説明

耐性抗原に対する活性抗体を作製する方法、その方法により得られる抗体およびそれらの使用

本発明は、少なくとも1つの抗腫瘍化合物に耐性のある腫瘍の表面で特異的に発現され、該耐性腫瘍の耐性に関連する可能性がある腫瘍抗原に対する抗体またはその機能的フラグメントの1つを、in vitroにおいて感作させ、作製するための、少なくとも1つの抗腫瘍化合物に耐性のある腫瘍に由来する粉砕ホモジネートおよび/または懸濁液および/または細胞溶解液の使用に関する。より詳しくは、本発明は、抗体1A6、1A9、2E11、3C11および3G7など、この方法を適用することによって得られる抗体、ならびに癌治療のためのそれらの使用を対象とする。

【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
本発明は、治療および/または診断目的で、特にモノクローナル抗体を作製するための新規なアプローチに関する。より詳しくは、本発明は、天然腫瘍の腫瘍細胞の表面には存在せず、これらの天然腫瘍の抗腫瘍処置後に現れる腫瘍抗原、これらの抗腫瘍処置に対する腫瘍の耐性にも関連している可能性のある抗原に対する抗体を作製することを目的とする。本発明はまた、このような抗体ならびに耐性腫瘍の予防処置および/または治療置のための薬剤としてのこれらの抗体の使用も含む。最後に本発明は、抗癌剤と会合され得るこのような抗体を含んでなる組成物、ならびにある種の癌を予防および/または治療するためのそれらの使用を含む。
【0002】
抗体の発見、より詳しくは抗体作製方法の開発は、治療処置または診断、より具体的には癌の範囲内での治療処置または診断における革新にある。実際、この新たなツールは、抗体の固有の認識特性のために標的化処置の可能性をはじめてもたらした。ここ数十年の主要な挑戦は、最初の段階ではポリクローナル抗体、モノクローナル抗体または同等に抗体のフラグメントもしくは類似構造であるが、抗体の作製方法の開発にあった。
【0003】
これまでに、治療目的および/または診断目的で抗体を作製できるよう、当業者によっていくつかの技術が開発されている。
【0004】
最も古い抗体はポリクローナル抗体、すなわち、感作した動物の血清に含まれる抗体のヘテロな集団からなる。このために数種の動物(マウス、ラット、ウサギ、ヤギなど)が、ある天然または合成抗原を、免疫応答を誘発および増強する目的でフロイントのアジュバントや水酸化アルミニウムなどの1以上のアジュバントと組み合わせて注射することにより免疫される。その後、これらの動物を放血させ、その抗原のいくつかのエピトープを多少とも効率的に認識する抗体(ポリクローナル抗体)とその動物の他の抗体の双方を含有する血清または抗血清を回収する。得られた抗体の精製は、例えばアフィニティークロマトグラフィー精製によって行う。
【0005】
最初の開発は、KOHLER and MIELSTEIN (1975)により記載されている技術に従ってハイブリドーマから調製され得るモノクローナル抗体の作製にあった。この技術は所定の抗原の特異的モノクローナル抗体の作製を可能とし、Bリンパ球のクローンを骨髄腫細胞と融合させてハイブリドーマと呼ばれる細胞を得ることからなる。このハイブリドーマは不死という特徴を有するだけでなく、モノクローナルな、従って単一特異性の抗体を永久に産生する。
【0006】
トリオーマ技術またはさらにはKOZBOR et al. (1983)により記載されているハイブリドーマ技術など、同じ原理に基づく他の技術も記載されている。
【0007】
これらの技術は、当初はネズミ抗体を作製するために適用されたが、進展した結果、ヒト化抗体または同等にヒトキメラ抗体の生成に至った。これらの技術は総て、今日当業者に周知のものである。
【0008】
ヒト抗体は遺伝子改変マウスの技術、いわゆる米国特許第5,814,318号および同第5,939,598号に記載されているような「ゼノマウス(xenomouse)」技術を用いて得ることができる。
【0009】
他の最近の方法も、RIDDER et al. (1995)により記載されているようなファージのバンクもしくはライブラリーを用いた技術、すなわち、末梢血由来のヒト細胞のディレクトリからのmRNAの抽出、可変領域の配列を含むcDNAバンクまたはライブラリーの構築、およびフラグメント、優先的にはFabフラグメントとしての抗体の可変領域を産生するための、ファージへのcDNAの挿入に基づく、いわゆる「ファージディスプレー」技術など、ヒトモノクローナル抗体、より詳しくは抗体フラグメントの作製のために開発されている。
【0010】
これらの方法は異なるものであるが、総て同じ特徴、すなわち、既知の抗原を感作させる、またはライブラリーもしくはバンクの範囲内では、これらのバンクを同じ既知かつ定義された抗原でスクリーニングするという特徴を有する。
【発明の概要】
【0011】
本発明は、既知かつ定義された抗原をもはや用いず、直接、腫瘍全体または一部を用いるということでこれらの方法と異なる。より詳しくは、本発明は腫瘍からの溶解液および/または懸濁液および/または粉砕細胞ホモジネートの直接的使用を対象とする。癌の治療において、数年の間に、一定数の患者が第一の治療処置に従って完全な満足のいく応答を発達させた後に再発を起こす傾向があることが認められた。より詳しくは、腫瘍はそれらに適用される種々の処置に抵抗するためにそれらの遺伝子型および/または表現型を改変し得ることが知られている。
【0012】
この現象は放射線療法、化学療法型の処置とモノクローナル抗体による処置の双方に関して存在する。
【0013】
歴史的に、癌治療のための最初の化学療法化合物は1940年代に臨床試験を受けた。これらは主としてコルチコステロイド、抗葉酸剤または同等にビンカアルカロイドなどの半減期の短い薬剤であった。しかしながら、完全な緩解が達せられたとしても、それらは一般に1年以上持続せず、全身性の再発が見られたが、それはその処置に用いられた化学療法化合物に対する耐性に関連する耐性である(Lehnert M., Eur. J. Cancer, 1996, 32A:912-920)。
【0014】
この現象を受け、種々の抗腫瘍化合物を用いることにより、いわゆる「組合せ」処置が考えられた。実際に、異なる化合物を同時または逐次使用することでより良い結果が得られた。実際、それぞれ細胞傷害性(cyclotoxic activity)を有するが、作用機序が異なる種々の抗腫瘍化合物の場合では、化合物に耐性のある腫瘍細胞はその他の使用化合物の少なくとも1種類になお感受性であり得る。
【0015】
しかしながら、異なる抗腫瘍化合物または薬剤を用いるにもかかわらず、腫瘍の耐性は依然として化学療法処置の範囲内で主要な問題である。組合せの使用は耐性現象の発生を遅らせる効果があるが、それらを消失させるわけではない。初期処置に関連するか、好ましい初期応答後の再発の際に現れる化学療法耐性は、事実上、あらゆるいわゆる「治癒可能な」(curable)癌で見られる。
【0016】
一例として、耐性現象を制御する新たな方法に関するこの探索をよく示している特許出願WO2005/077385、WO2004/026293または同等にWO2004/110497が挙げられ、これらの出願は総て、新規な、一般に化学分子を追加注射するという原理に基づく。
【0017】
最初は処置に感受性である腫瘍における耐性の獲得のための他の機構も示されている。最も広く認識されている仮説は、この耐性現象が自発的かつ無作為に起こる腫瘍細胞の遺伝子型における体細胞突然変異の蓄積の結果であることを意味する(Cancer Chemotherapy and Biotherapy: Principles and practice, Chabner & Lango editors, 1996, chapter 1)。
【0018】
「MDR」(多剤耐性(MultiDrug Resistance))と呼ばれる別の既知かつ記載の耐性は、致死濃度の多量の薬理学的、化学的または同等に構造的に異なる細胞傷害性化合物で生存し得る腫瘍細胞の能力に基づく。「MDR」を示す細胞は、輸送タンパク質による該化合物の排除によって起こる細胞傷害性化合物の細胞内蓄積を示す。「多剤輸送体」と呼ばれるこれらのタンパク質は、細胞から広範な毒性分子を排除し得る膜タンパク質である。これらの「多剤輸送体」はそれらの活性のためにATPの加水分解エネルギーを用いるATP結合カセット(ABC)スーパーファミリーの輸送タンパク質に属す。いくつかの機構がこの「MDR」を担っていることが示されている。ATPに依存する排除機構に関連するこのような耐性を付与する最も知られ、最も文献に記載されている遺伝子はMDR1遺伝子である。
【0019】
化学療法処置によって誘発されるこれらの耐性現象とともに、モノクローナル抗体による処置後に誘発される耐性も記載されている。この耐性は宿主の性質、薬理学的観点に関連するか、または実際の腫瘍に固有のものであり得る。
【0020】
最初に、ネズミ抗体に関連する抗体を最初に使用すると、結果としてそのネズミ抗体に対する抗体応答、いわゆるHAMA(ヒト抗マウス抗体)応答が生じる。宿主に関連するこの形態の耐性はある部分、ネズミ抗体ではもはや定着しないが、ヒト抗体またはヒト化抗体を用いると定着した。
【0021】
このようなヒト抗体またはヒト化抗体を用いた種々の試験で、腫瘍が免疫処置に耐性を持ち得る新たな現象が実証された。これらの新たな機構は主として腫瘍において誘発された突然変異、切断(cleaving)(または放出(shedding))の後の受容体の構成的活性化、または同等に標的抗原の発現の欠損に基づく。
【0022】
これは以下の実施例1から明白なように、本出願者が行った研究は、例えば、抗IGF−1R、EGFRおよびHer/2neuの三剤療法(tritherapy)を用いると、ヌードマウスにおけるA549細胞の腫瘍増殖が、被処置動物の90%で腫瘍の完全な消失が見られるまでに著しく低下させ得ることを示す。この多剤療法は単剤療法(monotherapy)または二剤療法(bitherapy)よりも有意に有効性が高いが、やはり完全に退縮した腫瘍がその処置を継続しているにもかかわらず徐々に再出現し、それらは複数の処置に耐性となっているということが見られる。
【0023】
この所見から、本発明者は、その発現が抗腫瘍処置に耐性のある腫瘍の腫瘍細胞の表面で誘導され、天然(非処置)腫瘍の腫瘍細胞の表面では発現されない抗原(これらの抗原はまた抗腫瘍処置に対する腫瘍の耐性に関与している可能性がある)を認識し得る抗体、優先的には治療用および/または診断用モノクローナル抗体を作製するためにこのような耐性腫瘍を直接使用することを初めて考える。
【発明の具体的説明】
【0024】
従って、第一の態様によれば、本発明の目的は、少なくとも1つの抗腫瘍化合物に耐性のある腫瘍の腫瘍細胞の表面で発現される腫瘍抗原に対する抗体またはその機能的フラグメントの1つをin vitroにおいて感作させ、作製するために、少なくとも1つの抗腫瘍化合物に耐性のある腫瘍に由来する粉砕ホモジネートおよび/または懸濁液および/または細胞溶解液を使用することである。ここで、この腫瘍抗原は好ましくはその耐性腫瘍が由来する天然腫瘍の腫瘍細胞の表面では発現されず、この腫瘍抗原は抗腫瘍化合物に対するその腫瘍の耐性に関連する可能性がある。
【0025】
「粉砕ホモジネート」または「細胞ホモジネート」とは、例えば「Potter」型、超音波ミル、Ultraturax(商標)型ミルなどによる機械的解離により得られる腫瘍に由来する細胞および/または細胞断片の混合物(腫瘍再発が見られる被処置患者からの、または細胞培養からの異種移植片、同所移植片、同系移植片、手術検体)を意味する。
【0026】
「懸濁液」または「細胞懸濁液」とは、処置の存在下または不在下でin vitro培養の後に得られ、酵素溶液または非酵素的解離溶液によってそれらの支持体から解離された細胞の懸濁液を意味する。
【0027】
「溶解液」または「細胞溶解液」とは、酵素的解離によって得られる腫瘍に由来する細胞および/または細胞断片の混合物(腫瘍再発が見られる被処置患者からの、または細胞培養からの異種移植片、同所移植片、同系移植片、手術検体)を意味する。
【0028】
「耐性腫瘍」とは、適用される処置に応答しないか、またはもはや応答しなくなった腫瘍を意味する。上記のように、このような耐性は、化学療法、放射線療法、ホルモン療法処置の後であれ、または同等に抗体の特定の使用によってであれ見ることができ、これらの処置は単独で定期することもできるし、あるいはまた組合せとして適用することもできる。これまでに知られている、または知られてない種々の機構がこの耐性能の起源において存在する可能性がある。最後に、この耐性は最初に適用された処置の効果の欠如または低下により現れ得る。
【0029】
当然、既知および記載の「エスケープ」現象は、本発明が制御しようとする耐性現象の一部である。
【0030】
天然腫瘍(すなわち親腫瘍)とは本明細書では、その耐性腫瘍が由来する腫瘍を表すものとし、天然腫瘍は、耐性腫瘍とは対照的に抗腫瘍処置を受けていない。
【0031】
腫瘍抗原とは、本明細書では特に、天然腫瘍に由来するものであれ耐性腫瘍に由来するものであれ、腫瘍細胞の表面で発現される抗原を指すものとし、この腫瘍抗原は健康な細胞の表面では発現されない。これらの腫瘍抗原は一般に、抗体が特異的に結合し得る天然高分子(合成可能である)である。腫瘍抗原は特にポリペプチド、多糖類、炭水化物、核酸、脂質、ハプテンまたは本来腫瘍細胞表面に存在する他のいずれかの化合物であり得る。
【0032】
最後に、「抗体」または「免疫グロブリン」とは、本明細書では最も広い意味で互換的に使用され、モノクローナル抗体(例えば、全または完全モノクローナル抗体)、ポリクローナル抗体、多価抗体、多重特異性抗体(例えば、それらが所望の生物活性を示す限りにおいて二重特異性抗体)を含む。キメラまたはヒト化抗体もこの表現に含まれる。
【0033】
より詳しくは、このような分子は、ジスルフィド橋によって接続された少なくとも2つの重鎖(H)と2つの軽鎖(L)を含む糖タンパク質からなる。各重鎖は重鎖可変領域(またはドメイン)(HCVRまたはVH)と重鎖定常領域からなる。重鎖の定常領域は3つのドメインCH1、CH2およびCH3を含んでなる。各軽鎖は軽鎖可変領域(LCVRまたはVL)と軽鎖定常領域からなる。重鎖定常領域はLCドメインを含んでなる。VHおよびVL領域は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれる保存性のより高い領域が挿入された、CDR(相補性決定領域」)と呼ばれる超可変領域に細分することができる。各VHおよびVLは3つのCDRと4つのFRからなり、アミノ酸末端(the terminal amioacid)からカルボキシ末端へFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4の順に配置されている。重鎖および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含んでなる。抗体の定常領域は宿主組織、または免疫系の種々の細胞(例えば、エフェクター細胞)および第一成分(Clq)または標準的な補体系をはじめとする因子への免疫グロブリンの結合を媒介し得る。
