説明

耐熱性超極細繊維状分離膜及びそれを利用した二次電池

本発明による耐熱性超極細繊維状分離膜は、エレクトロスピニング方法により製造され、融点が180℃以上であるか又は融点がない耐熱性高分子樹脂の超極細繊維からなるか、又は前記耐熱性高分子樹脂の超極細繊維と共に、電解液で膨潤が起こる高分子樹脂の超極細繊維からなる。また、閉鎖機能を付与できるポリオレフィン微細粒子が前記耐熱性樹脂又は前記電解液で膨潤が起こる高分子樹脂に分散している。本発明による耐熱性超極細繊維状分離膜は、閉鎖機能を有し、熱収縮が小さくて耐熱性を有し、優れたイオン伝導度及び電極との接着性を有するので、電池構成時に優れたサイクル特性を有し、かつ高エネルギー密度及び高容量を有する電池を製造することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐熱性超極細繊維状分離膜に関し、特に閉鎖機能(shut-down function)と優れた耐熱性及び優れたイオン透過性を有し、それにより優れた充放電特性を有する耐熱性超極細繊維状分離膜、並びにそれを利用した電気化学素子に関する。
【背景技術】
【0002】
電気製品のデジタル化や高性能化などにより消費者のニーズが変化するにつれて、高エネルギー密度による高容量の薄型及び軽量電池の開発へと流れが変わりつつある。また、将来のエネルギー及び環境問題に対処するために、ハイブリッド電気自動車、電気自動車及び燃料電池自動車の開発が活発に行われており、自動車電源用に電池の大型化が要求されている。
【0003】
高エネルギー密度及び大容量のリチウムイオン二次電池、リチウムイオン高分子電池、スーパーキャパシタ(電気二重層キャパシタ及び疑似(pseudo)キャパシタ)を含む二次電池は、相対的に高い作動温度範囲を有するべきである。二次電池は、高率充放電状態で継続して使用されると電池の温度が上昇するので、このような電池に使用される分離膜には、通常の分離膜よりも高い耐熱性及び熱安定性が要求される。さらに、急速充放電や低温に対応できる高いイオン伝導度などの優れた電池特性が要求される。
【0004】
分離膜は、絶縁のために電池の陽極と陰極との間に位置し、電解液を保持してイオン伝導の通路を提供し、電池の温度が高すぎると電流を遮断するために分離膜の一部が溶融することで気孔を閉塞する閉鎖機能を有する。
【0005】
さらに温度が上昇して分離膜が溶融すると、大きいホールが生成され、陽極と陰極との間で短絡が発生する。この温度を「短絡温度(short circuit temperature)」という。一般に、分離膜は、低い閉鎖温度とより高い短絡温度を有するべきである。ポリエチレン分離膜の場合、電池の異常発熱時、150℃以上の温度で収縮して電極部位が露出し、短絡を引き起こす可能性がある。
【0006】
従って、高エネルギー密度及び大型の二次電池のために、閉鎖機能と耐熱性の両方を有することが非常に重要である。すなわち、優れた耐熱性により熱収縮が小さく、高いイオン伝導度により優れたサイクル性能を有する分離膜が必要である。
【0007】
ポリオレフィン分離膜及び液体電解液を使用する既存のリチウムイオン二次電池、又はゲル高分子電解質膜若しくはポリオレフィン分離膜にゲルコーティングを施した高分子電解質を使用する既存のリチウムイオン高分子電池は、高エネルギー密度及び高容量の電池に利用するには耐熱性の面で非常に不足している。従って、自動車用などの高容量及び大面積の電池に要求される耐熱性は、安全性の要求を満たしていない。
【0008】
このような問題を解決するために、米国特許公開公報2006/0019154 A1においては、ポリオレフィン系分離膜を、融点180℃以上のポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド溶液に含浸させた後、凝固液に浸漬し、溶媒を抽出して多孔性耐熱性樹脂薄層を接着した耐熱性ポリオレフィン分離膜を提示し、熱収縮が小さくて優れた耐熱性及び優れたサイクル性能を有することを特許請求している。溶媒抽出により耐熱性薄層に多孔性を付与し、使用されるポリオレフィン分離膜も通気度(air permeability)が200秒/分以下のものに限られている。
【0009】
特開2005−209570号公報においても、高エネルギー密度化及び大型化時に十分な安全性を確保するために、200℃以上の溶融点を有する芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミドなどの耐熱性樹脂溶液をポリオレフィン分離膜の両面に塗布し、これを凝固液に浸漬、水洗、乾燥することにより、耐熱性樹脂を接着したポリオレフィン分離膜を提示している。イオン伝導度の低下を低減するために、多孔性を付与するための相分離剤が耐熱性樹脂溶液に含有され、耐熱性樹脂層も0.5〜6.0g/mに限られている。
【0010】
しかし、耐熱性樹脂への浸漬は、ポリオレフィン分離膜の気孔を閉塞してリチウムイオンの移動を制限し、これにより充放電特性の低下が発生するので、耐熱性を確保したとしても自動車用などの大容量電池の要求は満たしていない。また、耐熱性樹脂への浸漬によりポリオレフィン多孔膜の気孔構造が閉塞されないとしても、普遍的に使用されるポリオレフィン分離膜の気孔率は約40%であり、気孔サイズも数十nmであるので、大容量電池のためのイオン伝導度に限界がある。
