説明

耐燃料性に優れたポリオキシメチレン組成物とそれからの成形品

ポリオキシメチレン重合体と、マグネシウムステアレート及び酸化防止剤を含む耐燃料性に優れたポリオキシメチレン組成物が開示される。また、それから製造された成形品が提供される。該成形品は自動車の燃料供給システム及び循環システムに好適である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐燃料性に優れたポリオキシメチレン組成物とこれから製造された自動車の燃料供給システム成形品及び循環システム成形品に関する。
【0002】
より詳細に本発明は、マグネシウムステアレートを含む耐燃料性ポリオキシメチレン組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
世界の自動車市場は、持続的な軽量化及び一体化の推進によって燃料関連部品に適用される素材を金属からプラスチックへと代替している趨勢にあり、適用プラスチックに対して要求される物性もまた漸次厳しくなりつつある。
【0004】
自動車燃料関連部品は、駆動条件によって、ポリオキシメチレン(Polyoxymethylene;以下‘POM’と称する)、ポリアミド6、ポリアミド12、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルフィド、高密度ポリエチレン等が使用されている。
【0005】
ポリオキシメチレンは結晶性樹脂として、機械的特性、耐クリープ性、耐疲労性、耐摩擦摩耗性及び耐薬品性が優秀で、各種電気及び電子製品や、自動車部品及びその他の機械メカニズム等のように複合的な物性が要求される部品に広く使用されている。
【0006】
特に、自動車産業の発展に伴い自動車に適用されているPOMの使用量は増加する趨勢にあり、その中でも燃料システムの使用量は増加する一方である。
【0007】
一般的にPOMが適用されるガソリン自動車燃料システムの駆動温度は最大65℃であり、POMはこのような使用温度を充足させる材料である。
【0008】
しかし、最近開発されているディーゼルエンジン自動車の場合には、燃料部品の最大温度が100℃〜120℃で、これは従来に要求される温度に比べ著しく増大されたものである。したがって、POMで製造される自動車用部材もまた、上記増大された要求を充足させるべきである。さらに、ディーゼル燃料は高温で老化され、POMを分解させることが知られている。
【0009】
特に、ディーゼル燃料中に存在する硫化合物は空気と接触すると酸化され、酸性の硫化合物が生成され、このような化合物はPOMに対する分解作用を引き起こす。
【0010】
また、攻撃的なガソリン燃料(Aggressive Fuel)においても酸化物が生成されることによりPOMの分解を誘発させ燃料システムの耐久性が著しく衰えてしまう。
【0011】
したがって、燃料と直接接触される部品に適用される材料は、上記増大された機械的物性及び耐燃料耐久性が充足される材料が要求される。
【0012】
米国特許第6,489,388号には、上記ポリオキシメチレンを用いた耐燃料性組成物として亜鉛酸化物とポリエチレングリコール(Polyethylene glycol)を含む熱可焼性成形組成物が開示されている。しかし、上記亜鉛酸化物及びポリエチレングリコールを含む組成物の耐燃料性(耐ディーゼル性)の結果をみると引張伸率の維持率が40〜50%の水準で耐燃料耐久性の改善効果が大きくない。
【0013】
したがって、漸次強化されている自動車製造社の要求品質を満足させるためには、より改善された耐燃料性POM組成物が要求される。
【発明の開示】
【0014】
本発明の目的は、攻撃的なガソリン燃料(Aggressive Fuel)及び硫化合物の含量が高いディーゼル等に対する耐燃料性が優れたPOM組成物を提供することにある。
【0015】
本発明のまた異なる目的は、上記POM組成物から製造された耐燃料耐久性が優れた自動車の燃料供給成形品及び循環システム成形品を提供することにある。
【0016】
本発明によると、
ポリオキシメチレン重合体(A)100重量部と、
マグネシウムステアレート(B)0.1〜2.0重量部、及び
酸化防止剤(C)0.01〜1.0重量部と、
を含む耐燃料性に優れたPOM組成物が提供される。
【0017】
また、本発明では上記組成物に熱安定剤(D)0.01〜2.0重量部をさらに含むことが出来る。さらに本発明では、上記(A)、(B)及び(C)の組成物または上記(A)、(B)、(C)及び(D)の組成物に強化剤(E)を50重量部以下でさらに含むことが出来る。
【0018】
また、本発明では、成形品として上記POM組成物から製造され、高い燃料耐久性が要求される自動車の燃料供給システム及び燃料循環システムに好適な成形品が提供される。
【0019】
マグネシウムステアレートが添加された本発明のPOM組成物は、燃料と接触する場合にも引張強度、引張伸率、重量及び寸法が安定して、耐燃料耐久性が大幅向上されたことが分かる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に対してより詳細に説明する。
本発明によって、ポリオキシメチレン樹脂にマグネシウムステアレート無機制酸剤が添加される場合、ポリオキシメチレン樹脂組成物(以下、‘POM組成物’と称する)は増大された耐燃料性を示す。
【0021】
即ち、本発明のPOM組成物は、攻撃的なガソリン燃料(Aggressive Fuel)及び硫化合物が多量含まれた高温ディーゼルにおいてもPOMの分解が誘発されず、引張強度及び引張伸率が優れた耐燃料性を示す。ここで、攻撃的なガソリン燃料(Aggressive Fuel)とは、POMの分解を誘発させることが出来る各種化合物が含まれたガソリンを言う。
【0022】
本発明の耐燃料性POM組成物に主成分として使用されるポリオキシメチレン重合体(A)は、下記式1で表示されるオキシメチレン単位体の単一重合体或いは下記式1の単位体と下記式2の単位体がランダムに結合された共重合体であることが出来る。ポリオキシメチレン重合体(A)は、好ましく10,000乃至200,000g/mol範囲の分子量を有する。
【0023】
【化1】

