群管理制御システム
【課題】本発明の実施形態は、かご内の荷重はもちろん車椅子利用者が乗車できるスペースをも考慮した群管理制御システムを提供することを目的とする。
【解決手段】複数台の乗りかご11と、一般利用者が乗場呼び登録を行う一般乗場呼び登録釦1aと、車椅子利用者が乗場呼び登録を行う車椅子乗場呼び登録釦1bと、一般利用者がかご呼び登録を行う一般かご呼び登録釦12aと、車椅子利用者がかご呼び登録を行う車椅子かご呼び登録釦12bと、一般乗場呼びと車椅子乗場呼びを区別して検出する乗場呼び検出部2と、一般かご呼びと車椅子かご呼びを区別してかご呼び登録状況を監視・保持するかご呼び登録状況監視部7と、各階床の出発時における乗りかご内の荷重を予測荷重値として予測演算する予測荷重演算部6と、車椅子乗場呼びについて複数台の乗りかごの中から最適な乗りかごを割当てる割当制御部3とを備える。
【解決手段】複数台の乗りかご11と、一般利用者が乗場呼び登録を行う一般乗場呼び登録釦1aと、車椅子利用者が乗場呼び登録を行う車椅子乗場呼び登録釦1bと、一般利用者がかご呼び登録を行う一般かご呼び登録釦12aと、車椅子利用者がかご呼び登録を行う車椅子かご呼び登録釦12bと、一般乗場呼びと車椅子乗場呼びを区別して検出する乗場呼び検出部2と、一般かご呼びと車椅子かご呼びを区別してかご呼び登録状況を監視・保持するかご呼び登録状況監視部7と、各階床の出発時における乗りかご内の荷重を予測荷重値として予測演算する予測荷重演算部6と、車椅子乗場呼びについて複数台の乗りかごの中から最適な乗りかごを割当てる割当制御部3とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、車椅子利用者の乗場呼びに対しても最適なエレベータかごを割当てる群管理制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的にエレベータの乗場側には、一般利用者が乗場呼び登録を行うための一般乗場呼び登録釦と、車椅子利用者が乗場呼び登録を行うための車椅子乗場呼び登録釦とが備えられている。
【0003】
一般利用者と車椅子利用者はそれぞれの乗場呼び釦を利用して配車要求を行うが、乗車の際には一般利用者も車椅子利用者も混在してかごに乗車することになる。この場合、車椅子利用者の乗場呼び登録に対して最適なかごを割当てたにもかかわらず、車椅子利用者の乗車スペースがなく、かごの荷重としては満員ではなくても乗車できない問題が生じうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−25550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明の実施形態では、かご内の荷重はもちろん、車椅子利用者が乗車できるスペースをも考慮した群管理制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の実施形態に係る群管理制御システムは、建物に設置される昇降路内を昇降する複数台の乗りかごと、各階床の乗場に設けられ、一般利用者が乗場呼び登録を行う一般乗場呼び登録釦と、各階床の乗場に設けられ、車椅子利用者が乗場呼び登録を行う車椅子乗場呼び登録釦と、前記乗りかご内に設けられ、一般利用者がかご呼び登録を行う一般かご呼び登録釦と、前記乗りかご内に設けられ、車椅子利用者がかご呼び登録を行う車椅子かご呼び登録釦と、前記一般乗場呼び登録釦による乗場呼びを一般乗場呼びとし前記車椅子乗場呼び登録釦とによる乗場呼びを車椅子乗場呼びとしてそれぞれの乗場呼びを区別して検出する乗場呼び検出部と、前記一般かご呼び登録釦によるかご呼びを一般かご呼びとし前記車椅子かご呼び登録釦によるかご呼びを車椅子かご呼びとしてそれぞれのかご呼びを区別して前記複数台の乗りかごのかご呼び登録状況を監視・保持するかご呼び登録状況監視部と、前記乗場呼び検出部によって検出されている乗場呼びの登録状況と、前記かご呼び登録状況監視部に保持されているかご呼びの登録状況とに基づいて各階床の出発時における前記乗りかご内の荷重を予測荷重値として予測演算する予測荷重演算部と、前記乗場呼び検出部から得られる乗車荷重と前記かご呼び登録状況監視部から得られる降車荷重と前記予測荷重演算部から得られるかご内荷重とから前記乗りかご内の車椅子利用者の乗車区間を判断し、前記車椅子乗場呼びについて前記複数台の乗りかごの中から最適な乗りかごを割当てる割当制御部とを備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施形態に係る群管理制御システムを示す構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係るエレベータの運行状態の一例を示す模式図である。
【図3】本発明の実施形態に係るA号機の呼び登録状況を示す模式図である。
【図4】本発明の実施形態に係るB号機の呼び登録状況を示す模式図である。
【図5】本発明の実施形態に係る割当制御部による割当処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係るA号機の予測荷重演算過程1を示す予測荷重テーブルである。
【図7】本発明の実施形態に係るA号機の予測荷重演算過程2を示す予測荷重テーブルである。
【図8】本発明の実施形態に係るA号機の予測荷重演算過程3を示す予測荷重テーブルである。
【図9】本発明の実施形態に係るA号機の予測荷重演算過程4を示す予測荷重テーブルである。
【図10】本発明の実施形態に係るA号機の予測荷重演算過程5を示す予測荷重テーブルである。
