説明

耐スクラッチ性ポリプロピレン

ポリプロピレン基体およびこれに組み入れたb)アルファ、ベータ不飽和のカルボキシル化試薬官能化オレフィンポリマーまたはコポリマー、c)1級または2級脂肪酸アミドおよびd)ナトリウムベンゾアート、2、2’−メチレン−ビス(4、6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファート、亜鉛グリセロラート、1、2−ジカルボン酸シクロヘキサンのカルシウム塩および1、2−ジカルボン酸ノルボルナンのナトリウム塩からなる群より選択される造核剤の組み合わせを含む、耐スクラッチ性ポリプロピレン成形部品が開示されている。また、前記添加物を組み入れることによる耐スクラッチ性をポリプロピレン成形部品に付与する方法が開示されている。ポリプロピレン基体は、例えば、ポリプロピレンホモポリマーまたは熱可塑性ポリオレフィン(TPO)である。成分b)は、例えば、マレイン化ポリプロピレンまたはアルファオレフィンとマレイン酸無水物との反応生成物である。脂肪酸アミドは、例えば、ステアリルエルクアミドまたはオレイルパルミトアミドである。成形部品は、自動車部品に適する。成形部品は、また、好都合にもフィラー、例えば、タルクを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年10月1日出願の米国特許仮出願第61/247、682号、2009年7月7日出願の第1/223、500号、および2009年5月26日出願の第61/217、059号、の優先権を主張し、その出願の内容は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は耐スクラッチ性ポリプロピレン組成物に関する。また、本発明は、ポリプロピレン組成物に耐スクラッチ性を付与する方法に関する。ポリプロピレン組成物は、例えば、熱可塑性オレフィン(TPO)成形部品である。成形部品は、例えば、自動車用途に有用である。
【0003】
米国特許第7、026、391号は、ポリオレフィンおよびポリオレフィンとアルファ、ベータ不飽和のカルボン酸エステル、酸または無水物との反応生成物、例えば、アクリル化またはマレイン化ポリプロピレン、の配合物について教示している。
【0004】
米国公開特許第2006/0276571号は、カルボキシル化試薬官能化オレフィンポリマーおよび1級または2級脂肪酸アミド含有ポリオレフィン基体について教示している。
【0005】
本明細書に挙げられた米国特許および公開特許出願は、参照によって組み込まれる。
【発明の概要】
【0006】
a)ポリプロピレン基体、ならびに
この中に組み入れられた、
b)アルファ、ベータ不飽和カルボキシル化試薬官能化オレフィンポリマーまたはコポリマー、
c)1級または2級脂肪酸アミドおよび
d)ナトリウムベンゾアート、2、2’−メチレン−ビス(4、6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファート、亜鉛グリセロラート、1、2−ジカルボン酸シクロヘキサンのカルシウム塩および1、2−ジカルボン酸ノルボルナンナトリウム塩からなる群より選択される造核剤、
の組み合わせ、を含むポリプロピレン成形部品が開示されている。
【0007】
また、
a)ポリプロピレン基体、ならびに
この中に組み入れられた、
b)アルファ、ベータ不飽和カルボキシル化試薬官能化オレフィンポリマーまたはコポリマー、
c)1級または2級脂肪酸アミド、
d)ナトリウムベンゾアート、2、2’−メチレン−ビス(4、6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファート、亜鉛グリセロラート、1、2−ジカルボン酸シクロヘキサンのカルシウム塩および1、2−ジカルボン酸ノルボルナンナトリウム塩からなる群より選択される造核剤および
e)フィラー、
の組み合わせ、を含むポリプロピレン成形部品が開示されている。
【0008】
また、ポリプロピレン成形部品に耐スクラッチ性を与える方法が開示され、この方法は前記ポリプロピレン部品に、
b)アルファ、ベータ不飽和カルボキシル化試薬官能化オレフィンポリマーまたはコポリマー、
c)1級または2級脂肪酸アミド、および
d)ナトリウムベンゾアート、2、2’−メチレン−ビス(4、6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファート、亜鉛グリセロラート、1、2−ジカルボン酸シクロヘキサンのカルシウム塩および1、2−ジカルボン酸ノルボルナンのナトリウム塩からなる群より選択される造核剤、
を組み入れることを含む。
【0009】
また、ポリプロピレン成形部品に耐スクラッチ性を与える方法が開示され、この方法は前記ポリプロピレン部品に、
b)アルファ、ベータ不飽和カルボキシル化試薬官能化オレフィンポリマーまたはコポリマー、
c)1級または2級脂肪酸アミド、
d)ナトリウムベンゾアート、2、2’−メチレン−ビス(4、6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファート、亜鉛グリセロラート、1、2−ジカルボン酸シクロヘキサンのカルシウム塩および1、2−ジカルボン酸ノルボルナンのナトリウム塩からなる群より選択される造核剤、および
e)フィラー、
を組み入れることを含む。
【発明を実施するための形態】
【0010】
開示の詳細
本成分a)は、例えば、ポリプロピレンホモポリマーである。ポリプロピレンホモポリマーは、また、長鎖分岐ポリプロピレンを包含する。
【0011】
ポリプロピレンは、種々の方法により調製可能である。例には、大抵の場合、周期表IVb、Vb、VlbまたはVIII族の内の1つ以上の金属を含む触媒を使った触媒重合がある。これらの金属は、通常、1つ以上のπ−またはσ−配位であるリガンド、多くの場合、酸化物、ハロゲン化物、アルコラート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニルおよび/またはアリールを有する。これらの金属錯体は、遊離型でも、または基体、通常、活性化マグネシウム塩化物、チタニウム(III)塩化物、アルミナまたは酸化ケイ素上に固定されていてもよい。これらの触媒は、重合溶媒に可溶性でも不溶性でもよい。触媒は、それだけで重合に使用して、もさらに活性剤を使用してもよい。この活性化剤は、典型的には、金属アルキル、金属ハロゲン化物、金属アルキルハロゲン化物、金属アルキル酸化物または金属アルキルオキサンであり、前記金属は、周期表Ia、IIaおよび/またはIIIa族の元素である。活性化剤は、さらにエステル、エーテル、アミンまたはシリルエーテル基で適宜修飾してもよい。これらの触媒系は、一般に、フィリップス(Phillips)触媒、スタンダードオイルインディアナ(Standard Oil Indiana)触媒、チーグラー(−ナッタ)(Ziegler(−Natta))触媒、TNZ(デュポン(DuPont))触媒、メタロセン触媒またはシングルサイト触媒(SSC)と呼ばれる。
【0012】
本発明のさらなる実施形態では、成分a)は、エチレン、C4〜C20αオレフィン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘキセン、C4〜C20アルカンジエン、C5〜C12シクロアルカンジエンおよびノルボルネン誘導体からなる群より選択される1つまたは複数の、プロピレンおよびコモノマー(複数も含む)の全モル量が100%であるコモノマーを含む、ポリプロピレンランダムコポリマー、交互もしくはセグメント化コポリマーまたはブロックコポリマーである。
【0013】
ポリプロピレンコポリマーは、また、長鎖分岐ポリプロピレンコポリマーを含む。
【0014】
適切なC4〜C20αオレフィンの例は、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンおよび4−メチル−1−ペンテンである。
【0015】
適切なC4〜C20アルカンジエンの例は、ヘキサジエンおよびオクタジエンである。
【0016】
適切なC5〜C12シクロアルカンジエンの例は、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンおよびシクロオクタジエンである。
【0017】
適切なノルボルネン誘導体の例は、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、ジシクロペンタジエン(DCP)およびメチレン−ドメチレン−ヘキサヒドロナフタリン(MEN)である。
【0018】
プロピレン/エチレンコポリマーは、例えば、50〜99.9重量%、好ましくは、80〜99.9重量%、特に、90〜99.9重量%、のプロピレンを含有する。
【0019】
コモノマーが、C9〜C20αオレフィン、例えば、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンまたは1−エイコセン;C9〜C20アルカンジエン、C9〜C12シクロアルカンジエンまたはノルボルネン誘導体、例えば、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)またはメチレン−ドメチレン−ヘキサヒドロナフタリン(MEN)、であるプロピレンコポリマーは、90モル%超、特に、90〜99.9モル%または90〜99モル%のプロピレンを含むのが好ましい。
【0020】
コモノマーが、C4〜C8αオレフィン、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテンまたは4−メチル−1−ペンテン;ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘキセン、C4−C8アルカンジエンまたはC5〜C8シクロアルカンジエンであるプロピレンコポリマーは、80モル%超、特に、80〜99.9モル%または80〜99モル%、のプロピレンを含むのが好ましい。
【0021】
さらなる成分a)の例は、プロピレン/イソブチレンコポリマー、プロピレン/ブタジエンコポリマー、プロピレン/シクロオレフィンコポリマー、プロピレンとエチレンのターポリマーおよびジエン、例えば、ヘキサジエン、ジシクロペンタジエまたはエチルイデン−ノルボルネン;1−オレフィンが系中で生成したプロピレン/1−オレフィンコポリマー;およびプロピレン/一酸化炭素コポリマーである。
【0022】
本発明のポリプロピレンは、特に、ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンインパクト(異相)コポリマー、そのおよびTPOの配合物、例えば、ポリプロピレンホモポリマーおよびインパクト調節剤、例えば、EPDMまたはエチレン/アルファオレフィンコポリマーの配合物である。
【0023】
TPO(熱可塑性オレフィン)は、例えば、約10〜約90部のプロピレンホモポリマー、コポリマーまたはターポリマー、および約90〜約10部(重量で)のエチレンとC3〜C8アルファオレフィンのエラストマーコポリマーである。エラストマーコポリマーは、例えば、エチレン/プロピレンコポリマー(EPM)またはエチレン/プロピレン/非共役ジエン(EPDM)コポリマーである。TPOは、例えば、米国特許第6、048、942号に開示されている(参照によって組み込まれる)。
【0024】
成分b)は、アルファ、ベータ不飽和カルボキシル化試薬官能化オレフィンポリマーまたはコポリマーである。
【0025】
カルボキシル化試薬官能化オレフィンポリマーまたはコポリマーは、例えば、米国特許第7、026、391号で開示されている(本特許は、参照により本明細書に取り込まれる)。
【0026】
