説明

置換テトラリンおよび置換インダン誘導体の製造方法

本発明は置換テトラリンおよび置換インダン誘導体の新規な製造方法に関する。本発明は、更に、本置換テトラリンおよび置換インダン誘導体を製造する時の中間体を製造する新規な方法にも向けたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置換テトラリンおよび置換インダン誘導体の新規な製造方法に関する。この置換テトラリンおよび置換インダン誘導体はPPARアルファ作動薬であり、これは高密度リポ蛋白(HDL)の血清中濃度を上昇させ、中密度リポ蛋白(IDL)の濃度を改善しかつトリグリセリド、低密度リポ蛋白(LDL)、アテローム生成分子および/または遊離脂肪酸(FFA)の血清中濃度を低くする目的で用いるに有用である。本置換テトラリンおよび置換インダン化合物は更に高トリグリセリド血症の治療、HDL濃度の上昇、LDL濃度の低下および/または全コレステロールの低下で用いるにも有用である。本発明は、更に、本置換テトラリンおよび置換インダン誘導体を製造する時の中間体を製造する新規な方法にも向けたものである。
発明の要約
本発明は、置換テトラリンおよび置換インダン誘導体の新規な製造方法に向けたものである。本置換テトラリンおよび置換インダン誘導体およびこれらをPPARアルファ媒介型疾患の治療で用いることは特許文献1、2および3(これらは引用することによって全体が本明細書に組み入れられる)に開示されており、そのような疾患には、これらに限定するものでないが、異常脂質血症、心臓血管疾患、耐糖能異常、高インスリン血、高血糖症、インスリン抵抗性、初期、中期もしくは後期インスリン非依存性糖尿病(NIDDM)、これらの合併症および/またはX症候群が含まれる。
【特許文献1】2003年10月17日付けで出願した米国特許出願10/688,380
【特許文献2】2003年10月17日付けで出願した米国特許出願10/688,379
【特許文献3】2003年10月17日付けで出願した米国特許出願10/688,572
【発明の開示】
【0002】
本発明は、式(L)
【0003】
【化1】

【0004】
[式中、
Qは、OH,OPg,NHおよびN(PgPg)から成る群から選択され、ここで、Pgはカルボン酸保護基であり、そしてここで、PgおよびPgは各々独立して水素,C1−8アルキル,C3−8シクロアルキルまたはアリールから選択されるか、或はPgとPgはこれらが結合している窒素原子と一緒になってC3−10ヘテロアリールまたはC3−10非芳香複素環を形成しており、
およびRは、各々独立して、H,C1−6アルキル,(CHNR,(CHOR,(CHNH(CO)Rまたは(CHCOであり、ここで、
,RおよびRは、各々独立して、HまたはC1−6アルキルであり、そしてmは1から6の整数であるか、代りに、
とRはこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−7シクロアルキルを形成しており、
nは、1から2の整数であり、
Xは、Sであるが、但し
nが1の時にはXが5または6位に結合しておりそしてnが2の時にはXが6または7位に結合していることを条件とし、更に、nが2でありそしてXが6位に結合している時にはRが水素以外でありかつ7位に結合していることも条件とし、
は、H,C1−3アルコキシ,C1−3アルキルチオ,ハロ,C1−6アルキル,NR10,NHCOR10,CONHR10またはCOOR10であり、そしてRはXに対してオルソまたはメタ位に位置するが、但しRがCF以外であることを条件とし、
およびR10は、各々独立して、C1−6アルキルであり、
は、Hまたは−(C1−5直鎖アルキレン)R15であり、ここで、R15は、H,C1−7アルキル,[ジ(C1−2アルキル)アミノ](C1−6アルキレン)−,(C1−3アルコキシアシル)(C1−6アルキレン)−,C1−6アルコキシ,C3−7アルケニルまたはC3−8アルキニルであり、ここで、
の炭素原子数は9以下であるか、代りに、
は、−(直鎖C1−5アルキレン)R16であり、ここで、R16はC3−6シクロアルキルまたはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員の非芳香ヘテロシクリルであり、ここで、
前記ヒドロカルビルおよびヘテロカルビル部分は各々が場合によりF,Cl,Br,I,アミノ,メチル,エチル,ヒドロキシまたはメトキシから独立して選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい]
で表される化合物を製造する方法に向けたものであり、この方法は、
【0005】
【化2】

【0006】
式(III)で表される化合物を反応させることで相当する式(IV)[式中、PgはClSOHに不活性な窒素保護基である]で表される化合物を生じさせ;
【0007】
【化3】

【0008】
前記式(IV)で表される化合物と式(V)[式中、R4aは水素以外のRであり、そしてJは、Br,ClまたはIである]で表される適切に置換されている化合物を塩基の存在下で反応させることで相当する式(VI)で表される化合物を生じさせた後、前記式(VI)で表される化合物をClSOHと反応させることで相当する式(VII)で表される化合物を生じさせるか、別法として、
前記式(IV)で表される化合物をClSOHと反応させることで相当する式(VII
)[式中、Rは水素である]で表される化合物を生じさせ、
【0009】
【化4】

【0010】
前記式(VII)で表される化合物を前記式(VII)で表される化合物が有するクロロスルホニル基に還元を受けさせる能力を有する還元剤と反応させることで相当する式(VIII)で表されると相当する式(IX)で表される化合物の混合物を生じさせ、
【0011】
【化5】

【0012】
前記式(VIII)で表される化合物を単離または式(IX)で表される化合物と混ざり合っている状態で式(X)[式中、WはBr,ClまたはIである]で表される適切に置換されている化合物と塩基の存在下で反応させることで相当する式(XI)で表される化合物を生じさせるか、別法として、
前記式(IX)で表される化合物を単離または前記式(VIII)で表される化合物と混ざり合っている状態で前記式(IX)で表される化合物が有するジスルフィドに還元を受けさせる能力を有する還元剤と反応させることで相当する式(VIII)で表される化合物を生じさせた後、前記式(VIII)で表される化合物と式(X)[式中、WはBr,
ClまたはIである]で表される適切に置換されている化合物を塩基の存在下で反応させることで相当する式(XI)で表される化合物を生じさせ、
【0013】
【化6】

【0014】
前記式(XI)で表される化合物を反応させることで相当する式(L)で表される化合物を生じさせる、
ことを含んで成る。
【0015】
本発明は、更に、式(L)
【0016】
【化7】

【0017】
[式中、
Qは、OH,OPg,NHおよびN(PgPg)から成る群から選択され、ここで、Pgはカルボン酸保護基であり、そしてここで、PgおよびPgは各々独立して水素,C1−8アルキル,C3−8シクロアルキルまたはアリールから選択されるか、或はPgとPgはこれらが結合している窒素原子と一緒になってC3−10ヘテロアリールまたはC3−10非芳香複素環を形成しており、
およびRは、各々独立して、H,C1−6アルキル,(CHNR,(CHOR,(CHNH(CO)Rまたは(CHCOであり、ここで、
,RおよびRは、各々独立して、HまたはC1−6アルキルであり、そしてmは1から6の整数であるか、代りに、
とRはこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−7シクロアルキルを形成しており、
nは、1から2の整数であり、
Xは、Sであるが、但し
nが1の時にはXが5または6位に結合しておりそしてnが2の時にはXが6または7位に結合していることを条件とし、更に、nが2でありそしてXが6位に結合している時にはRが水素以外でありかつ7位に結合していることも条件とし、
は、H,C1−3アルコキシ,C1−3アルキルチオ,ハロ,C1−6アルキル,NR10,NHCOR10,CONHR10またはCOOR10であり、そしてRはXに対してオルソまたはメタ位に位置するが、但しRがCF以外であることを条件とし、
およびR10は、各々独立して、C1−6アルキルであり、
は、Hまたは−(C1−5直鎖アルキレン)R15であり、ここで、R15は、H,C1−7アルキル,[ジ(C1−2アルキル)アミノ](C1−6アルキレン)−,(C1−3アルコキシアシル)(C1−6アルキレン)−,C1−6アルコキシ,C3−7アルケニルまたはC3−8アルキニルであり、ここで、Rの炭素原子数は9以下であるか、代りに、
は、−(直鎖C1−5アルキレン)R16であり、ここで、R16はC3−6シクロ
アルキルまたはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員の非芳香ヘテロシクリルであり、ここで、
前記ヒドロカルビルおよびヘテロカルビル部分は各々が場合によりF,Cl,Br,I,アミノ,メチル,エチル,ヒドロキシまたはメトキシから独立して選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい]
で表される化合物を製造する方法にも向けたものであり、この方法は、
【0018】
【化8】

【0019】
式(III)で表される化合物を反応させることで相当する式(IV)[式中、PgはClSOHに不活性な窒素保護基である]で表される化合物を生じさせ;
【0020】
【化9】

【0021】
前記式(IV)で表される化合物と式(V)[式中、R4aは水素以外のRであり、そしてJは、Br,ClまたはIである]で表される適切に置換されている化合物を塩基の存在下で反応させることで相当する式(VI)で表される化合物を生じさせた後、前記式(VI)で表される化合物をClSOHと反応させることで相当する式(VII)で表される化合物を生じさせるか、別法として、
前記式(IV)で表される化合物をClSOHと反応させることで相当する式(VII)[式中、Rは水素である]で表される化合物を生じさせ、
【0022】
【化10】

【0023】
前記式(VII)で表される化合物を前記式(VII)で表される化合物が有するクロロスルホニル基に還元を受けさせる能力を有する還元剤と反応させることで相当する式(VIII)で表されると相当する式(IX)で表される化合物の混合物を生じさせ、
【0024】
【化11】

【0025】
前記式(VIII)で表される化合物に脱保護を単離または式(IX)で表される化合物と混ざり合っている状態で受けさせることで相当する式(XIII)で表される化合物を生じさせるか、別法として、
前記式(IX)で表される化合物に脱保護を単離または式(VIII)で表される化合物と混ざり合っている状態で受けさせることで相当する式(XII)で表される化合物を生じさせた後、前記式(XII)で表される化合物に還元を前記式(XII)で表される化合物が有するジスルフィドに還元を受けさせる能力を有する還元剤を用いて受けさせることで相当する式(XIII)で表される化合物を生じさせるか、さらなる別法として、
前記式(IX)で表される化合物を単離または式(VIII)で表される化合物と混ざり合っている状態で前記式(IX)で表される化合物が有するジスルフィドに還元を受けさせる能力を有する還元剤と反応させることで相当する式(VIII)で表される化合物を生じさせた後、前記式(VIII)で表される化合物に脱保護を受けさせることで相当する式(XIII)で表される化合物を生じさせ、
【0026】
【化12】

【0027】
前記(XIII)で表される化合物と式(X)[式中、WはBr,ClまたはIである]で表される適切に置換されている化合物を塩基の存在下で反応させることで相当する式(
L)で表される化合物を生じさせることを含んで成る。
【0028】
本発明は、更に、式(L)
【0029】
【化13】

【0030】
[式中、
Qは、OH,OPg,NHおよびN(PgPg)から成る群から選択され、ここで、Pgはカルボン酸保護基であり、そしてここで、PgおよびPgは各々独立して水素,C1−8アルキル,C3−8シクロアルキルまたはアリールから選択されるか、或はPgとPgはこれらが結合している窒素原子と一緒になってC3−10ヘテロアリールまたはC3−10非芳香複素環を形成しており、
およびRは、各々独立して、H,C1−6アルキル,(CHNR,(CHOR,(CHNH(CO)Rまたは(CHCOであり、ここで、
,RおよびRは、各々独立して、HまたはC1−6アルキルであり、そしてmは1から6の整数であるか、代りに、
とRはこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−7シクロアルキルを形成しており、
nは、1から2の整数であり、
Xは、Sであるが、但し
nが1の時にはXが5または6位に結合しておりそしてnが2の時にはXが6または7位に結合していることを条件とし、更に、nが2でありそしてXが6位に結合している時にはRが水素以外でありかつ7位に結合していることも条件とし、
は、H,C1−3アルコキシ,C1−3アルキルチオ,ハロ,C1−6アルキル,NR10,NHCOR10,CONHR10またはCOOR10であり、そしてRはXに対してオルソまたはメタ位に位置するが、但しRがCF以外であることを条件とし、
およびR10は、各々独立して、C1−6アルキルであり、
は、−(C1−5直鎖アルキレン)R15であり、ここで、R15は、H,C1−7アルキル,[ジ(C1−2アルキル)アミノ](C1−6アルキレン)−,(C1−3アルコキシアシル)(C1−6アルキレン)−,C1−6アルコキシ,C3−7アルケニルまたはC3−8アルキニルであり、ここで、
の炭素原子数は9以下であるか、代りに、
は、−(直鎖C1−5アルキレン)R16であり、ここで、R16はC3−6シクロアルキルまたはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員の非芳香ヘテロシクリルであり、ここで、
前記ヒドロカルビルおよびヘテロカルビル部分は各々が場合によりF,Cl,Br,I,アミノ,メチル,エチル,ヒドロキシまたはメトキシから独立して選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい]
で表される化合物を製造する方法にも向けたものであり、この方法は、
【0031】
【化14】

【0032】
式(III)で表される化合物を反応させることで相当する式(IV)[式中、PgはClSOHに不活性な窒素保護基である]で表される化合物を生じさせ;
【0033】
【化15】

【0034】
前記式(IV)で表される化合物をClSOHと反応させることで相当する式(VIIa)で表される化合物を生じさせ、
【0035】
【化16】

【0036】
前記式(VIIa)で表される化合物を前記式(VIIa)で表される化合物が有するクロロスルホニル基に還元を受けさせる能力を有する還元剤と反応させることで相当する式(VIIIa)で表される化合物と相当する式(IXa)で表される化合物の混合物を生じさせ、
【0037】
【化17】

【0038】
前記式(VIIIa)で表される化合物に脱保護を単離または式(IXa)で表される化合物と混ざり合っている状態で受けさせることで相当する式(XIIIa)で表される化合物を生じさせた後、前記式(XIIIa)で表される化合物と式(X)[式中、WはCl,BrまたはIである]で表される適切に置換されている化合物を塩基の存在下で反応させることで相当する式(La)で表される化合物を生じさせるか、別法として、
前記式(IXa)で表される化合物を単離または式(VIIIa)で表される化合物と混ざり合っている状態で前記式(IXa)で表される化合物が有するジスルフィドに還元を受けさせる能力を有する還元剤と反応させることで相当する式(VIIIa)で表される化合物を生じさせた後、前記式(VIIIa)で表される化合物と式(X)[式中、WはBr,ClまたはIである]で表される適切に置換されている化合物を塩基の存在下で反応させることで相当する式(XIa)で表される化合物を生じさせ、そして次に、前記式(XIa)で表される化合物を反応させることで相当する式(La)で表される化合物を生じさせるか、さらなる別法として、
前記式(IXa)で表される化合物に脱保護を単離または式(VIIIa)で表される化合物と混ざり合っている状態で受けさせることで相当する式(XIIa)で表される化合物を生じさせた後、前記式(XIIa)で表される化合物を前記式(XIIa)で表される化合物が有するジスルフィドに還元を受けさせる能力を有する還元剤と反応させることで相当する式(XIIIa)で表される化合物を生じさせ、そして次に、前記式(XIIIa)で表される化合物と式(X)[式中、WはBr,ClまたはIである]で表される適切に置換されている化合物を塩基の存在下で反応させることで相当する式(La)で表
される化合物を生じさせ、
【0039】
【化18】

【0040】
前記式(La)で表される化合物を式(V)[式中、R4aは、水素以外のRであり、そしてJは、Br,ClまたはIである]で表される適切に置換されている化合物と反応させることで相当する式(Lb)で表される化合物を生じさせるか、別法として、
前記式(La)で表される化合物を前記式(La)で表される化合物が有する窒素上に-C(O)−R4b基を結合させる能力を有する適切に置換されているアシル化剤と塩基の存在下で反応させることで相当する式(XVIII)[式中、R4bは、(C1−4直鎖アルキレン)R15または(直鎖C1−4アルキレン)R16から選択される]で表される化合物を生じさせた後、前記式(XVIII)で表される化合物を前記式(XVIII)で表される化合物が有するアミドに還元を受けさせる能力を有する還元剤と反応させることで相当する式(Lb)で表される化合物を生じさせることを含んで成る。
【0041】
本発明は、更に、式(Lc)
【0042】
【化19】

【0043】
[式中、
Qは、OH,OPg,NHおよびN(PgPg)から成る群から選択され、ここで、Pgはカルボン酸保護基であり、そしてここで、PgおよびPgは各々独立して水素,C1−8アルキル,C3−8シクロアルキルまたはアリールから選択されるか、或はPgとPgはこれらが結合している窒素原子と一緒になってC3−10ヘテロアリールまたはC3−10非芳香複素環を形成しており、
およびRは、各々独立して、H,C1−6アルキル,(CHNR,(CHOR,(CHNH(CO)Rまたは(CHCOであり、ここで、
,RおよびRは、各々独立して、HまたはC1−6アルキルであり、そしてmは1から6の整数であるか、代りに、
とRはこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−7シクロアルキルを形成しており、
nは、1から2の整数であり、
Xは、Sであるが、但し
nが1の時にはXが5または6位に結合しておりそしてnが2の時にはXが6または7位
に結合していることを条件とし、更に、nが2でありそしてXが6位に結合している時にはRが水素以外でありかつ7位に結合していることも条件とし、
は、H,C1−3アルコキシ,C1−3アルキルチオ,ハロ,C1−6アルキル,NR10,NHCOR10,CONHR10またはCOOR10であり、そしてRはXに対してオルソまたはメタ位に位置するが、但しRがCF以外であることを条件とし、
およびR10は、各々独立して、C1−6アルキルであり、
4bは−(C1−4直鎖アルキレン)R15であり、ここで、R15は、H,C1−7アルキル,[ジ(C1−2アルキル)アミノ](C1−6アルキレン)−,(C1−3アルコキシアシル)(C1−6アルキレン)−,C1−6アルコキシ,C3−7アルケニルまたはC3−8アルキニルであり、ここで、
4bの炭素原子数は8以下であるか、代りに、
4bは−(直鎖C1−4アルキレン)R16であり、ここで、R16は、C3−6シクロアルキルまたはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員の非芳香ヘテロシクリルであり、ここで、
前記ヒドロカルビルおよびヘテロカルビル部分は各々が場合によりF,Cl,Br,I,アミノ,メチル,エチル,ヒドロキシまたはメトキシから独立して選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい]
で表される化合物を製造する方法にも向けたものであり、この方法は、
【0044】
【化20】

【0045】
式(III)で表される適切に置換されている化合物を前記式(III)で表される化合物が有する窒素上に-C(O)−R4b基を結合させる能力を有する適切に置換されているアシル化剤と塩基の存在下で反応させることで相当する式(XIV)で表される化合物を生じさせ、
【0046】
【化21】

【0047】
前記式(XIV)で表される化合物をClSOHと反応させることで相当する式(XV)で表される化合物を生じさせ、
【0048】
【化22】

【0049】
前記式(XV)で表される化合物を前記式(XV)で表される化合物が有するクロロスルホニル基に還元を受けさせる能力を有する還元剤と反応させることで相当する式(XVI)で表される化合物と相当する式(XVII)で表される化合物の混合物を生じさせ、
【0050】
【化23】

【0051】
前記式(XVI)で表される化合物を単離または式(XVII)で表される化合物と混ざり合っている状態で前記式(XVI)で表される化合物が有するアミドに還元を受けさせる能力を有する還元剤と反応させることで相当する式(XIIIb)で表される化合物を生じさせるか、別法として、
前記式(XVII)で表される化合物を単離または前記式(XVI)で表される化合物と混ざり合っている状態で前記式(XVII)で表される化合物が有するアミドおよびジスルフィドに還元を受けさせる能力を有する還元剤と反応させることで相当する式(XIIIb)で表される化合物を生じさせ、
【0052】
【化24】

【0053】
前記式(XIIIb)で表される化合物と式(X)[式中、WはBr,ClまたはIである]で表される適切に置換されている化合物を塩基の存在下で反応させることで相当する式(Lc)で表される化合物を生じさせることを含んで成る。
【0054】
本発明は、更に、式(Lc)
【0055】
【化25】

【0056】
[式中、
Qは、OH,OPg,NHおよびN(PgPg)から成る群から選択され、ここで、Pgはカルボン酸保護基であり、そしてここで、PgおよびPgは各々独立して水素,C1−8アルキル,C3−8シクロアルキルまたはアリールから選択されるか、或はPgとPgはこれらが結合している窒素原子と一緒になってC3−10ヘテロアリールまたはC3−10非芳香複素環を形成しており、
およびRは、各々独立して、H,C1−6アルキル,(CHNR,(CHOR,(CHNH(CO)Rまたは(CHCOであり、ここで、
,RおよびRは、各々独立して、HまたはC1−6アルキルであり、そしてmは1から6の整数であるか、代りに、
とRはこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−7シクロアルキルを形成しており、
nは、1から2の整数であり、
Xは、Sであるが、但し
nが1の時にはXが5または6位に結合しておりそしてnが2の時にはXが6または7位に結合していることを条件とし、更に、nが2でありそしてXが6位に結合している時にはRが水素以外でありかつ7位に結合していることも条件とし、
は、H,C1−3アルコキシ,C1−3アルキルチオ,ハロ,C1−6アルキル,NR10,NHCOR10,CONHR10またはCOOR10であり、そしてRはXに対してオルソまたはメタ位に位置するが、但しRがCF以外であることを条件とし、
およびR10は、各々独立して、C1−6アルキルであり、
4bは−(C1−4直鎖アルキレン)R15であり、ここで、R15は、H,C1−7
アルキル,[ジ(C1−2アルキル)アミノ](C1−6アルキレン)−,(C1−3アルコキシアシル)(C1−6アルキレン)−,C1−6アルコキシ,C3−7アルケニルまたはC3−8アルキニルであり、ここで、
4bの炭素原子数は8以下であるか、代りに、
4bは−(直鎖C1−4アルキレン)R16であり、ここで、R16は、C3−6シクロアルキルまたはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員の非芳香ヘテロシクリルであり、ここで、
前記ヒドロカルビルおよびヘテロカルビル部分は各々が場合によりF,Cl,Br,I,アミノ,メチル,エチル,ヒドロキシまたはメトキシから独立して選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい]
で表される化合物を製造する方法にも向けたものであり、この方法は、
【0057】
【化26】

【0058】
式(III)で表される適切に置換されている化合物を前記式(III)で表される化合物が有する窒素上に-C(O)−R4b基を結合させる能力を有する適切に置換されているアシル化剤と塩基の存在下で反応させることで相当する式(XIV)で表される化合物を生じさせ、
【0059】
【化27】

【0060】
前記式(XIV)で表される化合物をClSOHと反応させることで相当する式(XV)で表される化合物を生じさせ、
【0061】
【化28】

【0062】
前記式(XV)で表される化合物を前記式(XV)で表される化合物が有するクロロスルホニル基およびアミド基に還元を受けさせる能力を有する還元剤と反応させることで相当する式(XIIIb)で表される化合物を生じさせ、
【0063】
【化29】

【0064】
前記式(XIIIb)で表される化合物と式(X)[式中、WはBr,ClまたはIである]で表される適切に置換されている化合物を塩基の存在下で反応させることで相当する式(Lc)で表される化合物を生じさせることを含んで成る。
【0065】
本発明の1つの態様における方法は、式(Ld)
【0066】
【化30】

【0067】
[式中、QはOHまたはOPgであり、ここで、Pgはカルボン酸保護基である]で表される化合物を製造する方法である。本発明の別の態様における方法は、式(Ld)[式中、QはOPgであり、ここで、Pgはカルボン酸保護基である]で表される化合物を製造する方法である。
【0068】
本発明は、更に、式(I)
【0069】
【化31】

【0070】
[式中、
およびRは、各々独立して、H,C1−6アルキル,(CHNR,(CHOR,(CHNH(CO)Rまたは(CHCOであり、ここで、
,RおよびRは、各々独立して、HまたはC1−6アルキルであり、そしてmは、1から6の整数であるか、代りに、
とRはこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−7シクロアルキルを形成しており、
nは、1から2の整数であり、
Xは、Sであるが、但し
nが1の時にはXが5または6位に結合しておりそしてnが2の時にはXが6または7位
に結合していることを条件とし、更に、nが2でありそしてXが6位に結合している時にはRが水素以外でありかつ7位に結合していることも条件とし、
は、H,C1−3アルコキシ,C1−3アルキルチオ,ハロ,C1−6アルキル,NR10,NHCOR10,CONHR10またはCOOR10であり、そしてRはXに対してオルソまたはメタ位に位置するが、但しRがCF以外であることを条件とし、
およびR10は、各々独立して、C1−6アルキルであり、
は、Hまたは−(C1−5直鎖アルキレン)R15であり、ここで、R15はH,C1−7アルキル,[ジ(C1−2アルキル)アミノ](C1−6アルキレン)−,(C1−3アルコキシアシル)(C1−6アルキレン)−,C1−6アルコキシ,C3−7アルケニルまたはC3−8アルキニルであり、ここで、
の炭素原子数は9以下であるか、代りに、
は、−(直鎖C1−5アルキレン)R16であり、ここで、R16はC3−6シクロアルキルまたはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員の非芳香ヘテロシクリルであり、
cは、0から1の整数であり、
およびRは、各々独立して、H,C1−6アルキル,ハロ,シアノ,ニトロ,COR11,COOR11,C1−4アルコキシ,C1−4アルキルチオ,ヒドロキシ,フェニル,NR1112またはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員のヘテロシクリルから選択され、
は、C1−6アルキル,ハロ,シアノ,ニトロ,COR13,COOR13,C1−4アルコキシ,C1−4アルキルチオ,ヒドロキシ,フェニル,NR1314またはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員のヘテロシクリルから選択されるか、代りに、
とRまたはRとRは一緒になってC3−4アルキレン,(例えば-(CH-または−(CH−),C3−4アルケニレン(例えば−CH=CH−CH−または-CH=CH−CH=CH−)または(CH1−2N(CH1−2から選択される二価の飽和もしくは不飽和部分であってもよく、
pは0から2の整数であり、そしてqは1から3の整数であり、ここで、(p+q)の合計は少なくとも2であり、
11,R12,R13およびR14は、各々独立して、HまたはC1−6アルキルであり、ここで、
前記ヒドロカルビルおよびヘテロカルビル部分は各々が場合によりF,Cl,Br,I,アミノ,メチル,エチル,ヒドロキシまたはメトキシから独立して選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい]
で表される化合物、またはこれの薬学的に受け入れられる塩、C1−6エステルまたはC1−6アミドを製造する新規な方法にも向けたものであり、この方法は、
【0071】
【化32】