【図11】本発明の実施形態に係るA号機の予測荷重演算結果を示す予測荷重テーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0009】
まず、図1を用いて本発明の第1の実施形態に係る群管理制御システムの構成について説明する。図1は本発明の第1の実施形態に係る群管理制御システムを示す構成図である。
【0010】
一般的に、車椅子利用者向けのエレベータは、1つの群管理システムにおいて通常1台のエレベータのかごであるが、近年ではすべてのエレベータかごを車椅子利用者兼用とするケースが増えてきている。本実施形態でも、すべてのエレベータかごが車椅子利用者兼用となっている場合を前提に説明する。
【0011】
図1に示すように、本実施形態に係るエレベータの群管理制御システムは、一般利用者が乗場呼びを行うための一般乗場呼び登録釦1an(n=1、2、3、…)、車椅子利用者が乗場呼びを行うための車椅子乗場呼び登録釦1bn(n=1、2、3、…)、乗場呼び検出部2、割当制御部3、かご状態情報取得部4、かご呼び登録情報取得部5、予測荷重演算部6、かご呼び登録状況監視部7、割当指示部9、単体制御部10m(m=1、2、3、…)、乗りかご11m(m=1、2、3、…)、一般利用者がかご呼びを行うための一般かご呼び登録釦12am(m=1、2、3、…)、車椅子利用者がかご呼びを行うための車椅子かご呼び登録釦12bm(m=1、2、3、…)を有する構成となっている。以下、本実施形態に係るエレベータの群管理制御システムの構成について詳細に説明する。
【0012】
建物乗場の各階にはそれぞれ一般乗場呼び登録釦1an(n=1、2、3、…)及び車椅子乗場呼び登録釦1bn(n=1、2、3、…)が備えられている。本実施形態においては、以下、一般乗場呼び登録釦1anおよび車椅子乗場呼び登録釦1bnをまとめて乗場呼び装置1としても称すものとする。
【0013】
乗場呼び装置1には乗場呼び検出部2が接続されており、乗場呼び検出部2は割当制御部3に接続されている。乗場呼び検出部2は乗場呼び装置1からの信号を受け取り、新規乗場呼びの発生を検知すると、検知した乗場呼び登録情報を割当制御部3に出力する。乗場呼び登録情報を受け取った割当制御部3は、検知した乗場呼びに対して割当てるべき最適な乗りかご11を選定するよう設定されている。割当制御部3による最適かごの選定についての詳細は後述する。
【0014】
また割当制御部3は、かご状態情報取得部4、予測荷重演算部6、呼び登録状況監視部7及び割当指示部9に接続されている。
【0015】
割当制御部3は、割当指示部9を介して単体制御部10に割当信号を出力し、割当信号を受け取った単体制御部10はそれぞれに接続されている乗りかご11を制御するように設定されている。
【0016】
また、各乗りかご11を制御する単体制御部10には乗りかご11の運行情報を取得するかご状態情報取得部4が接続されている。乗りかご11の運行情報としては、乗りかご11の現在位置、現在進行方向、現在荷重、現在速度、移動中、戸開中、戸閉中、戸開状態、戸閉状態、停止中、休止中等の情報が含まれている。かご状態情報取得部4による乗りかご11の運行情報の取得は例えば100msec周期のように定期的に行われるように設定されている。
【0017】
また、乗りかご11内には一般かご呼び登録釦12a及び車椅子かご呼び登録釦12bが備えられている。
【0018】
また、割当制御部3は、定期的にかご状態情報取得部4から乗りかご11の運行情報を取得できるように設定されている。
【0019】
かご呼び登録情報取得部5は各単体制御部10に接続されており、定期的に単体制御部10かご呼び登録情報を取得するよう設定されている。このとき、かご呼び登録情報を一般かご呼び登録情報と車椅子かご呼び登録情報とに区別して取得するように設定されている。かご呼び登録情報取得部5にはかご呼び登録状況監視部7が接続されており、かご呼び登録状況監視部7は、かご呼び登録情報取得部5にて取得される各乗りかご11の一般かご呼び登録情報及び車椅子かご呼び登録情報を監視・保持している。
【0020】
予測荷重演算部6は、かご状態情報取得部4及びかご呼び登録状況監視部7と接続され、かご状態情報取得部4及びかご呼び登録状況監視部7とから得られる情報から、乗りかご11の階床出発時におけるかご内予測荷重を演算するよう設定されている。
【0021】
以上のようにして、本実施形態に係るエレベータ群管理システムは構成されている。
【0022】
次に、割当制御部3による、一般乗場呼び及び車椅子乗場呼びを考慮した最適かごの選定について詳細に説明する。本実施形態によれば、割当制御部3は一般乗場呼びについては乗りかご11の未応答時間が最小になる号機を選定し、車椅子乗場呼びについてはかご11内の空きスペースを考慮した号機の選定を行う。また、本実施形態では車椅子乗場呼びに対する乗車スペースを考慮した割当制御について説明する。以下、説明を簡単にするため、群管理制御されるエレベータの台数を2台とし、それぞれをA号機、B号機として説明する。
【0023】
今、かご状態情報取得部4により各号機の状態情報を取得した結果、図2に示すような状態となっている。すなわち、A号機の現在位置は2F、進行方向は上方向、かご内荷重は320kg、走行中であり、B号機の現在位置は6F、進行方向は下方向、かご内荷重は400kg、走行中である。図2中における黒三角は一般乗場呼び、白三角は車椅子乗場呼びを示し、黒丸は一般かご呼び、白丸は車椅子かご呼びを示す。なお、それぞれの示す位置が、呼び登録階及び指定階であり、三角の向きが進行方向を示している。
