説明

美容組成物中の皮膚テンション剤としての特定のコポリマーの美容使用

本発明は、美容組成物中の皮膚テンション剤として、スチレンから誘導される単位およびエチル(メタ)アクリレートから誘導される単位を含み、スチレンから誘導される単位とエチル(メタ)アクリレートから誘導される単位の間の重量比が1以上であるコポリマーの美容使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スチレンから誘導される単位およびエチル(メタ)アクリレートから誘導される単位を含むコポリマーの、美容組成物中の皮膚テンションニング剤としての美容使用に関する。
【0002】
本発明はまた、しわが寄った皮膚のしわを消すための美容方法であって、生理的に許容される媒体中に、上記のように、スチレンから誘導される単位およびエチル(メタ)アクリレートから誘導される単位を含む少なくとも1種のコポリマーを含む組成物を前記の皮膚に適用することからなる方法に関する。
【0003】
したがって、本発明の全般的な分野は、皮膚の老化である。
【0004】
皮膚が老化する過程で、特に皮膚の構造および機能の変化によって反映される、様々な徴候が現れる。これらの主な徴候の1つは、小じわおよび深いしわであり、そのサイズおよび数は加齢に伴い増加する。この皮膚の微小起伏は、均一性が低下してきて、異方性を有する。
【背景技術】
【0005】
これらの老化の徴候を、老化を抑制することが可能な活性薬、例えば、α-ヒドロキシ酸、β-ヒドロキシ酸およびレチノイドを含む美容組成物で処理することが、一般的な慣行である。これらの活性薬は、特に、皮膚から死んだ細胞を除去し、細胞再生の過程を促進することによってしわに作用する。しかし、これらの活性薬は、ある時間、すなわち数日から数週であり得る時間適用して初めてしわを処理するのに有効である、という欠点を有する。
【0006】
今回、現在のニーズは、速やかにしわおよび/または小じわを伸ばして、たとえ一時的であっても疲労マークを消滅させる、即効を得るための組成物の製造にますます向かう傾向にある。このような組成物は、テンションニング剤を含む組成物である。
【0007】
これらのテンションニング剤は、特に、表皮の体表面角質層に対応する、角質層(stratum corneum)を収縮させる被膜を形成することが可能な、水性分散体の天然または合成起源のポリマーであることができる。
【0008】
このようにして、即効をもたらすことが可能なテンションニング剤として、文献WO 98/29092[1]およびEP 1038519[2]は、少なくとも1つの合成ポリマーを含むポリマー系の水性分散体が記載されている。言及された合成ポリマーは、例えば、アニオン性、カチオン性、非イオン性または両性ポリウレタン、ポリウレタン-アクリル、ポリウレタン-ポリビニルピロリドン、ポリエステル-ポリウレタン、ポリエーテル-ポリウレタンおよびポリ尿素、およびこれらの混合物などの重縮合物型のラテックスまたは擬ラテックスの形態をしている。シロキサン部分および非シリコーン有機鎖からなる部分を含み、2つの部分のうちの1つが、ポリマーの主鎖を構成し、他方が前記主鎖上にグラフト化されている、グラフト化シリコーンポリマーのラテックッスも記載されている。このようなグラフト化シリコーンポリマー(CTFA命名法によりポリシリコーン-8として知られている)は、特に、商標名VS 80として3M社によって販売されている。
【0009】
文献FR 2828810[3]には、テンションニング剤として、場合により植物抽出物の形態の多糖類からなる天然起源のポリマーを含む、テンションニング効果を有する組成物、特に、藻類抽出物およびポリヒドロキシ化保湿剤が記載されている。
【0010】
文献FR 2822676[4]には、被膜形成剤として、モノマー単位が、アクリル酸、メタクリル酸および好ましくは30個までの炭素原子を含むアルキル(メタ)アクリレートから選択される、少なくとも1種のアクリルコポリマーを含む、皮膚を滑らかにする被膜形成性美容組成物が記載されている。
【0011】
従来技術のしわ防止用組成物、特に上記のものは、皮膚にこれらの組成物を適用した後、見栄えがしないラッカー被膜の外観を生じることが多いという特定の特徴を有する。
【特許文献1】WO 98/29092
【特許文献2】EP 1038519
【特許文献3】FR 2828810
【特許文献4】FR 2822676
【非特許文献1】「New Method of Polymer Synthesis」、Blackie Academic & Professional、London、1995、2巻、1頁、
【非特許文献2】C.J.Hawkerによる、Trends Polym. Sci. 4、183頁(1996)
【非特許文献3】Matyjasezwskiらの、JACS、117、5614頁(1995)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、美容組成物中に混合する場合、得られる組成物が、有効な、機械的に皮膚を滑らかにする特性を有し、皮膚上のラッカー被膜の外観を防止するような役割を果たすテンションニング剤が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
驚くべきことには、本発明者らは、特定のコポリマーをしわ防止用組成物中に取り込むことによって、得られる組成物は上記段落に規定された期待される特性を有することを見出した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
したがって、第1の主題によれば、本発明は、美容組成物中の皮膚テンションニング剤として、スチレンから誘導される単位およびエチル(メタ)アクリレートから誘導される単位を含み、スチレンから誘導される単位とエチル(メタ)アクリレートから誘導される単位の間の重量比が1以上であるコポリマーの美容使用に関する。
【0015】
本発明によれば、「スチレンから誘導される単位」という用語は、重合によってスチレンモノマーから直接得られる単位、すなわち、以下の式、
【0016】
【化1】

【0017】
を有する単位を意味することが指摘される。
【0018】
本発明によれば、「エチル(メタ)アクリレートから誘導される単位」という用語は、エチルアクリレートモノマーから直接得られる単位であって、この単位は、以下の式、
【0019】
【化2】

【0020】
に対応する単位、またはエチルメタクリレートモノマーから直接得られる単位であって、この単位は、以下の式、
【0021】
【化3】

【0022】
に対応する単位を意味することが指摘される。
【0023】
本文の上記および下記において、「テンションニング剤」という用語は、テンションニング効果を有することが可能な化合物、すなわち、皮膚を引き締めることが可能で、このテンションニング効果によって皮膚を滑らかにし、しわおよび小じわを直ちに軽減させるか、消失させることさえ可能な化合物を意味するということが指摘される。
【0024】
非常に有効なテンションニング効果を有することに加えて、本発明のコポリマーは、光沢性のラッカー被膜の外観などの、いかなる見栄えがしない影響も引き起こさないという特定の特徴を有する。これらはまた、皮膚の微小起伏の眼につき易さを軽減して、それによって皮膚に「ソフトフォーカス」効果を生じさせることを可能にする。
【0025】
スチレンからおよびエチル(メタ)アクリレートから誘導される単位のほかに、上記で定義されたコポリマーは、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレートおよび2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートから選択されるモノマーから誘導される単位を含んでもよい。
【0026】
