説明

翻訳文出力装置

【課題】 区々の言語の翻訳文が作成されて出力される環境下においてユーザが自分の指示により生成された翻訳文を容易かつ迅速に受け取ることができる翻訳文出力装置を提供する。
【解決手段】 文書入力手段1は、翻訳対象である原稿データを取り込む。出力先指定手段4は、翻訳文の言語毎に翻訳文の出力先を指定する。出力先切替手段5は、文書入力手段1により取り込まれた原稿データの翻訳文データを取得し、出力先指定手段4により翻訳文データの言語に関して指定された出力先から当該翻訳文データに対応した翻訳文が出力されるように、当該翻訳文データの経路切り替えを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、文書の翻訳文を作成し、あるいは外部から取得し、その出力を行う翻訳文出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像読取装置によって読み取った原稿の画像データをテキストデータに変換し、このテキストデータを指定された言語による翻訳文データに変換し、印刷して出力する翻訳文出力装置が各種提案されている。なお、この種の翻訳文出力装置については例えば特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開平5−54073号公報
【特許文献2】特開2003−323425号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上述した従来の翻訳文出力装置において、区々の言語の複数の翻訳文が生成され、それらの翻訳文が排紙トレイに続けて排出される場合がある。この場合、ユーザは、排紙トレイに山積みされた翻訳文の中から自分の指示により作成された翻訳文を探し出さねばならないが、山積みになっているのは区々の言語の複数種類の翻訳文であるため、その中から自分のものを探し出す作業は困難を極める。ここで、特許文献2は、文書毎にマーキングを施して印刷物を排出することにより文書の区切りを分かりやすくする技術を開示しているおり、これを問題解決のための手段として利用することも考えられる。しかし、この技術を利用したとしても、印刷された文書間の区切りが明らかになるだけであり、区々な言語の翻訳文の中から自分のものを探し出さなければならないユーザの負担は解消されない。
【0004】
この発明は、以上説明した事情に鑑みてなされたものであり、区々の言語の翻訳文が作成されて出力される環境下においてユーザが自分の指示により生成された翻訳文を容易かつ迅速に受け取ることができる翻訳文出力装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、翻訳対象である原稿データを取り込む文書入力手段と、翻訳文の言語毎に翻訳文の出力先を指定する出力先指定手段と、前記文書入力手段により取り込まれた原稿データの翻訳文データを取得し、前記出力先指定手段により前記翻訳文データの言語に関して指定された出力先から当該翻訳文データに対応した翻訳文が出力されるように、当該翻訳文データの経路切り替えを行う出力先切替手段とを具備する翻訳文出力装置を提供する。
かかる発明によれば、翻訳文の言語毎について指定された出力先から翻訳文が出力されるので、ユーザは、区々の言語の翻訳文が出力される環境下においても、山積みされた翻訳文の中から自分の指示により作成された翻訳文を探す負担から解放される。
好ましい態様において、翻訳文出力装置は、前記翻訳文データの出力先の全部または一部となり得る翻訳文の出力手段を具備する。
他の好ましい態様において、翻訳文出力装置は、外部の装置との通信を行うための通信手段を具備し、前記出力先切替手段は、ある言語の翻訳文の出力先として前記出力先指定手段により外部の出力手段が指定されている場合、その言語の翻訳文データを前記通信手段により当該出力手段に送信するための制御を行う。
他の好ましい態様において、翻訳文出力装置は、翻訳の依頼先である翻訳手段を翻訳文の言語毎に指定する手段と、ある言語への翻訳を行うべき原稿データがその言語への翻訳を行うべきものとして指定された翻訳手段に供給されるように原稿データの経路の切り替え制御を行う手段を具備する。
