説明

耐性向上用樹脂フィルム

【課題】安価でかつ安全に製造でき、しかも、従来の樹脂光硬化型塗料を使用したものと比較しても屋外耐候性や耐薬品性などの耐性において遜色のない、耐性向上用樹脂フィルムを提供する。
【解決手段】本発明にかかる耐性向上用樹脂フィルムは、アクリロイル基とシラノール基を分子両末端に有し、且つ末端シラノール基に縮合反応にて結合されたシリカ微粒子を20〜80重両部を含有するシリカシリコーンオリゴマー100重両部に対して、光重合開始剤としてその励起波長が可視光線域である波長380nmより長波長の光重合開始剤を0.1〜15重量部を含有する可視光線硬化型シリカポリシロキサン塗料組成物が塗布されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、暴露放置される窓ガラス等の保護対象物を被覆し、屋外耐候性、耐薬品性などの耐性を向上させるための、耐性向上用樹脂フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
暴露放置される窓ガラス等の保護対象物の耐性(屋外耐候性、耐薬品性など)を向上させるため、樹脂光硬化型塗料を塗布し、表面にそれら耐性を備えた塗膜を形成する方法がある。しかしながら、保護対象物の周辺環境における事情等により、樹脂光硬化型塗料を直接塗布できない場合もある。そこで、そのような場合、樹脂光硬化型塗料を予め塗布した樹脂フィルムを対象物に貼付する方法が採用される。
【0003】
一方、保護対象物の耐性を向上させるための樹脂光硬化型塗料としては、紫外線硬化型塗料が広く普及している。そして、紫外線硬化型塗料としてポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等が以前より知られている(例えば、特開平8−188743号公報、特開2005−298619号公報)。また、シリコーンオリゴマーの末端にアクリロイル基を感光基として導入したもの、シリコーンオリゴマーの側鎖にシンナモイル基を感光基として導入したもの、シリコーンオリゴマーの側鎖にアジド基を感光基として導入したもの等が紫外線硬化可能なシリコーンオリゴマーとして知られている(例えば、特開2003−301133号公報)。
【特許文献1】特開平8−188743号公報
【特許文献2】特開2005−298619号公報
【特許文献3】特開2003−301133号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の紫外線硬化型塗料はいずれも、高価な紫外線照射器が必要であった。また、塗装にあたって揮発性有機溶剤を含ませる必要があったため、大気汚染などの環境に及ぼす影響の懸念があった。そのため、このような紫外線硬化型塗料が予め塗布された樹脂フィルムを製造する場合、安全性を確保するためには専用の設備が必要となり、コストも高くなるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、安価でかつ安全に製造でき、しかも、従来の樹脂光硬化型塗料を使用したものと比較しても屋外耐候性や耐薬品性などの耐性において遜色のない、耐性向上用樹脂フィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の樹脂フィルムは下記式(1)
【化2】