【0072】
式(L)[式中、QはOH,OPg,NHおよびN(PgPg)から成る群から選択され、ここで、Pgはカルボン酸保護基であり、そしてここで、PgおよびPgは各々独立して水素、C1−8アルキル,C3−8シクロアルキルまたはアリールから選択されるか、或はPgとPgはこれらが結合している窒素原子と一緒になってC3−10ヘテロアリールまたはC3−10非芳香複素環を形成している]で表される化合物を反応させることで相当する式(I)で表される化合物を生じさせることを含んで成る。
【0073】
本発明の1つの態様における方法は、式(II)
【0074】
【化33】

【0075】
で表される化合物{また2−[[2−[エチル[[[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ]カルボニル]アミノ]−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル]チオ]−2−メチルプロピオン酸または2−{2−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ウレイド]−インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸としても知られる}を製造する方法である。
【0076】
本発明の別の態様における方法は、式(IIa)
【0077】
【化34】

【0078】
で表される化合物{また2−[[(2R)−2−[エチル[[[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]アミノ]カルボニル]アミノ]−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル]チオ]−2−メチルプロピオン酸または2−{(2R)−[1−エチル−3−
(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ウレイド]−インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸としても知られる}を製造する方法である。
【0079】
本発明は、更に、式(Le)
【0080】
【化35】

【0081】
[式中、Qは、C1−6アルコキシから成る群から選択され、ここで、前記C1−6アルコキシはアミノで置換されていない]で表される化合物を製造する方法にも向けたものであり、この方法は、
【0082】
【化36】

【0083】
(a)式(Ld)で表される化合物と(S)−2−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸を約35℃から約0℃の範囲内の温度のアルコールまたはアセトン中で反応させることで相当する(R,S)ジアステレオマー塩である式(XX)で表される化合物を生じさせ、
【0084】
【化37】

【0085】
(b)前記(R,S)ジアステレオマー塩である式(XX)で表される化合物を無機塩基と反応させることで相当する式(Le)で表される化合物を生じさせる、
ことを含んで成る。
【0086】
本発明は、更に、式(Le)
【0087】
【化38】

【0088】
[式中、Qは、C1−6アルコキシから成る群から選択され、ここで、前記C1−6アルコキシはアミノで置換されていない]で表される化合物を製造する方法にも向けたものであり、この方法は、
【0089】
【化39】

【0090】
(a)式(Ld)で表される化合物と(R)−2−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸を約35℃以上の温度、好適には約45℃以上の温度のアセトン中でか或はほぼ室温のTHF中で反応させることで相当する(R,R)ジアステレオマー塩である式(XXI)で表される化合物を生じさせ、
【0091】
【化40】

【0092】
(b)前記(R,R)ジアステレオマー塩である式(XXI)で表される化合物を無機塩基と反応させることで相当する式(Le)で表される化合物を生じさせる、
ことを含んで成る。
【0093】
本発明は、更に、式(Lf)
【0094】
【化41】

【0095】
[式中、Qは、C1−6アルコキシから成る群から選択され、ここで、前記C1−6アルコキシはアミノで置換されていない]で表される化合物を製造する方法にも向けたものであり、この方法は、
【0096】
【化42】

【0097】
(a)式(Ld)で表される化合物と(S)−2−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸を約35℃以上の温度、好適には約45℃以上の温度のアセトン中でか或はほぼ室温のTHF中で反応させることで相当する(S,S)ジアステレオマー塩である式(XXII)で表される化合物を生じさせ、
【0098】
【化43】

【0099】
(b)前記(S,S)ジアステレオマー塩である式(XXI)で表される化合物を無機塩基と反応させることで相当する式(Lf)で表される化合物を生じさせる、
ことを含んで成る。
【0100】
本発明は、更に、式(Lf)
【0101】
【化44】

【0102】
[式中、Qは、C1−6アルコキシから成る群から選択され、ここで、前記C1−6アルコキシはアミノで置換されていない]で表される化合物を製造する方法にも向けたものであり、この方法は、
【0103】
【化45】

【0104】
(a)式(Ld)で表される化合物と(R)−2−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸を約35℃から約0℃の範囲内の温度のアルコールまたはアセトン中で反応させることで相当する(S,R)ジアステレオマー塩である式(XXIII)で表される化合物を生じさせ、
【0105】
【化46】

【0106】
(b)前記(S,R)ジアステレオマー塩である式(XXIII)で表される化合物を無機塩基と反応させることで相当する式(Lf)で表される化合物を生じさせる、
ことを含んで成る。
【0107】
本発明は、更に、式(IIa)で表される化合物の新規な結晶性塩、より具体的には、式(IIa)で表される化合物のN,N’−ジベンジルエチレンジアミン(ベンザチン)塩にも向けたものである。本発明は、更に、式(IIa)で表される化合物とN,N’−ジベンジルエチレンジアミンの比率が1:1である式(IIa)で表される化合物のN,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩にも向けたものである。本発明は、更に、式(IIa)で表される化合物のベンザチン塩を製造する方法にも向けたものである。
【0108】
本発明は、更に、本明細書に記述する方法のいずれかに従って生じさせた化合物にも向けたものである。
【0109】
本発明の具体例は、薬学的に受け入れられる担体および本明細書に記述する方法のいずれかに従って生じさせた化合物を含んで成る薬剤組成物である。本発明の具体例は、本明細書に記述する方法のいずれかに従って生じさせた化合物と薬学的に受け入れられる担体を混合することで製造した薬剤組成物である。本発明を具体化する方法は、本明細書に記述する方法のいずれかに従って生じさせた化合物と薬学的に受け入れられる担体を混合することを含んで成る薬剤製造方法である。
【0110】
本薬剤組成物は、1つの態様において、化合物:
【0111】
【化47】

【0112】
またはこれの薬学的に受け入れられる塩、C1−6エステルまたはC1−6アミドを含んで成る。
【0113】
別の態様における薬剤組成物は、化合物:
【0114】
【化48】

【0115】
を含んで成る。
【0116】
本発明の実例は、PPARアルファ媒介型疾患の治療を必要としている被験体におけるそれを治療する方法であり、この方法は、前記被験体に本明細書に記述する方法のいずれかに従って生じさせた化合物またはこの上に記述した如き薬剤組成物を治療的に有効な量で投与することを含んで成る。本発明のさらなる実例は、高密度リポ蛋白(HDL)の血清中濃度を上昇させ、中密度リポ蛋白(IDL)の濃度を改善し、トリグリセリド、低密度リポ蛋白(LDL)、アテローム生成分子および/または遊離脂肪酸(FFA)の血清中濃度を低くし、高トリグリセリド血症を治療し、HDL濃度を上昇させ、LDL濃度を低くしそして/または全コレステロールを減少させることを必要としている被験体におけるそれを行う方法であり、この方法は、前記被験体に本明細書に記述する方法のいずれかに従って生じさせた化合物またはこの上に記述した如き薬剤組成物を治療的に有効な量で投与することを含んで成る。
【0117】
本発明のさらなる実例は、異常脂質血症、心臓血管疾患、耐糖能異常、高インスリン血、高血糖症、インスリン抵抗性、初期、中期もしくは後期インスリン非依存性糖尿病(NIDDM)、これらの合併症またはX症候群の治療を必要としている被験体におけるそれを治療する方法であり、この方法は、前記被験体に本明細書に記述する方法のいずれかに従って生じさせた化合物またはこの上に記述した如き薬剤組成物を治療的に有効な量で投与することを含んで成る。
【0118】
本発明のさらなる実例は、下記の状態または病気:フェーズI高脂質血症、発症前高脂
質血症、フェーズII高脂質血症、高血圧、CAD(冠動脈疾患)、冠状動脈性心臓病、高トリグリセリド血症の中の1つ以上を治療、予防または進行を抑制する方法、低密度リポ蛋白(LDL)、IDLおよび/または小密度LDLおよび他のアテローム生成分子またはアテローム硬化合併症を引き起こす分子の血清中濃度を低くすることで心臓血管合併症を軽減し、高密度リポ蛋白(HDL)の血清中濃度を上昇させ、トリグリセリド、LDLおよび/または遊離脂肪酸の血清中濃度を低くしそして/またはFPG/HbA1cを減少させる方法である。
【0119】
本発明の別の例は、(a)異常脂質血症、(b)心臓血管疾患、(c)耐糖能異常、(d)高インスリン血、(e)高血糖症、(f)インスリン抵抗性、(g)初期インスリン非依存性糖尿病(NIDDM)、(h)中期インスリン非依存性糖尿病(NIDDM)、(i)後期インスリン非依存性糖尿病(NIDDM)、(j)インスリン非依存性糖尿病の合併症または(k)X症候群の治療を必要としている被験体におけるそれを治療する薬剤を製造する時に本明細書に記述する方法のいずれかに従って生じさせた化合物を用いる例である。
発明の詳細な説明
「アルキル」には、基が生じるように水素が少なくとも1個取り除かれている場合により置換されていてもよい直鎖および分枝炭化水素が含まれる。アルキル基にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、1−メチルプロピル、ペンチル、イソペンチル、s−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルなどが含まれる。本明細書で用いる如きアルキルにまたシクロアルキル、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルなども包含させる。
【0120】
「アルケニル」には、炭素−炭素二重結合(sp)を少なくとも1つ有するこの上に示した如き場合により置換されていてもよい直鎖および分枝炭化水素基が含まれる。アルケニルにはエテニル(またはビニル)、プロペ−1−エニル、プロペ−2−エニル(またはアリル)、イソプロペニル(または1−メチルビニル)、ブテ−1−エニル、ブテ−2−エニル、ブタジエニル、ペンテニル、ヘキサ−2,4−ジエニルなどが含まれる。二重結合と三重結合を混ぜて有する炭化水素基、例えば2−ペンテニ−4−イニルなどを本明細書ではアルキニルとして分類する。本明細書で用いる如きアルケニルにまたシクロアルケニルも包含させる。シスおよびトランスまたは(E)および(Z)形態を本発明の範囲内に包含させる。
【0121】
「アルキニル」には、炭素−炭素三重結合(sp)を少なくとも1つ有するこの上に示した如き場合により置換されていてもよい直鎖および分枝炭化水素基が含まれる。アルキニルにはエチニル、プロピニル、ブチニルおよびペンチニルが含まれる。二重結合と三重結合を混ぜて有する炭化水素基、例えば2−ペンテニ−4−イニルなどを本明細書ではアルキニルとして分類する。アルキニルはシクロアルキニルを包含しない。
【0122】
「アルコキシ」には、アルキル基を分子の残りにつなげている末端酸素を有する場合により置換されていてもよい直鎖または分枝アルキル基が含まれる。アルコキシにはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシ、ペントキシなどが含まれる。
【0123】
「アミノアルキル」、「チオアルキル」および「スルホニルアルキル」はアルコキシに類似しているが、アルコキシの末端酸素原子がそれぞれNH(またはNR)、SおよびSOに置き換わっている。ヘテロアルキルにはアルコキシ、アミノアルキル、チオアルキルなどが含まれる。
【0124】
「アリール」にはフェニル、ナフチル、ビフェニリル、テトラヒドロナフチル、インデニルなどが含まれ、これらはいずれも場合により置換されていてもよい。アリールにはまたアリールアルキル基、例えばベンジル、フェネチルおよびフェニルプロピルなども含まれる。アリールには、場合により置換されていてもよい6員の芳香炭素環式環を含有する二環式、橋状および/または縮合系であってもよい環系も含まれる。そのような系には芳香または部分もしくは完全飽和環が含まれ得る。そのような環系の例にはインデニル、ペンタレニル、1−4−ジヒドロナフチル、インダニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチオ
フェニル、インドリル、ベンゾフラニル、イソキノリニルなどが含まれる。
【0125】
「ヘテロシクリル」には、炭素原子を有しかつヘテロ原子(O、S、N)またはヘテロ原子部分(SO、CO、CONH、COO)を環中に少なくとも1つ有する場合により置換されていてもよい芳香および非芳香環が含まれる。特に明記しない限り、複素環式基が有する1原子価は、炭素原子を通してそれを分子の残りにつなげている原子価である(例えば3−フリルまたは2−イミダゾリルの如く)か、或はヘテロ原子を通してそれを分子の残りにつなげている原子価であり得る(例えばN−ピペリジルまたは1−ピラゾリルの如く)。単環式ヘテロシクリルの環原子数は好適には5から7の範囲であるか或は環原子数は5から6の範囲であり、この環の中に存在するヘテロ原子またはヘテロ原子部分の数は1から5の範囲、好適には1から3の範囲、または1から2の範囲であり得る。ヘテロシクリルは飽和、不飽和、芳香(例えばヘテロアリール)、非芳香、または縮合であり得る。
【0126】
ヘテロシクリルにはまた縮合環、例えば二環式環、例えば場合により置換されていてもよい5員または6員の芳香炭素環もしくは複素環式環と一緒に場合により縮合していてもよい環なども含まれる。例えば、「ヘテロアリール」には、場合により置換されていてもよい5員または6員の芳香炭素環もしくは複素環式環と一緒に縮合していて窒素原子を1、2または3個含有する場合により置換されていてもよい6員の複素芳香環が含まれる。前記5員または6員の芳香環と一緒に縮合している前記5員または6員の複素環式芳香環が6員環の場合には窒素原子を1、2または3個含有し得るか、或はそれが5員環の場合には酸素、窒素および硫黄から選択されるヘテロ原子を1、2または3個含有し得る。
【0127】
ヘテロシクリルの例にはチアゾリル、フリル、チエニル、ピラニル、イソベンゾフラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、キノリル、フラザニル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペリジル、ピペラジニル、インドリニルおよびモルホリニルが含まれる。好適なヘテロシクリルまたは複素環式基には、例えばモルホリニル、ピペラジニル、ピロリジニル、ピリジル、シクロヘキシルイミノ、チエニル、より好適にはピペリジルまたはモルホリニルが含まれる。
【0128】
ヘテロアリールの典型的な例はチエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチアゾリルである。
【0129】
「アシル」は、水素原子と結合しているカルボニル部分(即ちホルミル基)を指すか或は場合により置換されていてもよいアルキルもしくはアルケニル鎖またはヘテロシクリルと結合しているカルボニル部分を指す。
【0130】
「ハロ」または「ハロゲン」には、例えばトリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、ジフルオロメトキシまたはフルオロメチルチオなどのようにハロ原子を1個以上有するアルキル基上の置換基として、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨード、好適にはフルオロまたはクロロが含まれる。
【0131】
「アルカンジイル」または「アルキレン」は、場合により置換されていてもよい二価の直鎖もしくは分枝鎖アルカン基、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレンまたはヘキシレンなどを表す。
【0132】
「アルケンジイル」は、この上に記述したのと同様に、場合により置換されていてもよい二価の直鎖もしくは分枝鎖アルケン基、例えばプロペニレン、ブテニレン、ペンテニレンまたはヘキセニレンなどを表す。このような基の場合、窒素と結合している炭素原子は好適には飽和であるべきである。
【0133】
「アロイル」は、場合により置換されていてもよいアリールもしくはヘテロアリール基と結合しているカルボニル部分を指し、ここで、アリールおよびヘテロアリールはこの上に示した定義を有する。特にベンゾイルはフェニルカルボニルである。
【0134】
本明細書で定義するように、2つの基がこれらが結合している原子1個または2個以上と一緒になって場合により置換されていてもよい4から7員、5から7員または5から6
員環の炭素環もしくは複素環式環を形成していてもよく、この環は飽和、不飽和または芳香環であってもよい。前記環はこの上に本発明の要約章で定義した通りであり得る。
【0135】
「鏡像異性体過剰度」または「ee」を通常はパーセントとして表し、これは一方の鏡像異性体がもう一方の鏡像異性体よりも過剰に存在することを記述するものである。鏡像異性体過剰パーセント(ee)=100(Xr−X2)/(Xr+Xs)[ここで、Xr>Xs]。別法として、ee=100(2X−1)[ここで、Xは、混合物の中の主要な鏡像異性体のモル分率である]。XrおよびXsは混合物の中のそれぞれ(R)鏡像異性体および(S)鏡像異性体のモル分率を表すことを注目されたい。
【0136】
「薬学的に受け入れられる塩、エステルおよびアミド」には、有益/危険の比率が妥当な範囲内であり、薬理学的に有効でありかつ患者の組織に過度の毒性も刺激もアレルギー反応ももたらすことなく接触させるに適するカルボン酸塩、アミノ酸付加塩、エステルおよびアミドが含まれる。そのような塩、エステルおよびアミドは、例えばC1−8アルキル、C3−8シクロアルキル、アリール、C2−10ヘテロアリールまたはC2−10非芳香複素環の塩、エステルおよびアミドであり得る。前記式(I)の左側に位置する末端のカルボキシレート/カルボン酸基に関しては塩、遊離酸およびエステルの方がアミドより好適である。代表的な塩には臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、しゅう酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、ホウ酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、燐酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、こはく酸塩、酒石酸塩、ナフチレート(naphthylate)、メシル酸塩、グルコヘプトン酸塩、ラクチオビオネート(lactiobionate)およびラウリルスルホン酸塩が含まれる。それらはアルカリ金属およびアルカリ土類カチオン、例えばナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウムなどばかりでなく、無毒のアンモニウム、第四級アンモニウムおよびアミンカチオン、例えばテトラメチルアンモニウム、メチルアミン、トリメチルアミンおよびエチルアミンなどを含有し得る。例えばS.M.Berge他「Pharmaceutical Salts」、J.Pharm.Sci.、1977、66:1−19(これは引用することによって本明細書に組み入れられる)参照。本発明の代表的な薬学的に受け入れられるアミドには、アンモニア、第一級C1−6アルキルアミンおよび第二級ジ(C1−6アルキル)アミンから生じるアミドが含まれる。第二級アミンには、窒素原子を少なくとも1個含有しかつ場合により追加的ヘテロ原子を1から2個の範囲で含有していてもよい5員もしくは6員の複素環もしくは複素芳香環部分も含まれる。好適なアミドはアンモニア、第一級C1−3アルキルアミンおよびジ(C1−2アルキル)アミンから生じるアミドである。本発明の代表的な薬学的に受け入れられるエステルにはC1−7アルキル、C5−7シクロアルキル、フェニルおよびフェニル(C1−6)アルキルエステルが含まれる。好適なエステルにはメチルおよびエチルエステルが含まれる。
【0137】
本明細書で用いる如きあらゆる炭化水素基に関して、これらが飽和、不飽和または芳香であるかに拘らずかつこれらが環式、直鎖または分枝であるかに拘らず、各基には本文脈で示す如き種類の置換されている基そして一価、二価および多価基が含まれ、これはまたあらゆる複素環式基に関しても同様である。この文脈は、当該置換基がアルキレン、即ち水素原子が少なくとも2個取り除かれた炭化水素基(二価)または水素原子がより多い数で取り除かれた炭化水素基(多価)であることを示そうとするものである。
【0138】
本明細書に定義する如き基または構造部分は置換されている基または構造部分を包含すると理解する。ヒドロカルビルには炭素と水素を含有する一価基、例えばアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキルおよびシクロアルケニル(芳香または不飽和であるかに拘らず)ばかりでなく相当する二価(または多価)基、例えばアルキレン、アルケニレン、フェニレンなども含まれる。ヘテロカルビルには炭素と場合により水素と少なくとも1個のヘテロ原子を含有する一価および二価(または多価)基が含まれる。一価ヘテロカルビルの例にはアシル、アシルオキシ、アルコキシアシル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アロイル、ベンゾイル、ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキルなどが含まれる。「アルキル」を例として用いると、「アルキル」は置換基を1個以上、例えば置換基を
1から5、1から3、または2から4個有する置換アルキルを包含すると理解されるべきである。このような置換基は同じ(ジヒドロキシ、ジメチル)または異なっていてもよい(クロロフルオロ、クロロベンジル−もしくはアミノメチル置換)。置換されているアルキルの例にはハロアルキル(例えばフルオロメチル、クロロメチル、ジフルオロメチル、パークロロメチル、2−ブロモエチル、トリフルオロメチルおよび3−ヨードシクロペンチル)、ヒドロキシアルキル[例えばヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、アミノアルキル(例えばアミノメチル、2−アミノエチル、3−アミノプロピルおよび2−アミノプロピル)]、アルキルアルキルなどが含まれる。ジ(C1−6アルキル)アミノ基には、例えばメチルプロピルアミノおよびイソプロピルメチルアミノを生じるように独立して選択されたアルキル基を含有するジアルキルアミノ基に加えて、同じアルキル基を2つ有するジアルキルアミノ基、例えばジメチルアミノまたはジエチルアミノなども含まれる。
【0139】
安定な化合物のみを意図する。例えば、NR1112基が存在しそしてRがアルケニル基であり得る場合の二重結合は、エナミンが生じないように窒素から少なくとも炭素1個分離れて位置する。同様に、−(CH−N−(CH−が不飽和であることもあり得るが、その場合には、−(CH)−N=(CH)−(CH)−または−(CH)−NH−(CH)=(CH)−として示されるように、妥当な水素原子1個または2個以上を含めるか或は省く。
【0140】
置換基、例えばXおよびRなどを記述する時、特に明記しない限り、インダンおよびテトラリンのそれぞれで下記の番号付けを適用する。
【0141】
【化49】

【0142】
本明細書で用いる如き用語「非プロトン性溶媒」は、特に明記しない限り、プロトンを生じない溶媒のいずれかを意味する。適切な例には、これらに限定するものでないが、DMF,ジオキサン、THF,アセトニトリル、ピリジン、ジクロロエタン、ジクロロメタン、MTBE,トルエンなどが含まれる。
【0143】
本明細書で用いる如き用語「窒素保護基」は、特に明記しない限り、窒素原子が反応に参与しないようにそれを保護する目的で前記窒素原子と結合させることができそして反応後に容易に除去することができる基を意味する。適切な窒素保護基には、これらに限定するものでないが、カルバメート、即ち式-C(O)O−R[式中、Rは例えばメチル,エチル,t−ブチル,ベンジル,フェニルエチル,CH=CH−CH−などである]で表される基、アミド、即ち式-C(O)−R’[式中、R’は例えばメチル,フェニル,トリフルオロメチルなどである]で表される基、N−スルホニル誘導体、即ち式-SO−R”[式中、R”は例えばトリル、フェニル、トリフルオロメチル,2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−イル−,2,3,6−トリメチル−4−メトキシベンゼンなどである]で表される基が含まれる。他の適切な窒素保護基を教科書、例えばT.W.Greene & P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,1991などに見ることができる。
【0144】
本明細書で用いる如き用語「カルボン酸保護基」は、特に明記しない限り、カルボン酸が反応に参与しないようにそれを保護する目的で前記カルボン酸の−C(O)O−部分と結合させることができそして反応後に容易に除去することができる基を意味する。適切なカルボン酸保護基には、これらに限定するものでないが、C1−7アルキル,C5−7シクロアルキル,フェニル,フェニルC1−6アルキルなどが含まれる。他の適切なカルボン酸保護基を教科書、例えばT.W.Greene & P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,John
Wiley & Sons,1991などに見ることができる。
【0145】
本発明を式(I)で表される化合物の製造方法で式(L)で表される化合物のS鏡像異性体を実質的に含有しない鏡像異性体混合物に適用すると、結果として、式(I)のS鏡像異性体を実質的に含有しない鏡像異性体混合物がもたらされるであろう。同様に、本発明を式(I)で表される化合物の製造方法で式(L)で表される化合物のR鏡像異性体を実質的に含有しない鏡像異性体混合物に適用すると、結果として、式(I)のR鏡像異性体を実質的に含有しない鏡像異性体混合物がもたらされるであろう。式(I)の所望鏡像異性体の鏡像異性体過剰度が好適には少なくとも約90%ee,より好適には少なくとも約96%ee,最も好適には約99%eeであるようにする。
【0146】
説明をより簡潔にする目的で、本明細書に示す量的表現のいくつかには用語「約」による制限を受けさせていない。用語「約」を明確に用いるか否かに拘わらず、本明細書に示す量は全てが実際の所定値を指すことを意味しかつまた前記所定値の近似値(本分野の通常の技術を基にして妥当であると推測される)[実験および/または測定条件による前記所定値の近似値を包含]も指すことを意味すると理解する。
【0147】
本分野の技術者は、本発明の反応段階をいろいろな溶媒もしくは溶媒系中で実施することができる場合に前記反応段階をまた適切な溶媒もしくは溶媒系の混合物中で実施することも可能であることを理解するであろう。
【0148】
本発明に従う化合物調製方法によって立体異性体の混合物がもたらされる場合、そのような異性体は通常技術、例えば調製用クロマトグラフィーなどで分離可能である。そのような化合物はラセミ混合物の形態で調製可能であるか或は鏡像特異的合成または分割のいずれかを用いて個々の鏡像異性体を生じさせることも可能である。そのような化合物を標準技術、例えば光学活性酸などを用いて塩を生じさせることでジアステレオマー対を生じさせた後に分別結晶を行いそして遊離塩基を再生させることなどで、それらの成分である鏡像異性体に分割することができる。また、ジアステレオマーエステルまたはアミドを生じさせた後にクロマトグラフィーで分離しそしてキラル補助剤を除去することで、そのような化合物の分割を行うことも可能である。別法として、キラルHPLCカラムを用いて化合物の分離を行うことも可能である。
【0149】
本発明の化合物調製方法のいずれかを実施している時、関係している分子のいずれかが有する敏感なまたは反応性基を保護する必要がありそして/またはその方が望ましい可能性がある。これは通常の保護基、例えばJ.F.W.McOmie編集「Protective Groups in Organic Chemistry」、Plenum Press、1973、そしてT.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、「Protective Groups in Organic Synthesis」、第3版、John Wiley & Sons、1991などに記述されている如き保護基を用いて達成可能である。そのような保護基は本技術分野で公知の方法を用いて後の便利な段階で除去可能である。
【0150】
置換基を言及する時の用語「独立して」は、そのような置換基が2個以上可能な時に前記置換基が互いに同じまたは異なってもよいことを意味する。
【0151】
個々の基(例えばフェニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール)が「置換されている」時、その基は置換基のリストから独立して選択される置換基を1個以上、好適には置換基を1から3個、より好適には置換基を1から2個持っていてもよい。
【0152】
本明細書で用いる如き用語「被験体」は、治療、観察または実験の対照である動物、好適には哺乳動物、最も好適には人を指す。
【0153】
本明細書で用いる如き用語「治療的に有効な量」は、活性化合物もしくは薬剤が研究者、獣医、医者または他の臨床医が探求する生物学的もしくは医学的反応(治療すべき状態または疾患の症状の軽減を包含)を組織系、動物または人に引き出す量を意味する。
【0154】
用語「組成物」を本明細書で用いる場合、これに指定材料を指定量で含んで成る製品ばかりでなく指定材料を指定量で組み合わせる結果として直接または間接的にもたらされる如何なる生成物も包含させることを意図する。
【0155】
本明細書、特にスキームおよび実施例で用いる省略形は下記の通りである:
【0156】
【表1】

