説明

羽根駆動装置

【課題】羽根駆動装置において、電気エネルギを使用しないで、かつ、省スペースで羽根を駆動する。
【解決手段】羽根駆動装置30は、羽根体32、質量体33、一対のガイド34,35などから構成されている。質量体33は移動体の運動によって生じる慣性力が作用して移動するものである。質量体33は、移動体の前後方向に沿って延在するガイド34,35によって移動可能に保持されている。羽根体32は、回転軸回りに回転する複数の送風用羽根32bと、送風用羽根32bに設けられて質量体33に押動される駆動用羽根32dと、を備えている。羽根体32は質量体33に押動されて回転駆動されるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、羽根を駆動させる羽根駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の羽根駆動装置としては、特許文献1に示されているものが知られている。特許文献1の図2に示されているように、発熱体である電子部品3に熱的に接触する熱伝導部2を有し、該熱伝導部2の被冷却面24に近接させて複数の流路29を有する羽根車20を同一ケーシング21、11内に内蔵し、該羽根車20を回転駆動源である駆動部モータ13、14によって回転させることによって前記羽根車20の複数の流路29の旋回運動によって吸液側の流路から吐液側の流路へと冷却用液体を循環させて前記被冷却面24を冷却する冷却モジュール10を備えた電子機器冷却装置が示されている。このように、電子機器冷却装置においては、駆動部モータ13、14が羽根車20を駆動させる羽根駆動装置である。
【特許文献1】特開2004−134423号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した特許文献1に記載の羽根駆動装置においては、駆動部モータ13、14が羽根車20を駆動させる羽根駆動装置であるので、駆動部モータ13、14を駆動させるため電気エネルギが必要となり、省エネが図れないという問題があり、また、駆動部モータ13、14を設置するためのスペースが必要となり、大型化するという問題があった。
【0004】
本発明は、上述した各問題を解消するためになされたもので、羽根駆動装置において、電気エネルギを使用しないで、かつ、省スペースで羽根を駆動することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、移動体の運動によって生じる慣性力が作用して移動する質量体と、質量体の移動によって駆動され流体流を発生させる羽根体と、を備えたことである。
【0006】
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、羽根体は、回転軸回りに回転する複数の送風用羽根と、送風用羽根に設けられて質量体に押動される駆動用羽根と、を備え、質量体に押動されて羽根体が回転されることである。
【0007】
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項2において、質量体を移動可能に保持するガイドを備え、ガイドは、移動体の前後方向に沿って延在する第1ガイドを含むことである。
【0008】
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項3において、ガイドは、移動体の前後方向と直交する左右方向に沿って延在する第2ガイドを含むことである。
【0009】
請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請求項3または請求項4において、ガイドは水平面に対して傾斜して配設されており、質量体に慣性力が作用していない場合、該質量体が自重によってガイドの底部に移動して位置決めされる。
【0010】
請求項6に係る発明の構成上の特徴は、請求項3乃至請求項5の何れか一項において、質量体およびガイドをそれぞれ一対備え、各ガイドは、羽根体を挟んで互いに対向する位置に配置され、かつ、互いに異なる向きに傾斜されていることである。
【0011】
請求項7に係る発明の構成上の特徴は、請求項2乃至請求項6の何れか一項において、駆動用羽根は、揺動可能に送風用羽根に取り付けられ、所定方向に付勢されて通常位置に位置決めされるとともに、所定方向の反対方向からの力が作用すると付勢力に抗して通常位置から傾倒することを特徴とする羽根駆動装置。
【0012】
請求項8に係る発明の構成上の特徴は、請求項2乃至請求項7の何れか一項において、質量体は複数設けられ、各質量体の間に移動自在に配設されて該各質量体間に少なくとも所定間隔を維持する介装部材を備えたことである。
【0013】
請求項9に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、羽根体は、質量体を内部に収納し、該質量体に押動されることによりガイドに沿って往復動するスライダと、スライダに設けられた羽根と、を備えたことである。
【0014】
請求項10に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、羽根体は、上端が固定されるとともに下端に質量体が吊り下げられ、かつ、上端と下端の間に羽根部が設けられたことである。
【発明の効果】
【0015】
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、流体流を発生させる羽根体は移動体(車両、船舶など移動するもの)の運動によって生じる慣性力が作用する質量体の移動によって駆動されるので、電気エネルギによって駆動する駆動装置を設けることなく、省エネ・省スペースで羽根体を駆動させることができる。
