びにもとの抄紙を容易にするために用いられる充填剤及び接着剤のような他の非繊維性物質を含有してもよい。
【0016】
様々な木材パルプ繊維に加え、綿リンター、レーヨン及びバガスのような、他のセルロース繊維が本発明で使用可能である。高分子繊維のような合成繊維も使用可能である。エラストマーポリマー、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリオレフィン及びナイロンが使用可能である。高分子繊維は、スパンボンド法、メルトブローン法及び他の好適な当技術分野において既知の方法により製造され得る。
【0017】
初期繊維ウェブは、水以外の液体への分散液を用いることもできるが、典型的には、抄紙用繊維の水性分散液から調製することができる。繊維はキャリア流体中に分散され、約0.1〜約0.3%の濃度を有する。本発明はまた、繊維がキャリア液体中に分散されて、約50%未満、より好ましくは約10%未満の濃度を有する湿式フォーミング操作に適用できると考えられる。
【0018】
本明細書で使用する時、「衛生ティッシュ製品」とは、排尿後及び排便後の清浄のための拭取り用具(トイレット・ティッシュ)、耳鼻咽喉科学的な排泄物のための拭取り用具(フェイシャル・ティッシュ)として、並びに吸収及び洗浄のための多機能の使用(吸収性タオル)に有用な、柔軟で低密度(即ち、約0.15g/cm3未満)のウェブを意味する。
【0019】
本明細書で使用する時、「重量平均分子量」は、「コロイド及び界面、物理化学及び工学の態様(Colloids and Surfaces A.Physico Chemical & Engineering Aspects)」、162巻、2000年、107〜121頁に見出される手順にしたがって、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて測定される時の重量平均分子量を意味する。
【0020】
本明細書で使用する時、「湿潤破裂強度」は、繊維構造体及び/又は繊維構造体を組み込む紙製品が、湿潤状態で、繊維構造体及び/又は紙製品の平面に垂直な変形を受ける場合にエネルギーを吸収する能力の指標である。湿潤破裂強度は、トウィング・アルバート・インスツルメント社(Thwing-Albert Instrument Company)(ペンシルベニア州フィラデルフィア)から市販されている2000gロードセル装備トウィング・アルバート破裂試験機(Thwing-Albert Burst Tester)カタログ番号177を用いて測定されてもよい。
【0021】
湿潤破裂強度は、本発明による八(8)つの繊維構造体を採取し、それらを二(2)つずつの試料の4対に分けることにより測定される。試料が機械方向におよそ228mm、及び機械横方向におよそ114mmであり、それぞれが二つの完成製品単位の厚さになるように、鋏を用いて試料を切断する。最初に、試料の束を小さな紙ばさみを用いて共に付着させることにより、試料を2時間置き、試料の束のもう一方の端を、107℃(±3℃)の強制通風オーブン中で5分間(±10秒)クランプによって「扇形に広げる」。加熱期間の後、試料の束をオーブンから取り出し、試験する前に最小限3分間冷却する。一つの試料ストリップを採取し、狭い機械横方向の端を持って試料の中央を、約25mmの蒸留水で満たされた皿状容器の中に浸漬する。試料を水中に4(±0.5)秒間放置する。試料を持って取り出し、3(±0.5)秒間水抜きをし、それにより水は機械横方向に流出する。水抜き工程の後、直ちに試験に移る。湿潤状態の試料を、破裂試験機の試料保持装置の下方のリング上に、試料の外側表面が上に向くようにして設置し、その結果試料の湿潤した部分が試料保持リングの開いた面を完全に覆うようにする。皺が存在する場合は、試料を廃棄し、新しい試料を用いて繰り返す。試料が下方の試料保持リング上に適切に配置されたら、破裂試験機の上方のリングを下げるスイッチを入れる。試験される試料を、試料保持装置内にこれでしっかりと保持する。この時点で破裂試験機の開始ボタンを押すことにより、破裂試験を直ちに開始する。プランジャが、試料の濡れた表面のほうに上がり始める。試料が裂ける又は破裂した時点で、最大の読みを報告する。プランジャは自動的に反転し、そのもとの開始位置に戻る。この手順を、合計四(4)試験、即ち四(4)つの複製のために、更に三(3)つの試料について繰り返す。結果を、四(4)つの複製の平均として最も近いgで報告する。
【0022】
本明細書で使用する時、「坪量」は、lbs/3000ft2又はg/m2で報告される、試料の単位面積あたりの重量である。坪量は、特定の面積(m2)の一つ以上の試料を用意し、本発明による繊維構造体及び/又はそのような繊維構造体を含む紙製品である試料(又は複数の試料)を、0.01gの最小感度を有する上皿天秤で秤量することにより測定される。天秤は、風防を使用することにより、気流及びその他の外乱から保護される。天秤の表示が安定した時に、重量を記録する。平均重量(g)、及び試料の平均面積(m2)を計算する。坪量(g/m2)を、平均重量(g)を試料の平均面積(m2)で除算することにより計算する。
【0023】
本明細書で使用する時、「機械方向」(「MD」)は、抄紙機及び/又は製品製造機器を通る繊維構造体の流れに平行な方向を意味する。
【0024】
本明細書で使用する時、「機械横方向」(「CD」)は、繊維構造体及び/又は繊維構造体を含む紙製品の同じ平面において、機械方向に垂直な方向を意味する。
【0025】
本発明の繊維構造体及び/又はこうした繊維構造体を含む紙製品の「総乾燥引張強度」(「TDT」)は以下のように測定される。1インチ×5インチ(2.5cm×12.7cm)の、繊維構造体及び/又はこうした繊維構造体を含む紙製品のストリップが提供される。ストリップは、温度73°F±4°F(約28℃±2.2℃)、及び相対湿度50%±10%に調整された室内で、インストロン社(Instron Corp.)(マサチューセッツ州カントン(Canton))から市販されている電子引張り試験機モデル1122上に設置される。引張り試験機のクロスヘッド速度は2.0インチ/分(約5.1cm/分)、及びゲージ長さは4.0インチ(約10.2cm)である。TDTは、ストリップのMD及びCD引張強度の算術的合計である。
【0026】
本明細書で使用する時、「キャリパー」は試料の巨視的な厚さを意味する。本発明による繊維構造体の試料のキャリパーは、繊維構造体の試料の大きさが荷重下部積載表面より大きくなるように、繊維構造体の試料を切断することにより測定されるが、この場合荷重下部積載表面は、約20.26cm2(3.14インチ2)の円の表面積を有する。試料は水平平面と荷重下部積載表面との間に入れられる。荷重下部積載表面は、封圧147,644g/m2(約0.21psi)を試料に適用する。キャリパーは、平面と荷重下部積載表面との間に結果として生じる隔たりである。こうした測定は、トウィング・アルバート・インスツルメント社(Thwing-Albert Instrument Company)(ペンシルベニア州フィラデルフィア)から入手可能であるVIR電子厚さ試験機(VIR Electronic Thickness Tester)モデルIIにより得ることができる。キャリパーの測定を、平均のキャリパーが計算できるように、少なくとも5回繰り返し、記録する。結果をミリメートルで報告する。
【0027】
本明細書で使用する時、「見かけの密度」又は「密度」は、その中に組み込まれた適切な変換を用いて、試料の坪量をキャリパーで除算したものを意味する。本明細書で用いられる見かけの密度は、g/cm3の単位を有する。
【0028】
本発明による繊維構造体及び/又はこうした繊維構造体を含む紙製品の「柔軟性」は次のように測定される。理想的には、柔軟性の試験の前に、試験される試料は、パルプ製紙業界技術協会法(Tappi Method)#T4020M−88にしたがって調整される必要がる。その場合、試料は、相対湿度10〜35%の程度、及び温度範囲22℃〜40℃内で24時間予備調整される。この予備調整工程後、試料は相対湿度48〜52%、及び温度範囲22℃〜24℃内で24時間調整される必要がある。理想的には、柔軟性パネル試験は、一定温度及び一定湿度の部屋の領域内で行われる必要がある。これが実現可能でない場合には、対照を包含するすべての試料は、同一の環境暴露条件を受ける必要がある。
【0029】