【0024】
また、このときかご呼び登録状況監視部7にはA号機とB号機の乗場呼び割当状況とかご呼び発生状況が一般と車椅子とに区別して記憶されている。具体的には、図2に示すような状況にある場合、A号機の呼び登録状況は図3に示すような登録状況、B号機の呼び登録状況は図4に示すような登録状況となっている。図3及び図4における「1」は呼び登録を示し、「0」は未登録を示すものである。
【0025】
以上の状況下において、車椅子乗場呼び登録釦1bにより、6Fにて下方向の車椅子乗場呼びが発生した場合の最適な乗りかご11の割当処理について図5のフローチャートを参照して説明する。
【0026】
まず、予測荷重演算部6は各号機が各階床を出発する際のかご内荷重すなわち出発時予測荷重を予測演算する(S1)。
【0027】
ここでは、各階床の出発時予測荷重を演算する予測荷重演算部6は図6に示すような予測荷重テーブルを作成し、図6に示すように、乗りかご11の上昇時、下降時の出発時の荷重が演算される。図6におけるWUfはf階上方向出発時の予測荷重、WDfはf階下方向出発時の予測荷重を示している。なお、本実施形態では最上階での上方向乗場呼び、最下階での下方向乗場呼びは存在しない。
【0028】
ここで、予測荷重演算部6による各階床の出発時予測荷重の演算方法について説明する。まず、現在階床位置におけるA号機及びB号機のかご内荷重を測定する。それぞれのかご内荷重は上述したとおり、A号機は2F上方向で320kg、B号機は6F下方向で400kgである。ここでのかご内荷重の測定方法は特に限定しないが、例えば、かご床に設けられるかご内荷重検出装置等で、荷重を測定するものとする。また、各号機に登録されているかご呼びの中で進行方向に対して最も最端階の階床における出発時予測荷重を0kgとして予測荷重テーブルにセットする。
【0029】
なお、本実施形態においては一般利用者の荷重を60kg、車椅子利用者の荷重を120kgとして設定されているものとして説明する。
【0030】
以下、具体的にA号機における各階床の予測荷重の演算及び予測荷重テーブルの作成について説明する。
【0031】
まず、図7に示すように予測荷重テーブルにおいて、A号機の現在位置である2Fで初期値320kgがセットされる。次に、一般かご呼び登録階である5Fで降車荷重である荷重60kgの減算を行う。また、6Fでは車椅子かご呼び発生階であるので降車荷重である荷重120kgの減算を行う。このとき、6FはA号機のかご呼び最端階であることから、6階では予測荷重が0kgになるべきである。したがって、予測荷重演算部6はかご呼び最端階である6階でのかご内荷重が0kgになるように補正値を付加する処理を行う。具体的には、補正前の6階における予測荷重は(A号機の初期荷重)−(5階の降車荷重+6階の降車荷重)、すなわち、320kg−180kg=140kgの残量があることになるため、補正値として−140kgを付加する。
【0032】
次に、各階床に発生する乗場呼びの応答による乗車荷重を加算する。ここでは、図8に示すように、3階上方向の一般乗場呼びと8階下方向の一般乗場呼びとに応答するため、それぞれの階床にて乗車荷重である60kgの加算を行う。
【0033】
次に、各階床で発生する乗場呼びの応答の際に乗車した乗客が登録するかご呼び、すなわち派生かご呼びによる降車荷重を減算する。本実施形態では、派生かご呼びは上方向乗場呼びの場合は最上階、下方向乗場呼びの場合は最下階に発生するものとする。また、発生する派生かご呼びとしては、一般乗場呼びによって発生する派生かご呼びは一般かご呼びとし、車椅子乗場呼びによって発生する派生かご呼びは車椅子かご呼びとする。したがって、本実施形態においては、3階上方向の一般乗場呼びの派生かご呼びは最上階である8階、8階下方向の一般乗場呼びの派生かご呼びは最下階である1階として、予測荷重演算部6は予測荷重を演算する。すなわち、派生かご呼びが発生する8階及び1階のそれぞれでは降車荷重である荷重60kgの減算を行う。よって、各階床の予測荷重の関係は図9のようになる。
【0034】
以上の処理により、A号機の現在位置である2Fで初期値320kgがセットされ、図7〜図9に示すように、予測荷重テーブルを埋めていくと、図10のような予測荷重テーブルが作成される。このようにして、各階床の予測荷重を求めることができる。
【0035】
上記の方法と同様に、B号機についても予測荷重を求めると、図11に示すような予測荷重テーブルが作成される。
【0036】
図5のフローチャートに戻り、ステップ1の後、割当制御部3はかご呼び登録状況監視部7から得られる情報から、車椅子かご呼び及び車椅子乗場呼びから派生する派生車椅子かご呼びが登録されている階床区間を求める(S2)。
【0037】
つまり図2に示すようなA号機の場合には、車椅子かご呼びが6階に登録されており、その他の車椅子かご呼び、車椅子乗場呼び及び派生車椅子かご呼びも登録されていない。したがって、A号機において車椅子かご呼びが登録されている階床区間は現在位置である2階から6階までの上方向走行区間である。すなわち、2〜5階の出発時において車椅子利用者が乗りかご11に乗車していることになる。
【0038】
同様にB号機においては、車椅子乗場呼びが1階に登録されており、さらに車椅子かご呼びが1階に登録されている。本実施形態においては、上方向乗場呼びに対する派生かご呼びは最上階すなわち8階に発生するものとしているため、車椅子かご呼びが登録されている階床区間は6階から1階までの下方向走行区間と、1階から8階までの上方向走行区間である。すなわち、下方向走行の6階〜2階の出発時及び上方向走行のときの1〜7階の出発時において車椅子利用者が乗りかご11に乗車していることになる。