本発明により使用されるコポリマーは、ランダムコポリマー、すなわち、スチレンから誘導されるおよびエチル(メタ)アクリレートから誘導される単位ならびに場合により他の単位のランダム分布を含むコポリマーであってよい。より具体的には、これは、この鎖中の任意の所与の部位で、所与のモノマー単位(スチレン、エチル(メタ)アクリレートおよび場合により他の単位)を見出す確率は、隣接する単位とは無関係であることを意味する。
【0027】
本発明により使用されるコポリマーは、ランダムコポリマーであってよい。
【0028】
最後に、本発明により使用されるコポリマーはまた、ブロックコポリマーであってもよく、これは、本発明の好ましい代替物を構成する。
【0029】
有利には、本発明により使用されるブロックコポリマーは、A-[B-A]nまたはB-[A-B]nまたは[A-B]n型(但し、Aは、スチレンから誘導される単位を少なくとも50重量%含むブロックであり、Bは、エチル(メタ)アクリレートから誘導される単位を少なくとも50重量%含むブロックであり、nは1以上の数である)のブロックを含む線状コポリマーである。
【0030】
このブロックAおよびBは、一緒になって直線的に結合する。n=1の場合、このコポリマーは、トリブロックコポリマーA-B-AまたはB-A-B、あるいはジブロックコポリマーA-Bである。n=2の場合、このコポリマーは、コポリマーA-B-A-B-A、またはB-A-B-A-BまたはA-B-A-Bである。n=3の場合、ブロックAまたはブロックBがコアを構成する、スターまたはテレケリックコポリマーではない。好ましくはn=1であり、より好ましくは、このコポリマーはトリブロックコポリマーA-B-Aである。このコポリマーは、高分子鎖の末端に重合性官能基もしくは基、またはこのような官能基もしくは基の残基を含み得ることに留意されたい。これらは、例えば、移動基または移動基の残基(例えば、式-S-CS-の基、またはこの基の残基を含む)であり得る。
【0031】
上記の特定の実施形態によれば、ブロックAは、ブロックAの総重量に対してスチレンから誘導される単位を少なくとも50重量%含む。このブロックAは、このコポリマーの特性を改変するかまたはその製造を容易にすることを意図したものであり得る、スチレンから誘導されるもの以外の単位を含む。したがって、ブロックAは、スチレンから誘導される単位および他の単位を含むランダムコポリマーであり得る。したがって、ブロックAの水中または他の媒体中の溶解度を改変し得て、またはそのガラス転位温度、それによってその剛性を改変し得る。ブロックAの他の単位は、アクリル酸、メタクリル酸、メチル、ブチル、エチルヘキシルもしくは2-ヒドロキシエチルアクリレート、またはメチル、ブチル、エチルヘキシルもしくは2-ヒドロキシエチルメタクリレートから選択されるモノマーから誘導される単位とし得る。少量のメタクリル酸が存在すると、特にこのコポリマーの製造を容易にし得て、このブロックAは、ブロックAの総重量に対して、これを例えば0.1重量%〜5重量%未満含んでもよい。このブロックAは、ブロックAの総重量に対して、スチレンから誘導される単位を好ましくは少なくとも75重量%、好ましくは少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%含む。
【0032】
この場合、したがって、スチレン以外のモノマーから誘導される、その他の任意選択の単位(複数可)は、ブロックAの総重量に対して、好ましくは25重量%以下、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下、さらにより優先的には約2重量%である。
【0033】
上記で定義されたブロックBは、エチルアクリレートからまたはエチルメタクリレートから誘導される単位を少なくとも50重量%含む。このブロックBは、このコポリマー特性を改変すること、またはその製造を容易にすることを意図した、エチルアクリレートからまたはエチルメタクリレートから誘導されるもの以外の単位を含んでもよい。したがって、このブロックBは、エチルアクリレートからまたはエチルメタクリレートおよび他の単位から誘導される単位を含むランダムコポリマーであってもよい。したがって、このブロックBの水中または他の媒体中の溶解度を改変し得て、またはそのガラス転位温度を、およびそれによってその剛性を改変し得る。このブロックBの他の単位は、アクリル酸、メタクリル酸、メチル、ブチル、エチルヘキシルまたは2-ヒドロキシエチルアクリレート、およびメチル、ブチル、エチルヘキシルまたは2-ヒドロキシエチルメタクリレートから選択されるモノマーから誘導される単位であってもよい。この少量のメタクリル酸の存在は、特にこのコポリマーの製造を容易にし得る。このブロックBは、例えば、ブロックBの総重量に対して、これを0.1重量%〜5重量%未満を含んでもよい。あるいは、このブロックBは、メタクリル酸ベースの単位を含まなくてもよい。このブロックBは、ブロックBの総重量に対して、エチルアクリレートまたはエチルメタクリレートから誘導される単位を好ましくは少なくとも75重量%、好ましくは少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%含む。したがって、この場合、エチル(メタ)アクリレート以外のモノマーから誘導される、他の任意選択の単位(複数可)は、ブロックBの総重量に対して、好ましくは25重量%以下、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下である。
【0034】
この比率は、このコポリマーを製造するために導入されたモノマーの間の比率を計算することによって、またはこのブロックの平均モル質量の間の比を計算することによって決定してもよい。好ましくは、このブロックの平均モル質量の間の比は、1以上、好ましくは1.5以上、好ましくは2.01以上、好ましくは2.5以上、好ましくは5以上である。
【0035】
上記の平均モル質量は、このブロックの理論または「目標」平均モル質量であることが指摘される。
【0036】
ブロックの理論平均モル質量、Mblockは、典型的には、以下の式、
【0037】
【数1】

【0038】
[式中、Miはモノマーiのモル質量であり、niはモノマーiのモル数であり、nprecursorは、このブロックの高分子鎖が結合される官能基のモル数である]に従って計算される。この官能基は、移動剤(もしくは移動基)または開始剤、先行するブロック等から誘導し得る。これが先行するブロックである場合、このモル数は、前記先行するブロックの高分子鎖が結合されてきた化合物、例えば、移動剤(もしくは移動基)または開始剤のモル数とみなしてもよい。実際には、この理論平均モル質量は、導入されたモノマーのモル数から、および導入された前駆体のモル数から計算される。
【0039】
第1のブロックに対して、またはコポリマーに対して測定されたこの平均モル質量は、ポリスチレン標準物を用いて較正して、THF中で立体排除クロマトグラフィー(SEC)によって測定した、ブロックまたはコポリマーのポリスチレン当量としての数平均モル質量を表す。nブロックを含むコポリマー中のn番目のブロックの測定された平均モル質量は、このコポリマーの測定された平均モル質量と、それから調製される(n-1)ブロックを含むコポリマーの測定された平均モル質量の間の差と定義される。
【0040】
本発明によれば、各ブロックの数平均モル質量は、それがスチレン単位のブロックであろうとエチルアクリレート単位のブロックであろうと、1000g/モルから200000g/モルの間、好ましくは5000g/モルから100000g/モルの間である。
【0041】
特に有利であるブロックコポリマーは、
30000g/モルの数平均モル質量を有する、スチレンから誘導される単位を含む第1のブロック、
10000g/モルの数平均モル質量を有する、エチルアクリレートから誘導される単位からなる第2のブロック、
30000g/モルの数平均モル質量を有する、スチレンから誘導される単位を含む第3のブロック
を含むトリブロックコポリマーである。
【0042】