柔軟性試験は、本明細書に参考として組み込まれる「官能試験法についてのマニュアル(Manual on Sensory Testing Methods)」(ASTM特殊技術公開(ASTM Special Technical Publication)434(アメリカ試験材料協会(American Society For Testing and Materials)より出版、1968年)に記載されているものに類似した形態における一対比較として実行される。柔軟性は、二点識別試験法(Paired Difference Test)と呼ばれるものを用いる主観試験により評価される。この方法は試験物質自体について外部にある標準を採用する。触知できる柔軟性について、二つの試料が、被験者が試料を見られないようにして提示され、被験者は柔軟性の感触に基づいて、それらの内の一つを選択するように要求される。試験の結果を、パネルスコア単位(PSU)と呼ばれるものにより報告する。本明細書でPSUにより報告される柔軟性データを得るための柔軟性試験に関して、幾つかの柔軟性パネル試験が実行される。各試験では、10人の熟練した柔軟性の判定者に、対になった試料の三組の相対的な柔軟性を格付けするように依頼する。試料対は一度に一対ずつ各判定者により判定される:各対の一つの試料はXと指定され、及びもう一つはYと指定される。つまり、各X試料はその対であるY試料に対して次のように格付けされる:
1.+1の等級は、XがYより少し柔軟であるかもしれないと判定される場合に与えられ、及び−1の等級は、YがXより少し柔軟であるかもしれないと判定される場合に与えられ;
2.+2の等級は、XがYより確かに少し柔軟であると判定される場合に与えられ、及び−2の等級は、YがXより確かに少し柔軟であると判定される場合に与えられ;
3.+3の等級は、XがYより大いに柔軟であると判定される場合にXに与えられ、及び−3の等級は、YがXより大いに柔軟であると判定される場合に与えられ;並びに最後に:
4.+4の等級は、XがYよりはるかに柔軟であると判定される場合にXに与えられ、及び−4の等級は、YがXよりはるかに柔軟であると判定される場合に与えられる。
【0030】
等級は平均され、結果として得られる値はPSUの単位である。結果として得られるデータは、一つのパネル試験の結果であると考えられる。一つより多くの試料対が評価される場合には、すべての試料対は、一対統計分析によってそれらの等級にしたがって序列化される。次に、ゼロ基準となるように選択される試料にゼロのPSU値を与えることが必要であるため、格付けは必要に応じて値が上下に移動される。次に他の試料は、ゼロ基準に関するそれらの相対的等級により決定されるように、プラス又はマイナスの値を有する。実行され及び平均されたパネル試験の数は、約0.2PSUが主観的に感知される柔軟性における有意差を表すようなものである。
【0031】
本明細書で使用する時、「プライ」(単数又は複数)は、他のプライと実質的に隣接した向かい合わせの関係に任意に配置されて、多プライの繊維構造体を形成する、個々の繊維構造体を意味する。また、単一の繊維構造体は、例えばそれ自体の上に折り畳まれることにより、効果的に二つの「プライ」又は多「プライ」を形成できると考えられる。
【0032】
本明細書で使用する時、本明細書で使用される場合の冠詞、「a」及び「an」、例えば、「アニオン性界面活性剤(an anionic surfactant)」又は「繊維(a fiber)」は特許請求された又は記載された物質の一つ以上を意味するものと理解される。
【0033】
百分率及び比率はすべて、特に指示しない限り、重量で計算される。百分率及び比率はすべて、特に指示しない限り、総組成物を基準にして計算される。
【0034】
特に記載しない限り、構成成分又は組成物の濃度はすべて、当該構成成分又は組成物の活性物質濃度に関するものであり、市販の供給源に存在する場合がある不純物、例えば残留溶媒又は副生成物は、除外される。
【0035】
繊維構造体
本発明の繊維構造体は、約0.4mm〜約1.2mmの長さと約3.0mg/100m〜約7.5mg/100mの繊維粗度とを有する短繊維を含む短繊維完成紙料を含む繊維完成紙料を含んでもよい。
【0036】
短繊維に加えて、繊維構造体は、湿潤強度向上樹脂、好ましくは永続的湿潤強度向上樹脂を含んでもよい。また短繊維に加えて、繊維構造体は化学柔軟剤を含んでもよい。繊維構造体を製造するために用いられる繊維完成紙料は更に、永続的湿潤強度向上樹脂を含んでもよい。約0.4mm〜約1.2mmの長さと約3.0mg/100m〜約7.5mg/100mの繊維粗度とを有する短繊維は、繊維構造体中に総繊維の少なくとも10重量%の水準で、及び/又は繊維構造体の総繊維の少なくとも20重量%から100重量%までの水準で存在してもよい。
【0037】
短繊維に加えて、本発明の繊維構造体は任意成分を包含してもよく、これらはより詳細に以下に記載される。
【0038】
短繊維完成紙料に加えて、本発明の繊維完成紙料は更に、1.2mmを超える長さを有する長繊維を含む長繊維完成紙料を含んでもよい。これらの長繊維の非限定例には、木材パルプに由来する繊維が挙げられる。綿リンター、バガスなど他のセルロース繊維系パルプ繊維を使用することができ、これらは本発明の範囲内にあることを意図する。レーヨン、ポリエチレン及びポリプロピレン繊維などの合成繊維を天然セルロース繊維と組み合わせて使用することもできる。使用できる一つの代表的なポリエチレン繊維は、ハーキュレス社(Hercules,Inc.)(デラウェア州ウィルミントン)から入手可能なパルペックス(PULPEX)(登録商標)である。
【0039】
適用可能な木材パルプには、クラフトパルプ、特にノーザン・ソフトウッド・クラフト(Northern Softwood Kraft)(「NSK」)、亜硫酸塩パルプ、及び硫酸塩パルプのような化学パルプ、並びに例えば、砕木パルプ、サーモメカニカルパルプ、及び化学的に改質したサーモメカニカルパルプを包含するメカニカルパルプが挙げられる。しかしながら化学パルプは、化学パルプから製造されるティッシュシートに優れた柔軟性の触感を付与するために好ましい。落葉樹(以下、「広葉樹材」とも呼ばれる)及び針葉樹(以下、「針葉樹材」とも呼ばれる)の両方から得られるパルプを使用することもできる。また本発明に有用であるのはリサイクル紙から得られる繊維であり、これは、上記分類のいずれか又はすべて、並びにもとの抄紙を容易にするために用いられる充填剤及び接着剤のような他の非繊維性物質を含有することができる。
【0040】
木材パルプに加えて、繊維は、トウモロコシ(即ちデンプン)のような植物供給源から製造/獲得されてもよい。
【0041】
本発明の繊維構造体は、紙、特に衛生ティッシュペーパー製品であって、一般に従来のフェルトプレスされたティッシュペーパー、嵩高な高密度模様付きティッシュペーパー、及び嵩高な非コンパクト化ティッシュペーパーが挙げられるが、これらに限定されない衛生ティッシュペーパー製品に有用である。ティッシュペーパーは、均質構造又は多層構造であってもよく、これらから製造されるティッシュペーパー製品は、単プライ構造又は多プライ構造であってもよい。ティッシュペーパーは、坪量約10g/m2〜約65g/m2、及び密度約0.6g/cc以下を有してもよい。
【0042】
従来のプレスされたティッシュペーパー及びこうした紙を製造するための方法は、当該技術分野において周知である。こうした紙は、典型的には、当該技術分野において長網ワイヤと呼ばれることが多い小孔のあるフォーミングワイヤ上に抄紙用完成紙料を沈積させることにより製造される。完成紙料がフォーミングワイヤ上に沈積すると、それはウェブと呼ばれる。ウェブをプレスする及び高温で乾燥させることにより、ウェブを脱水する。今述べたプロセスによりウェブを製造する特定の技術及び典型的な装置は、当業者には周知である。典型的なプロセスでは、低濃度のパルプ完成紙料が加圧ヘッドボックスから提供される。ヘッドボックスは、湿潤状態のウェブを形成するために、パルプ完成紙料の薄い沈積層を長網ワイヤ上に送達する開口部を有する。次に、ウェブを、典型的には真空脱水により、約7重量%〜約25重量%(総ウェブ重量基準)の繊維濃度まで脱水し、向かい合う機械部材、例えばシリンダロールにより生じる圧力をウェブが受けるプレス操作によって更に乾燥される。次に、脱水されたウェブは更にプレスされ、ヤンキードライヤーとして当該技術分野で既知のスチームドラム装置によって乾燥される。ウェブをプレスする向かい合うシリンダドラムのような機械的手段によってヤンキードライヤーで圧力を生じ得る。複数個のヤンキードライヤードラムを採用することができ、それによって更なるプレスが、任意にドラム間で発生する。形成されるティッシュペーパー構造体は、以下、従来のプレスされたティッシュペーパー構造体と呼ぶ。繊維が湿っている間にウェブ全体がかなりの機械的圧縮力を受け、次に圧縮された状態にある間に乾燥されるため、こうしたシートは緻密になっていると考えられる。