【0034】
それらはまた、免疫グロブリン(IgG、IgE、IgM、IgAなど)の供給源またはタイプによらず、所望の親和性と特異性を示すある種の抗体フラグメント(より詳細に記載される表現)を包含する。
【0035】
原則的に、モノクローナル抗体またはそれらの機能的フラグメントでは、特にネズミ起源の場合、特にハンドブック「Antibodies」(Harlow and Lane, Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor NY, pp. 726, 1988)に記載されている技術またはKohler et Milstein (Nature, 256:495-497, 1975)に記載されているハイブリドーマからの製造技術が挙げられる。
【0036】
本発明に従って作製しようとする抗体としては、上記で定義されたような抗体、いわゆる「活性な」抗体、すなわち、療法に耐性のある腫瘍細胞を標的とする抗腫瘍活性を有する抗体が好ましい。
【0037】
本発明、特に本発明の一態様に従って作製しようとする抗体としては、上記で定義されたような抗体、また、これらの抗体が向けられる抗原を本来発現する(処置の前)、急速進行性の表現型を有する腫瘍細胞に対して抗腫瘍活性を発揮することもできる抗体が好ましい。
【0038】
第一の実施形態では、本発明の使用は、該耐性腫瘍が、耐性を誘発し得るか、またはそれに関して腫瘍の耐性が確認される少なくとも抗腫瘍化合物による治療処置を受けているか、または受けた患者に対する生検および/または外科術によって直接得られることを特徴とする。
【0039】
この実施形態では、抗体が実際の患者に由来する耐性腫瘍全体または一部で行われた感作に応答して、本発明に従って作製されるという意味で各患者に適合された処置を意図することができる。これにより、ex vivoにてカスタマイズされた患者の治療を意図することができる。
【0040】
第二の実施形態では、本発明の使用は、動物に腫瘍系統および/またはヒト腫瘍全体もしくは一部を移植した後、耐性の誘発または確認が望まれる少なくとも1つの抗腫瘍化合物の投与、特に注射による投与によってこの動物を処置することで該耐性腫瘍が誘発されることを特徴とする。
【0041】
より詳しくは、前記の少なくとも1つの抗腫瘍化合物は、化学分子などの化学療法薬または同等に治療抗体または同等に放射線療法薬から選択される。
【0042】
一般に、本記載の全体において、「抗腫瘍薬」または「抗癌治療薬」とは、患者に投与された際にその患者において癌の進展を治療または予防する物質を表すものとする。
【0043】
このような薬剤の限定されない例としては、「アルキル化」剤、代謝拮抗薬、抗腫瘍抗生物質、有糸分裂阻害剤、クロマチン機能阻害剤、抗脈管形成剤、抗エストロゲン作用薬、抗アンドロゲン作用薬または免疫調節薬などのいわゆる「細胞傷害」剤が挙げられる。
【0044】
このような薬剤は例えば、VIDALの2006年版の分類と血液学に関する化合物を取り上げた頁の「細胞傷害性薬剤」の欄に記載され、この文献の参照文献に挙げられているこれらの細胞傷害性化合物が本明細書において好ましい細胞傷害性薬剤として挙げられる。
【0045】
「アルキル化剤」とは、細胞内で任意の分子、優先的には核酸(例えばDNA)と共有結合するか、またはそれらをアルキル化するいずれかの物質を指す。このようなアルキル化剤の例としては、メクロレタミン(mechlorethamine)、クロラムブシル(chlorambucil)、メルファラン(melphalan)、クロルヒドレート(chlorhydrate)、ピポブロマン(pipobroman)、プレドニムスチン(prednimustine)、リン酸二ナトリウム(disodium phosphate)またはエストラムスチン(estramustine)などのナイトロジェンマスタード類;シクロホスファミド(cyclophosphamide)、アルトレタミン(altretamine)、トロフォスファミド(trofosfamide)、スルホフォスファミド(sulfofosfamide)またはイフォスファミド(ifosfamide)などのオキシアザホスホリン類;チオテパ(thiotepa)、トリエチレンアミン(triethyleneamine)またはアルテトラミン(altetramine)などのアジリジンまたはエチレン−イミン類;カルムスチン(carmustine)、ストレプトゾシン(streptozocin)、フォテムスチン(fotemustine)またはロムスチン(lomustine)などのニトロソ尿素;ブスルファン(busulfan)、トレオスルファン(treosulfan)またはインプロスルファン(improsulfan)などのスルホン酸アルキル類;ダカルバジン(dacarbazine)などのトリアゼン類;あるいは同等にシスプラチン(cisplatinum)、オキサリプラチン(oxaliplatinum)またはカルボプラチン(carboplatinum)などの白金複合体が挙げられる。
【0046】
「代謝拮抗薬」とは、ある種の活性、特にDNA合成を妨げることで増殖および/または細胞代謝を遮断する物質を指す。代謝拮抗薬の例としては、メトトレキサート(methotrexate)、5−フルオロウラシル(5-fluorouracil)、フロクスウリジン(floxuridine)、5−フルオロデオキシウリジン(5-fluorodeoxyuridine)、カペシタビン(capecitabine)、シタラビン(cytarabine)、フルダラビン(fludarabine)、シトシンアラビノシド(cytosine arabinoside)、6−メルカプトプリン(6-mercaptopurine)(6−MP)、6−チオグアニン(6-thioguanine)(6−TG)、クロロデオキシアデノシン(chlorodeoxyadenosine)、5−アザシチジン(5-azacytidine)、ゲムシタビン(gemcitabine)、クラドリビン(cladribine)、デオキシコフォーマイシン(deoxycoformycine)およびペントスタチン(pentostatin)がある。
【0047】
「抗腫瘍抗生物質」とは、DNA、RNAおよび/またはタンパク質の合成を回避または阻害し得る化合物を指す。このような抗腫瘍抗生物質としては、ドキソルビシン(doxorubicin)、ダウノルビシン(daunorubicin)、イダルビシン(idarubicin)、バルルビシン(valrubicin)、ミトキサントロン(mitoxantrone)、ダクチノマイシン(dactinomycin)、ミトラマイシン(mithramycin)、プリカマイシン(plicamycin)、マイトマイシンC(mitomycin C)、ブレオマイシン(bleomycin)およびプロカルバジン(procarbazine)が含まれる。
【0048】
「有糸分裂阻害剤」は細胞周期および有糸分裂の正常な進行を妨げる。一般に、微小管の阻害剤またはパクリタキセルおよびドセタキセルなどの「トキソイド」が有糸分裂を阻害し得る。ビンブラスチン(vinblastin)、ビンクリスチン(vincristin)、ビンデシン(vindesin)およびビノレルビン(vinorelbin)などのビンカアルカロイド類も有糸分裂を阻害し得る。
【0049】
「クロマチン機能阻害剤」または「トポイソメラーゼ阻害剤」とは、トポイソメラーゼIおよびIIなどのクロマチン形成タンパク質の正常な機能を阻害する物質を指す。このような阻害剤の例としては、トポイソメラーゼIとしては、カンプトテシンならびにイリノテカン(irinotecan)またはトポテカン(topotecan)などのその誘導体が含まれ、トポイソメラーゼIIとしては、エトポシド(etoposide)、リン酸エチポシド(etiposide phosphate)およびテニポシド(teniposide)が含まれる。
【0050】
「抗脈管形成薬」とは、血管の成長を阻害するいずれかの薬物、化合物、物質または薬剤を指す。抗脈管形成薬の例としては、限定されるものではないが、ラゾキシン(razoxin)、マリマスタット(marimastat)、バチマスタット(batimastat)、プリノマスタット(prinomastat)、タマノマスタット(tanomastat)、イロマスタット(ilomastat)、CGS−27023A、ハロフジノン(halofuginone)、COL−3、ネオバスタット(neovastat)、BMS−275291、サリドマイド(thalidomide)、CDC 501、DMXAA、L−651582、スクアラミン(squalamine)、エンドスタチン(endostatin)、SU5416、SU6668、α−インターフェロン、EMD121974、インターロイキン−12、IM862、アンギオスタチン(angiostatin)およびビタキシン(vitaxin)が含まれる。
【0051】
「抗エストロゲン作用薬」または「抗エストロゲン作用薬」とは、エストロゲンの作用を低下させるか、それに拮抗するか、またはそれを阻害するいずれかの物質を指す。このような薬剤の例としては、タモキシフェン(tamoxifen)、トレミフェン(toremifen)、ラロキシフェン(raloxifene)、ドロロキシフェン(droloxifene)、ヨードキシフェン(iodoxyfene)、アナストロゾール(anastrozole)、レトロゾール(letrozole)およびエキセメスタン(exemestane)がある。
【0052】
「抗アンドロゲン作用薬」または「抗アンドロゲン作用薬」とは、アンドロゲン作用を低下させるか、それに拮抗するか、またはそれを阻害するいずれかの物質を指す。抗アンドロゲン作用薬の例としては、フルタミド(flutamide)、ニルタミド(nilutamide)、ビカルタミド(bicalutamide)、スピロノラクトン(spironolactone)、酢酸シプロテロン(cyproterone acetate)、フィナステリド(finasteride)およびシミチジン(cimitidine)がある。
【0053】
免疫調節薬は免疫系を刺激する物質である。このような免疫調節薬の例としては、インターフェロン、インターロイキン(アルデスロイキン(aldesleukin)、OCT−43、デニロイキンディフィトックス(denileukin diflitox)またはインターロイキン−2など)、腫瘍性壊死因子(タソネルミン(tasonermin)など)、あるいは、レンチナン(lentinan)、シゾフィラン(sizofiran)、ロキニメックス(roquinimex)、ピドチモド(pidotimod)、ペガデマーゼ(pegademase)、チモペチン(thymopentin)、ポリI:C、またはレバミゾールと5−フルオロウラシルの組合せなどのその他の種の免疫調節薬が含まれる。
【0054】
より詳細には、当業者ならば、"traite de chimie therapeutique, Vol. 6, Medicaments antitumnoraux et perspectives dans le traitement des cancers, edition TEC & DOC, 2003"と題されたthe Association Francaise des Enseignants de Chimie Therapeutique編集のハンドブックを参照することができる。
【0055】
抗腫瘍薬、放射線療法、ホルモン療法またはチロシンキナーゼ阻害剤などの小分子によって標的化される治療薬も挙げられる。最後に、好ましい実施形態によれば、これらの抗体は、本発明に従って使用し得る抗腫瘍薬の一部である。より詳しくは、限定されない例として以下の抗体:セツキシマブ(cetuximab)(C225またはアービタックス(erbitux))、マツズマブ(matuzumab)、huR3、HuMax−EGFRまたはパニツマブ(panitumab)などの抗EGFR抗体;ベバシズマブ(bevacizumab)(アバスチン(avastin))または2C3などの抗VEGF抗体;7C10、h7C10、hEM164、ABX−IGF−IR、Mab 39、1H7または4G11などの抗IGF−IR抗体;トラスツズマブ(trastuzumab)(ヘルセプチン)またはパーツズマブ(pertuzumab)などの抗HER2抗体;コメリツキシマブ(commerituximab)、イブリツモマブ(ibritumomab)またはトシツモマブ(tositumomab)などの抗CD20抗体;ゲムツズマブ(gemtuzumab)またはリンツズマブ(lintuzumab)などの抗CD33抗体;エプラツズマブ(epratuzumab)などの抗CD22抗体;アレムツズマブ(alemtuzumab)などの抗CD52抗体;エドレコロマブ(edrecolomab)、Ch 17−1AまたはIGN−101などの抗EpCAM抗体;キサクチン(Xactin)などの抗CTP21または16抗体;131I−Cotara TNT−Iなどの抗DNA−Ag抗体;ペムツモマブ(pemtumomab)またはR1150などの抗MUC1抗体;ABX−MA1などの抗MUC18抗体;ミツモマブ(mitumomab)などの抗GD3抗体;CeaVacまたはラベツズマブ(labetuzumab)などの抗CEA抗体;OvaRexなどの抗CA125抗体;アポリズマブ(apolizumab)などの抗HLA−DR抗体;MDX−010などの抗CTLA4抗体;MDX−070、111Inおよび90Y−J591、177Lu J591、J591−DM1などの抗PSMA抗体;IGN311などの抗ルイスY抗体;AS 1405および90YmuBC1などの抗脈管形成抗体;TRAIL RImAbまたはTRAIL R2mAbなどの抗Trail−R1抗体;あるいは同等にチロシンキナーゼ阻害剤などの小化学分子を用いる標的療法と同様に、上述のもの以外のチロシンキナーゼ受容体に対する抗体、またはRON、cMET、CXCR2、CXCR4、Ephrin型受容体などが挙げられる。
【0056】
もちろん、この一覧は限定を意味するものではなく、単に使用される、またはこれまでに開発されている抗体を挙げるためのものである。
【0057】
本発明の特定の実施形態によれば、該耐性腫瘍はいくつかの処置または抗腫瘍薬に耐性があると考えられ、これらは種々の性質のものであってよい。
【0058】
より詳しくは、本発明の使用は、該少なくとも1つの抗腫瘍化合物が、性質が異なり、かつ/または作用機序が異なり、かつ/または異なるタンパク質を標的とする少なくとも2つ、優先的には少なくとも3つの化合物からなることを特徴とする。
【0059】
異なる作用機序とは、例えば、抗腫瘍薬が脈管形成、DNA合成または同等に有糸分裂などの細胞の異なる生物機能を変化させることを意味する。
【0060】
より詳しくは、異なるタンパク質を標的とするとは、抗腫瘍薬が性質の異なるタンパク質または受容体と結合し得る抗体である場合を指す。