上に示した定義に対応するコポリマーは、第1のブロックおよび/または第3のブロック、好ましくは第1のブロックおよび第3のブロックは、スチレンから誘導される単位のほかに、メタクリル酸から誘導される単位を、例えば、98/2のスチレン/メタクリル酸質量比で含むコポリマーであってもよい。
【0043】
また特に有利なコポリマーは、
32500g/モルの数平均モル質量を有する、スチレンから誘導される単位を含む第1のブロック、
5000g/モルの数平均モル質量を有する、エチルアクリレートから誘導される単位を含む第2のブロック、
32500g/モルの数平均モル質量を有する、スチレンから誘導される単位を含む第3のブロック
を含むトリブロックコポリマーである。
【0044】
また特に有利である他のコポリマーは、
25000g/モルの数平均モル質量を有する、スチレンから誘導される単位を含む第1のブロック、
20000g/モルの数平均モル質量を有する、エチルアクリレートから誘導される単位を含む第2のブロック、
25000g/モルの数平均モル質量を有する、スチレンから誘導される単位を含む第3のブロック
を含むトリブロックコポリマーである。
【0045】
これらのトリブロックコポリマーは、水中のエマルジョンの形態であり得る。
【0046】
本発明により使用されるブロックコポリマーは、制御または非制御ラジカル重合、開環(特にアニオンまたはカチオン)重合、アニオンまたはカチオン重合によってであろうと、あるいはポリマーの化学的修飾を介してであろうと、任意の既知の方法を介して得ることが可能である。
【0047】
リビング重合または制御ラジカル重合法、特に好ましくは、式-S-CS-の基を含む移動剤を用いる制御またはリビングラジカル重合法(特にRAFTおよびMADIXの名称で知られている)が好ましくは使用される。
【0048】
例えば、アニオン重合および制御ラジカル重合を挙げることができ("New Method of Polymer Synthesis"、Blackie Academic & Professional、London、1995、2巻、1頁、またはC.J.Hawkerによる、Trends Polym. Sci. 4、183頁(1996)参照)、これらは、種々の方法、例えば原子移動ラジカル重合(またはATRP)(Matyjasezwskiらの、JACS、117、5614頁(1995)参照)に従って実施し得る。
【0049】
上記の方法を用いて、モノマーまたはモノマー混合物、開始剤および/または重合制御剤(-S-CS-基を含む移動剤等)で出発して第1のブロックを調製し、続いて、場合により開始剤および/または重合制御剤を添加して、第1のブロックに接して第2のブロックを成長させて、先行するブロックの調製に使用したものと異なるモノマーを有するジブロックコポリマーを得て、続いて、このジブロックコポリマーで出発して第3のブロックを成長させて、トリブロックコポリマーを得ること等が可能である。ブロックコポリマーを調製するためのこれらの方法は、当業者には知られている。このコポリマーは、その鎖の末端に移動基または移動基の残基、例えば、-S-CS-を含む基(例えば、キサンテートからまたはジチオエステルから誘導される)、あるいはこのような基の残基を有し得ることが言及される。
【0050】
3つの継続的重合ブロックを用いる方法を経て得られるトリブロックコポリマーは、ブロックA-B-Cを含むコポリマーと言われることが多いことが言及される。第3のブロックCの組成およびモル質量が、第1のブロックAの組成およびモル質量と実質的に同じである((コ)モノマーの量および割合が実質的に同じである)の場合は、このトリブロックコポリマーは、A-B-A'、あるいは拡大解釈してまたは単純化して、トリブロックコポリマーA-B-Aと表してもよい。
【0051】
したがって、例えば、本発明によるトリブロックコポリマーA-B-Aは、以下のステップ
ステップa)
スチレン、
フリーラジカル源、および
少なくとも1種の制御剤、好ましくは-S-CS-基を含む試薬、例えば、キサンテートまたはジチオエステル
を含む組成物を重合、好ましくは制御ラジカル重合によるブロックAの調製、
ステップb)
エチルアクリレートまたはエチルメタクリレート、および
場合により、フリーラジカル源
を含む組成物を重合、好ましくは制御ラジカル重合によって、ブロックAに接してブロックBを成長させることによるジブロックコポリマーA-Bの製造、
ステップc)
エチルアクリレートまたはエチルメタクリレート、および
場合により、フリーラジカル源
を含む組成物を、重合、好ましくは制御ラジカル重合によって、ジブロックA-Bに接してブロックAを成長させることによる、トリブロックコポリマーA-B-Aの製造、
ステップd)、場合によりこの制御剤の基の破壊または失活
を含む方法を介して調製し得る。
【0052】
他の実施形態によれば、トリブロックコポリマーA-B-Aは、2つの移動基を含む試薬またはその基の両端において移動を可能にする1つの移動基を含む試薬、例えば、式-S-CS-S-の基を含むトリチオカーボネートを用いて、2つの重合ブロックとして調製される。このような方法では、ブロックAは、全体に同じであり、ブロックBは、一般に、ブロックBの繰返し単位とは異なる中央の基を含む。ブロックB中の中央の基(例えば、以下に、-X-、-X-Z'-X-またはR'と称される)の存在に言及することは、簡単にするために省略されることが多い。
【0053】
したがって、トリブロックコポリマーA-B-Aは、以下の方法
ステップa')
スチレン、
フリーラジカル源、および
式R-X-R[式中、Rは、同じか異なっていてもよく、有機基であり、Xは移動基である]の少なくとも1種の制御剤
を含む組成物の重合を介する式R-A-X-A-Rのポリマーの調製であって、この試薬は、好ましくは式-S-CS-S-の基-X-、および好ましくは、ベンジル基などの2つの同じ基Rを含むトリチオカーボネートである(したがって、この試薬は、例えば、ジベンジルトリチオカーボネートである)調製、
ステップb')
エチルアクリレートまたはエチルメタクリレート、および
場合により、フリーラジカル源
を含む組成物の重合、好ましくは制御ラジカル重合によって、ブロックAに接してブロックBを成長させることを介する、トリブロックコポリマー、R-A-B-X-B-A-R(またはより簡単にA-B-A)の製造
を介して調製し得る。
【0054】
トリブロックコポリマー、A-B-Aはまた、以下の方法
ステップa")
スチレン
フリーラジカル源、および
式R-X-Z'-X-R[式中、Rは、同じか異なっていてもよく、有機基であり、Z'は二価の有機基であり、Xは移動基、好ましくは基-S-CS-を含む移動基である]の少なくとも1種の制御剤
を含む組成物の重合を介する式R-A-X-Z'-X-A-Rのポリマーの調製であって、前記試薬は、例えば、
2つのキサンテート基を含む試薬であり、但し、-X-は式-S-CS-の基であり、-Z'-と共に式-S-CS-O-の基(キサンテート)を形成しており、Z'は、例えば、式-O-CH2-CH2-O-の基であり、Rは、例えば、ベンジル基または式H3C-OOC-CH(CH3)-の基であり、あるいは
2つのジチオエステル基を含む試薬であり、但し、-X-は式-S-CS-の基であり、-Z'-と共に式-S-CS-C-の基(ジチオエステル)を形成しており、Z'は、例えば、フェニルもしくはベンジル基、または式-CH2-C6H5-CH2-の基であり、Rは、例えばベンジル基である調製、
ステップb")
エチルアクリレートまたはエチルメタクリレート、および
場合によりフリーラジカル源
を含む組成物の重合、好ましくは制御ラジカル重合によって、ブロックAに接してブロックBを成長させることを介するトリブロックコポリマーR-A-B-X-Z'-X-B-A-R(またはより簡単にA-B-A)の製造
を介して調製し得る。
【0055】
トリブロックコポリマー、A-B-Aはまた、以下の方法、
ステップa'")
