美肌促進剤
【課題】美肌促進効果に優れた美肌促進剤を提供する。
【解決手段】血小板を有効成分とする美肌促進剤。
【解決手段】血小板を有効成分とする美肌促進剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は特に血小板を有効成分とする美肌促進剤に関する。
【背景技術】
【0002】
現在までに、シワ、シミが増える、毛穴が開くまたは目立つ、たれる、肌のキメが粗くなるなど加齢とともに現れる皮膚の老化による問題を予防または治療するために、多くの技術が開発されてきた。例えば、特許文献1には、皮膚、粘膜、頭皮および/または毛髪を治療および/またはケアするためのペプチド類美容組成物が開示され、該ペプチド類は、活性カルボニル基を有する物質の活性を抑制することができる。特許文献2には、研磨剤としてホエイプロテインミセルを用いる技術が開示されている。その他例えば、特許文献3〜6等に、小分子化合物を有効成分として利用した美肌促進剤が開示されているが、血小板を有効成分とする美肌促進剤の例はなかった。また、特許文献7には、多血小板血漿(platelet−rich plasma)を有効成分として利用した美肌促進剤が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】台湾特許出願公開第201018492号明細書
【特許文献2】台湾特許出願公開第200812633号明細書
【特許文献3】台湾特許出願公告第281405号明細書
【特許文献4】台湾特許出願公告第260231号明細書
【特許文献5】台湾特許出願公開第200735893号明細書
【特許文献6】台湾特許出願公開第200505492号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2007/0253940号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、シワ、シミの低減、肌の弾力性の向上、毛穴の改善、または美白などの美肌促進効果に優れた美肌促進剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明者らが鋭意検討した結果、血小板が美肌促進に有効であることを見出し本願発明を完成させた。すなわち、本発明は血小板を有効成分とする美肌促進剤に関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、シワが消失または目立たなくなる、シミが薄くなる、肌弾力が増す、毛穴が引き締まる、または美白、艶肌になるなどの優れた美肌促進効果を有する美肌促進剤が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1a】図1aは実施例1における美肌促進剤処置前の被験者の顔写真である。
【図1b】図1bは実施例1における美肌促進剤処置後の被験者の顔写真である。
【図2a】図2aは実施例2における美肌促進剤処置前の被験者の顔写真である。
【図2b】図2bは実施例2における美肌促進剤処置後の被験者の顔写真である。
【図3a】図3aは実施例3における美肌促進剤処置前の被験者の顔写真である。
【図3b】図3bは実施例3における美肌促進剤処置後の被験者の顔写真である。
【図4a】図4aは実施例4における美肌促進剤処置前の被験者の顔写真である。
【図4b】図4bは実施例4における美肌促進剤処置後の被験者の顔写真である。
【図5a】図5aは実施例5における美肌促進剤処置前の被験者の顔写真である。
【図5b】図5bは実施例5における美肌促進剤処置後の被験者の写真である。
【図6a】図6aは実施例6における美肌促進剤処置前の被験者の顔写真である。
【図6b】図6bは実施例6における美肌促進剤処置後の被験者の顔写真である。
【図7a】図7aは実施例7における美肌促進剤処置前の被験者の顔写真である。
【図7b】図7bは実施例7における美肌促進剤処置後の被験者の顔写真である。
【図8a】図8aは実施例8における美肌促進剤処置前の被験者の顔写真である。
【図8b】図8bは実施例8における美肌促進剤処置後の被験者の顔写真である。
【図9a】図9aは実施例9における美肌促進剤処置前の被験者の顔写真である。
【図9b】図9bは実施例9における美肌促進剤処置後の被験者の顔写真である。
【図10a】図10aは実施例10における美肌促進剤処置前の被験者の顔写真である。
【図10b】図10bは実施例10における美肌促進剤処置後の被験者の顔写真である。
【図11a】図11aは実施例11における美肌促進剤処置前の被験者の顔写真である。
【図11b】図11bは実施例11における美肌促進剤処置後の被験者の顔写真である。
【図12a】図12aは実施例12における美肌促進剤処置前の被験者の顔写真である。
【図12b】図12bは実施例12における美肌促進剤処置後の被験者の顔写真である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
美肌促進剤に有効成分として含まれる血小板(細胞)の形態は特に限定されないが、好適には血小板乾燥粉である。
【0009】