【0157】
本発明の1つの態様では、式(I)で表される化合物において、(a)RおよびRの中の一方がメチルまたはエチルであり;(b)RおよびRの各々がメチルであり;(c)RとRが一緒になってシクロブチルまたはシクロペンチルであり;(d)RがHであり;(e)RがHまたはC2−7アルキルであり;(e)RがHまたはC2−5アルキルであり;(f)Rがエチルであり;(g)RがHであり;(h)nが1であり;(i)nが2であり;(j)RおよびRの中の少なくとも一方がHであり;(k)RがC1−4アルキル,ハロメトキシまたはハロチオメトキシ(即ち-S−(ハロメチル))であり;(l)Rがt−ブチル,イソプロピル,トリフルオロメチル,トリフルオロメトキシ,トリフルオロチオメトキシ(即ち-S−CF),ジフルオロメトキシまたはジメチルアミノであり;(m)RがHであり,RがC2−7アルキルであ
り;(n)RがC2−5アルキルであり;(o)Rがシクロプロピルメチル,イソプロピル,イソブチル,メチルエチルアミノまたはジエチルアミノであり;(p)インダンまたはテトラリン上のC−2位置の所の(S)鏡像異性体;(q)インダンまたはテトラリン上のC−2位置の所の(R)鏡像異性体;(r)R15がC1−7アルキル,[ジ(C1−2アルキル)アミノ](C1−6アルキレン),(C1−3アルコキシアシル)(C1−6アルキレン),C1−6アルコキシ,C3−7アルケニルまたはC3−8アルキニルであり;(s)Rがトリフルオロメチルチオまたはトリフルオロメトキシであり;または(t)前記の任意組み合わせである。
【0158】
本発明の別の態様では、式(I)で表される化合物を2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸;2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸;2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸;2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−ブロモ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸;2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸;2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−トリフルオロメトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸;2−{6−[1−エチル−3−(4−ヒドロキシフェニル)ウレイド]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸;2−{6−[(4−アミノフェニル)−1−エチル−ウレイド]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸および2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−4−トリフルオロメチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸から成る群から選択する。
【0159】
本発明の別の態様では、式(I)で表される化合物を2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸;2−{6−[3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸;2−{2−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸;2−{2−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメチルスルファニルフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸;および2−メチル−2−{2−[1−プロピル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]インダン−5−イルスルファニル}プロピオン酸から成る群から選択する。
【0160】
本発明の1つの態様におけるcは0である。本発明の別の態様におけるnは1でありそしてXは5位に結合している。本発明の更に別の態様におけるnは2でありそしてXは6位または7位、好適には6位に結合している。
【0161】
nが1でありそしてRが水素であるか或は水素以外でありかつ4−,6−または7−位に結合している本発明の1つの態様では、-X−C(R)−C(O)−Q基が5位に結合している。nが1でありそしてRが水素であるか或は水素以外でありかつ4−,6−または7−位に結合している本発明の別の態様では、-X−C(R)−C(O)−OH基が5位に結合している。
【0162】
nが1でありそしてRが水素以外でありかつ5位に結合している本発明の態様では、-X−C(R)−C(O)−Q基が6位に結合している。nが1でありそしてR
が水素以外でありかつ5位に結合している本発明の別態様では、-X−C(R)−C(O)−OH基が6位に結合している。
【0163】
本発明の1つの態様において、QはOPgまたはN(PgPg)であり、ここで、Pgは、本分野の技術者が容易に理解するであろう如きカルボン酸保護基であり、これには、これらに限定するものでないが、C1−7アルキル,C5−7シクロアルキル,フェニル,フェニルC1−6アルキルなどが含まれ、そしてPgおよびPgは各々独立して水素,C1−8アルキル,C3−8シクロアルキルまたはアリールから選択されるか、代りに、PgとPgがこれらが結合している窒素原子と一緒になって窒素原子を少なくとも1個含有しかつ場合により追加的ヘテロ原子を1から2個含有していてもよいC3−10ヘテロアリールまたはC3−10非芳香複素環,好適には5−または6−員の複素環式または複素芳香環部分を形成している。本発明の別の態様において、QはOPgであり、ここで、Pgはカルボン酸保護基である。
【0164】
本発明の1つの態様では、Qをヒドロキシ,非置換C1−6アルコキシ,アミノ,非置換C1−4アルキルアミノおよびジ(非置換C1−4アルキル)アミノから成る群から選択する。本発明の別の態様では、Qをヒドロキシ,メトキシ,エトキシ,イソプロピルオキシ,n−ブチルオキシ,t−ブトキシ,アミノ,メチルアミノおよびジメチルアミノから成る群から選択する。本発明の更に別の態様におけるQはC1−6アルコキシであり,ここで、前記C1−6アルコキシはアミノで置換されていない。本発明の更に別の態様では、Qをメトキシ,エトキシおよびt−ブトキシから成る群から選択する。
【0165】
本発明は、式(L)
【0166】
【化50】

【0167】
[式中、Q,X,R,R,R,nおよびRは、本明細書で定義する通りである]で表される化合物の製造方法に向けたものである。
【0168】
前記式(L)で表される化合物は式(I)で表される化合物を製造する時に中間体として用いるに有用である。
【0169】
式(L)で表される化合物の調製はスキーム1に概略を示す方法に従って実施可能である。
【0170】
【化51】

【0171】
【化52】

【0172】
従って、公知化合物または公知方法で製造可能な化合物である式(III)で表される適切に置換されている化合物を公知方法に従って反応させる(例えば、それに保護を受けさせる)ことで相当する式(IV)[式中、PgはClSOHに不活性な窒素保護基、例えばAlloc(CH=CHCH−O−C(O)−),アセチル(CH−C(O)−),(C1−4アルキル)−C(O)−などである]で表される化合物を生じさせる。例えば,式(III)で表される化合物を適切に選択した保護用反応体、例えばAlloc−Cl(CH=CHCH−O−C(O)−Cl),AllocO(CH=CHCH−OC(O)−O−C(O)O−CHCH=CH),AcCl(CH−C(O)−Cl),AcO(CH−C(O)−O−C(O)−CH)などと反応させる。式(III)で表される化合物をAlloc−ClまたはAllocOと反応させる場合の相当する保護基PgはAllocである。好適には、PgをAllocまたはアセチルから選択する。
【0173】
前記式(IV)で表される化合物と式(V)[式中、R4aは水素以外のRであり、そしてJはBr,ClまたはIである]で表される適切に置換されている化合物(これは公知化合物または公知方法で製造可能な化合物である)を塩基、例えばNaH,n−ブチルリチウム,LDA,LHMDSなどの存在下の極性非プロトン性溶媒、例えばTHF,ジオキサン,MTBEなど中で反応させることで相当する式(VI)で表される化合物を生じさせる。次に、前記式(VI)で表される化合物とClSOHを場合によりClSOHに不活性な極性有機溶媒、例えばDCM,DCE,アセトニトリル,DMFなど中で反応させることで相当する式(VII)で表される化合物を生じさせる。
【0174】
別法として、前記式(IV)で表される化合物とClSOHを場合によりClSOHに不活性な極性有機溶媒、例えばDCM,DCE,アセトニトリル,DMFなど中で反応させることで相当する式(VII)[式中、Rは水素である]で表される化合物を生じさせる。
【0175】
前記式(VII)で表される化合物を前記式(VII)で表される化合物が有するクロロスルホニル基に還元を受けさせる能力を有する還元剤、例えばZnなどと酸、例えばHCl,HSOなどの存在下の非プロトン性溶媒、例えばアセトニトリル,THF,ジオキサンなど中で反応させるか、或はZnと(CHSiClおよびDMAの存在下の非プロトン性有機溶媒、例えばTHF,ジオキサン,アセトニトリル,1,2−ジクロロエタンなど中で反応させることで相当する式(VIII)で表される化合物と相当する式(IX)で表される化合物の混合物を生じさせる。
【0176】
別法として、式(VII)で表される化合物のPgがトシルまたはMTrの場合、前記式(VII)で表される化合物を前記式(VII)で表される化合物が有するクロロスルホニル基に還元を受けさせる能力を有する還元剤、例えばLiAlHなどとこの還元剤に不活性な有機溶媒、例えばTHF,ジオキサンなど中でほぼ室温から還流温度の範囲の温度、好適にはほぼ還流で反応させることで相当する式(VIII)で表される化合物を生じさせる。
【0177】
前記式(VIII)で表される化合物を単離または前記式(IX)で表される化合物と混ざり合っている状態で式(X)[式中、WはBr,ClまたはIである]で表される適切に置換されている化合物(これは公知化合物または公知方法で製造可能な化合物である)と前記式(X)で表される化合物に不活性な有機塩基、例えばTEA,DIPEA,ピリジンなどの存在下でか或は前記式(X)で表される化合物に不活性な無機塩基、例えばNaHCO,NaCO,KCO,CsCOなどの存在下で極性非プロトン性溶媒、例えばTHF,ジオキサン,DMF,アセトニトリルなど中で反応させることで相当する式(XI)で表される化合物を生じさせる。
【0178】
別法として、前記式(IX)で表される化合物を単離または前記式(VIII)で表される化合物と混ざり合っている状態で前記式(VIII)で表される化合物が有するジスルフィドに還元を受けさせる能力を有する還元剤、例えばLiAlH,LiBH,NaBHなどとこの還元剤に不活性な有機溶媒、例えばTHF,ジオキサンなど中でほぼ室温からほぼ還元温度の範囲内の温度、好適にはほぼ室温で反応させることで相当する式(VIII)で表される化合物を生じさせ、これを好適には単離しない。次に、前記式(VIII)で表される化合物を式(X)[式中、WはBr,ClまたはIである]で表される適切に置換されている化合物(これは公知化合物または公知方法で製造可能な化合物である)と前記式(X)で表される化合物に不活性な有機塩基、例えばTEA,DIPEA,ピリジン,などの存在下でか或は前記式(X)で表される化合物に不活性な無機塩基、例えばNaHCO,NaCO,KCO,CsCOなどの存在下で極性非プロトン性溶媒、例えばTHF,ジオキサン,DMF,アセトニトリルなど中で反応させることで相当する式(XI)で表される化合物を生じさせる。
【0179】
前記式(XI)で表される化合物を反応させることで相当する式(L)で表される化合物を生じさせる。例えば,前記式(XI)で表される化合物に脱保護を公知方法、例えばProtective Groups In Organic Chemistry,J.F.W.McOmie編集,Plenun Pressm 1973そしてT.W.GreenおよびP.G.M.Wuts,Protective Groups In Organic Synthesis,John Wiley & Sons,1991に記述されている方法に従って受けさせることで相当する式(L)で表される化合物を生じさせる。
【0180】
別法として、式(L)で表される化合物の調製をスキーム2に概略を示す方法で実施することも可能である。
【0181】
【化53】

【0182】
【化54】

【0183】
従って、式(III)で表される適切に置換されている化合物(これは公知化合物または公知方法で製造可能な化合物である)を公知方法に従って反応させる(例えば,これに
保護を受けさせる)ことで相当する式(IV)[式中、PgはClSOHに不活性な窒素保護基、例えば,Alloc(CH=CHCH−O−C(O)−),アセチル(CH−C(O)−),(C1−4アルキル)−C(O)−などである]で表される化合物を生じさせる。例えば,前記式(III)で表される化合物を適切に選択した保護用反応体、例えばAlloc−Cl(CH=CHCH−O−C(O)−Cl),AllocO(CH=CHCH−OC(O)−O−C(O)O−CHCH=CH),AcCl(CH−C(O)−Cl),AcO(CH−C(O)−O−C(O)−CH)などと反応させる。前記式(III)で表される化合物をAlloc−ClまたはAllocOと反応させる場合の相当する保護基PgはAllocである。好適には、PgをAllocまたはアセチルから選択する。
【0184】
前記式(IV)で表される化合物を式(V)[式中、R4aは水素以外のRであり、そしてJはBr,ClまたはIである]で表される適切に置換されている化合物(これは公知化合物または公知方法で製造可能な化合物である)と塩基、例えばNaH,n−ブチルリチウム,LDA,LHMDSなどの存在下の極性非プロトン性溶媒、例えばTHF,ジオキサン,MTBEなど中で反応させることで相当する式(VI)で表される化合物を生じさせる。次に、前記式(VI)で表される化合物とClSOHを場合によりClSOHに不活性な極性有機溶媒、例えばDCM,DCE,アセトニトリル,DMFなど中で反応させることで相当する式(VII)で表される化合物を生じさせる。
【0185】
別法として、前記式(IV)で表される化合物とClSOHを場合によりClSOHに不活性な極性有機溶媒、例えばDCM,DCE,アセトニトリル,DMFなど中で反応させることで相当する式(VII)[式中、Rは水素である]で表される化合物を生じさせる。
【0186】
前記式(VII)で表される化合物を前記式(VII)で表される化合物が有するクロロスルホニル基に還元を受けさせる能力を有する還元剤、例えばZnなどと酸、例えばHCl,HSOなどの存在下で非プロトン性溶媒、例えばアセトニトリル,THF,ジオキサン中で反応させるか或はZnと(CHSiClおよびDMAの存在下で非プロトン性有機溶媒、例えばTHF,ジオキサン,アセトニトリル,1,2−ジクロロエタンなど中で反応させることで相当する式(VIII)で表される化合物と相当する式(IX)で表される化合物の混合物を生じさせる。
【0187】
別法として、式(VII)で表される化合物におけるPgがトシルまたはMTrの場合、前記式(VII)で表される化合物を前記式(VII)で表される化合物が有するクロロスルホニル基に還元を受けさせる能力を有する還元剤、例えばLiAlHなどとこの還元剤に不活性な有機溶媒、例えばTHF,ジオキサンなど中でほぼ室温からほぼ還流の範囲の温度、好適にはほぼ還流温度で反応させることで相当する式(VIII)で表される化合物を生じさせる。
【0188】
前記式(VIII)で表される化合物に脱保護を単離または前記式(IX)で表される化合物と混ざり合っている状態で公知方法、例えばProtective Groups
In Organic Chemistry,J.F.W.McOmie編集,Plenun Pressm 1973そしてT.W.GreenおよびP.G.M.Wuts,Protective Groups In Organic Synthesis,John Wiley & Sons,1991に記述されている如き方法に従って受けさせることで相当する式(XIII)で表される化合物を生じさせる。
【0189】
別法として、前記式(IX)で表される化合物を単離または前記式(VIII)で表される化合物と混ざり合っている状態で前記式(IX)が有するジスルフィドに還元を受けさせる能力を有する還元剤、例えばLiAlH,LiBH,NaBHなどとこの還元剤に不活性な有機溶媒、例えばTHF,ジオキサンなど中でほぼ室温からほぼ還流の範囲の温度、好適にはほぼ室温で反応させることで相当する式(VIII)で表される化合物を生じさせ、これを好適には単離しない。次に、前記式(VIII)で表される化合物に脱保護を公知方法、例えばProtective Groups In Organic Chemistry,J.F.W.McOmie編集,Plenun Pressm
1973そしてT.W.GreenおよびP.G.M. Wuts,Protective Groups In Organic Synthesis,John Wiley & Sons,1991に記述されている如き方法に従って受けさせることで相当する式(XIII)で表される化合物を生じさせる。
【0190】
さらなる別法として、前記式(IX)で表される化合物に脱保護を単離または前記式(VIII)で表される化合物と混ざり合っている状態で公知方法、例えばProtective Groups In Organic Chemistry,J.F.W.McOmie編集,Plenun Pressm 1973そしてT.W.GreenおよびP.G.M. Wuts,Protective Groups In Organic
Synthesis,John Wiley & Sons,1991に記述されている如き方法に従って受けさせることで相当する式(XII)で表される化合物を生じさせる。次に、前記式(XII)で表される化合物を前記式(XII)が有するジスルフィドに還元を受けさせる能力を有する還元剤、例えばLiAlH,LiBH,NaBHなどとこの還元剤に不活性な有機溶媒、例えばTHF,ジオキサンなど中でほぼ室温からほぼ還流の範囲の温度、好適にはほぼ室温で反応させることで相当する式(XIII)で表される化合物を生じさせる。
【0191】
前記式(XIII)で表される化合物を式(X)[式中、WはBr,ClまたはIである]で表される適切に置換されている化合物(これは公知化合物または公知方法で製造可能な化合物である)と式(X)で表される化合物に不活性な有機塩基、例えばTEA,DIPEA,ピリジンなどの存在下でか或は式(X)で表される化合物に不活性な無機塩基、例えばNaHCO,NaCO,KCO,CsCOなどの存在下で極性非プロトン性溶媒、例えばTHF,ジオキサン,DMF,アセトニトリルなど中で反応させることで相当する式(L)で表される化合物を生じさせる。
【0192】
別法として、式(L)[式中、Rは水素以外である]で表される化合物の調製をスキーム3に概略を示す方法に従って実施することも可能である。
【0193】
【化55】

【0194】
【化56】

【0195】
【化57】

【0196】
従って、式(III)で表される適切に置換されている化合物(これは公知化合物または公知方法で製造可能な化合物である)を公知方法に従って反応させる(例えば、それに保護を受けさせる)ことで相当する式(IV)[式中、PgはClSOHに不活性な窒素保護基、例えば,Alloc(CH=CHCH−O−C(O)−),アセチル(CH−C(O)−),(C1−4アルキル)−C(O)−などである]で表される化合物を生じさせる。例えば、前記式(III)で表される化合物を適切に選択した保護用反応体、例えばAlloc−Cl(CH=CHCH−O−C(O)−Cl),AllocO(CH=CHCH−OC(O)−O−C(O)O−CHCH=CH),A
cCl(CH−C(O)−Cl),AcO(CH−C(O)−O−C(O)−CH)などと反応させる。前記式(III)で表される化合物をAlloc−ClまたはAllocOと反応させる場合の相当する保護基PgはAllocである。好適には、PgをAllocまたはアセチルから選択する。
【0197】
前記式(IV)で表される化合物とClSOHを場合によりClSOHに不活性な極性有機溶媒、例えばDCM,DCE,アセトニトリル,DMFなど中で反応させることで相当する式(VIIa)で表される化合物(即ち、Rが水素である相当する式(VII)で表される化合物)を生じさせる。
【0198】
前記式(VIIa)で表される化合物を前記式(VIIa)で表される化合物が有するクロロスルホニル基に還元を受けさせる能力を有する還元剤、例えばZnなどと酸、例えばHCl,HSOなどの存在下で非プロトン性溶媒、例えばアセトニトリル,THF,ジオキサンなど中で反応させるか或はZnと(CHSiClおよびDMAの存在下で非プロトン性有機溶媒、例えばTHF,ジオキサン,アセトニトリル,1,2−ジクロロエタンなど中で反応させることで相当する式(VIIIa)で表される化合物(即ち、Rが水素である相当する式(VIII)で表される化合物)と相当する式(IXa)で表される化合物(即ち、Rが水素である相当する式(IXa)で表される化合物)の混合物を生じさせる。
【0199】
前記式(VIIIa)で表される化合物に脱保護を単離または前記式(IXa)で表される化合物と混ざり合っている状態で公知方法、例えばProtective Groups In Organic Chemistry,J.F.W.McOmie編集,Plenun Pressm 1973そしてT.W.GreenおよびP.G.M.Wuts,Protective Groups In Organic Synthesis,John Wiley & Sons,1991に記述されている如き方法に従って受けさせることで相当する式(XIIIa)で表される化合物(即ち、Rが水素である相当する式(XIII)で表される化合物)を生じさせる。前記式(XIIIa)で表される化合物を式(X)[式中、WはBr,ClまたはIである]で表される適切に置換されている化合物(これは公知化合物または公知方法で製造可能な化合物である)と前記式(X)で表される化合物に不活性な有機溶媒、例えばTEA,DIPEA,ピリジンなどの存在下でか或は前記式(X)で表される化合物に不活性な無機塩基、例えばNaHCO,NaCO,KCO,CsCOなどの存在下で極性非プロトン性溶媒、例えばTHF,ジオキサン,DMF,アセトニトリルなど中で反応させることで相当する式(La)で表される化合物(即ち、Rが水素である相当する式(L)で表される化合物)を生じさせる。
【0200】
別法として、前記式(IXa)で表される化合物を単離または前記式(VIIIa)で表される化合物と混ざり合っている状態で前記式(IXa)で表される化合物が有するジスルフィドに還元を受けさせる能力を有する還元剤、例えばLiAlH,LiBH,NaBHなどとこの還元剤に不活性な有機溶媒、例えばTHF,ジオキサンなど中でほぼ室温からほぼ還流の範囲の温度、好適にはほぼ室温で反応させることで相当する式(VIIIa)で表される化合物を生じさせる。次に、前記式(VIIIa)で表される化合物を式(X)[式中、WはBr,ClまたはIである]で表される適切に置換されている化合物(これは公知化合物または公知方法で製造可能な化合物である)と前記式(X)で表される化合物に不活性な有機塩基、例えばTEA,DIPEA,ピリジンなどの存在下でか或は前記式(X)で表される化合物に不活性な無機塩基、例えばNaHCO,NaCO,KCO,CsCOなどの存在下で極性非プロトン性溶媒、例えばTHF,ジオキサン,DMF,アセトニトリルなど中で反応させることで相当する式(XIa)で表される化合物(即ち、Rが水素である相当する式(XI)で表される化合物)を生じさせる。次に、前記式(XIa)で表される化合物を反応させることで相当する式(La)で表される化合物を生じさせる。例えば、前記式(XIa)で表される化合物に脱保護を公知方法、例えばProtective Groups In Organic Chemistry,J.F.W.McOmie編集,Plenun Pressm 1
973そしてT.W.GreenおよびP.G.M.Wuts,Protective Groups In Organic Synthesis,John Wiley &
Sons,1991に記述されている如き方法に従って受けさせることで相当する式(La)で表される化合物を生じさせる。
【0201】
さらなる別法として、前記式(IXa)で表される化合物に脱保護を単離または前記式(VIIIa)で表される化合物と混ざり合っている状態で公知方法、例えばProtective Groups In Organic Chemistry,J.F.W.McOmie編集,Plenun Pressm 1973そしてT.W.GreenおよびP.G.M.Wuts,Protective Groups In Organic Synthesis,John Wiley & Sons,1991に記述されている如き方法に従って受けさせることで相当する式(XIIa)で表される化合物(即ち、Rが水素である相当する式(XII)で表される化合物)を生じさせる。次に、前記式(XIIa)で表される化合物を前記式(XIIa)で表される化合物が有するジスルフィドに還元を受けさせる能力を有する還元剤、例えばLiAlH,LiBH,NaBHなどとこの還元剤に不活性な有機溶媒、例えばTHF,ジオキサンなど中でほぼ室温からほぼ還流の範囲の温度、好適にはほぼ室温で反応させることで相当する式(XIIIa)で表される化合物(即ち、Rが水素である相当する式(XIII)で表される化合物)を生じさせる。次に、前記式(XIIIa)で表される化合物を式(X)[式中、WはBr,ClまたはIである]で表される適切に置換されている化合物(これは公知化合物または公知方法で製造可能な化合物である)と前記式(X)で表される化合物に不活性な有機塩基、例えばTEA,DIPEA,ピリジンなどの存在下でか或は前記式(X)で表される化合物に不活性な無機塩基、例えばNaHCO,NaCO,KCO,CsCOなどの存在下で極性非プロトン性溶媒、例えばTHF,ジオキサン,DMF,アセトニトリルなど中で反応させることで相当する式(La)で表される化合物を生じさせる。
【0202】
前記式(La)で表される化合物を式(V)[式中、R4aは水素以外のRであり、そしてJはBr,ClまたはIである]で表される適切に置換されている化合物(これは公知化合物または公知方法で製造可能な化合物である)と塩基、例えばNaH,n−ブチルリチウム,LDA,LHMDSなどの存在下で極性非プロトン性溶媒、例えばTHF,ジオキサン,MTBEなど中で反応させることで相当する式(Lb)で表される化合物を生じさせる。
【0203】
別法として、前記式(La)で表される化合物を前記式(La)[式中、R4bは(C1−4直鎖アルキレン)R15または(直鎖C1−4アルキレン)R16である]で表される化合物が有する窒素上に-C(O)−R4b基を結合させる能力を有する適切に置換されているアシル化剤と有機物、例えばTEA,DIPEA,ピリジンなどの存在下でか或は無機塩基、例えばNaHCO,NaCO,KCO,CsCOなどの存在下で極性非プロトン性溶媒、例えばTHF,ジオキサン,DMF,アセトニトリルなど中で反応させることで相当する式(XVIII)で表される化合物を生じさせた後、前記式(XVIII)で表される化合物を前記式(XVIII)で表される化合物が有するアミドに還元を受けさせる能力を有する還元剤、例えばボランなどと非プロトン性有機溶媒、例えばTHF,ジオキサン,MTBEなど中で反応させることで相当する式(Lb)で表される化合物を生じさせる。
【0204】
が水素以外で(C直鎖アルキレン)R15または(直鎖Cアルキレン)R16である式(L)で表される化合物の調製はスキーム4に概略を示す方法に従って実施可能である。
【0205】
【化58】

