説明

耐引掻性自動車コーティングの製造方法

本発明は、以下の工程:I.色彩付与および/または特殊効付与ベースコートおよび透明なクリアコートのトップコート層、または着色単層トップコートのトップコート層を、先に適用されたコーティング上に適用する工程、II.任意選択的に、透明シーリングコートのシーリング層を、工程Iにおいて適用されたトップコート層上に適用する工程、III.工程Iにおいて適用されたトップコート層および任意選択的に工程IIにおいて適用されたシーリング層を硬化させる工程、を含む、耐引掻性自動車コーティングの製造方法に関し、方法において、透明なクリアコートまたは着色単層トップコートおよび/または透明シーリングコートが、元素−酸素網をベースとした改質ナノ粒子を含有し、元素が、アルミニウム、ケイ素、スズ、ホウ素、ゲルマニウム、ガリウム、鉛、およびランタニドおよびアクチニドなどの遷移金属からなる群から選択され、改質ナノ粒子が、(未改質)ナノ粒子を一般式(I)Me(OR14および/または一般式(II)Me(OCOR14の化合物で処理することによって製造され、上式中、R1がアルキル、アリールおよび/またはアラルキル残基を意味し、Meがジルコニウムおよび/またはチタンを意味する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐引掻性(scratch resistant)自動車コーティングの製造方法に関し、該方法において外側コーティング層は、改質ナノ粒子を含有するコーティング組成物から製造される。
【背景技術】
【0002】
コーティングの耐引掻性、硬度および耐磨耗性などの機械的安定性の改良は、特に自動車トップコートの中心課題であった。ナノ粒子をクリアコートまたはトップコートに組み込むことによって上に記載された性質を改良することが知られている。ここでの技術的な課題は、コーティングの一般的な範囲の性質が影響を受けないままであるように必要量のナノ粒子をコーティングに組み込むことである。例えば、光学的性質(クリアコートの透明性または着色コーティングの色合い)、レオロジー、流れおよび接着力などの性質は、ナノ粒子の使用によって悪影響を及ぼされないことが保証されるべきである。
【0003】
EP1216278、EP1195416およびDE10239424には、例えば、耐引掻性を与えるための異なって構造化された、官能化ナノ粒子およびコーティング中でのそれらの使用が記載されている。
【0004】
WO 03102089にはさらに、薄膜形成バインダー中に分散体として存在している、化学改質されたナノ粒子が記載されている。ここでナノ粒子は、一般式Si(OR)3−(CH2n−Zの化合物によって改質され、そこでZは長鎖アルキル基、フルオロカーボン基または少なくとも2個のメチル基を有するシラン基を表す。基Zは、改質ナノ粒子が、未改質粒子よりもバインダーに対して低い相溶性を示し、従って好ましくはそれらを含有するコーティングの表面に集まることを確実にするように意図される。
【0005】
DE10241510には、凝集ナノ粒子粉末および有機結合剤から調製された組成物が記載されている。ナノ粒子はここで、一般式Si(OR’)n4-n、SiClnn-4、(R’mR’’m-3Si2)NH、Ti(OR’)n4-nおよびZr(OR’)n4nの化合物で処理され、上式中、Rは、C原子を介してケイ素、チタンまたはジルコニウムに直接に結合している官能基である。特に、官能基は、ナノ粒子を不飽和モノマーに組み込んでバインダーを形成すると、モノマーと重合して、架橋されたナノ複合体を生じる不飽和二重結合を有する官能基である。
【0006】
EP1166283には、改良された耐部分放電性を示し、ワイヤ上に可撓性コーティングをもたらす、金属導体、特にワイヤのためのコーティング組成物が記載されている。これらの組成物は、反応性のおよび任意選択的に非反応性の官能基を表面に有する元素−酸素網をベースとした粒子を含有し、そこで非反応性官能基は前記網の酸素を介して結合している。
【0007】
しかしながら、特に、上に記載された技術的問題を十分に解決することができる自動車コーティングのためのナノ粒子含有コーティング組成物またはコーティング方法を提供することが今まで可能ではなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、他の本質的なコーティング性質、例えば、レオロジー性質および接着力に関して比較的大きな妥協を受け入れる必要なく、改良された耐引掻性および硬度を有するコーティングをもたらす自動車コーティングのコーティング方法が依然として必要とされている。耐引掻性コーティングはさらに、完全な光学的外観を有し、容易にサンディングおよび艶出可能であるのがよい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下の工程:
I.色彩付与および/または特殊効付与ベースコートおよび透明なクリアコートのトップコート層、または着色単層トップコートのトップコート層を、先に適用されたコーティング上に適用する工程、
II.任意選択的(optionally)に、透明なシーリングコートのシーリング層を、工程Iにおいて適用されたトップコート層上に適用する工程、および