【0011】
米国特許6,447,958 B1においては、セラミック粉末と耐熱性窒素含有芳香族高分子とを有機溶媒に溶解して分散させて生成したスラリーを、支持体としてポリオレフィン、レーヨン、ビニロン、ポリエステル、アクリル、ポリスチレン、ナイロンなどの多孔性織布、不織布、紙、多孔性フィルムなどにコーティングした後、溶媒を除去して耐熱性分離膜を製造することを提示している。しかし、耐熱性高分子層を導入する工程において、耐熱性樹脂の塗布及び凝固液への浸漬、水洗、乾燥を含む、多孔性耐熱樹脂層を製造する工程が非常に複雑であり、コストが大きく増大するという問題がある。
【0012】
特開2001−222988号公報及び特開2006−59717号公報においては、融点150℃以上のポリアラミド、ポリイミドの織布、不織布、布、多孔性フィルムなどに、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエーテル、ポリビニリデンなどの高分子ゲル電解質を含浸させるか又は塗布することにより、耐熱性電解質膜を製造している。しかし、この場合も、要求される耐熱性は満たすとしても、イオン伝導の面においては、支持体又は耐熱性芳香族高分子層でのイオン移動が、既存のリチウムイオン電池の分離膜又はゲル電解質の場合と同様に、依然として限られている。
【0013】
従って、前述した従来の特許技術においては、依然として耐熱性とイオン伝導性を同時に満たしておらず、分離膜の閉鎖機能に関しては言及がなく、耐熱性や急速充放電などの苛酷条件下で優れた性能が要求される自動車用などの高エネルギー密度及び大容量の電池としてはまだ十分でない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、閉鎖機能を有し、熱収縮が小さくて耐熱性を有し、優れたイオン伝導度及び電極との接着性を有するので、電池構成時に優れたサイクル特性を有し、かつ高エネルギー密度及び高容量を有するリチウムイオン二次電池、リチウムイオン高分子電池、スーパーキャパシタを含む二次電池に使用される分離膜、並びにそれを利用した二次電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的を達成するための本発明の一態様による耐熱性超極細繊維状分離膜は、融点が180℃以上であるか又は融点がない耐熱性高分子物質が、エレクトロスピニング(electrospinning)による繊維相に存在することを特徴とする。
【0016】
この場合、前記分離膜は、電解液で膨潤が起こる膨潤性高分子物質のエレクトロスピニングによる繊維相をさらに含むことが好ましい。
【0017】
また、前記エレクトロスピニングは、エレクトロブローイング(electro-blowing)、メルトブローン(meltblown)、又はフラッシュ紡糸(flash spinning)を含む。
【0018】
また、前記分離膜は、ポリオレフィン系微細粒子をさらに含んでもよい。
【0019】
一方、上記の目的を達成するための本発明の他の態様による二次電池は、異なる2つの電極と、前記2つの電極間に介在し、融点が180℃以上であるか又は融点がない耐熱性高分子物質がエレクトロスピニングによる繊維相に存在する耐熱性超極細繊維状分離膜と、電解質とを含むことを特徴とする。
【0020】
この場合、前記分離膜は、電解液で膨潤が起こる膨潤性高分子物質のエレクトロスピニングによる繊維相をさらに含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明による耐熱性超極細繊維状分離膜は、閉鎖機能を有し、熱収縮が小さくて耐熱性を有し、優れたイオン伝導度及び電極との接着性を有するので、電池構成時に優れたサイクル特性を有し、かつ高エネルギー密度及び高容量を有する電池を製造することができる。エレクトロスピニング法を用いて超極細繊維層を形成すると共に溶媒除去及び気孔形成が行われるため、従来技術に比べて非常に単純で簡便な工程で製造することができる。
【0022】
従って、本発明による耐熱性超極細繊維状分離膜は、ハイブリッド電気自動車、電気自動車及び燃料電池自動車などのように、高い耐熱性及び熱安定性が要求される電気化学素子(リチウムイオン二次電池、リチウムイオン高分子電池、スーパーキャパシタを含む二次電池)に特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態によるエレクトロスピニングによる耐熱性超極細繊維状分離膜の製造工程図である。
【図2】本発明の一実施形態によりエレクトロスピニングで製造したポリ(メタ−フェニレンイソフタルアミド)超極細繊維状分離膜の表面のSEM写真である。
【図3】本発明の一実施形態による耐熱性超極細繊維状分離膜を利用した二次電池の製造工程図である。
【図4】ポリエチレン多孔膜及び耐熱性高分子超極細繊維状分離膜(実施例1−2)の熱的挙動を示すグラフである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して本発明による耐熱性超極細繊維状分離膜の実施態様を詳細に説明する。
【0025】