他の好ましい態様において、前記出力先指定手段は、翻訳文の出力先として指定した出力手段に対し、翻訳文の言語を示す情報を送信する手段を具備する。
他の好ましい態様において、前記出力先指定手段は、翻訳文の出力先として指定した出力手段に対し、翻訳文の言語を示す情報を送信する手段を具備し、出力手段は、翻訳文の言語を指定する情報を受信した場合にその言語の表示を行う表示手段を具備する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
<基本構成>
図1はこの発明の一実施形態である翻訳文出力装置の基本構成を示すブロック図である。図1において、文書入力手段1は、ユーザがこの翻訳文出力装置に翻訳対象である文書を入力するための手段である。この文書入力手段は、翻訳対象である原稿の画像データを読み取ってテキスト化するものであってもよく、パーソナルコンピュータなどから翻訳対象である原稿のテキストデータを受け取る手段であってもよい。操作指示手段2は、翻訳に関する各種の指示をユーザから取得する手段である。この手段により取得される指示のうち主なものとして、翻訳対象である原稿の言語とその翻訳文の言語に関する指示がある。
【0007】
翻訳手段3−i(i=1〜m)は、各々、文書入力手段1を介して入力される文書を他の言語の文書に翻訳する手段である。本実施形態では、例えば翻訳手段3−1は日本語から英語への翻訳、翻訳手段3−2は日本語から仏語への翻訳、〜という具合に、各翻訳手段3−i(i=1〜m)は各々特定種類の翻訳を受け持つ。ある原稿の翻訳がいずれの翻訳手段3−iにより処理されるかは、翻訳文の言語により定まる。本実施形態に係る翻訳文出力装置は、スキャナ機能および印刷機能などを備えた複合機に翻訳機能を組み込み、文書入力から翻訳文の出力までを一貫して行う一体型の装置として構成することが可能であるが、例えば翻訳機能の全部または一部を外部の翻訳サーバに依存する構成とすることも可能である。後者の場合、翻訳手段3−i(i=1〜m)の全部または一部がこの翻訳文出力装置の外部の翻訳サーバによって賄われることとなる。この場合、翻訳文出力装置の構成は、外部の翻訳サーバとの間で原稿データおよび翻訳文データの授受を行うための通信手段を図1に示す構成に追加したものとなる。
【0008】
出力先指定手段4は、ユーザが翻訳文の出力先を指定するために用いられる手段である。本実施形態では、翻訳文の言語毎に翻訳文の出力先の指定を受け付ける。出力先切替手段5は、翻訳手段3−i(i=1〜m)のいずれかから翻訳文が得られた場合に、その翻訳文の言語を調べ、出力先指定手段4によりその言語について指定された翻訳文の出力先を判断し、その出力先に翻訳文データを送る。出力手段6−j(j=1〜n)は、翻訳文の出力先となる手段であり、出力先切替手段5を介して供給される翻訳文データを例えば印刷媒体などのユーザが利用可能な形態で出力する。この出力手段6−j(j=1〜n)も、一部または全部が外部のプリンタやFAXであってもよい。
【0009】
<具体的構成例>
図2は本実施形態に係る翻訳文出力装置の具体的構成例を示すブロック図である。図2において、画像読取装置101と、画像/テキスト変換部102は、図1における文書入力手段1を構成している。画像読取装置101は、紙に記録された原稿の画像データを読み取り、画像データを出力する装置である。取り扱う原稿が大量な枚数に及ぶ場合には、ADF(Automatic Document Feeder)機能を有する画像読取装置101が好ましい。画像/テキスト変換部102は、画像読取装置101から出力された画像データに文字認識処理を施し、テキストデータを出力する装置である。
【0010】
ユーザインタフェース200は、液晶パネルと操作パネルとからなり、ユーザに各種の情報を提供するとともにユーザから各種の指示を受け取る手段である。中央制御部800は、プロセッサとメモリなどからなり、この翻訳出力装置全体の制御を行う制御中枢である。
【0011】