III.工程Iにおいて適用されたトップコート層および任意選択的(optionally)に工程IIにおいて適用されたシーリング層を硬化させる工程
を含む、耐引掻性自動車コーティングの製造方法に関し、
方法において、透明なクリアコートまたは着色単層トップコートおよび/または透明なシーリングコートが、元素−酸素網をベースとした改質ナノ粒子を含有し、元素が、アルミニウム、ケイ素、スズ、ホウ素、ゲルマニウム、ガリウム、鉛、およびランタニドおよびアクチニドなどの遷移金属からなる群から選択され、改質ナノ粒子が、(未改質)ナノ粒子を一般式I Me(OR14および/または一般式II Me(OCOR14の化合物で処理することによって製造され、上式中、R1がアルキル、アリールおよび/またはアラルキル残基を意味し、Meがジルコニウムおよび/またはチタンを意味する。MeおよびR1は各々、式IおよびIIにおいて独立に選択されうる。
【0010】
元素−酸素網の元素は好ましくは、チタン、アルミニウム、ケイ素、ジルコニウム、亜鉛、スズ、イットリウム、セリウムおよびバナジウムを含む。また、異なった元素−酸素網からの粒子の混合物を使用することが可能であり、また、酸素と記載された元素の1つより多くの混成網をベースとした粒子、例えば、ケイ素−アルミニウム−酸素網をベースとした粒子を使用することができる。
【0011】
驚くべきことに、改良された機械的性質、特に改良された耐引掻性を有するコーティングを本発明の方法を用いて得ることができることが見出された。ナノ粒子で改質された組成物から得られないコーティングの既存の有利な性質が維持された。コーティングのレオロジー性質に与える効果は最小であり、得られたクリアコートの透明性は非常に良好であり、着色コーティングの色は変化せず、コーティングの表面構造は損なわれない。また、乾燥する間の硬度の形成にはっきりと認められる悪い影響はない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下のより詳細な説明は、まず第一に、工程Iにおいておよび任意選択的に工程IIにおいて、本発明によって適用されるナノ粒子を含有するコーティングに関する。本発明によって適用されるトップコート、すなわち、クリアコートまたは着色単層トップコートおよび/または任意選択的に適用されるシーリングコートは、改質ナノ粒子を含有する。改質ナノ粒子は、一般式Iおよび/またはIIの上に記載された化合物で処理された上に記載されたタイプの元素−酸素網をベースとしたナノ粒子を含む。
【0013】
一般に式I Me(OR14および一般式II Me(OCOR14において、残基R1は以下の意味を有する。
1はアルキル残基であってもよく、アルキル残基は、1〜20個、好ましくは1〜12個、特に好ましくは1〜6個のC原子を有する任意選択的に置換されていてもよい直鎖または分岐状アルキル残基を含む。アルキル残基は、いずれかの望ましい有機基、例えば、酸基、ヒドロキシル基およびアミノ基で置換されてもよい。
【0014】
同じく、R1はアリール残基であってもよく、アリール残基は、例えば、フェニルおよびナフチル残基などの芳香族炭化水素残基を含む。
【0015】
また、R1はアラルキル残基であってもよく、アラルキル残基は、アリール基によって置換されたアルキル残基、例えば、ベンジル残基、アルキル残基に1〜10個のC原子を有するフェニルアルキル残基、例えば、フェニルエチル残基を含む。また、アルキル残基はここで、上に記載された方法で置換されてもよい。
【0016】
一般式IおよびIIの残基R1は好ましくは、1つの式において同じ残基R1を含むが、1つの式において異なった残基R1の組合せもまた、存在してもよい。
【0017】
1は好ましくは、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチルまたはヘキシル残基など、1〜6個のC原子を有する低級アルキル残基である。
【0018】
一般式Iのジルコニウムおよび/またはチタン化合物が使用されるのが好ましい。
【0019】
一般式Iの好ましい化合物は、テトラプロピルチタネート、テトラプロピルジルコネート、テトラブチルチタネート、テトラブチルジルコネート、テトラペンチルチタネートおよびテトラペンチルジルコネートである。
【0020】
一般式IIの化合物の例は、有機酸のチタンおよびジルコニウムエステルである。
【0021】
一般式Iおよび/またはIIのジルコニウムおよび/またはチタン化合物によるナノ粒子の改質はここで、より詳細に説明される。ここでおよび以下に、一般式Iおよび/またはIIの上述のジルコニウムおよび/またはチタン化合物は、一般式Iおよび/またはIIの化合物と呼ばれる。
【0022】