【0043】
繊維構造体は、単層初期繊維ウェブを作り出す繊維性完成紙料、又は多層初期繊維ウェブを作り出す繊維性完成紙料を使って作製されてもよい。一つ以上の短繊維が、一つ以上の長繊維と共に繊維完成紙料中に存在してもよい。更に、一つ以上の短繊維が、一つ以上の長繊維と共に完成紙料層中に存在してもよい。
【0044】
本発明の繊維構造体及び/又はこうした繊維構造体を含む紙製品は、坪量約12g/m2〜約120g/m2、及び/又は約14g/m2〜約80g/m2、及び/又は約20g/m2〜約60g/m2を有してもよい。
【0045】
本発明の繊維構造体及び/又はこうした繊維構造体を含む紙製品は、約59.05g/cm(150g/インチ)より大きい、及び/又は約78.74g/cm(200g/インチ)〜約393.7g/cm(1000g/インチ)、及び/又は約98.42g/cm(250g/インチ)〜約334.64g/cm(850g/インチ)の総乾燥引張りを有してもよい。
【0046】
本発明の繊維構造体及び/又はこうした繊維構造体を含む紙製品は、約9.84g/cm(25g/インチ)より大きい、及び/又は約11.81g/cm(30g/インチ)〜約78.74g/cm(200g/インチ)、及び/又は約59.05g/cm(150g/インチ)〜約196.85g/cm(500g/インチ)の湿潤破裂強度を有してもよい。
【0047】
短繊維:
本発明の短繊維は、約0.4mm〜約1.2mm、及び/又は約0.5mm〜約0.75mm、及び/又は約0.6mm〜約0.7mmの長さ、並びに約3.0mg/100m〜約7.5mg/100m、及び/又は約5.0mg/100m〜約7.5mg/100m、及び/又は約6.0mg/100m〜約7.0mg/100mの繊維粗度を有してもよい。
【0048】
本発明の短繊維は、アカシア、ユーカリ、カエデ、ナラ、ヤナギ、カバノキ、コットンウッド、ハンノキ、トネリコ、サクラ、ニレノキ、ヒッコリー、ポプラ、ゴム、クルミ、ニセアカシア、スズカケノキ、ブナノキ、キササゲ、サッサフラス、キバナヨウラク、ネムノキ、アントセファルス、モクレン、バガス、亜麻、大麻、ケナフ、及びこれらの混合物からなる群から選択される繊維供給源に由来してもよい。
【0049】
一つの実施形態では、短繊維は、熱帯広葉樹材に由来する。
【0050】
別の実施形態では、短繊維は、アカシア、ユーカリ、キバナヨウラク、及びこれらの混合物からなる群から選択される繊維供給源に由来する。
【0051】
別の実施形態では、短繊維は、アカシア、キバナヨウラク、及びこれらの混合物からなる群から選択される繊維供給源に由来する。
【0052】
更に別の実施形態では、短繊維はアカシアに由来する。
【0053】
約0.4mm〜約1.2mmの長さと約3.0mg/100m〜約7.5mg/100mの繊維粗度とを有する好適な短繊維の非限定例は、インドネシアのPT Telから市販されている。
【0054】
本発明の短繊維は、セルロース及び/又はヘミセルロースを含んでもよい。好ましくは、繊維はセルロースを含む。
【0055】
短繊維の長さ及び繊維粗度は、フィンランド、カヤーニのメッツォ・オートメーション(Metso Automation)から市販される、カヤーニ・ファイバーラブ繊維分析器(Kajaani FiberLab Fiber Analyzer)を用いて測定されてもよい。本明細書で使用する時、繊維長は、「加重平均長さの繊維長」として定義される。装置と共に提供される使用説明書は、この平均に到達するために用いられる式を詳述している。繊維見本の繊維長及び繊維粗度を測定するために用いられた推奨方法は、ファイバーラブ(Fiber Lab)の製造業者により詳述されるものと本質的に同じである。しかしながらファイバーラブ(Fiber Lab)に装填するための推奨水準は、製造業者によって推奨されるものより幾分低いが、これはより信頼性のある操作を提供するためである。本明細書で定義される時、短繊維完成紙料は、機器に装填する前に0.02〜0.04%に希釈される必要がある。本明細書で定義される時、長繊維完成紙料は、0.15%〜0.30%に希釈される必要がある。あるいは、短繊維及び/又は長繊維の長さ及び繊維粗度は、短繊維及び/又は長繊維を外部の契約研究室、例えばウィスコンシン州アップルトンの総合紙サービス(Integrated Paper Services)に送ることにより測定されてもよい。
【0056】
本発明の繊維は、非通気乾燥方法により従来のように乾燥されてもよいし、及び/又は通気乾燥されてもよい。
【0057】
本発明の繊維構造体及び/又はこうした繊維構造体を含む紙製品のリント値は、約3.5より大きくても、及び/又は約4より大きくても、及び/又は約5より大きくてもよく、及び/又は約5〜約8、及び/又は約8〜約13であってもよい。
【0058】
リント法:
繊維構造体から生成するリントの量は、サザーランド摩擦試験機(Sutherland Rub Tester)を用いて測定される。この試験機は、繊維構造体が静止位置に固定される間に、モーターを用いて、重りをつけたフェルトで繊維構造体上を5回擦る。この繊維構造体は、この方法を通じて「ウェブ」と呼ぶことができる。ハンターカラー(Hunter Color)Lの値が摩擦試験の前後に測定される。次に、二つのハンターカラー(Hunter Color)Lの値の差を用いて、リント値を計算する。
【0059】
i.試料の調製
リント摩擦試験の前に、試験される試料は、パルプ製紙業界技術協会法(Tappi Method)#T402OM−88にしたがって調整される必要がある。その場合、試料は、相対湿度10〜35%の程度、及び温度範囲22℃〜40℃内で24時間予備調整される。この予備調整工程後、試料は相対湿度48〜52%、及び温度範囲22℃〜24℃内で24時間調整される必要がある。この摩擦試験はまた、一定温度及び一定湿度の部屋の領域内で行われる必要がある。
【0060】
サザーランド摩擦試験機(Sutherland Rub Tester)は、テスティング・マシーンズ社(Testing Machines,Inc.)(1701ニューヨーク州アミティービル)から入手してもよい。ウェブは、取り扱い中に磨り減っている場合があるいずれかの製品、例えばロールの外側を取り除き及び廃棄することにより最初に準備される。ウェブの複数のプライから形成される製品については、この試験を用いて多プライ製品上のリントの測定を行うこともでき、又は見本を損傷することなくプライが分離できる場合には、製品を構成する個々のプライについて測定を行うこともできる。所与の試料の表面がそれぞれ異なる場合には、両方の表面を試験し、合成したリント値に達するために値を平均することが必要である。場合によっては、製品は外側に向く表面が同等であるような多プライのウェブから製造され、この場合には片面だけを試験することが必要である。両表面が試験される場合には、試験のため六つの見本を得ることが必要である(単一表面の試験には三つの見本のみが必要である)。各見本は、折り目がウェブ試料の横断方向(CD)に沿って付くように半分に折られる必要がある。二表面の試験については、第一表面を「外側」にして三試料を作製し、第二側表面を「外側」にして三試料を作製する。どの試料が第一表面を「外側」にしており、どの試料が第二表面を「外側」にしているのかを記録しておく。
【0061】
コーデージ社(Cordage Inc.)(45217オハイオ州シンシナティのE.ロスロード800)から76×102cm(30インチ×40インチ)片のクレセント(Crescent)#300の厚紙を入手する。カッターを用いて、寸法6.35×15.24cm(2.5インチ×6インチ)の六枚の厚紙を切り取る。厚紙をサザーランド摩擦試験機(Sutherland Rub Tester)の留めピン上に押し付けることにより、六枚のカードのそれぞれに二つの穴を開ける。
【0062】
6.35×15.24cm(2.5×6インチ)の厚紙片のそれぞれを、六つの前に折り畳んだ試料上の中央に、注意深く設置する。厚紙の15.24cm(6インチ)の寸法がティッシュ試料のそれぞれの機械方向(MD)に、確実に平行になるようにする。厚紙片のそれぞれを、三つの前に折り畳んだ試料上の中央に、注意深く設置する。もう一度、厚紙の15.24cm(6インチ)の寸法がウェブ試料のそれぞれの機械方向(MD)に、確実に平行になるようにする。
【0063】