【0016】
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、請求項1に係る発明において、羽根体は、回転軸回りに回転する複数の送風用羽根と、送風用羽根に設けられて質量体に押動される駆動用羽根と、を備え、質量体に押動されて羽根体が回転されるので、送風用羽根からの送風により送風先にある発熱体を直接冷却することができる。また、当該羽根駆動装置が密閉空間に設置されている場合には、送風用羽根からの送風により密閉空間内に対流を発生させてその空間内の低温部と高温部との熱交換を進めて高温部を冷却することができる。
【0017】
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、請求項2に係る発明において、質量体は移動体の前後方向に沿って往復動するので、比較的頻繁に生じかつ加速度の大きい移動体の運動である加速・減速時の慣性力を利用することができるため、より大きい送風力を得ることによって冷却効果をより向上させることができる。
【0018】
上記のように構成した請求項4に係る発明においては、請求項3に係る発明において、質量体は移動体の左右方向に沿っても往復動することができるので、移動体の加速・減速時の慣性力だけでなく、移動体の旋回時の慣性力(遠心力)も利用することができるため、より長時間送風することができる。
【0019】
上記のように構成した請求項5に係る発明においては、請求項3または請求項4に係る発明において、ガイドは水平面に対して傾斜して配設されており、質量体に慣性力が作用していない場合、該質量体が自重によってガイドの底部に移動して位置決めされるので、質量体に慣性力が作用するにあたっては、質量体を駆動用羽根に確実に当てることができる。
【0020】
上記のように構成した請求項6に係る発明においては、請求項3乃至請求項5の何れか一項に係る発明において、質量体およびガイドをそれぞれ一対備え、各ガイドは、羽根体を挟んで互いに対向する位置に配置され、かつ、互いに異なる向きに傾斜されているので、加速・減速時(または左旋回・右旋回時)の互いに反対方向の2つの慣性力を利用しても、羽根体を正逆回転させることなく一定方向に回転させることができる。
【0021】
上記のように構成した請求項7に係る発明においては、請求項2乃至請求項6の何れか一項において、駆動用羽根は、揺動可能に送風用羽根に取り付けられ、所定方向に付勢されて通常位置に位置決めされるとともに、所定方向の反対方向からの力が作用すると付勢力に抗して通常位置から傾倒する。したがって、質量体が所定方向に向って移動する際(慣性力を利用する場合)、質量体が通常位置にある駆動用羽根に当たっても駆動用羽根はそのままの位置を維持し、質量体が駆動用羽根を押して羽根体が回転する。また、質量体が所定方向と反対方向に向って移動する際(慣性力を利用しない場合)、質量体が通常位置にある駆動用羽根に当たると駆動用羽根は付勢力に抗して通常位置から傾倒するので、羽根体の回転を止めることはない。したがって、慣性力を使用して確実に羽根体を回転させるとともに、質量体が所定方向と反対方向に向って移動することによって羽根体の回転停止を防止することができる。
【0022】
上記のように構成した請求項8に係る発明においては、請求項2乃至請求項7の何れか一項に係る発明において、質量体は複数設けられ、各質量体の間に移動自在に配設されて該各質量体間に少なくとも所定間隔を維持する介装部材を備えたので、各質量体は少なくとも所定間隔離れて移動するため、複数の質量体を駆動用羽根に時間をおいて当てることができるので、羽根体の回転力を向上させることができる。
【0023】
上記のように構成した請求項9に係る発明においては、請求項1に係る発明において、羽根体は、質量体を内部に収納し、該質量体に押動されることによりガイドに沿って往復動するスライダと、スライダに設けられた羽根と、を備えているので、羽根からの送風により送風先にある発熱体を直接冷却することができ、また、当該羽根駆動装置が密閉空間に設置されている場合には、羽根からの送風により密閉空間内に対流を発生させてその空間内の低温部と高温部との熱交換を進めて高温部を冷却することができる。
【0024】
上記のように構成した請求項10に係る発明においては、請求項1に係る発明において、羽根体は、上端が固定されるとともに下端に質量体が吊り下げられ、かつ、上端と下端の間に羽根部が設けられているので、羽根部からの送風により送風先にある発熱体を直接冷却することができ、また、当該羽根駆動装置が密閉空間に設置されている場合には、羽根部からの送風により密閉空間内に対流を発生させてその空間内の低温部と高温部との熱交換を進めて高温部を冷却することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
1)第1実施形態
以下、本発明による羽根駆動装置の第1実施形態について図面を参照して説明する。図1は、この羽根駆動装置を適用した液圧ブレーキ装置の概要を示す図である。図2(a)および図2(b)は、羽根駆動装置の正面図および断面図である。
【0026】