1つの可能な製造方法は、改質のために使用される一般式Iおよび/またはIIの化合物を1種または複数の有機溶媒中に初期に導入することを必要とする。使用できる有機溶媒はコーティング用の通常の有機溶媒であり、例えば、グリコールエーテル、例えばエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、グリコールエーテルエステル、例えばエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシ−n−ブチルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、メトキシプロピルアセテート、エステル、例えば酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、ケトン、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、芳香族炭化水素(例えば、136〜180℃の沸点範囲を有する)および脂肪族炭化水素である。一般式Iおよび/またはIIの化合物はここで、適した装置内で例えば10〜100℃において攪拌することによって有機溶媒と混合されてもよい。次に、このようにして得られた混合物中に、好ましくは攪拌しながらおよび小さい部分に分けて、ナノ粒子またはナノ粒子凝集塊を撒布してもよい。これは例えば、数分〜数時間にわたって10〜100℃において行われてもよい。
【0023】
しかしながら、また、最初に、1種または複数の有機溶媒中のナノ粒子の懸濁液を調製し、次いで一般式Iおよび/またはIIの化合物を添加することもできる。
【0024】
次に、得られた混合物を適した装置、例えば、高速ミキサ内で予備分散させ、適した方法で、例えば、ビードミル内で、ジェット分散機によってまたは超音波によって所望の粒度まで分散させてもよい。分散は例えば、1〜200nm、好ましくは1〜70nmの粒度まで行われる。
【0025】
ナノ粒子は、ナノ粒子の量に対して一般式Iおよび/またはIIの化合物の例えば、1〜60重量%、好ましくは1〜40重量%、最も好ましくは1〜20重量%で処理される。ここで使用される一般式Iおよび/またはIIの化合物の量は、選択されたナノ粒子に非常に依存する。上に記載されたような有機相中の改質ナノ粒子の調製を用いて、一般式Iの化合物で改質されたナノ粒子を調製するのが好ましい。
【0026】
使用される上記の特定の元素−酸素−網をベースとしたナノ粒子は、「ナノメートル」サイズの範囲、例えば、1〜200nm、好ましくは1〜100nmの平均一次粒度を有する、当業者に公知の通常の粒子を含み、官能基、特にヒドロキシル基を粒子表面に含有することができる。有用なナノ粒子は、例えば、シリカ、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛および酸化セリウムをベースとしている。シリカはどんな適した形態で用いられてもよく、好ましいのは焼成シリカである。ナノ粒子は市販の製品として得られる。シリカをベースとした市販の製品の例はDegussa製のAerosil(登録商標)R300、R380、R805、R812、R7200およびR8200、Cabot Corporation製のCab−O−Sil(登録商標)TS−610およびCab−O−Sil(登録商標)TS−530およびWacker製のHDKN20、HDKH15、HDKH18およびHDKH30である。二酸化チタンをベースとした市販のナノ粒子の例はDegussa製のAeroxide(登録商標)TiO2−T805およびSachtleben製の名称Hombitecの様々な銘柄である。酸化アルミニウムをベースとした市販のナノ粒子の例はDegussa製のAeroxide(登録商標)−AluC805およびNanophase Inc.製のNano−Tek(登録商標)酸化アルミニウムである。
【0027】
本発明のさらに好ましい実施形態において、ナノ粒子は、シラン化合物による処理と組み合わせて一般式Iおよび/またはIIの化合物で改質されてもよい。シラン化合物は、例えば、一般式Si(OR2n34-nの化合物を含んでもよく、n=1、2、3または4であり、R2がR1の意味を有し、R3が、いずれかの望ましい有機基を表し、炭素原子を介してケイ素に直接に結合している。nが1または2に等しい場合、R3は同じかまたは異なっていてもよく、nが2、3または4に等しい場合、R2は同じかまたは異なっていてもよい。好ましくは、nが4に等しいシラン化合物(Si(OR24)が用いられ、そこでR2は既に上に記載された意味を有し、同じかまたは異なっていてもよい。シラン化合物による処理は、一般式Iおよび/またはIIの化合物による処理と並行してまたは好ましくはその後に行われてもよい。とにかく、このような処理は、粉砕プロセスの前に行われるのがよい。
【0028】
特に好ましい本発明の1つの実施形態は、得られた改質ナノ粒子をさらに特定の官能性化合物に組み込んで、次いで一緒に予備分散させ、これらの官能性化合物と共に微粉砕する。ナノ粒子が一般式Iおよび/またはIIの化合物で本発明によって改質されるとき、これらの化合物の官能基、例えば、−OR1基の全てがナノ粒子の表面に結合しているわけではなく、遊離基−OR1がまだ保持されると思われる。さらに、これらのまだ遊離した基の助けで、ナノ粒子は、化学反応によってであろうと配位結合によってであろうと、特定の官能性化合物に結合しうると思われる。
【0029】