官能化オレフィンポリマーまたはコポリマーであるオレフィンポリマーまたはコポリマーは、例えば、成分a)のポリプロピレンである。
【0027】
官能化オレフィンポリマーまたはコポリマーは、例えば、少なくとも1つのポリプロピレンと少なくとも1つのアルファ、ベータ不飽和カルボキシル化試薬、例えば、カルボン酸、エステルまたは無水物、の反応生成物である。
【0028】
一実施形態では、この成分として使われるポリプロピレンの数平均分子量は、約2、000〜約10、000の範囲であってもよい。これらのポリマーは、通常、約8〜約40、または約10〜約35、または約15〜約30g/10minのメルトフローインデックスを有する。ポリプロピレンと反応したカルボキシル化試薬の量は、約0.5重量%〜約30重量%または約1重量%〜約20重量%、または約2重量%〜約15重量%、または約4重量%〜約10重量%の範囲であってもよい。
【0029】
アルファ、ベータ不飽和カルボキシル化試薬は、モノまたはジカルボキシル化試薬であってもよい。カルボキシル化試薬には、カルボン酸、エステルおよび塩が含まれる。一塩基アルファ、ベータ不飽和カルボキシル化試薬には、アクリル、メタクリル、アンナム、クロトン酸およびエステル、例えば、1〜約12炭素原子を有するエステル、および塩、例えば、ナトリウム、カルシウムまたはマグネシウム塩が含まれる。ジカルボン酸試薬の例には、マレイン酸、マレイン酸無水物、フマル酸、メサコン酸、ヒム酸無水物、イタコン酸、シトラコン酸、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物、モノメチルマレイン酸エステル、1ナトリウムマレイン酸エステル、等が含まれる。特に好ましいアルファ、ベータ不飽和カルボキシル化試薬は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルおよびマレイン酸無水物である。
【0030】
カルボキシル化試薬とポリプロピレンポリマーまたはコポリマーとの間の反応は、当業者なら既知の手段により達成可能である。例えば、反応は、フリーラジカル開始剤の存在下、溶融加工による融液中で行うことができる。フリーラジカル開始剤は、通常、過酸化物または種々の有機アゾ化合物である。使用される開始剤の量は、一般的には、ポリオレフィンとカルボキシル化試薬の併せた重量ベースで、約0.01重量%〜5重量%である。
【0031】
カルボキシル化試薬とポリプロピレンポリマーまたはコポリマーの間の反応は、「グラフト化(grafting)」と呼ばれる。例えば、本官能化ポリプロピレンポリマーまたはコポリマーは、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリラート、メチルメタクリラート、2−ヒドロキシプロピルメタクリラート、ブチルアクリラートまたはマレイン酸無水物でグラフトされたポリプロピレンポリマーまたはコポリマーである。例えば、マレイン酸無水物でグラフト化する場合は、これを、「マレイン化(maleated)」と名付ける。
【0032】
アクリル化ポリオレフィンの例は、POLYBONDポリマーで、Uniroyal Chemical Companyから入手可能である。特に有用なポリマーは、POLYBOND1002で、15〜25g/10minのメルトフローインデックスインデックスを有し、アクリル酸含量は5.5重量%〜7.0重量%である。市販で入手可能なマレイン酸をグラフト化したポリプロピレンの例は、Eastman Chemical Products、IncのEpolene E−43ワックスである。EPOLENE E−43は、47の酸価を有し、数平均分子量は約4500である。EPOLENE C−16およびC−18ワックスは、それぞれ約8000および4000の分子量のマレイン酸グラフト化ポリエチレンである。マレイン化エチレンプロピレンエラストマーもまた有用であり、このようなエラストマーはExxon Chemical Companyから識別番号99−10、99−14および99−26として入手可能である。これらのコポリマーは、それぞれ77重量%、64重量%および43重量%のエチレンを含み。また、マレイン化生成物は、それぞれ0.76重量%、0.56重量%および0.35重量%のマレイン酸または無水物を含む。
【0033】
市販品として入手可能なマレイン酸無水物グラフト化ポリオレフィンの例には、シェルのKRATON FG1901X(マレイン化した選択的水素化SEBSコポリマーと呼ばれることが多い);CdF Chimieから入手可能なLOTADER 3200と命名されているターポリマー(88重量%エチレン、9重量%ブチルアクリラートおよび3重量%マレイン酸無水物の混合物から調製)、LOTADER 6600(70重量%エチレン、27重量%アクリル酸エステルおよび3重量%マレイン酸無水物)、等がある;マレイン酸無水物グラフト化エチレンビニルアセタートコポリマー(EVA−MAH)がQuantum Chemical Corpから入手可能である。
【0034】
あるいは、成分b)の官能化オレフィンポリマーまたはコポリマーは、アルファオレフィンと上述のアルファ、ベータ不飽和カルボキシル化試薬の反応生成物である。反応は、当技術分野で既知の手法により達成可能である。例えば、反応は、フリーラジカル開始剤の存在下、溶融加工により行うことができる。ラジカル開始剤は、例えば、過酸化物または有機アゾ化合物である。繰り返えしになるが、不飽和カルボキシル化試薬は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルまたはマレイン酸無水物である。
【0035】
例えば、アルファオレフィンは、C3〜約C33、例えば、アルファオレフィンは、C18〜C26アルファオレフィン、例えば、C22〜26またはC18アルファオレフィンである。
【0036】
例えば、官能化オレフィンは、マレイン化アルファオレフィン、すなわち、アルファオレフィンとマレイン酸無水物の反応生成物である。例えば、マレイン化アルファオレフィンは、式
【0037】
【化1】

であり、
式中、
RはC16〜C24アルキル、および
nは平均分子量が約20、000〜約50、000となるような整数である。
【0038】
1級または2級脂肪酸アミドは、例えば、脂肪酸の脂肪酸基がC11〜C21アルキルまたはアルケニルのものである。
【0039】
1級または2級脂肪酸アミドは、例えば、オレアミド、エルクアミド、ステアルアミド、ベヘンアミド、オレイルパルミトアミド、ステアリルエルクアミド、エチレンビスステアルアミドおよびエチレンビスオレアミドからなる群より選択される少なくとも1つの化合物である。
【0040】
特に、本脂肪酸アミドは、2級脂肪酸アミド、例えば、ステアリルエルクアミドまたはオレイルパルミトアミドである。
【0041】
適切な脂肪酸アミドは、例えば、米国特許第6、228、915号で開示されてい(この特許の関連開示は、これにより、参照によって組み込まれる)。
【0042】
アルキルは、直鎖または分岐鎖であり、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、2−エチルブチル、n−ペンチル、イソペンチル、1−メチルペンチル、1、3−ジメチルブチル、n−ヘキシル、1−メチルヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、1、1、3、3−テトラメチルブチル、1−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、1、1、3−トリメチルヘキシル、1、1、3、3−テトラメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、1−メチルウンデシル、ドデシル、1、1、3、3、5、5−ヘキサメチルヘキシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、イコシルまたはドコシルである。
【0043】
アルケニルは、エチレン性不飽和アルキル、例えば、アリルである。
【0044】
官能化オレフィンポリマーまたはコポリマー添加物の1級または2級脂肪酸アミド添加物に対する重量:重量比は、例えば、約20:1〜約1:20、約10:1〜約1:10、約1:1〜約20:1、例えば、約1:1〜約15:1、約1:1〜約10:1、約1:1〜約7:1、または約1:1〜約5:1である。例えば、官能化オレフィンの1級または2級脂肪酸アミドに対する重量:重量比は、約1.5:1、約2:1、約3:1、または約4:1である。
【0045】
官能化オレフィンポリマーまたはコポリマーb)および1級または2級脂肪酸アミド添加剤c)ポリプロピレン基体に組み入れられる組み合わせ物の合計量は、例えば、ポリプロピレン基体の重量ベースで、約1重量%〜約15重量%である。例えば、添加剤の合計は、ポリプロピレン基体の重量ベースで、約1重量%〜約10重量%、約3重量%〜約7重量%、または約3重量%〜約5重量%である。例えば、本発明でのb)とc)の合計は、ポリプロピレン基体の重量ベースで、約1重量%〜約3重量%、約1重量%〜約重量5%、または約1重量%〜約7重量%である。
【0046】
本発明の造核剤である成分d)は、ナトリウムベンゾアート、2、2’−メチレン−ビス(4、6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファートおよび亜鉛グリセロラートから選択される。
【0047】
他の既知の造核剤も本発明の配合物中において良好に作用するであろうことも意図されている。このような追加の造核剤は、例えば、米国特許第6、465、551号、第6、878、443号に開示されている(参照により本明細書に組み込まれる)。さらに可能性のある造核剤は、例えば、ジベンジリデンソルビトール化合物、例えば、1、3:2、4−ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール等のモノメチルジベンジリデンソルビトールまたは1、3:2、4−ビス(3、4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール等のジメチルベンジリデンソルビトールである。他の既知の造核剤は、[2.2.1]ヘプタン−ビシクロジカルボン酸(1、2−ジカルボン酸ノルボルナン)および1、2−ジカルボン酸シクロヘキサンである。ナトリウムベンゾアートの他の適切な有機酸の金属塩は、例えば、1、2−ジカルボン酸シクロヘキサンおよび1、2−ジカルボン酸ノルボルナンの金属塩、例えば、ナトリウムまたはカルシウム塩であってもよい。他の環式ビスフェノールホスファートも適切である可能性がある。
【0048】
本発明の造核剤は、例えば、ポリプロピレンの重量ベースの重量で、約1ppm〜約50、000ppmのレベルで使われる。例えば、本発明の造核剤は、ポリプロピレンの重量ベースの重量で、約10ppm〜約20、000ppm、約100ppm〜約10、000ppmまたは約1000ppm〜約5000ppmのレベルで使われる。
【0049】
本発明の添加物は、ポリプロピレン基体に対し個別に添加しても、これらを混合して添加してもよい。所望なら、ポリプロピレンへの組み入れ前に、個別の構成成分を、例えば、乾式混合、圧縮、または溶融して混合することもできる。
【0050】
本発明の添加物の組み込みを、粉末での乾式混合または、例えば、不活性溶媒、水またはオイル中の溶液、分散液または懸濁液での湿式混合により行った。本発明の添加物を、例えば、成形の前または後、また、溶解または分散添加剤または添加剤混合物をポリプロピレン材料に加えて、その後の溶媒または懸濁/分散媒の蒸発を行い、または行わないで、組み込むことができる。これら添加剤は、例えば、乾式混合物または粉末または溶液または分散剤または懸濁液または溶融物として直接処理装置(例えば、押出機、密閉式混合機、等)に添加してもよい。