液圧ブレーキ装置10は、移動体である車両に搭載されるものであり、車両の車輪Wに制動力を付与するものである。移動体は、車両だけでなく船舶など移動するものである。液圧ブレーキ装置10は、図1に示すように、マスタシリンダ12、ブレーキアクチュエータ13およびリザーバタンク14を備えている。マスタシリンダ12は、ブレーキペダル11の踏み込みによるブレーキ操作状態に対応した液圧を生成して車両の所定の車輪(例えば左右前輪)Wに設けられたブレーキ(ホイールシリンダ)Bに供給するものである。ブレーキアクチュエータ13は、マスタシリンダ12とは別体に設けられて同マスタシリンダ12からブレーキペダル11のブレーキ操作状態に対応した液圧を生成することができるものである。リザーバタンク14は、ブレーキ液を貯蔵してマスタシリンダ12とブレーキアクチュエータ13にそのブレーキ液を供給するものである。
【0027】
ブレーキアクチュエータ13は、1つの構成体であり、ソレノイドブロック21、制御ユニット22およびポンプブロック23から構成されている。
【0028】
ソレノイドブロック21は、配管15を介してリザーバタンク14と連通し、配管16を介してマスタシリンダ12と連通し、配管17を介してブレーキBに連通している。ソレノイドブロック21内には、各配管15〜17、ポンプ23aに接続されている油路が形成されている。保持弁、減圧弁、制御弁など複数のソレノイドバルブ21aや液圧を検出する圧力センサ21bが前記油路上に配設されるようにソレノイドブロック21に組み付けられている。これにより、マスタシリンダ12からの液圧が所定のブレーキBに供給されたり、ポンプ23aからの液圧が各ブレーキBに供給されたりするようになっている。
【0029】
なお、リザーバタンク14は配管18を介してマスタシリンダ12にブレーキ液を補給している。
【0030】
制御ユニット22は、ケース22a、カバー22bおよび制御基板22cから構成されている。ケース22aは、ソレノイドブロック21の所定の面にその面を覆うように組み付けられている。ケース22aとソレノイドブロック21との間には第1室R1が形成されており、この第1室R1内にはソレノイドブロック21から突出しているソレノイドバルブ21aや圧力センサ21bが収納されている。
【0031】
カバー22bは、ケース22aのソレノイドブロック21が取り付けられていない面にその面を覆うように組み付けられている。カバー22bとケース22aとの間には第2室R2が形成されており、この第2室R2内には支柱22c1を介してケース22aの所定の面(第1室R1と反対側の面)に組み付けられた制御基板22cが収納されている。ケース22aおよびカバー22bは樹脂製である。
【0032】
制御基板22cは、圧力センサ21b、車輪Wの回転速度を検出する回転速度センサ(図示省略)などから入力した信号に基づいてモータ23b、各ソレノイドバルブ21aを制御して、通常ブレーキ制御、アンチロックブレーキ制御(ABS)、横滑り防止制御(ESC)などの制御を実施するものである。
【0033】
第1および第2室R1,R2は、ケース22a内で連通している。すなわち、両室R1,R2内の気体(本実施形態においては空気)が両室R1,R2間を対流することとなる。また、第1および第2室R1,R2は、防水対策された空気孔(図示省略)を介して大気と連通している。
【0034】
ポンプブロック23は、ソレノイドブロック21のケース22aが取り付けられていない面(例えばケース22aが取り付けられている面の反対側の面)に密着して組み付けられている。ポンプブロック23内には、ソレノイドブロック21の油路に連通する油路が形成されている。ポンプ23aが前記油路上に配設されている。ポンプ23aは、ポンプブロック23内蔵されているモータ23bの作動によって駆動して、リザーバタンク14から配管15を介してブレーキ液をマスタシリンダ12に戻す。
【0035】
このように構成された液圧ブレーキ装置10の作動について説明する。通常ブレーキ制御時においては、液圧供給源からの液圧が各ブレーキBに供給される。ブレーキアクチュエータ13は車輪Wへの各液圧をそれぞれ独立に制御することができるので、液圧ブレーキ装置10はアンチロックブレーキ制御、横滑り防止制御、トラクション制御などを実施することもできる。
【0036】
このように構成された液圧ブレーキ装置10は、図1にてその上下方向、紙面垂直方向および左右方向が車両の上下方向、前後方向および左右方向にそれぞれ一致するように車両に搭載されている。したがって、羽根駆動装置30は、図2(a)にてその上下方向および左右方向が車両の上下方向および前後方向にそれぞれ一致するように、また図2(b)にてその左右方向が車両の左右方向に一致するように取り付けられている。
【0037】
上述した第2室内R2には冷却装置である羽根駆動装置30が配設されている。羽根駆動装置30は、図2に示すように、制御基板22cに設けられている発熱部品25(例えば、スイッチング素子、マイクロプロセッサ)に対向して配設されている。この羽根駆動装置30は、カバー22bの内壁面に取り付けられている。
【0038】
羽根駆動装置30は、ケーシング31、羽根体32、質量体33、一対のガイド34,35などから構成されている。ケーシング31は、箱状に形成されている。ケーシング31は、流体を吸い込む(取り入れる)吸入口31aとその流体を送り出す送出口(送風口)31bを有している。吸入口31aと送出口31bはフレーム32cの外径とほとんど同一である。吸入口31aはカバー22bの内壁面に空間をおいて臨んでおり、送出口31bは発熱部品25に向けて開口している。
【0039】
羽根体32は、軸部32a、複数(本実施形態においては8枚)の送風用羽根32b、フレーム32c、複数の駆動用羽根32dから構成されている。軸部32aは、シャフト32a1を回転自在に軸受けするものであり、軸部32a(シャフト32a1)の中心が回転軸となる。シャフト32a1の両端は、吸入口31aおよび送出口31bにそれぞれ装架された羽根体保持部材31a1,31b1に取り付けられている。なお、シャフト32a1を軸部32aに一体的に取り付け、シャフト32a1の両端を回転自在に軸受けするようにしてもよい。本明細書および特許請求の範囲において、羽根体は流体に圧力を加えるための羽根を有するものであり、流体流を発生させものである。