官能性化合物は、まだ存在するナノ粒子のそれらの反応性基、例えば、OR1基に結合しうるとされる官能基を含有する一官能性および/または多官能性モノマー、オリゴマーおよび/またはポリマー化合物を含む。考えられる適した官能基は、例えば、OH、COOH、アミノ、チオール、カルバメート、イミド、エポキシド、イソシアネートおよび/またはエステル基などのルイス塩基度を有するいずれかの望ましい有機基である。相応して、官能化オリゴマーまたはポリマーバインダーおよび/または他の相応して官能化された化合物を用いてもよい。例えば、ヒドロキシ官能性またはカルボキシ官能性バインダーおよび/または他のヒドロキシまたはカルボキシ官能性化合物、例えば、一価または多価長鎖直鎖または分岐状アルコール、例えば、5〜20個のC原子を有する一価または多価脂肪族アルコールを用いてもよい。
【0030】
特に有利に使用できる官能化化合物は、このような相応して官能化されたバインダー、例えば、ヒドロキシ官能性バインダーであり、それらはまた、改質ナノ粒子が組み込まれるコーティングバインダー系の成分であるか好ましくは主成分である。ナノ粒子を含有する安定なマスターバッチが得られ、一切の問題なしにコーティング系中に直接に組み込むことができる。コーティング系中のナノ粒子の改良された解凝集、従って分散体が得られる。
【0031】
ナノ粒子マスターバッチは、例えば、高速ミキサ内で改質ナノ粒子を官能化化合物、特に、官能化バインダーと混合および予備分散させ、次いで適した装置内で、例えば、ビードミルによって分散を続けることによって製造されてもよい。官能化化合物、特に官能化バインダーをここで最初に導入し、そして改質ナノ粒子をそれに添加してもよく、または改質ナノ粒子を最初に導入し、そして官能化化合物、特に、官能化バインダーをそれに添加してもよい。しかしながら、これらの変形を有する多様性において、官能化化合物の存在下で一般式Iおよび/またはIIの化合物を用いて本発明によってナノ粒子の処理/改質を行うこともまた、可能である。官能化化合物は、有機溶液または有機分散体として存在しうる。
【0032】
ナノ粒子および官能化化合物、特に、官能化バインダーはここで、官能化化合物:改質ナノ粒子99:1、好ましくは、上限として80:20の重量比で使用されてもよい。重量比の下限は、臨界顔料容積濃度(CPVC)、すなわち、ナノ粒子の特定の量を湿潤するためにちょうど十分である官能化化合物の量に相当する、官能化化合物:改質ナノ粒子の重量比であると考えうる。それは、例えば、官能化化合物:改質ナノ粒子80:20〜3:20の重量比をもつことができる。
【0033】
理想的には、官能化化合物、特に官能化バインダーはここで、ナノ粒子表面にまだ存在している可能な限り全ての反応性基がバインダーの相応する官能基との反応によって消費されるように選択された量および条件において用いられる。次に、任意選択的にまだ存在しているバインダーのあらゆる未反応官能基が、コーティング組成物中の適切な架橋剤の存在下で、架橋剤の反応性基と反応することができ、従って架橋プロセスに関与することができる。
【0034】
ナノ粒子マスターバッチの分散は、例えば、1〜200nm、好ましくは1〜70nmの所望の粒度まで行われる。
【0035】
水が存在しないとき、得られたナノ粒子マスターバッチは、広い温度範囲内、例えば、−15〜80℃ですぐれた貯蔵安定性を示す。
【0036】
自明に、本発明による全ての上述の実施形態は、単独で用いられるか、または任意の望ましい方法で互いに組み合わせられてもよい。
【0037】
本発明によって使用されるナノ粒子含有コーティング組成物(すなわち、クリアコート、単層トップコートまたはシーリングコート)は、
A)少なくとも1種の薄膜形成バインダー、
B)任意選択的に、バインダーのための少なくとも1種の架橋剤、
C)、薄膜形成バインダーA)の量に対して0.5〜40重量%、好ましくは1〜20重量%の上述の元素−酸素網をベースとしたナノ粒子、および
D)任意選択的に、有機溶媒、水、顔料、充填剤および通常のコーティング添加剤
を含む。
【0038】
本発明のコーティング組成物中の薄膜形成バインダーA)および任意選択的に存在する架橋剤B)の選択は、どんな特定の限定も受けない。コーティング製造において通常有用などんな望ましいバインダーを用いてもよい。バインダーA)は、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、(メタ)アクリルコポリマー、エポキシ樹脂および混合物ならびに記載されたバインダーの混成体を含んでもよい。しかしながら、リストは、制限を設けることを意図しない。また、記載されたポリマー以外のポリマーを用いてもよい。バインダーA)は官能基を含んでもよい。官能基が存在するとき、バインダーは好ましくは、1分子中少なくとも2個の官能基を有する。
【0039】
バインダーA)中に存在してもよい官能基の非限定的な例は、エポキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、イソシアネート基、オレフィン性不飽和基、アルコキシシラン基である。また、官能基は、ブロック化された形において、例えば、ブロック化ヒドロキシル基、イソシアネート基またはアミノ基として存在してもよい。
【0040】
任意選択的に官能化されたバインダーA)の製造は、当業者には公知であり、説明を要しない。
【0041】
バインダーA)は、自己または外部架橋性であってもよい。しかしながら、また、それらは物理的乾燥バインダーを含んでもよい。
【0042】