【0061】
これらの抗体を互いに組み合わせることだけでなく、化学療法薬を互いに組合せ、あるいはこれらの化合物系を互いに、または放射線療法、ホルモン療法もしくは上記の小化学分子を用いた標的療法と組み合わせることも考えられる。
【0062】
これらの抗腫瘍化合物が総て異なる作用機序または標的を有することが好ましいが、必ずしも必要なわけではない。
【0063】
第二の態様によれば、本発明の目的は、in vitroにおいて、少なくとも1つの抗腫瘍化合物に耐性のある腫瘍の表面で発現される腫瘍抗原(この腫瘍抗原は好ましくはその対応する天然(非処置)腫瘍の腫瘍細胞の表面では発現されず、この腫瘍抗原は抗腫瘍処置に対して耐性のあるその腫瘍の耐性に関連する可能性がある)に対する抗体またはその機能的フラグメントの1つを作製する方法であり、該方法は、該耐性腫瘍に由来する粉砕ホモジネートおよび/または懸濁液および/または細胞溶解液を動物に直接感作させることからなる工程、および耐性腫瘍を認識するがその耐性腫瘍が由来する天然腫瘍は認識しない抗体を選択することからなる工程を含む。
【0064】
本発明の本方法の特定の態様によれば、in vitroにおいて、その耐性腫瘍の耐性に関連する可能性がある耐性腫瘍の表面で発現される腫瘍抗原に対する抗体またはその機能的フラグメントの1つを作製する方法が記載され、該方法は、天然腫瘍(それまでに何も処置を受けていない腫瘍)に由来する粉砕ホモジネートおよび/または懸濁液および/または細胞溶解液で動物を寛容化した後、または寛容化せずに、少なくとも1つの抗腫瘍化合物(腫瘍の耐性が確認されているか、または耐性の誘発が望まれる抗腫瘍化合物)に耐性のある腫瘍に由来する粉砕ホモジネートおよび/または懸濁液および/または細胞溶解液を動物に直接感作させることからなる。この寛容化はシクロホスファミド種の免疫抑制薬で行われ、耐性を誘発する目的で、またはヒトに関する療法の範囲内で動物またはヒトに適用される抗腫瘍処置の前に、存在する総ての表面抗原に対する免疫応答を取り消す目的を持つ。従って、耐性腫瘍からの調製物の投与、特に注射の後の免疫応答は、その処置により誘発され、かつ、腫瘍耐性の確立に関与する可能性のある表面の構造に向けられる。寛容化の効率は、天然腫瘍由来の腫瘍細胞を動物に感作させた後に確立された血清力価の消失を追跡することによって評価される。
【0065】
次に、上記の方法に従って感作させたマウスの脾臓を採取し、当業者に公知の標準的な方法に従って脾細胞を骨髄腫細胞と融合させる。
【0066】
この細胞融合後に得られたハイブリドーマのスクリーニングは、予め作製した、(非処置)「天然腫瘍」の切片または耐性腫瘍(抗腫瘍薬による単剤処置または多剤処置のいずれか)の切片を保持するスライド上での「示差的免疫組織化学」によって行う。抗体を生産し、それらの抗腫瘍活性活性を調べるために、耐性腫瘍を認識するが天然腫瘍は認識しない抗体を産生するハイブリドーマのみを選択し、クローニングし、冷凍する。この方法の全体を後の図2および3で図示する。このようなアプローチは、細胞内耐性分子の探索および同定のためにも意図され得ることに着目すべきである。
【0067】
本発明によれば、上記のような抗体は好ましくは、当業者に周知の標準的な方法に従って得ることができる特異的な、特にネズミ、キメラまたはヒト化モノクローナル抗体である。
【0068】
一般に、モノクローナル抗体またはそれらの機能的フラグメント、特にネズミ起源のものの作製に関しては、特にハンドブック"Antibodies" (Harlow and Lane, Antibodie: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor NY, pp. 726, 1988)に記載されている技術またはKohler and Milstein (Nature, 256:495-497, 1975)が記載しているハイブリドーマからの作製技術が挙げられる。
【0069】
キメラまたはヒト化抗体も本発明の抗体として含まれる。
【0070】
キメラ抗体とは、ある種の抗体に由来する天然可変(軽鎖および重鎖)領域を、その種とは異種(マウス、ウマ、ウサギ、イヌ、ウシ、ニワトリなど)の抗体の定常軽鎖および重鎖領域とともに含む抗体を表すものとする。
【0071】
本発明の抗体またはそれらのキメラ型のフラグメントは遺伝子組換え技術を用いることで作製することができる。例えば、キメラ抗体は、本発明の非ヒト、特にネズミモノクローナル抗体のプロモーターおよび可変領域をコードする配列と、ヒト抗体定常領域をコードする配列とを含む組換えDNAをクローニングすることにより産生することができる。このような組換え遺伝子によってコードされる本発明のキメラ抗体は例えば、マウス−ヒト構築物であり、この抗体の特異性はネズミDNAに由来する可変領域によって決定され、そのイソ型はヒトDNAに由来する定常領域によって決定される。キメラ抗体の作製方法に関しては、例えば、参照文献としてVerhoeyn et al. (BioEssays, 8:74, 1988)、Morrison et al. (Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:6851-6855, 1984)または米国特許第4,816,567号が挙げられる。
【0072】
ヒト化抗体とは、非ヒト起源の抗体に由来するCDR領域を含み、抗体分子のその他の部分は1つの(または複数の)ヒト抗体に由来する抗体を表すものとする。さらに、骨格のセグメント(FRと呼ばれる)の残基のいくつかは結合親和性を保持するために変更されていてもよい(Jones et al., Nature, 321 :522-525, 1986; Verhoeyen et al., Science, 239: 1534-1536, 1988; Riechmann et al., Nature, 332:323-327, 1988)。
【0073】
本発明のヒト化抗体またはそれらのフラグメントは、当業者に公知の技術によって作製することができる(例えば、文献Singer et al., J. Immun. 150:2844-2857, 1992; Mountain et al., Biotechnol. Genet. Eng. Rev., 10:1-142, 1992;またはBebbington et al., Bio/Technology, 10:169-175, 1992に記載されているものなど)。
【0074】
例えば、特許EP0451261、EP0682040、EP0939127、EP0566647または同等に米国特許第5,530,101号、同第6,180,370号、同第5,585,089号および同第5,693,761号の主題である、PDLにより記載されている「CDRグラフト」技術などの他のヒト化技術も当業者に知られている。特許米国特許第5,639,641号または同等に米国特許第6,054,297号、同第5,886,152号および同第5,877,293号も挙げられる。
【0075】
本発明の抗体の機能的フラグメントとは、特に、フラグメントFv、scFv(scとは単鎖)、Fab、F(ab’)、Fab’、scFv−Fcもしくはダイアボディー、またはポリエチレングリコールなどのポリ(アルキレン)グリコールの付加「ペグ化」(PFGylation)のような化学修飾によって、またはリソソーム中への組み込みによってその寿命が延長されているいずれかのフラグメントといった抗体フラグメントを表すものとする。該フラグメントは一般に、それが由来する抗体の特徴的なCDRの少なくとも1つ有し、一般に、それが由来する抗体の部分的活性であっても発揮することができる。
【0076】
好ましくは、該機能的セグメントは、それらが由来する抗体の可変重鎖または軽鎖の部分的配列からなるか、またはそれを含み、この部分的配列は、それが由来する抗体と同じ結合特異性と、それが由来する抗体の好ましくは1/100、より好ましくは少なくとも1/10に相当する十分な親和性を保持するに十分なものである。
【0077】
このような機能的フラグメントは、それが由来する抗体の配列の最小5アミノ酸、好ましくは10、15、25、50よび100の連続するアミノ酸を含む。
【0078】
好ましくは、これらの機能的フラグメントは、一般にそれらが由来する抗体と同じ結合特異性を有するFv、scFv、Fab、F(ab’)、F(ab’)、scFv−Fc型またはダイアボディーのフラグメントである。本発明によれば、本発明の抗体フラグメントは、最初に記載したものなどの抗体から、ペプシンもしくはパパインなどの酵素による消化または化学的還元によるジスルフィド橋の切断などの方法によって得られる。別法として、本発明に含まれる抗体フラグメントは、これもまた当業者に周知である遺伝子組換え技術によって、または同等に例えばApplied Biosystemsなどにより提供されているものなどの自動ペプチド合成の手段によって得ることができる。
【0079】
より好ましくは、本発明、遺伝子組換えまたは化学合成によって得られた本発明の抗体またはそれらの機能的フラグメント、特にキメラまたはヒト化されたものを含む。
【0080】
本発明の方法の好ましい実施形態によれば、該感作は腹腔内注射および/または皮下注射および/または静脈注射および/または脾臓内注射によって行われる。各感作様式は互換的であり、他のものよりもあるものを選択する場合、用いる動物および当業者の知識や実践に従って行われる。
【0081】
より詳しくは、第一の実施形態によれば、得られる腫瘍は、耐性を誘発し得るか、または耐性が確認された少なくとも1つの抗腫瘍化合物により治療処置を受けているか、または受けた患者の生検および/または外科術により直接得られる。
【0082】
第二の実施形態によれば、耐性腫瘍は腫瘍系統および/またはヒト腫瘍全体または一部を動物に移植した後、耐性の誘発または耐性の確認が望まれる少なくとも1つの抗腫瘍化合物を注射することによってこの動物を処置することで誘発される。
【0083】
上記の好ましい実施形態はいずれのものでも、本発明の方法は、該活性抗体またはその機能的フラグメントの1つがモノクローナル抗体であることを特徴とする。
【0084】
より詳しくは、前記モノクローナル抗体またはその機能的フラグメントの1つはIgG、IgA、IgM、IgDまたはIgEの群から選択される免疫グロブリンである。
【0085】
よりいっそう好ましくは、前記モノクローナル抗体またはその機能的フラグメントの1つはγ1、γ2またはγ4イソ型のIgGである。
【0086】
しかしながらやはり、本発明によれば、IgG1およびIgG2の免疫グロブリンがエフェクター機能をはじめとするそれらの特性のために好ましい。
【0087】
一般に、当業者ならば、エフェクター機能は非限定例として、Clqとの結合、CDC(補体依存性細胞傷害性)、Fc受容体との結合、ADCC(抗体依存性細胞傷害性)および食作用を含むことを認識するであろう。
【0088】
より詳しくは、本発明の好ましいエフェクター機能はADCCおよびCDCである。
【0089】
一般に、本発明が言及する機能的フラグメントはFv、Fab、(Fab’)、Fab’、scFv、scFv−Fcおよびダイアボディー、またはペグ化フラグメントなど、寿命が延長されているいずれかのフラグメントから選択される。
【0090】
何ら限定されるものではないがさらに具体的には、本発明の方法は少なくとも、
i)耐性腫瘍に由来する粉砕ホモジネートおよび/または懸濁液および/または細胞溶解液を動物に直接感作させる工程、
ii)工程i)で感作させた動物の脾臓細胞を骨髄腫細胞と融合させてハイブリドーマを得る工程、および
iii)示差的選択により、耐性腫瘍の腫瘍細胞の表面で発現(この発現は抗腫瘍処置により誘発される)される抗原を特定に認識する抗体を分泌するハイブリドーマを選択する工程
を含む。
【0091】
「示差的選択」とは、それによって誘発される抗原が、この耐性が確立される前に細胞上に存在する抗原に比べて、処置に対する耐性の存在により識別することができるという方法に基づく選択を意味する。
【0092】
このような「示差的選択」を提供する技術の限定されない例としては、凍結切片もしくはパラフィン包埋切片に対する免疫組織化学法、または「タンパク質アレイ」もしくは「遺伝子アレイ」型のアプローチが挙げられる。
【0093】
より詳しくは、いわゆる「組織アレイ」技術の使用が好ましい。この「組織アレイ」技術はパラフィンに包埋された、または凍結された組織のブロックから、これら組織の数十〜数百の核を含む新たなブロックを、「組織アレイ」のこれらのブロックを切片化した後に数十〜数百の組織切片を含む顕微鏡スライドをマウントできるように構築することからなる。
【0094】
好ましい実施形態によれば、本発明の方法は、上記の工程i)の前に、
a)腫瘍系統および/またはいわゆる「天然」腫瘍全体または一部を選択し、動物に移植する工程、
b)これらの被移植動物の一部を少なくとも1つの抗腫瘍化合物で処置する工程、
c)工程a)で移植を受けた被処置動物からいわゆる「天然」腫瘍全体または一部を取り出す工程;
d)工程b)で処置を受けた動物から耐性腫瘍全体または一部を回収する工程、
e)工程c)およびd)でそれぞれ全体的にまたは部分的に回収された腫瘍から抗体を示差的に選択するための手段を作製する工程、および
f)工程d)で全体的にまたは部分的に回収された耐性腫瘍に由来する粉砕ホモジネートおよび/または細胞溶解液を調製する工程
をさらに含む。
【0095】
本明細書において、「天然腫瘍」および「親腫瘍」とは同等のものであり、同様に使用されると理解すべきである。
【0096】
本発明の実施形態によれば、該腫瘍系統および/またはいわゆる「天然」腫瘍は、肺由来の腫瘍細胞(A549)だけでなく、限定されるものではないが、結腸、前立腺、乳房、卵巣由来の腫瘍、または処置に対する耐性が確認されているいずれかの腫瘍の群から選択される。
【0097】
さらに、本発明に従って用いられる抗腫瘍化合物は化学療法薬、放射線療法薬、化学分子または抗体から選択され、これらの種々の化合物全体は、本明細書の上記で定義された通りである。
【0098】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記の少なくとも1つの抗腫瘍化合物はモノクローナル抗体からなり、このモノクローナル抗体はよりいっそう好ましくは、増殖因子受容体、脈管形成に関連する分子、または同等に細胞移動現象に関連するケモカインおよびインテグリンに対する抗体またはそれらの機能的フラグメントからなる群から選択される。
【0099】
「増殖因子受容体」とは、リガンドの結合、またはリガンドコンフォメーションにおける独立した変化、またはホモ二量体もしくは他のタンパク質メンバーとのヘテロ二量体形成の後に増殖応答を媒介するいずれかのトランスメンブランタンパク質を意味する。「脈管形成に関連する分子」とは、リガンドの結合、またはリガンドコンフォメーションにおける独立した変化、またはホモ二量体もしくは他のタンパク質メンバーとのヘテロ二量体形成の後に血管の形成が起こるいずれかの膜受容体を意味する。