【0040】
軸部32aの外周面には径方向に沿って延在する各送風用羽根32bが取り付けられている。送風用羽根32bは所定の方向(図2(a)にて時計回り)に回転する際に流体を吸入口31aから取り入れ送出口31bから送り出すような形状に形成されている。送風用羽根32bの各先端は、リング状に形成されたフレーム32cの内周面に接続されている。
【0041】
フレーム32cの外周面には、複数の駆動用羽根32dが取り付けられている。駆動用羽根32dは、駆動用羽根32dの基端を支点として揺動可能にフレーム32cすなわち送風用羽根32bに取り付けられるとともに、所定方向(図2(a)にて時計回り)に付勢されて通常位置(図2(a)に示す位置)に位置決め固定されるとともに、所定方向の反対方向からの力が作用すると付勢力に抗して通常位置から傾倒する。具体的には、駆動用羽根32dは通常では図2(a)に示すように通常位置にあり、駆動用羽根32dが時計回りの力を受けると、その力が羽根体32に作用して該羽根体32を所定方向に回転させる。一方、通常位置にある駆動用羽根32dが反時計回りの力を受けると、基端を支点に傾倒し、その力が羽根体32に作用しないで該羽根体32を所定方向に回転させることはない。なお、傾倒した駆動用羽根32dは反時計回りの力が解除されると、付勢力によって通常位置に戻るようになっている。
【0042】
一対のガイド(第1ガイド)34,35は、羽根体32の上下位置に同羽根体32を挟むように配設されてケーシング31内に取り付けられている。これらガイド34,35は、それぞれ角柱状の筒体に形成され内部に質量体33を移動可能に保持するものであり、駆動用羽根32dの軌道と重なるように配設されている。ガイド34,35は、駆動用羽根32dが入出可能な切欠き34a,35aが形成されている。切欠き34a,35aは質量体33が落下したり飛び出したりしない大きさ(幅)に設定されている。
【0043】
これらガイド34,35は、移動体である車両の前後方向(図2(a)にて左右方向)に沿って延在するものである。したがって、前進している車両が加速する場合、質量体33は後方向への慣性力を受けて移動し、車両が減速する場合、質量体33は前方向への慣性力を受けて移動する。また、ガイド34,35は、水平面に対して互いに異なる向きに傾斜して配設されている。すなわち、ガイド34は水平面に対して後上がりに配設され、ガイド35は水平面に対して後下がりに配設されている。これにより、質量体33に慣性力が作用していない場合、該質量体33が自重によってガイド34,35の各底部にそれぞれ移動して位置決めされるようになっている。
【0044】
質量体33は、移動体である車両の運動(加速運動、減速運動、左右旋回運動、上下運動など)によって生じる慣性力が作用して移動するものである。質量体33は、ガイド34,35内を移動することにより、駆動用羽根32dを押動して羽根体32を回転駆動するものである。この質量体33は、慣性力が作用して所定の加速度が作用する場合、羽根体32を押動するのに十分な力が発生する質量となるように設定されている。したがって、質量体33の質量は、羽根体32を押動するのに十分な質量以上であって、かつ、駆動用羽根32dなどにダメージを与えない程度の質量以下に設定されている。
【0045】
このように構成した羽根駆動装置30の作動について説明する。移動体である車両が一定の運動(一定速度で前進)を継続している場合(または停止中)には、質量体33には慣性力が働かないので、質量体33は自重により各ガイド34,35の底部に位置している(図2参照)。
【0046】
一定速度で前進中の車両が加速すると(または停止中の車両が前進を開始すると)、すなわち車両の加速運動が開始すると、ガイド34の底部に位置している質量体33は、慣性力によって車両の後方向(図2にて右方向)へ移動する。質量体33がガイド34の底部から上部に移動する間において、質量体33がその途中に位置する通常位置にある駆動用羽根32dに当接し、駆動用羽根32dを通常位置のまま押動しながら移動する。これにより、羽根体32が所定の一方向(時計回り)に回転駆動されて、吸入口31aから取り入れられた流体が送出口31bから発熱部品25に向けて送り出されるようになっている。すなわち、回転駆動される羽根体32によって流体流が発生するようになっている。
【0047】
このとき、ガイド35においては、底部に位置している質量体33は、慣性力によって車両の後方向へ移動しようとするが、底部の壁に当たってそこに位置決め固定されている。
【0048】
駆動用羽根32dの押動が終了した質量体33はさらに上部に向かって移動し、加速運動が継続されていれば上部の壁に当たってそこに位置決めされている。その後、加速運動が終了して、一定速度の前進または減速が開始されると、ガイド34の質量体33は逆向き(車両の前方向(図2(a)にて左方向))に移動する。質量体33がガイド34の上部から底部に移動する間において、質量体33がその途中に位置する駆動用羽根32dに当接するが、駆動用羽根32dは傾倒するので羽根体32の所定の一方向の回転が妨げられないで継続される。
【0049】
また、減速が開始される場合には、ガイド35の底部に位置している質量体33は、慣性力によって車両の前方向へ移動する。質量体33がガイド35の底部から上部に移動する間において、質量体33がその途中に位置する駆動用羽根32dに当接し押動しながら移動する。そして、羽根体32が所定の一方向(時計回り)に回転駆動されて、発熱部品25に送風するようになっている。