バインダーA)に加えて、本発明のコーティング組成物は、バインダーA)の官能基との架橋反応を起こすことができる架橋剤B)を含有してもよい。
【0043】
架橋剤の選択はバインダーA)中に存在する官能基によって左右され、すなわち、架橋剤は、バインダーの官能価に相補的な反応性官能価を示すように選択され、そこで官能基は、フリーラジカル重合によっておよび/または付加および/または縮合によって互いに反応することができる。
【0044】
バインダーAと架橋剤B)との間の付加反応の例は、エステル基およびヒドロキシル基を形成する、カルボキシル基へのエポキシ基の開環付加、ウレタン基および/またはウレア基を形成する、イソシアネート基へのヒドロキシルおよび/または第一および/または第二アミノ基の付加、アルファ、ベータ−不飽和カルボニル基、特に(メタ)アクリロイル基への第一および/または第二アミノ基および/またはCH−酸性基の付加、エポキシ基への第一および/または第二アミノ基の付加である。(A)および(B)基の間の縮合反応の例は、ヒドロキシルおよび/または第一および/または第二アミノ基とブロック化イソシアネート基とからウレタン基および/またはウレア基を形成し、ブロッキング剤を脱離する反応、ヒドロキシル基とn−メチロール基とから水を脱離する反応、ヒドロキシル基とn−メチロールエーテル基とからエーテル化アルコールを脱離する反応、ヒドロキシル基とエステル基とからエステル化アルコールを脱離するエステル交換反応、ヒドロキシル基とカルバメート基とからアルコールを脱離するトランスウレタン化反応、カルバメート基とn−メチロールエーテル基とからエーテル化アルコールを脱離する反応である。フリーラジカル重合によって反応しうる官能基(A)および(B)の例はオレフィン性不飽和基、例えば、ビニル基、アリル基、特に(メタ)アクリロイル基である。
【0045】
相互に相溶性である場合、2つ以上の相補的な官能価が、付加反応および/または縮合反応によって硬化しうるバインダー中に同時に存在してもよく、その結果、硬化は、例として上に記載されたタイプの2つ以上の異なった反応によって進むことができる。
【0046】
本発明のコーティング組成物は、薄膜形成バインダーA)の量に対して0.5〜40重量%、好ましくは1〜20重量%の、上述の改質ナノ粒子を含有する。ナノ粒子の先述の全ての可能な実施形態もまた、もちろん、含まれる。
【0047】
既に上に説明されたように、さらに、改質ナノ粒子を特に好ましくは官能化化合物に組み込むことができる。同じく既に上に説明されたように、官能化化合物として、相応して官能化されたバインダー、例えば、ヒドロキシ官能性バインダーを使用することがここで特に有利であり、それらはまた、コーティング組成物のバインダー系の成分であるか好ましくは主成分である。それに応じて考えうる官能化バインダーは原則として、コーティング組成物において使用するために既に上に記載された官能化バインダーである。
【0048】
ここでナノ粒子マスターバッチをコーティング組成物の基礎調合の間に直接に製造してコーティング組成物に組み込んでもよいが、しかしながら、また、それらを半製品として製造および貯蔵し、次いで必要な場合に完成コーティング組成物に組み込んでもよい。一般に改質ナノ粒子をコーティング組成物にそのままでまたは上に記載されたマスターバッチの形で組み込むことができる。好ましくはナノ粒子およびナノ粒子マスターバッチを上に記載されたように有機相中で調製し、次に、適した方法で水ベースまたは溶媒ベースのコーティング組成物に組み込む。
【0049】
本発明によって使用されるナノ粒子含有コーティング組成物は、顔料および/または充填剤および通常のコーティング添加剤を通常のコーティング量において含有することができる。
【0050】
クリアコートまたは透明なシーリングコートとしての適用の場合、色彩付与および/または特殊効付与顔料はその中に含有されない。
【0051】
コーティング組成物は通常のコーティング有機溶媒および/または水を含有することができ、すなわち、コーティング組成物は、水べースまたは溶媒ベースであってもよく、水ベースのコーティング組成物は、小さな比率の有機溶媒をさらに含有してもよい。
【0052】
水性コーティング組成物は、例えば、エマルションの形をとってもよい。乳化状態はここで、外部乳化剤を添加することによって達成されてもよく、またはこの系は、水中で自己乳化作用を有する基、例えば、イオン性基を含有してもよい。
【0053】
ナノ粒子含有コーティング組成物は、選択されたバインダーおよび架橋剤に応じて、一成分または二成分コーティング系として調合されてもよい。一成分または二成分コーティング組成物の好ましい例は、バインダーとしてヒドロキシ官能性(メタ)アクリルコポリマー、例えばヒドロキシ官能性バインダー、ポリエステル樹脂および/またはポリウレタン樹脂および、架橋剤として、バインダーのヒドロキシル基と架橋してエーテルおよび/またはエステル基を形成する、トリアジンベースの成分、例えば、トリス(アルコキシカルボニルアミノ)トリアジン、アミノ樹脂、特にメラミン樹脂、および/またはエステル交換架橋剤および/または遊離またはブロックトポリイソシアネートを含有するコーティング組成物である。さらに別の好ましい一成分または二成分コーティング系は、カルボキシ官能性架橋剤と組み合わせてエポキシ官能性バインダーを含有するコーティング系である。