【0039】
なお、ここでは車椅子かご呼びを1つでも持っている区間を求めたが、かごの定格積載量によって、車椅子かご呼びの保持数を任意に設定し、その保持数に達している区間を求めるものとしてもよい。
【0040】
次に、割当制御部3はかご状態情報取得部4及び予測荷重演算部6から得られる情報から車椅子乗場呼び発生階におけるかご内予測荷重が、予め設定される荷重閾値よりも小さい値の号機が存在するか否かを判断する(S3)。荷重閾値は、例えばかごの定格積載などから決定される。
【0041】
車椅子乗場呼び発生階におけるかご内予測荷重が、予め設定される荷重閾値よりも小さい号機が存在しない場合(S3のNO)、割当制御部3は当該車椅子乗場呼びに対して、一般乗場呼びと同様の割当処理を行う(S4)。その後、割当処理を終了する。
【0042】
一方、車椅子乗場呼び発生階におけるかご内予測荷重が、予め設定される荷重閾値よりも小さい号機が存在する場合(S3のYES)、割当制御部3は当該車椅子乗場呼び発生階において車椅子かご呼び保持区間でない号機が存在するか否かを判断する(S5)。本実施形態において、6Fにて下方向の車椅子乗場呼びが発生していることを考えると、A号機については下方向走行時には6Fは車椅子かご呼び保持区間ではないことが分かる。一方、B号機については、下方向走行時には6Fから1Fまでが車椅子かご呼び保持区間であることが分かる。
【0043】
当該車椅子乗場呼び発生階において車椅子かご呼び保持区間でない号機が存在すると判断した場合(S5のYES)、割当制御部3は該当号機の中から予測到着時間が最小となる号機に対して割当を行う(S6)。その後、処理を終了する。
【0044】
一方、当該車椅子乗場呼び発生階において車椅子かご呼び保持区間でない号機が存在しないと判断した場合(S5のNO)、割当制御部3は当該車椅子乗場呼びに対して、一般乗場呼びと同様の割当処理を行い(S4)、処理を終了する。
【0045】
すなわち本実施形態では、6Fにて下方向車椅子乗場呼びが発生した場合には、A号機が下方向走行時、6Fにおけるかご内予測荷重が予め設定される荷重閾値よりも小さい荷重を保持している場合に、当該車椅子乗場呼びに対してA号機が割当てられることになる。
【0046】
以上のように、本実施形態によれば車椅子利用者の呼び登録の際にかご内の荷重だけでなく乗車する際の乗車スペースをも考慮して乗りかごの割当計算を行うことにより、車椅子利用者の利便性を向上させると共に、エレベータの群管理効率も考慮することができる。
【符号の説明】
【0047】
1a…一般乗場呼び登録釦
1b…車椅子乗場呼び登録釦
2…乗場呼び検出部
3…割当制御部
4…かご状態情報取得部
5…かご呼び情報取得部
6…予測荷重演算部
7…かご呼び登録状況監視部
9…割当指示部
10…単体制御部
11…乗りかご
12a…一般かご呼び登録釦
12b…車椅子かご呼び登録釦
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、車椅子利用者の乗場呼びに対しても最適なエレベータかごを割当てる群管理制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的にエレベータの乗場側には、一般利用者が乗場呼び登録を行うための一般乗場呼び登録釦と、車椅子利用者が乗場呼び登録を行うための車椅子乗場呼び登録釦とが備えられている。
【0003】
一般利用者と車椅子利用者はそれぞれの乗場呼び釦を利用して配車要求を行うが、乗車の際には一般利用者も車椅子利用者も混在してかごに乗車することになる。この場合、車椅子利用者の乗場呼び登録に対して最適なかごを割当てたにもかかわらず、車椅子利用者の乗車スペースがなく、かごの荷重としては満員ではなくても乗車できない問題が生じうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−25550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明の実施形態では、かご内の荷重はもちろん、車椅子利用者が乗車できるスペースをも考慮した群管理制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の実施形態に係る群管理制御システムは、建物に設置される昇降路内を昇降する複数台の乗りかごと、各階床の乗場に設けられ、一般利用者が乗場呼び登録を行う一般乗場呼び登録釦と、各階床の乗場に設けられ、車椅子利用者が乗場呼び登録を行う車椅子乗場呼び登録釦と、前記乗りかご内に設けられ、一般利用者がかご呼び登録を行う一般かご呼び登録釦と、前記乗りかご内に設けられ、車椅子利用者がかご呼び登録を行う車椅子かご呼び登録釦と、前記一般乗場呼び登録釦による乗場呼びを一般乗場呼びとし前記車椅子乗場呼び登録釦とによる乗場呼びを車椅子乗場呼びとしてそれぞれの乗場呼びを区別して検出する乗場呼び検出部と、前記一般かご呼び登録釦によるかご呼びを一般かご呼びとし前記車椅子かご呼び登録釦によるかご呼びを車椅子かご呼びとしてそれぞれのかご呼びを区別して前記複数台の乗りかごのかご呼び登録状況を監視・保持するかご呼び登録状況監視部と、前記乗場呼び検出部によって検出されている乗場呼びの登録状況と、前記かご呼び登録状況監視部に保持されているかご呼びの登録状況とに基づいて各階床の出発時における前記乗りかご内の荷重を予測荷重値として予測演算する予測荷重演算部と、前記乗場呼び検出部から得られる乗車荷重と前記かご呼び登録状況監視部から得られる降車荷重と前記予測荷重演算部から得られるかご内荷重とから前記乗りかご内の車椅子利用者の乗車区間を判断し、前記車椅子乗場呼びについて前記複数台の乗りかごの中から最適な乗りかごを割当てる割当制御部とを備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施形態に係る群管理制御システムを示す構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係るエレベータの運行状態の一例を示す模式図である。