血小板乾燥粉は、血液または血液製剤、例えば多血小板血漿(platelet−rich plasma、以下PRPと略す)を原料として製造することができる。血小板乾燥粉を製造する方法は、従来公知の血小板乾燥粉の製造方法を用いることができる。例えば台湾特許出願公告第300806号(TW−I300806)、270375号(TW−I270375)明細書、台湾特許出願公開第201004659号、200526680号明細書、米国特許第7,659,052号、7,202,020号、7,169,606号、6,060,233号、5,736,313号、5,589,462号明細書などがある。本発明の血小板乾燥粉は、上記方法により製造されたものに限られない。血小板乾燥粉は、製造工程の相違により、少量の抗凝固剤、保護剤等を含む。例えば台湾特許出願公告第270375号明細書に記載の製造工程により製造された血小板乾燥粉には、少量の抗凝固剤クエン酸デキストロース(Acid Citrate Dextrose)、寒冷沈降物(cryoprecipitate)、及びトロンビン(thrombin)を含む。これらの成分は実質上血小板乾燥粉の効能に影響を及ぼさないので、特に除去する必要はない。
【0010】
美肌促進剤に含有される有効成分の配合量は、美肌促進剤1mgあたり、少なくとも1,000個の血小板細胞を含むことが好ましい。血小板細胞含有量がこれより少ないと、美肌促進効果が十分ではない場合がある。美肌促進効果の観点からは、美肌促進剤1mgあたり3,000個以上の血小板細胞を含むことが好ましく、5,000個以上の血小板細胞を含むことがさらに好ましい。血小板細胞数は多ければ多いほど、美肌促進効果は期待される。例えば、美肌促進剤1mgあたりに20,000個血小板細胞を含む場合、5,000個血小板細胞を含む場合と比べると著しく美肌促進効果が表れることが分かった。美肌促進剤1mgあたりの血小板細胞数の上限は特に限定されるものではないが、生産性の観点から50,000個以下であることが好ましく、30,000個以下であることがより好ましい。なお、美肌促進剤1mgあたりの血小板の細胞数は、実施例に記載の方法により測定した値を採用する。
【0011】
なお、本明細書で言う「美肌促進」とは、本発明の美肌促進剤適用前の肌状態と比較して肌の諸症状が改善されることを指す。諸症状を改善されるとは、例えば、シワやシミが改善される、肌のハリ/弾力性が増大される、毛穴を引き締める、より艶肌、美白になる、または美容の観点から傷痕が薄くなることなどが挙げられるが、これらに限定されない。したがって、本発明の美肌促進剤は、肌改善を目的おした化粧料および医薬品のカテゴリーに属する。
【0012】
上記の血小板乾燥粉を製造する際の原料は、異種(heterologous)、同種(homologous)または自己(autologous)由来のいずれであってもよい。使用者の心理的考慮に基づき、該血小板乾燥粉は同種または自己由来の血小板乾燥粉であることが好ましい、特に自己由来の血小板乾燥粉がより好ましい。
【0013】
血小板中のPDGF(platelet−derivatives growth factor)含有量は約40〜200pg/mLであり(Vogt.,et al.,Determination of endogenous growth factors in human wound healing. Wound Repair Regeneration,2004,12(4):p.485−492.参照)、本発明の美肌促進剤の有効性は、血小板乾燥粉中のPDGFに関連する可能性がある。しかしながら、本発明は上記メカニズムに限定されるものではない。
【0014】
本発明の美肌促進剤は、特に限定されるものではないが、外用剤であることが好ましく、1日1〜数回、適量を皮膚上に塗布して使用することができる。
【0015】
美肌促進剤の剤型は特に限定されるものではないが、例えばローション剤、乳化剤などの液状剤型;懸濁液;軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、散剤、丸剤等の固形状;スプレー剤等のエアゾール剤等が挙げられる。なお、エアゾール剤として使用する場合は、原液に対して上記のように配合量が設定される。特にローション剤、軟膏剤、クリーム剤、スプレー剤が好ましい。使用性の観点から、より好ましくは、スプレー剤または軟膏剤である。
【0016】
本発明の美肌促進剤は適宜溶媒を添加してもよく、溶媒としては、例えば水、低級アルコール(メタノール、エタノール、変性エタノール、イソプロピルアルコール等)、アルコール−水共溶媒、生理食塩水等が挙げられ、特に水または生理食塩水が好ましい。溶媒の添加量は、有効剤量の血小板細胞を維持できる範囲で適宜設定される。
【0017】
その他、必要に応じ本発明の有効性を喪失しない限りにおいて、他の添加剤を含んでいてもよい。他の添加剤としては、例えば、溶解補助剤、賦形剤、界面活性剤、油剤、乳化安定剤、ゲル化剤、粘着剤、保湿剤、殺菌剤、抗酸化剤、キレート剤、メントール、カンフル等の清涼化剤、色素、香料等が挙げられる。
【0018】
また、本発明の美肌促進剤には他の有効成分(例えば消炎成分、鎮痛成分、栄養成分、経皮吸収促進剤)等を添加することができる。
【0019】
本発明の美肌促進剤は、顔のみならず、皮膚全体の美肌促進を期待する部位の美肌促進を目的として適用される。
【0020】
また、本発明の美肌促進剤は直接、またはスプレー剤等により適用箇所に塗布されることが好ましい。
【0021】
本発明の美肌促進剤の適用量は、被験者の年齢、体重及び症状、目的とする投与形態や方法、治療効果、および処置期間等によって異なり、正確な量は適宜決定されるものである。通常、1日1〜3回に分けて、適量適用される。