ユーザインタフェース200および中央制御部800は、協働して図1における操作指示手段2、出力先指定手段4としての役割を果たすとともに、図1における出力先切替手段5の一部の役割を果たす。すなわち、中央制御部800は、ユーザインタフェース200を介することにより、翻訳のために利用する翻訳手段、その翻訳手段に関する付帯情報、翻訳文の出力先、その出力先の付帯情報といった情報を翻訳文の言語毎にユーザから取得し、図3に例示するような管理テーブル801を作成してメモリ内に保存する。そして、この翻訳文出力装置では、以後、画像読取装置101によって原稿の画像データの読み取りが行われると、その原稿の言語と管理テーブル801に従って原稿の翻訳を行う翻訳手段が決定され、原稿の翻訳文の言語と管理テーブル801に従って翻訳文の出力先が決定される。そして、翻訳文出力装置では、そのような翻訳手段に原稿データ(テキストデータ)を供給するための制御およびそのような出力先に翻訳文データ(画像データ)を供給するための制御が行われるのである。
【0012】
ここで、原稿の言語を指定する情報および翻訳文の言語を指定する情報は、中央制御部800によりユーザインタフェース200を介して取得される。中央制御部800は、画像読取装置101により、翻訳対象である原稿の画像が読み取られたときに、その原稿のIDを発生し、このIDと、ユーザインタフェース200を介して取得された原稿の言語を指定する情報と翻訳文の言語を指定する情報を、これらの必要とする各部に供給するのである。
【0013】
翻訳部301−i(i=1〜m’)は、翻訳手段3−i(i=1〜m)の一部である。翻訳手段3−i(i=1〜m)の残りの部分は、ネットワークを介して利用可能な翻訳サーバ(図示略)である。翻訳ジョブ制御部302は、翻訳部301−i(i=1〜m’)または外部の翻訳サーバに、原稿の翻訳ジョブを割り当てる制御を行う装置である。
【0014】
さらに詳述すると、翻訳ジョブ制御部302は、画像読み取り装置101による原稿の画像読取が行われたとき、画像/テキスト変換部102から出力される原稿のテキストデータを本体部とし、この本体部に対し、中央制御部800から供給される原稿のIDと原稿の言語を指定する情報と翻訳文の言語を指定する情報とを含むヘッダを付加して、翻訳ジョブデータを生成する。そして、翻訳ジョブ制御部302は、中央制御部800内の管理テーブル801を参照することにより、翻訳ジョブデータのヘッダ内の情報により指定されている翻訳文の言語に対応した翻訳手段を判定する。そして、翻訳ジョブ制御部302は、判定により求めた翻訳手段がこの翻訳文出力装置内にある翻訳部301−i(i=1〜m’)のいずれかである場合には、その翻訳手段を特定する情報をヘッダ内に付加して翻訳ジョブデータを内部翻訳用待ち行列303に格納する。一方、翻訳ジョブ制御部302は、判定により求めた翻訳手段が外部の翻訳サーバである場合には、その翻訳手段を特定する情報をヘッダ内に付加して翻訳ジョブデータを外部翻訳待ち行列304に格納する。
【0015】
内部翻訳待ち行列304に格納された翻訳ジョブデータは、古いものから順次取り出され、翻訳部301−i(i=1〜m’)のいずれかに引き渡される。いずれの翻訳部に引き渡すかは、翻訳ジョブデータのヘッダ内の翻訳手段を特定する情報に従って決定される。翻訳ジョブデータを受け取った翻訳部301−iは、同翻訳ジョブデータの本体部のテキストデータをヘッダ部内の情報により指定された言語に翻訳する。そして、この翻訳文のテキストデータによって翻訳ジョブデータの本体部を置換し、置換後の翻訳ジョブデータを翻訳文用待ち行列400に格納する。
【0016】
通信制御部700は、外部印刷用送信管理部701と外部翻訳用送受信管理部702とを有する。外部印刷用送信管理部701は、LANなどを介して接続されたプリンタやネットワークを介して接続されたFAXに翻訳文の印刷を依頼する装置である。外部翻訳用送受信管理部702は、ネットワークを介して接続された翻訳サーバに翻訳を依頼する装置である。さらに詳述すると、外部翻訳用送受信管理部702は、外部翻訳用待ち行列304に格納された翻訳ジョブデータを古いものから順に受け取ると、中央制御部800内の管理テーブル801を参照し、翻訳ジョブデータのヘッダ内の情報により指定された翻訳手段(この場合、外部の翻訳サーバ)の付帯情報を調べ、付帯情報であるURLにより特定される翻訳サーバにネットワークを介してアクセスする。そして、翻訳ジョブデータをその翻訳サ−バに送り、翻訳ジョブデータの本体部にあるテキストデータの翻訳を依頼する。依頼を受けた翻訳サーバは、翻訳を終えると、翻訳文のテキストデータによって翻訳ジョブデータの本体部を置換し、置換後の翻訳ジョブデータを返送する。外部翻訳用送受信管理部702は、この翻訳文のテキストデータの入った翻訳ジョブデータを翻訳サーバから受信すると、これを翻訳文用待ち行列400に格納する。
