説明

署名情報認証器

【課題】 ネットワークに接続されるPCの表示画像に、特定者の署名情報の設定認証が、機密・安全性を完全に保持したセキュリティ条件下で、容易に行なわれ構成も簡単な署名情報認証器を提供する。
【解決手段】 EEPROM7に予め登録される指紋と指紋センサ6が検出する指紋との一致が判定演算回路8で確認された特定者だけが、署名情報認証器2の操作が可能で、署名情報の不正な設定認証が防止され、PC1の表示画像に署名情報、設定認証時の日時・時刻情報、情報認証器2の対応判別記号が表示され、日時・時刻情報が示す時刻に設定認証された唯一の電子文書が特定され、ネットワーク外部の第三者や内部取扱者による署名情報の偽造を完全に防ぎ、業務処理の安全性を確保し、対応判別記号23の表示で特定者が設定認証の事実を後で否定できず不正な電子商取引も完全に防止可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子情報処理装置のディスプレイの表示情報に、特定者の署名情報設定の認証を行なう署名情報認証器に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット上で、電子計算機などの電子情報処理装置を使用して、顧客、金融機関、官公庁などとの問で電子文書によって業務処理を行なう場合には、電子文書を構成するディジタル情報のコピーが容易であるために、充分なセキュリティ対策が必要となる。
この場合、インターネットを介しての電子商取引時や機密電子文書による通信時において、使用する電子文書に対して、業務責任者の捺印や署名が、インターネット上で遠隔的に行なわれることも多く、インターネット上の全ての流通ルートにおいて、インターネットの内部と外部からの署名・捺印情報部分の偽造を防ぎ、業務処理の安全性を確保することが重要な課題となる。
【0003】
これらの課題を実現するためには、(1)署名・捺印情報が外部の第3者によって偽造できないこと、(2)署名・捺印情報が文書の流通ルートにおいて、内部の取扱者によって偽造できないこと、(3)所謂なりすましによる電子商取引の不正を防止するために、署名・捺印情報の文書への処理実行の事実を、実行者が後で否定できないことが必要である。
以上の条件を満足する業務処理を実現するためには、基本的には秘密鍵暗号や公開鍵暗号を使用することが必要となり、プロトコルの構成が複雑となって、署名・捺印情報の設定操作が煩雑になりがちである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前述したようなネットワーク上での電子文書による業務処理の現状に鑑みてなされたものであり、その目的は、電子文書業務に責任を持つ特定者の電子文書への署名情報の設定認証を、ネットワークルートの内部取扱者或いは外部の第三者による偽造から完全に防止し、且つ特定者が設定認証の事実を後で否定することを不能とした完全なセキュリティ条件下で、署名情報の設定認証が簡単な操作により可能で小型携帯化された署名情報認証器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために、請求項1記載の第1の発明は、ネットワークに接続される電子情報処理装置の表示情報に基づき、前記ネットワークを介して電子文書による業務処理を行なう際に、前記表示情報に特定者の署名情報を設定認証することにより、前記表示情報を認証表示情報に変換する署名情報認証器であり、前記特定者を確認する確認情報、前記設定認証時の日時・時刻情報、及び前記電子情報処理装置に対応する制御情報が格納される格納手段と、前記確認情報に基づき前記特定者が前記署名情報認証器の操作者であることを判定する判定手段と、該判定手段が前記署名情報認証器の操作を前記特定者が行なうと判定すると、前記制御情報に基づき、前記表示情報に前記署名情報及び前記日時・時刻情報の追加設定を行なって前記署名情報設定の認証を行なう認証実行手段とを有することを特徴とするものである。
【0006】
第1の発明に係る署名情報認証器は、ネットワークに接続される電子情報処理装置のディスプレイの表示情報に対して、特定者の署名情報を設定認証するものであるが、この設定認証によって表示情報は認証表示情報に変換され、このようにして変換された認証表示情報に基づく業務処理がネットワークを介して行なわれる。
この場合、先ず、署名情報認証器の操作が予め選定される特定者により行なわれるか否かが、格納手段から読み出される確認情報に基づき、判定手段によって判定され、判定手段によって特定者が署名情報認証器の操作者であることが確認されると、認証実行手段によって、格納手段から読み出される制御情報に基づき、電子情報処理装置のディスプレイでの表示情報に、格納手段から読み出される署名情報及び日時・時刻情報の追加設定が行なわれることによって、ディスプレイの表示情報が認証情報データに変換される。