ウェブ見本のはみ出した部分の一つの端を、厚紙の背面上に折り畳む。この端を3M社(3M Inc.)から入手される接着テープ(1.9cm(3/4インチ)幅のスコッチ・ブランド(Scotch Brand)、ミネソタ州セントポール)を用いて厚紙に固定する。もう一方のはみ出したティッシュの端を注意深く掴み、厚紙の背面上にぴったりと折り畳む。ウェブ見本を厚紙にぴったりと適合させながら、この第二の端を厚紙の背面にテープで留める。各試料についてこの手順を繰り返す。
【0064】
各試料の向きを変え、ウェブ見本の横断方向の端を厚紙にテープで留める。接着テープの半分はウェブ見本に接触する必要があり、一方もう半分は厚紙に接着している。試料のそれぞれについてこの手順を繰り返す。この試料調製手順の過程において、ティッシュ試料が破れる、裂ける、又はほつれた場合はいつでも、廃棄し及び新しい試料を新しいティッシュ試料ストリップを用いて作製する。
【0065】
これで、厚紙上に第一側表面を「外側」にした三試料、及び(任意に)厚紙上に第二側表面を「外側」にした三試料が存在する。
【0066】
ii.フェルトの調製
コーデージ社(Cordage Inc.)(45217オハイオ州シンシナティのロスロード800E.)から76×102cm(30インチ×40インチ)片のクレセント(Crescent)#300の厚紙を入手する。カッターを用いて、寸法5.72×18.42cm(2.25インチ×7.25インチ)の六枚の厚紙を切り取る。厚紙の白色側面上の上端と下端から2.858cm(1.125インチ)のところに、短い寸法に平行に二本の線を引く。直線の刃をガイドとして用いて、かみそりの刃で注意深く線の長さに切り込みを入れる。シートの厚さの約半分の深さまで切り込みを入れる。この切り込み線により、厚紙/フェルトの組み合わせは、サザーランド摩擦試験機(Sutherland Rub Tester)のおもりの周囲にしっかりと適合することができる。厚紙のこの切りこみを入れた側面上に、厚紙の長い寸法に平行になる矢印を描く。
【0067】
5.72×21.59×0.1588cm(2.25インチ×8.5インチ×0.0625インチ)の寸法の六枚の黒色フェルト(F−55又は等価なもの、ニューイングランド・ガスケット(New England Gasket)(06010コネティカット州ブリストルのブロードストリート550)から)を切り取る。フェルトを、厚紙の切り込みを入れていない緑色の側面上に、フェルトと厚紙の両方の長い端が平行で及び一直線になるように設置する。フェルトの毛羽のある側面が確実に上に向くようにする。また、厚紙の上端及び下端から約1.27cm(0.5インチ)はみ出すことも可能である。両方のはみ出したフェルトの端を厚紙の背面上にぴったりと折り畳み、スコッチ・ブランド(Scotch brand)テープで留める。合計六枚のこうしたフェルト/厚紙の組み合わせを調製する。
【0068】
再現性を最も良くするため、すべての試料はフェルトの同じロットを用いて実行される必要がある。明らかに、フェルトの単一ロットが完全に使い果たされる場合がある。フェルトの新しいロットを入手しなくてはならないそのような場合には、フェルトの新しいロットについて補正因子を決める必要がある。補正因子を決めるためには、対照の単一ウェブ試料の代表的なもの、並びに新しい及び古いロットについての24個の厚紙/フェルト試料を作製するために十分なフェルトを入手する。
【0069】
以下に記載されるように、いずれの摩擦も生じる前に、フェルトの新しい及び古いロットの24個の厚紙/フェルト試料のそれぞれについて、ハンター(Hunter)Lの読みを得る。古いロットの24個の厚紙/フェルト試料、及び新しいロットの24個の厚紙/フェルト試料の両方について平均を計算する。
【0070】
次に、以下に記載されるように、新しいロットの24個の厚紙/フェルトの板紙、及び古いロットの24個の厚紙/フェルトの板紙を摩擦試験する。古い及び新しいロットの24個の試料のそれぞれについて、同じウェブロット番号が確実に用いられるようにする。加えて、厚紙/ティッシュ試料の調製におけるウェブの試料抽出を行わなくてはならず、それによりティッシュ試料のできるだけ代表的なものに、フェルトの新しいロット及びフェルトの古いロットがさらされる。損傷している又は擦り減っている場合があるいずれの製品も廃棄する。次に、較正のために48個のウェブ試料を得る。第一の試料を研究室の作業台の最も左に設置し、48個の試料の最後のものを作業台の最も右に設置する。最も左の試料に、試料の隅の1cm×1cmの領域に「1」の番号を付ける。最も右の最後の試料に、48の番号を付けられるように、連続して48まで試料に番号を付ける。
【0071】
24個の奇数番号の試料を新しいフェルトに用い、24個の偶数番号の試料を古いフェルトに用いる。奇数番号の試料を最低から最高まで順番に並べる。偶数番号の試料を最低から最高まで順番に並べる。ここで、各組について最低番号に「F」(「第一側」を表す)の文字を付け、次に高い番号に「S」(第二側を表す)の文字を付ける。試料に、この交互の「F」/「S」のパターンで印を付ける。「F」の試料を第一表面が「外側」のリント分析に、「S」の試料を第二側表面が「外側」のリント分析に用いる。これで、フェルトの新しいロット及びフェルトの古いロットについて、合計24個の試料となる。この24個の中で、12個は第一側表面が「外側」のリント分析用であり、12個は第二側表面が「外側」のリント分析用である。
【0072】
古いフェルトのすべての24個の試料について、以下に記載されるように、擦り及びハンターカラー(Hunter Color)Lの値を測定する。古いフェルトについて、12個の第一側表面によるハンターカラー(Hunter Color)Lの値を記録する。12個の値を平均する。古いフェルトについて、12個の第二側表面によるハンターカラー(Hunter Color)Lの値を記録する。12個の値を平均する。最初の擦っていないフェルトのハンターカラー(Hunter Color)Lの読みの平均を、第一側表面を擦った試料のハンターカラー(Hunter Color)Lの読みの平均から引き算する。これが、第一側表面による試料についての平均差分である。最初の擦っていないフェルトのハンターカラー(Hunter Color)Lの読みの平均を、第二側表面を擦った試料のハンターカラー(Hunter Color)Lの読みの平均から引き算する。これが、第二側表面による試料についての平均差分である。第一側表面についての平均差分と第二側表面についての平均差分の合計を計算し、この合計を2で割る。これが、古いフェルトについての非補正のリント値である。古いフェルトについて現在のフェルト補正因子があれば、それを古いフェルトについての非補正のリント値に加える。この値が、古いフェルトについての補正したリント値である。
【0073】
新しいフェルトのすべての24個の試料について、以下に記載されるように、擦り及びハンターカラー(Hunter Color)Lの値を測定する。新しいフェルトについて、12個の第一側表面によるハンターカラー(Hunter Color)Lの値を記録する。12個の値を平均する。新しいフェルトについて、12個の第二側表面によるハンターカラー(Hunter Color)Lの値を記録する。12個の値を平均する。最初の擦っていないフェルトのハンターカラー(Hunter Color)Lの読みの平均を、第一側表面を擦った試料のハンターカラー(Hunter Color)Lの読みの平均から引き算する。これが、第一側表面による試料についての平均差分である。最初の擦っていないフェルトのハンターカラー(Hunter Color)Lの読みの平均を、第二側表面を擦った試料のハンターカラー(Hunter Color)Lの読みの平均から引き算する。これが、第二側表面による試料についての平均差分である。第一側表面についての平均差分と第二側表面についての平均差分の合計を計算し、この合計を2で割る。これが、新しいフェルトについての非補正のリント値である。
【0074】
古いフェルトからの補正したリント値と、新しいフェルトについての非補正のリント値との間の差を取る。この差が、フェルトの新しいロットについてのフェルトの補正因子である。このフェルトの補正因子を新しいフェルトについての非補正のリント値に足すことは、古いフェルトについての補正したリント値と等価であるべきである。上記の手順は、二つの表面の見本に関して較正が行われたことを示すことに注意する。単一表面の試料を用いてフェルトの較正を行うことが望ましい又は必要である場合には、なお各フェルトについて合計24の試験が行われる必要あるが、それは納得のいくものである。
【0075】
iii.4ポンド(1814g)のおもりの手入れ