【0017】
テキスト/画像変換部450は、翻訳文用待ち行列400に格納された翻訳ジョブデータを古いものから順に取り出し、翻訳ジョブデータの本体部にあるテキストデータを画像データに変換する。そして、画像データによって翻訳ジョブデータの本体部を置換し、置換後の翻訳ジョブデータを印刷ジョブ制御部500に引き渡す。
【0018】
印刷ジョブ制御部500は、この翻訳文出力装置内の印刷部600または外部のプリンタやFAXに翻訳文の印刷ジョブを割り当てる制御を行う装置である。さらに詳述すると、印刷ジョブ制御部500は、翻訳ジョブデータをテキスト/画像変換部450から受け取ると、中央制御部800内の管理テーブル801を参照することにより、翻訳ジョブデータのヘッダ内の情報により指定されている翻訳文の言語に対応した出力先を判定する。そして、印刷ジョブ制御部500は、判定により求めた出力先がこの翻訳文出力装置内にある印刷部600のいずれかのトレイである場合には、そのトレイを特定する情報を翻訳ジョブデータのヘッダ内に付加することにより印刷ジョブデータを生成し、この印刷ジョブデータを内部印刷用待ち行列501に格納する。一方、印刷ジョブ制御部500は、判定により求めた出力先がLANに接続されたプリンタやFAXである場合には、その出力先を特定する情報を翻訳ジョブデータのヘッダ内に付加することにより印刷ジョブデータを生成し、この印刷ジョブデータを外部印刷待ち行列502に格納する。
【0019】
印刷部600は、内部印刷用待ち行列501に格納された印刷ジョブデータを古いものから順に取り出し、その本体部にある画像データを用紙に印刷し、トレイ601−j(j=1〜n’)のうち印刷ジョブデータのヘッダ内の情報により指定されるトレイに印刷済み用紙を排出する。この印刷部600およびトレイ601−j(j=1〜n’)は、図1における出力手段6−j(j=1〜n)の一部を構成している。出力手段6−j(j=1〜n)の残りの部分は、この翻訳文出力装置の外部のプリンタやFAXである。外部印刷用待ち行列502および通信制御部700内の外部印刷用送信管理部701は、これらの外部の出力手段に印刷ジョブを依頼するための手段である。外部印刷用送信管理部701は、外部印刷待ち行列502に格納された印刷ジョブデータを古いものから順に受け取って、中央制御部800内の管理テーブル801を参照し、印刷ジョブデータのヘッダ内の情報により指定された出力先(この場合、プリンタやFAX)の付帯情報(プリンタの場合はLAN内の通信アドレス、FAXの場合はFAX番号)を調べる。そして、外部印刷用送信管理部701は、付帯情報を用いて出力先にアクセスし、印刷ジョブデータの本体部にある画像データを送るのである。
【0020】
次に、この翻訳文出力装置の具体的動作例を説明する。この翻訳文出力装置を使用するに先立ち、ユーザは、ユーザインタフェース200を操作して、翻訳文の出力先の指定および翻訳に用いる翻訳手段の指定を行う。図4は、翻訳文の出力先の指定を受け付ける際のユーザインタフェース200の初期状態を示している。この図に示すように、初期状態においては、日本語は"Printer1"、英語は"Printer2"、中国語は"トレイ1"という具合に、翻訳先の言語毎に翻訳文の出力先の初期値が液晶パネル201に表示される。この状態において、例えばユーザが1つの言語を選択する操作をすると、図5に示すように、その言語の翻訳文の出力先として選択可能な候補の一覧が表示される。ユーザがこの一覧の中の1つを選択する操作をすると、選択された候補がその言語の翻訳文の新たな出力先として決定される。この出力先の指定の際、ある言語の翻訳文の出力先として指定された装置は、他の言語の翻訳文の出力先として指定しないようにすることが使用上好ましい。このような好ましい状態を維持するべく、ある装置が1つの言語の翻訳文の出力先として指定されている場合において、同じ装置を他の言語の翻訳文の出力先として指定する操作が行われた場合には液晶パネル201にアラームを表示する、あるいは指定を拒否する、といった機能を中央制御部800に持たせるのが好ましい。