【0007】
第1の発明に係る署名情報認証器を特定者でない者が操作すると、判定手段が特定者による操作でないと判定し、認証実行手段の動作が禁止され署名情報の設定認証は行なわれないので、署名情報の設定認証が行なわれた認証表示情報は、予め設定された特定者が所定の日時・時刻に、第1の発明に係る署名情報認証器を使用して、署名情報の設定を行なった場合にのみ表示される。このようにして、認証表示情報は特定者のみが設定認証により作成可能で、インターネットルート上で、内部関係者或いは外部の第三者による認証表示情報の偽造は不可能である。
【0008】
同様に前記目的を達成するために、請求項2記載の第2の発明は、第1の発明において、署名情報が印鑑情報であることを特徴とするものである。
【0009】
第2の発明に係る署名情報認証器では、印鑑情報を署名情報として、第1の発明での作用が実行される。
【0010】
同様に前記目的を達成するために、請求項3記載の第3の発明は、第1の発明において、署名情報が特定者のサイン情報であることを特徴とするものである。
【0011】
第3の発明に係る署名情報認証器では、特定者のサイン情報を署名情報として、第1の発明での作用が実行される。
【0012】
同様に前記目的を達成するために、請求項4記載の第4の発明は、第1の発明ないし第3の発明の何れかに係る署名情報認証器に対して、署名情報認証器に対応して予め設定される対応判別記号を、表示情報に追加設定する判別記号設定手段がさらに設けられていることを特徴とするものである。
【0013】
第4の発明に係る署名情報認証器では、第1の発明ないし第3の発明の何れかの発明での作用に加えて、判別記号表示手段によって、署名情報認証器に対応して予め設定される対応判別記号が表示情報に追加設定される。
このために、特定者が対応判別記号が設定された自己の署名情報認証器を用いて、所定の日時・時刻に署名情報の設定を行なったことが確実に認証され、特定者が後で署名情報設定の事実を否定することができなくなる。
【0014】
同様に前記目的を達成するために、請求項5記載の第5の発明は、第1の発明ないし第4の発明の何れかの発明において、電子情報処理装置が電子計算機であることを特徴とするものである。
【0015】
第5の発明に係る署名情報認証器では、電子計算機を電子情報処理装置として、第1の発明ないし第4の発明の何れかの発明での作用が実行される。
【0016】
同様に前記目的を達成するために、請求項6記載の第6の発明は、第1の発明ないし第4の発明の何れかの発明において、電子情報処理装置が現金自動預け払い機であることを特徴とするものである。
【0017】
第6の発明に係る署名情報認証器では、現金自動預け払い機を電子情報処理装置として、第1の発明ないし第5の発明の何れかの発明での作用が実行される。
【発明の効果】
【0018】
第1の発明によると、署名情報認証器の操作が予め選定される特定者により行なわれるか否かが、格納手段から読み出される確認情報に基づき、判定手段によって判定され、判定手段によって特定者が署名情報認証器の操作者であることが確認されると、認証実行手段によって、格納手段から読み出される制御情報に基づき、電子情報処理装置のディスプレイでの表示情報に、格納手段から読み出される署名情報及び日時・時刻情報の追加設定が行なわれることによって、ディスプレイの表示情報が認証情報に変換される。従って、第1の発明に係る署名情報認証器を特定者でない者が操作すると、判定手段が特定者による操作でないと判定し、認証実行手段の動作が禁止されるので、署名情報の設定認証は行なわれず、署名情報の設定認証が行なわれた認証表示情報は、予め設定された特定者が所定の日時・時刻に、第1の発明に係る署名情報認証器を使用して、署名情報の設定を行なった場合のみに表示される。このようにして、認証表示情報は、特定者のみが設定認証により作成可能となり、インターネットルート上で、内部関係者或いは外部の第三者による認証表示情報の偽造を完全に阻止することが可能になる。
【0019】
このように第1の発明によると、判定手段により確認情報に基づいて判定確認される特定者の署名情報と、署名情報の設定実行時の日時・時刻情報とが、ディスプレイの表示情報に追加設定された認証表示情報は、予め設定された特定者が、所定の日時・時刻に署名情報の設定を行なったことが確実に認証されるもので、ネットワークのルート上で内部関係者或いは外部の第三者によって偽造できない真実の認証表示情報であると確定することが可能になり、この認証表示情報に基づいて、ネットワークを介して完全なセキュリティ条件下で安全確実に電子文書による業務処理を行なうことが可能になる。