本発明は、閉鎖機能を有し、熱収縮が小さくて耐熱性を有し、優れたイオン伝導度及び電極との接着性を有するので、電池構成時に優れたサイクル特性を有し、かつ高エネルギー密度及び高容量を有する電池の製造を可能にする耐熱性超極細繊維状分離膜を提供する。
【0026】
本発明による耐熱性超極細繊維状分離膜は、エレクトロスピニングなどの方法により製造され、融点が180℃以上であるか又は融点がない耐熱性高分子樹脂の超極細繊維相からなる。
【0027】
また、本発明の分離膜は、このような耐熱性高分子樹脂の超極細繊維相と共に、電解液で膨潤が起こる膨潤性高分子物質のエレクトロスピニングによる繊維相を含むこともできる。ここで、膨潤性高分子物質の繊維相は、超極細繊維状分離膜と電極との接着力を増大させ、超極細繊維状分離膜の電解液保液能力を増大させる役割を果たす。
【0028】
さらに、本発明の分離膜は、閉鎖機能を付与できるポリオレフィン系微細粒子が、前記耐熱性樹脂又は前記膨潤性高分子樹脂に分散していてもよい。
【0029】
本発明によれば、エレクトロスピニングは超極細繊維相を形成させる方法であり、エレクトロスピニングの代表的な原理は様々な文献に明示されているが(G. Taylor. Proc. Roy. Soc. London A, 313, 453(1969); J. Doshi and D. H. Reneker, K. Electrostatics, 35 151(1995))、図1に示すように、閾値電圧以上の高電圧電場下で低粘度の液体が極微細液滴としてスプレーされる現象である静電スプレー(electrostatic spray)とは異なり、十分な粘度を有する高分子溶液や溶融体に高電圧静電気力が与えられたときに極細繊維が形成され、これをエレクトロスピニングという。エレクトロスピニング装置は、高分子樹脂溶液を貯蔵するバレル1と、所定の速度で高分子溶液を吐出する定量ポンプ2と、高電圧発生器3が連結された紡糸ノズル4とを含む。定量ポンプから吐出される高分子溶液は、高電圧発生器により荷電された紡糸ノズルを通過して超極細繊維として放出され、所定の速度で移動するコンベア形態の接地された集電板上に多孔性超極細繊維6が蓄積される。このような高分子溶液のエレクトロスピニングにより、数nm〜数千nmの大きさを有する超極細繊維の製造が可能であり、繊維の生成と同時に、3次元のネットワーク構造に融着して積層された多孔性ウェブの製造が可能である。この超極細繊維ウェブは、超薄膜、超軽量であり、既存の繊維に比べて体積に対する表面積の比が非常に大きく、高い気孔率を有する(図2参照)。
【0030】
本発明における超極細繊維相の形成は、前記エレクトロスピニングの概念を拡張した、通常のメルトブローン紡糸やフラッシュ紡糸過程などの変形であって、高電圧電場とエアー噴射により超極細繊維を製造する方法も可能である。例えば、エレクトロブローイング法も可能である。従って、本発明におけるエレクトロスピニングはこのような全ての方法を含む。
【0031】
引用特許においては、有機溶剤に溶解させた耐熱性高分子樹脂溶液をポリオレフィン隔離膜に塗工し、エアギャップ工程を経て、塗工された膜を水又は有機溶剤水溶液の凝固液に浸漬し凝固させ、水洗、乾燥することにより、耐熱性高分子層及び多孔構造を形成させている。従って、ポリオレフィン膜の気孔構造が耐熱性高分子樹脂により閉塞されてイオン伝導度が低くなり、耐熱性高分子層の気孔率及び気孔サイズの分布の制御が非常に難しく、溶媒抽出、水洗及び乾燥など、非常に複雑な工程を行う。
【0032】
しかし、本発明のエレクトロスピニング法による耐熱性超極細繊維層の形成は、超極細繊維形成過程で溶媒が蒸発し、気孔構造は蓄積された超極細繊維と繊維間の間隙により形成されるので、均一な気孔を得るために引用特許のように別途の溶媒抽出工程又は気孔形成工程を行う必要がない。
【0033】
リチウム二次電池は、電池を密閉した後に最初に充電するとき、電池の内部で多くのガスが発生する。このようなガス発生は、電極と高分子電解質層との間での気泡の発生を引き起こし、接触不良による電池性能の急激な低下を招く。引用特許などにおけるコーティングされた耐熱性多孔層においては、このようなガス発生により電池性能の低下が起こることがあるが、本発明における耐熱性超極細繊維層においては、ガス発生による問題が生じない。
【0034】
本発明で使用される耐熱性高分子樹脂は、温度が継続して上昇しても分離膜が溶融により崩壊しないように、融点180℃以上の耐熱性樹脂である。例えば、耐熱性高分子超極細繊維層を構成する耐熱性高分子樹脂は、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリ(メタ−フェニレンイソフタルアミド)、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの芳香族ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリジフェノキシホスファゼン、ポリ{ビス[2−(2−メトキシエトキシ)ホスファゼン]}などのポリホスファゼン類、ポリウレタン及びポリエーテルウレタンを含むポリウレタン共重合体、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートなどのように、融点が180℃以上であるか又は融点がない樹脂である。融点がない樹脂とは、180℃以上に温度が上昇しても溶解する過程を経ることなく焦げてしまう樹脂をいう。本発明で使用される耐熱性高分子樹脂は、エレクトロスピニングなどの超極細繊維化のために有機溶媒に溶解することが好ましい。