【0051】
組み込みは、スターラーを備えた任意の加熱可能な容器中、例えば、ニーダー、ミキサーまたは攪拌槽、等の密閉装置中、で行うことができる。処理を不活性雰囲気中で行うか酸素の存在下行うかは重要でない。
【0052】
ポリプロピレン基体への添加物の添加を、ポリプロピレンが溶融され、添加物と混合される全くの通常の混合装置で行うことが可能である。適切な装置は、当業者には既知である。それらは大部分は混合機、ニーダーおよび押出機である。
【0053】
処理には、押し出し、コニーディング、引抜成形、圧縮成形、シート押出成形、熱成形、射出成形または回転成形が含まれる。処理は、添加物を溶融加工中に導入して押出成形機で行うことが好ましい。
【0054】
処理装置では、一軸スクリュー押出機、反転および共回転二軸スクリュー押出機、回転成形装置、遊星ギア押出機、リング押出機またはコニーダーが特に好ましい。少なくとも1つの真空が適用可能なガス除去室を備えた処理装置も使用可能である。
【0055】
適切な押出機とニーダーは、例えば、Handbuch der Kunststoffextrusion、Vol.1 Grundlagen、Editors F.Hensen、W.Knappe、H.Potente、1989、pp.3-7、ISBN.3−446−14339−4(Vol.2Extrusionsanlagen 1986、ISBN3−446−14329−7)に記載されている。
【0056】
例えば、スクリューは、1〜60スクリュー径、好ましくは35〜48スクリュー径である。スクリュー回転速度は、好ましくは10〜600回転/分(rpm)、特に好ましくは、25〜300rpmである。
【0057】
最大の処理能力は、スクリュー径、回転速度および駆動力に依存する。また、本発明の処理を、上述のパラメーターを変えることによりまたは投与量を供給する秤量装置を使って、最大処理能力未満のレベルで行うこともできる。
【0058】
複数の構成成分が添加される場合は、これらを予混合しても個別に添加してもよい。
【0059】
また、本発明の添加物をポリプロピレン基体上に噴霧することもできる。これらを他の添加物(例えば、任意選択の通常の添加物)またはそれらの溶融物で希釈して、基体上にこれらの添加物を一緒に噴霧できるようにしてもよい。重合触媒の不活化の間に噴霧して添加することは、特に好都合である;この場合、触媒の不活化のために蒸気放出が使用可能である。球状重合ポリプロピレンの場合は、例えば、噴霧法を使って本発明の添加物を、任意選択で他の添加物と一緒に、適用すると好都合となる可能性がある。
【0060】
また、本発明の添加物および任意選択の追加の添加物を、成分が、例えば、ポリマーに組み込まれる重量で、約1重量%〜約40重量%および好ましくは約2重量%〜約20重量%の濃度で含まれるマスターバッチ(「濃縮物」)の形でポリプロピレンに添加可能である。ポリマーは必ずしも添加物が最終的に添加されるポリプロピレンと同じである必要はない。このような操作では、ポリマーは、粉末、粒剤、溶液、懸濁液、または乳濁液の形で使用可能である。
【0061】
組み込みは、成形操作の前または間に、または溶解または分散化合物をポリプロピレンに加えることにより、またその後の溶媒の蒸発を行って、または行わないで行うことができる。本発明の添加物のポリプロピレン基体への組み込みの別の可能性としては、対応するモノマーの重合の前、間または直後、または架橋の前に添加することがある。これに関連して、本発明の添加物は、カプセル化形状(例えば、ワックス、オイルまたはポリマー中に)でそのまま、あるいは別の形態で添加可能である。
【0062】
本明細書記載の本発明の添加物を含むポリプロピレンは、成形品、回転成形製品、射出成形製品、ブロー成形製品、異形品、等の生産に使用可能である。
【0063】
本発明のポリプロピレンは、また、任意選択で、重量で、約0.01〜約5%、好ましくは約0.025〜約2%、および特に約0.1〜約1%の種々の通常の添加物、例えば、下記に挙げる物質またはそれらの混合物を含んでもよい。
【0064】
1.抗酸化剤
1.1.アルキルアテドモノフェノール、例えば、2、6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−tert−ブチル−4、6−ジメチルフェノール、2、6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2、6−ジ−tert−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2、6−ジ−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール、2、6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4、6−ジメチルフェノール、2、6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2、4、6−トリシクロヘキシルフェノール、2、6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシメチルフェノール、側鎖が直鎖または分岐のノニルフェノール、例えば、2、6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2、4−ジメチル−6−(1−メチルウンデカ−1−イル)フェノール、2、4−ジメチル−6−(1−メチルヘプタデカ−1−イル)フェノール、2、4−ジメチル−6−(1−メチルトリデカ−1−イル)フェノールおよびこれらの混合物。
【0065】
1.2.アルキルチオメチルフェノール、例えば、2、4−ジオクチルチオメチル−6−tert−ブチルフェノール、2、4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2、4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2、6−ジ−ドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
【0066】
1.3.ヒドロキノンおよびアルキルアテドヒドロキノン、例えば、2、6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2、5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2、5−ジ−tert−アミルヒドロキノン、2、6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2、6−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、2、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアラート、ビス−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジパート。
【0067】
1.4.トコフェロール、例えば、α−トコフェロール、(β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロールおよびこれらの混合物(ビタミンE)。
【0068】
1.5.ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、例えば、2、2’−チオビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2、2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4、4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4、4’−チオビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、4、4’−チオビス−(3、6−ジ−sec−アミルフェノール)、4、4’−ビス(2、6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド。
【0069】
1.6.アルキリデンビスフェノール、例えば、2、2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2、2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、2、2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)フェノール]、2、2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2、2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2、2’−メチレンビス(4、6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2、2’−エチリデンビス(4、6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2、2’−エチリデンビス(6−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール)、2、2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2、2’−メチレンビス[6−(α、α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4、4’−メチレンビス(2、6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4、4’−メチレンビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、1、1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2、6−ビス(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1、1、3−トリス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1、1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチル−フェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3、3−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブチラート]、ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−6−tert−ブチル−4−メチルフェニル]テレフタラート、1、1−ビス−(3、5−ジメチル−2−ヒドロキシベンジル)ブタン、2、2−ビス−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2、2−ビス−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1、1、5、5−テトラ−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン。