【0022】
なお、本発明に係る美肌促進を期待する部位は、美肌促進剤を適用する前に洗浄、消毒等により清潔にしておくことが好ましい。洗浄をするか否かは美肌促進剤の適用部位の清潔さによって判断すればよい。洗浄する場合は、予め洗浄するか、美肌促進剤の適用直前に洗浄することが好ましい。消毒は必ずしも必要ではないが、適用部位全体的に消毒することが好ましい。
【0023】
また、本発明の美肌促進剤を適用する際に、美肌促進剤の吸収を促進する処置を被験者に行ってもよい。当該処置としては、当業者に既知する方法例えばイオン導入法、レーザー照射法、電磁波導入法、極細針による刺入(micro−needle penetration)法、物理的刺激を与える(例えば、角質層へ刺激を与えることで、吸収力を上げる方法)、マッサージなどが挙げられる。なお、これらの吸収を促進する処置は、本発明の美肌促進剤を適用前、適用最中、または適用後のいずれかの一以上の時期に行うことができる。例えば、本発明の美肌促進剤を適用する前に、レーザー照射、針刺入または物理的な刺激を与える処置が好ましい。本発明の美肌促進剤を適用する最中において、イオン導入または電磁波導入を行うことが好ましい。また、本発明の美肌促進剤を適用後に、電磁波導入または血液循環を促進するためのマッサージを行うことが好ましい。
【実施例】
【0024】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】
試験例:
台湾特許出願公告第270375号明細書(TW−I270375)に開示される製造工程により、血小板乾燥粉を製造した。血小板乾燥粉1.0gに生理食塩水を加え5.0mlにした後、調合完成時(0時間)、一週間後(168時間後)、二週間後(336時間後)、三週間後(504時間後)、四週間後(672時間後)、五週間後、六週間後の溶液中のPDGF含有量を、分光光度計(米国Bio−Tek Instruments,Inc.、型番μ−Quant)で測定した。その結果は表1の通りである。
【0026】
【表1】
【0027】
実験結果から、該血小板乾燥粉中のPDGF値が非常に安定であることが示された。
【0028】
実施例1:
台湾特許出願公告第270375号明細書(TW−I270375)に開示される製造工程により、被験者の自己血液から血小板乾燥粉を製造した。美肌促進剤1mgあたり、血小板細胞数が5,000個となるように該血小板乾燥粉に逆浸透水を加え、得られた溶液を、スプレー瓶中に装填した。溶液中の血小板細胞数は、血液分析器(Sysmex社製、型番:KX−21)を用いて測定した。
【0029】
美肌促進を期待する部位を消毒し、当該部位にレーザー照射を行った。その後、当該部位に上記美肌促進剤溶液を均一にスプレーした。この一連の処置を週に一回で毎週行った。その間、毎日の洗顔後に前記美肌促進剤溶液のみを、美肌促進を期待する部位に均一にスプレーした。
【0030】
前記美肌促進処置前、処置4週間後の被験者顔写真をそれぞれ図1a、1bに示し、各図において、右側は当該美肌促進を期待する部位の拡大写真である。4週間処置後には、美肌促進を期待する部位において、処置前と比べると肌が引き締まり、弾力性が向上し、毛穴も引き締まり、美白かつ艶肌になったような美肌促進効果が見られた。
【0031】
実施例2:
他の被験者に対して、実施例1と同様の処置を行った。処置前、処置7週間後の被験者顔写真をそれぞれ図2a、2bに示し、各図において、右側は当該美肌促進を期待する部位の拡大写真である。7週間処置後、処置前と比べるとシワが消失しまたは目立たなくなり、肌が引き締まり、弾力性が増し、毛穴も引き締まり、美白かつ艶肌になり、美肌促進効果が見られた。
【0032】
実施例3:
血液バンクより取り寄せた血液で製造したヒト血小板乾燥粉を用い、美肌促進剤1mg中の血小板細胞数を10,000個とした以外は、他の被験者に対して実施例1と同様に処置した。処置前、処置2週間後の被験者顔写真をそれぞれ図3a、3bに示し、各図において、右側は当該美肌促進を期待する部位の拡大写真である。2週間処置後、処置前と比べるとシワが消失しまたは目立たなくなり、シミが薄くなり、肌が引き締まり、弾力性が増し、毛穴も引き締まり、美白かつ艶肌になり、美肌促進効果が見られた。
【0033】
実施例4:
血液バンクより取り寄せた血液で製造したヒト血小板乾燥粉を用いた以外は、他の被験者に対して、実施例1と同様の処置を行った。処置前、処置4週間後の被験者顔写真をそれぞれ図4a、4bに示し、各図において、右側は当該美肌促進を期待する部位の拡大写真である。4週間処置後、処置前と比べるとシワが消失しまたは目立たなくなり、シミが薄くなり、肌が引き締まり、弾力性が増し、毛穴も引き締まり、美白かつ艶肌になり、美肌促進効果が見られた。
【0034】
実施例5:
血液バンクより取り寄せた血液で製造したヒト血小板乾燥粉を用いた以外は、他の被験者に対して、実施例1と同様の処置を行った。処置前、処置4週間後の被験者顔写真をそれぞれ図5a、5bに示し、各図において、右側は当該美肌促進を期待する部位の拡大写真である。4週間処置後、処置前と比べるとシワが消失しまたは目立たなくなり、傷痕が薄くなり(図5aおよび5bのそれぞれ中央部図を参照)、肌が引き締まり、弾力性が増し、毛穴も引き締まり、美白かつ艶肌になり、美肌促進効果が見られた。
【0035】
実施例6:
血液バンクより取り寄せた血液で製造したヒト血小板乾燥粉を用いた以外は、他の被験者に対して、実施例1と同様の処置を行った。処置前、処置7週間後の被験者顔写真をそれぞれ図6a、6bに示し、各図において、右側は当該美肌促進を期待する部位の拡大写真である。7週間処置後、処置前と比べるとシワが消失しまたは目立たなくなり、シミが薄くなり、肌が引き締まり、弾力性が増し、毛穴も引き締まり、美白かつ艶肌になり、美肌促進効果が見られた。
【0036】
実施例7:
血液バンクより取り寄せた血液で製造したヒト血小板乾燥粉を用いた以外は、他の被験者に対して、実施例1と同様の処置を行った。処置前、処置7週間後の被験者顔写真をそれぞれ図7a、7bに示し、各図において、右側は当該美肌促進を期待する部位の拡大写真である。7週間処置後、処置前と比べるとシワが消失しまたは目立たなくなり、シミが薄くなり、肌が引き締まり、弾力性が増し、毛穴も引き締まり、美白かつ艶肌になり、美肌促進効果が見られた。
【0037】
実施例8:
血液バンクより取り寄せた血液で製造したヒト血小板乾燥粉を用い、美肌促進剤1mg中の血小板細胞数を3,000個とした以外は、他の被験者に対して実施例1と同様に処置した。処置前、処置24週間後の被験者顔写真をそれぞれ図8a、8bに示し、各図において、右側は当該美肌促進を期待する部位の拡大写真である。24週間処置後、処置前と比べるとシワが消失しまたは目立たなくなり、シミが薄くなり、肌が引き締まり、弾力性が増し、毛穴も引き締まり、美白かつ艶肌になり、美肌促進効果が見られた。
【0038】
実施例9:
血液バンクより取り寄せた血液で製造したヒト血小板乾燥粉を用い、美肌促進剤1mg中の血小板細胞数を3,000個とした以外は、他の被験者に対して実施例1と同様に処置した。処置前、処置21週間後の被験者顔写真をそれぞれ図9a、9bに示し、各図において、右側は当該美肌促進を期待する部位の拡大写真である。21週間処置後、処置前と比べるとシワが消失しまたは目立たなくなり、シミが薄くなり、肌が引き締まり、弾力性が増し、毛穴も引き締まり、美白かつ艶肌になり、美肌促進効果が見られた。
【0039】
実施例10:
ウシの血液で製造した血小板乾燥粉を用いた以外は、他の被験者に対して実施例1と同様に処置した。処置前、処置3週間後の被験者顔写真をそれぞれ図10a、10bに示し、各図において、右側は当該美肌促進を期待する部位の拡大写真である。3週間処置後、処置前と比べるとシワが消失しまたは目立たなくなり、シミが薄くなり、肌が引き締まり、弾力性が増し、毛穴も引き締まり、美白かつ艶肌になり、美肌促進効果が見られた。
【0040】
実施例11:
ウシの血液で製造した血小板乾燥粉を用い、美肌促進剤1mg中の血小板細胞数を3,000個とした以外は、他の被験者に対して実施例1と同様に処置した。処置前、処置8週間後の被験者顔写真をそれぞれ図11a、11bに示し、各図において、右側は当該美肌促進を期待する部位の拡大写真である。8週間処置後、処置前と比べるとシワが消失しまたは目立たなくなり、シミが薄くなり、肌が引き締まり、弾力性が増し、毛穴も引き締まり、美白かつ艶肌になり、美肌促進効果が見られた。
【0041】
実施例12:
血液バンクより取り寄せた血液で製造したヒト血小板乾燥粉を用い、美肌促進剤1mg中の血小板細胞数を1,000個とした以外は、他の被験者に対して実施例1と同様に処置した。処置前、処置19週間後の被験者顔写真をそれぞれ図12a、12bに示し、各図において、右側は当該美肌促進を期待する部位の拡大写真である。19週間処置後、処置前と比べるとシワが消失しまたは目立たなくなり、シミが薄くなり、肌が引き締まり、弾力性が増し、毛穴も引き締まり、美白かつ艶肌になり、美肌促進効果が見られた。
【0042】
以上の結果により、被験者の体質に個人差が存在するため、美肌促進効果を現れる時間も異なったが、いずれの実施例においても、本発明の美肌促進剤の美肌促進効果が示された。
【技術分野】
【0001】
本発明は特に血小板を有効成分とする美肌促進剤に関する。
【背景技術】
【0002】
現在までに、シワ、シミが増える、毛穴が開くまたは目立つ、たれる、肌のキメが粗くなるなど加齢とともに現れる皮膚の老化による問題を予防または治療するために、多くの技術が開発されてきた。例えば、特許文献1には、皮膚、粘膜、頭皮および/または毛髪を治療および/またはケアするためのペプチド類美容組成物が開示され、該ペプチド類は、活性カルボニル基を有する物質の活性を抑制することができる。特許文献2には、研磨剤としてホエイプロテインミセルを用いる技術が開示されている。その他例えば、特許文献3〜6等に、小分子化合物を有効成分として利用した美肌促進剤が開示されているが、血小板を有効成分とする美肌促進剤の例はなかった。また、特許文献7には、多血小板血漿(platelet−rich plasma)を有効成分として利用した美肌促進剤が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】台湾特許出願公開第201018492号明細書
【特許文献2】台湾特許出願公開第200812633号明細書
【特許文献3】台湾特許出願公告第281405号明細書
【特許文献4】台湾特許出願公告第260231号明細書
【特許文献5】台湾特許出願公開第200735893号明細書