【0024】
【化2】

【0025】
上記式2において、X及びXは相互に同一か異なり、水素、アルキル基またはアリール基からなる群から選択され、xは2乃至6の整数である。
【0026】
また、上記オキシメチレン単一重合体は、ホルムアルデヒドまたはこれの環状オリゴマー、即ちトリオキサンを重合して製造することができ、上記式1の単位体と式2の単位体が結合されたオキシメチレン共重合体は、ホルムアルデヒドまたはこれの環状オリゴマーと下記式3で表示される環状エーテルまたは下記式4で表示される環状ホルマールをランダム共重合させることによって得られる。
【0027】
【化3】

【0028】
【化4】

【0029】
上記式3及び4において、X、X、X及びXは相互に同一か異なり、水素またはアルキル基から選択されることができ、同一の炭素原子に結合されたり異なる炭素原子に結合されることができ、n及びmは各々2乃至6の整数である。
【0030】
上記ランダム共重合の時用いられる共重合単量体において、環状エーテルにはエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、フェニレンオキサイド等が挙げられ、環状ホルマールには1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコールホルマール、1,3−プロパンジオールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマール、1,3−ジオキセパンホルマール、1,3,6−トリオキソカンなどが挙げられる。
【0031】
好ましくはエチレンオキサイド、1,3−ジオキソラン、1,4−ブタンジオールホルマール等の単量体から選択された1種または2種以上の単量体を使用する。これらの単量体を主単量体のトリオキサンまたはホルムアルデヒドに添加し、ルイス酸を触媒として使用しランダム共重合させることにより、150℃以上の融点を有し主鎖内に2個以上の結合炭素原子を有すオキシメチレン共重合体を形成する。
【0032】
上記オキシメチレン共重合体において、オキシメチレン反復単位に対するオキシメチレン結合構造の割合は0.05乃至50モル倍範囲、好ましくは0.1乃至20モル倍の範囲である。
【0033】
また、オキシメチレン重合体の重合反応に使用される重合触媒には、公知の陰イオン性触媒または陽イオン性触媒いずれも使用することが出来る。トリオキサンの重合化触媒には塩素、臭素、ヨードのようなハロゲンと、アルキルまたはアリルスルホン酸、HClO、HIO、HClOの誘導体、CPhC(IO)、RSiHSO等のような有機酸及び無機酸と、BF、SbF、SnCl、TiCl、FeCl、ZrCl、MoCl、SiF等の金属ハロゲン化合物と、BF・OH、BF・OEt、BF・OBu、BF・CHCOOH、BF・PF・HF、BF−10−ハイドロキシアセトフェノール、PhCSnCl、PhCBF、PhCSbCl等のような金属ハロゲン化物の錯体と、銅、亜鉛、カドミウム、鉄、コバルト、ニッケルのカルボキシレート化合物のような金属エステルと、P+SO、P+リン酸エステル等のような金属酸化物、及び有機金属と金属ハロゲン化合物を組み合わせた触媒などを言及することが出来るが、この中で三フッ化ホウ素の配位結合化合物を使用することが好ましい。好ましくはBF・OEt及びBF・OBuを使用することが良い。重合触媒の添加量はトリオキサン1モルに対して2×10−6乃至2×10−2モルの範囲が好ましい。
【0034】
上記重合は、塊状重合、懸濁重合または溶液重合の形態で遂行されることができ、反応温度は0乃至100℃の範囲、好ましくは20乃至80℃の範囲である。
【0035】
一方、重合後残存触媒を失活させるための失活剤には、一般的にトリエチルアミンのような3級アミン類、チオフェンのような環状の硫化合物、トリフェニルホスフィンのようなリン系化合物があるが、これらの共通的な特徴は非共有電子対を有しているルイス塩基物質として触媒と錯塩を形成することとなる。
【0036】
また、ポリオキシメチレンの重合反応時には鎖伝達剤(Chain Transferring Agent)として、アルキル置換フェノールやエーテル類を使用することができ、特に好ましくはジメトキシメタン等のようなアルキルエーテルを使用する。
【0037】
上記ポリオキシメチレン重合体100重量部当たり耐燃料性を改善するため無機制酸剤であるマグネシウムステアレート(B)が0.1〜2.0重量部、より好ましくは0.5〜2.0重量部で添加される。マグネシウムステアレートが0.1重量部より少ない量で添加されると充分な耐燃料性の増大効果が表れず、2.0重量部を超過して添加されるとPOM組成物の一般物性及び熱安定性が低下されるため好ましくない。
【0038】
本発明に使用される酸化防止剤(C)は、ヒンダードフェノール類、例えば2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ヘキサメチレングリコール−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)]メタン、トリエチレングリコール−ビス−3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチルー2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェノール)プロピオネート、1,6−ヘキサン−ジオール−ビス−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニル)プロピオネート、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス−(6−t−ブチル−3−メチル-フェノール)、ジ−ステアリル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスフェート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、3,9−ビス2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等、またはヒンダードアミン類、例えば4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シクロヘキシオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−フェノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル-4-ピペリジル)オキサレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アジペート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セパケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−ピペリジル)セパケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)テレフタレート、1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)エタン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレン−1,6−ジカルバメート、ビス(1−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アジペート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート等がある。
【0039】
この中でトリエチレングリコール−ビス−3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオネート、1,6−ヘキサン−ジオール−ビス−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニル)プロピオネート、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)]メタンを使用することが好ましく、トリエチレングリコール−ビス−3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオネートがさらに好ましい。
【0040】
酸化防止剤は、ポリオキシメチレン重合体100重量部当たり0.01乃至1.0重量部の量で使用され、好ましくは0.1乃至0.5重量部の範囲である。酸化防止剤の含量が0.01重量部未満であるとPOMの熱安定性が悪く、1.0重量部を超過すると、酸化防止剤の効果がそれ以上向上されない。
【0041】
本発明に使用される熱安定剤(D)には、ホルムアルデヒドと反応してポリオキシメチレン重合物の熱安定性を向上させる役割を遂行する含窒素系化合物、例えば6−フェニル−1,3,5−トリアジン−2,4−トリアミン(ベンゾグアナミン)、2,4,6−トリアミノ−1,3,5−トリアジン(メラミン)、カルボニルジアミド(ウレア)、ジシアンジアミド、イソフタルジヒドラジド(ヒドラジン)、またはアルコール系化合物、例えばポリエチレングリコール、エチレン−ビニルアルコールコポリマー、ソルビトール、ソルビタン等が好ましく、2,4,6−トリアミノ−1,3,5−トリアジン(メラミン)が特に好ましい。
【0042】
熱安定剤は、ポリオキシメチレン重合体100重量部当たり0.01乃至2.0重量部、好ましくは0.1乃至1.0重量部の範囲で使用することが出来る。熱安定剤の添加量が2.0重量部を超過すると収得した成形品の物性が低下する。
【0043】
必要に応じて、ガラス繊維(Glass Fiber)、炭素繊維(Carbon Fiber)、ウィスカー(Whisker)、カーボンブラック(Carbon Black)、黒鉛(Graphite)、硫化モリブデン(Molybdenum Disulfide)、炭酸カルシウム(Calcium Carbonate)及びタルカム(Talcum)で構成されるグループから選択された少なくとも一つ以上の強化剤(E)がPOM組成物100重量部当たり50重量部以下で使用されることが出来る。
【0044】
本発明のマグネシウムステアレートが添加されたPOM組成物は、燃料と長時間接触される場合にも機械的物性、重量及び寸法などが安定であるだけでなく、生産性が優秀である。そのため、本発明のPOM組成物は、自動車などの耐燃料性が要求される部品の製造に有用である。
【0045】
以下、例を通じて本発明に対してより詳細に説明する。但し、下記例で本発明を限定するのではない。
【0046】
例1−2及び比較例1−6本例及び比較例は、無機制酸剤の種類によるPOM組成物の物性に対して評価した。
【0047】
1.POM組成物の製造
POMとしてKEPITAL F25−03H(韓国エンジニアリングプラスチック製)、酸化防止剤として1010(songnox ソンウォン産業:テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)]メタン)0.2phr、熱安定剤としてメラミン(Melamine 三星精密化学)0.1phr、そして無機制酸剤として下記表1に示した各種物質1.0phrを配合した後、170〜230℃で押出加工してPOM組成物をペレット化した。そして、各POM組成物を170〜210℃の温度で射出成形してサンプルを製作し、これを下記例1及び比較例1−6のPOM組成物で表示した。また上記例1において熱安定剤を使用しないことを除いては同一にサンプルを製作して下記表2に例2として表示した。
【0048】
【表1】