【0035】
本発明による耐熱性超極細繊維状分離膜は、耐熱性超極細繊維と共に、高分子超極細繊維と電極との接着力の増大と電解液保液能力の増大のために、電解液に対して膨潤特性を有する高分子樹脂の超極細繊維を含有することが好ましい。このような膨潤性高分子樹脂は、エレクトロスピニング法により超極細繊維に形成できるものであれば特に限定されないが、電解液で膨潤が起こる樹脂の例としては、ポリビニリデンフルオライド、ポリ(ビニリデンフルオライド−コ−ヘキサフルオロプロピレン)、ペルフルオロポリマー、ポリビニルクロライド若しくはポリビニリデンクロライド及びこれらの共重合体、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル及びポリエチレングリコールジアルキルエステルを含むポリエチレングリコール誘導体、ポリ(オキシメチレン−オリゴ−オキシエチレン)、ポリエチレンオキシド、及びポリプロピレンオキシドを含むポリオキシド、ポリビニルアセテート、ポリ(ビニルピロリドン−ビニルアセテート)、ポリスチレン及びポリスチレンアクリロニトリル共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリアクリロニトリルメチルメタクリレート共重合体を含むポリアクリロニトリル共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルメタクリレート共重合体、並びにこれらの混合物が挙げられる。しかし、本発明は、これらの樹脂に限定されるものではなく、電気化学的に安定で、有機電解液と親和力があり、電極との接着力に優れたものであれば如何なる高分子でも使用できる。本発明においては、ポリビニリデンフルオライドなどのフッ素樹脂が好ましく使用される。
【0036】
本発明による耐熱性超極細繊維状分離膜は、閉鎖機能を付与するためにポリオレフィン系微細粒子を含有することが好ましく、本発明で使用されるポリオレフィン系微細粒子は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、及びこれらの共重合体などを含むポリオレフィン系樹脂である。このような微細粒子は、閉鎖機能のために融点が100〜180℃であり、120〜150℃であることが好ましい。
【0037】
微細粒子の大きさは、耐熱性超極細繊維状分離膜の気孔より小さくなければならず、大きい場合は、気孔が閉塞されてイオン伝導を妨げる。また、ポリオレフィン粒子が大きすぎると、ポリオレフィン粒子が分散した高分子溶液のエレクトロスピニングが難しく超極細繊維相を形成することが困難である。従って、ポリオレフィン微細粒子の大きさは、0.05〜5μmであり、0.05〜3μmであることが好ましく、1μm以下であることがより好ましい。
【0038】
ポリオレフィン微細粒子の含量は、閉鎖機能を発現できる程度の量を使用することが好ましく、耐熱性超極細繊維状分離膜に対して1〜50g/mの範囲が適当である。
【0039】
本発明によれば、耐熱性超極細繊維状分離膜を構成する繊維の平均直径は、分離膜の気孔率及び気孔サイズの分布に非常に大きな影響を及ぼす。繊維の直径が小さいほど、気孔サイズが小さくなり、気孔サイズの分布も小さくなる。また、繊維の直径が小さいほど、繊維の比表面積が大きくなり、電解液保液能力が大きくなるので、電解液が漏液する可能性が低くなる。従って、本発明において、耐熱性超極細繊維状分離膜を構成する繊維の直径は、1〜3000nmの範囲であり、1〜1000nmの範囲であることが好ましく、50〜800nmの範囲であることがより好ましい。
【0040】
また、耐熱性超極細繊維状分離膜の気孔サイズは、1〜5000nmであり、1〜3000nmであることが好ましく、1〜1000nmに維持することが、電解液が漏液しないように優れた電解液保液能力を有するのでより好ましい。
【0041】
耐熱性超極細繊維状分離膜の気孔率は、30〜95%であり、40〜90%に維持することが好ましい。気孔率が30%未満であるとイオン伝導度が低くなり、80%を超えると分離膜の機械的特性が悪くなる。
【0042】
本発明による耐熱性超極細繊維状分離膜の厚さは、5〜200μmであり、5〜100μmであることが好ましく、5〜30μmであることがより好ましい。
【0043】
本発明によれば、耐熱性超極細繊維状分離膜を構成する耐熱性超極細繊維相と電解液に対して膨潤特性を有する高分子樹脂の超極細繊維相とは、混在して分離膜を形成することもできるが、耐熱性超極細繊維層と電解液に対して膨潤特性を有する高分子樹脂の超極細繊維層とが交互に積層されて分離膜を形成することもできる。
【0044】
本発明によれば、耐熱性超極細繊維状分離膜を構成する、電解液に対して膨潤特性を有する高分子樹脂の超極細繊維相の含量は、分離膜の高分子成分に対して0〜95重量%である。
【0045】