【0021】
翻訳に用いる翻訳手段の指定の受け付けも、出力先の指定の受け付けと同様である。また、ユーザは、ユーザインタフェース200の操作により、翻訳手段の付帯情報の入力および出力先の付帯情報の入力を予め行っておく。以上のようにして必要な情報の入力が行われることにより図3に示す管理テーブル801が中央制御部800内に記憶される。管理テーブル801において翻訳文の出力先として指定された装置には、出力することとなる翻訳文の言語を指定する言語情報が中央制御部800から送られる。
【0022】
原稿の入力に先立ち、ユーザは、原稿の主たる言語と翻訳先の言語を指定する操作を行う。図6は原稿の主たる言語の指定を受け付けるときのユーザインタフェース200の状態を示している。図示の状態では、原稿の言語としてデフォルト値である日本語が指定されているが、ユーザはユーザインタフェース200に対して所定の操作を行うことにより言語を日本語から他の言語に切り換えること、切り換え後の言語を原稿の言語として確定させることができる。図7は翻訳先の言語の指定を受け付けるときのユーザインタフェース200の状態を示している。本実施形態では翻訳先の言語を複数指定することが可能である。図示の例では、翻訳先の言語としてフランス語、中国語、英語の3カ国語が指定されている。
【0023】
以上の指定が終了すると、ユーザは、画像読取装置101の原稿受けに原稿をセットし、スタートボタンを押す。この結果、画像読取装置101のADFが作動して、原稿の画像が1枚ずつ読み取られ、画像データが出力される。この画像読み取りが行われると、中央制御部800は、IDと、原稿の言語を指定する情報と、翻訳文の言語を指定する情報とを翻訳ジョブ制御部302に送る。ここで、原稿の言語として図6に示すように日本語が指定され、翻訳文の言語として図7に示すようにフランス語と中国語と英語が指定されている場合には、IDが3個発行され、ヘッダにおける原稿の言語が日本語であり、翻訳文の言語が各々フランス語、中国語、英語である3個の翻訳ジョブデータが翻訳ジョブ制御部302により生成される。
【0024】
そして、翻訳ジョブデータは、管理テーブル801に定義された各言語に対応した翻訳手段のうち翻訳ジョブデータのヘッダ内に定義された翻訳文の言語に対応した翻訳手段に供給され、その翻訳手段による翻訳を終えた翻訳ジョブデータは、翻訳文用待ち行列400に格納される。そして、翻訳ジョブデータは、本体部である翻訳文のテキストデータがテキスト/画像変換部450によって画像データに置換された後、印刷ジョブ制御部500によって印刷ジョブデータとされる。その際、翻訳ジョブデータのヘッダに定義された翻訳文の言語と管理テーブル801が参照され、翻訳文の言語に対応付けられた出力先を示す情報が印刷ジョブデータのヘッダに付加される。これにより印刷ジョブデータの本体部の画像データは、翻訳文の言語に対応付けて決定された出力先から出力されることとなる。
【0025】
以上のように、本実施形態によれば、翻訳文は、その言語に対応させて予め決定された出力先から排出されるので、ユーザは、言語毎に決められた出力先に出向き、翻訳文を回収すればよい。従って、ユーザは、各種の言語の翻訳文が混在した文書の山の中から自分が出力させた翻訳文を探し出す煩わしさから解放される。
【0026】
以上、この発明の一実施形態について説明したが、本発明にはこれ以外にも各種の実施形態が考えられる。例えば次の通りである。
【0027】
(1)図8に示すように、印刷部600のトレイ601−j(j=1〜n’)に言語表示用のLED602−j(j=1〜n’)を各々設ける。印刷部600は、各トレイから排出する翻訳文の言語を指定する言語情報を中央制御部800から受け取り、この言語情報に基づき、各トレイから排出される翻訳文の言語をLED602−j(j=1〜n’)により表示する。この態様によれば、どのトレイからどの言語の翻訳文が排出されるのかが一目瞭然であるため、ユーザは、どのトレイから翻訳文を受け取ればよいかを直ちに判断することができる。
【0028】