【0100】
「細胞移動現象に関連するケモカインおよびインテグリン」とは、細胞外マトリックスを消化する活性および/または走化活性を持ち得るいずれかの可溶性分子を意味する。
【0101】
本発明の別の実施形態によれば、この方法はこの少なくとも1つの抗腫瘍化合物は、性質が異なり、かつ/または作用機序が異なり、かつ/または異なるタンパク質を標的とする少なくとも2つ、優先的には少なくとも3つの抗腫瘍化合物の組合せからなることを特徴とする。
【0102】
好ましくは、この抗腫瘍化合物の組合せは、モノクローナル抗体またはそれらの機能的フラグメントの組合せからなる。
【0103】
よりいっそう好ましくは、このモノクローナル抗体またはその機能的フラグメントの組合せは、抗IGF−IR、抗EGFR、抗Her/2neu、抗VEGF、抗VEGFR、抗CXCR、抗cMET、抗RON、Ephrin、抗体などから選択される抗体の組合せからなる。
【0104】
一実施形態によれば、限定されない例として、本発明の方法は、その組合せが抗IGF−IR抗体、抗EGFR抗体および抗Her/2neu抗体の組合せからなることを特徴とし、これらの挙げられた抗体は好ましくは、それぞれモノクローナル抗体7C10、225およびh4D5からなる。
【0105】
モノクローナル抗体7C10は、2003年1月20日に本発明者によって出願された特許出願WO03/059951(その内容は引用することにより本明細書の一部とされる)に記載されている抗体からなる。
【0106】
モノクローナル抗体225は、参照番号HB−8508としてATCCに寄託されているハイブリドーマにより産生された抗体からなる。
【0107】
モノクローナル抗体h4D5は、例えば、ICR (Institut Claudius Regaud)などから市販されているヘルセプチンからなる。
【0108】
さらなる好ましい実施形態によれば、本発明の方法は、いわゆる「天然」腫瘍細胞の抗原は認識しない抗体を分泌するハイブリドーマを選択するための工程iii)が、いわゆる非処置「天然」腫瘍と耐性腫瘍および/または耐性とさせた腫瘍の組織間の示差的スクリーニングによって行われることを特徴とする。
【0109】
「示差的スクリーニング」とは、それによって得られた抗原がこの耐性の確立前に細胞上に存在する抗原に比べて、処置に対する耐性の存在により識別することができるというスクリーニングを意味する。好ましくは、示差的スクリーニングは上記のような工程e)で得られた手段を適用することにより行われる。
【0110】
最後に、本発明の最後の実施形態によれば、この方法は工程i)の前に付加的な寛容化工程を含むのが好ましい。
【0111】
「寛容化」(tolerization)とは、シクロホスファミドなどの免疫抑制化合物によって誘発される免疫応答の消滅を意味する。実際には、この寛容化工程は、
工程c)に由来するいわゆる天然腫瘍から得られた粉砕ホモジネートおよび/または懸濁液および/または細胞溶解液を動物に投与、特に注射により投与すること、および
上記工程の注射によって活性化されたB細胞を排除し、それによりいわゆる天然腫瘍に対する潜在的応答を阻害するために、これらの動物を免疫抑制剤で処置すること
からなる。
【0112】
もちろん、同様の方法もしくは実践、または同じ結果が得られるものは等価とみなされるべきであり、本発明の範囲に含まれる。「免疫抑制剤」とは、免疫系の細胞集団を枯渇させ得るいずれかの物質を意味する。限定されない例としては、シクロホスファミドが挙げられる。
【0113】
別の態様において、本発明は、抗腫瘍化合物に対する腫瘍の耐性を阻害し得る抗体またはその機能的フラグメントの1つをin vitroで作製および選択する方法、または少なくとも1つの抗腫瘍化合物に耐性のある腫瘍の表面で発現される腫瘍抗原(この腫瘍抗原は抗腫瘍化合物に対するその腫瘍の耐性に関連する)に対する抗体またはその機能的フラグメントの1つをin vitroで作製および選択する方法に関し、この方法は、
a)本発明の抗体またはその機能的フラグメントの1つ(該抗体は耐性腫瘍の表面で特異的に発現される腫瘍抗原に対するものであり、該腫瘍抗原はその耐性腫瘍が由来する天然腫瘍の細胞の表面では発現されない)をin vitroで作製および選択する方法;
b)工程a)で得られた抗体をin vitroまたはin vivoにおいて抗腫瘍化合物に耐性のある腫瘍と接触させること;および
c)抗腫瘍化合物に対する腫瘍の耐性に対するこの抗体の阻害作用が示されれば、その抗体を選択すること
を含むことを特徴とする。
【0114】
別の実施形態によれば、抗腫瘍処置によって発現が誘発される抗原が耐性現象に関連するかどうかを決定する目的でin vitroまたはin vivoにて試験を行うことができる。好ましい実施形態によれば、このような工程は、耐性腫瘍に対して本発明に従って得られた抗体をin vitroまたはin vivoで試験し、耐性阻害活性がその耐性腫瘍で発達しているかどうかを観察することからなり得る。
【0115】
さらに別の態様では、本発明は、抗腫瘍活性を発揮し得る、特に、その抗体が向けられる抗原を発現する腫瘍細胞の増殖を阻害し得る抗体またはその機能的フラグメントの1つをin vitroで作製および選択する方法に関し、この方法は、
a)本発明の抗体またはその機能的フラグメントの1つ(該抗体は耐性腫瘍の表面で特異的に発現される腫瘍抗原に対するものであり、該腫瘍抗原はその耐性腫瘍が由来する天然腫瘍の細胞の表面では発現されない)をin vitroで作製および選択する方法;
b)工程a)で得られた抗体をin vitroまたはin vivoにおいて腫瘍(これらの細胞は腫瘍抗原を発現する)、好ましくは工程a)で用いた耐性腫瘍または急速進行性の表現型を有する腫瘍と接触させること;および
c)この腫瘍に対して抗腫瘍効果、特に、この腫瘍の細胞増殖の阻害が示されれば、その抗体を選択すること
を含むことを特徴とする。
【0116】
以上の方法の工程b)では、その細胞が腫瘍抗原を発現する腫瘍は、該抗体を作製するために用いた抗腫瘍化合物に耐性のある腫瘍である必要は必ずしもないと理解すべきである。特に急速進行性の表現型を有する腫瘍(その腫瘍細胞は該抗体により認識される腫瘍抗原を発現する)はいずれも工程b)で使用することができる。
【0117】
本発明はまた、治療用および/または診断用のモノクローナル抗体を作製するための上記の方法の使用も明らかに対象とする。本発明はまた、特定の基準を満たすため、またはごく単純には本記載から区別するために、当業者により開発可能なこのような方法の部分的使用も包含する。本発明の第三の態様によれば、上記のように本発明の方法を適用することにより得られたモノクローナル抗体またはその機能的フラグメントの1つが意図される。
【0118】
本発明は、これまでにこのような特性を有する、さらにはこのような方法によって得られたと記載されている抗体は無いという点で革新的である。
【0119】
好ましくは、本発明の機能的フラグメントは、Fv、scFv、Fab、(Fab’)、Fab’、scFv−Fcフラグメントもしくはダイアボディー、または化学修飾、特にペグ化、またはリポソームへの組み込みによって寿命が延長されているいずれかの機能的フラグメントから選択される。もちろん、この一覧は限定を意味するものではなく、当業者に知られている他のいずれのタイプのフラグメントも本発明の一部とみなされるべきである。
【0120】
本発明の例として、以下、本発明の方法を適用することによって得られた5つの抗体が記載される。これらの抗体は1A6、1A9、2E11、3C11および3G7と呼ばれ、ネズミ、キメラまたはヒト化型であり得る。
【0121】
第一の実施形態によれば、本発明は、
配列番号1、2および3の配列のCDR領域を含むか、またはそれらの配列が最適なアライメントの後に配列番号1、2および3の配列と少なくとも80%の同一性を有する軽鎖と、
配列番号4、5および6の配列のCDR領域を含むか、またはそれらの配列が最適なアライメントの後に配列番号4、5および6の配列と少なくとも80%の同一性を有する重鎖
を含むことを特徴とするモノクローナル抗体またはその機能的フラグメントの1つを対象とする。
【0122】
本明細書において、抗体化合物またはそれらの配列と結合しているポリペプチド、ポリペプチド配列、ペプチドおよびタンパク質は互換性がある。
【0123】
本発明は天然型の抗体に関するのではなく、すなわちそれらの天然環境は考慮されないが、天然源からの精製によってそれらを単離または取得することができ、あるいは遺伝子組換えまたは化学合成によってそれらを得ることができ、その後、それらは後に記載されるように非天然アミノ酸を含んでもよいと理解すべきである。
【0124】
CDR領域またはCDRは、Kabat et al. (Kabat et al, Sequences of oroteins of immunological interest, 5th Ed., U.S. Department of Health and Human Services, NIH, 1991およびその後続版)によって定義されている免疫グロブリンの重鎖および軽鎖の超可変領域を表すものとする。3つの重鎖CDRと3つの軽鎖CDRが存在する。CDRはここでは、場合によって、これらの領域の1つまたはそれらのいくつか、あるいはそれが認識する抗原またはエピトープに対する抗体の結合親和性を担うアミノ酸残基の大多数を含むこれらの領域全体を表すために用いられる。
【0125】
本発明の意味において2配列の核酸またはアミノ酸間の「同一性%」は、最も良いアライメント(最適なアライメント)の後に得られる、比較する両配列間のヌクレオチドまたは同一のアミノ酸残基の割合%を表すものとし、この割合%は純粋に統計学的なものであり、両配列間の違いはそれらの全長にわたってランダムに分布している。2配列の核酸またはアミノ酸間の配列比較は、それらを最適にアラインした後にこれらの配列を比較することで従来行われ、この比較はセグメントまたは「比較枠」により行うことができる。比較のための配列の最適なアライメントは、手作業によるだけでなく、Smith and Waterman (1981) [Ad. App. Math. 2:482]のローカルホモロジーアルゴリズムの手段、Neddleman et Wunsch (1970) [J. Mol. Biol. 48:443]のローカルホモロジーアルゴリズムの手段、Pearson and Lipman (1988) [Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:2444]の類似性検索法の手段、これらのアルゴリズムを用いたコンピューターソフトウエアパッケージ(Wisconsin Genetics Software Package, Genetics Computer Group, 575 Science Dr., Madison, WIのGAP、BESTFIT、FASTAおよびTFASTAまたは同等に比較ソフトウエアパッケージBLAST NまたはBLAST P)の手段により行うことができる。
【0126】
2配列の核酸またはアミノ酸間の同一性%は、比較する核酸またはアミノ酸の配列、両配列間の最適アライメントのための参照配列に対して付加または欠失を含み得る最適な方法でアラインされたこれら2配列を比較することによって決定される。同一性%は、ヌクレオチドまたはアミノ酸残基が2配列間で同じである同一の位置の数を求め、この同一の位置の数を比較枠内の位置の総数で割り、得られた積に100をかけることでこれらの両配列間の同一性%を得ることにより算出される。
【0127】
例えば、http://www.ncbi.nlm.nih.gov/gorf/bl2.htmlのサイトで入手できるBLASTプログラム「BLAST2配列」(Tatusova et al, "Blast 2 sequences - a new tool for comparing protein and nucleotide sequences", FEMS Microbiol. Lett. 174:247-250)が使用可能であり、使用するパラメーターは規定値で与えられるものであり(特に、パラメーター「オープンギャップペナルティー」:5および「エクステンションギャップペナルティー」:2;選択マトリックスは例えばこのプログラムにより提供されている「BLOSUM 62」マトリックス)、比較する両配列間の同一性%はプログラムによって直接コンピューター処理される。また、「ALIGN」または「Megalign」(DNASTAR)ソフトウエアパッケージなどの他のプログラムを使用することもできる。
【0128】
参照アミノ配列と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の同一性を有するアミノ酸配列については、参照配列に対して特定の修飾、特に、少なくとも1つのアミノ酸の欠失、付加もしくは置換、末端切断または延長を有するものが好ましい。1以上の連続または不連続アミノ酸の置換の場合、置換されるアミノ酸が「同等の」アミノ酸に置き換わっているような置換が好ましい。ここで「同等なアミノ酸」とは、以降で、特に実施例で定義されるように、対応する抗体の生物活性を実質的に変化させずに基本構造のアミノ酸の1つを置換することができるアミノ酸を表すためのものである。
【0129】
これらの同等なアミノ酸は、それらが取って代わるアミノ酸との構造的ホモロジーに頼るか、または実施可能な種々の抗体間の生物活性の比較試験の結果で決定することができる。
【0130】
限定されない例として、下記の表1は、対応する修飾抗体の生物活性に広範な変化をもたらすことなく行うことができる置換の可能性を繰り返したものであり、本質的に同じ条件下で逆の置換も考えられる。
【0131】
【表1】

【0132】
好ましくは、上記の抗体は1A6と呼ばれ、配列番号7の配列を含む重鎖と配列番号8の配列を含む軽鎖を含む。
【0133】
より詳しくは、本発明はまた、上記のような抗体1A6を分泌し得るネズミハイブリドーマ(1A6)を対象とする。本明細書において、ネズミハイブリドーマについて言う場合であれ、あるいはこの同じハイブリドーマにより産生された抗体について言う場合であれ、同じコードが同様に使用される。
【0134】