【0206】
従って、式(III)で表される適切に置換されている化合物(これは公知化合物または公知方法で製造可能な化合物である)を前記式(III)[式中、R4bは(C1−4直鎖アルキレン)R15または(直鎖C1−4アルキレン)R16から選択される]で表される化合物が有する窒素上に-C(O)O−R4b基を結合させる能力を有する適切に置換されているアシル化剤、例えば式Cl−C(O)−R4bで表される酸クロライド、式R4b−C(O)−O−C(O)−R4bで表される対称無水物などと有機塩基、好適には第三級アミン塩基、例えばTEA,DIPEA,ピリジンなどの存在下で非プロトン性溶媒、例えばTHF,DMF,ジオキサン、酢酸エチルなど中でか或は有機もしくは無機塩基、例えばNaOH,KOH,NaCO,NaHCO,KCO,KHCO,TEA,DIPEA,ピリジンなどの存在下で非プロトン性溶媒と水の混合物中で反応させることで相当する式(XIV)で表される化合物を生じさせる。
【0207】
前記式(XIV)で表される化合物とClSOHを場合によりClSOHに不活性な極性有機溶媒、例えばDCM,DCE,アセトニトリル,DMFなど中で反応させることで相当する式(XV)で表される化合物を生じさせる。
【0208】
前記式(XV)で表される化合物を前記式(XV)で表される化合物が有するクロロスルホニル基に還元を受けさせる能力を有する還元剤、例えばZnなどと酸、例えばHCl,HSOなどの存在下で場合により非プロトン性溶媒、例えばアセトニトリル,THF,ジオキサンなど中で反応させるか或はZnと(CHSiClおよびDMAの存在下で非プロトン性有機溶媒、例えばTHF,ジオキサン,アセトニトリル,1,2−ジクロロエタンなど中で反応させることで式(XVI)で表される化合物と式(XVII)で表される化合物の混合物を生じさせる。
【0209】
本分野の技術者は、前記式(XV)で表される化合物を前記式(XV)で表される化合物が有するクロロスルホニル基およびアミド基に還元を受けさせる能力を有する還元剤、例えばLiAlHなどとこの還元剤に不活性な有機溶媒、例えばTHF,ジオキサンなど中でほぼ室温からほぼ還流の範囲の温度、好適にはほぼ還流温度で反応させる時に前記式(XV)で表される化合物を1段階で反応させて相当する式(XIIIb)で表される化合物を生じさせることを認識するであろう。
【0210】
前記式(XVI)で表される化合物を単離または前記式(XVII)で表される化合物と混ざり合っている状態で前記式(XVI)で表される化合物が有するアミドに還元を受けさせる能力を有する還元剤、例えばLiAlH,ボランなどとこの還元剤に不活性な非プロトン性溶媒、例えばTHF,ジオキサンなど中で反応させることで相当する式(XIIIb)で表される化合物(即ち、Rが水素以外である相当する式(XIII)で表される化合物)を生じさせる。前記還元剤がLiAlHの場合、前記化合物1種または2種以上に還元をほぼ室温からほぼ還流の範囲の温度、好適にはほぼ室温で受けさせる。
【0211】
別法として、前記式(XVII)で表される化合物を単離または前記式(XVI)で表される化合物と混ざり合っている状態で前記式(XVII)で表される化合物が有するアミドおよび前記式(XVII)で表される化合物が有するジスルフィドに還元を受けさせる能力を有する還元剤、例えばLiAlH,ボランなどとこの還元剤に不活性な非プロトン性溶媒、例えばTHF,ジオキサンなど中で反応させることで相当する式(XIIIb)で表される化合物を生じさせる。前記還元剤がLiAlHの場合、前記化合物1種または2種以上に還元をほぼ室温からほぼ還流の範囲の温度、好適にはほぼ室温で受けさせる。
【0212】
前記式(XIIIb)で表される化合物を式(X)[式中、WはBr,ClまたはIである]で表される適切に置換されている化合物(これは公知化合物または公知方法で製造可能な化合物である)と前記式(X)で表される化合物に不活性な有機塩基、例えばTEA,DIPEA,ピリジンなどの存在下でか或は前記式(X)で表される化合物に不活性な無機塩基、例えばNaHCO,NaCO,KCO,CsCOなどの存在下で極性非プロトン性溶媒、例えばTHF,ジオキサン,DMF,アセトニトリル,メタノール、エタノールなど中で反応させることで相当する式(Lc)で表される化合物[即ち、Rが(C2−5直鎖アルキレン)R15または(直鎖C2−5アルキレン)R16から選択される相当する式(L)で表される化合物]を生じさせる。
【0213】
本発明は、更に、式(I)
【0214】
【化59】

【0215】
[式中、R,R,X,R,n,R,c,R,RおよびRは、本明細書で定義する通りである]で表される化合物を製造する方法にも向けたものである。前記式(I)で表される化合物はPPARアルファ作動薬、より具体的には選択的PPARアルファ作動薬として用いるに有用である。PPARアルファ作動薬は、下記の状態または病気:
フェーズI高脂質血症、発症前高脂質血症、フェーズII高脂質血症、高血圧、CAD(冠動脈疾患)、冠状動脈性心臓病、高トリグリセリド血症の中の1つ以上を治療、予防または進行を抑制し、低密度リポ蛋白(LDL)、IDLおよび/または小密度LDLおよび他のアテローム生成分子またはアテローム硬化合併症を引き起こす分子の血清中濃度を低くすることで心臓血管合併症を軽減し、高密度リポ蛋白(HDL)の血清中濃度を上昇させ、トリグリセリド、LDLおよび/または遊離脂肪酸の血清中濃度を低くしそして/またはFPG/HbA1cを減少させる目的で用いるに有用である。
【0216】
より具体的には、前記式(I)で表される化合物の調製は、式(L)で表される適切に置換されている化合物と適切に置換されているイソシアネートである式(XIX)
【0217】
【化60】

【0218】
で表される化合物を公知方法に従って反応させることで実施可能である。本分野の技術者は、前記式(L)で表される化合物と適切に置換されているイソシアネートである式(XIX)で表される化合物を反応させる時に公知方法に従って式(L)で表される化合物が有する反応性基を保護する必要があるか或はその方が望ましい可能性があることを認識するであろう。例えば、QがOHまたはNHである式(L)で表される化合物が有するカルボン酸またはアミドのそれぞれを保護する必要があるか或はその方が望ましい可能性がある。本分野の技術者は、更に、式(L)で表される化合物のQがOPgNHまたはN(PgPg)である場合に公知方法に従って前記式(L)で表される化合物を適切に置換されているイソシアネートである式(XIX)で表される化合物と反応させることで中間体を生じさせた後に前記中間体に脱保護を公知方法に従って受けさせることで相当する式(I)で表される化合物を生じさせることも認識するであろう。
【0219】
本発明の1つの態様における方法は、XがSであり、Rがメチルであり、Rがメチルであり、QがOHまたはOPgであり、-X−C(R)−C(O)−Qが5位に結合しており、Rが水素であり、nが1でありそしてRがエチルである式(L)で表される化合物の製造方法である。本発明の別の態様における方法は、XがSであり、Rがメチルであり、Rがメチルであり、QがOPgであり、Pgがt−ブチルであり、-X−C(R)−C(O)−Qが5位に結合しており、Rが水素であり、nが1でありそしてRがエチルである式(L)で表される化合物の製造方法である。
【0220】
本発明の別の態様における方法は、XがSであり、Rがメチルであり、Rがメチルであり、-X−C(R)−C(O)−OHが5位に結合しており、Rが水素であり、nが1であり、Rがエチルであり、cが0であり、Rが水素であり、RがトリフルオロメトキシでありそしてRが水素である式(I)で表される化合物またはこれの薬学的に受け入れられる塩,C1−6エステルまたはC1−6アミドの製造方法である。
【0221】
本発明は、更に、式(Le)
【0222】
【化61】

【0223】
[式中、QはC1−6アルコキシから成る群から選択され、ここで、前記C1−6アルコキシはアミノで置換されていない]で表される化合物の製造方法にも向けたものである。好適には、Qは非置換C1−6アルコキシであり、より好適には、Qをメトキシ,
エトキシおよびt−ブトキシから成る群から選択する。
【0224】
より具体的には、前記式(Le)で表される化合物の調製はスキーム5に概略を示す方法に従って実施可能である。
【0225】
【化62】

【0226】
従って、式(Ld)で表される化合物と(S)−2−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸をアルコール、例えばメタノール,エタノールなど、好適にはエタノール、またはアセトン中で約35℃から約0℃の範囲の温度で反応させることで相当する(R,S)ジアステレオマー塩である式(XX)で表される化合物を生じさせる。
【0227】
前記(R,S)ジアステレオマー塩である式(XX)で表される化合物を無機塩基、例えばNaOH,KOH,NaCO,KCOなどと反応させることで相当する式(Le)で表される化合物を生じさせる。
【0228】
好適には、前記式(Le)で表される化合物を約70%eeから約90%eeの範囲内の鏡像異性体過剰度で生じさせる。本分野の技術者は、%eeをより高くすることが望まれる場合には前記式(Le)で表される化合物のジアステレオマー塩を更に有機溶媒、例えばメタノール,エタノール,アセトンなどに入れて再びスラリー状にするか或は再結晶化させてもよいことを認識するであろう。
【0229】
別法として、前記式(Le)で表される化合物の調製をスキーム6に概略を示す方法に従って実施することも可能である。
【0230】
【化63】

【0231】
従って、式(Ld)で表される化合物と(R)−2−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸を約35℃以上の温度、好適には約45℃以上の温度のアセトン中でか或はほぼ室温のTHF中で反応させることで相当する(R,R)ジアステレオマー塩である式(XXI)で表される化合物を生じさせる。
【0232】
前記(R,R)ジアステレオマー塩である式(XXI)で表される化合物を無機塩基、例えばNaOH,KOH,NaCO,KCOなどと反応させることで相当する式(Le)で表される化合物を生じさせる。
【0233】
好適には、前記式(Le)で表される化合物を約70%eeから約90%eeの範囲内の鏡像異性体過剰度で生じさせる。本分野の技術者は、%eeをより高くすることが望まれる場合には前記式(Le)で表される化合物のジアステレオマー塩を更に有機溶媒、例えばメタノール,エタノール,アセトンなどに入れて再びスラリー状にするか或は再結晶化させてもよいことを認識するであろう。
【0234】
本分野の技術者は、更に、式(Ld)で表される化合物のS−鏡像異性体である式(Lf)
【0235】
【化64】

【0236】
で表される化合物の調製を同様にして式(Ld)で表される化合物と(R)−2−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸をアルコール、例えばメタノール,エタノールなど、好適にはエタノール中でか或はアセトン中で約35℃から約0℃の範囲の温度で反応させて相当する(S,R)ジアステレオマー塩を生じさせた後に前記塩を無機塩基、例えばNaOH,KOH,NaCO,KCOなどと反応させて相当する式(Lf)で表される化合物を生じさせることで実施することができることも認識するであろう。
【0237】
別法として、前記式(Ld)で表される化合物のS−鏡像異性体[即ち式(Lf)で表される化合物]の調製を、式(Ld)で表される化合物と(S)−2−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸を約35℃以上の温度、好適には約45℃以上の温度のアセト
ン中でか或はほぼ室温のTHF中で反応させて相当する(S,S)ジアステレオマー塩を生じさせた後に前記塩を無機塩基、例えばNaOH,KOH,NaCO,KCOなどと反応させて相当する式(Lf)で表される化合物を生じさせることで実施することも可能である。
【0238】
本発明は、更に、式(IIa)
【0239】
【化65】

【0240】
で表される化合物の新規な結晶性塩、より具体的には前記式(IIa)で表される化合物の結晶性N,N’−ジベンジルエチレンジアミン(ベンザチン)塩にも向けたものである。本発明の1つの態様における塩は、式(IIa)で表される化合物とN,N’−ジベンジルエチレンジアミンの比率が1:1である式(IIa)で表される化合物の結晶性N.N’−ジベンジルエチレンジアミン塩である。
【0241】
前記式(IIa)で表される化合物の結晶性ベンザチン塩は、以下の表1に挙げる如きX−線回折ピークの主ピークを有することで特徴づけ可能である。このX−線回折パターンは下記の如く測定したパターンである。前記式(IIa)で表される化合物の結晶性ベンザチン塩を通常のX−線ホルダーに逆充填した。X−Celerator検出器を用いて前記サンプルに3から35°2qまでの走査を0.0165°2qのステップサイズでステップ当たり10.16秒の時間で受けさせた。有効走査速度は0.2067°/秒であった。用いた装置電圧および電流設定は45kVおよび40mAであった。
【0242】
【表2】

【0243】
本発明は、更に、式(IIa)で表される化合物のベンザチン塩を製造する方法にも向けたものである。より詳細には、前記式(IIa)で表される化合物とN,N’−ジベンジルエチレンジアミンを非プロトン性溶媒、例えば酢酸イソプロピル,酢酸エチル,MTBEなど、好適には酢酸イソプロピル中で好適には約5℃以下の温度、より好適には約5℃から約−5℃の範囲内の温度で反応させることで相当する式(IIa)で表されるN,N’−ジベンジルエチレンジアミン(ベンザチン)塩を生じさせる。
【0244】
以下の実施例は本発明の理解に役立たせる目的で示すものであり、本請求項に示す発明を限定することを決して意図するものでなくかつ限定するとして解釈されるべきでない。
【実施例1】
【0245】
N−インダン−2−イル−アセトアミド
【0246】
【化66】

【0247】
2−アミノインダン(1.2モル,160.00g)を酢酸エチル(1019mL)に入れることで生じさせた混合物を約5−7℃に冷却しつつ撹拌しながらこれにNaCO(2.4モル,254.65g)を水(1528mL)に入れることで生じさせた溶液を加えた後、塩化アセチル(1.32モル,109.19g)の溶液を2時間かけてゆっくり添加した。その添加速度を調整することで反応温度を10℃未満に維持した。この添加中に懸濁液が生じた。塩化アセチル添加後の混合物を室温で1時間撹拌した。沈澱して来た固体を真空濾過で集め、その濾過ケーキを水(200mL)そしてEtOAc(200mL)で洗浄した後、空気で48時間乾燥させた。この生成物の1番目の収穫物を結晶性白色固体として得た。
【0248】
その濾液を分液漏斗に入れた後、その水層を分離した。その有機層を水(500mL)で1回そして食塩水(500mL)で1回洗浄した。その酢酸エチル層に蒸発を真空下で受けさせることでそれの元々の体積の半分にした後、撹拌しながらヘプタン(1000mL)で希釈すると白色の懸濁物が生じた。その固体を真空濾過で集めた後、ヘプタンを300mLずつ用いて2回洗浄した。この生成物の2番目の収穫物を結晶性白色固体として得た。
融点127−129℃。
H NMR(300MHz,CDCl)δ7.13(m,4H),6.99(brd,1H),4.57(m,1H),3.19(dd,J=16.1,7.3Hz,2H),2.78(dd,J=16.0,5.1Hz,2H),1.85(s,3H)。
13C NMR(300MHz,CDCl)δ170.7,141.4,127.01,125.1,51.0,41.2,23.5。
MS(ESI):m/z 176.2(MH)。
下記として元素分析:C1113NO:
計算値:C,75.40;H,7.48;N,7.99
測定値:C,75.13;H,7.73;N,7.96。
【実施例2】
【0249】
塩化2−アセチルアミノ−インダン−5−スルホニル
【0250】
【化67】

【0251】
2Lの3つ口ガラス製反応フラスコに撹拌機、冷却器、熱電対、500mLの滴下漏斗および窒素入り口を取り付けて、これにN−アセチル−2−アミノインダン(0.96モル,167.70g)およびアセトニトリル(490mL)を加えた。その反応混合物を撹拌しながら氷浴で約3−5℃に冷却しつつClSOH(3.83モル,440g)をゆっくり加えた。この反応体の最初の30%を反応温度を15℃未満に維持しながら30分かけて加えた。次に、前記氷浴を取り外した後、その反応混合物を室温に温めた。前記反応体の残りの70%を30分かけて添加し、この添加が終了した時点で、その反応溶液の温度を80℃にまで上昇させた。その黄色の反応溶液を50℃で約20時間撹拌した。その反応溶液を30℃に冷却した後、氷(1620g)と水(945mL)とアセトニトリル(135mL)の混合物を氷浴の中で激しく撹拌しながらこれに約10−15分かけてゆっくり注ぎ込んだ。そのクエンチング混合物の温度を5℃から-6℃にまで降下させた。白色固体が沈澱し、その混合物を約0−5℃で30分間撹拌した。その固体を真空濾過で集めた後、水(4x300mL)の冷混合物を用いてスラリー状にすることを4回実施した。その最後のスラリーのpHは約2−3であった。次に、その固体を冷アセトン(300mL)(5−7℃)を用いてスラリー状にし、濾過で集めた後、最後に冷アセトン(200mL)で濯いだ。その固体状生成物を空気で4時間乾燥させた後、真空オーブンに入れて室温で48時間乾燥させた。生成物を白色固体として得た。
融点158−160℃
H NMR(300MHz,DMSO−d)δ8.53(brs,1H),7.45(s,1H),7.44(d,J=7.8Hz,1H),7.15(d,J=7.8Hz,1H),4.45(br m,1H),3.15(m,2H),2.77(dd,J=16.2,5.7Hz,2H),1.85(s,3H)。
13C NMR(300MHz,DMSO−d)δ169.6,145.3,142.3,140.9,123.9,123.7,121.6,50.2,38.6,38.4,22.2。
MS(ESI):m/z 274.0(MH
下記として元素分析:C1112ClNOS・0.1HO:
計算値:C,47.95;H,4.47;Cl,12.87;N,5.09;S,11.64;
KF,0.66%
測定値:C,47.61;H,4.49;Cl,12.50;N,5.13;S,11.50;
KF,0.67%。
【実施例3】
【0252】
N−(5−メルカプト−インダン−2−イル)−アセトアミド
【0253】
【化68】

【0254】
1リットルの4つ口丸底フラスコに冷却器、熱電対、滴下漏斗および機械的撹拌機を取り付け、これに亜鉛(22.94g,0.35モル)および塩化2−アセチルアミノ−インダン−5−スルホニル(93重量%)(29.45g,0.10モル)をアセトニトリル(200mL)に入れることで生じさせた懸濁液を入れた後、約50−60℃に加熱した。その加熱源を取り外した後、その温懸濁液に濃HCl(59.20g,0.60モル)を1時間かけてゆっくり添加した。その添加速度を反応温度が約70−75℃の範囲に維持されるように調整した。HClを添加している間全体に渡って穏やかな気体(H)の発生を観察した。次に、その反応物を撹拌しながら30−36℃になるまで30分かけて冷却した。その反応混合物をフリットガラス漏斗に通して濾過してZn残渣を除去した後に500mLの1口丸底フラスコに入れた。その反応フラスコをEtOAc(25mL)で濯いだ。その混合物に濃縮をロタベーパー(rotavapor)を用いて減圧下で約45−50℃の浴温度で受けさせることで有機溶媒の大部分を除去した。その濃縮を受けさせた水溶液をEtOAc(150mL)と混合した後、HO(75mL)を加えた。撹拌を15分間実施した後、層分離を起こさせた。その有機層をHO(3x75mL)で4回洗浄した。層分離を起こさせた後、その有機層に濃縮をロタベーパーを用いて60℃で元々の体積の1/4(約40mL)になるまで受けさせた。それを還流にまで加熱すると、その沈澱した白色固体の大部分が溶解した。次に、その混合物をMTBE(75mL)で希釈した。その混合物を周囲温度で18時間撹拌した。その固体状生成物を真空濾過で集め、MTBE(20mL)で洗浄し、窒素下で4時間乾燥させた後、真空オーブンに入れて約40−45℃で24時間乾燥させた。生成物をオフホワイトの固体として得た。
融点128−129.5℃
H NMR(300MHz,DMSO−d)δ8.12(br d,J=6.6Hz,1H),7.15(s,1H),7.08(br s,2H),5.18(s,1H),4.41(m,1H),3.09(m,2H),2.69(m,2H),1.79(s,3H)。
13C NMR(300MHz,DMSO−d)δ168.9,142.4,138.2,129.2,126.6,125.0,124.8,49.9,38.9,38.5,22.5。
MS(ESI):m/z208.2(MH
下記として元素分析:C1113NOS:
計算値:C,63.73;H,6.32;N,6.76;S,15.47
測定値:C,63.48;H,6.50;N,6.64;S,15.56。
【実施例4】
【0255】
N−[5−(2−アセチルアミノ−インダン−5−イルジスルファニル)−インダン−2−イル]−アセトアミド
【0256】
【化69】

【0257】
3つ口丸底フラスコに磁気撹拌子、滴下漏斗および熱電対を取り付けて、これに亜鉛(28.60g,0.44モル)と塩化2−アセチルアミノ−インダン−5−スルホニル(40.00g,0.146モル)をアセトニトリル(400mL)に入れることで生じさせた懸濁液を入れた後、ジクロロジメチルシラン(44.2mL,0.365モル)をアセトニトリル(50mL)に入れることで生じさせた溶液を室温で1時間かけて添加した。この添加中に反応温度が66℃にまで上昇した。添加後の反応混合物を室温で20時間撹拌すると、固体がいくらか生じた。
【0258】
その懸濁物を溶解させる目的でTHF(100mL)を加え、デカンテーションで余分なZnを除去した後、THF(20mL)で濯いだ。その粗ACN/THF溶液にヘプタン(3x300mL)による抽出を受けさせることでシラン副生成物を除去した。そのACN/THF層に濃縮を受けさせた後、それをEtOAc(300mL)とHO(150mL)に再溶解させた。その混合物を10分間撹拌した後、層分離を起こさせた。その有機層をHO(2x200mL)そして食塩水(200mL)で洗浄した後、元々の体積の半分になるまで濃縮した。その溶液をトルエン(200mL)で希釈した後、再び濃縮することでEtOAcを全部除去した。そのトルエンに入っている懸濁液を15分かけて90℃に温めた後、室温で20時間撹拌した。その固体状生成物を真空濾過で集め、トルエン(20mL)で濯ぎ、空気で2時間乾燥させた後、真空オーブンに入れて60℃で更に2日間乾燥させた。生成物をオフホワイトの固体として得た。
融点165−168℃(137℃で軟化)
H NMR(300MHz,DMSO−d)δ8.13(d,J=7.7Hz,2H),7.38(s,2H),7.30(d,J=7.9Hz,2H),7.22(d,J=7.7Hz,2H),4.42(br m,2H),3.15(m,2H),3.11(m,2H),2.71(dd,J=16.2,5.3Hz,4H),1.78(s,6H)。
13C NMR(300MHz,DMSO−d)δ168.8,142.9,141.4,133.7,126.1,125.3,124.0,49.9,38.9,38.6,22.5。
MS(ESI):m/z 413.1(MH)。
【実施例5】
【0259】
2−(2−エチルアミノ−インダン−5−イルスルファニル)−2−メチル−プロピオン酸t−ブチル
【0260】
【化70】