アクリロイル基とシラノール基を分子両末端に有し、且つ末端シラノール基に縮合反応にて結合されたシリカ微粒子を含有するシリカシリコーンオリゴマーと、パラトルエンスルホン酸または他の種類のルイス酸またはプロトン酸の酸触媒と、励起波長が可視光線域の光重合開始剤、光増感剤から構成され、塗料液のpHを1〜5に調整された塗料組成物が塗布されている。該塗料を被塗布基材に塗布すると、酸触媒により該シリコーンオリゴマーのシラノール基が無機基材に多数存在する水酸基とで脱水縮合反応により化学的に結合し、さらに可視光線を照射することにより光重合開始剤及び光増感剤の作用でシリコーンオリゴマーのアクリロイル基がラジカル重合し、強固な塗膜を基材に形成することができる。
【0007】
この塗料組成物は有機溶剤を含有しない状態でもスプレー塗装可能な粘度を有しているので環境汚染対策を優先する場合、無溶剤塗料としても使用可能である。この塗料組成物は紫外線による硬化速度が速く、硬化塗膜を形成する際に収縮が少なく、また硬化した塗膜は十分な硬度とともにある程度の曲げ加工が可能な可撓性を有している。
【0008】
本発明に使用されるシリコーンオリゴマーの製造は、例えば式:CH2 =CHC(=O)O(CH2 3 SiMeX2(式中、Xはハロゲン又はアルコキシ基である。一般的には塩素、メトキシ基又はエトキシ基である。)で示されるシラン化合物を加水分解することによって行ない得る。さらに該化合物にシリカ微粒子を混合加熱し、末端シラノール基とシリカ表面の水酸基を脱水縮合反応させてシリカシリコーンオリゴマーが製造できる。
【0009】
本発明の樹脂フィルムに塗布される塗料組成物の、アクリロイル基とシラノール基を分子両末端に有し、且つ末端シラノール基に縮合反応にて結合されたシリカ微粒子を含有するシリカシリコーンオリゴマーは、赤外分光法、核磁気共鳴分光法、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、元素分析、質量分析法等によって分析され得る。
【0010】
本発明の樹脂フィルムに塗布される可視光線硬化型シリカポリシロキサン塗料組成物は、可視光線硬化可能な前記式(1)で表されるアクリロイル基とシラノール基を分子両末端に有し、且つ末端シラノール基に縮合反応にて結合されたシリカ微粒子を含有するシリカシリコーンオリゴマー、酸触媒及び光重合開始剤・光増感剤よりなる。
【0011】
塗料の被塗物を屋外で使用する場合、日射に含まれる紫外線から被塗物を保護するためには、塗膜に紫外線吸収剤を配合することが多い。しかしながら、紫外線硬化可能な塗料組成物に紫外線吸収剤を配合した場合に、塗料組成物中の紫外線吸収剤の吸収波長と光重合開始剤・光増感剤の励起波長が重複すると該塗料組成物の硬化塗膜を形成することができない。
しかしながら本発明の樹脂フィルムに塗布される可視光線硬化型塗料は、可視光線波長域で光重合開始剤が励起活性化され、紫外線吸収剤の影響を受けないで硬化させることができ、しかも、長期に安定保存でき、人体への毒性がないか又は少ないことを満たすものでなければならない。
【0012】
このような観点から検討した結果、本発明の樹脂フィルムに塗布される可視光線硬化型ポリシロキサン塗料組成物に使用する紫外線吸収剤としては、有効吸収波長が270〜380nmである有機又は無機紫外線吸収剤が好ましいことが判明した。有機紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4′−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−{2′−ヒドロキシ−3′−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル}ベンゾトリアゾール等があげられ、それらの紫外線吸収剤と有機樹脂、シリコーン樹脂との共重合物も使用できる。
無機紫外線吸収剤としては、酸化亜鉛、酸化チタン(チタニア)、酸化セリウム等が挙げられる。
【0013】
本発明の樹脂フィルムに塗布される可視光線硬化型ポリシロキサン塗料組成物においては、紫外線吸収剤が紫外線硬化可能なシリコーンオリゴマー100重量部に対して1〜10重量部存在することがが好ましい。
【0014】
本発明の硬化剤組成物における光重合開始剤・光増感剤は有効励起波長ピークが380nm以上である光重合開始剤・光増感剤であれば特に限定されない。
光重合開始剤・光増感剤としては、例えば、フォスフィン系化合物(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2、4,4−トリメチルーペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルージフェニルーフォスフィンオキサイド)、チオキサンソン系化合物(2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2−イソプロピルチオキサンソン等)、ベンゾフェノン系化合物(4−4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等)、アジド系化合物(4,4′−ジアジドカルコン、1,3−ビス(4′−アジドベンザル)アセトン、2,6−ビス(4′−アジドベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4′−アジドベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、ナフトキノン(1,2)ジアジド(2)−5−スルホン酸の塩又はエステル、ジアゾ樹脂、4,4′−ジアジドスチルベン−2,2′−ジスルホン酸、1,3−ビス(4′−アジドベンザル)−2−プロパノン−2′−スルホン酸、1,3−ビス(4′−アジドベンザル)−2−プロパノン−2,2′−ジスルホン酸ナトリウム、1,3−ビス(4′−アジドシンナシリデン)−2−プロパノン、アジドピレン、3−スルホニルアジド安息香酸、4−スルホニルアジド安息香酸、2,6−ビス(4′−アジドベンザル)−シクロヘキサノン−2,2′−ジスルホン酸及びそのナトリウム塩、2,6−ビス(4′−アジドベンザル)−メチル−シクロヘキサノン−2,2′−ジスルホン酸及びそのナトリウム塩等)、フェニルピリリウム系化合物(トリフェニルピリリウム過塩素酸、4−メトキシフェニル−2,6−ジフェニルピリリウム過塩素酸、4−ブトキシフェニル−2,6−ジフェニルピリリウム過塩素酸、トリフェニルチオピリリウム過塩素酸、4−メトキシフェニル−2,6−ジフェニルチオピリリウム過塩素酸等)、2,5−ビス(4′−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、1−アセチルアミノ−4−ニトロナフタレン、5−ニトロアセナフテン、1−ニトロピレン等が好ましい。特に好ましくは2−クロロチオキサンソン、4−4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン等である。