このようなネズミハイブリドーマは、2006年5月31日に番号I−3612としてCNCM (Collection Nationale de Cultures de Microorganismes), Institut Pasteur, Paris (France)に寄託されたハイブリドーマからなる。6つの短いCDR配列のうち、重鎖の3番目のCDR(CDRH3)はより大きなサイズ変動性(それを生じる遺伝子再配列の機能のために本質的に大きな多様性)を有する。それはアミノ酸2つといった短いものであり得るが、既知の最大サイズは26である。機能的にCDRH3はこの抗体の特異性の決定に独立した役割を果たす(Segal et al., PNAS, 71:4298-4302, 1974; Amit et al., Science, 233:747-753, 1986; Chothia et al., J. Mol. Biol, 196:901-917, 1987; Chothia et al., Nature, 342:877-883, 1989; Caton et al., J. Immunol, 144:1965-1968, 1990; Sharon et al., PNAS, 87:4814-4817, 1990; Sharon et al., J. Immunol, 144:4863-4869, 1990; Kabat et al, J. Immunol, 147:1709-1719, 1991)。
【0135】
CDRの低い割合%のアミノ酸だけが抗体の結合部位の構築に寄与することが知られているが、これらの残基は極めて特異的な三次元コンフォメーションで維持されているはずである。
【0136】
第二の実施形態によれば、本発明は、
配列番号9、10および11の配列のCDR領域を含むか、またはそれらの配列が最適なアライメントの後に配列番号9、10および11の配列と少なくとも80%の同一性を有する軽鎖と、
配列番号12、13および14の配列のCDR領域を含むか、またはそれらの配列が最適なアライメントの後に配列番号12、13および14の配列と少なくとも80%の同一性を有する重鎖
を含むことを特徴とするモノクローナル抗体またはその機能的フラグメントの1つを対象とする。
【0137】
別の実施形態によれば、1A9と呼ばれる本発明の抗体は、配列番号15の配列を含む重鎖と配列番号16の配列を含む軽鎖を含む。
【0138】
別の態様によれば、上記で定義されたような抗体を分泌し得るネズミハイブリドーマ(1A9)が請求される。
【0139】
最後に、本発明の好ましい実施形態によれば、2006年5月31日に番I−3613としてCNCM(Collection Nationale de Cultures de Microorganismes), Institut Pasteur, Paris (France)に寄託されたネズミハイブリドーマ1A9が含まれる。
【0140】
第三の実施形態によれば、本発明は、
配列番号17、18および19の配列のCDR領域を含むか、またはそれらの配列が最適なアライメントの後に配列番号17、18および19の配列と少なくとも80%の同一性を有する軽鎖と、
配列番号20、21および22の配列のCDR領域を含むか、またはそれらの配列が最適なアライメントの後に配列番号20、21および22の配列と少なくとも80%の同一性を有する重鎖
を含む、本発明の目的の方法に従って得られたモノクローナル抗体またはその機能的フラグメントの1つを対象とする。
【0141】
好ましくは、2E11と呼ばれる本発明の抗体は、配列番号23の配列を含む重鎖と配列番号24の配列を含む軽鎖を含む。
【0142】
別の態様によれば、本発明はまた、上記のような抗体を分泌し得るネズミハイブリドーマ2E11からなる。
【0143】
より詳しくは、該ネズミハイブリドーマは、2006年5月31日に番号I−3615としてCNCM (Collection Nationale de Cultures de Microorganismes), Institut Pasteur, Paris (France)に寄託されたハイブリドーマからなる。
【0144】
第四の実施形態によれば、本発明は、
配列番号25、26および27の配列のCDR領域を含むか、またはそれらの配列が最適なアライメントの後に配列番号25、26および27の配列と少なくとも80%の同一性を有する軽鎖と、
配列番号28、29および30の配列のCDR領域を含むか、またはそれらの配列が最適なアライメントの後に配列番号28、29および30の配列と少なくとも80%の同一性を有する重鎖
を含む、上記のような方法によって得られたモノクローナル抗体またはその機能的フラグメントの1つを対象とする。
【0145】
より具体的には、3C11と呼ばれる本発明の抗体は、配列番号31の配列を含む重鎖と配列番号32の配列を含む軽鎖を含む。
【0146】
別の態様によれば、本発明はまた、上記のような抗体を分泌し得るネズミハイブリドーマ3C11に関する。
【0147】
該ハイブリドーマは優先的に、2006年5月31日に番号I−3614としてCNCM (Collection Nationale de Cultures de Microorganismes), Institut Pasteur, Paris (France)に寄託されたハイブリドーマからなる。
【0148】
最後に、本発明の第五の実施形態によれば、これは、
配列番号33、34および35の配列のCDR領域を含むか、またはそれらの配列が最適なアライメントの後に配列番号33、34および35の配列と少なくとも80%の同一性を有する軽鎖と、
配列番号36、37および38の配列のCDR領域を含むか、またはそれらの配列が最適なアライメントの後に配列番号36、37および38の配列と少なくとも80%の同一性を有する重鎖
を含む、本発明の目的の方法を適用することによって得られたモノクローナル抗体またはその機能的フラグメントの1つに関する。
【0149】
好ましくは、3G7と呼ばれる抗体は配列番号39の配列を含む重鎖と配列番号40の配列を含む軽鎖を含む。
【0150】
本発明の別の態様によれば、上記のような抗体を分泌し得るネズミハイブリドーマ3G7が請求される。
【0151】
該ハイブリドーマは優先的に、2006年5月31日に番号I−3616としてCNCM (Collection Nationale de Cultures de Microorganismes), Institut Pasteur, Paris (France)に寄託されたネズミハイブリドーマからなる。
【0152】
分かりやすいように、本発明の目的の抗体と該抗体のCDRの推定アミノ酸配列を対応させて下記の表2に分類した。
【0153】
【表2】

【0154】
本明細書の下記表3は、それについて、本発明の目的のこれらの同じ抗体と該抗体の重鎖および軽鎖の個々のアミノ酸配列の対応を表している。
【0155】
【表3】

【0156】
最後に、本明細書の下記表4は、本発明の目的の各抗体の名称とCNCMの寄託番号を示している。
【0157】
【表4】

【0158】
もちろん、抗体1A6に関して上記された特性および修飾は総て本発明の目的の他の抗体、より詳しくは、1A9、2E11、3C11および3G7として同定されている抗体にも当てはまる。
【0159】
本発明の目的の方法に従って得られた抗体に関して上記したものと同様に、記載の特徴、特性または修飾は総て、本願において同定されている抗体にも当てはまると考えるべきであることも明記する。
【0160】
より詳しくは、機能的フラグメントがFv、Fab、(Fab’)、Fab’、scFv、scFv−Fcフラグメントおよびダイアボディー、またはペグ化フラグメントのような、その半減期が延長されたいずれかのフラグメントから選択されることも明記する。
【0161】
好ましくは、本発明の目的の抗体は優先的に、上記のハイブリドーマ、すなわち、ハイブリドーマI−3612、I−3613、I−3614、I−3615またはI−3616の1つによって分泌される抗体またはその機能的フラグメントの1つからなる。
【0162】
本発明のさらなる実施形態によれば、該抗体はキメラ抗体であり、マウスとは異種の種の抗体に由来する定常軽鎖および重鎖領域をさらに含む。
【0163】
好ましくは、この異種はヒト種である。
【0164】
よりいっそう好ましくは、本発明のキメラ抗体またはその機能的フラグメントの1つは、ヒト抗体に由来する軽鎖および重鎖定常領域がそれぞれκおよびγ1、γ2またはγ4領域であることを特徴とする。
【0165】
最後に、よりいっそう好ましくは、前記抗体はヒト化抗体からなり、軽鎖および/または重鎖を含み、該軽鎖および/または重鎖の骨格セグメントFR1〜FR4はヒト抗体の軽鎖および/または重鎖のそれぞれ骨格セグメントFR1〜FR4に由来している。
【0166】
また、特定の態様では、本発明は、本発明のキメラ抗体またはその機能的フラグメントの1つに関し、該抗体はマウスとは異種の種、特にヒトの抗体に由来する軽鎖および重鎖定常領域をさらに含むこと、好ましくは、ヒト抗体に由来する軽鎖および重鎖定常領域がそれぞれκおよびγ−1、γ−2またはγ−4領域であることを特徴とする。
【0167】
本発明のさらなる態様によれば、
以下の核酸:
a)本発明の抗体またはその機能的フラグメントの1つをコードするDNAまたはARN核酸;
b)a)で定義された核酸に相補的な核酸;
c)強いストリンジェンシー条件下で、配列番号41〜46、49〜54、57〜62、65〜70、73〜78の配列の少なくとも1つのCDRと、または最適なアライメントの後に配列番号41〜46、49〜54、57〜62、65〜70、73〜78の配列と少なくとも80%の同一性を有する配列とハイブリダイズし得る少なくとも18ヌクレオチドの核酸;および
d)強いストリンジェンシー条件下で、配列番号48、56、64、72もしくは80の配列の少なくとも1つの軽鎖および/または配列番号47、55、63、71もしくは79の配列の1つの重鎖、または最適なアライメントの後に配列番号47、48、55、56、63、64、71、72、79もしくは80の配列と少なくとも80%の同一性を有する配列とハイブリダイズし得る少なくとも18ヌクレオチドの核酸
から選択されることを特徴とする単離された核酸が記載される。
【0168】
核酸、核配列(nucleic sequence)または核酸配列(nucleic acid sequence)、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド配列、ヌクレオチド配列は本明細書において同等に用いられる用語であり、修飾されていてもされていなくともよく、それによって核酸のフラグメントまたは領域が定義でき、非天然ヌクレオチドを含んでも含まなくてもよく、二本鎖DNA、一本鎖DNAの双方および該DNAの転写産物に相当し得る、ヌクレオチドの特定の連結を表すことを意図する。
【0169】
ここでまた、本発明はそれらの天然染色体環境、すなわち、天然状態、のヌクレオチド配列に関するものではないと理解すべきである。これらは単離および/または精製された配列であり、すなわち、それらは例えば少なくとも部分的に修飾されたそれらの環境をコピーすることにより直接的または間接的に採取されたものである。また、ここでは、例えば宿主細胞の手段による遺伝子組換えによって得られた、または化学合成によって得られた単離核酸を表すことを意図する。
【0170】
最適なアライメントの後に選択配列と少なくとも80%、好ましくは85%、90%、95%および98%の配列同一性を有する核酸配列(nucleic sequence)とは、参照核酸配列(nucleic sequence)に対して、特に欠失、末端切断、延長、キメラ融合および/または特に点様置換などのある種の修飾を有する核酸配列(nucleic sequence)を表すものとする。これらは好ましくは、その配列が参照配列と同じアミノ酸配列をコードする配列(これは遺伝コードの縮重に関するものである)、または特に以下で定義されるような強いストリンジェンシー条件下で選択参照配列と特異的にハイブリダイズし得る相補配列である。
【0171】
強いストリンジェンシー条件下でのハイブリダイゼーションとは、温度およびイオン強度の条件が、2つの相補的DNAフラグメント間でハイブリダイゼーションが維持可能なように選択されることを意味する。例として、上記のポリヌクレオチドフラグメントを定義する目的でのハイブリダイゼーション工程の強いストリンジェンシー条件は有利には以下の通りである。
【0172】
DNA−DNAまたはDNA−ARNハイブリダイゼーションは二段階で行われる:(1)5×SSC(1×SSCは0.15M NaCl+0.015Mクエン酸ナトリウム溶液に相当する)、50%ホルムアミド、7%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、10×デンハートの溶液、5%硫酸デキストランおよび1%のサケ精子DNAを含有するリン酸バッファー(20mM、pH7.5)中、42℃で3時間のプレハイブリダイゼーション;(2)プローブサイズに応じた温度(すなわち、100ヌクレオチドより大きなプローブでは42℃)で20時間の実際のハイブリダイゼーション、その後、2×SSC+2%SDS中、20℃で20分の2回の洗浄、0.1×SSC+0.1%SDS中、20℃で20分の洗浄。最終洗浄は、100ヌクレオチドより大きなプローブでは、0.1×SSC+0.1%SDS中、60℃で30分行う。当業者ならば、所定のサイズのポリヌクレオチドに関して上記された強いストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件を、Sambrook et al. (1989, Molecular cloning: a laboratory manual. 2nd Ed. Cold Spring Harbor)の教示に従って、より大きな、またはより小さなオリゴヌクレオチドにも適合させることができる。
【0173】
より明解となるように、本発明の目的の抗体、より詳しくはCDRの配列ならびに可変鎖とそれらのヌクレオチド配列の間の対応も下記表5に示す。
【0174】
【表5】

【0175】
本発明はまた、本発明の核酸を含むベクターに関する。
【0176】
本発明は特に、本発明のヌクレオチド配列を含むクローニングベクターおよび/または発現ベクターを対象とする。
【0177】
本発明のベクターは好ましくは、所定の宿主細胞においてヌクレオチド配列の発現および/または分泌を可能とするエレメントを含む。そして、このベクターは、プロモーター、翻訳を開始および終結させるためのシグナルならびに転写を調節するための好適な領域を含むべきである。それは宿主細胞内で安定に維持することができなければならず、翻訳タンパク質の分泌を指定する特定のシグナルを有し得る。これらの種々のエレメントは用いる宿主細胞に応じて当業者により選択および至適化される。この目的で、本発明のヌクレオチド配列は選択された宿主内の自己複製ベクター中に挿入され得るか、または選択された宿主の組み込みベクターであり得る。
【0178】
このようなベクターは当業者が現在用いている方法によって作製され、得られたクローンはリポフェクション、エレクトロポレーション、熱ショックまたは化学法などの標準的な方法によって好適な宿主へ導入することができる。
【0179】
本発明のベクターは例えば、プラスミドまたはウイルス起源のベクターである。それらは本発明のヌクレオチド配列をクローン化および発現させるために宿主細胞を形質転換させるのに有用である。
【0180】
本発明はまた、本発明のベクターにより形質転換された、または本発明のベクターを含む宿主細胞を含む。
【0181】