4ポンド(1814g)のおもりは、70.3g/平方cm(1ポンド/平方インチ)の接触圧力を提供する25.8平方cm(4平方インチ)の有効接触面積を有する。接触圧力は、おもりの面上に設置されるゴムパッドを変更することによって変え得るため、製造業者(ミシガン州カラマズーのブラウン社(Brown Inc.)の機械サービス部門(Mechanical Services Department))から供給されたゴムパッドのみを用いることが重要である。これらのパッドは、それらが硬くなる、擦り減る、又は欠けた場合には取り換えなければならない。使用していない時は、おもりは、パッドがおもりの全重量を支えていないような位置に置かれなければならない。おもりをその横に保管することが最良である。
【0076】
iv.摩擦試験機の較正
サザーランド摩擦試験機(Sutherland Rub Tester)は、使用前に最初に較正されなければならない。最初に、試験機のスイッチを「カウント(cont)」位置に動かすことにより、サザーランド摩擦試験機(Sutherland Rub Tester)のスイッチをオンにする。試験機のアームが、ユーザーに最も近い位置にある場合は、試験機のスイッチを「自動(auto)」の位置に動かす。大きいダイアル上のポインターアームを「5」の位置設定に動かすことにより、5回のストロークを実行するように試験機を設定する。1回のストロークは、単一の及び完全な前方及び後方へのおもりの動きである。各試験の開始及び終了における摩擦ブロックの終端は、操作者に最も近い位置にある必要がある。
【0077】
前述のように、厚紙上試験見本試料を調製する。加えて上述されているように、厚紙上フェルト試料を調製する。これらの試料の両方が機器の較正のために用いられ、実際の試料についてのデータの獲得には用いられない。
【0078】
この較正用ウェブ試料を試験機の下部プレート上に、板紙の穴に留めピンを滑り込ませることにより設置する。留めピンは、試料が試験中に動くことを防止する。較正用フェルト/厚紙試料を4ポンド(1814g)のおもりの上に、厚紙の側がおもりのパッドに接触するようにして挟む。厚紙/フェルトの組み合わせがおもりに対して確実に平らになるようにする。このおもりを試験機のアーム上に取り付け、ティッシュ試料をおもり/フェルトの組み合わせの下に、静かに設置する。操作者に最も近いおもりの終端は、ウェブ試料そのものの上ではなく、ウェブ試料の厚紙の上になくてはならない。フェルトは、ティッシュ試料上に平らに置かれなければならず、ウェブ表面と100%接触しなくてはならない。「押し(push)」ボタンを押下することにより、試験機を動かす。
【0079】
ストロークの回数を数え、試料との関係におけるフェルト被覆おもりの始動及び停止位置を観察して覚える。ストロークの合計回数が5であり、操作者に最も近いフェルト被覆おもりの終端が、この試験の開始及び終了において、ウェブ試料の厚紙の上にある場合には、試験機は較正されており、使用の準備ができている。ストロークの合計回数が5でないか、又は操作者に最も近いフェルト被覆おもりの終端が試験の開始若しくは終了のいずれかにおいて実際のウェブ試料の上にある場合には、5回のストロークが数えられるまで、操作者に最も近いフェルト被覆おもりの終端が試験の開始若しくは終了の両方において、厚紙の上に位置するまでこの較正手順を繰り返す。試料の実際の試験中、ストロークの回数、並びにフェルト被覆おもりの始動及び停止位置を管理して観察する。必要であれば、再較正する。
【0080】
v.ハンター色差計(HUNTER COLOR METER)の較正
機器の操作マニュアルに概説される手順にしたがって、黒色及び白色の標準プレートについてハンター色差計(Hunter Color Difference Meter)を調整する。また標準化についての安定性チェック、並びに過去8時間の間に毎日の色の安定性チェックがなされていない場合にはこれを行う。加えて、反射率ゼロをチェックしなければならず、必要であれば再調整する。白色の標準プレートを、機器ポートの下の試料台の上に設置する。試料台のロックを解除し、試料プレートを試料ポートの下まで上昇させる。「L−Y」、「a−X」、及び「b−Z」標準化ノブを用いて、「L」、「a」、及び「b」の押しボタンが順に押下される時、機器が「L」、「a」、及び「b」の標準白色プレート値(Standard White Plate Values)を読むように調整する。
【0081】
vi.試料の測定
リントの測定の第一工程は、黒色フェルト/厚紙の試料のハンターカラー(Hunter color)値をウェブ試料上で擦られる前に測定することである。測定の第一工程は、標準白色プレートをハンター色差計(Hunter color instrument)の機器ポートの下から下げることである。フェルト被覆厚紙を、矢印が色差計の背面を指すようにして標準プレート上の中央に置く。試料台のロックを解除し、フェルト被覆厚紙を試料ポートの下まで上昇させる。
【0082】
フェルトの幅が、表示画面直径よりほんの僅かに大きいため、フェルトが確実に完全に表示画面を覆うようにする。完全に覆っていることを確認した後、L押しボタンを押下し、読みが一定になるまで待つ。このLの値を最も近い0.1の単位まで読んで記録する。
【0083】
D25D2Aヘッドを用いる場合は、フェルト被覆厚紙及びプレートを下げ、フェルト被覆厚紙を90度回転させ、そのため矢印は計器の右側を指す。次に試料台のロックを解除し、もう一度表示画面が確実に完全にフェルトに覆われるようにチェックする。L押しボタンを押下する。この値を最も近い0.1の単位まで読んで記録する。D25D2Mユニットについては、記録された値は、ハンターカラー(Hunter Color)Lの値である。回転された試料の読みもまた記録されるD25D2Aヘッドについては、ハンターカラー(Hunter Color)Lの値は、二つの記録された値の平均である。
【0084】
ハンターカラー(Hunter Color)Lの値をすべてのフェルト被覆厚紙について、この技術を用いて測定する。ハンターカラー(Hunter Color)Lの値がすべて、互いの0.3単位以内である場合には、最初のLの読みを得るために平均を取る。ハンターカラー(Hunter Color)Lの値が0.3単位以内でない場合には、限界を超えるフェルト/厚紙の組み合わせを廃棄する。すべての試料が互いの0.3単位以内になるまで、新しい試料を調製し、ハンターカラー(Hunter Color)Lの測定を繰り返す。
【0085】
実際のウェブ試料/厚紙の組み合わせの測定については、ウェブ試料/厚紙の組み合わせを試験機の下部プレート上に、板紙の穴に留めピンを滑り込ませることにより設置する。留めピンは、試料が試験中に動くことを防止する。較正用フェルト/厚紙試料を4ポンド(1814g)のおもりの上に、厚紙の側がおもりのパッドに接触するようにして挟む。厚紙/フェルトの組み合わせがおもりに対して確実に平らになるように、このおもりを試験機のアーム上に取り付け、ウェブ試料をおもり/フェルトの組み合わせの下に、静かに設置する。操作者に最も近いおもりの終端は、ウェブ試料そのものの上ではなく、ウェブ試料の厚紙の上になくてはならない。フェルトは、ウェブ試料上に平らに置かれなければならず、ウェブ表面と100%接触しなくてはならない。
【0086】
次に「押し(push)」ボタンを押下することにより、試験機を動かす。5回のストロークの最後で、試験機は自動的に停止する。フェルト被覆おもりの停止位置について、試料との関係において注意する。操作者に向いたフェルト被覆おもりの終端が厚紙の上にある場合は、試験機は適切に作動している。操作者に向いたフェルト被覆おもりの終端が試料の上にある場合は、この測定を無視し、サザーランド摩擦試験機(Sutherland Rub Tester)の較正の項で上に指示されたように再較正する。
【0087】
おもりをフェルト被覆厚紙と共に取り外す。ウェブ試料を検査する。破れている場合は、フェルト及びウェブ試料を廃棄し、もう一度やり直す。ウェブ試料が損なわれていない場合には、フェルト被覆厚紙をおもりから取り外す。ブランクのフェルトについて上述されたように、フェルト被覆厚紙上でのハンターカラー(Hunter Color)Lの値を測定する。擦った後のフェルトについて、ハンターカラー(Hunter Color)Lの読みを記録する。残りのすべての試料について、擦り、ハンターカラー(Hunter Color)Lの値を測定し、記録する。すべてのウェブ見本が測定された後、すべてのフェルトを取り外し、廃棄する。フェルトのストリップは再び使用されない。厚紙はそれらが曲がる、破れる、たるむ、又はもはや滑らかな表面を持たなくなるまで使用される。
【0088】
vii.計算