【特許文献6】台湾特許出願公開第200505492号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2007/0253940号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、シワ、シミの低減、肌の弾力性の向上、毛穴の改善、または美白などの美肌促進効果に優れた美肌促進剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明者らが鋭意検討した結果、血小板が美肌促進に有効であることを見出し本願発明を完成させた。すなわち、本発明は血小板を有効成分とする美肌促進剤に関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、シワが消失または目立たなくなる、シミが薄くなる、肌弾力が増す、毛穴が引き締まる、または美白、艶肌になるなどの優れた美肌促進効果を有する美肌促進剤が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1a】図1aは実施例1における美肌促進剤処置前の被験者の顔写真である。
【図1b】図1bは実施例1における美肌促進剤処置後の被験者の顔写真である。
【図2a】図2aは実施例2における美肌促進剤処置前の被験者の顔写真である。
【図2b】図2bは実施例2における美肌促進剤処置後の被験者の顔写真である。
【図3a】図3aは実施例3における美肌促進剤処置前の被験者の顔写真である。
【図3b】図3bは実施例3における美肌促進剤処置後の被験者の顔写真である。
【図4a】図4aは実施例4における美肌促進剤処置前の被験者の顔写真である。
【図4b】図4bは実施例4における美肌促進剤処置後の被験者の顔写真である。
【図5a】図5aは実施例5における美肌促進剤処置前の被験者の顔写真である。
【図5b】図5bは実施例5における美肌促進剤処置後の被験者の写真である。
【図6a】図6aは実施例6における美肌促進剤処置前の被験者の顔写真である。
【図6b】図6bは実施例6における美肌促進剤処置後の被験者の顔写真である。
【図7a】図7aは実施例7における美肌促進剤処置前の被験者の顔写真である。
【図7b】図7bは実施例7における美肌促進剤処置後の被験者の顔写真である。
【図8a】図8aは実施例8における美肌促進剤処置前の被験者の顔写真である。
【図8b】図8bは実施例8における美肌促進剤処置後の被験者の顔写真である。
【図9a】図9aは実施例9における美肌促進剤処置前の被験者の顔写真である。
【図9b】図9bは実施例9における美肌促進剤処置後の被験者の顔写真である。
【図10a】図10aは実施例10における美肌促進剤処置前の被験者の顔写真である。
【図10b】図10bは実施例10における美肌促進剤処置後の被験者の顔写真である。
【図11a】図11aは実施例11における美肌促進剤処置前の被験者の顔写真である。
【図11b】図11bは実施例11における美肌促進剤処置後の被験者の顔写真である。
【図12a】図12aは実施例12における美肌促進剤処置前の被験者の顔写真である。
【図12b】図12bは実施例12における美肌促進剤処置後の被験者の顔写真である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
美肌促進剤に有効成分として含まれる血小板(細胞)の形態は特に限定されないが、好適には血小板乾燥粉である。
【0009】
血小板乾燥粉は、血液または血液製剤、例えば多血小板血漿(platelet−rich plasma、以下PRPと略す)を原料として製造することができる。血小板乾燥粉を製造する方法は、従来公知の血小板乾燥粉の製造方法を用いることができる。例えば台湾特許出願公告第300806号(TW−I300806)、270375号(TW−I270375)明細書、台湾特許出願公開第201004659号、200526680号明細書、米国特許第7,659,052号、7,202,020号、7,169,606号、6,060,233号、5,736,313号、5,589,462号明細書などがある。本発明の血小板乾燥粉は、上記方法により製造されたものに限られない。血小板乾燥粉は、製造工程の相違により、少量の抗凝固剤、保護剤等を含む。例えば台湾特許出願公告第270375号明細書に記載の製造工程により製造された血小板乾燥粉には、少量の抗凝固剤クエン酸デキストロース(Acid Citrate Dextrose)、寒冷沈降物(cryoprecipitate)、及びトロンビン(thrombin)を含む。これらの成分は実質上血小板乾燥粉の効能に影響を及ぼさないので、特に除去する必要はない。
【0010】
美肌促進剤に含有される有効成分の配合量は、美肌促進剤1mgあたり、少なくとも1,000個の血小板細胞を含むことが好ましい。血小板細胞含有量がこれより少ないと、美肌促進効果が十分ではない場合がある。美肌促進効果の観点からは、美肌促進剤1mgあたり3,000個以上の血小板細胞を含むことが好ましく、5,000個以上の血小板細胞を含むことがさらに好ましい。血小板細胞数は多ければ多いほど、美肌促進効果は期待される。例えば、美肌促進剤1mgあたりに20,000個血小板細胞を含む場合、5,000個血小板細胞を含む場合と比べると著しく美肌促進効果が表れることが分かった。美肌促進剤1mgあたりの血小板細胞数の上限は特に限定されるものではないが、生産性の観点から50,000個以下であることが好ましく、30,000個以下であることがより好ましい。なお、美肌促進剤1mgあたりの血小板の細胞数は、実施例に記載の方法により測定した値を採用する。
【0011】