【図3】本発明の実施形態に係るA号機の呼び登録状況を示す模式図である。
【図4】本発明の実施形態に係るB号機の呼び登録状況を示す模式図である。
【図5】本発明の実施形態に係る割当制御部による割当処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係るA号機の予測荷重演算過程1を示す予測荷重テーブルである。
【図7】本発明の実施形態に係るA号機の予測荷重演算過程2を示す予測荷重テーブルである。
【図8】本発明の実施形態に係るA号機の予測荷重演算過程3を示す予測荷重テーブルである。
【図9】本発明の実施形態に係るA号機の予測荷重演算過程4を示す予測荷重テーブルである。
【図10】本発明の実施形態に係るA号機の予測荷重演算過程5を示す予測荷重テーブルである。
【図11】本発明の実施形態に係るA号機の予測荷重演算結果を示す予測荷重テーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0009】
まず、図1を用いて本発明の第1の実施形態に係る群管理制御システムの構成について説明する。図1は本発明の第1の実施形態に係る群管理制御システムを示す構成図である。
【0010】
一般的に、車椅子利用者向けのエレベータは、1つの群管理システムにおいて通常1台のエレベータのかごであるが、近年ではすべてのエレベータかごを車椅子利用者兼用とするケースが増えてきている。本実施形態でも、すべてのエレベータかごが車椅子利用者兼用となっている場合を前提に説明する。
【0011】
図1に示すように、本実施形態に係るエレベータの群管理制御システムは、一般利用者が乗場呼びを行うための一般乗場呼び登録釦1an(n=1、2、3、…)、車椅子利用者が乗場呼びを行うための車椅子乗場呼び登録釦1bn(n=1、2、3、…)、乗場呼び検出部2、割当制御部3、かご状態情報取得部4、かご呼び登録情報取得部5、予測荷重演算部6、かご呼び登録状況監視部7、割当指示部9、単体制御部10m(m=1、2、3、…)、乗りかご11m(m=1、2、3、…)、一般利用者がかご呼びを行うための一般かご呼び登録釦12am(m=1、2、3、…)、車椅子利用者がかご呼びを行うための車椅子かご呼び登録釦12bm(m=1、2、3、…)を有する構成となっている。以下、本実施形態に係るエレベータの群管理制御システムの構成について詳細に説明する。
【0012】
建物乗場の各階にはそれぞれ一般乗場呼び登録釦1an(n=1、2、3、…)及び車椅子乗場呼び登録釦1bn(n=1、2、3、…)が備えられている。本実施形態においては、以下、一般乗場呼び登録釦1anおよび車椅子乗場呼び登録釦1bnをまとめて乗場呼び装置1としても称すものとする。
【0013】
乗場呼び装置1には乗場呼び検出部2が接続されており、乗場呼び検出部2は割当制御部3に接続されている。乗場呼び検出部2は乗場呼び装置1からの信号を受け取り、新規乗場呼びの発生を検知すると、検知した乗場呼び登録情報を割当制御部3に出力する。乗場呼び登録情報を受け取った割当制御部3は、検知した乗場呼びに対して割当てるべき最適な乗りかご11を選定するよう設定されている。割当制御部3による最適かごの選定についての詳細は後述する。
【0014】
また割当制御部3は、かご状態情報取得部4、予測荷重演算部6、呼び登録状況監視部7及び割当指示部9に接続されている。
【0015】
割当制御部3は、割当指示部9を介して単体制御部10に割当信号を出力し、割当信号を受け取った単体制御部10はそれぞれに接続されている乗りかご11を制御するように設定されている。
【0016】
また、各乗りかご11を制御する単体制御部10には乗りかご11の運行情報を取得するかご状態情報取得部4が接続されている。乗りかご11の運行情報としては、乗りかご11の現在位置、現在進行方向、現在荷重、現在速度、移動中、戸開中、戸閉中、戸開状態、戸閉状態、停止中、休止中等の情報が含まれている。かご状態情報取得部4による乗りかご11の運行情報の取得は例えば100msec周期のように定期的に行われるように設定されている。
【0017】
また、乗りかご11内には一般かご呼び登録釦12a及び車椅子かご呼び登録釦12bが備えられている。
【0018】
また、割当制御部3は、定期的にかご状態情報取得部4から乗りかご11の運行情報を取得できるように設定されている。
【0019】
かご呼び登録情報取得部5は各単体制御部10に接続されており、定期的に単体制御部10かご呼び登録情報を取得するよう設定されている。このとき、かご呼び登録情報を一般かご呼び登録情報と車椅子かご呼び登録情報とに区別して取得するように設定されている。かご呼び登録情報取得部5にはかご呼び登録状況監視部7が接続されており、かご呼び登録状況監視部7は、かご呼び登録情報取得部5にて取得される各乗りかご11の一般かご呼び登録情報及び車椅子かご呼び登録情報を監視・保持している。
【0020】