エチルアクリレートまたはエチルメタクリレート、および
フリーラジカル源、および
式Z-X-R'-X-Z[式中、Zは、同じか異なっていてもよく、有機基であり、R'は二価の有機基であり、Xは、移動基、好ましくは基-S-CS-を含む移動基である]の少なくとも1種の制御剤
を含む組成物の重合を介する式Z-X-B-R'-B-X-Zのポリマーの調製であって、前記試薬が、例えば、
2つのキサンテート基を含む試薬であり、但し、-X-は式-S-CS-の基であり、Z-と共に式-O-CS-S-の基(キサンテート)を形成しており、Z-は、例えばエトキシ基であり、-R'-は、例えば、フェニルもしくはベンジル基、または式-CH2-C6H5-CH2-の基であり、
2つのジチオエステル基を含む試薬であり、但し、-X-は式-S-CS-の基であり、Z-と共に式C-CS-S-の基(ジチオエステル)を形成しており、Z-は、例えば、フェニルまたはベンジル基であり、-R'-は、例えば、フェニルもしくはベンジル基、または式-CH2-C6H5-CH2-
の基である調製、
ステップb''')
スチレン、および
場合によりフリーラジカル源
を含む組成物の重合、好ましくは制御ラジカル重合によって、ブロックBに接してブロックAを成長させることを介する、トリブロックコポリマーZ-X-A-B-R'-B-A-X-Z(またはより簡単にA-B-A)の製造、
ステップd'''):場合により、この制御剤の基の破壊または失活
を介して調製し得る。
【0056】
この重合は、任意の適当な物理的な形態、例えば溶媒中の溶液で、水中のエマルジョンで(「ラテックス」法)で、またはバルクで、一方で、適切な場合は、この化学種を液体におよび/または可溶性または不溶性にするために、その温度および/またはpHを制御しながら実施し得る。
【0057】
本発明により使用されるこのコポリマーは、これらが、ランダム、統計またはブロックコポリマーのいずれであるかに関わらず、非エラストマーコポリマーであることが有利である。
【0058】
「非エラストマーコポリマー」という用語は、一般に、それを引き伸ばそうとする拘束を受けた場合(例えば、その初期長さに対して30%だけ)、拘束がなくなった場合に、初期長さと実質的に同じ長さに戻らないコポリマーを意味する。
【0059】
より具体的には、「非エラストマーコポリマー」という用語は、30%の伸びを受けていた後に、瞬時回収率Ri<50%および遅延回収率R2h<70%を有するコポリマーを表す。好ましくは、Ri<30%であり、R2h<50%である。より具体的には、このコポリマーの非エラストマーの性質は、以下のプロトコルに従って測定される。
【0060】
このコポリマーの溶液をTeflonコートした金型に注ぎ、続いて23±5℃および50±10%の相対湿度に調節した環境中で7日間乾燥させることによって、コポリマー被膜を調製する。
【0061】
このようにして、厚さ約100μmの被膜が得られ、これから幅15mmおよび長さ80mmの矩形の試験片を切断する(例えばパンチを用いて)。
【0062】
試験片の形の試料を、乾燥に対するのと同じ温度および湿度条件下で、参照記号Zwickとして販売されている機械を用いて引張応力をかける。
【0063】
この試験片を50mm/分の速度で引っ張り、このジョー(複数)の間の距離は50mmであり、これは試験片の初期長さ(l0)に対応する。
【0064】
瞬時回収率Riは、以下の方法で測定する。
この試験片を30%(εmax)、すなわちその初期長さ(l0)の約0.3倍だけ引っ張り、
引張り速度に等しい戻り速度、すなわち50mm/分を適用することによって、この拘束を開放し、ゼロ拘束に戻った後、この試験片の残留する伸びをパーセントで測定する(εi)。
【0065】
瞬時回収率Ri(単位%)を以下の式で決定する。
Ri=((εmax1max)*100
【0066】
遅延回収率を測定するために、ゼロ拘束に戻った2時間後、この試験片の残留する伸び(ε2h)のパーセントを測定する。
【0067】
遅延回収率R2h(単位%)は、以下の式で示される。
R2h=((εmax2h)/εmax)*100
【0068】
指針としては、本発明の一実施形態によるコポリマーは、10%の瞬時回収率Riおよび30%の遅延回収率R2hを有する。
【0069】
本出願人はまた、これらが皮膚を引き締めるのに十分硬いためには、本発明に関連して使用されるこのコポリマーは、これらがランダム、統計またはブロックコポリマーのいずれであるかに関わらず、1を超える、好ましくは1.5以上、好ましくは2を超える(特に2.01以上)、好ましくは5以上の、スチレンから誘導される単位とエチル(メタ)アクリレートから誘導される単位の間の重量比を有するべきであることを実証してきた。この比は20を超えてもよい。
【0070】
この全体的なコポリマーの数平均モル質量は、ほぼ10000g/モルを超え、好ましくは50000g/モルを超える。このモル質量は、好ましくは600000g/モルを超えない。
【0071】
この全体的なコポリマーの質量平均モル質量は、ほぼ20000g/モルを超える。これは100000g/モルを超えてもよいが、好ましくは1000000g/モル未満である。
【0072】
本発明によれば、上記のコポリマーは、しわ防止美容組成物中に使用される。
【0073】
本発明に関連して使用されるコポリマーは、有利には、これらを含むしわ防止用組成物中に、0.1重量%〜20重量%、好ましくは0.5重量%〜10重量%の範囲の活性物質量で含まれる。
【0074】
「活性物質」という用語は、重合法から得られる、溶媒なしのおよび懸濁液媒体を含まないコポリマーを意味する。
【0075】
前記美容組成物は、上記コポリマー(複数可)のほかに、顔の皮膚への局所適用に一般に適した生理的に許容される媒体、すなわち、皮膚および場合により睫毛および眉毛と適合性がある媒体を含むものと解される。
【0076】
前記生理的に許容される媒体は、通常美容上許容され、すなわち、快適な匂い、色および感触を有し、美容使用と適合性があり、ユーザを嫌がらせかねないいかなる許容できない不快感(刺すような痛み、突っ張り感または発赤)も生じさせない。
【0077】
前記生理的に許容される媒体は、通常水相を含む。
【0078】
本発明の特定のコポリマーが取り込まれる組成物は、通常局所適用に使用される任意の生薬の形態、特に、美容液の形態(すなわち粘稠な水性溶液)あるいはエマルジョンの形態、特に水中油型(O/W)、油中水型(W/O)または多重(W/O/Wまたはポリオール/O/WまたはO/W/O)エマルジョンであり得る。
【0079】
この組成物がエマルジョンを形成する場合は、脂肪相を含む。
【0080】
この組成物の脂肪相は、特に、室温(一般に25℃)で液体である脂肪物質および/または室温で固体である脂肪物質、例えば、ワックス、ペースト状脂肪物質およびガム、ならびにこれらの混合物からなり得る。これらの脂肪物質は、動物、植物、鉱物または合成起源であってもよい。
【0081】