【0070】
1.7.ベンジル化合物、例えば、3、5、3’、5’−テトラ−tert−ブチル−4、4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3、5−ジメチルベンジルメルカプトアセタート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3、5−ジ−tert−ブチルベンジルメルカプトアセタート、トリス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、1、3、5−トリ−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2、4、6−トリメチルベンゼン、ジ−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−メルカプト−酢酸イソオクチルエステル、ビス−(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2、6−ジメチルベンジル)ジチオールテレフタラート、1、3、5−トリス−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌラート、1、3、5−トリス−(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2、6−ジメチルベンジル)イソシアヌラート、3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルリン酸ジオクタデシルエステルおよび3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルリン酸モノエチルエステル、カルシウム塩。
【0071】
1.8.ヒドロキシベンジル化マロナート、例えば、ジオクタデシル−2、2−ビス−(3、5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロナート、ジ−オクタデシル−2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)マロナート、ジ−ドデシルメルカプトエチル−2、2−ビス−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロナート、ビス[4−(1、1、3、3−テトラメチルブチル)フェニル]−2、2−ビス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロナート。
【0072】
1.9.芳香族ヒドロキシベンジル化合物、例えば、1、3、5−トリス−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2、4、6−トリメチルベンゼン、1、4−ビス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2、3、5、6−テトラメチルベンゼン、2、4、6−トリス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0073】
1.10.トリアジン化合物、例えば、2、4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1、3、5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4、6−ビス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1、3、5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4、6−ビス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1、3、5−トリアジン、2、4、6−トリス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1、2、3−トリアジン、1、3、5−トリス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌラート、1、3、5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2、6−ジメチルベンジル)イソシアヌラート、2、4、6−トリス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1、3、5−トリアジン、1、3、5−トリス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニルプロピオニル)ヘキサヒドロ−1、3、5−トリアジン、1、3、5−トリス(3、5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌラート。
【0074】
1.11.ベンジルホスホナート、例えば、ジメチル−2、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホナート、ジエチル−3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホナート、ジオクタデシル3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホナート、ジオクタデシル−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホナート、3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩。
【0075】
1.12.アシルアミノフェノール、例えば、4−ヒドロキシ−ラウリン酸アニリド、4−ヒドロキシ−ステアリン酸アニリド、2、4−ビス−オクチルメルカプト−6−(3、5−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−s−トリアジンおよびオクチル−N−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−カルバマート。
【0076】
1.13.β−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸とモノまたは多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1、6−ヘキサンジオール、1、9−ノナンジオール、エチレングリコール、1、2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌラート、N、N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2、6、7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン、とのエステル。
【0077】
1.14.β−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸とモノまたは多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1、6−ヘキサンジオール、1、9−ノナンジオール、エチレングリコール、1、2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌラート、N、N’−ビス−(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチル−オルプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2、6、7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン、とのエステル。
【0078】
1.15.β−(3.5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキスブフェンブル)プロピオン酸とモノまたは多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1、6−ヘキサンジオール、1、9−ノナンジオール、エチレングリコール、1、2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌラート、N、N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2、6、7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン、とのエステル。
【0079】
1.16.3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸とモノまたは多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1、6−ヘキサンジオール、1、9−ノナンジオール、エチレングリコール、1、2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌラート、N、N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2、6、7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン、とのエステル。
【0080】
1.17.β−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えば、N、N’−-N、N’−ビス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミド、N、N’−ビス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミド、N、N’−ビス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジド、N、N’−ビス[2−(3−[3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル]オキサミド(UniroyalのNaugard(登録商標)XL−1)。
【0081】
1.18.アスコルビン酸(ビタミンC)
【0082】