予測荷重演算部6は、かご状態情報取得部4及びかご呼び登録状況監視部7と接続され、かご状態情報取得部4及びかご呼び登録状況監視部7とから得られる情報から、乗りかご11の階床出発時におけるかご内予測荷重を演算するよう設定されている。
【0021】
以上のようにして、本実施形態に係るエレベータ群管理システムは構成されている。
【0022】
次に、割当制御部3による、一般乗場呼び及び車椅子乗場呼びを考慮した最適かごの選定について詳細に説明する。本実施形態によれば、割当制御部3は一般乗場呼びについては乗りかご11の未応答時間が最小になる号機を選定し、車椅子乗場呼びについてはかご11内の空きスペースを考慮した号機の選定を行う。また、本実施形態では車椅子乗場呼びに対する乗車スペースを考慮した割当制御について説明する。以下、説明を簡単にするため、群管理制御されるエレベータの台数を2台とし、それぞれをA号機、B号機として説明する。
【0023】
今、かご状態情報取得部4により各号機の状態情報を取得した結果、図2に示すような状態となっている。すなわち、A号機の現在位置は2F、進行方向は上方向、かご内荷重は320kg、走行中であり、B号機の現在位置は6F、進行方向は下方向、かご内荷重は400kg、走行中である。図2中における黒三角は一般乗場呼び、白三角は車椅子乗場呼びを示し、黒丸は一般かご呼び、白丸は車椅子かご呼びを示す。なお、それぞれの示す位置が、呼び登録階及び指定階であり、三角の向きが進行方向を示している。
【0024】
また、このときかご呼び登録状況監視部7にはA号機とB号機の乗場呼び割当状況とかご呼び発生状況が一般と車椅子とに区別して記憶されている。具体的には、図2に示すような状況にある場合、A号機の呼び登録状況は図3に示すような登録状況、B号機の呼び登録状況は図4に示すような登録状況となっている。図3及び図4における「1」は呼び登録を示し、「0」は未登録を示すものである。
【0025】
以上の状況下において、車椅子乗場呼び登録釦1bにより、6Fにて下方向の車椅子乗場呼びが発生した場合の最適な乗りかご11の割当処理について図5のフローチャートを参照して説明する。
【0026】
まず、予測荷重演算部6は各号機が各階床を出発する際のかご内荷重すなわち出発時予測荷重を予測演算する(S1)。
【0027】
ここでは、各階床の出発時予測荷重を演算する予測荷重演算部6は図6に示すような予測荷重テーブルを作成し、図6に示すように、乗りかご11の上昇時、下降時の出発時の荷重が演算される。図6におけるWUfはf階上方向出発時の予測荷重、WDfはf階下方向出発時の予測荷重を示している。なお、本実施形態では最上階での上方向乗場呼び、最下階での下方向乗場呼びは存在しない。
【0028】
ここで、予測荷重演算部6による各階床の出発時予測荷重の演算方法について説明する。まず、現在階床位置におけるA号機及びB号機のかご内荷重を測定する。それぞれのかご内荷重は上述したとおり、A号機は2F上方向で320kg、B号機は6F下方向で400kgである。ここでのかご内荷重の測定方法は特に限定しないが、例えば、かご床に設けられるかご内荷重検出装置等で、荷重を測定するものとする。また、各号機に登録されているかご呼びの中で進行方向に対して最も最端階の階床における出発時予測荷重を0kgとして予測荷重テーブルにセットする。
【0029】
なお、本実施形態においては一般利用者の荷重を60kg、車椅子利用者の荷重を120kgとして設定されているものとして説明する。
【0030】
以下、具体的にA号機における各階床の予測荷重の演算及び予測荷重テーブルの作成について説明する。
【0031】
まず、図7に示すように予測荷重テーブルにおいて、A号機の現在位置である2Fで初期値320kgがセットされる。次に、一般かご呼び登録階である5Fで降車荷重である荷重60kgの減算を行う。また、6Fでは車椅子かご呼び発生階であるので降車荷重である荷重120kgの減算を行う。このとき、6FはA号機のかご呼び最端階であることから、6階では予測荷重が0kgになるべきである。したがって、予測荷重演算部6はかご呼び最端階である6階でのかご内荷重が0kgになるように補正値を付加する処理を行う。具体的には、補正前の6階における予測荷重は(A号機の初期荷重)−(5階の降車荷重+6階の降車荷重)、すなわち、320kg−180kg=140kgの残量があることになるため、補正値として−140kgを付加する。
【0032】
次に、各階床に発生する乗場呼びの応答による乗車荷重を加算する。ここでは、図8に示すように、3階上方向の一般乗場呼びと8階下方向の一般乗場呼びとに応答するため、それぞれの階床にて乗車荷重である60kgの加算を行う。
【0033】
次に、各階床で発生する乗場呼びの応答の際に乗車した乗客が登録するかご呼び、すなわち派生かご呼びによる降車荷重を減算する。本実施形態では、派生かご呼びは上方向乗場呼びの場合は最上階、下方向乗場呼びの場合は最下階に発生するものとする。また、発生する派生かご呼びとしては、一般乗場呼びによって発生する派生かご呼びは一般かご呼びとし、車椅子乗場呼びによって発生する派生かご呼びは車椅子かご呼びとする。したがって、本実施形態においては、3階上方向の一般乗場呼びの派生かご呼びは最上階である8階、8階下方向の一般乗場呼びの派生かご呼びは最下階である1階として、予測荷重演算部6は予測荷重を演算する。すなわち、派生かご呼びが発生する8階及び1階のそれぞれでは降車荷重である荷重60kgの減算を行う。よって、各階床の予測荷重の関係は図9のようになる。
【0034】