【0020】
第2の発明によると、印鑑情報を署名情報として、第1の発明で得られる効果を実現することが可能になる。
【0021】
第3の発明によると、特定者のサイン情報を署名情報として、第1の発明で得られる効果を実現することが可能になる。
【0022】
第4の発明によると、第1の発明ないし第3の発明の何れかの発明で得られる効果に加えて、判別記号表示手段によって、署名情報認証器に対応して予め設定される対応判別記号が、ディスプレイの表示情報に追加設定されるので、特定者がディスプレイの表示情報に対して行なった署名情報の設定認証を後で否定することができなくなり、認証表示情報に基づくネットワークでの業務処理をより安全且つ確実なセキュリティ条件下で行なうことが可能になる。
【0023】
第5の発明によると、電子計算機を電子情報処理装置として、第1の発明ないし第4の発明の何れかの発明で得られる効果を実現することが可能になる。
【0024】
第6の発明によると、現金自動預け払い機を電子情報処理装置として、第1の発明ないし第4の発明の何れかの発明で得られる効果を実現することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に本発明の一実施の形態を、ネットワークに接続されるパーソナルコンピュータ(以下PCと略記する)に使用する場合について、図1ないし図3を参照して説明する。
図1は本実施の形態の構成を示すブロック図、図2は本実施の形態において、PCのディスプレイに表示される表示画像を示す説明図、図3は本実施の形態の要部の構成を示す斜視図である。
【0026】
図1に示すように、本実施の形態に係る署名情報認証器2は、PC1のUSB(Universal serial Bus)1aに接続されるように構成され、署名情報認証器2を単独で使用すると、PC1の表示画像に予め選定した特定者の印鑑情報が設定認証されるように構成されている。また、図1及び図3に示すように、円柱状の署名情報認証2の端部に、矢印Xに示すように、サインペンユニット3の開口円筒状カバー13が嵌合着脱自在に構成されている。そして、署名情報認証器2にサインペンユニット3を嵌合装着して使用すると、PC1の表示画像に特定者のサイン情報が設定認証されるように構成されている。因みに、署名情報認証器2は全長がほぼ7cm、サインペンユニット3は全長がほぼ17cmに設定され、全体が特定者の携帯使用に便利な形状になっている。
【0027】
図1に示すように、署名情報認証器2には指令信号入力回路5が設けられ、この指令信号入力回路5の第1の入力端子には、PC1のOS(Operating System)に対応する指定信号F1が入力され、第2の入力端子には、特定者の指紋パターンを検出する指紋センサ6の出力端子が、切換スイッチ24の切換端子bを介して接続されている。また、指令信号入力回路5の出力端子には、各種のPCに対応するOSデータ、特定者の指紋パターンデータ、特定者の印鑑パターンデータ、日時・時刻データ、及び署名情報認証器2に対応して予め設定される対応判別記号データが記録格納されるEEPROM7が接続されている。そして、EEPROM7の制御端子には、署名情報認証器2へのサインペンユニット3の着脱で切換が行なわれる切換スイッチ14の切換端子aが接続されている。
【0028】
また、判定演算を行なって判定演算信号F6a、或いはF6bを出力する判定演算回路8が設けられ、この判定演算回路8の第1の入力端子にはEEPROM7の出力端子が、第2の入力端子には切換スイッチ24の切換端子aが、第3の入力端子には切換スイッチ14の切換端子aがそれぞれ接続されている。判定演算回路8の出力端子には出力回路10が接続され、出力回路10からは印鑑情報の設定時には設定制御信号F7aが、サイン情報の設定時には設定制御信号F7bとサインペン信号F10が、それぞれ出力されるように構成されている。そして、バッテリー11が指令信号入力回路5、EEPROM7、判定演算回路8、出力回路10及び指紋センサ6に供給され、署名情報認証器2は単独で携帯使用可能で、且つ時間管理動作も行なうように構成されている。
【0029】
このような構成の本実施の形態の動作を順次説明する。
本実施の形態では、ネットワークに接続され電子文書による業務処理が行なわれるPC1の表示画像に対して署名情報、或いはサイン情報の設定認証を行なうに先立って、業務処理の責任者で設定認証を行なう特定者の指紋パターンデータのEEPROM7への書込登録が事前に行なわれる。