細胞宿主は原核生物系または真核生物系、例えば細菌細胞だけでなく、酵母細胞または動物細胞、特に、哺乳類細胞から選択され得る。昆虫細胞または植物細胞も使用可能である。
【0182】
本発明はまた、本発明の形質転換細胞を含むヒト以外の動物に関する。
【0183】
別の態様において、本発明の目的は、本発明の抗体またはその機能的フラグメントの1つを産生する方法であり、
a)培地中、好適な培養条件下で本発明の宿主細胞を培養する工程;および
b)それにより培養培地から、または培養細胞から該抗体またはその機能的フラグメントの1つを回収する工程
を含むことを特徴とする。
【0184】
本発明の形質転換細胞は、本発明の組換えポリペプチドを作製する方法で用いることができる。本発明のポリペプチドを組換え形態で作製する方法は、本発明のベクターおよび/またはベクターにより形質転換された細胞を利用することを特徴とし、それら自体、本発明に含まれる。好ましくは、本発明のベクターにより形質転換された細胞は、該ポリペプチドの発現を可能とする条件下で培養し、該組換えペプチドが回収される。
【0185】
すでに述べられているように、宿主細胞は原核生物系または真核生物系から選択することができる。特に、このような原核生物系または真核生物系において分泌を促進する、本発明のヌクレオチド配列の同定が可能となる。従って、このような配列を有する本発明のベクターは、分泌されることを意図した組換えタンパク質を産生するために有利に使用することができる。実際、対象とするこれらの組換えタンパク質の精製は、それらが宿主細胞の内部よりもむしろ細胞培養の上清中に存在するという事実によって容易となる。
【0186】
本発明のポリペプチドはまた、化学合成によっても製造することができる。このような製造方法もまた、本発明の目的である。当業者ならば、例えば、固相を利用する技術(特に、Steward et al, Solid phase peptides synthesis, Pierce Chem. Company, Rockford, 111, 2nd ed., (1984)参照)または部分的固相を用いるか、フラグメントの縮合によるか、もしくは標準的な溶液中での合成による技術を知っている。化学合成により得られ、対応する非天然アミノ酸を含み得るポリペプチドも本発明に含まれる。
【0187】
本発明の方法によって得ることができる抗体またはそれらの機能的フラグメントも本発明に含まれる。2つの異なる可変領域が同じ分子中で組み合わされている二重特異性または二機能性抗体は次世代のモノクローナル抗体をなす(Hollinger and Bohlen, 1999, Cancer and metastasis rev. 18:411-419)。新しいエフェクター機能を補充できる、または腫瘍細胞の表面のいくつかの分子を標的化できるそれらの能力ために、それらの有用性は、診断分野および治療分野の双方で実証された。これらの抗体は化学法(Glennie MJ et al., 1987, J. Immunol. 139, 2367-2375; Repp R. et al., 1995, J. Hemat. 377-382)または体細胞法(Staerz U.D. and Bevan M.J., 1986, PNAS 83, 1453-1457; Suresh M.R. et al., 1986, Method Enzymol., 121 :210-228)によって得られるだけでなく、優先的には、ヘテロ二量体形成が余儀なくされ、それにより求める抗体の精製法を容易にする遺伝子工学技術(Merchand et al., 1998, Nature Biotech., 16:677-681)によって得ることもできる。
【0188】
これらの二重特異性抗体は完全IgGとして、二重特異性Fab’として、Fab’PEGとして、もしくはダイアボディーとして、または同等に二重特異性scFvとして、さらにはまた四価の二重特異性抗体(すなわち、各標的抗原に対して2つの結合部位が存在する)(Park et al., 2000, MoI. Immunol., 37(18):1123-30)もしくは上記のようなそのフラグメントとして構築することができる。
【0189】
二重特異性抗体の生産および投与は2つの特異的抗体を生産するよりもコストが低いということからの経済的利益の他、このような二重特異性抗体の使用には処置の毒性を軽減するという利点がある。実際、二重特異性抗体を使用すると、循環抗体の全体量が減り、結果として毒性の可能性が軽減され得る。
【0190】
本発明の好ましい実施形態では、二重特異性抗体は二価または四価の抗体である。
【0191】
実施上、四価二重特異性抗体の使用からの利益は、各標的に対して2つの結合部位が存在するために、二価抗体に比べてより大きな結合力を有するということである。
【0192】
上記の抗体の機能的フラグメントを選択するための類似の方法では、上記の第二のパターンがFv、Fab、(Fab’)、Fab’、Fab’PEG、scFv、scFv−Fcフラグメントおよびダイアボディーs、または寿命が延長されたいずれかの形態から選択される。
【0193】
さらに別の態様において、本発明の目的は、薬剤としての本発明の抗体またはその機能的フラグメントの1つ、好ましくは以上に手議されたヒト化抗体である。抗体とは、本明細書の下記では、上記のような本発明の方法を適用することによって得られる抗体と同定および命名されている抗体1A6、1A9、2E11、3C11または3G7から選択される抗体の双方を意味する。
【0194】
本発明はまた、有効成分として本発明の抗体またはその機能的フラグメントの1つからなる化合物を含み、好ましくは薬学上許容される賦形剤および/または担体を加えた医薬組成物に関する。
【0195】
より詳しくは、本発明は、有効成分として上記の、またはハイブリドーマI−3612、I−3613、I−3614、I−3615もしくはI−3616により産生される抗体またはその機能的フラグメントの1つからなる化合物を含む組成物を包含する。
【0196】
さらに別の実施形態によれば、本発明はまた、同時使用、個別使用または長期間用の組合せ製品として化学療法薬、放射線療法薬または抗体をさらに含む上記の医薬組成物に関する。「同時使用」とは、単一かつ同一の医薬形に含まれる本発明の組成物の両化合物の投与を意味する。
【0197】
「個別使用」とは、異なる医薬形に含まれる本発明の組成物の両化合物を同時投与することを意味する。
【0198】
「長期間使用」とは、それぞれ異なる医薬形に含まれる本発明の組成物の両化合物を逐次投与することを意味する。「化学療法薬」とは、本明細書の上記の定義およびリストに入るいずれかの化合物であって、発明にとって欠くことのできない部分を意味する。
【0199】
特に好ましい実施形態では、本発明の前記組合せ製品としての組成物は、細胞傷害性薬剤が同時投与向けに抗体と化学的に結合されていることを特徴とする。
【0200】
特に好ましい実施形態では、本発明の組成物は、細胞傷害性/細胞増殖抑制剤が紡錘体を阻害するか、または安定化させる薬剤、好ましくはビノレルビン(vinorelbine)および/またはビンフルニン(vinflunine)から選択されることを特徴とする。
【0201】
本発明の細胞傷害性薬剤と抗体の間の結合を促進するために、特に、結合される両化合物の間に、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール類またはアミノ酸といったスペーサー分子を導入してもよく、あるいは別の実施形態では、本発明の抗体と反応し得る官能基が導入されている細胞傷害性薬剤の活性誘導体を用いてもよい。これらの結合技術は当業者によく知られており、本明細書で開発されるものではない。
【0202】
本発明は、別の態様において、少なくとも1つの前記抗体またはそれらの機能的フラグメントの1つが細胞毒および/または放射性元素と結合されていることを特徴とする組成物に関する。
【0203】
好ましくは、前記毒素は腸内細菌由来の毒素、特にシュードモナス由来の外毒素Aである。
【0204】
毒素または放射性元素と本発明の少なくとも1種類の抗体またはそれらの機能的フラグメントとのコンジュゲートとは、該毒素または放射性元素が少なくとも1つの抗体と、結合分子を導入してもしなくても、特に両化合物間の共有結合により結合させ得るいずれかの手段を表すものとする。別の結合形態としては、例えばEDTA、DOTAまたは同等に99mTc型の複合体など、非共有結合的複合体形成をもたらすイオンキレート剤の使用からなり得る。
【0205】
また好ましくは、本発明の該コンジュゲートを形成する少なくとも1つの抗体は、その機能的フラグメント、特に、scFvフラグメントなどの、それらのFc成分から切断されたフラグメントから選択される。
【0206】
本発明はさらに、薬剤を製造するための本発明の組成物の使用を含む。
【0207】
本発明の目的はまた、癌の予防または治療を意図した薬剤の製造のための、上記、または本発明の目的の方法によって得られ、上記されてもいる抗体の使用である。
【0208】
本発明の目的はまた、患者の癌の予防および治療の範囲内で、患者において抗腫瘍処置に対する腫瘍の耐性の阻害を意図した薬剤の製造のための、上記、または本発明の目的の方法によって得られ、上記されてもいる抗体の使用である。
【0209】
好ましくは、癌は、結腸癌、前立腺癌、乳癌、肺癌、卵巣癌または膵臓癌から選択される、耐性種の癌である。
【0210】
本発明の別の実施形態によれば、また、耐性があり、かつ/または後期段階である腫瘍に対して生物学的に活性な化合物を特異的にターゲティングすることを意図した薬剤を製造するための、本発明の抗体またはその機能的フラグメントの1つの使用も請求される。着目される本発明の抗体またはそれらの機能的フラグメントとしては例えば、ペルオキシダーゼ、アルカリ性ホスファターゼ、α−D−ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコースアミラーゼ、炭酸脱水酵素、アセチル−コリンエステラーゼ、リゾチーム、リンゴ酸デヒドロゲナーゼもしくはグルコース−6リン酸デヒドロゲナーゼなどの酵素と、またはビオチン、ジゴキシゲニンもしくは5−ブロモ−デオキシウリジンなどの分子とコンジュゲートされ得る、いわゆる免疫複合体抗体が含まれる。蛍光マーカーも本発明の抗体またはそれらの機能的フラグメントとコンジュゲートさせることができ、特に、フルオレセインおよびその誘導体、フルオロクロム、ローダミンおよびその誘導体、GFP(緑色蛍光タンパク質)、ダンシル、ウンベリフェロンなどが挙げられる。このようなコンジュゲートでは、本発明の抗体またはそれらの機能的フラグメントは当業者に公知の方法によって作製することができる。それらは直接、またはグルタルアルデヒドなどのポリアルデヒド、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DPTA)といったスペーサー基または結合基を介して、あるいは過ヨウ素酸塩などのカップリング剤の存在下で、酵素または蛍光マーカーと結合させることができる。フルオレセイン型のマーカーを含むコンジュゲートは、イソチオシアネートとの反応によって作製することができる。
【0211】
また、他のコンジュゲートとしては、ルミノールおよびジオキセタンなどの化学発光マーカー、ルシフェラーゼおよびルシフェリンなどの生物発光マーカー、または同等に放射性マーカーが挙げられる。
【0212】
生物学的に活性な化合物とは、ここでは、細胞活性、特に、それらの成長、それらの増殖、遺伝子転写または翻訳を調節、特に阻害し得るいずれかの化合物を表すものとする。
【0213】
本明細書において、薬学上許容されるビヒクルとは、二次反応を起こさず、例えば、それによって有効化合物の投与が容易となり得る、または生物体内でのその寿命および/またはその有効性が増強され得る、または溶液中でのその溶解度が高まり得る、または同等にその保存性が向上し得る医薬組成物に入る化合物または化合物の組合せを表すものとする。これらの薬学上許容される担体は周知のものであり、選択された有効化合物の性質および投与方法に応じて当業者が適合させる。
【0214】
好ましくは、これらの化合物は、全身投与(特に静脈経路を介して)、筋肉内、皮内、腹腔内または皮下経路を介して投与、または経口投与される。より好ましくは、本発明の抗体を含む組成物は繰り返し、経時的拡散投与される。
【0215】
それらの投与方法、投与形および最適な生薬形は、例えば、患者の年齢または体重、その症状の重篤度、処置に対する許容性および報告されている副作用について、患者に適した処置を確立することを全般的に考慮した基準に従って決定することができる。
【0216】
本発明の他の特徴および利点は、以下に示される、説明文を含む実施例および図面とともに以下の説明で明らかになる。
【0217】
最後に、本発明の最後の態様によれば、耐性現象に関与する新規な治療および/または診断上の細胞内または細胞外標的を同定するための本発明の方法の使用が意図される。
【0218】
最後に、耐性現象に関与する新規な治療および/または診断上の細胞内または細胞外標的を同定するための該方法は、モノクローナル抗体を得た後に、その化合物、特に、該モノクローナル抗体により認識されるタンパク質を同定するために上記のような本発明の方法を適用することからなることを特徴とする。
【0219】
このような化合物、特にタンパク質の同定は、例えば、細胞溶解液の免疫沈降および/または免疫精製ならびに標準的なプロテオミクス技術と組み合わせたウエスタンブロット法によるタンパク質同定など、当業者に公知のいずれかの技術によって行うことができる。
【0220】
以下の図面および実施例の説明文は、その範囲を何ら限定することなく、本発明を説明することを意図する。
【図面の簡単な説明】
【0221】
【図1】h4D5、225および7C10三剤療法の後の腫瘍体積の経時的推移を示し、このような処置に対する耐性の発現を示す。
【図2】第一の例示的形態において、本発明の実施形態の説明図を示す。 1:対照腫瘍のサンプル採取と二分割。 2:マウスの寛容化。感作用の細胞の調製:溶解液、細胞懸濁液など。シクロホスファミドまたは別の寛容化剤の腹腔内注射による寛容化。 3:IHCスクリーニング用のスライド:腫瘍の凍結と包埋。標識用スライド=陰性対照スライドの作製。 4:耐性腫瘍のサンプル採取と二分割。 5:感作用の細胞の調製:溶解液、細胞懸濁液など。 6:腫瘍の凍結と包埋:標識用スライド=試験スライドの作製。 7:対照腫瘍のサンプル採取。 8:マウスの感作:対照腫瘍からの細胞調製。 9:対照IHCスライド。 10:免疫抑制剤の注射による寛容化。 11:天然細胞に対する免疫応答の欠如を調べるための血清のサンプル採取。 12:耐性腫瘍のサンプル採取。 13:寛容化マウスの感作:耐性腫瘍からの細胞調製。 14:IHCスライドの試験。 15:IHC腫瘍と耐性腫瘍の標識のための血清のサンプル採取。 16:ハイブリドーマの選択:対照腫瘍スライドには標識は存在せず、耐性腫瘍は陽性標識(間質細胞には標識は存在せず、腫瘍細胞は標識)。