なお、本明細書で言う「美肌促進」とは、本発明の美肌促進剤適用前の肌状態と比較して肌の諸症状が改善されることを指す。諸症状を改善されるとは、例えば、シワやシミが改善される、肌のハリ/弾力性が増大される、毛穴を引き締める、より艶肌、美白になる、または美容の観点から傷痕が薄くなることなどが挙げられるが、これらに限定されない。したがって、本発明の美肌促進剤は、肌改善を目的おした化粧料および医薬品のカテゴリーに属する。
【0012】
上記の血小板乾燥粉を製造する際の原料は、異種(heterologous)、同種(homologous)または自己(autologous)由来のいずれであってもよい。使用者の心理的考慮に基づき、該血小板乾燥粉は同種または自己由来の血小板乾燥粉であることが好ましい、特に自己由来の血小板乾燥粉がより好ましい。
【0013】
血小板中のPDGF(platelet−derivatives growth factor)含有量は約40〜200pg/mLであり(Vogt.,et al.,Determination of endogenous growth factors in human wound healing. Wound Repair Regeneration,2004,12(4):p.485−492.参照)、本発明の美肌促進剤の有効性は、血小板乾燥粉中のPDGFに関連する可能性がある。しかしながら、本発明は上記メカニズムに限定されるものではない。
【0014】
本発明の美肌促進剤は、特に限定されるものではないが、外用剤であることが好ましく、1日1〜数回、適量を皮膚上に塗布して使用することができる。
【0015】
美肌促進剤の剤型は特に限定されるものではないが、例えばローション剤、乳化剤などの液状剤型;懸濁液;軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、散剤、丸剤等の固形状;スプレー剤等のエアゾール剤等が挙げられる。なお、エアゾール剤として使用する場合は、原液に対して上記のように配合量が設定される。特にローション剤、軟膏剤、クリーム剤、スプレー剤が好ましい。使用性の観点から、より好ましくは、スプレー剤または軟膏剤である。
【0016】
本発明の美肌促進剤は適宜溶媒を添加してもよく、溶媒としては、例えば水、低級アルコール(メタノール、エタノール、変性エタノール、イソプロピルアルコール等)、アルコール−水共溶媒、生理食塩水等が挙げられ、特に水または生理食塩水が好ましい。溶媒の添加量は、有効剤量の血小板細胞を維持できる範囲で適宜設定される。
【0017】
その他、必要に応じ本発明の有効性を喪失しない限りにおいて、他の添加剤を含んでいてもよい。他の添加剤としては、例えば、溶解補助剤、賦形剤、界面活性剤、油剤、乳化安定剤、ゲル化剤、粘着剤、保湿剤、殺菌剤、抗酸化剤、キレート剤、メントール、カンフル等の清涼化剤、色素、香料等が挙げられる。
【0018】
また、本発明の美肌促進剤には他の有効成分(例えば消炎成分、鎮痛成分、栄養成分、経皮吸収促進剤)等を添加することができる。
【0019】
本発明の美肌促進剤は、顔のみならず、皮膚全体の美肌促進を期待する部位の美肌促進を目的として適用される。
【0020】
また、本発明の美肌促進剤は直接、またはスプレー剤等により適用箇所に塗布されることが好ましい。
【0021】
本発明の美肌促進剤の適用量は、被験者の年齢、体重及び症状、目的とする投与形態や方法、治療効果、および処置期間等によって異なり、正確な量は適宜決定されるものである。通常、1日1〜3回に分けて、適量適用される。
【0022】
なお、本発明に係る美肌促進を期待する部位は、美肌促進剤を適用する前に洗浄、消毒等により清潔にしておくことが好ましい。洗浄をするか否かは美肌促進剤の適用部位の清潔さによって判断すればよい。洗浄する場合は、予め洗浄するか、美肌促進剤の適用直前に洗浄することが好ましい。消毒は必ずしも必要ではないが、適用部位全体的に消毒することが好ましい。
【0023】
また、本発明の美肌促進剤を適用する際に、美肌促進剤の吸収を促進する処置を被験者に行ってもよい。当該処置としては、当業者に既知する方法例えばイオン導入法、レーザー照射法、電磁波導入法、極細針による刺入(micro−needle penetration)法、物理的刺激を与える(例えば、角質層へ刺激を与えることで、吸収力を上げる方法)、マッサージなどが挙げられる。なお、これらの吸収を促進する処置は、本発明の美肌促進剤を適用前、適用最中、または適用後のいずれかの一以上の時期に行うことができる。例えば、本発明の美肌促進剤を適用する前に、レーザー照射、針刺入または物理的な刺激を与える処置が好ましい。本発明の美肌促進剤を適用する最中において、イオン導入または電磁波導入を行うことが好ましい。また、本発明の美肌促進剤を適用後に、電磁波導入または血液循環を促進するためのマッサージを行うことが好ましい。
【実施例】
【0024】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】
試験例:
台湾特許出願公告第270375号明細書(TW−I270375)に開示される製造工程により、血小板乾燥粉を製造した。血小板乾燥粉1.0gに生理食塩水を加え5.0mlにした後、調合完成時(0時間)、一週間後(168時間後)、二週間後(336時間後)、三週間後(504時間後)、四週間後(672時間後)、五週間後、六週間後の溶液中のPDGF含有量を、分光光度計(米国Bio−Tek Instruments,Inc.、型番μ−Quant)で測定した。その結果は表1の通りである。