この書込登録時には、特定者が切換スイッチ24を登録側に操作し、指紋パターンを登録しようとする指18を指紋センサ6に対接させると、指紋センサ6により特定者の指紋パターンが検出され、指紋パターン検出信号F5が、登録側への操作で切換えられる切換スイッチ24の切換端子bを介して指令信号入力回路5に入力される。そして、指令信号入力回路5からは、登録指令信号F3wがEEPROM7に入力され、この登録指令信号F3wに対応して、特定者の指紋パターン検出信号F5に対応する指紋パターンデータが、EEPROM7に記録格納される。
【0030】
この書込登録によって、特定者の指紋パターンデータがEEPROM7に記録格納され、署名情報認証器2とサインペンユニット3とは、当該特定者のみが単独使用可能な状態に設定される。なお、EEPROM7には使用が予定される各種のPCに対応するOSデータ、特定者の印鑑パターンデータ、日時・時刻データ、署名情報認証器2に対応して予め設定される対応判別記号データが予め読出自在に格納されている。また、EEPROM7の格納データは、必要に応じて書き換え、或いは消去が可能になっている。
【0031】
次に、特定者による署名情報の設定認定動作について説明する。
先ず、署名情報が特定者の印鑑情報である場合には、特定者によってサインペンユニット3は、署名情報認証器2から着脱分離された状態に設定される。この着脱分離状態では、切換スイッチ14は切換端子a側に切換えられ、EEPROM7と判定演算回路8に入力される選択信号F2の信号の論理値が“1”になる。
そして、特定者が切換スイッチ24を設定認定側に操作すると、切換スイッチ24は切換端子a側に切換えられ、指令信号入力回路5の第2の入力端子の信号の論理値は“0”となり、指令信号入力回路5からは、設定指令信号F3rが出力されてEEPROM7に入力される。
次いで、特定者が、予め指紋登録を行なった指18を指紋センサ6に対接すると、指紋センサ6から出力される指紋パターン検出信号F5は、切換スイッチ24の切換端子aを介して判定演算回路8に入力される。
一方、設定指令信号F3rが入力され、制御端子の信号の論理値が“1”となるEEPROM7からは、予め登録されている特定者の指紋パターンデータ、PC1に対応するOSデータ、特定者の印鑑パターンデータ、日時・時刻データ、対応判別記号データが読み出され、これらのデータに基づく画像表示の制御を行なう表示制御信号F4aが出力され判定演算回路8に入力される。
【0032】
そして、印鑑情報の選択を示す論理値“1”の選択信号F2が入力される判定演算回路8では、指紋センサ6からの指紋パターン検出信号F5に基づく指紋パターンと、EEPROM7から読み出される表示制御信号F4中の指紋パターンとが比較判定され、指紋センサ6が検出した指紋パターンとEEPROM7から読み出した指紋パターンとが一致すると、署名情報認証器2の操作が特定者により行なわれると判定し、判定演算回路8からは認定演算信号F6aが出力回路10に入力される。
認定演算信号F6aが入力される出力回路10からは、署名情報として印鑑情報を選択してPC1のディスプレイ表示画像20の作像を行なう設定制御信号F7aが出力され、USB1aを介してPC1に入力される。この場合、PC1のディスプレイには、図2に示すように、業務処理を行なう電子文書として、契約をタイトル22として、この契約の内容を示す契約情報21がすでに画像表示されている。
【0033】
本実施の形態において、印鑑情報を使用する場合には、出力回路10からの設定制御信号F7aによって、図2に示すように、契約というタイトル22と契約情報21間において、タイトル22の右下の特定者により選択される所望位置に、署名情報15が新に画像形成される。この署名情報15は、特定者印鑑情報16、設定認証時を示す「2006年2月25日12時34分45秒」という日時・時刻情報17及び使用された署名情報認証器2に対応して予め選択設定される「3A6182」という対応判別記号23で構成される。この署名情報15は、EEPROM7に履歴データとして格納され、また、後日の参照のためにPC1に転送格納される。
【0034】
一方、特定者が署名情報として、印鑑情報でなくサイン情報を選択する場合には、署名情報認証器2にサインペンユニット3のカバー13を嵌合装着する。この装着により切換スイッチ14が切換端子b側に切換えられ、EEPROM7の制御端子の信号論理値と判定演算回路8の第3の入力端子の信号の論理値が“0”になる。