【0049】
2.物性評価
製作された例1−2及び比較例1−6の各サンプルに対する引張強度、引張伸率、重量変化、寸法変化を測定して各組成物の耐燃料性を評価し、結果は下記表2に表した。
【0050】
上記製造された各サンプルを高温高圧用の容器を用いてディーゼル(硫重量1%含有)に浸漬させ100℃で各々0h、500h、1,000h経過されたサンプルの引張強度、引張伸率、重量変化及び寸法変化に対して評価した。
【0051】
(引張強度及び引張伸率)
UTM(万能材料試験機)を使用して試験速度5mm/min、ゲージ長さ115mmにして引張強度及び引張伸率を評価した。
【0052】
(重量変化)
浸漬試験サンプルの表面を拭いた後、5分以内に化学天秤(Chemical Ba
lance)で引張試験サンプル各々の重量を測定した。
【0053】
(寸法変化)
浸漬試験サンプルの表面を拭いた後、5分以内にバーニアカリパスを使用して試験サンプルの寸法を測定した。
【0054】
【表2】

−ZnO:ジンクオキサイド、−Zn−St:ジンクステアレート、
−CaO:カルシウムオキサイド、−Ca−St:カルシウムステアレート、
−MgO:マグネシウムオキサイド、−Mg−St:マグネシウムステアレート
【0055】
上記表2から分かるように、無機制酸剤によって引張強度及び引張伸率の維持率に差があり、マグネシウムステアレートが添加されたPOM組成物の耐燃料性(耐ディーゼル)が優れていることが分かる。
【0056】
例3
本例は、上記例1のPOM組成物にガラス繊維を25重量部強化したPOM組成物を製造して上述の通り物性に対して評価し次の表3に表した。
【0057】
比較例7
本比較例は、上記比較例1のPOM組成にガラス繊維を25重量部強化したPOM組成物を製造して上述の通り物性に対して評価し次の表3に表した。
【0058】
【表3】

【0059】
上記表3から分かるように、ガラス繊維が強化されたPOM組成物の場合にもマグネシウムステアレートが添加された場合が耐ディーゼル性(耐燃料性)が優れていることが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオキシメチレン重合体(A)100重量部と、
マグネシウムステアレート(B)0.1〜2.0重量部、及び
酸化防止剤(C)0.01〜1.0重量部と、
を含む耐燃料性に優れたポリオキシメチレン組成物。
【請求項2】
熱安定剤(D)0.01〜2.0重量部がさらに含まれることを特徴とする請求項1に記載のPOM組成物。
【請求項3】
強化剤(E)が50重量部以下でさらに含まれることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のポリオキシメチレン組成物。
【請求項4】
請求項1または請求項2のポリオキシメチレン組成物から製造された成形品。
【請求項5】
請求項3のポリオキシメチレン組成物から製造された成形品。

【公表番号】特表2007−515539(P2007−515539A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−546815(P2006−546815)
【出願日】平成16年12月17日(2004.12.17)
【国際出願番号】PCT/KR2004/003333
【国際公開番号】WO2005/061618
【国際公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(501191557)コリア・エンジニアリング・プラスチックス・カンパニー・リミテッド (2)
【Fターム(参考)】