【0261】
N−(5−メルカプト−インダン−2−イル)−アセトアミド(330.0g,1.59モル)を50℃の温THF(1.65L)に溶解させた。次に、その溶液をLAH溶液(THF中1M)(2.385L,2.385モル)に約60−66℃で25分かけてゆっくり添加すると穏やかな還流が起こりかつ気体の発生がゆっくり起こった。添加後の明黄色懸濁液を還流下で4時間撹拌した。その反応物を氷水浴で約5−7℃に冷却した。メ
タノール(203.7g,6.36モル)を窒素雰囲気下でゆっくり添加することで反応を消滅させた後、添加速度を調整することで反応温度を25℃未満に維持した。反応消滅後に結果として生じた緑色の懸濁液を5−7℃に冷却した後、2−ブロモ−2−メチルプロピオン酸t−ブチル(354.7g,1.59モル)で処理した。その結果として得た混合物を撹拌しながら室温に温めた後、撹拌しながら室温に2時間保持した。その反応混合物にHO(90.6mL)そして15%のNaOH水溶液(90.6mL)を逐次的にゆっくり添加することによる処理を受けさせた。その結果として生じた粒状固体をセライト濾過助剤を敷いておいた3Lの粗フリット漏斗に通す真空濾過で除去した。その濾過ケーキをTHFで2回(2x500mL)濯いだ。その濾液を一緒にして真空下で濃縮することでTHFの約70−80%を除去した。その濾過ケーキをEtOAc(2L)に入れて懸濁させた後、30分間撹拌した。その懸濁液を3Lの粗フリット漏斗に通して濾過した。その濾液をこの上で得た粗濃THF溶液と一緒にした。その一緒にした有機層をHO(2L)で洗浄した。層分離を起こさせた後、その有機層に濃縮を真空下50℃で受けさせることで揮発物の大部分を除去した。その濃溶液を無水エタノール(800mL)で希釈した後、再濃縮を実施することで紫色の油を得た。その粗生成物をさらなる精製すること無く次の段階で用いた。
MS(ESI):m/z 336.1(MH)。
【実施例6】
【0262】
(S)−2−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸
【0263】
【化71】

【0264】
水(520mL)中50%のNaOH(147.4g,1.84モル)溶液を(R)−2−クロロプロピオン酸(200g,1.81モル)に内部温度を25℃未満にしながら加えた。別のフラスコの中で水(800mL)とヒドロキノリン(811.8g,7.38モル)を混合した。この水/ヒドロキノリンの混合物に50%NaOH(1179.6g,14.71モル)を加えた後、この混合物に前記(R)−2−クロロプロピオン酸ナトリウム塩溶液を内部温度を55℃未満に保持しながら加えた。その反応混合物を約55−60℃に更に2時間加熱した。
【0265】
次に、その反応混合物を5℃に冷却した。その反応混合物に濃HCl(1090mL,13.28モル)を温度を約15−30℃に維持しながら加えることでpHを約4.3に調整した。余分な固体状ヒドロキノリンをメチルイソブチルケトンを用いた3回の抽出(1200mL,200mLx2)で除去した。その結果として得た水層を更に濃HCl(140mL,1.7モル)で酸性にしてpHを1にした。その時点で(S)−2−(4−ヒドロキシルフェノキシ)プロピオン酸の大部分が固体になった。次に、(S)−2−(4−ヒドロキシルフェノキシ)プロピオン酸を酢酸イソプロピル(800mLそして400mL)で抽出した。水(325mL)を前記酢酸イソプロピル溶液に加えた後、酢酸イソプロピルを共沸で除去した。その水溶液のpHを50%のNaOHで約2.2に調整した後、ゆっくり冷却して20℃にした。その粗固体を真空濾過で集めた後、その濾過ケーキを少量の水で洗浄した。その粗固体を水(230mL)から再結晶化させることで表題の化合物を100%eeの白色粒状固体として得た。
融点139−140℃
旋光度:[α]20=−38.5(c1.0,MeOH)
MS:m/z(ESI−):181.12(M−H),m/z(ESI+):204.96(M+Na)
H NMR(300MHz,DMSO−d)δ12.85(br s,1H),8.95(br s,1H),6.68(m,4H),4.62(q,J=6.8Hz,1H
),1.44(d,J=6.8Hz,3H)。
13C NMR(300MHz,DMSO−d)δ173.8,151.9,150.6,116.4,116.0,72.7,18.7,
FTIR(KBr):3211(br.),1716,1516,1454,1416,1377,1330,1263,1233,1176,1136,1098,1045,946,918,861,826,766,712,697,673,638,563,508cm−1
下記として元素分析:C10
計算値:C:59.34 H:5.93
測定値:C:59.24 H:5.83。
【実施例7】
【0266】
(R)−(−)−2−(2−エチルアミノ−インダン−5−イルスルファニル)−2−メチル−プロピオン酸t−ブチルの(S)−(−)−2−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸塩
【0267】
【化72】

【0268】
(S)−(−)−2−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸 (46.7g)を95%EtOH(200mL)に入れることで生じさせた溶液を約30−35℃に温めた。その溶液に前記実施例5で調製した暗紫色の粗油(94.5g,0.25モル,89%の純度)を95%EtOH(227mL)に入れることで生じさせた溶液を添加した。添加後の混合物を撹拌しながら0℃になるまで1時間当たり5℃未満の速度で冷却した。次に、その懸濁液を0℃で2時間撹拌し、固体を真空濾過で集めた。
【0269】
86%eeの前記粗固体を95%のエタノール(165mL)に60℃で溶解させた。その溶液を20℃になるまでゆっくり冷却した後、その温度で18時間撹拌した。その固体を真空濾過で集めることで生成物を99.5%eeの白色粒状固体として得た。
融点145.6−147.0℃
旋光度:[α]20=−22.8(c1.0,MeOH)。
H NMR(300MHz,DMSO−d)δ7.26(m,3H),6.62(m,4H),4.35(q,J=6.8Hz,1H),3.14(m,2H),3.74(p,J=7.2Hz,1H),2.87(dd,J=6.7Hz,16.3Hz,2H),2.76(q,J=7.3Hz,2H),1.36(s,9H),1.35(s,6H),1.34(d,J=6.8Hz,3H),1.10(t,J=7.3Hz,3H)。13C NMR(300MHz,DMSO−d)δ175.8,172.4,151.5,151.2,142.3,141.3,135.5,132.9,129.4,125.0,115.9,115.7,80.7,74.8,57.4,51.2,41.0,36.4,27.8,26.1,19.3,12.3。
FTIR(KBr):2980,2934,1717,1629,1576,1510,1458,1405,1368,1279,1257,1230,1148,1121,1101,1044,848,830,801,758,679,643,525cm−1
下記として元素分析:C2839NOS・0.43EtOH:
計算値:C:64.19,H:7.66,N:2.13,S:5.49
測定値:C:64.12,H:7.87,N:2.18,S:5.89。
【実施例8】
【0270】
(R)−(−)−2−(2−エチルアミノ−インダン−5−イルスルファニル)−2−メ
チル−プロピオン酸t−ブチル
【0271】
【化73】

【0272】
前記実施例7で調製したジアステレオマー塩(357g,0.635モル)を酢酸イソプロピル(2L)と50%のNaOH(102g,1.28モル)を水(0.8L)に入れることで生じさせた混合物に仕込んだ。その混合物を固体が全部溶解するまで撹拌した。下部の水層を除去した後、酢酸イソプロピル層を水で水相のpHが約7になるまで3回洗浄した。その有機溶液に濃縮を60℃で受けさせることで酢酸イソプロピルの約3/4を除去した。新鮮な酢酸イソプロピルを1L加えた後、その溶液に残存する水の量をKFで検定した。その溶液を次の段階で直接用いた。
【0273】
少量の粗溶液を単に濃縮することで分析用サンプルを透明な油として得た。
旋光度:[α]20=−17.1(c1.0,MeOH)。
MS(APCI):m/z 336.3(MH)。
H NMR(300MHz,DMSO−d)δ7.26(s,1H),7.19(m,2H),3.50(p,J=6.8Hz,1H),3.04(dt,J=16Hz,6.5Hz,2H),2.64(m,2H),2.57(q,J=7.0Hz,2H),1.36(s,9H),1.34(s,6H),1.01(t,J=7.0Hz,3H)。13C NMR(300MHz,DMSO−d)δ172.0,143.8,142.8,134.5,132.6,128.2,124.6,80.2,59.2,50.7,41.7,39.3,27.4,25.7,15.2。
FTIR(ReactIR,混ぜ物なし):2971,2933,2838,1721,1474,1461,1385,1366,1343,1275,1256,1146,1121,1036,1009,942,847,820,752,706cm−1
下記として元素分析:C1929NOS:
計算値:C,68.02;H,8.71;N,4.17;S,9.56
測定値:C,67.94,H,8.93,N,4.09,S,9.54。
【実施例9】
【0274】
(R)−(+)−2−{2−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ウレイド]−インダン−5−イルスルファニル}−2−メチル−プロピオン酸t−ブチル
【0275】
【化74】

【0276】
2−(2−エチルアミノ−インダン−5−イルスルファニル)−2−メチル−プロピオン酸t−ブチル(182g,0.544モル)の溶液に4−(トリフルオロメトキシ)フェニルイソシアネート(115g,0.556モル)を添加しながら反応温度を約15−20℃に維持した。添加後の透明な溶液を約15−20℃で15分間撹拌した。その溶液を次の段階で直接用いた。
【0277】
少量の粗溶液を単に濃縮することで分析用サンプルを白色固体として得た。
融点95.4−97.8℃。
旋光度:[α]20=+3.4(c1.0,MeOH)。
MS(APCI):m/z280.2(30%),306.2(100%),437.3(50%),483.1(20%)。
H NMR(300MHz,DMSO−d)δ8.48(s,1H),7.61(d,J=9.2Hz,2H),7.27(m,5H),4.91(p,J=8.2Hz,1H),3.37(q,J=6.8Hz,2H),3.08(m,4H),1.38(s,9H),1.36(s,6H),1.09(t,J=6.8Hz,3H)。
13C NMR(300MHz,DMSO−d)δ15.5,26.1,27.8,36.6,38.4,51.2,56.8,80.7,120.6(q,J=225Hz,OCF),121.4,121.5,124.9,129.1,132.8,135.3,140.2,142.3,143.0,143.3,154.9,172.5,
FTIR(KBr):3297,2974,2933,1724,1636,1605,1511,1419,1369,1270,1229,1198,1148,1122,845,817,756,561cm−1
下記として元素分析:C2733S:
計算値:C,60.21;H,6.18;N,5.20;F,10.58;S,5.95測定値:C,59.87;H,6.22;N,5.08;F,10.86;S,5.94。
【実施例10】
【0278】
(R)−(+)−2−{2−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ウレイド]−インダン−5−イルスルファニル}−2−メチル−プロピオン酸
【0279】
【化75】

【0280】
2−{2−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ウレイド]−インダン−5−イルスルファニル}−2−メチル−プロピオン酸t−ブチル(288g,0.534モル)の溶液に硫酸(535g,5.34モル)を酢酸イソプロピル(0.7L)に入れることで生じさせた溶液を反応温度を約15−20℃に維持しながら添加した。添加後の透明な溶液を15℃で1時間撹拌した。その反応混合物に冷水(0.94L)を加えた。酸性の水層を除去した後、酢酸イソプロピル層を水層のpHが3に到達するまで洗浄した。その溶液を単離すること無く次の段階で用いた。
【0281】
少量の粗溶液を単に濃縮することで分析用サンプルを白色発泡体として得た。
融点57℃。
旋光度:[α]20=+7.7(c1.0,MeOH)。
MS(APCI):m/z:483.1(MH)。
H NMR(300MHz,DMSO−d)δ12.43(br s,1H),8.49(s,1H),7.61(d,J=9.5,2H),7.27(m,5H),4.91(p,J=8.4Hz,1H),3.39(m,2H),3.08(m,4H),1.38(s,6H),1.10(t,J=6.9Hz,3H)。
13C NMR(300MHz,DMSO−d)δ175.2,154.9,143.2,143.0,142.3,140.2,135.1,132.6,129.4,12
5.0,121.5,121.3,120.6(q,J=255Hz,OCF),56.8,51.0,38.4,36.5,26.0,15.5。
FTIR(KBr):3395,2977,2935,1703,1641,1511,1420,1265,1200,1161,1016,841,815,755cm−1
下記として元素分析:C2325S:
計算値:C,57.25;H,5.22;N,5.81;F,11.81;S,6.65。
測定値:C,57.00;H,5.47;N,5.41;F,11.75;S,6.23。
【実施例11】
【0282】
(R)−(+)−2−{2−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ウレイド]−インダン−5−イルスルファニル}−2−メチル−プロピオン酸のN,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩
【0283】
【化76】

【0284】
種晶の調製
N,N’−ジベンジルエチレンジアミン(0.26g,1.08ミリモル)を2−{2−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ウレイド]−インダン−5−イルスルファニル}−2−メチル−プロピオン酸(0.52g,1.08ミリモル)のt−ブチルメチルエーテル溶液に加えた。その結果として生じた曇った溶液にiPrOAcを加えた。その溶液を冷蔵庫に一晩(〜20時間)入れたままにした。沈澱してきた固体を濾過で集めた。その単離した固体のH NMR分析および融点測定により、酸とN,N’−ジベンジルエチレンジアミンのモル比が1:1の塩が生じたことが分かった。塩の調製:
2−{2−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ウレイド]−インダン−5−イルスルファニル}−2−メチル−プロピオン酸(218.51g,0.453モル)を酢酸イソプロピル(859mL)に入れることで生じさせた溶液を約-5から0℃に冷却しながらこれにN,N’−ジベンジルエチレンジアミン(112g,0.453モル)を1時間かけて加えた。その内部反応温度を0℃以下に維持した。その溶液にヘプタン(513mL)を溶液が曇って来るまで加えた。撹拌を行いながら前記種晶を添加した。その曇った混合物が1時間以内に均一な懸濁液に変化した。次に、追加的ヘプタン(60mL)を加えた。撹拌を1時間実施した後、更にヘプタン(180mL)を加えた。その懸濁液を0℃で一晩(18時間)撹拌した。
【0285】
固体を濾過した後、iPrOAc/ヘプタン(1/2,90mL)の冷混合物で濯いだ。その固体を周囲温度の空気で一晩乾燥させることで99.1%eeの固体を得た。
融点99−102℃。
旋光度:[α]20=+7.7(c1.0,MeOH)。
MS(APCI):m/z 483.8(MH)。
H NMR(300MHz,DMSO−d)δ8.54(s,1H),7.63(m,2H),7.28(m,15H),6.99(br s,3H),4.91(p,J=8.5Hz,1H),3.80(s,4H),3.37(q,J=6.9Hz,2H),
3.05(d,J=7.6Hz,4H),2.77(s,4H),1.33(s,6H),1.09(t,J=6.9Hz,3H)。
13C NMR(300MHz,DMSO−d)δ176.6,154.9,142.9,142.1,141.9,140.3,138.8,134.7,132.2,131.3,128.8,128.5,127.4,124.7,121.4,121.4,120.2(q,J=255Hz,OCF),56.8,52.9,52.2,46.7,38.3,36.5,36.4,27.3,15.5。
FTIR(KBr):3310(幅広),2972,2849,1638,1606,1539,1510,1458,1418,1389,1351,1264,1244,1199,1162,842,816,748,698.81,668cm−1
下記として元素分析:C3945S:
計算値:C 64.80;H 6.27;N,7.75;F 7.88;S,4.44
測定値:C,64.65;H,6.35;N,7.61;F,8.12,S,4.51。
【実施例12】
【0286】
(S)−(+)−2−(2−エチルアミノ−インダン−5−イルスルファニル)−2−メチル−プロピオン酸t−ブチルと(S)−(−)−2−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸の塩
【0287】
【化77】

【0288】
ラセミ型2−(2−エチルアミノ−インダン−5−イルスルファニル)−2−メチル−プロピオン酸t−ブチル(0.30ミリモル)と(S)−(−)−2−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸(0.30ミリモル)をTHF(2mL)に入れて混合しながら50℃に加熱すると透明な溶液が生じた。次に、その反応混合物を周囲温度になるまで冷却して一晩撹拌した。結晶性白色固体が沈澱し、それは、キラルHPLCにより、(S)−(+)−2−(2−エチルアミノ−インダン−5−イルスルファニル)−2−メチル−プロピオン酸t−ブチルと(S)−(−)−2−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸のジアステレオマー塩が豊富に存在していて48%eeであることを確かめた。
【実施例13】
【0289】
(S)−(+)−2−(2−エチルアミノ−インダン−5−イルスルファニル)−2−メチル−プロピオン酸t−ブチルと(S)−(−)−2−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸の塩
【0290】
【化78】

【0291】
ラセミ型2−(2−エチルアミノ−インダン−5−イルスルファニル)−2−メチル−プロピオン酸t−ブチル(17g,51ミリモル)と(S)−(−)−2−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸(4.6g,25ミリモル)を各々個別にアセトン(55mL)に溶解させた。次に、それらの溶液を混合した後、周囲温度で一晩撹拌した。その結果として生じた濃密な懸濁液を55℃に6時間、40℃に18時間に続いて50℃に加熱した後、濾過することで固体を得、(S)−(+)−2−(2−エチルアミノ−インダン−5−イルスルファニル)−2−メチル−プロピオン酸t−ブチルと(S)−(−)−
2−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸のジアステレオマー塩が豊富に存在していて22%eeであることを確かめた。その豊富な塩をアセトンから2回再結晶化させることで表題の化合物の塩(S,S)を94%eeの塩として得た。
94%eeのサンプルのH NMR(300MHz,DMSO−d)δ7.26(m,3H),6.62(m,4H),4.35(q,J=6.8Hz,1H),3.14(m,2H),3.74(p,J=7.2Hz,1H),2.87(dd,J=6.7Hz,16.3Hz,2H),2.76(q,J=7.3Hz,2H),1.36(s,9H),1.35(s,6H),1.34(d,J=6.8Hz,3H),1.10(t,J=7.3Hz,3H)。
この上に記述した如き1回目の再結晶化を行った後に単離した80%eeのサンプルが示した融点:157−159℃(DSC)。
【実施例14】
【0292】
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタル−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
【0293】
【化79】

【0294】
段階A.7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イルアミン
7−メトキシ−2−テトラロン(12.4g;70.7ミリモル)をMeOH(350mL)に溶解させることで生じさせた溶液に酢酸アンモニウム(82g;1.06モル)を加えた後の反応物を室温で30分間撹拌した。次に、この反応物にシアノホウ水素化ナトリウム(21.5g;353ミリモル)を加えた後、その反応物を1時間還流させた。反応終了後の反応物を冷却した後、溶媒を減圧下で除去した。その残留物をEtOAcで希釈した後、1NのNaOHを添加することで反応を消滅させた。その水相を分離した後、その有機相をHOそして食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過した後、溶媒を減圧下で除去することで7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イルアミンを暗色の油として得た。
MS,m/z:178(M+1)C1115NO。
段階B.N−(7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)−アセトアミド
7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イルアミン(2.54g;14.3ミリモル)をCHCl(20mL)に入れることで生じさせた懸濁液を撹拌しながらこれにDIEA(3.4mL)を加えた後、その反応混合物を0℃に冷却した。塩化アセチル(1.22mL;17.1ミリモル)を0℃で滴下した後、その反応物を室温に温めて18時間撹拌した。その反応混合物をCHClで希釈し、HOで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過した後、溶媒を減圧下で除去することで粗固体を得た。ヘキサン−EtOAcで溶離させるフラッシュクロマトグラフィー(SiO)による精製でN−(7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)−アセトアミドを白色固体として得た。
MS,m/z:220(M+1)C1317NO
段階C.6−アセチルアミノ−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−スルホニルクロライド
クロロスルホン酸(15mL)を−10℃に冷却して、これにN−(7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)−アセトアミド(1.44g;6.
6ミリモル)を加えた。その反応混合物を−10℃で15分間撹拌した後、氷−水の上に注意深く注ぎ込むことで反応を消滅させた。その水相にCHCl(3X)による抽出を受けさせ、その有機抽出液を一緒にしてNaSOで乾燥させ、濾過した後、減圧下で蒸発させることで6−アセチルアミノ−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−スルホニルクロライドを白色固体として得た。
H NMR(300MHz,CDCl):δ7.68(s,1H),6.78(s,1H),5.53−5.56(m,1H),4.22−4.31(m,1H),4.00(s,3H),3.18−3.26(dd,1H),2.86−2.90(m,2H),2.67−2.76(dd,1H),2.04−2.12(m,1H),2.00(s,1H),1.73−1.82(m,2H)。
MS,m/z:318(M+1)C1316ClNOS。
段階D.N−(6−メルカプト−7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン2−イル)アセトアミド
亜鉛粉(1.16g;17.7ミリモル)とジメチルシリルジクロライド(2.4mL;17.7ミリモル)をMeCN(40mL)に入れることで生じさせた懸濁液に6−アセチルアミノ−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−スルホニルクロライド(1.13g;3.55ミリモル)をMeCN/DCE(40/10mL)に入れることで生じさせた溶液を室温で加えた。次に、その反応懸濁液を81℃に4時間加熱し、室温に冷却し、濾過した後、溶媒を減圧下で蒸発させた。その粗残留物を準調製用逆相HPLCにかけてMeCN−HO勾配で溶離させることによる精製でN−(6−メルカプト−7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2−イル)アセトアミドを白色固体として得かつN−[6−(6−アセチルアミノ−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルジスルファニル)−7−メトキシ−1,2,3,4,−テトラヒドロナフタレン−2−イル]アセトアミドを黄褐色の固体として得た。
MS,m/z:252(M+1;S−H)C1317NOS & 501(M+1;S−S)C2632
段階E.2−(6−アセチルアミノ−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル)−2−メチルプロピオン酸t−ブチルエステル
N−[6−(6−アセチルアミノ−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルジスルファニル)−7−メトキシ−1,2,3,4,−テトラヒドロナフタレン−2−イル]アセトアミド(0.368g;0.73ミリモル)をMeOH(10mL)に入れることで生じさせた懸濁液にDMF(3mL),KCO(0.31g;2.26ミリモル),2−ブロモイソ酪酸t−ブチル(0.66mL;2.95ミリモル)およびNaBH(0.28g;7.34ミリモル)を加えた後、その反応混合物を室温で18時間撹拌した。その反応混合物をEtOAcとHOの間で分離させ、その水相にEtOAcによる抽出を受けさせ、その有機抽出液を一緒にしてHOそして食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過した後、溶媒を減圧下で蒸発させることで粗油を得て、それを準調製用逆相HPLCにかけてMeCN−HO勾配で溶離させることによる精製で2−(6−アセチルアミノ−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル)−2−メチルプロピオン酸t−ブチルエステルを油として得た。
MS,m/z:338(M+1)C2131NOS。
段階F.2−(6−エチルアミノ−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル)−2−メチルプロピオン酸t−ブチルエステル
2−(6−アセチルアミノ−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル)−2−メチルプロピオン酸t−ブチルエステル(0.68g;1.74ミリモル)をTHF(15mL)に入れることで生じさせた溶液に1.0Mのボラン−THF溶液(15mL)を室温で滴下した。その反応混合物を室温で18時間撹拌した後、MeOH(10mL)で注意深く反応を消滅させ、そして溶媒を減圧下で蒸発さ
せた。その残留油にMeOH(3x)を用いたさらなる共沸蒸留を受けさせることで2−(6−エチルアミノ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル)−2−メチルプロピオン酸t−ブチルエステルとこれのボラン錯体の混合物を油として得た。
MS,m/z:380(M+1)C2133NOS。
段階G.2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸t−ブチルエステル
2−(6−エチルアミノ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルスルファニル)−2−メチルプロピオン酸t−ブチルエステルとボランの錯体(0.054g;0.141ミリモル)をCHCl(2mL)に溶解させることで生じさせた混合物に4−トリフルオロメトキシフェニルイソシアネート(0.063mL;0.284ミリモル)を加えた後、その反応混合物を室温で18時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した後、その粗残留物を準調製用逆相HPLCにかけてMeCN−HO勾配で溶離させることによる精製で2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸t−ブチルエステルを油として得た。
MS,m/z:527((M−C)+1)C2937S。
段階H.2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸t−ブチルエステル(0.02g;0.03ミリモル)をCHCl(1.5mL)に溶解させて、これにTFA(1.5mL)を加えた後、その反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した後、その残留物を準調製用逆相HPLCにかけてMeCN−HO勾配で溶離させることによる精製で2−{6−[1エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸を白色固体として得た。
H NMR(300MHz,CDOD):δ7.45−7.48(d,2H),7.15−7.18(m,3H),6.71(s,1H),4.43−4.79(m,1H),3.75(s,3H),3.43−3.45(m,2H),2.88−3.08(m,4H),1.99−2.03(m,2H),1.38(s,6H),1.25−1.52(t,3H)。
MS,m/z:526(M+1)C2529S。
【0295】
適切な反応体および反応条件を選択しかつ代わりに用いることで下記の化合物の調製も前記実施例14に記述した手順に従って同様に実施した。
【実施例15】
【0296】
2−{6−[3−(4−t−ブチルフェニル)1−エチルウレイド]−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
【0297】
【化80】

【0298】
前記段階Gで4−トリフルオロメトキシフェニルイソシアネートの代わりに4−t−ブチルフェニルイソシアネートを用いることで油として調製。
MS,m/z:499(M+1)C2838S。
【実施例16】
【0299】
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−フルオロ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
【0300】
【化81】