室温で液体であり、「油」と称されることが多い、本発明により使用することが可能な脂肪物質として、ペルヒドロスクアレンなどの動物起源の炭化水素系油;4〜10個の炭素原子の脂肪酸の液体トリグリセリド、例えば、ヘプタン酸もしくはオクタン酸トリグリセリド、またはヒマワリ油、トウモロコシ油、大豆油、グレープシード油、ゴマ種子油、アンズ油、マカダミア油、ヒマシ油、アボカド油、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ホホバ油またはシアバターなどの炭化水素系植物油;鉱物または合成起源の直鎖もしくは分枝の炭化水素、例えば、イソドデカン、流動パラフィンおよびこれらの誘導体、ワセリン、ポリデセン、およびパールリームなどの水素化ポリイソブテン;特に脂肪酸の合成エステルおよびエーテル、例えば、パーセリン油、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸2-オクチルドデシル、エルカ酸2-オクチルドデシルまたはイソステアリン酸イソステアリル;ヒドロキシ化エステル、例えば、乳酸イソステアリル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、ヒドロキシステアリン酸オクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、クエン酸トリイソセチルまたは脂肪アルキルヘプタノエート、オクタノエートおよびデカノエート;ポリオールエステル、例えば、ジオクタン酸プロピレングリコール、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコールまたはジイソノナン酸ジエチレングリコール;およびペンタエリスリトールエステル;12〜26個の炭素原子を含む脂肪アルコール、例えば、オクチルドデカノール、2-ブチルオクタノール、2-ヘキシルデカノール、2-ウンデシルペンタデカノールまたはオレイルアルコール;部分的な炭化水素系および/またはシリコーン系フルオロ油;シリコーン油、例えば、室温で液体またはペースト状の、揮発性または不揮発性、線状または環状ポリジメチルシロキサン(PDMSs)、例えば、シクロメチコン、ジメチコン、場合によりフェニル基を含む、例えば、フェニルトリメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルメチルジメチルトリシロキサン、ジフェニルジメチコン、フェニルジメチコンおよびポリメチルフェニルシロキサン;およびこれらの混合物を挙げることができる。
【0082】
これらの油は、組成物の総重量に対して、0.01重量%〜90重量%、さらに好ましくは0.1重量%〜85重量%の範囲の含有量で存在してもよい。
【0083】
本発明による組成物はまた、化粧品に一般的に使用されている成分、例えば、増粘剤;充填剤、例えば場合によりコートされた鉱物(例えば、酸化亜鉛、シリカ、アルミナ、窒化ホウ素、タルク、絹雲母または雲母);顔料および染料;金属イオン封鎖剤;香料;酸性化または塩基性化剤;防腐剤;界面活性剤、およびこれらの混合物を含んでもよい。
【0084】
この組成物はまた、補助剤、例えば、粘土、デンプンおよびこれらの誘導体、スチレン-アクリル酸コポリマーの水性分散体、メラミン-ホルムアルデヒドまたは尿素-ホルムアルデヒド樹脂の粒子、ポリテトラフルオロエチレンの水性分散体、ビニルピロリドン/1-トリアコンテンコポリマー、LCSTを有する単位を含む水分散性ポリマー、シリコーンワックスおよび樹脂、Expancel社によって販売されている、塩化ビニリデン、アクリロニトリルおよびメタクリレートのエキスパンデッドターポリマー微粒子、ナイロン粒子、セルロースマイクロビーズおよび繊維、特にナイロン繊維を含んでもよい。
【0085】
この組成物はまた、上で定義されたコポリマーに対する補完的効果を有する老化防止活性薬、例えば、角質溶解薬または落屑促進薬、例えば、α-ヒドロキシ酸、β-ヒドロキシ酸、α-ケト酸、β-ケト酸、レチノイドおよびこれらのエステル、特にパルミチン酸レチニルおよびこれらの誘導体、5-n-オクタノイルサリチル酸などのサリチル酸およびこれらの誘導体;ポリオールなどの保湿剤;コラーゲンおよび/またはエラスチン合成を刺激するかまたはこれらの分解を防止するための試薬; 脱色剤または漂白剤、例えば、コウジ酸、p-アミノフェノール誘導体、アルブチンおよびこれらの誘導体;抗グリケーション薬;グリコアミノグリシン合成を刺激するための薬剤;アデノシンおよびマグネシウム塩およびマンガン塩などの皮膚の脱収縮薬または筋弛緩薬;酸化防止剤およびフリーラジカル捕捉剤;ビタミン、例えば、ビタミンC、B3またはPP、B5およびE、およびこれらのビタミンの誘導体、特にこれらのエステル;ビタミンKおよびその誘導体(K1およびK2);セラミド;DHEAおよびその誘導体ならびにジオスゲニンおよびこれらを含む植物抽出物(特にヤマノイモ植物抽出物)などのその化学前駆体;コエンザイムQ10;およびこれらの混合物から選択される少なくとも1つの化合物を含んでもよい。
【0086】
言うまでもなく、当業者であれば、このまたはこれらの任意選択の追加の化合物(複数可)および/またはその量を、本発明による組成物に対応する有利な特性が、考慮する添加によって悪影響を受けないかまたは実質的に受けないように選択することに留意するであろう。
【0087】
当業者であれば、適当な提示形態およびまたその製造方法を、第1に、使用するその成分の性質、特に担体中のこれらの溶解度、および第2に、この組成物の意図した用途を考慮に入れて、自身の一般知識を基にして選択することが可能である。
【0088】
本発明の他の主題は、眼の輪郭などのしわが寄った皮膚のしわを消す美容方法であって、生理的に許容される媒体中に、上記で定義された少なくとも1種のコポリマーを含む組成物を、前記皮膚に適用する段階からなるステップを含む方法である。
【0089】
この適用は、通例の手法に従って、例えば、処理しようとする皮膚に、クリーム、ゲル、美容液またはローションを適用し、場合により続いてすすぎ落とすステップを行うことよって実施する。この方法に関連して、この組成物は、例えば、ケアまたはクレンジング組成物、あるいはメイキャップ組成物、特にファンデーションであってもよい。これは、好ましくは洗い流さない組成物である。
【0090】
この組成物は、好ましくは顔および/または頚部に、特に顔のしわが寄った領域、特に眼のまわりに適用される。
【0091】
その他の特徴および利点は、非限定的な例示として示される以下の実施例を読むと、より明らかになるであろう。
(実施例)
【0092】
以下の実施例は、本発明によるテンションニング剤として使用し得るコポリマーの調製、およびまたこのコポリマーを含む種々の配合物を提案する。
【0093】
(実施例1)
この実施例は、
30000g/モルの数平均モル質量を有する、スチレンから誘導される単位を含む第1のブロック、
10000g/モルの数平均モル質量を有する、エチルアクリレートから誘導される単位からなる第2のブロック、
30000g/モルの数平均モル質量を有する、スチレンから誘導される単位を含む第3のブロック
を含むトリブロックコポリマーの調製を例示する。
【0094】
この手順は、3つの相異なる段階、ポリスチレンブロックの生成である第1のステップ、第1のブロックの後の、ポリ(エチルアクリレート)ブロックの合成である第2のステップ、および第2のブロックの後の、ポリスチレンブロックの合成である第3のステップに分けることができて、ポリスチレン-b-ポリ(エチルアクリレート)-b-ポリスチレントリブロックを得る方法に基づいている。
【0095】
このコポリマーの合成は、SVL型の2リットルガラス反応器中で実施する。この型の反応器の最大作動充填量は1.5リットルである。この反応器の内部温度は、Huber型のクライオスタットで調節する。この温度は、反応器中に浸漬したpt 100プローブを用いて測定して、調節の役割を果たす。この撹拌ユニットはステンレス鋼のパドルである。このスピンドルの回転速度は約200rpmである。この反応器はまた、生成物の損失がなくモノマーの還流を可能にするのに十分に有効な還流装置(コイル凝縮器)を備えている。
【0096】
実施されるこの方法は、ラテックスタイプの、水中におけるエマルジョン重合法である。
【0097】
ステップ1:第1のブロックの調製
この第1のステップは、第1のブロックを調製することからなり、これは、目標理論質量:Mn=30000g/モルの、スチレン/メタクリル酸質量比=98/2を有する、スチレンとメタクリル酸の統計コポリマーからなる。
【0098】
供給原料として、568.0gの水、12.0gのドデシル硫酸ナトリウムおよび0.95gの炭酸ナトリウムNa2CO3を室温で投入する。得られた混合物を窒素下で30分間撹拌する(200rpm)。次いで温度を75℃まで上昇させ、次いで、
25.71gのスチレン(St)、
0.510gのメタクリル酸(MAA)、および