1.19.アミン系酸化防止剤、例えば、N、N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N、N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N、N’−ビス(1、4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N、N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N、N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N、N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N、N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N、N’−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1、3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェンレンジアミン、4−(p−トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N、N’−ジメチル−N、N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−tert−オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチルアテドジフェニルアミン、forエキサンプルp、p’−ジ−tert−オクチルジフェニルアミン、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ビス(4−メトキシフェニル)アミン、2、6−ジ−tert−ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2、4’−ジアミノジフェニルメタン、4、4’−ジアミノジフェニルメタン、N、N、N’、N’−テトラメチル−4、4’−ジアミノジフェニルメタン、1、2−ビス[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1、2−ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o−トリル)ビグアニド、ビス[4−(1’、3’−ジメチルブチル)フェニル]アミン、tert−オクチルアテドN−フェニル−1−ナフチルアミン、モノおよびジアルキル化tert−ブチル/tert−オクチル−ジフェニルアミンの混合物、モノおよびジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノおよびジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノおよびジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノおよびジアルキル化tert−ブチルジフェニルアミンの混合物、2、3−ジヒドロ−3、3−ジメチル−4H−1、4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノおよびジアルキル化tert−ブチル/tert−オクチルフェノチアジンの混合物、モノおよびジアルキル化tert−オクチル−フェノチアジンの混合物、N−アリルフェノチアジン、N、N、N’、N’−テトラフェニル−1、4−ジアミノブタ−2−エン、N、N−ビス−(2、2、6、6−テトラメチル−ピペリド−4−イル−ヘキサメチレンジアミン、ビス(2、2、6、6−テトラメチルピペリド−4−イル)セバカート、2、2、6、6−テトラメチルピペリジン−4−オン、2、2、6、6−テトラメチルピペリジン−4−オール
【0083】
2.UV吸収剤および光安定剤
2.1.2−(2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、例えば、既知の市販2−(2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールおよびベンゾトリアゾールは、米国特許3、004、896;3、055、896;3、072、585;3、074、910;3、189、615;3、218、332;3、230、194;4、127、586;4、226、763;4、275、004;4、278、589;4、315、848;4、347、180;4、383、863;4、675、352;4、681、905、4、853、471;5、268、450;5、278、314;5、280、124;5、319、091;5、410、071;5、436、349;5、516、914;5、554、760;5、563、242;5、574、166;5、607、987、5、977、219および6、166、218で開示され、例えば、下記のものがある。
【0084】
2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3、5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(3、5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−sec−ブチル−5−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3、5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3、5−ビス−α−クミル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−(ω−ヒドロキシ−オクタ−(エチレンオキシ)カルボニル−エチル)−、フェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−ドデシル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−オクチルオキシカルボニル)エチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、ドデシルアテド2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−5−(2−(2−エチルヘキシルオキシ)−カルボニルエチル)−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−(2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル)−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニル−2H−ベンゾトリアゾール、2、2’−メチレン−ビス(4−t−オクチル−(6−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)、2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−t−オクチル−5−α−クミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−フルオロ−2−(2−ヒドロキシ−3、5−ジ−α−クミル−フェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(2−ヒドロキシ−3、5−ジ−α−クミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3、5−ジ−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、メチル3−(5−トリフルオロメチル−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマート、5−ブチルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−α−クミル−5−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3、5−ジ−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−トリフルオロメチル−2−(2−ヒドロキシ−3、5−ジ−α−クミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−ブチルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−3、5−ジ−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールおよび5−フェニルスルホニル−2−(2−ヒドロキシ−3、5−ジ−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール。
【0085】
2.2.2−ヒドロキシベンゾフェノン、例えば、4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクチルオキシ、4−デシルオキシ、4−ドデシルオキシ、4−ベンジルオキシ、4、2’、4’−トリヒドロキシおよび2’−ヒドロキシ−4、4’−ジメトキシ誘導体。
【0086】
2.3.置換および未置換安息香酸のエステル、例えば、4−tert−ブチルフェニルサリチラート、フェニルサリチラート、オクチルフェニルサリチラート、ジベンゾイルレソルシノール、ビス(4−tert−ブチルベンゾイル)レソルシノール、ベンゾイルレソルシノール、2、4−ジ−tert−ブチルフェニル3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアート、ヘキサデシル3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアート、オクタデシル3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアート、2−メチル−4、6−ジ−tert−ブチルフェニル3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾアート。
【0087】
2.4.アクリラートおよびマロナート、例えば、α−シアノ−β、β−ジフェニルアクリル酸エチルエステルまたはイソオクチルエステル、α−カルボメトキシケイ皮酸メチルエステル、α−シアノ−β−メチル−p−メトキシ−ケイ皮酸メチルエステルまたはブチルエステル、α−カルボメトキシ−p−メトキシ−ケイ皮酸メチルエステル、N−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチルインドリン、Sanduvor(登録商標)PR25、ジメチルp−メトキシベンジリデンマロナート(CAS#7443−25−6)、およびSanduvor(登録商標)PR31、ジ−(1、2、2、6、6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)p−メトキシベンジリデンマロナート(CAS#147783−69−5)。
【0088】
2.5.ニッケル化合物、例えば、1:1または1:2錯体等の2、2’−チオ−ビス−[4−(1、1、3、3−テトラメチルブチル)フェノール]のニッケル錯体(n−ブチルアミン、トリエタノールアミンまたはN−シクロヘキシルジエタノールアミン等の追加のリガンドがある場合と無い場合を含む);ニッケルジブチルジチオカルバマート、モノアルキルエステル、例えば、メチルまたはエチルエステル、4−ヒドロキシ−3、5−ジ−tert−ブチルベンジルホスホン酸、のニッケル塩;ケトキシム、例えば、2−ヒドロキシ−4−メチルフェニルウンデシルケトキシム、のニッケル錯体;1−フェニル−4−ラウロイル−5−ヒドロキシピラゾールのニッケル錯体(追加のリガンドがある場合と無い場合を含む)。
【0089】