【0054】
本発明の方法の工程Iにおいて、色彩付与および/または特殊効付与ベースコートおよび透明なクリアコートのトップコート層、または着色単層トップコートのトップコート層を、先に適用されたコーティング上に適用する。任意選択的に、例えば、ボディ上の機械的に特に強く負荷された場所の付加的な保護のための最終透明シーリング層が、従って引掻きの特定のリスクがあり、同じく、適用されたトップコート層にさらに別の工程(工程II)において適用されてもよい。使用において引掻きの特定のリスクがある自動車の領域の例は、負荷領域またはドアの開口部の端部、特に例えば、乗車者が自動車を乗り降りする時に引掻きの特定のリスクがある、シルがドアの開口部の下で突き出る場所と共に、ロック部またはドアの取っ手の周りの領域である。引掻きのリスクがある自動車の車体の領域のさらに別の例は、外部負荷に対応するために適している領域、例えば、ルーフまたはハッチバックである。
【0055】
本発明の方法の工程IIIにおいて、適用されたコーティング層を次に硬化させるが、その際各層をその適用後に別々に硬化させてもよく、または2つ以上のコーティング層を中間硬化なしに逐次適用し一緒に硬化させる。
【0056】
適用されるコーティング組成物は、通常の適用方法によって適用されてもよい。適用方法の例は、ブラッシング、ローラー適用、ナイフコーティング、浸漬、特に噴霧である。任意の蒸発分離段階の後、次いでコーティング層を硬化させてもよく、または次のコーティング層を適用する。本発明のコーティング組成物の組成に応じて、硬化は室温において行われてもよく、または高温、例えば、40〜80℃において強制されてもよく、またはより高い温度、例えば、80〜220℃において焼付け(焼成)することによって強制されてもよい。本発明の放射線硬化性コーティング組成物の場合、硬化は高エネルギー放射線、例えば、紫外線放射線に露光することによって行われ、もしくは、いわゆる二段硬化コーティング組成物の場合、高エネルギー放射線および熱に暴露することによって行われてもよい。
【0057】
本発明の方法において、コーティング組成物は先に適用されたコーティング上に通常に適用される。先に適用されたコーティングは、トップコート層、例えば、充填剤および/またはプライマーコートを適用する前に自動車コーティングにおいて通常に適用されるようなコーティング層を含む。色彩付与および/または特殊効付与ベースコートおよび透明なクリアコートのトップコート層の場合、まず、第一にベースコート層、次いでクリアコート層を通常の方法で適用する。
【0058】
ナノ粒子で改質されたコーティング組成物は、多層構造物の外側コーティング層の製造のために本発明の方法において使用される。既に言及されたように、外側コーティング層は、着色トップコートまたは透明なクリアコートで構成される、着色または未着色コーティング層を含む。任意選択的に、シーリング層を外側の層としてトップコート層にさらに適用してもよい。次に、シーリング層を構成するコーティング組成物だけが上述のナノ粒子を含有することができ、またはその下に配置されたトップコート層、すなわち、クリアコート層または着色単層トップコート層が、さらに同様に、記載されたナノ粒子を含有することができる。好ましくは蒸発分離段階の後に、すでに硬化されたトップコート層上にまたはトップコート層上にウエット・オン・ウエットでシーリング層を適用してもよい。硬化条件は、既に記載された硬化条件に相当する。
【0059】
自動車コーティングのための本発明の方法は、有利には、自動車の元のコーティングおよび自動車修復コーティングの両方において使用されてもよい。
【0060】
非常に良好な機械的表面特質、特に改良された耐引掻性および耐化学薬品性を示すコーティングを製造するために本発明の方法を使用することが可能であるのがわかった。コーティング組成物またはそれから得られたコーティングの他の重要な性質、例えば、色合わせ、透明性、レオロジー性質、流れ、接着力および硬度の形成を損なわずにこれらの有利な性質を達成することが可能であることがわかった。得られたコーティングは、良好な光学的外観を示し、同様に容易に艶出およびサンディング可能である。
【0061】
ナノ粒子、特にナノ粒子マスターバッチの形のナノ粒子は、製造、貯蔵する間またはコーティング組成物中へそれらを組み込んでいる間または後であろうと、コーティング組成物を適用する間または後であろうと、ナノ粒子とさらなるバインダーまたはコーティング組成物成分との間の相溶性の問題を示さない。ナノ粒子の分散および解凝集の改良を達成することが可能であることがわかった。ナノ粒子を含有するマスターバッチおよびコーティング組成物は貯蔵時に安定している。
【0062】
本発明は、以下の実施例を参照することによってさらに説明される。
【実施例】
【0063】
実施例1
pyroqenicシリカナノ粒子を改質するためのTi(OPr)4の最適な量の定量
Wacker製のHDK(登録商標)T30が焼成シリカナノ粒子として使用された。HDK(登録商標)T30は、火炎堆積法(flame hydrolysis)によって製造された合成、親水性非晶質シリカである。
【0064】