次のように、未使用のフェルトについて見出された最初のLの読みの平均を、試料の第一側表面及び第二側表面についての測定値のそれぞれから引き算することによりLの値の差分を決定する。
【0089】
両面について測定された試料について、未使用のフェルトについて見出された最初のLの読みの平均を、三つの第一側表面によるLの読みのそれぞれ及び三つの第二側表面によるLの読みのそれぞれから引き算する三つの第一側表面による値について、平均の差分を計算する。三つの第二側表面による値について、平均の差分を計算する。これらの平均のそれぞれからフェルト因子を引き算する。最終結果は、ウェブの第一側表面のリント、及び第二側表面のリントと呼ばれる。
【0090】
第一側表面及び第二側表面上のリント値の平均を取ることにより、特定のウェブ又は製品に適用可能なリントが得られる。換言すれば、リント値を計算するために、次の式が用いられる:
【0091】
【数1】

一つの表面についてのみ測定された試料については、未使用のフェルトについて見出された最初のLの読みの平均を、三つのLの読みのそれぞれから引き算する。三つの表面による値について平均の差分を計算する。この平均からフェルト因子を引き算する。最終結果は、その特定のウェブ又は製品についてのリント値である。
【0092】
任意成分:
本発明の繊維構造体は、特に皮膚軟化剤ローション組成物、有機酸を包含する抗ウイルス剤、抗細菌剤、多価アルコールポリエステル、移行防止剤、ポリヒドロキシ可塑剤、及びこれらの混合物との組み合わせにおいて、永続的湿潤強度向上樹脂、化学柔軟剤、一時湿潤強度向上樹脂、乾燥強度向上樹脂、湿潤剤、リント防止剤、吸収性強化剤、不動化剤からなる群から選択される任意成分を含んでもよい。こうした任意成分は、繊維完成紙料、初期繊維ウェブ、及び/又は乾燥された繊維構造体に添加されてもよい。こうした任意成分は繊維構造体中に、繊維構造体の乾燥重量に基づくいずれの水準において存在してもよい。
【0093】
任意成分は繊維構造体中に、乾燥した繊維構造体を基準にして、約0.001〜約50重量%、及び/又は約0.001〜約20重量%、及び/又は約0.01〜約5重量%、及び/又は約0.03〜約3重量%、及び/又は約0.1〜約1.0重量%の水準で存在してもよい。
【0094】
永続的湿潤強度向上樹脂:
本発明の繊維構造体は、永続的湿潤強度向上樹脂を含んでもよい。永続的湿潤強度向上樹脂は、繊維完成紙料中、特に繊維構造体を形成するために用いられる短繊維完成紙料中に存在してもよく、及び/又は初期繊維ウェブの乾燥前に初期繊維ウェブ上に付着されることも可能である。
【0095】
永続的湿潤強度向上樹脂の非限定例には:ポリアミド−エピクロロヒドリン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、スチレンブタジエン樹脂、不溶化ポリビニルアルコール樹脂;ユリアホルムアルデヒド樹脂;ポリエチレンイミン樹脂;キトサン樹脂、及びこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、永続的湿潤強度向上樹脂は、ポリアミド−エピクロロヒドリン樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、及びこれらの混合物からなる群から選択される。好適な永続的湿潤強度向上樹脂、及びこうした永続的湿潤強度向上樹脂を本発明の繊維構造体に添加するための手段の非限定例は、米国特許出願________(P&G代理人明細書9171)(2003年2月25日出願)に記載されており、本明細書に参考として組み込まれる。
【0096】
化学柔軟剤:
本発明の繊維構造体は、化学柔軟剤を含んでもよい。化学柔軟剤は、繊維完成紙料中に存在してもよく、及び/又は初期繊維ウェブに適用されてもよく、及び/又は乾燥された繊維構造体に適用されてもよい。
【0097】
好適な化学柔軟剤、及びこうした化学柔軟剤を本発明の繊維構造体に添加するための手段の非限定例は、米国特許出願________(P&G代理人明細書9171)(2003年2月25日出願)に記載されており、本明細書に参考として組み込まれる。
【0098】
任意成分の上記のリストは、事実上単に代表的なものであることを意図し、本発明の範囲を限定することを意味しない。
【0099】
本発明の方法:
本発明の繊維構造体は、いずれの好適な抄紙方法により製造されてもよい。
【0100】
本発明の繊維構造体を製造するための好適な抄紙方法の非限定例は、次のように記載される。
【0101】
一つの実施形態では、短繊維完成紙料は、短繊維と水を混合することにより調製される。物理特性成分及び/又は任意成分のような一つ以上の追加成分が、短繊維完成紙料に添加されてもよい。次に短繊維完成紙料が抄紙機のヘッドボックス中に設置されてもよい。次に短繊維完成紙料は、小孔のある表面上に沈積し、単層の初期繊維ウェブを形成してもよい。物理特性成分及び/又は任意成分を、噴霧することにより及び/又は押し出すことにより及び/又は当業者に既知のいずれかの他の好適な方法により、初期繊維ウェブに添加してもよい。次に初期ウェブは、初期繊維ウェブが通気乾燥によって及び/又はヤンキードライヤーによって乾燥されるように、通気乾燥ベルト及び/又はヤンキードライヤーに移送されてもよい。繊維構造体は、通気乾燥ベルトから、それが存在する場合には、ヤンキードライヤーに移送されてもよい。ヤンキードライヤーから、繊維構造体はローラーに移送されてもよい。この移送工程の間に、物理特性成分及び/又は任意成分が繊維構造体に適用されてもよい。繊維構造体は様々な紙製品、特に衛生ティッシュ製品に、単プライ形態及び/又は多プライ形態の両方において変換されてもよい。
【0102】
別の実施形態では、繊維完成紙料は、長繊維完成紙料と短繊維完成紙料を混合することにより調製される。長繊維完成紙料は、長繊維と水を混合することにより製造されてもよい。短繊維完成紙料は、短繊維と水を混合することにより製造されてもよい。繊維完成紙料は、物理特性成分及び/又は任意成分のような一つ以上の追加成分を包含してもよい。これらの一つ以上の追加成分は、長及び/又は短繊維完成紙料中に存在してもよい。繊維完成紙料は、抄紙機の層状ヘッドボックス中に設置されてもよい。次に繊維完成紙料は、小孔のある表面上に沈積し、二(2)層の初期繊維ウェブを形成してもよい。物理特性成分及び/又は任意成分を、噴霧することにより及び/又は押し出すことにより及び/又は当業者に既知のいずれかの他の好適な方法により、初期繊維ウェブに添加してもよい。次に初期ウェブは、初期繊維ウェブが通気乾燥によって及び/又はヤンキードライヤーによって乾燥されるように、通気乾燥ベルト及び/又はヤンキードライヤーに移送されてもよい。繊維構造体は、通気乾燥ベルトから、それが存在する場合には、ヤンキードライヤーに移送されてもよい。ヤンキードライヤーから、繊維構造体はローラーに移送されてもよい。この移送工程の間に、物理特性成分及び/又は任意成分が繊維構造体に適用されてもよい。繊維構造体は様々な紙製品、特に衛生ティッシュ製品に、単プライ形態及び/又は多プライ形態の両方において変換されてもよい。紙製品は、ヒトの皮膚に接触することを目的とした紙製品の表面が、短繊維を含むように設計されてもよい。
【0103】
初期繊維ウェブが二つ以上の層を含む場合、短繊維完成紙料が、小孔のある形成用表面に隣接しない層の中にあることが望ましい。
【0104】
実施例1
この実施例は、フェイシャル・ティッシュ製品を製造する試験的な規模の長網抄紙機を用いる本発明の好ましい実施形態を組み込む方法を例示する。約3%濃度のノーザン・ソフトウッド・クラフト(Northern Softwood Kraft)(NSK)の水性スラリーを従来のパルパーを用いて作製し、ストックパイプを通過させて長網抄紙機のヘッドボックスに送る。
【0105】
完成製品に永続的な湿潤強度を付与するため、ハーキュレス(Hercules)のカイメン(Kymene)557LXの1%分散液を調製し、最終紙の乾燥重量を基準にして0.7%のカイメン(Kymene)557LXを送達するのに十分な比率で、NSKストックパイプに添加する。永続的湿潤強度向上樹脂の吸収は、処理されたスラリーをインラインミキサーに通すことで向上する。カルボキシメチルセルロース(CMC)を、インラインミキサーの後、NSKストックパイプの隣で添加する。CMCは最初に水に溶解され、溶液の強度1重量%に希釈される。ハーキュレス(Hercules)CMC−7MT(登録商標)を用いてCMC溶液を作製する。CMC水溶液を、最終紙の乾燥重量を基準にして0.15重量%のCMCの比率で、NSK繊維の水性スラリーに添加する。NSK繊維の水性スラリーは、CMCの分配を助けるように遠心ストックポンプを通過する。結合抑制組成物を次に添加する。結合抑制組成物は、ジタロージメチルアンモニウムメチルサルフェート(DTDMAMS)である。予備加熱したDTDMAMS(76.7℃(170°F))を最初に、76.7℃(170°F)に予備加熱することにより調整された水中でスラリーにする。DTDMAMSの添加中はその分散を助けるために水を攪拌する。結果として得られるDTDMAMSの分散液の濃度は1重量%であり、それを、最終紙の乾燥重量を基準にして0.2重量%のDTDMAMSの比率で、NSKストックパイプに添加する。NSKスラリーは、ファンポンプで約0.2%の濃度に白水により希釈される。