本発明によれば、機械的特性、イオン伝導度、及び電気化学的特性を向上させるために、耐熱性超極細繊維状分離膜、すなわち耐熱性高分子樹脂若しくは電解液に対して膨潤特性を有する高分子樹脂、又はこれらの両方に無機添加剤を含有させてもよい。本発明で使用可能な無機添加剤の例としては、TiO、BaTiO、LiO、LiF、LiOH、LiN、BaO、NaO、LiCO、CaCO、LiAlO、SiO、Al、PTFE、及びこれらの混合物が挙げられ、その含量は、通常、超極細繊維層を構成する高分子に対して1〜95重量%であり、5〜50重量%であることが好ましい。特に、陰極と電解液間の分解反応による電池温度の上昇及びガス発生を伴う化学反応を抑制するために、SiOを含むガラス成分が好ましい。
【0046】
本発明による耐熱性超極細繊維状分離膜は、図1に示すように、超極細繊維間の結着力をより増大させ、分離膜の気孔率及び厚さを調節するために、特定温度以下で加圧ラミネートするか、又は図3に示すように、陽極と陰極との間に分離膜を挟んで特定温度以下で加圧ラミネートする。ここで、ラミネート温度は、室温〜180℃であり、室温〜150℃であることが好ましく、室温〜120℃であることがより好ましい。
【0047】
本発明による耐熱性超極細繊維状分離膜は、機械的特性を増大させるために、超極細繊維を構成する高分子の融点とガラス転移温度との間で維持して結晶化を増大させてもよく、熱延伸を行ってもよい。熱延伸は、前記ラミネート工程の前に行ってもよく、前記ラミネート工程で同時に行ってもよい。
【0048】
本発明の他の態様による二次電池は、陽極活物質を含有する陽極と陰極活物質を含有する陰極との間に、本発明による耐熱性超極細繊維状分離膜を挟んでラミネートし、その後有機電解液又は高分子電解質を注入することにより製造される。陽極活物質は、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物、ニッケルマンガン複合酸化物、フォスフェイト化合物などであり、陰極活物質は、リチウム二次電池などの非水系電解質電池として使用できれば特に限定されない。その例としては、黒鉛やコークスなどの炭素材料、スズ酸化物、金属リチウム、二酸化ケイ素、酸化チタン化合物、及びこれらの混合物がある。
【0049】
有機電解液又は高分子電解質中に含有されるリチウム塩の種類は特に限定されず、リチウム二次電池分野において通常使用されるリチウム塩であれば如何なるものでも可能であり、その例としては、LiPF、LiClO、LiAsF、LiBF、LiCFSO、LiN(SOCF、LiN(SO、LiPF6−x(C2n+1(1<x<6、N=1又は2)のいずれか1つ又は2つ以上の混合物があり、そのうちLiPFがより好ましい。リチウム塩の濃度は、0.5〜3.0Mであるが、主に1Mの有機電解液が使用される。
【0050】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。しかしながら、以下の実施例は本発明の例示にすぎず、本発明の範囲がこれに限定されるものではない。
【0051】
実施例1−1
エレクトロスピニングにより耐熱性高分子超極細繊維を製造するために、10gのポリ(メタ−フェニレンイソフタルアミド)(Aldrich)と5gのポリ(ビニリデンフルオライド−コ−ヘキサフルオロプロピレン)共重合体(Kynar 2801)を85gのジメチルアセトアミド(DMAc)に添加して常温で攪拌することにより、耐熱性高分子樹脂溶液を得た。さらに、その耐熱性高分子樹脂混合溶液を図1に示すようなエレクトロスピニング装置のバレルに投入し、定量ポンプを使用して高分子溶液を150μl/minの速度で吐出した。ここで、高電圧発生器を使用して紡糸ノズル4に17kVの荷電を付与し、厚さ40μmのポリ(メタ−フェニレンイソフタルアミド)とポリ(ビニリデンフルオライド−コ−ヘキサフルオロプロピレン)とが混合した超極細繊維ウェブを製造した。すなわち、この分離膜を形成する繊維は、耐熱性高分子物質の繊維相と膨潤性高分子物質の繊維相とを含む。
このようにして製造されたポリ(メタ−フェニレンイソフタルアミド)とポリ(ビニリデンフルオライド−コ−ヘキサフルオロプロピレン)とが混合した超極細繊維ウェブを100℃で加圧ラミネートして、厚さ20μmの耐熱性超極細繊維状分離膜を製造した。この分離膜の見掛け気孔率、電解液吸収率(%)、120℃及び150℃での収縮率を表1に示す。
【0052】
実施例1−2
エレクトロスピニングにより耐熱性高分子超極細繊維を製造するために、15gのポリ(メタ−フェニレンイソフタルアミド)(Aldrich)を85gのジメチルアセトアミド(DMAc)に添加して常温で攪拌することにより、耐熱性高分子樹脂混合溶液を製造した。また、95gのジメチルアセトアミド(DMAc)に5gのポリ(ビニリデンフルオライド)[Kynar 761]を溶解した溶液に軟化点が132℃であるポリエチレン微細粉末(0.1μm)を10g分散させて分散液を製造した。2つの高分子溶液をそれぞれ同じ吐出速度で別途の紡糸ノズルからエレクトロスピニングすることにより、ポリ(メタ−フェニレンイソフタルアミド)超極細繊維相とポリ(ビニリデンフルオライド)/ポリエチレン超極細繊維相とが混在する厚さ40μmのウェブを製造した。すなわち、この分離膜は2つの繊維を含むが、一方は耐熱性高分子物質の繊維相を含む繊維であり、他方は膨潤性高分子物質及びポリオレフィン系微細粒子の繊維相を含む繊維である。