5gのHDK(登録商標)T30を、100gの酢酸ブチルおよび
【0065】
【数1】

を有するビーカー内で攪拌した。200〜2000rpmにおいてDispermatで10分攪拌した後、シリカを、市販の0,45μmフィルター(Millex−LCR、Millipore)によって濾過して除去した。濾液をAAS(原子吸収分光分析法)によってTi(OPr)4の過剰について確認した。
【0066】
シリカの表面を改質するためのチタネートの量はシリカ上35,3重量%として確認された。
Pr=プロピル
【0067】
チタネート改質pyroqenicシリカペーストの調製
35,7g(98%、35,7g 0,123モル)のTi(OPr)4を、100rpmにおいてDispermatで攪拌しながら371,0gの通常のヒドロキシ官能性ポリエステルバインダー(P)に添加した。99,1gのHDK(登録商標)T30を、300gの酢酸ブチルと一緒に溶液に添加した。混合物を100〜1000rpmにおいて10分間、攪拌した。
【0068】
粉砕プロセスを、60℃で2800rpmにおいて1300gの1mm SAZパール(Garbe、Lahmeyer&Co.AG)を使用するPM1ペア・ミル(pear mill)(Drais)内で行った。3時間後に改質シリカ含有ペーストが得られた。
【0069】
(P):ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、無水ヘキサヒドロフタル酸(hexahydrophtalic anhydride)およびヤシ脂肪酸からなる、Solvesso(登録商標)100中のポリエステルポリオールの70重量%溶液で、酸価13mg KOH/gおよびヒドロキシル価136 mg KOH/g、計算されたヒドロキシル官能価3.8および計算された分子質量1500を有する。
【0070】
比較例1
未改質焼成シリカペーストの調製
470,6gの上記のヒドロキシ官能性ポリエステルバインダーを71,3gの酢酸ブチルおよび58,14gのHDK(登録商標)T30と混合した。混合および粉砕手順は、実施例1の改質焼成シリカペーストの場合と同じ条件下で行われた。
【0071】
実施例2
改質シリカペーストを含有するクリアコートおよび未改質シリカペーストを含有する比較用クリアコートの調製
実施例1のチタネート改質シリカペーストを通常の2K溶媒ベースのポリエステルクリアコート中に、クリアコート中の固体バインダーに基づいて10%の改質シリカ粒子の含有量が達成されるような量において組み入れた。ベースクリアコートを以下の成分を混合することによって調製した。
【0072】

【0073】
したがって比較例1の未改質シリカペーストをベースクリアコート中に、前記クリアコート中の固体バインダーに基づいて10%のシリカ粒子の含有量が達成されるような量において組み入れた。
【0074】
このように得られたクリアコートおよび比較用クリアコート(P)を、1:1.2のOH:NCOの当量比が得られるような量において各々、以下の硬化剤溶液と混合した。
【0075】
硬化剤溶液:81gのヘキサメチレンジイソシアネートイソシアヌレート(Desmodur3390、Bayer)、9.5gのSolvesso(登録商標)100および9.5gの酢酸ブチルの混合物。
次に、混合によって得られたクリアコートおよび比較用クリアコート組成物を、通常の黒色水系ベースコート(DuPontのBase coat Brilliant Black)の水性ベースコート層を提供された試験パネルに乾燥層厚さ35μmで静電吹付けすることによって適用した。室温において15分の蒸発分離後、クリアコートコーティング層を140℃(物体温度)において25分間、焼成した。
【0076】
結果
表1は、コーティングについて行われた技術試験の結果を示す。
【0077】
表1:技術的結果

【0078】
表1に見ることができるようにクリアコートを含有する改質シリカナノ粒子の光沢および曇り値は、未改質シリカを含有する比較用クリアコートより優れている。また、Amtec試験結果などの技術的値は表面改質シリカ粒子を用いて改良される。特に顕著に改良された結果は、歪を与えた後およびリフロー後の光沢に関して達成された。
【0079】
試験方法
DIN 67530(光沢)およびDIN EN ISO 13803(曇り)に従ってMicro−Haze plus(Byk−Gardner)によって測定された曇りおよび光沢値
DIN EN ISO 14577−1に従ってFischerscope H 100(Fischer GmbH und CO.KG)によって測定されたフィッシャー硬度
Amtec:DIN 55668による。引掻きを実験室規模Amtec Kistler洗車を用いて実施した。以下を参照。Th. KlimmaschおよびTh. Engbert、Development of a uniform laboratory test method for assessing the car wash resistance of automotive top coats、DFO Proceedings 32、59〜66ページ、Technologie−Tage、Proceedings of the Seminar on 29.and30.4.97 in Cologne、出版元Deutsche Forschungsgesellschaft fuer Oberflaechenbehandlung e.V.(Adersstraβe 94,40215 Duesseldorf)。