【0301】
前記段階Aで7−メトキシ−2−テトラロンの代わりに7−フルオロ−2−テトラロンを用いることで白色固体として調製。
H NMR(300MHz,CDCl):δ7.46−7.51(m,2H),7.25−7.28(d,1H),7.17−7.20(d,2H),6.92−6.95(d,1H),4.43(m,1H),3.42−3.49(m,2H),2.90−3.11(m,4H),2.02−2.07(m,2H),1.45(s,6H),1.25−1.31(t,3H)。
MS,m/z:515(M+1)C2426S。
【実施例17】
【0302】
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
【0303】
【化82】

【0304】
前記段階Aで7−メトキシ−2−テトラロンの代わりに7−クロロ−2−テトラロンを用いることで白色固体として調製。
MS,m/z:532(M+1)C2426ClFS。
【実施例18】
【0305】
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−ブロモ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
【0306】
【化83】

【0307】
前記段階Aで7−メトキシ−2−テトラロンの代わりに7−ブロモ−2−テトラロンを用いることで白色固体として調製。
H NMR(300MHz,CDCl):δ7.45−7.48(m,3H),7.36(s,1H),7.15−7.18(d,2H),4.41−4.79(m,1H),3.40−3.47(m,2H),2.90−3.07(m,4H),2.01−2.03(m,2H),1.45(s,6H),1.24−1.29(t,3H)。
MS,m/z:576(M+1)C2426BrFS。
【実施例19】
【0308】
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
【0309】
【化84】

【0310】
前記段階Aで7−メトキシ−2−テトラロンの代わりに7−メチル−2−テトラロンを用いることで白色固体として調製。
H NMR(300MHz,CDCl):δ7.45−7.48(m,2H),7.22(s,1H),7.15−7.18(d,2H),7.02(s,1H),4.41−4.79(m,1H),3.40−3.47(m,2H),2.85−3.03(m,4H),2.39(s,3H),2.01−2.03(m,2H),1.41(s,6H),1.24−1.29(t,3H)。
MS,m/z:511(M+1)C2529S。
【実施例20】
【0311】
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−トリフルオロメトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
【0312】
【化85】

【0313】
前記段階Aで7−メトキシ−2−テトラロンの代わりに7−メチル−2−テトラロンを用いることで白色固体として調製。
H NMR(300MHz,CDCl):δ7.45−7.48(d,2H),7.37(s,1H),7.12−7.18(m,3H),4.44(m,1H),3.43−3.48(m,2H),2.97−3.21(m,4H),2.03−2.05(m,2H),1.42(s,6H),1.25−1.30(t,3H)。
MS,m/z:580(M+1)C2526S。
【実施例21】
【0314】
2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸
【0315】
【化86】

【0316】
段階A.2−(6−アセチルアミノ−3−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸t−ブチルエステル
2−(6−アセチルアミノ−3−ブロモ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸t−ブチルエステル(0.135g;0.30ミリモル)をトルエン(1.5mL)に溶解させて、これにフェニルホウ素酸(0.178g;1.46ミリモル),Pd(PPh(15mg;0.013ミリモル)および2M NaCO(0.61mL)を加えた後、その反応混合物を95℃に18時間加熱した。その反応混合物を冷却し、EtOAcで希釈し、HO(2X)そして食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過した後、溶媒を減圧下で除去することで粗残留物を得て、それをフラッシュクロマトグラフィー(SiO)にかけてヘプタン−EtOAc勾配(50→100%)で溶離させることによる精製で2−(6−アセチルアミノ−3−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチル−プロピオン酸t−ブチルエステルを透明な油として得た。
MS,m/z:383((M−C)+1)C2633NOS。
【0317】
加うるに、実施例14に記述した手順に従い、適宜、段階F,GおよびHで適切な反応体を選択しかつ代わりに用いることで、実施例21の化合物である2−{6−[1−エチル−3−(4−トリフルオロメトキシフェニル)ウレイド]−3−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルスルファニル}−2−メチルプロピオン酸を白色固体として調製した。
H NMR(300MHz,CDCl):δ7.45−7.48(d,2H),7.29−7.38(m,6H),7.15−7.18(d,2H),7.10(s,1H),4.46(m,1H),3.44−3.49(m,2H),2.98−3.06(m,4H),2.04−2.06(m,2H),1.26−1.30(t,3H),1.14(s,6H)。
MS,m/z:573(M+1)C2529S。
【0318】
この上に示した明細書で説明の目的で与えた実施例を伴わせて本発明の原理を教示してきたが、本発明の実施は本請求項およびこれらの相当物の範囲内に入る如き通常の変形、適応形および/または修飾形の全部を包含することは理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(L)
【化1】

[式中、
Qは、OH,OPg,NHおよびN(PgPg)から成る群から選択され、ここで、Pgはカルボン酸保護基であり、そしてここで、PgおよびPgは各々独立して水素,C1−8アルキル,C3−8シクロアルキルまたはアリールから選択されるか、或はPgとPgはこれらが結合している窒素原子と一緒になってC3−10ヘテロアリールまたはC3−10非芳香複素環を形成しており、
およびRは、各々独立して、H,C1−6アルキル,(CHNR,(CHOR,(CHNH(CO)Rまたは(CHCOであり、ここで、
,RおよびRは、各々独立して、HまたはC1−6アルキルであり、そしてmは1から6の整数であるか、代りに、
とRはこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−7シクロアルキルを形成しており、
nは、1から2の整数であり、
Xは、Sであるが、但し
nが1の時にはXが5または6位に結合しておりそしてnが2の時にはXが6または7位に結合していることを条件とし、更に、nが2でありそしてXが6位に結合している時にはRが水素以外でありかつ7位に結合していることも条件とし、
は、H,C1−3アルコキシ,C1−3アルキルチオ,ハロ,C1−6アルキル,NR10,NHCOR10,CONHR10またはCOOR10であり、そしてRはXに対してオルソまたはメタ位に位置するが、但しRがCF以外であることを条件とし、
およびR10は、各々独立して、C1−6アルキルであり、
は、Hまたは−(C1−5直鎖アルキレン)R15であり、ここで、R15は、H,C1−7アルキル,[ジ(C1−2アルキル)アミノ](C1−6アルキレン)−,(C1−3アルコキシアシル)(C1−6アルキレン)−,C1−6アルコキシ,C3−7アルケニルまたはC3−8アルキニルであり、ここで、Rの炭素原子数は9以下であるか、代りに、
は、−(直鎖C1−5アルキレン)R16であり、ここで、R16はC3−6シクロアルキルまたはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員の非芳香ヘテロシクリルであり、ここで、
前記ヒドロカルビルおよびヘテロカルビル部分は各々が場合によりF,Cl,Br,I,アミノ,メチル,エチル,ヒドロキシまたはメトキシから独立して選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい]
で表される化合物の製造方法であって、
【化2】

式(III)で表される化合物を反応させることで相当する式(IV)[式中、PgはClSOHに不活性な窒素保護基である]で表される化合物を生じさせ;
【化3】

前記式(IV)で表される化合物と式(V)[式中、R4aは水素以外のRであり、そしてJは、Br,ClまたはIである]で表される適切に置換されている化合物を塩基の存在下で反応させることで相当する式(VI)で表される化合物を生じさせた後、前記式(VI)で表される化合物をClSOHと反応させることで相当する式(VII)で表される化合物を生じさせるか、別法として、
前記式(IV)で表される化合物をClSOHと反応させることで相当する式(VII)[式中、Rは水素である]で表される化合物を生じさせ、
【化4】

前記式(VII)で表される化合物を前記式(VII)で表される化合物が有するクロロスルホニル基に還元を受けさせる能力を有する還元剤と反応させることで相当する式(VIII)で表されると相当する式(IX)で表される化合物の混合物を生じさせ、
【化5】

前記式(VIII)で表される化合物を単離または式(IX)で表される化合物と混ざり合っている状態で式(X)[式中、WはBr,ClまたはIである]で表される適切に置換されている化合物と塩基の存在下で反応させることで相当する式(XI)で表される化合物を生じさせるか、別法として、
前記式(IX)で表される化合物を単離または式(VIII)で表される化合物と混ざり合っている状態で前記式(IX)で表される化合物が有するジスルフィドに還元を受けさせる能力を有する還元剤と反応させることで相当する式(VIII)で表される化合物を生じさせた後、前記式(VIII)で表される化合物と式(X)[式中、WはBr,ClまたはIである]で表される適切に置換されている化合物を塩基の存在下で反応させることで相当する式(XI)で表される化合物を生じさせ、
【化6】

前記式(XI)で表される化合物を反応させることで相当する式(L)で表される化合物を生じさせる、
ことを含んで成る方法。
【請求項2】
式(I)
【化7】

[式中、
およびRは、各々独立して、H,C1−6アルキル,(CHNR,(CHOR,(CHNH(CO)Rまたは(CHCOであり、ここで、
,RおよびRは、各々独立して、HまたはC1−6アルキルであり、そしてmは、1から6の整数であるか、代りに、
とRはこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−7シクロアルキルを形成しており、
nは、1から2の整数であり、
Xは、Sであるが、但し
nが1の時にはXが5または6位に結合しておりそしてnが2の時にはXが6または7位に結合していることを条件とし、更に、nが2でありそしてXが6位に結合している時にはRが水素以外でありかつ7位に結合していることも条件とし、
は、H,C1−3アルコキシ,C1−3アルキルチオ,ハロ,C1−6アルキル,NR10,NHCOR10,CONHR10またはCOOR10であり、そしてRはXに対してオルソまたはメタ位に位置するが、但しRがCF以外であることを条件とし、
およびR10は、各々独立して、C1−6アルキルであり、
は、Hまたは−(C1−5直鎖アルキレン)R15であり、ここで、R15はH,C1−7アルキル,[ジ(C1−2アルキル)アミノ](C1−6アルキレン)−,(C1−3アルコキシアシル)(C1−6アルキレン)−,C1−6アルコキシ,C3−7アルケニルまたはC3−8アルキニルであり、ここで、
の炭素原子数は9以下であるか、代りに、
は、−(直鎖C1−5アルキレン)R16であり、ここで、R16はC3−6シクロアルキルまたはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員の非芳香ヘテロシクリルであり、
cは、0から1の整数であり、
およびRは、各々独立して、H,C1−6アルキル,ハロ,シアノ,ニトロ,COR11,COOR11,C1−4アルコキシ,C1−4アルキルチオ,ヒドロキシ,フェニル,NR1112またはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員のヘテロシクリルから選択され、
は、C1−6アルキル,ハロ,シアノ,ニトロ,COR13,COOR13,C1−4アルコキシ,C1−4アルキルチオ,ヒドロキシ,フェニル,NR1314またはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員のヘテロシクリルから選択されるか、代りに、
とRまたはRとRは一緒になってC3−4アルキレン,C3−4アルケニレンまたは(CH1−2N(CH1−2から選択される二価の飽和もしくは不飽和部分であってもよく、
pは0から2の整数であり、そしてqは1から3の整数であり、ここで、(p+q)の合計は少なくとも2であり、
11,R12,R13およびR14は、各々独立して、HまたはC1−6アルキルであり、ここで、
前記ヒドロカルビルおよびヘテロカルビル部分は各々が場合によりF,Cl,Br,I,アミノ,メチル,エチル,ヒドロキシまたはメトキシから独立して選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい]
で表される化合物、またはこれの薬学的に受け入れられる塩、C1−6エステルまたはC1−6アミドを製造する方法であって、
請求項1記載方法を包含し、かつ更に、
【化8】

前記式(L)で表される化合物を反応させることで相当する式(I)で表される化合物を生じさせることも含んで成る方法。
【請求項3】
式(I)
【化9】

[式中、
およびRは、各々独立して、H,C1−6アルキル,(CHNR,(CHOR,(CHNH(CO)Rまたは(CHCOであり、ここで、
,RおよびRは、各々独立して、HまたはC1−6アルキルであり、そしてmは1から6の整数であるか、代りに、
とRはこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−7シクロアルキルを形成しており、
nは、1から2の整数であり、
Xは、Sであるが、但し
nが1の時にはXが5または6位に結合しておりそしてnが2の時にはXが6または7位に結合していることを条件とし、更に、nが2でありそしてXが6位に結合している時にはRが水素以外でありかつ7位に結合していることも条件とし、
は、H,C1−3アルコキシ,C1−3アルキルチオ,ハロ,C1−6アルキル,NR10,NHCOR10,CONHR10またはCOOR10でありそしてRはXに対してオルソまたはメタ位に位置するが、但しRがCF以外であることを条件とし、
およびR10は、各々独立して、C1−6アルキルであり、
は、Hまたは−(C1−5直鎖アルキレン)R15であり、ここで、R15はH,C
1−7アルキル,[ジ(C1−2アルキル)アミノ](C1−6アルキレン)−,(C1−3アルコキシアシル)(C1−6アルキレン)−,C1−6アルコキシ,C3−7アルケニルまたはC3−8アルキニルであり、ここで、
の炭素原子数は9以下であるか、代りに、
は、−(直鎖C1−5アルキレン)R16であり、ここで、R16はC3−6シクロアルキルまたはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員の非芳香ヘテロシクリルであり、
cは、0から1の整数であり、
およびRは、各々独立して、H,C1−6アルキル,ハロ,シアノ,ニトロ,COR11,COOR11,C1−4アルコキシ,C1−4アルキルチオ,ヒドロキシ,フェニル,NR1112またはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員のヘテロシクリルから選択され、
は、C1−6アルキル,ハロ,シアノ,ニトロ,COR13,COOR13,C1−4アルコキシ,C1−4アルキルチオ,ヒドロキシ,フェニル,NR1314またはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員のヘテロシクリルから選択されるか、代りに、
とRまたはRとRは一緒になってC3−4アルキレン,C3−4アルケニレンまたは(CH1−2N(CH1−2から選択される二価の飽和もしくは不飽和部分であってもよく、
pは、0から2の整数であり、そしてqは、1から3の整数であり、ここで、(p+q)の合計は少なくとも2であり、
11,R12,R13およびR14は、各々独立して、HまたはC1−6アルキルであり、ここで、
前記ヒドロカルビルおよびヘテロカルビル部分は各々が場合によりF,Cl,Br,I,アミノ,メチル,エチル,ヒドロキシまたはメトキシから独立して選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい]
で表される化合物、またはこれの薬学的に受け入れられる塩、C1−6エステルまたはC1−6アミドを製造する方法であって、
【化10】

式(III)で表される化合物を反応させることで相当する式(IV)[式中、Pgは、ClSOHに不活性な窒素保護基である]で表される化合物を生じさせ、
【化11】

前記式(IV)で表される化合物と式(V)[式中、R4aは水素以外のRであり、そしてJはBr,ClまたはIである]で表される適切に置換されている化合物を塩基の存在下で反応させることで相当する式(VI)で表される化合物を生じさせた後、前記式(VI)で表される化合物をClSOHと反応させることで相当する式(VII)で表される化合物を生じさせるか、別法として、
前記式(IV)で表される化合物とClSOHを反応させることで相当する式(VII)[式中、Rは水素である]で表される化合物を生じさせ、
【化12】

前記式(VII)で表される化合物を前記式(VII)で表される化合物が有するクロロスルホニル基に還元を受けさせる能力を有する還元剤と反応させることで相当する式(VIII)で表される化合物と相当する式(IX)で表される化合物の混合物を生じさせ、
【化13】

前記式(VIII)で表される化合物を単離または式(IX)で表される化合物と混ざり合っている状態で式(X)[式中、Qは、OH,OPg,NHおよびN(PgPg)から成る群から選択され、ここで、Pgはカルボン酸保護基であり、そしてPgおよびPgは、各々独立して、水素,C1−8アルキル,C3−8シクロアルキルまたはアリールから選択されるか、或はPgとPgはこれらが結合している窒素原子と一緒になってC3−10ヘテロアリールまたはC3−10非芳香複素環を形成しており、そしてWはBr,ClまたはIである]で表される適切に置換されている化合物と塩基の存在下で反応させることで相当する式(XI)で表される化合物を生じさせるか、別法として、
前記式(IX)で表される化合物を単離または前記式(VIII)で表される化合物と混ざり合っている状態で前記式(IX)で表される化合物が有するジスルフィドに還元を受けさせる能力を有する還元剤と反応させることで相当する式(VIII)で表される化合物を生じさせた後、前記式(VIII)で表される化合物を式(X)[式中、Qは、OH,OPg,NHおよびN(PgPg)から成る群から選択される選択され、ここで、Pgはカルボン酸保護基であり、そしてここで、PgおよびPgは、各々独立して、水素,C1−8アルキル,C3−8シクロアルキルまたはアリールから成る群から選択される選択されるか、或はPgとPgはこれらが結合している窒素原子と一緒になってC3−10ヘテロアリールまたはC3−10非芳香複素環を形成しており、そしてWはBr,ClまたはIである]で表される適切に置換されている化合物と塩基の存在下で反応させることで相当する式(XI)で表される化合物を生じさせ、
【化14】

前記式(XI)で表される化合物を反応させることで相当する式(L)で表される化合物を生じさせ、
【化15】

前記式(L)で表される化合物を反応させることで相当する式(I)で表される化合物を生じさせる、
ことを含んで成る方法。
【請求項4】
QがOPgであり、Pgがt−ブチルであり、XがSであり,Rがメチルであり,Rがメチルであり,−X−C(R)−C(O)−Q基が5位に結合しており、Rが水素であり,nが1でありそしてRがエチルである請求項1記載の方法。
【請求項5】
XがSであり,Rがメチルであり,Rがメチルであり,−X−C(R)−C(O)−OH基が5−位に結合しており、Rが水素であり,nが1であり,Rがエチルであり,cが0であり、Rが水素であり、RがトリフルオロメトキシでありそしてRが水素である請求項2記載の方法。
【請求項6】
XがSであり,Rがメチルであり、Rがメチルであり,−X−C(R)−C(O)−OH基が5位に結合しており、Rが水素であり,nが1であり,Rがエチルであり,cが0であり、Rが水素であり、RがトリフルオロメトキシでありそしてRが水素である請求項3記載の方法。
【請求項7】
式(L)
【化16】

[式中、
Qは、OH,OPg,NHおよびN(PgPg)から成る群から選択され、ここで、Pgはカルボン酸保護基であり、そしてここで、PgおよびPgは各々独立して水素,C1−8アルキル,C3−8シクロアルキルまたはアリールから選択されるか、或はPgとPgはこれらが結合している窒素原子と一緒になってC3−10ヘテロアリールまたはC3−10非芳香複素環を形成しており、
およびRは、各々独立して、H,C1−6アルキル,(CHNR,(CHOR,(CHNH(CO)Rまたは(CHCOであり、ここで、
,RおよびRは、各々独立して、HまたはC1−6アルキルであり、そしてmは1から6の整数であるか、代りに、
とRはこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−7シクロアルキルを形成しており、
nは、1から2の整数であり、
Xは、Sであるが、但し
nが1の時にはXが5または6位に結合しておりそしてnが2の時にはXが6または7位に結合していることを条件とし、更に、nが2でありそしてXが6位に結合している時にはRが水素以外でありかつ7位に結合していることも条件とし、
は、H,C1−3アルコキシ,C1−3アルキルチオ,ハロ,C1−6アルキル,NR10,NHCOR10,CONHR10またはCOOR10であり、そしてRはXに対してオルソまたはメタ位に位置するが、但しRがCF以外であることを条件とし、
およびR10は、各々独立して、C1−6アルキルであり、
は、Hまたは−(C1−5直鎖アルキレン)R15であり、ここで、R15は、H,C1−7アルキル,[ジ(C1−2アルキル)アミノ](C1−6アルキレン)−,(C1−3アルコキシアシル)(C1−6アルキレン)−,C1−6アルコキシ,C3−7アルケニルまたはC3−8アルキニルであり、ここで、Rの炭素原子数は9以下であるか、代りに、
は、−(直鎖C1−5アルキレン)R16であり、ここで、R16はC3−6シクロアルキルまたはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員の非芳香ヘテロシクリルであり、ここで、
前記ヒドロカルビルおよびヘテロカルビル部分は各々が場合によりF,Cl,Br,I,アミノ,メチル,エチル,ヒドロキシまたはメトキシから独立して選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい]
で表される化合物の製造方法であって、
【化17】

式(III)で表される化合物を反応させることで相当する式(IV)[式中、PgはClSOHに不活性な窒素保護基である]で表される化合物を生じさせ;
【化18】

前記式(IV)で表される化合物と式(V)[式中、R4aは水素以外のRであり、そしてJは、Br,ClまたはIである]で表される適切に置換されている化合物を塩基の存在下で反応させることで相当する式(VI)で表される化合物を生じさせた後、前記式(VI)で表される化合物をClSOHと反応させることで相当する式(VII)で表される化合物を生じさせるか、別法として、
前記式(IV)で表される化合物をClSOHと反応させることで相当する式(VII)[式中、Rは水素である]で表される化合物を生じさせ、
【化19】

前記式(VII)で表される化合物を前記式(VII)で表される化合物が有するクロロスルホニル基に還元を受けさせる能力を有する還元剤と反応させることで相当する式(VIII)で表されると相当する式(IX)で表される化合物の混合物を生じさせ、
【化20】

前記式(VIII)で表される化合物に脱保護を単離または式(IX)で表される化合物と混ざり合っている状態で受けさせることで相当する式(XIII)で表される化合物を生じさせるか、別法として、
前記式(IX)で表される化合物に脱保護を単離または式(VIII)で表される化合物と混ざり合っている状態で受けさせることで相当する式(XII)で表される化合物を生じさせた後、前記式(XII)で表される化合物に還元を前記式(XII)で表される化合物が有するジスルフィドに還元を受けさせる能力を有する還元剤を用いて受けさせることで相当する式(XIII)で表される化合物を生じさせるか、さらなる別法として、
前記式(IX)で表される化合物を単離または式(VIII)で表される化合物と混ざり合っている状態で前記式(IX)で表される化合物が有するジスルフィドに還元を受けさせる能力を有する還元剤と反応させることで相当する式(VIII)で表される化合物を生じさせた後、前記式(VIII)で表される化合物に脱保護を受けさせることで相当する式(XIII)で表される化合物を生じさせ、
【化21】

前記(XIII)で表される化合物と式(X)[式中、WはBr,ClまたはIである]で表される適切に置換されている化合物を塩基の存在下で反応させることで相当する式(L)で表される化合物を生じさせることを含んで成る方法。
【請求項8】
式(I)
【化22】

[式中、
およびRは、各々独立して、H,C1−6アルキル,(CHNR,(CHOR,(CHNH(CO)Rまたは(CHCOであり、ここで、
,RおよびRは、各々独立して、HまたはC1−6アルキルであり、そしてmは、1から6の整数であるか、代りに、
とRはこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−7シクロアルキルを形成しており、
nは、1から2の整数であり、
Xは、Sであるが、但し
nが1の時にはXが5または6位に結合しておりそしてnが2の時にはXが6または7位に結合していることを条件とし、更に、nが2でありそしてXが6位に結合している時にはRが水素以外でありかつ7位に結合していることも条件とし、
は、H,C1−3アルコキシ,C1−3アルキルチオ,ハロ,C1−6アルキル,NR10,NHCOR10,CONHR10またはCOOR10であり、そしてRはXに対してオルソまたはメタ位に位置するが、但しRがCF以外であることを条件とし、
およびR10は、各々独立して、C1−6アルキルであり、
は、Hまたは−(C1−5直鎖アルキレン)R15であり、ここで、R15はH,C1−7アルキル,[ジ(C1−2アルキル)アミノ](C1−6アルキレン)−,(C1−3アルコキシアシル)(C1−6アルキレン)−,C1−6アルコキシ,C3−7アルケニルまたはC3−8アルキニルであり、ここで、
の炭素原子数は9以下であるか、代りに、
は、−(直鎖C1−5アルキレン)R16であり、ここで、R16はC3−6シクロアルキルまたはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員の非芳香ヘテロシクリルであり、
cは、0から1の整数であり、
およびRは、各々独立して、H,C1−6アルキル,ハロ,シアノ,ニトロ,COR11,COOR11,C1−4アルコキシ,C1−4アルキルチオ,ヒドロキシ,フェニル,NR1112またはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員のヘテロシクリルから選択され、
は、C1−6アルキル,ハロ,シアノ,ニトロ,COR13,COOR13,C1−4アルコキシ,C1−4アルキルチオ,ヒドロキシ,フェニル,NR1314またはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員のヘテロシクリルから選択されるか、代りに、
とRまたはRとRは一緒になってC3−4アルキレン,C3−4アルケニレンまたは(CH1−2N(CH1−2から選択される二価の飽和もしくは不飽和部分であってもよく、
pは0から2の整数であり、そしてqは1から3の整数であり、ここで、(p+q)の合計は少なくとも2であり、
11,R12,R13およびR14は、各々独立して、HまたはC1−6アルキルであり、ここで、
前記ヒドロカルビルおよびヘテロカルビル部分は各々が場合によりF,Cl,Br,I,アミノ,メチル,エチル,ヒドロキシまたはメトキシから独立して選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい]
で表される化合物、またはこれの薬学的に受け入れられる塩、C1−6エステルまたはC1−6アミドを製造する方法であって、
請求項7記載方法を包含し、かつ更に、
【化23】