光重合開始剤・光増感剤は一種又は二種以上の上記化合物を含有することができる。
【0015】
本発明の樹脂フィルムに塗布される可視光線硬化型ポリシロキサン塗料組成物においては、光重合開始剤・光増感剤が可視光線硬化可能なアクリロイル基とシラノール基を分子両末端に有するシリコーンオリゴマー100重量部に対して0.1〜15重量部存在することが好ましく、1〜10重量部存在することがさらに好ましい。
【0016】
本発明の塗料組成物の製造は、当業界で慣用の製造法によって行い得る。好ましくは、特にコールドブレンドによって製造し得る。
【0017】
本発明の樹脂フィルムでは、塗布される塗料組成物にさらに機能性顔料として、粒径が5〜200nmのアンチモンドープ酸化錫、酸化錫ドープ酸化インジウム、ランタン系金属酸化物、無機カーボン等を分散配合することにより日射遮蔽樹脂フィルムを製造することができる。
また任意の成分として着色剤、揺変化剤、充填剤、増粘剤等の当業者に公知の添加剤を、本発明の効果を害さない範囲において配合することもできる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の耐久性向上用樹脂フィルムによれば、塗布される塗料組成物の塗膜硬化が可視光線照射または太陽光の暴露によって数秒〜数10秒で完結するので、高価な紫外線照射器を必要とせず、紫外線照射器に比べて安価で安全な可視光線照射ランプを使用することができる。また、揮発性有機溶剤を含まなくても慣用な塗装方法で塗装できる。従って、安価でかつ安全に製造することができる。しかも、形成された塗膜は、従来の樹脂光硬化型塗料を使用したものと比較しても屋外耐候性や耐薬品性などの耐性において遜色がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、実施例にて本発明を説明するが、本発明を限定するものではない。
「実施例1」
まず、シリコーンオリゴマーの調製100重量部の3−アクリロキシプロピルメチルジクロロシランを20重量部のエーテルで溶解する。この溶液に20重量部の冷水を加え、さらにパラトルエンスルホン酸の10%エチルアルコール溶液で混合液をpH4に調整し15分間加水分解及び重縮合を行うことにより、nが4及び5である式(1)のシリコーンオリゴマーを高収率(約80%)で得た。さらにこのシリコーンオリゴマーに粒径が平均15ナノメートルのシリカ微粒子を60重両部配合調整し、ビーズミルで2時間の分散処理を行い、80℃のオーブンで24時間加熱し、シリカシリコーンオリゴマーを得た。そして、このシリカシリコーンオリゴマーを用いて、以下の配合にて調整した塗料組成物を透明合成樹脂版に塗布し、テストピースを得た。
配合は、シリカシリコーンオリゴマー(n=4及び5)94.7重量部、シリル化ベンゾトリアゾール 2.5重量部、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド0.2重量部、 1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン2.0重量部、パラトルエンスルホン酸0.6重量部、計100.0重量部とした。
透明合成樹脂版は、100×100×5mm厚ポリカーボネート板(帝人化成製)を使用した。
塗布膜厚は、バーコーター塗布膜厚(乾燥膜厚)が10μmになるように塗布した。
効果方法は、1)300W可視光線ハロゲンランプ照射距離5cm露光時間:15秒 2)メタルハライドランプ出力120W/cm、照射距離5cm露光時間:2秒硬化装置:EYE GRANDAGE アイグラフィックス株式会社製とした。
【0020】
「比較例1」
実施例1における塗布組成物を、紫外線硬化型塗料ウレタンアクリレート(市販品)に代え、同じ透明合成樹脂版に同じ要領で塗布し、テストピースを得た。
「比較例2」
実施例1における塗布組成物を、ポリエステルアクリレート(市販品)に代え、同じ透明合成樹脂版に同じ要領で塗布し、テストピースを得た。
「比較例3」
実施例1における塗布組成物を、エポキシアクリレート(市販品)に代え、同じ透明合成樹脂版に同じ要領で塗布し、テストピースを得た。
「比較例4」
実施例1における透明合成樹脂版を塗料未塗布のままテストピースとした。
【0021】
次に、上記実施例1及び比較例1〜4について、その塗膜性能の性能評価を、プラスチック及び塗膜に関するJIS規定の評価方法で行った。主な評価項目と評価目的は次の通りである。
塗膜硬度:表面が硬ければ擦り傷抵抗性が高く傷が付き難いので初期の透明性が維持できる。塗膜硬度の比較評価をした。
屋外耐候性:一般に透明プラスチック板を屋外で使用した場合、5年以内に黄変、黒変、クラッキング、白濁、チョーキング現象が現れるので本発明品が既に上市されている塗料との比較でそれらの劣化現象をどこまで阻止できるかを見た。試験装置で促進試験を行った。
耐薬品性:屋外では降雨にさらされる。現在pH4程度の強い酸性雨が降ることがあるので、硫酸、硝酸等の耐薬品性を行った。
その他:JISに基づき塗膜一般物性試験を行った。
【0022】
塗膜一般的物性試験として、密着性をJIS K 5400法(1mm幅ゴバン目×100カット、粘着テープ剥離後残存数)により密着性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【表1】