以上の処理により、A号機の現在位置である2Fで初期値320kgがセットされ、図7〜図9に示すように、予測荷重テーブルを埋めていくと、図10のような予測荷重テーブルが作成される。このようにして、各階床の予測荷重を求めることができる。
【0035】
上記の方法と同様に、B号機についても予測荷重を求めると、図11に示すような予測荷重テーブルが作成される。
【0036】
図5のフローチャートに戻り、ステップ1の後、割当制御部3はかご呼び登録状況監視部7から得られる情報から、車椅子かご呼び及び車椅子乗場呼びから派生する派生車椅子かご呼びが登録されている階床区間を求める(S2)。
【0037】
つまり図2に示すようなA号機の場合には、車椅子かご呼びが6階に登録されており、その他の車椅子かご呼び、車椅子乗場呼び及び派生車椅子かご呼びも登録されていない。したがって、A号機において車椅子かご呼びが登録されている階床区間は現在位置である2階から6階までの上方向走行区間である。すなわち、2〜5階の出発時において車椅子利用者が乗りかご11に乗車していることになる。
【0038】
同様にB号機においては、車椅子乗場呼びが1階に登録されており、さらに車椅子かご呼びが1階に登録されている。本実施形態においては、上方向乗場呼びに対する派生かご呼びは最上階すなわち8階に発生するものとしているため、車椅子かご呼びが登録されている階床区間は6階から1階までの下方向走行区間と、1階から8階までの上方向走行区間である。すなわち、下方向走行の6階〜2階の出発時及び上方向走行のときの1〜7階の出発時において車椅子利用者が乗りかご11に乗車していることになる。
【0039】
なお、ここでは車椅子かご呼びを1つでも持っている区間を求めたが、かごの定格積載量によって、車椅子かご呼びの保持数を任意に設定し、その保持数に達している区間を求めるものとしてもよい。
【0040】
次に、割当制御部3はかご状態情報取得部4及び予測荷重演算部6から得られる情報から車椅子乗場呼び発生階におけるかご内予測荷重が、予め設定される荷重閾値よりも小さい値の号機が存在するか否かを判断する(S3)。荷重閾値は、例えばかごの定格積載などから決定される。
【0041】
車椅子乗場呼び発生階におけるかご内予測荷重が、予め設定される荷重閾値よりも小さい号機が存在しない場合(S3のNO)、割当制御部3は当該車椅子乗場呼びに対して、一般乗場呼びと同様の割当処理を行う(S4)。その後、割当処理を終了する。
【0042】
一方、車椅子乗場呼び発生階におけるかご内予測荷重が、予め設定される荷重閾値よりも小さい号機が存在する場合(S3のYES)、割当制御部3は当該車椅子乗場呼び発生階において車椅子かご呼び保持区間でない号機が存在するか否かを判断する(S5)。本実施形態において、6Fにて下方向の車椅子乗場呼びが発生していることを考えると、A号機については下方向走行時には6Fは車椅子かご呼び保持区間ではないことが分かる。一方、B号機については、下方向走行時には6Fから1Fまでが車椅子かご呼び保持区間であることが分かる。
【0043】
当該車椅子乗場呼び発生階において車椅子かご呼び保持区間でない号機が存在すると判断した場合(S5のYES)、割当制御部3は該当号機の中から予測到着時間が最小となる号機に対して割当を行う(S6)。その後、処理を終了する。
【0044】
一方、当該車椅子乗場呼び発生階において車椅子かご呼び保持区間でない号機が存在しないと判断した場合(S5のNO)、割当制御部3は当該車椅子乗場呼びに対して、一般乗場呼びと同様の割当処理を行い(S4)、処理を終了する。
【0045】
すなわち本実施形態では、6Fにて下方向車椅子乗場呼びが発生した場合には、A号機が下方向走行時、6Fにおけるかご内予測荷重が予め設定される荷重閾値よりも小さい荷重を保持している場合に、当該車椅子乗場呼びに対してA号機が割当てられることになる。
【0046】
以上のように、本実施形態によれば車椅子利用者の呼び登録の際にかご内の荷重だけでなく乗車する際の乗車スペースをも考慮して乗りかごの割当計算を行うことにより、車椅子利用者の利便性を向上させると共に、エレベータの群管理効率も考慮することができる。
【符号の説明】
【0047】
1a…一般乗場呼び登録釦
1b…車椅子乗場呼び登録釦
2…乗場呼び検出部
3…割当制御部
4…かご状態情報取得部
5…かご呼び情報取得部
6…予測荷重演算部
7…かご呼び登録状況監視部
9…割当指示部
10…単体制御部
11…乗りかご
12a…一般かご呼び登録釦
12b…車椅子かご呼び登録釦
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物に設置される昇降路内を昇降する複数台の乗りかごと、
各階床の乗場に設けられ、一般利用者が乗場呼び登録を行う一般乗場呼び登録釦と、
各階床の乗場に設けられ、車椅子利用者が乗場呼び登録を行う車椅子乗場呼び登録釦と、
前記乗りかご内に設けられ、一般利用者がかご呼び登録を行う一般かご呼び登録釦と、
前記乗りかご内に設けられ、車椅子利用者がかご呼び登録を行う車椅子かご呼び登録釦と、
前記一般乗場呼び登録釦による乗場呼びを一般乗場呼びとし前記車椅子乗場呼び登録釦とによる乗場呼びを車椅子乗場呼びとしてそれぞれの乗場呼びを区別して検出する乗場呼び検出部と、
前記一般かご呼び登録釦によるかご呼びを一般かご呼びとし前記車椅子かご呼び登録釦によるかご呼びを車椅子かご呼びとしてそれぞれのかご呼びを区別して前記複数台の乗りかごのかご呼び登録状況を監視・保持するかご呼び登録状況監視部と、