前記式(L)で表される化合物を反応させることで相当する式(I)で表される化合物を生じさせることも含んで成る方法。
【請求項9】
式(I)
【化24】

[式中、
およびRは、各々独立して、H,C1−6アルキル,(CHNR,(CHOR,(CHNH(CO)Rまたは(CHCOであり、ここで、
,RおよびRは、各々独立して、HまたはC1−6アルキルであり、そしてmは1から6の整数であるか、代りに、
とRはこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−7シクロアルキルを形成しており、
nは、1から2の整数であり、
Xは、Sであるが、但し
nが1の時にはXが5または6位に結合しておりそしてnが2の時にはXが6または7位に結合していることを条件とし、更に、nが2でありそしてXが6位に結合している時にはRが水素以外でありかつ7位に結合していることも条件とし、
は、H,C1−3アルコキシ,C1−3アルキルチオ,ハロ,C1−6アルキル,NR10,NHCOR10,CONHR10またはCOOR10でありそしてRはXに対してオルソまたはメタ位に位置するが、但しRがCF以外であることを条件とし、
およびR10は、各々独立して、C1−6アルキルであり、
は、Hまたは−(C1−5直鎖アルキレン)R15であり、ここで、R15はH,C
1−7アルキル,[ジ(C1−2アルキル)アミノ](C1−6アルキレン)−,(C1−3アルコキシアシル)(C1−6アルキレン)−,C1−6アルコキシ,C3−7アルケニルまたはC3−8アルキニルであり、ここで、
の炭素原子数は9以下であるか、代りに、
は、−(直鎖C1−5アルキレン)R16であり、ここで、R16はC3−6シクロアルキルまたはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員の非芳香ヘテロシクリルであり、
cは、0から1の整数であり、
およびRは、各々独立して、H,C1−6アルキル,ハロ,シアノ,ニトロ,COR11,COOR11,C1−4アルコキシ,C1−4アルキルチオ,ヒドロキシ,フェニル,NR1112またはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員のヘテロシクリルから選択され、
は、C1−6アルキル,ハロ,シアノ,ニトロ,COR13,COOR13,C1−4アルコキシ,C1−4アルキルチオ,ヒドロキシ,フェニル,NR1314またはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員のヘテロシクリルから選択されるか、代りに、
とRまたはRとRは一緒になってC3−4アルキレン,C3−4アルケニレンまたは(CH1−2N(CH1−2から選択される二価の飽和もしくは不飽和部分であってもよく、
pは、0から2の整数であり、そしてqは、1から3の整数であり、ここで、(p+q)の合計は少なくとも2であり、
11,R12,R13およびR14は、各々独立して、HまたはC1−6アルキルであり、ここで、
前記ヒドロカルビルおよびヘテロカルビル部分は各々が場合によりF,Cl,Br,I,アミノ,メチル,エチル,ヒドロキシまたはメトキシから独立して選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい]
で表される化合物、またはこれの薬学的に受け入れられる塩、C1−6エステルまたはC1−6アミドを製造する方法であって、
【化25】

式(III)で表される化合物を反応させることで相当する式(IV)[式中、Pgは、ClSOHに不活性な窒素保護基である]で表される化合物を生じさせ、
【化26】

前記式(IV)で表される化合物と式(V)[式中、R4aは水素以外のRであり、そしてJはBr,ClまたはIである]で表される適切に置換されている化合物を塩基の存在下で反応させることで相当する式(VI)で表される化合物を生じさせた後、前記式(VI)で表される化合物をClSOHと反応させることで相当する式(VII)で表される化合物を生じさせるか、別法として、
前記式(IV)で表される化合物とClSOHを反応させることで相当する式(VII)[式中、Rは水素である]で表される化合物を生じさせ、
【化27】

前記式(VII)で表される化合物を前記式(VII)で表される化合物が有するクロロスルホニル基に還元を受けさせる能力を有する還元剤と反応させることで相当する式(VIII)で表される化合物と相当する式(IX)で表される化合物の混合物を生じさせ、
【化28】

前記式(VIII)で表される化合物に脱保護を単離または式(IX)で表される化合物と混ざり合っている状態で受けさせることで相当する式(XIII)で表される化合物を生じさせるか、別法として、
前記式(IX)で表される化合物に脱保護を単離または式(VIII)で表される化合物と混ざり合っている状態で受けさせることで相当する式(XII)で表される化合物を生じさせた後、前記式(XII)で表される化合物に還元を前記式(XII)で表される化合物が有するジスルフィドに還元を受けさせる能力を有する還元剤を用いて受けさせることで相当する式(XIII)で表される化合物を生じさせるか、さらなる別法として、
前記式(IX)で表される化合物を単離または式(VIII)で表される化合物と混ざり合っている状態で前記式(IX)で表される化合物が有するジスルフィドに還元を受けさせる能力を有する還元剤と反応させることで相当する式(VIII)で表される化合物を生じさせた後、前記式(VIII)で表される化合物に脱保護を受けさせることで相当する式(XIII)で表される化合物を生じさせ、
【化29】

前記(XIII)で表される化合物と式(X)[式中、Qは、OH,OPg,NHおよびN(PgPg)から成る群から選択され、ここで、Pgはカルボン酸保護基であり、そしてPgおよびPgは各々独立して水素,C1−8アルキル,C3−8シクロアルキルまたはアリールから選択されるか、或はPgとPgはこれらが結合している窒素原子と一緒になってC3−10ヘテロアリールまたはC3−10非芳香複素環を形成しており、そしてWはBr,ClまたはIである]で表される適切に置換されている化合物を塩基の存在下で反応させることで相当する式(L)で表される化合物を生じさせ、
【化30】

前記式(L)で表される化合物を反応させることで相当する式(I)で表される化合物を生じさせることを含んで成る方法。
【請求項10】
QがOPgであり、Pgがt−ブチルであり、XがSであり,Rがメチルであり,Rがメチルであり,−X−C(R)−C(O)−Q基が5位に結合しており、Rが水素であり,nが1でありそしてRがエチルである請求項7記載の方法。
【請求項11】
XがSであり,Rがメチルであり,Rがメチルであり,−X−C(R)−C(O)−OH基が5−位に結合しており、Rが水素であり,nが1であり,Rがエチルであり,cが0であり、Rが水素であり、RがトリフルオロメトキシでありそしてRが水素である請求項8記載の方法。
【請求項12】
XがSであり,Rがメチルであり、Rがメチルであり,−X−C(R)−C(O)−OH基が5位に結合しており、Rが水素であり,nが1であり,Rがエチルであり,cが0であり、Rが水素であり、RがトリフルオロメトキシでありそしてRが水素である請求項9記載の方法。
【請求項13】
式(L)
【化31】

[式中、
Qは、OH,OPg,NHおよびN(PgPg)から成る群から選択され、ここで、Pgはカルボン酸保護基であり、そしてここで、PgおよびPgは各々独立して水素,C1−8アルキル,C3−8シクロアルキルまたはおよびアリールから選択されるか、或はPgとPgはこれらが結合している窒素原子と一緒になってC3−10ヘテロアリールまたはC3−10非芳香複素環を形成しており、
およびRは、各々独立して、H,C1−6アルキル,(CHNR,(CHOR,(CHNH(CO)Rまたは(CHCOであり、ここで、
,RおよびRは、各々独立して、HまたはC1−6アルキルであり、そしてmは1から6の整数であるか、代りに、
とRはこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−7シクロアルキルを形成しており、
nは、1から2の整数であり、
Xは、Sであるが、但し
nが1の時にはXが5または6位に結合しておりそしてnが2の時にはXが6または7位に結合していることを条件とし、更に、nが2でありそしてXが6位に結合している時にはRが水素以外でありかつ7位に結合していることも条件とし、
は、H,C1−3アルコキシ,C1−3アルキルチオ,ハロ,C1−6アルキル,NR10,NHCOR10,CONHR10またはCOOR10であり、そしてRはXに対してオルソまたはメタ位に位置するが、但しRがCF以外であることを条件とし、
およびR10は、各々独立して、C1−6アルキルであり、
は、−(C1−5直鎖アルキレン)R15であり、ここで、R15は、H,C1−7アルキル,[ジ(C1−2アルキル)アミノ](C1−6アルキレン)−,(C1−3アルコキシアシル)(C1−6アルキレン)−,C1−6アルコキシ,C3−7アルケニルまたはC3−8アルキニルであり、ここで、Rの炭素原子数は9以下であるか、代りに、
は、−(直鎖C1−5アルキレン)R16であり、ここで、R16はC3−6シクロアルキルまたはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員の非芳香ヘテロシクリルであり、ここで、
前記ヒドロカルビルおよびヘテロカルビル部分は各々が場合によりF,Cl,Br,I,アミノ,メチル,エチル,ヒドロキシまたはメトキシから独立して選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい]
で表される化合物の製造方法であって、
【化32】

式(III)で表される化合物を反応させることで相当する式(IV)[式中、PgはClSOHに不活性な窒素保護基である]で表される化合物を生じさせ;
【化33】

前記式(IV)で表される化合物をClSOHと反応させることで相当する式(VIIa)で表される化合物を生じさせ、
【化34】

前記式(VIIa)で表される化合物を前記式(VIIa)で表される化合物が有するクロロスルホニル基に還元を受けさせる能力を有する還元剤と反応させることで相当する式(VIIIa)で表される化合物と相当する式(IXa)で表される化合物の混合物を生じさせ、
【化35】

前記式(VIIIa)で表される化合物に脱保護を単離または式(IXa)で表される化合物と混ざり合っている状態で受けさせることで相当する式(XIIIa)で表される化合物を生じさせた後、前記式(XIIIa)で表される化合物と式(X)[式中、WはCl,BrまたはIである]で表される適切に置換されている化合物を塩基の存在下で反応させることで相当する式(La)で表される化合物を生じさせるか、別法として、
前記式(IXa)で表される化合物を単離または式(VIIIa)で表される化合物と混ざり合っている状態で前記式(IXa)で表される化合物が有するジスルフィドに還元を受けさせる能力を有する還元剤と反応させることで相当する式(VIIIa)で表される化合物を生じさせた後、前記式(VIIIa)で表される化合物と式(X)[式中、WはBr,ClまたはIである]で表される適切に置換されている化合物を塩基の存在下で反応させることで相当する式(XIa)で表される化合物を生じさせ、そして次に、前記式(XIa)で表される化合物を反応させることで相当する式(La)で表される化合物を生じさせるか、さらなる別法として、
前記式(IXa)で表される化合物に脱保護を単離または式(VIIIa)で表される化合物と混ざり合っている状態で受けさせることで相当する式(XIIa)で表される化合物を生じさせた後、前記式(XIIa)で表される化合物を前記式(XIIa)で表される化合物が有するジスルフィドに還元を受けさせる能力を有する還元剤と反応させることで相当する式(XIIIa)で表される化合物を生じさせ、そして次に、前記式(XIIIa)で表される化合物と式(X)[式中、WはBr,ClまたはIである]で表される適切に置換されている化合物を塩基の存在下で反応させることで相当する式(La)で表
される化合物を生じさせ、
【化36】

前記式(La)で表される化合物を式(V)[式中、R4aは、水素以外のRであり、そしてJは、Br,ClまたはIである]で表される適切に置換されている化合物と反応させることで相当する式(Lb)で表される化合物を生じさせるか、別法として、
前記式(La)で表される化合物を前記式(La)で表される化合物が有する窒素原子上に-C(O)−R4b基を結合させる能力を有する適切に置換されているアシル化剤と塩基の存在下で反応させることで相当する式(XVIII)[式中、R4bは、(C1−4直鎖アルキレン)R15または(直鎖C1−4アルキレン)R16から選択される]で表される化合物を生じさせた後、前記式(XVIII)で表される化合物を前記式(XVIII)で表される化合物が有するアミドに還元を受けさせる能力を有する還元剤と反応させることで相当する式(Lb)で表される化合物を生じさせることを含んで成る方法。
【請求項14】
式(I)
【化37】

[式中、
およびRは、各々独立して、H,C1−6アルキル,(CHNR,(CHOR,(CHNH(CO)Rまたは(CHCOであり、ここで、
,RおよびRは、各々独立して、HまたはC1−6アルキルであり、そしてmは、1から6の整数であるか、代りに、
とRはこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−7シクロアルキルを形成しており、
nは、1から2の整数であり、
Xは、Sであるが、但し
nが1の時にはXが5または6位に結合しておりそしてnが2の時にはXが6または7位に結合していることを条件とし、更に、nが2でありそしてXが6位に結合している時にはRが水素以外でありかつ7位に結合していることも条件とし、
は、H,C1−3アルコキシ,C1−3アルキルチオ,ハロ,C1−6アルキル,N
10,NHCOR10,CONHR10またはCOOR10であり、そしてRはXに対してオルソまたはメタ位に位置するが、但しRがCF以外であることを条件とし、
およびR10は、各々独立して、C1−6アルキルであり、
は、Hまたは−(C1−5直鎖アルキレン)R15であり、ここで、R15はH,C1−7アルキル,[ジ(C1−2アルキル)アミノ](C1−6アルキレン)−,(C1−3アルコキシアシル)(C1−6アルキレン)−,C1−6アルコキシ,C3−7アルケニルまたはC3−8アルキニルであり、ここで、
の炭素原子数は9以下であるか、代りに、
は、−(直鎖C1−5アルキレン)R16であり、ここで、R16はC3−6シクロアルキルまたはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員の非芳香ヘテロシクリルであり、
cは、0から1の整数であり、
およびRは、各々独立して、H,C1−6アルキル,ハロ,シアノ,ニトロ,COR11,COOR11,C1−4アルコキシ,C1−4アルキルチオ,ヒドロキシ,フェニル,NR1112またはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員のヘテロシクリルから選択され、
は、C1−6アルキル,ハロ,シアノ,ニトロ,COR13,COOR13,C1−4アルコキシ,C1−4アルキルチオ,ヒドロキシ,フェニル,NR1314またはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員のヘテロシクリルから選択されるか、代りに、
とRまたはRとRは一緒になってC3−4アルキレン,C3−4アルケニレンまたは(CH1−2N(CH1−2から選択される二価の飽和もしくは不飽和部分であってもよく、
pは0から2の整数であり、そしてqは1から3の整数であり、ここで、(p+q)の合計は少なくとも2であり、
11,R12,R13およびR14は、各々独立して、HまたはC1−6アルキルであり、ここで、
前記ヒドロカルビルおよびヘテロカルビル部分は各々が場合によりF,Cl,Br,I,アミノ,メチル,エチル,ヒドロキシまたはメトキシから独立して選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい]
で表される化合物、またはこれの薬学的に受け入れられる塩、C1−6エステルまたはC1−6アミドを製造する方法であって、
請求項13記載方法を包含し、かつ更に、
【化38】

前記式(L)で表される化合物を反応させることで相当する式(I)で表される化合物を生じさせることも含んで成る方法。
【請求項15】
式(I)
【化39】

[式中、
およびRは、各々独立して、H,C1−6アルキル,(CHNR,(CHOR,(CHNH(CO)Rまたは(CHCOであり、ここで、
,RおよびRは、各々独立して、HまたはC1−6アルキルであり、そしてmは1から6の整数であるか、代りに、
とRはこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−7シクロアルキルを形成しており、
nは、1から2の整数であり、
Xは、Sであるが、但し
nが1の時にはXが5または6位に結合しておりそしてnが2の時にはXが6または7位に結合していることを条件とし、更に、nが2でありそしてXが6位に結合している時にはRが水素以外でありかつ7位に結合していることも条件とし、
は、H,C1−3アルコキシ,C1−3アルキルチオ,ハロ,C1−6アルキル,NR10,NHCOR10,CONHR10またはCOOR10でありそしてRはXに対してオルソまたはメタ位に位置するが、但しRがCF以外であることを条件とし、
およびR10は、各々独立して、C1−6アルキルであり、
は、Hまたは−(C1−5直鎖アルキレン)R15であり、ここで、R15はH,C1−7アルキル,[ジ(C1−2アルキル)アミノ](C1−6アルキレン)−,(C1−3アルコキシアシル)(C1−6アルキレン)−,C1−6アルコキシ,C3−7アルケニルまたはC3−8アルキニルであり、ここで、
の炭素原子数は9以下であるか、代りに、
は、−(直鎖C1−5アルキレン)R16であり、ここで、R16はC3−6シクロアルキルまたはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員の非芳香ヘテロシクリルであり、
cは、0から1の整数であり、
およびRは、各々独立して、H,C1−6アルキル,ハロ,シアノ,ニトロ,COR11,COOR11,C1−4アルコキシ,C1−4アルキルチオ,ヒドロキシ,フェニル,NR1112またはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員のヘテロシクリルから選択され、
は、C1−6アルキル,ハロ,シアノ,ニトロ,COR13,COOR13,C1−4アルコキシ,C1−4アルキルチオ,ヒドロキシ,フェニル,NR1314またはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員のヘテロシクリルから選択されるか、代りに、
とRまたはRとRは一緒になってC3−4アルキレン,C3−4アルケニレンまたは(CH1−2N(CH1−2から選択される二価の飽和もしくは不飽和部分であってもよく、
pは、0から2の整数であり、そしてqは、1から3の整数であり、ここで、(p+q)の合計は少なくとも2であり、
11,R12,R13およびR14は、各々独立して、HまたはC1−6アルキルであ
り、ここで、
前記ヒドロカルビルおよびヘテロカルビル部分は各々が場合によりF,Cl,Br,I,アミノ,メチル,エチル,ヒドロキシまたはメトキシから独立して選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい]
で表される化合物、またはこれの薬学的に受け入れられる塩、C1−6エステルまたはC1−6アミドを製造する方法であって、
【化40】

式(III)で表される化合物を反応させることで相当する式(IV)[式中、Pgは、ClSOHに不活性な窒素保護基である]で表される化合物を生じさせ、
【化41】

前記式(IV)で表される化合物をClSOHと反応させることで相当する式(VIIa)で表される化合物を生じさせ、
【化42】

前記式(VIIa)で表される化合物を前記式(VIIa)で表される化合物が有するクロロスルホニル基に還元を受けさせる能力を有する還元剤と反応させることで相当する式(VIIIa)で表される化合物と相当する式(IXa)で表される化合物の混合物を生じさせ、
【化43】

前記式(VIIIa)で表される化合物に脱保護を単離または式(IXa)で表される化合物と混ざり合っている状態で受けさせることで相当する式(XIIIa)で表される化合物を生じさせた後、前記式(XIIIa)で表される化合物と式(X)[式中、Qは、OH,OPg,NHおよびN(PgPg)から成る群から選択され、Pgはカルボン酸保護基であり、そしてPgおよびPgは各々独立して水素,C1−8アルキル,C3−8シクロアルキルまたはアリールから選択されるか、或はPgとPgはこれらが結合している窒素原子と一緒になってC3−10ヘテロアリールまたはC3−10非芳香複素環を形成しており、そしてWは、Br,ClまたはIである]で表される適切に置換されている化合物を塩基の存在下で反応させることで相当する式(La)で表される化合物を生じさせるか、別法として、
前記式(IXa)で表される化合物を単離または式(VIIIa)で表される化合物と混ざり合っている状態で前記式(IXa)で表される化合物が有するジスルフィドに還元を受けさせる能力を有する還元剤と反応させることで相当する式(VIIIa)で表される化合物を生じさせた後、前記式(VIIIa)で表される化合物と式(X)[式中、Qは、OH,OPg,NHおよびN(PgPg)から成る群から選択され、Pgは、カルボン酸保護基であり、そしてPgおよびPgは各々独立して水素,C1−8アルキル,C3−8シクロアルキルまたはアリールから選択されるか、或はPgとPgはこれらが結合している窒素原子と一緒になってC3−10ヘテロアリールまたはC3−10非芳香複素環を形成しており、そしてWは、Br,ClまたはIである]で表される適切に置換されている化合物を塩基の存在下で反応させることで相当する式(XIa)で
表される化合物を生じさせ、そして次に、前記式(XIa)で表される化合物を反応させることで相当する式(La)で表される化合物を生じさせるか、さらなる別法として、
前記式(IXa)で表される化合物に脱保護を単離または式(VIIIa)で表される化合物と混ざり合っている状態で受けさせることで相当する式(XIIa)で表される化合物を生じさせた後、前記式(XIIa)で表される化合物を前記式(XIIa)で表される化合物が有するジスルフィドに還元を受けさせる能力を有する還元剤と反応させることで相当する式(XIIIa)で表される化合物を生じさせ、そして次に、前記式(XIIIa)で表される化合物と式(X)[式中、Qは、OH,OPg,NHおよびN(PgPg)から成る群から選択され、Pgは、カルボン酸保護基であり、そしてPgおよびPgは各々独立して水素,C1−8アルキル,C3−8シクロアルキルまたはアリールから選択されるか、或はPgとPgはこれらが結合している窒素原子と一緒になってC3−10ヘテロアリールまたはC3−10非芳香複素環を形成しており、そしてWは、Br,ClまたはIである]で表される適切に置換されている化合物を塩基の存在下で反応させることで相当する式(La)で表される化合物を生じさせ、
【化44】

前記式(La)で表される化合物を式(V)[式中、R4aは、水素以外のRであり、そしてJは、Br,ClまたはIである]で表される適切に置換されている化合物と反応させることで相当する式(Lb)で表される化合物を生じさせるか、別法として、
前記式(La)で表される化合物を前記式(La)で表される化合物が有する窒素原子上に-C(O)−R4b基を結合させる能力を有する適切に置換されているアシル化剤と塩基の存在下で反応させることで相当する式(XVIII)[式中、R4bは、(C1−4直鎖アルキレン)R15または(直鎖C1−4アルキレン)R16から選択される]で表される化合物を生じさせた後、前記式(XVIII)で表される化合物を前記式(XVIII)で表される化合物が有するアミドに還元を受けさせる能力を有する還元剤と反応させることで相当する式(Lb)で表される化合物を生じさせ、
【化45】

前記式(La)で表される化合物または前記式(Lb)で表される化合物を反応させることで相当する式(I)で表される化合物を生じさせることを含んで成る方法。
【請求項16】
QがOPgであり、Pgがt−ブチルであり、XがSであり,Rがメチルであり,Rがメチルであり,-X−C(R)−C(O)−Q基が5位に結合しており、Rが水素であり,nが1でありそしてRがエチルである請求項13記載の方法。
【請求項17】
XがSであり,Rがメチルであり,Rがメチルであり,-X−C(R)−C(O)−OH基が5−位に結合しており、Rが水素であり,nが1であり,Rがエチルであり,cが0であり、Rが水素であり、RがトリフルオロメトキシでありそしてRが水素である請求項14記載の方法。
【請求項18】
XがSであり,Rがメチルであり、Rがメチルであり,-X−C(R)−C(O)−OH基が5位に結合しており、Rが水素であり,nが1であり,Rがエチルであり,cが0であり、Rが水素であり、RがトリフルオロメトキシでありそしてRが水素である請求項15記載の方法。
【請求項19】
式(Lc)
【化46】

[式中、
Qは、OH,OPg,NHおよびN(PgPg)から成る群から選択され、ここで、Pgはカルボン酸保護基であり、そしてここで、PgおよびPgは各々独立して水素,C1−8アルキル,C3−8シクロアルキルまたはアリールから選択されるか、或はPgとPgはこれらが結合している窒素原子と一緒になってC3−10ヘテロアリールまたはC3−10非芳香複素環を形成しており、
およびRは、各々独立して、H,C1−6アルキル,(CHNR,(CHOR,(CHNH(CO)Rまたは(CHCOであり、ここで、
,RおよびRは、各々独立して、HまたはC1−6アルキルであり、そしてmは1から6の整数であるか、代りに、
とRはこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−7シクロアルキルを形
成しており、
nは、1から2の整数であり、
Xは、Sであるが、但し
nが1の時にはXが5または6位に結合しておりそしてnが2の時にはXが6または7位に結合していることを条件とし、更に、nが2でありそしてXが6位に結合している時にはRが水素以外でありかつ7位に結合していることも条件とし、
は、H,C1−3アルコキシ,C1−3アルキルチオ,ハロ,C1−6アルキル,NR10,NHCOR10,CONHR10またはCOOR10であり、そしてRはXに対してオルソまたはメタ位に位置するが、但しRがCF以外であることを条件とし、
およびR10は、各々独立して、C1−6アルキルであり、
4bは−(C1−4直鎖アルキレン)R15であり、ここで、R15は、H,C1−7アルキル,[ジ(C1−2アルキル)アミノ](C1−6アルキレン)−,(C1−3アルコキシアシル)(C1−6アルキレン)−,C1−6アルコキシ,C3−7アルケニルまたはC3−8アルキニルであり、ここで、
4bの炭素原子数は8以下であるか、代りに、
4bは−(直鎖C1−4アルキレン)R16であり、ここで、R16は、C3−6シクロアルキルまたはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員の非芳香ヘテロシクリルであり、ここで、
前記ヒドロカルビルおよびヘテロカルビル部分は各々が場合によりF,Cl,Br,I,アミノ,メチル,エチル,ヒドロキシまたはメトキシから独立して選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい]
で表される化合物の製造方法であって、
【化47】

式(III)で表される適切に置換されている化合物を前記式(III)で表される化合物が有する窒素上に-C(O)−R4b基を結合させる能力を有する適切に置換されているアシル化剤と塩基の存在下で反応させることで相当する式(XIV)で表される化合物を生じさせ、
【化48】

前記式(XIV)で表される化合物をClSOHと反応させることで相当する式(XV)で表される化合物を生じさせ、
【化49】

前記式(XV)で表される化合物を前記式(XV)で表される化合物が有するクロロスルホニル基に還元を受けさせる能力を有する還元剤と反応させることで相当する式(XVI)で表される化合物と相当する式(XVII)で表される化合物の混合物を生じさせ、
【化50】

前記式(XVI)で表される化合物を単離または式(XVII)で表される化合物と混ざり合っている状態で前記式(XVI)で表される化合物が有するアミドに還元を受けさせる能力を有する還元剤と反応させることで相当する式(XIIIb)で表される化合物を生じさせるか、別法として、
前記式(XVII)で表される化合物を単離または式(XVI)で表される化合物と混ざり合っている状態で前記式(XVII)で表される化合物が有するアミドおよびジスルフィドに還元を受けさせる能力を有する還元剤と反応させることで相当する式(XIIIb)で表される化合物を生じさせ、
【化51】