【0106】
約3重量%のアカシア繊維(インドネシアのPT Telから)の水性スラリーを、従来のリパルパーを用いて作製する。アカシア完成紙料は、約0.66mmの加重平均繊維長と約7.1mg/100mの繊維粗度とを有する。
【0107】
アカシアスラリーは、第二のファンポンプを通るが、そこではそれは白水により約0.2%の濃度に希釈される。
【0108】
NSK及びアカシアのスラリーを、走行する長網ワイヤ上に放出するまで、流れを別々の層として保持するように層状リーフを適切に装備した多チャンネルヘッドボックス中に導く。三室のヘッドボックスが用いられる。最終紙の乾燥重量の64%を含有するアカシアのスラリーを、外層に通じる部屋に導き、一方最終紙の乾燥重量の36%を構成するNSKスラリーを、ワイヤに接触する層及び中央層に通じる部屋に導く。NSK及びアカシアスラリーをヘッドボックスの放出において、複合スラリーに混合する。
【0109】
複合スラリーを走行する長網ワイヤ上に放出し、デフレクタ及び真空ボックスの補助によって脱水する。湿潤状態の初期繊維ウェブが、移送時点で約17重量%の繊維濃度で長網抄紙機のワイヤから模様付き乾燥ファブリックに移送される。乾燥ファブリックは、連続する網目状の高密度(ナックル)領域内に不連続な低密度偏向領域を有する高密度模様付きティッシュを生成するように設計される。この乾燥ファブリックは、不透過性樹脂表面を繊維メッシュ支持ファブリック上に成形することにより形成される。支持ファブリックは48×52のフィラメントの二重層メッシュである。樹脂キャストの厚さは、支持ファブリック上で約0.3mm(約12mil)である。ナックル領域は約30%であり、開放セルは、1平方センチメートルあたり約439(1平方インチあたり68)の頻度で残る。
【0110】
ウェブが約22重量%の繊維濃度を有するまで、更なる脱水が真空補助の排水により達成される。模様付きウェブは、模様形成ファブリックとの接触を保ちながら、通気予備乾燥機によって、約58重量%の繊維濃度まで予備乾燥される。
【0111】
次に、半乾燥のウェブを、ポリビニルアルコールの0.250%水溶液を含む噴霧されたクレーピング接着剤により、ヤンキードライヤーの表面に接着する。クレーピング接着剤を、ウェブの乾燥重量基準で0.1重量%の接着剤固体の比率で、ヤンキー表面に送達する。
【0112】
ドクターブレードを有するヤンキーからウェブが乾燥クレープ加工される前に、繊維濃度を約98%まで増加させる。ドクターブレードは約20°の斜角を有し、ヤンキードライヤーに対し約76°の衝撃角を提供するように位置決めされる。ヤンキードライヤーは、約163℃(325°F)の温度及び約800fpm(フィート/分)(約244メートル/分)の速度で作動する。紙は、約680fpm(約207メートル/分)の表面速度を有する表面駆動リールドラムを用いてロールに巻き取られ、その結果約15%のクレープを生じる。ドクターブレードの後、ウェブはその幅すべてにわたって、281,227,831g/m2(400psi)の荷重で作動する鉄鋼からゴムのカレンダーロールによりつや出しされる。
【0113】
結果として得られるティッシュは、約20g/m2の坪量;82.67〜94.48g/cm(210g/インチ〜240g/インチ)の1プライの総乾燥引張り、13.77〜25.59g/cm(35g/インチ〜65g/インチ)の1プライ湿潤破裂、及び約0.051cm(0.020インチ)の2プライのキャリパーを有する。次に結果として得られるティッシュは、同様なシートと共に合わせられ、アカシア繊維が外側に面するようにした2プライのクレープ加工された高密度模様付きティッシュに形成される。CM849(アミノ官能ジメチルポリシロキサン(ニューヨーク州ウォーターフォードのゼネラル・エレクトリック・シリコーンズ(General Electric Silicones)より販売))をヒトの皮膚と接触する両面上にスロット押出成形によって、繊維の総重量を基準として1プライあたりおよそ0.3〜0.5%のシリコーンの付加量で添加する。結果として得られる2プライのティッシュは、a)約39g/m2の総坪量;b)137.79〜165.35g/cm(350g/インチ〜420g/インチ)の2プライの総乾燥引張り;c)35.43〜51.18g/cm(90g/インチ〜130g/インチ)の2プライの湿潤破裂;d)約0.071cm(0.028インチ)の4プライのキャリパー;及びe)約10.2のリント値を示す。比較製品が、アカシア漂白クラフト繊維パルプの代わりにユーカリ漂白クラフト繊維パルプを用いることを除いてこの実施例と同じ方法で製造される。ユーカリパルプ完成紙料は、繊維長0.73mm及び繊維粗度8.0mg/100mを有する。同程度のリント値を有するにもかかわらず、比較完成紙料を用いた結果として得られるティッシュペーパーは、専門判定者のパネルから、より柔軟でないと判定される。
【0114】
実施例2
この実施例は、トイレット・ティッシュ製品を製造する試験的な規模の長網抄紙機を用いる本発明の好ましい実施形態を組み込む方法を例示する。約3%濃度のノーザン・ソフトウッド・クラフト(Northern Softwood Kraft)(NSK)の水性スラリーを従来のパルパーを用いて作製し、完成紙料をストックパイプを通過させて長網抄紙機のヘッドボックスに送る。
【0115】
完成製品に一時湿潤強度を送達するのを助けるため、サイテック(Cytec)のパレッツ(Parez)750Cの1%分散体を調製し、最終紙の乾燥重量基準で0.2重量%の樹脂を送達するのに十分な比率で、NSKストックパイプに添加する。一時湿潤強度向上樹脂の吸収は、処理されたスラリーをインラインミキサーに通すことで向上する。
【0116】
NSKスラリー完成紙料は、ファンポンプで約0.2%の濃度に白水により希釈される。
【0117】
約3重量%のアカシア漂白クラフト繊維パルプ(インドネシアのPT Telから)の水性スラリーを、従来のリパルパーを用いて作製し、完成紙料をストックパイプを通過させて長網抄紙機のヘッドボックスに送る。アカシア完成紙料は、約0.66mmの加重平均繊維長と約7.1mg/100mの繊維粗度とを有する。完成製品に一時湿潤強度を送達するのをる助けるため、サイテック(Cytec)のパレッツ(Parez)750Cの1%分散体を、最終紙の乾燥重量基準で0.05重量%の樹脂を送達するのに十分な比率で、アカシアストックパイプにまた添加する。一時湿潤強度向上樹脂の吸収は、処理されたスラリーをインラインミキサーに通すことで向上する。
【0118】
アカシアスラリー完成紙料は、第二のファンポンプを通るが、そこではそれは白水により約0.2%の濃度に希釈される。
【0119】
NSK及びアカシアのスラリーを、走行する長網ワイヤ上に放出するまで、流れを別々の層として保持するように層状リーフを適切に装備した多チャンネルヘッドボックス中に導く。三室のヘッドボックスが用いられる。最終紙の乾燥重量の70%を含有するアカシアのスラリーを、外層に通じる部屋に導き、一方最終紙の乾燥重量の30%を構成するNSKスラリーを、中央層に通じる部屋に導く。
【0120】
NSK及びアカシアスラリーをヘッドボックスの放出において、複合スラリーに混合し、複合スラリーを走行する長網ワイヤ上に放出し、デフレクタ及び真空ボックスの補助によって脱水する。湿潤状態の初期繊維ウェブは、移送時点で約15%の繊維濃度で長網抄紙機のワイヤから模様付き乾燥ファブリックに移送される。乾燥ファブリックは、連続する網目状の高密度(ナックル)領域内に不連続な低密度偏向領域を有する高密度模様付きティッシュを生成するように設計される。この乾燥ファブリックは、不透過性樹脂表面を繊維メッシュ支持ファブリック上に成形することにより形成される。支持ファブリックは45×52のフィラメントの二重層メッシュである。樹脂キャストの厚さは、支持ファブリック上で約0.25mm(約10mil)である。ナックル領域は約40%であり、開放セルは、1平方センチメートルあたり約503(1平方インチあたり78)の頻度で残る。