この場合も、特定者が、切換スイッチ24を設定認定側に操作し、切換スイッチ24が切換端子a側に切換えられた状態で、予め指紋登録を行なった指18を指紋センサ6に対接すると指紋センサ6から出力される指紋パターン検出信号F5は、切換スイッチ24の切換端子aを介して判定演算回路8に入力される。
そして、設定指令信号F3rが入力され、制御端子の信号の論理値が“0”となるEEPROM7からは、予め登録されている特定者の指紋パターンデータ、PC1に対応するOSデータ、日時・時刻データ、及び対応判別記号データが読み出され、これらのデータに基づく画像表示の制御を行なう表示制御信号F4bが出力され判定演算回路8に入力される。
【0035】
そして、サイン情報の選択を示す論理値が“0”の選択信号F2が入力される判定演算回路8では、指紋センサ6からの指紋パターン検出信号F5に基づく指紋パターンと、EEPROM7から読み出される表示制御信号F4b中の指紋パターンとが比較判定され、指紋センサ6が検出した指紋パターンとEEPROM7から読み出された指紋パターンとが一致すると、署名情報認証器2の操作が特定者により行なわれると判定し、判定演算回路8からは認定演算信号F6bが出力回路10に入力される。
認定演算信号F6bが入力される出力回路10からは、署名情報としてサイン情報を選択してPC1のディスプレイ表示画像20の作像を行なう設定制御信号F7bが出力され、USB1aを介してPC1に入力されると共に、サインペン信号F10が電子サインペン12に入力される。この場合、PC1のディスプレイには、署名情報として印鑑情報を使用する場合と同様に、業務処理を行なう電子文書として、契約をタイトル22として、この契約の内容を示す契約情報21がすでに画像表示されている。
【0036】
本実施の形態において電子サインペン12を使用する場合には、図2を流用して説明すると、出力回路10からの設定制御信号F7bによって、契約というタイトル22と契約情報21間で、すでに説明した印鑑情報が使用される場合に特定者印鑑情報16が表示される所定領域において、特定者は、特定者印鑑情報16に代えて、電子サインペン12を使用して所望位置にサインをすることが可能になる。そして、特定者のサインの下方に、出力回路10からの設定制御信号F7bによって、設定認証時の日時・時刻情報17及び使用された情報情報認証器2に対応して予め選択設定されている対応判別記号23が表示される。
【0037】
本実施の形態では、署名情報として特定者の印鑑情報を選択した場合、或いは署名情報として特定者のサインを選択した場合の何れでも、署名情報認証器2及びサインペンユニット3の操作者が、予め指紋パターンが登録された特定者であるか否かの判定が行なわれるので、特定者以外による署名情報認証器2やサインペンユニット3の使用はできず、特定者以外による署名情報の設定認証は不可能で、不正な設定認証の防止が可能になる。
さらに、署名情報に設定認証時の日時・時刻情報17及び使用された情報情報認証器2に対応して予め選択設定される署名情報認証器2の対応判別記号23が表示される。このために、設定認証日の何時何分何秒に印鑑なりサインによって設定認証を行なったという事実が記録確認され、対応する日時・時刻に存在する唯一の設定認証が行なわれた電子文書が特定されることになり、ネットワークの外部の第三者、或いは内部の取扱者による署名・捺印情報部分の偽造を完全に防ぎ、業務処理の安全性を確保することが可能になる。
【0038】
また、署名情報認証器2の対応判別記号23の表示によって、特定者が指紋パターンを登録した自らの署名情報認証器2を使用して設定認証を行なった事実が記録確認されるので、特定者が後で設定認証の事実を否定する所謂なりすましによる電子商取引の不正をも完全に防止することが可能になる。
なお、本実施の形態において、特定者のサイン情報をも印鑑情報と同様に予めEEPROM7に記録格納しておき、必要に応じてディスプレイ表示画像のサイン情報を格納情報と比較判定できるようにすることも可能である。
【0039】
以上に説明したように、本実施の形態によると、指紋パターンによる特定者の確認で作動し、小型携帯化された署名情報認証器2とサインペンユニット3の嵌合着脱操作で、簡単に印鑑情報とサイン情報を選択することにより、ネットワークに接続されるPC1の表示電子文書に、印鑑情報或いはサイン情報の何れかを署名情報として設定認証することが可能で、電子文書業務に責任を持つ特定者の電子文書への署名情報の設定認証を、ネットワークルートの内部取扱者や外部の第三者による偽造から完全に防止することが可能になり、さらに、設定認証の事実を後で特定者が否定する不正商取引をも不可能にして、完全なセキュリティ条件下で電子文書業務を行なうことが可能になる。
【0040】