【0050】
このとき、ガイド34においては、底部に位置している質量体33は、慣性力によって車両の前方向へ移動しようとするが、底部の壁に当たってそこに位置決め固定されている。
【0051】
したがって、前後方向の加減速が頻繁に繰り返される車両においては、羽根駆動装置30は、電気エネルギを利用することなく、車両の加減速運動の慣性力を利用することにより羽根体32を回転駆動して送風することができる。
【0052】
上述した説明から明らかなように、本第1実施形態によれば、流体流を発生させる羽根体32は移動体(車両、船舶など移動するもの)の運動によって生じる慣性力が作用する質量体33の移動によって駆動されるので、電気エネルギによって駆動する駆動装置を設けることなく、省エネ・省スペースで羽根体32を駆動させることができる。
【0053】
また、羽根体32は、回転軸回りに回転する複数の送風用羽根32bと、送風用羽根32bに設けられて質量体33に押動される駆動用羽根32dと、を備え、質量体33に押動されて羽根体32が回転されるので、送風用羽根32bからの送風により送風先にある発熱体である発熱部品25を直接冷却することができる。また、当該羽根駆動装置30が第1室R1および第2室R2からなる密閉空間に設置されている場合には、送風用羽根32bからの送風により密閉空間内に対流を発生させてその空間内の低温部(ソレノイドブロック23)と高温部(発熱部品25)との熱交換を進めて高温部を冷却することができる。
【0054】
また、質量体33は移動体の前後方向に延在するガイド34,35に沿って往復動するので、比較的頻繁に生じかつ加速度の大きい移動体の運動である加速・減速時の慣性力を利用することができるため、より大きい送風力を得ることによって冷却効果をより向上させることができる。
【0055】
また、ガイド34,35は水平面に対して傾斜して配設されており、質量体33に慣性力が作用していない場合、該質量体33が自重によってガイド34,35の各底部にそれぞれ移動して位置決めされるので、質量体33に慣性力が作用するにあたっては、質量体33を駆動用羽根32dの手前から確実に出発させることにより質量体33を駆動用羽根32dに確実に当てることができる。
【0056】
また、質量体33およびガイド34,35をそれぞれ一対備え、各ガイド34,35は、羽根体32を挟んで互いに対向する位置に配置され、かつ、互いに異なる向きに傾斜されているので、加速・減速時の互いに反対方向の2つの慣性力を利用しても、羽根体32を正逆回転させることなく一定方向に回転させることができる。
【0057】
また、駆動用羽根32dは、揺動可能に送風用羽根32bに取り付けられ、所定方向に付勢されて通常位置に位置決めされるとともに、所定方向の反対方向からの力が作用すると付勢力に抗して通常位置から傾倒する。したがって、質量体33が所定方向に向って移動する際(慣性力を利用する場合)、質量体33が通常位置にある駆動用羽根32dに当たっても駆動用羽根32dはそのままの位置(状態)を維持し、質量体33が駆動用羽根32dを押して羽根体32が回転する。また、質量体33が所定方向と反対方向に向って移動する際(慣性力を利用しない場合)、質量体33が通常位置にある駆動用羽根32dに当たると駆動用羽根32dは付勢力に抗して通常位置から傾倒するので、羽根体32の回転を止めることはない。したがって、慣性力を使用して確実に羽根体を回転させるとともに、質量体33が所定方向と反対方向に向って移動することによって羽根体32の回転停止を防止することができる。
【0058】
2)第2実施形態
次に、本発明による羽根駆動装置の第2実施形態について図面を参照して説明する。図3(a)および図3(b)は、この羽根駆動装置の上面図および断面図である。第2実施形態による羽根駆動装置130は、車両の前後方向の慣性力だけでなく、左右方向の慣性力も利用できるように構成されている。
【0059】
この羽根駆動装置130は、図3(a)にてその上下方向、左右方向および紙面垂直方向が車両の左右方向、前後方向および上下方向に一致するように、また図3(b)にてその上下方向、左右方向および紙面垂直方向が車両の上下方向、前後方向および左右方向にそれぞれ一致するように液圧ブレーキ装置10に取り付けられている。なお、この場合、液圧ブレーキ装置10は、図1にてその左右方向が車両の上下方向に一致するように車両に取り付けられている。なお、第1実施形態と同様な構成については同一符号を付してその説明を省略する。
【0060】
羽根駆動装置130は、羽根駆動装置30と同様に冷却装置であり、第2室内R2に発熱部品25に対向して配設されている。この羽根駆動装置30は、ケーシング131、羽根体32、質量体33、一対の第1ガイド134,135、一対の第2ガイド136,137などから構成されている。ケーシング131は、箱状に形成されている。ケーシング131は、吸入口31aと送出口(送風口)31bを有している。
【0061】
一対の第1ガイド134,135は、羽根体32の右左位置に同羽根体32を挟むように配設されてケーシング131内に取り付けられている。これら第1ガイド134,135はそれぞれ質量体33を移動可能に保持するものであり、駆動用羽根32dの軌道と重なるように配設されている。第1ガイド134,135は、切欠き34a,35aと同様な駆動用羽根32dが入出可能な切欠き(図示省略)が形成されている。
【0062】