2.6.立体障害アミン安定剤、例えば、4−ヒドロキシ−2、2、6、6−テトラメチルピペリジン、1−アリル−4−ヒドロキシ−2、2、6、6−テトラメチルピペリジン、1−ベンジル−4−ヒドロキシ−2、2、6、6−テトラメチルピペリジン、ビス(2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバカート、ビス(2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシナート、ビス(1、2、2、6、6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバカート、ビス(1−オクチルオキシ−2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバカート、ビス(1、2、2、6、6−ペンタメチル−4−ピペリジル)n−ブチル−3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロナート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2、2、6、6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸の縮合体、N、N’−ビス(2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−tert−オクチルアミノ−2、6−ジクロロ−1、3、5−トリアジンの直鎖または環状縮合体、トリス(2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル)ニトリロトリアセタート、テトラキス(2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1、2、3、4−ブタン−テトラカルボキシラート、1、1’−(1、2−エタンジイル)−ビス(3、3、5、5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2、2、6、6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2、2、6、6−テトラメチルピペリジン、ビス(1、2、2、6、6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3、5−ジ−tert−ブチルベンジル)マロナート、3−n−オクチル−7、7、9、9−テトラメチル−1、3、8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2、4−ジオン、ビス(1−オクチルオキシ−2、2、6、6−テトラメチルピペリジル)セバカート、ビス(1−オクチルオキシ−2、2、6、6−テトラメチルピペリジル)スクシナート、N、N’−ビス−(2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2、6−ジクロロ−1、3、5−トリアジンの直鎖または環状縮合体、2−クロロ−4、6−ビス(4−n−ブチルアミノ−2、2、6、6−テトラメチルピペリジル)−1、3、5−トリアジンと1、2−ビス(3−アミノ−プロピルアミノ)エタンの縮合体、2−クロロ−4、6−ジ−(4−n−ブチルアミノ−1、2、2、6、6−ペンタメチルピペリジル)−1、3、5−トリアジンと1、2−ビス−(3−アミノプロピルアミノ)エタン、8−アセチル−3−ドデシル−7、7、9、9−テトラメチル−1、3、8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2、4−ジオンの縮合体、3−ドデシル−1−(2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2、5−ジオン、3−ドデシル−1−(1、2、2、6、6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2、5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−および4−ステアリルオキシ−2、2、6、6−テトラメチルピペリジンの混合物、N、N’−ビス(2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンおよび4−シクロヘキシルアミノ−2、6−ジクロロ−1、3、5−トリアジンの縮合生成物、1、2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンおよび2、4、6−トリクロロ−1、3、5−トリアジンならびに4−ブチルアミノ−2、2、6、6−テトラメチルピペリジン(CAS Reg.No.[136504−96−6])の縮合生成物;N−(2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、N−(1、2、2、6、6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7、7、9、9−テトラメチル−1−オキサ−3、8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4、5]デカン、7、7、9、9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3、8−ジアザ−4−オキソスピロ[4、5]デカンおよびエピクロロヒドリンの反応生成物、1、1−ビス(1、2、2、6、6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテン、N、N’−ビス−ホルミル−N、N’−ビス(2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、4−メトキシ−メチレン−マロン酸と1、2、2、6、6−ペンタメチル−4−ヒドロキシピペリジンのエステル、ポリ[メチルプロピル−3−オキシ−4−(2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル)]シロキサン、マレイン酸無水物−α−オレフィンコポリマーと2、2、6、6−テトラメチル−4−アミノピペリジンまたは1、2、2、6、6−ペンタメチル−4−アミノピペリジンの反応生成物。
【0090】
また、立体障害アミンは、米国特許第5、980、783号に記載されている化合物の1つであってもよい(この特許の関連部分は参照により組み込まれる)。すなわち、前記米国特許第5、980、783号の64〜72欄に挙げられているI−a)、I−b)、I−c)、I−d)、I−e)、I−f)、I−g)、I−h)、I−i)、I−j)、I−k)またはI−l)、特に、光安定剤1−a−1、1−a−2、1−b−1、1−c−1、1−c−2、1−d−1、1−d−2、1−d−3、1−e−1、1−f−1、1−g−1、1−g−2または1−k−1の化合物であってもよい。
【0091】
立体障害アミンは、また、米国特許第6、046、304号および第6、297、299号に記載の化合物の1つであってもよい(その開示、例えば、請求項10または38、または実施例1−12またはD−1〜D−5に記載の化合物は、これにより参照によって組み込まれる)。
【0092】
2.7.N原子上でヒドロキシ置換アルコキシ基により置換された立体障害アミン、例えば、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オクタデカノイルオキシ−2、2、6、6−テトラメチルピペリジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヘキサデカノイルオキシ−2、2、6、6−テトラメチルピペリジン、1−オキシル−4−ヒドロキシ−2、2、6、6−テトラメチルピペリジンとt−アミルアルコール由来の炭素ラジカルとの反応生成物、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−ヒドロキシ−2、2、6、6−テトラメチルピペリジン、1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−オキソ−2、2、6、6−テトラメチルピペリジン、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2、2、6、6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバカート、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2、2、6、6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アジパート、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2、2、6、6−テトラメチルピペリジン−4−イル)スクシナート、ビス(1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2、2、6、6−テトラメチルピペリジン−4−イル)グルタラートおよび2、4−ビス{N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2、2、6、6−テトラメチルピペリジン−4−イル]−N−ブチルアミノ}−6−(2−ヒドロキシエチル−アミノ)−s−トリアジン、等の化合物。
【0093】
2.8.オキサミド、4、4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2、2’−ジエトキシオキサニリド、2、2’−ジオクチルオキシ−5、5’−ジ−tert−ブトキサニリド、2、2’−ジドデシルオキシ−5、5’−ジ−tert−ブトキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N、N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−tert−ブチル−2’−エトキサニリドおよびその2−エトキシ−2’−エチル−5、4’−ジ−tert−ブトキサニリドとの混合物、o−およびp−メトキシ−2置換オキサニリドの混合物、ならびにo−およびp−エトキシ−2置換オキサニリドの混合物。
【0094】
2.9.トリスアリール−o−ヒドロキシフェニル−s−トリアジン、例えば、既知の市販トリスアリール−o−ヒドロキシフェニル−s−トリアジンおよび下記米国特許で開示のトリアジン:3、843、371;4、619、956;4、740、542;5、096、489;5、106、891;5、298、067;5、300、414;5、354、794;5、461、151;5、476、937;5、489、503;5、543、518;5、556、973;5、597、854;5、681、955;5、726、309;5、736、597;5、942、626;5、959、008;5、998、116;6、013、704;6、060、543;6、242、598および6、255、483、例えば、