1.790gのキサンテート(CH3)(CO2CH3)CH-S(C=S)OCH2CH3
を含む混合物1を添加する。
【0099】
この混合物を85℃に合わせ、次いで、10.0gの水に溶解した0.390gの過硫酸アンモニウム(NH4)2S208の溶液を投入する。
【0100】
5分後、
231.4gのスチレン(St)、および
4.60gのメタクリル酸(MAA)
を含む混合物2の添加を開始する。
【0101】
この添加を115分間継続する。種々の成分を完全に添加した後、得られたコポリマーエマルジョンを85℃で2時間維持する。
【0102】
次いで、試料(約5g)を採取し、THF中で立体排除クロマトグラフィー(SEC)によって分析する。その測定された数平均モル質量Mnは、ポリスチレン当量として(線状ポリスチレン標準物で較正)26600g/モルに等しい。その多分散指数Mw/Mnは2.0に等しい。
【0103】
ガスクロマトグラフィーによるこの試料の分析により、このモノマーの変化率は、99%を超えることが判明する。
【0104】
ステップ2:第2のブロックの調製
この第2のステップは、エチルアクリレートポリマーの合成からなる。
【0105】
上記ステップ1で得られたエマルジョンコポリマーを、分析のために約5gを取り出した後、加熱を停止することなく出発材料として使用する。
【0106】
50.0gの水中に希釈した、0.390gの過硫酸アンモニウム(NH4)2S2O8を、1時間にわたり継続的に投入する。
【0107】
次いで、以下のものを、85℃で1時間にわたり同時に添加する。
85.7gのエチルアクリレート(EA)
【0108】
この系をさらにこの温度で2時間維持する。
【0109】
次いで、試料(約5g)を採取し、THF中で立体排除クロマトグラフィー(SEC)によって分析する。その測定された数平均モル質量Mnは、ポリスチレン当量として(線状ポリスチレン標準物で較正)37000g/モルに等しい。その多分散指数Mw/Mnは1.9に等しい。
【0110】
ガスクロマトグラフィーによるこの試料の分析により、このモノマーの変化率は、99%を超えることが判明する。
【0111】
ステップ3:第3のブロックの調製
この第3のステップは、第3のブロックを調製することからなり、これは、目標理論質量:Mn=30000g/モルの、スチレン/メタクリル酸質量比=98/2を有する、スチレンとメタクリル酸の統計コポリマーからなる。
【0112】
上記ステップ2で得られたエマルジョンコポリマーを、分析のために約5gを取り出した後、加熱を停止することなく出発材料として使用する。
【0113】
50.0gの水中に希釈した、0.390gの過硫酸アンモニウム(NH4)2S2O8を、3時間にわたり継続的に投入する。次に、
50.0gの水、
0.95gの炭酸ナトリウムNa2CO3
を含む混合物3を、85℃で3時間にわたり添加する。
【0114】
同時に、
257.1gのスチレン(St)、および
5.14gのメタクリル酸(MAA)
を含む混合物4を添加する。
【0115】
種々の成分を完全に添加した後、得られたコポリマーエマルジョンを85℃で1時間維持する。
【0116】
次いで、1.20gのtert-ブチルベンジルペルオキシドを一度に投入し、
0.600gのエリソルビン酸、
20.0gの水
を含む混合物5の添加を開始する。
【0117】
この添加を60分間継続する。種々の成分を完全に添加した後、このエマルジョンを1時間にわたり-25℃に冷却する。
【0118】
次いで、試料(約5g)を採取し、THF中で立体排除クロマトグラフィー(SEC)によって分析する。その測定された数平均モル質量Mnは、ポリスチレン当量として(線状ポリスチレン標準物で較正)56800g/モルに等しい。その多分散指数Mw/Mnは1.9に等しい。
【0119】
ガスクロマトグラフィーによるこの試料の分析により、このモノマーの変化率は、99.8%を超えることが判明する。
【0120】
得られた生成物は、約44%の固体含有量を有する、このコポリマーの水中の分散体である(ラテックス)。
【0121】
(実施例2)
ポリスチレン-ブロック-ポリ(エチルアクリレート)-ブロック-ポリスチレントリブロックコポリマー「pS25k-pEA20k-pS25k」の調製
この手順は、3つの相異なる段階、ポリスチレンブロックの生成である第1のステップ、第1のブロックの後の、ポリ(エチルアクリレート)ブロックの合成である第2のステップ、および第2のブロックの後の、ポリスチレンブロックの合成である第3のステップに分けることができて、ポリスチレン-b-ポリ(エチルアクリレート)-b-ポリスチレントリブロックを得る方法に基づいている。
【0122】
このコポリマーの合成は、SVL型の2リットルガラス反応器中で実施する。この型の反応器の最大作動充填量は1.5リットルである。この反応器の内部温度は、Huber型のクライオスタットで調節する。この温度は、反応器中に浸漬したpt 100プローブを用いて測定して、調節の役割を果たす。この撹拌ユニットはステンレス鋼のパドルである。このスピンドルの回転速度は、約200rpmである。この反応器はまた、生成物の損失がなくモノマーの還流を可能にするのに十分に有効な還流装置(コイル凝縮器)を備えている。
【0123】
実施されるこの方法は、ラテックスタイプの、水中におけるエマルジョン重合法である。
【0124】
ステップ1:約25000g/モルの理論モル質量を有する第1のポリスチレンブロック「pS25k」の調製
実際には、これは、St/MAA質量比=98/2を有する、スチレンとメタクリル酸の統計コポリマーの合成である。目標理論質量:Mn=25000g/モルである。これは、用語を簡単にするためにポリスチレンブロックと称される。
【0125】
供給原料として、518.2gの水、6.250gのドデシル硫酸ナトリウムおよび0.714gの炭酸ナトリウムNa2CO3を室温で投入する。得られた混合物を窒素下で30分間撹拌する(200rpm)。次いで温度を75℃まで上昇させ、次いで、
17.86gのスチレン(St)、
0.357gのメタクリル酸(MAA)、および
1.486gのキサンテート(CH3)(CO2CH3)CH-S(C=S)OCH2CH3
を含む混合物1を添加する。
【0126】
この混合物を85℃に合わせ、次いで、1.70gの水に溶解した0.085gの過硫酸ナトリウムムNa2S208の溶液を投入する。
【0127】
5分後、
160.7gのスチレン(St)、および
3.21gのメタクリル酸(MAA)
を含む混合物2の添加を開始する。
【0128】
同時に、5.10gの水に溶解した0.255gの過硫酸ナトリウムNa2S2O8を含む混合物3の添加を開始する。
【0129】
この添加を90分間継続する。種々の成分を完全に添加した後、得られたコポリマーエマルジョンを85℃で2時間維持する。
【0130】
次いで、試料(約5g)を採取し、THF中で立体排除クロマトグラフィー(SEC)によって分析する。その測定された数平均モル質量Mnは、ポリスチレン当量として(線状ポリスチレン標準物で較正)22000g/モルに等しい。その多分散指数Mw/Mnは2.2に等しい。
【0131】
ガスクロマトグラフィーによるこの試料の分析により、このモノマーの変化率は、99%を超えることが判明する。
【0132】
ステップ2:ポリスチレン-ブロック-ポリ(エチルアクリレート)ジブロックコポリマー、「pS25k-pEA20k」を得るための、約10000g/モルの理論モル質量を有するポリ(エチルアクリレート)の第2のブロックの調製
上記ステップ1で得られたエマルジョンコポリマーを、分析のために約5gを取り出した後、加熱を停止することなく出発材料として使用する。
【0133】
3.4gの水中に希釈した、0.170gの過硫酸ナトリウムNa2S2O8を、90分間にわたり継続的に投入する。
【0134】
次いで、以下のものを、85℃で90分間にわたり同時に添加する。
142.9gのエチルアクリレート(EA)
【0135】