これら第1ガイド134,135は、移動体である車両の前後方向(図3にて左右方向)に沿って延在するものである。したがって、前進している車両が加速する場合、質量体33は後方向への慣性力を受けて移動し、車両が減速する場合、質量体33は前方向への慣性力を受けて移動する。また、第1ガイド134,135は、水平面に対して互いに異なる向きに傾斜して配設されている。すなわち、第1ガイド134は水平面に対して後上がりに配設され、第1ガイド135は水平面に対して後下がりに配設されている。
【0063】
また、一対の第2ガイド137,136は、羽根体32の前後位置に同羽根体32を挟むように配設されてケーシング131内に取り付けられている。これら第2ガイド136,137はそれぞれ質量体33を移動可能に保持するものであり、駆動用羽根32dの軌道と重なるように配設されている。第2ガイド136,137は、切欠き34a,35aと同様な駆動用羽根32dが入出可能な切欠き136a,137aが形成されている。
【0064】
これら第2ガイド136,137は、移動体である車両の左右方向(図3(a)にて上下方向)に沿って延在するものである。したがって、前進している車両が右旋回する場合、質量体33は左方向への慣性力(遠心力)を受けて移動し、車両が左旋回する場合、質量体33は右方向への慣性力を受けて移動する。また、第2ガイド136,137は、水平面に対して互いに異なる向きに傾斜して配設されている。すなわち、第2ガイド136は水平面に対して右下がりに配設され、第2ガイド137は水平面に対して右上がりに配設されている。
【0065】
上記第1ガイド134,135と第2ガイド136,137は、羽根体32を囲むように配置され、かつ、各ガイドは隣のガイドと交差して配設されているので、羽根駆動装置130の上下方向(羽根体32の回転軸方向)の高さを低く抑制することができ、装置を小型化することができる。
【0066】
このように構成した羽根駆動装置130の作動について説明する。移動体である車両が一定速度で前進している場合であって加速運動をしたり減速運動をしたりする場合には、第1ガイド134,135の各質量体33は上述した第1実施形態のガイド34,35の各質量体33と同様に作動する。
【0067】
一定速度で前進中の車両が右旋回運動をすると、第2ガイド136の底部に位置している質量体33は、慣性力によって車両の左方向(図3にて下方向)へ移動する。質量体33が第2ガイド136の底部から上部に移動する間において、質量体33がその途中に位置する通常位置にある駆動用羽根32dに当接し、駆動用羽根32dを通常位置のまま押動しながら移動する。これにより、羽根体32が所定の一方向(図3にて時計回り)に回転駆動されて、吸入口31aから取り入れられた流体が送出口31bから発熱部品25に向けて送り出されるようになっている。
【0068】
駆動用羽根32dの押動が終了した質量体33はさらに上部に向かって移動し、右旋回運動が継続されていれば上部の壁に当たってそこに位置決め固定されている。その後、右旋回運動が終了すると、第2ガイド136の質量体33は逆向き(車両の右方向(図3(a)にて上方向))に移動する。質量体33が第2ガイド136の上部から底部に移動する間において、質量体33がその途中に位置する駆動用羽根32dに当接するが、駆動用羽根32dは傾倒するので羽根体32の所定の一方向の回転が妨げられないで継続される。
【0069】
また、一定速度で前進中の車両が左旋回運動をすると、第2ガイド137の底部に位置している質量体33は、慣性力によって車両の右方向へ移動する。質量体33が第2ガイド137の底部から上部に移動する間において、質量体33が駆動用羽根32dを通常位置のまま押動しながら移動する。これにより、羽根体32が所定の一方向(図3にて時計回り)に回転駆動されて、発熱部品25に送風するようになっている。
【0070】
駆動用羽根32dの押動が終了した質量体33はさらに上部に向かって移動し、左旋回運動が継続されていれば上部の壁に当たってそこに位置決め固定されている。その後、左旋回運動が終了すると、第2ガイド137の質量体33は逆向き(車両の左方向)に移動する。質量体33が第2ガイド136の上部から底部に移動する間において、質量体33がその途中に位置する駆動用羽根32dに当接するが、駆動用羽根32dは傾倒するので羽根体32の所定の一方向の回転が妨げられないで継続される。
【0071】
したがって、左右旋回運動が頻繁に繰り返される車両においては、羽根駆動装置30は、電気エネルギを利用することなく、車両の左右旋回運動の慣性力を利用することにより羽根体32を回転駆動して送風することができる。
【0072】
上述した説明から明らかなように、本第2実施形態によれば、質量体33は移動体の左右方向に沿っても往復動することができるので、移動体の加速・減速時の慣性力だけでなく、移動体の旋回時の慣性力(遠心力)も利用することができるため、より長時間送風することができる。
【0073】
また、質量体33を有する第1ガイド134,135および第2ガイド136,137をそれぞれ一対備え、第1ガイド134,135および第2ガイド136,137は、羽根体32を挟んで互いに対向する位置に配置され、かつ、互いに異なる向きに傾斜されているので、加速・減速時および左旋回・右旋回時の互いに反対方向の2つの慣性力を利用しても、羽根体を正逆回転させることなく一定方向に回転させることができる。
【0074】