4、6−ビス−(2、4−ジメチルフェニル)−2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−s−トリアジン、Cyasorb(登録商標)1164、CytecCorp、4、6−ビス−(2、4−ジメチルフェニル)−2−(2、4−ジヒドロキシフェニル)−s−トリアジン、2、4−ビス(2、4−ジヒドロキシフェニル)−6−(4−クロロフェニル)−s−トリアジン、2、4−ビス[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−6−(4−クロロフェニル)−s−トリアジン、2、4−ビス[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−6−(2、4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン、2、4−ビス[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−6−(4−ブロモフェニル)−s−トリアジン、2、4−ビス[2−ヒドロキシ−4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−6−(4−クロロフェニル)−s−トリアジン、2、4−ビス(2、4−ジヒドロキシフェニル)−6−(2、4−ジメチルフェニル)−s−トリアジン、2、4−ビス(4−ビフェニリル)−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチル−オキシカルボニルエチリデンオキシフェニル)−s−トリアジン、2−フェニル−4−[2−ヒドロキシ−4−(3−sec−ブチルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)フェニル]−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−sec−アミルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−s−トリアジン、2、4−ビス(2、4−ジメチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−s−トリアジン、2、4−ビス(2−ヒドロキシ−4−n−ブチルオキシフェニル)−6−(2、4−ジ−n−ブチルオキシフェニル)−s−トリアジン、2、4−ビス(2、4−ジメチル−フェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−ノニルオキシ*−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−5−a−クミルフェニル]−s−トリアジン(*は、オクチルオキシ、ノニルオキシおよびデシルオキシ基の混合物を意味する)、メチレンビス−{2、4−ビス(2、4−ジメチル−フェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−ブチルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−s−トリアジン}、3:5’、5:5’および3:3’の位置に関し5:4:1の比率で架橋したメチレン架橋ダイマー混合物、2、4、6−トリス(2−ヒドロキシ−4−イソオクチルオキシカルボニルイソプロピリデンオキシフェニル)−s−トリアジン、2、4−ビス(2、4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシイオキシ−5−α−クミルフェニル)−s−トリアジン、2−(2、4、6−トリメチルフェニル)−4、6−ビス[2−ヒドロキシ−4−(3−ブチルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−s−トリアジン、2、4、6−トリス[2−ヒドロキシ−4−(3−sec−ブチルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]−s−トリアジン、4、6−ビス−(2、4−ジメチルフェニル)−2−(2−ヒドロキシ−4−(3−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−フェニル)−s−トリアジンと4、6−ビス−(2、4−ジメチルフェニル)−2−(2−ヒドロキシ−4−(3−トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−フェニル)−s−トリアジンの混合物、Tinuvin(登録商標)400、Ciba Specialty Chemicals Corp.、4、6−ビス−(2、4−ジメチルフェニル)−2−(2−ヒドロキシ−4−(3−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシプロポキシ)−フェニル)−s−トリアジンならびに4、6−ジフェニル−2−(4−ヘキシルオキシ−2−ヒドロキシフェニル)−s−トリアジン。
【0095】
3.金属不活性化剤、例えば、N’−ジフェニルオキサミド、N−サリチラル−N’−サリチロイルヒドラジン、N、N’−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N、N’−ビス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1、2、4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N、N’−ジアセチルアジポイルジヒドラジド、N、N’−ビス(サリチロイル)オキサリルジヒドラジド、N、N’−ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジド。
【0096】
4.ホスフィットおよびホスホニット、例えば、トリフェニルホスフィット、ジフェニルアルキルホスフィテス、フェニルジアルキルホスフィテス、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、トリラウリルホスフィット、トリオクタデシルホスフィット、ジステアリルペンタエリトリトールジホスフィット、トリス(2、4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィット、ジイソデシルペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2、4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2、6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ジイソデシルオキシペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2、4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、ビス(2、4、6−トリス(tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスフィット、トリステアリルソルビトールトリホスフィット、テトラキス(2、4−ジ−tert−ブチルフェニル)4、4’−ビフェニレンジホスホニット、6−イソオクチルオキシ−2、4、8、10−テトラ−tert−ブチル−ジベンゾ[d、f][1、3、2]ジオキサホスフェピン、6−フルオロ−2、4、8、10−テトラ−tert−ブチル−12−メチル−ジベンゾ[d、g][1、3、2]ジオキサホスホシン、ビス(2、4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)メチルホスフィット、ビス(2、4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エチルホスフィット、2、2’、2”−ニトリロ[トリエチルトリス(3、3’、5、5’−テトラ−tert−ブチル−1、1’−ビフェニル−2、2’−ジイル)ホスフィット]、2−エチルヘキシル(3、3’、5、5’−テトラ−tert−ブチル−1、1’−ビフェニル−2、2’−ジイル)ホスフィット。
【0097】
特に下記のホスフィットが好ましい:
トリス(2、4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフィット(lrgafos(登録商標)168、Ciba Specialty Chemicals Corp.)、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、
【0098】
【化2】

【0099】
5.ヒドロキシルアミン、例えば、N、N−ジベンジルヒドロキシルアミン、N、N−ジエチルヒドロキシルアミン、N、N−ジオクチルヒドロキシルアミン、N、N−ジラウリルヒドロキシルアミン、N、N−ジテトラデシルヒドロキシルアミン、N、N−ジヘキサデシルヒドロキシルアミン、N、N−ジオクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシルアミン、N−メチル−N−オクタデシルヒドロキシルアミンおよび水素化獣脂アミンから生成したN、N−ジアルキルヒドロキシルアミン。
【0100】
6.ニトロン、例えば、N−ベンジル−α−フェニルニトロン、N−エチル−α−メチルニトロン、N−オクチル−α−ヘプチルニトロン、N−ラウリル−α−ウンデシルニトロン、N−テトラデシル−α−トリドシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−ヘキサデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オカタデシル−α−ペンタデシルニトロン、N−ヘプタデシル−α−ヘプタデシルニトロン、N−オクタデシル−α−ヘキサデシルニトロン、N−メチル−α−ヘプタデシルニトロンおよび水素化獣脂アミンから生成したN、N−ジアルキルヒドロキシルアミンから生成したニトロン。
【0101】
7.アミンオキシド、例えば、米国特許第5、844、029号および第5、880、191号で開示のアミンオキシド誘導体の、トリデシルアミンオキシド、トリドデシルアミンオキシドおよびトリヘキサデシルアミンオキシド。
【0102】
8.ベンゾフラノンおよびインドリノン、例えば、米国特許4、325、863;4、338、244;5、175、312;5、216、052;5、252、643;5、369、159;5、356、966;5、367、008;5、428、177または5、428、162で開示のもの、または3−[4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル]−5、7−ジ−tert−ブチイ−ベンゾフラン−2−オン、5、7−ジ−tert−ブチル−3−[4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル]ベンゾフラン−2−オン、3、3’−ビス[5、7−ジ−tert−ブチル−3−(4−[2−ヒドロキシエトキシ]フェニル)ベンゾフラン−2−オン]、5、7−ジ−tert−ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラン−2−オン、3−(4−アセトキシ−3、5−ジメチルフェニル)−5、7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(3、5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5、7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン、3−(3、4−ジメチルフェニル)−5、7−ジ−tert−ブチル−ベンゾフラン−2−オン、Irganox(登録商標)HP−136、Ciba Specialty Chemicals Corp.、および3−(2、3−ジメチルフェニル)−5、7−ジ−tert−ブチルベンゾフラン−2−オン。
【0103】
9.チオ相乗剤、例えば、ジラウリルチオジプロピオナートまたはジステアリルチオジプロピオナート。
【0104】
10.過酸化物スカベンジャー、例えば、β−チオジプロピオン酸エステル、例えば、ラウリル、ステアリル、ミリスチルまたはトリデシルエステル、メルカプトベンゾイミダゾールまたは2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、亜鉛ジブチルジチオカルバマート、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリトリトールテトラキス(β−ドデシルメルカプト)プロピオナート。