この結果、本発明に係る樹脂フィルムは、塗膜が可視光線でも十分に硬化することが確認できた。
【0023】
塗膜硬度は、学振型摩擦試験機(荷重500g、スチールウール#0000)での100往復傷つき性を黒つや消し紙を基材裏側に置き目視判定した。結果を表2に示す。
【表2】

【0024】
屋外耐候性は、屋外耐候性サンシャインウェザオメーター(WOM)による試験を行った。なお、テストピースは実施例1のみ可視光線によって硬化させたものを、比較例1、2及び3は、紫外線照射によって硬化させたものを使用した。試験結果を図1及び図2に示す。
図1に示した結果から、初期光沢保持率(%)に関し、実施例1は屋外暴露相当で20年間初期の光沢を保持するが、比較例1〜4は5年以内にすべてチョーキング現象が発生し初期の光沢を失うことが分かる。
また、図2に示した結果から、初期〜経過時間後の黄変度(イエローインデックス;△YI)に関し、実施例1は屋外暴露相当で10年間は黄変がほとんど発生しないが、比較例1〜4は5年以内にすべて激しく黄変することが分かる。尚、目視で判断できる黄変は△YIが約2前後である。
【0025】
耐薬品性については、まず、耐薬品性硫酸及び硝酸の5%水溶液にテストピースを24時間浸漬し、その後水洗し乾燥させて塗膜の状態を目視で評価した。また、トルエンを浸したガーゼで表面を100回摩擦し、塗膜の状態を目視で評価した。なお、テストピースは実施例1のみ可視光線によって硬化させたものを、比較例1、2及び3は、紫外線照射によって硬化させたものを使用した。試験結果を表3に示す。
【表3】

この結果、本発明の樹脂フィルムは、従来の塗料組成物を塗布したものと、耐薬品性において遜色ないことが確認でき、充分実用可能であることが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実施例及び各比較例の照射時間に対する初期光沢保持率の変化の推移を示すグラフである。
【図2】実施例及び各比較例の照射時間に対する黄変度(イエローインデックス)の変化の推移を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)のアクリロイル基とシラノール基を分子両末端に有し、且つ末端シラノール基に縮合反応にて結合されたシリカ微粒子を20〜80重両部を含有するシリカシリコーンオリゴマー100重両部に対して、光重合開始剤としてその励起波長が可視光線域である波長380nmより長波長の光重合開始剤を0.1〜15重量部を含有する可視光線硬化型シリカポリシロキサン塗料組成物が塗布されたことを特徴とする耐性向上用樹脂フィルム。
【化1】

[式中、nは1〜16を表す。]で表わされるシリコーンオリゴマー。
シリカ微粒子は粒系が7〜20ナノメートルであるシリカ微粒子。
【請求項2】
該可視光線硬化型シリカポリシロキサン塗料組成物には、シリコーンオリゴマー100重量部に対して、1〜10重量部の紫外線吸収剤が存在する請求項1に記載の耐性向上用樹脂フィルム。
【請求項3】
該可視光線硬化型シリカポリシロキサン塗料組成物は、シリコーンオリゴマー100重量部に対してウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート等のラジカル重合性オリゴマーを1〜60重量部を含有する請求項1又は請求項2に記載の耐性向上用樹脂フィルム。
【請求項4】
該可視光線硬化型シリカポリシロキサン塗料組成物は、粒経が5〜200ナノメートルであるアルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化錫、酸化インジウム、ランタン系金属酸化物、無機カーボン等の無機顔料を含む請求項1又は2に記載の耐性向上用樹脂フィルム。
【請求項5】
該可視光線硬化型シリカポリシロキサン塗料組成物は、更にコーティング組成物の液粘度を調整するための有機溶剤及び重合開始剤を含む請求項1、2又は3の何れか一つの項に記載の耐性向上用樹脂フィルム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−46526(P2009−46526A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−211086(P2007−211086)
【出願日】平成19年8月13日(2007.8.13)
【出願人】(598164371)
【出願人】(507273079)ノボマトリックス ピーティーイー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】