なお、上述した第1および第2実施形態においては、質量体33は複数設けられ、各質量体33の間に移動自在に配設されて該各質量体33間に少なくとも所定間隔を維持する介装部材を備えることが好ましい。例えば、介装部材は、断面コ字状の細長い部材であり、ガイド34,35(または第1ガイド134,135、第2ガイド136,137)内を摺動可能である。この部材の開口部は駆動用羽根32dが入出可能な位置に形成され、当該部材が移動する際には駆動用羽根32dに当接しないようになっている。またこの開口部は質量体の通過を規制するストッパが所定間隔だけ離れて形成されている。これによれば、各質量体は少なくとも所定間隔離れて移動するため、複数の質量体33を駆動用羽根32dに時間をおいて当てることができるので、羽根体32の回転力を向上させるとともに回転時間を長くすることができる。
【0075】
また、上述した第1および第2実施形態においては、駆動用羽根32dを径方向に沿って外側に向けて延在するように配設するとともに、ガイド34,35(または第1ガイド134,135、第2ガイド136,137)を駆動用羽根32dの延在方向に配設して駆動用羽根32dの軌道と重なるようにしたが、駆動用羽根32dを羽根体32の回転軸に平行な方向(第1実施形態においては図2(a)にて紙面垂直方向)に向けて延在するように配設するとともに、ガイド34,35を駆動用羽根32dの延在方向(羽根体32の回転軸に平行な方向)に向けて延在する配設して駆動用羽根32dの軌道と重なるようにしてもよい。
【0076】
また、上述した第1および第2実施形態においては、羽根駆動装置30をカバー22bに取り付けるようにしたが、発熱部品25に取り付けるようにしてもよい。この場合、ケーシング31を熱伝導性のよい材料(例えば金属、セラミックス)で形成すれば、羽根駆動装置30の本体からも放熱することによって発熱部品25の冷却効果をより向上することができる。
【0077】
また、空気取り入れ口または排気口を備えた装置に羽根駆動装置30を取り付ける場合には、空気取り入れ口または排気口に羽根駆動装置30を取り付けて装置に空気を取り入れたり排気したりするようにすることができる。
【0078】
3)第3実施形態
次に、本発明による羽根駆動装置の第3実施形態について図面を参照して説明する。図4(a)、(b)および(c)は、この羽根駆動装置の正面図、縦断面図および横断面図である。第3実施形態による羽根駆動装置230においては、羽根体232が回転駆動ではなく直線往復動する。
【0079】
羽根駆動装置230は、ベース231、羽根体232、ガイド234などから構成されている。ベース231、羽根体232、ガイド234は、熱伝導性のよい部材(例えば金属、セラミックス)で形成されている。ベース231は、第1実施形態と同様に発熱部品25に対向する位置に配設されてもよいし、発熱部品25に取り付けるようにしてもよい。ベース231は、方形状に形成された基板231a、基板231aの前後上下端に接続され互いに接続された前後両壁231b,231cおよび前後両壁231d,231eを備えている。前後両壁231b,231cには、一対のレールからなるガイド234が装架されている。
【0080】
ガイド234の一対のレールは、互いに平行でありかつベース231の基板231aに平行である。ガイド234およびベース231の基板231aによって質量体33が摺動可能に保持されるようになっている。
【0081】
羽根体232は、質量体33を内部に収納し、質量体33に押動されることによりガイド234に沿って往復動するスライダ232aと、スライダ232aに設けられた羽根232bとを備えている。スライダ232aは、箱状に形成されており、内部に質量体33が収納されるとともに潤滑用グリス232cが充填されている。スライダ232aはガイド234が貫設されており、ガイド234に案内されて往復動する。スライダ232aは基板231aに密接して往復動する。潤滑用グリス232cは、スライダ232aとガイド234、スライダ232aと基板231aとの潤滑性を向上させるとともに、基板231aから羽根232bへの熱伝導を向上させている。羽根232bは、断面櫛歯状に形成されている。2つの羽根232bがスライダ232aに接続されている。
【0082】
このように構成した羽根駆動装置230の作動について説明する。移動体である車両が一定速度で前進している場合に加速運動をすると、質量体33がスライダ232aを後方向に押動して羽根体232が後方向に移動する。一方、車両が一定速度で前進している場合に減速運動をすると、質量体33がスライダ232aを前方向に押動して羽根体232が前方向に移動する。
【0083】
したがって、羽根駆動装置230を発熱部品25に対向する位置に配設した場合、羽根232bからの送風により送風先にある発熱部品25を直接冷却することができる。また、当該羽根駆動装置230が密閉空間に設置されている場合には、羽根232bからの送風により密閉空間内に対流を発生させてその空間内の低温部と高温部との熱交換を進めて高温部を冷却することができる。
【0084】
また、羽根体232は熱伝導性のよい部材(例えば金属、セラミックス)で構成されているので、当該羽根駆動装置230を発熱部品25に装着することにより、羽根駆動装置230を放熱装置として使用することができる。放熱機である羽根体232の往復動により放熱効果を高めることができる。
【0085】
4)第4実施形態
次に、本発明による羽根駆動装置の第4実施形態について図面を参照して説明する。図5は、第1実施形態において説明した制御ユニット22の一部および羽根駆動装置330を示す拡大断面図である。この羽根駆動装置330の羽根体332は、上端が固定されるとともに下端に質量体33が吊り下げられ、かつ、上端と下端の間に羽根部332aが設けられている。
【0086】