前記乗場呼び検出部によって検出されている乗場呼びの登録状況と、前記かご呼び登録状況監視部に保持されているかご呼びの登録状況とに基づいて各階床の出発時における前記乗りかご内の荷重を予測荷重値として予測演算する予測荷重演算部と、
前記乗場呼び検出部から得られる乗車荷重と前記かご呼び登録状況監視部から得られる降車荷重と前記予測荷重演算部から得られるかご内荷重とから前記乗りかご内の車椅子利用者の乗車区間を判断し、前記車椅子乗場呼びについて前記複数台の乗りかごの中から最適な乗りかごを割当てる割当制御部と、
を備えることを特徴とする群管理制御システム。
【請求項2】
前記予測荷重演算部は、各階床における前記乗りかご内の荷重を演算する際に、前記乗場呼び検出部によって前記一般乗場呼び及び前記車椅子乗場呼びが検出された場合に乗場呼びの発生階において乗車荷重としてそれぞれ任意の荷重を加算し、前記かご呼び登録状況監視部によって前記一般かご呼び及び前記車椅子かご呼びが保持されている場合にかご呼びの指定階において降車荷重としてそれぞれ任意の荷重を減算することにより、前記乗りかご内の荷重を予測演算することを特徴とする請求項1に記載の群管理制御システム。
【請求項3】
前記予測荷重演算部は、前記一般かご呼び及び前記車椅子かご呼びが発生している前記乗りかごの進行方向最端階において、前記乗りかご内の予測荷重を調整することを特徴とする請求項1に記載の群管理制御システム。
【請求項4】
前記割当制御部は、前記車椅子乗場呼びに対して前記乗りかごを割当てる際に、前記予測荷重演算部によって演算される前記車椅子乗場呼び発生階における予測荷重が予め定められる閾値以下の前記乗りかごを優先的に割当てることを特徴とする請求項1に記載の群管理制御システム。
【請求項5】
前記割当制御部は、前記車椅子乗場呼びに対して前記乗りかごを割当てる際に、前記かご呼び登録状況監視部からの情報により前記車椅子かご呼びが登録されている区間を考慮し、前記車椅子乗場呼び発生階が前記車椅子かご呼びの保持区間でない前記乗りかごを優先的に割当てることを特徴とする請求項1に記載の群管理制御システム。
【請求項1】
建物に設置される昇降路内を昇降する複数台の乗りかごと、
各階床の乗場に設けられ、一般利用者が乗場呼び登録を行う一般乗場呼び登録釦と、
各階床の乗場に設けられ、車椅子利用者が乗場呼び登録を行う車椅子乗場呼び登録釦と、
前記乗りかご内に設けられ、一般利用者がかご呼び登録を行う一般かご呼び登録釦と、
前記乗りかご内に設けられ、車椅子利用者がかご呼び登録を行う車椅子かご呼び登録釦と、
前記一般乗場呼び登録釦による乗場呼びを一般乗場呼びとし前記車椅子乗場呼び登録釦とによる乗場呼びを車椅子乗場呼びとしてそれぞれの乗場呼びを区別して検出する乗場呼び検出部と、
前記一般かご呼び登録釦によるかご呼びを一般かご呼びとし前記車椅子かご呼び登録釦によるかご呼びを車椅子かご呼びとしてそれぞれのかご呼びを区別して前記複数台の乗りかごのかご呼び登録状況を監視・保持するかご呼び登録状況監視部と、
前記乗場呼び検出部によって検出されている乗場呼びの登録状況と、前記かご呼び登録状況監視部に保持されているかご呼びの登録状況とに基づいて各階床の出発時における前記乗りかご内の荷重を予測荷重値として予測演算する予測荷重演算部と、
前記乗場呼び検出部から得られる乗車荷重と前記かご呼び登録状況監視部から得られる降車荷重と前記予測荷重演算部から得られるかご内荷重とから前記乗りかご内の車椅子利用者の乗車区間を判断し、前記車椅子乗場呼びについて前記複数台の乗りかごの中から最適な乗りかごを割当てる割当制御部と、
を備えることを特徴とする群管理制御システム。
【請求項2】
前記予測荷重演算部は、各階床における前記乗りかご内の荷重を演算する際に、前記乗場呼び検出部によって前記一般乗場呼び及び前記車椅子乗場呼びが検出された場合に乗場呼びの発生階において乗車荷重としてそれぞれ任意の荷重を加算し、前記かご呼び登録状況監視部によって前記一般かご呼び及び前記車椅子かご呼びが保持されている場合にかご呼びの指定階において降車荷重としてそれぞれ任意の荷重を減算することにより、前記乗りかご内の荷重を予測演算することを特徴とする請求項1に記載の群管理制御システム。
【請求項3】
前記予測荷重演算部は、前記一般かご呼び及び前記車椅子かご呼びが発生している前記乗りかごの進行方向最端階において、前記乗りかご内の予測荷重を調整することを特徴とする請求項1に記載の群管理制御システム。
【請求項4】
前記割当制御部は、前記車椅子乗場呼びに対して前記乗りかごを割当てる際に、前記予測荷重演算部によって演算される前記車椅子乗場呼び発生階における予測荷重が予め定められる閾値以下の前記乗りかごを優先的に割当てることを特徴とする請求項1に記載の群管理制御システム。
【請求項5】
前記割当制御部は、前記車椅子乗場呼びに対して前記乗りかごを割当てる際に、前記かご呼び登録状況監視部からの情報により前記車椅子かご呼びが登録されている区間を考慮し、前記車椅子乗場呼び発生階が前記車椅子かご呼びの保持区間でない前記乗りかごを優先的に割当てることを特徴とする請求項1に記載の群管理制御システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−218898(P2012−218898A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−87173(P2011−87173)
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】
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