この系をさらにこの温度で2時間維持する。
【0136】
次いで、試料(約5g)を採取し、THF中で立体排除クロマトグラフィー(SEC)によって分析する。その測定された数平均モル質量Mnは、ポリスチレン当量として(線状ポリスチレン標準物で較正)32000g/モルに等しい。その多分散指数Mw/Mnは2.6に等しい。
【0137】
ガスクロマトグラフィーによるこの試料の分析により、このモノマーの変化率は、99%を超えることが判明する。
【0138】
ステップ3:ポリスチレン-ブロック-ポリ(エチルアクリレート)-ブロック-ポリスチレントリブロックコポリマー「pS25k-pEA20k-pS25k」を得るための、約25000g/モルの理論モル質量を有するポリスチレンの第3のブロックの調製
実際には、これは、スチレンとメタクリル酸の統計コポリマーの合成である。St/MAA質量比=98/2である。目標理論質量:Mn=25000g/モルである。これは、用語を簡単にするためにポリスチレンブロックと称される。
【0139】
上記ステップ2で得られたエマルジョンコポリマーを、分析のために約5gを取り出した後、加熱を停止することなく出発材料として使用する。
【0140】
6.8gの水中に希釈した、0.340gの過硫酸ナトリウムNa2S2O8を、2時間にわたり継続的に投入する。同時に、
97.90gの水、
1.146gの炭酸ナトリウムNa2CO3
3.75gのドデシル硫酸ナトリウム
を含む混合物4を、85℃で2時間にわたり添加する。
【0141】
同時に、
178.6gのスチレン(St)、および
3.57gのメタクリル酸(MAA)
を含む混合物5を添加する。
【0142】
種々の成分を完全に添加した後、得られたコポリマーエマルジョンを85℃で2時間維持する。
【0143】
次いで、0.500gのtert-ブチルベンジルペルオキシドを一度に投入し、
0.250gのエリソルビン酸、
5.0gの水
を含む混合物6の添加を開始する。
【0144】
この添加を60分間継続する。種々の成分を完全に添加した後、このエマルジョンを1時間にわたり-25℃に冷却する。
【0145】
次いで、試料(約5g)を採取し、THF中で立体排除クロマトグラフィー(SEC)によって分析する。その測定された数平均モル質量Mnは、ポリスチレン当量として(線状ポリスチレン標準物で較正)40000g/モルに等しい。その多分散指数Mw/Mnは2.9に等しい。
【0146】
ガスクロマトグラフィーによるこの試料の分析により、このモノマーの変化率は、99.8%を超えることが判明する。
【0147】
得られた生成物は、約45%の固体含有量を有する、このコポリマーの水中の分散体である(ラテックス)。
【0148】
(実施例3)
ポリスチレン-ブロック-ポリ(エチルアクリレート)-ブロック-ポリスチレントリブロックコポリマー「pS32.5k-pEA5k-pS32.5k」の調製
この手順は、3つの相異なる段階、ポリスチレンブロックの生成である第1のステップ、第1のブロックの後の、ポリ(エチルアクリレート)ブロックの合成である第2のステップ、および第2のブロックの後の、ポリスチレンブロックの合成である第3のステップに分けることができて、ポリスチレン-b-ポリ(エチルアクリレート)-b-ポリスチレントリブロックを得る方法に基づいている。
【0149】
このコポリマーの合成は、SVL型の2リットルガラス反応器中で実施する。この型の反応器の最大作動充填量は1.5リットルである。この反応器の内部温度は、Huber型のクライオスタットで調節する。この温度は、反応器中に浸漬したpt 100プローブを用いて測定して、調節の役割を果たす。この撹拌ユニットはステンレス鋼のパドルである。このスピンドルの回転速度は、約200rpmである。この反応器はまた、生成物の損失がなくモノマーの還流を可能にするのに十分に有効な還流装置(コイル凝縮器)を備えている。
【0150】
実施されるこの方法は、ラテックスタイプの、水中におけるエマルジョン重合法である。
【0151】
ステップ1:約32500g/モルの理論モル質量を有するポリスチレン「pS32.5k」の第1のブロックの調製
実際には、これは、St/MAA質量比=98/2を有する、スチレンとメタクリル酸の統計コポリマーの合成である。目標理論質量:Mn=32500g/モルである。これは、用語を簡単にするためにポリスチレンブロックと称される。
【0152】
供給原料として、515.0gの水、6.250gのドデシル硫酸ナトリウムおよび0.929gの炭酸ナトリウムNa2CO3を室温で投入する。得られた混合物を窒素下で30分間撹拌する(200rpm)。次いで温度を75℃まで上昇させ、次いで、
23.21gのスチレン(St)、
0.464gのメタクリル酸(MAA)、および
1.486gのキサンテート(CH3)(CO2CH3)CH-S(C=S)OCH2CH3
を含む混合物1を添加する。
【0153】
この混合物を85℃に合わせ、次いで、1.70gの水に溶解した0.085gの過硫酸ナトリウムNa2S208の溶液を投入する。
【0154】
5分後、
208.9gのスチレン(St)、および
4.18gのメタクリル酸(MAA)
を含む混合物2の添加を開始する。
【0155】
同時に、5.10gの水に溶解した0.255gの過硫酸ナトリウムNa2S2O8を含む混合物3の添加を開始する。
【0156】
この添加を80分間継続する。種々の成分を完全に添加した後、得られたコポリマーエマルジョンを85℃で2時間維持する。
【0157】
次いで、試料(約5g)を採取し、THF中で立体排除クロマトグラフィー(SEC)によって分析する。その測定された数平均モル質量Mnは、ポリスチレン当量として(線状ポリスチレン標準物で較正)29000g/モルに等しい。その多分散指数Mw/Mnは2.2に等しい。
【0158】
ガスクロマトグラフィーによるこの試料の分析により、このモノマーの変化率は、99%を超えることが判明する。
【0159】
ステップ2:ポリスチレン-ブロック-ポリ(エチルアクリレート)ジブロックコポリマー、「pS32.5k-pEA5k」を得るための、約10000g/モルの理論モル質量を有するポリ(エチルアクリレート)の第2のブロックの調製
上記ステップ1で得られたエマルジョンコポリマーを、分析のために約5gを取り出した後、加熱を停止することなく出発材料として使用する。
【0160】
3.4gの水中に希釈した、0.170gの過硫酸ナトリウムNa2S2O8を、90分間にわたり継続的に投入する。
【0161】
次いで、以下のものを、85℃で90分間にわたり同時に添加する。
35.7gのエチルアクリレート(EA)
【0162】
この系をさらにこの温度で2時間維持する。
【0163】
次いで、試料(約5g)を採取し、THF中で立体排除クロマトグラフィー(SEC)によって分析する。その測定された数平均モル質量Mnは、ポリスチレン当量として(線状ポリスチレン標準物で較正)34000g/モルに等しい。その多分散指数Mw/Mnは2.3に等しい。
【0164】
ガスクロマトグラフィーによるこの試料の分析により、このモノマーの変化率は、99%を超えることが判明する。
【0165】
ステップ3:ポリスチレン-ブロック-ポリ(エチルアクリレート)-ブロック-ポリスチレントリブロックコポリマー「pS32.5k-pEA5k-pS32.5k」を得るための、約32500g/モルの理論モル質量を有するポリスチレンの第3のブロックの調製
実際には、これは、スチレンとメタクリル酸の統計コポリマーの合成である。St/MAA質量比=98/2である。目標理論質量:Mn=32500g/モルである。これは、用語を簡単にするためにポリスチレンブロックと称される。
【0166】
上記ステップ2で得られたエマルジョンコポリマーを、分析のために約5gを取り出した後、加熱を停止することなく出発材料として使用する。
【0167】
6.8gの水中に希釈した、0.340gの過硫酸ナトリウムNa2S2O8を、2時間にわたり継続的に投入する。同時に、
104.4gの水、