このように構成した羽根駆動装置330の作動について説明する。移動体である車両が一定速度で前進している場合に加速運動をすると、質量体33が後方向(図5にて紙面垂直手前方向)に傾動して羽根部332aも後方向に傾動する。一方、車両が一定速度で前進している場合に減速運動をすると、質量体33が前方向(図5にて紙面垂直奥方向)に傾動して羽根部332aも前方向に傾動する。
【0087】
これにより、羽根部232aからの送風により送風先にある発熱体を直接冷却することができる。また、当該羽根駆動装置330が密閉空間に設置されている場合には、羽根部232aからの送風により密閉空間内に対流を発生させてその空間内の低温部と高温部との熱交換を進めて高温部を冷却することができる。
【0088】
なお、本明細書および特許請求の範囲において、羽根体は流体に圧力を加えるための羽根を有するものである。
また、本発明による羽根駆動装置を冷却装置や放熱装置としてだけでなく送風機としても使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明による羽根駆動装置の第1実施形態を適用した液圧ブレーキ装置の概要を示す図である。
【図2】(a)、(b)は、羽根駆動装置の正面図および2b−2b線に沿った断面図である。
【図3】(a)、(b)は、本発明による羽根駆動装置の第2実施形態の上面図および3b−3b線に沿った断面図である。
【図4】(a)、(b)および(c)は、本発明による羽根駆動装置の第3実施形態の正面図、4b−4b線に沿った縦断面図および4c−4c線に沿った横断面図である。
【図5】本発明による羽根駆動装置の第4実施形態の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
【0090】
10…液圧ブレーキ装置、11…ブレーキペダル、12…マスタシリンダ、13…ブレーキアクチュエータ、14…リザーバタンク、21…ソレノイドブロック、21a…ソレノイドバルブ、21b…圧力センサ、22…制御ユニット、22a…ケース、22b…カバー、22c…制御基板、23…ポンプブロック、23a…ポンプ、23b…モータ、25…発熱部品、30,130,230,330…羽根駆動装置、31…ケーシング、32…羽根体、32b…送風用羽根、32d…駆動用羽根、33…質量体、34,35…ガイド(第1ガイド)、134,135…第1ガイド、136,137…第2ガイド、231…ベース、232…羽根体、232a…スライダ、232b…羽根、232c…潤滑グリス、234…ガイド、332…羽根体、332a…羽根部、R1…第1室、R2…第2室、B…ブレーキ、W…車輪。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の運動によって生じる慣性力が作用して移動する質量体(33)と、
前記質量体の移動によって駆動され流体流を発生させる羽根体(32,232,332)と、を備えたことを特徴とする羽根駆動装置。
【請求項2】
請求項1において、前記羽根体(32)は、回転軸回りに回転する複数の送風用羽根(32b)と、前記送風用羽根に設けられて前記質量体に押動される駆動用羽根(32d)と、を備え、
前記質量体に押動されて前記羽根体が回転されることを特徴とする羽根駆動装置。
【請求項3】
請求項2において、前記質量体を移動可能に保持するガイド(34,35)を備え、
前記ガイドは、前記移動体の前後方向に沿って延在する第1ガイド(134,135)を含むことを特徴とする羽根駆動装置。
【請求項4】
請求項3において、前記ガイドは、前記移動体の前後方向と直交する左右方向に沿って延在する第2ガイド(136,137)を含むことを特徴とする羽根駆動装置。
【請求項5】
請求項3または請求項4において、前記ガイドは水平面に対して傾斜して配設されており、前記質量体に慣性力が作用していない場合、該質量体が自重によって前記ガイドの底部に移動して位置決めされることを特徴とする羽根駆動装置。
【請求項6】
請求項3乃至請求項5の何れか一項において、前記質量体およびガイドをそれぞれ一対備え、前記各ガイドは、前記羽根体を挟んで互いに対向する位置に配置され、かつ、互いに異なる向きに傾斜されていることを特徴とする羽根駆動装置。
【請求項7】
請求項2乃至請求項6の何れか一項において、前記駆動用羽根は、揺動可能に前記送風用羽根に取り付けられ、所定方向に付勢されて通常位置に位置決めされるとともに、前記所定方向の反対方向からの力が作用すると付勢力に抗して前記通常位置から傾倒することを特徴とする羽根駆動装置。
【請求項8】
請求項2乃至請求項7の何れか一項において、前記質量体は複数設けられ、前記各質量体の間に移動自在に配設されて該各質量体の所定間隔を維持する介装部材を備えたことを特徴とする羽根駆動装置。
【請求項9】
請求項1において、前記羽根体(232)は、前記質量体を内部に収納し、該質量体に押動されることによりガイド(234)に沿って往復動するスライダ(232a)と、前記スライダに設けられた羽根(232b)と、を備えたことを特徴とする羽根駆動装置。
【請求項10】
請求項1において、前記羽根体(332)は、上端が固定されるとともに下端に前記質量体が吊り下げられ、かつ、前記上端と下端の間に羽根部(332a)が設けられたことを特徴とする羽根駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−57330(P2008−57330A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−231613(P2006−231613)
【出願日】平成18年8月29日(2006.8.29)
【出願人】(301065892)株式会社アドヴィックス (1,291)
【Fターム(参考)】