【0105】
11.ポリアミド安定剤、例えば、ヨウ化物および/またはリン化合物と組み合わせた銅塩および二価マンガン塩。
【0106】
12.塩基性共安定剤、例えば、メラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、トリアリルシアヌラート、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、ポリアミド、ポリウレタン、高級脂肪酸のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、例えば、カルシウムステアラート、亜鉛ステアラート、マグネシウムベヘナート、マグネシウムステアラート、ナトリウムリシノレアートおよびカリウムパルミタート、アンチモンピロカテコラートまたは亜鉛ピロカテコラート。
【0107】
13.他の造核剤、例えば、無機物質、例えば、タルク、二酸化チタンまたは酸化マグネシウム、等の金属酸化物、好ましくは、アルカリ土類金属の燐酸塩、炭酸塩、または硫酸塩;モノまたはポリカルボン酸およびその塩、例えば、4−tert−ブチル安息香酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸、ナトリウムスクシナート、等の有機化合物;イオン性コポリマー(アイオノマー)、等の高分子化合物。
【0108】
14.フィラーおよび強化剤、例えば、炭酸カルシウム、シリケート、ガラスフィラー、ガラス球、アスベスト、タルク、カオリン、マイカ、硫酸バリウム、金属酸化物および水酸化物、カーボンブラック、黒鉛、木粉および他の天然産物粉または繊維、合成繊維。
【0109】
本発明の配合物は、好都合にも、フィラー、例えば、被覆または未被覆滑石を含む。
【0110】
フィラーは、例えば、天然または合成フィロ珪酸塩またはこのようなフィロ珪酸塩の混合物であってもよい。特別に関心があるフィラーは、例えば、層状ケイ酸粘度である。非常に特別に関心があるものは、モンモリロナイト、ベントナイト、バイデライト、マイカ、ヘクトライト、サポナイト、ノントロナイト、ソーコナイト、バーミキュライト、レディカイト(ledikite)、マガディアイト、ケニアアイト、ステベンサイト、ボルコンスコアイト、ヒドロタルサイト、イライト、カオリナイト、ウォラストナイト、アタパルジャイト、タルクまたはシリカまたはこれらの混合物である。
【0111】
フィラーは、ポリプロピレンの重量ベースで、約1重量%〜約50重量%である。例えば、フィラーは、ポリプロピレンの重量ベースの重量で、約5重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%または約25重量%およびこれらの全ての可能な範囲内で存在する。
【0112】
15.分散剤、例えば、ポリエチレンオキシドワックスまたはミネラルオイル。
【0113】
16.他の添加物、例えば、可塑剤、潤滑剤、乳化剤、顔料、染料、光学的光沢剤、レオロジー添加物、触媒、流量制御剤、スリップ剤、架橋剤、架橋促進剤、ハロゲンスカベンジャー、煙抑制剤、防炎剤、帯電防止剤、清澄剤、例えば、置換および未置換ビスベンジリデンソルビトール、ベンゾオキサジノンUV吸収剤、例えば、2、2’−p−フェニレン−ビス(3、1−ベンゾオキサジン−4−オン)、Cyasorb(登録商標)3638(CAS#18600−59−4)、および発泡剤。
【0114】
本発明のポリプロピレン組成物は、良好な耐候性(熱、酸素および光に対する安定性)、耐スクラッチ性、良好な加工性、良好な機械的強度、良好な光沢保持率、および非接着性を示す。ポリプロピレン成形部品は、例えば、自動車用途、すなわち、バンパーフェイシア、等に適する。
【実施例】
【0115】
下記の実施例は、本発明を説明するためのものである。この実施例は、本発明の範囲を限定する意図はない。別に指示がなければ、全てのパーセンテージは重量部である。
【0116】
実施例1熱可塑性オレフィン(TPO)
試験配合物を、溶融配合方式で未充填TPOを使って調製した。TPOは、約8〜10重量%エラストマー(2重量%カーボンブラック含有)を含むポリプロピレンである。TPOと添加物を、18mm2軸押出機を使って204°C〜230°Cで混合した。ペレットを80℃で一晩乾燥した。TPO配合物を、射出温度450°F(232℃)、保持圧1000psi、背圧50psi、スクリュー回転速度150rpm、型締めユニット設定287.5mm、ショットサイズ70および金型冷却温度45°F(7℃)で射出成形し、4インチX6インチのスムーズな平板を得た。
【0117】
標準ファイブフィンガースクラッチ試験(five finger scratch test)ガイドライン(Daimler Chrysler Corporation試験番号LP−463DD−18−1、(2002年7月24日付))に従って、平板をファイブフィンガースクラッチ試験に供した。
【0118】
【表1】

【0119】
スクラッチ試験は、10N(ニュートン)で0min.(成形直後)、5min.、10min.、20min.および一晩(24時間)経過後に行った。試料は、室温で保存した。
【0120】
下記の配合物(重量パーセント)を調製した:
【0121】
【表2】

【0122】
10Nでの耐スクラッチ性の結果は以下の通り:
【0123】
【表3】

【0124】
配合物1は10Nで耐スクラッチ性を示さなかった。配合物2(造核剤無添加)は時間0で耐スクラッチ性能がよくなかった。24時間経過後は、一定水準の耐スクラッチ性が達成された。
【0125】
抗スクラッチ添加剤と増核剤の両方を含む配合物3〜8では、成形直後の時間0で良好な耐スクラッチ性が得られた。これの耐スクラッチ性は、配合物2の24時間経過後の値より良好であった。同じ良好な耐スクラッチ性能が24時間後保存後にも得られた。すなわち、条件づけすることなく、室温または高温で保存または硬化することなく、本発明の組成物により耐スクラッチ性が達成された。抗スクラッチ添加物は、マレイン化ポリプロリレン:ステアリルエルクアミドの重量配合比が2:1のものである。NU1はナトリウムベンゾアート、NU2は2、2’−メチレンビス(4、6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファート、NU3は亜鉛グリセロラートである。
【0126】
実施例2フィラー充填熱可塑性オレフィン(TPO)
試験配合物を、溶融配合方式で未充填TPOを使って調製した。TPOは、約8〜10重量%エラストマー(2重量%カーボンブラック含有)を含むポリプロピレンである。TPOと添加物を、18mm2軸押出機を使って204°C〜230°Cで混合した。また、TPOの重量ベースで30重量%の未被覆タルクフィラーを添加した。ペレットを80℃で一晩乾燥した。TPO配合物を、射出温度450°F(232℃)、保持圧1000psi、背圧50psi、スクリュー回転速度150rpm、型締めユニット設定287.5mm、ショットサイズ70および金型冷却温度45°F(7℃)で射出成形し、4インチX6インチのスムーズな平板を得た。
【0127】
24時間保存後の平板をファイブフィンガースクラッチ試験に供した。
【0128】
【表4】

【0129】
20、15および10Nでの耐スクラッチ性の結果は以下の通り:
【0130】
【表5】

【0131】
抗スクラッチ添加物は実施例1と同じである。
配合物12および13は本発明によるもので、ファイブフィンガースクラッチ試験によって白化の実質的減少が認められた。配合物12および13は、配合物10、14および15に比較して、相乗的結果が認められた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリプロピレン成形部品であって、
a)ポリプロピレン基体および
この中に組み入れられた、
b)アルファ、ベータ不飽和カルボキシル化試薬官能化オレフィンポリマーまたはコポリマー、
c)1級または2級脂肪酸アミドおよび
d)ナトリウムベンゾアート、2、2’−メチレン−ビス(4、6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファート、亜鉛グリセロラート、1、2-ジカルボン酸シクロヘキサンのカルシウム塩および1、2−ジカルボン酸ノルボルナンのナトリウム塩、からなる群より選択される造核剤、
の組み合わせを含み、
成分b)がアルファ、ベータ不飽和カルボキシル化試薬とグラフトされたポリプロピレンポリマーもしくはコポリマー、またはアルファ−オレフィンとアルファ、ベータ不飽和カルボキシル化試薬との反応生成物である、成形部品。
【請求項2】
ポリプロピレン基体がポリプロピレンホモポリマーまたは熱可塑性ポリプロピレンである請求項1記載の成形部品。
【請求項3】
アルファ、ベータ不飽和カルボキシル化試薬がアクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリラート、メチルメタクリラート、2−ヒドロキシプロピルメタクリラート、ブチルアクリラートまたはマレイン酸無水物である請求項1〜2のいずれか1項に記載の成形部品。
【請求項4】
脂肪酸アミドがステアリルエルクアミドまたはオレイルパルミトアミドである請求項1〜3のいずれか1項に記載の成形部品。
【請求項5】
官能化オレフィンポリマーまたはコポリマーと1級または2級脂肪酸アミドの重量:重量比が約1:1〜約20:1または約1:1〜約5:1である請求項1〜4のいずれか1項に記載の成形部品。
【請求項6】
官能化オレフィンポリマーまたはコポリマーおよび脂肪酸アミドの合計が、ポリプロピレン基体の重量ベースで、約1重量%〜約5重量%である請求項1〜5のいずれか1項に記載の成形部品。
【請求項7】
造核剤が、ポリプロピレン基体の重量ベースの重量で、約10ppm〜約20、000ppm、約100ppm〜約10、000ppm、または約1000ppm〜約5000ppmである請求項1〜6のいずれか1項に記載の成形部品。
【請求項8】
ポリプロピレン成形部品に耐スクラッチ性を付与する方法であって、前記ポリプロピレン部品に、
b)アルファ、ベータ不飽和カルボキシル化試薬官能化オレフィンポリマーまたはコポリマー、
c)1級または2級脂肪酸アミドおよび
d)ナトリウムベンゾアート、2、2’−メチレン−ビス(4、6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファート、亜鉛グリセロラート、1、2-ジカルボン酸シクロヘキサンのカルシウム塩および1、2−ジカルボン酸ノルボルナンのナトリウム塩、からなる群より選択される造核剤、
を組み入れることを含み、
成分b)がアルファ、ベータ不飽和カルボキシル化試薬とグラフトされたポリプロピレンポリマーもしくはコポリマー、またはアルファオレフィンとアルファ、ベータ不飽和カルボキシル化試薬との反応生成物である、方法。
【請求項9】
さらに、e)フィラー、を含む請求項1〜7に記載のポリプロピレン成形部品。
【請求項10】
さらに、e)フィラー、を組み込むことを含む請求項8に記載の方法。

【公表番号】特表2012−528232(P2012−528232A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513099(P2012−513099)
【出願日】平成22年5月17日(2010.5.17)
【国際出願番号】PCT/US2010/035107
【国際公開番号】WO2010/138330
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(511286229)ビー・エイ・エス・エフ、コーポレーション (1)
【Fターム(参考)】