【0121】
ウェブが約30%の繊維濃度を有するまで、更なる脱水が真空補助の排水により達成される。模様付きウェブは、模様形成ファブリックとの接触を保ちながら、通気予備乾燥機によって、約65重量%の繊維濃度まで予備乾燥される。次に、半乾燥のウェブはヤンキードライヤーに移送され、ポリビニルアルコールの0.125%水溶液を含む噴霧されたクレーピング接着剤により、ヤンキードライヤーの表面に接着する。クレーピング接着剤を、ウェブの乾燥重量基準で0.1重量%の接着剤固体の比率で、ヤンキー表面に送達する。ドクターブレードを有するヤンキーからウェブが乾燥クレープ加工される前に、繊維濃度を約98%まで増加させる。
【0122】
ドクターブレードは約25°の斜角を有し、ヤンキードライヤーに対し約81°の衝撃角を提供するように位置決めされる。ヤンキードライヤーは、約350°F(177℃)の温度及び約800fpm(フィート/分)(約244メートル/分)の速度で作動する。紙は、表面速度が約200メートル/分(656フィート/分)である表面駆動リールドラムを用いてロールに巻き取られる。結果として得られたティッシュペーパーウェブは、単プライのトイレット・ティッシュ製品に、従来のティッシュ巻き取りスタンドを用いて変換される。完成製品は、約34.13g/m2(21lb/3000ft2)の坪量;215.35g/cm(547g/インチ)の総乾燥引張り、及び0.063g/cm3の密度を有する。リント値は、5.7であると測定される。比較製品が、アカシア漂白クラフト繊維パルプの代わりにユーカリ漂白クラフト繊維パルプを用いることを除いてこの実施例と同じ方法で製造される。ユーカリパルプ完成紙料は、繊維長0.73mmと繊維粗度8.0mg/100mとを有する。同程度のリント値を有するにもかかわらず、比較完成紙料を用いた結果として得られるティッシュペーパーは、専門判定者のパネルから、より柔軟でないと判定される。
【0123】
実施例3
2プライティッシュウェブ製品を製造するために、繊維ウェブの坪量を減らすために完成紙料流速を調整することを除いて、実施例2を繰り返す。2プライ製品の調製は、繊維ウェブの二つのロールを同時に巻き戻し、プライが互いに滑り合える能力を保持できる感圧接着剤の幅の狭いおよそ1.27cm(1/2")の筋により、それらを組み合わせて2プライのトイレットペーパーにすることにより完成される。組み合わせは、各プライのそれぞれのヤンキー側の表面が互いに接触するように完成される。完成製品は、45.5g/m2(28lb/3000ft2)の坪量;177.16g/cm(450g/インチ)の総乾燥引張り、及び0.057g/cm3の密度を有する。再び、比較製品が、アカシア漂白クラフト繊維パルプの代わりにユーカリ漂白クラフト繊維パルプを用いることを除いて、この実施例と同じ方法で製造される。再び、比較完成紙料を用いた、同程度のリントの、結果として得られるティッシュペーパーは、専門判定者のパネルから、より柔軟でないと判定される。
【0124】
本発明の特定の実施形態及び/又は個々の特徴について例証し説明したが、様々な他の変更及び修正が可能であることは当業者には明らかであろう。更に、可能である、実施形態及び特徴のすべての組み合わせが、本発明の好ましい実施となる可能性がある。そのため、本発明の範囲内にあるこのようなすべての変更及び修正を添付の請求項に包含することを意図する。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.4mm〜1.2mmの長さと3.0mg/100m〜7.5mg/100mの繊維粗度とを有する短繊維を含む短繊維完成紙料を含むことを特徴とする繊維構造体であって、ここで前記繊維構造体が3.5より大きく15までのリント値を有する繊維構造体。
【請求項2】
該短繊維がセルロースを含み;好ましくは、該短繊維が、アカシア、ユーカリ、カエデ、ナラ、ヤマナラシ、カバノキ、コットンウッド、ハンノキ、トネリコ、サクラ、ニレノキ、ヒッコリー、ポプラ、ゴム、クルミ、ニセアカシア、スズカケノキ、ブナノキ、キササゲ、サッサフラス、キバナヨウラク、ネムノキ、アントセファルス、モクレン、バガス、亜麻、大麻、ケナフ、及びこれらの混合物からなる群から選択される繊維供給源に由来する、請求項1に記載の繊維構造体。
【請求項3】
該繊維構造体が、1.2mmを超える長さを有する長繊維を含む長繊維完成紙料を含むことを特徴とする、請求項1に記載の繊維構造体。
【請求項4】
該繊維構造体が二つ以上の繊維完成紙料層を有することを特徴とし;好ましくは、該二つ以上の繊維完成紙料層の内の少なくとも一つが該短繊維完成紙料を含み;より好ましくは、該二つ以上の繊維完成紙料層の内の該短繊維完成紙料を含む該少なくとも一つが、衛生ティッシュ製品中に組み込まれる場合に、使用の際にヒトの皮膚に接触する、請求項3に記載の繊維構造体。
【請求項5】
該繊維構造体が通気乾燥された繊維構造体である、請求項1に記載の繊維構造体。
【請求項6】
永続的湿潤強度向上樹脂、一時湿潤強度向上樹脂、乾燥強度向上樹脂、化学柔軟剤、湿潤剤、リント防止剤、吸収性強化剤、不動化剤、抗ウイルス剤、多価アルコールポリエステル、移行防止剤、ポリヒドロキシ可塑剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される任意成分を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の繊維構造体。
【請求項7】
紙製品中;好ましくは、フェイシャル・ティッシュ製品、トイレット・ティッシュ製品、ペーパータオル製品、及びこれらの混合物からなる群から選択される単プライ又は多プライの衛生ティッシュ製品中の、請求項1〜6のいずれか一項に記載の繊維構造体の使用。
【請求項8】
a.0.4mm〜1.2mmの長さと3.0mg/100m〜7.5mg/100mの繊維粗度を有する短繊維を短繊維完成紙料を形成するために水を混合することにより該短繊維を含む該短繊維完成紙料を含む繊維完成紙料を調製する工程と、好ましくは該繊維完成紙料が湿潤強度向上樹脂を含み、
b.該繊維完成紙料を小孔のある形成用表面上に沈積して、初期繊維ウェブを形成する工程と、好ましくは湿潤強度向上樹脂が該初期繊維ウェブに付与される、
乾燥された繊維構造体が形成されるように前記初期繊維ウェブを乾燥する工程と、好ましくはここで該乾燥工程が、該初期ウェブを通気乾燥ベルトに移送することを含むことを特徴とする、及び/又はヤンキードライヤーを採用し、を含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の繊維構造体の製造方法。
【請求項9】
a.第二の繊維より大きい柔軟性値を示す第一の繊維を識別する工程と、ここで該第一の繊維を含む繊維構造体が、該第二の繊維を含む繊維構造体と等しいか又はそれより小さいリント値を有し、好ましくはここで該第一の繊維が0.4mm〜1.2mmの長さと3.0mg/100m〜7.5mg/100mの繊維粗度とを有し、且つ柔軟な繊維構造体が3.5より大きく15までのリント値を有し、
b.該第一の繊維を繊維構造体中に組み込んで、該柔軟な繊維構造体を形成する工程と、
を含むことを特徴とする柔軟な繊維構造体の製造方法。
【請求項10】
a.第一の繊維構造体中に存在する総繊維の少なくとも10重量%の水準で該第一の繊維構造体中に組み込まれる場合に、第一の柔軟性値及び第一のリント値を示す該第一の繊維を識別する工程と、
b.該第一の繊維が該第一の繊維構造体中に組み込まれるのと同じ水準で該第二の繊維構造体中に組み込まれる場合に、該第一の柔軟性値より小さい第二の柔軟性値と該第一のリント値より大きい第二のリント値とを示す該第二の繊維を識別する工程と
c.該第一の繊維を繊維構造体中に組み込んで、柔軟な繊維構造体を形成する工程と、
d.任意選択的に、該柔軟な繊維構造体を紙製品中に組み込む工程と、
を含むことを特徴とする柔軟な繊維構造体の製造方法。


【公表番号】特表2006−518813(P2006−518813A)
【公表日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−518586(P2005−518586)
【出願日】平成16年2月25日(2004.2.25)
【国際出願番号】PCT/US2004/005311
【国際公開番号】WO2004/076741
【国際公開日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】