(2)上記実施形態では、外部のプリンタを翻訳文の出力先として使用することができ、例えば図9に示すように、あるプリンタでは英語の翻訳文を、他のあるプリンタではフランス語の翻訳文を、という具合に翻訳文の言語によりプリンタを使い分けることができる。しかし、このようなプリンタの使い分けをする場合には、どの言語の翻訳文がどのプリンタから出力されるのかがユーザに把握できねばならない。そこで、各プリンタにおけるユーザの目に留まり易いところに表示器を設ける。そして、各プリンタは、翻訳文出力装置の中央制御部800から送られてくる言語情報に基づき、そのプリンタから排出される翻訳文の言語を表示器に表示する。この態様によれば、ユーザは、表示器の表示に基づき、目的とする言語の翻訳文の排出を行っているプリンタを容易に特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態に係る翻訳文出力装置の基本構成を示すブロック図である。
【図2】同翻訳文出力装置の具体的構成例を示すブロック図である。
【図3】同実施形態における管理テーブルの内容を例示する図である。
【図4】同実施形態におけるユーザインタフェースの動作例を示す図である。
【図5】同実施形態におけるユーザインタフェースの動作例を示す図である。
【図6】同実施形態におけるユーザインタフェースの動作例を示す図である。
【図7】同実施形態におけるユーザインタフェースの動作例を示す図である。
【図8】この発明の他の実施形態を示す図である。
【図9】この発明の他の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0030】
1…文書入力手段、2…操作指示手段、3−1〜3−m…翻訳手段、4…出力先指定手段、5…出力先切替手段、6−1〜6−n…出力手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
翻訳対象である原稿データを取り込む文書入力手段と、
翻訳文の言語毎に翻訳文の出力先を指定する出力先指定手段と、
前記文書入力手段により取り込まれた原稿データの翻訳文データを取得し、前記出力先指定手段により前記翻訳文データの言語に関して指定された出力先から当該翻訳文データに対応した翻訳文が出力されるように、当該翻訳文データの経路切り替えを行う出力先切替手段と
を具備する翻訳文出力装置。
【請求項2】
前記翻訳文データの出力先の全部または一部となり得る翻訳文の出力手段を具備することを特徴とする請求項1に記載の翻訳文出力装置。
【請求項3】
外部の装置との通信を行うための通信手段を具備し、
前記出力先切替手段は、ある言語の翻訳文の出力先として前記出力先指定手段により外部の出力手段が指定されている場合、その言語の翻訳文データを前記通信手段により当該出力手段に送信するための制御を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の翻訳文出力装置。
【請求項4】
翻訳の依頼先である翻訳手段を翻訳文の言語毎に指定する手段と、
ある言語への翻訳を行うべき原稿データがその言語への翻訳を行うべきものとして指定された翻訳手段に供給されるように原稿データの経路の切り替え制御を行う手段を具備することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1の請求項に記載の翻訳文出力装置。
【請求項5】
前記出力先指定手段は、翻訳文の出力先として指定した出力手段に対し、翻訳文の言語を示す情報を送信する手段を具備することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1の請求項に記載の翻訳文出力装置。
【請求項6】
前記出力先指定手段は、翻訳文の出力先として指定した出力手段に対し、翻訳文の言語を示す情報を送信する手段を具備し、前記出力手段は、翻訳文の言語を指定する情報を受信した場合にその言語の表示を行う表示手段を具備することを特徴とする請求項2に記載の翻訳文出力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−244251(P2006−244251A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−60735(P2005−60735)
【出願日】平成17年3月4日(2005.3.4)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】