【図3】本発明の方法の一実施形態を、ここでは模式図で示す。
【図4】寛容化および感作に用いた腫瘍から作製した「組織アレイ」型のスライド上の、本発明の抗体のプロフィールを示す。
【図5】結腸異種移植モデルHT29における抗体1A6および2E11の抗腫瘍活性の評価を示す。
【図6a】抗体1A6、1A9、2E11、3C11および3G7の重鎖および軽鎖の各配列を示す。各CDRが下線と太字で示されている。
【図6b】抗体1A6、1A9、2E11、3C11および3G7の重鎖および軽鎖の各配列を示す。各CDRが下線と太字で示されている。
【図6c】抗体1A6、1A9、2E11、3C11および3G7の重鎖および軽鎖の各配列を示す。各CDRが下線と太字で示されている。
【図6d】抗体1A6、1A9、2E11、3C11および3G7の重鎖および軽鎖の各配列を示す。各CDRが下線と太字で示されている。
【図6e】抗体1A6、1A9、2E11、3C11および3G7の重鎖および軽鎖の各配列を示す。各CDRが下線と太字で示されている。
【図7】膵臓異種移植モデルBxPC3における抗体2E11の抗腫瘍活性の評価を示す。
【実施例】
【0222】
実施例1:抗IGF−IR、EGFRおよびHer/2neu療法に対する腫瘍細胞A549の耐性の実証
A549細胞をマウスに移植した。腫瘍を移植した際、マウスを次の抗体:すなわちh4D5(ICR, Institut Claude Regaud, service pharmacie, 20-24, rue du Pont Saint-Pierre, 31052 Toulouseにより提供されたヘルセプチン)、225(ATCC番号HB−8508)および7C10各300μgを含む混合物で1週間に2回処置した。
【0223】
1週目の処置後間もなく、あるマウスで腫瘍が完全に消失するまでに腫瘍増殖の退縮が見られる。腫瘍の完全な、または部分的な退縮が見られても処置を続ける。
【0224】
その後、処置を続けているにもかかわらず、腫瘍の再出現が見られ、三剤療法に耐性のある腫瘍が生じたことを示す。
【0225】
一例を図1に示すが、これは、15日目までに腫瘍が退縮し、15日目から耐性の発達を示す腫瘍が再出現したことを示している。
【0226】
実施例2:抗IGF−1R、EGFRおよびHer/2neuの組合せ療法に対する耐性に関連する抗原に対する活性モノクローナル抗体の作製
A549細胞を各10匹の2群のマウスに移植した。1つの群には週2回、PBS注射を施した。もう1つの群はそれぞれIGF−1R、EGFRおよびHer/2neu受容体に対する抗体(7C10、225およびh4D5)の組合せで処置した。この抗体の組合せは腫瘍の退縮を引き起こし、処置動物の60%で腫瘍が消失するに至る。この著しい効果にもかかわらず、総ての動物で腫瘍が再発する。
【0227】
A549腫瘍を、PBSで処置した動物で100〜200mmに達した際に採取する。
【0228】
これらの各腫瘍を二分割し、一方は「組織アレイ」型の免疫組織化学スライドを作製する目的で低温凍結させ、他方はBALB/cマウスを寛容化するために用いる。この寛容化は、腫瘍由来の細胞の粉砕ホモジネートを腹腔内注射した後にシクロホスファミドを投与することによって行い、非処置「親」A549腫瘍に対する応答を完全に無効にする目的を持つ。この腫瘍の再発の際、この場合も腫瘍が100〜200mmの間の体積に達した際にサンプル採取する。その後、それらを二等分する。一方を、PBS対照腫瘍に関して上記したように「組織アレイ」型の免疫組織化学スライドを作製する目的で低温凍結させる。もう一方を用いて粉砕ホモジネートを作製し、予め寛容化したマウスに非処置A549腫瘍を感作させる。これらのマウス総てに、三剤療法に耐性のある腫瘍の粉砕ホモジネートを3回腹腔内注射する(1回目の注射は完全フロイントアジュバント、その後の注射はフロイントの不完全アジュバントをアジュバントとする)。
【0229】
次に、細胞融合を行い、この融合から得られたハイブリドーマを、予め作製した「組織アレイ」型スライド上での免疫組織化学にてスクリーニングする。
【0230】
耐性腫瘍を認識するが、対照群PBS由来の腫瘍もin vivoで腫瘍を確立させるために用いた天然A549細胞由来の腫瘍も認識しない抗体を分泌するハイブリドーマをクローニングし、凍結させる。次に、これらの抗体を腹水中で産生させ、精製し、免疫組織化学にて再試験した後、in vivoにてこれらの抗体により認識される表面構造または抗原を発現する細胞に対して試験を行う(これらの細胞は各抗体に関して得られる腫瘍の非網羅的パネルのFACSCAN分析によって予め選択されたものである)。
【0231】
図4は、保持された抗体のプロフィールを示す。
【0232】
それに関して下記の表6は、これらの抗体によって認識された細胞群を示す(種々の細胞系統の、FACSCAN装置を用いた組織学にて選択された抗体の認識)。
【0233】
【表6】

【0234】
実施例3:結腸異種移植モデルHT29における本発明に従って作製された抗体(より詳しくは1A6および2E11)の抗腫瘍活性の評価
5.10のHT29細胞を「スイスヌード」マウスに移植する。移植5日後、腫瘍は測定可能となり、これらのマウスを均一な大きさの腫瘍を持つ6匹ずつの3群に分ける。これらのマウスをPBS(陰性対照)か0.5mgの抗体1A6または2E11のいずれかで1週間に3回処置する(最初の投与注射量は1mg/マウス)。
【0235】
腫瘍体積の追跡を1週間に2回行い、腫瘍耐性は下式に従って便宜にコンピューター計算されることが知られている:
(π/6)×(l)×(L)×(e)
(式中、l=幅の測定値、L=長さの測定値、およびe=厚さの測定値)。
【0236】
結果を図5に示す。
【0237】
HT29細胞は急速進行性の表現型であるとみなすことができる。得られた結果は、急速進行性の表現型を有する腫瘍の処置のための抗腫瘍化合物として、抗腫瘍組成物により処置された腫瘍に由来し、かつ、それに耐性のある腫瘍細胞の抗原に直接対応する抗体を使用できる可能性を示す。
【0238】
この実験で得られた結果により、抗体を作製するという元々のアプローチおよびマウスにおいて誘発された耐性から治療目的で抗体を作製するという概念が確認された。この方法は同様に進めることによって、単独または組み合わせた、または抗体もしくはチロシンキナーゼ阻害剤もしくはプロテアソーム阻害剤と組み合わせた化学療法薬をはじめとする、薬剤の他のいずれの組合せにも適用することができる。
【0239】
実施例4:膵臓異種移植モデルBxPC3における本発明に従って作製された抗体2E11の抗腫瘍活性の評価
10.10のBxPC3細胞を無胸腺「ヌード」マウスに移植する。移植5日後、腫瘍は測定可能となり、これらのマウスを均一な大きさの腫瘍を持つ6匹ずつの2群に分ける。これらのマウスをPBS(陰性対照)か抗体2E11(1mg/1回)のいずれかで1週間に2回処置する。腫瘍体積を1週間に2回追跡する。
【0240】
結果を図7に示す。
【0241】
この実験で得られた結果により、抗体2E11の機能的活性、また、マウスにおいて誘発された耐性から治療目的で抗体を作製するという概念が確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの抗腫瘍化合物に耐性のある腫瘍の腫瘍細胞の表面で発現される腫瘍抗原に対する、抗体またはその機能的フラグメントの1つを、in vitroにおいて感作させ、作製するための、少なくとも1つの抗腫瘍化合物に耐性のある腫瘍に由来する粉砕ホモジネートおよび/または懸濁液および/または細胞溶解液の使用であって、
ここで、この腫瘍抗原はその前記耐性腫瘍が由来する天然腫瘍の腫瘍細胞の表面では発現されず、この腫瘍抗原は抗腫瘍化合物に対するその腫瘍の耐性に関連する可能性がある、使用。
【請求項2】
前記耐性腫瘍が、耐性が誘発されている少なくとも1つの抗腫瘍化合物による治療処置を受けているか、または受けた、患者の生検および/または外科術により直接得られる、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記耐性腫瘍が、動物に腫瘍系統および/またはヒト腫瘍全体もしくは一部を移植した後、耐性の誘発が望まれる少なくとも1つの抗腫瘍化合物の注射によってこの動物を処置することで誘発される、請求項1に記載に記載の使用。
【請求項4】
前記の少なくとも1種類の抗腫瘍化合物が、化学療法薬、放射線療法薬、ホルモン療法薬、チロシンキナーゼ阻害剤のような化学分子、または抗体から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
前記の少なくとも1つの抗腫瘍化合物が、性質が異なり、かつ/または作用機序が異なり、かつ/または異なるタンパク質を標的とする少なくとも2つ化合物、優先的には少なくとも3つの化合物からなる、請求項4に記載の使用。
【請求項6】
少なくとも1つの抗腫瘍化合物に耐性のある腫瘍の表面で発現される腫瘍抗原に対する抗体またはそのフラグメントの1つをin vitroで作製する方法であって、
該耐性腫瘍に由来する粉砕ホモジネートおよび/または懸濁液および/または細胞溶解液を動物に直接感作させることからなる工程、および耐性腫瘍を認識するがその耐性腫瘍が由来する天然腫瘍は認識しない抗体を選択することからなる工程を含む、方法。
【請求項7】
前記感作が、腹腔内注射および/または皮下注射および/または静脈内注射および/または脾臓内注射によって行われる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記耐性腫瘍が、腫瘍耐性が誘発されている少なくとも前記の抗腫瘍化合物による治療処置を受けているか、または受けた、患者の生検および/または外科術により直接得られる、請求項6または請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記耐性腫瘍が、動物に腫瘍系統および/またはヒト腫瘍全体もしくは一部を移植した後、天然腫瘍耐性の誘発が望まれる少なくとも1つの抗腫瘍化合物の投与によってこの動物を処置することで誘発される、請求項6または請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記耐性腫瘍の表面で発現される腫瘍抗原に対する抗体またはその機能的フラグメントの1つがモノクローナル抗体である、請求項6〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記抗体またはその機能的フラグメントの1つがIgG、IgA、IgM、IgDまたはIgEの群から選択される免疫グロブリンである、請求項6〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記抗体またはその機能的フラグメントの1つがγ1、γ2またはγ4イソ型のIgGである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記機能的フラグメントがFv、Fab、(Fab’)、Fab’、scFv、scFv−Fcフラグメントおよびダイアボディー、または、ペグ化(pegylated)フラグメントのような、その寿命が延長されたいずれかのフラグメントから選択される、請求項6〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
次の工程:
i)耐性腫瘍に由来する粉砕ホモジネートおよび/または懸濁液および/または細胞溶解液を動物に直接感作させる工程、
ii)工程i)で感作させた動物の脾臓細胞を骨髄腫細胞と融合させてハイブリドーマを得る工程、および
iii)示差的選択により、抗腫瘍処置により誘発される発現であって、耐性腫瘍の腫瘍細胞の表面で発現される抗原を特定に認識する抗体を分泌するハイブリドーマを選択する工程
を含む、請求項6〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
工程i)の前に、次の工程:
a)腫瘍系統および/または親腫瘍全体または一部を選択し、動物に移植する工程、
b)これらの被移植動物の一部を少なくとも1つの抗腫瘍化合物で処置する工程、
c)工程a)で移植を受けた被処置動物から親腫瘍全体または一部を取り出す工程;
d)工程b)で処置を受けた動物から耐性腫瘍全体または一部を回収する工程、
e)工程c)およびd)でそれぞれ全体的にまたは部分的に回収された腫瘍から抗体を示差的に選択するための手段を作製する工程、および
f)工程d)で全体的にまたは部分的に回収された耐性腫瘍に由来する粉砕ホモジネートおよび/または細胞溶解液を調製する工程
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記腫瘍系統および/または親腫瘍が、肺、結腸、前立腺、乳房、卵巣腫瘍細胞または処置に対する耐性が確認されているいずれかの腫瘍の群から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記の少なくとも1種類の抗腫瘍化合物が、化学療法薬、放射線療法薬、ホルモン療法薬、チロシンキナーゼ阻害剤のような化学分子、または抗体から選択される、請求項6〜16のいずれか一項に記載の使用。
【請求項18】
前記少なくとも1つの抗腫瘍化合物が優先的にモノクローナル抗体からなる、請求項6〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記抗体がモノクローナル抗体であり、それが直接、増殖因子受容体、脈管形成に関連する分子、または同等に細胞移動現象に関連するケモカインおよびインテグリンに対する抗体またはそれらの機能的フラグメントの群から選択される、請求項6〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記の少なくとも1つの抗腫瘍化合物が、性質が異なり、かつ/または作用機序が異なり、かつ/または異なるタンパク質を標的とする少なくとも2つの抗腫瘍化合物、優先的には少なくとも3つの抗腫瘍化合物の組合せからなる、請求項6〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記の抗腫瘍化合物の組合せがモノクローナル抗体またはそれらの機能的フラグメントの組合せからなる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記のモノクローナル抗体またはその機能的フラグメントの組合せが、抗IGF−IR、抗EGFR、抗Her/2neu、抗VEGF、抗VEGFR、抗CXCR、抗cMET、抗RON抗体から選択される抗体の組合せからなる、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記組合せが抗IGF−IR抗体、抗EGFR抗体および抗Her/2neu抗体の組合せからなる、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記組合せがモノクローナル抗体7C10、225およびh4D5の組合せからなる、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