前記式(XIIIb)で表される化合物と式(X)[式中、WはBr,ClまたはIである]で表される適切に置換されている化合物を塩基の存在下で反応させることで相当する式(Lc)で表される化合物を生じさせることを含んで成る方法。
【請求項20】
式(Ic)
【化52】

[式中、
およびRは、各々独立して、H,C1−6アルキル,(CHNR,(CHOR,(CHNH(CO)Rまたは(CHCOであり、ここで、
,RおよびRは、各々独立して、HまたはC1−6アルキルであり、そしてmは、1から6の整数であるか、代りに、
とRはこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−7シクロアルキルを形成しており、
nは、1から2の整数であり、
Xは、Sであるが、但し
nが1の時にはXが5または6位に結合しておりそしてnが2の時にはXが6または7位に結合していることを条件とし、更に、nが2でありそしてXが6位に結合している時にはRが水素以外でありかつ7位に結合していることも条件とし、
は、H,C1−3アルコキシ,C1−3アルキルチオ,ハロ,C1−6アルキル,NR10,NHCOR10,CONHR10またはCOOR10であり、そしてRはXに対してオルソまたはメタ位に位置するが、但しRがCF以外であることを条件とし、
およびR10は、各々独立して、C1−6アルキルであり、
4bは−(C1−4直鎖アルキレン)R15であり、ここで、R15は、H,C1−7アルキル,[ジ(C1−2アルキル)アミノ](C1−6アルキレン)−,(C1−3アルコキシアシル)(C1−6アルキレン)−,C1−6アルコキシ,C3−7アルケニルまたはC3−8アルキニルであり、ここで、
4bの炭素原子数は8以下であるか、代りに、
4bは−(直鎖C1−4アルキレン)R16であり、ここで、R16は、C3−6シクロアルキルまたはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員の非芳香ヘテロシクリルであり、
cは、0から1の整数であり、
およびRは、各々独立して、H,C1−6アルキル,ハロ,シアノ,ニトロ,COR11,COOR11,C1−4アルコキシ,C1−4アルキルチオ,ヒドロキシ,フェニル,NR1112またはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員のヘテロシクリルから選択され、
は、C1−6アルキル,ハロ,シアノ,ニトロ,COR13,COOR13,C1−4アルコキシ,C1−4アルキルチオ,ヒドロキシ,フェニル,NR1314またはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員のヘテロシクリルから選択されるか、代りに、
とRまたはRとRは一緒になってC3−4アルキレン,C3−4アルケニレンまたは(CH1−2N(CH1−2から選択される二価の飽和もしくは不飽和部分であってもよく、
pは0から2の整数であり、そしてqは1から3の整数であり、ここで、(p+q)の合計は少なくとも2であり、
11,R12,R13およびR14は、各々独立して、HまたはC1−6アルキルであり、ここで、
前記ヒドロカルビルおよびヘテロカルビル部分は各々が場合によりF,Cl,Br,I,アミノ,メチル,エチル,ヒドロキシまたはメトキシから独立して選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい]
で表される化合物、またはこれの薬学的に受け入れられる塩、C1−6エステルまたはC1−6アミドを製造する方法であって、
請求項19記載方法を包含し、かつ更に、
【化53】

前記式(Lc)で表される化合物を反応させることで相当する式(Ic)で表される化合物を生じさせることも含んで成る方法。
【請求項21】
式(Ic)
【化54】

[式中、
およびRは、各々独立して、H,C1−6アルキル,(CHNR,(CHOR,(CHNH(CO)Rまたは(CHCOであり、ここで、
,RおよびRは、各々独立して、HまたはC1−6アルキルであり、そしてmは、1から6の整数であるか、代りに、
とRはこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−7シクロアルキルを形成しており、
nは、1から2の整数であり、
Xは、Sであるが、但し
nが1の時にはXが5または6位に結合しておりそしてnが2の時にはXが6または7位に結合していることを条件とし、更に、nが2でありそしてXが6位に結合している時にはRが水素以外でありかつ7位に結合していることも条件とし、
は、H,C1−3アルコキシ,C1−3アルキルチオ,ハロ,C1−6アルキル,NR10,NHCOR10,CONHR10またはCOOR10であり、そしてRはXに対してオルソまたはメタ位に位置するが、但しRがCF以外であることを条件とし、
およびR10は、各々独立して、C1−6アルキルであり、
4bは−(C1−4直鎖アルキレン)R15であり、ここで、R15は、H,C1−7アルキル,[ジ(C1−2アルキル)アミノ](C1−6アルキレン)−,(C1−3アルコキシアシル)(C1−6アルキレン)−,C1−6アルコキシ,C3−7アルケニルまたはC3−8アルキニルであり、ここで、
4bの炭素原子数は8以下であるか、代りに、
4bは−(直鎖C1−4アルキレン)R16であり、ここで、R16は、C3−6シクロアルキルまたはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員の非芳香ヘテロシクリルであり、
cは、0から1の整数であり、
およびRは、各々独立して、H,C1−6アルキル,ハロ,シアノ,ニトロ,COR11,COOR11,C1−4アルコキシ,C1−4アルキルチオ,ヒドロキシ,フェニル,NR1112またはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員のヘテロシクリルから選択され、
は、C1−6アルキル,ハロ,シアノ,ニトロ,COR13,COOR13,C1−4アルコキシ,C1−4アルキルチオ,ヒドロキシ,フェニル,NR1314またはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員のヘテロシクリルから選択されるか、代りに、
とRまたはRとRは一緒になってC3−4アルキレン,C3−4アルケニレンまたは(CH1−2N(CH1−2から選択される二価の飽和もしくは不飽和部分であってもよく、
pは0から2の整数であり、そしてqは1から3の整数であり、ここで、(p+q)の合計は少なくとも2であり、
11,R12,R13およびR14は、各々独立して、HまたはC1−6アルキルであり、ここで、
前記ヒドロカルビルおよびヘテロカルビル部分は各々が場合によりF,Cl,Br,I,アミノ,メチル,エチル,ヒドロキシまたはメトキシから独立して選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい]
で表される化合物、またはこれの薬学的に受け入れられる塩、C1−6エステルまたはC1−6アミドを製造する方法であって、
【化55】

式(III)で表される適切に置換されている化合物を前記式(III)で表される化合物が有する窒素上に-C(O)−R4b基を結合させる能力を有する適切に置換されているアシル化剤と塩基の存在下で反応させることで相当する式(XIV)で表される化合物を生じさせ、
【化56】

前記式(XIV)で表される化合物をClSOHと反応させることで相当する式(XV)で表される化合物を生じさせ、
【化57】

前記式(XV)で表される化合物を前記式(XV)で表される化合物が有するクロロスルホニル基に還元を受けさせる能力を有する還元剤と反応させることで相当する式(XVI)で表される化合物と相当する式(XVII)表される化合物の混合物を生じさせ、
【化58】

前記式(XVI)で表される化合物を単離または式(XVII)で表される化合物と混ざり合っている状態で前記式(XVI)で表される化合物が有するアミドに還元を受けさせる能力を有する還元剤と反応させることで相当する式(XIIIb)で表される化合物を生じさせるか、別法として、
前記式(XVII)で表される化合物を単離または式(XVI)で表される化合物と混ざり合っている状態で前記式(XVII)で表される化合物が有するアミドおよびジスルフィドに還元を受けさせる能力を有する還元剤と反応させることで相当する式(XIIIb)で表される化合物を生じさせ、
【化59】

前記(XIIIb)で表される化合物と式(X)[式中、Qは、OH,OPg,NHおよびN(PgPg)から成る群から選択され、ここで、Pgはカルボン酸保護基であり、そしてPgおよびPgは各々独立して水素,C1−8アルキル,C3−8シクロアルキルまたはアリールから選択されるか、或はPgとPgはこれらが結合している窒素原子と一緒になってC3−10ヘテロアリールまたはC3−10非芳香複素環を形成しており、そしてWはBr,ClまたはIである]で表される適切に置換されている化合物を塩基の存在下で反応させることで相当する式(Lc)で表される化合物を生じさせ、
【化60】

前記式(Lc)で表される化合物を反応させることで相当する式(Ic)で表される化合物を生じさせることを含んで成る方法。
【請求項22】
QがOPgであり、Pgがt−ブチルであり、XがSであり,Rがメチルであり,Rがメチルであり,−X−C(R)−C(O)−Q基が5位に結合しており、Rが水素であり,nが1でありそしてRがエチルである請求項19記載の方法。
【請求項23】
XがSであり,Rがメチルであり,Rがメチルであり,−X−C(R)−C(O)−OH基が5−位に結合しており、Rが水素であり,nが1であり,Rがエチルであり,cが0であり、Rが水素であり、RがトリフルオロメトキシでありそしてRが水素である請求項20記載の方法。
【請求項24】
XがSであり,Rがメチルであり、Rがメチルであり,−X−C(R)−C(O)−OH基が5位に結合しており、Rが水素であり,nが1であり,Rがエチルであり,cが0であり、Rが水素であり、RがトリフルオロメトキシでありそしてRが水素である請求項21記載の方法。
【請求項25】
式(Lc)
【化61】

[式中、
Qは、OH,OPg,NHおよびN(PgPg)から成る群から選択され、ここで、Pgはカルボン酸保護基であり、そしてここで、PgおよびPgは各々独立して水素,C1−8アルキル,C3−8シクロアルキルまたはアリールから選択されるか、或はPgとPgはこれらが結合している窒素原子と一緒になってC3−10ヘテロアリールまたはC3−10非芳香複素環を形成しており、
およびRは、各々独立して、H,C1−6アルキル,(CHNR,(CHOR,(CHNH(CO)Rまたは(CHCOであり、ここで、
,RおよびRは、各々独立して、HまたはC1−6アルキルであり、そしてmは1から6の整数であるか、代りに、
とRはこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−7シクロアルキルを形
成しており、
nは、1から2の整数であり、
Xは、Sであるが、但し
nが1の時にはXが5または6位に結合しておりそしてnが2の時にはXが6または7位に結合していることを条件とし、更に、nが2でありそしてXが6位に結合している時にはRが水素以外でありかつ7位に結合していることも条件とし、
は、H,C1−3アルコキシ,C1−3アルキルチオ,ハロ,C1−6アルキル,NR10,NHCOR10,CONHR10またはCOOR10であり、そしてRはXに対してオルソまたはメタ位に位置するが、但しRがCF以外であることを条件とし、
およびR10は、各々独立して、C1−6アルキルであり、
4bは−(C1−4直鎖アルキレン)R15であり、ここで、R15は、H,C1−7アルキル,[ジ(C1−2アルキル)アミノ](C1−6アルキレン)−,(C1−3アルコキシアシル)(C1−6アルキレン)−,C1−6アルコキシ,C3−7アルケニルまたはC3−8アルキニルであり、ここで、
4bの炭素原子数は8以下であるか、代りに、
4bは−(直鎖C1−4アルキレン)R16であり、ここで、R16は、C3−6シクロアルキルまたはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員の非芳香ヘテロシクリルであり、ここで、
前記ヒドロカルビルおよびヘテロカルビル部分は各々が場合によりF,Cl,Br,I,アミノ,メチル,エチル,ヒドロキシまたはメトキシから独立して選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい]
で表される化合物の製造方法であって、
【化62】

式(III)で表される適切に置換されている化合物を前記式(III)で表される化合物が有する窒素上に-C(O)−R4b基を結合させる能力を有する適切に置換されているアシル化剤と塩基の存在下で反応させることで相当する式(XIV)で表される化合物を生じさせ、
【化63】

前記式(XIV)で表される化合物をClSOHと反応させることで相当する式(XV)で表される化合物を生じさせ、
【化64】

前記式(XV)で表される化合物を前記式(XV)で表される化合物が有するクロロスルホニル基およびアミド基に還元を受けさせる能力を有する還元剤と反応させることで相当
する式(XIIIb)で表される化合物を生じさせ、
【化65】

前記式(XIIIb)で表される化合物と式(X)[式中、WはBr,ClまたはIである]で表される適切に置換されている化合物を塩基の存在下で反応させることで相当する式(Lc)で表される化合物を生じさせることを含んで成る方法。
【請求項26】
式(Ic)
【化66】

[式中、
およびRは、各々独立して、H,C1−6アルキル,(CHNR,(CHOR,(CHNH(CO)Rまたは(CHCOであり、ここで、
,RおよびRは、各々独立して、HまたはC1−6アルキルであり、そしてmは、1から6の整数であるか、代りに、
とRはこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−7シクロアルキルを形成しており、
nは、1から2の整数であり、
Xは、Sであるが、但し
nが1の時にはXが5または6位に結合しておりそしてnが2の時にはXが6または7位に結合していることを条件とし、更に、nが2でありそしてXが6位に結合している時にはRが水素以外でありかつ7位に結合していることも条件とし、
は、H,C1−3アルコキシ,C1−3アルキルチオ,ハロ,C1−6アルキル,NR10,NHCOR10,CONHR10またはCOOR10であり、そしてRはXに対してオルソまたはメタ位に位置するが、但しRがCF以外であることを条件とし、
およびR10は、各々独立して、C1−6アルキルであり、
4bは−(C1−4直鎖アルキレン)R15であり、ここで、R15は、H,C1−7アルキル,[ジ(C1−2アルキル)アミノ](C1−6アルキレン)−,(C1−3アルコキシアシル)(C1−6アルキレン)−,C1−6アルコキシ,C3−7アルケニル
またはC3−8アルキニルであり、ここで、
4bの炭素原子数は8以下であるか、代りに、
4bは−(直鎖C1−4アルキレン)R16であり、ここで、R16は、C3−6シクロアルキルまたはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員の非芳香ヘテロシクリルであり、
cは、0から1の整数であり、
およびRは、各々独立して、H,C1−6アルキル,ハロ,シアノ,ニトロ,COR11,COOR11,C1−4アルコキシ,C1−4アルキルチオ,ヒドロキシ,フェニル,NR1112またはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員のヘテロシクリルから選択され、
は、C1−6アルキル,ハロ,シアノ,ニトロ,COR13,COOR13,C1−4アルコキシ,C1−4アルキルチオ,ヒドロキシ,フェニル,NR1314またはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員のヘテロシクリルから選択されるか、代りに、
とRまたはRとRは一緒になってC3−4アルキレン,C3−4アルケニレンまたは(CH1−2N(CH1−2から選択される二価の飽和もしくは不飽和部分であってもよく、
pは0から2の整数であり、そしてqは1から3の整数であり、ここで、(p+q)の合計は少なくとも2であり、
11,R12,R13およびR14は、各々独立して、HまたはC1−6アルキルであり、ここで、
前記ヒドロカルビルおよびヘテロカルビル部分は各々が場合によりF,Cl,Br,I,アミノ,メチル,エチル,ヒドロキシまたはメトキシから独立して選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい]
で表される化合物、またはこれの薬学的に受け入れられる塩、C1−6エステルまたはC1−6アミドを製造する方法であって、
請求項25記載方法を包含し、かつ更に、
【化67】

前記式(Lc)で表される化合物を反応させることで相当する式(Ic)で表される化合物を生じさせることも含んで成る方法。
【請求項27】
式(Ic)
【化68】

[式中、
およびRは、各々独立して、H,C1−6アルキル,(CHNR,(CHOR,(CHNH(CO)Rまたは(CHCOであり、ここで、
,RおよびRは、各々独立して、HまたはC1−6アルキルであり、そしてmは、1から6の整数であるか、代りに、
とRはこれらが結合している炭素原子と一緒になってC3−7シクロアルキルを形成しており、
nは、1から2の整数であり、
Xは、Sであるが、但し
nが1の時にはXが5または6位に結合しておりそしてnが2の時にはXが6または7位に結合していることを条件とし、更に、nが2でありそしてXが6位に結合している時にはRが水素以外でありかつ7位に結合していることも条件とし、
は、H,C1−3アルコキシ,C1−3アルキルチオ,ハロ,C1−6アルキル,NR10,NHCOR10,CONHR10またはCOOR10であり、そしてRはXに対してオルソまたはメタ位に位置するが、但しRがCF以外であることを条件とし、
およびR10は、各々独立して、C1−6アルキルであり、
4bは−(C1−4直鎖アルキレン)R15であり、ここで、R15は、H,C1−7アルキル,[ジ(C1−2アルキル)アミノ](C1−6アルキレン)−,(C1−3アルコキシアシル)(C1−6アルキレン)−,C1−6アルコキシ,C3−7アルケニルまたはC3−8アルキニルであり、ここで、
4bの炭素原子数は8以下であるか、代りに、
4bは−(直鎖C1−4アルキレン)R16であり、ここで、R16は、C3−6シクロアルキルまたはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員の非芳香ヘテロシクリルであり、
cは、0から1の整数であり、
およびRは、各々独立して、H,C1−6アルキル,ハロ,シアノ,ニトロ,COR11,COOR11,C1−4アルコキシ,C1−4アルキルチオ,ヒドロキシ,フェニル,NR1112またはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員のヘテロシクリルから選択され、
は、C1−6アルキル,ハロ,シアノ,ニトロ,COR13,COOR13,C1−4アルコキシ,C1−4アルキルチオ,ヒドロキシ,フェニル,NR1314またはN,OおよびSから選択されるヘテロ原子を1から2個有する5−6員のヘテロシクリルから選択されるか、代りに、
とRまたはRとRは一緒になってC3−4アルキレン,C3−4アルケニレンまたは(CH1−2N(CH1−2から選択される二価の飽和もしくは不飽和部分であってもよく、
pは0から2の整数であり、そしてqは1から3の整数であり、ここで、(p+q)の合計は少なくとも2であり、
11,R12,R13およびR14は、各々独立して、HまたはC1−6アルキルであり、ここで、
前記ヒドロカルビルおよびヘテロカルビル部分は各々が場合によりF,Cl,Br,I,アミノ,メチル,エチル,ヒドロキシまたはメトキシから独立して選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい]
で表される化合物、またはこれの薬学的に受け入れられる塩、C1−6エステルまたはC1−6アミドを製造する方法であって、
【化69】

式(III)で表される適切に置換されている化合物を前記式(III)で表される化合物が有する窒素上に-C(O)−R4b基を結合させる能力を有する適切に置換されているアシル化剤と塩基の存在下で反応させることで相当する式(XIV)で表される化合物を生じさせ、
【化70】

前記式(XIV)で表される化合物をClSOHと反応させることで相当する式(XV)で表される化合物を生じさせ、
【化71】

前記式(XV)で表される化合物を前記式(XV)で表される化合物が有するクロロスルホニル基およびアミド基に還元を受けさせる能力を有する還元剤と反応させることで相当する式(XIIIb)で表される化合物を生じさせ、
【化72】

前記式(XIIIb)で表される化合物と式(X)[式中、Qは、OH,OPg,NHおよびN(PgPg)から成る群から選択され、ここで、Pgはカルボン酸保護基であり、そしてPgおよびPgは各々独立して水素,C1−8アルキル,C3−8
シクロアルキルまたはアリールから選択されるか、或はPgとPgはこれらが結合している窒素原子と一緒になってC3−10ヘテロアリールまたはC3−10非芳香複素環を形成しており、そしてWはBr,ClまたはIである]で表される適切に置換されている化合物を塩基の存在下で反応させることで相当する式(Lc)で表される化合物を生じさせ、
【化73】

前記式(Lc)で表される化合物を反応させることで相当する式(Ic)で表される化合物を生じさせることを含んで成る方法。
【請求項28】
QがOPgであり、Pgがt−ブチルであり、XがSであり,Rがメチルであり,Rがメチルであり,−X−C(R)−C(O)−Q基が5位に結合しており、Rが水素であり,nが1でありそしてRがエチルである請求項25記載の方法。
【請求項29】
XがSであり,Rがメチルであり,Rがメチルであり,−X−C(R)−C(O)−OH基が5−位に結合しており、Rが水素であり,nが1であり,Rがエチルであり,cが0であり、Rが水素であり、RがトリフルオロメトキシでありそしてRが水素である請求項26記載の方法。
【請求項30】
XがSであり,Rがメチルであり、Rがメチルであり,−X−C(R)−C(O)−OH基が5位に結合しており、Rが水素であり,nが1であり,Rがエチルであり,cが0であり、Rが水素であり、RがトリフルオロメトキシでありそしてRが水素である請求項27記載の方法。
【請求項31】
式(Le)
【化74】

[式中、Qは、C1−6アルコキシから成る群から選択され、ここで、前記C1−6アルコキシはアミノで置換されていない]で表される化合物の製造方法であって、
【化75】

(a)式(Ld)で表される化合物と(S)−2−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸を約35℃から約0℃の範囲内の温度のアルコールまたはアセトン中で反応させることで相当する(R,S)ジアステレオマー塩である式(XX)で表される化合物を生じさせ、
【化76】

(b)前記(R,S)ジアステレオマー塩である式(XX)で表される化合物を無機塩基と反応させることで相当する式(Le)で表される化合物を生じさせる、
ことを含んで成る方法。
【請求項32】
がt−ブトキシである請求項31記載の方法。
【請求項33】
式(Le)
【化77】

[式中、Qは、C1−6アルコキシから成る群から選択され、ここで、前記C1−6アルコキシはアミノで置換されていない]で表される化合物の製造方法であって、
【化78】

(a)式(Ld)で表される化合物と(R)−2−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸を約35℃以上の温度のアセトン中でか或はほぼ室温のTHF中で反応させることで相当する(R,R)ジアステレオマー塩である式(XXI)で表される化合物を生じさせ、
【化79】

(b)前記(R,R)ジアステレオマー塩である式(XXI)で表される化合物を無機塩基と反応させることで相当する式(Le)で表される化合物を生じさせる、
ことを含んで成る方法。
【請求項34】
がt−ブトキシで表される請求項33記載の方法。
【請求項35】
式(Lf)
【化80】

[式中、Qは、C1−6アルコキシから成る群から選択され、ここで、前記C1−6アルコキシはアミノで置換されていない]で表される化合物の製造方法であって、
【化81】

(a)式(Ld)で表される化合物と(S)−2−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸を約35℃以上の温度のアセトン中でか或はほぼ室温のTHF中で反応させることで相当する(S,S)ジアステレオマー塩である式(XXII)で表される化合物を生じさせ、
【化82】

(b)前記(S,S)ジアステレオマー塩である式(XXI)で表される化合物を無機塩基と反応させることで相当する式(Lf)で表される化合物を生じさせる、
ことを含んで成る方法。
【請求項36】
式(Lf)
【化83】

[式中、Qは、C1−6アルコキシから成る群から選択され、ここで、前記C1−6アルコキシはアミノで置換されていない]で表される化合物の製造方法であって、
【化84】

(a)式(Ld)で表される化合物と(R)−2−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸を約35℃から約0℃の範囲内の温度のアルコールまたはアセトン中で反応させることで相当する(S,R)ジアステレオマー塩である式(XXIII)で表される化合物を生じさせ、
【化85】

(b)前記(S,R)ジアステレオマー塩である式(XXIII)で表される化合物を無機塩基と反応させることで相当する式(Lf)で表される化合物を生じさせる、
ことを含んで成る方法。
【請求項37】
式(IIa)
【化86】

で表される化合物の結晶性N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩。
【請求項38】
式(IIa)で表される化合物とN,N’−ジベンジルエチレンジアミンの比率が1:1である請求項37記載の結晶性塩。
【請求項39】
下記のX線回折ピーク:
【表1】

を包含する式(IIa)
【化87】

で表される化合物の結晶性N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩。
【請求項40】
式(IIa)
【化88】

で表される化合物のN,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩を製造する方法であって、前記式(IIa)で表される化合物とN,N’−ジベンジルエチレンジアミンを非プロト
ン性性溶媒中で反応させることを含んで成る方法。
【請求項41】
前記非プロトン性性溶媒がイソプロピルアルコールである請求項40記載の方法。
【請求項42】
前記式(IIa)で表される化合物とN,N’−ジベンジルエチレンジアミンを約5℃未満の温度で反応させる請求項41記載の方法。
【請求項43】
構造:
【化89】

を含んで成る式(IIa)で表される化合物またはこれの薬学的に受け入れられる塩、C1−6エステルまたはC1−6アミド。
【請求項44】
鏡像異性体過剰度が少なくとも約90%の請求項43記載の化合物。
【請求項45】
鏡像異性体過剰度が少なくとも約96%の請求項43記載の化合物。
【請求項46】
鏡像異性体過剰度が少なくとも約99%の請求項43記載の化合物。
【請求項47】
構造:
【化90】

を含んで成る化合物。
【請求項48】
鏡像異性体過剰度が少なくとも約90%の請求項47記載の化合物。
【請求項49】
鏡像異性体過剰度が少なくとも約96%の請求項47記載の化合物。
【請求項50】
鏡像異性体過剰度が少なくとも約99%の請求項47記載の化合物。
【請求項51】
請求項43記載の化合物を含んで成る薬剤組成物。
【請求項52】
請求項47記載の化合物を含んで成る薬剤組成物。

【公表番号】特表2007−534690(P2007−534690A)
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−509684(P2007−509684)
【出願日】平成17年4月20日(2005.4.20)
【国際出願番号】PCT/US2005/013870
【国際公開番号】WO2005/105737
【国際公開日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(390033008)ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ (616)
【氏名又は名称原語表記】JANSSEN PHARMACEUTICA NAAMLOZE VENNOOTSCHAP
【Fターム(参考)】