なお、以上に説明した実施の形態では、特定者の指紋パターン情報を確認情報とする場合について説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、特定者の掌の静脈パターン情報や虹彩パターン情報を確認情報とすることも可能である。また、特定者が予め複数の指に対して指紋登録を行い、登録された複数の指のどの指で印鑑情報による設定認証を行なうかによって、設定認証に係る電子文書(例えば契約書)の実質的な処理を他の数名の処理担当者の一人を選択して委任することを、設定認証により表明することも可能である。
また、以上の実施の形態では、署名情報認証器をネットワークに接続されるPCに対して使用する場合を説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、署名情報認証器を現金自動預け払い機に使用することも可能である。この場合も、確認情報によって予め登録した本人のみが現金自動預け払い機の使用が可能で、署名情報認証器2に格納される現金自動預け払い機の使用時の印鑑情報、日時・時刻情報及び署名情報認証器の対応判別記号と、銀行側に格納されている対応情報との比較により、完全なセキュリティ条件下で安全に現金自動預け払い機を使用することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】 本発明の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】 同実施の形態において、PCのディスプレイに表示される表示画像を示す説明図である。
【図3】 同実施の形態の要部の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0042】
1 PC
1a USB
2 署名情報認証器
3 サインペンユニット
5 指令信号入力回路
6 指紋センサ
7 EEPROM
8 判定演算回路
10 出力回路
11 バツテリー
12 電子サインペン
13 カバー
14 切換スイッチ
15 署名情報
16 特定者印鑑情報
17 日時・時刻情報
18 指
20 ディスプレイ表示画像
21 契約情報
22 タイトル
23 対応判別記号
24 切換スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続される電子情報処理装置の表示情報に基づき、前記ネットワークを介して電子文書による業務処理を行なう際に、前記表示情報に特定者の署名情報を設定認証することにより、前記表示情報を認証表示情報に変換する署名情報認証器であり、
前記特定者を確認する確認情報、前記設定認証時の日時・時刻情報、及び前記電子情報処装置に対応する制御情報が格納される格納手段と、
前記確認情報に基づき、前記特定者が前記署名情報認証器の操作者であることを判定する判定手段と、
該判定手段が前記署名情報認証器の操作を前記特定者が行なうと判定すると、前記制御情報に基づき、前記表示情報に前記署名情報及び前記日時・時刻情報の追加設定を行なって前記署名情報設定の認証を行なう認証実行手段と
を有することを特徴とする署名情報認証器。
【請求項2】
請求項1記載の署名情報認証器において、署名情報が特定者の印鑑情報であることを特徴とする署名情報認証器。
【請求項3】
請求項1記載の署名情報認証器において、署名情報が特定者のサイン情報であることを特徴とする署名認証器。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3の何れかに記載の署名情報認証器に対して、
署名情報認証器に対応して予め設定される対応判別記号を、前記表示情報に追加設定する判別記号設定手段がさらに設けられていることを特徴とする署名情報認証器。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4の何れかに記載の署名情報認証器において、
電子情報処理装置が電子計算機であることを特徴とする署名情報認証器。
【請求項6】
請求項1ないし請求項4の何れかに記載の署名情報認証器において、
電子情報処理装置が現金自動預け払い機であることを特徴とする署名情報認証器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−295498(P2007−295498A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−143338(P2006−143338)
【出願日】平成18年4月24日(2006.4.24)
【出願人】(594025449)レスコ株式会社 (5)
【Fターム(参考)】