製造されたウェブを120℃で加圧ラミネートして、厚さ20μmの耐熱性超極細繊維状分離膜を製造した。この分離膜の見掛け気孔率、電解液吸収率(%)、120℃及び150℃での収縮率を表1に示す。
【0053】
実施例1−3
実施例1−2と同様の方法で、ポリ(メタ−フェニレンイソフタルアミド)超極細繊維相とポリ(ビニリデンフルオライド)/ポリエチレン超極細繊維相とが混在する厚さ60μmのウェブを製造し、これを125℃で加圧ラミネートして、厚さ20μmの耐熱性超極細繊維状分離膜を製造した。この分離膜の見掛け気孔率、電解液吸収率(%)、120℃及び150℃での収縮率を表1に示す。
【0054】
実施例1−4
軟化点が132℃であるポリエチレン微細粉末(0.1μm)を使用する代わりに、軟化点が148℃であるポリプロピレン微細粉末(0.2μm)を使用したことを除いては、実施例1−2と同様の方法で、ポリ(メタ−フェニレンイソフタルアミド)超極細繊維相とポリ(ビニリデンフルオライド)/ポリプロピレン超極細繊維相とが混在する厚さ45μmの超極細繊維状ウェブを製造し、これを140℃で加圧ラミネートして、厚さ20μmの耐熱性超極細繊維状分離膜を製造した。この分離膜の見掛け気孔率、電解液吸収率(%)、120℃及び150℃での収縮率を表1に示す。
【0055】
実施例1−5
実施例1で製造された耐熱性分離膜を、図3に示すように陽極と陰極との間に挟み、約80℃に予熱されたローラを使用して加熱圧着するラミネート工程を行い、これを1MのLiPFEC/DMC/DEC(1/1/1)溶液に含浸して電解液を注入した後、アルミニウムプラスチックパウチで真空密封することにより、リチウム二次電池を製造し、使用前に約50℃で保存して熟成させた。室温で200サイクル充放電した後に維持する電池の容量を表1に示す。
【0056】
比較例1
7.5gのポリ(メタ−フェニレンイソフタルアミド)(Aldrich)と7.5gのポリ(ビニリデンフルオライド−コ−ヘキサフルオロプロピレン)共重合体(Kynar 2801)を85gのジメチルアセトアミド(DMAc)に添加して常温で攪拌することにより、透明な耐熱性高分子樹脂溶液を得た。その耐熱性高分子樹脂溶液に厚さ21μm、気孔率43%のポリエチレン多孔膜(Celgard 2730)を含浸させて、両面にそれぞれコーティング厚さが5μmであるコーティング膜を製造した後、ジメチルアセトアミドと水の混合凝固液(1:1)に浸漬し、水洗及び乾燥した。この分離膜の見掛け気孔率、電解液吸収率(%)、120℃及び150℃での収縮率、並びにこの分離膜から製造した電池を室温で200サイクル充放電した後に維持する容量を表1に示す。
【表1】

【0057】
実施例2−1
エレクトロスピニングにより耐熱性高分子超極細繊維を製造するために、80gのジメチルアセトアミド(DMAc)とテトラヒドロフランの混合液(7:3)に10gのポリイミド(Matrimid 5218、Ciba Specialty Co.)と10gのポリ(ビニリデンフルオライド−コ−ヘキサフルオロプロピレン)共重合体(Kynar 2801)を溶解した溶液を使用したことを除いては、実施例1−1と同様の方法で、厚さ50μmのポリイミド/ポリ(ビニリデンフルオライド−コ−ヘキサフルオロプロピレン)超極細繊維ウェブを製造し、これを120℃で加圧ラミネートして、厚さ20μmの耐熱性超極細繊維状分離膜を製造した。この分離膜の見掛け気孔率、電解液吸収率(%)、120℃及び150℃での収縮率、並びにこの分離膜から製造した電池を室温で200サイクル充放電した後に維持する容量を表2に示す。
【0058】
実施例2−2
ポリ(メタ−フェニレンイソフタルアミド)の代わりにポリイミド(Matrimid 5218、Ciba Specialty Co.)を使用したことを除いては、実施例1−2と同様の方法で、ポリイミド超極細繊維相とポリ(ビニリデンフルオライド−コ−ヘキサフルオロプロピレン)/ポリエチレン超極細繊維相とが混在する厚さ60μmのウェブを製造した。製造されたウェブを120℃で加圧ラミネートして、厚さ20μmの耐熱性超極細繊維状分離膜を製造した。この分離膜の見掛け気孔率、電解液吸収率(%)、120℃及び150℃での収縮率、並びにこの分離膜から製造した電池を室温で200サイクル充放電した後に維持する容量を表2に示す。
【0059】
実施例2−3
エレクトロスピニングにより耐熱性高分子超極細繊維を製造するために、90gのトリフルオロ酢酸とメチレンクロライドの混合液(1:1)に10gのポリトリメチレンテレフタレート(PTT、固有粘度0.92、Shell Co.)を溶解した溶液を使用したことを除いては、実施例1−2と同様の方法で、ポリトリメチレンテレフタレート超極細繊維とポリ(ビニリデンフルオライド−コ−ヘキサフルオロプロピレン)/ポリエチレン超極細繊維相とが混在する厚さ40μmのウェブを製造した。製造されたウェブを120℃でラミネートして、厚さ20μmの耐熱性超極細繊維状分離膜を製造した。この分離膜の見掛け気孔率、電解液吸収率(%)、120℃及び150℃での収縮率、並びにこの分離膜から製造した電池を室温で200サイクル充放電した後に維持する容量を表2に示す。
【0060】
実施例2−4