【0026】
【表1】
【0027】
実験結果から、該血小板乾燥粉中のPDGF値が非常に安定であることが示された。
【0028】
実施例1:
台湾特許出願公告第270375号明細書(TW−I270375)に開示される製造工程により、被験者の自己血液から血小板乾燥粉を製造した。美肌促進剤1mgあたり、血小板細胞数が5,000個となるように該血小板乾燥粉に逆浸透水を加え、得られた溶液を、スプレー瓶中に装填した。溶液中の血小板細胞数は、血液分析器(Sysmex社製、型番:KX−21)を用いて測定した。
【0029】
美肌促進を期待する部位を消毒し、当該部位にレーザー照射を行った。その後、当該部位に上記美肌促進剤溶液を均一にスプレーした。この一連の処置を週に一回で毎週行った。その間、毎日の洗顔後に前記美肌促進剤溶液のみを、美肌促進を期待する部位に均一にスプレーした。
【0030】
前記美肌促進処置前、処置4週間後の被験者顔写真をそれぞれ図1a、1bに示し、各図において、右側は当該美肌促進を期待する部位の拡大写真である。4週間処置後には、美肌促進を期待する部位において、処置前と比べると肌が引き締まり、弾力性が向上し、毛穴も引き締まり、美白かつ艶肌になったような美肌促進効果が見られた。
【0031】
実施例2:
他の被験者に対して、実施例1と同様の処置を行った。処置前、処置7週間後の被験者顔写真をそれぞれ図2a、2bに示し、各図において、右側は当該美肌促進を期待する部位の拡大写真である。7週間処置後、処置前と比べるとシワが消失しまたは目立たなくなり、肌が引き締まり、弾力性が増し、毛穴も引き締まり、美白かつ艶肌になり、美肌促進効果が見られた。
【0032】
実施例3:
血液バンクより取り寄せた血液で製造したヒト血小板乾燥粉を用い、美肌促進剤1mg中の血小板細胞数を10,000個とした以外は、他の被験者に対して実施例1と同様に処置した。処置前、処置2週間後の被験者顔写真をそれぞれ図3a、3bに示し、各図において、右側は当該美肌促進を期待する部位の拡大写真である。2週間処置後、処置前と比べるとシワが消失しまたは目立たなくなり、シミが薄くなり、肌が引き締まり、弾力性が増し、毛穴も引き締まり、美白かつ艶肌になり、美肌促進効果が見られた。
【0033】
実施例4:
血液バンクより取り寄せた血液で製造したヒト血小板乾燥粉を用いた以外は、他の被験者に対して、実施例1と同様の処置を行った。処置前、処置4週間後の被験者顔写真をそれぞれ図4a、4bに示し、各図において、右側は当該美肌促進を期待する部位の拡大写真である。4週間処置後、処置前と比べるとシワが消失しまたは目立たなくなり、シミが薄くなり、肌が引き締まり、弾力性が増し、毛穴も引き締まり、美白かつ艶肌になり、美肌促進効果が見られた。
【0034】
実施例5:
血液バンクより取り寄せた血液で製造したヒト血小板乾燥粉を用いた以外は、他の被験者に対して、実施例1と同様の処置を行った。処置前、処置4週間後の被験者顔写真をそれぞれ図5a、5bに示し、各図において、右側は当該美肌促進を期待する部位の拡大写真である。4週間処置後、処置前と比べるとシワが消失しまたは目立たなくなり、傷痕が薄くなり(図5aおよび5bのそれぞれ中央部図を参照)、肌が引き締まり、弾力性が増し、毛穴も引き締まり、美白かつ艶肌になり、美肌促進効果が見られた。
【0035】
実施例6:
血液バンクより取り寄せた血液で製造したヒト血小板乾燥粉を用いた以外は、他の被験者に対して、実施例1と同様の処置を行った。処置前、処置7週間後の被験者顔写真をそれぞれ図6a、6bに示し、各図において、右側は当該美肌促進を期待する部位の拡大写真である。7週間処置後、処置前と比べるとシワが消失しまたは目立たなくなり、シミが薄くなり、肌が引き締まり、弾力性が増し、毛穴も引き締まり、美白かつ艶肌になり、美肌促進効果が見られた。
【0036】
実施例7:
血液バンクより取り寄せた血液で製造したヒト血小板乾燥粉を用いた以外は、他の被験者に対して、実施例1と同様の処置を行った。処置前、処置7週間後の被験者顔写真をそれぞれ図7a、7bに示し、各図において、右側は当該美肌促進を期待する部位の拡大写真である。7週間処置後、処置前と比べるとシワが消失しまたは目立たなくなり、シミが薄くなり、肌が引き締まり、弾力性が増し、毛穴も引き締まり、美白かつ艶肌になり、美肌促進効果が見られた。
【0037】
実施例8:
血液バンクより取り寄せた血液で製造したヒト血小板乾燥粉を用い、美肌促進剤1mg中の血小板細胞数を3,000個とした以外は、他の被験者に対して実施例1と同様に処置した。処置前、処置24週間後の被験者顔写真をそれぞれ図8a、8bに示し、各図において、右側は当該美肌促進を期待する部位の拡大写真である。24週間処置後、処置前と比べるとシワが消失しまたは目立たなくなり、シミが薄くなり、肌が引き締まり、弾力性が増し、毛穴も引き締まり、美白かつ艶肌になり、美肌促進効果が見られた。
【0038】
実施例9:
血液バンクより取り寄せた血液で製造したヒト血小板乾燥粉を用い、美肌促進剤1mg中の血小板細胞数を3,000個とした以外は、他の被験者に対して実施例1と同様に処置した。処置前、処置21週間後の被験者顔写真をそれぞれ図9a、9bに示し、各図において、右側は当該美肌促進を期待する部位の拡大写真である。21週間処置後、処置前と比べるとシワが消失しまたは目立たなくなり、シミが薄くなり、肌が引き締まり、弾力性が増し、毛穴も引き締まり、美白かつ艶肌になり、美肌促進効果が見られた。