1.468gの炭酸ナトリウムNa2CO3
3.75gのドデシル硫酸ナトリウム
を含む混合物4を、85℃で2時間にわたり添加する。
【0168】
同時に、
1232.1gのスチレン(St)、および
4.64gのメタクリル酸(MAA)
を含む混合物5を添加する。
【0169】
種々の成分を完全に添加した後、得られたコポリマーエマルジョンを85℃で2時間維持する。
【0170】
次いで、0.500gのtert-ブチルベンジルペルオキシドを一度に投入し、
0.250gのエリソルビン酸、
5.0gの水
を含む混合物6の添加を開始する。
【0171】
この添加を60分間継続する。種々の成分を完全に添加した後、このエマルジョンを1時間にわたり-25℃に冷却する。
【0172】
次いで、試料(約5g)を採取し、THF中で立体排除クロマトグラフィー(SEC)によって分析する。その測定された数平均モル質量Mnは、ポリスチレン当量として(線状ポリスチレン標準物で較正)50000g/モルに等しい。その多分散指数Mw/Mnは2.6に等しい。
【0173】
ガスクロマトグラフィーによるこの試料の分析により、このモノマーの変化率は、99.8%を超えることが判明する。
【0174】
得られた生成物は、約45%の固体含有量を有する、このコポリマーの水中の分散体である。
【0175】
(実施例4)
美容液の形態の美容組成物
相A
【0176】
【表1】

【0177】
相B
【0178】
【表2】

【0179】
相C
【0180】
【表3】

【0181】
相D
実施例1により調製したトリブロックコポリマーのエマルジョン:16.50g(42.6%の活性物質を含む)
【0182】
手順
相Aを撹拌しながら約75℃に加熱し、次いで相Bを相Aに注ぐ。次に、加熱を中止し、この混合物が室温に戻ってくるまで撹拌を継続し、次いで相CおよびDを加える。次いで緩やかな撹拌を30分間継続する。
【0183】
この組成物を眼の周りにしわおよび小じわを有する、40〜60歳の女性のパネルについて試験した。この組成物を適用した後、しわおよび小じわを機械的に滑らかにする効果が観察された。さらに、この組成物は、皮膚の微小起伏の眼につき易さを軽減して、皮膚のきめをより細かくする、「ソフトフォーカス」ベール効果をもたらした。この組成物では、見栄えがしないラッカー被膜の出現は見られなかった。
【0184】
(実施例5)
美容組成物(エッセンス)
相A
【0185】
【表4】

【0186】
相B
【0187】
【表5】

【0188】
相C
実施例1により調製したトリブロックコポリマーエマルジョン:16.50g(42.6%の活性物質を含む)。
【0189】
手順
相Bを、均一なゲルが得られるまで撹拌しながら約75℃に加熱する。
【0190】
相Aを、約75℃に加熱する。相Aを相B中に混合することによってエマルジョンを調製する。
【0191】
相Cを上記で得られたエマルジョン中に40〜45℃の温度で混合し、エマルジョンが完全に冷却するまで撹拌を継続する。
【0192】
この組成物を眼の周りにしわおよび小じわを有する、40〜60歳の女性のパネルについて試験した。この組成物を適用した後、しわおよび小じわを機械的に滑らかにする効果が観察された。さらに、この組成物は、皮膚の微小起伏の眼につき易さを軽減して、皮膚のきめをより細かくする、「ソフトフォーカス」ベール効果をもたらした。この組成物では、見栄えがしないラッカー被膜の出現は見られなかった。
【0193】
(比較例5)
比較の目的で、
5000g/モルの数平均モル質量を有する、スチレンから誘導される単位からなる第1のブロック、
60000g/モルの数平均モル質量を有する、エチルアクリレートから誘導される単位からなる第2のブロックを含み、
スチレンから誘導される単位とエチルアクリレートから誘導される単位の間の比が1未満であるジブロックコポリマーを、そのテンションニング効果を決定するために試験した。このコポリマーは、テンションニング効果を有さないことが判明した。
【0194】
(実施例6)
以下の成分
【0195】
【表6】

を含む、皮膚テンションニング効果を有する組成物を調製する。
【0196】
(実施例6)
以下の成分
【0197】
【表7】

を含む皮膚テンションニング効果を有する組成物を調製する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スチレンから誘導される単位およびエチル(メタ)アクリレートから誘導される単位を含み、スチレンから誘導される単位とエチル(メタ)アクリレートから誘導される単位の間の重量比が1以上であるコポリマーの、美容組成物中の皮膚テンションニング剤としての美容使用。
【請求項2】
美容組成物がしわ防止用組成物である、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
スチレンから誘導される単位とエチル(メタ)アクリレートから誘導される単位の間の重量比が2を超える、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
スチレンから誘導される単位とエチル(メタ)アクリレートから誘導される単位の間の重量比が5を超える、請求項1または2に記載の使用。
【請求項5】
スチレンから誘導される単位とエチル(メタ)アクリレートから誘導される単位の間の重量比が20を超える、請求項1または2に記載の使用。
【請求項6】
コポリマーがランダムコポリマーである、請求項1から5のいずれか一項に記載の使用。
【請求項7】
コポリマーがブロックコポリマーである、請求項1から5のいずれか一項に記載の使用。
【請求項8】
ブロックコポリマーが、A-[B-A]nまたはB-[A-B]nまたは[A-B]n型(但し、Aは、スチレンから誘導される単位を少なくとも50重量%含むブロックであり、Bは、エチル(メタ)アクリレートから誘導される単位を少なくとも50重量%含むブロックであり、nは1以上の数である)の線状ブロックコポリマーである、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
ブロックコポリマーがトリブロックコポリマーである、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
トリブロックコポリマーが、
30000g/モルの数平均モル質量を有する、スチレンから誘導される単位を含む第1のブロック、
10000g/モルの数平均モル質量を有する、エチルアクリレートから誘導される単位からなる第2のブロック、
30000g/モルの数平均モル質量を有する、スチレンから誘導される単位を含む第3のブロック
を含む、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
全体的なコポリマーの数平均モル質量が、10000g/モルを超え、好ましくは50000g/モルを超える、請求項1から10のいずれか一項に記載の使用。
【請求項12】
組成物が顔の皮膚への局所適用に適している、請求項1から11のいずれか一項に記載の使用。
【請求項13】
しわが寄った皮膚のしわを軽減するための美容方法であって、生理的に許容される媒体中に請求項1から12のいずれか一項に規定の少なくとも1種のコポリマーを含む組成物を前記皮膚に適用する段階からなるステップを含む方法。
【請求項14】
適用が眼の輪郭になされる、請求項13に記載の美容処理方法。

【公表番号】特表2008−536814(P2008−536814A)
【公表日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−501330(P2008−501330)
【出願日】平成18年3月17日(2006.3.17)
【国際出願番号】PCT/EP2006/060843
【国際公開番号】WO2006/097529
【国際公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】