エレクトロスピニングにより耐熱性高分子超極細繊維を製造するために、85gのジメチルアセトアミド(DMAc)とアセトンの混合液(7:3)に15gのポリウレタン(Pelletan2 2363−80AE、Dow Chemical Co.)を溶解した溶液を使用したことを除いては、実施例1−2と同様の方法で、ポリウレタン超極細繊維とポリ(ビニリデンフルオライド−コ−ヘキサフルオロプロピレン)/ポリエチレン超極細繊維相とが混在する厚さ40μmのウェブを製造した。製造されたウェブを120℃でラミネートして、厚さ20μmの耐熱性超極細繊維状分離膜を製造した。この分離膜の見掛け気孔率、電解液吸収率(%)、120℃及び150℃での収縮率、並びにこの分離膜から製造した電池を室温で200サイクル充放電した後に維持する容量を表2に示す。
【表2】

【0061】
気孔率評価
耐熱性超極細繊維層の気孔率評価においては、下記式により見掛け気孔率(%)を評価した。
P(%)={1−(ρM/ρP)}×100%
(P:見掛け気孔率、ρM:耐熱性繊維層の密度、ρP:耐熱性高分子の密度)
【0062】
電解液吸収率測定方法
実施例1−1で製造した耐熱性超極細繊維状分離膜3cm×3cmを室温で約2時間1MのLiPFEC/DMC/DEC(1/1/1)電解質溶液に浸漬した後、表面についた過量の電解液を濾過紙で除去し、重量を測定して電解液吸収率を決定した。
【0063】
熱収縮測定
実施例1−1で製造した耐熱性超極細繊維状分離膜5cm×2cmを2枚のスライドガラス間に入れてクリップで留め、120℃及び150℃でそれぞれ10分放置した後、収縮率を計算した。
【0064】
分離膜の熱的挙動
耐熱性ポリオレフィン多孔膜の熱的挙動、すなわち閉鎖機能や短絡温度などの調査は、DSC−7(Perkin−Elmer Co.)を使用して窒素ガス雰囲気下で10℃/分の速度で測定した。
【0065】
電極の製造
上記の実施例及び比較例においては、陽極として、PVdFバインダ、スーパーPカーボン、LiCoO(Japan Chemical社製)から構成されたスラリーをアルミニウムホイールにキャスティングしたものを使用し、陰極として、MCMB(Osaka Gas社製)、PVdF、スーパーPカーボンから構成されたスラリーを銅ホイールにキャスティングしたものを使用した。この電極の理論容量は145mAh/gであった。しかしながら、本発明によるリチウム二次電池に含まれる陽極及び陰極が前記のような構成を有するものに限定されるものではなく、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者に明らかにされた陽極及び陰極を使用して本発明によるリチウム二次電池を構成することができる。一方、前記陽極及び陰極において、スラリーをそれぞれキャスティングした後、粒子間及び金属ホイールとの接着力を増大させるために、ロールプレスにより電極の厚さが約50μmになるようにした。
【0066】
充放電特性評価
充放電特性評価において、電池の充電は、0.68mA/cm(0.2C)の電流密度、4.2Vの固定電流及び固定電圧の充電条件で行い、放電は、3.4mA/cm(1C)で2.75Vまで放電させた。充放電サイクル試験においては、室温で200サイクル後に維持する容量%を評価した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
融点が180℃以上であるか又は融点がない耐熱性高分子物質のエレクトロスピニングによる繊維相と、
電解液で膨潤が起こる膨潤性高分子物質のエレクトロスピニングによる繊維相と
を含むことを特徴とする耐熱性超極細繊維状分離膜。
【請求項2】
前記耐熱性高分子物質が、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリ(メタ−フェニレンイソフタルアミド)、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの芳香族ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリジフェノキシホスファゼン、ポリ{ビス[2−(2−メトキシエトキシ)ホスファゼン]}などのポリホスファゼン類、ポリウレタン及びポリエーテルウレタンを含むポリウレタン共重合体、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートから選択されたいずれか1つ、又はこれらの組み合わせを含むことを特徴とする請求項1に記載の耐熱性超極細繊維状分離膜。
【請求項3】
前記分離膜が、前記耐熱性高分子物質の繊維相と前記膨潤性高分子物質の繊維相とを含む繊維を含むことを特徴とする請求項1に記載の耐熱性超極細繊維状分離膜。
【請求項4】
前記分離膜が、前記耐熱性高分子物質の繊維相を含む繊維と前記膨潤性高分子物質の繊維相を含む繊維とを含むことを特徴とする請求項1に記載の耐熱性超極細繊維状分離膜。
【請求項5】
前記膨潤性高分子物質の繊維相の含量が、前記分離膜の高分子成分に対して0〜95重量%であることを特徴とする請求項1に記載の耐熱性超極細繊維状分離膜。
【請求項6】