【0039】
実施例10:
ウシの血液で製造した血小板乾燥粉を用いた以外は、他の被験者に対して実施例1と同様に処置した。処置前、処置3週間後の被験者顔写真をそれぞれ図10a、10bに示し、各図において、右側は当該美肌促進を期待する部位の拡大写真である。3週間処置後、処置前と比べるとシワが消失しまたは目立たなくなり、シミが薄くなり、肌が引き締まり、弾力性が増し、毛穴も引き締まり、美白かつ艶肌になり、美肌促進効果が見られた。
【0040】
実施例11:
ウシの血液で製造した血小板乾燥粉を用い、美肌促進剤1mg中の血小板細胞数を3,000個とした以外は、他の被験者に対して実施例1と同様に処置した。処置前、処置8週間後の被験者顔写真をそれぞれ図11a、11bに示し、各図において、右側は当該美肌促進を期待する部位の拡大写真である。8週間処置後、処置前と比べるとシワが消失しまたは目立たなくなり、シミが薄くなり、肌が引き締まり、弾力性が増し、毛穴も引き締まり、美白かつ艶肌になり、美肌促進効果が見られた。
【0041】
実施例12:
血液バンクより取り寄せた血液で製造したヒト血小板乾燥粉を用い、美肌促進剤1mg中の血小板細胞数を1,000個とした以外は、他の被験者に対して実施例1と同様に処置した。処置前、処置19週間後の被験者顔写真をそれぞれ図12a、12bに示し、各図において、右側は当該美肌促進を期待する部位の拡大写真である。19週間処置後、処置前と比べるとシワが消失しまたは目立たなくなり、シミが薄くなり、肌が引き締まり、弾力性が増し、毛穴も引き締まり、美白かつ艶肌になり、美肌促進効果が見られた。
【0042】
以上の結果により、被験者の体質に個人差が存在するため、美肌促進効果を現れる時間も異なったが、いずれの実施例においても、本発明の美肌促進剤の美肌促進効果が示された。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血小板を有効成分とする美肌促進剤。
【請求項2】
前記美肌促進剤1mg中に1,000個以上の血小板細胞を含む、請求項1に記載の美肌促進剤。
【請求項3】
前記美肌促進剤1mg中に3,000個以上の血小板細胞を含む請求項2に記載の美肌促進剤。
【請求項4】
前記美肌促進剤1mg中に5,000個以上の血小板細胞を含む請求項2に記載の美肌促進剤。
【請求項5】
前記血小板が血小板乾燥粉の形態である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の美肌促進剤。
【請求項6】
該血小板乾燥粉が自己由来の血小板乾燥粉である請求項1〜5のいずれか1項に記載の美肌促進剤。
【請求項7】
さらに溶媒および/または添加剤を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の美肌促進剤。
【請求項8】
前記溶媒が水または生理食塩水である、請求項7に記載の美肌促進剤。
【請求項1】
血小板を有効成分とする美肌促進剤。
【請求項2】
前記美肌促進剤1mg中に1,000個以上の血小板細胞を含む、請求項1に記載の美肌促進剤。
【請求項3】
前記美肌促進剤1mg中に3,000個以上の血小板細胞を含む請求項2に記載の美肌促進剤。
【請求項4】
前記美肌促進剤1mg中に5,000個以上の血小板細胞を含む請求項2に記載の美肌促進剤。
【請求項5】
前記血小板が血小板乾燥粉の形態である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の美肌促進剤。
【請求項6】
該血小板乾燥粉が自己由来の血小板乾燥粉である請求項1〜5のいずれか1項に記載の美肌促進剤。
【請求項7】
さらに溶媒および/または添加剤を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の美肌促進剤。
【請求項8】
前記溶媒が水または生理食塩水である、請求項7に記載の美肌促進剤。
【図1a】
【図1b】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図9a】
【図9b】
【図10a】
【図10b】
【図11a】
【図11b】
【図12a】
【図12b】
【図1b】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図9a】
【図9b】
【図10a】
【図10b】
【図11a】
【図11b】
【図12a】
【図12b】
【公開番号】特開2012−102095(P2012−102095A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240459(P2011−240459)
【出願日】平成23年11月1日(2011.11.1)
【出願人】(511239199)セントラル メディカル テクノロジーズ インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月1日(2011.11.1)
【出願人】(511239199)セントラル メディカル テクノロジーズ インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
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