【0080】
%での残留光沢を、20°の照明角度において、歪を与えた直後および1時間のリフロー後に各ケースにおいて測定した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐引掻性自動車コーティングの製造方法であって、以下の工程:
I.色彩付与および/または特殊効付与ベースコートおよび透明なクリアコートのトップコート層、または着色単層トップコートのトップコート層を、先に適用されたコーティング上に適用する工程、
II.任意選択的に、透明なシーリングコートのシーリング層を、工程Iにおいて適用された前記トップコート層上に適用する工程、および
III.工程Iにおいて適用された前記トップコート層および任意選択的に工程IIにおいて適用された前記シーリング層を硬化させる工程、を含み、
前記透明なクリアコートまたは前記着色単層トップコートおよび/または前記透明なシーリングコートが、元素−酸素網をベースとした改質ナノ粒子を含有し、前記元素が、アルミニウム、ケイ素、スズ、ホウ素、ゲルマニウム、ガリウム、鉛、およびランタニドおよびアクチニドなどの遷移金属からなる群から選択され、前記改質ナノ粒子が、(未改質)ナノ粒子を一般式I Me(OR14および/または一般式II Me(OCOR14の化合物で処理することによって製造され、上式中、R1がアルキル、アリールおよび/またはアラルキル残基であり、Meがジルコニウムおよび/またはチタンである、方法。
【請求項2】
前記元素−酸素網の前記元素が、チタン、アルミニウム、ケイ素、ジルコニウム、亜鉛、スズ、イットリウム、セリウムおよびバナジウムからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記改質ナノ粒子を含有するコーティング組成物が、以下の成分:
A)少なくとも1種の薄膜形成バインダー、
B)任意選択的に、前記バインダーのための少なくとも1種の架橋剤、
C)薄膜形成バインダーA)の量に対して0.5〜40重量%の前記改質ナノ粒子、および
D)任意選択的に、有機溶媒、水、顔料、充填剤および/または通常のコーティング添加剤
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
薄膜形成バインダーA)の量に対して前記改質ナノ粒子C)1〜20重量%が前記コーティング組成物中に含有される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
1が、1〜20個のC原子を有する任意選択的に置換されていてもよい直鎖または分岐状アルキル残基、フェニル、ナフチル、ベンジルおよびアルキル残基に1〜10個のC原子を有するフェニルアルキル残基からなる群から選択された残基を意味する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
1が、1〜6個のC原子を有するアルキル残基を意味する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記改質ナノ粒子が、(未改質)ナノ粒子を、前記ナノ粒子の量に対して一般式Iおよび/またはIIの化合物1〜60重量%で処理することによって製造される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
一般式Iおよび/またはIIの化合物による前記ナノ粒子の処理が、一般式Si(OR2n34-nのシラン化合物による処理と組み合わせて行われ、上式中、n=1、2、3または4であり、R2がR1の意味を有し、R3が、炭素原子を介してケイ素に直接に結合しているいずれかの望ましい有機基を表す、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記改質ナノ粒子が官能性モノマー、オリゴマーおよび/またはポリマー化合物に組み込まれる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記改質ナノ粒子がヒドロキシ官能性および/またはカルボキシ官能性バインダーおよび/または他のヒドロキシまたはカルボキシ官能性化合物に組み込まれる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ヒドロキシ官能性および/またはカルボキシ官能性バインダーが、前記薄膜形成バインダーA)と同一かまたは類似している、請求項10に記載の方法。

【公表番号】特表2009−505823(P2009−505823A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−528060(P2008−528060)
【出願日】平成18年8月22日(2006.8.22)
【国際出願番号】PCT/US2006/032732
【国際公開番号】WO2007/024839
【国際公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】