前記膨潤性高分子物質が、ポリビニリデンフルオライド、ポリ(ビニリデンフルオライド−コ−ヘキサフルオロプロピレン)、ペルフルオロポリマー、ポリビニルクロライド若しくはポリビニリデンクロライド及びこれらの共重合体、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル及びポリエチレングリコールジアルキルエステルを含むポリエチレングリコール誘導体、ポリ(オキシメチレン−オリゴ−オキシエチレン)、ポリエチレンオキシド、及びポリプロピレンオキシドを含むポリオキシド、ポリビニルアセテート、ポリ(ビニルピロリドン−ビニルアセテート)、ポリスチレン及びポリスチレンアクリロニトリル共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリアクリロニトリルメチルメタクリレート共重合体を含むポリアクリロニトリル共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルメタクリレート共重合体から選択されたいずれか1つ、又はこれらの組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載の耐熱性超極細繊維状分離膜。
【請求項7】
前記エレクトロスピニングが、エレクトロブローイング、メルトブローン、又はフラッシュ紡糸を含むことを特徴とする請求項1に記載の耐熱性超極細繊維状分離膜。
【請求項8】
前記分離膜が、ポリオレフィン系微細粒子をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の耐熱性超極細繊維状分離膜。
【請求項9】
前記微細粒子の融点が、100〜180℃の範囲内であることを特徴とする請求項8に記載の耐熱性超極細繊維状分離膜。
【請求項10】
前記微細粒子の大きさが、0.05〜5μmの範囲内であることを特徴とする請求項8に記載の耐熱性超極細繊維状分離膜。
【請求項11】
前記微細粒子の含量が、前記分離膜に対して1〜50g/mの範囲内であることを特徴とする請求項8に記載の耐熱性超極細繊維状分離膜。
【請求項12】
前記分離膜を構成する繊維相の平均直径が、1〜3000nmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の耐熱性超極細繊維状分離膜。
【請求項13】
前記分離膜の気孔率が、30〜80%の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の耐熱性超極細繊維状分離膜。
【請求項14】
前記分離膜の厚さが、5〜200μmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の耐熱性超極細繊維状分離膜。
【請求項15】
前記分離膜が、無機添加剤をさらに含み、
前記無機添加剤が、TiO、BaTiO、LiO、LiF、LiOH、LiN、BaO、NaO、LiCO、CaCO、LiAlO、SiO、Alから選択されたいずれか1つ、又はこれらの混合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の耐熱性超極細繊維状分離膜。
【請求項16】
異なる2つの電極と、
前記2つの電極間に介在する請求項1に記載の耐熱性超極細繊維状分離膜と、
電解質と
を含むことを特徴とする二次電池。
【請求項17】
前記分離膜が、前記2つの電極の少なくとも一方の電極に結合されていることを特徴とする請求項16に記載の二次電池。
【請求項18】
融点が180℃以上であるか又は融点がない耐熱性高分子物質、及び電解液で膨潤が起こる膨潤性高分子物質を含有する混合溶液をエレクトロスピニングして、耐熱性高分子超極細繊維相と膨潤性高分子超極細繊維相とを含む超極細繊維ウェブを形成する段階と、
前記超極細繊維ウェブを熱的に加圧ラミネートする段階と
を含むことを特徴とする耐熱性超極細繊維状分離膜の製造方法。
【請求項19】
融点が180℃以上であるか又は融点がない耐熱性高分子物質を含有する溶液、及び電解液で膨潤が起こる膨潤性高分子物質を含有する溶液を別途にエレクトロスピニングして、耐熱性高分子超極細繊維相を含む耐熱性高分子超極細繊維と膨潤性高分子超極細繊維相を含む膨潤性高分子超極細繊維とを含む超極細繊維ウェブを形成する段階と、
前記超極細繊維ウェブを熱的に加圧ラミネートする段階と
を含むことを特徴とする耐熱性超極細繊維状分離膜の製造方法。
【請求項20】
前記熱的に加圧ラミネートする前又はした後に、前記超極細繊維ウェブを熱延伸することを特徴とする請求項18又は19に記載の耐熱性超極細繊維状分離膜の製造方法。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−500717(P2010−500717A)
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−523698(P2009−523698)
【出願日】平成18年12月8日(2006.12.8)
【国際出願番号】PCT/KR2006/005364
【国際公開番号】WO2008/018656
【国際公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(399101854)コリア インスティテュート オブ サイエンス アンド テクノロジー (68)
【Fターム(参考)】