天然腫瘍細胞の抗原を認識しない抗体を分泌するハイブリドーマを選択するための前記工程iii)が、天然腫瘍と耐性腫瘍の間のハイブリドーマにより分泌される抗体の示差的スクリーニングによって達成される、請求項14〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記示差的スクリーニングが請求項15に記載の方法の工程e)で得られた手段を適用することにより達成される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
工程i)の前に付加的な寛容化工程を含む、請求項15〜26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記寛容化工程が
前記動物を工程c)に由来するいわゆる「天然」腫瘍から得られた粉砕ホモジネートおよび/または懸濁液および/または細胞溶解液を投与すること、および
前記工程の投与により活性化されたB細胞を除去するためにこれらの動物を免疫抑制剤で処理し、それにより該いわゆる「天然」腫瘍に対する潜在的応答を阻害すること
からなる、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
抗腫瘍化合物に対する腫瘍の耐性を阻害し得る抗体またはその機能的フラグメントの1つをin vitroで作製および選択する方法であって、または、
少なくとも1つの抗腫瘍化合物に耐性のある腫瘍の表面で発現される腫瘍抗原であって、抗腫瘍化合物に対するその腫瘍の耐性に関連する腫瘍抗原、に対する抗体またはその機能的フラグメントの1つをin vitroで作製および選択する方法であって、
a)請求項6〜26のいずれか一項に記載の抗体またはその機能的フラグメントの1つをin vitroで作製および選択する方法、ここで、該抗体は耐性腫瘍の表面で特異的に発現される腫瘍抗原に対するものであり、該腫瘍抗原はその耐性腫瘍が由来する天然腫瘍の細胞の表面では発現されない;
b)工程a)で得られた抗体をin vitroまたはin vivoにおいて抗腫瘍化合物に耐性のある腫瘍と接触させること;および
c)抗腫瘍化合物に対する腫瘍の耐性に対するこの抗体の阻害作用が示されれば、その抗体を選択すること
を含む、方法。
【請求項30】
治療および/または診断用モノクローナル抗体を作製するための、請求項6〜29のいずれか一項に記載の方法の使用。
【請求項31】
請求項14〜29のいずれか一項に記載の方法を適用することにより得られる、モノクローナル抗体またはその機能的フラグメントの1つ。
【請求項32】
前記機能的フラグメントがFv、Fab、(Fab’)、Fab’、scFv、scFv−Fcフラグメントおよびダイアボディー、またはペグ化フラグメントのような、その寿命が延長されたいずれかのフラグメントから選択される、請求項31に記載のモノクローナル抗体。
【請求項33】
配列番号1、2および3の配列のCDR領域を含むか、またはそれらの配列が最適なアライメントの後に配列番号1、2および3の配列と少なくとも80%の同一性を有する軽鎖と、
配列番号4、5および6の配列のCDR領域を含むか、またはそれらの配列が最適なアライメントの後に配列番号4、5および6の配列と少なくとも80%の同一性を有する重鎖
を含む、請求項31または32に記載のモノクローナル抗体またはその機能的フラグメントの1つ。
【請求項34】
1A6と呼ばれ、配列番号7の配列を含む重鎖配列を含み、かつ、配列番号8の配列を含む軽鎖を含む、請求項33に記載の抗体。
【請求項35】
請求項33または34のいずれか一項に記載の抗体を分泌し得るネズミハイブリドーマ。
【請求項36】
2006年5月31日にCNCM(Collection Nationale de Cultures de Microorganismes, Institut Pasteur, Paris (France))にNo.I−3612として寄託された、請求項35に記載のネズミハイブリドーマ。
【請求項37】
配列番号9、10および11の配列のCDR領域を含むか、またはそれらの配列が最適なアライメントの後に配列番号9、10および11の配列と少なくとも80%の同一性を有する軽鎖と、
配列番号12、13および14の配列のCDR領域を含むか、またはそれらの配列が最適なアライメントの後に配列番号12、13および14の配列と少なくとも80%の同一性を有する重鎖
を含む、請求項31または32に記載のモノクローナル抗体またはその機能的フラグメントの1つ。
【請求項38】
1A9と呼ばれ、配列番号15の配列を含む重鎖配列を含み、かつ、配列番号16の配列を含む軽鎖を含む、請求項37に記載の抗体。
【請求項39】
請求項37または38のいずれか一項に記載の抗体を分泌し得るネズミハイブリドーマ。
【請求項40】
2006年5月31日にCNCM(Collection Nationale de Cultures de Microorganismes, Institut Pasteur, Paris (France))にNo.I−3613として寄託された、請求項39に記載のネズミハイブリドーマ。
【請求項41】
配列番号17、18および19の配列のCDR領域を含むか、またはそれらの配列が最適なアライメントの後に配列番号17、18および19の配列と少なくとも80%の同一性を有する軽鎖と、
配列番号20、21および22の配列のCDR領域を含むか、またはそれらの配列が最適なアライメントの後に配列番号20、21および22の配列と少なくとも80%の同一性を有する重鎖
を含む、請求項31または32に記載のモノクローナル抗体またはその機能的フラグメントの1つ。
【請求項42】
2E11と呼ばれ、配列番号23の配列を含む重鎖配列を含み、かつ、配列番号24の配列を含む軽鎖を含む、請求項41に記載の抗体。
【請求項43】
請求項41または42のいずれか一項に記載の抗体を分泌し得るネズミハイブリドーマ。
【請求項44】
2006年5月31日にCNCM(Collection Nationale de Cultures de Microorganismes, Institut Pasteur, Paris (France))にNo.I−3615として寄託された、請求項43に記載のネズミハイブリドーマ。
【請求項45】
配列番号25、26および27の配列のCDR領域を含むか、またはそれらの配列が最適なアライメントの後に配列番号25、26および27の配列と少なくとも80%の同一性を有する軽鎖と、
配列番号28、29および630配列のCDR領域を含むか、またはそれらの配列が最適なアライメントの後に配列番号28、29および30の配列と少なくとも80%の同一性を有する重鎖
を含む、請求項31または32に記載のモノクローナル抗体またはその機能的フラグメントの1つ。
【請求項46】
3Cllと呼ばれ、配列番号31の配列を含む重鎖配列を含み、かつ、配列番号32の配列を含む軽鎖を含む、請求項45に記載の抗体。
【請求項47】
請求項45または46のいずれか一項に記載の抗体を分泌し得るネズミハイブリドーマ。
【請求項48】
2006年5月31日にCNCM(Collection Nationale de Cultures de Microorganismes, Institut Pasteur, Paris (France))にNo.I−3614として寄託された、請求項47に記載のネズミハイブリドーマ。
【請求項49】
配列番号33、34および35の配列のCDR領域を含むか、またはそれらの配列が最適なアライメントの後に配列番号33、34および35の配列と少なくとも80%の同一性を有する軽鎖と、
配列番号36、37および38の配列のCDR領域を含むか、またはそれらの配列が最適なアライメントの後に配列番号36、37および38の配列と少なくとも80%の同一性を有する重鎖
を含む、請求項31または32に記載のモノクローナル抗体またはその機能的フラグメントの1つ。
【請求項50】
3G7と呼ばれ、配列番号39の配列を含む重鎖配列を含み、かつ、配列番号40の配列を含む軽鎖を含む、請求項49に記載の抗体。
【請求項51】
請求項49または50のいずれか一項に記載の抗体を分泌し得るネズミハイブリドーマ。
【請求項52】
2006年5月31日にCNCM(Collection Nationale de Cultures de Microorganismes, Institut Pasteur, Paris (France))にNo.I−3616として寄託された、請求項51に記載のネズミハイブリドーマ。
【請求項53】
前記機能的フラグメントがFv、Fab、(Fab’)、Fab’、scFv、scFv−Fcフラグメントおよびダイアボディー、またはペグ化フラグメントのような、その寿命が延長されたいずれかのフラグメントから選択される、請求項31〜34、37、38、41、42、45、46、49または50に記載の抗体。
【請求項54】
前記抗体が請求項36、40、44、48または52に記載のハイブリドーマにより分泌される、抗体またはその機能的フラグメントの1つ。
【請求項55】
前記抗体がキメラ抗体であり、マウスとは異種の種の抗体に由来する定常軽鎖および重鎖領域をさらに含む、請求項31〜34、37、38、41、42、45、46、49または50に記載の抗体またはその機能的フラグメントの1つ。
【請求項56】
前記抗体が、キメラ抗体であり、および前記異種がヒト種である、請求項55に記載の抗体またはその機能的フラグメントの1つ。
【請求項57】
ヒト抗体に由来する軽鎖および重鎖定常領域がそれぞれκおよびγ1、γ2またはγ4領域である、請求項56に記載の抗体またはその機能的フラグメントの1つ。
【請求項58】
前記抗体がヒト化抗体であり、軽鎖および/または重鎖を含み、前記軽鎖および/または重鎖の骨格セグメントFR1〜FR4がヒト抗体の軽鎖および/または重鎖のそれぞれ骨格セグメントFR1〜FR4に由来している、請求項55〜57に記載の抗体またはその機能的フラグメントの1つ。
【請求項59】
次の核酸:
a)請求項33、34、37、38、41、42、45、46、49または50のいずれか一項に記載の抗体またはその機能的フラグメントの1つをコードする核酸、DNAまたはRNA;
b)a)で定義された核酸に相補的な核酸;
c)配列番号41〜46、49〜54、57〜62、65〜70、73〜78の配列の少なくとも1つのCDRと、または最適なアライメントの後に配列番号41〜46、49〜54、57〜62、65〜70、73〜78の配列と少なくとも80%の同一性を有する配列と強いストリンジェンシー条件下でハイブリダイズし得る少なくとも18ヌクレオチドの核酸;および
d)配列番号48、56、64、72もしくは80の配列の少なくとも1つの軽鎖および/または配列番号47、55、63、71もしくは79の配列の重鎖の1つと、あるいは最適なアライメントの後に配列番号47、48、55、56、63、64、71、72、79または80の配列と少なくとも80%の同一性を有する配列と強いストリンジェンシー条件下でハイブリダイズし得る少なくとも18ヌクレオチドの核酸
から選択される、単離された核酸。
【請求項60】
請求項59に記載の核酸を含む、ベクター。
【請求項61】
請求項60に記載のベクターを含む、宿主細胞。
【請求項62】
請求項61に記載のベクターにより形質転換された細胞を含む、ヒト以外のトランスジェニック動物。
【請求項63】
抗体またはその機能的フラグメントの1つを産生する方法であって、
次の工程:
a)培地中、好適な培養条件下で請求項61に記載の細胞を培養する工程;および
b)それにより培養培地から、または培養細胞から前記抗体またはその機能的フラグメントの1つを回収する工程
を含む、請求項33、34、37、38、41、42、45、46、49または50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
薬剤としての請求項31〜34、37、38、41、42、45、46、49、50または53〜58のいずれか一項に記載の抗体またはその機能的フラグメントの1つ。
【請求項65】
請求項31〜34、37、38、41、42、45、46、49、50、53〜58または64のいずれか一項に記載の抗体またはその機能的フラグメントの1つ、あるいは請求項35、36、39、40、43、44、47、48、51または52のいずれか一項に記載のハイブリドーマにより産生された抗体またはその機能的フラグメントの1つからなる化合物を有効成分として含む組成物。
【請求項66】
同時使用、個別使用または経時的拡散使用のための組合せ製品として化学療法薬、放射線療法薬または抗体をさらに含む、請求項65に記載の組成物。
【請求項67】
薬剤としての請求項65または請求項66に記載の組成物。
【請求項68】
癌の予防または治療を意図した薬剤を製造するための、請求項64に記載の抗体および/または請求項67に記載の組成物の使用。
【請求項69】
癌が、結腸癌、前立腺癌、乳癌、肺癌、卵巣癌または膵臓癌から選択される、耐性種の癌である、請求項68に記載の使用。
【請求項70】
耐性腫瘍および/または後期に見られる腫瘍に生物学的に活性な化合物を特異的にターゲッティングすることを意図した薬剤の製造のための、請求項31〜34、37、38、41、42、45、46、49、50、53〜58もしくは64のいずれか一項に記載の抗体またはその機能的フラグメントの1つ、または請求項35、36、39、40、43、44、47、48、51もしくは52のいずれか一項に記載のハイブリドーマにより産生された抗体の使用。
【請求項71】
耐性現象に関連する新規な治療標的および/または診断標的を細胞内または細胞外のいずれかで同定する方法であって、モノクローナル抗体を得た後、該モノクローナル抗体により認識されるタンパク質を同定するために、請求項1〜29のいずれか一項に記載の方法を適用することを含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図6d】
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【図6e】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−504743(P2010−504743A)
【公表日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−529701(P2009−529701)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際出願番号】PCT/EP2007/060243
【国際公開番号】WO2008/046724
【国際公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願人】(500033483)ピエール、ファーブル、メディカマン (73)
【Fターム(参考)】